(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】種類別数量情報作成装置、種類別数量情報作成方法、および、種類別数量情報作成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20220627BHJP
【FI】
G06Q50/08
(21)【出願番号】P 2021031715
(22)【出願日】2021-03-01
【審査請求日】2021-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006910
【氏名又は名称】株式会社淀川製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【氏名又は名称】鈴江 正二
(74)【代理人】
【識別番号】100142376
【氏名又は名称】吉村 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】隅田 昌伸
(72)【発明者】
【氏名】古川 亮介
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-288371(JP,A)
【文献】特開2010-176705(JP,A)
【文献】特開2015-026226(JP,A)
【文献】特開2000-113082(JP,A)
【文献】特開2004-246844(JP,A)
【文献】特開2005-78207(JP,A)
【文献】特開2014-41650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の構成物情報の集合体である集合体情報の入力を受付ける集合体情報入力部と、
前記集合体情報が含む前記構成物情報に基づいて数量を特定する数量特定部と、
前記数量特定部が特定した前記数量を示す情報を出力する数量出力部とを備える種類別数量情報作成装置であって、
前記構成物情報が、
構成物の所定の箇所のサイズを示す所定箇所サイズ情報と、
前記所定の箇所の前記サイズ以外の前記構成物の特色を示す構成物特色情報とを含み、
前記数量特定部が、
前記集合体情報が含む前記構成物情報から、前記構成物特色情報の内容の少なくとも一部と前記所定箇所サイズ情報の内容とが共通する前記構成物情報の集団を形成する情報集団形成部と、
前記情報集団形成部が形成した前記集団について、前記集団に含まれる前記構成物情報の前記数量を計数する情報数量計数部とを有しており、
前記数量出力部が、前記情報集団形成部が形成した前記集団について、前記集団に含まれる前記構成物情報の前記数量を示す情報を出力し、
前記情報集団形成部が、
前記所定箇所サイズ情報が示す前記サイズが所定の要件を満たさない前記構成物情報それぞれについて、前記構成物の前記所定の箇所の前記サイズの所定の代替値を設定する代替値設定部と、
前記所定箇所サイズ情報が示す前記サイズが前記所定の要件を満たす前記構成物情報については前記構成物特色情報の少なくとも一部と前記所定箇所サイズ情報とに基づいて前記集団を選択し、前記所定箇所サイズ情報が示す前記サイズが前記所定の要件を満たさない前記構成物情報については前記構成物特色情報の少なくとも一部と前記代替値設定部が設定した前記代替値とに基づいて前記集団を選択する集団選択部とを有することを特徴とする種類別数量情報作成装置。
【請求項2】
前記代替値設定部が、前記構成物の前記所定の箇所について前記所定の要件が満たされる所定のサイズを前記代替値とし、
前記集団選択部が、前記所定箇所サイズ情報が示す前記サイズが前記所定の要件を満たさない前記構成物情報について、前記所定箇所サイズ情報が示す前記サイズが前記所定の要件を満たす前記構成物情報について選択される前記集団を選択することを特徴とする請求項1に記載の種類別数量情報作成装置。
【請求項3】
前記代替値設定部が、前記所定箇所サイズ情報が示す前記サイズより大きい前記所定のサイズを前記代替値とすることを特徴とする請求項2に記載の種類別数量情報作成装置。
【請求項4】
複数の構成物情報の集合体である集合体情報の入力をコンピュータが受付ける集合体情報入力工程と、
前記集合体情報が含む前記構成物情報に基づいて前記コンピュータが数量を特定する数量特定工程と、
前記数量特定工程において特定された前記数量を示す情報を前記コンピュータが出力する数量出力工程とを備える種類別数量情報作成方法であって、
前記構成物情報が、
構成物の所定の箇所のサイズを示す所定箇所サイズ情報と、
前記所定の箇所の前記サイズ以外の前記構成物の特色を示す構成物特色情報とを含み、
前記数量特定工程が、
前記集合体情報が含む前記構成物情報から、前記構成物特色情報の内容の少なくとも一部と前記所定箇所サイズ情報の内容とが共通する前記構成物情報の集団が形成される情報集団形成工程と、
前記情報集団形成工程において形成された前記集団について、前記集団に含まれる前記構成物情報の前記数量が計数される情報数量計数工程とを有しており、
前記数量出力工程において、前記情報集団形成工程にて形成された前記集団について、前記集団に含まれる前記構成物情報の前記数量を示す情報が出力され、
前記情報集団形成工程が、
前記所定箇所サイズ情報が示す前記サイズが前記所定の要件を満たさない前記構成物情報それぞれについて、前記構成物の前記所定の箇所の前記サイズの所定の代替値が設定される代替値設定工程と、
前記所定箇所サイズ情報が示す前記サイズが所定の要件を満たす前記構成物情報については前記構成物特色情報の少なくとも一部と前記所定箇所サイズ情報とに基づいて前記集団が選択され、前記所定箇所サイズ情報が示す前記サイズが前記所定の要件を満たさない前記構成物情報については前記構成物特色情報の少なくとも一部と前記代替値設定工程において設定された前記代替値とに基づいて前記集団が選択される集団選択工程とを有することを特徴とする種類別数量情報作成方法。
【請求項5】
複数の構成物情報の集合体である集合体情報の入力が受付けられる集合体情報入力工程と、
前記集合体情報が含む前記構成物情報に基づいて数量が特定される数量特定工程と、
前記数量特定工程において特定された前記数量を示す情報が出力される数量出力工程とを備える種類別数量情報作成方法をコンピュータに実行させる種類別数量情報作成プログラムであって、
前記構成物情報が、
構成物の所定の箇所のサイズを示す所定箇所サイズ情報と、
前記所定の箇所の前記サイズ以外の前記構成物の特色を示す構成物特色情報とを含み、
前記数量特定工程が、
前記集合体情報が含む前記構成物情報から、前記構成物特色情報の内容の少なくとも一部と前記所定箇所サイズ情報の内容とが共通する前記構成物情報の集団が形成される情報集団形成工程と、
前記情報集団形成工程において形成された前記集団について、前記集団に含まれる前記構成物情報の前記数量が計数される情報数量計数工程とを有しており、
前記数量出力工程において、前記情報集団形成工程にて形成された前記集団について、前記集団に含まれる前記構成物情報の前記数量を示す情報が出力され、
前記情報集団形成工程が、
前記所定箇所サイズ情報が示す前記サイズが前記所定の要件を満たさない前記構成物情報それぞれについて、前記構成物の前記所定の箇所の前記サイズの所定の代替値が設定される代替値設定工程と、
前記所定箇所サイズ情報が示す前記サイズが所定の要件を満たす前記構成物情報については前記構成物特色情報の少なくとも一部と前記所定箇所サイズ情報とに基づいて前記集団が選択され、前記所定箇所サイズ情報が示す前記サイズが前記所定の要件を満たさない前記構成物情報については前記構成物特色情報の少なくとも一部と前記代替値設定工程において設定された前記代替値とに基づいて前記集団が選択される集団選択工程とを有することを特徴とする種類別数量情報作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種類別数量情報作成装置、種類別数量情報作成方法、および、種類別数量情報作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1はCADソフトウェアの集計データ作成方法を開示する。この集計データ作成方法は、設計データ変換ステップと、抽出ステップと、集計ステップと、集計データ変換ステップとを備える。設計データ変換ステップにおいて、第1の設計データが第2のファイルフォーマットに変換される。第1の設計データは、CADソフトウェアにより第1のファイルフォーマットで作成されたデータである。第2のファイルフォーマットは特定のファイルフォーマットである。これにより、第2の設計データが生成される。抽出ステップにおいて、第2の設計データから部材名が抽出される。集計ステップにおいて、集計データが生成される。集計データは、抽出ステップにより抽出された部材名とその部材名の数を対応させたものである。集計データ変換ステップにおいて、集計データは所定の表計算ソフトウェアのファイルフォーマットに変換される。
