(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】複合体、その調製方法およびリチウムイオン二次電池における使用
(51)【国際特許分類】
H01M 4/38 20060101AFI20220627BHJP
C01B 33/113 20060101ALI20220627BHJP
C01B 33/32 20060101ALI20220627BHJP
H01M 4/36 20060101ALI20220627BHJP
H01M 4/48 20100101ALI20220627BHJP
H01M 4/485 20100101ALI20220627BHJP
【FI】
H01M4/38 Z
C01B33/113 A
C01B33/32
H01M4/36 A
H01M4/36 C
H01M4/36 E
H01M4/48
H01M4/485
(21)【出願番号】P 2019526361
(86)(22)【出願日】2018-02-27
(86)【国際出願番号】 CN2018077445
(87)【国際公開番号】W WO2018161821
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2019-01-30
【審判番号】
【審判請求日】2021-02-08
(31)【優先権主張番号】201710127281.0
(32)【優先日】2017-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520417045
【氏名又は名称】貝特瑞新材料集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BTR NEW MATERIAL GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7A, 7B, and 8, High-Tech Industrial Park, Xitian Community, Gongming Office, Guangming New District Shenzhen, Guangdong 518106 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲パン▼春雷
(72)【発明者】
【氏名】屈麗娟
(72)【発明者】
【氏名】任建国
(72)【発明者】
【氏名】岳敏
【合議体】
【審判長】山田 正文
【審判官】須原 宏光
【審判官】山本 章裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/136180(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0260967(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00-4/62
C01B33/113
C01B33/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Si-O-C-Li複合体であって、ナノケイ素と、ケイ素酸素リチウム化合物と、カーボンコーティングとを含み、前記ケイ素酸素リチウム化合物は部分的に結晶化したものであり、
前記複合体が酸化ケイ素を更に含み、
前記複合体は、ナノケイ素がケイ素酸素リチウム化合物に分散して融合粒子を形成し、前記融合粒子が海島状の形式で酸化ケイ素からなるマトリックスに分散して複合粒子を形成し、前記カーボンコーティングが前記複合粒子の表面に被覆された構造となる、複合体。
【請求項2】
前記酸化ケイ素の化学組成はSiO
xで、0<x<2である、請求項
1に記載の複合体。
【請求項3】
前記複合体は、以下の(1)~(6):
(1)前記ケイ素酸素リチウム化合物は、Li
2SiO
3、Li
4SiO
4、Li
2Si
2O
5、Li
2Si
3O
7のいずれか1種または少なくとも2種の混合物を含むこと、
(2)前記カーボンコーティングの厚みは3~800nmであること、
(3)前記カーボンコーティングは硬質炭素を含むこと、
(4)前記カーボンコーティングは、炭素マトリックスと、前記炭素マトリックスに埋め込まれたカーボンナノチューブおよび/またはグラフェンシート層とを含み、前記炭素マトリックスは、有機炭素源が炭化処理により分解されたものであること、
(5)前記カーボンコーティングの全質量を100wt%として計算すると、前記カーボンコーティングにおけるカーボンナノチューブおよび/またはグラフェンシート層の質量%は0.05~20wt%であること、
(6)前記複合体の全質量を100wt%として計算すると、前記カーボンコーティングの質量%は0.1~50wt%であること、
の少なくとも1つを含む、請求項1
又は2に記載の複合体。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれか1項に記載の複合体の調製方法であって、
(1)炭素被覆酸化ケイ素とリチウム源とを固相混合の方式で混合し、一次処理を実現し、プレリチウム前駆体を形成するステップと、
