(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】動力車両のためのドアハンドル組立体
(51)【国際特許分類】
E05B 85/16 20140101AFI20220627BHJP
E05B 79/06 20140101ALI20220627BHJP
E05B 81/76 20140101ALI20220627BHJP
B60J 5/04 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
E05B85/16 B
E05B79/06 C
E05B81/76
B60J5/04 H
(21)【出願番号】P 2020531573
(86)(22)【出願日】2018-12-04
(86)【国際出願番号】 US2018063829
(87)【国際公開番号】W WO2019113056
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2021-06-02
(32)【優先日】2017-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520192290
【氏名又は名称】エイディーエイシー・プラスティックス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100163061
【氏名又は名称】山田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】シェーン,キース
(72)【発明者】
【氏名】アダムチク,アン
(72)【発明者】
【氏名】ガンビア,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】グーレー,ジョシュ
(72)【発明者】
【氏名】ビジス,ライアン
【審査官】鳥井 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-069536(JP,A)
【文献】特開2005-098030(JP,A)
【文献】欧州特許第02088267(EP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0016255(US,A1)
【文献】特開2017-008602(JP,A)
【文献】特開2014-163145(JP,A)
【文献】特開2009-030359(JP,A)
【文献】特開2012-112222(JP,A)
【文献】特開2005-194799(JP,A)
【文献】特開2010-101054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
B60J 5/00- 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力車両のドアのためのドアハンドル組立体であって、前記ドアはラッチを有し、前記ラッチは、前記ドアが開くことが防止されるラッチ状態と、前記ドアが開くことが防止されないアンラッチ状態との間で制御可能であり、
前記ドアハンドル組立体は、
前記ドアに固定されるように構成され、前記ラッチを制御するために前記ラッチに動作可能に結合するように構成されるハンドル基部であって、前記ドアから離間されつつ概して前記ドアを向く第1の面、および、前記第1の面と反対の第2の面を有
し、前記ハンドル基部の前記第1の面の少なくとも一部分に沿って第1の検出面を定める、ハンドル基部と、
第1の面、および、その前記第1の面と反対の第2の面を有する把持カバーであって、前記ハンドル基部の前記第1の面と前記把持カバーの前記第2の面とがドアハンドル把持部を協働して定めるように、前記把持カバーの前記第1の面が前記ハンドル基部の前記第2の面を向く状態で前記ハンドル基部に結合され
、前記把持カバーの一部分が、前記把持カバーの前記第2の面に圧力を加えると前記ハンドル基部に向かって撓むように、少なくとも部分的に可撓性であり、前記把持カバーの前記第2の面は第2の検出面を定める、把持カバーと、
第1のセンサ信号を生成するように構成される第1のセンサであって、前記第1のセンサは、
前記ハンドル基部に取り付けられ、且つ、前記ハンドル基部に対して、前記ハンドル基部の前記第1の検出面と反対側に位置決めされ、前記第1のセンサは、前記第1の検出面の検出近接内の物体の検出、および、前記第1の検出面を定める前記ハンドル基部の前記一部分の、前記第1のセンサの感知面の検出近接内への撓みの検出の一方において、前記第1のセンサ信号において検出可能変化を生成し、前記第1のセンサ信号における前記検出可能変化は前記ラッチを係止解除またはラッチ止め解除させることができる、第1のセンサと、
前記第2の検出面と反対側の、前記把持カバーの前記一部分の前記第1の面に、配置された、導電層と、
第2のセンサ信号を生成するように構成される第2のセンサであって、前記第2のセンサは、
誘導式近接センサであり、前記誘導式近接センサは、前記誘導式近接センサの感知面が前記導電層から離間されるように、前記把持カバー内に装着され、前記誘導式近接センサは、前記誘導式近接センサの上に配置された前記導電層を前記誘導式近接センサの感知面の検出近接内に変位させるための前記把持カバーの前記一部分の撓みを検出したときに、前記第2のセンサ信号
に検出可能変化を生成し、前記第2のセンサ信号における前記検出可能変化は前記ラッチを係止またはラッチ止めさせることができる、第2のセンサと
を備えるドアハンドル組立体。
【請求項2】
前記ハンドル基部は、2つの装着部材を、前記ハンドル基部の前記第1の面が前記装着部材同士の間で延びる状態で備え、前記ハンドル基部は、前記装着部材が前記ドアのドアパネルに当接し、前記ドアパネルと前記ハンドル基部の前記第1の面との間に把持空間を定める状態で、前記ドアに固定されるように構成される、請求項1に記載のドアハンドル組立体。
【請求項3】
前記第1のセンサは静電容量式近接センサであり、
前記第1のセンサは、前記第1の検出面の検出近接内における前記把持空間へと延びる前記物体の検出において、前記静電容量式近接センサによって生成される電界における検出可能変化の形態で、前記第1のセンサ信号における前記検出可能変化を生成する、請求項2に記載のドアハンドル組立体。
【請求項4】
前記静電容量式近接センサは、前記把持カバーの前記第1の面と前記ハンドル基部の前記第2の面との間に位置決めされる第1の板を、前記ハンドル基部の前記第1の検出面を定める前記ハンドル基部の前記一部分が、前記第1の板と位置合わせされる誘電体の少なくとも一部分を定める状態で備え、
前記把持空間へと延びる前記物体は、前記物体が前記第1の検出面の検出近接内にあるときに前記静電容量式近接センサが静電容量において前記検出可能変化を生成するように、前記物体が前記第1の検出面に向けて移動するときに
、前記静電容量式近接センサの静電容量を変化させる、請求項3に記載のドアハンドル組立体。
【請求項5】
前記第1の板と、前記誘電体の前記一部分とは、前記物体が前記第1の検出面の検出近接へと移動するときに前記物体が前記第1の検出面と接触しないような大きさとされる、請求項4に記載のドアハンドル組立体。
【請求項6】
センサカートリッジをさらに備え、前記誘導式近接センサは前記センサカートリッジに装着され、前記誘導式近接センサを担持する前記センサカートリッジは前記把持カバーに装着される、請求項1に記載のドアハンドル組立体。
【請求項7】
前記第1のセンサは誘導式近接センサであり、
前記第1のセンサは、前記第1の検出面を定める前記ハンドル基部の前記一部分の、前記誘導式近接センサの前記感知面の前記検出近接内への撓みの検出において、前記誘導式近接センサによって生成される電磁界における検出可能変化の形態で、前記第1のセンサ信号における前記検出可能変化を生成する、請求項1に記載のドアハンドル組立体。
【請求項8】
処理装置と、
回路空間に配置され、命令が保存されている記憶装置であって、前記命令は、前記処理装置によって実行されるとき、前記処理装置を、前記ラッチの係止解除またはラッチ止め解除を可能にするための第1の制御信号を生成するために前記第1のセンサ信号および前記第2のセンサ信号の少なくとも一方における少なくとも1つの検出可能変化に応答させ、前記ラッチの係止またはラッチ止めを可能にするための第2の制御信号を生成するために前記第1のセンサ信号および前記第2のセンサ信号の少なくとも一方における少なくとも1つの検出可能変化に応答させる、記憶装置と
をさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のドアハンドル組立体。
【請求項9】
前記記憶装置に保存される前記命令は、前記処理装置によって実行されるとき、前記処理装置を、前記第1の制御信号を生成するために前記第1のセンサ信号における一回の検出可能変化に応答させる命令を含む、請求項8に記載のドアハンドル組立体。
【請求項10】
前記記憶装置に保存される前記命令は、前記処理装置によって実行されるとき、前記処理装置を、前記第1の制御信号を生成するために前記第1のセンサ信号および前記第2のセンサ信号の少なくとも一方における検出可能変化の所定の順序の組合せに応答させる命令を含む、請求項8に記載のドアハンドル組立体。
【請求項11】
