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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】容器用シート材からなる容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/16 20060101AFI20220627BHJP
   B65D 81/38 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
B65D30/16 K
B65D30/16 A
B65D81/38 U
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018158163
(22)【出願日】2018-08-27
(65)【公開番号】P2020033025
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000208455
【氏名又は名称】大和製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083998
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 丈夫
(74)【代理人】
【識別番号】100096644
【弁理士】
【氏名又は名称】中本 菊彦
(72)【発明者】
【氏名】小原 秀智
(72)【発明者】
【氏名】川幡 剛士
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 進
(72)【発明者】
【氏名】矢島 悠
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-505159(JP,A)
【文献】特開2016-16599(JP,A)
【文献】国際公開第2017/043598(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/16
B65D 81/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚のフィルムを予め定めたパターンで互いに接着することによって前記2枚のフィルム同士の間に互いに連通していて流体が供給される複数のセルが構成されている容器用シート材を予め定めた折り畳み予定線に沿って折り畳んで構成される容器であって、前記折り畳み予定線に沿って前記容器用シート材を折り畳むことによって互いに向かい合って配置された前記容器用シート材の周縁部の少なくとも一部が互いに接着されて内容物が収容される胴部が形成され、前記胴部の内側に入り込むように、前記容器の底部が前記折り畳み予定線に沿って折り畳まれている前記容器用シート材からなる前記容器において、
前記折り畳み予定線上に、前記2枚のフィルムが互いに接着されていない非シール部が線状に形成されている
ことを特徴とする容器用シート材からなる容器。
【請求項2】
請求項1に記載の容器用シート材からなる容器において、
前記折り畳み予定線上に、前記2枚のフィルムを互いに接着する接着部が前記折り畳み予定線の長さ方向に延びて形成され、
前記接着部の内部に、前記非シール部が線状に形成されている
ことを特徴とする容器用シート材からなる容器。
【請求項3】
請求項1に記載の容器用シート材からなる容器において、
前記非シール部は前記セルに連通して形成され、
前記非シール部の両側に、前記非シール部と互いに隣接しかつ平行に前記2枚のフィルムを互いに接着する接着部が形成され、
前記非シール部の幅は、前記セル同士を互いに連通する連通部の幅より狭い
ことを特徴とする容器用シート材からなる容器。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の容器用シート材からなる容器において、
前記非シール部は、前記折り畳み予定線上に連続的もしくは間欠的に形成されている
ことを特徴とする容器用シート材からなる容器。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の容器用シート材からなる容器において、
前記折り畳み予定線は、前記胴部の内側に入り込むように前記底部を折り畳んだ場合に、前記胴部の内側に向けて突出した折り目となる第1折り畳み予定線と、前記胴部と前記底部との境界部であって前記胴部の外側に向けて突出した折り目となる第2折り畳み予定線とを含み、
前記非シール部は、前記第1折り畳み予定線と前記第2折り畳み予定線とのうち、少なくとも前記第1折り畳み予定線上に形成されている
