(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】メッシュネットワーク
(51)【国際特許分類】
H04W 40/24 20090101AFI20220627BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20220627BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20220627BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20220627BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
H04W40/24
H04W4/38
H04W84/18
H04Q9/00 311H
H04M11/00 301
(21)【出願番号】P 2018063511
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2021-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】大江 英城
(72)【発明者】
【氏名】小畑 滋男
(72)【発明者】
【氏名】畠内 孝明
(72)【発明者】
【氏名】星野 充紀
(72)【発明者】
【氏名】松本 孝司
【審査官】長谷川 未貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-169019(JP,A)
【文献】特開2016-066839(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0094398(US,A1)
【文献】特開2015-186010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
DB名 3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートウェイとなる第1無線機と、前記第1無線機と直接又は間接的に無線通信する複数の第2無線機と、から構成されるメッシュネットワークであって、
前記第1無線機及び前記第2無線機は各々、前記第1無線機及び前記第2無線機毎に自身と直接無線通信できるか否かを示す情報を関連付けた隣接情報テーブルを記憶する第1記憶部
と、前記第1無線機及び前記第2無線機毎に自身までの中継段数を関連付けた中継段数テーブルを記憶する第2記憶部と、前記中継段数テーブルから前記隣接情報テーブルを作成して、前記第1記憶部に記憶させるテーブル作成部と、を有し、
前記第2無線機は各々、前記隣接情報テーブルを前記第1無線機宛に送信する送信部を有することを特徴とするメッシュネットワーク。
【請求項2】
前記第1無線機は、前記第2無線機宛に順次、前記隣接情報テーブルの送信要求を送信し、
前記第2無線機の送信部は、前記隣接情報テーブルの送信要求を受信する毎に前記隣接情報テーブルを前記第1無線機宛に送信することを特徴とする請求項
1に記載のメッシュネットワーク。
【請求項3】
前記第2無線機の送信部は、前記隣接情報テーブルの変化を検出する毎に前記隣接情報テーブルを前記第1無線機宛に送信することを特徴とする請求項
1に記載のメッシュネットワーク。
【請求項4】
前記第2無線機には各々、機器が接続され、
前記第1無線機は、前記第2無線機宛に順次、前記機器の監視値の送信を要求する送信要求を送信し、
前記第2無線機の送信部は、前記送信要求を受信する毎に、接続された前記機器の監視値に前記隣接情報テーブルを付加して前記第1無線機宛に送信することを特徴とする請求項
1に記載のメッシュネットワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッシュネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GW(ゲートウェイ)無線機と、メータに接続された複数の無線機と、から構成され、無線機が、メータの検針値などを直接又は他の無線機を中継してGW無線機に送信する無線通信システムが知られている(特許文献1、2)。これら無線機は各々、
図4~
図10の左欄に示すように、無線機毎に当該無線機までの中継段数を関連付けた中継段数テーブルを記憶し、中継段数テーブルに従って最小の中継段数になるように通信を行っている。
【0003】
上記無線通信システムにおいて、無線機の移設、撤去をしようとしたときの影響度を把握するためにネットワークのトポロジー(接続形状)を把握する必要がある。そこで、従来では、各無線機から自身の中継段数テーブルをGW無線機に送信して、GW無線機から全ての無線機の中継段数テーブルを取得することにより、トポロジーを把握していた。
