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特許7094865放送信号受信装置および放送信号受信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】放送信号受信装置および放送信号受信方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/442 20110101AFI20220627BHJP
   H04N 21/435 20110101ALI20220627BHJP
   H04H 40/18 20080101ALI20220627BHJP
   H04H 60/45 20080101ALI20220627BHJP
   H04H 60/31 20080101ALI20220627BHJP
   H04N 17/00 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
H04N21/442
H04N21/435
H04H40/18
H04H60/45
H04H60/31
H04N17/00 M
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018238079
(22)【出願日】2018-12-20
(65)【公開番号】P2020102680
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊池 匡晃
【審査官】松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-175627(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0193822(US,A1)
【文献】特許第6433615(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F19/00
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
H04B1/06
1/16
H04H20/00-20/46
20/51-20/86
20/91-40/27
40/90-60/98
H04N5/38-5/46
7/10
7/14-7/173
7/20-7/56
13/00-17/06
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号で送られてくる番組を受信し、受信した前記番組を視聴する視聴者の視聴履歴の情報を用いて、前記視聴者の属性の推定結果を出力する放送信号受信装置において、
前記番組を視聴する前記視聴者の世帯の情報にもとづいて、前記推定結果を補正する推定結果補正部を具備し、
前記世帯の情報は、前記世帯を構成する構成員の年齢および性別を含む第1の世帯情報と、前記世帯を構成する構成員の位置に関する情報を含む第2の世帯情報を含み、
前記推定結果補正部は、前記推定結果を補正する際に、前記第1の世帯情報を用いて補正した後に前記第2の世帯情報を用いて補正する
放送信号受信装置。
【請求項2】
さらに、ネットワークを介して提供される、アドレッサブル広告を複数蓄積する記録媒体を備えるとともに、放送される受信番組の途中に挿入されている広告を前記アドレッサブル広告に置き換えることが可能な広告時間枠を受取る手段を備え、前記推定結果に従って前記記録媒体に保存されている前記アドレッサブル広告の中から最適なアドレッサブル広告を選択して表示画面に表示する機能を備える、請求項1記載の放送信号受信装置。
【請求項3】
放送信号で送られてくる番組を視聴する視聴者の視聴履歴の情報を用いて、前記視聴者の属性の推定結果を出力する放送信号受信装置における放送信号受信方法において、
前記番組を視聴する前記視聴者の世帯の情報にもとづいて、推定結果補正部が前記推定結果を補正するものであり、
前記世帯の情報は、前記世帯を構成する構成員の年齢および性別を含む第1の世帯情報と、前記世帯を構成する構成員の位置に関する情報を含む第2の世帯情報を含み、
前記推定結果補正部は、前記推定結果を補正する際に、前記第1の世帯情報を用いて補正した後に前記第2の世帯情報を用いて補正する放送信号受信方法。
【請求項4】
さらに、ネットワークを介して提供される、アドレッサブル広告を複数蓄積する記録媒体を備えるとともに、放送される受信番組の途中に挿入されている広告を前記アドレッサブル広告に置き換えることが可能な広告時間枠を受取り、前記推定結果に従って前記記録媒体に保存されている前記アドレッサブル広告の中から最適なアドレッサブル広告を選択して表示画面に表示する、請求項3記載の放送信号受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放送信号受信装置および放送信号受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続可能な放送信号受信装置の中には、視聴者の属性に合わせた最適な広告を表示させるアドレッサブル広告(差し替えCM)を表示する機能を備えているものがある。このようなアドレッサブル広告(差し替えCM)を表示する機能は、放送信号受信装置の視聴者個々に対する独自のサービスを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-37935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
放送信号受信装置においてアドレッサブル広告(差し替えCM)の表示をより効果的におこなうためには、視聴者属性の推定のより高い精度が要求される。視聴履歴等の視聴データをもとに視聴者属性を推定するための推定技術は、すでに存在している。しかしこの推定技術が出力する推定結果だけでは、アドレッサブル広告(差し替えCM)の表示をより効果的におこなうために十分な精度が得られていない。
【0005】