【0003】
特許文献1に開示されている集計データ作成方法によれば、CADソフトウェアにより生成された設計データから表計算ソフトウェアで処理可能な集計データを生成することができる。
【0004】
特許文献2は内装数量計算システムを開示する。この内装数量計算システムは、あらかじめCAD上で作成された図面から、測定するために引かれた線および範囲の持っている情報を独自のダイアログに読み込む機能を備える。
【0005】
特許文献2に開示されている内装数量計算システムによれば、計算書、集計表、フロア別集計表作成の一連の作業の省力化と時間の短縮化と正確な数量算出とができる。
【0006】
特許文献3は3次元データの作成システムを開示する。この3次元データの作成システムは、レイヤー内の部材の図形情報と属性情報とを関連付けることで各部材の数量および積算データを生成する。この3次元データの作成システムは、部材の数量および積算データを表計算ソフトにより表形式で集計して表示する。
【0007】
特許文献3に開示されている3次元データの作成システムによれば、積算データの把握に必要な情報が出力できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2000-113082号公報
【文献】特開2004-246844号公報
【文献】特開2005-78207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示された集計データ作成方法乃至特許文献3に開示された3次元データの作成システムには、得られる情報によって積算データを把握することが容易でないことがあるという問題点がある。
【0010】
本発明は、このような問題を解消するものである。その目的は、積算データをより容易に把握できる種類別数量情報作成装置、種類別数量情報作成方法、および、種類別数量情報作成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の種類別数量情報作成装置、種類別数量情報作成方法、および、種類別数量情報作成プログラムが説明される。なお、この欄で図中の符号を使用したのは、発明の内容の理解を助けるためであって、内容を図示した範囲に限定する意図ではない。
【0012】
上述された課題を解決するために、本発明のある局面に従うと、種類別数量情報作成装置22は、集合体情報入力部60と、数量特定部64と、数量出力部66とを備える。集合体情報入力部60は、集合体情報の入力を受付ける。集合体情報は、複数の構成物情報の集合体である。数量特定部64は、集合体情報が含む構成物情報に基づいて数量を特定する。数量出力部66は、数量特定部64が特定した数量を示す情報を出力する。構成物情報が、所定箇所サイズ情報と、構成物特色情報とを含む。所定箇所サイズ情報は、構成物の所定の箇所のサイズを示す。構成物特色情報は、所定の箇所のサイズ以外の構成物の特色を示す。数量特定部64が、情報集団形成部80と、情報数量計数部82とを有している。情報集団形成部80は、集合体情報が含む構成物情報から、次に述べられる構成物情報の集団を形成する。この集団は、構成物特色情報の内容の少なくとも一部と所定箇所サイズ情報の内容とが共通する。情報数量計数部82は、情報集団形成部80が形成した集団について、集団に含まれる構成物情報の数量を計数する。数量出力部66が、情報集団形成部80が形成した集団について、集団に含まれる構成物情報の数量を示す情報を出力する。情報集団形成部80が、代替値設定部100と、集団選択部102とを有する。代替値設定部100は、所定箇所サイズ情報が示すサイズが所定の要件を満たさない構成物情報それぞれについて、構成物の所定の箇所のサイズの所定の代替値を設定する。集団選択部102は、集団を選択する。この集団は、所定箇所サイズ情報が示すサイズが所定の要件を満たす構成物情報については構成物特色情報の少なくとも一部と所定箇所サイズ情報とに基づいて選択される。この集団は、所定箇所サイズ情報が示すサイズが所定の要件を満たさない構成物情報については構成物特色情報の少なくとも一部と代替値設定部が設定した代替値に基づいて選択される。
【0013】
情報集団形成部80により、構成物特色情報の内容の少なくとも一部と所定箇所サイズ情報の内容とが共通する集団が形成される。情報数量計数部82が、情報集団形成部80が形成した集団について、集団に含まれる構成物情報の数量を計数する。数量出力部66が、情報集団形成部80が形成した集団について、集団に含まれる構成物情報の数量を示す情報を出力する。これにより、構成物情報の数量が、構成物の所定の箇所のサイズに基づき計数されることとなる。構成物の所定の箇所のサイズに基づき構成物情報の数量が計数されると、そのサイズに基づいた数量が把握可能となる。所定箇所サイズ情報が示すサイズが所定の要件を満たさない構成物情報それぞれについて選択される集団は、構成物特色情報の少なくとも一部と所定の代替値とに応じたものである。構成物特色情報の少なくとも一部と所定の代替値とに応じて集団が選択されるので、所定の要件を満たさないサイズごとに互いに異なる集団が選択されることが防止される。サイズごとに互いに異なる集団が選択されたために必要以上に集団が細分化されることは、積算データの把握のために多種類の集団の特徴を把握する必要性を生じさせる。その必要性を生じさせることが積算データの把握を困難にする原因となり得る。所定の要件を満たさないサイズごとに互いに異なる集団が選択されることが防止されると、集団数の増加が抑制される。その結果、積算データの把握をより容易にできる。
【0014】
また、上述された代替値設定部100が、構成物の所定の箇所について所定の要件が満たされる所定のサイズを代替値とすることが望ましい。この場合、集団選択部102が、所定箇所サイズ情報が示すサイズが所定の要件を満たさない構成物情報について、所定箇所サイズ情報が示すサイズが所定の要件を満たす構成物情報について選択される集団を選択することが望ましい。
【0015】
代替値設定部100は、所定箇所サイズ情報が示すサイズが所定の要件を満たさない場合に次に述べられるサイズを代替値とする。そのサイズは、構成物の所定の箇所について所定の要件が満たされる所定のサイズである。集団選択部102は、所定箇所サイズ情報が示すサイズが所定の要件を満たさない構成物情報については次に述べられる集団を選択する。その集団は、所定箇所サイズ情報が示すサイズが所定の要件を満たす構成物情報について選択される集団である。これにより、所定箇所サイズ情報が示すサイズが所定の要件を満たすか否かに応じた集団の細分化が抑制される。その結果、積算データの把握をより容易にできる。
【0016】
もしくは、上述された代替値設定部100が、所定箇所サイズ情報が示すサイズより大きい所定のサイズを代替値とすることが望ましい。
【0017】
所定箇所サイズ情報が示すサイズより大きい所定のサイズが代替値とされる。その所定のサイズが代替値とされるので、サイズが上述された所定の要件を満たさない構成物情報の数量は、サイズがその所定の要件を満たす構成物情報の数量の一部となる。これにより、構成物の所定の箇所のサイズが大きすぎることに起因したトラブルよりも構成物の所定の箇所のサイズが小さすぎることに起因したトラブルの方が重大である場合に、次に述べられるトラブルの悪影響を抑えることができる。そのトラブルは、数量出力部66が出力した情報から特定される構成物の所定の箇所のサイズが不適切なことに起因するトラブルである。その結果、トラブルの悪影響を抑えることができ、かつ、積算データの把握をより容易にできる。
【0018】
