(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】モータユニット、および駆動装置
(51)【国際特許分類】
H02K 11/33 20160101AFI20220627BHJP
【FI】
H02K11/33
(21)【出願番号】P 2018563353
(86)(22)【出願日】2018-01-17
(86)【国際出願番号】 JP2018001146
(87)【国際公開番号】W WO2018135514
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】P 2017008550
(32)【優先日】2017-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000228730
【氏名又は名称】日本電産サーボ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【氏名又は名称】梶原 慶
(74)【代理人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】笠井 信也
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-172927(JP,A)
【文献】特開2005-328601(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01244199(EP,A1)
【文献】特開2000-005046(JP,A)
【文献】特開平05-161534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延びる中心軸に沿って配置される出力シャフトと、
前記出力シャフトを回転させるモータと、
前記モータと電気的に接続される回路基板と、
前記モータおよび前記回路基板に電力を供給する電源装置と、
軸方向に延び、前記モータ、前記回路基板、および前記電源装置を収容する筒状のケースと、
を備え、
前記回路基板の基板面と前記電源装置とは、
軸方向と直交する所定方向に対向して配置され、
前記ケースの内側面に固定されるスペーサをさらに備え、
前記電源装置は、前記スペーサを介して前記ケースに固定され、
前記モータは、前記出力シャフトに連結されるモータシャフトを有し、
前記モータシャフトを介して前記出力シャフトを回転させ、
前記スペーサは、前記出力シャフトと前記モータシャフトとが連結される連結状態と、
前記出力シャフトと前記モータシャフトとが分離される非連結状態と、を切り換える連結切換部の少なくとも一部を有する、
モータユニット。
【請求項2】
前記ケースは、円筒状である、請求項1に記載のモータユニット。
【請求項3】
前記所定方向は、前記電源装置と前記スペーサとが並ぶ方向と交差する方向である、請求項
1に記載のモータユニット。
【請求項4】
軸方向に沿って視て、前記電源装置の中心は、前記ケースの中心よりも前記所定方向一方側にずれて配置され、前記回路基板は、前記ケースの中心よりも前記所定方向他方側にずれて配置される、請求項
3に記載のモータユニット。
【請求項5】
前記ケースの内側面は、平坦な平面部を有し、前記スペーサは、前記平面部に固定される、請求項
1から
4のいずれか一項に記載のモータユニット。
【請求項6】
前記電源装置および前記スペーサは、前記ケースに対して共締めされる、請求項
1から
5のいずれか一項に記載のモータユニット。
【請求項7】
前記回路基板に取り付けられる複数の電子部品をさらに備え、前記基板面と前記電源装置とは、前記所定方向に隙間を介して対向し、前記電子部品の少なくとも一部は、前記基板面における前記電源装置と対向する部分に配置される、請求項1から
6のいずれか一項に記載のモータユニット。
【請求項8】
前記電子部品のうちの一部は、軸方向における前記電源装置と異なる位置において前記基板面に取り付けられ、前記電源装置と軸方向に重なる、請求項
7に記載のモータユニット。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか一項に記載のモータユニットと、軸方向に延び、前記ケースの径方向外側に配置される円筒状の回転筒と、を備え、前記回転筒は、前記出力シャフトと連結され、前記出力シャフトの回転に伴って回転する、駆動装置。
【請求項10】
シャッター装置用の駆動装置である、請求項
9に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータユニット、および駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一方向に延びる筒状のケーシングを有するモータユニットが知られる。例えば、特許文献1には、そのようなモータユニットの一例として、シャッター装置のモータユニットが記載される。特許文献1のモータユニットは、ケーシングに収容された制御基板を有する。特許文献1において制御基板は、筒状のケーシングの内部において、ケーシングの延伸方向に沿ってモータユニットの各部と並んで配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような制御基板は、例えばモータユニットの多機能化等に伴って多くの電子部品を搭載するために、大型化される。