(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】ガス輸送装置
(51)【国際特許分類】
F04B 45/047 20060101AFI20220627BHJP
F04B 39/12 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
F04B45/047 C
F04B39/12 G
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018169549
(22)【出願日】2018-09-11
【審査請求日】2021-04-07
(32)【優先日】2017-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】508252837
【氏名又は名称】研能科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Microjet Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1F, No.28, R&D 2nd Road, Science-Based Industrial Park, Hsin-Chu, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】莫皓然
(72)【発明者】
【氏名】陳世昌
(72)【発明者】
【氏名】廖家▲ユ▼
(72)【発明者】
【氏名】廖鴻信
(72)【発明者】
【氏名】黄啓峰
(72)【発明者】
【氏名】蔡長諺
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-050108(JP,A)
【文献】特開2011-241808(JP,A)
【文献】特開2017-135974(JP,A)
【文献】国際公開第2015/045727(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/133283(WO,A1)
【文献】特開2017-002909(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0242060(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 45/047
F04B 39/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気蓋板と、複数の導流部と、複数のガスポンプとを含むガス輸送装置であって、
前記排気蓋板は排気管及び排気合流槽を有し、前記排気管が前記排気合流槽に対応して連通するように設置されており、
前記各導流部は本体、凸出側フレーム及びフレーム体を有し、前記本体が凹溝及び連通孔を有し、前記連通孔が前記凹溝に連通され、
前記各ガスポンプは前記各導流部の前記フレーム体内に対応して設置され、
そのうち、前記複数の導流部は並行に設置され、前記排気蓋板で前記複数の導流部をカバーして閉鎖することにより、前記排気蓋板と前記複数の導流部の前記凸出側フレームとを上下に密接させ、前記排気合流槽と互いに連通する合流チャンバーを画定し、前記ガスポンプを駆動させてガスを輸送する際に、ガスが前記各導流部の前記凹溝に導入され、かつ前記連通孔、前記合流チャンバー及び前記排気合流槽を順番に経由し、最後にガスが前記排気管から排出されることを特徴とするガス輸送装置。
【請求項2】
前記排気管は、内径が徐々に小さくなるテーパ形状であることを特徴とする請求項1に記載のガス輸送装置。
【請求項3】
前記凸出側フレームが前記本体の上方を囲むように突出し、前記フレーム体が前記本体の下方を囲むように突出し、前記本体に設置される前記凸出側フレームが前記本体に設置される前記フレーム体と比較してやや内縮することにより、前記排気蓋板を載置するための段差空間が形成されることを特徴とする請求項1に記載のガス輸送装置。
【請求項4】
前記複数の導流部の前記凸出側フレームはシール開口を有し、前記フレーム体はピン開口を有することを特徴とする請求項1に記載のガス輸送装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのガスポンプは入気板と、共振片と、圧電アクチュエーターと、導電性片と、第1絶縁片と、第2絶縁片とを含み、
