(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】バッテリユニット及び香味吸引器
(51)【国際特許分類】
A24F 40/51 20200101AFI20220627BHJP
A24F 40/30 20200101ALI20220627BHJP
A24F 40/53 20200101ALI20220627BHJP
A24F 47/00 20200101ALI20220627BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/30
A24F40/53
A24F47/00
(21)【出願番号】P 2019545437
(86)(22)【出願日】2017-09-27
(86)【国際出願番号】 JP2017034871
(87)【国際公開番号】W WO2019064364
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2020-01-29
【審判番号】
【審判請求日】2021-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】山田 学
(72)【発明者】
【氏名】赤尾 剛志
【合議体】
【審判長】平城 俊雅
【審判官】河内 誠
【審判官】林 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/109868(WO,A1)
【文献】特開2009-123700(JP,A)
【文献】特開2011-119254(JP,A)
【文献】特開2001-351594(JP,A)
【文献】特表2016-512681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気インレットから空気アウトレットに連通する空気流路を介して空気を吸い込むパフ動作に応じてエアロゾル源を霧化する霧化ユニットを有する香味吸引器に設けられるバッテリユニットであって、
バッテリと、
前記霧化ユニットを制御する電子部品と、
前記バッテリ及び前記電子部品を収容するハウジングとを備え、
前記電子部品は、前記バッテリユニットの所定部分に設けられており、
前記所定部分は、前記所定部分に侵入する水を検知する水検知部材を有し、
前記水検知部材は、前記空気流路とは異なる部分に設けら
れ、
前記所定部分には、前記ハウジングの外側空間と連通する開孔が設けられ、
前記電子部品のうち、前記開孔と連通する空間に露出する部分の少なくとも一部は、液不透過性部材によって被覆され、
前記電子部品は、前記パフ動作を検知する吸引センサを含み、
前記吸引センサは、前記開孔と連通する空間に露出する、バッテリユニット。
【請求項2】
前記バッテリユニットは、長手方向に沿って延びる形状を有するとともに、前記霧化ユニットと機械的に接続する接続部分と、前記バッテリを挟んで前記接続部分の反対側に設けられる先端部分とを有しており、
前記所定部分は、前記先端部分である、請求項
1に記載のバッテリユニット。
【請求項3】
前記水検知部材は、前記空気インレットを基準として前記空気アウトレットの反対側に設けられる、請求項1
又は請求項2に記載のバッテリユニット。
【請求項4】
前記水検知部材は、前記電子部品を挟んで前記バッテリの反対側に設けられる、請求項1乃至請求項
3のいずれかに記載のバッテリユニット。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記吸引センサによって互いに連通しないように区画された第1空洞及び第2空洞を有しており、
前記第1空洞は、前記空気インレットと連通しており、
前記第2空洞は、前記開孔と連通している、請求項
1乃至請求項4のいずれかに記載のバッテリユニット。
【請求項6】
前記開孔は、前記先端部分の側壁に設けられており、
前記水検知部材は、前記先端部分の内側端面に設けられる、請求項
2、請求項
2を引用する請求項
3乃至請求項
5のいずれかに記載のバッテリユニット。
【請求項7】
空気インレットから空気アウトレットに連通する空気流路を介して空気を吸い込むパフ動作に応じてエアロゾル源を霧化する霧化ユニットと、
バッテリユニットとを備え、
前記バッテリユニットは、バッテリと、前記霧化ユニットを制御する電子部品と、前記バッテリ及び前記電子部品を収容するハウジングとを有しており、
前記電子部品は、前記バッテリユニットの所定部分に設けられており、
前記所定部分は、前記所定部分に侵入する水を検知する水検知部材を有し、
前記水検知部材は、前記空気流路とは異なる部分に設けら
れ、
前記所定部分には、前記ハウジングの外側空間と連通する開孔が設けられ、
前記電子部品のうち、前記開孔と連通する空間に露出する部分の少なくとも一部は、液不透過性部材によって被覆され、
前記電子部品は、前記パフ動作を検知する吸引センサを含み、
前記吸引センサは、前記開孔と連通する空間に露出する、香味吸引器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリユニット及び香味吸引器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バッテリユニット及び霧化ユニットを有する香味吸引器が知られている。香味吸引器は、空気インレットから空気アウトレットに連通する空気流路を有する。霧化ユニットは、空気流路を介して空気を吸い込むパフ動作に応じてエアロゾル源を霧化する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
