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特許7094887トリスアミド化合物およびそれを含む組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】トリスアミド化合物およびそれを含む組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20220627BHJP
   C07C 233/62 20060101ALI20220627BHJP
   C08K 5/20 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
C08L101/00
C07C233/62 CSP
C08K5/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018547380
(86)(22)【出願日】2017-03-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-04-04
(86)【国際出願番号】 US2017021321
(87)【国際公開番号】W WO2017156099
(87)【国際公開日】2017-09-14
【審査請求日】2018-09-07
【審判番号】
【審判請求日】2020-07-06
(31)【優先権主張番号】62/305,547
(32)【優先日】2016-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/308,892
(32)【優先日】2016-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599060788
【氏名又は名称】ミリケン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Milliken & Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、ハンス-ベルナー
(72)【発明者】
【氏名】クレーメル、ダニエル
【合議体】
【審判長】杉江 渉
【審判官】細井 龍史
【審判官】土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/122525(WO,A1)
【文献】米国特許第2771487(US,A)
【文献】特表2006-518402(JP,A)
【文献】特開2008-50617(JP,A)
【文献】特開平6-192496(JP,A)
【文献】国際公開第2008/075410(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L1/00-101/14
C08K5/00-5/59
C07C233/00-233/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む熱可塑性ポリマー組成物;
(a)一般式(III)のトリスアミド化合物
【化1】
1 、R およびR は、分枝C 3 ~C 12 アルキル基からなる群から選択され;および
(b)熱可塑性ポリマー
ここで、
(i)組成物は、R1、RおよびRが、それぞれ、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素への結合に対してcis位にある一般式(III)のトリスアミド化合物を含み、
(ii)組成物中に存在する一般式(III)のトリスアミド化合物の33.4%以下のR1、RおよびR基は、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素への結合に対してtrans位にある。
【請求項2】
前記熱可塑性ポリマーはポリオレフィンポリマーである、請求項1に記載の熱可塑性ポリマー組成物。
【請求項3】
前記熱可塑性ポリマーはポリプロピレンポリマーである、請求項2に記載の熱可塑性ポリマー組成物。
【請求項4】
トリスアミド化合物は、前記熱可塑性ポリマー組成物の総重量に対して少なくとも0.05重量%の量で前記熱可塑性ポリマー組成物中に存在する、請求項1~3のいずれか1項に記載の熱可塑性ポリマー組成物。
【請求項5】
1、RおよびRは、分枝C3~C5アルキル基からなる群から選択される、請求項に記載の熱可塑性ポリマー組成物。
【請求項6】
前記組成物は、1,3,5-トリス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンを含む、請求項に記載の熱可塑性ポリマー組成物。
【発明の詳細な説明】
【発明の技術分野】
【0001】
[0001]本出願はトリスアミド化合物およびそれを含む組成物に関する。
【背景】
【0002】
[0002]ポリマー樹脂は、例えば、優れた加工性、特に相対的な重量に基づいて優れた機械的特性、または優れた電気的特性等により、種々の分野において幅広く適用されている。ポリマー自体が有益な特性を有することができるが、そういった特性をさらに高めかつ/または欠点を軽減するために、添加剤を使用してもよい。
【発明の概要】
【0003】
[0003]第1の態様では、本発明は、以下の一般式(I)に従うトリスアミド化合物を提供する。
【0004】
【化1】
【0005】
(式中、R1は水素以外の1価の基を表し;X1は1価の基を表し;およびX2は1価の基を表す)
[0004]第2の態様では、本発明は式(I)に従う1種以上の化合物を含む組成物を提供する。より特定の一態様では、組成物はポリマーをさらに含む。
【発明の詳細な説明】
【0006】
[0005]第1の態様では、本発明は、以下の一般式(I)に従うトリスアミド化合物を提供する。
【0007】
【化2】
【0008】
(式中、R1、X1、およびX2は、それぞれ、1価の基を表す)
[0006]好ましい一態様では、R1は水素以外の1価の基を表す。より具体的な好ましい一態様では、R1は、C1~C20アルキル基または1個以上のヒドロキシにより置換されているC1~C20アルキル基;無置換のまたは1個以上のヒドロキシにより置換されているC2~C20アルケニル基;酸素または硫黄により中断されているC2~C20アルキル基;1個以上のハロゲンにより置換されているC1~C20アルキル基;ハロゲン;トリメチルシリル;およびシアノからなる群から選択される1価の基である。
【0009】
[0007]別の好ましい態様では、R1は、C1~C6アルキル基;無置換のまたは1個以上のヒドロキシにより置換されている分枝C3~C20アルキル基;1個以上のハロゲンにより置換されているC1~C12アルキル基;ハロゲン;トリメチルシリル;およびシアノからなる群から選択される1価の基である。
【0010】
[0008]別の好ましい態様では、R1は、C1~C3アルキル基;分枝C3~C12アルキル基;フッ素(F)、塩素(Cl);およびトリメチルシリルからなる群から選択される1価の基である。
【0011】
[0009]特に好ましい一態様では、R1は、分枝C3~C5アルキル基からなる群から選択される1価の基である。
【0012】
[0010]式(I)の化合物において、シクロヘキサンジイル環に結合している置換基を、互いに対して任意の適切な位置に配置することができる。一態様では、R1は、カルボニル炭素との結合に対してcis位にある。あるいは、別の言い方をすれば、シクロヘキサンジイル環上の1位および4位の水素原子は互いに対してcis位にある。別の態様では、R1は、カルボニル炭素との結合に対してtrans位にある。あるいは、別の言い方をすれば、シクロヘキサンジイル環上の1位および4位の水素原子は互いに対してtrans位にある。
【0013】
[0011]上述の通り、X1およびX2は1価の基を表す。X1およびX2は、同一でも異なってもよく、任意の適切な1価の基とすることができる。好ましい一態様では、X1およびX2は:
無置換のまたは1個以上のヒドロキシにより置換されているC1~C20アルキル基;
無置換のまたは1個以上のヒドロキシにより置換されているC2~C20アルケニル基;
酸素または硫黄により中断されているC2~C20アルキル基;
無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基により置換されているC3~C5シクロアルキル基;
無置換のまたは1、2、3、5または6位で1個以上のC1~C20アルキル基により置換されているC6シクロアルキル基;
無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基により置換されているC7~C12シクロアルキル基;
無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基により置換されている(C3~C12シクロアルキル)-C1~C10アルキル基;
無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基により置換されているビス[C3~C12シクロアルキル]-C1~C10アルキル基;
無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基により置換されている5~20個の炭素原子を有する二環式または三環式炭化水素基;
無置換の、またはC1~C20アルキル基、C1~C20アルコキシ基、C1~C20アルキルアミノ基、ジ(C1~C20アルキル)アミノ基、ヒドロキシおよびニトロから選択される1個以上の基により置換されているフェニル;
無置換の、またはC1~C20アルキル基、C3~C12シクロアルキル基、フェニル、C1~C20アルコキシ基およびヒドロキシから選択される1個以上の基により置換されているフェニル-C1~C20アルキル基;
無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基により置換されているフェニルエテニル;
無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基により置換されているビフェニル-(C1~C10アルキル)基;
無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基により置換されているナフチル;
無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基により置換されているナフチル-C1~C20アルキル基;
無置換のまたは1個以上のC1~C2アルキル基により置換されているナフトキシメチル;
ビフェニレニル、フルオレニル、アントリル;
無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基により置換されている5~6員の複素環式基;
1個以上のハロゲンを含有するC1~C20炭化水素基;および
トリ(C1~C10アルキル)シリル(C1~C10アルキル)基
からなる群から独立して選択される1価の基である。
【0014】
[0012]より好ましい一態様では、X1およびX2のうちの少なくとも1つは:C1~C20アルキル基;C2~C20アルケニル基;無置換のまたは1個のC1~C10アルキル基により置換されているC3~C5シクロアルキル基;無置換のまたは1、2または3位で1個のC1~C10アルキル基により置換されているC6シクロアルキル基;無置換のまたは1個のC1~C10アルキル基により置換されているC7~C12シクロアルキル基;無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基により置換されている(C3~C12シクロアルキル)-C1~C10アルキル基;無置換の、またはC1~C10アルキル基、C1~C10アルコキシ基、C1~C10アルキルアミノ基、ジ(C1~C10アルキル)アミノ基から選択される1個の基により置換されているフェニル;および無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基により置換されているビフェニル-(C1~C10アルキル)基、からなる群から選択される1価の基である;
[0013]別の好ましい態様では、X1およびX2のうちの少なくとも1つは、C1~C10アルキル基、無置換のまたは1個のC1~C4アルキル基により置換されているC3~C5シクロアルキル基、および無置換のまたは1個のC1~C4アルキル基により置換されているC7~C10シクロアルキル基、からなる群から選択される1価の基である。
