(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】電動工具
(51)【国際特許分類】
B25F 5/02 20060101AFI20220627BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20220627BHJP
B23D 45/16 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
B25F5/02
B25F5/00 G
B23D45/16
(21)【出願番号】P 2018033180
(22)【出願日】2018-02-27
【審査請求日】2020-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 敦
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-101622(JP,A)
【文献】特開2002-346953(JP,A)
【文献】特開2007-021997(JP,A)
【文献】特開2017-213618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/02
B25F 5/00
B23D 45/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータと、前記電動モータを冷却する遠心ファンと、前記遠心ファンによって起こされた風をガイドするファンガイドと、電気部品を収容可能な収容部を有するハウジングと、を備え、
前記ファンガイドには、前記ハウジングの前記収容部に収容されている前記電気部品の浮き上がりを防止する蓋部が形成されており、
前記蓋部の出力側の表面には、前記ハウジングの前記収容部に収容されている電気部品の一部を搭載可能な搭載部が形成されており、
前記蓋部の出力側の表面は、前記電動モータの出力軸に対して直交するように形成されており、
前記搭載部は、前記ハウジングの前記収容部に収容されている電気部品の一部を前記蓋部の出力側の表面に沿わせた状態で保持可能な第1リブ体から構成されている電動工具。
【請求項2】
請求項1に記載の電動工具であって、
前記電動モータを収容するモータハウジングを備えており、
前記ファンガイドは、前記モータハウジングに圧入されている電動工具。
【請求項3】
請求項2に記載の電動工具であって、
前記ファンガイドには、円筒部を備えており、
前記円筒部の外周面には、前記ハウジングの前記収容部に収容されている電気部品の一部とは異なる電気部品の一部を前記第1リブ体との間で保持可能な第2リブ体が形成されている電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動工具に関し、詳しくは、電気部品を収容可能な収容部を有するハウジングを備えた電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯用マルノコ等の電動工具のモータハウジングには、遠心ファンの風上側の通風面積を狭めて風速を高めるためのファンガイドが収容されている。ここで、下記特許文献1には、
図14に示すように、電気部品(例えば、コントローラ124、リード線、接続端子等(いずれも図示しない))を収容可能なコントローラケース部の収容部133の開口を塞ぎ可能な蓋部163を有するバッフルプレート(本発明で言う、ファンガイド)160を備えた卓上切断機101が開示されている。これにより、コントローラケース部の収容部133に粉塵等が入り込むことを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、例えば、卓上切断機101の電動モータ104がブラシレスモータの場合、電気部品124が増加することとなっている一方で、卓上切断機101のコンパクト化が求められるため、結果として、狭い収容部133に多くの電気部品124を収容しなければいけなかった。そのため、卓上切断機101を組み立てているとき、収容した電気部品124が収容の復元力によって浮き上がってしまうことがあった。したがって、この組み立ての作業性が悪いものとなっていた。
【0005】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、ハウジングの収容部に電気部品を収容して組み立てる電動工具において、この組み立ての作業性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つの特徴によると、電動モータと、電動モータを冷却する遠心ファンと、遠心ファンによって起こされた風をガイドするファンガイドと、電気部品を収容可能な収容部を有するハウジングとを備えた電動工具である。ファンガイドには、ハウジングの収容部に収容されている電気部品の浮き上がりを防止する蓋部が形成されている。
【0007】
