(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】走行経路表示装置
(51)【国際特許分類】
A01B 69/00 20060101AFI20220627BHJP
【FI】
A01B69/00 301
A01B69/00 303M
(21)【出願番号】P 2018157522
(22)【出願日】2018-08-24
【審査請求日】2021-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【氏名又は名称】今村 文典
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【氏名又は名称】大久保 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】西井 康人
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-153438(JP,A)
【文献】特開2008-072963(JP,A)
【文献】特開2002-148056(JP,A)
【文献】特開2015-112056(JP,A)
【文献】特開2017-123829(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0217516(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 69/00 - 69/08
G05D 1/00 - 1/12
G09B 23/00 - 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線状の直線走行経路に沿って作業車両を自動走行させる自動走行システムに用いられる走行経路表示装置であって、
直線走行経路上に複数の分割点を設定し、各分割点における緯度・経度の位置情報を取得する分割点位置情報取得部と、
地図空間上において、前記分割点位置情報取得部にて取得した各分割点の位置情報に基づいて各分割点をプロットし、隣接する分割点を直線で結んだ表示用直線走行経路を生成する表示用直線走行経路生成部と、
作業車両における緯度・経度の位置情報を取得する作業車両位置情報取得部と、
前記表示用直線走行経路生成部にて生成された表示用直線走行経路と、前記作業車両位置情報取得部にて取得した作業車両の位置情報による作業車両の位置とを表示部に重畳表示させる表示制御部とが備えられている走行経路表示装置。
【請求項2】
前記分割点位置情報取得部は、前記直線走行経路を均等に分割して複数の分割点を設定している請求項1に記載の走行経路表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、複数の直線走行経路のうち前記表示用直線走行経路の生成対象として選択された直線走行経路についてのみ、生成された前記表示用直線走行経路を前記表示部に表示させる請求項1又は2に記載の走行経路表示装置。
【請求項4】
前記複数の直線走行経路のうち、前記作業車両が自動走行中である直線走行経路を、前記表示用直線走行経路の生成対象として選択する請求項3に記載の走行経路表示装置。
【請求項5】
前記複数の直線走行経路のうち、延設方向が所定方向である直線走行経路を、前記表示用直線走行経路の生成対象として選択する請求項3に記載の走行経路表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目標走行経路に沿って作業車両を自動走行させる自動走行システムに用いられる走行経路表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の自動走行システムは、衛星測位システム等を用いて取得される作業車両の測位情報に基づいて、予め生成した目標走行経路に沿って作業車両を自動走行させるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載のシステムでは、実際にユーザが運転して作業車両を走行させることで、作業領域に任意の2点を設定し、その2点を結ぶ直線を基準走行経路として生成している。基準走行経路に対して間隔を隔てて平行に並ぶ状態で複数の走行経路を生成している。基準走行経路及び複数の走行経路のいずれもが直線状の直線走行経路となっており、目標走行経路として、直線状の複数の直線走行経路が間隔を隔てて平行に並ぶように生成されている。
【0004】
作業車両にて作業領域での作業を行う場合には、ある直線走行経路に沿って作業車両を自動走行させ、作業車両が直線走行経路の終端に到達すると、自動走行から手動走行に切り替えて、隣接する次の直線走行経路の始端まで、手動走行にて作業車両を旋回させる。作業車両が次の直線走行経路の始端に到達すると、手動走行から自動走行に切り替えて、次の直線走行経路に沿って作業車両を自動走行させている。
【0005】
