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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】スチーマー
(51)【国際特許分類】
   D06F 75/18 20060101AFI20220627BHJP
   D06F 75/14 20060101ALI20220627BHJP
   D06F 75/38 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
D06F75/18
D06F75/14 B
D06F75/14 Z
D06F75/38
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021111198
(22)【出願日】2021-07-05
(62)【分割の表示】P 2018186734の分割
【原出願日】2018-10-01
(65)【公開番号】P2021151621
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2021-07-05
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗林 正人
(72)【発明者】
【氏名】高木 均
(72)【発明者】
【氏名】庭山 晃一
(72)【発明者】
【氏名】三宅 一也
【審査官】関口 知寿
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-000698(JP,A)
【文献】中国実用新案第207919196(CN,U)
【文献】特表2016-526939(JP,A)
【文献】実開昭59-016598(JP,U)
【文献】実開昭63-183993(JP,U)
【文献】特開平03-121379(JP,A)
【文献】特開2017-213106(JP,A)
【文献】特表2012-516746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 75/10-75/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を内部に貯留するタンクと、
前記タンク下方に設けられるベースと、
前記ベースに埋設されるヒータと、
前記ヒータにより加熱されて、前記タンクからの液体を気化させる気化室と、
前記気化室で気化したスチームを外部に噴出させる噴出部と、
手動操作が可能な操作体と、
前記タンクの底面部に設けられ、前記気化室に流入させる液体を滴下させる滴下口と、
前記滴下口に挿通支持される可動体と、
前記操作体の操作時の力を前記可動体に伝達する伝達機構と、
前後に延びる握り部と、
スチーマー本体と、を備え、
前記伝達機構は、
前記スチーマー本体における前記タンクの上方であり、かつ、前記握り部と前記スチーマー本体との間の空洞の下方に、前記スチーマー本体の長手方向に沿って配設され、
一側が前記操作体側、他側が前記可動体側に固定されて回転軌跡で上下動する板形状であって、前記タンク外に前記スチーマー本体の長手方向に沿って配設され、
前記操作体は、前記滴下口から前記気化室に前記液体の流入が可能な状態と、前記滴下口から前記気化室に前記液体の流入が遮断される状態と、を切換え可能であり、
前記タンクは、前記スチーマー本体の長手方向に沿って配設され、
前記滴下口は、前記タンクの後側に設けられていることを特徴とするスチーマー。
【請求項2】
前記伝達機構は、一側が前記操作体の下部に形成された基部に連結され、他側が前記可動体の上部に連結されているとともに、前記一側であって、前記基部を挟んで前記可動体との連結位置とは反対側の位置を支点として回転軌跡で上下動することを特徴とする請求項1に記載のスチーマー。
【請求項3】
前記噴出部の少なくとも一部が前記滴下口よりも前側に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載のスチーマー。
【請求項4】
前記タンクと、前記気化室と、前記噴出部と、を前記スチーマー本体に備え、
前記タンクの内部には、前記滴下口を設けていない一側に形成される第1貯留空間と、前記滴下口を設けた他側に形成される第2貯留空間がそれぞれ形成され、
前記第1貯留空間と前記第2貯留空間との間には、前記タンクの右側側面と左側側面から前記タンクの内部に向けて互い違いに延びる2枚の仕切り壁が設けられることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のスチーマー。
【請求項5】
前記第1貯留空間は、前記第2貯留空間よりも上下方向に長く形成されていることを特徴とする請求項4に記載のスチーマー。
【請求項6】
前記気化室の内面全体に粒子状の研磨材を設けたことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のスチーマー。
【請求項7】
前記気化室を形成するベース基体が、前記噴出部を有するベースプレートの上面に取付け固定され、
前記ベース基体と前記ベースプレートとの合わせ面を取り囲むように、前記ベースプレートの上面外周にリブを設けたことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載のスチーマー。
【請求項8】
前記スチーマー本体に電力を供給する電源コード付きの給電プラグを備え、
前記給電プラグは前記スチーマー本体に着脱可能であることを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載のスチーマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スチームを噴出させて衣類などのしわ伸ばしを行なうスチーマーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスチーマーとして、例えば特許文献1には、ヒータで加熱したベースに気化室を設けて、タンクから供給される液体である水を気化室に導き、気化室で水から気化したスチームを、噴出部となる複数のスチーム孔を通して衣類などに噴出させるものが知られており、スチーム孔から噴出するスチームの流量を、ユーザーが手動操作で加減できるようにするために、タンクからの気化室への液体流量を可変する流量可変機構が組み込まれている。
【0003】
図32は、従来の流量可変機構として、スチーム流量切換え構造200の一例を示したものである。同図において、スチーム流量切換え構造200は、液体の貯留部を形成するタンク201に組み込まれており、図示しない操作体となるドライ/スチーム/シャワー(倍増スチーム)の切換スイッチと、切換スイッチに連動して上下に可動する滴下ロッド202と、可動体となる滴下ロッド202の下端に一体形成されるニードル203と、滴下ロッド202の下部に装着されるパッキンとしてのロッドスリーブ204と、タンク部材201の底部に装着される弁体としてのニードルバルブ205と、ニードルバルブ205をタンク部材201に水密に取付けるためのOリング206と、を主な構成とする。ニードルバルブ205は、滴下ロッド202に向けて漏斗状に広がって形成されるテーパー面211と、テーパー面211の下端に設けられ、滴下ロッド202のニードル203を挿通可能とする弁孔212と、をそれぞれ有する。
【0004】