前記入気板は少なくとも1つの入気孔と、少なくとも1つの合流排孔と、合流通槽とを含み、
前記共振片は中空孔を含み、
前記圧電アクチュエーターは圧電素子と、懸吊板と、外枠と、少なくとも1つのブラケットと、第1導電ピンとを含み、前記懸吊板、前記外枠及び前記少なくとも1つのブラケットの間に少なくとも1つの隙間が画定され、前記懸吊板が第1表面と第2表面をさらに有し、前記第2表面に凸部が設けられ、前記第1表面に前記圧電素子が設置され、
前記導電性片は第2導電ピンを含み、
そのうち、前記入気板、前記共振片、前記圧電アクチュエーター、前記第1絶縁片、前記導電性片及び前記第2絶縁片は互いに対応して積み重ねて設置され、前記共振片と前記圧電アクチュエーターの間に間隙を有することで圧縮チャンバーが画定され、前記圧電素子が前記懸吊板に電圧を印加することにより、前記懸吊板が往復の上下曲げ振動を行い、ガスが前記入気板の前記少なくとも1つの入気孔から導入され、前記合流排孔、前記合流通槽、前記中空孔及び前記圧縮チャンバーを順番に経由し、最後に前記少なくとも1つの隙間から前記凹溝へ導入されることを特徴とする請求項1に記載のガス輸送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガス輸送装置に関し、特に流量輸送を増加できるガス輸送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、医学、コンピュータ技術、印刷、エネルギーなどの様々な分野において、製品は洗練された小型化の方向に発展している。その中でも、マイクロポンプに含まれるガス輸送構造はその主要技術である。いかに革新な構造で技術のボトルネックを打破するかが製品を発展させるための重要な内容となっている。
【0003】
技術の急速な発展に伴い、ガス輸送装置の用途はますます多様化していて、産業用、生物医学用、医療用、電子冷却用など、また、最も普及しているウェアラブル装置にもその応用が見られる。従来のガス輸送装置は、装置の小型化と流量の最大化の傾向に徐々になっていることがわかる。
【0004】
従来技術では、ガス輸送装置は主に従来の機械部品を積み重ねて構成されており、各機械部品を最小化または薄くすることによって装置全体の小型化および薄型化が図られている。しかしながら、従来の機械部品を小型化した後、寸法精度の制御が容易ではなく、また組立精度の制御も難しく、製品品質がバラバラであり、ガス輸送流量も不安定であることが問題になっている。
【0005】
また、従来のガス輸送装置においても、輸送流量が不十分であるという問題があり、単一のガス輸送装置による大量のガス輸送を満足させるのは容易ではなかった。従って、いかに輸送流量を向上させる構造のあるガス輸送装置を発展させるかが解決すべき問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、複数の小型化されたガスポンプを並行に設置することにより、最適なガス輸送効率を有するガス輸送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明が提供するガス輸送装置は、排気管及び排気合流槽を有し、前記排気管が前記排気合流槽に対応して連通するように設置される排気蓋板と、本体、凸出側フレーム及びフレーム体を有し、前記本体は凹溝及び連通孔を有し、前記連通孔は前記凹溝に連通される複数の導流部と、前記各導流部の前記凹溝内に対応して設置される複数のガスポンプと、を含む。
【0008】
その中,前記複数の導流部を並行に設置し、前記排気蓋板で前記複数の導流部をカバーして閉鎖することにより、前記排気蓋板と前記複数の導流部の前記凸出側フレームを上下に密接させて前記排気合流槽と互いに連通する合流チャンバーを画定する。前記ガスポンプを駆動させてガスを輸送する際に、ガスを前記各導流部の前記凹溝に導入し、かつガスは順番に前記連通孔、前記合流チャンバー及び前記排気合流槽を経由して最後に前記排気管から排出される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本発明の好ましい実施例のガス輸送装置の構造を示す立体図である。
【
図1B】本発明の好ましい実施例のガス輸送装置の構造の分解図である。
【
図2B】
図2Aにおける排気蓋板の異なる視角の構造を示す立体図である。
【
図3B】
図3Aにおける導流部の異なる視角の構造を示す立体図である。