【0015】
[0014]より好ましい一態様では、X1およびX2のうちの少なくとも1つは、C1~C10アルキル基からなる群から選択される1価の基である。別の好ましい態様では、X1およびX2のうちの少なくとも1つは、1位に3級または4級C原子を有する分枝C3~C10アルキル基、例えば-C(CH32-Hおよび-C(CH32-(C1~C7アルキル)、からなる群から選択される1価の基である。
【0016】
[0015]本発明の化合物に適する、無置換のまたは1個以上のヒドロキシ(例えば、1、2または3個のヒドロキシ)により置換されているC1~C20アルキル基(例えば、分枝C3~C20アルキル基)の例には、限定されないが、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル、n-ブチル、2-メチルプロピル、1-メチルプロピル、tert-ブチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1,1-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、tert-ブチルメチル、ヘキシル、1-メチルペンチル、ヘプチル、イソヘプチル、1-エチルヘキシル、2-エチルペンチル、1-プロピルブチル、オクチル、ノニル、イソノニル、ネオノニル、2,4,4-トリメチルペンチル、ウンデシル、トリデシル、ペンタデシル、ヘプタデシル、ヒドロキシメチルおよび1-ヒドロキシエチルが含まれる。
【0017】
[0016]本発明の化合物に適する、無置換のまたは1個以上のヒドロキシ(例えば、1、2または3個のヒドロキシ)により置換されているC2~C20アルケニル基の例には、限定されないが、9-デセニル、8-ヘプタデセニルおよび11-ヒドロキシ-8-ヘプタデセニルが含まれる。
【0018】
[0017]本発明の化合物に適する、酸素により中断されているC2~C20アルキル基の例には、限定されないが、t-ブトキシメチル、t-ブトキシエチル、t-ブトキシプロピルおよびt-ブトキシブチルが含まれる。
【0019】
[0018]本発明の化合物に適する、硫黄により中断されているC2~C20アルキル基の例には、限定されないが、(H3C)3C-S-CH2-、(H3C)3C-S-C24-、(H3C)3C-S-C36-および(H3C)3C-S-C48-が含まれる。
【0020】
[0019]本発明の化合物に適する、無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基(例えば、1、2、3または4個のC1~C4アルキル基)により置換されているC3~C5シクロアルキル基の例には、限定されないが、シクロプロピル、3-メチルシクロプロピル、2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピル、シクロブチルおよびシクロペンチルが含まれる。
【0021】
[0020]本発明の化合物に適する、無置換のまたは1、2もしくは3位で1個以上のC1~C20アルキル基(例えば、1、2または3個のC1~C4アルキル基)により置換されているシクロヘキシル基の例には、限定されないが、シクロヘキシル、1,2,3-トリメチルシクロヘキシルおよび2,3-ジメチルシクロヘキシルが含まれる。
【0022】
[0021]本発明の化合物に適する、無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基(例えば、1、2、3または4個のC1~C4アルキル基)により置換されているC7~C12シクロアルキル基の例には、限定されないが、シクロヘプチル、1,2,3-トリメチルシクロヘプチルおよび2,3-ジメチルシクロヘプチルが含まれる。
【0023】
[0022]本発明の化合物に適する、無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基(例えば、1、2または3個のC1~C4アルキル基)により置換されている(C3~C12シクロアルキル)-C1~C10アルキル基の例には、限定されないが、シクロペンチルメチル、2-シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、2-シクロヘキシルエチル、3-シクロヘキシルプロピル、4-シクロヘキシルブチルおよび(4-メチルシクロヘキシル)メチルが含まれる。
【0024】
[0023]本発明の化合物に適する、無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基(例えば、1、2または3個のC1~C4アルキル基)により置換されているビス[C3~C12シクロアルキル]-C1~C10アルキル基の例には、限定されないが、ジシクロヘキシルメチルが含まれる。
【0025】
[0024]本発明の化合物に適する、無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基(例えば、1、2または3個のC1~C4アルキル基)により置換されている5~20個の炭素原子を有する二環式または三環式炭化水素基の例には、限定されないが、下に示す構造を有する基が含まれる。
【0026】
【化3】
【0027】
[0025]本発明の化合物に適する、無置換の、またはC1~C20アルキル基、C1~C20アルコキシ基、C1~C20アルキルアミノ基、ジ(C1~C20アルキル)アミノ基、ヒドロキシおよびニトロ(例えば、C1~C4アルキル基、C1~C4アルコキシ基、C1~C4アルキルアミノ基、ジ(C1~C4アルキル)アミノ基、ヒドロキシおよびニトロ)から選択される1個以上の基、例えば1、2または3個の基、により置換されているフェニルの例には、限定されないが、フェニル、3-メチルフェニル、3-メトキシフェニル、4-メチルフェニル、4-エチルフェニル、4-プロピルフェニル、4-イソプロピルフェニル、4-tert-ブチルフェニル、4-イソプロポキシフェニル、2,3-ジメトキシフェニル、2-ニトロフェニル、3-メチル-6-ニトロフェニル、4-ジメチルアミノフェニル、2,3-ジメチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、3,4-ジメチルフェニル、3,5-ジメチルフェニル、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,4,6-ジメチルフェニルおよび3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルが含まれる。
【0028】
[0026]本発明の化合物に適する、無置換の、またはC1~C20アルキル基、C3~C12シクロアルキル基、フェニル、C1~C20アルコキシ基およびヒドロキシ(例えば、C1~C4アルキル基、C3~C6シクロアルキル基、フェニル、C1~C4アルコキシ基およびヒドロキシ)から選択される1個以上の基(例えば1、2または3個の基)により置換されているフェニル-C1~C20アルキル基の例には、限定されないが、ベンジル、[アルファ]-シクロヘキシルベンジル、ジフェニルメチル、1-フェニルエチル、[アルファ]-ヒドロキシベンジル、2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル、3-フェニルプロピル、3-メチルベンジル、3,4-ジメトキシベンジルおよび2-(3,4-ジメトキシフェニル)エチルが含まれる。
【0029】
[0027]本発明の化合物に適する、無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基(例えば、1、2または3個のC1~C4アルキル基)により置換されているフェニルエテニル基の例には、限定されないが、2-(4-メチルフェニル)エテニルである。
【0030】
[0028]本発明の化合物に適する、無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基(例えば、1、2または3個のC1~C4アルキル基)により置換されているビフェニル-(C1~C10アルキル)基の例には、限定されないが、4-ビフェニルメチルが含まれる。
【0031】
[0029]本発明の化合物に適する、無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基(例えば、1、2または3個のC1~C4アルキル基)により置換されているナフチル基の例には、限定されないが、1-ナフチルおよび2-ナフチルが含まれる。
【0032】
[0030]本発明の化合物に適する、無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基(例えば、1、2または3個のC1~C4アルキル基)により置換されているナフチル-C1~C20アルキル基の例には、限定されないが、1-ナフチルメチルおよび2-ナフチルメチルが含まれる。
【0033】
[0031]本発明の化合物に適する、無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基(例えば、1、2または3個のC1~C4アルキル基)により置換されているナフトキシメチル基の例には、限定されないが、1-ナフトキシメチルが含まれる。
【0034】
[0032]本発明の化合物に適する、ビフェニレニル基、フルオレニル基またはアントリル基の例には、限定されないが、それぞれ、2-ビフェニレニル、9-フルオレニル、1-フルオレニルおよび9-アントリルが含まれる。
【0035】
[0033]本発明の化合物に適する、無置換のまたは1個以上のC1~C20アルキル基(例えば、1、2または3個のC1~C4アルキル基)により置換されている5~6員の複素環式基の例には、限定されないが、3-ピリジニル、4-ピリジニル、2-ヒドロキシピリジニ-3-イル、3-キノリニル、4-キノリニル、2-フリル、3-フリルおよび1-メチル-2-ピロリル(pyrroyl)が含まれる。
【0036】
[0034]本発明の化合物に適する、1個以上のハロゲン(例えば、1、2、3、4、5または6個のフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素)を含有するC1~C20炭化水素基の例には、限定されないが、1-ブロモ-2-メチルプロピル、ジクロロメチル、ペンタフルオロエチル、3,5-ビス[トリフルオロメチル]フェニル、2,3,5,6-テトラフルオロ-p-トリル、2,3-ジクロロフェニル、3,4-ジクロロフェニルおよび2,4-ビス[フルオロメチル]フェニルが含まれる。
【0037】
[0035]式(I)の化合物のより具体的な一態様では、本発明は以下の一般式(II)に従うトリスアミド化合物を提供する。
【0038】
【化4】
【0039】
(式中、R1およびX1は、式(I)に関連して上に記載の基から独立して選択される1価の基であり、R2は、式(I)に関連してR1について上に記載の基から独立して選択される1価の基を表す)
[0036]式(II)の化合物において、各シクロヘキサンジイル環に結合している置換基を、互いに対して任意の適切な位置に配置することができる。一態様では、R1およびR2は、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素との結合に対してそれぞれtrans位にある。あるいは、別の言い方をすれば、各シクロヘキサンジイル環の1位および4位の水素原子は互いに対してtrans位にある。別の態様では、R1およびR2は、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素との結合に対してそれぞれcis位にある。あるいは、別の言い方をすれば、各シクロヘキサンジイル環の1位および4位の水素原子は互いに対してcis位にある。
【0040】
別の態様では、R1およびR2のうちの一方は、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素との結合に対してcis位にあり、他方は、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素との結合に対してtrans位にある。あるいは、別の言い方をすれば、一方のシクロヘキサンジイル環の1位および4位の水素原子は互いに対してcis位にあり、他方のシクロヘキサンジイル環の1位および4位の水素原子は互いに対してtrans位にある。