そして、図32(a)に示すように、切換スイッチを手動操作して「ドライ」の位置に切換えると、ロッドスリーブ204がニードルバルブ205のテーパー面211を押付ける位置にまで、滴下ロッド202が下段に移動する。これにより、タンク201から気化室(図示せず)に至る水路Pが完全に遮断され、スチーム孔(図示せず)からスチームを噴射させない「ドライ」の状態で、スチーマーを使用することができる。
【0005】
また、図32(b)に示すように、切換スイッチを手動操作して「スチーム」の位置に切換えると、ロッドスリーブ204がニードルバルブ205のテーパー面211から離れ、且つニードル203がニードルバルブ205の弁孔212を挿通した位置にまで、滴下ロッド202が中段に移動する。これにより、タンク201からニードル203と弁孔212との隙間を通り、気化室に至る水路Pが形成され、スチーム孔から適量のスチームを噴射させた「スチーム」の状態で、スチーマーを使用することができる。
【0006】
さらに、図32(c)に示すように、切換スイッチを手動操作して「シャワー」の位置に切換えると、ロッドスリーブ204がニードルバルブ205のテーパー面211からさらに離れ、且つニードル203もニードルバルブ205の弁孔212に挿通せずに、弁孔212から離れた位置にまで、滴下ロッド202が上段に移動する。これにより、タンク201から弁孔212の全体を通り、気化室に至る水路Pが形成され、スチーム孔から「スチーム」よりも多量のスチームを噴射させた「シャワー」の状態で、スチーマーを使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2011-239963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したスチーム流量切換え構造200では、切換スイッチを「シャワー」の位置に切換えると、滴下ロッド202のニードル203がニードルバルブ205の弁孔212から抜け出すので、次に切換スイッチを「ドライ」や「スチーム」の位置に切換えようとしたときに、滴下ロッド202が正しく直線方向に下がらないと、ニードル203の先端が途中でニードルバルブ205に突き当たって、スチームの流量が可変できない問題を生じていた。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑み、スチームの流量を正しく可変して噴出させることが可能なスチーマーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のスチーマーは、液体を内部に貯留するタンクと、前記タンク下方に設けられるベースと、前記ベースに埋設されるヒータと、前記ヒータにより加熱されて、前記タンクからの液体を気化させる気化室と、前記気化室で気化したスチームを外部に噴出させる噴出部と、手動操作が可能な操作体と、前記タンクの底面部に設けられ、前記気化室に流入させる液体を滴下させる滴下口と、前記滴下口に挿通支持される可動体と、前記操作体の操作時の力を前記可動体に伝達する伝達機構と、前後に延びる握り部と、スチーマー本体と、を備え、前記伝達機構は、前記スチーマー本体における前記タンクの上方であり、かつ、前記握り部と前記スチーマー本体との間の空洞の下方に、前記スチーマー本体の長手方向に沿って配設され、一側が前記操作体側、他側が前記可動体側に固定されて回転軌跡で上下動する板形状であって、前記タンク外に前記スチーマー本体の長手方向に沿って配設され、前記操作体は、前記滴下口から前記気化室に前記液体の流入が可能な状態と、前記滴下口から前記気化室に前記液体の流入が遮断される状態と、を切換え可能であり、前記タンクは、前記スチーマー本体の長手方向に沿って配設され、前記滴下口は、前記タンクの後側に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、スチームの流量を正しく可変して噴出させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態におけるスチーマーの縦断面図である。
図2】同上、スチーマー本体にプラグユニットを差し込んだコード付きでの使用状態を示す右側面図である。
図3】同上、コード付きでの使用状態を示す平面図である。
図4】同上、コード付きでの使用状態を示す後一方向からの斜視図である。
図5】同上、図4からプラグユニットを取り外したコードレスでの使用状態を示す後一方向からの斜視図である。
図6】同上、コードレスでの使用状態を示す右側面図である。
図7】同上、コードレスでの使用状態を示す平面図である。
図8】同上、コードレスでの使用状態を示す正面図である。
図9】同上、コードレスでの使用状態を示す背面図である。
図10】同上、コードレスでの使用状態を示す左側面図である。
図11】同上、コードレスでの使用状態を示す底面図である。
図12】同上、操作体とその周辺を示す後一方向からの拡大斜視図である。
図13】同上、操作体とその周辺を示す後他方向からの拡大斜視図である。
図14】同上、スチーム流量切換え構造を拡大して示す説明図である。
図15】同上、「ドライ」設定時のスチーム流量切換え機構を示す要部断面図である。
図16】同上、「スチーム」設定時のスチーム流量切換え機構を示す要部断面図である。
図17】同上、「シャワー(倍増スチーム)」設定時のスチーム流量切換え機構を示す要部断面図である。
図18】同上、置台単体を示す前一方向からの要部斜視図である。
図19】同上、置台にプラグユニットを取付けた状態を示す正面方向からの要部斜視図である。
図20】同上、置台にプラグユニットを取付けた状態を示す平面図である。
図21】同上、置台にプラグユニットを取付けた状態を示す右側面図である。
図22】同上、給電プラグの内部構成を示すプラグユニットの一部切欠き図である。
図23】同上、置台にプラグユニットを取付けた状態を示す縦断面図である。
図24】同上、給電プラグの上部を取り外した状態の一方向から見たプラグユニットの要部写真である。
図25】同上、給電プラグの上部を取り外した状態の別な方向から見たプラグユニットの要部写真である。
図26】同上、ヒータを埋設したベース基体の写真である。
図27】同上、ブラスト処理前のスチームカバーとブラスト処理後のスチームカバーをそれぞれ示す写真である。
図28】同上、タンクカバーを底面側から見た斜視図である。
図29】同上、スチーマー本体を後方から見て右側に傾けた状態のタンク組立体と、その内部の水の状態を示す図である。
図30】同上、スチーマー本体を後方から見て左側に傾けた状態のタンク組立体と、その内部の水の状態を示す図である。
図31】ヒータを埋設したベースの斜視図である。
図32】従来のスチーム流量切換え構造の一例を拡大して示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましいスチーマーの実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1図31は、本発明の一実施形態におけるスチーマーを示している。まず、図1図13に基づいてスチーマーの全体構成を説明すると、本実施形態のスチーマーは、液体である水を加熱気化してスチームを外部に噴出するスチーマー本体1と、家庭用のコンセント(図示せず)からスチーマー本体1に電力を供給するプラグユニット2と、床面Sに置いた状態で使用され、スチーマー本体1を着脱可能に載置する置台3と、を主な構成要素とする。プラグユニット2は、スチーマー本体1と置台3の何れにも着脱できる構成となっている。