(2)プレリチウム前駆体を真空または非酸化性雰囲気下で熱処理し、構造調整と二次処理を実現し、複合体を得、
(3)前記複合体に表面処理を施し、
ステップ(2)で得られた複合体の表面の残留リチウムまたはリチウム含有化合物を除去し、または表面の残留リチウムまたはリチウム含有化合物を内部に複合し、表面処理された複合体、即ち、請求項1~
3のいずれか1項に記載の複合体を形成するステップと、
を含み、
前記表面処理の方式は、不純物除去、被覆、コーティング、メッキまたはスプレーのいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせであり、
前記不純物除去の方式は、洗浄または浸漬から選ばれるいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせであり、前記洗浄または前記浸漬は不純物除去溶液を用いて行われ、
前記被覆、コーティング、メッキまたはスプレーに用いられる物質は、炭素層と高分子である、
複合体の調製方法。
【請求項5】
前記ナノケイ素は、前記炭素被覆酸化ケイ素からインサイチュ還元により成長したものである、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(1)における前記リチウム源は、アルカリ性を有するリチウム含有化合物、還元性を有するリチウム含有化合物、またはリチウム単体のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせである、請求項
4又は
5に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(1)における前記炭素被覆酸化ケイ素は、酸化ケイ素と、酸化ケイ素の表面に被覆されたカーボンコーティングとを含み、前記方法は、以下の(1)~(17):
(1)前記酸化ケイ素の化学組成はSiO
xで、0<x<2であること、
(2)前記カーボンコーティングの厚みは3~800nmであること、
(3)前記カーボンコーティングは硬質炭素を含むこと、
(4)前記カーボンコーティングは、炭素マトリックスと、前記炭素マトリックスに埋め込まれたカーボンナノチューブおよび/またはグラフェンシート層とを含み、前記炭素マトリックスは、有機炭素源が炭化処理により分解されたものであること、
(5)前記有機炭素源は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アスファルト、コールタール、ポリチオフェン、ポリオレフィン、糖類、ポリヒドロキシアルコール類、フェノール樹脂誘導体、エポキシ樹脂誘導体、ポリウレタン誘導体、アスファルト誘導体、コールタール誘導体、ポリチオフェン誘導体、糖類誘導体またはポリヒドロキシアルコール類誘導体のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含むこと、
(6)前記炭化処理の温度は500~1300℃であること、
(7)前記炭化処理の時間は1~10hであること、
(8)前記カーボンコーティングの全質量を100wt%として計算すると、前記カーボンコーティングにおけるカーボンナノチューブおよび/またはグラフェンシート層の質量%は0.05~20wt%であること、
(9)ステップ(1)における前記炭素被覆酸化ケイ素において、前記酸化ケイ素と前記カーボンコーティングとの質量比は100:(2~15)であること、
(10)ステップ(1)における前記炭素被覆酸化ケイ素と前記リチウム源との質量比は1:(0.01~0.3)であること、
(11)ステップ(1)における前記固相混合の方式は、ボールミル、VC混合、融合、混練、混捏または分散のいずれか1種または少なくとも2種の方式の組み合わせを含むこと、
(12)ステップ(1)における前記混合の時間は2~12hであること、
(13)前記混練は真空条件下で行うこと、
(14)前記分散に用いられる装置は高速分散機であること、
(15)ステップ(2)における前記非酸化性雰囲気は、水素ガス雰囲気、窒素ガス雰囲気、ヘリウムガス雰囲気、ネオンガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気、クリプトンガス雰囲気、またはキセノンガス雰囲気のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含むこと、
(16)ステップ(2)における前記熱処理の温度は160~1000℃であること、
(17)ステップ(2)における前記熱処理の時間は2~12hであること、
の少なくとも1つを含む、請求項
5又は
6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1~
3のいずれか1項に記載の複合体を含む、負極材料。
【請求項9】
請求項1~