【0041】
[0037]式(I)の化合物の別のより具体的な態様では、本発明は、以下の一般式(III)に従うトリスアミド化合物を提供する。
【0042】
【化5】
【0043】
(式中、R1は、式(I)に関連して上に記載の基から選択される1価の基であり、R2およびR3は、式(I)に関連してR1について上に記載の基から独立して選択される1価の基である)
[0038]式(III)の化合物において、各シクロヘキサンジイル環に結合している置換基を、互いに対して任意の適切な位置に配置することができる。一態様では、R1、R2およびR3のそれぞれは、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素との結合に対してtrans位にある。あるいは、別の言い方をすれば、各シクロヘキサンジイル環の1位および4位の水素原子は互いに対してtrans位にある。別の態様では、R1、R2およびR3のそれぞれは、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素との結合に対してcis位にある。あるいは、別の言い方をすれば、各シクロヘキサンジイル環の1位および4位の水素原子は互いに対してcis位にある。また別の態様では、R1、R2およびR3のうちの2つは、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素との結合に対してcis位にあり、もう1つは、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素との結合に対してtrans位にある。あるいは、別の言い方をすれば、2つのシクロヘキサンジイル環の1位および4位の水素原子は互いに対してcis位にあり、もう1つのシクロヘキサンジイル環の1位および4位の水素原子は互いに対してtrans位にある。また別の態様では、R1、R2およびR3のうちの2つは、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素との結合に対してtrans位にあり、もう1つは、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素との結合に対してcis位にある。あるいは、別の言い方をすれば、2つのシクロヘキサンジイル環の1位および4位の水素原子は互いに対してtrans位にあり、もう1つのシクロヘキサンジイル環の1位および4位の水素原子は互いに対してcis位にある。
【0044】
[0039]以下は式(I)のトリスアミド化合物の例である:
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロペンチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロヘプチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロオクチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[メチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[エチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[n-プロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[イソ-プロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[n-ブチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[1-メチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[2-メチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[tert-ブチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロペンチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロヘプチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロオクチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[メチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[エチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[n-プロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[イソ-プロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[n-ブチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[1-メチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[2-メチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[tert-ブチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロペンチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロオクチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[イソ-プロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[1-メチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[2-メチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[tert-ブチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロペンチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロオクチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[イソ-プロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[1-メチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[2-メチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[tert-ブチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;および
trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン
[0040]好ましい一態様では、本発明は:
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロオクチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[イソ-プロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[1-メチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[2-メチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[tert-ブチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロオクチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[イソ-プロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[1-メチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[2-メチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[tert-ブチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[イソ-プロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[tert-ブチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[イソ-プロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[tert-ブチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;および
trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン
からなる群から選択される、少なくとも1種の式(I)のトリスアミド化合物を提供する。
【0045】
[0041]別の好ましい態様では、本発明は:
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[イソ-プロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[tert-ブチルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[シクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[イソ-プロピルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[tert-ブチルカルボニルアミノ]ベンゼン;および
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ]ベンゼン
からなる群から選択される、少なくとも1種の式(I)のトリスアミド化合物を提供する。
【0046】
[0042]以下は式(II)のトリスアミド化合物の例である:
シクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
シクロペンチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
シクロヘプチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
シクロオクチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
メチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
エチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
n-プロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
イソ-プロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
n-ブチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
1-メチルプロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
