(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】飛行時間型深度画像化システムの内蔵較正
(51)【国際特許分類】
G01S 7/497 20060101AFI20220627BHJP
G01S 7/481 20060101ALI20220627BHJP
G01C 3/06 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
G01S7/497
G01S7/481 A
G01C3/06 120Q
G01C3/06 140
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019223671
(22)【出願日】2019-12-11
【審査請求日】2020-02-03
(32)【優先日】2018-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503062253
【氏名又は名称】アナログ ディヴァイスィズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・マシー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・シー・ドネリー
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・ル・ドルツ
(72)【発明者】
【氏名】セファ・デミルタス
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-194484(JP,A)
【文献】特開昭61-270683(JP,A)
【文献】特開2014-153288(JP,A)
【文献】特開2013-092456(JP,A)
【文献】特開2011-095208(JP,A)
【文献】特開2010-190759(JP,A)
【文献】国際公開第2016/159032(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/139609(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51
G01S 17/00-17/95
G01C 3/00- 3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンザフライ較正を有する画像処理システムであって、
光を放射するように構成された光源と、
反射した放射光を含む入力信号を受けるための複数の画素を備えたセンサアレイ
であって、前記複数の画素のそれぞれに関して、前記センサアレイが、収集された受信入力信号を記憶するための記憶ユニットを含む、センサアレイと、
前記光源からの前記放射光の少なくとも一部を、前記センサアレイにおける前記画素の少なくともサブセットに反射させるように構成された、前記光源から所定距離に配置された
移動可能な遮蔽物
であって、前記画素のサブセットが飽和量未満の反射光を受ける、移動可能な遮蔽物と、
前記画素のサブセットにおける前記画素の少なくとも1つのための深度測定値を判定し、前記画像処理システムを較正するように構成されたプロセッサと、を備え、
前記記憶ユニットの第1のサブセットが、前記画素の前記サブセットに対応し、記憶ユニットの前記第1のサブセットが、前記遮蔽物に反射した放射光を含む、収集信号を記憶し、
前記プロセッサが、前記システムを較正するために、前記遮蔽物の前記所定距離を前記深度測定値と比較するようにさらに構成されている、
画像処理システム。
【請求項2】
前記遮蔽物が、前記光源および前記センサアレイを覆うように構成可能なシャッターである、請求項
1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記所定距離が約10ミリメートル未満である、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記光源と前記センサアレイとの間に配置された光ブロックをさらに備え、前記光ブロックは、放射光が前記センサアレイへと直接移動することを防止するように構成されている、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記光源が、可変立体角上に光を放射する、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記光源の前に移動可能に配置されるように構成されたディフューザーをさらに備える、請求項
5に記載の画像処理システム。
【請求項7】
画像処理システムの較正方法であって、
光源から光を放射することと、
複数の画素を有するセンサアレイにおいて、反射した放射光を受けることであって、前記光源から所定距離に配置された、
移動可能な統合された遮蔽物に反射した放射光を受けることを含む、反射した放射光を受けることと、
対応する複数の記憶ユニットにおいて前記複数の画素で入力信号を収集し、記憶することと、
前記記憶ユニットの対応するサブセットに記憶された信号からの前記複数の画素の少なくともサブセットの深度測定値を判定すること
であって、前記サブセットが、飽和量未満の反射光を受ける、ことと、
前記深度測定値を使用して前記システムを較正することと、を含み、
前記システムを較正することが、前記深度測定値を前記所定距離と比較することをさらに含む、方法。
【請求項8】
光を放射することが、可変立体角上に光を放射することを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
統合された遮蔽物に反射した放射光を受けることが、シャッターが第1の位置にある際に移動可能な前記シャッターに反射した放射光を受けることを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
前記シャッターの中の調節可能な開口部を前記光源の前に配置することをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
オンザフライ較正を有する画像処理システムであって、
光を放射するように構成された光源と、
前記光源から所定距離に配置された
移動可能な遮蔽物において反射された反射した放射光を含む入力信号を受けるための複数の画素を備えたセンサアレイであって、前記複数の画素のそれぞれに関して、前記センサアレイが収集された受信入力信号を記憶するための記憶ユニットを含む、センサアレイと、
前記記憶ユニットの少なくともサブセットからの記憶された収集信号を使用して前記画像処理システムを較正するように構成されたプロセッサであって、前記複数の画素の少なくとも1つのための深度測定値を判定する、プロセッサと、を備え、
前記記憶ユニットの第1のサブセットが、前記画素の前記サブセットに対応し、記憶ユニットの前記第1のサブセットが、前記遮蔽物に反射した放射光を含む、収集信号を記憶し、
前記プロセッサが、前記システムを較正するために、前記遮蔽物の前記所定距離を前記深度測定値と比較するようにさらに構成されている、
画像処理システム。
【請求項12】
前記光源の前に移動可能に配置するように構成されたディフューザーをさらに備える、請求項
11に記載の画像処理システム。
【請求項13】
前記光源と前記センサアレイとの間に配置された光ブロックをさらに備え、前記光ブロックは、放射光が前記センサアレイへと直接移動することを防止するように構成されている、請求項
11に記載の画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、飛行時間型(ToF)深度画像化に関する。より具体的には、本開示は、飛行時間型深度センサの較正に関するシステムおよび技術について説明する。
【背景技術】
【0002】
飛行時間(ToF)は、物体、粒子または音、電磁または他の波のプロパティである。これは、このような物体が媒体を通過して距離を移動するために必要とする時間である。時刻基準(原子泉など)に関して、粒子または媒体(組成または流量など)について知るために所定の媒体を通過する速度または路長を測定する方法として、この時間(すなわち、飛行時間)の測定が使用され得る。移動体が直接的に(例えば、質量分析におけるイオン検出器)または間接的に(例えば、レーザードップラ速度測定において物体から散乱する光)検出されてもよい。
【0003】
飛行時間原理(ToF)は、物体によって反射している信号の放射とそのセンサへの帰還との時間差に基づくセンサと物体との間の距離の計測方法である。様々なタイプの信号(キャリアとも称される)が、ToFとともに使用され得るが、音および光が最も一般的である。いくつかのセンサは、速度、範囲、軽量および目の安全を独自に組み合わせることが可能であることから、そのキャリアとして光を使用する。赤外光により、信号外乱を低減し、また、周囲の自然光からより容易に区別することにより、所定の大きさおよび重量に関してセンサの性能が高まり得る。
【0004】
飛行時間型カメラ(ToFカメラ)は、光の既知の速度に基づいて距離を変換し、画像の各点に関してカメラと対象との間の光信号の飛行時間を計測する範囲画像化カメラシステムである。
【0005】
飛行時間型(ToF)画像センサにおいて、画像センサは、プロセッサがシーン内の物体への距離を判定し得る、単一の2次元画像またはいくつかの2次元画像を撮像する。TOF画像センサは、放射光が画像センサに帰還するまでにかかる時間を検出することによって装置からの距離が測定され得る物体を照明する光源をさらに備える。システムはまた、画像処理技術を利用してもよい。
【0006】
本概要は、本特許出願の主題の概要を提示することを意図される。これは、{2}本発明の排他的な、または徹底的な説明を提示することを意図していない。このようなシステムを本出願の残りの部分に記載の本発明のいくつかの態様と図面を参照して比較することで、従来の既存の手法のさらなる制限や不利点が当業者には明らかになるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
飛行時間型(ToF)深度画像処理のためのシステムおよび方法が開示される。一態様によって、オンザフライ較正のためのシステムおよび方法が開示される。特に、受信信号の処理時における遮蔽物に対して画像化センサおよび光源の配置を考慮するためのシステムおよび方法が開示される。一例として、画像化センサおよび光源の互いに対する配置は、選択された物体または遮蔽物への距離の関数として画素によって受信された信号の量に影響を与える。例えば、遮蔽物は光エミッタを遮断し得、遮蔽物が光エミッタとより離れた距離に位置するにつれ、また、光線光が光エミッタを離れ、遮蔽物に反射し、画像化センサによって受信されるにつれて、信号レベルが増大する。
【0008】
いくつかの実施態様において、光エミッタは、例えばディフューザーおよび/または開口部を光エミッタの前に配置することによって、可変である立体角上で光を放射する。
【0009】