走行経路表示装置は、例えば、作業車両のモニタとして備えられている。走行経路表示装置では、複数の直線走行経路と作業車両の現在位置とを表示している。これにより、ユーザ等が目標走行経路の表示位置と作業車両の現在位置の表示位置とを比較することで、目標走行経路に沿って作業車両が走行しているか否かを確認できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
複数の直線走行経路を表示させるに当たり、例えば、平面空間において直線走行経路の始端と終端とを結んだ直線として走行経路表示装置に表示させている。それに対して、作業車両の現在位置は、地図空間で得られた作業車両の現在位置を走行経路表示装置に表示させている。メルカトル図法等の地図上では、東西方向が赤道から離れて高緯度になるにつれて、平面空間と地図空間とでずれが生じる。そのために、直線走行経路が東西方向に延びるものであれば、走行経路表示装置の表示画面上において、直線走行経路の表示位置と作業車両の現在位置の表示位置との間にずれが生じることになる。よって、ユーザ等が、作業車両の現在位置が直線走行経路から外れているとの誤った判断をしてしまう可能性がある。
【0008】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、直線走行経路と作業車両の位置とを表示させるに当たり、直線走行経路の表示位置と作業車両の位置の表示位置との間でずれが発生するのを防止することができる走行経路表示装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1特徴構成は、直線状の直線走行経路に沿って作業車両を自動走行させる自動走行システムに用いられる走行経路表示装置であって、
直線走行経路上に複数の分割点を設定し、各分割点における緯度・経度の位置情報を取得する分割点位置情報取得部と、
地図空間上において、前記分割点位置情報取得部にて取得した各分割点の位置情報に基づいて各分割点をプロットし、隣接する分割点を直線で結んだ表示用直線走行経路を生成する表示用直線走行経路生成部と、
作業車両における緯度・経度の位置情報を取得する作業車両位置情報取得部と、
前記表示用直線走行経路生成部にて生成された表示用直線走行経路と、前記作業車両位置情報取得部にて取得した作業車両の位置情報による作業車両の位置とを表示部に重畳表示させる表示制御部とが備えられている点にある。
【0010】
本構成によれば、分割点位置情報取得部は、直線走行経路の両端部だけでなく、複数の分割点を設定して、それら各分割点の位置情報を取得している。表示用直線走行経路生成部は、地図空間上において、各分割点をプロットして、隣接する分割点を直線で結んだ表示用直線走行経路を生成することで、直線走行経路を、地図空間に対応させた表示用直線走行経路として生成することができる。表示制御部は、地図空間に対応させた表示用直線走行経路と作業車両の位置とを表示部に重畳表示させている。これにより、直線走行経路の表示位置と作業車両の位置の表示位置との間でずれが発生するのを防止することができ、ユーザ等が、作業車両の現在位置が直線走行経路から外れている等の誤った判断をしてしまうのを防止することができる。
【0011】
本発明の第2特徴構成は、前記分割点位置情報取得部は、前記直線走行経路を均等に分割して複数の分割点を設定している点にある。
【0012】
複数の分割点を設定するので、隣接する分割点を結んだ直線は複数存在することになる。ここで、隣接する分割点を結んだ直線の長さが異なると、実際には直線に対して作業車両の位置が同じ量だけずれていても、表示部では、作業車両の位置と直線との間のずれ量が直線毎で異なる状態で表示されてしまう可能性がある。例えば、直線の長さが長くなるほど、作業車両の位置と直線との間のずれ量が大きく表示されてしまう。
【0013】
そこで、本構成によれば、分割点位置情報取得部は、直線走行経路を均等に分割して複数の分割点を設定している。これにより、隣接する分割点を結んだ直線の長さを均等にすることができ、複数の直線の間での表示ずれの差が生じ難く、地図空間に対応させた適切な表示用直線走行経路を生成することができる。よって、直線走行経路の表示位置と作業車両の位置の表示位置との間でずれが発生するのを的確に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】自動走行システムの概略構成を示すブロック図
【
図3】目標走行経路を生成する過程における作業領域を示す図
【
図4】目標走行経路を生成した状態における作業領域を示す図
【
図5】目標走行経路を生成するときの動作を示すフローチャート
【
図6】延長経路及び平行経路とトラクタの現在位置とを重畳表示させた表示画面を示す図
【
図7】表示用直線走行経路を生成する過程を説明する図
【
図8】表示用直線走行経路を生成するときの動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る走行経路表示装置が用いられる自動走行システムの実施形態を図面に基づいて説明する。
この自動走行システムは、