2-メチルプロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
tert-ブチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
シクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
シクロペンチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
シクロヘプチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
シクロオクチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
メチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
エチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
n-プロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
イソ-プロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
n-ブチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
1-メチルプロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
2-メチルプロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
tert-ブチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
シクロヘキシルカルボニルアミノ-3-[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]-5-[trans-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
シクロヘキシルカルボニルアミノ-3-[cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]-5-[trans-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
シクロヘキシルカルボニルアミノ-3-[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]-5-[trans-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ-3-[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]-5-[trans-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
イソ-プロピルカルボニルアミノ-3-[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]-5-[trans-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
イソ-プロピルカルボニルアミノ-3-[cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]-5-[trans-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
イソ-プロピルカルボニルアミノ-3-[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]-5-[trans-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
tert-ブチルカルボニルアミノ-3-[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]-5-[trans-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
tert-ブチルカルボニルアミノ-3-[cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]-5-[trans-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
tert-ブチルカルボニルアミノ-3-[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]-5-[trans-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ-3-[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]-5-[trans-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ-3-[cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]-5-[trans-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;および
2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ-3-[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]-5-[trans-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン
[0043]好ましい一態様では、本発明は:
シクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
シクロオクチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
メチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
エチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
イソ-プロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
1-メチルプロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
2-メチルプロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
tert-ブチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
シクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
シクロオクチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
メチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
エチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
イソ-プロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
1-メチルプロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
2-メチルプロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
tert-ブチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;および
2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン
からなる群から選択される、少なくとも1種の式(II)のトリスアミド化合物を提供する。
【0047】
[0044]別の好ましい一態様では、本発明は:
シクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
シクロオクチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
イソ-プロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
1-メチルプロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
tert-ブチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;および
2,2-ジメチルプロピルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン
からなる群から選択される、少なくとも1種の式(II)のトリスアミド化合物を提供する。
【0048】
[0045]以下は式(III)のトリスアミド化合物の例である:
1,3,5-トリス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
1,3,5-トリス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
1,3,5-トリス[cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
1,3,5-トリス[trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
1,3,5-トリス[cis-4-n-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-n-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-n-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-n-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-n-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
1,3,5-トリス[trans-4-n-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
1,3,5-トリス[cis-4-エチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-エチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-エチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-エチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-エチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
1,3,5-トリス[trans-4-エチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
1,3,5-トリス[cis-4-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