第1の特徴は、空気インレットから空気アウトレットに連通する空気流路を介して空気を吸い込むパフ動作に応じてエアロゾル源を霧化する霧化ユニットを有する香味吸引器に設けられるバッテリユニットであって、バッテリと、前記霧化ユニットを制御する電子部品と、前記バッテリ及び前記電子部品を収容するハウジングとを備え、前記電子部品は、前記バッテリユニットの所定部分に設けられており、前記所定部分は、前記所定部分に侵入する水を検知する水検知部材を有することを要旨とする。
【0005】
第2の特徴は、第1の特徴において、前記所定部分には、前記ハウジングの外側空間と連通する開孔が設けられることを要旨とする。
【0006】
第3の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴において、前記バッテリユニットは、長手方向に沿って延びる形状を有するとともに、前記霧化ユニットと機械的に接続する接続部分と、前記バッテリを挟んで前記接続部分の反対側に設けられる先端部分とを有しており、前記所定部分は、前記先端部分であることを要旨とする。
【0007】
第4の特徴は、第1の特徴乃至第3の特徴のいずれかにおいて、前記水検知部材は、前記空気流路とは異なる部分に設けられることを要旨とする。
【0008】
第5の特徴は、第1の特徴乃至第4の特徴のいずれかにおいて、前記水検知部材は、前記電子部品を挟んで前記バッテリの反対側に設けられることを要旨とする。
【0009】
第6の特徴は、第1の特徴乃至第5の特徴のいずれかにおいて、前記電子部品は、前記パフ動作を検知する吸引センサを含むことを要旨とする。
【0010】
第7の特徴は、第2の特徴を引用する第6の特徴において、前記ハウジングは、前記吸引センサによって互いに連通しないように区画された第1空洞及び第2空洞を有しており、前記第1空洞は、前記空気インレットと連通しており、前記第2空洞は、前記開孔と連通していることを要旨とする。
【0011】
第8の特徴は、第2の特徴を引用する第3の特徴、第2の特徴及び第3の特徴を引用する第4の特徴乃至第7の特徴のいずれかにおいて、前記開孔は、前記先端部分の側面に設けられており、前記水検知部材は、前記先端部分の端面に設けられることを要旨とする。
【0012】
第9の特徴は、第1の特徴乃至第8の特徴のいずれかにおいて、前記電子部品のうち、前記開孔と連通する空間に露出する部分の少なくとも一部は、液不透過性部材によって被覆されることを要旨とする。
【0013】
第10の特徴は、第9の特徴において、前記電子部品は、前記パフ動作を検知する吸引センサを含み、前記吸引センサは、前記開孔と連通する空間に露出することを要旨とする。
【0014】
第11の特徴は、香味吸引器であって、空気インレットから空気アウトレットに連通する空気流路を介して空気を吸い込むパフ動作に応じてエアロゾル源を霧化する霧化ユニットと、バッテリユニットとを備え、前記バッテリユニットは、バッテリと、前記霧化ユニットを制御する電子部品と、前記バッテリ及び前記電子部品を収容するハウジングとを有しており、前記電子部品は、前記バッテリユニットの所定部分に設けられており、前記所定部分は、前記所定部分に侵入する水を検知する水検知部材を有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
一態様によれば、所定部分に侵入する水によって生じる電子部品の劣化を把握することを可能とするバッテリユニット及び香味吸引器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、実施形態に係る香味吸引器10を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るバッテリユニット100の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る霧化ユニット200の分解斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る先端部分110を示す断面図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る吸引センサ150を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下において、実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。
【0018】
従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合があることは勿論である。
【0019】
[開示の概要]
背景技術で触れた香味吸引器では、パフ動作に応じてエアロゾル源を霧化する性質上、香味吸引器のハウジングの外側空間(大気空間)と連通する開孔をバッテリユニットに設けざるを得ない状況などが考えられる。
【0020】
しかしながら、バッテリユニットはバッテリ以外にも電子部品を有しており、電子部品が設けられる所定部分に侵入する水によって電子部品の劣化を招く可能性を考慮する必要がある。
【0021】