ことを特徴とする容器用シート材からなる容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、容器用シート材からなる容器であって、特に、少なくとも2枚のフィルムを接着して構成された容器用シート材を折り畳んで構成される容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の容器の一例が特許文献1に記載されている。その容器は、互いに重ね合わされた2枚のフィルムの間に、互いに連通していて流体が供給されて膨張する複数のセルが形成された容器用シート材を折り畳んで構成されている。具体的には、容器用シート材は、その高さ方向に間欠的に形成された複数の縦シール部と、幅方向に間欠的に形成された複数の横シール部とによって2枚のフィルムが接着されて構成されており、それらの縦シール部と横シール部とによって区画された部分が上述したセルとなっている。また、容器用シート材の高さ方向で中央部は、容器の底部となる部分であり、当該中央部には他の部分に比較して幅広の3つの横シール部が形成されている。これらの3つのシール部のうち中央のシール部は容器用シート材の高さ方向で中間に位置していて、容器を構成する場合には、そのシール部を折り目として容器用シート材が半分に折り畳まれる。また、折り畳まれることによって重ね合わされた容器用シート材の内側に上記のシール部が配置されるように、前記中央部が山折りあるいはV字状に折り畳まれる。そして、このように折り畳まれた状態において、上記の中央部を挟んで両側の容器用シート材の周縁部同士が互いに接着されて内容物が収容される胴部が形成されている。
【0003】
なお、特許文献2には、二つ折りされた積層フィルムの周縁部同士が互いに接着され、かつ、その二つ折りされた積層フィルムの長さ方向での中央部が前記長さ方向に直交する方向に積層フィルムを接着する仕切りシール部によって接着された包装袋が記載されている。上記の仕切りシール部の中央部には、易折曲部が形成されている。易折曲部は、積層フィルムが接着されていない帯状の非シール部や、前記非シール部と積層フィルムを細く線状に接着した線シール部とを組み合わせることによって構成されている。そのため、易折曲部が折り目となって包装袋を容易に折り畳むことができる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-95267号公報
【文献】特開2016-108034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
互いに重ね合わされたフィルム同士を接着して一体化すると、その接着部分での厚さはそれぞれのフィルムの厚さより厚くなる。そのため、接着部分での断面係数や曲げに対する剛性あるいは強度は、それぞれのフィルムの断面係数や曲げに対する剛性あるいは強度より大きくなる。その結果、接着部分では、曲げが生じにくくなる。これは、特許文献1に記載されたシール部でも同様である。したがって、シール部では容器用シート材を折り曲げにくく、その結果、設計上、予め定めた位置で容器用シート材を折り畳むことができない可能性がある。つまり、折り畳みの予定位置と、実際の折り畳み位置とにずれが生じる可能性がある。このようなずれが生じると、互いに重ね合わせて接着する箇所において、ずれが生じてしまい、その結果、設計上、定めた形状の容器を構成することができなくなる。このように特許文献1に記載された構成では、製造性の点で未だ改良の余地があった。
【0006】
なお、特許文献2に記載された易折曲部は、包装袋を折り畳んで包装袋をコンパクトにするためのものであり、易折曲部を形成する位置が設計上、予め定めた位置からずれたとしても、包装袋の製造性が悪化する要因にはなりにくい。
【0007】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、折り畳み位置のくるいが生じにくく、製造性に優れた容器用シート材からなる容器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、この発明は、2枚のフィルムを予め定めたパターンで互いに接着することによって前記2枚のフィルム同士の間に互いに連通していて流体が供給される複数のセルが構成されている容器用シート材を予め定めた折り畳み予定線に沿って折り畳んで構成される容器であって、前記折り畳み予定線に沿って前記容器用シート材を折り畳むことによって互いに向かい合って配置された前記容器用シート材の周縁部の少なくとも一部が互いに接着されて内容物が収容される胴部が形成され、前記胴部の内側に入り込むように、前記容器の底部が前記折り畳み予定線に沿って折り畳まれている前記容器用シート材からなる前記容器において、前記折り畳み予定線上に、前記2枚のフィルムが互いに接着されていない非シール部が線状に形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
また、この発明では、前記折り畳み予定線上に、前記2枚のフィルムを互いに接着する接着部が前記折り畳み予定線の長さ方向に延びて形成され、前記接着部の内部に、前記非シール部が線状に形成されていてよい。
【0010】
さらに、この発明では、前記非シール部は前記セルに連通して形成され、前記非シール部の両側に、前記非シール部と互いに隣接しかつ平行に前記2枚のフィルムを互いに接着する接着部が形成され、前記非シール部の幅は、前記セル同士を互いに連通する連通部の幅より狭くてよい。
【0011】
そして、この発明では、前記非シール部は、前記折り畳み予定線上に連続的もしくは間欠的に形成されていてよい。