【
図4】
図1Aにおけるガス輸送装置のA-A断面図である。
【
図5A】本発明の好ましい実施例のガスポンプの構造の分解図である。
【
図5B】本発明の好ましい実施例のガスポンプの異なる視角の構造の分解図である。
【
図6】
図5Aにおける圧電アクチュエーターの断面構造を示す断面図である。
【
図7】本発明の好ましい実施例のガスポンプの断面構造を示す断面図である。
【
図8A-8E】本発明の好ましい実施例のガスポンプの動作構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の特徴及び利点を詳細に説明したいくつかの実施例を示す。本発明は、異なる態様において様々な変更が可能であり、それらは本発明の範囲から逸脱しないものである。また、その中の説明及び図示は本質的に説明のために使用されており、本発明を限定するものではない。
【0011】
図1A~
図3Bに示すように、本発明が提供するガス輸送装置は、少なくとも1つの排気蓋板11、少なくとも1つの排気管111、少なくとも1つの排気合流槽114、複数の導流部12、少なくとも1つの本体120、少なくとも1つの凸出側フレーム121、少なくとも1つのフレーム体122、少なくとも1つの凹溝124、少なくとも1つの連通孔125、複数のガスポンプ14、少なくとも1つの合流チャンバー123を含む。以下の実施例における排気蓋板11、排気管111、排気合流槽114、本体120、凸出側フレーム121、フレーム体122、凹溝124、連通孔125、合流チャンバー123の数量は、一つにして例として説明しているが、これに限定されない。排気蓋板11、排気管111、排気合流槽114、本体120、凸出側フレーム121、フレーム体122、凹溝124、連通孔125、合流チャンバー123は、複数の組合せでも良い。
【0012】
本発明のガス輸送装置は多様な電子装置或は医療設備に応用されても良く、流量輸送を改善できる。
図1A及び
図1Bに示すように、本発明のガス輸送装置1は、主に排気蓋板11と、複数の導流部12と、複数のガスポンプ14とを含み、その中、各ガスポンプ14はそれぞれ対応する導流部12に置かれ、また、複数の導流部12は水平方向で並行に設置する方式を採用する。排気蓋板11はカバーで複数の導流部12を閉鎖し、複数のガスポンプ14はガス輸送に用いられ、複数のガスポンプ14が同時にガス輸送を行う際に、ガスは排気蓋板11、導流部12などの部品を通じて合流し、最後に排気蓋板11の排気管111を介して迅速に排出される。これにより、ガス輸送流量を改善する効果を果たす。本発明の技術内容を説明するために、本実施例は導流部12とガスポンプ14の数量をそれぞれ2つにして例として説明する。その詳細構造及び動作方式は明細書の後段にてさらに詳細に説明する。
【0013】
本発明の導流部12及びガスポンプ14の数は互いに対応し、ガスポンプ14が3つであれば、導流部12も同様に3つであるが、数はこれに限定されるものではなく、実際の状況に応じて変更可能である。さらに、排気蓋板11の大きさは導流部12の数に伴って変化し、排気蓋板11が複数の導流部12の上にカバーして閉鎖できるようにし、ガス合流の輸送に提供する。
【0014】
図2A及び
図2Bに示すように、本実施例の排気蓋板11は排気管111及び排気合流槽114を含み、その中、排気管111が排気合流槽114に対応して連通するように設置される。排気管111は排出開口112を含み、また、排気合流槽114は進入開口113を含み、排出開口112は排気管111内部に設置されて進入開口113と互いに連通する。その中、進入開口113の孔径は排出開口112よりやや大きく、また、排気管111の内径は進入開口113から排出開口112まで徐々に小さくなるテーパ形状であるが、これに限らない。テーパ形状に設置することにより、ガスに著しい集合効果を産生させ、集合後ガスは排気管111から迅速に輸送される。
【0015】
図3A及び
図3Bに示すように、複数の導流部12の構造特徴は全て同じであり、説明の重複を避けるために、以下単一の導流部12の構造特徴について詳細に説明する。導流部12は本体120、凸出側フレーム121及びフレーム体122を含み、その中、本体120には凹溝124及び連通孔125が設けられ、連通孔125と凹溝124は連通し、凸出側フレーム121は本体120の上方を囲むように突出し,フレーム体122は本体120の下方を囲むように突出する。また、本体120に設置される凸出側フレーム121は本体120に設置されるフレーム体122と比較してやや内縮することにより、排気蓋板11を載置するための段差空間が形成される。また、凸出側フレーム121上にはシール開口127を設置し、導流部12のフレーム体122上にはピン開口126を設置する。
