(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】ウィンドウモールディングと係合するための一体型リープシール部分を伴うガラスランチャンネル
(51)【国際特許分類】
B60J 10/76 20160101AFI20220627BHJP
B60J 10/50 20160101ALI20220627BHJP
【FI】
B60J10/76
B60J10/50
(21)【出願番号】P 2021546734
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(86)【国際出願番号】 US2020017248
(87)【国際公開番号】W WO2020167608
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-09-22
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ジェイ.エングストロム
(72)【発明者】
【氏名】金杉 英明
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-227243(JP,A)
【文献】特開2010-184563(JP,A)
【文献】特開2016-94025(JP,A)
【文献】特開2009-107485(JP,A)
【文献】特開2010-173564(JP,A)
【文献】特開2006-36150(JP,A)
【文献】特開2017-218070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 10/00 - 10/90
B60R 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウィンドウフレームと、
前記ウィンドウフレームに隣接して組付けられたウィンドウモールディングと、
前記ウィンドウフレームの内側に組付けられたガラスランチャンネルと、
を含む、車両ドアアセンブリであって、
車両ドアの内部と車両の乗員コンパートメントの間に通路を形成するように、前記ウィンドウフレームと前記ウィンドウモールディングの間に間隙が形成されており、
前記ガラスランチャンネルが、前記間隙を封止するように、前記ウィンドウモールディング
の部分と接触するように前記間隙を横断して前記ウィンドウフレームから延在するリープシール部分を含んで
おり、
前記リープシール部分は、該リープシール部分が接触する前記ウィンドウモールディングの部分が、前記リープシール部分と前記ガラスランチャンネル内に組付けられた1枚のウィンドウガラスとの間に存在するように構成されている、
車両ドアアセンブリ。
【請求項2】
前記ガラスランチャンネルの一部分は、前記車両ドアアセンブリが車両上に組付けられ閉鎖条件下にある場合に車両Cピラーに隣接して存在するように構成された前記車両ドアアセンブリの一部分に組付けられており、前記リープシール部分は、前記車両Cピラーに隣接して存在するように構成された前記ガラスランチャンネルの部分に沿ってのみ延在している、請求項1に記載の車両ドアアセンブリ。
【請求項3】
前記ガラスランチャンネルが、
ベース部分と、
前記ベース部分から延在して前記ガラスランチャンネルの第1の壁を形成するインボードリップと、
前記インボードリップから延在するインボードガラスシール部分と、
前記ガラスランチャンネルの長さの少なくとも一部分に沿って、前記インボードリップおよび前記インボードガラスシール部分のうちの一方から延在するリープシール部分と、
を含む、請求項1に記載の車両ドアアセンブリ。
【請求項4】
前記インボードリップが、第1の方向で前記ベース部分から延在し、前記リープシール部分の全体が、前記インボードリップおよび前記インボードガラスシール部分のうちの前記一方から前記第1の方向に対し平行なまたは実質的に平行な方向に延在している、請求項3に記載の車両ドアアセンブリ。
【請求項5】
前記リープシール部分の全体が、前記インボードリップおよび前記インボードガラスシール部分のうちの前記一方から、前記ガラスランチャンネル内に収容された1枚のウィンドウガラスの平面に対して平行なまたは実質的に平行な方向に延在している、請求項3に記載の車両ドアアセンブリ。
【請求項6】
前記ガラスランチャンネルの前記第1の壁とは反対側の前記ガラスランチャンネルの第2の壁を形成するように、前記インボードリップとは反対側の、前記ベース部分から延在するアウトボードリップをさらに含み、前記リープシール部分の全体が前記アウトボードリップに対して平行なまたは実質的に平行な方向で前記インボードリップおよび前記インボードガラスシール部分のうちの前記一方から延在している、請求項3に記載の車両ドアアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、全体が参照により本明細書に組込まれている、2019年2月11日出願の米国特許出願第16/272,253号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、車両ウィンドウ用のシールに関し、より詳細には、車両ドアの内部からの騒音が車両乗員コンパートメント内に入るのを防止する上で補助するための、車両ドアにウィンドウを組付けるのに用いられるガラスランチャンネル内に組付け可能であるシールに関する。
【背景技術】
【0003】
