IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソフトバンクモバイル株式会社の特許一覧

特許7094901交通情報を管理するサーバ、システム、方法及びプログラム、並びに、サーバと通信可能な通信装置及び移動体
<>
  • 特許-交通情報を管理するサーバ、システム、方法及びプログラム、並びに、サーバと通信可能な通信装置及び移動体 図1
  • 特許-交通情報を管理するサーバ、システム、方法及びプログラム、並びに、サーバと通信可能な通信装置及び移動体 図2
  • 特許-交通情報を管理するサーバ、システム、方法及びプログラム、並びに、サーバと通信可能な通信装置及び移動体 図3
  • 特許-交通情報を管理するサーバ、システム、方法及びプログラム、並びに、サーバと通信可能な通信装置及び移動体 図4
  • 特許-交通情報を管理するサーバ、システム、方法及びプログラム、並びに、サーバと通信可能な通信装置及び移動体 図5
  • 特許-交通情報を管理するサーバ、システム、方法及びプログラム、並びに、サーバと通信可能な通信装置及び移動体 図6
  • 特許-交通情報を管理するサーバ、システム、方法及びプログラム、並びに、サーバと通信可能な通信装置及び移動体 図7
  • 特許-交通情報を管理するサーバ、システム、方法及びプログラム、並びに、サーバと通信可能な通信装置及び移動体 図8
  • 特許-交通情報を管理するサーバ、システム、方法及びプログラム、並びに、サーバと通信可能な通信装置及び移動体 図9
  • 特許-交通情報を管理するサーバ、システム、方法及びプログラム、並びに、サーバと通信可能な通信装置及び移動体 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】交通情報を管理するサーバ、システム、方法及びプログラム、並びに、サーバと通信可能な通信装置及び移動体
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20220627BHJP
【FI】
G08G1/09 D
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019005710
(22)【出願日】2019-01-17
(65)【公開番号】P2020113225
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2019-03-20
【審判番号】
【審判請求日】2021-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(74)【代理人】
【識別番号】100128691
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 弘通
(72)【発明者】
【氏名】海老沢 憲一
(72)【発明者】
【氏名】小椋 直
(72)【発明者】
【氏名】笠浪 潤
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】木村 麻乃
【審判官】鈴木 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-160751(JP,A)
【文献】特開2009-258878(JP,A)
【文献】特開2009-259158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G1/00-1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体と通信可能なサーバであって、
第1移動経路と第2移動経路とが交差している十字路の交差点に向かっている前記第1移動経路上の第1移動体から、前記第1移動体が撮影した前記交差点の交通信号機の画像部分を有し該交通信号機の点灯色を識別可能な前方画像の画像情報を、その画像撮影時の前記第1移動体の位置情報及び時刻情報とともに受信し、前記交差点に向かっている前記第2移動経路上の第2移動体から、前記第2移動体が撮影した前記交差点の交通信号機の画像部分を有し該交通信号機の点灯色を識別可能な前方画像の画像情報を、その画像撮影時の前記第2移動体の位置情報及び時刻情報とともに受信する受信部と、
前記第1移動体から受信した前記画像情報、前記第1移動体の位置情報及び前記時刻情報と、前記第2移動体から受信した前記画像情報、前記第2移動体の位置情報及び前記時刻情報とに基づいて、前記交差点の交通信号機の各色の点灯期間の情報の計算と、前記交差点の交通信号機の点灯色の切替タイミング時刻の情報の推定と、前記交差点における移動体の交通量の計算とを行う情報処理部と、
前記情報処理部で計算した前記交差点の交通信号機の各色の点灯期間の情報と、前記情報処理部で推定した前記交差点の交通信号機の点灯色の切替タイミング時刻の情報と、前記情報処理部で計算した前記交通量の情報と、を記憶する記憶部と、
前記第1移動経路及び前記第2移動経路のそれぞれを移動する移動体に、前記交差点の交通信号機の各色の点灯期間の情報と前交差点の交通信号機の点灯色の切替タイミング時刻の情報と前記交通量の情報とを送信する送信部と、を備えことを特徴とするサーバ。
【請求項2】
請求項1のサーバにおいて、
前記受信部で受信する情報は、前記第1移動経路及び前記第2移動経路において発生したイベントを検出したイベント検出情報を含むことを特徴とするサーバ。
【請求項3】
請求項1又は2のサーバにおいて、
記画像情報とともに、前第1移動体及び前記第2移動体の発進時刻及び停止時刻の情報を受信することを特徴とするサーバ。
【請求項4】
請求項1又は2のサーバにおいて、
記画像情報とともに、前第1移動体及び前記第2移動体の周辺を移動している他の移動体を撮影した画像情報を受信することを特徴とするサーバ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかのサーバにおいて、
前記情報処理部は、前記交通信号機の各色の点灯期間の計算及び前記交通信号機の点灯色の切替タイミング時刻の推定に、前記交通信号機の位置情報を用いることを特徴とするサーバ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかのサーバにおいて、
前記移動体は、道路を走行する車両であることを特徴とするサーバ。
【請求項7】
移動経路を移動可能な移動体に設けられサーバと通信可能な通信装置であって、
第1移動経路と第2移動経路とが交差している十字路の交差点に向かっている前記第1移動経路上の移動体又は前記第2移動経路上の移動体が撮影した前記交差点の交通信号機の画像部分を含む前方画像の画像情報を取得する情報取得部と、
前記画像情報と前記画像撮影時における前記移動体の位置情報及び時刻情報とを、前記サーバに送信する送信部と、
前記サーバが計算した前記交差点の交通信号機の各色の点灯期間の情報と、前記サーバが推定した前記交差点の交通信号機の点灯色の切替タイミング時刻の情報と、前記サーバが計算した前記交差点における移動体の交通量の情報とを、前記サーバから受信する受信部と、を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項8】
移動経路を移動する移動体であって、
請求項7の通信装置を備えることを特徴とする移動体。
【請求項9】
請求項8の移動体において、
当該移動体は、道路を走行する車両であることを特徴とする移動体。