【0016】
図5A、
図5B及び
図6に示すように、複数のガスポンプ14はガス輸送構造が同じであり、その動作方式も同じである。簡単に説明するために、以下単一のガスポンプ14のみで説明する。図に示すように、ガスポンプ14は主に入気板141、共振片142、圧電アクチュエーター143、第1絶縁片144a、導電性片145及び第2絶縁片144bの順番で互いに対応して積み重ねて設置して構成される。
【0017】
本実施例の入気板141は複数の入気孔141a、複数の合流排孔141b及び合流通槽141cをさらに含み、本実施例では4つの入気孔141a及び4つの合流排孔141bを例として説明するが、その数はこれに限らない。4つの入気孔141aは入気板141を貫通する孔であり、装置外の大気圧力の作用に順応してガスがガスポンプ14の中に入るように用いられる。4つの合流排孔141bはそれぞれ4つの入気孔141aに対応して設置され、合流通槽141cは4つの合流排孔141bの中心部に設置され、且つ4つの合流排孔141bと互いに連通する。これにより、4つの入気孔141aから合流排孔141bへガスを導入でき、ガスを引導して合流通槽141cまで合流して集中し、ガスの輸送を実現する。本実施例の入気板141は一体成型の構造であるが、これに限らない。
【0018】
本実施例の共振片142は可撓性材料により構成される片状材料であり、共振片142上に中空孔142cを有し、中空孔142cは入気板141の合流通槽141cに対応して設置され、ガス流通に用いられる。本実施例の共振片142は銅材料により構成されるが、これに限らない。
【0019】
本実施例の圧電アクチュエーター143は、主に懸吊板1431、外枠1432、複数のブラケット1433、圧電素子1434などの部品を含む。その中、本実施例のブラケット1433は4つあるが、これに限らず、実際の状況に応じて数を変更することができる。本実施例の懸吊板1431は凸部1431a、第2表面1431b及び第1表面1431cをさらに含み、且つ凸部1431aは第2表面1431b上に設置され、凸部1431aは円形の凸起でも良いが、これに限らない。本実施例の外枠1432はフレーム構造であり、懸吊板1431の周縁を囲むように設置され、4つのブラケット1433は外枠1432と懸吊板1431の間に接続され、弾性支持を提供する。また、4つのブラケット1433により、外枠1432及び懸吊板1431の間が複数の隙間1435が形成され、複数の隙間1435はガス流通導出に使用される。本実施例の懸吊板1431、外枠1432及びブラケット1433の形態及び数はこれに限らず、実際の応用ニーズに応じて変化可能である。さらに,本実施例の外枠1432には外を向かって凸出する導電ピン1432cがさらに設けられ、外部電源装置(図示せず)からガスポンプ14までの電気接続に用いられ、且つ駆動電源を提供するが、これに限らない。本実施例の圧電素子1434は懸吊板1431の第1表面1431cに付着され、懸吊板1431に電圧を印加することに用い、懸吊板1431に変形を産生させて上下に曲げ振動を起こす。これにより、ガス輸送を行い、その輸送動作方式は明細書の後段にてさらに詳しく説明する。
【0020】
図6に示すように、懸吊板1431の凸部1431aと外枠1432の第2表面1432aは共平面であり、且つ、懸吊板1431の第2表面1431b及びブラケット1433の第2表面1433aは共平面である。また、前記懸吊板1431の凸部1431a及び外枠1432の第2表面1432aは懸吊板1431の第2表面1431b及びブラケット1433の第2表面1433aの間には特定の深さを有する。懸吊板1431の第1表面1431cと外枠1432の第1表面1432bとブラケット1433の第1表面1433bは平坦な共平面構造であり、圧電素子1434はこの平坦な懸吊板1431の第1表面1431cに付着している。他の実施例では、懸吊板1431の形態は一対の面が平坦な板状の正方形構造であり、これに限らず、実際の状況に応じて変更できる。一部の実施例では、懸吊板1431、ブラケット1433及び外枠1432が一体成型の構造でも良く、且つ金属板(例えばステンレス鋼材料,ただしこれに限らない)により構成される。また、他の一部の実施例では、圧電素子1434の辺の長さは前記懸吊板1431の辺の長さより短い。もう一部の実施例では、圧電素子1434の辺の長さと懸吊板1431の辺の長さは同じであり、且つ懸吊板1431に対応する正方形の板状構造と同様な設計であるが、これに限らない。