図1に示すように、作業車両としてトラクタ1を適用しているが、トラクタ以外の、乗用田植機、コンバイン、乗用草刈機、ホイールローダ、除雪車等の乗用作業車両、及び、無人草刈機等の無人作業車両を適用することができる。
【0016】
この自動走行システムは、
図1及び
図2に示すように、トラクタ1に搭載された自動走行ユニット2、及び、自動走行ユニット2と通信可能に通信設定された携帯通信端末3(本発明に係る走行経路表示装置に相当する)を備えている。携帯通信端末3には、タッチ操作可能な表示部51(例えば、液晶パネル)等を有するタブレット型のパーソナルコンピュータやスマートフォン等を採用することができる。
【0017】
トラクタ1は、駆動可能な操舵輪として機能する左右の前輪5、及び、駆動可能な左右の後輪6を有する走行機体7が備えられている。走行機体7の前方側には、ボンネット8が配置され、ボンネット8内には、コモンレールシステムを備えた電子制御式のディーゼルエンジン(以下、エンジンと称する)9が備えられている。走行機体7のボンネット8よりも後方側には、搭乗式の運転部を形成するキャビン10が備えられている。
【0018】
走行機体7の後部には、3点リンク機構11を介して、作業装置12の一例であるロータリ耕耘装置を昇降可能かつローリング可能に連結することで、トラクタ1をロータリ耕耘仕様に構成することができる。トラクタ1の後部には、ロータリ耕耘装置に代えて、プラウ、播種装置、散布装置等の作業装置12を連結することができる。
【0019】
トラクタ1には、
図2に示すように、エンジン9からの動力を変速する電子制御式の変速装置13、左右の前輪5を操舵する全油圧式のパワーステアリング機構14、左右の後輪6を制動する左右のサイドブレーキ(図示せず)、左右のサイドブレーキの油圧操作を可能にする電子制御式のブレーキ操作機構15、ロータリ耕耘装置等の作業装置12への伝動を断続する作業クラッチ(図示せず)、作業クラッチの油圧操作を可能にする電子制御式のクラッチ操作機構16、ロータリ耕耘装置等の作業装置12を昇降駆動する電子油圧制御式の昇降駆動機構17、トラクタ1の自動走行等に関する各種の制御プログラム等を有する車載電子制御ユニット18、トラクタ1の車速を検出する車速センサ19、前輪5の操舵角を検出する舵角センサ20、及び、トラクタ1の現在位置及び現在方位を測定する測位ユニット21等が備えられている。
【0020】
なお、エンジン9には、電子ガバナを備えた電子制御式のガソリンエンジンを採用してもよい。変速装置13には、油圧機械式無段変速装置(HMT)、静油圧式無段変速装置(HST)、又は、ベルト式無段変速装置等を採用することができる。パワーステアリング機構14には、電動モータを備えた電動式のパワーステアリング機構14等を採用してもよい。
【0021】
キャビン10の内部には、
図1に示すように、パワーステアリング機構14(
図2参照)を介した左右の前輪5の手動操舵を可能にするステアリングホイール38、搭乗者用の運転席39、タッチパネル式の表示部、及び、各種の操作具等が備えられている。
【0022】
図2に示すように、車載電子制御ユニット18は、変速装置13の作動を制御する変速制御部181、左右のサイドブレーキの作動を制御する制動制御部182、ロータリ耕耘装置等の作業装置12の作動を制御する作業装置制御部183、自動走行時に左右の前輪5の目標操舵角を設定してパワーステアリング機構14に出力する操舵角設定部184、及び、予め生成された自動走行用の目標走行経路P(例えば、
図3参照)等を記憶する不揮発性の車載記憶部185等を有している。
【0023】
図2に示すように、測位ユニット21には、衛星測位システム(NSS:Navigation Satellite System)の一例であるGPS(Global Positioning System)を利用してトラクタ1の現在位置と現在方位とを測定する衛星航法装置22、及び、3軸のジャイロスコープ及び3方向の加速度センサ等を有してトラクタ1の姿勢や方位等を測定する慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)23等が備えられている。GPSを利用した測位方法には、DGPS(Differential GPS:相対測位方式)やRTK-GPS(Real Time Kinematic GPS:干渉測位方式)等がある。本実施形態においては、移動体の測位に適したRTK-GPSが採用されている。そのため、圃場周辺の既知位置には、
図1及び
図2に示すように、RTK-GPSによる測位を可能にする基準局4が設置されている。
【0024】
トラクタ1と基準局4との夫々には、
図2に示すように、測位衛星71(
図1参照)から送信された電波を受信する測位アンテナ24,61、及び、トラクタ1と基準局4との間における測位情報を含む各種情報の無線通信を可能にする通信モジュール25,62等が備えられている。これにより、衛星航法装置22は、トラクタ側の測位アンテナ24が測位衛星71からの電波を受信して得た測位情報と、基地局側の測位アンテナ61が測位衛星71からの電波を受信して得た測位情報とに基づいて、トラクタ1の現在位置及び現在方位を高い精度で測定することができる。また、測位ユニット21は、衛星航法装置22と慣性計測装置23とを備えることにより、トラクタ1の現在位置、現在方位、姿勢角(ヨー角、ロール角、ピッチ角)を高精度に測定することができる。