3のいずれか1項に記載の複合体を含む、リチウムイオン二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池の負極材料の分野に属し、複合体、その調製方法および使用に関し、例えば、Si-O-C-Li複合体、その調製方法およびリチウムイオン二次電池における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池は、携帯電子製品、電動交通機関およびエネルギー貯蔵に広く応用されている。しかし、初回充電時に、電解液が不安定して電極表面にSEI膜を形成し、大量のリチウムを消費するため、初回クーロン効率が低下する。黒鉛は初回サイクルで、SEI膜を形成するために5~20%のリチウムを用いることに対し、Si、Sn、SiOxは20~50%のリチウムを消費する必要がある。これに対し、科学研究者は、ナノワイヤ、多孔質ナノ構造、および炭素被覆等を調製するような一連の最適化設計を行った。サイクル性能が改善されたが、電解液との接触面積が増大し、初回効率が低下し、正極材料が大量に消費され、エネルギー密度が低下した。明らかに、負極材料に対してリチウム補充を事前に施さざるを得ない。
【0003】
現在では、SiOxにリチウムをドープする方法は、主に、極板表面にリチウム層を直接コーティングする方法、極板表面にリチウムを電気化学的にメッキする方法、またはリチウム化合物を混合してから焼成する方法という3種類がある。選択されたリチウム源は、主に金属リチウム単体に集中し、LiOHおよびLiHを試みる部分もある。
【0004】
特許文献1は、リチウム含有酸化ケイ素粉末およびその製造方法を開示し、SiOガスを生成できる原料粉末と金属リチウムまたはリチウム化合物粉末との混合物を800~1300℃で焼成し、得られたリチウム含有酸化ケイ素粉末は材料の容量と初回効率を向上させることができる。しかし、原料の合成段階では、リチウム源が導入され、Si結晶粒の成長が大きく促進され、サイクルが低下する。
【0005】
特許文献2は、一酸化ケイ素と金属リチウムとを高エネルギーボールミルしてから真空熱処理し、ケイ素/リチウム富化相複合負極材料を得て、その比容量とサイクルを改善する高エネルギーボールミルでリチウム二次電池のケイ素/リチウム富化相複合負極材料を調製する方法を開示する。しかし、露出した一酸化ケイ素を金属リチウムと直接反応させると、生成されたLi2Oは吸湿、反応しやすく、材料の後期安定性に影響を及ぼし、量産を実現しにくい。
【0006】
特許文献3は、溶剤が存在する場合、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なSi系材料とリチウム金属とを混練混合し、さらに熱処理を施してケイ酸リチウムを形成し、リチウムがプレドープされた負極材料を製造する蓄電デバイス用負極材料およびその調製方法を開示する。しかし、生成されたケイ酸リチウム相は二次処理されず、強アルカリ性を示し、後加工されにくく、大量に使用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】中国特許出願公告第1246917号
【文献】中国特許出願公告第100434362号
【文献】中国特許出願公開第103840136号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する主題の概要である。本概要は、請求項の保護範囲を制限するためのものではない。
【0009】
本発明は、複合体、その調製方法、該複合体を含む負極材料およびリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。本発明の調製方法は簡単で、装置に対する要求が低く、コストが安く、得られた複合体は構造が安定し、空気等の成分が粒子内部に侵入して活性成分が失効することを効果的に回避することができ、長期間保存されても構造と性質が劣化しない。該複合体を含む負極材料を電池に作製すると、高い脱リチウム容量、高い初回クーロン効率、および良好なサイクル性能を示し、充電容量が1920mAh/g以上であり、放電容量が1768mAh/g以上であり、初回効率が90.2%以上である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術案を採用する。
【0011】
第1の態様では、本発明は、ナノケイ素と、リチウム含有化合物と、カーボンコーティングとを含む複合体を提供し、特に、Si-O-C-Li複合体に関する。
【0012】
本発明に係る複合体の好ましい技術案として、前記複合体は酸化ケイ素を更に含み、すなわち、前記複合体はナノケイ素と、酸化ケイ素と、リチウム含有化合物と、カーボンコーティングとを含む。
【0013】
この好ましい技術案において、前記酸化ケイ素の化学組成はSiOxで、0<x<2であり、ここで、xの値は0.1、0.2、0.5、0.6、0.8、1、1.2、1.5、1.75、または1.8等であってもよい。
【0014】
本発明において、ナノケイ素は、酸化ケイ素および酸化ケイ素の表面に被覆されたカーボンコーティングを含む炭素被覆酸化ケイ素からインサイチュ還元により成長したものである。
【0015】