【0012】
また、この発明では、前記折り畳み予定線は、前記胴部の内側に入り込むように前記底部を折り畳んだ場合に、前記胴部の内側に向けて突出した折り目となる第1折り畳み予定線と、前記胴部と前記底部との境界部であって前記胴部の外側に向けて突出した折り目となる第2折り畳み予定線とを含み、前記非シール部は、前記第1折り畳み予定線と前記第2折り畳み予定線とのうち、少なくとも前記第1折り畳み予定線上に形成されていてよい。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、容器用シート材の折り畳み予定線上には、非シール部が線状に形成されている。その非シール部では、2枚のフィルムが互いに接着されていないため、曲げに対する剛性あるいは強度は、特には大きくなっていない。そのため、この発明における容器用シート材は折り畳み予定線上に形成された非シール部に沿って容易に折り畳むことができ、折り畳み位置のずれが回避される。これにより、折り畳まれた容器用シート材の形状や接着位置などをほぼ設計した通りとすることができ、容器の製造性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明における容器用シート材を構成する各フィルムの斜視断面図である。
図2】この発明の第1実施形態における容器用シート材の展開図である。
図3】貫通孔が形成された第2フィルムを示す図である。
図4】第1フィルムと第2フィルムとの貼り合わせ装置の一例を模式的に示す図である。
図5】切り欠き部が形成された容器用シート材を示す図である。
図6】容器用シート材の半折装置の一例を模式的に示す図である。
図7】容器用シート材の折り込み装置の一例を模式的に示す図である。
図8】斜めシール部を形成する箇所を模式的に示す図である。
図9】サイドシール部を形成する箇所を模式的に示す図である。
図10】ポイントシールを行う箇所を模式的に示す図である。
図11】サイドシール部を境界として容器用シート材から素容器を切り出した状態を示す図である。
図12】スパウトが取り付けられたこの発明に係る容器の一例を模式的に示す図である。
図13】この発明の第2実施形態における容器用シート材の展開図である。
図14】この発明の第3実施形態における容器用シート材の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明に係る容器は、容器用シート材を折り畳んで構成される容器であり、内容物を充填していない状態では、シート状すなわち減容化することのできる容器である。容器用シート材は少なくとも2枚のフィルムを備え、それらのフィルムの間に、流体が供給されて膨張する複数のセルが形成されており、それらのセルに流体を供給して充填することによって内容物を保冷あるいは保温し、また、容器としての形体を維持するように構成されている。
【0016】
(第1実施形態)
図1は、この発明における容器用シート材を構成する各フィルムの斜視断面図である。図1に示す容器用シート材1は、容器を構成した場合に容器の内側に位置する第1フィルム2と、容器の外側に位置する第2フィルム3とを備え、それらのフィルム2,3を互いに接着して構成されている。第1フィルム2は、第2フィルム3に対して例えば熱接着される接着層4と、接着層4と互いに隣接していて気体の透過を抑制するように構成されたバリヤ層5と、容器の最も内側に配置されて内容物に触れる内層6とを積層した積層フィルムによって構成されている。接着層4は、上述したように各フィルム2,3を熱接着する場合には、ヒートシール性を有する樹脂フィルムによって構成されることが好ましく、接着層4としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などの樹脂フィルムを用いることができる。それらの樹脂フィルムのうち、接着性の点で、特に、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(以下、LLDPEと記す。)製のフィルムを用いることが好ましい。
【0017】
バリヤ層5は、例えば酸素や水蒸気、香気物質などの透過を抑制するものであって、特に酸素ガスの透過速度が遅い、あるいは、透過量が小さい酸素バリヤ性を有する樹脂フィルムあるいは塗膜によって構成されている。なお、バリヤ層5を塗膜によって構成する場合には、酸素や水蒸気を透過しにくい合成樹脂材料を主体とする塗料を接着層4あるいは内層6に塗布し、その後、乾燥して形成する。バリヤ層5を構成する樹脂フィルムおよび合成樹脂材料としては、例えば、エチレン・ビニルアルコール共重合体が挙げられる。内層6としては、接着層4と同様に、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などのヒートシール性を有する樹脂フィルムを用いることが好ましく、特に、LLDPE製のフィルムを用いることが好ましい。
【0018】