【0015】
スチーマー本体1は、電力を受ける凹状の受電部5が後部に設けられる一方で、加熱手段としてヒータ6を埋設した金属製のベース7を下部に備えている。ベース7は、ダイキャスト成形品によるベース基体8の底面に、掛け面部材となるベースプレート9が具備された構成を有し、ベースプレート9に固着された締結部材10によって、ベース基体8に密着固定される。ベース7の内部には、ヒータ6の近傍に位置して蒸気室すなわち気化室11が形成され、この気化室11に連通する複数のスチーム孔12が、ベース7の下面をなすベースプレート9に開口形成される。また、ベース7は金属板状の上蓋となるスチームカバー13を備え、ベース基体8に取付け固定されたスチームカバー13により、気化室11の上面が形成される。なお、気化室11はベース7に形成されずに、別体であってもよい。その場合も、気化室11で液体となる水を加熱気化させるために、ヒータ6若しくは別な加熱手段が設けられる。
【0016】
15はベース7の上部から側部を覆うように設けられた樹脂製のカバーであり、16はカバー15の上方に固定して設けられ、側面から見て後端を開放した略U字状に形成された把手である。把手16の内部前方から後方にかけては、液体を貯留するタンクに相当するタンク組立体17が設けられる。タンク組立体17は、何れも樹脂製のタンクカバー18とタンクベース19とにより構成され、タンクカバー18の下面開口を覆うようにタンクベース19を取付け固定することで、タンク組立体17の内部に液体の貯留空間が形成される。特に本実施形態では、タンク組立体17の内部前側に第1貯留空間21Aが形成され、タンク組立体17の内部後側に第2貯留空間21Bが形成される。また、タンク組立体17の内部中央部には、第1貯留空間21Aと第2貯留空間21Bとを連通状態で区画する2枚の仕切り壁22A,22Bが形成される。スチーマー本体1を後方から見て、一方の仕切り壁22Aは、タンク組立体17の左側側面に繋がって、そこからタンク組立体17の内部に向けて延びており、他方の仕切り壁22Bは、タンク組立体17の右側側面に繋がって、そこからタンク組立体17の内部に向けて延びている。
【0017】
24は、タンク組立体17の前部に設けられ、前述の第1貯留空間21Aに直接連通する注水口である。この注水口24に対向して把手16の前部には、注水口24を手動で開閉可能にする注水口蓋25が設けられ、注水口蓋25を手前側に起こして注水口24を開けることで、ここからタンク組立体17内に液体である水を収容したり、タンク組立体17内の不要水を廃棄したりするようになっている。また、タンク組立体17の底面には、タンク組立体17の内部に貯留する水を、加熱する気化室11に滴下させるための滴下口26が開口形成される。この滴下口26はタンク組立体17の後側に設けられていて、第2貯留空間21Bに直接連通する。
【0018】
把手16は、何れも樹脂製の把手ベース28と把手カバー29との二部品で構成され、スチーマー本体1の最上部に位置して、前方から後方に延びる棒状の握り部31が形成される。握り部31は、スチーマー本体1の腹部32との間に空洞33を有しており、握り部31の後部には、スチーマー本体1の後部から空洞33に手を差し入れて、握り部31を手で握ることができるように、空洞33に連通する開口部34が開口形成される。つまり、ここでの握り部31は、その後部がスチーマー本体1のどの部位にも連結せずに、開口部34を形成して開放した形状を有する。また、ここでいう腹部32とは、握り部31に対向したスチーマー本体1の平坦状の中央上面部を指すものであり、本実施形態では、把手ベース28の基部28Aとして形成される。把手ベース28は、この基部28Aの他に、基部28Aの前側でU字状に立上がる連結部28Bと、連結部28Bより後側に延び、握り部31の下面部を形成する延設部28Cとからなり、延設部28Cを把手カバー29で覆うことで、スチーマー本体1の握り部31が構成される。
【0019】
35はスチーマー本体1の上部に設けられた手動操作が可能な操作体で、本実施形態では、ベース7の温度設定と電源の入・切を兼用する上下動可能な温度設定/切ボタン36の他に、スチーム孔12から噴出するスチーム流量の切換え操作部として、握り部31の前側で摺動可能に設けられるスチーム切換スイッチ37と、腹部32の前側で上下動可能に設けられるスチームレバー38と、を備えて構成される。スチーム切換スイッチ37は段差状に形成されたスライド面37Aを有し、スチーム切換スイッチ37をスチーマー本体1の左右方向に手動操作でスライドさせることにより、スチームレバー38に対向する部位で、スライド面37Aの高さが上下に変化するようになっている。またスチームレバー38は、台座状の基部38AにU字状の指掛部38Bを延設して構成され、指掛部38Bには、スチーム切換スイッチ37のスライド面37Aに対向する突起38Cが一体的に形成される。
【0020】
握り部35の上部前側には、表示部として複数のLEDを並べた温度表示ランプ39が設けられており、温度設定/切ボタン36による設定温度や、温度検知手段(図示せず)で検知されるベース7の温度などが温度表示ランプ39で表示される。また握り部35の内部には、電源の入・切や、ベース7が設定温度に達したのを音で知らせる報知部としてのブザー40と、ヒータ6を適宜通断電制御することにより、ベース7を所定の温度に維持するように制御する温度制御装置41がそれぞれ設けられる。
【0021】
タンク組立体17から気化室11に至る液体の通路44には、前述の握り部31の一部であるスチーム切換スイッチ37やスチームレバー38を含むスチーム流量切換え機構45と、ベース7が気化温度よりも低い状態で、気化室11に液体が流れ込むのを防止する低温時液体流入防止機構46が、それぞれ組み込まれる。スチーム流量切換え機構45は、タンク組立体17からの気化室11への液体流量を可変する流量可変機構として、前述したスチーム切換スイッチ37およびスチームレバー38に加えて、タンク組立体17の滴下口26に挿通支持される可動体としての滴下ロッド48と、スチームレバー38の力を滴下ロッド48に伝達させる伝達機構としての伝達板49と、滴下ロッド48の下端に一体形成されるニードル50と、滴下ロッド48の下部に装着されるパッキンとしてのロッドスリーブ51と、タンク組立体17の底部でタンクベース19に装着される弁体としてのニードルバルブ52と、ニードルバルブ52をタンクベース19に水密に取付けるためのOリング53と、スチームレバー38をスチーム切換スイッチ37から離れる方向に伝達板49を付勢すると共に、ロッドスリーブ51がニードルバルブ52の上面を押付ける方向に滴下ロッド48を付勢する弾性体としてのスプリング54と、滴下ロッド48と支持部材となるタンクカバー18との隙間を塞ぐシール体55と、を主な構成とする。なお、スチーム流量切換え機構45の詳細については、後程別な図を参照して詳しく説明する。
【0022】
一方、低温時液体流入防止機構46は、ベース7の温度を感知して変形する感熱応動体としてのバイメタル57と、バイメタル57に応動して通路44を開閉する弁部材58と、を主な構成とする。バイメタル57は、ベース基体8の上面に設けた凹状のバイメタル収納室59に収納され、ベース7が液体の気化温度よりも低い場合は、バイメタル57が復帰状態となって、通路44を閉塞する方向に弁部材58が移動するのに対し、ベース7が液体の気化温度以上になると、バイメタル57が反転状態となって、通路44を開放する方向に弁部材58が移動する。このとき、前述のスチーム流量切換え機構45において、スプリング54の付勢に抗してニードルバルブ52から液体が流れる方向に滴下ロッド48を移動させていれば、タンク組立体17から気化室11までの通路44が全て開放し、気化室11に液体が滴下される構成となっている。