本発明において、炭素被覆酸化ケイ素と還元剤を原料とし、一次処理と熱処理等のステップを経て、還元剤とカーボンコーティング内部の酸化ケイ素とが酸化還元反応を起こし、インサイチュ還元によりナノケイ素が成長し、且つリチウム含有化合物を生成する。
【0016】
本発明において、ナノケイ素が炭素被覆酸化ケイ素からインサイチュ還元により成長したものであるため、ナノケイ素と反応してなるリチウム含有化合物との間には明確な界面がなく、このような構造的特徴は本発明の調製方法と密接に関連する。
【0017】
本発明の方法は、ナノケイ素間の凝集問題を効果的に減少し、更に回避することができるため、電池に適用する過程でのケイ素の膨張問題を低減し、電池のサイクル寿命を向上させる。
【0018】
本発明のナノケイ素の直径はナノメートルオーダーにある。
【0019】
本発明では、複合体は、ナノケイ素と、リチウム含有化合物と、カーボンコーティングとを含む場合、前記複合体は、ナノケイ素が海島状の形式でリチウム含有化合物からなるマトリックスに分散し、融合粒子を形成し、前記カーボンコーティングが前記融合粒子の表面に被覆された構造となる。それにより、複合体(該複合体の構造の模式図は
図1を参照する)を得る。
【0020】
本発明の好ましい技術案において、前記「ナノケイ素が海島状の形式でリチウム含有化合物からなるマトリックスに分散する」とは、ナノケイ素の四方八方がリチウム含有化合物からなるマトリックスに囲まれていることを意味する。
【0021】
本発明に係る複合体の好ましい技術案として、複合体は、酸化ケイ素を更に含み、すなわち、前記複合体はナノケイ素と、酸化ケイ素と、リチウム含有化合物と、カーボンコーティングとを含む場合、前記複合体は、ナノケイ素がリチウム含有化合物に分散し、融合粒子を形成し、前記融合粒子が海島状の形式で酸化ケイ素からなるマトリックスに分散し、複合粒子を形成し、前記カーボンコーティングが前記複合粒子の表面に被覆された構造となる。それにより、複合体(該複合体の構造の模式図は
図2を参照する)を得る。
【0022】
本発明の好ましい技術案において、前記「融合粒子が海島状の形式で酸化ケイ素からなるマトリックスに分散する」とは、融合粒子の四方八方が酸化ケイ素からなるマトリックスに囲まれていることを意味する。
【0023】
本発明の好ましい技術案において、ナノケイ素が炭素被覆酸化ケイ素からインサイチュ還元により成長したものであるため、ナノケイ素と反応してなるリチウム含有化合物との間には明確な界面がなく、このような構造的特徴は本発明の調製方法と密接に関連する。
【0024】
本発明において、前記リチウム含有化合物は、Li-Si化合物、Li-O化合物、またはケイ素酸素リチウム化合物(Li-Si-O化合物)のいずれか1種または少なくとも2種の混合物を指し、好ましくはケイ素酸素リチウム化合物である。
【0025】
好ましくは、前記ケイ素酸素リチウム化合物は、Li2SiO3、Li4SiO4、Li2Si2O5またはLi2Si3O7のいずれか1種または少なくとも2種の混合物を含み、例えば、Li2SiO3とLi4SiO4との混合物、Li2SiO3とLi2Si2O5との混合物、Li4SiO4とLi2Si3O7との混合物、Li2SiO3とLi2Si2O5とLi2Si3O7との混合物等である。
【0026】
好ましくは、前記ケイ素酸素リチウム化合物は部分的に結晶化したものである。
【0027】
好ましくは、前記カーボンコーティングの厚みは3~800nmであり、例えば、3nm、5nm、10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、85nm、90nm、100nm、110nm、120nm、135nm、145nm、160nm、175nm、190nm、200nm、215nm、225nm、245nm、260nm、280nm、300nm、320nm、340nm、360nm、380nm、400nm、415nm、430nm、450nm、475nm、500nm、520nm、540nm、560nm、580nm、600nm、625nm、650nm、680nm、700nm、730nm、750nm、775nmまたは800nm等で、好ましくは10~500nmである。
【0028】
好ましくは、前記カーボンコーティングは硬質炭素を含む。
【0029】
好ましくは、前記カーボンコーティングは、炭素マトリックスと、炭素マトリックスに埋め込まれたカーボンナノチューブおよび/またはグラフェンシート層とを含み、前記炭素マトリックスは、有機炭素源が炭化処理により分解されたものである。
【0030】
好ましくは、前記カーボンコーティングの全質量を100wt%として計算すると、前記カーボンコーティングにおけるカーボンナノチューブおよび/またはグラフェンシート層の質量%は0.05~20wt%であり、例えば、0.05wt%、0.1wt%、0.2wt%、0.25wt%、0.4wt%、0.55wt%、0.6wt%、0.8wt%、1wt%、1.5wt%、2wt%、3wt%、3.5wt%、4wt%、5wt%、6wt%、7wt%、7.5wt%、8.5wt%、9wt%、10wt%、11wt%、12.5wt%、14wt%、15wt%、16wt%、17wt%、18wt%、19wt%または20wt%等である。
