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  • 特許-塗装金属板 図1
  • 特許-塗装金属板 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】塗装金属板
(51)【国際特許分類】
   B32B 15/08 20060101AFI20220627BHJP
   B32B 3/30 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
B32B15/08 G
B32B3/30
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018238066
(22)【出願日】2018-12-20
(65)【公開番号】P2019119205
(43)【公開日】2019-07-22
【審査請求日】2021-09-03
(31)【優先権主張番号】P 2017251888
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000207436
【氏名又は名称】日鉄鋼板株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(72)【発明者】
【氏名】古菅 裕文
(72)【発明者】
【氏名】増田 康人
【審査官】河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-028851(JP,A)
【文献】特開2001-335738(JP,A)
【文献】特開2006-159495(JP,A)
【文献】特開2006-175804(JP,A)
【文献】特開2015-178225(JP,A)
【文献】特開2002-178447(JP,A)
【文献】特開2015-199292(JP,A)
【文献】特開2016-036924(JP,A)
【文献】特開2017-189908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00-43/00
B05D1/00- 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板の一方の表面に形成された化粧用塗膜と、
前記金属板の他方の表面に形成された非化粧用塗膜と、
前記非化粧用塗膜に含有された樹脂製のビーズと、を有し、
前記非化粧用塗膜は、前記金属板の表面に形成され、前記ビーズが含有された下塗り塗膜と、前記ビーズ及び前記下塗り塗膜の表面を覆うコート塗膜とを有し、
前記下塗り塗膜から突出する前記ビーズの頭出し量を、前記下塗り塗膜の膜厚及び前記ビーズの平均粒径の差としたとき、前記コート塗膜の膜厚に対する前記頭出し量の比率が3.0以上、9.0以下であることを特徴とする塗装金属板。
【請求項2】
前記コート塗膜の膜厚は、前記下塗り塗膜の膜厚よりも薄いことを特徴とする請求項1に記載の塗装金属板。
【請求項3】
前記下塗り塗膜及び前記コート塗膜のベース樹脂がポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗装金属板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非化粧面の塗膜に樹脂ビーズが含有された塗装金属板に関する。
【背景技術】
【0002】
塗装金属板は、保管等のために、テンションをかけながらコイル状に巻かれるため、塗装金属板の化粧面は、塗装金属板の非化粧面と密接する。化粧面及び非化粧面が密接すると、化粧面の光沢に変化が生じやすくなる。このような光沢の変化をプレッシャーマークという。
【0003】
特許文献1~5では、塗装金属板の化粧面にプレッシャーマークが発生することを抑制するために、非化粧面の塗膜に樹脂ビーズを含有させている。これにより、塗装金属板をコイル状に巻いたとき、化粧面及び非化粧面の接触面に樹脂ビーズが介在し、化粧面及び非化粧面の密接圧を低下させてプレッシャーマークの発生を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-100424号公報
【文献】特開2004-50657号公報
【文献】特開2005-28851号公報
【文献】特開2005-313630号公報
【文献】特許第5732273号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
塗装金属板をコイル状に巻く前に、塗装金属板の平坦度を向上させるために、レベラーが用いられている。レベラーでは、塗装金属板の両面(化粧面及び非化粧面)をロールで押さえることにより、塗装金属板の反りや曲がりを矯正している。
【0006】