一態様によると、画像処理システムを有するオンザフライ較正は、第1の時間間隔の間に光を放射するように構成された光源と、入力信号を収集するための画像センサであって、複数の画素のそれぞれに関して、複数の画素を備える反射光を含む画像センサであって、収集信号を記憶するための記憶ユニットのセットを含む画像センサと、記憶された記憶ユニットからの収集信号を利用し、複数の画素のそれぞれで距離測定値を判定するように構成されたプロセッサと、を含む。プロセッサは、画素のセットからの記憶ユニットの第1のサブセットを使用して、システムを較正するようにさらに構成される。一実施態様において、記憶ユニットの第1のサブセットは、飽和量未満の反射光を受ける画素のサブセットに相互に関連する。
【0010】
別の態様によると、画像処理システムの較正方法は、第1の時間間隔の間に光を放射することと、反射した放射光を含む信号を収集することと、未ろ波の収集された入力信号からの複数の画素に関する深度推定を判定することと、複数の画素のサブセットを使用してシステムを較正することと、を含む。一実施態様において、システムを較正することは、飽和量未満の反射光および最小限の量を超える反射光を受ける画素のサブセットを使用することを含む。
【0011】
一態様によると、画像処理システムを有するオンザフライ較正は、光を放射するように構成された光源と、反射した放射光を含む入力信号を受けるための複数の画素を備えたセンサアレイと、光源からの放射光の少なくとも一部をセンサアレイにおける画素の少なくともサブセットに反射させるように構成された、光源から所定距離に配置された遮蔽物と、画素のサブセットにおける画素の少なくとも1つに関して距離測定値を判定し、画像処理システムを較正するように構成されたプロセッサと、を含む。
【0012】
いくつかの実施態様において、複数の画素のそれぞれに関して、センサアレイは、収集された受信入力信号を記憶するための記憶ユニットを含む。いくつかの例として、記憶ユニットの第1のサブセットは、画素のサブセットに対応し、記憶ユニットの第1のサブセットは、遮蔽物を反射した放射光を含む収集信号を記憶する。
【0013】
いくつかの実施態様において、プロセッサは、システムを較正するために、遮蔽物の所定距離を使用するようにさらに構成される。いくつかの実施態様において、遮蔽物は移動可能である。いくつかの例として、遮蔽物は、光エミッタおよびセンサアレイを覆うように構成可能なシャッターである。
【0014】
いくつかの実施態様において、所定距離は、約10ミリメートル未満である。様々な例として、所定距離は、約8ミリメートル、約8ミリメートル未満、約6ミリメートル、約6ミリメートル未満、約5ミリメートル、約5ミリメートル未満、約4ミリメートル、約4ミリメートル未満、約3ミリメートル、約3ミリメートル未満、約2ミリメートル、約2ミリメートル未満、約1ミリメートル、または約1ミリメートル未満である。他の実施態様において、所定距離は約10ミリメートルであるか、または約10ミリメートルを上回る。
【0015】
いくつかの実施態様において、画像処理システムは、光源とセンサアレイとの間に配置された光ブロックを含む。光ブロックは、放射光がセンサアレイへと直接移動することを防止するように構成される。
【0016】
いくつかの実施態様において、センサアレイにおける画素のサブセットは、飽和量未満の反射光を受ける。いくつかの実施態様において、光源は、可変立体角上に光を放射する。いくつかの実施態様において、画像処理システムは、光エミッタの前に移動可能に配置するよう構成されたディフューザーを含む。
【0017】
一態様によると、画像処理システムの較正方法は、光源から光を放射することと、複数の画素を有するセンサアレイにおいて、反射した放射光を受けることと、対応する複数の記憶ユニットにおける画素において入力信号を収集し、記憶することと、記憶ユニットの対応するサブセットに記憶された信号からの複数の画素の少なくともサブセットの深度測定を判定することと、深度測定値を使用してシステムを較正することと、を含む。反射した放射光を受けることは、光源から所定距離に配置された、統合された遮蔽物に反射した放射光を受けることを含む。
【0018】
いくつかの実施態様において、システムを較正することは、深度測定値を所定距離と比較することを含む。いくつかの実施態様において、システムを較正することは、飽和量未満の反射光を受ける記憶ユニットのサブセットを使用することを含む。いくつかの実施態様において、光を放射することは、可変立体角上に光を放射することを含む。
【0019】
いくつかの実施態様において、統合された遮蔽物に反射した放射光を受けることは、シャッターが第1の位置にある時に、移動可能なシャッターに反射した放射光を受けることを含む。いくつかの例として、本方法は、シャッターにおける調節可能な開口部を光源の前に配置することを含む。
【0020】
様々な例によって、シャッターは、複数のシャッター位置を含む。シャッター位置のサブセットにおいて、シャッターは開口部を定義し、開口部の大きさは、特定のシャッター位置に応じて変化する。1つのシャッター位置において、シャッターは閉じられ、開口部を含まない。
【0021】
別の態様によると、オンザフライ較正を有する画像処理システムは、光を放射するように構成された光源と、反射した放射光を含む入力信号を受けるための複数の画素を備えるセンサアレイであって、複数の画素のそれぞれに関して、センサアレイが収集された受信入力信号を記憶するための記憶ユニットを含むセンサアレイと、記憶ユニットの少なくともサブセットからの記憶された収集信号を使用して、画像処理システムを較正するように構成されたプロセッサであって、複数の画素の少なくとも1つのための距離測定値を判定するプロセッサと、を含む。
【0022】
いくつかの実施態様において、画像処理システムは、光エミッタの前に移動可能に配置するよう構成されたディフューザーを含む。いくつかの実施態様において、画像処理システムは、光源とセンサアレイとの間に配置された光ブロックを含み、光ブロックは、放射光がセンサアレイへと直接移動することを防ぐように構成されている。
【0023】
図面は、例示的なToF回路、システムおよび構成を示す。これらのシステムの変形例、例えば、回路からの特定の要素の位置の変更、追加または除去は本発明の範囲内にある。例示されるToF装置および構成は、詳細な説明に見られる支持の補完であるように意図される。
【0024】
本発明の本質および利点を完全に理解するために、~以下の発明を実施するための最良の形が、以下を含む添付図面に関連して参照される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、飛行時間型深度画像化システム100を示す。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、画像化装置を示す。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、収集信号の測定を示す。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、2つ以上の記憶ユニットにおける測定値を収集するシステムを示す。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による、測定値および早見表を示す。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、信号が50%のデューティサイクルを有するシステムを示す。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による、正弦波光信号を有するシステムを示す。
【
図8A】本開示のいくつかの実施形態による、画像化システムおよび信号強度曲線を示す。
【
図8B】本開示のいくつかの実施形態による、画像化システムおよび信号強度曲線を示す。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による、画像化システムを示す。
【
図10A】本開示のいくつかの実施形態による、シャッターを有する画像化システムを示す。
【
図10B】本開示のいくつかの実施形態による、シャッターを有する画像化システムを示す。
【
図10C】本開示のいくつかの実施形態による、シャッターを有する画像化システムを示す。
【
図10D】本開示のいくつかの実施形態による、シャッターを有する画像化システムを示す。
【
図10E】本開示のいくつかの実施形態による、シャッターを有する画像化システムを示す。
【
図11A】本開示のいくつかの実施形態による、画像化システムのためのポップアップシステムを示す。
【
図11B】本開示のいくつかの実施形態による、画像化システムのためのポップアップシステムを示す。
【
図12】本開示のいくつかの実施形態による、画像化システムの別の例を示す。
【
図13】本開示のいくつかの実施形態による、画像化システムの別の例を示す。
【
図14A】本開示のいくつかの実施形態による、遮蔽物および光エミッタの配置の例を示す。
【
図14B】本開示のいくつかの実施形態による、遮蔽物および光エミッタの配置の例を示す。
【
図14C】本開示のいくつかの実施形態による、遮蔽物および光エミッタの配置の例を示す。
【
図15A】本開示のいくつかの実施形態による、画像化装置の遮蔽物の例を示す。
【
図15B】本開示のいくつかの実施形態による、画像化装置の遮蔽物の例を示す。
【
図15C】本開示のいくつかの実施形態による、画像化装置の遮蔽物の例を示す。
【
図16】本開示のいくつかの実施形態による、画像化システムの較正方法を示す。
【
図17】本明細書に記載のタイプの画像化装置を組み込むシステムの例を示す。
【
図18】本明細書に記載のタイプの画像化装置を組み込むモバイル装置を示す。
【
図19】本明細書に記載のタイプの画像化装置を組み込むゲ―ミングコンソールを示す。
【
図20】本明細書に記載のタイプの画像化装置を組み込むロボットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
飛行時間型深度画像化装置は、画像化装置の近くに光を放射し、光が物体に反射して画像化装置に帰還するまでの時間を計測することによってシーン内の物体までの距離の画像を作成する。距離を正確に判定するために、飛行時間型深度画像化装置が較正される。システムは従来、システムの一部ではない物体を使用し、物体を画像化装置からの所定距離に配置することによって、製造時に較正される。
【0027】
オンザフライ較正のための様々なシステムおよび方法について、本明細書において説明する。オンザフライ較正は自然に実装され得る。いくつかの例として、オンザフライ較正は製造時に実行される。いくつかの例として、オンザフライ較正は製造後に実行される。いくつかの例として、オンザフライ較正を含む画像化装置はいつでも再較正され得る。オンザフライ較正の構成要素は、オンザフライ較正を含む画像化システムに統合的に含まれる。
【0028】