前記記憶装置に保存される前記命令は、前記処理装置によって実行されるとき、前記処理装置を、前記第1の制御信号を生成するために前記第1のセンサ信号および前記第2のセンサ信号における検出可能変化の所定の順序の組合せに応答させる命令を含む、請求項8に記載のドアハンドル組立体。
【請求項12】
前記記憶装置に保存される前記命令は、前記処理装置によって実行されるとき、前記処理装置を、前記第2の制御信号を生成するために前記第2のセンサ信号における一回の検出可能変化に応答させる命令を含む、請求項9から11のいずれか一項に記載のドアハンドル組立体。
【請求項13】
前記記憶装置に保存される前記命令は、前記処理装置によって実行されるとき、前記処理装置を、前記第2の制御信号を生成するために前記第1のセンサ信号および前記第2のセンサ信号の少なくとも一方における検出可能変化の所定の順序の組合せに応答させる命令を含む、請求項9から11のいずれか一項に記載のドアハンドル組立体。
【請求項14】
前記記憶装置に保存される前記命令は、前記処理装置によって実行されるとき、前記処理装置を、前記第2の制御信号を生成するために前記第1のセンサ信号および前記第2のセンサ信号における検出可能変化の所定の順序の組合せに応答させる命令を含む、請求項9から11のいずれか一項に記載のドアハンドル組立体。
【請求項15】
前記処理装置は、前記ハンドル基部の前記第2の面と前記把持カバーの前記第1の面との間に定められる回路空間に配置される第1の処理装置を備え、前記記憶装置は第1の記憶装置を備え、
前記ドアハンドル組立体は、
前記動力車両の前記ドアによって担持される前記ラッチと、
前記ドアが前記ドアハンドル組立体を介して開けられることが防止されるように前記ラッチを前記ラッチ状態で係止するために係止信号に応答すると共に、前記ラッチを係止解除し、前記ドアハンドル組立体に前記ラッチを前記アンラッチ状態へと制御させて前記ドアを開けさせるために係止解除信号に応答するアクチュエータと、
前記動力車両と関連付けらえる第2の処理装置と、
命令が保存されている第2の記憶装置であって、前記命令は、前記第2の処理装置によって実行されるとき、前記第2の処理装置を、前記係止解除信号を生成するために前記第1の処理装置によって生成される前記第1の制御信号に応答させ、前記係止信号を生成するために前記第1の処理装置によって生成される前記第2の制御信号に応答させる、第2の記憶装置と
をさらに備える、請求項8から14のいずれか一項に記載のドアハンドル組立体。
【請求項16】
前記処理装置および前記記憶装置は、前記ハンドル基部の前記第2の面と前記把持カバーの前記第1の面との間に定められる回路空間に両方とも配置され、前記第1の制御信号は係止解除信号であり、前記第2の制御信号は係止信号であり、
前記ドアハンドル組立体は、
前記動力車両の前記ドアによって担持される前記ラッチと、
前記ドアが前記ドアハンドル組立体を介して開けられることが防止されるように前記ラッチを係止するために前記係止信号に応答すると共に、前記ラッチを係止解除し、前記ドアハンドル組立体に前記ラッチを前記アンラッチ状態へと制御させて前記ドアを開けさせるために前記係止解除信号に応答するアクチュエータと
をさらに備える、請求項8から14のいずれか一項に記載のドアハンドル組立体。
【請求項17】
前記処理装置および前記記憶装置は動力車両に両方とも関連付けられ、前記第1の制御信号は係止解除信号であり、前記第2の制御信号は係止信号であり、
前記ドアハンドル組立体は、
前記動力車両の前記ドアによって担持される前記ラッチと、
前記ドアが前記ドアハンドル組立体を介して開けられることが防止されるように前記ラッチを係止するために前記係止信号に応答すると共に、前記ラッチを係止解除し、前記ドアハンドル組立体に前記ラッチを前記アンラッチ状態へと制御させて前記ドアを開けさせるために前記係止解除信号に応答するアクチュエータと
をさらに備える、請求項8から14のいずれか一項に記載のドアハンドル組立体。
【請求項18】
前記把持カバーの前記第2の検出面は、前記第2の検出面の視覚的識別子を提供するために、レーザーエッチングおよび少なくとも1つのエンボスの一方を備える、請求項1から17のいずれか一項に記載のドアハンドル組立体。
【請求項19】
動力車両のドアのためのドアハンドル組立体であって、前記ドアはラッチを有し、前記ラッチは、前記ドアが開くことが防止されるラッチ状態と、前記ドアが開くことが防止されないアンラッチ状態との間で制御可能であり、
前記ドアに固定されるように構成され、前記ラッチを制御するために前記ラッチに動作可能に結合するように構成されるハンドル基部であって、前記ドアから離間されつつ概して前記ドアを向く外側面、および、前記外側面と反対の内側面を有するハンドル基部と、
内側面、および、前記内側面と反対の外側面を有する把持カバーであって、前記把持カバーと前記ハンドル基部とは、前記把持カバーの前記内側面と前記ハンドル基部の前記内側面との間に閉じた内部空間を定めるために一体に結合される、把持カバーと、
前記閉じた内部空間に配置され、前記内部空間に装着されるセンサ信号条件付け回路を有する回路基板と、
前記センサ信号条件付け回路に電気的に連結され、誘導式近接センサ信号を生成するように構成される誘導式近接センサであって、前記誘導式近接センサは、検出面を定める前記把持カバーの前記外側面の一部分と反対の前記把持カバーの前記内側面の一部分から前記誘導式近接センサの感知面が離間される状態で、前記把持カバー内に装着され、前記把持カバーの前記内側面の前記一部分には導電層が配置され、前記誘導式近接センサは、前記導電層を前記誘導式近接センサの前記感知面の検出近接内で移動させるに十分な前記検出面を定める前記把持カバーの前記一部分の撓みの検出において、前記誘導式近接センサ信号における検出可能変化を生成し、前記誘導式近接センサ信号における前記検出可能変化は、前記ラッチを係止、係止解除、ラッチ止め、またはラッチ止め解除させることができる、誘導式近接センサと
を備えるドアハンドル組立体。
【請求項20】
センサカートリッジをさらに備え、前記誘導式近接センサは前記センサカートリッジに装着され、前記誘導式近接センサを担持する前記センサカートリッジは前記把持カバー内に装着される、請求項19に記載のドアハンドル組立体。
【請求項21】
前記把持カバーは、前記検出面を定める前記把持カバーの前記外側面の前記一部分と反対の前記把持カバーの前記内側面に沿ってスロットを定め、
センサカートリッジが、その両側で各々が延びる一対の突縁を定め、前記スロットは、前記誘導式近接センサの前記感知面が、前記検出面を定める前記把持カバーの前記外側面の前記一部分と反対の前記把持カバーの前記内側面から離間される状態で、前記センサカートリッジの前記突縁を受け入れる大きさとされる、請求項20に記載のドアハンドル組立体。
【請求項22】
処理装置と、
命令が保存されている記憶装置であって、前記命令は、前記処理装置によって実行されるとき、係止、係止解除、ラッチ止め、またはラッチ止め解除させることができるように制御信号を生成するために、誘導式センサ信号における少なくとも1つの検出可能変化に応答させる、記憶装置と
をさらに備える、請求項19から21のいずれか一項に記載のドアハンドル組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
[0001]本出願は、2017年12月5日に出願された米国仮特許出願第62/594,900号の利益およびこの特許出願への優先権を主張し、この特許出願の開示は、本明細書において参照によりその全体において組み込まれている。
【0002】
[0002]本発明は、一般に、動力車両のためのドアハンドル組立体に関し、より詳細には、センサに基づく制御機構を備えるドアハンドル組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]キーレスエントリ機構を備える動力車両のドアハンドル組立体が一般的に知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つまたは複数のセンサに基づく制御機構を伴う向上したドアハンドル組立体を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0004]本発明は、添付の特許請求の範囲で提唱されている特徴のうちの1つもしくは複数、ならびに/または、以下の特徴のうちの1つもしくは複数およびそれらの組合せを備え得る。ドアハンドル組立体が、ドアが開くことが防止されるラッチ状態と、ドアが開くことが防止されないアンラッチ状態との間で制御可能であるラッチを有する動力車両のドアのために提供されている。一態様において、ドアハンドル組立体は、動力車両のドアに固定されるように構成され、ラッチを制御するためにラッチに動作可能に結合するように構成されるハンドル基部であって、ドアから離間されつつ概してドアを向く第1の面、および、第1の面と反対の第2の面を有するハンドル基部と、第1の面、および、その第1の面と反対の第2の面を有する把持カバーであって、ハンドル基部の第1の面と把持カバーの第2の面とがドアハンドル把持部を協働して定めるように、把持カバーの第1の面がハンドル基部の第2の面を向く状態でハンドル基部に結合される把持カバーと、第1のセンサ信号を生成するように構成される第1のセンサであって、第1のセンサは、ハンドル基部の第1の面の少なくとも一部分に沿ってハンドル基部の第1の検出面を定めるために、ハンドル基部に対して位置決めされ、第1のセンサは、第1の検出面の検出近接内の物体、および、第1の検出面を定めるハンドル基部の一部分の、第1のセンサの感知面の検出近接内への撓みの一方の検出において、第1のセンサ信号において検出可能変化を生成し、第1のセンサ信号における検出可能変化はラッチを係止解除させることができる、第1のセンサと、第2のセンサ信号を生成するように構成される第2のセンサであって、第2のセンサは、ハンドル基部の第2の面の少なくとも一部分に沿って把持カバーの第2の検出面を定めるために、把持カバーに対して位置決めされ、第2のセンサは、第2の検出面の検出近接内の物体、および、第2の検出面を定める把持カバーの一部分の、第2のセンサの感知面の検出近接内への撓みの一方の検出において、第2のセンサ信号において検出可能変化を生成し、第2のセンサ信号における検出可能変化はラッチを係止させることができる、第2のセンサとを備え得る。