【0023】
プラグユニット2は、可撓性の電源コード61と、電源コード61の基端に設けられる給電プラグ62と、を主な構成要素とする。図示しないが、電源コード61の先端には、家庭用のコンセントに挿抜が可能な電源プラグが設けられる。給電プラグ62は、何れも樹脂製のプラグ基台64とプラグカバー65とを外郭部材とし、プラグカバー65の下面開口をプラグ基台64で塞ぐ構成となっている。本実施形態では、電源コード61付きの給電プラグ62を、スチーマー本体1と置台3の何れにも着脱できる構成となっている。
【0024】
給電プラグ62には、手動操作で給電プラグ62をスチーマー本体1の凹部5に嵌合可能または嵌合不可能にするコードレス切換スイッチ66が設けられる。コードレス切換スイッチ66は、給電プラグ62の上面側で前後に摺動可能に設けられており、図1に示すような給電プラグ62を置台3に装着した状態では、プラグユニット2をスチーマー本体1から取り外したコードレスの状態で、スチーマー本体1を使用するために、コードレス切換スイッチ66を一側前方に動かして、スチーマー本体1と給電プラグ62との嵌合を解除する。これに対して、置台3から給電プラグ62を取り外し、プラグユニット2をスチーマー本体1に取り付けたコード付きの状態で、スチーマー本体1を使用するためには、コードレス切換スイッチ66を他側後方に動かして、スチーマー本体1と給電プラグ62とを嵌合させる。このとき、給電プラグ62の前側部分はスチーマー本体1の凹部5に装着されるが、コードレス切換スイッチ66を含む給電プラグ62の後側部分は、凹部5に囲まれることなく露出し、ユーザーが何時でもコードレス切換スイッチ66を手動操作できるようになっている。スチーマー本体1の凹部5には、プラグユニット2の後述する給電端子88と電気的に接続が可能な一対の受電端子67が設けられる。その他の給電プラグ62の内部構成については、後程別な図を参照して詳しく説明する。
【0025】
置台3は、スチーマー本体1の前方を斜め上方向に向けて載置するために、床面Sに対して傾斜して形成された本体載置部68と、本体載置部68の後方に設けられる凹状のプラグ収容部69と、置台3の後部に設けられ、給電プラグ62をプラグ収容部69に装着したときに、置台3の外部に電源コード61を引き出すコード引出部70と、を備えている。プラグ収容部69の下部には、給電プラグ62の底面に形成した嵌合凹部71に嵌合可能な嵌合体72と、この嵌合体72を常時プラグ収容部69から突出する方向に付勢する弾性体としてのスプリング73がそれぞれ設けられる。
【0026】
これにより、給電プラグ62をプラグ収容部69の開放した前側から差し込むと、スプリング73の付勢力が作用して、給電プラグ62の嵌合凹部71に置台3の嵌合体72が嵌合して、給電プラグ62がプラグ収容部69に保持される。一方、スプリング73の付勢力に抗して、プラグ収容部69から給電プラグ62を前側に向けて引抜くと、給電プラグ62の嵌合凹部71と置台3の嵌合体72との嵌合が解除される構成となっている。
【0027】
上記構成のスチーマーについて、その動作を簡単に説明する。スチーマー本体1に設けられた注水口蓋25を開閉して、所定量の水をタンク組立体17の内部に収容する。続いて、置台3のプラグ収容部69にプラグユニット2の給電プラグ62を嵌合収容し、その置台3の本体載置部68にスチーマー本体1を載置するか、或いは置台3を用いずに、スチーマー本体1の凹部5に給電プラグ62を差し込んで嵌合させて、家庭用のコンセントから供給される電力を、給電プラグ62を介してスチーマー本体1に給電する。この状態で、温度設定/切ボタン36を押動操作し、スチームの噴出対象物となる布地などに合わせた温度を設定すると、スチーマー本体1の内部では、温度検知手段で検知されるベース7の温度が、温度設定/切ボタン36で設定した温度に近付くように、温度制御装置41がヒータ6を通断電制御して、気化室11を含むベース7を加熱する。また、ヒータ6への通電に伴いベース7がある温度以上に達すると、ベース基体8のバイメタル収納室59に収納したバイメタル57が反転し、低温時液体流入防止機構46の内部で通路44を開放する方向に弁部材58が移動する。
【0028】
ここで、使用者がスチーム機能(後述する「スチーム」または「シャワー(倍増スチーム)」)を利用する場合は、握り部31を手で握ったまま、スチーム流量切換え機構45のスプリング54に抗して、スチームレバー38を人差し指で握り部31に近付く方向に上方に引くと、それに連動して滴下ロッド48が上昇してニードルバルブ52が開き、タンク組立体17の滴下口26からニードルバルブ52を通して、気化室11への水の流通が可能となる。したがって、この場合は加熱された気化室11に達した水がそこで気化され、スチーマー本体1の底面からスチーム孔12を通して、衣類などにスチームを噴出することができる。
【0029】
一方、使用者がドライ機能(後述する「ドライ」)を利用する場合は、スチームレバー38から指を離すと、スプリング54の付勢力により滴下ロッド48が下降して、ロッドスリーブ51がニードルバルブ52の上面を押付け、ニードルバルブ52が閉状態となって、タンク組立体17の滴下口26から気化室11への水の流通が遮断される。したがって、この場合は全てのスチーム孔12からスチームが噴出しないドライスチーマーとして、スチーマー本体1を使用できる。
【0030】
次に、本実施形態で特徴となる部分について、図面を参照しながら詳しく説明する。図14は、「ドライ」、「スチーム」、「シャワー(倍増スチーム)」の各状態で、スチーム流量切換え構造45の滴下ロッド48とニードルバルブ52との位置関係を拡大して示したものである。同図において、ここでもニードルバルブ52は、滴下ロッド48に向けて漏斗状に広がって形成されるテーパー面77と、テーパー面77の下端に設けられ、滴下ロッド48のニードル50を挿通可能とする円形の弁孔78と、をそれぞれ有する。
【0031】
一方、本実施形態では、ニードル50の形状とニードルバルブ52に対する位置関係に特徴がある。ニードル50の横断面形状は円形で、ニードル50の基端側は、その直径が先端側よりも大きい太径部50Aが形成され、ニードル50の先端側は、その直径が基端側よりも小さい細径部50Bが形成される。これを従来の図32と比較すると、従来のニードル203は、基端側から先端側にかけて同一寸法の直径で形成される。なお、本実施形態ではスチーム切換スイッチ37により、最終的にスチーム孔12から噴出するスチームの流量を2段階に可変することに伴い、ニードル50の直径も太径部50Aと細径部50Bの2段階に異なるように形成しているが、スチーム切換スイッチ37によるスチーム流量の切換段数に応じて、ニードル50の直径も3段階以上に異なるように形成してもよい。また、スチーム切換スイッチ37によりスチーム流量を連続的に切換える構成であれば、ニードル50の直径も段階的ではなく連続的に異なるように、すなわちニードル50をテーパー状に形成してもよい。
【0032】