ここで、特許文献1のように制御基板をケーシングの延伸方向に沿ってモータユニットの各部と並べて配置する場合、制御基板が大型化した分だけケーシングを延伸方向に長くする必要が生じて、モータユニット全体が大型化する問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みて、回路基板を備えるモータユニットであって、回路基板が大型化した場合であってもモータユニットが大型化することを抑制できる構造を有するモータユニット、およびそのようなモータユニットを備える駆動装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモータユニットの一つの態様は、一方向に延びる中心軸に沿って配置される出力シャフトと、前記出力シャフトを回転させるモータと、前記モータと電気的に接続される回路基板と、前記モータおよび前記回路基板に電力を供給する電源装置と、軸方向に延び、前記モータ、前記回路基板、および前記電源装置を収容する筒状のケースと、を備え、前記回路基板の基板面と前記電源装置とは、軸方向と直交する所定方向に対向して配置され、前記ケースの内側面に固定されるスペーサをさらに備え、前記電源装置は、前記スペーサを介して前記ケースに固定され、前記モータは、前記出力シャフトに連結されるモータシャフトを有し、前記モータシャフトを介して前記出力シャフトを回転させ、前記スペーサは、前記出力シャフトと前記モータシャフトとが連結される連結状態と、前記出力シャフトと前記モータシャフトとが分離される非連結状態と、を切り換える連結切換部の少なくとも一部を有する。
【0007】
本発明の駆動装置の一つの態様は、上記のモータユニットと、軸方向に延び、前記ケースの径方向外側に配置される円筒状の回転筒と、を備え、前記回転筒は、前記出力シャフトと連結され、前記出力シャフトの回転に伴って回転する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つの態様によれば、回路基板を備えるモータユニットであって、回路基板が大型化した場合であってもモータユニットが大型化することを抑制できる構造を有するモータユニット、およびそのようなモータユニットを備える駆動装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本実施形態のシャッター装置の部分を前側から視た断面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態のモータユニットを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本実施形態のモータユニットの部分を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、本実施形態のモータユニットを基端側から視た図である。
【
図5】
図5は、本実施形態の連結切換部の部分を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、本実施形態の連結切換部の部分を前側から視た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各図に示すXYZ座標系において、Z軸方向は、上下方向とする。X軸方向およびY軸方向は、Z軸方向と直交する水平方向とし、互いに直交する方向とする。以下の説明においては、Z軸方向と平行な方向を「上下方向Z」と呼び、Y軸方向と平行な方向を「前後方向Y」と呼ぶ。Z軸方向の正の側を「上側」と呼び、Z軸方向の負の側を「下側」と呼ぶ。Y軸方向の正の側を「後側」と呼び、Y軸方向の負の側を「前側」と呼ぶ。本実施形態において上下方向Zは、所定方向に相当する。上側は、所定方向一方側に相当する。下側は、所定方向他方側に相当する。なお、上下方向、前後方向、上側、および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等はこれらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の駆動装置10は、シャッター装置1用の駆動装置である。シャッター装置1は、駆動装置10と、駆動装置10によって昇降されるシャッター80と、を備える。駆動装置10は、モータユニット10aと、回転筒11と、接続部材12と、ベアリング70と、を備える。
【0012】
モータユニット10aは、全体として一方向に延びる円筒状である。モータユニット10aの一端は、固定部材Waを介して壁Wに固定される。モータユニット10aは、出力シャフト34と、ケース20と、モータ30と、減速機32と、ブレーキ装置33と、連結切換部60と、回路基板50と、複数の電子部品51,52と、電源装置40と、を備える。
【0013】
出力シャフト34は、一方向に延びる中心軸Jに沿って配置される。本実施形態において中心軸Jは、水平方向のうちX軸方向と平行な方向に延びる。以下の説明において、中心軸Jと平行な方向、すなわちX軸方向と平行な方向を「軸方向X」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。また、モータユニット10aの各部の配置関係の説明において、軸方向Xにおけるモータユニット10aが壁Wに固定される側、すなわちX軸方向の負の側を「基端側」と呼び、軸方向Xにおける基端側の逆側、すなわちX軸方向の正の側を「先端側」と呼ぶ。
【0014】
ケース20は、軸方向Xに延びる。
図1から