【0006】
[0005]別の態様では、ドアハンドル組立体は、動力車両のドアに固定されるように構成され、ラッチを制御するためにラッチに動作可能に結合するように構成されるハンドル基部であって、ドアから離間されつつ概してドアを向く外側面、および、外側面と反対の内側面を有するハンドル基部と、内側面、および、その内側面と反対の外側面を有する把持カバーであって、把持カバーとハンドル基部とは、把持カバーの内側面とハンドル基部の内側面との間に閉じた内部空間を定めるために一体に結合される、把持カバーと、閉じた内部空間に配置され、内部空間に装着されるセンサ信号条件付け回路を有する回路基板と、センサ信号条件付け回路に電気的に連結され、誘導式近接センサ信号を生成するように構成される誘導式近接センサであって、誘導式近接センサは、検出面を定める把持カバーの外側面の一部分と反対の把持カバーの内側面の一部分から誘導式近接センサの感知面が離間される状態で、把持カバーに装着され、把持カバーの内側面の一部分には導電層が配置され、誘導式近接センサは、導電層を第2のセンサの感知面の検出近接内で移動させるに十分な検出面を定める把持カバーの一部分の撓みの検出において、誘導式近接センサ信号における検出可能変化を生成し、第2のセンサ信号における検出可能変化は、ラッチを係止または係止解除させることができる、誘導式近接センサとを備え得る。
【0007】
[0006]本開示は、添付の図において、限定ではなく例を用いて示されている。適切であると考えられる場合、対応する要素または類似の要素を指示するために、符号が図の間で繰り返されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】[0007]ドアハンドル組立体の実施形態の前方からの斜視図である。
【
図2】[0008]
図1において描写されたドアハンドル組立体の前方からの斜視分解図である。
【
図3】[0009]回路基板が回路基板担持体に装着されており、センサカートリッジ組立体が回路基板に電気的に連結されている、
図2のドアハンドル組立体の回路基板部分組立体の斜視図である。
【
図4】[0010]
図2および
図3に示されたセンサ組立体の斜視図である。
【
図5】[0011]
図2および
図3に示されたセンサカートリッジの斜視図である。
【
図6】[0012]
図1および
図2において描写された把持カバーの後方からの斜視図である。
【
図7】[0013]回路基板部分組立体の装着をさらに示す、
図6と同様の後方からの斜視図である。
【
図8A】[0014]前記センサカートリッジ組立体の把持カバーへの装着を示す、把持カバーの後側の一部分の拡大図である。
【
図8B】[0015]把持カバーに対するセンサの位置決めを示すためにセンサカートリッジが省略されている、
図8Aと同様の拡大図である。
【
図9】[0016]ハンドル基部の後面に隣接して位置決めされたセンサの実施形態を示すために把持カバーが省略されている、切断線9-9に沿って見たときの
図1のハンドル基部の断面図である。
【
図10】[0017]動力車両のドアに装着され、動力車両のドアラッチおよび処理装置に動作可能に連結されて示された、
図1~
図9のドアハンドル組立体の前方からの斜視で部分的に断面の図である。
【
図11】[0018]ドアハンドル組立体によって担持されたセンサのうちの1つの出力において検出可能変化を引き起こす、ドアとドアハンドル組立体との間に手の一部分が挿入された状態で示されている、動力車両のドアに装着された
図1~
図9のドアハンドル組立体の前方からの斜視図である。
【
図12】[0019]ドアラッチアクチュエータを作動させ、動力車両のドアを開けさせるために、ドアハンドル組立体に対して外向きの力を発揮する手を示す、
図11と同様の前方からの斜視図である。
【
図13】[0020]ドアハンドル組立体によって担持されたセンサのうちの別のものの電気出力において検出可能変化を引き起こす、把持カバーの一部分に対する力または圧力の発揮を示す、
図11および
図12と同様の前方からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0021]本開示の概念は、様々な変更および代替の形態を受け入れることができるが、その特定の例示の実施形態が、図面における例を用いて示されており、本明細書において詳細に記載されている。しかしながら、本発明の概念を開示されている具体的な形態に限定する意図はなく、それどころか、本発明は、本開示および添付の特許請求の範囲と一致するすべての変形、等価、および代替を網羅することは、理解されるべきである。
【0010】
[0022]本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「例の実施形態」などへの言及は、記載されている実施形態が具体的な特徴、構造、または特性を含む可能性があることを指示するが、すべて実施形態が具体的な特徴、構造、または特性を必ずしも含むとは限らない可能性がある。また、このような文言は、同じ実施形態に言及する可能性もあるし、必ずしも言及するとは限らない可能性もある。さらに、具体的な特徴、構造、および特性が実施形態と関連して記載されているとき、明示的に記載されているかいないかに拘らず、このような特徴、構造、または特性を他の実施形態と関連して有効にさせることが当業者の知識内にあることは提起されている。なおもさらには、本明細書で開示されている任意の単一の特徴、構造、および特性が、明示的に記載されているかいないかに拘らず、任意の1つまたは複数の他の開示されている特徴、構造、または特性と組み合わされ得ることと、そのため、このような組合せの種類および/または数における限定が推論されることがないこととは、検討されている。
【0011】
[0023]ここで
図1を参照すると、動力車両(motor vehicle)のためのドアハンドル組立体10の実施形態が示されている。ドアハンドル組立体10は、ハンドル基部14と合致する把持カバー12を例示的に備えている。ハンドル基部14は、動力車両の入口ドアに枢動可能に装着されるように構成された枢動装着部18と、入口ドア内に位置させられるドアラッチ組立体と動作可能に結合されるラッチアクチュエータ16とを例示的に備える。把持カバー12とハンドル基部14とは一緒に、人の手によって把持されるように構成される把持部を形成する。後でより詳細に記載されているように、把持カバー12およびハンドル基部14は、2つのセンサを担持する筐体を一緒に形成しており、一方のセンサは、入口ドアのドアラッチを係止させ、それによって入口ドアを開けるためのハンドル組立体10の手動の作動を防止するために、および/または、ハンドル組立体10を入口ドアに係止させるために、起動または作動させることができ、他方のセンサは、ドアハンドル組立体10が入口ドアを開けるために従来の手法において手動で作動させられ得るように、入口ドアのドアラッチを係止解除またはラッチ止め解除させるために起動または作動させることができる。
【0012】
[0024]図示されている実施形態では、把持カバー12は、相対する上壁12Aおよび下壁12Bと、相対する側壁12C、12Dとを備える。このような壁12A~12Dは、少なくとも部分的に弓形であり得る細長い前壁12Eによって結合されている。側壁12C、12Dの間で、把持カバー12の上壁12Aおよび下壁12Bは、2つの相対する端区域12G、12Hの間で、それら端区域12G、12Hに対して弓形で概して凹状の区域12Iを例示的に定めている後縁12Fを定めている(
図6参照)。後縁12Fと上壁12Aおよび下壁12Bの内面との間、前壁12Eの側壁12C、12Dおよび後面12Jとの間で、把持カバー12は内部または内側の空間12Sを定めている。一実施形態では、把持カバー12は一様な構造のものであるが、他の実施形態では、把持カバー12は、2つ以上の構成部品を一体に固定することで形成され得る。把持カバー12は1つまたは複数の従来の材料から形成されてもよく、一実施形態では、把持カバー12は、クロムのハンドルを模すために金属の膜または被覆によって覆われたプラスチック構成要素である。代替または追加で、プラスチックの把持カバー12は、1つまたは複数の着色された膜または被覆によって、および/または、1つまたは複数の透明な膜または被覆によって覆われてもよい。なおも他の実施形態では、把持カバー12は、1つまたは複数の被覆または未被覆の金属または金属複合材料から形成され得るかまたはそれらを含み得る。
【0013】