【0031】
好ましくは、前記複合体の全質量を100wt%として計算すると、前記カーボンコーティングの質量%は0.1~50wt%、例えば、0.1wt%、0.3wt%、0.5wt%、1wt%、2wt%、2.5wt%、3wt%、5wt%、7wt%、10wt%、12wt%、14wt%、16wt%、18wt%、20wt%、23wt%、25wt%、30wt%、33wt%、36wt%、40wt%、42wt%、45wt%、48wt%または50wt%等で、更に好ましくは1~20wt%である。
【0032】
本発明に係る複合体は、空気中で長期間保存されても構造が安定し、前記「長期間」とは、時間が7日以上であることを意味する。
【0033】
第2の態様では、本発明は、第1の態様に記載の複合体の調製方法であって、
(1)炭素被覆酸化ケイ素とリチウム源とを固相混合の方式で混合し、一次処理を実現し、プレリチウム前駆体を形成するステップと、
(2)プレリチウム前駆体を真空または非酸化性雰囲気下で熱処理し、構造調整と二次処理を実現し、複合体を形成するステップと
を含む調製方法を提供する。
【0034】
本発明において、ステップ(1)における前記炭素被覆酸化ケイ素は酸化ケイ素と、酸化ケイ素の表面に被覆されたカーボンコーティングとを含む。
【0035】
本発明のステップ(1)において、リチウム源とカーボンコーティングの内部の酸化ケイ素とが酸化還元反応を起こし、インサイチュ酸化還元によりナノケイ素およびリチウム含有化合物が成長したため、この2種類の反応生成物の間には互いに明確な界面がない。
【0036】
本発明の方法により、ナノケイ素間の凝集問題を効果的に減少し、更に回避することができるため、電池に適用する過程でのケイ素の膨張問題を低減し、電池のサイクル寿命を向上させる。
【0037】
好ましい技術案として、前記方法は、ステップ(2)の熱処理の後に、複合体に表面処理を施すステップを更に含み、表面処理された複合体を得る。
【0038】
好ましくは、前記表面処理の方式は、不純物除去、被覆、コーティング、メッキまたはスプレーのいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせである。
【0039】
好ましくは、前記不純物除去の方式は、洗浄または浸漬から選ばれるいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせである。
【0040】
該表面処理ステップにより、ステップ(2)で得られた複合体の表面の残留リチウムまたはリチウム含有化合物を除去し、または表面の残留リチウムまたはリチウム含有化合物を内部に複合することができる。
【0041】
残留リチウムまたはリチウム含有化合物を除去することができる方式としては、例えば、不純物除去方式(洗浄または浸漬等)であり、例えば、複合体を不純物除去溶液に浸漬して処理してもよい。
【0042】
残留リチウムまたはリチウム含有化合物を材料の内部に複合することができる方式としては、例えば、被覆、コーティング、メッキまたはスプレー等である。被覆、コーティング、メッキまたはスプレーする物質は、炭素層と高分子等であってもよいが、これらに限定されない。
【0043】
好ましくは、前記酸化ケイ素の化学組成はSiOxで、0<x<2であり、例示的に、xの値は0.3、0.5、0.8、1、1.2、1.5、1.75または1.8等であってもよい。
【0044】
好ましくは、前記カーボンコーティングの厚みは3~800nmであり、例えば、3nm、10nm、20nm、40nm、50nm、70nm、100nm、120nm、140nm、200nm、220nm、240nm、265nm、290nm、320nm、350nm、400nm、425nm、450nm、480nm、500nm、550nm、575nm、600nm、650nm、675nm、700nm、750nmまたは800nm等で、好ましくは10~500nmである。
【0045】
好ましくは、前記カーボンコーティングは硬質炭素を含む。
【0046】
好ましくは、前記カーボンコーティングは、炭素マトリックスと、炭素マトリックスに埋め込まれたカーボンナノチューブおよび/またはグラフェンシート層とを含み、前記炭素マトリックスは、有機炭素源が炭化処理により分解されたものである。
【0047】
本発明に係る「カーボンナノチューブおよび/またはグラフェンシート層」とは、カーボンナノチューブであってもよく、グラフェンシート層であってもよく、カーボンナノチューブとグラフェンシート層との混合物であってもよい。
【0048】
好ましくは、前記有機炭素源は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アスファルト、コールタール、ポリチオフェン、ポリオレフィン、糖類、ポリヒドロキシアルコール類、フェノール樹脂誘導体、エポキシ樹脂誘導体、ポリウレタン誘導体、アスファルト誘導体、コールタール誘導体、ポリチオフェン誘導体、糖類誘導体またはポリヒドロキシアルコール類誘導体のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含む。