【0021】
本実施例の第1絶縁片144a、導電性片145及び第2絶縁片144bは順番に圧電アクチュエーター143の外枠1432の第1表面1432bに設置され、また、その形態は大まかに圧電アクチュエーター143の外枠1432の形態に対応する。本実施例では、第1絶縁片144a、第2絶縁片144bは絶縁材料(例えばプラスチック、ただしこれに限らない)により構成され、絶縁効果を提供する。本実施例の導電性片145は導電性材料(例えば金属材料、ただしこれに限らない)により構成され、電気伝導機能を提供する。本実施例では、導電性片145から突出する導電ピン145aをさらに設置し、電気伝導機能を実現する。
【0022】
図7に示すように,ガスポンプ14は入気板141、共振片142、圧電アクチュエーター143、第1絶縁片144a、導電性片145及び第2絶縁片144bなどが順番に積み重ねて構成されており、また、共振片142と圧電アクチュエーター143の間には間隙hを有する。本実施例では、共振片142及び圧電アクチュエーター143の外枠1432周縁の間の間隙hには充填材料(例えば導電性接着剤、ただしこれに限らない)で充填する。これにより、共振片142と圧電アクチュエーター143の懸吊板1431の凸部1431aの間が前記間隙hの深さを維持でき、空気流をより速く流動させることができる。懸吊板1431の凸部1431aと共振片142が適切な距離を維持することにより、互いの接触干渉を低減し、騒音の発生を低減できる。他の一部の実施例では、圧電アクチュエーター143の外枠1432の高さを増加することによって、圧電アクチュエーター143と共振片142を組み立てる際に間隙を増やすが、これに限らない。
【0023】
入気板141、共振片142と圧電アクチュエーター143を順番に組み立てた後、共振片142は可動部142a及び固定部142bを有し、可動部142aはその上にある入気板141と共にガスを合流させるチャンバーを形成する。また、共振片142と圧電アクチュエーター143の間に圧縮チャンバー140をさらに形成し、ガスの一時的な保存に用いる。圧縮チャンバー140は、共振片142の中空孔142cを通じて入気板141の合流通槽141cにあるチャンバーと連通する。
【0024】
図1B及び
図4に示すように、複数のガスポンプ14は複数の導流部12のフレーム体122内に対応して設置され、且つ、ガスポンプ14の導電ピン1432c、導電ピン145aは導流部12のフレーム体122上のピン開口126を介して外部へ突出することにより、外部電源装置(図示せず)からガスポンプ14まで電気接続して駆動電源を提供する。複数の導流部12は水平方向で並行に設置し、排気蓋板11が凸出側フレーム121の段差空間をカバーして載置されることにより、複数の導流部12が閉鎖され、排気蓋板11と複数の導流部12の凸出側フレーム121を上下に密接させる。また、凸出側フレーム121のシール開口127から包装用接着剤を注入することにより、接着気密の効果を達成する。このように、排気蓋板11と複数の導流部12の凸出側フレーム121の間に複数の合流チャンバー123を形成し、排気合流槽114と連通させる。本実施例は、凸出側フレーム121の特別な設計を通して、導流部12と排気蓋板11が上下に密接することにより互いに固定され、これにより部品が解体しやすくなり、同時に、部品の解体に消耗される時間を大幅に低減でき、部品交換がやすくなる効果をさらに果たし、ガス輸送装置1の組立運用の柔軟性を向上させる。
【0025】
複数のガスポンプ14の駆動でガス輸送が行われると、ガスはガスポンプ14によって複数の導流部12の凹溝124、連通孔125、合流チャンバー123及び排気合流槽114にそれぞれ流れ、最後に、ガスは前記排気管111の排出開口112から排出される。要するに、複数のガスポンプ14を介してガスをガス輸送装置1中に導入し、複数の導流部12の内部に流れる設計により、輸送されたガスを合流集中させ、輸送効率を向上させる目的を達成する。さらに、本実施例は二組のガスポンプ14を並行に配置し、同時にガスの輸送を駆動することにより、ガス輸送流量が単一のガスポンプより大きくし、これにより、ガス輸送流量を向上させる効果を果たす。もちろん、ガスポンプを並行に配置する数は二組に限らず、実際の状況に応じて変更できる。