様々な実施態様によって、本明細書において説明するシステムおよび方法は、画像化センサおよび光源の互いに対する配置の測定値を使用する。特に、所定の物体までの距離の関数として画素によって受けられる信号の量は、画像化センサおよび光源の互いに対する配置に依存する。いくつかの実施態様において、オンザフライ較正システムは光源までの短い既知の距離にある統合された遮蔽物を含み、光源から放射された光は、遮蔽物に反射し、センサアレイにおいて受けられる。センサアレイにおいて受けられた光は、システムを較正するために使用される。様々な実施態様において、任意の数のカメラが同時に較正され得る。さらに、自己較正システムは、比較的安価な部品から構築され得る。本明細書において説明する自己較正システムは、高価な光学装置を必要としない。
【0029】
図1は、本開示のいくつかの実施態様による、飛行時間型深度画像化システム100を示す。画像化システム100は、光エミッタ(光源)102、光線104、センサ106のアレイ、およびレンズ108を含む。
図1に示すように、光線104は、物体112を反射する。光を受ける画素106のアレイは、それぞれ画素が存在する間に到達する光子の数を、いくつかの記憶ユニットのうちの1つに記憶された数に変換する。光が光源を離れて画像化装置に帰還するまでの時間t
Rが推定されると、深度が方程式(1)によって表される。
【0030】
【0031】
式中、cは光の速度である。
【0032】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、画像化装置200を示す。一実施態様において、画像化装置200は深度画像化装置である。照明光源202は、シーン内の物体に反射する光を放射する。いくつかの例として、光周波数は、赤外周波数であり、太陽光からの寄与を低減する。反射光の一部は、画像センサ204の前のレンズ203に入射する。タイミング発生器210は、放射される光の量を制御する光源に信号を送信する。深度画像化装置は、光エミッタの強度および、画素ごとにおける光を受けるセンサの感応性を判定する信号を送信する。タイミング発生器210はまた、画像センサ204に信号を送信する。画像センサ204の感応性を判定するために、タイミング発生器210からの画像センサ204への信号が使用される。画像センサ204の感応性は、センサ204が入射光の単位ごとに生成する充電量を判定づける。特に、センサ204は、画素ごとにおいて充電記憶ユニットのセットを有し、信号を収集するにつれてその信号をその記憶ユニットのうちの1つに追加し得る。光エミッタおよびセンサ感応性を制御することによって得られる測定が、記憶ユニットの1つに追加され得る。例えば、記憶ユニットはコンデンサであってもよく、測定はコンデンサにすでに記憶された電子に電子を追加する。したがって、信号は場合によっては、ともに各記憶ユニット内に直接追加され得る。前端206は、各記憶ユニットのコンテンツを読み出し、それらを数字に変換する。プロセッサ208は、画素ごとに距離測定値を導く記憶ユニット上で計算を実行する。
【0033】
図3においては、例示的な測定が示される。特に、
図3は、同じ時間測定X軸上の4つのグラフを示す。光エミッタの電源が入っている光パルスの間の時間は、t=0~t
Lであり、式中、t=0は、光源の電源が入った時間であり、垂直な破線で示される。上段のグラフ301は、放射光302を示す。時間の経過による光源の強度f
PL(t)は、パラメータのセットP
Lに依存する。P
Lは、光源の温度T
L、光パルスの持続時間t
Lならびに、光源への電気接続の長さおよび光源への電圧などの他のパラメータを含んでもよい。
【0034】
第2のグラフ310は、センサへの光の到達を示す。センサに送達する光304は、第1のグラフ301に示す、光パルスから反射した放射光同様に背景光305を含む。
【0035】
第3のグラフ320は、センサ感応性を示す。センサは、t=tM~tM+tSまで電源を入れられ、式中、Mは「測定」を表し、tSは、センサが光を収集している間の時間の総量である。時間の経過によるセンサの感光性306は、gPS(t-tM)である。時間の経過によるセンサの感光性306は、時間単位ごとにセンサに当たる光子の数を掛けられ、その結果は、センサの出力に寄与する。
【0036】
センサパラメータPSは、センサが光を収集している間の時間の総量(tS)を含み、また、信号発生器の温度などの他のパラメータと同様にセンサの温度TSを含んでもよい。パラメータのうちのいずれも時間に依存し得る。物体に当たり、センサに帰還する光源からの光は、ある時間tR遅れる。時間tRは、システムの較正において推定される、ある量である。
【0037】
第2のグラフ310を再び参照すると、帰還光はまた、物体の反射に依存する振幅 を有し、例えば、物体に反射する太陽光またはいくつかの他の光源から背景光がそれに追加されてもよい。いくつかの周波数の光においてのみ感応性を有するように、センサが選択され得る。一例として、背景光の量を削減するためにバンドパスフィルタがセンサの前に配置される。グラフ310に示される、時間の経過によってセンサに当たる光は、関数形afPL(t-tR)+bを有し、式中、bは背景光305である。
【0038】
第4のグラフ330は、収集信号全体を示す。収集信号全体MPM(tR,a,b)は、時間の経過によりセンサに当たる光およびセンサの感応性の関数であり、上述のパラメータに応じて変化する。パラメータPMは、センサおよび光エミッタが依存する、上述の温度パラメータTLおよびTSならびに時間パラメータtLおよびtSなどのパラメータを含む。さらに、PMは、信号レベルを増大させるための測定の反復数Nを含む。特に、PM={N, PL, PS,...}。PMは、最終的な測定に影響を与える任意の追加パラメータをさらに含む。例えば、センサ反応が線形である場合、測定は方程式(2)で表される。
【0039】
【0040】
いくつかの実施態様において、システムは、どの記憶ユニットが単一の光パルスの光を収集しているかを切り替えてもよい。
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、2つ以上の記憶ユニットにおいて、測定値を収集しているシステム400を示す。
図4において、第1のグラフ401は、放射光の光パルス402を示す。第2のグラフ410は、センサにおける光404を示す。第3のグラフ420は、第1の記憶ユニットにおいて収集された光を示す。第4のグラフ425は、第2の記憶ユニットにおいて収集された光を示す。測定値を収集するために複数の記憶ユニットを有することで、いくつかの測定に関して光は一度しか放射されないため、電力を節約することをもたらす。
【0041】
いくつかの実施態様において、いくつかの測定値が収集される場合、結果がaまたはbに依存しないように、測定値が組み合わせられ得る。特に、
【0042】
【0043】
である、収集された光量F(D)を判定することができる。F(D)は、単調にDにのみ依存し、したがって、深度値の範囲に関して、Dの2つの異なる値が異なる値のF(D)を提供する。aおよびbからの独立により、物体への深度は物体の反射にも背景光にも依存しない。このようなスキームの一例は、画素ごとの3つの測定値:MPM,tM0, MPM,tM1, MPM,tM2に関し、式中、tS=tL,tM0=-tS,tM1=0,tM2=tSである。ここでMPM,tM0は背景に比例した測定であり、MPM,tM1は、光源が灯っている時間の間の帰還光を測定し、MPM,tM2は、時間tS~2tSの間でセンサに当たる光の量を測定する。各測定の反復量は異なり得る。Niが測定MPM,tMiのための反復数である場合、F(D)は方程式として提示される。
【0044】
【0045】
上述のようにF(D)は、背景光が差し引かれるため、bに依存しない。同様に、F(D)は、分子および分母の両方がaに比例するため、aに依存しない。F
M(D)が関数Dとして単一の最大値を有する関数である場合、測定値t
M2およびt
M1は、最大値の反対側にあり、F
PM(D)は深度範囲に関して単調であり、その中でt
M2およびt
M1が最大値の反対側にあるままである。したがって、F
PM(D)の算出により、関数F
PMを反転させてt
Rを得ることが可能になる。関数F
PM(D)は、早見表として記憶され、深度推定値を得るために使用され得る。一例として、逆関数G
PMがG
PM(F
PM(D))=Dのように記憶される。測定値および早見表が
図5に示される。特に、
図5を参照すると、方程式は以下の通りである。(3)
【0046】
【0047】
場合によっては、関数G
PMは、1を超える数を取ってもよい。例えば、いくつかの飛行時間型システムにおいて、光エミッタおよびセンサに送信された信号は、50%のデューティサイクルを有する。
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、信号が50%のデューティサイクルを有するシステムを示す。
図6の光信号602が、上段グラフにおいて示される。第1の光パルスは、時間t=0で開始され、時間t=tLで完了する。次の光パルスは、時間t=2tLで開始される。第2のグラフは、反射光および背景光を含む、センサ604に当たる光を示す。次の4つのグラフは、4つのユニットのそれぞれに記憶されたセンサ信号を示す。第3のグラフは、ユニット0において収集されたセンサ信号606を示す。第4のグラフは、ユニット1において収集されたセンサ信号608を示す。第5のグラフは、ユニット2において収集されたセンサ信号610を示す。第6のグラフは、ユニット3において収集されたセンサ信号612を示す。
【0048】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、正弦波光信号を有するシステムを示す。
図7は、上段グラフにおける光信号702を示す。第2のグラフは、背景光構成要素705を含むセンサ704に当たる光を示す。次の4つのグラフは、4つのユニットのそれぞれにおいて記憶されたセンサ信号を示す。第3のグラフは、ユニット0において収集されたセンサ信号706を示す。第4のグラフは、ユニット1において収集されたセンサ信号708を示す。第5のグラフは、ユニット2において収集されたセンサ信号710を示す。第6のグラフは、ユニット3において収集されたセンサ信号712を示す。
【0049】
図7におけるような完璧な正弦波として信号が理想化されて仮定される場合、時間の関数としての光出力電力702が方程式(4)によって表されてもよい。
【0050】
【0051】
Pが信号すべての期間である場合、lは定数である。様々な例として、各記憶ユニットは、それに関連する相
【0052】
【0053】
を有し、その相は光信号とセンサ信号との間で遅延する。時間の経過によるセンサ感応性は、方程式(5)として提示される。
【0054】
【0055】
式中、sは定数である。センサ704に帰還する光は、方程式(6)によって表される。
【0056】
【0057】
式中、Aはシーン内の物体の反射に依存する帰還光の振幅であり、Bは背景光からの寄与である。Aは光源出力電力に比例する。充電ユニットのそれぞれにおける信号記憶は、方程式(7)において表される通り、光束のセンサ到達を掛けられたセンサ感応性の時間の経過による積分に比例する。