1,3,5-トリス[trans-4-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-n-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-n-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-エチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-エチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-n-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-n-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-エチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-エチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;および
cis-4-メチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン
[0046]好ましい一態様では、本発明は:
1,3,5-トリス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
1,3,5-トリス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;および
cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン
からなる群から選択される、少なくとも1種の式(III)のトリスアミド化合物を提供する。
【0049】
[0047]別の好ましい態様では、本発明は:
1,3,5-トリス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;
cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;および
1,3,5-トリス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン
からなる群から選択される、少なくとも1種の式(III)のトリスアミド化合物を提供する。
【0050】
[0048]本発明の好ましい一態様では、トリスアミド化合物は、1,3,5-トリス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン、cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン;1,3,5-トリス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン、およびそれらの混合物、からなる群から選択される。本発明の別の好ましい態様では、トリスアミド化合物は、1,3,5-トリス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンである。本発明のさらに別の好ましい態様では、トリスアミド化合物は、trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンである。本発明のまた別の好ましい態様では、トリスアミド化合物は、cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンである。本発明のさらに別の好ましい態様では、トリスアミド化合物は、1,3,5-トリス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンである。
【0051】
[0049]上述の通り、本発明はまた、少なくとも1種の式(I~III)のトリスアミド化合物、例えば式(III)の化合物、を含む組成物を提供する。本発明の組成物は、上に記載のトリスアミド化合物に加えて、任意の適切な材料を含むことができる。好ましい一態様では、組成物は、ポリマーをさらに含む。組成物中に存在するポリマーは、任意の適切なポリマーとすることができる。好ましくは、ポリマーは熱可塑性ポリマーであり、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ乳酸、ポリカーボネート、アクリル系ポリマー、またはそれらの混合物である。より好ましくは、ポリマーはポリオレフィンポリマーであり、例えば、ポリプロピレンポリマー、ポリエチレンポリマー、ポリメチルペンテンポリマー(例えば、ポリ(4-メチル-1-ペンテン))、ポリブチレンポリマー、ポリ(ビニルシクロヘキサン)ポリマー、およびそれらの混合物である。好ましい一態様では、ポリマーはポリプロピレンポリマーである。より好ましくは、組成物中のポリマーは、ポリプロピレンホモポリマー(例えばアタクチックポリプロピレンホモポリマー、アイソタクチックポリプロピレンホモポリマー、およびシンジオタクチックポリプロピレンホモポリマー)、ポリプロピレンコポリマー(例えば、ポリプロピレンランダムコポリマー)、ポリプロピレンインパクトコポリマー、およびそれらの混合物、からなる群から選択される。適切なポリプロピレンコポリマーには、限定されないが、エチレン、ブタ-1-エン(すなわち、1-ブテン)、およびヘキサ-1-エン(すなわち、1-ヘキセン)からなる群から選択されるコモノマ-の存在下で、プロピレンの重合から製造されるランダムコポリマーが含まれる。このようなポリプロピレンランダムコポリマーでは、コモノマ-は、任意の適切な量で存在することができるが、通常は、約10重量%未満(例えば、約1~約7重量%)の量で存在する。適切なポリプロピレンインパクトコポリマーには、限定されないが、エチレン-プロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエンモノマ-(EPDM)、ポリエチレンおよびプラストマ-からなる群から選択されるコポリマーを、ポリプロピレンホモポリマーまたはポリプロピレンランダムコポリマーに添加することによって製造されるものが含まれる。このようなポリプロピレンインパクトコポリマーでは、コポリマーは、任意の適切な量で存在することができるが、通常は約5重量%から約25重量%の量で存在する。
【0052】
[0050]本発明の組成物は、上に記載のトリスアミド化合物を任意の適切な量で含有することができる。好ましい一態様では、組成物は、組成物の総重量に対して、式(I~III)のトリスアミド化合物を少なくとも0.001重量%含む。別の好ましい態様では、組成物は、組成物の総重量に対して、式(I~III)のトリスアミド化合物を少なくとも0.01重量%含む。別の好ましい態様では、組成物は、式(I~III)のトリスアミド化合物を、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、または少なくとも10重量%含む。別の態様では、組成物は、組成物の総重量に対して、式(I~III)のトリスアミド化合物を99重量%未満で含む。別の好ましい態様では、組成物は、式(I~III)のトリスアミド化合物を、95重量%未満、80重量%未満、50重量%未満、25重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.2重量%未満、0.1重量%未満、または0.07重量%未満で含む。特に好ましい一態様では、組成物は、組成物の総重量に対して、少なくとも1種の式(I~III)のトリスアミド化合物を、0.001重量%~0.5重量%(例えば、0.01重量%~0.5重量%または0.05重量%~0.5重量%)、0.001重量%~約0.2重量%(例えば、0.01重量%~0.2重量%または0.05重量%~0.2重量%)、0.001重量%~0.1重量%(例えば、0.01重量%~0.1重量%または0.05重量%~0.1重量%)、または0.001重量%~0.07重量%(例えば、0.01重量%~0.07重量%)含む。上述の通り、本発明の組成物は、2種以上の式(I~III)のトリスアミド化合物を含むことができる。組成物が2種以上のそのようなトリスアミド化合物を含む態様では、各トリスアミド化合物は、上記の範囲の1つに該当する量で存在することができる、または、すべてのトリスアミド化合物の合計量は、上記の範囲の1つに該当することができる。
【0053】
[0051]本発明のトリスアミド化合物は、任意の適切なプロセスまたは方法を使用して合成することができる。例えば、式(I)および(II)の化合物は、米国特許公開公報第2007/0149663号に記載の方法により合成することができ、参照によりその全体がここに組み込まれる。式(III)の化合物は、例えば、適当な有機溶媒中で水素と適当な金属触媒とを用いた1,3,5-トリニトロベンゼン、3,5-ジニトロアニリンまたは1,3-ジアミノ-5-ニトロベンゼンの水素化によって合成し得る。このようにして得た1,3,5-トリアミノベンゼンを単離してもよく、または相応する塩酸塩に任意に変えてもよく、適当な溶媒からの再結晶化によっていずれかの形態で精製することができる。粗トリスアミンの溶液または単離した粗トリスアミンを(水素化中に形成された水を除去してまたは除去しないで)、その後のアシル化反応に使用することもできる。水素化用の有用な触媒には、限定されないが、Pd、PtO2、ラネーニッケル等が含まれ、好ましくは商業的に入手可能な炭素支持体上のバ-ジョンが含まれる。水素化は、常圧下または加圧下、例えば、20~120℃の温度で実施することができるが、他の手順を用いることもできる。水素化用の適切な溶媒には、限定されないが、テトラヒドロフラン(THF)、THF/メタノール、ジメチルホルムアミド(DMF)またはN-メチルピロリドン(NMP)が含まれる。1,3,5-トリニトロベンゼン、3,5-ジニトロアニリンまたは1,3-ジアミノ-5-ニトロベンゼンの水素化用の代替手順は、ラネーニッケルおよび水素源としてヒドラジンを用いる還元(例えば、Organikum, Chapter 8.1, Reduktion von Nitroverbindungen und Nitrosoverbindung, Berlin, 1970を参照されたい)、または他の既知の標準的な還元である。
【0054】
[0052]1,3,5-トリアミノベンゼンまたはその塩酸塩の再結晶化は、例えば、メタノール、エタノールまたは他のアルコールで実施することができる。
【0055】
[0053]遊離アミン(または、塩酸塩と適当な塩基とから得られるアミン)は、好ましくは有機または無機の非相互作用塩基、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、またはピリジンの存在下において、化学量論的量または過剰量の相応する酸塩化物でアシル化することができる。あるいは、遊離アミン(または、塩酸塩と適当な塩基とから得られるアミン)は、化学量論的量または過剰量の、アシル化剤としてのカルボン酸無水物でアシル化することができ、この場合、塩基はまったくまたはほとんど必要としない。反応を、溶媒の不在下で、または、好ましくは溶媒の存在下で実施する。好ましい反応温度は、アシル化剤の性質に依存する(例えば、0℃~100℃)。最終生成物の単離/精製は、例えば、水/有機溶媒または有機溶媒/有機溶媒の適当な混合物を用いて、または純粋な溶媒を用いて、例えば、DMF/水、NMP/水、エタノール、メタノール等を用いて、沈殿/再結晶化/洗浄することによって行うことができる。
【0056】
[0054]相応する酸塩化物を製造するために使用されるcisまたはtrans4-置換-シクロヘキサンカルボン酸を、例えば、米国特許公開公報第2004/0209858号およびR.D. Stolow, J. Am. Chem.Soc., 1959, 81 (21), pp 5806-5811に開示されているように調製することができる(両方の参考文献が参照によりその全体がここに組み込まれる)。
【0057】
[0055]1,3,5-トリスアミノベンゼンをベースとするベンゼントリスアミドの場合、様々な比率の様々な活性化または非活性化カルボン酸を統計的合成で使用して、本発明の化合物の混合物を得ることができる。1種以上の異性体を適切な溶媒に溶かすことによって、または昇華させることによって、異性体混合物から1種以上の異性体を抽出することができ、その結果少なくとも1種の異性体が残存する。
【0058】
[0056]本発明による化合物の混合物は、数あるプロトコルの中でも、例えば以下の方法によって、調製することができる:
a) 2種以上の粉末状化合物を混合すること(化合物の粉末-粉末-混合物);
b) 2種以上の化合物を共通の溶媒中に溶かし、その後溶媒を蒸発させて、化合物混合物を得ること(溶液による化合物の混合);