【0025】
トラクタ1に備えられる測位アンテナ24、通信モジュール25、及び、慣性計測装置23は、
図1に示すように、アンテナユニット80に収納されている。アンテナユニット80は、キャビン10の前面側の上部位置に配置されている。
【0026】
図2に示すように、携帯通信端末3には、表示部51等の作動を制御する各種の制御プログラム等を有する端末電子制御ユニット52、及び、トラクタ側の通信モジュール25との間における測位情報を含む各種情報の無線通信を可能にする通信モジュール55等が備えられている。端末電子制御ユニット52は、トラクタ1を自動走行させるための目標走行経路P(例えば、
図3参照)を生成する走行経路生成部53、及び、ユーザが入力した各種の入力情報や走行経路生成部53が生成した目標走行経路P等を記憶する不揮発性の端末記憶部54等を有している。
【0027】
走行経路生成部53は、作業領域S内に目標走行経路P(例えば、
図3参照)を生成しており、目標走行経路Pの生成の仕方については後述する。
【0028】
走行経路生成部53にて生成された目標走行経路Pは、表示部51に表示可能であり、目標走行経路Pに関する経路情報が端末記憶部54に記憶されている。経路情報には、目標走行経路Pの方位角、及び、目標走行経路Pでのトラクタ1の走行形態等に応じて設定された設定エンジン回転速度や目標走行速度等が含まれている。
【0029】
このようにして、走行経路生成部53が目標走行経路Pを生成すると、端末電子制御ユニット52が、携帯通信端末3からトラクタ1に経路情報を転送することで、トラクタ1の車載電子制御ユニット18が、経路情報を取得することができる。車載電子制御ユニット18は、取得した経路情報に基づいて、測位ユニット21にて自己の現在位置(トラクタ1の現在位置)を取得しながら、目標走行経路Pに沿ってトラクタ1を自動走行させることができる。測位ユニット21にて取得するトラクタ1の現在位置については、リアルタイム(例えば、数ミリ秒周期)でトラクタ1から携帯通信端末3に送信されており、携帯通信端末3にてトラクタ1の現在位置を把握している。
【0030】
経路情報の転送に関しては、トラクタ1が自動走行を開始する前の段階において、経路情報の全体を端末電子制御ユニット52から車載電子制御ユニット18に一挙に転送することができる。また、例えば、目標走行経路Pを含む経路情報を、情報量の少ない所定距離ごとの複数の経路部分に分割することもできる。この場合には、トラクタ1が自動走行を開始する前の段階においては、経路情報の初期経路部分のみが端末電子制御ユニット52から車載電子制御ユニット18に転送される。自動走行の開始後は、トラクタ1が情報量等に応じて設定された経路取得地点に達するごとに、その地点に対応する以後の経路部分のみの経路情報が端末電子制御ユニット52から車載電子制御ユニット18に転送するようにしてもよい。
【0031】
トラクタ1では、車載電子制御ユニット18が、目標走行経路Pに関する経路情報を取得している状態で、自動走行の開始指示を受けることで、測位ユニット21にて自己の現在位置(トラクタ1の現在位置)を取得しながら、目標走行経路Pに沿ってトラクタ1を自動走行させる自動走行制御を行う。車載電子制御ユニット18が、測位ユニット21(衛星測位システムに相当する)により取得されるトラクタ1の測位情報に基づいて、目標走行経路P(
図4参照)に沿ってトラクタ1を自動走行させる自動走行制御を行う自動走行制御部として構成されている。
【0032】
自動走行制御には、変速装置13の作動を自動制御する自動変速制御、ブレーキ操作機構15の作動を自動制御する自動制動制御、左右の前輪5を自動操舵する自動操舵制御、及び、ロータリ耕耘装置等の作業装置12の作動を自動制御する作業用自動制御等が含まれている。
【0033】
自動変速制御においては、変速制御部181が、目標走行速度を含む目標走行経路Pの経路情報と測位ユニット21の出力と車速センサ19の出力とに基づいて、目標走行経路Pでのトラクタ1の走行形態等に応じて設定された目標走行速度がトラクタ1の車速として得られるように変速装置13の作動を自動制御する。
【0034】
自動制動制御においては、制動制御部182が、目標走行経路Pと測位ユニット21の出力とに基づいて、目標走行経路Pの経路情報に含まれている制動領域において左右のサイドブレーキが左右の後輪6を適正に制動するようにブレーキ操作機構15の作動を自動制御する。
【0035】
自動操舵制御においては、トラクタ1が目標走行経路Pを自動走行するように、操舵角設定部184が、目標走行経路Pの経路情報と測位ユニット21の出力とに基づいて左右の前輪5の目標操舵角を求めて設定し、設定した目標操舵角をパワーステアリング機構14に出力する。パワーステアリング機構14が、目標操舵角と舵角センサ20の出力とに基づいて、目標操舵角が左右の前輪5の操舵角として得られるように左右の前輪5を自動操舵する。