また本実施形態では、スチーム切換スイッチ37やスチームレバー38がどの位置にあっても、すなわち図14(a)の「ドライ」や、図14(b)の「スチーム」のみならず、図14(c)の「シャワー」に、スチーム切換スイッチ37やスチームレバー38を位置させたとしても、ニードル50がニードルバルブ52の弁孔78から抜け出さずに、弁孔78に挿通した状態を維持するような構成となっている。これを従来の図32と比較すると、従来のニードル203は、特に(c)の「シャワー」に切換スイッチを位置させると、滴下ロッド202のニードル203がニードルバルブ205の弁孔212から抜け出してしまう。しかし、本実施形態のスチーム流量切換え機構45は、後述するように滴下ロッド48が回転軌跡で上下する構成となっており、ニードル50が弁孔78から一旦抜け出してしまうと、次にスチーム切換スイッチ37やスチームレバー38の位置を、「ドライ」や「スチーム」に切換えようとしても、ニードル50の先端が途中でニードルバルブ52に突き当たりやすくなる。そこで、図14(c)に示すように、スチーム切換スイッチ37やスチームレバー38の位置を「シャワー」にした場合でも、ニードル50がニードルバルブ52の弁孔78に挿通した状態を維持する構成になっていれば、ニードル50の先端がニードルバルブ52に突き当たる虞れを回避できる。
【0033】
そして本実施形態では、図14(a)に示すように、スチーム切換スイッチ37がどの位置にあっても、スチームレバー38を何も触れない「ドライ」の位置にすると、ロッドスリーブ51がニードルバルブ52のテーパー面77を押付ける位置にまで、滴下ロッド48が下段に移動する。これにより、タンク組立体17の内部から気化室11に至る水路Pが完全に遮断され、スチーム孔12からスチームを噴射させない「ドライ」の状態で、スチーマー本体1を使用することができる。
【0034】
また、図14(b)に示すように、スチーム切換スイッチ37を手動操作して「スチーム」の位置に切換えた後、スチーム切換スイッチ37のスライド面37Aに突起38Cが突き当たる位置にまで、スチームレバー38を手動操作で上方に引くと、ロッドスリーブ51がニードルバルブ52のテーパー面77から離れ、且つニードル50がニードルバルブ52の弁孔78を挿通したまま、滴下ロッド48が中段に移動する。このとき滴下ロッド48は、ニードル50の太径部50Aの周面が弁孔78の内面に対向する位置にまで移動するので、タンク組立体17の内部からニードル50の太径部50Aと弁孔78との隙間を通り、気化室11に至る水路Pが形成され、スチーム孔12から適量のスチームを噴射させた「スチーム」の状態で、スチーマー本体1を使用することができる。
【0035】
さらに、図14(c)に示すように、スチーム切換スイッチ37を手動操作して「シャワー」の位置に切換えた後、「スチーム」の場合と同様に、スチーム切換スイッチ37のスライド面37Aに突起38Cが突き当たる位置にまで、スチームレバー38を手動操作で上方に引くと、ロッドスリーブ51がニードルバルブ52のテーパー面77からさらに離れるものの、引き続きニードル50がニードルバルブ52の弁孔78を挿通したまま、滴下ロッド48が上段に移動する。このとき滴下ロッド48は、ニードル50の細径部50Bの周面が弁孔78の内面に対向する位置にまで移動するので、タンク組立体17の内部からニードル50の細径部50Bと弁孔78との隙間を通り、気化室11に至る水路Pが、「スチーム」の場合よりも広く形成され、スチーム孔12から「スチーム」よりも多量のスチームを噴射させた「シャワー」の状態で、スチーマー本体1を使用することができる。
【0036】
次に、上述したスチーム流量切換え機構45に関し、スチームレバー38の力を滴下ロッド48に伝える伝達機構と、滴下ロッド48のシール構造を、図15図17を参照して詳しく説明する。
【0037】
先ず、スチームレバー38から滴下ロッド48への伝達機構について、本実施形態では図16図17に示すように、スチーム切換スイッチ37のスライド面37Aの一側を溝のない平坦部37A1とする一方で、スライド面37Aの他側に角穴状の溝37A2を形成している。そして、スチーム切換スイッチ37を一側の「スチーム」の位置にスライド移動させた場合には、スチームレバー38の突起38Cに対向してスライド面37Aの平坦部37A1が位置し、スチーム切換スイッチ37を他側の「シャワー」の位置にスライド移動させた場合には、スチームレバー38の突起38Cに対向してスライド面37Aの溝37A2が位置する構成となっている。
【0038】
また、伝達板49の一側には、支持部材となる把手ベース28に軸支される軸49Aが設けられ、軸49Aの近傍でスチームレバー38の基部38Aが伝達板49に連結して取付け固定されると共に、伝達板49の他側が滴下ロッド48の上部に連結して取付け固定される。これにより、スチームレバー38から伝達板49に伝わる力に応じて、軸49Aの位置を支点中心として伝達板49が回動し、スチームレバー38と連動してニードル50を含む滴下ロッド48が直線状ではなく回転軌跡で上下動(すなわち回動)する。
【0039】
そして本実施形態では、図15に示すように、スチーム切換スイッチ37がどの位置にあっても、スチームレバー38を手動操作せずに引かない状態が、スチーム孔12からスチームを噴射させない「ドライ」の設定となる。「ドライ」設定では、スチームレバー38の突起38Cがスチーム切換スイッチ37のスライド面37Aに接触しておらず、スプリング54の付勢力だけがスチームレバー38だけでなく滴下ロッド48にも作用して、ロッドスリーブ51がニードルバルブ52を押付ける位置にまで、滴下ロッド48が下段に移動する。そのため、滴下口26に設けたニードルバルブ52が栓をした状態となる。
【0040】
また、図16に示すように、スチーム切換スイッチ37を手動操作して「スチーム」の位置に切換え設定すると、スチームレバー38の突起38Cの真上には、スチーム切換スイッチ37の溝37A2が位置せず、平坦部37A1が位置する状態となる。ここで、スチーム切換スイッチ37の平坦部37A1に突起38Cが突き当たる位置にまで、スプリング54の付勢力に抗してスチームレバー38を手動操作で上方に引くと、ニードル50と共に滴下ロッド48が中段に移動し、滴下口26に設けたニードルバルブ52から適量の液体が滴下するようになる。
【0041】
さらに、図17に示すように、スチーム切換スイッチ37を手動操作して「シャワー」の位置に切換え設定すると、スチームレバー38の突起38Cの真上には、スチーム切換スイッチ37の溝37A2が位置する状態となる。ここで、スチーム切換スイッチ37の平坦部37A1に突起38Cが突き当たる位置にまで、スプリング54の付勢力に抗してスチームレバー38を手動操作で上方に引くと、前述の「スチーム」設定の場合と比較して、スチームレバー38の突起38Cがスライド面37Aに当接するまでの距離が長くなり、その分だけ滴下ロッド48がさらに上方に移動して、ニードル50と共に滴下ロッド48が段に移動し、滴下口26に設けたニードルバルブ52から、「スチーム」よりも多くの量の液体が滴下するようになる。
【0042】
なお、図17に示す「シャワー」の設定状態では、ニードル50がニードルバルブ52から抜け出しているが、前述のようにどのような設定に切換えても、ニードル50がニードルバルブ52から抜け出さないように構成してもよい。またニードル50の径を、基端から先端に向かうに従い連続的または段階的に異なるように形成してもよい。
【0043】
