(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】投影装置
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20220627BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
(21)【出願番号】P 2018230668
(22)【出願日】2018-12-10
【審査請求日】2021-04-09
(31)【優先権主張番号】201810148898.5
(32)【優先日】2018-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】趙 金生
(72)【発明者】
【氏名】鄭 權得
(72)【発明者】
【氏名】施 智維
(72)【発明者】
【氏名】林 孟萱
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-002610(JP,A)
【文献】特開2012-163732(JP,A)
【文献】特開2012-255988(JP,A)
【文献】特開2000-010188(JP,A)
【文献】特開2015-022099(JP,A)
【文献】特開2007-127865(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109946909(CN,A)
【文献】特開2000-330070(JP,A)
【文献】国際公開第2017/120346(WO,A1)
【文献】特開2004-347743(JP,A)
【文献】特開2001-343709(JP,A)
【文献】米国特許第06254239(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/00-30/60
G03B 21/00-21/10,21/12-21/13
G03B 21/134-21/30
G02F 1/13,1/137-1/141
G02F 1/133
G02F 1/1335,1/13363
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸を有する少なくとも1つの投影モジュールであって、前記投影モジュールは画像光束を発し、前記画像光束は投影対象に伝達されて投影画面を形成する、少なくとも1つの投影モジュールと、
基部及び調整部材を含む少なくとも1つの調整構造であって、前記調整部材は第1軸線を回転軸として回転可能に前記基部に接続され、前記少なくとも1つの投影モジュールは前記光軸を回転軸として回転可能に前記調整部材に
同軸に接続される、少なくとも1つの調整構造と、を含み、
前記調整部材及び前記投影モジュールは、前記第1軸線を回転軸として回転することで、前記投影画面を垂直に移動させ、
前記投影モジュールは、前記光軸を回転軸として
前記調整部材に対して回転することで、前記投影画面を回転させることを特徴とする投影装置。
【請求項2】
前記光軸に配置され、且つ反射面を有する少なくとも1つの反射素子、をさらに含み、
前記反射面は画像光束を反射し、前記画像光束は前記反射面により前記投影対象に反射されて前記投影画面を形成することを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの反射素子は、第2軸線を回転軸として回転可能に前記基部に接続され、
前記反射素子は、前記第2軸線を回転軸として回転することで、前記投影画面を水平に移動させることを特徴とする請求項2に記載の投影装置。
【請求項4】
前記第1軸線及び前記第2軸線は、前記光軸と交差することを特徴とする請求項3に記載の投影装置。
【請求項5】
前記第1軸線と前記第2軸線と前記光軸は、互いに直交することを特徴とする請求項3に記載の投影装置。
【請求項6】
前記調整部材はスリーブであり、前記スリーブは前記投影モジュールの少なくとも一部を覆うように設けられることを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項7】
前記スリーブは前記投影モジュールに螺合されていることを特徴とする請求項6に記載の投影装置。
【請求項8】
前記調整部材は、枢設部及び摺接部を有し、
前記枢設部は、前記第1軸線に沿って前記基部に枢設され、
前記摺接部は、前記基部に摺動可能に設けられ、前記調整部材の枢動に伴って前記基部に沿って摺動することを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項9】