【0004】
しかしながら、中継段数テーブルは、データサイズが大きいため、全てをGW無線機に送信すると通信量の増大を招く、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-220100号公報
【文献】特開2017-92643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、通信量を低減しつつメッシュネットワークのトポロジーを把握できるメッシュネットワークを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様であるメッシュネットワークは、ゲートウェイとなる第1無線機と、前記第1無線機と直接又は間接的に無線通信する複数の第2無線機と、から構成されるメッシュネットワークであって、前記第1無線機及び前記第2無線機は各々、前記第1無線機及び前記第2無線機毎に自身と直接無線通信できるか否かを示す情報を関連付けた隣接情報テーブルを記憶する第1記憶部と、前記第1無線機及び前記第2無線機毎に自身までの中継段数を関連付けた中継段数テーブルを記憶する第2記憶部と、前記中継段数テーブルから前記隣接情報テーブルを作成して、前記第1記憶部に記憶させるテーブル作成部と、を有し、前記第2無線機は各々、前記隣接情報テーブルを前記第1無線機宛に送信する送信部を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記第1無線機は、前記第2無線機宛に順次、前記隣接情報テーブルの送信要求を送信し、前記第2無線機の送信部は、前記隣接情報テーブルの送信要求を受信する毎に前記隣接情報テーブルを前記第1無線機宛に送信するようにしてもよい。
【0010】
また、前記第2無線機の送信部は、前記隣接情報テーブルの変化を検出する毎に前記隣接情報テーブルを前記第1無線機宛に送信してもよい。
【0011】
また、前記第2無線機には各々、機器が接続され、前記第1無線機は、前記第2無線機宛に順次、前記機器の監視値の送信を要求する送信要求を送信し、前記第2無線機の送信部は、前記送信要求を受信する毎に、接続された前記機器の監視値に前記隣接情報テーブルを付加して前記第1無線機宛に送信するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように態様によれば、全ての無線機からの隣接情報テーブルからメッシュネットワークのトポロジーを把握することができる。また、隣接情報テーブルの直接無線通信できるか否かを示す情報は1ビットで表すことができる。このため、通信量を低減しつつメッシュネットワークのトポロジーを把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明のメッシュネットワークの一実施形態を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す無線機の詳細を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態における
図1に示すメッシュネットワークの動作を説明するための説明図である。
【
図4】
図1に示すGW無線機3aの中継段数テーブル及び隣接情報テーブルを示す図である。
【
図5】
図1に示すメータ無線機3bの中継段数テーブル及び隣接情報テーブルを示す図である。
【
図6】
図1に示すメータ無線機3cの中継段数テーブル及び隣接情報テーブルを示す図である。
【
図7】
図1に示すメータ無線機3dの中継段数テーブル及び隣接情報テーブルを示す図である。
【
図8】
図1に示すメータ無線機3eの中継段数テーブル及び隣接情報テーブルを示す図である。
【
図9】
図1に示すメータ無線機3fの中継段数テーブル及び隣接情報テーブルを示す図である。
【
図10】
図1に示すメータ無線機3gの中継段数テーブル及び隣接情報テーブルを示す図である。
【
図11】第2実施形態における
図1に示すメッシュネットワークの動作を説明するための説明図である。
【
図12】第3実施形態における
図1に示すメッシュネットワークの動作を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態における本発明のメッシュネットワークについて
図1を参照して説明する。メッシュネットワーク1は、NCU2に接続され、電話回線網とのゲートウェイとなるGW無線機3a(=第1無線機)と、メータなどの機器4b~4g(