図4に示すように、本実施形態においてケース20は、中心軸Jを中心とする円筒状である。なお、本明細書においてケースが円筒状であるとは、ケースが厳密に円筒状である場合に加えて、ケースが略円筒状である場合も含む。ケースが略円筒状であるとは、ケースの外周面の一部が平坦面である場合等を含む。ケース20は、モータ30、減速機32、ブレーキ装置33、連結切換部60と、回路基板50、電子部品51,52、および電源装置40を収容する。
【0015】
図2に示すように、ケース20は、上側ケース21と、下側ケース22と、蓋部23と、を有する。
図4に示すように、上側ケース21は、上側湾曲板部21aと、一対の上側平板部21bと、を有する。上側湾曲板部21aは、軸方向Xに延び、かつ、周方向に沿って湾曲する板状である。上側湾曲板部21aの軸方向Xに沿って視た形状は、上側に凸となる半円弧状である。一対の上側平板部21bは、上側湾曲板部21aの周方向両端、すなわち本実施形態では上側湾曲板部21aの下端からそれぞれ下側に延びる平板状である。
図2に示すように、上側平板部21bは、軸方向Xに沿って、上側湾曲板部21aの基端側の端部から先端側の端部まで延びる。なお、
図3では、上側ケース21の図示を省略する。
【0016】
図4に示すように、下側ケース22は、下側湾曲板部22aと、一対の下側平板部22bと、を有する。下側湾曲板部22aは、軸方向Xに延び、かつ、周方向に沿って湾曲する板状である。下側湾曲板部22aの軸方向Xに沿って視た形状は、下側に凸となる半円弧状である。一対の下側平板部22bは、下側湾曲板部22aの周方向両端、すなわち本実施形態では下側湾曲板部22aの上端からそれぞれ上側に延びる平板状である。
図3に示すように、下側平板部22bは、軸方向Xに沿って、下側湾曲板部22aの基端側の端部から先端側の端部まで延びる。下側平板部22bは、下側平板部22bの他の部分よりも径方向内側に突出して配置される突出平板部22cを有する。本実施形態において突出平板部22cは、下側平板部22bの他の部分よりも後側に配置される。
【0017】
図4に示すように、下側ケース22は、基板支持部22d,22eを有する。基板支持部22d,22eは、下側湾曲板部22aの径方向内側面からケース20の内部に向かって前後方向Yに突出する板状である。基板支持部22dは、下側湾曲板部22aの径方向内側面のうち、中心軸Jよりも前側の部分に配置される。基板支持部22eは、下側湾曲板部22aの径方向内側面のうち、中心軸Jよりも後側の部分に配置される。基板支持部22dと基板支持部22eとは、例えば、軸方向Xに沿って複数並んで配置される。複数の基板支持部22dと複数の基板支持部22eとは、それぞれ隙間を介して前後方向Yに対向して配置される。本実施形態において基板支持部22d,22eは、下側湾曲板部22aの一部が切り起こされて構成される。
【0018】
上側平板部21bと下側平板部22bとは、径方向に重ね合わされてネジで固定される。これにより、上側ケース21と下側ケース22とが固定されて、軸方向Xの両側に開口する円筒状の筒部が構成される。上側平板部21bは、下側平板部22bの径方向外側に配置される。下側平板部22bの径方向内側面は、ケース20の内側面の一部を構成する平坦面である。これにより、ケース20の内側面は、下側平板部22bの径方向内側面を含む平坦な平面部20bを有する。
【0019】
図3に示すように、蓋部23は、円板状の部材である。蓋部23は、上側ケース21と下側ケース22とによって構成された筒部の内部における基端側の端部に配置される。蓋部23は、筒部の基端側の開口を塞ぐ。蓋部23は、下側ケース22の内側面にネジで固定される。
図1に示すように、蓋部23は、固定部材Waに固定される。
【0020】
モータ30は、ケース20の内部において先端側の部分に配置される。モータ30は、モータシャフト31を有する。モータシャフト31は、例えば、中心軸Jを中心として軸方向Xに延びる。モータシャフト31は、減速機32に接続される。モータ30の先端側の端部は、減速機32の基端側の端部に固定される。本実施形態においてモータ30は、ケース20の内側面から径方向内側に離れて配置される。
【0021】
減速機32は、ケース20の内部において先端側の端部に配置される。減速機32は、上側ケース21と下側ケース22とによって構成された筒部の先端側の開口を塞ぐ。減速機32は、ケース20の内側面に固定される。減速機32には出力シャフト34が接続される。モータシャフト31は、減速機32を介して出力シャフト34に連結される。モータシャフト31の回転は、減速機32を介して減速されて出力シャフト34に伝達される。これにより、モータ30は、モータシャフト31を介して出力シャフト34を回転させる。
【0022】
ブレーキ装置33は、モータ30の基端側の端部に固定される。本実施形態においてブレーキ装置33は、ケース20の内側面から径方向内側に離れて配置される。ブレーキ装置33は、モータ30の回転を制動する。
【0023】
本実施形態においてモータ30は、ケース20に対して、直接的には固定されず、減速機32を介して固定される。また、ブレーキ装置33は、ケース20に対して、直接的には固定されず、モータ30および減速機32を介して固定される。そのため、例えば、ケース20が変形した場合であっても、モータ30と減速機32とブレーキ装置33との相対的な配置関係を保持しやすい。
【0024】
図3に示すように、連結切換部60は、出力シャフト34とモータシャフト31とが連結される連結状態と、出力シャフト34とモータシャフト31とが分離される非連結状態と、を切り換える。
図3および
図5に示すように、連結切換部60は、筐体61と、操作部68と、切換シャフト69と、リンク64と、ロックピン65と、を有する。
【0025】