前記基部は、枢設穴を有し、
前記枢設部は、前記枢設穴に枢設されることを特徴とする請求項8に記載の投影装置。
【請求項10】
前記基部は、摺動溝を有し、
前記摺接部は、前記摺動溝に摺動可能に設けられることを特徴とする請求項8に記載の投影装置。
【請求項11】
前記反射素子と前記投影モジュールとの間には隙間があることを特徴とする請求項2に記載の投影装置。
【請求項12】
前記投影モジュールは、光源、ライトバルブ及びレンズ群を含み、
前記光源は、照明光束を発し、
前記ライトバルブは、前記照明光束の伝達経路に位置し、前記照明光束を前記画像光束に変換し、
前記レンズ群は、前記画像光束の伝達経路に位置し、前記画像光束を前記投影モジュールの外部に伝達することを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項13】
少なくとも1つの導波路素子を含み、
前記画像光束は、前記少なくとも1つの導波路素子を通過した後に、前記投影画面を形成することを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項14】
前記投影画面は虚像であることを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの投影モジュールは、2つの投影モジュールを含み、
前記少なくとも1つの調整構造は、前記2つの投影モジュールにそれぞれ対応する2つの調整構造を含み、
前記2つの投影モジュールにより形成された2つの投影画面は、前記2つの調整構造により調整されることによって重なっていることを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影装置に関し、特に調整構造を有する投影装置に関し、該投影装置はニアアイ表示装置(Near Eye Display device)に属する。
【背景技術】
【0002】
現在、仮想現実(VR:Virtual Reality)及び拡張現実(AR:Augmented Reality)の技術は、例えば仮想現実ディスプレイ及び拡張現実ディスプレイ等の消費者用の電子製品に徐々に適用されている。拡張現実ディスプレイは、2つの投影装置を用いて人間の目に2つの仮想画像を投影し、2つの仮想画像を重ね合わせて立体画像を表示する。具体的には、該投影装置により投射された画像光束は、導波路プレートに入射して前方に伝搬され、最終的に導波路プレートの出射部から投射される。導波路プレートにより投射された、異なる角度で分布している画像光束は、人間の目に入った後に、目の水晶体により焦点が調整され、網膜に集束して投影画面を生成する。
【0003】
通常、従来の投影装置の調整方法は、投影装置が平行又は垂直に移動すると、その投影画面がそれに伴って平行又は垂直に移動し、投影装置が平行に回転し、或いは垂直に回転すると、その投影画面が変形する(理想的な投影画面が矩形の場合)。拡張現実の投影装置の調整方法は、上記調整方法と異なる。拡張現実の投影装置は、導波路プレートからの異なる出射角度を有する画像光束が人間の目に伝達された際に、人間の目で見えた画像は導波路プレートにより変換された角度空間で分布している画像であるため、投影装置が平行又は垂直に移動しても、導波路プレートに入射する入射光のエネルギーにのみ影響を及ぼし、角度空間で分布している画像は、暗くなるが、投影装置の移動に伴って移動することはない。角度空間で分布している画像を水平又は垂直に移動させるために、導波路プレートに入射する入射光の角度を調整する必要はなる。2つの仮想画像を重ね合わせて立体画像を表示するように投影装置により投射された投影画面を全面的に調整する方法は、拡張現実の投影装置の設計上の重要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、拡張現実(AR:Augmented Reality)のシーンに適用される、投影画面の移動及び回転を全面的に調整することができる投影装置を提供する。
【0005】
本発明の他の目的及び利点は、本発明に開示されている技術的特徴からさらに明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的の一つ、一部若しくは全部、又は他の目的を達成するため、本発明の1つの実施例は、光軸を有する少なくとも1つの投影モジュールであって、前記投影モジュールは画像光束を発し、前記画像光束は投影対象に伝達されて投影画面を形成する、少なくとも1つの投影モジュールと、基部及び調整部材を含む少なくとも1つの調整構造であって、前記調整部材は第1軸線を回転軸として回転可能に前記基部に接続され、前記少なくとも1つの投影モジュールは前記光軸を回転軸として回転可能に前記調整部材に接続される、少なくとも1つの調整構造と、を含み、前記調整部材及び前記投影モジュールは、前記第1軸線を回転軸として回転することで、前記投影画面を垂直に移動させ、前記投影モジュールは、前記光軸を回転軸として回転することで、前記投影画面を回転させることを特徴とする投影装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