[0025]ハンドル基部14は、相対する上壁14Aおよび下壁14Bと、相対する側壁14C、14Dとを例示的に有する。このような壁14A~14Dのすべてが、把持カバー12の前壁12Eの少なくとも部分的に弓形の形に合致するように例示的に少なくとも部分的に弓形である細長い後壁14Gによって結合されている。側壁14C、14Dの間で、ハンドル基部14の上壁14Aおよび下壁14Bは、把持カバー12の凹状区域12Iおよび端区域12G、12Hに合致するように構成される2つの相対する端区域の間で、それらの端区域に対して弓形で概して凹状の区域を例示的に定めている前縁14Lを、把持カバー12とハンドル基部14とが
図1に示されているように一体にされるとき、ハンドル基部14の前縁14Lが把持カバー12の後縁12Fと接触して受け入れるように定めている。前縁14Lと上壁14Aおよび下壁14Bの内面との間、側壁14C、14Dと後壁14Gの前面14Hとの間で、ハンドル基部14は内部または内側の空間14Sを定めている。
【0014】
[0026]ラッチアクチュエータ16は、側壁14Cのうちの1つに隣接するハンドル基部14から後方へ延びており、枢動装着部18は、相対する側壁14Dに隣接するハンドル基部14から後方へ延びている。ラッチアクチュエータ16は、ハンドル組立体10が装着される動力車両のドアによって担持された従来のドアラッチ組立体に動作可能に結合するように例示的に構成されている(例えば
図10参照)。枢動装着部18は、ドアへと延び、ドアにおける1つまたは複数の構造体に枢動可能に結合するように例示的に構成されている。枢動装着部18の周りでのハンドル基部14の動きは、ラッチアクチュエータ16を従来の手法で作動させて使用者に動力車両ドアを開けさせることができるようにラッチアクチュエータ16を例示的に動かす。2つの孔20A、20Bがハンドル基部14を貫いて形成されており、一方の孔20Aがラッチアクチュエータ16に隣接して形成されており、他方の孔20Bが枢動装着部18に隣接して形成されている。
【0015】
[0027]ラッチアクチュエータ16に隣接して、ハンドル基部14は上壁14Aと下壁14Bとの間に突出部14Eを定めており、枢動装着部18に隣接して、ハンドル基部は上壁14Aと下壁14Bとの間に突出部14Fを定めている。各々の突出部14E、14Fはハンドル基部14から後方に例示的に延びており、弓形の後壁14Gは、突出部14E、14Fの間と、上壁14Aと下壁14Bとの間とで延びている。
図10~
図13において最もはっきりと示されているように、ハンドル基部14から後方に延びる突出部14E、14Fは、ドア組立体10が動力車両ドア100に装着されるときに動力車両ドア100の外被100Aに接触するような例示的な大きさおよび構成とされており、空間110が、ドア100の外被100Aの外側面の一部分115と外側面の弓形後壁14Gの後面14Rとの間に定められる。ハンドル基部14の後壁14Gの弓形の輪郭は、突出部14E、14Fの大きさおよび形とともに、人の手120の一本または複数本の指および少なくとも一部分が空間110へと十分に延びて後壁14Gの後面14Rと接触することを可能にするのに適した大きさおよび形の空間110をもたらし、それによって、少なくとも一本の指が従来のやり方で空間110へと延びてハンドル基部14の弓形後壁14Gの後面14Rの周りに巻き付けられる状態で、手120がハンドル基部14と把持カバー12との組合せを把持できるように、例示的に構成されている。
【0016】
[0028]一実施形態では、把持カバー12は一様な構造のものであるが、他の実施形態では、把持カバー12は、2つ以上の構成部品を一体に固定することで形成され得る。ハンドル基部14は1つまたは複数の従来の材料から形成でき、一実施形態では、ハンドル基部14は、1つまたは複数の適切な膜または被覆によって覆われたプラスチック構成要素である。代替の実施形態では、ハンドル基部14は、1つまたは複数の他の適切な被覆または未被覆の材料から形成され得るかまたはそのような材料を含み得る。
【0017】
[0029]把持カバー12の内側空間12Sとハンドル基部14の内側空間14Sとは、把持カバー12とハンドル基部14とが一体に固定されるとき、電子構成要素を収容する大きさとされた空間を一緒に定める。ここで
図2を参照すると、ドアハンドル組立体10は、回路基板40が装着される回路基板担持体30をさらに備え、回路基板担持体30と回路基板40とは、把持カバー12およびハンドル基部14の、それぞれの内側空間12Sおよび14Sによって定められる空間内で、内側空間12Sと14Sとの間に一緒に装着される。センサカートリッジ50が、回路基板担持体30および回路基板40とは別に把持カバー12内で受け入れられ、センサカートリッジ50に装着可能である、センサ62(
図4も参照)を含むセンサ組立体60が回路基板40に電気的に連結可能である。図示されている実施形態では、また、後でより詳細に記載されているように、センサ組立体60はセンサカートリッジ50に装着され、次にセンサカートリッジ50は、センサ62の感知面が把持カバー12のセンサ起動部分12Kから動作可能に離間させられるように、把持カバー12に装着される。一部の実施形態では、把持カバー12のセンサ起動部分12Kは、裸眼で視覚的に特定可能となるように構成される。他の実施形態では、センサ起動部分12Kは、把持カバー12内で担持される照明発生源を介して視覚的に特定され得る。センサ起動部分12Kが、
図1および
図2において、側壁12Cに隣接する把持カバー12の上壁12Aの一部分であるとして示されているが、センサ起動部分12Kが、例えば、
図2において点線の構成によって図示されているように、側壁12Dに隣接する上壁12Aの代替の一部分12K
Iなど、上壁12Aに沿ういずれかの場所、または、例えば、
図2において点線の構成によって各々図示されているように、側壁12Cに隣接する前壁12Eの代替の一部分12K
II、側壁12Dに隣接する代替の一部分12K
III、もしくは、側壁12C、12Dの間の中心の前壁12Eの代替の一部分12K
IVなど、前壁12Eに沿ういずれかの場所に代替で位置させられてもよいことは理解されるものである。把持カバー12のセンサ起動部分12K
I、12K
II、12K
III、12K
IVの任意のこのような代替の位置決めにおいて、センサカートリッジ50およびセンサ60の組立体は、壁部分12K
I、12K
II、12K
III、12K
IVから動作可能に離間されるようにセンサ62の感知面を位置決めするために、把持カバー12に適切に装着される。一部の実施形態では、後で記載されているように、センサ起動部分12K、12K
I、12K
II、12K
III、12K
IVは、外部圧力の適用において内向きに撓むように少なくとも部分的に柔軟となるように作られるが、他の実施形態では、センサ起動部分12K、12K
I、12K
II、12K
III、12K
IVは実質的に剛体で作られてもよい。いずれにしても、センサ起動部分12K、12K
I、12K
II、12K
III、12K
IVは、エンボス加工、例えばレーザーエッチングといったエッチング、成形、機械加工、もしくは、センサ起動部分12K、12K
I、12K
II、12K
III、12K
IVの物理的な姿を把持カバー12の隣接する領域に対して変えることで、ならびに/または、把持カバー12内に担持される1つもしくは複数の照明発生源によって発せられる視覚的放射がセンサ起動部分12K、12K
I、12K
II、12K
III、12K
IVにおいて見られる、および/もしくは、センサ起動部分12K、12K
I、12K
II、12K
III、12K
IVへと外部に見られるように、少なくとも部分的に光透過性となるようにセンサ起動部分12K、12K
I、12K
II、12K
III、12K
IVを構成することで、把持カバー12の隣接する領域から視覚的に区別可能となるように作られ得る。
【0018】
[0030]回路基板40は、それに装着されるいくつかの電子回路構成要素を例示的に有する。このような電子回路構成要素には、例示的に、別のセンサ(そのうちの1つの例46が
図9に示されている)、センサ46、62のうちの少なくとも一方によって生成されるセンサ信号を処理するように構成される少なくとも1つの従来のセンサ信号処理回路45の形態でのセンサ信号条件付け回路(sensor signal conditioning circuitry)、一部の実施形態では、1つまたは複数の補助電子回路がある。一部の実施形態では、回路基板40に装着され得る別のこのような電子回路構成要素は、基板上および/または外部接続された記憶ユニットに保存された命令を実行するように構成された従来の処理装置であり得るかまたはこのような処理装置を含み得る。このような処理装置を含む実施形態では、基板上および/または外部接続された記憶ユニットは、ドアハンドル組立体10と関連付けられた1つまたは複数の機構を制御するために、処理装置によって実行されるときに処理装置に制御信号を生成させる命令を有する。例えば