第2フィルム3は、基部である基材層7と、容器の最も外側に配置される外層8とを積層して構成されている。基材層7は、第1フィルム2に対して熱接着されるものであり、ヒートシール性を有する樹脂フィルムによって構成されている。基材層7としては接着層4と同様に、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などの樹脂フィルムを用いることができ、特に、LLDPE製のフィルムを用いることが好ましい。なお、接着層4と同様に、LLDPE製のフィルムを使用すれば、他のフィルムによって構成した場合と比較して、基材層7と接着層4との熱接着を容易に行うことができると共に、基材層7と接着層4との間の接着強度が高くなる。したがって、基材層7と接着層4とは、同じ材料によって構成されることが好ましい。外層8としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などの樹脂フィルムを用いることが好ましく、特に、ナイロン(登録商標)樹脂製のフィルムを用いることが好ましい。
【0019】
図2は、この発明に係る容器を構成する容器用シート材の一例の展開図である。図2に示す容器用シート材1は長方形であって、第1フィルム2と第2フィルム3とが互いに重ね合わされ、かつ、予め定めたパターンで接着されて構成されている。第1フィルム2と第2フィルム3との接着方法は、上述したようにヒートシールであってよく、ヒートシーラーなどの従来知られた接着機器を使用する方法であってよい。すなわち、所定のヒートシールパターンが形成された「型」を用意し、その「型」を重ね合わせた各フィルム2,3に押し付けかつ加熱して接着する。あるいは、予め加熱しておいた「型」を各フィルム2,3に押し付けて接着する。その後、各フィルム2,3から「型」を離隔させて各フィルム2,3を冷却する。なお、第1フィルム2と第2フィルム3との接着方法は、ヒートシールに替えて、接着箇所を局部的に発熱させ接着する超音波溶着による接着方法であってもよい。または、接着剤を使用して第1フィルム2と第2フィルム3とを接着してもよい。
【0020】
ここで、容器用シート材1の接着パターンについて説明すると、図2に示す例では、互いに重ね合わされた第1フィルム2と第2フィルム3との各端部つまり4辺において、第1フィルム2と第2フィルム3とが接着されており、この接着された部分がエッジ部9となっている。以下の説明では、エッジ部9のうち、幅方向W1で容器用シート材1の両側のエッジ部9をサイドエッジ部9Aと称し、高さ方向Hで容器用シート材1の両側のエッジ部9をトップエッジ部9Bと称する。エッジ部9によって囲われた部分に、第1フィルム2と第2フィルム3とを互いに熱接着していて、高さ方向Hに線状に延びる複数の縦シール部10と、幅方向W1に線状に延びる複数の横シール部11とが形成されている。そのため、エッジ部9によって囲われた部分は縦シール部10と横シール部11とによって格子状に区画されている。なお、上述したエッジ部9がこの発明の周縁部に相当する。
【0021】
縦シール部10は、高さ方向Hに予め定めた間隔で間欠的に形成されている。そのため、高さ方向Hで互いに隣接する縦シール部10同士の間に隙間が形成されている。このような縦シール部10が幅方向W1に一定の間隔をあけて複数形成されている。横シール部11は幅方向W1に予め定めた間隔で間欠的に形成されている。そのため、幅方向W1で互いに隣接する横シール部11同士の間に隙間が形成されている。このような横シール部11が高さ方向Hに予め定めた間隔をあけて複数形成されている。上述した各隙間は、図2に示すように、各シール部10,11を貫くように形成されており、各隙間が各シール部10,11によって区画された空間を互いに連通する連通部12となっている。なお、各シール部10,11によって区画された空間が、この発明におけるセルに相当している。連通部12の幅は、流体が流動できるように構成されていればよく、一例として可及的に狭く設定されている。これは実験により予め定めることができる。
【0022】
接着パターンについて、より具体的に説明すると、高さ方向Hで容器用シート材1の中央部は容器の底部を構成する第1領域13となっている。第1領域13では、縦シール部10は高さ方向Hに連続して形成されている。横シール部11は幅方向W1に間欠的に形成されている。横シール部11は、ここに示す例では、第1領域13に3つ形成されている。以下の説明では、図2での上から順に第1横シール部11A、第2横シール部11B、第3横シール部11Cと称する。各横シール部11A,11B,11Cの幅は、ここに示す例では、他の領域に形成されている横シール部11の幅より広く設定されている。それら3つの横シール部11A,11B,11Cのうち、第1横シール部11Aと第3横シール部11Cとは、第1領域13と第2領域17との境界部に形成されている。
【0023】