【0058】
【0059】
様々な実施態様において、各記憶ユニットにおける収集信号Siのための4つの測定値は、異なる反復数Niを有する。一例として、収集信号のための測定値は、
【0060】
【0061】
のように定義される。これらの値を使用して、正弦波信号の理想化されたケースが方程式(8)によって表され得る。
【0062】
【0063】
ToF深度測定値は、方程式(9)を使用して得られ得る。
【0064】
【0065】
様々な例によって、上述のスキームは、距離Dと
【0066】
【0067】
とを区別しない。深度を判定するために、2つの測定値が独自にDを判定するように、例えば異なるPを有する同じ測定値などの別途の測定値が使用され得る。あるいは、異なる期間を有するように、測定値Siが選択され得る。一例として、S0に関して、単一の期間Pの間光源およびセンサの電源が入り、Pより長いいく分の時間遮断され、その後、光が距離
【0068】
【0069】
以上に移動すると、S0は信号を捕捉しなくなる。背景光のみを測定するために別途の記憶ユニットS4が使用され、S0およびS4の測定値の間の差異が十分に小さい場合、物体までの距離が
【0070】
【0071】
より大きいことが分かり、距離測定値を
【0072】
【0073】
以下であるとただ報告することで、距離測定値の多義性が回避され得る。
【0074】
様々な実施態様において、光源およびセンサ感応性は、真の正弦波ではない。いくつかの例として、光源およびセンサ感応性が真の正弦波ではない場合、距離Dが方程式(10)によって表されるように、早見表G(x)が学習され、
【0075】
【0076】
に適用される。
【0077】
【0078】
信号が正弦波である場合、本方程式は方程式(11)として書かれ得る。
【0079】
【0080】
様々な実施態様において、より多くの記憶ユニットSiを有する測定値に関する多数の潜在的なスキームが存在する。いくつかの例として、スキームは、最終的な測定における高次高調波を相殺し、したがって、早見表をより線形にする。上述のスキームは通常、パラメータのセットaiおよびbiならびに早見表G(x)に関して、方程式(12)の形式をとる。
【0081】
【0082】
背景光への依存を軽減するために、また、量
【0083】
【0084】
が単調に深度に依存するように、パラメータが選択される。いくつかの例として、量
【0085】
【0086】
は、単調に深度に依存せず、パラメータのセットciおよびdiに関する同じ形式の他の量
【0087】
【0088】
が測定され、かつ算出され、早見表
【0089】
【0090】
が作成される。いくつかの例として、システムの使用が所望される深度範囲のための深度を量のセットが独自に判定する場合に、早見表の作成が可能である。例えば、Pへの依存が明らかになる上述のスキームに関して、
【0091】
【0092】
いくつかの例によると、期間Pを法としてtRが判定されるため、上述の方程式には、距離Dおよび
【0093】
【0094】
の区別がつき得ないという多義性がある。いくつかの実施態様においては、異なる期間P'における測定値の別のセットが実行される。
【0095】
【0096】
方程式(15)および(17)における
【0097】
【0098】
の2つの推定値を使用して、一義的な範囲が拡張され得る。例えば、
【0099】
【0100】
が無理数である場合、一義的な範囲は無限である。特に、第1の方程式
【0101】
【0102】
は、任意の整数nに関してtRとtR+nPとを区別し得ず、第2の方程式
【0103】
【0104】
は、任意の整数nに関してtRとtR+nP'とを区別し得ない。両方の方程式を組み合わせることで同じ多義性が生じるため、両方の方程式は、ある値tRと別の値t'Rとを区別することが可能であるべきである。いくつかの例として、第1の方程式が多義的であるため、いくつかの整数nに関してt'R-tR=nPである。さらなる例として、第2の方程式が多義的であるため、いくつかの整数n'に関してt'R-tR=n'P'である。したがって、nP=n'P'であり、
【0105】
【0106】
が無理数である場合不可能である。
【0107】
様々な実施態様によって、量は、許容可能な範囲で低く、背景光に依存する。すべてのスキームにおいて、例えば深度を判定する方程式において、Siが
【0108】
【0109】
により代替される場合、各記憶ユニットSiのための反復数Niは異なり得る。また、いくつかの実施態様において、深度に関する方程式がN個の測定値Siに依存する際に、N個の記憶ユニットSiを使用することが先立ち得る。例えば、いくつかの追加がハードウェアに直接行われる。量
【0110】
【0111】
が量で表され、aiが正である場合、Siを計測することおよびそれをai回収集することと、単一の記憶ユニットに結果を記憶することによって測定が実行され得る。aiが整数でない場合、量
【0112】
【0113】
は、数Mを掛けられ得る。Maiは最も近い整数に近似し得、以下の算出によって所望の結果が得られ得る。
【0114】
【0115】
いくつかのaiが負である場合、測定はまた、差分測定値を使用することによって、ハードウェアにおいて可能になり得る。
【0116】
様々な実施態様によって、システムの較正は、各画素に関する記憶ユニットにおける測定値を深度推定値に変えるために使用される情報を判定することと、記憶することに関する。例えば、上述の通り、早見表Gは、形式
【0117】
【0118】
の量を取り込み、Siが記憶ユニット値であり、深度推定を出力するように定義され得る。較正のための1つの例示的なスキームは、平面などの物体を運搬し、物体を画像化装置から異なる距離に移動させるレールの前に深度画像化装置を配置することである。物体が所定距離に移動するにつれて、画素の記憶ユニットにおける値Siが記憶され、量
【0119】
【0120】
が算出され、また、物体と画像化装置間との間の距離Dは知られているため、関連する距離Dが記憶される。したがって、量
【0121】
【0122】
と距離Dとの間で対応する表である早見表が、記憶され得る。画像化装置が使用される際に、早見表に記憶された2つの値の間にある
【0123】
【0124】
のための値が得られる場合、深度推定値を与えるために補間が使用され得る。例えば、深度推定を行うために、測定値に最も近い
【0125】
【0126】
の値に関連するDの値の間で線形補間が使用され得る。較正中に行われるステップの数は所望の正確性に依存する。物体をレール上で移動させ、正確性がどの程度変わるかを判定する際に、異なるステップサイズをテストすることが可能である。早見表において記憶するべき要素の数を判定するために、正確性のカットオフが設定され得る。一例として、すべての画素に関して、単一の早見表が記憶される。別の例では、画素間の差異は大きく、画素ごとに異なる早見表が記憶される。同じ距離の物体を見た時に、画素に関して異なる深度推定値をもたらす画素レベルの製造差異により、画素間の差異は大きくてもよい。
【0127】
物体を物理的に移動させなければならない(あるいは、画像化装置がレール上に置かれ、移動される)ため、レールを使用したこのような較正には、時間がかかる可能性がある。別の較正手法は、それぞれのSiに対応する、光源を制御する信号とセンサを制御する信号との間で遅延を導入することによって距離をシミュレーションすることである。各測定値Siは、光源の電源が入る時間とセンサの電源が入る時間との間の時間遅延を特徴とする時間遅延tMiを有し得る。いくつかの例として、カメラが既知の距離DTでターゲットの前に配置され、距離DTに関する早見表に追加するために、それぞれの時間遅延tMi(DT)とともに得られた測定値Siのセットが使用される。ターゲットが異なる距離Dで移動される場合、センサへの帰還光は時間
【0128】
【0129】
だけ遅延する。いくつかの例として、ターゲットを移動させる代わりに、
【0130】
【0131】
が時間遅延tMi(DT)から差し引かれる。すなわち、遅延tMiが
【0132】
【0133】
によって代替される場合、結果として得られる測定値S
iは、いくつかのターゲットに関してカメラからの距離Dで得られるであろう測定値に等しい。例えば、
図3における測定に関して、光源の電源を入れることと、センサの電源を入れることとの間に時間遅延t
Mが存在する。時間遅延t
Mを増大させることにより、カメラにより近い物体の存在をシミュレーションする。収集信号に関する測定値が、方程式(18)によって表される。
【0134】
【0135】
方程式は
【0136】
【0137】
として書き換えられ得、したがって、収集信号の測定は、量tR-tMのみを通じてtRおよびtMに依存する。したがって、tMを増大させることは、tRを減少させることに等しい。実際のターゲットに関して、帰還光の量は距離とともに二次式的に減少してもよい。しかし、tMi(DT)を
【0138】
【0139】
によって代替する際に、同等のターゲットの距離Dでの反射はターゲット距離Dとともに二次式的に低下しない。したがって、信号強度は距離とともに減少しない。さらに、深度算出における比により、深度はターゲットの反射に依存しないため、tMi(DT)の測定値から
【0140】
【0141】
が差し引かれると、対応するSiが測定され、早見表に関する量
【0142】
【0143】
が算出され、距離Dに関する早見表の値が追加され得る。したがって、様々な例として、Dの異なる値をさらうことで、ターゲットまたはセンサを移動させることなく、早見表の一部(または全部)が更新される。
【0144】
従来の較正技術では、早見表GPMは、測定値
【0145】
【0146】
が依存するパラメータPMに依存する。したがって、正確な深度推定値を得るために、GPMに影響するパラメータが測定され、時間の経過による正確な早見表を維持するために、PMの関数としてのGPMの変化が特徴づけられ、使用され得る。早見表に重大な影響を与える多数のパラメータが存在する場合、早見表を正確に維持するためのメモリおよび算出の量は大きくなる。また、較正には長い時間がかかるため、特にボリュームの大きいアプリケーションに関して問題となり得る。最終的に、較正するシステムは他の近隣のシステムに干渉し、したがって、一度に同じ領域内にある多数のシステムの較正を難しくする可能性がある。早見表の温度依存を学ぶために温度が変化し得るチャンバにシステムが置かれる場合、多数のシステムを一度にこのようなチャンバ内に置き、それらを同時に較正することを可能にすることが望ましい。また、早見表は、温度センサが存在しない画像化装置の異なる部品の温度など、測定が困難なパラメータに依存してもよいさらに、画像化装置の部品は、時間の経過によって経年し得るため、正確な早見表は時間の経過によって変化する。したがって、システムを展開しながら、較正表をオンザフライに更新するためのシステムおよび方法が提示される。従来の技術には、物体をセンサからの既知の距離に置くことが必要であるため、従来の技術では正確なオンザフライ較正が不可能である。