上述したように、本発明の実施例は、少なくとも以下の利点又は効果の1つを有する。本発明の実施例の投影装置では、調整構造が調整構造の調整部材の基部に対する回転により投影モジュールを回転させるように駆動することで、投影画面をそれに応じて移動させ、調整構造が投影モジュールの調整部材に対する回転により投影画面をそれに応じて回転させ、これによって、投影画面の移動及び回転を全面的に調整する。
【0008】
本発明の上記の特徴及び利点をより明確にするために、以下は図面を参照しながら実施例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の1つの実施例の投影装置の斜視図である。
【
図2】
図1の投影モジュール及び調整部材の分解図である。
【
図4A】
図1の調整部材及び投影モジュールが第1軸線に沿って回転することを示す図である。
【
図4B】
図1の調整部材及び投影モジュールが第1軸線に沿って回転することを示す図である。
【
図4C】
図1の調整部材及び投影モジュールが第1軸線に沿って回転することを示す図である。
【
図5A】
図1の反射素子が第2軸線に沿って回転することを示す図である。
【
図5B】
図1の反射素子が第2軸線に沿って回転することを示す図である。
【
図5C】
図1の反射素子が第2軸線に沿って回転することを示す図である。
【
図6A】
図1の投影モジュールが光軸に沿って回転することを示す図である。
【
図6B】
図1の投影モジュールが光軸に沿って回転することを示す図である。
【
図6C】
図1の投影モジュールが光軸に沿って回転することを示す図である。
【
図8】本発明のもう1つの実施例の投影装置の斜視図である。
【
図9】本発明のもう1つの実施例の投影装置の斜視図である。
【
図10】本発明のもう1つの実施例の投影装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上述した本発明の上記及び他の技術的内容、特徴及び効果は、以下の図面を参照しながら、好適な実施例の詳細な説明に示されるように、明らかである。以下実施例に言及される「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」等の方向の用語は、単なる図面の方向を参照するものである。よって、本発明は方向の用語に示されるものに限定されない。
【0011】
図1は本発明の1つの実施例の投影装置の斜視図である。
図2は
図1の投影モジュール及び調整部材の分解図である。
図1及び
図2に示すように、本実施例の投影装置100は、少なくとも1つの投影モジュール110、少なくとも1つの調整構造120、及び少なくとも1つの反射素子130を含む。投影モジュール110は画像光束を発し、反射素子130は光軸OAに配置され、且つ反射面130aを有し、反射面130aは画像光束を反射し、画像光束は反射面130aにより投影対象に反射されて投影画面を形成する。該投影対象は、例えば人間の目である。他の実施例では、投影装置100は、投影モジュール110及び少なくとも1つの調整構造120を含む。投影モジュール110は画像光束を発し、画像光束は投影対象に伝達されて投影画面を形成する。
【0012】
図3は
図1の投影モジュールの模式図である。
図3に示すように、本実施例の投影モジュール110は、光源112、ライトバルブ114及びレンズ群116を含む。光源112は、例えば発光ダイオード(Light emitting diode)又はレーザダイオード(Laser diode)であり、光源112は照明光束L1を発する。ライトバルブ114は、例えば、デジタル光源処理(Digital Light Processing(登録商標)。DLP(登録商標)と略称される)システム、液晶表示(Liquid-crystal display。LCDと略称される)、又はLCoS(Liquid Crystal On Silicon)システム等を含む。ライトバルブ114は、照明光束L1の伝達経路に位置し、照明光束L1を画像光束L2に変換する。レンズ群116は、例えば1つ又は複数のレンズにより構成される。レンズ群116は、画像光束L2の伝達経路に位置し、画像光束L2を外部に投射する。