本発明の他の局面に従うと、種類別数量情報作成方法は、集合体情報入力工程S200と、数量特定工程S202と、数量出力工程S204とを備える。集合体情報入力工程S200において、集合体情報の入力をコンピュータが受付ける。集合体情報は、複数の構成物情報の集合体である。数量特定工程S202において、集合体情報が含む構成物情報に基づいてコンピュータが数量を特定する。数量出力工程S204において、数量特定工程S202において特定された数量を示す情報をコンピュータが出力する。構成物情報が、所定箇所サイズ情報と、構成物特色情報とを含む。所定箇所サイズ情報は、構成物の所定の箇所のサイズを示す。構成物特色情報は、所定の箇所のサイズ以外の構成物の特色を示す。数量特定工程S202が、情報集団形成工程S240と、情報数量計数工程S242とを有している。情報集団形成工程S240において、集合体情報が含む構成物情報から、構成物情報の集団が形成される。この集団では、構成物特色情報の内容の少なくとも一部と所定箇所サイズ情報の内容とが共通する。情報数量計数工程S242において、情報集団形成工程S240において形成された集団について、集団に含まれる構成物情報の数量が計数される。数量出力工程S204において、情報集団形成工程S240にて形成された集団について、集団に含まれる構成物情報の数量を示す情報が出力される。情報集団形成工程S240が、代替値設定工程S262と、集団選択工程S266とを有する。代替値設定工程S262において、構成物情報それぞれについて、構成物の所定の箇所のサイズの所定の代替値が設定される。それらの構成物情報は、所定箇所サイズ情報が示すサイズが所定の要件を満たさないものである。集団選択工程S266において、所定箇所サイズ情報が示すサイズが所定の要件を満たす構成物情報については構成物特色情報の少なくとも一部と所定箇所サイズ情報とに基づいて集団が選択される。集団選択工程S266において、所定箇所サイズ情報が示すサイズが所定の要件を満たさない構成物情報については構成物特色情報の少なくとも一部と代替値設定工程S262において設定された代替値とに基づいて集団が選択される。
【0019】
本発明にかかる種類別数量情報作成方法によれば、積算データの把握をより容易にできる。
【0020】
本発明の他の局面に従うと、種類別数量情報作成プログラムは、次に述べられる種類別数量情報作成方法をコンピュータに実行させる。その種類別数量情報作成方法は、集合体情報入力工程S200と、数量特定工程S202と、数量出力工程S204とを備える。集合体情報入力工程S200において、集合体情報の入力が受付けられる。集合体情報は、複数の構成物情報の集合体である。数量特定工程S202において、集合体情報が含む構成物情報に基づいて数量が特定される。数量出力工程S204において、数量特定工程S202において特定された数量を示す情報が出力される。構成物情報が、所定箇所サイズ情報と、構成物特色情報とを含む。所定箇所サイズ情報は、構成物の所定の箇所のサイズを示す。構成物特色情報は、所定の箇所のサイズ以外の構成物の特色を示す。数量特定工程S202が、情報集団形成工程S240と、情報数量計数工程S242とを有している。情報集団形成工程S240において、集合体情報が含む構成物情報から、構成物情報の集団が形成される。この集団では、構成物特色情報の内容の少なくとも一部と所定箇所サイズ情報の内容とが共通する。情報数量計数工程S242において、情報集団形成工程S240において形成された集団について、集団に含まれる構成物情報の数量が計数される。数量出力工程S204において、情報集団形成工程S240にて形成された集団について、集団に含まれる構成物情報の数量を示す情報が出力される。情報集団形成工程S240が、代替値設定工程S262と、集団選択工程S266とを有する。代替値設定工程S262において、構成物情報それぞれについて、構成物の所定の箇所のサイズの所定の代替値が設定される。それらの構成物情報は、所定箇所サイズ情報が示すサイズが所定の要件を満たさないものである。集団選択工程S266において、所定箇所サイズ情報が示すサイズが所定の要件を満たす構成物情報については構成物特色情報の少なくとも一部と所定箇所サイズ情報とに基づいて集団が選択される。集団選択工程S266において、所定箇所サイズ情報が示すサイズが所定の要件を満たさない構成物情報については構成物特色情報の少なくとも一部と代替値設定工程S262において設定された代替値とに基づいて集団が選択される。
【0021】
本発明にかかる種類別数量情報作成プログラムによれば、積算データの把握をより容易にできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、積算データの把握をより容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる積算システムの構成および種類別数量情報作成装置の構成を表す図である。
【
図2】本発明の一実施形態にかかる積算システムを実現するコンピュータのハードウェア構成を表す図である。
【
図3】本発明の一実施形態にかかる情報集団形成部の構成が示される図である。
【
図4】本発明の一実施形態にかかる種類別数量情報作成方法の制御の手順を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態にかかる集合体情報入力工程の制御の手順を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態にかかる数量特定工程の制御の手順を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態にかかる情報集団形成工程の制御の手順を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態にかかる構成物情報出力工程の制御の手順を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態にかかる出力対象となる情報の名称と出力時のデータの種類とを示すデータファイルの内容を示す概念図である。
【
図10】本発明の一実施形態にかかる製図装置から種類別数量情報作成装置へ出力される集合体情報のフォーマットを示す概念図である。
【
図11】本発明の一実施形態にかかる集合体情報の出力状況を示す概念図である。
【
図12】本発明の一実施形態にかかる同一の集団に属する構成物情報を示す概念図である。
【
図13】本発明の一実施形態にかかる構成物情報が表示されている状況の概念図である。
【
図14】本発明の一実施形態にかかる数量を示す情報の表示状況を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態が説明される。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能は同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返されない。
【0025】
[積算システムの構成の説明]
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる積算システムの構成および種類別数量情報作成装置22の構成を表す図である。
図1に基づいて、本実施形態にかかる積算システムの構成が説明される。
【0026】
本実施形態にかかる積算システムは、製図装置20と種類別数量情報作成装置22とを備える。製図装置20はオペレータが物の図面を作成するための装置である。製図装置20には、その図面を示す図面情報が記憶される。種類別数量情報作成装置22は、その図面に基づいてその図面が示す物の部品の種類別の数量を示す情報を出力する。本実施形態においては、種類別数量情報作成装置22は、その部品の一覧を示す情報も出力する。
【0027】
[コンピュータのハードウェア構成の説明]
図2は、本実施形態にかかる積算システムを実現するコンピュータのハードウェア構成を表す図である。本実施形態にかかる積算システムは、コンピュータが2種類のプログラムを実行することにより実現される仮想システムである。それらのうち1種類目は、製図装置20を実現するためのプログラムである。それらのうち2種類目は、種類別数量情報作成装置22を実現するためのプログラムである。
図2に基づいて、本実施形態にかかる積算システムを実現するコンピュータのハードウェア構成が説明される。
【0028】
本実施形態にかかる積算システムを実現するコンピュータは、制御部30と、記憶部32と、入力部34と、出力部36と、コネクタ38とを備える。制御部30は、CPU(Central Processing Unit)などによって実現される。制御部30は、記憶部32から読出したプログラムを実行することにより、そのプログラムにおいて定められた手順にしたがってこのコンピュータを構成する各装置を制御する。記憶部32は、ROM(Read only memory)およびRAM(Random access memory)などによって実現される。記憶部32は、プログラムとデータとを記憶する。入力部34は、キーボードおよびマウスなどによって実現される。入力部34は、オペレータの入力に応じて信号を生成する。これにより、オペレータからこのコンピュータに情報が入力される。出力部36は、ディスプレイおよびプリンタなどによって実現される。出力部36は、画像を表示することおよび紙への印字の少なくとも一方により情報を出力する。コネクタ38にはUSB(Universal Serial Bus)メモリ42が接続される。USBメモリ42に記録されたプログラムおよび情報はコネクタ38を介して制御部30に読み込まれる。また、コネクタ38は、USBメモリ42に情報を出力することもある。