【請求項10】
請求項1乃至6のいずれかのサーバと、前記第1移動経路及び前記第2移動経路を移動する複数の移動体とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項11】
移動経路の交通情報を管理する方法であって、
第1移動経路と第2移動経路とが交差している十字路の交差点において前記第1移動経路を前記交差点に向かって移動している第1移動体から、前記第1移動体が撮影した前記交差点の交通信号機の画像部分を有し該交通信号機の点灯色を識別可能な前方画像の画像情報を、その画像撮影時の前記第1移動体の位置情報及び時刻情報とともに受信することと、
前記第2移動経路を前記交差点に向かって移動している第2移動体から、前記第2移動体が撮影した前記交差点の交通信号機の画像部分を有し該交通信号機の点灯色を識別可能な前方画像の画像情報を、その画像撮影時の前記第2移動体の位置情報及び時刻情報とともに受信することと、
前記第1移動体から受信した前記画像情報、前記第1移動体の位置情報及び前記時刻情報と、前記第2移動体から受信した前記画像情報、前記第2移動体の位置情報及び前記時刻情報とに基づいて、前記交差点の交通信号機の各色の点灯期間の情報の計算と、前記交差点の交通信号機の点灯色の切替タイミング時刻の情報の推定と、前記交差点における移動体の交通量の計算とを行うことと、
前記交差点の交通信号機の各色の点灯期間の情報と、前記交差点の交通信号機の点灯色の切替タイミング時刻の情報と、前記交通量の情報と、を記憶することと、
前記第1移動経路及び前記第2移動経路のそれぞれを移動する移動体に、前記交差点の交通信号機の各色の点灯期間の情報と前記交差点の交通信号機の点灯色の切替タイミング時刻の情報と前記交通量の情報とを送信することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
移動経路を移動可能な移動体においてサーバと通信する方法であって、
第1移動経路と第2移動経路とが交差している十字路の交差点に向かっている前記第1移動経路上の移動体又は前記第2移動経路上の移動体が移動しているときに前記移動体が撮影した前記交差点の交通信号機の画像部分を含む前方画像の画像情報を取得することと、
前記画像情報と前記画像撮影時における前記移動体の位置情報及び時刻情報とを、前記サーバに送信することと、
前記サーバが計算した前記交差点の交通信号機の各色の点灯期間の情報と、前記サーバが推定した前記交差点の交通信号機の点灯色の切替タイミング時刻の情報と、前記サーバが計算した前記交差点における移動体の交通量の情報とを、前記サーバから受信することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
複数の移動体と通信可能なサーバに備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、
第1移動経路と第2移動経路とが交差している十字路の交差点において前記第1移動経路を前記交差点に向かって移動している第1移動体から、前記第1移動体が撮影した前記交差点の交通信号機の画像部分を有し該交通信号機の点灯色を識別可能な前方画像の画像情報を、その画像撮影時の前記第1移動体の位置情報及び時刻情報とともに受信するためのプログラムコードと、
前記第2移動経路を前記交差点に向かって移動している第2移動体から、前記第2移動体が撮影した前記交差点の交通信号機の画像部分を有し該交通信号機の点灯色を識別可能な前方画像の画像情報を、その画像撮影時の前記第2移動体の位置情報及び時刻情報とともに受信するためのプログラムコードと、
前記第1移動体から受信した前記画像情報、前記第1移動体の位置情報及び前記時刻情報と、前記第2移動体から受信した前記画像情報、前記第2移動体の位置情報及び前記時刻情報とに基づいて、前記交差点の交通信号機の各色の点灯期間の情報の計算と、前記交差点の交通信号機の点灯色の切替タイミング時刻の情報の推定と、前記交差点における移動体の交通量の計算とを行うためのプログラムコードと、
前記交差点の交通信号機の各色の点灯期間の情報と、前記交差点の交通信号機の点灯色の切替タイミング時刻の情報と、前記交通量の情報と、を記憶するためのプログラムコードと、
前記第1移動経路及び前記第2移動経路のそれぞれを移動する移動体に、前記交差点の交通信号機の各色の点灯期間の情報と前記交差点の交通信号機の点灯色の切替タイミング時刻の情報と前記交通量の情報とを送信するためのプログラムコードと、
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項14】
移動経路を移動可能な移動体に設けられる通信装置に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、
第1移動経路と第2移動経路とが交差している十字路の交差点に向かっている前記第1移動経路上の移動体又は前記第2移動経路上の移動体が撮影した前記交差点の交通信号機の画像部分を含む前方画像の画像情報を取得するプログラムコードと、
前記画像情報と前記画像撮影時における前記移動体の位置情報及び時刻情報とをサーバに送信するプログラムコードと、
前記サーバが計算した前記交差点の交通信号機の各色の点灯期間の情報と、前記サーバが推定した前記交差点の交通信号機の点灯色の切替タイミング時刻の情報と、前記サーバが計算した前記交差点における移動体の交通量の情報とを、前記サーバから受信するプログラムコードと、
を含むことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等の移動体が移動する移動経路の交通情報を収集して管理するサーバ、システム、方法及びプログラム、並びに、前記サーバと通信可能な通信装置及びその通信装置を備えた車両等の移動体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両(移動体)が走行する道路(移動経路)に設置されている交通信号機の情報を検出するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、自動車の周囲を撮影した車載カメラの撮影画像の中から人影の有無、信号機の有無および信号機の色を検出する機能を備えた車載の自動車自動運転システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-114894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、高度道路交通システム(ITS)の高度化の一つとして、道路の交通信号機の情報等の交通情報の利活用が必要とされている。例えば、交通信号機の青信号の点灯時間/タイミング等の動作の情報を共有して車両から利用できるようにすることで、高度な交通運転の応用が期待されている。その実現にあたっては、交通信号機をネットワークに接続して交通信号機の情報を複数の車両で共有することが考えられるが、そのシステムの構築は経済的な観点で実現が容易ではないのが現状である。
【0005】