そこで本実施形態は、視聴者属性を推定する推定処理が出力した推定結果を、さらに視聴者に関連する情報を用いて補正することで、視聴者属性の推定精度を上げる放送信号受信装置、放送信号受信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、放送信号で送られてくる番組を受信し、受信した前記番組を視聴する視聴者の視聴履歴の情報を用いて、前記視聴者の属性の推定結果を出力する放送信号受信装置において、
前記番組を視聴する前記視聴者の世帯の情報にもとづいて、前記推定結果を補正する推定結果補正部を具備し、
前記世帯の情報は、前記世帯を構成する構成員の年齢および性別を含む第1の世帯情報と、前記世帯を構成する構成員の位置に関する情報を含む第2の世帯情報を含み、
前記推定結果補正部は、前記推定結果を補正する際に、前記第1の世帯情報を用いて補正した後に前記第2の世帯情報を用いて補正する放送信号受信装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置を含むアドレッサブル広告システムの構成例を示す図である。
図2図2は、放送局(放送信号送信装置)の構成例を概略的に示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置を含む放送信号受信装置(手段)の構成を概略的に示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置の構成の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置の構成の他の例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置の視聴データ格納部が管理格納する視聴データの例を示す一覧である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置の視聴者属性推定部が出力する推定結果の一例を示す一覧である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置の補正用外部データ格納部が管理格納する、視聴者属性推定部が出力する推定結果を補正するためのデータの一例である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置の補正用外部データ格納部が管理格納する、視聴者属性推定部が出力する推定結果を補正するためのデータの他の例である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置の推定処理の処理フローの一例である。
図11図11は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置の推定処理を図10に示す処理フローにより実施した場合の、視聴データ、補正用外部データ、および補正用外部データを用いて補正された結果のデータの一例を示す図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置の推定処理の処理フローの他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置を含むアドレッサブル広告システムの構成例を示す図である。
アドレッサブル広告システムは、放送局(放送信号送信装置)100、放送信号受信装置140、CM配信用サーバ120、管理サーバ121を含む。放送信号受信装置140は、放送局(放送信号送信装置)100が放送する番組を受信するとともに、本発明の実施形態にかかる視聴者属性推定装置を含む。放送局100および放送信号受信装置140は、ネットワーク130を介してCM配信用サーバ120および管理サーバ121と接続されている。
【0009】
放送局100は、番組を編成し、編成した番組を放送信号により放送信号受信装置140に放送する局である。放送局100は、放送信号送信装置とも呼ぶ。
放送局100は、広告会社110が製作したCMを、保存して管理するCM管理サーバ101を有する。放送局100は、CM管理サーバ101に保存されているCM(Commercial Message)を、放送する番組の途中に挿入して編成し一連の映像ストリームおよび音声ストリームとして、放送信号により放送信号受信装置140に放送(送信)する。なお広告会社110は、例えば契約に基づく広告主111からの依頼により広告を製作し、製作したCMを放送局100のCM管理サーバ101に登録する。
【0010】
また放送局100は、またネットワーク130と接続する機能を有し、ネットワーク130を介してCM配信用サーバ120および管理サーバ121と接続している。
CM配信用サーバ120は、ネットワーク130を介して接続されたCM管理サーバ101から送られてきたアドレッサブル広告(差し替えCM)を蓄積し、放送信号受信装置140からの要求に応じて蓄積しているアドレッサブル広告(差し替えCM)を配信するサーバである。
【0011】
管理サーバ121は、放送信号受信装置140が受信する番組に関連する付加サービスを提供するためのサーバである。管理サーバ121が提供する付加サービスとは、例えば放送信号受信装置140が、ある番組を視聴しているユーザに、番組途中に挿入されているCMをアドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えて提供するための、アドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えることが可能なCMの時間枠を、放送信号受信装置140に提供するサービスである。管理サーバ121が放送信号受信装置140に提供するアドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えることが可能なCMの時間枠は、放送局100のCM管理サーバ101から送られてくるアドレッサブルCM枠情報にもとづいている。
【0012】