第2横シール部11Bは、高さ方向Hで第1領域13のほぼ中間に、つまり、容器用シート材1のほぼ中間に形成されている。第2横シール部11Bの内部に、第1フィルム2と第2フィルム3とが接着されていない非シール部14が、幅方向W1に線状に延びて形成されている。非シール部14では、第1フィルム2と第2フィルム3とが接着されていないため、各フィルム2,3が接着されている縦シール部10と横シール11と比較して、断面係数や曲げに対する剛性あるいは強度が低くなっている。したがって、非シール部14に沿って容器用シート材1を容易に折り畳むことができる。その非シール部14の幅および非シール部14の周囲の第2横シール部11Bの幅は、第2シール部11Bでの各フィルム2,3の接着状態を維持することができ、かつ、容器用シート材1を容易に折り畳むことができる幅に設定されている。具体的には、非シール部14の幅は後述するディスクの板厚とほぼ同じに設定されている。第2横シール部11Bおよび非シール部14の各幅は実験により予め定めることができる。なお、上述した第2横シール部11Bが、この発明における折り畳み予定線および第1折り畳み予定線に相当している。
【0024】
なお、第1領域13では、縦シール部10と3つの横シール部11A,11B,11Cとによって4辺を閉じられた密閉セル15が合計6室、形成されている。幅方向W1で第1領域13の両端部の密閉セル15と中央部の密閉セル15との間に、高さ方向Hに並んで2室ずつ、連通部12を介して互いに連通された解放セルが合計4室、形成されている。すなわち、幅方向W1で第1領域13の両端部と中央部とを避けて解放セルが形成されている。これらの解放セルを以下の説明では、底部セル16と称する。それら4つの底部セル16のうち、2つの底部セル16はそれらを結ぶ直線上に位置し、他の2つは前記直線から外れている。また、各底部セル16は、幅方向W1での中央からほぼ同じ位置に形成されている。そのため、各底部セル16に流体が注入されると、各底部セル16はほぼ同様に膨張し、膨張した各底部セル16のうち、少なくとも3つの底部セル16がテーブルなどの載置面に接触する。したがって自立性が良好になる。
【0025】
高さ方向Hで第1領域13の両側は容器の胴部を構成する第2領域17となっている。第2領域17における縦シール部10は高さ方向Hに予め定めた長さで間欠的に形成されている。ここに示す例では、縦シール部10は第1領域13側では長く、トップエッジ部9B側では短く形成されている。横シール部11は第1領域13と同様に、幅方向W1に予め定めた長さで間欠的に形成されている。したがって、図2に示す例では、第2領域17における第1領域13側の解放セルは高さ方向Hに長く、トップエッジ部9B側の解放セルは、それよりも短く形成されている。これらの解放セルを以下の説明では、側壁セル18L,18Sと称する。なお、各側壁セル18L,18Sは連通部12を介して互いに連通されている。
【0026】
高さ方向Hで第2領域17の両側は、図示しないスパウトが取り付けられる第3領域19となっている。いわゆる頸部となっている。第1領域13を挟んで一方側(図2での上側)の第3領域19では、縦シール部10は、トップエッジ部9Bから予め定めた長さ連続して形成され、横シール部11は幅方向W1で一方のサイドエッジ部9Aから他方のサイドエッジ部9Aに向かって線状に延びている。これらの縦シール部10と横シール部11とによって4辺を閉じられた密閉セル15が合計5室、形成されている。それらの密閉セル15のうち4室はほぼ同じ大きさに形成され、残りの1室は他の密閉セル15より細長く形成されている。この細長い密閉セル15と他方のサイドエッジ部9Aとの間に、高さ方向Hに延びる細長い解放セルが形成されている。この解放セルは、容器用シート材1の4つの角部1A,1B,1C,1Dのうち、角部1Aの近傍に形成されており、互いに隣接する側壁セル18に連通している。この解放セルにおける第2フィルム3に、厚さ方向に貫通する貫通孔20が形成されている。この貫通孔20から解放セルに流体が注入される。つまり貫通孔20が流体の注入部になっており、細い解放セルが流体の流路21となっている。貫通孔20の形状は、円形、矩形、方形、三角形などいずれの形状であってもよい。なお、上述した流体としては、水や空気、窒素ガスなどが挙げられる。
【0027】
第1領域13を挟んで他方側(図2での下側)の第3領域19では、縦シール部10は、トップエッジ部9Bから予め定めた長さ連続して形成されている。横シール部11はサイドエッジ部9A同士の間に連続して形成されている。つまり、他方の第3領域19では、それら縦シール部10と横シール部11とによって4辺を閉じられたほぼ同じ大きさの密閉セル15が合計5室、形成されている。
【0028】
次に、容器用シート材1の製造方法と、容器用シート材1を使用した容器の製造方法とを併せて説明する。先ず、ロール巻きされている第2フィルム3をロールから予め定めた長さ繰り出して貫通孔20を形成する。図3は、貫通孔20が形成された第2フィルム3を示す図である。図3では、矢印W2方向が第2フィルム3の幅方向を示しており、容器用シート材1の高さ方向Hに対応している。図3に示すように、容器用シート材1の角部1Aに対応する第2フィルム3における予め定められた位置に、貫通孔20を形成する。貫通孔20の形成は図示しない打ち抜き加工機によって行ってもよく、あるいは、図示しないニードルを突き刺して形成してもよい。
【0029】
