(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】車両用電池のための充電装置及び充電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220627BHJP
H01M 10/42 20060101ALI20220627BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20220627BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20220627BHJP
B60L 53/30 20190101ALI20220627BHJP
B60L 53/80 20190101ALI20220627BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H01M10/42 A
H01M10/44 Q
B60L50/60
B60L53/30
B60L53/80
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021097795
(22)【出願日】2021-06-11
【審査請求日】2021-06-11
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】519153361
【氏名又は名称】典型工場有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】陳 ▲ツェン▼堯
【審査官】坂本 聡生
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-78062(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0234655(US,A1)
【文献】国際公開第2019/093265(WO,A1)
【文献】特開2019-68711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00- 3/12
7/00-13/00
15/00-58/40
H01M10/42-10/48
H02J 7/00- 7/12
7/34- 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用電池のための充電装置であって、
第1の電池又は第2の電池を充電するよう構成され、
ボックスであって、前記第1の電池又は前記第2の電池が前記ボックスに収容されるよう適合可能である、ボックスと、
前記ボックス内に配置され、第1の移動経路に沿って進退するよう適合可能であって、前記第1の電池とドッキングするよう適合された、第1のコネクタと、
前記ボックス内に配置され、前記第1の移動経路とは異なる第2の移動経路に沿って進退するよう適合可能であって、前記第2の電池とドッキングするよう適合された、第2のコネクタと、
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが同期移動するよう、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとを連接する、牽引ロッドであって、前記第1のコネクタが前記第1の電池とのドッキングのためのドッキング位置へ移動するとき、前記第2のコネクタが前記第2の電池のためのもう1つのドッキング位置から離れ、前記第2のコネクタが前記第2の電池とのドッキングのための前記もう1つのドッキング位置へ移動するとき、前記第1のコネクタが前記第1の電池のための前記ドッキング位置から離れる、牽引ロッドと
を含む
ことを特徴とする、
車両用電池のための充電装置。
【請求項2】
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに電気接続された電力供給モジュールを更に含む
ことを特徴とする、
請求項1に記載の車両用電池のための充電装置。
【請求項3】
前記第1のコネクタと前記ボックスとの間に接続された弾性部材を更に含み、
前記弾性部材が前記第1のコネクタを前記第1の電池とのドッキングのための前記ドッキング位置へ移動するよう絶えず駆動する
ことを特徴とする、
請求項1に記載の車両用電池のための充電装置。
【請求項4】
第1のくさびと第2のくさびとを更に含み、
前記第1のくさびが、前記ボックスの側板上に移動可能に設けられて、前記第2の電池が前記ボックス内へ沿って移動する移動経路上に位置しており、前記第2のくさびが、前記ボックスの底板上に移動可能に設けられて、前記牽引ロッドの移動経路上に位置しており、前記第1のくさびと前記第2のくさびが互いの移動経路上に位置し、
前記第2の電池が前記ボックス内へ移動するとき、前記第1のくさびと前記第2のくさびが、前記第1のコネクタと、前記牽引ロッドと、前記第2のコネクタとを同期駆動するために用いられ、前記弾性部材が変形され、
前記第1のくさびの前記移動経路が前記第2のくさびの前記移動経路と直交しており、前記第2のくさびが前記第2の移動経路上に位置し、前記第1の移動経路と前記第2の移動経路が同一面上に位置して互いに直交する
ことを特徴とする、
請求項3に記載の車両用電池のための充電装置。
【請求項5】
前記ボックスが、互いに対向する開口と底板とを有し、前記第1の電池又は前記第2の電池が前記開口を介し前記ボックス内に移動するよう適合され、
前記車両用電池のための前記充電装置が、それぞれ前記底板上に設けられた第1の軌道と第2の軌道とを更に含み、前記第1のコネクタが前記第1の移動経路を形成するため前記第1の軌道へ移動可能に連接され、前記第2のコネクタが前記第2の移動経路を形成するため前記第2の軌道へ移動可能に連接され、
前記車両用電池のための前記充電装置が、それぞれ前記第2の軌道の上方に位置する第1のくさびと第2のくさびとを更に含み、前記第1のくさびが前記ボックスの側板上に移動可能に設けられ、前記第2のくさびが前記底板上に移動可能に設けられ、前記第1のくさびと前記第2のくさびが互いの移動経路上を移動し、前記第2のくさびと前記牽引ロッドが互いの移動経路上を移動する
ことを特徴とする、
請求項1に記載の車両用電池のための充電装置。
【請求項6】
前記ボックスが、互いに対向する開口と底板とを有し、前記第1の電池又は前記第2の電池が前記開口を介し前記ボックス内に移動するよう適合され、前記底板上の前記第1の移動経路と前記第2の移動経路との正投影が互いに直交する
ことを特徴とする、
請求項1に記載の車両用電池のための充電装置。
【請求項7】
前記ボックスが、互いに対向する開口と底板とを有し、前記第1の電池又は前記第2の電池が前記開口を介し前記ボックス内へ移動するよう適合され、前記第1のコネクタの前記底板に対する高さが、前記第2のコネクタの前記底板に対する高さとは異なる