【0036】
作業用自動制御においては、作業装置制御部183が、目標走行経路Pの経路情報と測位ユニット21の出力とに基づいて、トラクタ1が延長経路P2及び平行経路P3の直線走行経路(例えば、
図4参照)の始端等の作業開始地点に達するのに伴って作業装置12による所定の作業(例えば耕耘作業)が開始され、かつ、トラクタ1が延長経路P2及び平行経路P3の直線走行経路(例えば、
図4参照)の終端等の作業終了地点に達するのに伴って作業装置12による所定の作業が停止されるように、クラッチ操作機構16及び昇降駆動機構17の作動を自動制御する。
【0037】
このようにして、トラクタ1においては、変速装置13、パワーステアリング機構14、ブレーキ操作機構15、クラッチ操作機構16、昇降駆動機構17、車載電子制御ユニット18、車速センサ19、舵角センサ20、測位ユニット21、及び、通信モジュール25等によって自動走行ユニット2が構成されている。
【0038】
この実施形態では、キャビン10にユーザ等が搭乗せずにトラクタ1を自動走行させるだけでなく、キャビン10にユーザ等が搭乗した状態でトラクタ1を自動走行させることも可能となっている。よって、キャビン10にユーザ等が搭乗せずに、車載電子制御ユニット18による自動走行制御により、トラクタ1を目標走行経路Pに沿って自動走行させることができるだけでなく、キャビン10にユーザ等が搭乗している場合でも、車載電子制御ユニット18による自動走行制御により、トラクタ1を目標走行経路Pに沿って自動走行させることができる。
【0039】
キャビン10にユーザ等が搭乗している場合には、車載電子制御ユニット18にてトラクタ1を自動走行させる自動走行状態と、ユーザ等の運転に基づいてトラクタ1を走行させる手動走行状態とに切り替えることができる。よって、自動走行状態にて目標走行経路Pを自動走行している途中に、自動走行状態から手動走行状態に切り替えることができ、逆に、手動走行状態にて走行している途中に、手動走行状態から自動走行状態に切り替えることができる。手動走行状態と自動走行状態との切り替えについては、例えば、運転席39の近傍に、自動走行状態と手動走行状態とに切り替えるための切替操作部を備えることができるとともに、その切替操作部を携帯通信端末3の表示部51に表示させることもできる。また、車載電子制御ユニット18による自動走行制御中に、ユーザがステアリングホイール38を操作すると、自動走行状態から手動走行状態に切り替えることができる。
【0040】
トラクタ1には、
図1及び
図2に示すように、トラクタ1(走行機体7)の周囲における障害物を検知して、障害物との衝突を回避するための障害物検知システム100が備えられている。障害物検知システム100は、レーザを用いて測定対象物までの距離を3次元で測定可能な複数のライダーセンサ101,102と、超音波を用いて測定対象物までの距離を測定可能な複数のソナーを有するソナーユニット103,104と、障害物検知部110と、衝突回避制御部111とが備えられている。
【0041】
ライダーセンサ101,102及びソナーユニット103,104にて測定する測定対象物は、物体や人等としている。ライダーセンサ101,102は、トラクタ1の前方側を測定対象とする前ライダーセンサ101と、トラクタ1の後方側を測定対象とする後ライダーセンサ102とが備えられている。ソナーユニット103,104は、トラクタ1の右側を測定対象とする右側のソナーユニット103と、トラクタ1の左側を測定対象とする左側のソナーユニット104とが備えられている。
【0042】
障害物検知部110は、ライダーセンサ101,102及びソナーユニット103,104の測定情報に基づいて、所定距離内の物体や人等の測定対象物を障害物として検知する障害物検知処理を行うように構成されている。衝突回避制御部111は、障害物検知部110にて障害物を検知すると、トラクタ1を減速させる又はトラクタ1を走行停止させる衝突回避制御を行うように構成されている。衝突回避制御部111は、衝突回避制御において、トラクタ1を減速させる又はトラクタ1を走行停止させるだけでなく、報知ブザーや報知ランプ等の報知装置26を作動させて、障害物が存在することを報知している。衝突回避制御部111は、衝突回避制御において、通信モジュール25,55を用いて、トラクタ1から携帯通信端末3に通信して表示部51に障害物の存在を表示させることで、障害物が存在することを報知可能としている。
【0043】
障害物検知部110は、ライダーセンサ101,102及びソナーユニット103,104の測定情報に基づく障害物検知処理をリアルタイムで繰り返し行い、物体や人等の障害物を適切に検知している。衝突回避制御部111は、リアルタイムで検知される障害物との衝突を回避するための衝突回避制御を行うようにしている。
【0044】