c) 1種以上の化合物を1種以上の化合物を含む分散液に溶かし、その後溶媒を蒸発させて、化合物混合物を得ること(分散液による化合物の混合);
d) 1,3,5-トリスアミノベンゼンをベースとしたベンゼントリスアミドの場合、様々な比率の様々な活性化または非活性化カルボン酸を統計的合成で使用して、化合物の混合物を得ること(合成による化合物混合物);および
e) 例えばd)で得た、統計的化合物混合物から、例えば選択的溶解または昇華によって、1種以上の化合物を抽出すること。
【0059】
[0057]本発明のトリスアミド化合物は、広範囲の材料で使用する機能性物質として用いることができ、それには、ガラス状および半結晶性のポリマー、エラストマ-、ゴム、熱硬化物質等がある。トリスアミド化合物は、それ自体で使用することができ、または他の機能物質と組み合わせて使用して、トリスアミド化合物を添加してもよい材料の例えば熱的、光学的、電気的、化粧品的特性、および他の特性の中でも機械的特性を高めることができ、またはそのような材料から有用な目的物を製造する際の加工助剤として使用することができる。例としては、有機ゲル化剤、核生成剤、エレクトレット添加剤、発泡核生成添加剤、溶融もしくは溶液粘度調整剤または流動調整剤、耐ブロッキング性添加剤、触媒用担体、分子ふるい用前駆体、薬物送達支持体、濾過用途用の超分子ナノファイバ-等が含まれる。
【0060】
[0058]以下の例により、上に記載の主題をさらに例示するが、それはもちろん、その範囲をいかようにも限定するものとして解釈すべきではない。
【0061】
[0059]別段の指示がない限り、以下の一般手順が例において使用される。
熱重量分析(TGA)、示差熱分析(DTA)
[0060]自動Mettler Toledo(RTM) TGA/SDTA 851eを窒素雰囲気中で操作し、熱安定性および融解温度の分析に使用する。試料約10mgを酸化アルミニウムるつぼ中へ置き、10℃/分の速度で30℃から700℃まで加熱する。列挙されている分解温度は、TGA分析において、5重量%の重量損失が検出される温度である。
溶解温度(TM)
[0061]自動Mettler Toledo DSC 2を窒素中で操作し、化合物の融解温度を決定するために使用する。そこで、化合物約2~10mgをゴールドシール付き再使用可能な高圧るつぼ(スチール)中で秤量し、10℃/分の速度で50℃から365℃まで加熱する。化合物の融解温度として、吸熱転移の最大ピークを記録する。
1H-NMR(cis/trans比の決定)
[0062]化合物のcis/trans比を決定するため、化合物のNMRスペクトルの記録にBruker Avance Ultrashield 300を使用した。
質量分析
[0063]MASPEC IIデータシステムを備えたFINNIGAN MAT8500 Mass instrumentを使用して質量分析(MS-EI)データを得た。
【0062】
例A
[0064]本例は、1,3,5-トリス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンの調製を示す。
【0063】
【化6】
【0064】
a)1,3,5-トリアミノベンゼンの調製:
3,5-ジニトロアニリン6g(33mmol)を、メタノ-ル50mlとテトラヒドロフラン300mlの混合物に溶かす。混合物をビュッキガラス反応器中に置き、活性炭素担持パラジウム10重量%0.6gを添加する。反応器を閉じ、撹拌しながら窒素で3回および水素で3回パ-ジする。水素化を、35℃および水素圧3barで、12時間実施する。反応混合物を不活性雰囲気中でフラスコに移し、酸化アルミニウム(Alox N)40gに通し濾過して、活性炭、触媒および水を除去する。
【0065】
b)1,3,5-トリス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンの調製:
1,3,5-トリアミノベンゼン1.76g(14.3mmol)および無水LiCl 0.1gを、不活性雰囲気中で、無水N-メチルピロリドン(NMP)100mlおよび無水ピリジン30mlへ添加し、5℃まで冷却する。cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルクロリド9.55g(47mmol)を添加する。
【0066】
反応混合物を80℃まで加熱し、終夜撹拌する。12時間後、氷水1500mlへ反応混合物を添加する。沈殿物を濾別し、乾燥する。通例の処理(N,Ν-ジメチルホルムアミド(DMF)からの再結晶化)を行い、白色粉末として所望の生成物を得る。
Trans含量:0%(1H-NMRによる)。
融点:349℃。
MS(EI):621(M+)。
分解温度:398℃。
【0067】
例B
[0065]本例は、トランス-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンの調製を示す。
【0068】
【化7】
【0069】
a)trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ジニトロベンゼンを、3,5-ジニトロアニリン1.11g(6.1mmol)、trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルクロリド1.47g(7.3mmol)、ピリジン5ml、無水THF50mlおよびLiCl0.1gから、得る。アシル化を例Aに記載のとおり実施する。
【0070】
b)例Aと同様に、a)の下で得られた生成物1.70g(4.8mmol)を、Pd/C(10重量%)0.1gを用いて、THFp.a.200mlおよびMeOH50ml中で、35℃で水素化する。反応混合物を不活性雰囲気中でフラスコに移し、酸化アルミニウム(Alox N)40gに通し濾過して、活性炭、触媒および水を除去する。
【0071】
c)trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ジアミノベンゼン1.38g(13.8mmol)および無水LiCl 0.1gを、不活性雰囲気中で、無水N-メチルピロリドン(NMP)100mlおよび無水ピリジン30mlへ添加し、5℃まで冷却する。cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルクロリド2.23g(11mmol)を添加する。
【0072】
反応混合物を70℃まで加熱し、終夜撹拌する。12時間後、反応混合物を氷水1500mlへ添加する。沈殿物を濾別し、乾燥する。通例の処理(メタノール500ml中で2回煮沸処理)を行い、白色粉末として所望の生成物を得る。
Trans含量:33.4%(1H-NMRによる)。
融点:297℃。
MS(EI):621(M+)。
分解温度:394℃。
【0073】
例C
[0066]本例は、cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンの調製を示す。
【0074】
【化8】
【0075】
a)cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ジニトロベンゼンを、3,5-ジニトロアニリン5g(27.3mmol)、cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルクロリド6.6g(32.8mmol)、無水THF200mlおよびLiCl0.1gから得る。アシル化を例Aに記載のとおり実施する。
【0076】
b)例Aと同様に、a)の下で得られた生成物6.5g(18.6mmol)を、Pd/C(10重量%)0.6gを用いて、THFp.a.200mlおよびMeOH40ml中で、35℃で水素化する。
反応混合物を不活性雰囲気中でフラスコに移し、酸化アルミニウム(Alox N)40gに通し濾過して、活性炭、触媒および水を除去する。
【0077】
c)cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ジアミノベンゼン3.3g(11.4mmol)および無水LiCl 0.1gを、不活性雰囲気中で、無水N-メチルピロリドン(NMP)200mlおよび無水ピリジン30mlへ添加し、5℃まで冷却する。trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルクロリド5.3g(26.2mmol)を添加する。
【0078】
まず、反応混合物を100℃まで加熱し、2時間撹拌する。その後、反応混合物を70℃まで冷却し、終夜撹拌する。12時間後、反応混合物を氷水1500mlへ添加する。沈殿物を濾別し、乾燥する。通例の処理(エタノール中での再結晶化)を行い、白色粉末として所望の生成物を得る。
Trans含量:66.6%(1H-NMRによる)。
融点:320℃。
MS(EI):621(M+)。
分解温度:389℃。
【0079】
例D
[0067]本例は、1,3,5-トリス[trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンの調製を示す。
【0080】
【化9】
【0081】
1,3,5-トリアミノベンゼン(例Aを参照されたい)1.7g(13.8mmol)および無水LiCl 0.1gを、不活性雰囲気中で、無水N-メチルピロリドン(NMP)100mlおよび無水ピリジン30mlへ添加し、5℃まで冷却する。trans-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルクロリド9.4g(46mmol)を添加する。
【0082】
反応混合物を80℃まで加熱し、終夜撹拌する。12時間後、反応混合物を氷水1500mlへ添加する。沈殿物を濾別し、乾燥する。通例の処理(アセトンからの再結晶化)を行い、白色粉末として所望の生成物を得る。
Trans含量:100%(1H-NMRによる)。
融点:320℃。
MS(EI):621(M+)。
分解温度:402℃。
【0083】
例E
[0068]本例は、1,3,5-トリス[4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンの調製を示す。
【0084】
【化10】
【0085】
1,3,5-トリアミノベンゼン(例Aを参照されたい)1.65g(13.4mmol)および無水LiCl 0.1gを、不活性雰囲気中で、無水N-メチルピロリドン(NMP)100mlおよび無水ピリジン30mlへ添加し、5℃まで冷却する。4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルクロリドのcis/trans混合物(70%/30%)8.9g(44mmol)を添加する。
【0086】
反応混合物を80℃まで加熱し、終夜撹拌する。12時間後、反応混合物を氷水1000mlへ添加する。沈殿物を濾別し、乾燥する。通例の処理のために、生成物をメタノール中で煮沸処理し、その後、熱濾過した。不溶性残渣をメタノール2l中で2時間煮沸処理し、室温まで冷却し、濾過して、白色粉末として生成物を得た。生成物は異なる4種の異性体からなる。
Trans含量:7.3%(1H-NMRによる)。
融点:329℃。
MS(EI):621(M+)。
分解温度:381℃。
【0087】
例F
[0069]本例は、1,3,5-トリス[4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンの調製を示す。
【0088】
【化11】
【0089】
1,3,5-トリアミノベンゼン(例Aを参照されたい)1.73g(14.1mmol)および無水LiCl 0.1gを、不活性雰囲気中で、無水N-メチルピロリドン(NMP)100mlおよび無水ピリジン30mlへ添加し、5℃まで冷却する。4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルクロリドのcis/trans混合物(50%/50%)9.42g(46.6mmol)を添加する。
【0090】
反応混合物を80℃まで加熱し、終夜撹拌する。12時間後、反応混合物を氷水1000mlへ添加する。沈殿物を濾別し、乾燥する。その後、生成物をメタノール1000ml中で煮沸処理した。通例の処理のために12時間、淡黄色粉末を昇華させて(温度勾配290℃~110℃~25℃)、白色粉末として生成物を得た。