ことを特徴とする、
請求項1に記載の車両用電池のための充電装置。
【請求項8】
車両用電池のための充電システムであって、
地面に設けられたベースと、少なくとも2つのタイプの電池を充電するための複数の充電装置とを含み、
各前記充電装置がそれぞれ2つのタイプの電池を充電するよう構成され、前記2つのタイプの電池が第1の電池と第2の電池とを含み、
各前記充電装置が、
前記第1の電池又は前記第2の電池が収容されるよう適合可能な、前記ベースに積まれる、ボックスと、
前記ボックス内に移動可能に配置され、前記第1の電池とドッキングするよう適合された、第1のコネクタと、
前記ボックス内に移動可能に配置され、前記第2の電池とドッキングするよう適合された、第2のコネクタと
を含み、
各前記ボックスが、互いに隣接する複数の側板により形成された様々な形状の柱面を有し、前記複数の側板が、前記地面に対しそれぞれ傾斜しており、前記柱面の延長軸が前記地面に対し傾斜しており、前記ボックス内に置かれた前記第1の電池又は前記第2の電池の2つの隣接する面が、2つの隣接する前記側板に対し押圧される
ことを特徴とする、
車両用電池のための充電システム。
【請求項9】
前記ボックスの前記複数の側板が、互いに順に隣接する、第1の側板と、第2の側板と、第3の側板と、第4の側板からなり、
前記第1の側板と前記第2の側板が前記地面に向く鋭い側縁を形成するため隣接して接続され、前記第3の側板と前記第4の側板が前記地面から逆を向くもう1つの鋭い側縁を形成するため隣接して接続され、前記第1の電池又は前記第2の電池の前記2つの隣接する面が、前記第1の側板と前記第2の側板とに対し押圧される
ことを特徴とする、
請求項8に記載の車両用電池のための充電システム。
【請求項10】
前記ベースが鋸歯形状であって複数のV字状凹部を有し、複数の前記ボックスの少なくとも一部が前記複数のV字状凹部内に載置され、各前記V字状凹部に位置する前記ボックスにおいて、前記第1の側板と前記第2の側板が前記V字状凹部の表面に対し押圧され、2つの前記V字状凹部に隣接した位置する2つの前記ボックスについて、互いに隣接した前記第3の側板と前記第4の側板が、もう1つのボックスを載置するためのもう1つのV字状凹部を形成する
ことを特徴とする、
請求項9に記載の車両用電池のための充電システム。
【請求項11】
等辺又は非等辺であることのできる規則的な3次元三角形構造を形成するよう前記ボックスの数が満たされたとき、底部の前記ベースでの前記V字状凹部の数と、前記左右の斜辺の外側の前記ボックスの数が等しくなり、前記底部の前記ベースの前記V字状凹部の個数が第1の凹部から第kの凹部まで公差1の等差数列であり、前記複数の充電装置が、前記ボックスの合計S
kが
である等差数列にて前記ベース上に積まれる
ことを特徴とする、
請求項10に記載の車両用電池のための充電システム。
【請求項12】
前記複数の充電装置の複数の前記第1のコネクタと複数の前記第2のコネクタとに電気接続された、少なくとも1つの電力供給モジュールを更に含む
ことを特徴とする、
請求項8に記載の車両用電池のための充電システム。
【請求項13】
前記充電装置が、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが同期移動するよう、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとを連接する牽引ロッドを更に含み、
前記第1のコネクタが前記第1の電池とのドッキングのためのドッキング位置へ移動するとき、前記第2のコネクタが前記第2の電池のためのもう1つのドッキング位置から離れ、前記第2のコネクタが前記第2の電池とのドッキングのための前記もう1つのドッキング位置へ移動するとき、前記第1のコネクタが前記第1の電池のための前記ドッキング位置から離れ、
前記充電装置が、前記第1のコネクタと前記ボックスとの間に接続された弾性部材を更に含み、前記弾性部材が前記第1のコネクタを前記第1の電池とのドッキングのための前記ドッキング位置へ移動するよう絶えず駆動する
ことを特徴とする、
請求項8に記載の車両用電池のための充電システム。
【請求項14】
前記充電装置が、第1のくさびと第2のくさびとを更に含み、
前記第1のくさびが前記ボックスの側板上に移動可能に設けられて、前記第2の電池が前記ボックス内へ沿って移動する移動経路上に位置しており、前記第2のくさびが、前記ボックスの底板上に移動可能に設けられて、前記牽引ロッドの移動経路上に位置しており、前記第1のくさびと前記第2のくさびが互いの移動経路上に位置し、
前記第2の電池が前記ボックス内へ移動するとき、前記第1のくさびと前記第2のくさびが、前記第1のコネクタと、前記牽引ロッドと、前記第2のコネクタとを同期駆動するために用いられ、前記弾性部材を変形させる
ことを特徴とする、
請求項13に記載の車両用電池のための充電システム。
【請求項15】
前記ボックスが、互いに対向する開口と底板とを有し、前記第1の電池又は前記第2の電池が前記開口を介し前記ボックス内へ移動し、
前記車両用電池のための前記充電装置が、それぞれ前記底板上に設けられた第1の軌道と第2の軌道とを更に含み、前記第1のコネクタが前記第1の軌道に移動可能に連接され、前記第2のコネクタが前記第2の軌道に移動可能に連接され、
前記第1の軌道が前記第2の軌道に直交し、
前記充電装置が、それぞれ前記第2の軌道の上方に位置する第1のくさびと第2のくさびとを更に含み、前記第1のくさびが前記ボックスの側板上に移動可能に設けられ、前記第2のくさびと、前記第2のコネクタと、前記第2の軌道とが前記底板上に一体的に移動可能に設けられ、前記第1のくさびと前記第2のくさびが互いの牽引経路上で移動する
ことを特徴とする、
請求項8に記載の車両用電池のための充電システム。
【請求項16】
前記ボックスが、互いに対向する開口と底板とを有し、前記第1の電池又は前記第2の電池が前記開口を介し前記ボックス内へ移動するよう適合され、前記第1のコネクタの前記底板に対する高さが、前記第2のコネクタの前記底板に対する高さとは異なる
ことを特徴とする、
請求項8に記載の車両用電池のための充電システム。
【請求項17】
車両用電池のための充電装置であって、
第1の電池又は第2の電池を充電するよう構成され、
ボックスであって、前記第1の電池又は前記第2の電池が前記ボックスに収容されるよう適合可能である、ボックスと、
前記ボックスの底部に固定され、前記第1の電池とドッキングするよう適合された、第1のコネクタと、
前記ボックス内に移動可能に設けられ、前記第2の電池とドッキングするよう適合された、第2のコネクタと、
前記ボックスの側板上に移動可能に配置され、前記第2の電池が前記ボックス内へ沿って移動する移動経路上に位置する、第1のくさびと、
前記ボックス上に前記第2のコネクタと同時に移動可能に配置された、第2のくさびであって、前記第1のくさびと前記第2のくさびが互いの移動経路上に位置する、第2のくさびと