上記特許文献1の車載の自動車自動運転システムは、1台の自動車が走行中に撮影した撮影画像に基づいて信号機の有無および信号機の色を検出し、その検出結果を当該自動車の自動運転に利用するものであり、交通信号機の点灯時間/タイミング等の経時的に変化する交通情報を効率的に集めて管理し、複数の自動車で共有することができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るサーバは、複数の移動体と通信可能なサーバである。このサーバは、前記複数の移動体それぞれが移動経路において取得した周辺情報と、その周辺情報の取得時における前記移動体の位置情報及び時刻情報とを、前記移動体から受信する受信部と、前記複数の移動体それぞれから受信した前記周辺情報、前記位置情報及び時刻情報に基づいて、前記移動経路における経時的に変化する交通情報を抽出する情報処理部と、前記交通情報を記憶する記憶部と、を備える。
前記サーバにおいて、前記移動経路を移動する移動体に、前記移動経路における経時的に変化する交通情報を送信する送信部を更に備えてもよい。
前記サーバにおいて、前記周辺情報は、前記移動経路において発生したイベントを検出したイベント検出情報を含んでのよい。
【0007】
前記サーバにおいて、前記周辺情報は、前記移動経路に設置された交通信号機の画像部分を含み該交通信号機の点灯色を識別可能な画像情報を含み、前記交通情報は、前記交通信号機の各色の点灯期間及び前記交通信号機の点灯色の切替タイミングの少なくとも一方の情報を含んでもよい。前記周辺情報は、前記交通信号機が発する音の情報(例えば、歩行者用信号機の音信号)を含んでもよい。
前記サーバにおいて、前記受信部は、2つの移動経路が交差している交差点において一方の移動経路を前記交差点に向かって移動している第1移動体から、前記第1移動体が撮影した前記交差点の交通信号機を含む画像情報を、その画像撮影時の前記第1移動体の位置情報及び時刻情報とともに受信し、前記交差点で交差している他方の移動経路を前記交差点に向かって移動している第2移動体から、前記第2移動体が撮影した前記交差点の交通信号機を含む画像情報を、その画像撮影時の前記第2移動体の位置情報及び時刻情報とともに受信し、前記情報処理部は、前記第1移動体から受信した前記交通信号機を含む画像情報並びに前記第1移動体の位置情報及び前記時刻情報と、前記第2移動体から受信した前記交通信号機を含む画像情報並びに前記第2移動体の位置情報及び前記時刻情報とに基づいて、前記交通信号機の各色の点灯期間及び前記交通信号機の点灯色の切替タイミングの少なくとも一方の情報を抽出してもよい。
前記サーバにおいて、前記交通信号機を含む画像情報とともに又は前記交通信号機を含む画像情報に代えて、前記移動体の発進時刻及び停止時刻の情報を受信してもよい。
前記サーバにおいて、前記交通信号機を含む画像情報とともに又は前記交通信号機を含む画像情報に代えて、前記移動体の周辺を移動している他の移動体を撮影した画像情報を受信してもよい。
前記サーバにおいて、前記情報処理部は、前記交通信号機の各色の点灯期間及び前記交通信号機の点灯色の切替タイミングの少なくとも一方の情報の抽出に、前記交通信号機の位置情報を用いてもよい。
【0008】
前記サーバにおいて、前記情報処理部が抽出する前記交通情報は、前記移動経路における移動体の交通量の経時的な変化を含んでもよい。
前記サーバにおいて、前記移動体は道路を走行する車両であってもよい。
【0009】
本発明の他の態様に係る通信装置は、移動経路を移動可能な移動体に設けられサーバと通信可能な通信装置である。この通信装置は、前記移動経路における周辺情報を取得する情報取得部と、前記周辺情報と、その周辺情報の取得時における前記移動体の位置情報及び時刻情報とを、前記いずれかのサーバに送信する送信部と、を備える。
前記通信装置において、前記サーバが前記周辺情報に基づいて抽出した前記移動経路における経時的に変化する交通情報を、前記サーバから受信する受信部を更に備えてもよい。
【0010】
本発明の更に他の態様に係る移動体は、移動経路を移動する移動体であり、前記通信装置を備える。
【0011】
本発明の更に他の態様に係るシステムは、前記いずれかのサーバと、前記移動経路を移動する複数の移動体とを備える。
【0012】
本発明の更に他の態様に係る方法は、移動経路の交通情報を管理する方法である。この方法は、前記複数の移動体それぞれが移動経路において取得した周辺情報と、その周辺情報の取得時における前記移動体の位置情報及び時刻情報とを、前記移動体から受信することと、前記複数の移動体それぞれから受信した前記周辺情報、前記位置情報及び時刻情報に基づいて、前記移動経路における経時的に変化する交通情報を抽出することと、前記交通情報を記憶することと、を含む。
本発明の更に他の態様に係る方法は、移動経路を移動可能な移動体においてサーバと通信する方法である。この方法は、前記移動経路における周辺情報を取得することと、前記周辺情報と、その周辺情報の取得時における前記移動体の位置情報及び時刻情報とを、請求項1乃至10のいずれかのサーバに送信することと、を含む。
【0013】
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、複数の移動体と通信可能なサーバに備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムである。このプログラムは、前記複数の移動体それぞれが移動経路において取得した周辺情報と、その周辺情報の取得時における前記移動体の位置情報及び時刻情報とを、前記移動体から受信するプログラムコードと、前記複数の移動体それぞれから受信した前記周辺情報、前記位置情報及び時刻情報に基づいて、前記移動経路における経時的に変化する交通情報を抽出するプログラムコードと、前記交通情報を記憶するプログラムコードと、を含む。
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、移動経路を移動可能な移動体に設けられる通信装置に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムである。このプログラムは、前記移動経路における周辺情報を取得するプログラムコードと、前記周辺情報と、その周辺情報の取得時における前記移動体の位置情報及び時刻情報とを、請求項1乃至10のいずれかのサーバに送信するプログラムコードと、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、車両等の移動体が移動する移動経路における経時的に変化する交通情報を効率的に集めて管理し、複数の移動体で共有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係る道路の交通情報を管理するサーバを含むシステムの全体構成及び複数の車両の位置関係の一例を示す説明図。
図2】本実施形態に係る道路の交通情報を管理するサーバを含むシステムの全体構成及び複数の車両の位置関係の他の例を示す説明図。
図3】本実施形態に係るサーバの主要な機能の一例を示すブロック図。
図4】本実施形態に係る車両の通信装置の主要な機能の一例を示すブロック図。
図5】参考例に係るサーバによる交通信号の点灯情報の抽出処理の一例を示す説明図。
図6】本実施形態に係るサーバによる交通信号の点灯情報の抽出処理の一例を示す説明図。
図7図6に続く交通信号の点灯情報の抽出処理を示す説明図。
図8図7に続く交通信号の点灯情報の抽出処理を示す説明図。
図9図5図8における交通信号機の点灯情報の凡例を示す説明図。