図1には、塗装金属板がレベラーを通過している状態を示す。塗装金属板100は、金属板110と、非化粧面を構成する塗膜(非化粧用塗膜)120とを有しており、非化粧用塗膜120には、樹脂ビーズ130が含有されている。なお、図1では、塗装金属板100の化粧面を構成する塗膜は省略している。図1において、矢印D1は塗装金属板100の搬送方向を示し、矢印D2はレベラーのロール200の回転方向を示す。
【0007】
非化粧用塗膜120に樹脂ビーズ130が含有されていると、樹脂ビーズ130がレベラーのロール200からの加圧力を受けて変形してしまう。樹脂ビーズ130が変形すると、樹脂ビーズ130が破壊されて非化粧用塗膜120から脱落したり、樹脂ビーズ130が破壊されることなく非化粧用塗膜120から脱落したりするおそれがある。非化粧用塗膜120から脱落した樹脂ビーズ130は、ローラ200の表面に付着しやすくなり、ローラ200の表面に樹脂ビーズ130が付着したままでは、レベラーによる平坦化処理を行うときに、塗装金属板100の表面に圧痕を発生させてしまう。
【0008】
本発明の目的は、プレッシャーマークの発生を抑制するとともに、樹脂ビーズの脱落を抑制することができる塗装金属板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明である塗装金属板は、金属板の一方の表面に形成された化粧用塗膜と、金属板の他方の表面に形成された非化粧用塗膜と、非化粧用塗膜に含有された樹脂製のビーズと、を有する。非化粧用塗膜は、金属板の表面に形成され、ビーズが含有された下塗り塗膜と、ビーズ及び下塗り塗膜の表面を覆うコート塗膜とを有する。コート塗膜の膜厚に対するビーズの頭出し量の比率は、3.0以上、9.0以下である。ビーズの頭出し量は、下塗り塗膜の表面からのビーズの突出量であり、下塗り塗膜の膜厚及びビーズの平均粒径の差で表される。
【0010】
コート塗膜の膜厚は、下塗り塗膜の膜厚よりも薄くすることができる。下塗り塗膜及びコート塗膜のベース樹脂としては、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂を用いることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、塗装金属板の化粧面にプレッシャーマークが発生することを抑制できるとともに、非化粧用塗膜からビーズが脱落することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】塗装金属板がレベラーを通過している状態を示す概略図である。
図2】本実施形態である塗装金属板における非化粧面の膜構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態である塗装金属板について説明する。
【0014】
図2は、塗装金属板1の断面を示す概略図である。塗装金属板1は、化粧面及び非化粧面を有する。図2において、塗装金属板1の上側の面が非化粧面であり、塗装金属板1の下側の面が化粧面である。
【0015】
図2では、塗装金属板1の化粧面の膜構成を省略している。塗装金属板1の化粧面の膜構成は、公知の構成を適宜採用することができる。例えば、塗装金属板1の化粧面の膜構成としては、複数層の塗膜(化粧用塗膜という)で構成することができる。化粧用塗膜の材料としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂が用いられる。ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂には硬化剤を添加することができる。硬化剤としては、例えば、メラミン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、ポリアミン樹脂、フェノール樹脂が挙げられる。
【0016】
塗装金属板1の基体である金属板10は、特に限定されるものではなく、例えば、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板、アルミニウム板やステンレス鋼板などの金属板を用いることができる。金属板10の表面(化粧面側及び非化粧面側)には化成処理が施されており、化成処理皮膜が形成されている。化成処理としては、例えば、クロメート処理やリン酸塩処理などの無機系処理がある。
【0017】
以下、塗装金属板1の非化粧面の膜構成について説明する。
【0018】
金属板10の化成処理皮膜11の表面には、非化粧用塗膜12が形成されている。非化粧用塗膜12は、下塗り塗膜12a及びコート塗膜12bで構成されている。下塗り塗膜12a及びコート塗膜12bのそれぞれのベース樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂を単独で用いたり、これらの樹脂の少なくとも2つを混合して用いたりすることができる。下塗り塗膜12a及びコート塗膜12bのそれぞれは、顔料を含まないクリア塗膜であってもよいし、着色顔料及び体質顔料のうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。また、下塗り塗膜12aに硬化剤を含有させてもよい。