を含む
ことを特徴とする、
車両用電池のための充電装置。
【請求項18】
前記ボックスの前記底部の前記第1のコネクタの正投影が、前記ボックスの前記底部で前記ボックス内に置かれた前記第2の電池の正投影の範囲の外側にある
ことを特徴とする、
請求項17に記載の車両用電池のための充電装置。
【請求項19】
前記第2のコネクタと前記ボックスとの間に接続された弾性部材を更に含み、
前記弾性部材が前記第2のコネクタを前記第2の電池とのドッキング位置から離れるよう絶えず駆動し、前記第2の電池が、前記弾性部材を変形しつつ、前記ボックス内へ移動して、前記第2のコネクタを前記第1のくさびと前記第2のくさびとを介し前記第2の電池とドッキングするよう駆動する
ことを特徴とする、
請求項17に記載の車両用電池のための充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用電池のための充電装置及び充電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
環境保護の意識の高まりに伴い、エネルギーを節約し、炭素を低減し、騒音を低減し、エネルギー消費の効率を向上できる電動車両は、エネルギー節約のための今日の社会的交通手段のトレンドとなっており、電動車両はガソリンを電気に置き換え、ガソリン燃焼により引き起こされる空気汚染を低減する。
【0003】
従来の電動車両の使用期間は、車載電池により提供される電力に依存する。このため、従来の電動車両は、特定の距離を走行した後、充電又は電池交換のため充電ステーションを訪れなければならない。
【0004】
更に、電動車両の様々なブランドに適用可能な電池仕様は異なる。例えば、電圧は12V、48V、又は他の電圧でありえ、電池の種類、容量、体積、形状がブランドによって異なる。各車両メーカーは、車両電力システムと、電池と、充電器セットとを含む、自社の3つの主要な安全関連主要部品を有する。従って、単一の仕様を有する電池を、異なるブランドの又は自社ブランドを改変した様々な電動車両に適用することはできない。なお、電動車両のための国際充電コネクタ標準仕様における差異のため、異なる充電コネクタは異なるピン数及び定義を有する。各ブランドにとっての保守的で安全なアプローチは、自社ブランド電池のためのサービスを提供することである。結果として、様々なメーカーの排他性を持つそれぞれの動作モードが、高額な電池交換コストをまねき、それぞれの動作モードを一般化することは困難である。更に、同一ブランドの電池を交換するため特定の充電ステーションを探すために、ユーザは時間を費やさなければならない。このため、充電ステーションへ到達する前に電動車両が全ての電気を消費してしまうことが度々起こり、これは多大な不便をもたらす。更に、走行距離が十分でなく、電動車両の実用性を大いに損なわせる。
【0005】
加えて、電池はまた、一般家庭又は生産装置において電源として一般的に用いられており、そのような電池も充電又は交換する必要がある。対応する施設が存在しない場合、ユーザに不便を強い、電池の実用性を低減させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、それぞれ異なる仕様の車両用電池を充電するための、車両用電池のための充電装置及び充電システムに関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの実施形態において、車両用電池のための充電装置は、第1の電池又は第2の電池を充電するよう構成される。充電装置は、ボックスと、第1のコネクタと、第2のコネクタと、牽引ロッドとを含む。第1の電池又は第2の電池は、ボックス内に設けられるよう適合可能である。第1のコネクタは、ボックス内に設けられ、第1の移動経路に沿って進退する。第1のコネクタは、第1の電池とドッキングするよう適合される。第2のコネクタは、ボックス内に設けられ、第2の移動経路に沿って進退する。第2のコネクタは、第2の電池とドッキングするよう適合される。第1の移動経路と第2の移動経路は互いに異なる。牽引ロッドは、第1のコネクタと第2のコネクタとが同期移動するよう、第1のコネクタと第2のコネクタとを連接する。
【0008】
本発明の1つの実施形態において、車両用電池のための充電システムは、地面上のベースセットと、少なくとも2種類の電池を充電するための複数の充電装置とを含む。各充電装置は、それぞれ2種類の電池を充電するよう構成され、2種類の電池は、第1の電池と第2の電池とを含む。各充電装置は、ボックスと、第1のコネクタと、第2のコネクタとを含む。ボックスはベース上に積まれ、第1の電池又は第2の電池はボックス内に収容されるよう適合可能である。第1のコネクタはボックス内に移動可能に配置され、第1のコネクタは第1の電池とドッキングするよう適合される。第2のコネクタはボックス内に移動可能に配置され、第2のコネクタは第2の電池とドッキングするよう適合される。各ボックスは、互いに隣接する複数の側板により形成された様々な形状の柱面を有する。側板はそれぞれ地面に対し傾斜しており、柱面の延長軸は地面に対し傾斜している。ボックス内に設けられた第1の電池又は第2の電池の2つの隣接する面は、2つの隣接する側板に対し押圧される。
【0009】
本発明の1つの実施形態において、車両用電池のための充電装置は、第1の電池又は第2の電池を充電するよう構成され、ボックスと、第1のコネクタと、第2のコネクタと、第1のくさびと、第2のくさびとを含む。第1の電池又は第2の電池は、ボックス内に収容されるよう適合可能である。第1のコネクタはボックスの底部に固定され、第1のコネクタは第1の電池とドッキングするよう適合され、第2のコネクタはボックス内に移動可能に配置され、第2のコネクタは第2の電池とドッキングするよう適合される。第1のくさびは、ボックスの側板上に移動可能に配置され、第2の電池がボックス内に沿って移動する移動経路上に位置する。第2のくさびと第2のコネクタは、ボックス上に同調的且つ移動可能に配置される。第1のくさびと第2のくさびは、それぞれ互いの移動経路上に配置される。
【0010】
上記に基づき、車両用電池のための充電装置及び充電システムにおいて、異なる仕様の第1のコネクタと第2のコネクタとがボックス内に移動可能に配置され、第1のコネクタと第2のコネクタは、これら2つが同時に駆動されることができるよう、牽引ロッドを介し連接される。従って、異なる仕様の第1の電池又は第2の電池に対応するとき、充電装置及び充電システムは充電のための対応するコネクタを提供でき、仕様に対応しないコネクタは、ボックスに進入する電池が該コネクタと干渉しないよう離れる。
【0011】