【0029】
[製図装置の構成の説明]
上述の説明から明らかなように、本実施形態にかかる製図装置20は、コンピュータの制御部30がプログラムを実行することにより実現される装置である。このようなプログラムは周知である。オートデスク株式会社が販売するプログラムであるAutoCAD(登録商標)LTがその一例である。したがって、ここではその詳細な説明は繰り返されない。
【0030】
[種類別数量情報作成装置の構成の説明]
図1に基づいて、本実施形態にかかる種類別数量情報作成装置22の構成とその機能とが説明される。上述の説明から明らかなように、本実施形態にかかる種類別数量情報作成装置22はコンピュータの制御部30がプログラムを実行することにより実現される装置である。本実施形態にかかる種類別数量情報作成装置22は、集合体情報入力部60と、集合体情報記憶部62と、数量特定部64と、数量出力部66とを備える。
【0031】
本実施形態にかかる集合体情報入力部60は、コンピュータの制御部30と記憶部32と出力部36とによって実現される。集合体情報入力部60は、集合体情報の入力を受付ける。集合体情報は、複数の構成物情報の集合体である。構成物情報の具体的内容は後述される。
【0032】
本実施形態にかかる集合体情報記憶部62は、コンピュータの制御部30と記憶部32とによって実現される。集合体情報記憶部62は、集合体情報を記憶する。
【0033】
本実施形態にかかる数量特定部64は、コンピュータの制御部30と記憶部32と入力部34と出力部36とによって実現される。数量特定部64は、集合体情報が含む構成物情報に基づいて数量を特定する。その数量は後述される。
【0034】
本実施形態にかかる数量出力部66は、コンピュータの制御部30と出力部36とによって実現される。数量出力部66は、数量特定部64が特定した数量を示す情報を出力する。
【0035】
本実施形態の場合、数量特定部64が、情報集団形成部80と、情報数量計数部82とを有している。
【0036】
情報集団形成部80は、集合体情報が含む構成物情報から、次に述べられる構成物情報の集団を形成する。この集団に含まれる構成物情報は、構成物特色情報の内容の少なくとも一部と所定箇所サイズ情報の内容とが共通する。本実施形態においては、構成物情報とは、構成物を次に述べられる要素によって示す情報である。その要素は、構成物の所定の箇所のサイズ、および、そのサイズ以外のその構成物の特色である。本実施形態にかかる構成物情報の具体的な内容は後述される。
【0037】
情報数量計数部82は、情報集団形成部80が形成した集団について、集団に含まれる構成物情報の数量を計数する。この数量を示す情報は、数量出力部66によって出力されることとなる。
【0038】
本実施形態の場合、構成物情報は、所定箇所サイズ情報と構成物特色情報とを含む。所定箇所サイズ情報は構成物の所定の箇所のサイズを示す。構成物特色情報は、その所定の箇所のサイズ以外の構成物の特色を示す。
【0039】
一般に、物は複数の部品によって構成される。物が複数の部品によって構成される場合、その物はそれらの部品の集合体である。一方、それらの部品はその集合体を構成する物と言える。それらの部品を構成物と呼ぶとき、構成物は集合体を構成すると言える。これにより、その部品の種類別の数量を示す情報は、上述された構成物の種類別の数量を示す情報となる。本実施形態においては、ある物を構成する物が「構成物」と称される。構成物によって構成される物が「集合体」と称される。
【0040】
図3は、本実施形態にかかる情報集団形成部80の構成が示される図である。
図3に基づいて、本実施形態にかかる情報集団形成部80の構成が示される。本実施形態にかかる情報集団形成部80は、代替値設定部100と、集団選択部102と、指標情報設定部104と、構成物情報出力部106とを有する。
【0041】
代替値設定部100は、構成物の所定の箇所のサイズの所定の代替値を設定する。この代替値は、次に述べられる構成物情報それぞれについて設定される。その構成物情報は、所定箇所サイズ情報が示すサイズがサイズに関する所定の要件(以下「サイズ要件」と称される)を満たさないものである。本実施形態の場合、代替値設定部100は、構成物の所定の箇所について上述されたサイズ要件が満たされるサイズのうち所定箇所サイズ情報が示すサイズより大きい所定のサイズを代替値とする。
【0042】
集団選択部102は、構成物情報が属する集団を選択する。この集団は、所定箇所サイズ情報が示すサイズがサイズ要件を満たす構成物情報については、構成物特色情報の少なくとも一部と所定箇所サイズ情報とに基づいて選択される。この集団は、所定箇所サイズ情報が示すサイズがサイズ要件を満たさない構成物情報については、構成物特色情報の少なくとも一部と代替値設定部100が設定した代替値とに基づいて選択される。
【0043】
指標情報設定部104は、所定の構成物特色情報が示す特色がその特色に関する所定の要件(以下「特色要件」と称される)を満たさない構成物情報それぞれに対応付けて、指標情報を設定する。指標情報は、所定の構成物特色情報が示す特色が特色要件を満たさないことを示すために設定される。
【0044】
構成物情報出力部106は、複数の構成物情報を出力する。本実施形態の場合、構成物情報出力部106が出力する複数の構成物情報は、構成物特色情報の内容が共通する構成物情報が連続するように出力される。本実施形態の場合、指標情報が対応付けられている構成物情報は指標情報が付随するように出力される。
【0045】
[種類別数量情報作成プログラムの説明]
上述されたとおり、コンピュータの、制御部30と 、記憶部32と、入力部34と、出力部36と、コネクタ38とが、本実施形態にかかる種類別数量情報作成装置22を構成する。これは、制御部30が記憶部32から読出した種類別数量情報作成プログラムを実行することにより実現される。一般的にこうしたプログラムは、USBメモリ42などのコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で流通する。こうしたプログラムは図示されないインターネットを介して流通することもある。こうしたプログラムは、記憶部32にいったん記録される。制御部30が実行するプログラムは、その記憶部32が記憶したものである。したがって、本発明の最も本質的な部分は、USBメモリ42などのコンピュータ読取可能な記録媒体に記録されたプログラムである。
【0046】
[種類別数量情報作成方法のフローチャートの説明]
図4は、本実施形態にかかる種類別数量情報作成方法の制御の手順を示すフローチャートである。上述されたプログラムは、本実施形態にかかる種類別数量情報作成方法をコンピュータに実行させるものである。本実施形態にかかる種類別数量情報作成方法は、次に述べられる複数の工程を備える。それら複数の工程は、集合体情報入力工程S200、数量特定工程S202、および、数量出力工程S204である。それら複数の工程はいずれも
図4に示されている。以下、それら複数の工程の具体的な内容が説明される。
【0047】
集合体情報入力工程S200において、種類別数量情報作成装置22の集合体情報入力部60として動作するコンピュータの制御部30と記憶部32と出力部36とは、集合体情報の入力を受付ける。集合体情報は、複数の構成物情報の集合体である。集合体情報の入力を受付けるための具体的な手順は後述される。
【0048】
数量特定工程S202において、種類別数量情報作成装置22の数量特定部64として動作するコンピュータの制御部30は、集合体情報が含む構成物情報に基づいて数量を特定する。この数量を特定するための具体的な手順は後述される。
【0049】
数量出力工程S204において、本実施形態にかかる数量出力部66として動作するコンピュータの制御部30と出力部36は、数量特定工程S202において特定された数量を示す情報を出力する。
【0050】
図5は、本実施形態にかかる集合体情報入力工程S200の制御の手順を示すフローチャートである。この制御は、次に述べられる複数の工程をコンピュータに実行させるものである。それら複数の工程は、記憶領域情報抹消工程S220、および、情報形式変換工程S222である。以下、これらの各工程の具体的な内容が説明される。
【0051】
記憶領域情報抹消工程S220において、集合体情報記憶部62として動作するコンピュータの制御部30は、集合体情報記憶部62として動作する記憶部32のうち集合体情報が記憶される予定の領域の情報を抹消する。抹消の対象となる領域の大きさは、集合体情報の大きさに合致している必要はない。その大きさは、集合体情報の最大大きさとして推定されるもの以上であればよい。