また管理サーバ121は、放送信号受信装置140の視聴履歴を収集する機能も有する。放送信号受信装置140は、番組途中に挿入されているCMがアドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えた実績を視聴履歴の中に含めて送信する。
放送信号受信装置140は、放送局100から放送信号により放送される番組を受信する受信装置である。また放送信号受信装置140は、ネットワーク130と接続する機能を有し、ネットワーク130を介してCM配信用サーバ120と接続している。放送信号受信装置140は、CM配信用サーバ120から配信されるアドレッサブル広告(差し替えCM)を、管理する記録媒体160に保存する。
【0013】
さらに放送信号受信装置140は、放送される番組に関する付加サービスを受けるために、放送信号受信装置140の例えば機能設定画面を通じて、管理サーバ121との接続を設定することが可能である。放送信号受信装置140は、機能設定画面を例えばユーザが操作することにより、管理サーバ121との接続に必要な情報である例えば放送信号受信装置140の固有情報や放送信号受信装置140を使用するユーザの世帯の状況(世帯を構成する人の性別や年代)等を管理サーバ121に登録することができる。これにより管理サーバ121は、放送信号受信装置140の1台1台を、例えば放送信号受信装置140の機器IDによりユニークに識別することができる。
【0014】
このように放送信号受信装置140は、機能設定画面を通じて管理サーバ121との接続のたに必要な情報を登録することで、放送信号で受信する番組に関連する種々の付加サービスを、管理サーバ121から受けることができる。
またさらに放送信号受信装置140は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置を含む。放送信号受信装置140は、視聴者属性推定装置による推定結果に従って記録媒体160に保存されているアドレッサブル広告(差し替えCM)の中から最適なアドレッサブル広告(差し替えCM)を選択して表示画面に表示する機能を有する。放送信号受信装置140は、選択した最適なアドレッサブル広告(差し替えCM)を、管理サーバ121から送られてきたアドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えが可能なCMの時間枠に当てはめて表示することで、番組を視聴する視聴者に提供することができる。
【0015】
図2は、放送局(放送信号送信装置)100の構成例を概略的に示した図である。放送局(放送信号送信装置)100は、CM管理サーバ101に蓄えられているCMを挿入して編成した番組の映像データや音声データ等を符号化(エンコードとも呼ぶ)して放送信号として送出する。
【0016】
データ放送エンコーダ210は、編成された番組に関連するデータ放送のデータを符号化する機能を持つ。データ放送エンコーダ210は、データ放送のデータを符号化する。
映像エンコーダ211は、編成された番組の映像データを符号化する機能を持つ。映像エンコーダ211は、編成された番組の映像データを符号化する。
【0017】
音声エンコーダ212は、編成された番組の音声データを符号化する機能を持つ。音声エンコーダ212は、編成された番組の音声データを符号化する。
字幕エンコーダ213は、編成された番組の字幕データを符号化する機能を持つ。字幕エンコーダ213は、編成された番組の字幕データを符号化する。
【0018】
制御情報生成手段214は、TLVパケットおよびMMTの制御情報を生成する機能を持つ。TLVパケットの制御情報とは、IPパケットの多重に関する制御情報(TLV-SIとも呼ばれる)であり、選局のための情報やIPアドレスとサービスの対応情報を提供する。またMMTの制御情報とは、MMTのパッケージの構成や放送サービスに関連する制御情報(MMT-SIとも呼ばれる)である。制御情報生成手段214は、音声エンコーダ212、映像エンコーダ211がエンコード対象とした番組に関する制御情報を含むTLVパケットおよびMMTの制御情報の信号を生成する。
【0019】
スクランブラ215は、音声エンコーダ212から出力された符号化された音声データ、映像エンコーダ211から出力された符号化された映像データを、CASモジュール216と連携してスクランブルする機能を持つ。
CASモジュール216は、スクランブラ215がスクランブルする際に使用する鍵を生成するモジュールである。
【0020】
マルチプレクサ(多重化手段)217は、データ放送エンコーダ210が符号化して生成したデータ放送ストリーム、映像エンコーダ211が映像データを符号化して生成した映像ストリーム、音声エンコーダ212が音声データを符号化して生成した音声ストリーム、字幕エンコーダ213が字幕データを符号化して生成した字幕ストリームおよび制御情報生成手段214で生成された制御情報を、MMT・TLV方式で多重する機能を持つ。マルチプレクサ(多重化手段)217は、音声ストリーム、映像ストリーム、TLVパケットおよびMMTの制御情報を多重化したTLVストリームを生成する。
【0021】
送信手段218は、TLVストリームからなる放送信号を放送波として送出する機能を持つ。送信手段218は、マルチプレクサ217が生成したTLVストリームを、16APSKなどの変調や誤り訂正符号化などの伝送路符号化処理を行い放送波として送出する。
【0022】
図3は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置を含む放送信号受信装置(手段)140の構成を概略的に示した図である。
放送信号受信装置140は、放送信号を受信する受信機能である基本機能341と制御手段342を含む。
基本機能341は、放送チューナ301、デマルチプレクサ302、デスクランブラ303、CASモジュール304、データ放送エンジン305、映像デコーダ306、音声デコーダ307、字幕デコーダ308、制御情報解析手段309、GUI320、合成器326を含む。
【0023】
チューナ301は、放送信号で送られてきた放送信号(TLVストリーム)を受信する機能を持つ。チューナ301で受信した放送信号は、デマルチプレクサ302に入力される。