そこで、開示の概要に係るバッテリユニットは、空気インレットから空気アウトレットに連通する空気流路を介して空気を吸い込むパフ動作に応じてエアロゾル源を霧化する霧化ユニットを有する香味吸引器に設けられる。前記バッテリユニットは、バッテリと、前記霧化ユニットを制御する電子部品と、前記バッテリ及び前記電子部品を収容するハウジングとを備える。前記電子部品は、前記バッテリユニットの所定部分に設けられる。前記所定部分は、前記所定部分に侵入する水を検知する水検知部材を有する。
【0022】
開示の概要によれば、電子部品が設けられる所定部分は、所定部分に侵入する水を検知する水検知部材を有する。従って、所定部分に侵入する水によって生じる電子部品の劣化を把握することができる。
【0023】
[実施形態]
(香味吸引器)
以下において、実施形態に係る香味吸引器について説明する。
図1は、実施形態に係る香味吸引器10を示す斜視図である。香味吸引器10は、燃焼を伴わずに香味を吸引するため器具であり、非吸口端から吸口端に向かう方向である長手方向Aに沿って延びる形状を有する。
【0024】
図1に示すように、香味吸引器10は、バッテリユニット100と、霧化ユニット200と、香味ユニット300とを有する。香味吸引器10は、空気インレットから空気アウトレットに連通する空気流路を有する。空気インレットは、バッテリユニット100と霧化ユニット200との境界部分に設けられてもよい。空気アウトレットは、香味ユニット300の一端(吸口端)に設けられてもよい。
【0025】
バッテリユニット100は、香味吸引器10を駆動する電力を蓄積するバッテリ(後述するバッテリ123)を有するユニットである。バッテリユニット100は、長手方向Aに沿って延びる形状を有する。バッテリユニット100は、霧化ユニット200と電気的かつ機械的に接続される。バッテリユニット100は、霧化ユニット200に対して着脱可能に構成されてもよい。バッテリユニット100の詳細については後述する(
図2を参照)。
【0026】
霧化ユニット200は、空気流路を介して空気を吸い込む動作に応じてエアロゾル源を霧化するユニットである。霧化ユニット200は、霧化ユニット200は、長手方向Aに沿って延びる形状を有する。霧化ユニット200は、バッテリユニット100と電気的かつ機械的に接続される。霧化ユニット200は、バッテリユニット100に対して着脱可能に構成されてもよい。霧化ユニット200の詳細については後述する(
図3を参照)。
【0027】
香味ユニット300は、霧化ユニット200から放出されるエアロゾルに香味を付与する香味源を有するユニットである。香味ユニット300は、霧化ユニット200に対して着脱可能に構成される。例えば、香味ユニット300は、通気性を有する1対の部材(例えば、メッシュ体、ファイル他等)を有しており、香味源は、1対の部材によって区画される空間に配置される。香味源は、刻みたばこによって構成されてもよく、粒状のたばこ原料の成形体によって構成されてもよい。香味源は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、ハーブ等)によって構成されてもよい。香味源は、メントールなどの香料を含んでもよい。
【0028】
(バッテリユニット)
以下において、実施形態に係るバッテリユニット100について説明する。
図2は、実施形態に係るバッテリユニット100の分解斜視図である。
【0029】
図2に示すように、バッテリユニット100は、長手方向Aに沿って延びるハウジング101を有する。ハウジング101は、先端部分110、バッテリ部分120及び接続部分130を収容する。
【0030】
先端部分110は、バッテリ部分120よりもバッテリユニット100の先端側に設けられる部分である。先端部分110は、カバー111と、電子部品112と、基材113とを有する。カバー111は、ハウジング101の先端を塞ぐ部材である。電子部品112は、少なくとも霧化ユニット200を制御する。電子部品112は、基板112Aを有しており、基板112Aの基板面は、CPU、メモリ、発光素子及び吸引センサなどを有する。基板112Aの基板面は、カバー111に面していてもよい。基材113は、電子部品112を支持する部材である。
【0031】
バッテリ部分120は、クッション部材121と、クッション部材122と、バッテリ123とを有する。クッション部材121及びクッション部材122は、バッテリ123の衝撃を吸収する部材である。例えば、クッション部材121及びクッション部材122は、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)などの樹脂によって構成される。バッテリ123は、使い捨てタイプのバッテリであってもよく、充電タイプのバッテリであってもよい。
【0032】
接続部分130は、霧化ユニット200と機械的に接続される部分である。接続部分130は、スペーサ131と、基材132と、弾性部材133と、内側電極134と、外側電極135と、絶縁部材136とを有する。スペーサ131は、クッション部材122と基材132とを離間する部材である。基材132は、弾性部材133及び内側電極134を支持する部材である。弾性部材133は、長手方向Aに沿って移動可能に内側電極134を支持する部材である。内側電極134は、バッテリ123の第1極(プラス極又はマイナス極)と電気的に接続される。内側電極134は、霧化ユニット200の電極(後述する内側電極211)と電気的に接続される。内側電極134と霧化ユニット200の電極との電気的な接続は弾性部材133の弾性力によって担保される。外側電極135は、バッテリ123の第2極(マイナス極又はプラス極)と電気的に接続される。外側電極135は、霧化ユニット200の電極(後述する外側電極212)と電気的に接続される。外側電極135と霧化ユニット200の電極との電気的な接続は嵌合(例えば、螺合)によって担保される。絶縁部材136は、内側電極134及び外側電極135を電気的に絶縁する。