【0019】
下塗り塗膜12aには、樹脂ビーズ13が含有されている。樹脂ビーズ13を含む下塗り塗膜12aの表面は、コート塗膜12bで覆われている。樹脂ビーズ13の材料としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を用いたり、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の混合物を用いたりすることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロウレタン樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂が挙げられる。
【0020】
下塗り塗膜12aの膜厚T1及びコート塗膜12bの膜厚T2は、適宜決めることができる。図2に示すように、下塗り塗膜12aの膜厚T1は、化成処理皮膜11の表面から、下塗り塗膜12a及びコート塗膜12bの境界面までの距離である。コート塗膜12bの膜厚T2は、下塗り塗膜12a及びコート塗膜12bの境界面から、樹脂ビーズ13を除くコート塗膜12bの表面までの距離である。コート塗膜12bの膜厚T2は、下塗り塗膜12aの膜厚T1よりも薄いことが好ましい。
【0021】
バーコータ等の公知の塗布装置を用いることにより、各膜厚T1,T2を調整することができる。塗布装置を用いて、下塗り塗膜12aの塗料及び樹脂ビーズ13の混合物を化成処理皮膜11の表面に塗布して焼付け乾燥させることにより、樹脂ビーズ13を含む下塗り塗膜12aを形成することができる。また、塗布装置を用いて、コート塗膜12bの塗料を、樹脂ビーズ13を含む下塗り塗膜12aの表面に塗布して焼付け乾燥させることにより、コート塗膜12bを形成することができる。
【0022】
樹脂ビーズ13の平均粒径Dは、適宜決めることができる。平均粒径Dは、樹脂ビーズ13の粒度分布における算術平均値である。ここで、平均粒径Dは、下塗り塗膜12aの膜厚T1よりも大きいことが好ましい。そして、平均粒径Dは、例えば、15~32μmとすることができる。
【0023】
本実施形態では、樹脂ビーズ13を含む下塗り塗膜12aの表面をコート塗膜12bによって覆うことにより、樹脂ビーズ13が非化粧用塗膜12から脱落することを抑制しやすくなる。すなわち、レベラーのロールなどから塗装金属板1の非化粧面に加圧力が作用したとき、樹脂ビーズ13が変形しても、コート塗膜12bによって樹脂ビーズ13を下塗り塗膜12aに留めることができ、樹脂ビーズ13の脱落を抑制できる。
【0024】
樹脂ビーズ13の平均粒径D[μm]から下塗り塗膜12aの膜厚T1[μm]を減算した値を樹脂ビーズ13の頭出し量Hと定義したとき、コート塗膜12bの膜厚T2に対する樹脂ビーズ13の頭出し量Hの比率Rht(Rht=H/T2)が下記式(1)に示す条件を満たす。各膜厚T1,T2は、電子顕微鏡を用いて測定される。
3.0≦Rht≦9.0 ・・・(1)
【0025】
比率Rhtが上記式(1)に示す条件を満たすとき、塗装金属板1の化粧面にプレッシャーマークが発生することを抑制しやすくなるとともに、樹脂ビーズ13が非化粧用塗膜12から脱落することを抑制しやすくなる。樹脂ビーズ13の脱落を抑制すれば、図1に示すレベラーのロール200などに樹脂ビーズ13が付着することを抑制できる。また、ロール200などに樹脂ビーズ13が付着したままの状態で、ロール200が塗装金属板1に接触して塗装金属板1の表面に圧痕が発生することを抑制できる。
【0026】
比率Rhtが3.0[-]よりも低いと、塗装金属板1の化粧面にプレッシャーマークが発生しやすくなり、化粧面の光沢度が低下しやすくなる。また、比率Rhtが9.0[-]よりも高いと、樹脂ビーズ13が非化粧用塗膜12から脱落しやすくなる。具体的には、図1を用いて説明したように、レベラーのロール200が塗装金属板1を押し付けることにより、樹脂ビーズ13が非化粧用塗膜12から脱落してしまう。
【0027】
プレッシャーマークの発生及び樹脂ビーズ13の脱落を抑制する上では、比率Rhtが下記式(2)に示す条件を満たすことが好ましい。
5.0≦Rht≦8.0 ・・・(2)
【実施例
【0028】
複数種類の塗装金属板1について、プレッシャーマーク試験及び汚れ試験を行った。
【0029】
まず、試験サンプルとなる複数種類の塗装金属板1を用意した。金属板10としては、両面当りめっき付着量120g/m、板厚0.35mmの溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板の表面(両面)に化成処理が施されたものを用いた。金属板10の一方の表面(化成処理皮膜)に化粧用塗膜を形成し、金属板10の他方の表面(化成処理皮膜11)に非化粧用塗膜12を形成した。
【0030】