障害物検知部110及び衝突回避制御部111は、車載電子制御ユニット18に備えられている。車載電子制御ユニット18は、コモンレールシステムに含まれたエンジン用の電子制御ユニット、ライダーセンサ101,102、及び、ソナーユニット103,104等にCAN(Controller Area Network)を介して通信可能に接続されている。
【0045】
以下、走行経路生成部53による目標走行経路Pの生成について説明する。
走行経路生成部53が目標走行経路Pを生成するに当たり、携帯通信端末3の表示部51に表示された目標走行経路設定用の入力案内に従って、ユーザが作業車両や作業装置の種類や機種等の車体情報を入力しており、入力された車体情報が端末記憶部54に記憶されている。
【0046】
走行経路生成部53には、
図2に示すように、初期経路P1(
図3参照)を生成する初期経路生成部57、初期経路P1をその走行方向の両側に所定距離(例えば、1km)だけ延長させた延長経路P2(
図4参照)を生成して、その延長経路P2に平行な複数の平行経路P3(
図4参照)を生成する平行経路生成部58が備えられている。
【0047】
以下、目標走行経路Pを生成するときの動作を示すフローチャートである
図5を参照しながら説明する。
まず、圃場等の作業地において、ユーザ等が運転操作してトラクタ1を実際に走行させることによって、
図3に示すように、初期経路生成部57が初期経路P1を生成する(
図5において、ステップ#1、ステップ#2)。ユーザ等が地点Aから地点Bまでトラクタ1を走行させると、走行軌跡取得部60(
図2参照)が測位ユニット21の出力に基づいて地点Aから地点Bまでの走行軌跡を取得するので、初期経路生成部57は、その走行軌跡に相当する経路を初期経路P1として生成する。初期経路P1の走行方向は、ユーザ等がトラクタ1を走行させたときの走行方向と同一となるようにしており、地点Aから地点Bに向かう方向を走行方向としている。
図3に示すものでは、地点Aから地点Bまでの走行軌跡として直線状の走行軌跡を取得した場合を例示している。
【0048】
初期経路生成部57が初期経路P1を生成すると、
図4に示すように、平行経路生成部58が、初期経路P1をその走行方向の両側に所定距離(例えば、1km)延長させて延長経路P2を生成する(
図5において、ステップ#3)。これにより、延長経路P2は、初期経路P1を含むものとなる。平行経路生成部58は、延長経路P2を生成すると、延長経路P2に対してその延設方向に直交する方向に平行状態で並ぶ複数の平行経路P3を生成する(
図5において、ステップ#4)。平行経路生成部58は、延長経路P2の延設方向に直交する方向を並設方向とし、まず、並設方向において車体情報に含まれる作業幅等に対応する距離だけ延長経路P2から離れた位置に、延長経路P2に対して平行な平行経路P3を生成する。次に、平行経路生成部58は、並設方向において車体情報に含まれる作業幅等に対応する距離だけ生成済みの平行経路P3から離れた位置に、生成済みの平行経路P3に対して平行な平行経路P3を生成しており、生成済みの平行経路P3に対して平行な平行経路P3を生成する動作を繰り返し行っている。これにより、平行経路生成部58は、並設方向で隣接する延長経路P2及び平行経路P3の間や平行経路P3同士の間の距離を一定距離とし、平行状態で並ぶように複数の平行経路P3を生成している。
【0049】
このようにして、
図4に示すように、目標走行経路Pは、延長経路P2、及び、複数の平行経路P3からなる複数の直線走行経路P4にて生成されている。直線走行経路P4は、トラクタ1を自動走行させながら、所定の作業を行うための経路であり、トラクタ1を前進させる直線状の走行経路となっている。
【0050】
車載電子制御ユニット18は、自動走行制御において、目標走行経路Pにおける直線走行経路P4に沿ってトラクタ1を自動走行させる直進モードを実行可能に構成されている。この直進モードでは、車載電子制御ユニット18が、複数の直線走行経路P4の夫々において、直線走行経路P4に沿ってトラクタ1を自動走行させるものの、次の直線走行経路P4への旋回走行等、直線走行経路P4同士の間での走行はユーザ等の手動運転にて行っている。
【0051】
圃場等の作業地にて作業を行う場合には、例えば、車載電子制御ユニット18が、複数の直線走行経路P4を順番に自動走行させる状態で直線走行経路P4に沿ってトラクタ1を自動走行させる。車載電子制御ユニット18がある直線走行経路P4に沿ってトラクタ1を自動走行させる。この自動走行中に、トラクタ1が作業地の端部の近くに到達する等により、ユーザ等がステアリングホイール38を操作すると、車載電子制御ユニット18が手動運転に切り替えて、トラクタ1を手動運転にて旋回走行させる。この旋回走行により次の直線走行経路P4に到達すると、車載電子制御ユニット18が次の直線走行経路P4に沿ってトラクタ1を自動走行させる。このように、直線走行経路P4を自動走行させる状態で自動走行状態と手動走行状態とに切り替えながら、圃場等の作業地にて作業を行うことができる。
【0052】
走行経路生成部53にて生成された目標走行経路Pに関する経路情報が端末記憶部54に記憶されており、測位ユニット21にて取得するトラクタ1の現在位置が、リアルタイムでトラクタ1から携帯通信端末3に送信され、携帯通信端末3にてトラクタ1の現在位置を把握している。そこで、携帯通信端末3では、トラクタ1を自動走行させる際等に、