【0013】
本実施例では、投影装置100の投影モジュール110の数は、例えば使用者の両眼にそれぞれ対応するように2つであり(
図1には1つの投影モジュール110のみが図示されている)、調整構造120の数も、2つの投影モジュール110にそれぞれ対応するように2つである(
図1には1つの調整構造120のみが図示されている)。該投影画面は、例えば拡大された虚像である。各調整構造120は、2つの投影モジュール110により形成された2つの投影画面が2つの調整構造120により調整されることによって重なり、鮮明、且つ明るい投影画面を得るように、対応する投影モジュール110の移動及び回転を駆動する。
【0014】
他の実施例では、投影装置100は、1つの投影モジュール110及び1つの調整構造120を用いてもよい。調整構造120は、投影モジュール110により形成された投影画面が調整構造120により調整され、単眼で見るための鮮明、且つ明るい投影画面を得るように、対応する投影モジュール110の移動及び回転を駆動する。
【0015】
他の実施例では、投影装置100は、1つの投影モジュール110及び1つの調整構造120を用いてもよい。画像光束L2は光学素子(図示せず)により分光されて両眼にそれぞれ導かれ、調整構造120は、投影モジュール110により形成された投影画面が調整構造120により調整されることによって重なり、鮮明、且つ明るい投影画面を得るように、対応する投影モジュール110の移動及び回転を駆動する。
【0016】
具体的には、調整構造120は基部122及び調整部材124を含み、調整部材124は第1軸線A1を回転軸として回転可能に基部122に接続され、投影モジュール110は光軸OAを回転軸として回転可能に調整部材124に接続されている。また、反射素子130は第2軸線A2を回転軸として回転可能に基部122に接続されている。本実施例では、第1軸線A1と第2軸線A2と光軸OAは互いに直交し、第1軸線A1及び第2軸線A2は、光軸OAとそれぞれ交差している。光軸OAは、投影モジュール110が画像光束L2を投射する投射方法として定義される。
【0017】
図4A乃至
図4Cは、
図1の調整部材及び投影モジュールが第1軸線に沿って回転することを示す図である。
図5A乃至
図5Cは、
図1の反射素子が第2軸線に沿って回転することを示す図である。
図6A乃至
図6Cは、
図1の投影モジュールが光軸に沿って回転することを示す図である(投影モジュールが調整部材に向かう方向の視角)。
図7A乃至
図7Gは、投影画面の移動及び回転を示す図である。調整部材124及び投影モジュール110は、第1軸線A1を回転軸として
図4Aに示す状態から
図4B又は
図4Cに示す状態に回転することで、投影画面(
図7A乃至
図7Gでは投影画面Iと図示されている)を
図7に示す状態から
図7E又は
図7Dに示す状態に垂直に移動させる。反射素子130は、第2軸線A2を回転軸として
図5Aに示す状態から
図5B又は
図5Cに示す状態に回転することで、投影画面を
図7Aに示す状態から
図7C又は
図7Bに示す状態に水平に移動させる。投影モジュール110は、光軸OAを回転軸として
図6Aに示す状態から
図6B又は
図6Cに示す状態に回転することで、投影画面を
図7Aに示す状態から
図7F又は
図7Gに示す状態に回転させる。
【0018】
上述したように、調整構造120が調整部材の基部122に対する回転により投影モジュール110が第1軸線A1に沿って回転するように投影モジュール110を駆動することで、投影画面をそれに応じて垂直に移動させ、調整構造120が投影モジュール110を光軸OAに沿って調整部材124に対して回転させることで、投影画面をそれに応じて回転させ、反射素子130が第2軸線A2に沿って回転することで、投影画面をそれに応じて水平に移動させ、これによって、投影画面の移動及び回転を全面的に調整する。
【0019】
図8は本発明のもう1つの実施例の投影装置の斜視図である。本実施例では、投影装置100は、導波路素子140をさらに含む。反射素子130により反射された画像光束L2は、導波路素子140を通過した後に、投影対象に達して投影画面を形成する。反射素子130は例えば全反射プリズムモジュールであり、導波路素子140は例えば導波路プレート(waveguide plate)であり、その数は例えば1つ又は複数であり、設計に応じて数を調整してもよく、本発明は数を限定しない。
【0020】