【0052】
情報形式変換工程S222において、集合体情報入力部60として動作するコンピュータの制御部30と記憶部32とは、そのコンピュータが製図装置20として動作している間に作成した集合体情報を参照する。すなわち、制御部30は、その集合体情報を記憶部32のうち次に述べられる領域から情報を読み出す。その領域は、製図装置20が作成した集合体情報を記憶するための領域である。これにより、集合体情報入力部60として動作するコンピュータの制御部30は、集合体情報を受付けることとなる。その集合体情報が読み出されると、集合体情報入力部60として動作する制御部30は、集合体情報記憶部62として動作する記憶部32のうち次に述べられる領域へ、読み出された集合体情報を記憶させる。その領域は、記憶領域情報抹消工程S220において情報が抹消された領域である。本実施形態においては、この領域に記憶される各情報は、2次元座標に対応付けられる。本実施形態においては、この領域に記憶される各情報に対して、1つの構成物情報に含まれる各情報が同一の行に並んで示され得るようにその2次元座標が対応付けられる。本実施形態においては、この領域に記憶される各情報に対して、構成物情報に含まれる各情報のうち同一種類の情報が同一の列に並んで示され得るようにその2次元座標が対応付けられる。これにより、この領域に記憶される各情報を表形式で示すことが可能である。その結果、集合体情報は情報処理が容易な形式へ変換されることとなる。この領域に各情報が記憶されると、集合体情報入力部60として動作する制御部30と出力部36とは、この領域に記憶された各情報を出力する。
【0053】
図6は、本実施形態にかかる数量特定工程S202の制御の手順を示すフローチャートである。この制御は、次に述べられる複数の工程をコンピュータに実行させるものである。それら複数の工程は、情報集団形成工程S240、および、情報数量計数工程S242である。以下、これらの各工程の具体的な内容が説明される。
【0054】
情報集団形成工程S240において、情報集団形成部80として動作するコンピュータの制御部30と記憶部32と入力部34と出力部36とは、集合体情報が含む構成物情報から、次に述べられる構成物情報の集団を形成する。この集団は、構成物特色情報の内容の少なくとも一部と所定箇所サイズ情報の内容とが共通する。この集団を成形するための具体的な手順は後述される。
【0055】
情報数量計数工程S242において、情報数量計数部82として動作するコンピュータの制御部30は、情報集団形成工程S240において形成された集団それぞれについて、集団に含まれる構成物情報の数量を計数する。
【0056】
図7は、本実施形態にかかる情報集団形成工程S240の制御の手順を示すフローチャートである。この制御は、次に述べられる複数の工程をコンピュータに実行させるものである。それら複数の工程は、代替値設定要否判断工程S260、代替値設定工程S262、代替値設定終了判断工程S264、集団選択工程S266、指標設定要否判断工程S267、指標情報設定工程S268、指標設定終了判断工程S269、および、構成物情報出力工程S270である。以下、これらの各工程の具体的な内容が説明される。
【0057】
代替値設定要否判断工程S260において、代替値設定部100として動作するコンピュータの制御部30は、次に述べられるサイズがサイズ要件を満たすか否かを判断する。そのサイズは、次に述べられる所定箇所サイズ情報が示すものである。その所定箇所サイズ情報は、次に述べられる所定箇所サイズ情報のうちこれに対応付けられた列方向の座標が最も原点に近いものである。その所定箇所サイズ情報は、サイズ要件を満たすか否かの判断が済んでいない所定箇所サイズ情報である。上述されたサイズがサイズ要件を満たす場合(S260にてYES)、処理はS264へと移される。もしそうでないと(S260にてNO)、処理はS262へと移される。
【0058】
代替値設定工程S262において、代替値設定部100として動作するコンピュータの制御部30は、次に述べられる所定のサイズを代替値とする。本実施形態の場合、その代替値とされる所定のサイズは、構成物の所定の箇所についてサイズ要件が満たされるサイズである。すなわち、その代替値とされる所定のサイズは、代替値設定要否判断工程S260においてサイズ要件を満たすと判断されるサイズである。本実施形態の場合、代替値とされる所定のサイズは、所定箇所サイズ情報が示すサイズより大きい。
【0059】
代替値設定終了判断工程S264において、代替値設定部100として動作するコンピュータの制御部30は、すべての構成物情報について代替値の要否が判断されたか否かを判断する。すべての構成物情報について代替値の要否が判断された場合(S264にてYES)、処理はS266へと移される。もしそうでないと(S264にてNO)、処理はS260へと移される。
【0060】
集団選択工程S266において、集団選択部102として動作するコンピュータの制御部30および記憶部32は、構成物情報が属する集団を選択する。この集団は、所定箇所サイズ情報が示すサイズがサイズ要件を満たす構成物情報については構成物特色情報の少なくとも一部と所定箇所サイズ情報とに基づいて選択される。この集団は、所定箇所サイズ情報が示すサイズがサイズ要件を満たさない構成物情報については構成物特色情報の少なくとも一部と代替値設定部100が代替値設定工程S262において設定した代替値とに基づいて選択される。本実施形態の場合、所定箇所サイズ情報が示すサイズがサイズ要件を満たさない構成物情報について選択される集団は、所定箇所サイズ情報が示すサイズがサイズ要件を満たす構成物情報について選択される集団のいずれかである。もし選択されるべき集団がなければ、適した集団がない構成物情報の構成物特色情報と所定箇所サイズ情報とに基づいて集団の選択に用いられる構成物特色情報の要件と所定箇所サイズ情報の要件とが設定される。それらの要件を充足する構成物情報が増えることにより、新たな集団が形成される。すなわち、もし選択されるべき集団がなければ、これから形成される集団が選択されることとなる。
【0061】
指標設定要否判断工程S267において、指標情報設定部104として動作するコンピュータの制御部30は、次に述べられる特色が特色要件を満たすか否かを判断する。その特色は、次に述べられる構成物特色情報が示すものである。その構成物特色情報は、次に述べられる所定の構成物特色情報のうちこれに対応付けられた列方向の座標が最も原点に近いものである。その所定の構成物特色情報は、特色要件を満たすか否かの判断が済んでいない所定の構成物特色情報である。このような特色要件を満たすか否かの判断は、本実施の形態における指標設定の要否の判断にあたる。上述された特色が特色要件を満たす場合(S267にてYES)、処理はS269へと移される。もしそうでないと(S267にてNO)、処理はS268へと移される。
【0062】
指標情報設定工程S268において、指標情報設定部104として動作するコンピュータの制御部30および記憶部32は、上述された特色が特色要件を満たさないと判断された構成物情報に対応付けて、指標情報を設定する。
【0063】
指標設定終了判断工程S269において、指標情報設定部104として動作するコンピュータの制御部30は、所定の構成物特色情報のすべてについて指標設定の要否が判断されたか否かを判断する。所定の構成物特色情報のすべてについて指標設定の要否が判断された場合(S269にてYES)、処理はS270へと移される。もしそうでないと(S269にてNO)、処理はS267へと移される。
【0064】
構成物情報出力工程S270において、構成物情報出力部106として動作するコンピュータの制御部30と記憶部32と入力部34と出力部36とは、複数の構成物情報を出力する。本実施形態の場合、構成物情報出力部106が出力する複数の構成物情報は、構成物特色情報の内容が共通する構成物情報が連続するように出力される。構成物情報出力部106が出力する複数の構成物情報は、指標情報が対応付けられている構成物情報については指標情報が付随するように出力される。この出力のための具体的な手順は後述される。
【0065】
図8は、本実施形態にかかる構成物情報出力工程S270の制御の手順を示すフローチャートである。この制御は、次に述べられる複数の工程を本実施形態にかかる種類別数量情報作成装置22が備えるコンピュータに実行させるものである。それら複数の工程は、情報補充工程S290、情報配列工程S292、および、表示工程S294である。以下、これらの各工程の具体的な内容が説明される。