図6に示すように、目標走行経路Pにおける直線走行経路P4(延長経路P2及び平行経路P3)とトラクタ1の現在位置とを表示部51に重畳表示させている。これにより、ユーザ等が、トラクタ1の現在位置が直線走行経路P4に対して位置ズレしているか否かを確認することができる。
【0053】
直線走行経路P4とトラクタ1の現在位置とを表示部51に重畳表示させるに当たり、単純に重畳表示するだけでは、直線走行経路P4の表示位置とトラクタ1の現在位置の表示位置との間でずれが生じる可能性がある。メルカトル図法等の地図上では、東西方向が赤道から離れて高緯度になるにつれて、平面空間と地図空間とでずれが生じる。例えば、トラクタ1の現在位置は、地図空間上の位置情報として表示することができる。それに対して、直線走行経路P4について、平面座標において一端部の位置情報(緯度・経度)と他端部の位置情報(緯度・経度)を結ぶ直線を生成し、その直線を表示すると、直線走行経路P4の表示位置とトラクタ1の現在位置の表示位置との間でずれが生じる。
【0054】
そこで、直線走行経路P4の表示位置とトラクタ1の現在位置の表示位置との間での表示ずれを防止するために、携帯通信端末3には、分割点位置情報取得部91、表示用直線走行経路生成部92、作業車両位置情報取得部93、表示制御部94等が備えられている。
【0055】
表示部51における直線走行経路P4とトラクタ1の現在位置との重畳表示について、
図8のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、分割点位置情報取得部91は、
図7(a)に示すように、平面座標上において全ての直線走行経路P4上に複数の分割点C1~C5を設定して、各分割点における緯度・経度の位置情報を取得している(
図8において、ステップ#11)。分割点位置情報取得部91は、直線走行経路P4を均等に分割して複数の分割点C1~C5を設定している。
図7(a)に示すものでは、直線走行経路P4の一端部E1と他端部E2との間に、均等になるように複数の分割点C1~C5を設定している。分割点位置情報取得部91は、分割点同士の間の距離が所定距離の範囲内となるように、複数の分割点C1~C5を設定している。
【0056】
分割点位置情報取得部91は、端末記憶部54に記憶されている経路情報から直線走行経路P4の一端部E1と他端部E2の緯度・経度の位置情報を取得し、その取得した位置情報等を用いて、各分割点における緯度・経度の位置情報を取得している。
【0057】
表示用直線走行経路生成部92は、
図7(b)に示すように、地図空間上において、各分割点における緯度・経度の位置情報に基づいて、各分割点C1~C5をプロットしている(
図8において、ステップ#12)。このように、地図空間上において、各分割点C1~C5をプロットすると、
図7(a)に示す平面座標上の各分割点C1~C5の位置からずれた位置に各分割点C1~C5がプロットされることになる。
【0058】
表示用直線走行経路生成部92は、
図7(b)に示すように、隣接する分割点C1~C5を直線で結んだ表示用直線走行経路P5を生成している(
図8において、ステップ#13)。表示用直線走行経路生成部92は、直線走行経路の一端部E1と分割点C1とを結ぶ第1直線P5aを生成し、分割点C1と分割点C2とを結ぶ第2直線P5bを生成している。表示用直線走行経路生成部92は、他の隣接する分割点C2~C5及び直線走行経路の他端部E2についても同様にして、第3~第6直線P5c~P5fを生成している。このようにして、表示用直線走行経路生成部92は、第1~第6直線P5a~P5fを表示用直線走行経路P5として生成している。表示用直線走行経路生成部92は、全ての直線走行経路P4について、対応する表示用直線走行経路P5を生成している。
【0059】
表示制御部94は、
図6に示すように、作業車両位置情報取得部93にて取得したトラクタ1の現在位置と、表示用直線走行経路生成部92にて生成した全ての表示用直線走行経路P5とを表示部51の表示画面に重畳表示させている(
図8において、ステップ#14)。作業車両位置情報取得部93は、測位ユニット21にて取得するトラクタ1の現在位置を通信モジュール55にてリアルタイム(例えば、数ミリ秒周期)で受信するので、その受信情報からトラクタ1の現在位置をリアルタイムで取得している。
【0060】
トラクタ1が移動すると、作業車両位置情報取得部93が、移動後のトラクタ1の現在位置を取得するので、表示制御部94は、移動後のトラクタ1の現在位置に変更して表示部51の表示画面に表示させている(
図8において、ステップ#15のYesの場合、ステップ#16)。このステップ#15、ステップ#16の動作が、トラクタ1の自動走行が終了する等して、表示部51に対する直線走行経路P4とトラクタ1の現在位置との重畳表示が終了されるまで繰り返し行われる(ステップ#17のNoの場合)。
【0061】