【0147】
オンザフライ較正
【0148】
オンザフライ較正のための様々なシステムおよび方法について、本明細書において説明する。様々な実施態様によって、本明細書において説明するシステムおよび方法は、画像化センサおよび光源の互いに対する配置の測定値を使用する。特に、画像化センサおよび光源の互いに対する配置に応じて、所定の物体への距離の関数として画素によって受けられる信号の量は、
図8Aのグラフ800において示される形式をとる。X軸上に示されるように物体への距離Dが減少するにつれて、信号の量はY軸に示すように、逆距離とともに二次式的に増大する。信号は、いくつかの画素が飽和するほど大きくなり得る。しかし、距離がさらに減少するにつれ、信号レベルは再び減少する。例えば、光エミッタ802のすぐ前に遮蔽物を置き、したがってそれを完全に遮るような極端な例においては、信号は存在しない。D=0から遮蔽物が退くにつれて、また、信号レベルは増大し、光線は光エミッタから離れるにつれて、遮蔽物に反射してレンズに入る。例えば、ディフューザーおよび/または開口部を光エミッタの前に配置することによって、光エミッタは、可変であり得る立体角上に光を放射する。
【0149】
図8Bは、様々な実施形態による、光エミッタ802、遮蔽物806、レンズ808、およびセンサ804のアレイを含む画像化システムを示す。
図8Bは、光エミッタ802と遮蔽物806との間の距離D810を示す。
図8Aのグラフ800において表されるように、光エミッタと遮蔽物との間の距離D810がゼロである場合(遮蔽物806が光エミッタ802に隣接する場合)、光は放射されない。遮蔽物806が光エミッタ802から離れて移動するにつれて、距離D810は増大し、光エミッタ802から放射される光は、遮蔽物806に反射し、レンズ808およびセンサ804のアレイに入射する。
【0150】
図9に示される通り、1つ以上の光ブロック904が画像化システムに配置され得る。一例として、光ブロック904が光エミッタ902の隣に配置される。光ブロック904は光エミッタ902からセンサアレイ912への直接の潜在的な光透過を防ぎ、それによって、光エミッタ902からの光がまず、遮蔽物906に当たり、遮蔽物906に反射してレンズ910およびセンサアレイ912に至る。別の例として、光ブロック904は、レンズ910および画像化アレイ912の隣に配置される。
【0151】
様々な特徴により、光ブロック904を追加することは、
図8Aに示される信号強度曲線800に影響を与える。信号強度は、画像化装置アレイ912における画素に依存する。例えば、光エミッタ902により近い画素は、光エミッタ902に近い遮蔽物906の一部からレンズ910を通じて光を受けるため、光エミッタ902により近い画素は、より多くの光を受ける。遮蔽物906の一部が光エミッタ902に近いほど、光エミッタ902から遠い遮蔽物906の部分に対して、遮蔽物の一部が受ける光は多くなる。
【0152】
様々な実施態様において、遮蔽物906は影になる。いくつかの例として、遮蔽物906は部分的に影になり、遮蔽物906のいくつかの領域明るくし、他を暗くする。影になった遮蔽物906はまた、異なる信号強度を受ける異なる画素を導く。様々な実施態様において、センサ912のいくつかの画素が飽和し、センサ912の他の画素は十分な信号を受けない。したがって、遮蔽物906は、影になって、センサアレイ912において受けられる信号強度の変化を増大させてもよい。いくつかの例によると、画像化アレイ912の画素が異なる信号強度を受ける場合、較正における使用のために、十分な信号強度を受けるが飽和しない画素が選択される。
【0153】
様々な実施態様によって、センサアレイ912の1つ以上の画素において許容可能な信号レベルを導く光エミッタ902と遮蔽物906との間の距離は極めて小さい。いくつかの例として、光エミッタ902と遮蔽物906との間の距離は、約5ミリメートル(mm)、約4mm、約3mm、約2mm、約1mm、または約1mm未満である。他の例として、光エミッタ902と遮蔽物906との間の距離は約5mmを上回る。光エミッタ902と遮蔽物906との間の小さい距離を有することには、いくつかの利点がある。例えば、遮蔽物906が光エミッタおよびセンサアレイ912を完全に遮る場合、システムは光を放射する近隣のシステムに影響されない。したがって、複数のシステムが互いに近位に配置され、独立して較正され得る。例えば、複数のシステムが温度依存較正を実行するために温度チャンバ内に同時に配置され得る。様々な例として、約100のシステムが温度依存較正を実行するために温度チャンバ内に同時に配置される、100を上回るシステムが温度依存較正を実行するために温度チャンバ内に同時に配置され得、約500のシステムが温度依存較正を実行するために温度チャンバ内に同時に配置され得、500を上回るシステムが温度依存較正を実行するために温度チャンバ内に同時に配置され得、約1000のシステムが温度依存較正を実行するために温度チャンバ内に同時に配置され得るか、または、1000を上回るシステムが温度依存較正を実行するために温度チャンバ内に同時に配置され得る。
【0154】
様々な実施態様によって、遮蔽物906を短い距離に配置して較正を可能にすることで、内蔵較正性能を有した小型のシステムの設計が可能になる。いくつかの例として、移動可能な遮蔽物906に関するシステムおよび方法が提示される。このような遮蔽物の例は、シャッターである。
【0155】
図10A~10Eは、本開示のいくつかの実施形態による、シャッターを有する画像化システム1000を示す。画像化システム1000は、光エミッタ1002、センサアレイ1004、およびシャッター1010を含む。
図10Aは、センサアレイ1004に隣接する光エミッタ1002を示す。
図10Bは、光エミッタ1002、センサアレイ1004、およびシャッター1010を示す。シャッター1010は6つのシャッター要素1008A~1008fを含み、
図10Bにおいて、シャッター1010は部分的に開いており、部分的にセンサアレイ1004を遮る。部分的に開いたシャッター1010は、6つのシャッター要素1008A~1008fの真ん中における開口部によって画定される開口部1012を含む。
図10Cは、シャッターの後ろのセンサアレイ1004を示す。シャッター1010の後ろでは、いくつかの画素1014がシャッター1010の開口部1012の後ろに位置し、したがって、光エミッタ1002から放射された反射光に潜在的にさらされる。センサアレイ1004の他の画素1016(影になる)は、シャッター要素1008A~1008fの後ろに位置し、光エミッタ1002から放射された反射光を受けることを阻まれる。
【0156】
様々な例によって、
図10Bに示すように、シャッター1010は6つのシャッター要素1008A~1008fを含み、シャッター要素1008A~1008fは開口部1012の大きさを変えるために移動され得る。シャッターが
図10Bのように開いている場合、センサアレイ1004の画素のうちの1つ以上は遮られず、ToF深度測定値を判定するために使用され得る。
【0157】
図10Dは、シャッター要素1008A~1008fが完全に閉まっているシャッター1010を示す。シャッター要素1008A~1008fが完全に閉まっている場合、センサアレイ1004の画素は遮られる。
図10Eは、シャッター1010によって画素が遮られるセンサアレイ1004を示す。シャッター要素1008A~1008fが完全に閉まっている場合、シャッター1010は
図9の遮蔽物906と同様の遮蔽物として作用する。したがって、シャッター要素1008A~1008fが閉じている場合、センサアレイ1004の画素は光エミッタ1002からの光を受け、較正測定を実行するために使用され得る。一例として、温度などのシステムの現在のパラメータに関して、記憶された早見表が更新され得る。いくつかの例として、記憶された早見表が正確であることを判定し、さらなる再較正を必要なくするために少数回の測定が行われ得る。
【0158】
いくつかの実施態様において、遮蔽物を画像化システムの前に移動させる代わりに、画像化システムを遮蔽物の後ろに移動させ得る。
図11A~11Bは、本開示のいくつかの実施形態による、画像化システムのためのポップアップシステム1004を示す。
図11A~11Bにおけるポップアップシステム1104は携帯電話に取り付けられているが、様々な例として、システム1104は任意の選択された装置に取りつけられ得る。
図11Aに示すように画像化装置1104がポップアップする際は、シーンからToF深度情報を得るためにそれが使用され得る。
図11Bに示すように画像化装置1104がポップダウンする際は、画像化装置1104はその前に遮蔽物を有する。上述の通り
図8A、8Bおよび
図9を参照すると、画像化装置1104は、
図11Bに示すようにその前に遮蔽物を有してポップダウンしながら、較正され得る。他の例によると、画像化装置1103の前に遮蔽物が存在し、再較正が行われ得るように、画像化装置1104が移動し得る他の設計が存在する。
【0159】
いくつかの例として、再較正は迅速である。例えば、オフセットのみが測定される場合、再較正は迅速である。一例として、遮蔽物は1.5ミリメートルのところにあると知られており、システムが遮られる場合、2.3ミリメートルの距離が測定される。カメラのオフセットは、0.8ミリメートルである。このようなオフセットは、単一の迅速な測定を使用して得られ得る。他の実施態様において、早見表の複数の測定点などのより多くの情報が所望される。いくつかの例として、本システムは、温度依存を得るために使用され得る加熱要素を含む。いくつかの実施態様において、高いフレーム率で、または大きなパルス数で操作される際にカメラは加熱される。したがって、例えば、より高いフレーム率でシステムの初めに実行して加熱することにより、いくつかの温度依存が得られ得る。別の例として、例えば、レーザーを加熱するための信号を収集することなく、レーザーをしばらく動作させることによっていくつかの温度依存が得られ得る。いくつかの例として、通常より低いフレーム率でシステムを実行することにより、現在の動作温度から温度は若干低減され得る。したがって、異なるモードでシステムを実行することにより、システムの現在の温度に関して較正が行われ得、温度は現在の温度をわずかに下回り、温度が現在の温度をわずかに上回る。例えば、システムの温度を変化させるためにフレーム率を変化させることによって、モードは変化し得る。
【0160】
いくつかの実施態様において、
図10Bのようにシャッター1010は部分的にのみ開く。シャッター1010が1008のように部分的に開いている際に、いくつかの画素1012は遮られず、いくつかの画素1016は遮られる。このような場合、較正のために遮られた画素1016が使用され得、深度測定値のために遮られない画素が使用され得る。
【0161】
いくつかの実施態様によって、較正システムは、移動しない遮蔽物を含む。いくつかの例として、移動しない遮蔽物を有するシステムにおいて、較正のためにいくつかの画素が保存され、深度を判定するために残りの画素が使用される。