図3)に接続された無線機3b~3g(=第2無線機)と、から構成されている。
【0015】
メッシュネットワーク1においては、無線機3b~3gが、各機器4b~4gの監視値を直接又は他の無線機を中継してGW無線機3aに送信する。なお、
図1に示す丸の中のアルファベットは、GW無線機3a、無線機3b~3gの識別子を示す。
【0016】
また、
図1の無線機3a~3g間を結ぶ実線は、直接無線通信できることを示す。即ち、
図1において、実線で接続されている無線機3a~3g間は、直接無線通信することができるが、実線で接続されていない無線機3a~3g間は、直接通信することができない。
【0017】
上記機器4b~4gは、顧客宅に設置され、水道、ガス、電気などを計量するメータなどから構成されている。なお、本実施形態では、GW無線機3aに機器が接続されていないものとして説明するが、GW無線機3aに機器が接続されていてもよい。
【0018】
NCU2は、電話回線に接続するための装置である。GW無線機3aは、NCU2を用いて、電話回線経由で管理会社と通信することができる。GW無線機3aは、管理会社のコンピュータ端末から遠隔監視要求を受信すると、無線機3b~3gから送信された機器4b~4cの監視値を送信する。監視値としては、例えば、機器4b~4cがメータであった場合、メータの検針値が考えられる。これにより、ガス管理会社は、電話回線を介してGW無線機3aと通信するだけで、無線機3b~3gに接続された機器4a~4gの一括監視を行うことができる。
【0019】
次に、上記メッシュネットワーク1を構成するGW無線機3a、無線機3b~3gの詳細について
図2を参照して説明する。同図に示すように、無線機3a~3gは、アンテナ31と、無線部32と、制御部33と、バッテリ34と、を備えている。
【0020】
無線部32は、アンテナ31を介して、他の無線機3a~3gと無線通信によるデータの送受信を行う。無線部32は、無線送信回路321と、無線受信回路322と、切替部323と、を有している。
【0021】
無線送信回路321は、制御部33から出力されたデータを変調して無線により他の無線機3a~3gに送信する。無線受信回路322は、他の無線機3a~3gより送信された信号を受信して復調しデータとして制御部33に出力する。切替部323は、制御部33からの制御信号(不図示)により送受信の切り替え制御を行う。
【0022】
制御部33は、無線機3a~3gの全体制御を司る。制御部33は、同時転送送受信装置331と、中継パケット送受信装置332と、中継段数テーブル記憶部333と、パケット送受信制御装置334と、を有している。
【0023】
同時転送送受信装置331は、パケット送受信制御装置334の制御に基づいて自身宛のデータ(パケット)を受信したり、自身から他の無線機3a~3g宛に送信するデータを無線部32へ出力したりする。
【0024】
中継パケット送受信装置332は、自身において中継されるパケットを一端受信するとともにパケット送受信制御装置334の制御に基づいて宛先の無線機3a~3gあるいは更なる中継先へ送信する。
【0025】
中継段数テーブル記憶部(第2記憶部)333は、メッシュネットワーク1を構成する複数の無線機3a~3g毎に当該無線機3a~3gまでの中継段数を関連付けた中継段数テーブルが記憶されている。
図4~
図10に
図1に示す検針ネットワークを構成する各無線機3a~3gの中継段数テーブル及び後述する隣接情報テーブルを示す。
【0026】
図4~
図10に示すように中継段数テーブルは、メッシュネットワーク1を構成する全ての無線機3a~3gの識別子と、自身から当該無線機3a~3gまでの中継段数と、が関連付けられている。
【0027】
まず、GW無線機3aの中継段数テーブルを例に挙げて、中継段数テーブルについて説明する。
図4に示すように、自身の無線機3aの識別子には、中継段数「0」が関連付けられている。また、直接通信できる無線機3b、3c(
図1に示す実線で接続されている無線機)の識別子には中継段数「1」が関連付けられている。また、直接通信できない無線機3d~3gの識別子には、中継段数「中継する無線機の数+1」が関連付けられている。例えば、GW無線機3aから無線機3gまでは2つの無線機を中継してデータを送信する必要があるため、無線機3gの識別子には、中継段数「2+1=3」が関連付けられている。無線機3b~3gの中継段数テーブルも同様である。
【0028】
パケット送受信制御装置334は、他の無線機3a~3gを宛先として指定し、当該宛先にデータを伝送するように構成されている。また、パケット送受信制御装置334は、隣接情報記憶部(第1記憶部)334aを有している。