ここで、
図2に示すように、複数の直線走行経路P4のうち、作業済みの直線走行経路P4を登録する作業済み登録部95が備えられている。
図6に示す表示画面では、作業済み登録部95にて作業済みに登録された直線走行経路P4に色(
図6では、グレー)等を付けることで、未作業の直線走行経路P4と作業済みの直線走行経路P4とを識別可能となっている。
【0062】
上述の如く、全ての直線走行経路P4に対して、表示用直線走行経路P5を生成して、生成した全ての表示用直線走行経路P5を表示部51に表示させているが、直線走行経路P4の一部を表示用直線走行経路の生成対象として選択し、選択されたもののみ表示用直線走行経路P5を生成して、生成した表示用直線走行経路P5を表示部51に表示させることもできる。ちなみに、残りの直線走行経路P4は、例えば、平面座標空間において両端部を結ぶ直線を生成して、その直線を表示部51に表示させることになる。
【0063】
この場合、例えば、東西方向に沿って延びる直線走行経路P4を表示用直線走行経路の生成対象として選択したり、経路長さが所定長さ以上の直線走行経路P4を表示用直線走行経路の生成対象として選択することができる。また、トラクタ1が自動走行中である直線走行経路P4のみを表示用直線走行経路の生成対象とすることもできる。このときには、トラクタ1が自動走行する直線走行経路P4が次の直線走行経路P4に変更されるに伴って、表示用直線走行経路の生成対象も次の直線走行経路P4に変更することになる。
【0064】
生成された直線走行経路P4の向きがどのような向きとなっているかによって、表示用直線走行経路を生成するか否かを切り替えることもできる。例えば、生成された直線走行経路P4の延設方向が東西方向となっていれば、全ての直線走行経路P4に対して表示用直線走行経路を生成する。逆に、生成された直線走行経路P4の延設方向が南北方向となっていれば、全ての直線走行経路P4に対して表示用直線走行経路を生成せずに、平面座標空間において両端部を結ぶ直線を生成して、その直線を表示部51に表示させることができる。このように、生成された直線走行経路P4(延長経路P2及び平行経路P3)の延設方向の向きに応じて、表示用直線走行経路を生成するか否かを切り替えることができる。
【0065】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。
尚、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0066】
(1)作業車両の構成は種々の変更が可能である。
例えば、作業車両は、エンジン9と走行用の電動モータとを備えるハイブリット仕様に構成されていてもよく、また、エンジン9に代えて走行用の電動モータを備える電動仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両は、走行部として、左右の後輪6に代えて左右のクローラを備えるセミクローラ仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両は、左右の後輪6が操舵輪として機能する後輪ステアリング仕様に構成されていてもよい。
【0067】
(2)上記実施形態では、分割点位置情報取得部91、表示用直線走行経路生成部92、作業車両位置情報取得部93、表示制御部94を携帯通信端末3に備えて、携帯通信端末3を走行経路表示装置としているが、例えば、トラクタ1のモニタ等の表示装置に、分割点位置情報取得部91、表示用直線走行経路生成部92、作業車両位置情報取得部93、表示制御部94を備えて、トラクタ1の表示装置を走行経路表示装置とこともできる。また、表示部を有する外部の管理装置に、分割点位置情報取得部91、表示用直線走行経路生成部92、作業車両位置情報取得部93、表示制御部94を備えて、外部の管理装置を走行経路装置とすることもできる。
【0068】
(3)上記実施形態では、目標走行経路Pとして、複数の直線走行経路P4のみを生成する場合について例示したが、目標走行経路Pとしては、直線状の直線走行経路を含むものであればよく、各種の形状の走行経路を含む目標走行経路Pを生成する場合に適用可能である。
【0069】
例えば、目標走行経路Pとして、直線状の直線走行経路を平行状態で複数並ぶように生成するとともに、直線走行経路の終端と次の直線走行経路の始端とを連結する状態で隣接する直線走行経路同士を連結する複数の旋回走行経路を生成することができる。この場合には、直線走行経路と作業車両の位置とを表示部に重畳表示させる際に、直線走行経路について表示用直線走行経路を生成し、その表示用直線走行経路と作業車両の位置とを重畳表示させることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 トラクタ(作業車両)
3 携帯通信端末(走行経路表示装置)
51 表示部
91 分割点位置情報取得部
92 表示用直線走行経路生成部
93 作業車両位置情報取得部
94 表示制御部
P2 延長経路(直線走行経路)
P3 平行経路(直線走行経路)