デマルチプレクサ302は、多重化されているTLVストリームをデータ放送ストリーム、映像ストリーム、音声ストリーム、字幕ストリーム、制御情報に分離する機能を持つ。デマルチプレクサ304は、分離したデータ放送ストリーム、映像ストリーム、音声ストリーム、データ放送ストリーム、字幕ストリームをデスクランブラ303に、制御情報であるSI信号を制御情報解析手段309にそれぞれ入力する。
【0024】
デスクランブラ303は、入力されたデータ放送ストリーム、映像ストリーム、音声ストリーム、字幕ストリームを、CASモジュール304と連携してデスクランブルする機能を持つ。デスクランブラ303は、デスクランブルしたデータ放送ストリームをデータ放送エンジン305に、映像ストリームを映像デコーダ306に、音声ストリームを音声デコーダ307に、字幕ストリームを字幕デコーダ308にそれぞれ入力する。
【0025】
CASモジュール304は、デスクランブラ303でデスクランブルする際に使用するキーを生成する機能を持つ。
データ放送エンジン305は、入力されたデータ放送ストリームの受信処理を行う機能を持つ。データ放送エンジン305は、受信したデータ放送ストリームを表示手段350に表示するデータに変換して合成器326に送る。合成器326に送られたデータ放送用のデータは、映像データ等と合成され、表示手段350に表示される。
【0026】
映像デコーダ306は、入力された映像ストリームを復号化(デコード)する機能を持つ。映像デコーダ306は、映像ストリームを復号し表示手段350に表示する信号を生成する。
音声デコーダ307は、入力された音声ストリームを復号化する機能を持つ。音声デコーダ307は、音声ストリームを復号しスピーカ351に出力する信号を生成する。
【0027】
字幕デコーダ308は、字幕ストリームを復号化し、表示手段350に表示する信号を生成する。
復号化された映像信号および字幕信号およびデータ放送用信号は、合成器326で合成され表示手段350に出力される。また復号化された音声信号は、スピーカ351に出力される。
【0028】
制御情報解析手段309は、放送信号の制御情報であるSI信号の解析を行う。制御情報解析手段310は、SI信号の解析を行うと、その解析結果を制御手段342に送る。
制御手段342は、放送信号受信装置140の全体的な動作の制御を行う。また制御手段342は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置330を内部に持ち、視聴者属性推定装置330の制御を行う。また制御手段342は、ネットワーク130とのI/FであるネットワークI/F331および外部機器との接続I/Fである外部入力I/F332の制御も行う。
【0029】
また制御手段342は、視聴者属性推定装値330が出力した視聴者属性の推定結果に従って記録媒体160に保存されているアドレッサブル広告(差し替えCM)の中から放送信号受信装置140に視聴者に最適なアドレッサブル広告(差し替えCM)を選択し、アドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えることが可能な時間枠のCMを、選択したアドレッサブル広告(差し替えCM)に置き換えて表示する制御も行う。
【0030】
視聴者属性推定装置330は、視聴履歴等の視聴データをもとに推定した視聴者属性の推定結果を、さらに補正用外部データを用いて補正する機能を持ち、信号受信装置140の視聴者に最適なアドレッサブル広告(差し替えCM)を可能とする、視聴者属性を推定する機能を持つ。
【0031】
視聴者属性推定装置330の構成は、図4を用いて説明する。また視聴者属性推定装置330が行う処理の例は、図10を用いて説明する。
視聴履歴等の視聴データをもとに、視聴者属性を推定するための技術は、すでに存在している。しかしこの推定技術が出力した推定結果だけでは、アドレッサブル広告配信をより効果的におこなうためには十分な視聴者推定の推定精度が得られない。そのため、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置330は、視聴者推定の推定精度をあげるために、従来からある推定技術の推定結果を補正する機能を有する。
【0032】
図4は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置330の構成の一例を示す図である。視聴者属性推定装置330は、視聴データ格納部401、補正用外部データ格納部402、視聴者属性推定部410、推定結果補正部420、補正済み推定結果格納部421を含む。
【0033】
視聴データ格納部402は、視聴データを管理格納する処理を行う。視聴データは、例えば視聴履歴である。制御手段342は、映像デコーダ306、音声デコーダ307、制御情報解析手段309の処理を通じて表示手段350やスピーカ351に出力される番組を検出することで、視聴データ(視聴履歴等)を視聴データ格納部402に保存する。視聴データ格納部402が管理格納する視聴データの一例を、図6に示す。
【0034】
視聴者属性推定部410は、視聴者属性を推定する処理部(推定エンジンとも呼ぶ)である。視聴者属性推定部410は、視聴データ格納部402に保存されている視聴データを取得し視聴者属性を推定する処理を行い、推定結果を出力する。視聴者属性を推定する処理部は、たとえばディープラーニングによるものであってもよい。視聴者属性推定部410が出力する推定結果の一例を、図7に示す。
【0035】
補正用外部データ格納部402は、視聴者属性推定部410が出力した視聴者属性を補正するためのデータを管理格納する。補正するためのデータは、例えば放送信号受信装置140の機能設定で登録したユーザの世帯を構成する人(構成員)の性別や年代や放送信号受信装置140の利用形態(1人で利用、家族で利用等)に関する情報、あるいは放送信号受信装置140と接続可能な、構成員が所有するスマートフォンやタブレット等の携帯端末から得られる構成員の位置情報等である。
【0036】