そのため、電動工具を組み立てているとき、ハウジングの収容部に収容されている電気部品が収容の復元力によって浮き上がってしまうことがない。したがって、この組み立ての作業性を向上させることができる。
【0008】
本開示の他の特徴によると、電動モータを収容するモータハウジングを備えている。ファンガイドは、モータハウジングに圧入されている。
【0009】
そのため、モータハウジングに組み付けたファンガイドにガタが生じることを防止できる。
【0010】
本開示の他の特徴によると、蓋部の出力側の表面には、ハウジングの収容部に収容されている電気部品の一部を搭載可能な搭載部が形成されている。
【0011】
そのため、電気部品の一部が蓋部の表面に支持されることとなる。したがって、この電気部品が収容部の中でズレ動くことを防止できる。
【0012】
本開示の他の特徴によると、蓋部の出力側の表面は、電動モータの出力軸に対して直交するように形成されている。搭載部は、ハウジングの収容部に収容されている電気部品の一部を蓋部の出力側の表面に沿わせた状態で保持可能な第1リブ体から構成されている。
【0013】
そのため、この搭載した電気部品の一部が蓋部の表面から浮き上がることを防止できる。
【0014】
本開示の他の特徴によると、ファンガイドには、円筒部を備えている。円筒部の外周面には、ハウジングの収容部に収容されている電気部品の一部とは異なる電気部品の一部を第1リブ体との間で保持可能な第2リブ体が形成されている。
【0015】
そのため、円筒部の外周面を利用して電気部品の一部とは異なる電気部品の一部を挟み込んで保持できる。
【0016】
本開示の他の特徴によると、電動モータと、電気部品と、電気部品を収容可能な収容部を有するハウジングとを備えた電動工具である。ハウジングの収容部に収容されている電気部品の浮き上がりを防止する蓋部の表面には、ハウジングの収容部に収容されている電気部品の一部を搭載可能な搭載部が形成されている。
【0017】
そのため、ファンガイドの存在に関係なく(ファンガイドが無くても)、上述した本開示の1つの特徴と同様に、電動工具の組み立ての作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係る携帯用マルノコの右側面図である。
【
図6】
図1の携帯用マルノコのハンドルハウジングの内部を示す図である。
【
図7】
図6において、ファンガイドを取り外した状態を示す図である。
【
図9】
図8のファンガイドを異なる角度から見た斜視図である。
【
図13】
図1の携帯用マルノコのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態を、
図1~13を用いて説明する。なお、以下の説明にあたって、『電動工具』と『ハウジング』との例として、『携帯用マルノコ1』と『ハンドルハウジング8』を説明することとする。また、以下の説明にあたって、上、下、前、後、左、右とは、上述した図に記載した、上、下、前、後、左、右の方向を示している。すなわち、前の方向が、携帯用マルノコ1の切断方向(進行方向)を示している。
【0020】
はじめに、
図1~7を参照して、携帯用マルノコ1の全体構成を説明していく。この携帯用マルノコ1は、その平面視が矩形状のベース2と、このベース2の上に電動モータ4によって回転駆動する円盤形状の鋸刃6を備えたマルノコ本体3とから構成されている(
図1~5参照)。このマルノコ本体3は、電動モータ4を収容したモータハウジング7と、このモータハウジング7に連結されるハンドルハウジング8と、鋸刃6の上部を覆う固定カバー9とから構成されている。鋸刃6は、固定カバー9内で電動モータ4の出力軸と平行に軸支されて出力軸(いずれも図示しない)から回転伝達される出力部としての回転軸10の先端へ直交するように連結されている。
【0021】
ハンドルハウジング8には、電源部11が設けられ、この電源部11には、バッテリパック12がスライドによって取り付け取り外し可能となっている。このスライドの取り付け方向は、左側から右側へとなっており、このスライドの取り外し方向は、右側から左側へとなっている。6aは、常態で鋸刃6の下方部分を覆う可動カバーである。固定カバー9は、ベース2における切断方向の前方向が平面視U字形状のブラケット13に支軸14によって上下方向に揺動可能に枢着されている。
【0022】
このブラケット13は、ベース2上に立設されて円弧形状のガイド溝16を有するアンギュラプレート15に摘み部18を備えた摘みネジ17によってガイド溝16に沿った任意の位置で固定可能に支持軸15aを介して連結されている。一方、固定カバー9の後方側でも、円弧形状のガイド溝16を有するアンギュラプレート15がベース2上に立設されており、このアンギュラプレート15に、固定カバー9の側方で前方へ向かって円弧形状にカーブするデプスガイド19が、レバー20によってガイド溝に沿った任意の位置で固定可能に連結されている。
【0023】