こうして本実施形態では、摺動可能なスチーム切換スイッチ37のスライド面37Aに、溝37A2を形成した箇所と、溝37A2を形成していない箇所を設けているため、溝37A2を形成した箇所にスチームレバー38の突起38Cを突き当てると、スチーム孔12からのスチーム流量が多くなり、溝37A2を形成していない箇所にスチームレバー38の突起38Cを突き当てると、スチーム孔12からのスチーム流量が少なくなる。スチームレバー38を引き上げることで、スチーム孔12からスチームが噴出するようになり、スチーム切換スイッチ37をスライドさせることで、スチームレバー38を引き上げる高さを2段階に切換えることが可能になる。
【0044】
なお、スチーム切換スイッチ37によるスチーム流量の切換段数は、3段以上であってもよい。その場合、例えばスチーム切換スイッチ37のスライド方向に沿って、平坦部37A1の他に深さの異なる溝37A2を複数設ければよい。また、スライド面37Aをテーパー状に形成すれば、スチーム切換スイッチ37をスライドして、スチーム流量を連続的に可変させることもできる。
【0045】
本実施形態では、スチームレバー38の力を滴下ロッド48に伝達させる伝達板49が、スチーマー本体1内部の前後に渡って設けられている。その理由は、スチームレバー38はできるだけ握り部31の前方に配置する方が、スチームレバー38の手動操作を行ないやすくできる反面、タンク組立体17の底部に設けた液体の滴下口26は、できるだけタンク組立体17の後方に配置する方が、スチーマー本体1の前部を上に向けて、ハンガーに掛けた衣類にスチームを噴射するときに、タンク組立体17内部に貯留する液体を滴下口26から無駄なく滴下できるからである。スチーマーとしての使い勝手を考えると、スチームレバー38と滴下口26は前後にずらして配置せざるを得ず、スチームレバー38と滴下口26に設けられる滴下ロッド48との間を、スチーマー本体1の内部で伝達板49により連結する必要がある。
【0046】
ここで、単純に伝達板49の前方と後方に、スチームレバー38の基部38Aと滴下ロッド48の上部をそれぞれ連結すると、スチーム孔12からスチームを噴出させる際に、滴下ロッド48の移動量と同じ移動距離で、スチームレバー38を動かさなければならず、スチームレバー38が空洞33に配置される場合には、その分だけ空洞33が大きくなって、スチーマー本体1の大型化を招く。しかし本実施形態では、支点となる軸49Aを中心に、スチームレバー38と連動して伝達板49が滴下ロッド48を回動させる構成となっているので、スチーム孔12からスチームを噴出させる際に、より少ないスチームレバー38の動きで、滴下ロッド48を望ましい移動量に動かすことができる。そのため、握り部31と腹部32との間の空洞33を小さく形成でき、スチーマー本体1の小型化が可能となる。
【0047】
続いて、滴下ロッド48のシール構造について説明すると、樹脂材料からなるシール体55は、滴下ロッド48とタンクカバー18との隙間を塞ぐ部位に設けられ、ここではタンクカバー18に装着される基部55Aと、滴下ロッド48の周面に水密に取付けられる円環状のシール部55Bと、基部55Aとシール部55Bとの間を繋ぐように設けられ、滴下ロッド48の動きに応じて変形する可撓性の連結部55Cと、により構成される。因みに従来は、シール体55に代わってOリングが用いられていたが、本実施形態のように滴下ロッド48が直線状ではなく、支点となる伝達板49の軸49Aを中心に回転軌跡で上下する構造の場合は、滴下ロッド48がどの位置にあっても、Oリングでタンクカバー18との隙間を完全に塞ぐことは困難であった。
【0048】
そこで本実施形態では、滴下ロッド48とタンクカバー18との間にシール体55を装着することで、滴下ロッド48が支点となる軸49Aを中心に回転軌跡で上下する構造であっても、シール体55の連結部55Cが柔軟にその形状を変化させて、滴下ロッド48とタンクカバー18との間の密閉性を損なわずに維持することが可能となる。
【0049】
次に、給電プラグ62と置台3の着脱構造について、図18図25を参照して詳しく説明する。これらの各図において、給電プラグ62は、前述したコードレス切換スイッチ66の他に、嵌合部材81と、シャッター部材82と、何れも弾性体に相当するスプリング83およびトーションバネ84と、押さえ部材85と、締結部材86と、端子板87と、給電端子88と、を内部にそれぞれ備えている。
【0050】
嵌合部材81には対をなす爪81Aが一体に形成され、この爪部81Aがプラグカバー65の上面部から突出するように、スプリング83で嵌合部材81を常時付勢している。また、嵌合部材81は他に、コードレス切換スイッチ66との係合部81Bが一体に形成され、コードレス切換スイッチ66を一側前方の「コードレス」側に動かすと、スプリング83の付勢に抗して嵌合部材81の係合部81Bを押し込み、プラグカバー65からの爪部81Aの突出長を少なくする構成となっている。これにより、コードレス切換スイッチ66が「コードレス」側にある場合は、プラグカバー65からの爪部81Aの突出長さが僅かになるため、前述のように給電プラグ62を置台3のプラグ収容部69に収容保持すれば、爪部81Aに干渉することなく、置台3の本体載置部68に載せたスチーマー本体1の凹部5を、給電プラグ62に抜き差しできるようになり、スチーマー本体1をコードレスで使用することが可能となる。
【0051】
一方、コードレス切換スイッチ66を他側後方の「コード付き」側に動かすと、コードレス切換スイッチ66が嵌合部材81の係合部81Bから離れて、嵌合部材81にはスプリング83の付勢力だけが作用するため、プラグカバー65からの爪部81Aの突出長さが、「コードレス」の場合よりも増加する。したがって、コードレス切換スイッチ66が「コード付き」側にある場合に、スチーマー本体1の凹部5を給電プラグ62に差し込むと、スプリング83の付勢力により大きく突出した爪部81Aが、凹部5に形成した受け部(図示せず)に嵌合し、コードレス切換スイッチ66を「コードレス」側に切換えない限り、スチーマー本体1をプラグユニット2が装着したままのコード付きで使用することが可能となる。
【0052】
樹脂製のシャッター部材82は、プラグカバー65の前方に形成した一対の給電孔65Aから、導電性の給電端子88が何れも露出しない方向に、トーションバネ84で常時付勢される。給電端子88は、同じく導電性の端子部材となる端子板87の先端側に固着され、端子板87の基端側はプラグ基台64に形成された台座部64Aに載せられた状態で、その上から樹脂製の押さえ部材85と締結部材86で取付け固定される。また、端子板87と電源コード61の基端部とを電気的に接続するために、電源コード61を構成する一対の被覆電線61Aを、給電プラグ62の内部で端子板87の先端側と基端側の間に達するまで引込み、被覆電線61Aの端部で絶縁材に被覆された導線61Bを剥き出して、端子板87に半田付けで固定している。特に本実施形態では、給電プラグ62ひいてはプラグユニット2の小型化を実現するために、給電プラグ62の内部に引込んだ被覆電線61Aを端子板87と並べて台座部64Aに載せ、それらの上から共通の押さえ部材85を挟んで、締結部材86により被覆電線61Aと端子板87を共に締付け固定する構造となっている。
【0053】
そして本実施形態では、スチーマー本体1をコードレスまたはコード付きの何れで使用する場合にも、スチーマー本体1の凹部5を給電プラグ62に挿入すると、給電孔65Aから給電端子88が露出するように、トーションバネ84の付勢力に抗してシャッター部材82が回動し、スチーマー本体1の受電端子67が、給電プラグ62の給電孔65Aを挿通して給電端子88に接触する。これにより、家庭用のコンセントからプラグユニット2を介してスチーマー本体1への給電が可能となる。