更に、異なる仕様の電池の位置を定めるため、上述した充電装置及び充電システムにおいて、ボックスは傾斜して配置され、これにはボックスの側板が、これらが配置される地面に対しそれぞれ傾斜していることと、側板で構成される柱面も、これらが配置される地面に対しそれぞれ傾斜していることとを含む。このようにして、電池がボックス内に置かれたとき、2つの隣接する側板が互いに押圧され整列する。ボックスの内側輪郭を電池の外側輪郭と合わせること、並びに電池自体の重力とにより、電池は2つの側板に沿って円滑に整列し、充電のための対応するコネクタにドッキングすることができる。
【0012】
各ボックスは、互いに隣接した複数の側板により形成された様々な形状の柱体であり、矩形柱体がここでの説明のための例示である。互いの頂部に積まれたこれらボックスのうち、底部のボックスはベースのV字状凹部により制限され、これによってボックスは直交座標X-Y-Zに安定して置かれ、その上に積まれる他のボックスのためのV字状凹部も形成する。ここで、V字状凹部の制限は、側板で構成された矩形面が地面に対し傾斜し、これによってボックスに置かれた第1の電池又は第2の電池の2つの隣接する面がボックスの2つの隣接する側板に対し押圧されることができることを含む。ボックスがV字状凹部に対し密接に当接することから、ボックスは重力により影響され、電池はボックス内側にあり、これはX-Y面上の配置効果を達成できる。なお、該構成は矩形面がZ軸に沿って延伸することも制限し、ボックスの矩形柱面を形成し、地面に対し傾斜する。このようにして、重力の影響とV字状凹部の傾斜のため、ボックス内の電池に分力が形成され、これが充電目的を達成するためコネクタが電池と整列し電池へ挿入されるよう、電池をボックスの2つの側板に沿って底部のコネクタへ緩やかに差し込ませる。
【発明の効果】
【0013】
上記構成を介し、車両用電池のための充電装置及び充電システムは、各ユーザに対応する充電装置を提供することで、様々な電池電力交換モードとしての役割を果たす。また、各ボックスが異なる時点で2つの異なる仕様の電池を収容できるため、充電装置及び充電システムはこれらの応用の範囲を増加するため用いられることができる。従って、充電システムは、本発明により提供される充電装置の機構で、異なる仕様の車両用電池のために選択利用のできる複数の充電機構の総合装置となることができる。
【0014】
本発明により解決すべき課題は次のとおりである。敬意と寛容に基づき、元々の異なる種類の電池、元々の充電コネクタ、元々の充電ユニットは改変されず、元々の工場(元々のメーカー)の安全責任が明確に定義されることができ、更に、本システム内の汎用ボックスの使用率を更に増加させるための将来的なモデル変更におけるソフトウェア及びハードウェアプラットフォームの持続可能な再利用を考慮し、2つの異なる電池でさえ異なる時点で汎用ボックス内において使用できる必要がある。これらは本発明により解決される技術的課題である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】
図1Aは、本発明の1つの実施形態による充電システムの正面図である。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【
図2】
図2は、充電システム内の2つの充電装置と電池の使用を示す概略図である。
【0021】
【0022】
【
図4】
図4は、充電装置内に構成された異なるコネクタの部分的断面図である。
【0023】
【
図5A-5C】
図5A~
図5Cは、充電装置内のくさび形駆動部品の動きを示す部分断面図である。
【0024】
【
図6】
図6は、本発明のもう1つの実施形態による、牽引ロッドのない充電装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の例示的な実施形態の詳細を参照していく。例示的な実施形態の例は添付図面に表される。図面と明細書においては、可能な限り、同一又は類似の部品を示すために同一の符号を用いる。
【0026】
図1Aは、本発明の1つの実施形態による充電システムの正面図である。
図1Bは、
図1Aの充電システムの側面図である。
図2は、充電システム内の2つの充電装置及び電池の使用を示す概略図である。同時に、充電装置に対応する直交座標X-Y-Zを、後続の部材の説明を容易にするため提供する。
【0027】
元々の仕様を尊重することを前提とし、本発明の充電装置及びシステムのための電池パック、コネクタ、充電ユニットは、全て自動車メーカーにより提供されることに注意されたい。急速充電電池、固体電池、電池パック等の改変といった、本発明において許容される電池パックの材料改善、充電器セットの充電効率変更、コネクタの国際仕様における変更等は、本発明の範囲に影響せず、充電装置及び充電システムは多様な仕様に対しフレキシブルである。充電装置及びシステムは、異なるユーザが電池を充電及び交換するため、固定/特定の公共場所、住居、又は地域社会に置かれる。ただし、電気設備により使用される電池パックのサイズによって、本発明は、設備の種類と使用される電池パックのサイズに基づき、電池パックの収容空間を分類する必要がある。本発明の充電装置及びシステムにより適合された収容空間は、いくつかの所定の電池の長さ、幅、深さ(又は高さ)寸法よりも大きく、これらは製品に基づき分類され、同種の製品により用いられるボックスサイズと空間は同一である。換言すれば、この種の製品の充電装置及びシステムは、同一サイズのボックスを用いる。所与の例において、充電に用いられる対象は、電気自動車内で用いられる二次リチウム電池パックである、これは台湾標準CNS15387とCNS15424-1に適合可能である。取外し可能な交換可能電池が適合され、異なる仕様の所定の電池が同一タイプ内に分類でき、これにより発明の充電装置及びシステムに適した電池パックのタイプを収容するための汎用ボックスを設計する。
【0028】
図1A、
図1B、
図2を同時に参照されたい。本実施形態において、車両用電池のための充電システム100は、地面200に配置されたベース120と複数の充電装置110とを含む。各充電装置110は、第1の電池A又は第2の電池Bを充電するよう構成される。様々な充電装置110のボックス116がベース120上に順に積まれ、様々なボックス116は、互いに隣接した複数の側板により形成された矩形柱面を有する(ここで、側板は、第1の側板W1、第2の側板W2、第3の側板W3、第4の側板W4として順に定義される)。ここで、直交座標X-Y-Zは、充電装置110のボックス116に対応する。図に示されるように、Z軸はボックス116の深さに対応し、X軸とY軸はボックス116の長さと幅に対応し、これは本実施形態の直交座標X-Y-Zに等しい。なお、ベース120のV字状凹部を介し、ボックス116の矩形柱面は3軸方向において地面200に対し傾斜している。
【0029】