【0162】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による、静止した遮蔽物1206およびセンサアレイ1214において1つ以上の専用画素1212を有する画像化システム1200の例を示す。特に、遮蔽物1206は、光エミッタ1202から放射される光の一部を遮るように位置する。遮蔽物1206に当たり、センサアレイ1214における画素1212によって受けられる光線1204が較正のために使用される。
【0163】
図13は、本開示のいくつかの実施形態による、静止した遮蔽物1306を有する画像化システム1300の別の例を示す。画像化システム1300は、光エミッタ1302から放射される光線を示す。第1の光線1312が画像化システム1300を離れ、シーンにおいて物体1320に当たり、反射してレンズおよびセンサアレイ1314に戻り、物体1320への距離が反射光線に基づいて測定され得る。光エミッタ1302からの第2の光線1304は、静止した遮蔽物1306に反射し、センサアレイ1314の専用較正画素1312において受けられる。ある特徴により、遮蔽物1306は、専用較正画素1312が遮蔽物に反射する光1306を受けるのみであるように、専用較正画素1312がシーンから反射した光を受けることを妨げる。画像化システム1300の較正のために、較正画素1312において収集された光が使用され得る。
【0164】
図14A~14Cは、画像センサ1404の画素の列のサブセット1416が較正のために使用される、例示的な遮蔽物1406および光エミッタ1402の配置を示す。
図14Aは、光エミッタ1402およびセンサアレイ1404を示す。
図14Bは、センサアレイ1404および光エミッタ1402の一部の上に位置する遮蔽物1406を示す。
図14Cは、較正のために使用されるセンサアレイ1404のサブセット1416を示す。上述の通り、遮蔽物1406は影になってもよい。いくつかの例として、光エミッタ1402からの光放射パターンは、較正のために保存された画素のセット1416が異なる信号強度を受け、したがってエミッタ1402の異なる強度での較正を可能にするように設計される。
【0165】
一例として、光エミッタは中心で最も明るく、中心から離れて移動するにつれ低下する強度を有する。いくつかの例として、ディフューザーは光エミッタ1402の前に配置され、光放射パターンを変化させるように影になる。
【0166】
様々な実施態様において、較正は、測定の反復数に依存する。したがって、より多くの反復数でシステムを実行することにより、例えば、光エミッタが頻繁にオンオフを切り替えられるため、温度が上昇する。したがって、いくつかの例として、温度が早見表に影響する場合、測定の反復数もまた早見表に影響を与える。いくつかの実施態様において、画像化システムは異なる反復数で実行され、例えば、多い回数では長い距離に十分な信号が得られ、少ない回数では、短い距離での飽和が回避される。システムが変化する反復数で実行される場合、較正は変化する信号強度に依拠する。いくつかの例として、異なる信号強度を有する様々な画素を含むことは、飽和しない画素および適切な信号強度を有する画素をシステムが含み得るため、変化する反復数を有するシステムにおいて有益である。
【0167】
いくつかの実施態様において、(移動する、または移動しない)遮蔽物はシステムに組み込まれないが、システムは依然として、オンザフライ較正を実行することが可能であるように設計される。
図15A~15Cは、本開示のいくつかの実施形態による、画像化装置1501および様々な遮蔽物の例を示す。
図15A~15Cにおいて、画像化装置は、産業アプリケーションにおいて使用される携帯電話、または手持ち式装置などのポータブル装置1501の一部である。画像化装置は、光エミッタ1502およびセンサアレイ1504を含む。様々な例によって、装置1501が下を向けて配置される場合、それが面して配置される表面は、遮蔽物として作用し、較正のために使用され得る。
【0168】
図15Bに示すように、装置1501は、光エミッタ1502およびセンサアレイ1504をテーブル1508に面して下向きに、テーブル1508上に配置される。テーブル1508の表面は、遮蔽物として作用し、較正のために使用され得る。様々な例によって、光エミッタ1502と遮蔽物との間の距離は、装置1501の設計に基づく。
【0169】
別の例として、
図15Cに示すように、装置1501はポケット1510内に配置され、ポケット1510は、遮蔽物として作用する。様々な例として、近くに移動しない表面があることを画像化システムが検出する場合、システムは自ら較正を行う。一例として、システムは、加速度計からの入力を受け、システムが移動せず、近位の表面がある場合、システムは、それが表面に面して水平に横たわっていることを確認してもよい。他の例として、システムが移動している場合であっても、システムは近位の表面によって自ら較正し得る。
【0170】
図16は、本開示の様々な実施形態による、画像処理システムの較正方法1600を示す。本方法は、ステップ1602において、光源から光を放射することを含む。ステップ1604において、反射した放射光がセンサアレイによって受けられる。センサアレイは、複数の画素を含む。反射した放射光を受けることは、光源から所定距離に配置された、統合された遮蔽物に反射した放射光を受けることを含む。ステップ1606において、センサアレイの画素における入力信号が収集され、記憶ユニットのセットにおいて記憶される。セット記憶ユニットは、画素ごとに1つの記憶ユニットがあるように、センサアレイの画素に対応する。ステップ1608において、複数の画素のための深度測定値が判定される。ある特徴により、未ろ波の収集された入力信号に基づいて深度推定が判定される。ステップ1610において、深度測定値を使用して画像処理システムは較正される。
【0171】
照明光が装置によって放射されない実施態様において、画像化装置によって撮像された2D画像を比較して距離を推定し、それらの画像内の物体または物体が時間の経過によってどのように変化するかを検出するために画像分析技術が使用されてもよい。
【0172】
いくつかの実施形態によると、照明光が産生され、2D画像分析技術を使用した距離の推定のために、撮像された時にすでに判定された距離が参照のために使用されてもよい。例えば、距離を定期的に判定するために照明光が定期的に放射されてもよく、距離を判定するために、(例えば、照明光を参照点として使用して得られた、すでに判定された距離を使用することで)その間でそれらの放射画像分析が実行されてもよい。
【0173】
いくつかの実施形態により、(反射した照明光を収集することにより、距離を判定するための)照明光を放射するか否かの判定は、2D画像の分析に基づいてもよい。照明光を使用した距離のより正確な判定を得るために、正確性が許容可能な閾値に収まる場合に判定が行われてもよいように、分析により、1つ以上の2D画像に基づく距離推定の正確性を判定してもよい。このように、2D画像分析が許容可能に正確な距離測定値を産生せず、照明光が放射される周波数が低減され、それにより電力使用が低減し得る場合にのみ、照明光が放射されてもよい。
【0174】
本開示の態様は任意の好適な画像化装置において使用されてもよいが、動画撮像などにおける複数のフレーム中に光を撮像する画像化装置においてこのような態様を応用することに、特定の利点があってもよい。いくつかの画像化装置は、最終的に単一の画像を保存するように構成されてもよいが、画像装置が静止画像を保存するために起動される前および/または後に複数回画像を撮像してもよい(例えば、静止画像をプレビューするために単一の画像の撮像前にシーンを表示するように構成された装置、および/または、複数の画像から単一の画像が選択され、かつ/または、合成され得るために、単一の画像を撮像するために起動された際に複数の画像を撮像するように構成された装置)。本明細書における説明の目的で、静止画像撮像処理中に複数の画像が装置に記録される(上述の例を含むが、それに限定されない)(i)動画撮像および(ii)静止画像撮像の両方の画像撮像に、「フレーム」は適用可能であると見なされる。
【0175】
いくつかの実施形態により、2D画像の分析に基づいて照明光を放射するか否を判定することは、2D画像が撮像されている同じフレームにおいて実行されてもよい。同じフレーム内で判定を行うことにより照明光が放射されないと判定される場合に、判定が行われる中間のフレームがない状態で後続のフレームの間で2D画像が撮像されてもよいことが確認されてもよい。したがって、各フレームの間で画像を撮像することで、画像化装置は効率的に動作してもよい。いくつかの実施形態により、照明光が放射されると判定されると、判定が行われた同じフレームの間に照明光が放射される。あるいは、(例えば、フレーム内でこれらのステップすべてを実行するための処理能力を画像化装置が有していないためフレーム時間が非常に短いため、かつ/または装置の処理限度により)2D画像を撮像するためのフレーム中に、照明光を放射し、照明光を放射するか否かを判定するための十分な時間がない場合、照明光の放射は後続のフレームで行われてもよい。
【0176】
いくつかの実施形態により、レーザーダイオードからのレーザー光などの照明光を使用した距離の判定は、パルス変調技術を使用してもよい。パルス変調において、反射光パルスが識別され、その飛行時間が測定され得るように(また、したがって物体までの距離が判定されるように)、照明光は既知の持続時間のパルスとして放射される。いくつかの実施態様において、パルス変調技術により、それぞれが反射した照明光パルスのセグメントを撮像する複数のシャッターにより画像センサを操作してもよい。各シャッター中に測定される、反射した照明光の分割が、光パルスの飛行時間をもたらしてもよい。
【0177】
いくつかの実施形態により、照明光を使用した距離の判定は、連続波技術を使用してもよい。このような技術において、物体から反射した光の相変化を計測することによって、物体への距離が判定される。相変化は、照明光の波長が知られている場合に物体までの距離を示す。
【0178】
距離感知技術に関する、また、その実施形態の様々な概念のより詳細な説明を以下に記す。本明細書において説明する様々な態様が任意の多数の方法で実行されてもよいことが理解されるべきである。特定の実施態様の例が、本明細書において例示のみの目的で提示される。さらに、以下の実施形態に記す様々な態様が、単独で、または任意の組み合わせで使用されてもよいが、本明細書において明示的に説明する組み合わせに限定されない。
【0179】
図17は、本明細書に記載のタイプの画像化装置を組み込むシステムの例を示す。本明細書において説明するタイプの画像化装置を組み込んでもよく、
図1に示されるシステム1700の例示的な実施態様。システム1700は