図5に示すように、筐体61は、前側に開口する有底の矩形箱状である。
図4に示すように、筐体61は、平面部20bに固定される。そのため、筐体61をケース20に対して安定かつ強固に固定できる。より詳細には、筐体61は、平面部20bのうち突出平板部22cの径方向内側面にネジで固定される。
【0026】
図5に示すように、筐体61は、凹部62と、カム63と、を有する。凹部62は、筐体61の内側面のうち前側を向く内側面61aから後側に窪む。カム63は、凹部62の底面の中央から前側に突出する。これにより
、凹部62は、カム63の周りを囲む環状である。なお、以下の説明において、環状の凹部62の内縁側を単に「内縁側」と呼び、外縁側を単に「外縁側」と呼ぶ。
図6に示すように、前後方向Yに沿って視て、凹部62の形状は、略ハート形状である。凹部62の外縁側の側面は、内縁側に突出する頂点Q5を有する。
【0027】
凹部62は、第1部分62aと、第2部分62bと、第3部分62cと、第4部分62dと、を有する。第1部分62aは、第1部分62aの先端側の端部から基端側斜め下方に向かって湾曲して延びる。第1部分62aの先端側の端部は、凹部62の上端部である。第1部分62aは、基端側斜め上方に向かって凸となる略円弧状である。第1部分62aの底部である第1底部66aの前後方向Yの位置は、第1部分62aの先端側の端部から基端側の端部に向かうまでの間に前側に変化する。
【0028】
第2部分62bは、第1部分62aの基端側の端部の下側に接続される。第2部分62bの底部である第2底部66bの前後方向Yの位置は、第1底部66aの基端側の端部よりも後側である。そのため、第1底部66aと第2底部66bとの接続部においては、第1段差部67aが設けられる。
【0029】
第3部分62cは、第2部分62bの先端側に接続される。第3部分62cの底部である第3底部66cの前後方向Yの位置は、第2底部66bよりも後側である。そのため、第2底部66bと第3底部66cとの接続部においては、第2段差部67bが設けられる。凹部62の頂点Q5は、第2部分62bと第3部分62cとの接続箇所の外縁側の端点である。
【0030】
第4部分62dは、第3部分62cの先端側斜め下方に接続される。第4部分62dは、第4部分62dの下端部から上側やや斜め先端側に向かって延びる。第4部分62dの下端部は、凹部62の下端部である。第4部分62dの上端部は、第1部分62aの先端側の端部と接続される。第4部分62dの底部である第4底部66dの下端部の前後方向Yの位置は、第3底部66cよりも後側である。そのため、第3底部66cと第4底部66dとの接続部においては、第3段差部67cが設けられる。第4底部66dの前後方向Yの位置は、第4底部66dの下端部から上端部に向かうまでの間に前側に変化する。第1底部66aの先端側の端部と接続される第4底部66dの上端部の前後方向Yの位置は、第1底部66aの先端側の端部と同じである。
【0031】
前後方向Yに沿って視て、カム63の形状は、頂点Q1,Q2,Q3と、凹頂点Q4と、を有する略ハート形状である。前後方向Yに沿って視て、凹頂点Q4は、カム63の外形を頂点Q2から頂点Q3まで辿るまでの間に位置する。頂点Q1と頂点Q2とを繋ぐカム63の壁面は、第1部分62aの内縁側の側壁を構成する。頂点Q2と凹頂点Q4とを繋ぐカム63の壁面63aは、第3部分62cの内縁側の側壁の一部を構成する。凹頂点Q4と頂点Q3とを繋ぐカム63の壁面63bは、第3部分62cの内縁側の側壁の一部を構成する。頂点Q3と頂点Q1とを繋ぐカム63の壁面は、第4部分62dの内縁側の側壁を構成する。
【0032】
頂点Q2は、第1部分62aと第2部分62bとの接続箇所の内縁側の端点であり、かつ、第2部分62bと第3部分62cとの接続箇所の内縁側の端点である。すなわち、第1部分62aと第2部分62bと第3部分62cとは、頂点Q2において接続される。頂点Q3は、第3部分62cと第4部分62dとの接続箇所の内縁側の端点である。
【0033】
前後方向Yに沿って視て、第1底部66aは、第1仮想線L1よりも第2部分62b側、すなわち下側に張り出した第1張出部66eを有する。第1仮想線L1は、頂点Q2と、第1部分62aと第2部分62bとの接続箇所の外縁側の端点と、を結ぶ線である。第1張出部66eの張り出し量は、頂点Q2から外縁側に向かって比較的急に大きくなった後、第1仮想線L1の外縁側の端点に向かって比較的緩やかに小さくなる。第1段差部67aの前後方向Yと平行な段差面は、第1張出部66eの第2底部66b側の側面である。
【0034】
前後方向Yに沿って視て、第2底部66bは、第2仮想線L2よりも第3部分62c側、すなわち先端側に張り出した第2張出部66fを有する。第2仮想線L2は、頂点Q2と頂点Q5とを結ぶ線である。第2張出部66fの張り出し量は、頂点Q5から内縁側に向かって比較的急に大きくなった後、頂点Q2に向かって比較的緩やかに小さくなる。第2段差部67bの前後方向Yと平行な段差面は、第2張出部66fの第3底部66c側の側面である。
【0035】
前後方向Yに沿って視て、第3底部66cは、第3仮想線L3よりも第4部分62d側、すなわち先端側斜め下方に張り出した第3張出部66gを有する。第3仮想線L3は、頂点Q3と、第3部分62cと第4部分62dとの接続箇所の外縁側の端点と、を結ぶ線である。第3張出部66gの張り出し量は、頂点Q3から外縁側に向かって比較的急に大きくなった後、第3仮想線L3の外縁側の端点に向かって比較的緩やかに小さくなる。第3段差部67cの前後方向Yと平行な段差面は、第3張出部66gの第4底部66d側の側面である。