【0054】
次に、スチームカバー13の表面部のブラスト処理について、図26図27を参照して詳しく説明する。図26は、本実施形態におけるヒータ6を埋設したベース基体8を示しており、ここでは平面視でU字形状をなすヒータ6に沿って、気化室11の気化経路11Aが凹状に形成される。気化経路11Aの入口側には、底面に複数の突起を有する滴下受部11Bが設けられ、気化室11の出口側には、スチーム孔12に通じる蒸気噴出口11Cが開口形成される。
【0055】
ベース基体8、ベースプレート9およびスチームカバー13からなるベース7は、スチーマー本体1のヒータ6で加熱される熱源となっており、滴下口26から通路44を通して気化室11の滴下受部11Bに滴下した水が、気化室11の気化経路11Aで加熱蒸発してスチームとなり、そのスチームが蒸気噴出口11Cからスチーム孔12に供給されるここでは、気化室11に滴下した水が、水滴のままスチーム孔12から外部に流れ出ないように、気化経路11Aの全体にブラスト処理を施して、粒子状の研磨材91を付着させ、その上に親水性塗料(図示せず)を塗布形成している。しかし、スチーマー本体1はアイロンの本体よりもサイズが小さく、気化室11の気化経路11Aが短いため、アイロンよりも何らかの工夫で気化性能を向上させなければ、スチーム孔12から水滴が流れ出てしまう。
【0056】
そこで本実施形態では、気化室11の気化経路11Aのみならず、スチームカバー13の内面にもブラスト処理を施して、粒子状の研磨材91を付着させ、気化室11の内面全体でブラスト処理による粒子状の研磨材91を設けるようにする。
【0057】
図27は、ブラスト処理前のスチームカバー13(図中左側)と、ブラスト処理後のスチームカバー13(図中右側)を並べて示している。気化室11の上面開口を塞ぐ上蓋としてのスチームカバー13は、その内面全体にブラスト処理による粒子状の研磨材91が付着される。ブラスト処理前のスチームカバー13の内面は、微細な凹凸のない滑らかな形状であるのに対し、ブラスト処理後のスチームカバー13の内面は、付着した研磨材91によりその全体が微細な凹凸状に形成される。こうして、気化室11の気化経路11Aだけでなく、スチームカバー13の内面にも研磨材91を付着させて、気化室11の親水性ひいては気化性能を向上させることで、アイロンよりも気化室11の気化経路11Aが短いスチーマーであっても、スチーム孔12から外部に滴状の液体が流れ出ないようにすることができる。
【0058】
なお、図27に示すスチームカバー13はダイキャストで成形されたものであるが、板金製のスチームカバー13であってもよい。何れも場合も、気化室11の内面全体にブラスト処理による研磨材91を付着させることで、気化室11の親水性ひいては気化性能を向上させることが可能になる。
【0059】
次に、スチーマー本体1の左右の使用有効角度を90°に実現するための、タンク組立体17の内部構造について、図28図30を参照して詳しく説明する。本実施形態では、タンク組立体17の中央部に、前述した2枚の仕切り壁22A,22Bを設けてあり、これらの仕切り壁22A,22Bによって、タンク組立体17の内部に貯留する水を堰き止め、スチーマー本体1を左右に90°傾けた状態でも、滴下口26から水を滴下させる構成となっている。
【0060】
図29は、スチーマー本体1の掛け面となるベースプレート9の底面を、床面Sなどの水平面に向けた状態から、スチーマー本体1を後方から見て右側に90°傾けたときの、タンク組立体17を底面側から透視した図である。図30は、反対にスチーマー本体1を後方から見て左側に90°傾けたときの、タンク組立体17を底面側から透視した図である。これらの各図において、Wはタンク組立体17内部の水を示し、W0は滴下口26からの水の滴下が停止する水位ラインを示している。
【0061】
スチーマー本体1を右側に90°傾けると、それまで第2貯留空間21Bに貯留していた水Wは、タンク組立体17の右側側面から延びる仕切り壁22Bにより堰き止められ、第1貯留空間21Aに流れ込まない(図29)。同様に、スチーマー本体1を左側に90°傾けると、それまで第2貯留空間21Bに貯留していた水Wは、タンク組立体17の左側側面から延びる仕切り壁22Aにより堰き止められ、やはり第1貯留空間21Aに流れ込まない(図30)。したがっていずれの場合も、第2貯留空間21Bに残留する水に、滴下口26以上の液位が有れば、滴下口26を通して気化室11に液体を滴下させ続けることができる。
【0062】
次に、ベースプレート9の外周リブ構造について、図31を参照して詳しく説明する。同図において、気化室11を形成するベース基体8は、スチーム孔12を有するベースプレート9の上面に取付け固定される。このとき、ベース基体8とベースプレート9との間には合わせ面93が形成されるが、スチーマーの製造時には、必要に応じて合わせ面93にシール材となるシリコーン(図示せず)が塗布形成される。一方、こうした合わせ面93を取り囲むように、ベースプレート9の上面外周にはリブ94が一体的に設けられる。リブ94は、ベースプレート9の周囲を隙間なく取り囲んでおり、ベースプレート9にベース基体8を取付ける際の位置決め部となるように、その内面がベース基体8の側面に接するように形成される。
【0063】
ベース7の外周上にはスチーマー本体1の外郭部材としてのカバー15が設けられ、カバー15の下面とベースプレート9の上面との間には、ベース7の側部を部分的に視認できる隙間が形成されるが、ベースプレート9に設けた立壁状のリブ94によって、合わせ面93におけるシリコーンのはみ出しを、隙間から見えないように目隠しすることができる。また、気化室11で生成されたスチームが合わせ面93から漏れ出す場合があるが、これをリブ94で堰き止めることができる。その他、平板状のベースプレート9にリブ94を設けることで、ベースプレートの反りを防止することができ、またスチーマー本体1の製造時には、ベースプレート9にベース基体8を取付ける際の位置決めに、リブ94を利用することもできる。
【0064】
以上のように本実施形態のスチーマーは、液体を内部に貯留するタンクとしてのタンク組立体17と、タンク組立体17から滴下する液体を気化させるのに、加熱手段であるヒータ6で加熱された気化室11と、気化室11で気化したスチームを外部に噴出させる噴出部としてのスチーム孔12と、タンク組立体17から気化室11への液体流量を可変する流量可変機構としてのスチーム流量切換え機構45と、を備えており、このスチーム流量切換え機構45は、手動操作が可能な操作体31と、操作体31の特にスチーム切換スイッチ37やスチームレバー38に応じて可動し、その先端にニードル50を有する可動体としての滴下ロッド48と、ニードル50が挿通する弁孔78を有する弁体としてのニードルバルブ52と、を備え、ニードル50の径はその基端から先端に向かうに従い、連続的または段階的に異なるように形成され、操作体31がどの位置にあっても、ニードル50が弁孔78に挿通した状態を維持するように構成される。
【0065】
そのため、操作体31であるスチーム切換スイッチ37やスチームレバー38がどの位置にあっても、ニードル50がニードルバルブ52の弁孔78より抜け出すことはなく、ニードル50の先端がニードルバルブ52に突き当たる虞れを回避できる。また、滴下ロッド48の位置に応じて、ニードル50と弁孔78との隙間の大きさが連続的または段階的に変化するので、滴下ロッド48が直線方向に可動しない回転軌跡で上下する構造であっても、スチーム50の流量を正しく可変して噴出させることが可能となる。