よって、マルノコ本体3は、デプスガイド19に沿った固定カバー9の結合位置(クランプ位置)を変更することで、支軸14を中心として揺動させて、鋸刃6のベース2下方への突出量(切込量)が調整可能となる。また、前後のアンギュラプレート15に対するブラケット13の固定位置を変更することで、マルノコ本体3を、鋸刃6がベース2と直交する直角位置から右側へ傾動して鋸刃6がベース2と45°の角度で傾斜する最大傾斜位置までの任意の傾斜角度で固定可能となっている。なお、ベース2の前端には、鋸刃6の直角(0°)位置と45°位置で側縁が各々鋸刃6の延長上に位置する切込み21が形成されており、木材(図示しない)の上面に表記した墨線に切込み21の側縁を合わせることで、墨線に沿った切断が容易に可能となっている。
【0024】
一方、ハンドルハウジング8は、左右に2つ割りの半割ハウジング22をネジ23によって組み付けて形成されるループ形状で、その上側が一方の手で把持可能な把持部8aとなっている。このハンドルハウジング8内の下側には、収容部33が形成されている(
図6~7参照)。この収容部33には、スイッチング素子、マイコン等を有するコントローラ24と、後述する各種リード線42、43、44、45、46、47、48、49と、後述する各種接続端子50、51、52とが収容されている。なお、コントローラ24は、収容部33の内面に形成された複数の位置決めリブ25によってずれ動くことがないように収容されている。
【0025】
これらコントローラ24と、各種リード線42、43、44、45、46、47、48、49と、各種接続端子50、51、52とが、特許請求の範囲に記載の「電気部品」に相当する。28は、押し込み操作によってハンドルハウジング8に組み付けられているスイッチ28aをONさせるトリガである。29は、トリガ28が押し込まれた状態で左右何れかに押し操作することで、スイッチ28aのON状態をロックするロックオンボタンである。トリガ28を再度押し操作することで、スイッチ28aのON状態を解除することができる。
【0026】
ここで、この携帯用マルノコ1の電源回路40について説明する(
図13参照)。スイッチ28aの一端とバッテリパック12の一端(例えば、+端子)とは、第1リード線41を介して電気的に接続されている。また、スイッチ28aの他端とコントローラ24とは、第2リード線42を介して電気的に接続されている。また、バッテリパック12の他端(例えば、-端子)とは、第3リード線43を介して電気的に接続されている。
【0027】
また、コントローラ24と電動モータ4とは、第4リード線44と第7リード線47とを介して電気的に接続されている。この第4リード線44と第7リード線47とは、第1接続端子50を介して着脱可能となっている。これと同様に、コントローラ24と電動モータ4とは、第5リード線45と第8リード線48とを介して電気的に接続されている。この第5リード線45と第8リード線48とは、第2接続端子51を介して着脱可能となっている。
【0028】
また、これと同様に、コントローラ24と電動モータ4とは、第6リード線46と第9リード線49とを介して電気的に接続されている。この第6リード線46と第9リード線49とは、第3接続端子52を介して着脱可能となっている。このように各種接続端子50、51、52を介することにより、電動モータ4とコントローラ24とを電気的に切り離すことができる。そのため、電動モータ4の組み付け作業や取り換え作業を簡便に実施できる。電源回路40は、このように構成されている。
【0029】
図1~5に戻って、30は、略逆J字状に形成されたフックである。このフック30の基端側(根元側)は、ネジ31によって固定カバー9に組み付けられたフック座32に対して回転可能に組み付けられている。これにより、切断作業を中断するとき、各種の引っ掛け部材(例えば、脚立等)にフック30を引っ掛けて携帯用マルノコ1を一時的に保管できる。また、フック座32に対してフック30の向きを回転させることができるため、各種の引っ掛け部材の形状に対応させて(フック30の向きを調節して)、フック30を引っ掛けることができる。
【0030】
なお、
図6~7から明らかなように、電動モータ4を収容したモータハウジング7とハンドルハウジング8の収容部33とは、前後に隣り合う位置関係となっている。このモータハウジング7には、収容した電動モータ4の遠心ファンによって起こされた風(いずれも図示しない)をガイドするファンガイド60が組み付けられている。ここで、このファンガイド60について詳述する。
【0031】
このファンガイド60は、遠心ファンの風上側の通風面積を狭めて風速を高めるための貫通孔61aを有する絞り部61と、この絞り部61の外縁から軸方向に向けて張り出す円筒部62と、この円筒部62の外縁から径方向に向けて張り出す蓋部63とから構成されている(
図8~12参照)。この蓋部63は、ハンドルハウジング8の収容部33に収容されているコントローラ24と、各種リード線42、43、44、45、46、47、48、49と、各種接続端子50、51、52との浮き上がりを防止可能(抑え可能)に形成されている。
【0032】