【0036】
図3および
図5に示すように、操作部68は、フック部68aと、操作ワイヤ68bと、被覆チューブ68cと、連結ワイヤ68dと、を有する。
図5に示すように、フック部68aは、軸方向Xに延びる板状である。フック部68aの基端側は、筐体61の内部に挿入される。フック部68aは、筐体61によって軸方向Xに移動可能に支持される。フック部68aの先端側には、連結ワイヤ68dの基端側の端部が接続される。
【0037】
操作ワイヤ68bは、フック部68aの基端側の端部に接続される。操作ワイヤ68bは、フック部68aから基端側に延びて、
図3に示すようにケース20の外部に引き出される。ケース20の外部に引き出された操作ワイヤ68bは、
図1に示すように駆動装置10から下側に引き出され、プルスイッチ68eを構成する。
【0038】
図3に示すように、被覆チューブ68cは、筐体61に接続される。被覆チューブ68cは、筐体61から基端側に延びて、ケース20の外部に引き出される。被覆チューブ68cの内部には、操作ワイヤ68bが通される。連結ワイヤ68dは、フック部68aから先端側に延びて切換シャフト69に接続される。
【0039】
切換シャフト69は、減速機32に取り付けられる。図示は省略するが、切換シャフト69は、減速機32においてモータシャフト31と出力シャフト34とを連結する連結部品の一部と固定される。切換シャフト69は、軸方向Xに移動可能である。切換シャフト69の軸方向Xの移動に伴って、切換シャフト69に固定された連結部品も軸方向Xに移動する。フック部68a、操作ワイヤ68b、連結ワイヤ68dおよび切換シャフト69には、図示しない弾性部材によって先端側に向かって弾性力が加えられる。
【0040】
図5に示すように、リンク64は、フック部68aの基端側の端部に、前後方向Yと平行な軸周りに回動可能に接続される。ロックピン65は、リンク64の基端側の端部に接続される。ロックピン65は、凹部62内に配置される。ロックピン65は、操作部68の操作に伴って、環状の凹部62内を移動する。
【0041】
操作者がプルスイッチ68eを引くと、操作ワイヤ68bが基端側に引かれて、フック部68aおよび連結ワイヤ68dを介して切換シャフト69が基端側に移動する。これにより、切換シャフト69に固定された連結部品が基端側に移動して、出力シャフト34とモータシャフト31との連結が解除される。これにより、出力シャフト34とモータシャフト31とは非連結状態となる。このとき、
図6に二点鎖線で示すように、ロックピン65は、第1位置P1から第2位置P2まで移動する。第1位置P1は、第1部分62aの上端部内であり、第2位置P2は、第2部分62b内である。
【0042】
操作者がプルスイッチ68eを引く力を解除すると、図示しない弾性部材の復元力によって操作ワイヤ68b、フック部68a、連結ワイヤ68dおよび切換シャフト69が先端側に移動する。このとき、ロックピン65は、第2位置P2から第3位置P3に移動する。第3位置P3は、第3部分62c内である。第3位置P3においてロックピン65は、カム63の壁面63bと接触し、ロックピン65の先端側への移動が阻害される。これにより、操作ワイヤ68b、フック部68a、連結ワイヤ68dおよび切換シャフト69の先端側への移動が阻害され、出力シャフト34とモータシャフト31との連結が解除された非連結状態が維持される。非連結状態においては、出力シャフト34がモータシャフト31の状態によらず自由に回転可能となるため、操作者は、手動でシャッター80を昇降させることが可能になる。
【0043】
非連結状態において、操作者がさらにプルスイッチ68eを引くと、ロックピン65は、第3位置P3から基端側に移動する。しかし、第3段差部67cが設けられるため、ロックピン65は、第2部分62bに戻ることが抑制され、第3段差部67cの段差面および凹部62の外縁側の側面に沿って移動する。そして、ロックピン65は、第4位置P4へと移動する。第4位置P4は、第4部分62dの下端部内である。この状態において操作者がプルスイッチ68eを引く力を解除すると、ロックピン65は、第4部分62dに沿って再び第1位置P1に戻る。これにより、切換シャフト69および連結部品が出力シャフト34とモータシャフト31とを連結する位置まで戻り、再び出力シャフト34とモータシャフト31とが連結状態となる。
【0044】
第2位置P2から第3位置P3に移動する際において、ロックピン65は、第1段差部67aの段差面と接触しつつ移動する。そのため、操作部68の操作を行うに従って、第1段差部67aの段差面を有する第1底部66aの下端部が徐々に損耗する。ここで、例えば、第1底部66aの損耗が進み、第1段差部67aにおける段差面の内縁側の端点が頂点Q2よりも大きく第1部分62a側となると、ロックピン65が第2位置P2から第3位置P3に移動する途中で頂点Q2に引っ掛かり、ロックピン65の移動が阻害される場合がある。これにより、連結切換部60の動作が正常に行えなくなる問題がある。
【0045】
これに対して本実施形態によれば、第1底部66aには、頂点Q2を内縁側の端点とする第1仮想線L1よりも第2部分62b側に位置する第1張出部66eが設けられる。そのため、第1張出部66eが損耗しきるまで、第1段差部67aにおける段差面の内縁側の端点が頂点Q2よりも第1部分62a側となることを防止できる。これにより、第1段差部67aにおける段差面の内縁側の端点が頂点Q2よりも大きく第1部分62a側となることを抑制でき、ロックピン65の移動が阻害されることを抑制できる。したがって、本実施形態によれば、連結切換部60の動作が正常に行えなくなることを抑制できる。