放送信号受信装置140に接続可能なスマートフォン、タブレット等の携帯端末とは、例えば管理サーバ121を経由したリモート接続により、放送信号受信装置140のリモコン機能として登録された携帯端末であったり、放送信号受信装置140が備える録画機能を予約したりする携帯端末である。補正用外部データ格納部402が管理格納するデータの一例を、図8および図9に示す。
【0037】
本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置330は、視聴データをもとに推定した視聴者属性の精度をあげるために、視聴データをもとに推定した視聴者属性を補正する機能を有する。以下補正する機能について説明する。
推定結果補正部420は、視聴者属性推定部410が出力した視聴者属性を、補正用外部データ格納部402より取得した補正するためのデータを用いて、補正する処理を行う。
【0038】
補正済み推定結果格納部421は、推定結果補正部420が出力した補正した視聴者属性を管理格納する。
図5は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置330の構成の他の例を示す図である。図4の例は、視聴データ格納部401、補正用外部データ格納部402、視聴者属性推定部410、推定結果補正部420、補正済み推定結果格納部421がすべて放送信号受信装置140の中にある場合であるが、視聴者属性推定部410が放送信号受信装置140の外部の別体の中にあってもよい。
【0039】
図5に示す例は、視聴データ格納部401-2、補正用外部データ格納部402、推定結果補正部420-2、補正済み推定結果格納部421が放送信号受信装置140の制御手段342の中にあり、視聴者属性推定部410-2が、ネットワークI/F331あるいは外部I/F332で接続される別体の中に存在する場合の例である。視聴者属性推定部410-2は、視聴データ送信部431および視聴データ受信部441の間の通信を介して視聴データ格納部401-2に格納されている視聴データを取得し、推定結果送信部442および視聴データ受信部432の間の通信を介して、推定した視聴者属性の推定結果を推定結果補正部420-1に出力する例である。
【0040】
本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置330の構成は、図4および図5に示した以外に、例えば視聴データ格納部201や補正用外部データ格納部202が、放送信号受信装置140の外部の別体の中にあってもよい。例えば視聴データ格納部201や補正用外部データ格納部202は、管理サーバ121の中にあってもよい。
【0041】
図6は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置330の視聴データ格納部402が管理格納する視聴データ(視聴履歴)の例を示す一覧である。
視聴データは、放送信号受信装置140の機器ID601、放送信号受信装置140の視聴者が視聴している番組を放送する放送局603、およびその視聴者がその番組の視聴を開始した時刻602を含む。
【0042】
例えば610は、機器ID601が00001の放送信号受信装置140において、放送局Aが放送する番組を10月11日の21時00分00秒から視聴者が視聴したことを示している。
図7は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置330の視聴者属性推定部410が出力する推定結果の一例を示す一覧である。
【0043】
一覧700は、入力された視聴データに含まれる情報の機器ID701、時刻702、放送局703の情報を用いて視聴者属性推定部410が、情報の機器ID701に示す放送信号受信装置140により、放送局703に示す放送局が放送する番組を時刻702に示す時刻から視聴した視聴者が、年代および性別で区分された視聴者属性の各区分704-713に属する確率(推定値とも呼ぶ)を推定した結果を示したものである。
【0044】
年代および性別の視聴者属性で区分した各区分の属性であるChild704、Teen705、M1(706)、M2(707)、M3(708)、M4(709)、F1(710)、F2(711)、F3(712)、F4(713)は、Child704は視聴者属性の年代が10歳未満であることを示し、Teen705は視聴者属性の年代が10代であることを示し、M1(706)は視聴者属性の年代が20代で性別が男性であることを示し、M2(707)は視聴者属性の年代が30代で性別が男性であることを示し、M3(708)は視聴者属性の年代が40代で性別が男性であることを示し、M4(709)は視聴者属性の年代が50代で性別が男性であることを示し、F1(710)は視聴者属性の年代が20代で性別が女性あることを示し、F2(711)は視聴者属性の年代が30代で性別が女性であることを示し、F3(712)は視聴者属性の年代が40代で性別が女性であることを示し、F4(713)は視聴者属性の年代が50代で性別が女性であることを示している。
【0045】
例えば720は、視聴者属性推定部410が、機器ID701が00001の放送信号受信装置140により、放送局703がAの放送局が放送する番組を時刻702に示す10月11日21時00分00秒から視聴した視聴者の推定結果が、Childの視聴者属性に該当する推定確率が0.2、Teenの視聴者属性に該当する推定確率が0.2、M1の視聴者属性に該当する推定確率が0.8、M2の視聴者属性に該当する推定確率が0.2、M3の視聴者属性に該当する推定確率が0.1、M4の視聴者属性に該当する定確率が0.3、F1の視聴者属性に該当する推定確率は0.4、F2の視聴者属性に該当する推定確率が0.2、F3の視聴者属性に該当する推定確率は0.1、F4の視聴者俗世に該当する推定確率は0.3であることを示している。
【0046】
次に推定結果補正部420が、図7に示すような推定結果を補正すためのデータの一例を図8および図9に示す。