【0049】
好ましくは、前記炭化処理の温度は500~1300℃であり、例えば、500℃、550℃、600℃、625℃、650℃、700℃、750℃、800℃、900℃、1000℃、1100℃、1150℃、1250℃または1300℃等で、好ましくは600~1000℃である。
【0050】
好ましくは、前記炭化処理の時間は1~10hであり、例えば、1h、1.5h、2h、3h、4h、5h、6h、8h、9hまたは10h等で、好ましくは2~6hである。
【0051】
好ましくは、前記カーボンコーティングの全質量を100wt%として計算すると、前記カーボンコーティングにおけるカーボンナノチューブおよび/またはグラフェンシート層の質量%は0.05~20wt%であり、例えば、0.05wt%、0.1wt%、0.3wt%、0.5wt%、0.8wt%、1wt%、1.5wt%、2wt%、3wt%、4wt%、5wt%、6wt%、7wt%、7.5wt%、8.5wt%、9wt%、10wt%、11wt%、12.5wt%、14wt%、15wt%、16wt%、17wt%、18wt%、19wt%または20wt%等である。
【0052】
好ましくは、ステップ(1)における前記炭素被覆酸化ケイ素において、前記酸化ケイ素と前記カーボンコーティングとの質量比は100:(2~15)であり、例えば、100:2、100:3、100:5、100:6.5、100:8、100:9、100:10、100:12、100:13、100:14または100:15等である。
【0053】
好ましくは、ステップ(1)における前記リチウム源は、強アルカリ性を有するリチウム含有化合物、還元性を有するリチウム含有化合物またはリチウム単体であり、前記「強アルカリ性を有するリチウム含有化合物」とは、該1Mの該リチウム含有化合物の水溶液のpH>10であることを意味する。例えば、LiNH2、Li2CO3、酸化リチウム、金属リチウム、水素化リチウム、水酸化リチウム、酢酸リチウム、シュウ酸リチウム、ギ酸リチウム、フェニルリチウム、アルキルリチウム、t-ブチルリチウム、n-ブチルリチウムまたはリチウム-t-ブトキシド等であり、もちろん、上記例示された物質に限定されず、同じ効果が達成可能な他の物質も本発明に用いることができる。
【0054】
好ましくは、ステップ(1)における前記炭素被覆酸化ケイ素とリチウム源との質量比は1:(0.01~0.3)であり、好ましくは1:(0.05~0.2)で、例えば、1:0.01、1:0.03、1:0.05、1:0.08、1:0.1、1:0.12、1:0.15、1:0.17、1:0.2、1:0.23、1:0.25、1:0.26、1:0.28または1:0.3等である。
【0055】
好ましくは、ステップ(1)における前記固相混合の方式は、ボールミル、VC混合、融合、混練、混捏または分散のいずれか1種または少なくとも2種の方式の組み合わせを含む。
【0056】
好ましくは、ステップ(1)の混合の時間は2~12hであり、例えば、2h、2.5h、3h、3.5h、4h、5h、5.5h、6h、8h、9h、10hまたは12h等である。
【0057】
好ましくは、前記混練は真空条件下で行う。
【0058】
好ましくは、前記分散に用いられる装置は高速分散機である。
【0059】
本発明のステップ(1)は固相混合の方式で混合することにより、リチウム源と炭素被覆酸化ケイ素とを十分に接触させ、分散が更に均一となり、一次処理を実現し、プレリチウム前駆体を得る。
【0060】
好ましくは、ステップ(2)における前記非酸化性雰囲気は、水素ガス雰囲気、窒素ガス雰囲気、ヘリウムガス雰囲気、ネオンガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気、クリプトンガス雰囲気、またはキセノンガス雰囲気のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含む。
【0061】
好ましくは、ステップ(2)における前記熱処理の温度は160~1000℃であり、例えば、160℃、200℃、230℃、265℃、300℃、350℃、450℃、500℃、550℃、600℃、700℃、750℃、850℃、900℃または1000℃等で、好ましくは300~900℃であり、更に好ましくは400~860℃である。
【0062】
好ましくは、ステップ(2)における前記熱処理の時間は2~12hであり、例えば、2h、3h、3.5h、4h、5h、5.5h、6h、7h、8h、9.5h、10.5h、11hまたは12h等で、好ましくは2~9hである。
【0063】
本発明は、ステップ(2)を経て真空または非酸化性雰囲気下で熱処理し、リチウム源が炭素被覆酸化ケイ素の内部に侵入して酸化ケイ素とインサイチュ反応し、ナノケイ素を還元し、且つリチウム含有化合物を生成することで、カーボンコーティング内部の物質の種類が調整され、更に生成物構造の調整も実現し、本発明の複合体(Si-O-C-Li複合体)を得る。