【0046】
また、第2張出部66fが設けられるため、上述した第1張出部66eと同様に、第3位置P3から第4位置P4までの移動の途中にロックピン65の移動が阻害されることを抑制できる。また、第3張出部66gが設けられるため、上述した第1張出部66eと同様に、第4位置P4から第1位置P1までの移動の途中にロックピン65の移動が阻害されることを抑制できる。したがって、連結切換部60の動作が正常に行えなくなることをより抑制できる。
【0047】
図3に示すように、回路基板50は、ケース20の内部において基端側の部分に配置される。回路基板50は、軸方向Xに延びる長方形板状である。回路基板50の基板面50aは、上下方向Zと直交する。基板面50aは、回路基板50の上面である。基板面50aには、図示しないプリント配線が設けられる。
【0048】
図4に示すように、回路基板50は、基板支持部22d,22eの上面に配置される。本実施形態において回路基板50は、基板支持部22dのうち最も先端側
に配置される基板支持部22dと、基板支持部22eのうち最も基端側に配置される基板支持部22eとにネジで固定される。すなわち、回路基板50は、対角配置される2箇所においてケース20にネジで固定される。回路基板50は、ケース20の中心よりも下側にずれて配置される。本実施形態においてケース20の中心は、中心軸Jである。図示は省略するが、回路基板50は、モータ30と電気的に接続される。
【0049】
電源装置40は、モータ30および回路基板50に電力を供給する。電源装置40は、
図2に示す電源ケーブル44を介して図示しない外部電源に接続される。電源装置40は、例えば、外部電源から供給される電力の電圧を変換する変圧器である。
図1に示すように、電源装置40は、ケース20の内部において基端側の部分に配置される。
【0050】
基板面50aと電源装置40とは、軸方向Xと直交する上下方向Zに対向して配置される。そのため、回路基板50と電源装置40とを軸方向Xに並べて配置する場合に比べて、回路基板50と電源装置40とを収容するケース20の軸方向Xの寸法を小さくできる。言い換えれば、回路基板50と電源装置40とを軸方向Xに並べて配置する場合における電源装置40が配置されるスペースの分だけ回路基板50を軸方向Xに大きくしても、ケース20の軸方向Xの寸法を変更する必要がない。すなわち、ケース20を軸方向Xに大型化させずに、回路基板50を軸方向Xに大型化できる。したがって、本実施形態によれば、回路基板50が大型化した場合であってもモータユニット10aが大型化することを抑制できる。
【0051】
図4に示すように、本実施形態において基板面50aと電源装置40とは、上下方向Zに隙間を介して対向する。電源装置40は、筐体61を介してケース20に固定される。本実施形態において筐体61は、ケース20の内側面に固定されるスペーサに相当する。すなわち、モータユニット10aは、スペーサとしての筐体61を備える。
【0052】
例えば、電源装置40を直接的にケース20に固定する場合について考える。この場合、本実施形態のようにケース20が円筒状だと、ケース20内における電源装置40の位置が制限される場合がある。具体的には、例えば、平面部20bに直接的に電源装置40を固定する場合、電源装置40の上端が上側湾曲板部21aに干渉するため、電源装置40の位置を、
図4に示す位置よりも下側にする必要がある。この場合、電源装置40の位置を下側にするのに伴って、回路基板50の位置も下側にする必要が生じる。しかし、ケース20の前後方向Yの寸法は下側に向かうに従って小さくなるため、回路基板50を
図4に示す位置よりも下側にする場合、回路基板50の前後方向Yの寸法を小さくする必要がある。したがって、回路基板50の実装面積が小さくなる問題がある。
【0053】
これに対して、本実施形態によれば、スペーサとしての筐体61を介して電源装置40がケース20に固定されるため、ケース20内における電源装置40の位置を調整しやすい。具体的には、筐体61によって電源装置40の前後方向Yの位置をケース20の中央側に離すことができる。ケース20の中央に近づくほど上側湾曲板部21aの上下方向Zの位置が上側に位置するため、ケース20の中央に電源装置40を近づけることで、電源装置40をより上側に配置できる。これにより、回路基板50もケース20内において、より上側に配置することができ、回路基板50の前後方向Yの寸法を大きくできる。したがって、本実施形態によれば、筐体61を介して電源装置40をケース20に固定することで、回路基板50の実装面積をより大きく確保しやすい。
【0054】
本実施形態において電源装置40は、筐体61を介して下側ケース22に固定される。また、上述したように回路基板50も下側ケース22に固定される。すなわち、電源装置40と回路基板50とは、共に下側ケース22に固定される。電源装置40と回路基板50とは電気的に接続されるため、同じ下側ケース22に固定されることで、モータユニット10aの組み立てを容易にできる。
【0055】
本実施形態においてスペーサに相当する筐体61は、連結切換部60の一部である。すなわち、スペーサは、連結切換部60の少なくとも一部を有する。このように本実施形態では、連結切換部60の少なくとも一部をスペーサとして利用するため、別途スペーサを設ける必要がない。したがって、モータユニット10aの部品点数が増加することを抑制でき、モータユニット10aを組み立てる手間および製造コストが増加することを抑制できる。