図10における例によって示されているように、他の実施形態では、処理装置(processor)104と記憶装置(memory)106とは両方とも、例えば動力車両のドア100または他の領域内といったドアハンドル組立体10の外側に位置させられ、適切な配線44を介して回路基板40に電気的に連結され得る。いずれの場合でも、このような特徴は、必ずしも限定されないが、ドアハンドル組立体10の係止および係止解除を含み得る。代替または追加で、このような機構には、ドアハンドル組立体10のラッチ止め解除、つまり、動力車両のラッチアクチュエータ16および/またはドアラッチ組立体102を制御してラッチアクチュエータ16をドアラッチ組立体102から自動的に結合解除することと、ドアハンドル組立体10のラッチ止め、つまり、動力車両のラッチアクチュエータ16および/またはドアラッチ組立体102を制御してラッチアクチュエータ16をドアラッチ組立体102に自動的に結合することと、ドアラッチ組立体102が自動的なドアの開/閉/支援の装置であるかまたはそのような装置を備え、動力車両ドアが、例えばパワーリフトゲート、パワー後ドア、パワーサイドドア、パワースライドドアなどのパワー開/閉支援機構を伴うアクセス閉止の形態で提供される実施形態において、動力車両ドアを自動的に閉じるかおよび/または開けるためにドアラッチ組立体102を作動および/または作動停止させることとがあり得る。なおも代替または追加で、1つまたは複数の照明発生源が回路基板40に装着される、および/または、ドアハンドル組立体10の表面もしくは中におけるどこかに装着される実施形態では、このような機構は、ドアハンドル組立体10のうちの1つもしくは複数の部分、および/または、ドアハンドル組立体10が装着される動力車両ドア100の1つもしくは複数の部分を選択的に照らすことを含み得る。なおも代替または追加で、このような1つまたは複数の機構は、例えばセンサ46、62といったセンサのいずれかもしくは両方、および/または、組立体10によって担持される他のセンサもしくは追加のセンサによって生成される信号における検出可能変化の順序を処理することと、ドアハンドル組立体10を係止する、係止解除する、ラッチ止めする、ラッチ止め解除する、閉じる、および/または開けるかどうか決定する目的のために、このような順序を所定の順序またはあらかじめ設定された順序と比較することとを含み得る。なおも代替または追加で、このような1つまたは複数の機構は、例えば、1つまたは複数の室内照明設定、1つまたは複数のエンターテイメントシステム設定、1つまたは複数の気候制御設定、1つまたは複数の座席位置設定、1つまたは複数のステアリングホイール位置設定、1つまたは複数のバックミラー位置設定、1つまたは複数のサイドミラー位置設定、1つまたは複数の窓および/またはサンルーフ位置設定といった、動力車両内の1つまたは複数の運転者および/または同乗者の設定を、選択的に制御する、つまり、作動、作動停止、選択、および/または位置決めするために、例えばセンサ46、62といったセンサのいずれかもしくは両方、および/または、組立体10によって担持される他のセンサもしくは追加のセンサによって生成される信号における検出可能変化の順序を処理することを含み得る。なおも代替または追加で、このような1つまたは複数の機構は、例えば、動力車両に対して折り畳まれる、あるいは、動作位置へと展開されるといった、動力車両のサイドミラーのうちの1つまたは複数の位置、1つまたは複数の窓および/またはサンルーフの位置設定、1つまたは複数の外部の動力車両ライトなど、車両が駐車/静止されるときの動力車両の1つまたは複数の外部の構造および/または特徴を選択的に制御する、つまり、作動、作動停止、選択、および/または位置決めするために、例えばセンサ46、62といったセンサのいずれかもしくは両方、および/または、組立体10によって担持される他のセンサもしくは追加のセンサによって生成される信号における検出可能変化の順序を処理することを含み得る。
【0019】
[0031]回路基板担持体30は、
図3に描写されているように、回路基板40を受け入れるような大きさおよび構成とされているポケット35を形成するために上突縁および下突縁が前方へ延び出す後壁32を例示的に有する。ポケット35の一端において、回路基板担持体30は、センサ組立体60と関連付けられた配線ブロック64(
図4参照)を受け入れるような大きさおよび構成されとされたスロット34を定めており、ポケット35の反対の端では、回路基板担持体30は、回路基板40によって担持される電子回路に電気的に連結された配線44を支持および隔離する別の配線ブロック42を受け入れるような大きさおよび構成とされた別のスロット36を定めている。配線44は、ドアハンドル組立体10から、ハンドル基部14を貫いて定められた開口25を通じて外部に例示的に送り込まれる。孔38Aが、スロット34と回路基板担持体30の一端との間で回路基板担持体30を貫いて形成されており、別の孔38Bが、スロット36と回路基板担持体30の反対の端との間で回路基板担持体30を貫いて形成されている。孔38A、38Bは、ハンドル基部14の孔20A、20Bと一列にされ、例えばネジといった従来からの固定部材22A、22Bが、回路基板担持体30をハンドル基部14に備え付けるために、一列とされた孔20A、38A、20B、38B(
図1も参照)を貫いて延びるような大きさとされている。
【0020】
[0032]ここで
図3を参照すると、回路基板40は、回路基板部分組立体70を形成するために回路基板担持体30に備え付けられて示されている。図示されている実施形態では、回路基板40は、配線ブロック42が回路基板40とスロット36内に受け入れられた配線44とに電気的に連結されている状態で、回路基板担持体30のポケット35内に受け入れられる。同じく
図3に示されているのは、センサカートリッジ組立体80を形成するためにセンサカートリッジ50にその中で備え付けられたセンサ組立体60のセンサ62と、回路基板担持体のスロット34内に受け入れられたセンサ組立体60と関連付けられた配線ブロック64とである。
【0021】
[0033]
図4における例によって示されているように、センサ組立体60は、誘導式センサ(inductive sensor)の形態でセンサ62を備える。センサ62は、センサコイル65が配置され、2つのワイヤ68A、68Bに電気的に連結された平面状のセンサ面63Aを有する平面状の基板63を備える。センサコイル65に連結されたワイヤ68A、68Bは、ワイヤ68A、68Bを従来の手法で支持するようにそれぞれ構成された配線ブロック66および64の対を連続的に通過している。センサ担持体50の例の実施形態が
図5に示されており、平面状の上面50A(
図1参照)と、平面状の上面50Aの反対の平面状の下面50Bとを定める平面状の部材52を備え、面50Bから、包囲する側壁55A~55Dが垂直に離れるように延びる。一対の離間した内側側壁56A、56Bが、側壁55Dに隣接する平面状の部材52の平面状の下面50Bから垂直に離れるように延びており、側壁55Dも、配線ブロック66を受け入れるような大きさとされた壁55D、56A、56Bを貫くスロット54を形成するために、離間された壁から形成されている。突縁57Aが、側壁55Bに隣接して側壁55Bに対して概して垂直の平面状の部材52の1つの辺から離れるように延びており、別の突縁57Bが、側壁55Dに隣接して側壁55Dに対して概して垂直の平面状の部材52の反対の辺から離れるように延びている。突縁57A、57Bは、平面状の部材52の平面状の上面50Aおよび下面50Bと概して平行である。一対の突出部58Aおよび59Aが、突縁57Aのそれぞれ下面および上面から概して直角に延びており、一対の突出部58Bおよび59Bも同様に、突縁57Bのそれぞれ下面および上面から概して直角に延びている。
【0022】
[0034]
図3に示されているように、センサ62は、センサ基板63のセンサ面63Aが平面状の部材52の平面状の下面50Bを向くように、センサカートリッジ50の平面状の部材52と側壁55A~55Dの間に形成されたポケット内に受け入れられて装着される。配線ブロック66は、ワイヤ68A、68Bが側壁56A、56B、側壁55Dの離間された部分との間に形成された隙間を通じて延びる状態で、側壁55D、56A、56Bの間に形成されたスロット54内に受け入れられる。一部の実施形態では、適切な装着合成物が、センサ62を固定するためにセンサ担持体50のポケットに配置されてもよい。いずれにしても、センサ62は、センサ基板63の平面状のセンサ面63Aがセンサカートリッジ50の平面状の上面50Aから離間されて上面50Aと概して平行な状態で、センサカートリッジのポケット内で担持される。
【0023】
[0035]
図3に示されているようにセンサ62がセンサカートリッジ50内に位置決めされている状態で、センサ組立体60の配線ブロック64は、回路基板担持体30によって定められたスロット34に位置決めされ、配線ブロック64から延びるワイヤ68A、68Bは、回路基板40に装着される対応する電気端子48A、48Bに電気的に連結され、回路基板40によって担持される1つまたは複数の電子構成要素に電気的に結合される。配線ブロック64、66は、センサワイヤ68A、68Bを支持し、ワイヤ68A、68Bをセンサ回路基板担持体30およびセンサカートリッジ50からそれぞれ隔離する。
【0024】
[0036]ここで
図6を参照すると、把持カバー12の背面または後側が示されており、前壁12Eの後面12Jは、
図1に示された固定部材22A、22Bのそれぞれ1つを受け入れて係合するような大きさおよび構成と各々されている一対の離間された受部12M、12Nを定めている。