【0064】
好ましくは、続いて、複合体に表面処理を施し、表面処理された複合体(Si-O-C-Li複合体でもある)を得る。
【0065】
複合体にナノケイ素と、酸化ケイ素と、リチウム含有化合物と、カーボンコーティングとが含まれる場合、原料である炭素被覆酸化ケイ素における酸化ケイ素が完全に反応したことではなく、残留酸化ケイ素があることを表す。
【0066】
複合体にナノケイ素と、リチウム含有化合物と、カーボンコーティングとが含まれるが、酸化ケイ素が含まれない場合、原料である炭素被覆酸化ケイ素における酸化ケイ素が完全に反応し、残留酸化ケイ素がないことを表す。
【0067】
第3の態様では、本発明は、第1の態様に記載の複合体を含む負極材料を提供する。
【0068】
第4の態様では、本発明は、第1の態様に記載の複合体の、リチウムイオン二次電池の調製としての使用を提供する。
【0069】
リチウムイオン二次電池は、第3の態様に記載の負極材料を含む。該負極材料は、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な炭素材料と混合して使用することができる。
【発明の効果】
【0070】
従来技術と比べ、本発明は以下のような有益な効果を有する。
【0071】
(1)本発明は、炭素被覆酸化ケイ素と特定のリチウム源とを固相混合の方式で混合し、さらに特定の条件下で熱処理し、最後に表面処理することにより、性能に優れた複合体を調製する。本発明の方法は、加工過程が環境に優しく、有毒有害な中間生成物の生成がなく、且つ、原料が入手しやすく、プロセスが簡単で、装置に対する要求が低く、コストが安く、大規模な商業生産に適用しやすい。
【0072】
(2)本発明のSi-O-C-Li複合体において、酸化ケイ素を含むか否かにより、下記の2種類の構造に分けられる。複合体がナノケイ素と、リチウム含有化合物と、カーボンコーティングとを含む場合、前記複合体は、ナノケイ素が海島状の形式でリチウム含有化合物からなるマトリックスに分散し、融合粒子を形成し、前記カーボンコーティングが前記融合粒子の表面に被覆された構造となる。前記複合体がナノケイ素と、酸化ケイ素と、リチウム含有化合物と、カーボンコーティングとを含む場合、前記複合体は、ナノケイ素がリチウム含有化合物に分散し、融合粒子を形成し、前記融合粒子が海島状の形式で酸化ケイ素からなるマトリックスに分散し、複合粒子を形成し、前記カーボンコーティングが前記複合粒子の表面に被覆された構造となる。
【0073】
本発明では、ナノケイ素が海島状の形式でリチウム含有化合物からなるマトリックスに分散する構造、または、ナノケイ素がまずリチウム含有化合物に分散した後、得られた融合粒子が更に海島状の形式で酸化ケイ素からなるマトリックスに分散する構造という2種類の構造において、ナノSiはいずれも近くの基体に埋め込まれ、互いに凝集することがなく、更に直接露出することがないため、ケイ素の体積膨張の問題を緩和することができる。本発明の複合体は構造が安定し、空気等の成分が粒子内部に侵入して活性成分が失効することを回避することができ、該複合体は長期間保存されても構造と性能が劣化しない。
【0074】
(3)本発明の複合体は構造が安定し、性能に優れ、リチウムイオン二次電池の負極材料に特に適合し、インサイチュで生成されたリチウム含有化合物により電解液を隔離し、且つ材料における不可逆的なリチウム消費相を予め反応させる。一方、初回充放電過程における不可逆的なリチウム損失を低減し、容量と初回クーロン効率を向上させることができる。他方、本発明の複合体の構造は、リチウムイオン二次電池に適用する時のSiの膨張問題を効果的に抑制し、極板の膨張を低減し、サイクル寿命を延ばすことができる。該複合体を含む負極を用いてリチウムイオン二次電池を作製すると、高いリチウム吸蔵放出容量、高い初回クーロン効率、および良好なサイクル性能を示し、充電容量が1920mAh/g以上であり、放電容量が1768mAh/g以上であり、初回効率が90.2%以上である。
【0075】
(4)また、本発明に係る複合体を含む負極材料は、リチウムを吸蔵・放出する能力を有する他の負極材料と複合的に使用することができ、良好な応用の見通しを有する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【
図1】複合体がナノケイ素と、リチウム含有化合物と、カーボンコーティングとを含む場合の複合体の構造模式図であり、ここで、1がカーボンコーティングで、2がリチウム含有化合物で、3がナノケイ素である。
【
図2】複合体がナノケイ素と、酸化ケイ素と、リチウム含有化合物と、カーボンコーティングとを含む場合の複合体の構造模式図であり、ここで、1がカーボンコーティングで、2がリチウム含有化合物で、3がナノケイ素で、4が酸化ケイ素である。
【
図3】本発明の実施例1に係る複合体のSEM図である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下、図面を参照しながら具体的な実施形態により、本発明の技術案を更に説明する。