【0056】
電源装置40は、筐体61の後側の面に固定される。電源装置40と筐体61とは、前後方向Yに並んで配置される。上述したように本実施形態において、基板面50aと電源装置40とが対向する所定方向は、上下方向Zである。すなわち、基板面50aと電源装置40とが対向する所定方向は、電源装置40と筐体61とが並ぶ方向と交差する方向である。
【0057】
例えば、基板面50aと電源装置40とが対向する所定方向が、電源装置40と筐体61とが並ぶ方向と平行な場合、電源装置40と回路基板50と筐体61とが同じ方向に沿って配置される。この場合、筐体61が並んで配置される分だけ電源装置40および回路基板50を詰めて配置する必要がある。そのため、例えば、回路基板50をより下側に配置する必要が生じて、回路基板50の前後方向Yの寸法を小さくする必要がある。したがって、回路基板50の実装面積が低下する場合があった。
【0058】
これに対して、本実施形態によれば、電源装置40と回路基板50とが並ぶ方向とは異なる方向において、電源装置40と筐体61とを並べて配置できる。そのため、所定方向に沿った電源装置40と回路基板50との配置の自由度を大きくでき、回路基板50の実装面積が低下することを抑制できる。また、所定方向と交差する方向において、ケース20内の空間を有効利用することができる。具体的には、本実施形態では、ケース20内における前後方向Yの空間を、筐体61を配置する空間として有効に利用できる。上記の効果は、本実施形態のように、基板面50aと電源装置40とが対向する所定方向が電源装置40と筐体61とが並ぶ方向と直交する方向である場合に特に大きく得られる。
【0059】
軸方向Xに沿って視て、電源装置40の中心Cは、ケース20の中心、すなわち本実施形態では中心軸Jよりも上側にずれて配置される。そのため、上下方向Zにおいて回路基板50をケース20の中心に近づけて配置しやすく、回路基板50の実装面積を確保しやすい。また、回路基板50は、ケース20の中心よりも下側にずれて配置されるため、回路基板50の上面、すなわち基板面50aからケース20の上端までの距離をより大きくできる。これにより、基板面50aに上下方向Zの寸法が大きい電子部品を配置しやすい。
【0060】
電源装置40および筐体61は、ケース20に対してネジによって共締めされる。そのため、電源装置40と筐体61とを同時にケース20に固定することができ、モータユニット10aの組み立てを簡単にできる。
【0061】
電源装置40は、本体部41と、上側凸部42と、下側凸部43と、を有する。本体部41、上側凸部42および下側凸部43は、直方体状の部分である。上側凸部42は、本体部41の上端に接続される。下側凸部43は、本体部41の下端に接続される。上側凸部42の前後方向Yの寸法は、本体部41の前後方向Yの寸法よりも小さい。そのため、円筒状のケース20内においては、本体部41に比べて、上側凸部42の方が上側に配置されやすい。これにより、電源装置40をより上側に配置しやすい。下側凸部43の前後方向Yの寸法は、本体部41の前後方向Yの寸法よりも小さい。
図3に示すように、上側凸部42の軸方向Xの寸法は、本体部41の軸方向Xの寸法よりも小さい。図示は省略するが、下側凸部43の軸方向Xの寸法は、本体部41の軸方向Xの寸法よりも小さい。
【0062】
図1に示すように、複数の電子部品51,52は、回路基板50に取り付けられる。電子部品51は、軸方向Xにおける電源装置40と異なる位置において基板面50aに取り付けられる。本実施形態では、電子部品51は、電源装置40よりも先端側において基板面50aに取り付けられる。電子部品51は、上下方向Zの寸法が比較的大きい部品である。電子部品51は、電源装置40と軸方向Xに重なる。すなわち、複数の電子部品の少なくとも一部は、軸方向Xにおける電源装置40と異なる位置において基板面50aに取り付けられ、電源装置40と軸方向Xに重なる。そのため、電子部品51のように上下方向Zの寸法が比較的大きい部品を回路基板50に実装することができる。
【0063】
例えば、電子部品51は、無線通信用の部品である。例えば、電子部品51は、モータユニット10aが外部から送信される信号を受信するための電子部品である。これにより、モータユニット10aの遠隔操作が可能となる。基板面50a上における無線通信用の部品の設置スペースは、比較的大きい。そのため、無線通信用の部品が回路基板50に実装される場合に、上述した回路基板50を大型化しつつモータユニット10aの大型化を抑制できる効果をより大きく得られる。
【0064】
電子部品52は、基板面50aにおける電源装置40と対向する部分に配置される。すなわち、複数の電子部品の少なくとも一部は、基板面50aにおける電源装置40と対向する部分に配置される。そのため、基板面50a上を有効に利用することができる。電子部品52は、電子部品51に対して上下方向Zの寸法が比較的小さい部品である。本実施形態のように、回路基板50に実装される電子部品の上下方向Zの寸法にばらつきがある場合、上下方向Zの寸法が比較的小さい電子部品を基板面50a上における電源装置40と対向する部分に配置し、上下方向Zの寸法が比較的大きい電子部品を電源装置40と異なる軸方向Xの位置に配置することで、より多くの電子部品を回路基板50上に好適に配置できる。
【0065】