図7において例によって示されているように、離間された受部12M、12Nは、固定部材22A、22Bが回路基板組立体70を把持カバー12に固定するように、回路基板担持体30の孔38A、38Bと一列になる。回路基板部分組立体70が、ハンドル基部14と把持カバー12との間で、それら2つの構成要素の内側空間12S、14Sによって定められた空間に装着される状態で、固定部材22A、22Bがハンドル基部14を把持カバー12にさらに固定することと、把持カバー12への回路基板組立体70の取り付けを示すためにハンドル基部14が
図7において省略されていることとは、理解されよう。
【0025】
[0037]
図6~
図8Bにおいてさらに示されているように、把持カバー12の内側空間12Sは、センサカートリッジ組立体80のセンサカートリッジ50を受け入れるような大きさおよび構成とされたスロット90を定めている。スロット90は、把持カバー12の側壁12Cに隣接して例示的に定められており、把持カバー12の上壁12Aの内側面の概して平面状の一部分12Lによって、把持カバー12の上部に沿って境界付けられている。上壁12Aの内側面の一部分12Lは、把持カバー12の上壁12Aの内側面から空間12Sへと下向きに突出する相対する耳部92、94の間で、センサ起動部分12Kの反対に定められている。把持カバー12の内側面12Lと相対する耳部92、94との間で定められたスロット90は、センサカートリッジ50のスロット54と配線ブロック64とが、ワイヤ68A、68Bを回路基板40の方へと内向きに方向付けるように、側壁12Cから離れる方を向いて受け入れられる状態で、センサカートリッジ50を受け入れるような大きさとされている。
図8Aおよび
図8Bにおいて最もはっきりと示されているように、突出部58A、58Bおよび59A、59Bは、センサカートリッジ50の平面状の上面50Aと、延いてはセンサ基板63の平面状の感知面63Aとを、把持カバー12の上壁12Aの内側面の平面状の一部分12Lから離間して一部分12Lと概して平行に位置決めする。
図8Aに示されているように、センサカートリッジ50がスロット90に位置決めされている状態で、空間96Aが上壁12Aの内側面の一部分12Lとセンサカートリッジ50の平面状の上面50Aとの間に定められ、これはさらに、上壁12Aの内側面の一部分12Lと、センサコイル65が
図8Bに示されているように配置されるセンサ基板63の平面状の感知面63Aとの間に空間96Bを定める。
【0026】
[0038]
図8Bにさらに示されているように、導電性の膜、層、または板98が、センサ62を担持するセンサカートリッジ50がスロット90内に受け入れられるときにセンサ基板63の平面状の感知面63Aに配置されるセンサコイル65に相対して離間されて位置決めされるように、上壁12Aの内側面の一部分12Lに固定される。導電性の膜、層、または板98の例には、限定されることはないが、例えば、把持カバー12の上壁12Aの内側面の一部分12Lに塗装、被覆、または形成されるクロムまたは他の材料といった任意の金属または他の導電性の膜や、固定または埋め込まれる1つまたは複数の導電性の層および/または粒子、ならびに、例えば、上壁12Aの内側面の一部分12Lにテープを固定するために適用される接着剤または他の接合媒体といった1つまたは複数の接合媒体を有するテープや、上壁12Aの内側面の一部分12Lに任意の手法で固定される1つまたは複数の剛体または半剛体の導電性のシートまたは板があり得る。
【0027】
[0039]図示されている実施形態では、センサ起動部分12Kを定める上壁12Aの少なくとも一部分は、上壁12Aの内側面の一部分12Lが、例えば人の手の指によって、上壁12Aのセンサ起動部分12Kに適用される圧力または力に応答してセンサコイル65の方へ内向きに変位させられるように、少なくとも部分的に柔軟となるように作られている。誘導式センサ62の動作は、センサコイル65が、センサ基板63の平面状の感知面63Aに隣接する電磁界の形態でセンサ出力信号を作り出すために、回路基板40における回路によって動力供給される、従来からのものである。1つの例の実施形態では、回路基板40における回路は、ワイヤ68A、68Bを通じてセンサコイル65に電気的に連結される静電容量式構成要素を、静電容量式構成要素とセンサコイル65とが共振回路を一緒に形成するように備える。一部の実施形態では、共振回路は、共振回路の1つまたは複数の抵抗素子など少なくとも1つまたは複数の追加の受動素子を備え得るが、他の実施形態では、共振回路の抵抗素子は、静電容量式構成要素とセンサコイル65とのいずれかかまたは両方において固有の抵抗の形態で設けられてもよい。いずれにしても、時間変化する信号が、時間変化する電磁界を生成するために共振回路に適用される。センサコイル65の大きさと、動力供給されたセンサコイル65によって確立される電磁界の強度とは、時間変化する電磁界が空間98Bを渡って導電膜または板98へと延びるように選択される。把持カバー12の上壁12Aの内側面の一部分12Lが、上壁12Aの一部分12Lに加えられる対応する外部の圧力または力に応答して、把持カバー12の包囲する部分に対して十分な距離で内向きに撓むとき、導電性の膜または板98がセンサコイル65の検出近接内へと変位させられる。これは、センサ62の出力信号における検出可能変化として測定され得る共振回路において測定可能な損失をもたらす。一実施形態では、センサ62の出力信号におけるこの検出可能変化は、経時的な周波数の変化として測定されるが、代替の実施形態では、センサ62の出力信号における検出可能変化は、例えば回路基板40に搭載された基準構成要素に対する、静電容量、インダクタンス、および/または抵抗の経時的な変化として測定されてもよい。一部の代替の実施形態では、センサ62は、把持カバー12の上壁12Aの一部分12Lに、例えば印刷されてもよくといった、例示的に固定または形成されてもよく、導電性の膜、層、または板98は担持体50に固定または形成されてもよい。いずれにしても、センサ62は、一部の実施形態では、区別可能な異なるセンサ出力信号の大きさを生成するために、把持カバー12の一部分12K、12KI、12KII、12KIII、12KIVに加えられる圧力の異なる大きさまたは高さに応答するように構成されてもよく、一部の実施形態では、把持カバー12の一部分12K、12KI、12KII、12KIII、12KIVに加えられる異なる圧力が、ドアハンドル組立体10によって、および/または、動力車両の1つまたは複数のアクチュエータまたはシステムによって実行される異なる機能をもたらしてもよい。
【0028】
[0040]記載したような把持カバー12内での把持カバー12へのセンサカートリッジ50の装着の配置は、一部の実施形態では、センサ62が装着され得る構造に対する把持カバー12の移動によるセンサ62の意図しないまたは「誤った」起動の可能性を最小限または少なくとも低減するために例示的に実施されている。具体的には、記載されているようにセンサ62を担持しているセンサカートリッジ50を把持カバー12に装着することで、センサカートリッジ50、延いてはセンサ62を、概して把持カバー12の任意の移動と共に移動させる。把持カバー12の任意のこのような移動が、把持カバー12の包囲する部分に対してセンサを起動させる一部分12Lの撓みを引き起こさない限り、センサコイル65の出力信号における検出可能変化は起こらない。センサ62の起動が記載されているように起こるのは、センサを起動させる一部分12Lが、センサコイル65の出力信号における検出可能変化を引き起こすのに十分な量で、把持カバー12の包囲する部分に対して内向きに撓むときだけである。センサ62がハンドル基部14に装着される場合、回路基板担持体30または回路基板40および導電性の膜または板98は、センサ62と反対の把持カバー12の一部分に固定され、膜または板98をセンサ62に向けてかまたはセンサ62から離すように十分に移動させる把持カバー12の任意の部分の任意の移動が、センサ62の意図されていない起動、延いては、「誤った」起動をもたらす可能性がある。センサ62のこのような「誤った」起動は、センサ62が前述したように把持カバー12に装着されていない場合により起こり得るが、本開示は、センサ62がハンドル基部14、回路基板担持体30、および回路基板40のうちの1つまたは任意の組合せに装着される実施形態を検討している。
【0029】
[0041]ここで
図9を参照すると、別のセンサ46がドアハンドル組立体10によって例示的に担持されており、ハンドル基部14の弓形後壁14Gの後面14Rに近接または接触する物体を検出するように構成されている。図示されている実施形態では、このようなセンサ46は、ハンドル基部14の後壁14Gの前面14Hを向き、回路基板40によって担持された回路に電気的に連結された導電性の膜、被覆、または板47の形態で例示的に提供されている。図示されている実施形態では、膜、被覆、または板47は回路基板40の下面に固定されているが、代替の実施形態では、膜、被覆、または板47は、回路基板担持体30の後壁32の前面もしくは後面であり得るか、または、そのような前面もしくは後面に固定されてもよく、なおも他の実施形態では、膜、被覆、または板47は、ハンドル基部14の前面14Hであり得るか、もしくは、前面14Hに固定されてもよく、または、ハンドル基部14の後面14Rから適切に離間されるように配置され得る。いずれにしても、膜、被覆、または板47は、導電性の膜、層、または板98に関する上記の例によって記載された形態のいずれかで提供でき、任意のこのような膜、被覆、層、または板の材料は、後で記載されているように、回路基板40によって担持された回路に電気的に連結される。