図8は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置330の補正用外部データ格納部402が管理格納する、視聴者属性推定部410が出力する推定結果を補正するためのデータの一例である。
【0047】
図8(A)のデータの例は、放送信号受信装置140のユーザの世帯を構成する構成員の情報である。放送信号受信装置140は、機能設定画面を通じてユーザの世帯の構成員の情報が入力されると、入力されたユーザの世帯の構成員の情報を、ネットワーク130を介して管理サーバ121に登録するとともに視聴者属性推定装置330の補正用外部データ格納部402に保存する。
【0048】
例えば810は、機器ID801が00001の放送信号受信装置140のユーザの世帯を構成する構成員の情報が、居住地域が神奈川であり、放送信号受信装置140の利用形態が一人で利用であり、性別は男性で年代は20代であり、家族構成が1人暮らしであり、子供世代が居ないことを示している。
【0049】
なお図8(A)の例は、複数の機器ID各々の放送信号受信装置140のユーザの世帯を構成する構成員の情報を表しているが、これは管理サーバ121に登録されているすべての放送信号受信装置140のユーザの世帯を構成する構成員の情報を表して例である。放送信号受信装置140は、この管理サーバ121に登録されているすべての放送信号受信装置140のユーザの世帯を構成する構成員の情報と同一の情報を、補正用外部データ格納部402に管理格納してもよいし、機能設定画面を通じて登録した世帯の構成員の情報だけを補正用外部データ格納部402に管理格納してもよい。
【0050】
図8(B)は、図8(A)の内容で登録されている放送信号受信装置140のユーザの世帯を構成する構成員の情報を、補正用外部データ格納部402が管理する視聴者属性の区分ごとの構成員の数に置き換えた場合の一例である。
例えば870は、図8(A)の810の登録情報を、補正用外部データ格納部402が管理する視聴者属性に置き換えた例である。図8(A)の800では、登録者の年代が20代であり、家族構成が1人暮らしであることから、図8(B)の850は、視聴者属性の構成員が、M1の区分においてだけ1となり、それ以外の区分においては0となっている。
【0051】
図9は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置330の補正用外部データ格納部402が管理格納する、視聴者属性推定部410が出力する推定結果を補正するためのデータの他の例である。
図9(A)のデータの例は、機能設定画面を通じて登録された放送信号受信装置140のユーザの世帯を構成する構成員の位置に関する情報の一例である。機能設定画面を通じて登録された放送信号受信装置140のユーザの世帯を構成する構成員は、例えば自身が所有するスマートフォンやタブレット等の携帯端末を、機能設定画面を通じて携帯端末の例えば機器ID(外部機器IDとも呼ぶ)等を登録することにより、例えばWi-FiやBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を介して放送信号受信装置140と接続させることが可能である。放送信号受信装置140との接続が許可された携帯端末の機器ID等の情報は、放送信号受信装置140により管理サーバ121に登録されるとともに放送信号受信装置140の制御手段342で管理される。
【0052】
例えば910は、外部機器IDがXXXXAの携帯端末が、例えばWi-Fiを介して管理サーバ121を経由して機器IDが00001の放送信号受信装置140と接続している例である。この例で示す同一ネットワークとは、放送信号受信装置140と携帯端末とが同一のアクセスポイントのWi-Fiの経由していることを示している。放送信号受信装置140と携帯端末とが同一のアクセスポイントのWi-Fiを経由しているとは、例えば放送信号受信装置140と携帯端末とが接続しているWi-FiのアクセスポイントのSSID(Service Set Identifier)が同一の場合である。
【0053】
また910は、外部機器IDがXXXXAの携帯端末が、管理サーバ121を経由して機器IDが00001の放送信号受信装置140と接続している場合に、携帯端末と放送信号受信装置140が同一のルータを介してネットワーク130と接続している例であってもよい。放送信号受信装置140と携帯端末とが同一のルータを介してネットワーク130と接続しているとは、放送信号受信装置140が接続しているルータに割り振られているIPアドレスと携帯端末が接続しているルータに割り振られているIPアドレスとが同一の場合である。 このような場合、機器IDが00001の放送信号受信装置140と外部機器IDがXXXXAの携帯端末とが、近距離に存在していることが推定される。このように外部機器IDがXXXXAの携帯端末の所有者は、放送信号受信装置140の近傍にいることが推定される。この結果、外部機器IDがXXXXAの携帯端末の所有者は、放送信号受信装置140が表示する番組を視聴していることが推定される。
【0054】
図9(B)のデータの例は、図9(A)同様に機能設定画面を通じて登録された放送信号受信装置140のユーザの世帯を構成する構成員の位置に関する情報の他の例である。
970は、外部機器IDがXXXXAの携帯端末を持つ20代男性の位置情報として、10月11日19時00分に東京都千代田区に存在しており、電車で移動中である、ということを示している。
【0055】
このような場合、機器IDが00001の放送信号受信装置140と外部機器IDがXXXXAの携帯端末とが、近距離に存在していないことが推定される。このように外部機器IDがXXXXAの携帯端末の所有者は、放送信号受信装置140の近傍にいないことが推定される。この結果、外部機器IDがXXXXAの携帯端末の所有者は、放送信号受信装置140が表示する番組を視聴していないことが推定される。
【0056】