【0078】
実施例1
表面にカーボンコーティングを有するSiOx(x=0.95)を50g、リチウム源であるLiNH2を12.5g取り、高速分散して均一になるまで混合し、その後、アルゴンガス雰囲気に置いて500℃で2h熱処理し、室温まで自然冷却して複合体を取り出し、その後、浸漬の方式で不純物除去して乾燥し、表面処理された複合体を得た。
【0079】
図3は本実施例に係る複合体のSEM図であり、図から分かるように、粒子には、ナノケイ素が埋め込まれたリチウム含有化合物から形成された濃色領域が均一に分布され、ナノケイ素が埋め込まれたリチウム含有化合物を島とし、酸化ケイ素を海とする海島構造を構成する。
【0080】
実施例2
表面にカーボンコーティングを有するSiOx(x=0.95)を500g、リチウム源であるLi2CO3を125g取り、高速分散して均一になるまで混合し、その後、アルゴンガス雰囲気に置いて500℃で2h熱処理し、室温まで自然冷却して複合体を取り出し、その後、浸漬の方式で不純物除去して乾燥し、表面処理された複合体を得た。
【0081】
実施例3
表面に炭素被覆層を有するSiOx(x=0.95)を50g、リチウム源である金属リチウム粉末を10.8g取り、真空状態で3h混練し、その後、アルゴンガス雰囲気に置いて500℃で2h熱処理し、室温まで自然冷却して複合体を取り出し、その後、浸漬の方式で不純物除去して乾燥し、表面処理された複合体を得た。
【0082】
実施例4
表面に炭素被覆層を有するSiOx(x=0.95)を500g、リチウム源である酸化リチウム粉末を108g取り、真空状態で3h混練し、その後、アルゴンガス雰囲気に置いて500℃で2h熱処理し、室温まで自然冷却して複合体を取り出し、その後、浸漬の方式で不純物除去して乾燥し、表面処理された複合体を得た。
【0083】
実施例5
表面に炭素被覆層を有するSiOx(x=0.5)を500g、リチウム源である金属リチウム粉末を108g取り、8hボールミルし、その後、アルゴンガス雰囲気に置いて800℃で1.5h熱処理し、室温まで自然冷却して複合体を取り出し、その後、浸漬の方式で不純物除去して乾燥し、表面処理された複合体を得た。
【0084】
実施例6
表面にカーボンコーティングを有するSiOx(x=1.5)を100g、リチウム源であるLiNH2を30g取り、高速分散して均一になるまで混合し、その後、窒素ガス雰囲気に置いて300℃で6h熱処理し、室温まで自然冷却して複合体を取り出し、その後、浸漬の方式で不純物除去して乾燥し、表面処理された複合体を得た。
【0085】
実施例7
表面にカーボンコーティングを有するSiOx(x=0.7)を200g、リチウム源であるLi2CO3を45gとり、2hVC混合し、その後、アルゴンガス雰囲気に置いて900℃で2h熱処理し、室温まで自然冷却して複合体を取り出し、更に該複合体の表面に高分子膜をスプレーし、濾過して乾燥し、表面処理された複合体を得た。
【0086】
比較例1
50gのSiOと6.3gのクエン酸とを均一に混合した後、窒素雰囲気の箱形炉に置いて焼成し、焼成温度が800℃であり、2h保温してから室温まで自然冷却し、炭素被覆層を有するSiO原料を得た。
【0087】
電気化学的性能テスト
実施例1~7および比較例で調製されたリチウムイオン二次電池の負極材料をそれぞれ活物質とし、PIを粘着剤とし、導電性カーボンブラックを添加した後、撹拌してスラリーを作製し、銅箔にコーティングし、最後に乾燥圧延して負極シートを作製し、活物質:導電剤:粘着剤=85:15:10である。金属リチウムシートを対電極とし、PP/PEを隔膜とし、LiPF6/EC+DEC+DMC(ECとDECとDMCとの体積比が1:1:1である)を電解液とし、アルゴンガスを充填したグローブボックスに模擬電池を搭載した。藍電(Blue power)と新威(Neware)の5V/10mA型の電池テスターを用いて電池の電気化学的性能をテストし、充放電電圧が1.5Vで、充放電レートが0.1Cであり、テスト結果を表1に示す。
【0088】
【0089】
実施例1~7と比較例1の比較から、本発明の複合体を含む負極を用いてリチウムイオン二次電池を作製すると、高いリチウム吸蔵放出容量、高い初回クーロン効率、および良好なサイクル性能を示し、充電容量が1920mAh/g以上であり、放電容量が1768mAh/g以上であり、初回効率が90.2%以上であり、電気化学的性能は従来の炭素被覆SiO負極材料で作製された電池よりも明らかに優れていることが分かった。
【0090】
本発明は上記実施例により本発明の詳細な方法を説明したが、本発明は上記詳細な方法に限定されず、すなわち、本発明は必ず上記詳細な方法に依存して実施しなければならないことを意味していないことを出願人より声明する。当業者であれば、本発明に対するいかなる改善、本発明の製品の各原料に対する等価置換および補助成分の添加、具体的な方式の選択等は、全て本発明の保護範囲および開示範囲内に含まれることが理解すべきである。