図1の画像化装置100を含むが、本明細書において説明する代替的な実施形態による画像化装置が代わりに含まれてもよい。画像化装置100に電力を供給するために、また、システムの他の構成要素に電力を供給するために、電力ユニット1702が提供されてもよい。電力ユニット1702は、いくつかの実施形態において、携帯電話、タブレット、および他の消費者向け電子製品に通常使用されるバッテリーなどのバッテリーであってもよい。上述のように、いくつかの実施形態において、画像化装置100は、低電力動作を提供してもよく、したがって低電力バッテリーの電力ユニット1702としての使用を容易にしてもよい。しかし、電力ユニット1702は、すべての実施形態において、バッテリーであることに限定されず、特定のタイプのバッテリーにも限定されない。
【0180】
システム1700は、メモリ1704および不揮発性記憶装置1706をさらに含む。それらの構成要素は、共有通信リンク1708を介するなどの任意の好適な様式で、画像化装置100に通信可能に接続されてもよい。共有通信リンク1708はバスまたは他の好適な接続であってもよい。メモリ1704および/または不揮発性記憶装置1706は、画像化装置100の動作および/または画像化装置100によって撮像されたデータを制御するためのプロセッサ実行可能命令を記憶してもよい。本明細書において説明する距離感知技術に関連して、例えば、照明光源を信号化して1つ以上の光パルスを産生するために、画像センサのシャッターを開閉するために、画像センサの画素を読み出すために、収集された照明光に基づいて距離算出を実行するなどのために、使用されるコードが、メモリ1704または不揮発性記憶装置1706のうちの1つ以上において記憶されてもよい。プロセッサ107は、本明細書において説明するような距離感知のための任意の技術を提供するために、任意のこのようなコードを実行してもよい。メモリ1704は、画像化装置100によって撮像された2Dおよび/または3D画像を表すデータを記憶してもよい。メモリ1704および/または不揮発性記憶装置1706は、少なくともいくつかの実施形態において、持続性メモリであってもよい。
【0181】
本明細書において説明する画像化システムが様々なアプリケーションにおいて使用されてもよく、そのいくつかの例を
図18~20に関連して記す。第1の例は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、または他のモバイル装置などのモバイル装置に関する。本明細書に記載のタイプの、画像化装置100またはシステム1800などの画像化システムが、モバイル装置のカメラ構成要素として使用されてもよい。
図18は、本明細書に記載のタイプの画像化装置を組み込むモバイル装置1800を示す。
【0182】
携帯電話1800は、3D画像を撮像し、生成するための本明細書において説明されるタイプの画像化装置であってもよい、画像化装置100などのカメラ1802を含む。画像化装置100をカメラ1802として使用することで、本出願の態様により、画像化装置に関連して本明細書において説明される動作の様式などの低電力消費動作が容易にされてもよい。携帯電話1800などのモバイル装置は通常、バッテリー電力から動作し、したがって、多大な電力を消費する構成要素は、このような装置内で使用するには非実用的であり得る。本明細書において説明するタイプの画像化装置は対照的に、電力効率のよい様式でこのような装置内で展開されてもよい。
【0183】
図19は、本明細書において説明するタイプの画像化システムを実装したエンターテイメントシステム1900を示す。エンターテイメントシステム1900は、コンソール1902およびディスプレイ1904を含む。コンソールは、ディスプレイ1104上でビデオゲームの画像を生成するように構成された動画ゲ―ミングコンソールであってもよく、カメラ1906を含んでもよい。カメラ1906は、3D画像を撮像するように構成された、本明細書において説明するタイプの、画像化装置100などの画像化システムであってもよい。
図19の例において、ユーザ1908は、例えばビデオゲームをプレイするために、エンターテイメントシステムとコントローラ1910を介して対話してもよい。カメラ1906はユーザおよび/またはコントローラ画像を撮像してもよく、ユーザまでの距離D1を判定してもよい。ディスプレイ1904上に表示するための、または、エンターテイメントシステムのいくつかの他の態様を制御するための3D画像を生成するために、または距離情報が使用されてもよい。例えば、ユーザ1902は、ハンドジェスチャーでエンターテイメントシステムを制御してもよく、ジェスチャーは距離情報D1の捕捉によって少なくとも部分的に判定されてもよい。
【0184】
本明細書において説明するタイプの画像化システムはまた、ロボット工学において用いられてもよい。
図20は、画像化システム2004を有するロボット2002の例を示す。ロボットは移動可能であってもよく、ロボットのナビゲーションおよび/またはモータ制御するために、画像化システム2004によって収集された情報が使用されてもよい。画像化システム2004は、本明細書において説明するタイプであってもよく、例えばシステムまたは画像化装置100であってもよい。モバイルロボットは通常バッテリーにより電力を供給され、したがって、本明細書において説明する記載の実施形態の少なくともいくつかによって、比較的低い電力で動作してもよい、本明細書において説明するタイプの画像化システムが、ロボットとの統合を容易にしてもよい。
【0185】
図19~20を超えて本明細書において説明する技術の使用例も可能である。例えば、自動車および監視カメラは、本明細書において説明するタイプの3D画像化装置を実装してもよい。
【0186】
「および/または」という語は、本明細書において、また、特許請求の範囲において使用されるように、要素の「いずれかまたは両方」が結合されることを意味する、すなわち、いくつかの場合では、結合し表され、他の場合では、結合せずに表された要素を意味することを理解されるべきである。「およそ」および「約」の用語は、いくつかの実施形態において、ターゲット値の±20%を、いくつかの実施形態において、ターゲット値の±10%を、いくつかの実施形態において、ターゲット値の±5%を、なおかついくつかの実施形態において、ターゲット値の±2%を意味するように使用されてもよい。「およそ」および「約」という用語は、ターゲット値を含んでもよい。
【0187】
時間可変光強度を最適化した飛行時間型深度感知の使用
【0188】
[3飛行時間型カメラを使用した深度感知のためのエネルギー消費の大きな源は、シーンを照明するレーザー(複数可)に電力を供給することから来てもよい。高い信号対雑音比(SNR)を得るためには、カメラセンサが十分な量の光にさらされ、それにより、プラグインされた装置への飛行時間型感知を現在は通常制限する。ドローン感知、拡張現実、自動運転感知などの多数のアプリケーションが、バッテリーで電力供給されたソリューションを必要とする。
【0189】
深度画像の正確性が失われることを最低限に抑えながら電力消費を低減するために、本開示は、低い電力光源を使用して、(すなわち、所定のフレームのためにより少ない光パルスを送信することによって)飛行時間型カメラから得られた低品質の深度画像を高めるための機械学習およびコンピュータビジョンアルゴリズムについて説明する。機械学習技術を使用することによって、高い電力会設定によって収集されたかのようなより高い品質の深度画像を得るために低い電力設定から得られた品質の低い深度画像を使用する考えは、限定されたリソース(例えば、電力、さらされる時間、画素数)で得られたデータをマッピングするために機械学習技術を使用するという、より一般的な考えのサブセットである。他の一例は、低いSNR画像を高いSNR画像として記録されたかもしれないものにマッピングすることであるこのようなリソースの制限はおそらく、制限されたリソースで得られたデータにおいてシステム的な方法で提示されるため、十分なトレーニングデータがある場合に、データドリブン/機械学習手法は、このような差異をうまくモデリングし、相殺する可能性がある。
【0190】
高品質の深度マップを得るため、実施形態は、品質の低い深度画像と合わせて時間に感応しないフレーム(例えば、RGBフレーム)を使用することを含む。一例として、RGBカメラの電力消費は、深度画像のレーザーを用いた撮像のための電力消費を下回り、深度感知の解像度を上げるためにRGBフレームが使用され得る。このようなシステムは、データドリブン手法において、現在のRGB画像および深度マップを考慮して現在のフレームの高品質の深度マップを予測するようにトレーニングされたニューラルネットによってトレーニングされる。さらに電力を節約するために、システムはまた、現在のRGB画像および以前の深度推定値を使用しながら、現在のフレームにおいてどれほど正確に深度を予測できるかを反映する信頼性スコアを出力するようにトレーニングされる。信頼性スコアが低い場合、このようなシステムは、レーザー(または他の照明源)の電源を入れ、かつ/または、低品質の深度マップを得るためにより少ないパルスを使用し得る。この低品質の深度マップは、より高い品質の深度マップを得るためにRGB画像と合わせて使用され得る。
【0191】
実施形態において、画像化装置は画像化センサを使用して、シーンから測定値を得ることができる。「測定値」という用語は、2次元画像および深度画像を撮像することを含み得る(例えば、深度マップを構築するために使用され得る深度情報)。「2次元画像」の用語は、カラー(RGB)画像、グレースケール画像、赤外画像、他の従来の画像などの深度画像ではない任意の画像を含む。
【0192】
少なくとも1つの持続性コンピュータ可読記憶媒体(例えば、コンピュータメモリ、1つ以上のフロッピーディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイまたは他の半導体装置における回路構成など)または、1つ以上のコンピュータまたは他のプロセッサ上での実行時に、本出願の様々な実施形態のうちのいくつかを実行する1つ以上のプログラムを有するコンピュータ可読記憶装置(上述の例を含んでもよい)として、様々な発明概念が具現化されてもよい。
【0193】
「およそ」および「約」の用語は、いくつかの実施形態において、ターゲット値の±20%内を、いくつかの実施形態において、ターゲット値の±10%内を、いくつかの実施形態において、ターゲット値の±5%内を、なおかついくつかの実施形態において、ターゲット値の±2%内を、意味するように使用されてもよい。「およそ」および「約」の用語は、ターゲット値を含んでもよい。
【0194】
上記の明細と同様に、特許請求の範囲において、「を備える」、「を含む」「を運搬する」、「を有する」、「を含む」、「に関する」、「を保持する」、「から構成される」などのすべての移行語は、オープンエンドであり、含むことを意味するが、それに限定されない。「から構成される」、「から本質的に構成される」の移行句はそれぞれ、クローズまたはセミクローズ移行句とする。
【0195】