【0029】
隣接情報記憶部334aは、メッシュネットワーク1を構成する複数の無線機3a~3g毎に自身と直接無線通信できるか否か、即ち隣接する無線機であるか否かを示す情報を関連付けた隣接情報テーブルが記憶されている。上述した
図4~
図10に
図1に示すメッシュネットワーク1を構成する各無線機3a~3gの隣接情報テーブルを示す。
【0030】
まず、GW無線機3aの隣接情報テーブルを例に挙げて、隣接情報テーブルについて説明する。
図4に示すように、自身の無線機3a及び直接通信できない他の無線機3d~3gの識別子には隣接していないことを示す「0」が関連付けられている。また、直接通信できる無線機3b、3cの識別子には、隣接していることを示す「1」が関連付けられている。無線機3b~3gの隣接情報テーブルも同様である。なお、本実施形態では、隣接していないことを示す情報を「0」、隣接していることを示す情報を「1」として説明するが、これに限ったものではない。隣接していないことを示す情報を「1」、隣接していることを示す情報を「0」としてもよい。
【0031】
パケット送受信制御装置334は、テーブル作成部として働き、中継段数テーブルを変換して隣接情報テーブルを作成し、隣接情報記憶部334aに記憶させる。具体的には、中継段数が「1」の無線機に対しては隣接していることを示す「1」を関連付ける。一方、中継段数が「0」又は「2」以上の無線機に対しては隣接していないことを示す「0」を関連づける。また、パケット送受信制御装置334は、GW無線機3aの場合にはNCU2との通信を行う。
【0032】
バッテリ34は、無線機3a~3gに各々内蔵され、無線機3a~3g内に電力を供給する電源として機能する。
【0033】
次に、上述した構成のメッシュネットワーク1の動作について説明する。上述したメッシュネットワーク1は、設置後に通信状況の変化によって、ネットワークのトポロジーが変化する。このため、無線機3a~3gの制御部33(以下、単に無線機3a~3gと略記することもある)は、周知の方法により定期的に中継段数テーブルを更新している。その一例について、以下説明する。まず、無線機3a~3gは、定期的に隣接無線機同士で中継段数テーブルの交換を行うことにより、中継段数テーブルの更新を行っている。
【0034】
例えば、GW無線機3aと無線機3bとの直接通信が行えなくなった場合について考える。この場合、GW無線機3a及び無線機3bは、互いの中継段数テーブルを受け取ることができなくなる。受け取ることができないと、GW無線機3aは、自身の中継段数テーブルのうち無線機3bの識別子に対する中継段数をブランクにする。無線機3bも、自身の中継段数テーブルのうちGW無線機3aの識別子に対する中継段数をブランクにする。
【0035】
また、GW無線機3a及び無線機3bは、無線機3cとは中継段数テーブルの交換を行うことができる。GW無線機3aは、無線機3cから受け取った中継段数テーブルに無線機3aまでの中継段数が書き込まれていれば、その中継段数に1を加算した数を無線機3bまでの中継段数として書き込む。無線機3bも同様に、無線機3cから受け取った中継段数テーブルにGW無線機3aまでの中継段数が書き込まれていれば、その中継段数に1を加算した数をGW無線機3aまでの中継段数として書き込む。こうして無線機3a~3dの制御部33は、定期的に中継段数テーブルの更新を行っている。
【0036】
また、無線機3a~3dのパケット送受信制御装置334は、中継段数テーブルを変換して隣接情報テーブルを作成(更新)する。隣接情報テーブルの更新は、更新により中継段数テーブルが変更されたときのみ行ってもよいし、中継段数テーブルの更新が実行される毎(即ち、定期的)に行ってもよい。
【0037】
次に、上述したメッシュネットワーク1において、隣接情報テーブルを管理会社に送信するタイミングについて、
図3を参照して説明する。
図3に示すように、管理会社は、定期的に、NCU2に接続されたGW無線機3aを介して無線機3b~3g宛に順次、監視要求を送信する。無線機3b~3gは、自身宛の監視要求を受信すると、接続されている機器4b~4gから監視値を読み出してGW無線機3a宛に送信する。GW無線機3aは、自身宛に送信された各機器4b~4gからの監視値を管理会社に送信する。
【0038】
また、GW無線機3aは、上述した監視値の通信が行われていないタイミングで、定期的に、各無線機3b~3g宛に順次、隣接情報要求を送信する。無線機3b~3gのパケット送受信制御装置334は、送信部として働き、自身宛の隣接情報要求を受信すると、隣接情報テーブルをGW無線機3a宛に送信する。これにより、GW無線機3aには、自身の隣接情報テーブルに加えて無線機3b~3gの隣接情報テーブルが格納される。その後、GW無線機3aは、NCU2を介して管理会社からの隣接情報要求を受信したタイミングで、自身の隣接情報テーブルに加えて無線機3b~3gの隣接情報テーブルを管理会社に送信する。