図10】本実施形態に係るサーバにおける交通情報の情報処理の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る道路90の交通情報を管理するサーバ10を含むリアルタイム交通情報管理・共有システムの全体構成及び複数の車両の位置関係の一例を示す説明図である。本実施形態のシステムでは、移動経路としての道路90を走行する複数の移動体としての車両31A,32A,41A,42A~42Cの一部の車両31A,32Aが取得した周辺情報と、その周辺情報の取得時における車両31A,32Aの位置情報及び時刻情報とがサーバ10にアップロードされる。この車両31A,32Aから受信した周辺情報、位置情報及び時刻情報に基づいて、サーバ10が道路90における経時的に変化する交通情報(例えば、交通信号機の各色の点灯期間、交通信号機の点灯色の切替タイミング、交通量)を抽出して記憶することにより、その交通情報を複数の車両にダウンロードして共有できるようにするものである。ここで、交通量は、例えば、ある地点を単位時間あたりに通過する車両の量[台/時]である。
【0017】
本実施形態のシステムにおいて、道路90を走行している複数の車両のうち、一部の車両31A,32Aがサーバ10に接続して情報を送受信可能なコネクテッド・カーであり、他の車両41A、42A~42Cがサーバ10に接続することができない非コネクテッド・カーである。
【0018】
特に、本実施形態は、道路90を走行しているコネクテッド・カーである車両31A,32Aの台数が少なく、複数の道路(移動経路)91,92が交差している交差点93における経時的に変化する交通情報である交通信号機81~84の各色の点灯期間及び点灯色の切替タイミングの情報を効率的に集めて管理し、複数の車両との間で共有する場合に適する。
【0019】
ここで、周辺情報は、例えば、道路90に設置された交通信号機81~84の少なくとも一つの画像部分を含み、その交通信号機の点灯色を識別可能な画像情報である。周辺情報は、その周辺情報をアップロードする車両31A,32Aの発進時刻及び停止時刻の情報を含んでもよい。また、周辺情報は、その周辺情報をアップロードする車両31A,32Aの周辺を移動している他の車両を撮影した画像情報を含んでもよい。また、周辺情報は、交通信号機がその点灯色(信号色)に対応させて発する音の情報(例えば、歩行者用信号機が発する音をマイクなどの受音装置で受音して得られた音信号)を含んでもよい。このような音の情報も交通信号機の点灯色(信号色)の判定に有用である。
【0020】
また、前記周辺情報は、道路90で発生した危険イベントなどの各種イベントを検出したイベント検出情報を含んでもよい。危険イベントは、その発生位置に走行している車両に影響を当たえる可能性がある事象であり、例えば、道路90における交通事故、車両火災、落下物、突発的な渋滞、異常停止の車両、逆走車両、崖崩れ、洪水、局地的な集中豪雨等である。
【0021】
なお、本実施形態における車両は、例えば乗用車、トラック、バスなどの自動車であり、本発明は車両の種類及び数に制限されない。また、本発明は、情報配信対象の移動体が上空や水上などに設定された移動経路を移動する飛行体、船舶などの車両以外の移動体である場合にも適用することができる。
【0022】
図1において、本実施形態のシステムは、道路90を走行している複数の車両31A,32Aと通信可能なサーバ10を備えている。本実施形態のサーバ10は、例えば、移動通信網15の基地局16に設けられ、車両31A,32Aの通信装置との間で基地局16を介して送受信される各種のデータ処理を行うことができるMEC(Multi-access Edge Computing)装置である。MEC装置からなるサーバ10は、基地局16と移動通信網15のコアネットワークとの間のノード又はコアネットワークの外側に設けてもよい。
【0023】
基地局16は、一つ又は複数のセル(セクタ、セクタセルとも呼ばれる。)を形成する。セルは地上又は海上に2次元的に形成してもよいし、上空から地上又は海上に向けて3次元的に形成してもよい。セルは、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセル、大セル等であってもよい。複数のセルは、複二次元的に又は三次元的に隣り合うように分布するセルラー構造を構成してもよいし、階層的に一部又は全部が重なり合った階層セル構造を構成してもよい。基地局16は、マクロセル基地局、スモールセル基地局、フェムトセル基地局、ピコセル基地局、大セル基地局、地上等に固定設置された固定基地局、地上、海上、上空などを移動可能な移動型の基地局等であってもよい。基地局16は、eNodeB(evolved Node B:eNB)、gNodeB(gNB)、en-gNodeB(en-gNB)、アクセスポイント等と呼ばれる無線通信装置であってもよい。
【0024】
車両(コネクテッド・カー)31A,32Aの通信装置は、移動通信サービスの加入者として使用可能なネットワーク通信部を構成するユーザ装置(以下「UE」という。)を備える。UEは、ユーザ端末、端末、端末装置、移動局、移動機等と呼ばれる無線通信装置であってもよい。車両31A,32AのUEはそれぞれ、各車両の中で利用者が携帯した状態で使用する装置でもよいし、各車両に組み込んで設置された装置(例えばナビゲーション装置の一部として組み込まれた装置)であってもよい。
【0025】
車両31A,32AのUEはそれぞれ、基地局16を介してサーバ10と通信可能であり、サーバ10に対して周辺情報と、その周辺情報の取得時における車両31A,32Aの位置情報及び時刻情報とを、定期的に(例えば、数秒ごとに)又は不定期に送信する。車両31A,32AのUEからサーバ10への情報送信頻度は、時間帯やエリアに応じて変化させてもよい。また、送信情報は、車両31A,32Aの停止時刻、発進時刻、進行方向、速度V及び加速度と、車両識別情報(車両ID)とを含んでもよい。車両31A,32Aの停止時刻、発進時刻、進行方向、速度V及び加速度は、例えば、車両の各種センサ及び駆動制御装置から取得することができる。車両31A,32A(UE)の停止時刻、発進時刻、進行方向、速度V及び加速度の情報は、車両のUEそれぞれに記録されている移動履歴情報における位置情報の時間変化(移動距離及び移動時間)に基づいて算出してもよい。
【0026】
また、車両31A,32A、41A、42A~42Cの通信装置は、周辺の他の車両との間で直接通信(車車間通信)する機能を有してもよい。車車間通信は、例えばマイクロ波、ミリ波等の電波を用いられる。車車間通信の周波数は、例えば、1GHzよりも低い数百MHzでもよいし、1GHz以上の高周波数帯であってもよい。また、車車間通信の周波数は、ITS(Intelligent Transport Systems)やCACC(Cooperative Adaptive Cruise Control)で使用される700MHz帯(715MHz~725MHz)、5.8GHz帯(5770MHz~5850MHz)やLTE-V2X Sidelink(PC-5)で使用される5.9GHz帯(5850MHz~5925MHz)等であってもよい。また、車車間通信のため所定のビーム幅を有する複数のアンテナを備えてもよい。例えば、車両31A,32A、41A、42A~42Cは、前方の車両と車車間通信ための指向性アンテナと、後方の車両と車車間通信ための指向性アンテナと、右側方の車両と車車間通信ための指向性アンテナと、左側方の車両と車車間通信ための指向性アンテナとを備えてもよい。
【0027】