本出願の技術のいくつかの態様および実施形態についてこのように説明したが、様々な代替、修正、および改善が容易に行われることが、当業者には理解されるべきである。このような代替、修正および改善は本出願において説明する技術の趣旨および範囲内に収まるように意図される。例えば、関数を実行し、かつ/または結果および/または本明細書において説明する利点のうちの1つ以上を得るための様々な他の手段および/または構造を、当業者は容易に思い描き、このような変形例および/または修正のそれぞれは、本明細書において説明する実施形態の範囲に収まるものとみなされる。
【0196】
当業者は、慣例となっている実験でしかないものを使用して、本明細書において説明する特定の実施形態の多数の等価物を認識するか、または確認することができる。したがって、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内で、上述の実施形態例示のみのために提示されており、また、発明的実施形態が、具体的に説明されている以外の方法で実行されてもよいことを理解すべきである。さらに、本明細書において説明する特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法うちの2つ以上の任意の組み合わせは、このようなシステム、物品、材料、キットおよび/または方法が互いに矛盾しない場合、本開示の範囲内に含まれる。
【0197】
上述の実施形態は、任意の多くの方法で実行されてもよい。プロセスまたは方法の性能に関する本出願の1つ以上の態様および実施形態は、プロセスまたは方法の性能を実行するか、または制御するために、装置(例えば、コンピュータ、プロセッサまたは他の装置)によって実行可能なプログラム命令を利用してもよい。この点で、様々な発明的概念が、コンピュータ可読記憶媒体または複数のコンピュータ読み出し可能記憶媒体(コンピュータメモリ、1つ以上のフロッピーディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイまたは他の半導体装置における回路構成などまたは他の有形コンピュータ記憶媒体)または、1つ以上のコンピュータまたは他のプロセッサ上での実行時に、本応用の様々な実施形態のうちのいくつかを実行する1つ以上のプログラムを有するコンピュータ可読記憶装置(上述の例を含んでもよい)として、具現化されてもよい。
【0198】
上述の態様の様々なものを実行するために、記憶されたプログラム(複数可)が1つ以上の異なるコンピュータまたは他のプロセッサに搭載されるように、コンピュータ可読媒体(複数可)は、可搬式であってもよい。いくつかの実施形態において、コンピュータ可読媒体は持続性媒体であってもよい。
【0199】
一般的な意味で、上述の様々な態様を実行するように、コンピュータまたは他のプロセッサをプログラミングするために用いられてもよい、任意のタイプのコンピュータコードまたはコンピュータ実行可能命令のセットを指すために、「プログラム」または「ソフトウェア」が本明細書において使用される。さらに、一態様によると、実行時に本出願の方法を実行する1つ以上のコンピュータプログラムは、本出願の様々な態様を実行するために、単一のコンピュータまたはプロセッサ上にある必要はなく、いくつかの異なるコンピュータまたはプロセッサの間でモジュラ的に分散されてもよいことが理解されるべきである。
【0200】
コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のコンピュータまたは他の装置によって実行されるプログラムモジュールなどの多数の形式であってもよい。概して、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実行するルーチン、プログラム、物体、構成要素、データ構造などを含む。通常、プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態において所望されるように、組み合わせらせるかまたは分散されてもよい。
【0201】
また、データ構造は、任意の好適な形式で、コンピュータ可読媒体に、記憶されてもよい。説明を簡潔にするために、データ構造内の位置を通じて関連するフィールドを有するように、データ構造が示されてもよい。フィールドがコンピュータ可読媒体内に位置し、フィールド間で関係を伝えるように記憶装置を割り当てることで、このような関係が同様に達成されてもよい。しかし、データ構造のフィールド内の情報間で関係を構築するために、データ要素間で関係を構築するポインタ、タグ、または他の機構を含めて、任意の好適な機構が使用されてもよい。る。
【0202】
ソフトウェア内で実行される際に、ソフトウェアコードは、任意の好適なプロセッサまたはプロセッサの集合上で、単一のコンピュータにおいて提供されるか、または複数のコンピュータ間で分散されて実行されてもよい。
【0203】
さらに、コンピュータは、ラック搭載型コンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはタブレットコンピュータなどの任意の数の形式で限定されない例として、具現化されてもよいことが理解されるべきである。さらに、コンピュータは、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、または任意の他の好適な、ポータブルまたは固定電子装置を含む、一般にはコンピュータとは見なされないが、好適な処理能力を有する装置に搭載されてもよい。
【0204】
また、コンピュータは、1つ以上の入力および出力装置を有してもよい。これらの装置はとりわけ、ユーザインターフェースを提示するために使用され得る。出力の視覚的プレゼンテーションのためのプリンタまたはディスプレイスクリーンおよび、出力の聴覚的プレゼンテーションのためのスピーカまたは他の音響生成装置を含むユーザインターフェースを提供するために、出力装置の例が使用されてもよい。ユーザインターフェースのために使用されてもよい入力装置の例は、キーボード、マウスやタッチパッドなどのポインティング装置、およびデジタル化タブレットを含む。別の例として、コンピュータは、発話認識または他の音声フォーマットで情報を受信してもよい。
【0205】
このようなコンピュータは、ローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワーク、企業ネットワーク、インテリジェントネットワーク(IN)またはインターネットを含む1つ以上の任意の好適な形式のネットワークによって相互接続されてもよい。このようなネットワークは、任意の好適な技術に基づいてもよく、任意の好適なプロトコルに従って動作してもよく、無線ネットワークまたは有線ネットワークを含んでもよい。
【0206】
また、説明するように、いくつかの態様が1つ以上の方法で具現化されてもよい。方法の一環として実行される動作は、任意の好適な方法で順序付けられてもよい。したがって、連続した動作が実施形態において例示されているが、例示とは異なる順序で動作が実行され、いくつかの動作が同時に行われることを含んでもよい実施形態が構築されてもよい。
【0207】
本明細書において定義され、使用されるすべての定義は、辞書的な定義、参照のために組み込まれる文書の定義、および/または定義された語の通常の意味を管理すると理解されるべきである。
【0208】
不定冠詞「a」および「an」は、本明細書の明細書および特許請求の範囲において使用される通り、別途明示的に示されない限りは、「少なくとも1つ」を意味すると理解すべきである。
【0209】
「および/または」の語は、本明細書の明細書および特許請求の範囲において使用される通り、そのように結合された要素、すなわちいくつかの場合では、結合し表され、他の場合では、結合せずに表された要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解されるべきである。「および/または」とともに記載される複数の要素は、同じ方法で、すなわち、そのように結合された要素の「1つまたは複数」として解釈されるべきである。「および/または」条項によって特に指定されない要素は、特に指定されたこれらの要素に関連しようとしまいと、任意に提示されてもよい。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「を備える」などのオープンエンド語句に関連して使用される場合、一実施形態においては、Aのみに対して(B以外の要素を任意に含む)、別の実施形態においては、Bのみに対して(A以外の要素を任意に含む)、さらに別の実施形態では、AとBの両方に対して(他の要素を任意に含む)などに関する。
【0210】
本明細書において明細書および特許請求の範囲に使用され、1つ以上の要素のリストを指す「少なくとも1つ」の語は、要素のリストの任意の1つ以上の要素から選択されているが、要素のリスト内で特に言及された1つ1つの要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含まず、要素のリスト上の要素の組み合わせを含まない、少なくとも1つの要素を意味するように理解されるべきである。この定義により、特に指定されたこれらの要素に関連しようとしまいと、「少なくとも1つ」の語で示される要素のリスト内で特に指定された要素以外の要素が任意に提示されてもよい。したがって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または、等しくは、「AまたはBの少なくとも1つ」、または、等しくは、「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、一実施形態において、Bが存在しない状態での、少なくとも1つの、2つ以上を任意に含むA(B以外の要素を任意に含む)、別の実施形態では、Aが存在しない状態での、少なくとも1つの、2つ以上を任意に含むB(A以外の要素を任意に含む)、さらに別の実施形態では、少なくとも1つの、2つ以上を任意に含むAおよび、少なくとも1つの、2つ以上を任意に含むB(他の要素を任意に含む)などを指す。
【0211】
本明細書において使用されるように、特に指定されない限り、「間」の語は包括的である。例えば、「AとBの間」は、特に指定されない限り、AおよびBを含む。
【0212】
また、本明細書において使用されるフレーズや語は、説明のためだけに提示され、限定としてみなされるべきではない。「を含む」、「を備える」または「を有する」、「を含む」、「に関する」およびその変形例の本明細書における使用は、その後に続くものおよびその等価物および付加的なものを包含することを意味する。
【0213】
上記の明細と同様に、特許請求の範囲において、「を備える」、「を含む」「を持っている」、「を有する」、「を含む」、「に関する」、「を保持する」、「から構成される」などのすべての移行語は、オープンエンドであり、含むことを意味するが、それに限定されない。「から構成される」、「から本質的に構成される」の移行句はそれぞれ、クローズまたはセミクローズ移行句とする。
【0214】
したがって本発明は、上述の特定の実施形態に限定されると見なされるべきではない。本開示を検討することにより、本発明が適用可能である、様々な変形例、同等のプロセスおよび多数の構造が、当業者には容易に明白になるであろう。