管理サーバ121は、図9(A)の900や図9(B)の960に示すような、機能設定画面を通じて登録された放送信号受信装置140のユーザの世帯を構成する構成員の位置に関する情報を任意のタイミングで収集してもよい。管理サーバ121は、構成員の位置に関する情報を、ネットワーク130を介して該当する機器IDを持つ放送信号受信装置140に送られる。構成員に関する位置に関する情報を受信した放送信号受信装置150は、受信したデータを補正用外部データ格納部402に保存する。例えば管理サーバ121に収集された図9(A)の910のデータは、管理サーバ121により機器IDが00001の放送信号受信装置140に送信することで、補正用外部データ格納部402で管理格納される。
【0057】
図10は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置330の推定処理の処理フローの一例である。
視聴者属性推定装置330は、例えば放送信号受信装置140の視聴者が、番組の視聴を開始したら視聴者属性の推定処理を開始する(S1000)。
【0058】
視聴者属性推定部410は、視聴データ格納部402に保存されている視聴データを取得して(S1001)、放送信号受信装置140の表示手段350およびスピーカ351に出力している番組の視聴者の属性を推定して、推定結果を出力結果補正部420に出力する。
【0059】
出力結果補正部420は、視聴者属性推定部410から視聴者属性推定結果を取得し(S1002)、取得した視聴者属性推定結果を補正用外部データ格納部402から取得(S1003)した補正用データを用いて補正する。補正に使用するデータは、図8に示す世帯を構成する構成員の情報である。出力結果補正部420は、補正する際に、構成員として存在していない視聴者属性の区分の推定値を0に補正する(S1004)。出力結果補正部420は、さらに視聴者属性の各区分の推定値に閾値以上の値が存在するかを確認する(S1005)。
【0060】
確認の結果、閾値以上の値を持つ視聴者属性の区分の推定値が存在する場合(S1005のYes)、閾値以上の値を持つ視聴者属性の区分の推定値を1に、それ以外の視聴者属性の区分の推定値を0に補正して(S1006)処理を終了する(S1010)。
【0061】
確認の結果、閾値以上の値を持つ視聴者属性の区分の推定値が存在しない場合(S1005のNo)、該当する視聴者属性の区分の推定値のうち、最大の推定値を1に、それ以外の推定値を0に補正して(S1007)処理を終了する(S1010)。
図11は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置330の推定処理を図10に示す処理フローにより実施した場合の、視聴データ、補正用外部データ、および補正用外部データを用いて補正された結果のデータの一例を示す図である。
【0062】
図11(A)は、視聴者属性推定部410が出力する推定結果の一例である。図11(B)は、補正用外部データ格納部402が管理格納する、視聴者属性推定部410が出力する推定結果を補正するための世帯を構成する構成員の情報である。例えば図11(A)の一覧1100の1115のデータを、図11(B)の一覧1120の1135のデータを用いて補正する場合、図10の処理フローのS1004からS1007の処理を行うことで、図11(C)の一覧1150の1165データに補正される。
【0063】
具体的には、例えば閾値を0.5とする。S1004の処理で1115の推定結果の値は、1135の補正用外部データの値を用いることで、childの推定値が0に補正され、Teenの推定値は0.6のままで、M1の推定値は0に補正され、M2の推定値は0に補正され、M3の推定値は0.4のままで、F1の推定値は0に補正され、F2の推定値は0に補正され、F3の推定値は0.4のままで、F4の推定値0.6のままとなる。
【0064】
次にこのS1004の処理の結果の値に対してS1005の判定とそれにともなうS1006による補正およびS1007による補正を行う。
S1004の処理の結果の値の中には閾値の0.5以上の値が存在しているため、S1005の判定結果はYesとなりS1006の処理に移る。
【0065】
S1006の処理においてS1004の処理の結果の値は、childの推定値は0のままであり、Teenの推定値は1に補正され、M1の推定値は0のままであり、M2の推定値は0のままであり、M3の推定値は0のままであり、F1の推定値は0のままであり、F2の推定値は0のままであり、F3の推定値は0に補正され、F4の推定値は1に補正され、最終的には1165に示す値に補正される。
【0066】
この結果、機器IDが0004の放送信号受信装置140で放送局Aの番組を10月11日18時00分00秒から視聴していた視聴者の属性は、Teen(1155)が1人、F4(1163)が1人と推定される。
図11の例は、図8に示す放送信号受信装置140のユーザの世帯の構成員を構成する構成員の情報を補正するための情報として用いた例であるが,図9に示す放送信号受信装置140のユーザの世帯を構成する構成員の位置に関する情報を、用いてさらに精度を上げてもよい。
【0067】
図12は、本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置330の推定処理の処理フローの他の例である。図12の処理フローの例は、出力結果補正部420が、放送信号受信装置140のユーザの世帯を構成する構成員の情報に加え構成員の位置に関する情報をも用いて補正する点が、図10の処理フローの例と異なる。
【0068】
図12のS1200からS1207は、それぞれ図10のS1000から10007と同一である。出力結果補正部420は、構成員の位置に関する情報をもとにS1208に示す、放送信号受信装置140が表示する番組を視聴していなことが推定される構成員の推定値を0に補正する処理を行う。
【0069】
図を用いて本発明の実施形態に係る視聴者属性推定装置330および視聴者属性推定装置330を含むアドレッサブル広告システムの例を説明したが、上述した例に限定されない。