【0091】
生成物は異なる4種の異性体からなる。
Trans含量:6.5%(1H-NMRによる)。
融点:338℃。
MS(EI):621(M+)。
分解温度:381℃。
【0092】
例G
[0070]本例は、1,3,5-トリス[cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンの調製を示す。
【0093】
【化12】
【0094】
1,3,5-トリアミノベンゼン(例Aを参照されたい)1.08g(8.7mmol)および無水LiCl 0.1gを、不活性雰囲気中で、無水テトラヒドロフラン(THF)100mlおよび無水トリメチルアミン10mlへ添加し、5℃まで冷却する。cis-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルクロリド5.47g(29.0mmol)を添加する。
【0095】
反応混合物を還流しながら煮沸処理し、終夜撹拌する。
【0096】
12時間後、溶媒を蒸発させ、残渣を水に添加し、15分間撹拌する。その後、残渣をエタノール500ml中で煮沸処理する。残渣を濾別し、乾燥する。通例の処理(アセトンからの再結晶化)を行い、白色粉末として所望の生成物を得る。
Trans含量:0%(1H-NMRによる)。
融点:265℃。
MS(EI):579(M+)。
分解温度:401℃。
【0097】
例H
[0071]本例は、1,3,5-トリス[trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンの調製を示す。
【0098】
【化13】
【0099】
1,3,5-トリアミノベンゼン(例Aを参照されたい)1.83g(14.8mmol)および無水LiCl 0.1gを、不活性雰囲気中で、無水テトラヒドロフラン(THF)200mlおよび無水トリエチルアミン15mlへ添加し、5℃まで冷却する。trans-4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルクロリド10.24g(54.3mmol)を添加する。
【0100】
反応混合物を還流しながら煮沸処理し、終夜撹拌する。
【0101】
12時間後、溶媒を蒸発させ、残渣を水に添加し、15分間撹拌する。その後、残渣をヘキサン500ml中で煮沸処理する。残渣を濾別し、乾燥する。通例の処理(p-キシレンからの再結晶化およびメタノール/水中での沈殿)を行い、白色粉末として所望の生成物を得る。
Trans含量:100%(1H-NMRによる)。
融点:274℃。
MS(EI):579(M+)。
分解温度:396℃。
【0102】
例I
[0072]本例は、1,3,5-トリス[4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンの調製を示す。
【0103】
【化14】
【0104】
1,3,5-トリアミノベンゼン(例Aを参照されたい)1.7g(13.8mmol)および無水LiCl 0.1gを、不活性雰囲気中で、無水テトラヒドロフラン(THF)250mlおよび無水トリエチルアミン15mlへ添加し、5℃まで冷却する。4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルクロリドのcis/trans混合物(50%/50%)8.6g(45.5mmol)を添加する。
【0105】
反応混合物を還流しながら煮沸処理し、終夜撹拌する。
【0106】
12時間後、溶媒を蒸発させ、残渣を水に添加し、15分間撹拌する。その後、残渣をヘキサン300ml中で煮沸処理する。残渣を濾別し、乾燥する。その後、残渣をDMF/水(1/10)400mlに添加し、濾別し、乾燥する、これによって、白色粉末として所望の生成物を得る。
Trans含量:18.4%(1H-NMRによる)。
融点:244℃。
MS(EI):579(M+)。
分解温度:390℃。
【0107】
例J
[0073]本例は、cisリッチ1,3,5-トリス[4-イソ-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンの調製を示す。
【0108】
【化15】
【0109】
例Hからの生成物0.5gをイソプロパノールp.a.200ml中で室温で2時間撹拌した。残渣を濾別し、乾燥して、白色粉末としてcisリッチ生成物を得た。
Trans含量:7.7%(1H-NMRによる)。
融点:247℃。
MS(EI):579(M+)。
分解温度:390℃。
【0110】
例K
[0074]本例は、1,3,5-トリス[trans-4-n-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンの調製を示す。
【0111】
【化16】
【0112】
1,3,5-トリアミノベンゼン(例Aを参照されたい)1.83g(14.8mmol)および無水LiCl 0.1gを、不活性雰囲気中で、無水テトラヒドロフラン(THF)200mlおよび無水トリエチルアミン15mlへ添加し、5℃まで冷却する。trans-4-n-プロピルシクロヘキシルカルボニルクロリド10.24g(54.3mmol)を添加する。
【0113】
反応混合物を還流しながら煮沸処理し、終夜撹拌する。
【0114】
12時間後、溶媒を蒸発させ、残渣を水に添加し、15分間撹拌する。その後、残渣をヘキサン500ml中で煮沸処理する。残渣を濾別し、乾燥する。通例の処理(p-キシレンからの再結晶化およびメタノール/水中での沈殿)を行い、白色粉末として所望の生成物を得る。
Trans含量:100%(1H-NMRによる)。
融点:241℃。
MS(EI):579(M+)。
分解温度:391℃。
【0115】
例L
[0075]本例は、1,3,5-トリス[n-プロピルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンの調製を示す。
【0116】
【化17】
【0117】
1,3,5-トリアミノベンゼン(例Aを参照されたい)1.7g(13.8mmol)および無水LiCl 0.1gを、不活性雰囲気中で、無水テトラヒドロフラン(THF)250mlおよび無水トリエチルアミン15mlへ添加し、5℃まで冷却する。4-n-プロピルシクロヘキシルカルボニルクロリドのcis/trans混合物(50%/50%)8.6g(45.5mmol)を添加する。
【0118】
反応混合物を還流しながら煮沸処理し、終夜撹拌する。
【0119】
12時間後、溶媒を蒸発させ、残渣を水に添加し、15分間撹拌する。その後、残渣を水500ml中で煮沸処理する。残渣を濾別し、乾燥する。通例の処理(ヘキサン/酢酸エチル10:1を使用するカラムクロマトグラフィーによる精製)を行い、白色粉末として所望の生成物を得る。
Trans含量:38.5%(1H-NMRによる)。
融点:216℃。
MS(EI):579(M+)。
分解温度:354℃。
【0120】
例M
[0076]本例は、tert-ブチルカルボニルアミノ-3,5-ビス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンの調製を示す。
【0121】
【化18】
【0122】
a)3,5-ジニトロアニリン15.0g(81.9mmol)および無水LiClのスパーテル先端量を不活性雰囲気中でテトラヒドロフラン(THF)に添加する。無水ピリジン10mlを添加し、溶液を5℃まで冷却する。その後、塩化ピバロイル10.86g(90.1mmol)を添加する。
【0123】
反応混合物を80℃まで加熱し、終夜撹拌する。12時間後、反応混合物を氷水へ添加する。沈殿物を濾別し、乾燥する。
【0124】
b)例Aと同様に、a)の下で得られた生成物20.19g(75.0mmol)を、Pd/C(10重量%)2.0gを用いて、THFp.a.300mlおよびMeOH50ml中で、35℃で水素化する。反応混合物を不活性雰囲気中でフラスコに移し、酸化アルミニウム(Alox N)40gに通し濾過して、活性炭、触媒および水を除去する。
【0125】
c)tert-ブチルカルボニルアミノ-3,5-ジアミノベンゼン9.17g(44.2mmol)および無水LiCl 0.1gを、不活性雰囲気中で、無水NMP200ml、無水ピリジン13mlおよびトリメチルクロロシラン9.60g(88.4mmol)へ添加し、5℃まで冷却する。cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルクロリド19.74g(97.3mmol)を添加する。反応混合物を70℃まで加熱し、終夜撹拌する。12時間後、反応混合物を氷水2000mlへ添加する。沈殿物を濾別し、乾燥する。通例の処理(メタノール中で煮沸処理)を行い、白色粉末として所望の生成物を得る。
Trans含量:<3%(1H-NMRによる)。
融点:288℃。
MS(EI):539(M+)。
分解温度:382℃。
【0126】
例N
[0077]本例は、cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ビス[4-tert-ブチルカルボニルアミノ]ベンゼンの調製を示す。
【0127】
【化19】
【0128】
a)3,5-ジニトロアニリン12.4g(67.5mmol)および無水LiClのスパーテル先端量を不活性雰囲気中でテトラヒドロフラン(THF)に添加する。無水ピリジン10mlを添加し、溶液を5℃まで冷却する。その後、cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルクロリド15.0g(74.2mmol)を添加する。反応混合物を80℃まで加熱し、終夜撹拌する。12時間後、反応混合物を氷水へ添加する。沈殿物を濾別し、乾燥する。
【0129】
b)例Aと同様に、a)の下で得られた生成物22.0g(63.0mmol)を、Pd/C(10重量%)2.2gを用いて、THFp.a.500mlおよびMeOH50ml中で、35℃で水素化する。反応混合物を不活性雰囲気中でフラスコに移し、酸化アルミニウム(Alox N)40gに通し濾過して、活性炭、触媒および水を除去する。
【0130】
c)cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ-3,5-ジアミノベンゼン7.88g(26.4mmol)および無水LiCl 0.1gを、不活性雰囲気中で、無水NMP100mlおよび無水ピリジン5mlへ添加し、5℃まで冷却する。塩化ピバロイル7.00g(58.0mmol)を添加する。反応混合物を70℃まで加熱し、終夜撹拌する。12時間後、反応混合物を氷水2000mlへ添加する。沈殿物を濾別し、乾燥する。通例の処理(メタノール中で煮沸処理)を行い、白色粉末として所望の生成物を得る。
Trans含量:<3%(1H-NMRによる)。
融点:312℃。
MS(EI):457(M+)。
分解温度:357℃。
【0131】
例O
[0078]本例は、本発明による化合物によるポリプロピレンの核形成を示す。
【0132】
[0079]メルトフローインデックス8g/分(230℃および2.16kgで測定)を有するポリマー粉末((プロピレンランダムコポリマー(ラコRD208CF-Borealis))を、それぞれのトリスアミド化合物の適量と激しく混合し、その結果、添加剤0.01~1重量%を含有するポリマー-添加剤混合物を得た。初期バッチを希釈することで様々な濃度の混合物の系列を作製したが、これは、原液ポリマーと添加剤含有初期バッチとの所定量を添加することによって、通常は添加剤0.01重量%~1重量%を含有する。
【0133】
[0080]製剤の配合を、同時回転実験室用二軸スクリュー押出機で、例えば、DSM(RTM)製のXplore Micro Compounder 15mlで、230℃(融点温度)で約5分間行う。押出成形ストランドの試料を使用して示差走査熱量法(DSC)によってポリマーの結晶化温度を決定する。
示差走査熱量法(DSC):
[0081]Perkin-Elmer DSC instrument(RTM)(Diamond DSC)を、乾燥窒素雰囲気中で操作し、標準法に従って、様々な混合物および対照試料の結晶化挙動の分析に使用する。試料約5~10mgをアルミニウムカップ中へ密封し、10℃/分の速度で50℃から250℃まで加熱し、250℃で5分間維持し、次いで、次に10℃/分の速度で、50℃へと冷却する。ポリマー結晶化温度、Tc、として表されるデータは、冷却する際に記録されるサーモグラム中の発熱のピーク温度である。