これとは別に、ロール巻きされている第1フィルム2を予め定めた長さ繰り出して、貫通孔20を形成した第2フィルム3に重ね合わせる。例えば、図4に示すように、第1フィルム2の接着層4の上に第2フィルム3の基材層7を重ね合わせる。その後、ヒートシーラー22によって第1フィルム2と第2フィルム3とを図2に示すヒートシールパターンで接着する。このようにして容器用シート材1を連続して形成し、これを一旦、巻き取って原反23とする。
【0030】
原反23を図示しない製袋機にセットする。ロール巻きされている原反23から容器用シート材1を予め定めた長さ繰り出し、その容器用シート材1に複数の切り欠き部24を形成する。図5は切り欠き部24が形成された容器用シート材1を示す図である。図5に示すように、容器用シート材1同士の間のいわゆる余白部分つまりサイドエッジ部9Aとなる箇所であって、第2横シール部11Bを対称の軸として線対称となる位置のそれぞれに切り欠き部24が形成される。なお、切り欠き部24は図示しない打ち抜き加工機によって形成することができる。また、後述するように、第1領域13を山折りあるいはV字状に折り畳んだ場合には、切り欠き部24は互いに重ね合わされ、それら切り欠き部24から第2フィルム3の内層6同士が露出する。
【0031】
次いで、容器用シート材1を半分に折り畳む。図6は、容器用シート材1の半折装置25の一例を模式的に示す図である。図6に示す半折装置25は、容器用シート材1に沿って配置されたガイドプレート26を有している。そのガイドプレート26には、容器用シート材1の第2横シール部11Bに当接することによって容器用シート材1を折り曲げる起点を生じさせる誘導部27が形成されている。それら誘導部27と第2横シール部11Bとは互いに当接するようにそれらの位置が合わされている。また、一方のトップエッジ部9Bと他方のトップエッジ部9Bとを重ね合わせるように、一方のトップエッジ部9Bを、他方のトップエッジ部9B側に折り返して容器用シート材1を半分に折るように構成されている。
【0032】
半折装置25の作用について説明する。ロール巻きされている原反23から繰り出した容器用シート材1をガイドプレート26に沿わせて搬送すると共に、一方のトップエッジ部9Bと他方のトップエッジ部9Bとを重ね合わせるように、一方のトップエッジ部9Bを、他方のトップエッジ部9B側に折り返して容器用シート材1を半分に折る。これにより、誘導部27に第2横シール部11Bが当接する。第2横シール部11Bには、上述したように非シール部14が形成されていて、非シール部14では第2横シール部11Bと比較して曲げに対する剛性あるいは強度が低くなっている。そのため、誘導部27に当接する非シール部14で曲げが生じる。容器用シート材1は連続して原反23から繰り出されるから、誘導部27に当接している非シール部14が折れ曲がりの起点となって、連続して容器用シート材1が二つ折りにされる。つまり、非シール部14以外の箇所で容器用シート材1が折り曲げられることが回避され、その結果、容器用シート材1は図6に示すように、設計した通りに、ほぼ二つ折りにされる。
【0033】
容器用シート材1の搬送方向で半折装置25の下流側に、折り込み装置28が配置されている。図7は、折り込み装置28の一例を模式的に示す図である。図7に示す折り込み装置は容器用シート材1の第1領域13(底部)を第2領域17側に山折りあるいはV字状に折り畳む装置であって、一例として、半折装置25で二つ折りにされた容器用シート材1の隙間に挿入されて前記隙間を広げる図示しないスペーサーと、第2横シール部11Bに二つ折りされた容器用シート材1の外側から当接するディスク29とを備えている。上記のスペーサーは、例えば、一対のピンあるいはバーなどであってよい。そして、前記隙間に挿入された状態で前記一対のピンあるいはバーの間隔を増大することによって二つ折りされた容器用シート材1の隙間を拡大して二つ折りされた状態の第1領域13を広げるように構成されている。ディスク29はスペーサーによって広げられた第1領域13の第2横シール部11Bに当接して容器用シート材1の第1領域13(底部)を折り曲げ、かつ、折り曲げられた第1領域13(底部)を第2領域17同士の間に押し込ように折り畳むものである。そのディスク29の板厚は、非シール部14とほぼ同じ幅の厚さ、あるいは、非シール部14よりも薄肉に設定されている。これは非シール部14に当接して当該非シール部14で曲げを生じやすくするためである。また、ディスク29は、第1横シール部11Aあるいは第3横シール部11Cと、第2横シール部11Bとの間の長さ分、第2横シール部11Bをトップエッジ部9B側に位置させるように、その少なくとも一部が二つ折りされた第1領域13の間に配置されるように構成されている。なお、ディスク29は回転可能に構成されていてもよく、その場合には、ディスク29に容器用シート材1が擦れて損傷することを抑制することができる。
【0034】
折り込み装置28の作用について説明する。先ず、半折装置25で二つ折りされた容器用シート材1の隙間に、スペーサーとして機能する上記のピンあるいはバーを挿入してそれらの間隔を増大する。これによって前記隙間が拡大され、すなわち折り畳まれた状態の第1領域13が広げられる。また、第2横シール部11Bにディスク29が当接する。第2横シール部11Bには、非シール部14が形成されているので、上述したように非シール部14で曲げが生じる。また同時に、ディスク29によってトップエッジ部9B側に第2横シール部11Bが押し込められるので、非シール部14を折り目として第2領域17側に突出した山折りあるいはV字状に第1領域13が折り畳まれる。その結果、胴部を構成する第2領域17の間に山折りあるいはV字状に折り畳まれた状態で第1領域13が配置される。