上述した各充電装置110は、2つの異なるタイプの電池(第1の電池A、第2の電池B)を充電するよう構成され、車両用電池のための充電システム100について、設計者は充電システム100を必要に応じて少なくとも2つのタイプの電池を充電できるようにすることができる。換言すれば、充電装置110は必ずしも同一タイプの電池パックに適用可能である必要はなく、このため車両用電池のための充電システム100の応用範囲はより広範であることができる。更に、これら充電装置110は同一の外側輪郭を持つボックス116を介しベース120上に積まれ、これにより非一体構造を形成する。ユーザのニーズの多様性によって、積まれたボックス116と、ボックス116内の異なる仕様の電池パックの数は、いつでもフレキシブルに調整できる。ここで、ベース120上のボックス116は横向きに追加されていき、下から上へと積まれる。即ち、底部のベース120のV字状凹部の数と、左右の傾斜側板の外側のボックス116の数とは、等辺又は非等辺であることのできる規則的な3次元三角形構造を形成するよう満たされたとき、等しくなければならない。ベース120上のV字状凹部の個数は、横向きに第1項からk項まで公差1の等差数列であり、重ねられる充電装置110は、ボックスの合計S
kが
【数1】
である等差数列において増加する。
【0030】
本実施形態において、複数の側板はZ軸に平行であり、様々な形状の柱面を形成するため地面200に対し傾斜している。例えば、本実施形態の矩形柱面の延長軸(Z軸と平行)も地上200に対し傾斜している。このように、ボックス116内に置かれた第1の電池A又は第2の電池Bの2つの隣接する面は、2つの隣接する側板に対し押圧される。
図1Aに示されるように、第1の側板W1と第2の側板W2は、地面200に面する下方の鋭い側縁を形成するよう隣接して接続され、第3の側板W3と第4の側板W4は、地上200から反対を向くもう1つの上方の鋭い側縁を形成するよう隣接して接続される。ボックス116全体並びに第1の電池A又は第2の電池Bは、電池の外側輪郭と電池自身の重力g
1に影響される。他の所定の電池と比較した第1の電池Aの最大長さは、第2の側板W2の辺長であり、他の所定の電池と比較した第2の電池Bの最大長さは、第1の側板W1の辺長であり、これらはそれぞれ第2の側板W2と第1の側板W1に対し押圧される。そのような構成を介し、ボックス116は最大収容空間を有する。加えて、傾斜したボックス116の第1の側板W1と第2の側板W2は、底板W5上のコネクタに対する電池パックのドッキング位置を制限するよう形成される。換言すれば、ボックス116が(
図1Aと
図1Bに示されるような)重力g
1に対し異なる傾斜状態を有することから、ボックス116内に置かれた後の第1の電池A又は第2の電池Bのいずれかは整列のため押圧され、次いで上述した隣接面、第2の側板W2と第1の側板W1を介し配置されることができる。ここでのいわゆる整列及び配置は、成功裏な充電のため、第1の電池A又は第2の電池Bの雌エンドコネクタが、ボックス116内に予め設けられた雄エンドコネクタに対応できることを意味する。
【0031】
更に、本実施形態のベース120は、鋸歯形状と複数のV字状凹部を有する。
図1Aにおいて、ボックス116の一部はV字状凹部内に載置され、V字状凹部に位置するボックス116について、第1の側板W1と第2の側板W2がV字状凹部の表面に当接する。この構成において、2つの隣接するV字状凹部に位置する2つのボックス116について、隣接して配置された第3の側板W3と第4の側板W4がもう1つのV字状凹部を形成し、もう1つのボックス116を載置し、このようにしてこれら充電装置110のボックス116が等差数列にてベース120上に積まれて増加する。
【0032】
図1Cと
図1Dは、ベースの異なる実施形態を表す。先ず
図1Cを参照し、ベース121は複数のベースユニット121aで構成され、
図1Dにおいて、ベース122は複数のベースユニット122aで構成される。本実施形態におけるベースは、
図1Aに示された一体構造又は
図1Cと
図1Dに示された組合せ構造を適合できることが分かる。更に、
図1Cと
図1Dに示された状態において、ユーザはボックス116の数によって対応する数のベースユニット121a又は122aを組み付けることができ、各ベースユニット121a又は122aは中空構造を有することが可能であり、鍵溝はめ込み又はネジ穴止めにより互いに組み付けられることができる。
【0033】
加えて、再び
図1Aを参照されたい。本実施形態の充電システム100は、消火モジュール130を更に含み、消火モジュール130は、消火ユニット131と、節132と、管路133とを含む。消火ユニット131は、消火剤を提供するよう構成され、ボックス116内に構成されたセンサ(図示せず)の信号を介しある一つのボックス116内の電池充電異常を検知する。該電池のための電源スイッチを自動的にオフにする以外に、センサを監視して管理センターへ信号をフィードバックもする。電池が制御不能で燃え続けると、管路133は異常が発生した節132へ消火剤を送り、電池の充電システム100への充電電力供給を停止し、消火剤を散布するといった、必要な消火対策を行う。ここで、節132は各ボックス116の上隅、即ち、各ボックス116の最も高い位置に配置され、このようにして節132により散布された消火剤はより広い散布範囲に届き、最適な消火効果を達成できる。なお、本実施形態のボックス116が
図1Bに示されるように後ろへ傾いていることから、このような構成は散布された消火剤を重力を介しボックス116の後側(即ち、
図1Bに示される右側)から管(図示せず)を介しボックス116から流出させることができ、このようにして
図1Bの左側のユーザは影響されない。加えて、
図1Bの充電システム100の他の図示されていない実施形態において、ボックス116の後側(
図1Bに示される右側)の構造強度は、ボックス116の他の部分よりも低い。ボックス116の後側の構造強度を下げることにより、電池が異常を有して爆発が起きたとき、後側はボックスの底部側で爆発の出口として機能することができ、また消火剤を中空ベース121a及び122aに設けられた小さなタンクに流入するよう案内するためフロー案内チューブを伴い構成される。そのような構成を介し、ボックス116の正面側(
図1Bに示される左側)のユーザは効果的に保護されることができる。更に、本発明の充電システム100は、盗難を防ぐためのバックル締めや施錠のため、ボックス116の後側に配置された支持アセンブリ400を更に含み、支持アセンブリ400は、充電モジュール300とケーブル310を収容するのに加え、主にボックス116を後傾させる役割を果たす、バック・プレート410と強化リブ420とを含む。このため、バック・プレート410は、構造が弱くなったボックス116の底部が爆破したとき爆破力を緩衝するための穴形状ガイドである保護板として機能する。
【0034】
再び