また、本実施形態のシステムは、道路90の位置、形状、幅W、車線、交通信号機の設置位置及び赤及び青の最小点灯期間などの道路に関する情報を含む地図情報を管理する地図サーバ11を備えている。図1の例では、地図サーバ11は移動通信網15に設けているが、基地局16に設けられたMEC装置、又は基地局16と移動通信網15のコアネットワークとの間のノードに設けられたMEC装置で構成してもよい。また、地図サーバ11はサーバ10と一体構成してもよい。
【0028】
図1において、例えば交差点93の交通信号機81~84の青信号の点灯時間/タイミング等の動作の交通情報を共有して車両から利用できるようにすることで、高度な交通運転の応用が期待されている。その実現にあたっては、交通信号機81~84をネットワークに接続して交通信号機81~84の点灯色の切替タイミングの情報を複数の車両で共有することが考えられるが、そのシステムの構築は経済的な観点で実現が容易ではない。
【0029】
また、従来、交差点93の交通信号機81~84の色を車載カメラで撮影した画像に基づいて検出する車両があるが、従来の車両で撮影された画像は当該車両の運転に利用されるものであり、交通信号機の各色の点灯期間や交通信号機の点灯色の切替タイミングの情報を効率的に集めて管理し、複数の車両で共有することができない。
【0030】
そこで、本実施形態では、複数の車両31A,32Aと通信可能なサーバ10を設けている。サーバ10は、複数の車両31A,32Aそれぞれが交差点93で撮影した交通信号機81、82を含む周辺情報としての画像情報と、車両31A,32Aの位置情報及び時刻情報(タイムスタンプ)とを受信し、その複数の車両31A,32Aそれぞれから受信した画像情報、位置情報及び時刻情報に基づいて、交通信号機81~84の各色の点灯期間、交通信号機81~84の点灯色の切替タイミング、交通量などの交通情報を抽出し、その交通情報を他の車両で共有できるように記憶する。ここで、交通情報の抽出する情報処理は、交通情報の決定、特定、計算、検出などの処理を含んでもよい。
【0031】
なお、以下の説明では、交通信号機81~84の青色から赤色への切り替わり時における黄色の点灯については省略しているが、本実施形態において黄色の点灯を考慮してもよい。
【0032】
例えば、図1の例において、サーバ10は、道路91を上方向に走行する車両31A及び道路92を右方向に走行する車両32Aから、次の(1-1)~(1-6)の情報を受信し、交通信号機81,82の各色の点灯期間及び点灯色の切替タイミングを抽出して記憶する。
【0033】
(1-1)交通信号機81の赤点灯への切り替わりにより車両31Aが交差点93の手前で停止した停止時刻情報及びその停車時の車両31Aの位置情報。
(1-2)車両31Aが撮影した交通信号機81の赤点灯及び青点灯の画像情報、及びその撮影時の車両31Aの位置情報及び時刻情報。
(1-3)交通信号機81の青点灯への切り替わりにより車両31Aが交差点93の手前から発進した発進時刻情報及びその発進時の車両31Aの位置情報。
(1-4)交通信号機82の赤点灯への切り替わりにより車両32Aが交差点93の手前で停止した停止時刻情報及びその停車時の車両32Aの位置情報。
(1-5)車両32Aが撮影した交通信号機82の赤点灯及び青点灯の画像情報、及びその撮影時の車両32Aの位置情報及び時刻情報。
(1-6)交通信号機82の青点灯への切り替わりにより車両32Aが交差点93の手前から発進した発進時刻情報及びその発進時の車両31Aの位置情報。
【0034】
図2は、本実施形態に係る道路90の交通情報を管理するサーバ10を含むシステムの全体構成及び複数の車両の位置関係の他の例を示す説明図である。特に、図2の例は、交差点93で左右方向に交差する道路92を走行する車両の実態に近い交通量を交通情報として抽出する場合について示した例である。図2において、図1と共通する部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0035】
の例において、サーバ10は、道路91を上方向に走行する車両31A及び道路92を右方向に走行する車両32Aから、上記(1-1)~(1-6)の情報とともに、次の(2-1)及び(2-2)の情報を受信し、交差点93に交差する左右方向の道路92の交通量(例えば、単位時間あたりの通過車両の台数)を抽出して記憶する。なお、交通量は、車両の車種毎に抽出してもよい。
【0036】
(2-1)交通信号機81の赤点灯への切り替わりにより車両31Aが交差点93の手前で停止したときに撮影した前方画像の画像情報(左右方向の道路92を走行する他の車両42B,42F等の画像を含む)。
(2-2)交通信号機82の青点灯により左右方向の道路92を走行している車両32Aが撮影した前方画像の画像情報(車両31の前を走行している他の車両42A及び反対車線を走行している他の車両42H等の画像を含む)。
【0037】
図3は、本実施形態に係るサーバ10の主要な機能の一例を示すブロック図である。図3において、サーバ10は、受信部110と情報処理部120と記憶部130と送信部140とを備える。
受信部110は、コネクテッド・カーである複数の車両(第1移動体)31A及び車両(第2移動体)32Aそれぞれが交差点93で互いに交差する道路91,92において取得した周辺情報としての画像情報と、その画像情報の取得時における車両31A,32Aの位置情報及び時刻情報(タイムスタンプ)とを、車両31A,32Aそれぞれから基地局16を介して受信する。車両31A,32Aそれぞれからの情報は、路側通信中継装置(以下「RSU(Road Side Unit)」という。)を介して受信してもよい。
【0038】
車両31A,32Aそれぞれから受信する情報は、車両31A,32Aそれぞれの発進時刻及び停止時刻、進行方向、速度及び加速度の情報と、車両31A,32Aそれぞれの周辺を移動している他の車両を撮影した画像情報とを含む。撮影対象の他の車両には、非コネクテッド・カーである車両41A,42A~42Cも含まれる。また、車両31A,32Aそれぞれから受信する情報は、車両に設けられたジャイロスコープ、加速度センサ、速度センサ及び磁気センサの少なくとも一つの出力の情報などを含んでもよい。
【0039】
情報処理部120は、車両31Aから受信した交通信号機81を含む前方画像の画像情報と、その前方画像の撮像時の車両31Aの位置情報及び時刻情報(タイムスタンプ)と、車両32Aから受信した交通信号機82を含む前方画像の画像情報と、その前方画像の撮像時の車両32Aの位置情報及び時刻情報(タイムスタンプ)とに基づいて、交通信号機81、82の各色の点灯期間、交通信号機81、82の点灯色の切替タイミング(例えば、赤から青への切替タイミング、青から赤への切替タイミング)、交通量などの交通情報を抽出する。この抽出には、車両31A,32Aの停止時刻、発進時刻、進行方向、速度V及び加速度と、車両31A,32Aそれぞれの周辺を移動している他の車両41A,42A~42Cを撮影した画像情報とを用いてもよい。
【0040】
記憶部130は、情報処理部120で抽出して得られた交通信号機81~84の各色の点灯期間、点灯色の切替タイミング、交通量等の道路90における経時的に変化する交通情報を記憶するデータベースである。更に、記憶部130は、情報受信時刻(タイムスタンプ)ごとに時系列で、各交通信号機の各色の最小点灯期間、点灯色の切替タイミング、交通量等の交通情報の抽出等に用いる各種情報、例えば、コネクテッド・カーである車両31A,32Aなどの情報受信対象車両の位置情報、情報受信対象車両の状態(停止中か走行中かを識別する識別情報、速度、加速度)、情報受信対象車両が撮像した画像に含まれる交通信号機の情報(例えば、点灯色、信号機の位置情報)及び他の車両の情報(例えば、当該車両の有無、停止中か走行中かを識別する識別情報)を記憶する。