【0066】
情報補充工程S290において、構成物情報出力部106として動作するコンピュータの制御部30と記憶部32とは、次に述べられる補充情報を構成物情報それぞれに対して1対1に対応付ける。それらの補充情報は、これらが対応付けられる構成物情報に基づいて所定の手順により作成される情報である。本実施形態の場合、構成物情報出力部106として動作するコンピュータの制御部30は、それらの補充情報を作成する。構成物情報出力部106として動作するコンピュータの記憶部32は、作成された補充情報を構成物情報それぞれに対して1対1に対応付けて記憶する。
【0067】
情報配列工程S292において、構成物情報出力部106として動作するコンピュータの制御部30と記憶部32とは、情報集団形成工程S240において形成された集団ごとに、構成物情報の順序を設定する。本実施形態の場合、その順序は、次に述べられる3種類のルールに従うように設定される。それら3種類のルールのうち1つ目のものは、配置される領域が同一の領域である構成物についての構成物情報が連続するというものである。それら3種類のルールのうち2つ目のものは、構成物が配置される領域についての予め定められた優先順位に対応するというものである。これにより、優先順位が第1位である領域に配置される構成物についての構成物情報の上述の順序は、優先順位が第2位である領域に配置される構成物についての構成物情報の上述の順序よりも上位となる。それら3種類のルールのうち3つ目のものは、配置される領域が同一の領域である構成物の間では、外壁材の長さが同一の構成物についての構成物情報が連続するというものである。このように情報の順序を設定するための具体的な手順は周知なので、ここではその詳細な説明は繰り返されない。
【0068】
表示工程S294において、構成物情報出力部106として動作するコンピュータの制御部30と記憶部32と出力部36とは、情報集団形成工程S240において形成された集団ごとに、構成物情報を表示する。それらの構成物情報は、情報配列工程S292において設定された順序にしたがって表示される。なお、本実施形態においては、このとき代替値は表示されない。一方、指標情報は表示される。
【0069】
[動作の説明]
以下、本実施形態にかかる積算システムの動作が説明される。
【0070】
まず、オペレータが、本実施形態にかかる製図装置20を用いる。これにより、図面情報が作成される。ここでは、建築物の図面を示す図面情報が作成されることとする。この建築物の外壁は既製の外壁材が並べて配置されることにより形成されるとする。この図面情報において、その外壁材を示す情報は、次に述べられる複数種類の情報の集合体である。それら複数種類の情報のうち第1種類目の情報は、その外壁材の形状を示す情報である。第2種類目の情報は、その外壁材の属性を示す情報である。第2種類目の情報の例として、その外壁材の予め定められた複数個所の長さを示す情報、その外壁材を特定するための情報、および、その外壁材が用いられる建築物においてその外壁材が配置される領域を示す情報がある。外壁材の予め定められた複数個所の長さを示す情報の例として、その外壁材の幅と長さと厚さとがある。外壁材を特定するための情報の例として、その外壁材の製品名を示すものと製品番号を示すものと製品色を示すものとがある。外壁材が配置される領域を示す情報の例として、その建築物においてその外壁材が配置される面、および、その建築物における基準線(通り芯)からの位置情報と高さ方向の位置情報とがある。この外壁材を示す情報のように複数種類の情報の集合体を1個の情報とみなして図面情報を形成することは、周知の製図装置においてしばしば実施されることである。例えば、オートデスク株式会社が販売するプログラムであるAutoCAD(登録商標)LTにおける、上述されたような1個の情報とみなされる複数種類の情報の集合体を取り扱う機能は「ブロック」と呼ばれる。
【0071】
上述されたように建築物の外壁は既製の外壁材が並べて配置されることによって形成されるので、その建築物の図面を示す図面情報は、その外壁材を示す情報を多数有することとなる。そのような図面情報が作成されると、オペレータは、製図装置20に、種類別数量情報作成装置22へ、そのような図面情報のうち上述された外壁材を示す情報の第2種類目の情報(外壁材の属性を示す情報)を出力するよう指示する。本実施形態にかかる製図装置20は、その指示を受けると、上述された第2種類目の情報(外壁材の属性を示す情報)のうち次に述べられる情報を出力する。その情報は、その指示の前にオペレータによって予め指定されていた情報である。その出力される情報が本実施形態における構成物情報となる。構成物情報の集合体は、本実施形態における集合体情報である。本実施形態においては、次に述べられるデータファイルを本実施形態にかかるコンピュータの記憶部32に記憶させることにより、オペレータは出力される情報を予め指定する。
【0072】
図9は、本実施形態にかかるそのデータファイルの内容を示す概念図である。
図9に示された「製品名」と「製品番号」と「製品色」と「備考」と「製品幅」と「製品長さ」とはいずれも外壁材の属性を示す情報のうち出力対象となる情報の名称を示す。「製品名」と「製品番号」と「製品色」と「備考」と「製品幅」と「製品長さ」とにそれぞれ続く文字列はいずれも出力時の仕様を示す。それらの文字列のうち左端の「C」又は「N」という文字は出力対象となる情報が文字列データとして出力されるのか数値データとして出力されるのかを示す。それらの文字列のうち左端の文字が「C」の場合、出力対象となる情報は文字列データとして出力される。それらの文字列のうち左端の文字が「N」の場合、出力対象となる情報は数値データとして出力される。左端の「C」又は「N」という文字に連なる数値のうち左3桁の値はデータの最大バイト数を示す。その数値のうち右3桁の値は小数点の桁数を示す。本実施形態にかかる製図装置20は、これらの情報に基づいてオペレータによって予め指定されていた情報を抽出し出力する。このような属性を示す情報を出力することは、周知の製図装置においてしばしば実施されることである。
【0073】
図10は、本実施形態にかかる製図装置20から種類別数量情報作成装置22へ出力される集合体情報のフォーマットを示す概念図である。
図10に基づいて、本実施形態にかかる集合体情報の構成が説明される。本実施形態にかかる集合体情報のフォーマットは、構成物領域310が連なったものである。それぞれの構成物領域310には構成物情報が1対1に含まれる。それぞれの構成物領域310は、外壁材製品名領域330と、外壁材製品番号領域332と、外壁材製品色領域334と、外壁材配置領域336と、他箇所サイズ領域338と、所定箇所サイズ領域340とを有する。外壁材製品名領域330には、構成物情報のうち製品名を示すものが含まれる。この情報は、
図9に示された「製品名」という名称が付された情報である。外壁材製品番号領域332には、構成物情報のうち製品番号を示すものが含まれる。この情報は、
図9に示された「製品番号」という名称が付された情報である。外壁材製品色領域334には、構成物情報のうち製品色を示すものが含まれる。この情報は、
図9に示された「製品色」という名称が付された情報である。外壁材配置領域336には、構成物情報のうち外壁材が配置される領域を示すものが含まれる。この情報は、
図9に示された「備考」という名称が付された情報である。他箇所サイズ領域338には、構成物情報のうち外壁材の予め定められた少なくとも1か所の長さを示すものが含まれる。この情報は、
図9に示された「製品長さ」という名称が付された情報である。所定箇所サイズ領域340には、構成物情報のうち外壁材の所定の箇所のサイズ(他箇所サイズ領域338に含まれるものが示す長さとは異なるサイズ)を示すものが含まれる。所定箇所サイズ領域340に含まれる情報は、
図9に示された「製品幅」という名称が付された情報である。所定箇所サイズ領域340に含まれるものが本実施形態における所定箇所サイズ情報である。これらの構成物情報のうち所定箇所サイズ領域340以外に含まれるものが本実施形態における構成物特色情報である。本実施形態における構成物特色情報は、上述された所定の箇所のサイズ以外の外壁材の特色を示すものである。上述されたように、本実施形態の場合、製図装置20として動作するコンピュータは、記憶部32のうち製図装置20が作成した集合体情報を記憶するための領域に上述された集合体情報を記憶させる。これにより、製図装置20がその集合体情報を種類別数量情報作成装置22へ出力したこととなる。
【0074】