【0035】
さらに、上述したように、第1領域13を折り畳むと、図7に示すように、各横シール部11A,11Cと胴部を構成する第2領域17との境界部は容器の外側に向けて突出した状態になる。具体的には、上述したように、トップエッジ部9B側に第2横シール部11Bが押し込められるため、第1横シール部11Aと第2領域17との境界部、および、第3横シール部11Cと第2領域17との境界部で、すなわち、各フィルム2,3が互いに接着されていない箇所で容器用シート材1が折り曲げられる。なお、それらの折り曲げ位置つまり折り目を図2に矢印「A」で記載してある。
【0036】
次いで、容器用シート材1が4枚重なっている箇所を斜めに接着する。これは、後述するように内容物を充填した際に、容器の底部の広がりを規制するためであり、図8にハッチングを付して示す台形の斜辺に沿って容器用シート材1を接着する。この斜めにシールされた箇所を以下の説明では、斜めシール部30と記す。斜めシール部30において、互いに対向している内層6同士が接着される。その結果、容器の高さ方向Hでの下端部における両側に、三角形のひだが形成される。
【0037】
次いで、上記のように折り畳まれた容器用シート材1の両端部を帯状にシールしてサイドシール部31を形成する。図9に、サイドシール部31を形成する箇所をハッチングを付して記載してある。図9に示すように、互いに重ね合わされたサイドエッジ部9A同士を接着してサイドシール部31を形成する。これにより、切り欠き部24を形成することによって現れた内層6同士が互いに接着され、また上述したひだが互いに接着される。
【0038】
また、図10に示すように、容器用シート材1が4枚重なっている箇所の上端部、つまり斜めシール部30とサイドシール部31との交点の上端部にポイントシールを行う。そのポイントシールを行う箇所を図10にハッチングを付して記載してある。ポイントシールを行うことにより、4枚重なっている容器用シート材1が隙間なく接着させる。その後、サイドシール部31を境界として図11に示すように、1つずつ切り出して素容器32とする。
【0039】
素容器32を図示しないスパウト溶着機にセットして素容器32の開口部にスパウト33を取り付ける。例えば、第3領域19の図示しない開口部によってスパウト33を挟み付けた状態で、それらを加圧および加熱して開口部にスパウト33を接着する。これと併せて、開口部における内層6同士を熱接着して開口部の隙間を閉じる。こうしてこの発明に係る容器34が形成される。なお、図12では、図面を簡単にするため、斜めシール部30やひだなどを省略してある。
【0040】
そして、容器34を図示しない充填機にセットし、スパウト33から胴部内に内容物を充填する。内容物としては、例えば、液状あるいはスラリー状などの流動性のあるものが好ましい。内容物を充填した後に、スパウト33に図示しないキャップが取り付けられ、密閉される。次いで、貫通孔20に図示しないノズルを押し当てて流体を注入し、その後、流路21における流体の流動方向で貫通孔20の下流側に、例えば加熱したバーを押し当て、あるいは、加熱した一対のバーによって前記貫通孔20の下流側を挟み付けることによって内層6同士を接着して流路21を塞ぐ。
【0041】
したがって、上述した容器34を形成する容器用シート材1は非シール部14に沿って優先的に折り畳まれ、それ以外の箇所では特には曲げが生じない。そのため、上述したように第2横シール部11Bで容器用シート材1を二つ折りした場合には、容器用シート材1の第1角部1Aと第2角部1Bとを重ね合わせ、かつ、第3角部1Cと第4角部1Dとを重ね合わせることができる。そして、上述した構成の素容器32や容器34を、ほぼ設計した通りの形状とすることができる。すなわち、その後にスパウト33を取り付けたり、貫通孔20から流体を充填するとしても、スパウト33の取り付け位置のずれや、貫通孔20と流体を供給するために貫通孔20に押し当てられるノズルとの位置ずれを回避できる。また、予め定めた位置で容器用シート材1を折り畳んで容器34が形成されるため、製造工程での振動や製造誤差などに起因して、互いに接着される箇所で不可避的なずれが生じるとしても、そのずれを可及的に小さくすることができ、製造性が良好になる。
【0042】
(第2実施形態)