図1に示したアドレッサブル広告システムの構成例では、放送局(放送信号送信装置)100は、MMT・TLV方式で多重された放送波を送信し、放送信号受信装置140は、MMT・TLV方式で多重された放送波を受信する場合を例に説明したが、放送波がMPEG-2方式で多重されたものであってもよい。
【0070】
また図1に示したアドレッサブル広告システムの構成例では、放送信号受信装置140が1つだけ含まれている例であるが、複数含まれていてもよい。この場合管理サーバ121は、放送信号受信装置140の各々が持つ機器IDを用いて、複数ある放送信号受信装置140を識別し管理することが出来る。
【0071】
また本発明の実施形態にかかる視聴者属性推定装置330は、放送信号受信装置140に含まれるとして説明したが、放送信号受信装置140と通信可能であり個々の放送信号受信装置140をその機器IDにより識別することが可能な別体の中にあってもよい。この別体は、例えば管理サーバ121であってもよい。
【0072】
視聴者属性推定装置330が別体の中にある場合、別体の中にある視聴者属性推定装置330は、ネットワーク130を介して放送信号受信装置140の視聴データを取得し視聴データ格納部402に保存する。別体の中にある視聴者属性推定装置330は、さらに放送信号受信装置140のユーザの世帯の構成員の情報や世帯を構成する構成員の位置に関する情報を、同様にネットワーク130を介して放送信号受信装置140から取得し補正用外部データ格納部402に保存する。別体が管理サーバ121の場合は、該当する機器IDの放送信号受信装置140のユーザの世帯の構成員の情報や世帯を構成する構成員の位置に関する情報は、すでに説明したように管理サーバ121に保存されている情報を用いてもよい。
【0073】
以上のように、視聴者属性推定装置330の出力結果補正部420は、補正する際に、放送信号受信装置140のユーザの世帯を構成する構成員の情報に加え構成員の位置に関する情報をも用いて補正することが可能である、あるいはいずれか一方だけを用いて補正することも可能であるが、世帯を構成する構成員の情報を用いる補正は行うことが望ましい。
【0074】
また視聴者属性推定装置330の出力結果補正部420は、補正する際に、世帯を構成する構成員の情報と構成員の位置に関する情報の両方を用いる場合、図12の処理フローに示すように、世帯を構成する構成員の情報を用いて補正した後に、構成員の位置に関する情報を用いて補正することが望ましい。
【0075】
以上のように本実施形態に係る視聴者属性推定装置330は、視聴者属性を推定する処理部(推定エンジン)の出力結果を、放送信号受信装置140が置かれている世帯を構成する構成員に関する情報や構成員各人が所有する携帯端末を用いて構成員の位置に関する情報を用いることで、補正することができる。この結果本実施形態に係る視聴者属性推定装置330は、視聴者属性を推定する処理部(推定エンジン)の出力結果に対してさらに精度の高い視聴者属性の推定を行うことが可能である。
【0076】
また視聴者属性を推定する処理部(推定エンジン)は、各世帯の状況向けにカスタマイズすることが困難であることが想定される。このような場合でも、本実施形態に係る視聴者属性推定装置330は、放送信号受信装置140が置かれている世帯の構成員に関する情報や各構成員の位置に関する情報を用いることで、各世帯に適した補正を行い、さらに精度の高い視聴者属性の推定を行うことが可能となる。
【0077】
また図5の視聴者属性推定部410-2に示したように、処理部(推定エンジン)は、必ずしも放送信号受信装置140内に存在しているとは限らず、複数の放送信号受信装置140がネットワーク130を介して使用するクラウド上に存在している場合も想定される。このような場合でも本実施形態に係る視聴者属性推定装置330は、放送信号受信装置140が置かれている世帯の構成員に関する情報や各構成員の位置に関する情報を用いることで、各世帯に適した補正を行い、さらに精度の高い視聴者属性の推定を行うことが可能となる。
【0078】
これにより放送信号受信装置140の制御手段342は、視聴者属性推定装置330が出力する精度の高い視聴者属性を用いて、記録媒体160に保存されているアドレッサブル広告(差し替えCM)の中から、放送信号受信装置140に最適なアドレッサブル広告(差し替えCM)を選択して、表示手段350に表示を行うことが可能となる。
【0079】
さらに放送信号受信装置140の制御手段342、選択したアドレッサブル広告(差し替えCM)の情報を、視聴履歴に含めて管理サーバ121に送信することも可能である。管理サーバ121は、受信した視聴履歴をCM管理サーバ101に送信することで、CM管理サーバはアドレッサブル広告(差し替えCM)が表示された実績を把握することができる。これにより放送局1は、放送信号受信装置140の番組を視聴している視聴者に最適なアドレッサブル広告(差し替えCM)の製作に行うことが可能となる。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。さらにまた、請求項の各構成要素において、構成要素を分割して表現した場合、或いは複数を合わせて表現した場合、或いはこれらを組み合わせて表現した場合であっても本発明の範疇である。また請求項を制御ロジックとして表現した場合、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして表現した場合、及び前記インストラクションを記載したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現した場合でも本発明の装置を適用したものである。また、使用している名称や用語についても限定されるものではなく、他の表現であっても実質的に同一内容、同趣旨であれば、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0081】
100・・・放送局(放送信号送信装置)、120・・・CM配信用サーバ、121・・・管理サーバ、140・・・放送信号受信装置、160・・・記録媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12