図1Bを参照されたい。本実施形態が組み付けられないとき、ボックス116は支持アセンブリ400とベース120から分離され、ボックス116は傾斜なしに安全に置かれ、上記部材は現場で組み付けられるのみである。更に、支持アセンブリ400はボックス116の頂部を覆って完全にサポートし、支持アセンブリ400とベース120はボックス116の重心を覆い、これは地面において安定化できる堅朗且つ安全な構造である。地震が起きたとしても、全体的構造が完全であるため、構造が転倒して人を傷つけることがない。このため、本実施形態は安全性構造に重点を置いており、公共の危害を引き起こさない。更に、取付け環境が許容するならば、ボックス116の支持を改善するため、支持アセンブリ400を建築物の壁に寄りかかるようにすることもできる。
【0035】
図1Eは、
図1Aの充電システム100の関連部材の電気関係を示す図である。
図1Aと
図1Eを参照し、本実施形態において、電力供給モジュール300は、互いに電気接続された、制御ユニット320と、電池読取ユニット330と、充電器セット340とを更に含む。充電器セット340は、異なる仕様のコネクタに対応する異なる仕様の充電ユニットを含む。簡述すれば、充電装置110の電池読取ユニット330、充電器セット340、異なる仕様のコネクタは、全て様々な電池メーカーにより提供される。電池読取ユニット330は、制御ユニット320が充電装置110内の各電池を監視することを容易にするため、電池読取器、電池動作データ、センサ、電池識別データ等と統合される。
【0036】
更に、制御ユニット320は、異常が発生したとき、対応する充電制御(例えば、電力制御をオフにする)を実行して消火モジュール130を起動するため、電池読取ユニット330、充電器セット340、更にはコネクタをも介して充電の間に電池が異常であるか否かを直接感知する、又は各ボックス116のセンサを介してボックス116内に異常が存在するか否かを感知する、消火モジュール130へも電気接続される。
【0037】
図3Aと
図3Bは、異なる状態の充電装置の上面図であり、ここでの図示は説明のためにボックスの内部環境を示すのみである。
図4は、充電装置内に構成された異なるコネクタの断面図である。ボックスの輪郭による混乱を避けるため、
図3Aと
図3Bは関連するコネクタを概略的に示すのみであり、
図4の直交座標X-Y-Zは比較と説明のために適用されている。
図3A、
図3B、
図4を同時に参照されたい。本実施形態の充電装置110は、第1のコネクタ111と、第2のコネクタ112と、牽引ロッド115とを更に含む。第1の電池A又は第2の電池Bは、ボックス116に収容されるよう適合可能である。第1のコネクタ111はボックス116内に設けられ、第1の移動経路L1に沿って進退する。第1のコネクタ111は、第1の電池Aとドッキングするよう適合されている。第2のコネクタ112はボックス116内に設けられ、第2の移動経路L2に沿って進退する。第2のコネクタ112は、第2の電池Bとドッキングするよう適合されている。第1の移動経路L1は第2の移動経路L2とは異なる。牽引ロッド115は、第1のコネクタ111と第2のコネクタ112を連接して同期移動する。
【0038】
図3Bを参照されたい。本実施形態において、充電装置110はクッション・ストッパーC1~C4を更に含み、クッション・ストッパーC1とC2は第2の電池Bの輪郭に対応し、クッション・ストッパーC3とC4は第1の電池Aの輪郭に対応する。ここで、クッション・ストッパーC1~C4は、それぞれボックス116内へ第1の電池A又は第2の電池Bを移動するための支持として構成される。また、クッション・ストッパーC1とC2は第2のコネクタ112と共に支持面を形成し、クッション・ストッパーC3とC4は第1のコネクタ111と共に支持面を形成する。
【0039】
図2と4に示されるように、牽引ロッド115は、第1のコネクタ111と第2のコネクタ112の両端にそれぞれ枢支連結される。更に、ボックス116は、上記の第1の側板W1、第2の側板W2、第3の側板W3、第4の側板W4と共に3D空間を形成するため、頂板W6と底板W5とを更に含む。頂板W6は、
図2に示されるようにボックス扉であり、ボックス116の開口111aを開閉するため、ヒンジ111cと、ヒンジ111cに対向する側の電子ファスナー(図示せず)とを介して頂板W6と第4の側板W4とが接続され、ヒンジ111cと接続部材111bとを介して頂板W6と第3の側板W3又は第1の側板W1とが接続される。ここで、接続部材111bは、チェーンまたはバッファ伸縮ロッド等であることができ、その長さは、頂板W6により開かれる開口111aがどれ程大きいかによって対応して調整されることができる。第1の電池A又は第2の電池Bが開口111aを介しボックス116内に置かれた後、ユーザは、第1の電池A又は第2の電池Bが対応する第1のコネクタ111又は第2のコネクタ112とドッキングされることができることを確認しつつ、開口111aを閉じるため頂板W6を動かす。
【0040】
逆に、第1の電池A又は第2の電池Bが完全に充電され、且つユーザの許可信号が受け付けられた後に電子ファスナーが開くことに同意した後に、頂板W6が開口111aを開くことができ、これによってユーザは開口111aを介し第1の電池A又は第2の電池Bを取り出せる。更に、充電装置110は、移動板W8とW9、並びにそれぞれ底板W5上に設けられた第1の軌道113と第2の軌道114とを更に含む。第1のコネクタ111は移動板W9上に設けられ、移動板W9は、第1の移動経路L1を形成するため、第1の軌道113へ移動可能に連接される。第2のコネクタ112は移動板W8上に設けられ、移動板W8は、第2の移動経路L2を形成するため、第2の軌道114へ移動可能に連接される。同時に、「ボックス116の後側の構造強度は、ボックス116の他の部分よりも低い」と述べる前記説明は、ボックス116の底板W5の構造強度が、第1の側板W1、第2の側板W2、第3の側板W3、第4の側板W4、頂板W6よりも低いことを意味する。
【0041】
充電装置110は、元々のメーカーの内蔵電池パックを有し、弾性部材117と、くさび形駆動部品118と、元々のメーカーのコネクタと、
図1Bに示されるようにベース120と充電装置110との後側に設けられ、ケーブル310を介しボックス116内の第1のコネクタ111と第2のコネクタ112とに電気接続された、ボックスの外側の電力供給モジュール300内に設けられた元々のメーカーの充電器とを更に含む。
図3Aと
図4に示されるように、弾性部材117の一端は、第1のコネクタ111の移動板W9に接続され、移動板W9は第1の軌道113に移動可能に連接される。弾性部材117の他端は、ボックス116の第1の側板W1へ接続される。
図3Bに示されるように、弾性部材117は、第1の電池Aとのドッキングのためドッキング位置に移動し待機させるため、第1のコネクタ111を絶えず駆動する。
【0042】
加えて、全ての部材と移動は、電池A及び電池Bが沿って進入する経路の下方に位置し行われる。