図9は本発明のもう1つの実施例の投影装置の斜視図である。
図10は本発明のもう1つの実施例の投影装置の斜視図である。
図9に示すように、本実施例では、投影装置100は、2つの導波路素子140を含む。反射素子130により反射された画像光束L2は、導波路素子140を通過し、且つ2つの導波路素子140により伝達された後に、投影対象Pに達して投影画面を形成する。反射素子130は、反射面を有する。
図10に示すように、
図9に示す態様と異なって、本実施例では、投影装置100は、単一の導波路素子140を含み、反射素子を用いる必要がない。投影モジュール110により投射された画像光束L2は、直接単一の導波路素子140内に入り、単一の導波路素子140により伝達されることで、画像光束L2は投影対象Pに伝達されて投影画面を形成する。本発明は導波路素子140の数を限定しない。
【0021】
図1に示すように、本発明では、調整部材124は例えばスリーブであり、該スリーブは投影モジュール110の前端を覆うように設けられている。該スリーブは、螺合(ねじ込み係合)又は他の適切な方法により投影モジュール110の前端に回転可能に接続されてもよいが、本発明はこれに限定されない。また、調整部材124は枢設部124a及び摺接部124bを有し、基部122は枢設穴122a及び摺動溝122bを有し、枢設部124aは第1軸線A1に沿って基部122の枢設穴122aに枢設され、摺接部124bは基部122の摺動溝122bに摺動可能に設けられ、調整部材124の枢動に伴って基部122に沿って摺動する。
【0022】
反射素子130と投影モジュール110とが互いに干渉して反射素子130の回転及び投影モジュール110の回転の支障になるのを防止するために、本実施例では、反射素子130と投影モジュール110との間には、反射素子130が第2軸線A2に沿って回転する空間及び投影モジュール110が第1軸線A1に沿って回転する空間を提供するための0.4ミリメートル(mm)程度の隙間(図示せず)がある。反射素子130と投影モジュール110との間の隙間の大きさにより、反射素子130が第2軸線A2に沿って回転する角度範囲及び投影モジュール110が第1軸線A1に沿って回転する角度範囲を決定できる。例えば、反射素子130が第2軸線A2に沿って回転する角度範囲は例えば10度であり、投影モジュール110が第1軸線A1に沿って回転する角度範囲は例えば10度である。また、投影モジュール110が光軸OAに沿って回転する角度範囲も例えば10度である。本発明は、上記回転角度の範囲に限定されない。
【0023】
以上のことから、調整構造が調整構造の調整部材の基部に対する回転により投影モジュールが第1軸線に沿って回転するように投影モジュールを駆動することで、投影画面をそれに応じて垂直に移動させ、調整構造が投影モジュールを光軸に沿って調整部材に対して回転させることで、投影画面をそれに応じて回転させ、反射素子が第2軸線に沿って回転することで、投影画面をそれに応じて水平に移動させ、これによって、投影画面の移動及び回転を全面的に調整する。本発明は、拡張現実(AR:Augmented Reality)又は仮想現実(VR:Virtual Reality)のシーンに適用される、投影画面の移動及び回転を全面的に調整することができる投影装置を提供する。
【0024】
上記の説明は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の実施の範囲がこれらに限定されず、本発明の特許請求の範囲及び明細書の内容に基づいて、当業者によって何れの変更及び修飾が可能であり、本発明の保護範囲は特許請求の範囲を基準とする。また、本発明の実施例又は特許請求の範囲は何れも本発明により開示された目的又は利点又は特徴の全てを必ずしも実現する必要はない。また、要約部分と発明の名称は単に特許文献のサーチ作業を補助するためのものであり、本発明の権利範囲を限定するものではない。また、本明細書又は特許請求の範囲における「第1」、「第2」等の用語は単なる素子(element)の名称を命名する或いは異なる実施例又は範囲を区別するためのものであり、部材の数の上限又は下限を限定するものではない。
【符号の説明】
【0025】
100 投影装置
110 投影モジュール
112 光源
114 ライトバルブ
116 レンズ群
120 調整構造
122 基部
122a 枢設穴
122b 摺動溝
124 調整部材
124a 枢設部
124b 摺接部
130 反射素子
130a 反射面
140 導波路素子
A1 第1軸線
A2 第2軸線
L1 照明光束
L2 画像光束
I 投影画面
OA 光軸
P 投影対象