【0033】
ここで、内側電極134は、長手方向Aに直交する断面視において外側電極135の内側に配置される。絶縁部材136は、長手方向Aに直交する断面視において内側電極134と外側電極135との間に配置される。
【0034】
(霧化ユニット)
以下において、実施形態に係る霧化ユニット200について説明する。
図3は、実施形態に係る霧化ユニット200の分解斜視図である。
【0035】
図3に示すように、霧化ユニット200は、長手方向Aに沿って延びるハウジング201を有する。霧化ユニット200は、接続部分210及び霧化部分220を収容する。
【0036】
接続部分210は、バッテリユニット100と機械的に接続される部分である。接続部分210は、内側電極211と、外側電極212と、絶縁部材213とを有する。内側電極211は、バッテリユニット100の電極(上述した内側電極134)と電気的に接続される。内側電極211は、ヒータ223Bから延びる第1リード線が電気的に接合される。外側電極212は、バッテリユニット100の電極(上述した外側電極135)と電気的に接続される。外側電極212は、ヒータ223Bから延びる第2リード線が電気的に接合される。絶縁部材213は、内側電極211及び外側電極212を電気的に絶縁する。
【0037】
ここで、内側電極211は、長手方向Aに直交する断面視において外側電極212の内側に配置される。絶縁部材213は、長手方向Aに直交する断面視において内側電極211と外側電極212との間に配置される。バッテリユニット100及び霧化ユニット200の機械的な接続は外側電極135及び外側電極212の嵌合(例えば、螺合)によって担保される。
【0038】
霧化部分220は、リザーバ221と、筒状部材222と、ヒータユニット223と、キャップ224とを有する。リザーバ221は、エアロゾル源を保持する部材である。例えば、エアロゾル源は、グリセリン又はプロピレングリコールなどの液体を含む。例えば、リザーバ221は2層構造を有しており、内側層221Aはコットンによって構成されており、外側層221Bはポリエステルによって構成される。リザーバ221は1層構造であってもよい。筒状部材222は、長手方向Aに沿って延びる空気流路を形成する。筒状部材222は、リザーバ221内に挿入される。筒状部材222は、ヒータユニット223を保持するスリット222Aを有する。例えば、筒状部材222は、グラスファイバーによって構成される。ヒータユニット223は、リザーバ221から伝達されるエアロゾル源を加熱する。例えば、ヒータユニット223は、ウィック223A及びヒータ223Bを有する。ウィック223Aは、空気流路を横断するように配置されており、スリット222Aによって保持される。ウィック223Aは、リザーバ221から毛管現象によって伝達されるエアロゾル源を保持する。ヒータ223Bは、ウィック223Aによって保持されるエアロゾル源を霧化する。ヒータ223Bは、ウィック223Aに巻き回されるコイル形状を有する電熱線である。キャップ224は、リザーバ221を香味ユニット300側から被覆する。キャップ224は、空気流路を構成する開孔を有する。
【0039】
(先端部分)
以下において、実施形態に係る先端部分について説明する。
図4は、実施形態に係る先端部分110を示す断面図である。
図2で説明したように、先端部分110は、バッテリ123を挟んで接続部分130の反対側に設けられる部分である。先端部分110は、カバー111と、電子部品112と、基材113とを有する。実施形態において、先端部分110は、電子部品112が設けられる所定部分の一例である。
【0040】
図4に示すように、先端部分110は、先端部分110に侵入する水を検知する水検知部材114を有する。水検知部材114は、先端部分110に水が侵入したか否かを確認可能に構成されていえばよい。例えば、水検知部材114は、水の接触によって変質するように構成される。変質は、変色であってもよく、溶解であってもよく、膨張(膨潤)であってもよい。水検知部材114は、カバー111に貼付されるシールであってもよい。上述のとおり、電子部品112は、基板112Aを有しており、基板112Aの基板面は、CPU、メモリ、発光素子及び吸引センサなどを有する。電子部品112は、ハウジング101に収納される。
【0041】
ここで、水検知部材114は、空気インレットから空気アウトレットに連通する空気流路とは異なる部分に設けられる。例えば、水検知部材114は、空気インレットを基準として空気アウトレットの反対側に設けられてもよい。言い換えると、空気インレットは、水検知部材114と空気アウトレットとの間に設けられる。空気インレットは、上述したように、バッテリユニット100と霧化ユニット200との境界部分に設けられてもよい。すなわち、水検知部材114は、霧化ユニット200から放出されるエアロゾルが接触しない位置に設けられる。実施形態では、水検知部材114は、電子部品112を挟んでバッテリ123の反対側に設けられる。従って、水検知部材114は、バッテリ部分120に侵入する水を検知する部材ではなく、先端部分110に侵入する水を検知する部材と考えてよい。