【0030】
[0042]回路基板40によって担持される回路に電気的に連結される膜、被覆、または板47は、従来の静電容量式センサ(capacitive sensor)46の1つの電極を形成する。図示されている実施形態では、膜、被覆、または板47の外側を向く面47Aと一列にされた回路基板担持体30の後壁32の一部分とハンドル基部14の後壁14Gとは静電容量式センサの誘電体(dielectric)を一緒に形成し、回路基板40に搭載された回路は、例えば交流信号といった時間変化を膜、被覆、または板47に適用し、これは膜、被覆、または板47に時間変化する電界を作らせる。物体をハンドル基部14の後壁14Gの後面14Rの十分近くに配置しない限り、時間変化する電界は測定可能に変化しない。物体を後壁14Gの後面14Rの十分近くに配置することで、膜、被覆、または板47によって生成される電界の変化を引き起こし、この変化はセンサ46の出力信号における検出可能変化として測定され得る。一実施形態では、センサ46の出力信号におけるこの検出可能変化は、経時的な電圧の変化として測定されるが、代替の実施形態では、センサ46の出力信号における検出可能変化は、例えば回路基板40に搭載された基準構成要素に対して、電流の経時的な変化として、または、静電容量の経時的な変化として測定されてもよい。一実施形態では、膜、被覆、または板47の大きさ、膜、被覆、または板47に適用される時間変化の振幅、誘電材料の厚さ、および、組み合わされた誘電材料の誘電率は、ハンドル基部14の後壁14Gの後面14Rの検出近接内の、例えば一本または複数本の指といった人の手の少なくとも一部分がセンサ46を起動させるように、例示的に選択される。代替の実施形態では、このようなパラメータは、人の手の少なくとも一部分がセンサ46を起動させるために後壁14Gの後面14Rと接触しなければならないように選択されてもよい。いずれにしても、センサ46は、一部の実施形態では、区別可能な異なるセンサ出力信号の大きさを生成するために、ハンドル基部14の後壁14Gの後面14Rからの、例えば指および/または手といった物体の異なる距離に応答するように構成されてもよく、一部のこのような実施形態では、ハンドル基部14の後面14Rからの物体のこのような異なる距離は、ドアハンドル組立体10によって、および/または、動力車両の1つまたは複数のアクチュエータまたはシステムによって実行される異なる機能をもたらしてもよい。
【0031】
[0043]ここで
図10を参照すると、ドアハンドル組立体10は、動力車両の入口ドア100に装着されて示されている。図示されている実施形態では、ラッチアクチュエータ16は、車両ドア100の外被100Aを貫いて延びており、車両ドア100の従来のドアラッチ102にリンク機構Lを介して機械的にリンク接続されている。ドアの係止および係止解除(ならびに/または、ラッチ止め/ラッチ止め解除)用のアクチュエータ105がドアラッチ102に結合されている。ドアの係止および係止解除用のアクチュエータ105は、ドアラッチ102を係止するために係止信号に応答し、ドアラッチ102を係止解除するために係止解除信号に応答する(および/または、ドアラッチ102をラッチ止めするために係止信号に応答し、ドアラッチ102をラッチ止め解除するために係止解除信号に応答する)。
図10で図示されている実施形態では、ドアハンドル組立体10の回路基板40に連結された配線44は、例えば動力車両の制御装置または制御ユニットの一部としての、動力車両内に位置させられた処理装置104に、電気的に連結されており、処理装置104は、記憶ユニット106を例示的に備える、または、記憶ユニット106に電気的に連結される。このような実施形態では、ドアハンドル組立体10の回路基板40に搭載された回路が、処理装置と記憶装置とを備えてもよいし備えなくてもよい。ドアハンドル組立体10が処理装置と記憶装置とを備えない実施形態では、記憶ユニット106は、処理装置104によって実行されるとき、処理装置104にドアハンドル組立体10およびドアラッチ102の動作を制御させるだけの命令を例示的に保存している。ドアハンドル組立体10が処理装置と記憶装置とを備える実施形態では、このような記憶装置は、搭載された処理装置によって実行されるとき、搭載された処理装置にドアハンドル組立体10の動作を制御させる命令を保存していてもよく、記憶ユニット106は、処理装置104によって実行されるとき、処理装置104にドアラッチ102の動作を制御させる命令を例示的に保存している。ドアハンドル組立体10が処理装置と記憶装置とを備える他の実施形態では、処理装置104および記憶装置106は省略されてもよく、回路基板40に搭載された記憶装置は、回路基板40に搭載された処理装置によって実行されるとき、搭載された処理装置にドアハンドル組立体10およびドアラッチ102の動作を制御させるだけの命令を例示的に保存している。係止および係止解除用のアクチュエータ105は、記憶装置106に保存された命令の制御の下で、処理装置104だけによって制御されるとして以下で記載されているが、代替で、このような制御が、処理装置104と、ドアハンドル組立体10の回路基板40に搭載された処理装置との組合せによって実行されてもよいことは、理解されるものである。一部の実施形態では、処理装置104、および/またはドアハンドル組立体の回路基板40に搭載された処理装置は、センサ46および/またはセンサ62によって生成される信号が先に手短に記載されたような動力車両の1つまたは複数の構造および/または特徴を制御するために使用される実施形態において、動力車両の1つまたは複数のアクチュエータ、装置、またはシステム107に、例えば電気的に連結されるといった、動作可能に結合され得る。いずれにしても、図示されている実施形態では、ベゼル108が車両ドア100に装着されており、ドアハンドル組立体10は、空間または隙間110がドア100の外被100Aの外側面の一部分115とハンドル基部14の弓形後壁14Gの後面14Rとの間に形成されるように、ベゼル108に隣接して車両ドア100に装着されている。
【0032】
[0044]ここで
図11~
図13を参照し、ドアハンドル組立体10の動作が記載される。図示されている実施形態では、ドアラッチ102は、ドアラッチ102がラッチアクチュエータ16と係合して車両ドア100を閉じたままにし、ドア100が開くのを防止する従来のラッチ状態と、ドアラッチ102がラッチアクチュエータ16を解放して、車両への搭乗および降車のためにドア100を開けさせるアンラッチ状態とを有する。ドアラッチ102は、アクチュエータ105によって制御される、従来からもあるような係止状態と係止解除状態とを例示的に有する。ドアラッチ102の係止解除およびラッチ止め解除の状態では、ドア100は閉じられており、使用者は、例えばハンドル基部14と把持カバー12との組合せを外向きに引っ張り続けることによって、ドア100を開けることができるように、ラッチアクチュエータ16にドアラッチ102をラッチ止め解除させるために、ハンドル基部14と把持カバー12との組合せを把持してドア100から外向きに離すように引っ張ることができる。ドアラッチ102の係止およびラッチ止めの状態では、ラッチアクチュエータ16は、ドアラッチ102をラッチ止め解除することから防止され、それによってドア100が開けられるのを防止する。ラッチアクチュエータ16およびドアラッチ102のこのような動作は従来からある。
【0033】
[0045]ドアハンドル組立体10によって担持されたセンサ46、62は、記載されているようなドアラッチ102の制御された係止および係止解除を例示的に提供する。図示された実施形態では、センサ46は、ドアラッチ102の制御された係止解除を例示的に提供しており、センサ62は、ドアラッチ102の制御された係止を例示的に提供しているが、代替の実施形態では、センサ46、62の前述の機能が逆にされてもよい。
図11に示されているように、係止状態におけるドアラッチ102は手120の少なくとも一部分をハンドル基部14の後壁14Gの後面14Rとドア100の外被100Aの一部分115との間の空間110へと延ばすことによって係止解除され得る。一実施形態では、センサ46は、手120の一部分が後面14Rの設計された距離内にあるが後面14Rと接触していないときに起動させられるように、例示的に構成されている。代替の実施形態では、センサ46は、手120の一部分がハンドル基部14の後壁14Gの後面14Rと接触しているときに起動させられるように構成され得る。いずれにしても、センサ46の出力信号は、記憶装置106に保存された命令の制御の下で処理装置104によって監視され、センサ46のこのような起動は、処理装置104がドアラッチ102をその係止解除状態に制御するのに応答するセンサ46の出力信号における検出可能変化を作り出す。その後、ドアハンドル組立体10は、ドア10が搭乗または降車のために開けることができるようラッチアクチュエータ16にドアラッチ102をラッチ止め解除させるために、