【0041】
また、記憶部130は、管理対象のエリアにおける道路90の位置、形状、幅、車線、交差点、交通信号機の設置位置、識別情報、各色の最低点灯期間などの道路に関する情報を含む地図情報、並びに、複数の車両(コネクテッド・カー)との通信に必要な情報などを記憶する。記憶部130に記憶する地図情報は、地図サーバ11から取得することができる。
【0042】
情報送信部140は、道路90を移動するコネクテッド・カーである車両31A,32A等の複数の車両それぞれに、情報処理部120で抽出して得られた交通信号機81~84の各色の点灯期間、点灯色の切替タイミング、交通量等の道路90における経時的に変化する交通情報を送信する。この交通情報の送信は、プッシュ配信方式により定期的に(例えば、数秒ごとに)又は不定期に送信してもよいし、車両からの要求に応じて送信してもよい。
【0043】
図4は、本実施形態に係る車両(コネクトテッド・カー)30の主要な機能の一例を示すブロック図である。図4において、前述の車両31A,32A等のコネクトテッド・カーである車両30は、通信装置300と、車両30を駆動する車両駆動部350とを備える。車両駆動部350は、例えば、車両30を駆動するエンジン、モータなどの駆動源、駆動源の動力をタイヤ等の駆動出力部に伝える駆動伝達装置、車両30の進行方向を変える操舵装置などである。
【0044】
通信装置300は、位置情報取得部310と、ナビゲーション情報取得手段312と、走行状態情報取得部314と、画像情報取得部(撮像部)316と、サーバ10と通信するためのネットワーク通信部318と、制御部320とを備える。通信装置300は、他の車両と通信する車車間通信部322を備えてもよい。
【0045】
位置情報取得部310は、例えばGPS等のGNSS(全球測位衛星システム)の人工衛星からの信号を受信し、その受信結果に基づいて、車両30の位置情報(例えば、緯度、経度及び高度の情報)を出力することができる。
【0046】
ナビゲーション情報取得手段312は、車両30に搭載されたナビゲーションシステムから、地図情報、道路に関する移動経路情報としての道路情報、走行予定のルート情報等の道路関連情報を取得する。道路関連情報は、道路90のT字路、カーブなどの形状に関する情報、道路90の工事や事故などのリアルタイム交通情報を含む。
【0047】
走行状態情報取得部314は、自車両30の車両駆動部350から、自車両30の走行速度情報、ブレーキ情報、舵角情報、ウィンカー情報等の走行状態を示す情報を取得する。
【0048】
画像情報取得部316は、自車両30の進行方向における前方を撮像する撮像装置としてのカメラを有し、前方画像の画像情報を取得することができる。画像情報取得部316は、自車両30の進行方向における後方を撮像する撮像装置としてのカメラを更に有し、後方画像の画像情報も取得することができるように構成してもよい。
【0049】
ネットワーク通信部318は、移動通信の基地局16を介してサーバ10と通信するセルラーネットワーク通信を行うことができる。ネットワーク通信部318は、RSUを介してサーバ10と通信するように構成してもよい。
【0050】
制御部320は、CPU等のプロセッサ、メモリなどで構成され、所定の制御プログラムが読み込まれて実行されることにより、通信装置300における位置情報取得部310、ナビゲーション情報取得手段312、走行状態情報取得部314、画像情報取得部316及びネットワーク通信部318の各種制御、車両駆動部150の各種制御、及び、各種情報処理などを行う。
【0051】
制御部320は、位置情報取得部310、ナビゲーション情報取得手段312、走行状態情報取得部314及び画像情報取得部316と連携することにより、道路90における周辺情報を取得する情報取得部として機能する。また、制御部320は、ネットワーク通信部318と連携することにより、前記周辺情報とその周辺情報の取得時における車両30の位置情報及び時刻情報とをサーバ10に送信する送信部、並びに、道路90における経時的に変化する交通情報(例えば、交通信号機の各色の点灯期間、交通信号機の点灯色の切替タイミング、交通量など)をサーバ10から受信する受信部として機能する。
【0052】
車車間通信部322は、例えば、指向性アンテナをそれぞれ有する前方アンテナ部及び後方アンテナ部と、通信処理部と備える。
【0053】
次に、本実施形態に係るサーバ10による交通信号の点灯情報(各色の点灯期間及び点灯色の切替タイミング)の抽出処理について、参考例と比較して説明する。
【0054】
図5は、参考例に係るサーバによる交通信号の点灯情報の抽出処理の一例を示す説明図である。図5の例では、前述の図1及び図2の交差点93において横方向の道路92を6台のコネクテッド・カーの車両32A~32Fが通過するときの時刻(14時59分20秒~15時1分55秒)及びその時刻識別子(T1~T32)と、各車両がサーバ10にアップロードする情報と、各車両からの情報に基づいて交通信号機81、82の信号機情報を抽出するサーバ処理との関係を示している。各車両31A,41Aからの情報のアップロード間隔は5秒である。また、交通信号機81、82の黄色の点灯は説明の簡略化のため考慮していない。
【0055】
図5の参考例は、横方向の道路92を通過する車両32Dからのアップロード情報のみを用いて横方向の交通信号の信号情報(赤点灯期間及び点灯色の切替タイミング)を抽出する例である。
【0056】
図5において、時刻T4,T5及びT6それぞれに車両32A,32B及び32Cが横方向の道路92を走行して交差点93を通過するとき、自車が走行していることを示す車両の走行状態情報と、横方向の交通信号機82の青点灯を含む前方画像の画像情報とをサーバにアップロードする。これらの情報に基づき、時刻T4,T5,T6において横方向の交通信号機82が青点灯であることを検出することができる。
【0057】
次に、時刻T7,T8及びT9それぞれに車両32D,32E及び32Fが横方向の道路92を走行して交差点93の手前に到達したとき、各車両32D,32E及び32Fは、自車が停止したことを示す車両の走行状態情報と、横方向の交通信号機82の赤点灯を含む前方画像の画像情報とをサーバにアップロードする。これらの情報に基づき、車両32Dが停止した時刻T7(14時59分50秒)に、横方向の交通信号機82が青点灯から赤点灯に切り替わったことを検出することができる。
【0058】
次に、車両32D,32E及び32Fはそれぞれ、時刻T31に各車両32D,32E及び32Fが発進したことを示す車両の走行状態情報と、横方向の交通信号機82の赤点灯から切り替わった青信号を含む前方画像の画像情報とをサーバにアップロードする。これらの情報に基づき、車両32Dが停止した時刻T31(15時1分50秒)に、横方向の交通信号機82が赤点灯から青点灯に切り替わったことを検出することができる。
【0059】