化粧用塗膜の構成は、すべての試験サンプルで同じとした。化粧用塗膜は、金属板10(化成処理皮膜)の表面に形成される下塗り塗膜と、下塗り塗膜に重ねられる上塗り塗膜とで構成した。エッチングプライマー塗料を金属板10に塗布した後、最高到達板温が210℃になるよう40秒の間加熱することにより、厚さ5[μm]の下塗り塗膜を形成した。下塗り塗膜を形成した後、ポリエステル系塗料を下塗り塗膜に塗布して、最高到達板温が250℃になるよう40秒の間加熱することにより、厚さ25[μm]の上塗り塗膜を形成した。
【0031】
非化粧用塗膜12の構成は、図2に示す通りである。非化粧用塗膜12の下塗り塗膜12aのベース樹脂としては、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂(商品名「プレカラーNo.3900、No.7000」、アクゾノーベル(株)製、ベージュ色)を用いた。また、非化粧用塗膜12のコート塗膜12bのベース樹脂としては、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂を用いた。樹脂ビーズ13の材料としては、ポリウレタン樹脂を用いた。下塗り塗膜12aの塗料及び樹脂ビーズ13を混合し、この混合物を金属板10(化成処理皮膜11)の表面に塗布した後、最高到達板温が250℃になるよう40秒の間加熱することにより、樹脂ビーズ13を含む下塗り塗膜12aを形成した。そして、コート塗膜12bの塗料を、樹脂ビーズ13を含む下塗り塗膜12aの表面に塗布した後、最高到達板温が250℃になるよう40秒の間加熱することにより、コート塗膜12bを形成した。
【0032】
ここで、下塗り塗膜12aの膜厚T1、コート塗膜12bの膜厚T2及び樹脂ビーズ13の平均粒径Dを異ならせることにより、複数の試験サンプルを用意した。複数の試験サンプル(塗装金属板1)について、表面と裏面とを重ね合わせ、圧力60Kg/cmを加えた状態で60℃の雰囲気下に24時間放置した。
【0033】
下記表1には、各試験サンプルNo.1~No.14について、非化粧用塗膜12の構成と、頭出し量H及び比率Rhtを示す。
【0034】
【表1】
【0035】
プレッシャーマーク試験では、試験前の塗装金属板1の化粧面と、放置後の塗装金属板1の化粧面(試験後の化粧面)とについて、光沢度を測定した。光沢度の測定は、JIS Z8741の規定にしたがって行い、60度鏡面光沢度Gs(60°)を測定した。本実施例では、光沢度の測定において、日本電色工業株式会社製のVG7000光沢計を用いた。
【0036】
試験前及び試験後の化粧面のそれぞれにおいて、任意の5つの測定点を特定し、これらの測定点における光沢度の平均値を算出した。そして、試験前の光沢度(平均値)Gs_ave1に対する試験後の光沢度Gs_ave2の割合Rg(Rg=100×Gs_ave2/Gs_ave1)を算出した。割合Rgの算出値について、小数点以下は四捨五入した。この割合Rgに基づいて、プレッシャーマークの評価を行った。プレッシャーマークの評価基準は、下記表2に示す通りである。
【0037】
【表2】
【0038】
汚れ試験は、樹脂ビーズ13の脱落を評価する試験である。汚れ試験では、各試験サンプル(塗装金属板1)の非化粧面に対して荷重2kgでラビングテスター(ゴム製)を押し付けた状態において、ラビングテスターを非化粧面上で50往復させた。
【0039】
汚れ試験を行う前に、非化粧面の所定領域(1200μm×900μm)を顕微鏡で観察し、所定領域内に存在する樹脂ビーズ13の総個数N1をカウントした。また、汚れ試験を行った後、非化粧面の上記所定領域(1200μm×900μm)を顕微鏡で観察し、所定領域内に存在する樹脂ビーズ13の総個数N2をカウントした。総個数N1から総個数N2を減算することにより、脱落した樹脂ビーズ13の総個数N3を算出した後、総個数N1に対する総個数N3の割合Rn(Rn=100×N3/N1)を算出した。割合Rnの算出値について、小数点以下は四捨五入した。この割合Rnに基づいて、汚れの評価を行った。汚れの評価基準は、下記表3に示す通りである。
【0040】
【表3】
【0041】
塗装金属板1の試験サンプルNo.1~No.14について、プレッシャーマーク試験及び汚れ試験の結果を下記表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】
試験サンプルNo.13,14では、プレッシャーマークの発生を抑制しにくくなった。一方、試験サンプルNo.1~No.12では、試験サンプルNo.13,14と比べて、プレッシャーマークの発生の抑制と、樹脂ビーズ13の脱落の抑制とを両立させることができた。特に、試験サンプルNo.4~6,10~12では、プレッシャーマークの発生を抑制しやすくなるとともに、樹脂ビーズ13の脱落を抑制しやすくなった。
【符号の説明】
【0044】
1,100:塗装金属板、10,110:金属板、11:化成処理皮膜、
12,120:非化粧用塗膜、12a:下塗り塗膜、12b:コート塗膜、
13,130:樹脂ビーズ、200:ロール
図1
図2