製図装置20から種類別数量情報作成装置22へ集合体情報が出力されると、集合体情報記憶部62は、集合体情報記憶部62自身のうち集合体情報が記憶される予定の領域の情報を抹消する(S220)。それらの情報が抹消されると、集合体情報入力部60は、製図装置20が出力した集合体情報を参照する。集合体情報が参照されると、集合体情報入力部60は、その集合体情報を記憶領域情報抹消工程S220において情報が抹消された領域へ記憶させる。その際、集合体情報は情報処理が容易な形式(この場合、表形式で示すことが可能な形式)へ変換される。この領域に各情報が記憶されると、集合体情報入力部60は、この領域に記憶された各情報を出力する(S222)。
図11は、それらの情報の出力状況を示す概念図である。それらの情報には2次元座標が対応付けられているので、それらの情報を
図11のように表形式で示すことが可能になっている。このようにして情報が出力されることにより、本実施形態にかかる種類別数量情報作成装置22は、製図装置20において作成された図面に基づきその図面が示す物の部品の一覧を示す情報を出力することとなる。
【0075】
集合体情報が含む各情報が出力されると、代替値設定部100は、所定箇所サイズ情報が示すサイズがサイズ要件を満たすか否かを判断する(S260)。この場合、
図11における「製品名」という文字列が示された欄の端に所定箇所サイズ情報および構成物特色情報へ対応付けられた座標の原点があることとする。これにより、サイズ要件を満たすか否かの判断が済んでいない所定箇所サイズ情報のうちこれに対応付けられた列方向の座標が最も原点に近いものは、
図11における「製品幅」欄の最も上に示されたものとなる。その結果、この場合、
図11に示された情報のうち「製品幅」欄の最も上に示されたサイズについてサイズ要件が満たされるか否かが判断されることとなる。本実施形態において、その「サイズ要件」は、構成物情報のうち製品名を示すものと製品番号を示すものとによって特定される。例えば、構成物情報のうち製品名を示すものが「GW65」で製品番号を示すものが「G01」または「G03」であるとき、「サイズ要件」は「700以上」であるとする。構成物情報のうち製品名を示すものが「GW65」で製品番号を示すものが「G02」であるとき、「サイズ要件」は「600以上」であるとする。構成物情報のうち製品名を示すものが「FP35」で製品番号を示すものが「F01」であるとき、「サイズ要件」は「600以上」であるとする。もちろん、「サイズ要件」はある値から別の値までの範囲内であることといったものでもよい。この場合、
図11に示された情報のうち「製品幅」欄の最も上に示されたサイズは「700」である。
【0076】
この場合、上述されたサイズがサイズ要件を満たすので(S260にてYES)、代替値設定部100は、すべての構成物情報について上述の判断が完了したか否かを判断する(S264)。この場合、まだ最初の構成物情報について上述の判断が完了したに過ぎないので(S264にてNO)、代替値設定部100は、所定箇所サイズ情報が示すサイズがサイズ要件を満たすか否かを再び判断する(S260)。
【0077】
この場合、サイズ要件を満たすか否かの判断が済んでいない所定箇所サイズ情報のうちこれに対応付けられた列方向の座標が最も原点に近いものは、
図11における「製品幅」欄のうち上から2番目に示されたものとなる。その結果、
図11に示された情報のうち「製品幅」欄の上から2番目に示されたサイズ「600」についてサイズ要件が満たされるか否かが判断されることとなる。この場合、上述されたサイズがサイズ要件を満たすので(S260にてYES)、代替値設定部100は、すべての構成物情報について上述の判断が完了したか否かを判断する(S264)。この場合、2番目の構成物情報について上述の判断が完了したに過ぎないので(S264にてNO)、代替値設定部100は、所定箇所サイズ情報が示すサイズがサイズ要件を満たすか否かを再び判断する(S260)。同様にして、
図11に示された情報のうち「製品幅」欄の上から3番目に示されたサイズ「600」についてサイズ要件が満たされるか否かが判断された後、代替値設定部100は、
図11に示された情報のうち「製品幅」欄の上から4番目に示されたサイズ「682」がサイズ要件を満たすか否かを判断する(S260)。その場合、上述の説明から明らかなとおり、その「サイズ要件」は「700以上」というものである。この場合、上述されたサイズがサイズ要件を満たさないので(S260にてNO)、代替値設定部100は、構成物の所定の箇所についてサイズ要件が満たされるサイズのうち所定箇所サイズ情報が示すサイズより大きい所定のサイズを代替値とする(S262)。この場合、代替値は「700」となる。
【0078】
その後、S260乃至S264の処理が複数回繰り返される。最終的にすべての構成物情報について上述された判断が完了すると(S264にてYES)、集団選択部102は、その判断が完了したすべての構成物情報について構成物情報が属する集団を選択する(S266)。この工程における集団の選択とは、集団選択部102が有する記憶領域であって集団ごとに分かれている領域のいずれか1領域へ構成物情報を複写することを意味する。すなわち、この工程における集団の選択とは、構成物情報それぞれについての、複写先の選択でもある。上述されたように、この集団は、所定箇所サイズ情報が示すサイズがサイズ要件を満たす構成物情報については構成物特色情報と所定箇所サイズ情報とに基づいて選択される。この集団は、所定箇所サイズ情報が示すサイズがサイズ要件を満たさない構成物情報については構成物特色情報と代替値設定部100が設定した代替値とに基づいて選択される。本実施形態の場合、集団の選択に用いられる構成物特色情報は、製品名を示す情報、および、製品色を示す情報である。これらがすべて共通する構成物情報が1つの集団に属する。代替値が設定されている構成物情報は、所定箇所サイズ情報が示すサイズがその代替値と値が等しい構成物情報と同一の集団に属する。集団の選択すなわち複写先への構成物情報の複写にあたり、所定箇所サイズ情報および構成物特色情報それぞれに対して新たに2次元座標が対応付けられる。本実施形態においては、複写される各情報に対して、1つの構成物情報に含まれる各情報が同一の行に並んで示され得るようにその2次元座標が対応付けられる。本実施形態においては、複写される各情報に対して、構成物情報に含まれる各情報のうち同一種類の情報が同一の列に並んで示され得るようにその2次元座標が対応付けられる。これにより、集団が選択された構成物情報が含む所定箇所サイズ情報および構成物特色情報を表形式で示すことが可能である。
図12は、同一の集団に属する構成物情報を示す概念図である。次に述べられる2種類の場合に、集団の選択に用いられる構成物特色情報の要件と所定箇所サイズ情報の要件とが設定される。それら2種類の場合の第1種類目は、製品名を示す情報、および、製品色を示す情報がいずれの集団に共通するものとも一致しない場合である。それら2種類の場合の第2種類目は、それらの情報がいずれかの集団に共通するものと一致するがサイズ要件であってその集団に対応するものを満たさない場合である。
【0079】
構成物情報が属する集団が選択されると、指標情報設定部104は、構成物特色情報が示す特色が特色要件を満たすか否かを判断する(S267)。この場合、
図12における「製品名」という文字列が示された欄の端に所定箇所サイズ情報および構成物特色情報へ対応付けられた座標の原点があることとする。これにより、特色要件を満たすか否かの判断が済んでいない構成物特色情報のうちこれに対応付けられた列方向の座標が最も原点に近いものは、
図12における「製品長さ」欄の最も上に示されたものとなる。その結果、この場合、
図12に示された情報のうち「製品長さ」欄の最も上に示された製品長さについて特色要件が満たされるか否かが判断されることとなる。本実施形態の場合、「製品長さ」欄に示される「特色要件」は「500以上」というものであることとする。その結果、判断対象となっている特色が特色要件を満たすので(S267にてYES)、指標情報設定部104は、所定の構成物特色情報のすべてについて指標設定の要否が判断されたか否かを判断する(S269)。
【0080】
この場合、まだ最初の構成物情報について上述の判断が完了したに過ぎないので(S269にてNO)、指標情報設定部104は、別の構成物特色情報が示す特色が特色要件を満たすか否かを再び判断する(S267)。この場合、特色要件を満たすか否かの判断が済んでいない構成物特色情報のうちこれに対応付けられた列方向の座標が最も原点に近いものは、
図12における「製品長さ」欄の上から2番目に示されたものとなる。その結果、この場合、