【0042】
(吸引センサ)
以下において、実施形態に係る吸引センサについて説明する。
図5は、実施形態に係る吸引センサ150を説明するための図である。吸引センサ150は、パフ動作を検知する部材であり、電子部品112の一例である。
【0043】
図5に示すように、吸引センサ150は、ハウジング101の内側に形成される空洞の内圧の変化を検知する。ハウジング101は、吸引センサ150によって連通しないように区画される第1空洞161及び第2空洞162を有する。第1空洞161は、パフ動作によって空気を吸引するための空気インレットと連通する空洞である。第2空洞162は、ハウジング101の外側空間と連通する開孔111Aと連通する。
【0044】
このような構成において、吸引センサ150は、第1空洞161の内圧と第2空洞162の内圧との差圧を検知する。例えば、吸引センサ150は、コンデンサを有するセンサであり、第1空洞161の内圧と第2空洞162の内圧との差圧に応じたコンデンサの電気容量を示す値(例えば、電圧値)を出力する。
【0045】
例えば、吸引センサ150は、
図5に示すように、支持部材151と、基板152と、電極膜153と、固定電極154と、制御回路155と、開孔156と、開孔157とを有する。支持部材151とハウジング101との間には隙間が存在しておらず、第1空洞161及び第2空洞162は、ハウジング101内で互いに連通しないように吸引センサ150によって区画されている。基板152には、固定電極154及び制御回路155が設けられる。電極膜153は、第1空洞161の内圧と第2空洞162の内圧との差圧の変化に応じて変形する。固定電極154は、電極膜153とコンデンサを形成する。コンデンサの電気容量は、電極膜153の変形によって変化する。制御回路155は、電極膜153の変形によって変化する電気容量を検知する。具体的には、パフ動作において、第1空洞161の内圧が低下するが、第2空洞162の内圧は実質的には変化せずに大気圧に略等しい。すなわち、吸引センサ150は、第1空洞161における圧力変化を検知する。
【0046】
実施形態において、開孔111Aは、先端部分110に設けられる。カバー111は、切り欠きを有しており、開孔111Aは、カバー111とハウジング101との間の隙間である。開孔111Aは、先端部分110の側壁に設けられており、水検知部材114は、先端部分110の内側端面に設けられていてもよい。
【0047】
実施形態において、電子部品112のうち、開孔111Aと連通する空間(ここでは、第2空洞162)に露出する部分の少なくとも一部は、液不透過性部材によって被覆されてもよい。例えば、液不透過性部材は、フッ素樹脂であってもよく、シリコンであってもよい。液不透過性部材を用いた被覆方法は、特に限定されるものではないが、スプレーによる被覆方法であってもよく、手塗りによる被覆方法であってもよい。このようなケースであっても、吸引センサ150は、開孔111Aと連通する空間(ここでは、第2空洞162)に露出する。すなわち、吸引センサ150の全体が液不透過性部材によって被覆されない。言い換えると、吸引センサ150は、第2空洞162の内圧が略大気圧となるように、開孔111Aを介してハウジング101の外側空間と連通する第2空洞162に露出している。
【0048】
(作用及び効果)
実施形態によれば、電子部品112が設けられる先端部分110は、先端部分110に侵入する水を検知する水検知部材114を有する。従って、先端部分110に侵入する水によって生じる電子部品112の劣化を把握することができる。
【0049】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0050】
実施形態では、電子部品112が設けられる所定部分は先端部分110である。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。所定部分は、接続部分130であってもよい。このようなケースにおいて、水検知部材114は、実施形態と同様に、空気インレットから空気アウトレットに連通する空気流路とは異なる部分に設けられてもよい。例えば、水検知部材114は、空気インレットを基準として空気アウトレットの反対側(例えば、非吸口端側又は先端側)に設けられてもよい。
【0051】
実施形態では、吸引センサ150は、第1空洞161の内圧と第2空洞162の内圧との差圧を検知するタイプのセンサである。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。吸引センサ150としては、他のセンサを用いてもよい。このようなケースにおいて、開孔111Aが設けられていなくてもよい。
【0052】
実施形態では、香味吸引器10は香味ユニット300を有する。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。香味吸引器10は香味ユニット300を有していなくてもよい。このようなケースにおいて、エアロゾル源は香味源を含んでもよい。