この浮き上がりとは、携帯用マルノコ1を組み立てているとき、ハンドルハウジング8の収容部33に収容されているコントローラ24と、各種リード線42、43、44、45、46、47、48、49と、各種接続端子50、51、52とが収容の復元力によって浮き上がってしまうことである。
【0033】
この円筒部62の外周面には、等間隔(この形態では、90°間隔)を成すように4本のガタ詰めリブ62aが形成されている。また、蓋部63の出力側(電動モータ4の出力軸の出力側)の表面64は、電動モータ4の出力軸に対して直交する平面となっている。この表面64には、平面視において、略T字状の第1リブ64aと、略クランク状の第2リブ64bと、略I字状の第3リブ64cとが形成されている(
図10参照)。なお、この第3リブ64cは、蓋部63の表面64からだけでなく、円筒部62の外周面からも形成された格好となっている。
【0034】
この第1リブ64aと第2リブ64bとは、収容部33に収容されている2本のリード線44、47の一部を蓋部63の表面64に沿わせた状態で挟み込んで保持可能な第1隙65を有するように形成されている。そのため、この収容部33に収容されている2本のリード線44、47の一部を蓋部63の表面64に沿わせ、この沿わせた2本のリード線44、47の一部を第1リブ64aと第2リブ64bとの間の第1隙65に挟み込んで保持できる(
図6参照)。このように保持できると、蓋部63の出力側の表面64に2本のリード線44、47の一部と第1接続端子50とを搭載できることとなる。
【0035】
これと同様に、この第2リブ64bと第3リブ64cとは、収容部33に収容されている2本のリード線45、48の一部を蓋部63の表面64に沿わせた状態で挟み込んで保持可能な第2隙66を有するように形成されている。そのため、この収容部33に収容されている2本のリード線45、48の一部を蓋部63の表面64に沿わせ、この沿わせた2本のリード線45、48の一部を第2リブ64bと第3リブ64cとの間の第2隙66に挟み込んで保持できる(
図6参照)。このように保持できると、蓋部63の出力側の表面64に2本のリード線45、48の一部と第2接続端子51とを搭載できることとなる。
【0036】
これら第1リブ64aと第2リブ64bとが、特許請求の範囲に記載の「第1リブ体」に相当する。また、この第3リブ64cが、特許請求の範囲に記載の「第2リブ体」に相当する。ファンガイド60は、このように構成されている。このように構成されているファンガイド60をモータハウジング7に組み付けると、円筒部62の4本のガタ詰めリブ62aがモータハウジング7の内周面による弾性変形によって潰されることとなる。この記載が、特許請求の範囲に記載の「前記ファンガイドは、前記モータハウジングに圧入されている」に相当する。
【0037】
なお、上述したような電源回路40が形成されているため、トリガ28を押し込む操作を行うと、スイッチ28aがONしてバッテリパック12から電動モータ4に電源が給電されることとなる。これにより、電動モータ4が駆動するため、出力軸が回転することとなる。したがって、鋸刃6が回転して木材を切断できる。携帯用マルノコ1は、このように構成されている。
【0038】
本発明の実施形態に係る携帯用マルノコ1は、上述したように構成されている。この構成によれば、ファンガイド60は、絞り部61と円筒部62と蓋部63とから構成されている。この蓋部63は、ハンドルハウジング8の収容部33に収容されているコントローラ24と、各種リード線42、43、44、45、46、47、48、49と、各種接続端子50、51、52との浮き上がりを防止可能(抑え可能)に形成されている。そのため、携帯用マルノコ1を組み立てているとき、ハンドルハウジング8の収容部33に収容されているコントローラ24と、各種リード線42、43、44、45、46、47、48、49と、各種接続端子50、51、52が収容の復元力によって浮き上がってしまうことがない。したがって、この組み立ての作業性を向上させることができる。また、これらコントローラ24と、各種リード線42、43、44、45、46、47、48、49と、各種接続端子50、51、52は、電動モータ4の遠心ファンの傍に収容されることとなる。そのため、これらコントローラ24と、各種リード線42、43、44、45、46、47、48、49と、各種接続端子50、51、52を効率よく冷却できる。
【0039】
また、この構成によれば、ファンガイド60をモータハウジング7に組み付けると、円筒部62の4本のガタ詰めリブ62aがモータハウジング7の内周面による弾性変形によって潰されることとなる。そのため、モータハウジング7に組み付けたファンガイド60にガタが生じることを防止できる。
【0040】