【0026】
図8A~
図8Eに示すように、ガスポンプ14が作動する際に、圧電アクチュエーター143は電圧駆動により、ブラケット1433を支点にして、垂直方向の往復振動をする。まず、
図8Aに示すように、圧電アクチュエーター143が電圧駆動により下方向へ振動する際に、圧縮チャンバー140の体積を増加させ、圧力が低下し、ガスが大気圧力に順応して入気孔141aから進入し、合流排孔141b、合流通槽141c及び中空孔142cを介して圧縮チャンバー140に入る。続いて、
図8Bに示すように、共振片142は軽くて薄い片状の構造であるため、ガスが大気圧力に順応して圧縮チャンバー140に入る際に、共振片142の可動部142aはそれに伴って下方向へ振動し、圧電アクチュエーター143の懸吊板1431の凸部1431a上に当接され、懸吊板1431の凸部1431a以外のエリアと共振片142両側の固定部142bとの間の合流チャンバーの間隔は縮小せず、この共振片142の形態の変化によって、圧縮チャンバー140の体積が圧縮され、圧縮チャンバー140中の流通空間が閉じられ、その中のガスがプッシュされて中央から周辺へ流動し、圧電アクチュエーター143のブラケット1433の間の隙間1435を経由して下方向へ流動する。その後、
図8Cに示すように、共振片142の可動部142aは上方向へ曲げ振動して形状が変化し、初期位置まで回復する。また、圧電アクチュエーター143は電圧駆動により、上方向へ振動し、同様に圧縮チャンバー140の体積を圧縮し、この際に圧電アクチュエーター143は上方向へ持ち上げられるため、圧縮チャンバー140内のガスは両側へ流動され、ガスは入気板141上の少なくとも1つの入気孔141aから継続的に進入し、再び合流通槽141cで形成された空洞中に流入する。また、
図8Dに示すように、前記共振片142は圧電アクチュエーター143が上方向へ持ち上げられる振動により、上方向へ共振し、この際に共振片142の可動部142aも上方向へ振動することにより、ガスが入気板141上の入気孔141aから継続的に進入することが低減され、再び合流通槽141cで形成されたチャンバーに流入する。最後に、
図8Eに示すように、共振片142の可動部142aが初期位置まで回復し、この実施形態から、共振片142が垂直方向の往復振動をする際に、共振片142と圧電アクチュエーター143との間の間隙hにより、共振片142の垂直変位の最大距離を増加することができる。換言すれば、前記二つの構造の間に間隙hを設置することにより、共振片142が共振する際に、より大きな垂直変位を産生する。
【0027】
以上より、本発明は複数のガスポンプを複数の導流部にそれぞれ設置し、複数の導流部が互いに水平で並行に設置され、排気蓋板と上下に組み立てて密接されることにより、輸送効率を向上させる目的を達成し、複数のガスポンプを配置することによりガス輸送流量を大幅に向上させる効果を達成した。さらに、本発明はガスポンプの特殊流道、構造を設計することにより、ガスが高速度且つ高効率で流動し、静寂性、小型化の効果を果たした。
【0028】
本発明は当業者によって、特許請求の範囲を逸脱しない範囲内での変更は可能である。
【符号の説明】
【0029】
1:流体輸送装置
11:排気蓋板
111:排気管
112:排出開口
113:進入開口
114:排気合流槽
12:導流部
120:本体
121:凸出側フレーム
122:フレーム体
123:合流チャンバー
124:凹溝
125:連通孔
126:ピン開口
127:シール開口
14:ガスポンプ
140:圧縮チャンバー
141:入気板
141a:入気孔
141b:合流排孔
141c:合流通槽
142:共振片
142a:可動部
142b:固定部
142c:中空孔
143:圧電アクチュエーター
1431:懸吊板
1431a:凸部
1431b:第2表面
1431c:第1表面
1432:外枠
1432a:第2表面
1432b:第1表面
1432c:導電ピン
1433:ブラケット
1433a:第2表面
1433b:第1表面
1434:圧電素子
1435:隙間
144a:第1絶縁片
144b:第2絶縁片
145:導電性片
145a:導電ピン
h:間隙