サーバは、横方向の交通信号機82が青点灯から赤点灯に切り替わった時刻T7と赤点灯から青点灯に切り替わった時刻T31との時間差(120秒)を算出し、その時間差(120秒)を横方向の交通信号機82の赤点灯期間として抽出することができる。しかしながら、図5の参考例では、車両32Dのアップロード情報のみ用いており、他の車両32A~32C及び32E,32Fのアップロード情報は用いられず、アップロード情報の利用効率が悪い。また、図5の参考例では、縦方向及び横方向の道路91,92の交通信号機81~84がともに赤点灯している両方向赤点灯期間の情報を抽出することができず、また、青点灯期間の情報については交通信号機82、84のいずれについても抽出することができない。
【0060】
図6図8は本実施形態に係るサーバ10による交通信号の点灯情報(各色の点灯期間及び点灯色の切替タイミング)の抽出の一例を示す説明図である。図9は、図5図8における交通信号機81,82の点灯情報の凡例を示す説明図である。
【0061】
図6の例では、前述の図1及び図2の交差点93において縦方向の道路91を3台のコネクテッド・カーの車両31A~31C及び2台の非コネクテッド・カーの車両41A,41Bが通過し、横方向の道路92を2台のコネクテッド・カーの車両32A,32B及び6台の非コネクテッド・カーの車両42A~42Fが通過するときの時刻(14時59分20秒~15時14分25秒)及びその時刻識別子(T1~T182)と、各車両がサーバ10にアップロードする情報と、コネクテッド・カーの車両31A~31C,32A,32Bからの情報に基づいて交通信号機81、82の信号機情報を抽出するサーバ処理との関係を示している。各車両31A,41Aからの情報のアップロード間隔は5秒である。また、交通信号機81、82の黄色の点灯は説明の簡略化のため考慮していない。
【0062】
まず、図6の縦方向の道路91において、時刻T6に車両31Aが交差点93の手前に到達したとき、車両31Aは、自車が停止したことを示す車両の走行状態情報と、縦方向の交通信号機81の赤点灯を含む前方画像の画像情報とをサーバ10にアップロードする。更に、車両31Aは、時刻T7、T8それぞれにおいて縦方向の交通信号機81の赤点灯を含む前方画像の画像情報とをサーバ10にアップロードする。サーバ10は、これらの情報に基づき、車両31Aが停止した時刻T6からT8までの間、縦方向の交通信号機81が赤点灯であることを検出することができる。
【0063】
次に、車両31Aは、時刻T9に車両31Aが発進したことを示す車両の走行状態情報と、縦方向の交通信号機81の赤点灯から切り替わった青信号を含む前方画像の画像情報とをサーバ10にアップロードする。サーバ10は、これらの情報に基づき、車両31Aが停止した時刻T9(15時0分0秒)に、縦方向の交通信号機81が赤点灯から青点灯に切り替わったことを検出することができる。また、サーバ10は、予め取得した地図情報に含まれる青点灯の最小点灯期間Tbmin(80秒)に基づいて、交通信号機81の青点灯状態が時刻T25まで継続することを推定することができる。更に、サーバ10は、時刻T26に車両31Bからアップロードされた、自車が走行していることを示す車両の走行状態情報と、縦方向の交通信号機81の青点灯を含む前方画像の画像情報とに基づいて、時刻T26において交通信号機81が青点灯であることを検出することができる。
【0064】
次に、サーバ10は、時刻T29に横方向の道路92で停止している車両32Aからアップロードされた、縦方向の道路91を走行していた非コネクテッド・カーの車両41Bが停止したことを示す画像情報に基づいて、時刻T29において縦方向の交通信号機81が青点灯から赤点等に切り替わったことを推定することができる。そして、サーバ10は、縦方向の交通信号機81が赤点灯から青点灯に切り替わった時刻T9と青点灯から赤点灯に切り替わった時刻T29との時間差(100秒)を算出し、その時間差(100秒)を縦方向の交通信号機81の青点灯期間として抽出することができる。
【0065】
次に、時刻T34に車両31Cが交差点93の手前に到達したとき、車両31Cは、自車が停止したことを示す車両の走行状態情報と、縦方向の交通信号機81の赤点灯を含む前方画像の画像情報とをサーバ10にアップロードする。更に、車両31Cは、時刻T37、T41,T44,T47及びT50それぞれにおいて横方向の道路92を走行して交差点93を通過している非コネクテッド・カーの車両42A、42B,42C,42D及び42Eを含む前方画像の画像情報をサーバ10にアップロードする。この画像情報に基づき、サーバ10は、横方向の交通信号機82が青点灯であることを推定することができる。また、時刻T51において横方向の道路92を走行して交差点93の手前で停止した車両42Fを含む前方画像の画像情報をサーバ10にアップロードする。この画像情報に基づき、サーバ10は、横方向の交通信号機82が青点灯から赤点灯に切り替わったことを推定することができる。
【0066】
次に、車両31Cは、時刻T53に車両31Cが発進したことを示す車両の走行状態情報と、縦方向の交通信号機81の赤点灯から切り替わった青信号を含む前方画像の画像情報とをサーバ10にアップロードする。サーバ10は、これらの情報に基づき、車両31Cが発進した時刻T53(15時3分40秒)に、縦方向の交通信号機81が赤点灯から青点灯に切り替わったことを検出することができる。そして、サーバ10は、縦方向の交通信号機81が青点灯から赤点灯に切り替わったと推定した時刻T29と赤点灯から青点灯に切り替わった時刻T53との時間差(120秒)を算出し、その時間差(120秒)を縦方向の交通信号機81の赤点灯期間として抽出することができる。
【0067】
次に、図6の横方向の道路92において、時刻T24に車両32Aが交差点93の手前に到達したとき、車両32Aは、自車が停止したことを示す車両の走行状態情報と、横方向の交通信号機82の赤点灯を含む前方画像の画像情報とをサーバ10にアップロードする。更に、車両32Aは、時刻T26に縦方向の道路91を走行して交差点93を通過している非コネクテッド・カーの車両41Aを含む前方画像の画像情報をサーバ10にアップロードする。また、車両32Aは、時刻T29に縦方向の道路91を走行して交差点93の手前で停止した非コネクテッド・カーの車両41Bを含む前方画像の画像情報をサーバ10にアップロードする。この画像情報に基づいて、サーバ10は、前述のように、時刻T29に縦方向の交通信号機81が青点灯から赤点等に切り替わったことを推定することができる。
【0068】
次に、車両32Aは、時刻T31に車両32Aが発進したことを示す車両の走行状態情報と、横方向の交通信号機82の赤点灯から切り替わった青信号を含む前方画像の画像情報とをサーバ10にアップロードする。サーバ10は、これらの情報に基づき、車両32Aが発進した時刻T31(15時1分50秒)に、横方向の交通信号機82が赤点灯から青点灯に切り替わったことを検出することができる。
【0069】
次に、サーバ10は、前述のように、時刻T51において縦方向の道路91に停止している車両31Cからアップロードされた、横方向の道路92を走行して交差点93の手前で停止した車両42Fを含む前方画像の画像情報に基づいて、横方向の交通信号機82が青点灯から赤点灯に切り替わったことを推定することができる。この推定結果と、前述の縦方向の交通信号機81が赤点灯から青点灯に切り替わった検出結果とに基づいて、縦方向及び横方向の道路91,92の交通信号機81~84がともに赤点灯している両方向赤点灯期間(時刻T51から時刻T53までの5秒間)の情報を抽出することができる。
【0070】