【0066】
また、本実施形態の操作体31は、滴下ロッド48に連結するレバーとしてのスチームレバー38と、スチームレバー38を手動操作したときに当接し、スチームレバー38と滴下ロッド48をその位置に規制するスイッチとしてのスチーム切換スイッチ37と、を備え、スチーム切換スイッチ37を手動操作するのに伴い、スチームレバー38が当接するまでの移動距離を可変させる当接面としてのスライド面37Aを、スチーム切換スイッチ37に形成している。
【0067】
これにより、スチーム切換スイッチ37を手動操作した位置に応じて、スチームレバー38を基準位置からスチーム切換スイッチ37のスライド面37Aに当接させるまでの移動距離を変化させることにより、所望の流量でスチーム孔12から外部にスチームを噴出させることが可能になる。
【0068】
また本実施形態では、スチームレバー38の力を滴下ロッド48に伝達させる伝達機構として伝達板49を備え、この伝達板49は、支点となる軸49Aを中心に、スチームレバー38と連動して滴下ロッド48を回動させる構成を有している。
【0069】
そのため、滴下ロッド48が直線状に移動せず、伝達板49により支点となる軸49Aを中心に回動するような構造であっても、スチームの流量を正しく可変してスチーム孔12から噴出させることが可能となる。また、少ないスチームレバー38の動きで、滴下ロッド48を望ましい移動量に動かすことができる。
【0070】
また本実施形態では、滴下ロッド48を挿通して支持する支持部材としてのタンクカバー18と、滴下ロッド48とタンクカバー18との隙間を塞ぐシール体55と、をさらに備え、シール体55は、タンクカバー18に装着される基部55Aと、滴下ロッド48の周面に水密に取付けられるシール部55Bと、基部55Aとシール部55Bとの間に設けられる可撓性の連結部55Cと、により構成される。
【0071】
そのため、滴下ロッド48が支点となる軸49Aを中心に回動する構造であっても、シール体55の連結部55Cが柔軟にその形状を変化させて、滴下ロッド48とタンクカバー18との間の密閉性を損なわずに維持することが可能になる。
【0072】
本実施形態のスチーマーは、スチーム孔12を通してスチームを外部に噴出するスチーマー本体1と、スチーマー本体1を着脱可能に載置する本体載置部68を有する置台3と、スチーマー本体1に電力を供給する電源コード61付きの給電プラグ62と、を備え、給電プラグ62をスチーマー本体1と置台3の何れにも着脱できる構成としている。
【0073】
この場合、給電プラグ62を置台3に装着すれば、従来と同様に置台3にスチーマー本体1を載せた状態で、スチーマー本体1に電力を供給できる他、給電プラグを置台にではなくスチーマー本体に装着すれば、置台3を使用することなくスチーマー本体1に電力を直接供給することも可能になる。そのため、ユーザーがスチーマー本体1への給電方式を自由に選択でき、使い勝手の良いスチーマーを提供できる。
【0074】
また、本実施形態の給電プラグ62は、電源コード61の導線61Bと電気的に接続する導電性の端子部材なる端子板87と、電源コード61の被覆電線61Aと前記端子を共に締付け固定する押さえ部材85と、を備えている。
【0075】
この場合、共通する押さえ部材85で電源コード61の被覆電線61Aと端子板87の締付け固定が可能となり、電源コード61と給電プラグ62を含むプラグユニット2の小型化を実現できる。
【0076】
本実施形態のスチーマーは、液体を内部に貯留するタンクとしてのタンク組立体17と、タンク組立体17から滴下する液体を気化させる気化室11と、気化室11で気化したスチームを外部に噴出させる噴出部としてのスチーム孔12と、を備え、気化室11の内面全体に、ブラスト処理による粒子状の研磨材91を設けている。
【0077】
この場合、気化室11の内面の一部にではなく全体に、親水性を高めた粒子状の研磨剤を設けることで、アイロンよりも気化経路11Aが短いスチーマーであっても、スチーム孔12から滴状の液体が流れ出ないようにすることができる。
【0078】
本実施形態のスチーマーは、液体を内部に貯留するタンクとしてのタンク組立体17と、タンク組立体17から滴下する液体を気化させる気化室11と、気化室11で気化したスチームを外部に噴出させる噴出部としてのスチーム孔12と、をスチーマー本体1に備え、タンク組立体17の底面部には、気化室11に液体を滴下させる滴下口26が設けられ、タンク組立体17の内部には、滴下口26を設けていない一側に形成される第1貯留空間21Aと、滴下口26を設けた他側に形成される第2貯留空間21Bと、がそれぞれ形成され、第1貯留空間21Aと第2貯留空間21Bとの間には、タンク組立体17の右側側面と左側側面からタンク組立体17の内部に向けて互い違いに延びる2枚の仕切り壁22A,22Bが設けられている。
【0079】
この場合、スチーマーの使用時に、スチーマー本体1を左右のどちらに傾けた場合であっても、滴下口26を設けた第2貯留空間21Bに貯留する液体は、2枚の仕切り壁22A,22Bのどちらかで堰き止められて第1貯留空間21Aに流れ込むことはなく、そこから滴下口26以上の液位が有れば、滴下口26を通して気化室11に液体を滴下させ続けることができる。したがって、スチーマー本体1を左右に大きく傾けた場合でも、スチーム孔12からスチームを極力噴出できるスチーマーを提供できる。
【0080】
本実施形態のスチーマーは、液体を内部に貯留するタンクとしてのタンク組立体17と、タンク組立体17から滴下する液体を気化させる気化室11と、気化室11で気化したスチームを外部に噴出させる噴出部としてのスチーム孔12と、を備え、気化室11を形成するベース基体8が、スチーム孔12を有するベースプレート9の上面に取付け固定され、ベース基体8とベースプレート9との合わせ面93を取り囲むように、ベースプレート9の上面外周にリブ94を設けている。
【0081】
この場合、ベースプレート9に設けたリブにより、ベース基体8とベースプレート9との合わせ面93を目隠しし、また合わせ面93から漏れ出すスチームを堰き止めることができる。そのため、ベース基体8とベースプレート9との合わせ面93を効果的に目隠しし、併せて合わせ面93から外部へのスチーム漏れを防止できる。また、リブ94を設けることでベースプレート9の反りを防止し、ベースプレート9にベース基体8を取付ける際の位置決めに利用することもできる。
【0082】
以上、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、ニードル50の横断面形状や弁孔78の形状は、本実施形態で示した円形以外であってもよい。したがって、ここでいうニードル50の径とは、ニードル50の周面と弁孔78の内面との間の隙間の大きさ(面積)を意味する。
【符号の説明】
【0083】
1 スチーマー本体
6 ヒータ
7 ベース
8 ベース基体
9 ベースプレート
11 気化室
12 スチーム孔(噴出部)
17 タンク組立体(タンク)
21A 第1貯留空間
21B 第2貯留空間
22A,22B 仕切り壁
26 滴下口
31 握り部
33 空洞
38 スチームレバー(操作体)
38A 基部
48 滴下ロッド(可動体)
49 伝達板(伝達機構)
61 電源コード
62 給電プラグ
91 研磨材
93 合わせ面
94 リブ
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