【0039】
上述した隣接情報テーブルの送信タイミングは、GW無線機が監視値の通信が行われていないタイミングで行うことができるため、通信の輻輳を抑制することができる。
【0040】
ところで、従来のようにトポロジーを把握するために中継段数テーブルを送る場合、中継段数としては、中継段数の最大値に応じたビット数が必要である。従来では、中継段数を例えば4ビットで表現し、0~24-1までの中継段数を表現できるようにしていた。このため、一枚の中継段数テーブルを送るのに、4ビット×無線機の総数の情報量が必要となり、通信量が増大していた。
【0041】
これに対して、本実施形態では、トポロジーを把握するために隣接情報テーブルを送っている。この隣接情報テーブルからもメッシュネットワーク1のトポロジーを把握することができる。しかも、隣接情報テーブルの隣接する無線機であるか否かを示す情報は1ビットで表すことができる。このため、通信量を低減しつつメッシュネットワーク1のトポロジーを把握できる。
【0042】
また、上述した実施形態では、制御部33が、中継段数テーブルを変換して隣接情報テーブルを作成して、隣接情報テーブル記憶部334aに記憶させる。これにより、中継段数テーブルが変わってもそれに応じた隣接情報テーブルを作成することができる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態における本発明のメッシュネットワークについて
図11を参照して説明する。第1実施形態と第2実施形態とで異なる点は、隣接情報テーブルを管理会社に送信するタイミングである。
図11に示すように、管理会社は、第1実施形態と同様に、各機器4b~4gの監視値を取得する。
【0044】
また、各無線機3b~3gは、上述した隣接情報テーブルの更新を行った結果、隣接情報テーブルの変化を検出すると、変化した隣接情報テーブルをGW無線機3aに送信する。GW無線機3aは、隣接情報テーブルを受信すると応答を送ってきた無線機3b~3gに送信する。無線機3b~3gは、GW無線機3aからの応答を受信するまで、隣接情報テーブルを送信する。
【0045】
これにより、GW無線機3aには、自身の隣接情報テーブルに加えて無線機3b~3gの最新の隣接情報テーブルが格納される。その後、GW無線機3aは、NCU2を介して管理会社からの隣接情報要求を受信したタイミングで、自身の隣接情報テーブルに加えて無線機3b~3gの隣接情報テーブルを管理会社に送信する。
【0046】
以上の実施形態によれば、隣接情報テーブルに変化があったタイミングで、変化のあった無線機3b~3gからGW無線機3aに隣接情報テーブルが送信される。これにより、通信の輻輳が起こる可能性はあるが、監視値の通信頻度が少ないものや、トポロジー変化の少ないものにおいては有効である。
【0047】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態における本発明のメッシュネットワークについて
図12を参照して説明する。第1実施形態と第3実施形態とで異なる点は、隣接情報テーブルを管理会社に送信するタイミングである。
図12に示すように、無線機3b~3gは、管理会社から監視要求を受信すると、機器4b~4gからの監視値に加えて、隣接情報テーブルを付加してGW無線機3aに送信する。
【0048】
これにより、監視値とは別に隣接情報テーブルを送信する必要がなく、通信回数を抑えることができる。
【0049】
なお、上述した実施形態によれば、GW無線機3aは、電話回線を通じて管理会社に監視情報を送信していたが、これに限ったものではない。例えば、GW無線機3aとタブレット端末を無線接続して、タブレット端末に監視値を送信するようにしてもよい。
【0050】
また、上述した実施形態によれば、隣接情報テーブルは、中継段数テーブルを変換して作成していたが、これに限ったものではない。中継段数テーブルの交換とは別に、無線機3a~3g間で通信を行った結果から作成するようにしてもよい。
【0051】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 メッシュネットワーク
3a GW無線機(第1無線機)
3b~3g 無線機(第2無線機)
4b~4g 機器
333 中継段数テーブル記憶部(第2記憶部)
334 パケット送受信制御装置(テーブル作成部、送信部)
334a 隣接情報記憶部(第1記憶部)