図12に示されているように、および、前述したように作動させることができる。一部の実施形態では、処理装置104は、追加または代替で、ドアラッチ102をそのアンラッチ状態へと制御するためにセンサ46の起動に応答してもよい。代替または追加で、ドアラッチ組立体102が自動的なドアの開/閉/支援の装置であるかまたはそのような装置を備え、動力車両ドアが、例えばパワーリフトゲート、パワー後ドア、パワーサイドドア、パワースライドドアなどのパワー開/閉支援機構を伴うアクセス閉止の形態で提供される実施形態では、処理装置104は、追加または代替で、ドアラッチ102を制御してドアラッチ組立体102を作動させて動力車両ドアを自動的に開けるために、センサ46の起動に応答してもよい。
【0034】
[0046]
図13における例によって示されているように、その係止解除状態におけるドアラッチ102は、例えば使用者の手120の指によって、センサ62を前述したように起動させるのに十分な力または圧力を把持カバー12の一部分12Kに加えることで係止され得る。センサ62の出力信号は、記憶装置106に保存された命令の制御の下で処理装置104によって監視され、センサ62のこのような起動は、処理装置104がドアラッチ102をその係止状態に制御するのに応答するセンサ62の出力信号における検出可能変化を作り出す。その後、ドアラッチ102は、ラッチアクチュエータ16にドアラッチ102をラッチ止め解除させるドアハンドル組立体10の作動を防止する。一部の実施形態では、処理装置104は、追加または代替で、ドアラッチ102をそのラッチ状態へと制御するためにセンサ62の起動に応答してもよい。代替または追加で、ドアラッチ組立体102が自動的なドアの開/閉/支援の装置であるかまたはそのような装置を備え、動力車両ドアが、例えばパワーリフトゲート、パワー後ドア、パワーサイドドア、パワースライドドアなどのパワー開/閉支援機構を伴うアクセス閉止の形態で提供される実施形態では、処理装置104は、追加または代替で、ドアラッチ102を制御してドアラッチ組立体102を作動させて動力車両ドアを自動的に閉じるために、センサ62の起動に応答してもよい。
【0035】
[0047]一部の実施形態では、センサ46、62の少なくとも一方の起動は、処理装置104にドアハンドル組立体10の他の態様を制御させてもよい。例えば、一部の実施形態では、回路基板40、回路基板担持体30、ハンドル基部14、および/または把持カバー12は、それらに装着される1つまたは複数の照明発生源を有してもよく、このような実施形態では、記憶装置106に保存された命令は、処理装置104によって実行されるとき、センサ46、62のいずれかかまたは両方の検出された起動に応答して、処理装置104に1つまたは複数のこのような照明発生源を作動させる命令を含み得る。
【0036】
[0048]代替または追加で、処理装置104は、所定またはプログラム可能な起動順序に従って、センサ46、62の少なくとも一方の逐次の起動に基づいてドアラッチ12の状態を制御するようにプログラムされ得る。1つの特定の例として、センサ46の起動=1およびセンサ62の起動=2の場合、記憶装置106に保存された命令は、処理装置104によって実行されるとき、センサ起動順序2212を検出すると、処理装置104に、ドアラッチ102をその係止状態からその係止解除状態へと制御させる(および/または、ドアラッチ102をそのラッチ状態からそのアンラッチ状態へと制御させる、および/または、車両ドアを自動的に開けるためにドアラッチ102を制御させる)命令を含み得る。一部の実施形態では、センサ起動順序は所定の順序とすることができ、他の実施形態では、記憶装置106に保存された命令は、処理装置104によって実行されるとき、「個人用」起動順序が使用者によってプログラムされ得るプログラムモードを処理装置104に実行させる命令を含み得る。一部のこのような実施形態では、車両の異なる使用者が異なる個人用起動順序をプログラムでき、このような実施形態では、処理装置104は、任意のこのようなプログラムされた起動順序の検出において、ドアラッチ102をその係止状態からその係止解除状態へと制御するように構成され得る。いずれにしても、処理装置104は、一部のこのような実施形態では、前述したようにセンサ62の起動だけの検出において、または、先ほど記載したようにセンサ46、62のいずれか一方または両方のセンサ起動事象の所定の順序またはプログラムされた順序の検出において、ドアラッチ102をその係止解除状態からその係止状態へと制御するために(および/または、ドアラッチ102をそのアンラッチ状態からそのラッチ状態へと制御するために、および/または、車両ドアを自動的に閉じるためにドアラッチ102を制御するために)プログラムされ得る。
【0037】
[0049]一部の実施形態では、センサ46、62の少なくとも一方の、単一でのまたは一連の、起動は、処理装置104に、先に手短に記載したような動力車両の他の態様を制御させてもよい。このような場合、処理装置104(および/または、適切な場合、回路基板40に担持される処理装置)は、1つまたは複数のアクチュエータ、装置、またはシステム107を選択的に制御すること、つまり、作動、作動停止、選択、または制御することによって、動力車両の1人もしくは複数人の運転者および/または同乗者の設定を作動、作動停止、選択、制御、および/または位置決めするために、例えばセンサ46、62といったセンサのいずれかもしくは両方、ならびに/または、組立体10によって担持される他のセンサもしくは追加のセンサによって生成される単一の起動信号または一連の起動信号を処理するように構成されてもよい。動力車両の車両内部の運転者および/または同乗者のこのような1つまたは複数の設定の例には、限定されることはないが、1つまたは複数の照明設定、1つまたは複数のエンターテイメントシステム設定、1つまたは複数の気候制御設定、1つまたは複数の座席位置設定、1つまたは複数のステアリングホイール位置設定、1つまたは複数のバックミラー位置設定、1つまたは複数のサイドミラー位置設定、1つまたは複数の窓および/またはサンルーフ位置設定などがあり得る。動力車両の車両外部の運転者および/または同乗者のこのような1つまたは複数の設定の例には、限定されることはないが、例えば、動力車両に対して折り畳まれる、または、動作位置へと展開されるといった、動力車両のサイドミラーのうちの1つまたは複数の位置、1つまたは複数の窓および/またはサンルーフの位置設定、1つまたは複数の外部の動力車両ライトなど、車両が駐車/静止されるときの動力車両の1つまたは複数の外部の構造および/または特徴があり得る。
【0038】
[0050]本開示は図面および前述の記載において詳細に図示および記載されているが、このような図示および記載は、例示的なものであり制限する性質のものとみなすべきでなく、単なる例示の実施形態が図示および記載されていることと、本開示および提唱された請求項と一致するすべての変更および改良が保護されると望まれることとは、理解されている。例えば、添付の図で示されたドアハンドル組立体10は、ハンドル基部14の壁14Gの後面14Rに隣接して位置決めされている静電容量式センサ46と、把持カバー12の壁の一部分に隣接して位置決めされている誘導式センサとを有するとして描写および記載されているが、両方のセンサ46、62が静電容量式センサである実施形態、両方のセンサ46、62が誘導式センサである実施形態、および/または、ハンドル基部14の後壁14Gに隣接して位置決めされたセンサが誘導式センサであり、把持カバー12の壁の一部分に隣接して位置決めされたセンサが静電容量式センサである実施形態は、すべて本開示によって検討されている。別の例として、ドアハンドル組立体10は、ドアラッチ102をその係止状態からその係止解除状態へと制御するように起動され得る、ハンドル基部14の後壁14Gの後面14Rに隣接して位置決めされたセンサを有するとして記載されているが、本開示は、このようなセンサがドアラッチ102をその係止解除状態からその係止状態へと制御するために起動され得る実施形態を検討している。同様に、ドアハンドル組立体10は、ドアラッチ102をその係止解除状態からその係止状態へと制御するように起動され得る、把持カバー12の壁の一部分に隣接して位置決めされたセンサを有するとして記載されているが、本開示は、このようなセンサがドアラッチ102をその係止状態からその係止解除状態へと制御するために起動され得る実施形態を検討している。なおも別の例として、ドアハンドル組立体10は、互いと別々に装着された2つのセンサを含むとして記載されているが、本開示は、両方のセンサが、例えば、空間12Sの長さまたは長さの少なくとも一部で延びる把持カバー12に形成されたスロットに受け入れられるセンサカートリッジに装着される1つもしくは複数の基板において、把持カバー12に直接的に装着される1つもしくは複数の基板において、または、ハンドル基部14に装着される1つもしくは複数の基板において、一緒に装着される実施形態を検討している。なおもさらなる別の例として、ドアハンドル組立体10は、動力車両ドア100に動作可能に装着されるとして、
図10~
図13に示されて記載されているが、ドアハンドル組立体が、代替で、例えば、限定されることはないが、動力車両のスライド式の動力車両ドア、後部ハッチ、トランク、もしくはスイングドア、または、動力車両のいわゆる「A」、「B」、もしくは「C」のピラーのいずれかなど、動力車両の静止部分を含む、動力車両の他の構造に、全体または一部で装着されてもよいことは理解されるものである。