また、この構成によれば、蓋部63の出力側の表面64に2本のリード線44、47の一部と第1接続端子50とを搭載可能となっている。また、蓋部63の出力側の表面64に2本のリード線45、48の一部と第2接続端子51とを搭載可能となっている。そのため、これら4本のリード線44、45、47、48の一部と、第1接続端子50と、第2接続端子51とが蓋部63の表面64に支持されることとなる。したがって、これら4本のリード線44、45、47、48の一部と、第1接続端子50と、第2接続端子51とが収容部33の中でズレ動くことを防止できる。
【0041】
また、この構成によれば、蓋部63の出力側の表面64に2本のリード線44、47の一部と、第1接続端子50とを搭載するとき、この2本のリード線44、47の一部を蓋部63の表面64に沿わせることができる。そのため、これら搭載した2本のリード線44、47の一部が蓋部63の表面64から浮き上がることを防止できる。このことは、残りの2本のリード線45、48においても同様である。
【0042】
また、この構成によれば、収容部33に収容されている2本のリード線45、48の一部を挟み込んで保持する第3リブ64cは、蓋部63の表面64からだけでなく、円筒部62の外周面からも形成された格好となっている。そのため、この円筒部62の外周面を利用して2本のリード線45、48の一部を挟み込んで保持できる。
【0043】
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。
【0044】
実施形態では、『電動工具』の例として、『携帯用マルノコ1』を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、電気部品を収容可能な収容部33を有するハンドルハウジング8を備えた電動工具であれば、『各種の電動工具』であっても構わない。もちろん、『屋外用の電動工具』であっても構わない。また、実施形態では、携帯用マルノコ1の電源として、バッテリパック12から給電される形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、各種の電源(例えば、AC100V)に接続された電源ケーブルから給電される形態でも構わない。
【0045】
また、実施形態では、『ハウジング』の例として、『ハンドルハウジング8』を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、モータハウジング7、ギヤハウジング(図示しない)等の『各種のハウジング』であっても構わない。
【0046】
また、実施形態では、『第1リブ体』の例として、『第1リブ64aと第2リブ64b』を説明した。すなわち、『第1リブ体』は、『2つのリブ(第1リブ64aと第2リブ64b)』から構成されている形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、『第1リブ体』は、『1つのリブ』から構成されている形態でも構わない。その場合、この1つのリブに第1隙65に相当する溝等を有することとなる。
【0047】
また、実施形態では、ファンガイド60は、絞り部61と円筒部62と蓋部63とから構成されている形態を説明した。すなわち、蓋部63は、ファンガイド60に設けられている形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、蓋部63は、ファンガイド60に設けられることなく、単品で存在していても構わない。その場合でも、蓋部63は、ファンガイド60に設けられている形態と同様の作用効果を有することとなる。すなわち、ファンガイド60の存在に関係なく(ファンガイド60が無くても)、実施形態と同様に、携帯用マルノコ1の組み立ての作業性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 携帯用マルノコ(電動工具)
2 ベース
3 マルノコ本体
4 電動モータ
6 鋸刃
6a 可動カバー
7 モータハウジング
8 ハンドルハウジング(ハウジング)
8a 把持部
9 固定カバー
10 回転軸
11 電源部
12 バッテリパック
13 ブラケット
14 支軸
15 アンギュラプレート
15a 支持軸
16 ガイド溝
17 摘みネジ
18 摘み部
19 デプスガイド
20 レバー
21 切込み
22 半割ハウジング
23 ネジ
24 コントローラ(電気部品)
25 位置決めリブ
28 トリガ
28a スイッチ
29 ロックオンボタン
30 フック
31 ネジ
32 フック座
33 収容部
40 電源回路
41 第1リード線
42 第2リード線(電気部品)
43 第3リード線(電気部品)
44 第4リード線(電気部品)
45 第5リード線(電気部品)
46 第6リード線(電気部品)
47 第7リード線(電気部品)
48 第8リード線(電気部品)
49 第9リード線(電気部品)
50 第1接続端子(電気部品)
51 第2接続端子(電気部品)
52 第3接続端子(電気部品)
60 ファンガイド
61 絞り部
61a 貫通孔
62 円筒部
62a ガタ詰めリブ
63 蓋部
64 表面
64a 第1リブ(第1リブ体)
64b 第2リブ(第1リブ体)
64c 第3リブ(第2リブ体)
65 第1隙
66 第2隙