図5A~
図5Cは、充電装置内のくさび形駆動部品の動きを示す概略図を表し、電池Bがボックス116に進入するときのくさび形駆動部品118の移動状態を示すため、部分断面図として表す。本実施形態において、くさび形駆動部品118は、それぞれ第2の軌道114の上方に位置する第1のくさび118aと第2のくさび118bとを含む。第1のくさび118aは、ボックス116の第4の側板W4上に移動可能に設けられ、Z軸に沿った、電池Bがボックス116内に沿って移動する第2の移動経路上に位置する。上述したように、第2のコネクタ112の移動板W8は第2の軌道114に移動可能に連接され、第2のくさび118bも第2のコネクタ112と共に第2の軌道114に沿って進退する、即ち、共にY軸に沿って移動するよう移動板W8上に設けられ、牽引ロッド115の牽引によって、第1のコネクタ111は同時に第1の軌道113に沿って移動できる。第2の電池Bがボックス116内に移動したとき、第1のくさび118a及び第2のくさび118bのくさび表面が互いに合わさり、第1のくさび118aがZ軸に沿って移動し、第2のくさび118bがY軸に沿って移動し、換言すれば、(
図5Bに示されるように)第2のコネクタ112を第2の電池Bに対応する充電位置へ移動するよう駆動することに等しい。第2の電池Bが完全に挿入された後、
図5Cに示されるように、第2のコネクタ112は第2の電池Bに成功裏にドッキングする。
【0043】
一方、
図4に示されるように、底板W5に対する第1のコネクタ111の高さが底板W5に対する第2のコネクタ112の高さよりも低いとはいえ、コネクタと電池との間の構造的干渉を避けるため、牽引機能としての役割を果たし且つ第1のコネクタ111と第2のコネクタ112との間を接続する牽引ロッド115が必要となる。また、くさび形駆動部品118により実行される押圧行動と連携するため、2つのタイプのコネクタは、それぞれコネクタに属する2つのタイプの電池に対応し、これによって電池は移動して、既に配置されたコネクタを介し充電されるよう、進入するとき他のコネクタを移動経路から押し離す。
【0044】
上記に基づき、第1のコネクタ111、第2のコネクタ112、第1の軌道113、第2の軌道114、弾性部材117、及びくさび形駆動部品118の対応する位置関係にて、本実施形態において、第2の電池Bがボックス116内に置かれるとき、第2の電池Bは、弾性部材117を変形しつつ、くさび形駆動部品118を介し第1のコネクタ111、牽引ロッド115、及び第2のコネクタ112を同時に駆動できる。つまり、
図5Aから
図5Bへと推移するプロセスにおいて示されるように、第2の電池Bがボックス116内に置かれるとき、第2の電池Bは、第1のくさび118aを下げる(負のZ軸方向に移動)よう、第1のくさび118aをZ軸に沿って押圧し、これによって第1のくさび118aは第2のくさび118bを負のY軸方向に移動するよう押圧し、これは第2のコネクタ112を負のY軸方向に移動するよう駆動することに等しい。また、牽引ロッド115は、第1のコネクタ111を負のX軸方向に駆動するために用いられ、これによって充電装置110は
図3Bに示される状態から
図3Aに示される状態へと推移する。このようにして、第2のコネクタ112は、第2の電池Bとドッキングするためのドッキング位置へ押され、その間、第1のコネクタ111は第2の電池Bと干渉することなく第1の電池Aとのドッキングのためのドッキング位置から押し離されている。その間、弾性部材117は、第1のコネクタ111の移動によって変形し、戻るための十分な弾性力を蓄える。
【0045】
次いで、第2の電池Bがボックス116から離れるとき、弾性部材117の復帰弾性力は、第1のコネクタ111を元の位置へ復帰するよう、即ち、該環境において、適合された充電装置110のコネクタ111の状態は、ボックス116内に移動する第1の電池Aを充電するため待機している。第2のコネクタ112を第2の電池Bとのドッキング位置から押し離す、即ち、
図3Bに示された状態から推移するよう駆動することができる。ここで、(Z軸に沿った)第1のくさび118aの移動経路は(Y軸に沿った)第2のくさび118bの移動経路と直交しており、これは第2の軌道114に直交する第1の軌道113に等しく、上述した移動経路L1、第2の移動経路L2、及び第2のくさび118bの移動経路は、X-Y面上で互いに平行である。
【0046】
図5A~
図5Cを更に参照する。本実施形態において、ボックス116の底部の固定枠W7と上方の底板W5は隣接状態にあり、即ち、管理者は電池のサイズによってボックス116内の底板W5の高さを予め対応して調整することができる。ここで、底板W5は、底部の固定枠W7(又は固定板)並びにブッシュW51とW52を介してドッキングする電池のため、適切なサイズに調整される。
【0047】
図6は、本発明のもう1つの実施形態による充電装置の上面図である。
図6を参照し、本実施形態において、第1のコネクタ411は第1の電池Eとのドッキングのためボックス内に固定され、第2のコネクタ412は第2の電池Fとのドッキングのためボックス内に移動可能に設けられる。換言すれば、本実施形態において、第2のコネクタ412のみが移動可能部材として構成され、第2のコネクタ412を図に示された2つの位置の間で進退させるため軌道413に沿って移動可能に設けられる。更に、ボックスの底部での第1のコネクタ411の正投影は、ボックスの底部でボックス内に配置された第2の電池Fの正投影の範囲の外側にあり、このため第1のコネクタ411はボックス内に移動する第2の電池Fと干渉しない。ここで、第2のコネクタ412は軌道413上の移動板W8上に移動可能に設けられ、弾性部材117を介しボックスに接続される。従って、第1の電池Eが挿入されるとき、第2のコネクタ412は弾性部材117により図の上方定位置にあるよう引っ張られ、第1の電池Eの範囲の外側に位置し、第1の電池Eは第1のコネクタ411と成功裏にドッキングできる。第2の電池Fが挿入されるとき、第2のコネクタ412は第2の電池Fと容易にドッキングできるよう
図6の下方の位置へ移動するよう駆動され、これにより弾性部材117を変形させる。第1のコネクタ411がやはり第2の電池Fの範囲の外側にあることから、第2の電池Fは干渉されない。
【0048】
本実施形態において、第2のコネクタ412に関連する駆動手段は、前の実施形態において説明した第2のコネクタ112と同一であり、ボックス内に第2の電池Fを配置する駆動手段は
図5A~
図5Cにも示されており、第2のコネクタ412は、やはりくさび形駆動部品を介し、第2の電池Fとドッキングするための位置へ押圧される。充電が完了した後、第2の電池Fがボックス116から離されるとき、第2のコネクタ412は、弾性部材117の復帰弾性力を介し、第2の電池Fとのドッキングのための位置から引き離され、