【0134】
【表1】
【0135】
[0082]表1のデータから分かるように、本発明によるトリスアミド化合物を含有するポリマー組成物(すなわち、試料1~14)は、無核ポリマー(すなわち、対照)より高い結晶化温度を呈した。実際、本発明によるトリスアミド化合物の一部によって、低濃度(0.02重量%)でポリマー結晶化温度において少なからぬ上昇が付与された(例えば、試料4を参照されたい)。さらに、本発明によるトリスアミド化合物の一部によって、ポリマー結晶化温度が数摂氏温度以上、上昇した(例えば、試料1、2、6および7を参照されたい)。これらのデータによって、本発明のトリスアミド化合物は、ポリマー用の効果的な核形成剤であることが実証されている。
【0136】
[0083]ここで引用した刊行物、特許出願および特許を含めて、すべての参考文献は、各参考文献が、個別におよび具体的に示されて、参照により組み込まれているのと同じ程度で、およびその全体がここに記載されているのと同じ程度で、参照によりここに組み込まれる。
【0137】
[0084]本出願の主題を記載する文脈において(特に、以下の特許請求の範囲の文脈において)、「一つの」および「その」の用語および類似の指示語の使用は、ここに別段の指示がない限り、または文脈に明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を包含すると解釈されるべきである。「含む」、「有する」、「含む」および「含有する」という用語は、別段の記載のない限り、非限定的な用語(すなわち、「含むが、限定されない」を意味する)と解釈されるべきである。ここで値の範囲の記述は、ここで別段の指示がない限り、その範囲内に属する各個別の値を個々に言及する略記法としての役割を果たすことが単に意図され、各個別の値は、ここで個々に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。ここで記載した方法はすべて、ここに別段の指示がない限り、または文脈に明らかに矛盾しない限り、適切な任意の順番で行うことができる。ここで提供される、あらゆるおよびすべての例、または例示的な言い回し(例えば、「例えば」)の使用は、本出願の主題をよりよく説明することが単に意図され、別段の主張がない限り、主題の範囲に制限を設けるものではない。本明細書のいかなる言い回しも、特許請求されていない要素がここに記載された主題の実践に不可欠であることを示すものと解釈されるべきではない。
【0138】
[0085]特許請求された主題を実施するために本発明者らが知っている最良の形態を含めて、本出願の主題の好ましい態様が、ここに記載されている。先の記載を一読すれば、これらの好ましい態様の変形形態が、当業者には明らかとなってもよい。本発明者らは、当業者がこのような変形形態を適宜使用することを予期しており、本発明者らは、ここで記載した主題が、ここで具体的に記載したのと違うように実施されることも意図している。
したがって、本開示は、準拠法が認める、添付の特許請求の範囲に列挙された主題の修正および等価物をすべて含む。さらに、それらのすべての可能な変形形態において、ここに別段の指示がない限り、または文脈に明らかに矛盾しない限り、上に記載の要素の任意の組み合わせが本開示に包含される。
以下に本発明の実施態様を付記する。
1. 以下の一般式(I)のトリスアミド化合物。
【化20】
(式中、R 1 は水素以外の1価の基であり、X 1 は1価の基であり、およびX 2 は1価の基である)
2. R 1 は、無置換のまたは1個以上のヒドロキシにより置換されているC 1 ~C 20 アルキル基;無置換のまたは1個以上のヒドロキシにより置換されているC 2 ~C 20 アルケニル基;酸素または硫黄により中断されているC 2 ~C 20 アルキル基;1個以上のハロゲンにより置換されているC 1 ~C 20 アルキル基;ハロゲン;トリメチルシリル;およびシアノからなる群から選択される、1に記載のトリスアミド化合物。
3. R 1 は、C 1 ~C 6 アルキル基;無置換のまたは1個以上のヒドロキシにより置換されている分枝C 3 ~C 20 アルキル基;1個以上のハロゲンにより置換されているC 1 ~C 12 アルキル基;ハロゲン;トリメチルシリル;およびシアノからなる群から選択される、1に記載のトリスアミド化合物。
4. R 1 は、C 1 ~C 3 アルキル基;分枝C 3 ~C 12 アルキル基;フッ素、塩素;およびトリメチルシリルからなる群から選択される、1に記載のトリスアミド化合物。
5. R 1 は、分枝C 3 ~C 5 アルキル基からなる群から選択される、1に記載のトリスアミド化合物。
6. X 1 およびX 2 は:
無置換のまたは1個以上のヒドロキシにより置換されているC 1 ~C 20 アルキル基;
無置換のまたは1個以上のヒドロキシにより置換されているC 2 ~C 20 アルケニル基;
酸素または硫黄により中断されているC 2 ~C 20 アルキル基;
無置換のまたは1個以上のC 1 ~C 20 アルキル基により置換されているC 3 ~C 12 シクロアルキル基;
無置換のまたは1個以上のC 1 ~C 20 アルキル基により置換されている(C 3 ~C 12 シクロアルキル)-C 1 ~C 10 アルキル基;
無置換のまたは1個以上のC 1 ~C 20 アルキル基により置換されているビス[C 3 ~C 12 シクロアルキル]-C 1 ~C 10 アルキル基;
無置換のまたは1個以上のC 1 ~C 20 アルキル基により置換されている5~20個の炭素原子を有する二環式または三環式炭化水素基;
無置換の、またはC 1 ~C 20 アルキル基、C 1 ~C 20 アルコキシ基、C 1 ~C 20 アルキルアミノ基、ジ(C 1 ~C 20 アルキル)アミノ基、ヒドロキシおよびニトロから選択される1個以上の基により置換されているフェニル;
無置換の、またはC 1 ~C 20 アルキル基、C 3 ~C 12 シクロアルキル基、フェニル、C 1 ~C 20 アルコキシ基およびヒドロキシから選択される1個以上の基により置換されているフェニル-C 1 ~C 20 アルキル基;
無置換のまたは1個以上のC 1 ~C 20 アルキル基により置換されているフェニルエテニル;
無置換のまたは1個以上のC 1 ~C 20 アルキル基により置換されているビフェニル-(C 1 ~C 10 アルキル)基;
無置換のまたは1個以上のC 1 ~C 20 アルキル基により置換されているナフチル;
無置換のまたは1個以上のC 1 ~C 20 アルキル基により置換されているナフチル-C 1 ~C 20 アルキル基;
無置換のまたは1個以上のC 1 ~C 2 アルキル基により置換されているナフトキシメチル;
ビフェニレニル、フルオレニル、アントリル;
無置換のまたは1個以上のC 1 ~C 20 アルキル基により置換されている5~6員の複素環式基;
1個以上のハロゲンを含有するC 1 ~C 20 炭化水素基;および
トリ(C 1 ~C 10 アルキル)シリル(C 1 ~C 10 アルキル)基
からなる群から独立して選択される、1~5のいずれか1に記載のトリスアミド化合物。
7. R 1 は、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素への結合に対してcis位にある、1~6のいずれか1に記載のトリスアミド化合物。
8. R 1 は、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素への結合に対してtrans位にある、1~6のいずれか1に記載のトリスアミド化合物。
9. 前記化合物は一般式(II)に従う、1~8のいずれか1に記載のトリスアミド化合物。
【化21】
(式中、R 2 は1価の基である)
10. R 2 は、無置換のまたは1個以上のヒドロキシにより置換されているC 1 ~C 20 アルキル基;無置換のまたは1個以上のヒドロキシにより置換されているC 2 ~C 20 アルケニル基;酸素または硫黄により中断されているC 2 ~C 20 アルキル基;1個以上のハロゲンにより置換されているC 1 ~C 20 アルキル基;ハロゲン;トリメチルシリル;およびシアノからなる群から選択される、9に記載のトリスアミド化合物。
11. R 2 は、C 1 ~C 6 アルキル基;無置換のまたは1個以上のヒドロキシにより置換されている分枝C 3 ~C 20 アルキル基;1個以上のハロゲンにより置換されているC 1 ~C 12 アルキル基;ハロゲン;トリメチルシリル;およびシアノからなる群から選択される、9に記載のトリスアミド化合物。
12. R 2 は、C 1 ~C 3 アルキル基;分枝C 3 ~C 12 アルキル基;フッ素;塩素;およびトリメチルシリルからなる群から選択される、9に記載のトリスアミド化合物。
13. R 2 は、分枝C 3 ~C 5 アルキル基からなる群から選択される、9に記載のトリスアミド化合物。
14. R 2 は、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素への結合に対してtrans位にある、9~13のいずれか1に記載のトリスアミド化合物。
15. R 2 は、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素への結合に対してcis位にある、9~13のいずれか1に記載のトリスアミド化合物。
16. 前記化合物は一般式(III)に従う、1~15のいずれか1に記載のトリスアミド化合物。
【化22】
(式中、R 2 およびR 3 は1価の基である)
17. R 3 は、無置換のまたは1個以上のヒドロキシにより置換されているC 1 ~C 20 アルキル基;無置換のまたは1個以上のヒドロキシにより置換されているC 2 ~C 20 アルケニル基;酸素または硫黄により中断されているC 2 ~C 20 アルキル基;1個以上のハロゲンにより置換されているC 1 ~C 20 アルキル基;ハロゲン;トリメチルシリル;およびシアノからなる群から選択される、16に記載のトリスアミド化合物。
18. R 3 は、C 1 ~C 6 アルキル基;無置換のまたは1個以上のヒドロキシにより置換されている分枝C 3 ~C 20 アルキル基;1個以上のハロゲンにより置換されているC 1 ~C 12 アルキル基;ハロゲン;トリメチルシリル;およびシアノからなる群から選択される、16に記載のトリスアミド化合物。
19. R 3 は、C 1 ~C 3 アルキル基;分枝C 3 ~C 12 アルキル基;フッ素;塩素;およびトリメチルシリルからなる群から選択される、16に記載のトリスアミド化合物。
20. R 3 は、分枝C 3 ~C 5 アルキル基からなる群から選択される、16に記載のトリスアミド化合物。
21. R 3 は、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素への結合に対してtrans位にある、16~20のいずれか1に記載のトリスアミド化合物。
22. R 3 は、シクロヘキサンジイル環に結合しているカルボニル炭素への結合に対してcis位にある、16~20のいずれか項に記載のトリスアミド化合物。
23. 前記化合物は、1,3,5-トリス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンではない、1~22のいずれか1に記載のトリスアミド化合物。
24. 前記化合物は、1,3,5-トリス[cis-4-tert-ブチルシクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼンである、1~22のいずれか1に記載のトリスアミド化合物。
25. 1~24のいずれか1項に記載のトリスアミド化合物およびポリマーを含む組成物。
26. 前記ポリマーは熱可塑性ポリマーである、25に記載の組成物。
27. 前記ポリマーはポリオレフィンポリマーである、26に記載の組成物。
28. 前記ポリマーはポリプロピレンポリマーである、27に記載の組成物。
29. 前記トリスアミド化合物は、前記組成物の総重量に対して少なくとも0.05重量%の量で前記組成物中に存在する、25~28のいずれか1に記載の組成物。