図12に示された情報のうち「製品長さ」欄の上から2番目に示されたに示された製品長さについて特色要件が満たされるか否かが判断されることとなる。この場合、判断対象となっている特色が特色要件を満たさないので(S267にてNO)、指標情報設定部104は、判断対象となっている構成物情報に対応付けて、指標情報を設定する(S268)。本実施形態の場合、「短」という文字情報が指標情報として設定される。
【0081】
指標情報が設定されると、上述されたのと同様の処理により、
図12における「製品長さ」欄の構成物特色情報が示す特色が、特色要件を満たすか否かが、順次判断される(S267乃至S269)。その判断がすべて終了した後、指標情報設定部104は、所定の構成物特色情報のすべてについて指標設定の要否が判断されたか否かを判断する(S269)。この場合、所定の構成物特色情報のすべてについて指標設定の要否が判断されたこととなるので(S269にてYES)、構成物情報出力部106は、構成物情報それぞれに対して、次に述べられる補充情報を1対1に対応付ける。本実施形態の場合、その補充情報は、構成物情報を介してその補充情報が対応付けられる外壁材の重量を示す。本実施形態の場合、構成物情報出力部106は、次に述べられる手順によりその補充情報を作成する。その第1の手順は、補充情報が対応付けられるべき構成物情報のうち次に述べられるものを特定する工程である。それらの情報のうち一方は
図9に示された「製品長さ」という名称が付された情報である。この情報はこの工程において外壁材の長さを示すとみなされる。それらの情報のうち他方は、
図9に示された「製品幅」という名称が付された情報である。この情報はこの工程において外壁材の幅を示すとみなされる。補充情報を作成するための第2の手順は、外壁材の長さと外壁材の幅と外壁材の単位重量(外壁材の単位面積あたりの重量)とを乗算することにより、外壁材の重量を算出する工程である。本実施形態の場合、構成物情報出力部106は、外壁材の単位重量を予め記憶している。外壁材の重量の算出にあたってはこの値が用いられる。これにより、本実施形態における補充情報が作成されることとなる。補充情報が作成されると、構成物情報出力部106は、その補充情報をこの作成に用いられた構成物情報に対応付けて記憶する。
【0082】
補充情報が対応付けられると、構成物情報出力部106は、構成物情報の順序を設定する(S292)。構成物情報の順序が設定されると、構成物情報出力部106は、構成物情報を表示する(S294)。
図13は、構成物情報が表示されている状況の概念図である。
図13によれば、指標情報が設定されている構成物情報については「指標」欄に「短」という文字情報が示される。「重量」欄において、各構成物情報に対応付けられている補充情報が示されている。
【0083】
構成物情報が表示されると、情報数量計数部82は、上述された集団それぞれについて、集団に含まれる構成物情報の数量を計数する(S242)。構成物情報の数量が計数されると、数量出力部66は、その計数によって得られた数量を示す情報を出力する(S204)。本実施形態の場合、その情報の出力は、画像の表示によって実現される。
図14は、その情報の表示状況を示す概念図である。上述の説明から明らかなように、本実施形態においては、構成物情報が属する集団は製品名を示す情報と製品色を示す情報と「製品幅」欄に示される情報とによって特定される。そのため、
図14から明らかなように、出力された数量はそれらの情報に対応付けられている。上述された計数によって得られた数量を示す情報を数量出力部66が出力することにより、本実施形態にかかる種類別数量情報作成装置22は、製図装置20において作成された図面に基づきその図面が示す物の部品の種類別の数量を示す情報を出力することとなる。
【0084】
[本実施形態にかかる効果の説明]
本実施形態にかかる種類別数量情報作成装置22によれば、構成物情報が属する集団の集団数の増加が抑制される。その際、所定箇所サイズ情報が示すサイズがサイズ要件を満たすか否かに応じた集団の細分化が抑制される。しかも、数量出力部66が出力した情報から特定される構成物の所定の箇所のサイズが不適切なことに起因するトラブルの悪影響が抑えられる。これにより、本実施形態にかかる種類別数量情報作成装置22によれば、トラブルの悪影響を抑えることができ、かつ、積算データの把握をより容易にできる。
【0085】
また、本実施形態にかかる種類別数量情報作成装置22によれば、構成物の所定の特色のサイズが特色要件を満たしていないことが容易に把握できるように指標情報が設定される。
【0086】
[変形例の説明]
今回開示された実施形態はすべての点で例示である。本発明の範囲は上述した実施形態に基づいて制限されるものではない。もちろん、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更をしてもよい。
【0087】
例えば、本実施形態にかかる積算システムは1台のコンピュータによって実現されるものに限定されない。本実施形態にかかる積算システムは2台のコンピュータによって実現されるものであってもよい。本実施形態にかかる積算システムが2台のコンピュータによって実現される場合、それらの間における情報の伝達方法は特に限定されない。その伝達方法は通信によるものであっても良いし、情報記録媒体を介するものであっても良い。したがって、集合体情報入力部60が集合体情報を受付けるための具体的な方法も上述したものに限定されない。集合体情報は、入力部34から入力されても良い。集合体情報は、コネクタ38を介してUSBメモリ42などの記録媒体から読み取られても良い。集合体情報は、インターネットを介して周知の方法で受付けられても良い。本実施形態にかかる積算システムが1台のコンピュータによって実現される場合、集合体情報は、次に述べられる情報を受付けることにより間接的に受付けられても良い。その情報は、記憶部32のうち製図装置20が作成した集合体情報を記憶するための領域の位置を示す情報である。
【0088】
本実施形態にかかる種類別数量情報作成装置22を実現するためのプログラムを記述するための言語は特に限定されない。したがって、例えばマクロ言語によってそのプログラムが記述されてもよい。その場合、そのプログラムを動作させるためのアプリケーションソフトウェアをコンピュータが実行しても良い。そのようなアプリケーションソフトウェアの例には表計算ソフトがある。
【0089】
情報形式変換工程S222における情報の変換内容は上述したものに限定されない。例えば、集合体情報入力部60は、上述した変換に加えて、1つの構成物情報に含まれる情報のいずれかを分割してもよい。そのような細分化の例には、外壁材配置領域336に記憶されるべき「北面1-3通り間」という情報を「北面」と「1-3通り間」という2個の情報に分割するというものがある。
【0090】
集団選択部102による集団選択の具体的内容は上述したものに限定されない。例えば、それは集団を識別するための情報を構成物情報それぞれに対応付けるといったものでもよい。
【0091】
集合体情報のフォーマットは
図10に示されるものに限定されない。したがって、集合体情報のフォーマットについては本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0092】
20…製図装置
22…種類別数量情報作成装置
30…制御部
32…記憶部
34…入力部
36…出力部
38…コネクタ
42…USBメモリ
60…集合体情報入力部
62…集合体情報記憶部
64…数量特定部
66…数量出力部
80…情報集団形成部
82…情報数量計数部
100…代替値設定部
102…集団選択部
104…指標情報設定部
106…構成物情報出力部
310…構成物領域
330…外壁材製品名領域
332…外壁材製品番号領域
334…外壁材製品色領域
336…外壁材配置領域
338…他箇所サイズ領域
340…所定箇所サイズ領域
【要約】
【課題】積算データの把握をより容易にする。
【解決手段】種類別数量情報作成装置22は、集合体情報入力部60と数量特定部64と数量出力部66とを備える。数量特定部64が、情報集団形成部80と情報数量計数部82とを有する。情報集団形成部80は、集合体情報が含む構成物情報から次に述べられる構成物情報の集団を形成する。この集団は、構成物特色情報の内容の少なくとも一部と所定箇所サイズ情報の内容とが共通する。集合体情報は、複数の構成物情報の集合体である。構成物情報が、所定箇所サイズ情報と構成物特色情報とを含む。所定箇所サイズ情報は、構成物の所定の箇所のサイズを示す。構成物特色情報は、所定の箇所のサイズ以外の構成物の特色を示す。情報数量計数部82は、集団に含まれる構成物情報の数量を計数する。数量出力部66が、集団に含まれる構成物情報の数量を示す情報を出力する。
【選択図】
図1