なお、上記縦方向の道路91の交通信号機81について赤点灯期間、青点灯期間及び点灯色の切替タイミングを確定した後、サーバ10は、例えば図7及び図8の時刻T74~T95、T98~T115、T118~T139、T142~T158、T162~T182におけるアップロード情報で確定できなかった期間については、上記確定した情報に基づいて赤点灯期間、青点灯期間を推定してもよい。
【0071】
また、上記縦方向の道路91の交通信号機81について赤点灯期間及び青点灯期間の合計期間すなわち点灯周期Ts1を確定した後、サーバ10は、縦方向の道路91を走行している車両からのアップロード情報に基づいて推定した青点灯タイミングから点灯周期Ts1の整数倍だけずれた時刻について、青点灯タイミングであると推定してもよい。例えば、図7及び図8の例において交通信号機81の点灯周期Ts1が220秒であるので、時刻T159に車両31Eからアップロードされた青点灯の画像情報に基づいて時刻T159が青点灯タイミングであると推定したとき、その時刻T159(15時12分30秒)から点灯周期Ts1(220秒)の1倍分の時間だけさかのぼった時刻T115(15時8分50秒)についても等価的に青点灯タイミングであると推定してもよい。
【0072】
同様に、上記横方向の道路92の交通信号機82について赤点灯期間、青点灯期間及び点灯色の切替タイミングを確定した後、サーバ10は、例えば図7及び図8の時刻T77~T93、T96~T117、T120~T137、T140~T161、T164~T181におけるアップロード情報で確定できなかった期間については、上記確定した情報に基づいて赤点灯期間、青点灯期間を推定してもよい。
【0073】
また、上記横方向の道路92の交通信号機82について赤点灯期間及び青点灯期間の合計期間すなわち点灯周期Ts2を確定した後、サーバ10は、横方向の道路92を走行している車両からのアップロード情報に基づいて推定した青点灯タイミングから点灯周期Ts2の整数倍だけずれた時刻について、青点灯タイミングであると推定してもよい。例えば、図7及び図8の例において交通信号機82の点灯周期Ts2が220秒であるので、時刻T181に車両32Cからアップロードされた青点灯の画像情報に基づいて時刻T181が青点灯タイミングであると推定したとき、その時刻T181(15時14分20秒)から点灯周期Ts1(220秒)の1倍及び2倍分の時間だけさかのぼった時刻T137(15時10分40秒)及び時刻T93(15時7分00秒)についても等価的に青点灯タイミングであると推定してもよい。
【0074】
また、図6図8の例において縦方向及び横方向の道路91、92の交通信号機81、82の赤点灯期間及び青点灯期間は、表1及び表2に示すように時間帯に応じて異なってもよい。
【表1】
【表2】
【0075】
図10は、本実施形態に係るサーバ10における交通情報の情報処理の一例を示すフローチャートである。
図10において、サーバ10は、管理対象のエリアの道路を走行している複数の車両からアップロードされる周辺の画像情報及び自車の状態情報を含む周辺情報とその周辺情報の取得時における車両の位置情報及び時刻情報とを含むアップロード情報(UL情報)を、定期的に又は不定期で所定時間繰り返し受信して蓄積する(S101)。
【0076】
次に、サーバ10は、上記蓄積した複数の車両からのUL情報に基づいて、管理対象のエリアに位置する複数の交通信号機の赤点灯期間及び青点灯期間を算出する(S102)。各点灯期間を算出できない場合(S103でNO)、サーバ10は、車両からのUL情報の蓄積と赤点灯期間及び青点灯期間の算出とを繰り返す(S101、S102)。一方、上記各点灯期間を算出できた場合(S103でYES)、サーバ10は、各交通信号機の赤点灯から青点灯への切替タイミングと青点灯から赤点灯への切替タイミングとを算出する(S104)。
【0077】
次に、サーバ10は、上記UL情報を定期的に又は不定期で所定時間繰り返し受信して蓄積し(S105)、新たに受信して蓄積した車両からのUL情報に含まれる交通信号機の点灯色と上記計算して推定した点灯色とが一致するか否かを判定する(S106)。点灯色が一致する場合(S106でYES)、サーバ10は、上記UL情報の受信・蓄積を繰り返し実行する。一方、点灯色が一致しない場合(S106でNO)、サーバ10は、該当する交通信号機について前述赤点灯期間及び青点灯期間の算出と点灯色の切替タイミングの算出とを再度実行する(S102~S104)。
【0078】
以上、本実施形態によれば、サーバ10に接続して情報の送受信ができる複数の車両(コネクテッド・カー)31A,41Aが前方画像の画像情報等の周辺情報を位置情報及び時刻情報とともにサーバ10にアップロードし、サーバ10が、その周辺画像に基づいて道路90における経時的に変化する交通情報(例えば、交通信号機の各色の点灯期間、交通信号機の点灯色の切替タイミング、交通量など)を抽出して記憶することにより、道路90における交通情報を効率的に集めて管理することができる。また、サーバ10で管理されている交通情報を複数の車両に送信することにより、複数の車両で共有することができる。
【0079】
特に、本実施形態によれば、複数の道路91、92が交差する交差点93において複数の車両(コネクテッド・カー)31A,41Aが交通信号機の画像部分を含む画像情報を位置情報及び時刻情報とともにサーバ10にアップロードし、その画像情報に基づいて、交通信号機の各色の点灯期間及び交通信号機の点灯色の切替タイミングの少なくとも一方を含む交通情報としての信号機点灯情報を抽出することにより、信号機点灯情報を効率的に集めて管理し、複数の車両で共有することができる。
【0080】
また、本実施形態によれば、サーバ10に接続して情報の送受信ができる車両(コネクテッド・カー)31A,41Aが周辺を走行している他の車両を撮影した画像情報をサーバ10にアップロードして交通量の抽出に用いることにより、コネクテッド・カーの普及初期など非コネクテッド・カーが多い状態でも、より実態に近い交通量を把握することでき、その交通量の情報を複数の車両で共有することができる。
【0081】
なお、本明細書で説明された処理工程、並びに、サーバ、通信装置、移動体及びシステムの構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
【0082】
ハードウェア実装については、実体(例えば、各種無線通信装置、Node B、端末、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
【0083】
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、上記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
【0084】
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であれよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
【0085】
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
【符号の説明】
【0086】
10 :サーバ
16 :基地局
31A,32A :車両(コネクテッド・カー)
41A,42A~42H :車両(非コネクテッド・カー)
90,91,92 :道路
300 :通信装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10