図6に表されれた2つの第2のコネクタ412は、これらが2つの異なる位置へ移動されることを表しており、ここでは更なる説明は述べない。
【0049】
更に
図1Aを参照されたい。本実施形態において、充電システム100が、各2つの電池が一対にて充電装置110を形成する異なる仕様の電池と組になる、複数の充電装置110の組合せであることから、充電システム100全体のために共通して適合されるボックスは、同一のボックス116である。様々な予定される電池のうちの異なる仕様の2つのタイプの電池を共に組にすることにより、異なる組の充電装置110が、充電システム100全体を一体に形成するよう混合され整合される。このため、異なる仕様の電池のための充電装置110を必要に応じて提供できる。
図3Aと
図3B中の充電装置110のような
図6に示された充電装置は、異なる仕様の第1の電池Eと第2の電池Fとを収容し搭載できる。当然ながら、異なる仕様の2つのタイプの電池が提供され、これらがボックス116に進入するとき、これらは他のコネクタと干渉し衝突することがなく、このため追加的な機構を要さない。コネクタは、ドッキング位置で固定された2つの固定型コネクタである。このようにして、そのような構成を有する充電システム100は、電池の仕様によって、いつでも対応する充電装置を提供できる。
【0050】
本発明に適合される電池、コネクタと充電器が様々な車両メーカーにより認証されたものであることから、これらはフレキシビリティに関する全面的な考慮に基づき組にされ、これは、二次リチウム電池、急速充電電池パック、固体電池パック等といった異なるタイプの電池パックが同一の電池充電システムに適用可能であることを意味する。また、運搬車両、スタッカー、フォークリフト、AGV、AI、ドローン等といった異なるタイプの機器により適合された電池パックも、本発明の充電システムに適用可能である。電池パックのサイズが本発明の充電装置の汎用ボックスの空間に収容できる限り、このタイプの電池パックは本発明の充電装置に進入でき、固定/特定の公共エリア/住居又は地域社会に制限されることなく充電システム内に統合されることができ、また工場エリアにおいて用いられてよい。従って、電気生産機器が電力を欠くとき、電子生産機器を充電のために停止させる必要がない。このようにして、機器使用率が改善し、機器充電装置の充電及び交換頻度も向上する。
【0051】
まとめると、本発明の上述した実施形態において、車両用電池のための充電装置及び充電システムは、異なる仕様の第1のコネクタと第2のコネクタがボックス内に移動可能に設けられ、これらを同時に駆動するため牽引ロッドがこれら2つに連接するよう適合されるように設計される。このため、異なる仕様の第1の電池又は第2の電池に対応するとき、充電装置及び充電システムは、コネクタが電池と干渉することなくドッキング位置に出入できるよう、対応する仕様のコネクタを押し離すのではなく、充電のための対応するコネクタを提供できる。
【0052】
更に、異なる仕様の電池に一致するよう、上述した充電装置及び充電システムはベースのV字状凹部に制限され、これによって同一の外形輪郭を有するボックスは一貫した傾斜配置を形成するようベース上に積まれ、これは、電池がボックス内に置かれた後の整列のため2つの隣接する側板に対し押圧されるよう、ボックスの側板が、それらが位置する地面に対しそれぞれ傾斜していることと、側板で構成された矩形柱面の延長軸もそれが位置する地面に対し傾斜していることとを含む。このようにして、ボックスの輪郭と電池自身の重力が、電池を充電のため2つの側板に沿って対応するコネクタと成功裏にドッキングさせることができる。
【0053】
加えて、第1のコネクタと第2のコネクタは、一度に充電装置の1つのコネクタのみが、一致する電池のためのドッキング位置に位置することができ、他のコネクタが押し離されるよう、牽引ロッドを介し同時に駆動されることができる。つまり、1つの時点で、1つのコネクタのみが、入ってきた電池を充電するためドッキングする能力を有する。
【0054】
上記に基づき、本発明の充電装置及び充電システムは、異なる仕様の元々の電池、元々の充電コネクタ、及び元々の充電器を尊重し改変せず、安全性責任が明確に定義されることができ、ユーザに充電システムを安全且つ確実に用いることを可能とする。充電装置の使用率を向上させるため、充電機構は異なる時点で異なる仕様の電池を収容できる。充電装置及び充電システムは、持続可能であるよう、様々な電池を収容できる汎用ボックスを有する。異なるブランド又はタイプの電池の状況において、複数の電池の充電システムは、複数の充電装置を積むことにより、フレキシブルに構成されることができる。充電装置及び充電システムは、元々の自動車メーカーの安全性責任の既存の仕様に対し大きな重要性を置いており、汎用ボックス、コネクタ移動機構、事故による電池燃焼のための消火モジュール、及び爆破の間の衝撃吸収と緩衝保護から新たなアイデアを生み出し、本発明の発明は作り変えの無駄を削減できるが、様々な機能を管理する統合された役割を果たすよう複数の電池との互換性もある。
【0055】
最後に、上記実施形態は本発明の技術的解決を表すために用いられるのみであり、それらを限定しないことに注意されたい。本発明を上記実施形態を参照し詳細に説明したが、当業者にとって、上記実施形態において説明した技術的解決を改変する、又はいくつかの又は全ての技術的特徴に対す均等な置き換えを行うことがやはり可能である。これら改変又は置き換えは、対応する技術的解決策の性質を、本発明の実施形態における技術的解決の範囲から逸脱させない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の充電装置及び充電システムは、車両用電池に応用され得る。
【符号の説明】
【0057】
100:充電システム
110:充電装置
111、411:第1のコネクタ
111a:開口
111b:接続部材
111c:ヒンジ
112、412:第2のコネクタ
113:第1の軌道
114:第2の軌道
115:牽引ロッド
116:ボックス
117:弾性部材
118:くさび形駆動部品
118a:第1のくさび
118b:第2のくさび
120、121、122:ベース
121a、122a:ベースユニット
130:消火モジュール
131:消火ユニット
132:節
133:導管
200:地面
A、C、E:第1の電池
B、D、F:第2の電池
g1:重力
L1:第1の移動経路
L2:第2の移動経路
C1、C2、C3、C4:クッション・ストッパー
W51、W52:ブッシュ
W1:第1の側板
W2:第2の側板
W3:第3の側板
W4:第4の側板
W5:底板
W6:頂板
W7:固定フレーム
W8、W9:移動板
300:電力供給モジュール
310:ケーブル
320:制御ユニット
330:電池読取ユニット
340:充電器セット
400:支持アセンブリ
410:バック・プレート
413:軌道
420:強化リブ
X-Y-Z:直交座標