回転筒11は、軸方向Xに延び、ケース20の径方向外側に配置される円筒状である。回転筒11は、例えば、中心軸Jを中心とする。回転筒11は、モータユニット10aの基端側の端部から、モータユニット10aの先端側の端部よりもさらに先端側(+X側)まで延びる。回転筒11における軸方向Xの一方側(-X側)の端部は、ベアリング70を介してケース20に連結される。図示は省略するが、回転筒11における軸方向Xの他方側(+X側)の端部は、壁に対して回転可能に支持される。これにより、回転筒11は、中心軸J周りに回転可能に、軸方向Xの両端を支持される。
【0066】
回転筒11は、接続部材12を介して出力シャフト34と連結される。
図2に示すように、接続部材12は、出力シャフト34に固定される略矩形板状の部材である。
図1に示すように、接続部材12は、回転筒11の内周面に固定される。これにより、出力シャフト34が回転すると、接続部材12を介して、回転筒11も回転する。すなわち、回転筒11は、出力シャフト34の回転に伴って回転する。このような回転筒11を備えるため、本実施形態の駆動装置10は、本実施形態のようなシャッター装置用の駆動装置、または搬送ローラ用の駆動装置等として用いることができる。
【0067】
具体的に、本実施形態のシャッター装置1に用いられる駆動装置10においては、回転筒11を回転させることで、回転筒11に対してシャッター80を巻き取り、シャッター80を上昇させることができる。また、回転筒11を逆回転させることで、回転筒11に巻き取られたシャッター80を巻き出し、シャッター80を降下させることができる。
【0068】
モータユニット10aが、本実施形態のように回転筒11が設けられる駆動装置10に設けられる場合、モータユニット10aのケース20を円筒状とすることで、ケース20を角筒状とするよりも、ケース20内の空間を大きくすることができる。すなわち、ケース2
0を円筒状とすることで、回転筒11を備える駆動装置10に好適に用いることができるモータユニット10aが得られる。
【0069】
シャッター装置1においては、例えば、回転筒11内におけるモータユニット10aが収容される部分以外に、他の装置が配置される。そのため、モータユニット10aの軸方向Xの寸法が大型化すると、他の装置が配置できない問題がある。したがって、上述したモータユニット10aが大型化することを抑制できる効果は、シャッター装置1用の駆動装置10に適用する場合に特に有用である。
【0070】
また、モータユニット10aが大型化することを抑制できるため、例えばシャッター装置に新たな機能を追加して回路基板が大型化する場合であっても、既存のシャッター装置に対してモータユニットのみを交換することで、新たな機能を有するシャッター装置を製造できる。そのため、新たな機能を付加したシャッター装置の製造が容易である。
【0071】
シャッター装置1に設けられる他の装置とは、例えば、回転筒11に対して中心軸J周りの回転方向のうちシャッター80を巻き取る向きに弾性力を加えるコイルバネ等である。回転筒11を回転させるために必要な回転トルクは、シャッター80が全て巻き出された状態、すなわちシャッター80が閉じた状態において最も大きく、シャッター80が全て巻き取られた状態、すなわちシャッター80が開いた状態において最も小さい。シャッター80が閉じた状態においては、コイルバネによって比較的大きな弾性力が回転筒11に加えられる。回転筒11に加えられる弾性力は、シャッター80が開くに従って小さくなる。このように、コイルバネによってモータユニット10aによる回転筒11の回転を補助できる。したがって、モータユニット10aの回転トルクを小さくすることができ、モータ30を小型化しやすい。また、シャッター80の開閉状態に応じて適切な回転トルクで回転筒11を回転させることができるため、シャッター80の昇降を安定して行うことができる。
【0072】
本発明は上述の実施形態に限られず、他の構成を採用することもできる。回路基板50と電源装置40とは接触して対向してもよい。また、電源装置40の一部が基板面50aと対向していれば、電源装置40の他の一部は、基板面50aと対向しなくてもよい。また、基板面50aと電源装置40とが対向する所定方向は、軸方向Xと直交していれば特に限定されず、上下方向Z以外の方向であってもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、スペーサは連結切換部60の一部としたが、これに限られない。スペーサは、連結切換部60の一部以外に他の部分を有してもよいし、連結切換部60を有していなくてもよい。また、電源装置40とスペーサとが並ぶ方向は、基板面50aと電源装置40とが対向する方向と平行であってもよい。また、スペーサは、設けられなくてもよい。また、ケース20は、円筒状に限られず、楕円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。また、ケース20の中心は、中心軸Jとずれてもよい。
【0074】
また、上述した実施形態のモータユニット10aの用途は限定されず、シャッター装置1用の駆動装置10以外のいかなる機器に搭載されてもよい。また、上述した実施形態の駆動装置10は、シャッター装置1以外のいかなる機器に搭載されてもよい。また、上述した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0075】
1…シャッター装置、10…駆動装置、10a…モータユニット、11…回転筒、20…ケース、20b…平面部、30…モータ、31…モータシャフト、34…出力シャフト、40…電源装置、50…回路基板、50a…基板面、51,52…電子部品、60…連結切換部、61…筐体(スペーサ)、J…中心軸、X…軸方向、Z…上下方向(所定方向)