図13は、この発明の第2実施形態における容器用シート材1の展開図であって、ここに示す例は、各横シール部11A,11B,11Cのそれぞれに、非シール部14を構成した例である。なお、以下の説明では、第1横シール部11Aに形成された非シール部14を第1非シール部14Aと称し、第2横シール部11Bに形成された非シール部14を第2非シール部14Bと称し、第3横シール部11Cに形成された非シール部14を第3非シール部14Cと称する。各非シール部14A,14B,14Cの幅および非シール部14の周囲の第2横シール部11Bの幅は、各横シール部11A,11B,11Cでの各フィルム2,3の接着状態を維持することができ、かつ、容器用シート材1を容易に折り畳むことができる幅に設定されている。例えば、各非シール部14A,14B,14Cの幅は、上述したディスク29の板厚とほぼ同じに設定されている。他の構成は図2に示す構成と同様であるため、図2に示す構成と同様の部分には図2と同様の符号を付してその説明を省略する。なお、上述した第2横シール部11Bがこの発明における第1折り畳み予定線に相当し、上述した第1横シール部11Aおよび第3横シール部11Cが、この発明における第2折り畳み予定線に相当している。
【0043】
図13に示す構成の容器用シート材1であっても、半折装置25にセットされてガイドプレート26に第2非シール部14Bが当接した場合には、第2非シール部14Bが折り目となって二つ折りにされる。また、折り込み装置28にセットしてディスク29に第2非シール部14Bが当接した場合には、第2非シール部14Bが折り目となるとともに、第1領域13がV字状に折り畳まれた状態でトップエッジ部9B側つまり容器34の胴部の内側に押し込められる。また、相対的に曲げに対する剛性あるいは強度が低い各非シール部14A,14Cが折り目となる。したがって、図13に示す構成の容器用シート材1であっても、第1実施形態と同様に、予め定めた位置で容器用シート材1を折り畳んで、設計上、定めた形状の容器34を構成することができ、製造性が良好になる。
【0044】
(第3実施形態)
図14は、この発明の第3実施形態における容器用シート材1の展開図であって、ここに示す例は、第2横シール部11Bを幅方向W1に貫いて非シール部14を構成した例である。すなわち、第2横シール部11Bは、一対の細い横シール部11B1によって構成されており、それらの間に非シール部14が形成されている。非シール部14は連通部12に連通されており、したがって、連通部12を介して流体が供給されるようになっている。また、一対の細い横シール部11B1の各幅は、各フィルム2,3同士の接着を維持できる幅に設定されており、非シール部14の幅は連通部12の幅とほぼ同じあるいは連通部12の幅より狭く設定されている。あるいは、上述したディスク29の板厚とほぼ同じに設定されている。つまり、可及的に狭く設定されている。これは、折り畳まれる箇所を明確に特定するためである。また、非シール部14を広く設定すると、流体が供給されて非シール部14が膨張した場合に、底部セル16の形状が変形し、それによって底部セル16以外の部分が載置面に接する可能性があるので、これを避けるためである。他の構成は図2に示す構成と同様であるため、図2に示す構成と同様の部分には図2と同様の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
図14に示す構成の容器用シート材1であっても、半折装置25にセットされてガイドプレート26に非シール部14が当接した場合には、当該非シール部14が折り目となって折り畳まれる。折り込み装置28にセットされてディスク29に非シール部14が当接した場合であっても、非シール部14が折り目となって折り畳まれる。また、第1実施形態と同様に、第1領域13がV字状に折り畳まれた状態でトップエッジ部9B側つまり容器34の胴部の内側に押し込められるので、第1横シール部11Aと第2領域17との境界部、および、第3横シール部11Cと第2領域17との境界部などの相対的に曲げに対する剛性あるいは強度の低い箇所で容器用シート材1が折り畳まれる。したがって、図14に示す構成の容器用シート材1であっても、上述した各実施形態と同様に、予め定めた位置で容器用シート材1を折り畳んで、設計上、定めた形状の容器を構成することができ、製造性が良好になる。
【0046】
なお、この発明は上述した実施形態に限定されないのであって、非シール部14の数、形状などは、この発明の目的を達成する範囲で適宜に変更してよい。例えば、図14に示す第3実施形態において、第2横シール部11Bに非シール部14を形成することに加えて、第1横シール部11Aと第3横シール部11Cとのそれぞれに、それらの横シール部11A,11Cを幅方向W1に貫いて非シール部14を形成してもよい。また、非シール部14は上述したように、各横シール部11A,11B,11Cの上に、幅方向W1に連続して形成することに替えて、一定の間隔でドット状あるいは短い線状に形成されていてもよい。または、幅方向W1で容器用シート材1の一方側に偏って形成されていてもよい。非シール部14は要は、容器用シート材1を折り畳む場合に、その起点となるように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0047】
1…容器用シート材、 2…第1フィルム、 3…第2フィルム、 11,11A,11B,11C…横シール部(折り畳み予定線)、 14,14A,14B,14C…非シール部、 13…第1領域(底部)、 17…第2領域(胴部)、 34…容器。
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