車両ドア内に形成されたウィンドウ収容用キャビティに沿って、ガラスランチャンネルを組付けることができる。ガラスランチャンネルは、風、騒音、湿気などが車両の外部から乗員コンパートメント内に移動するのを防止する上で一助となる1つ以上のシールを形成するためにウィンドウガラスと弾性的に接触する特徴部を含み得る。しかしながら、車両の外側からの道路騒音、風および他の任意の騒音は、ドアの外部パネルを通ってドアの内部へと移行し得る。この騒音はこのとき、利用可能な任意の開放した音響経路を通って車両乗員コンパートメント内へと伝わる可能性がある。さらに、車両ドア内部のメカニズムも同様に、乗員コンパートメント内に進入し得る騒音を生成する可能性がある。例えば、車両のスライディングドアにおいては、ドアの自動開閉を補助するために、ドアの内部に滑車メカニズムが収納され得る。このメカニズムは、ドア構造内の開口部を通って乗員コンパートメント内に進入し得る騒音を発生させる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書中に記載の実施形態の一態様において、ガラスランチャンネル(glass run channel)が、内部に車両ウィンドウを組付けるために構成されている。ガラスランチャンネルは、ベース部分、ベース部分から延在してチャンネルの第1の壁を形成するインボードリップ(inboard lip)、およびインボードリップから延在するインボードガラスシール部分(inboard glass seal portion)を含む。リープシール部分がインボードリップおよびインボードガラスシール部分のうちの一方から、ガラスランチャンネルの少なくとも一部分に沿って延在している。
【0005】
本明細書中に記載の実施形態の別の態様においては、車両ドアアセンブリが、内部に1枚のウィンドウガラスを組付けるために構成されたウィンドウ収容用キャビティを含む。ウィンドウ収容用キャビティに隣接して、ウィンドウモールディング(window molding)が組付けられる。ガラスランチャンネルがウィンドウ収容用キャビティ内に組付けられる。ガラスランチャンネルは、そこから延在するリープシール部分(leap seal portion)を含む。1枚のウィンドウガラスは、ガラスランチャンネル内に収容される部分を有する。ウィンドウモールディングの縁部部分が、リープシール部分と1枚のウィンドウガラスの間に存在し、ウィンドウモールディングの縁部部分はリープシール部分と接触している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】車両の内部から見た、本明細書中に記載の実施形態に係るガラスランチャンネルを組込んだスライディング車両ドアアセンブリの概略的部分側面図である。
【
図2】ウィンドウ装飾/コーナーモールディングの縁部がリープシール部分とウィンドウガラスの間に存在するような形でのリープシール部分の位置付けを示す、
図1のスライディングドアアセンブリのガラスランチャンネルの一部分の概略的横断面図である。
【
図3】車両の内部から見た、
図1に示された車両ドアアセンブリの一部分の概略的部分斜視切断図である。
【
図4】ドアの内部の一部分および車両ドアの内部からの騒音経路を遮断するためのリープシール部分の動作を例示する、
図1に示された車両ドアアセンブリの一部分の概略的部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書中に記載されている実施形態は、車両ドア内に形成されたウィンドウ収容用キャビティに沿って組付け可能なガラスランチャンネルに関する。ガラスランチャンネルは、ベース部分およびベース部分から延在してチャンネルの第1の壁を形成するインボードリップを含む。インボードガラスシール部分がインボードリップから延在し、ガラスランチャンネルの少なくとも一部分に沿って、インボードリップおよびインボードガラスシール部分のうちの一方から、リープシール部分が延在する。リープシール部分は、ウィンドウモールディングと接触し、そうでなければ車両ドアの内部で発生する騒音のための移動経路を提供し得るウィンドウモールディングとガラスランチャンネルとの間の間隙を橋渡しするように構成されている。さらに、リープシールは、リープシールが接触するウィンドウモールディングの部分が、リープシールとガラスランチャンネル内に組付けられた1枚のウィンドウガラスとの間に存在するような形で構成されている。したがって、リープシールは、リープシールが接触するウィンドウモールディングの部分の内部に存在する(すなわち、リープシールは、ウィンドウモールディングの部分に比べて車両内部により近接して存在する)。
【0008】
図1は、本明細書中に記載の実施形態に係るリープシール部分を含むガラスランチャンネル50を組込んだ車両ドアアセンブリ20の概略的部分側面図である。本明細書中で使用される「ドアアセンブリ」なる用語は、完全に組立てられた車両ドアおよびその構成要素全てを意味する。
【0009】
ガラスランチャンネル50は、ドアアセンブリ20内の陥凹の内部に位置付けされたウィンドウフレーム22の内側に組付けられてよい。ガラスランチャンネル50は、ガラスがウィンドウフレーム22内に組付けられた時点で1枚の車両ウィンドウガラス24の一部分を内部に収容するように構成され得る。ガラスランチャンネル50は、湿気、風、音などがウィンドウガラス24の縁部の周りでかつ車両内部へと流れるのを防止する上で補助するべく、ウィンドウガラス24の各々の側に沿って(すなわち車両内部に面するガラスのインボード側に沿っておよび車両の外部に面するアウトボード側に沿って)シールを提供することができる。ガラスランチャンネル50は、ゴム、プラスチック材料、または好適な可撓性と弾性変形能とを有する他の任意の材料から形成され得る。
【0010】
本明細書中に記載の実施形態においては、車両ドアアセンブリ20はスライディングドアアセンブリ(例えばミニバンなどに組付けられたもの)であり得る。しかしながら、本明細書中に記載のガラスランチャンネルの一実施形態は同様に、スイングタイプまたは回転タイプの車両ドアアセンブリまたはウィンドウを中に組付けることのできる他の任意のタイプの車両ドアアセンブリ中に組込むこともできる。
【0011】
ウィンドウフレーム22は、第1の側方部分22a、第1の側方部分22aとは反対側の第2の側方部分22b、および第1および第2の側方部分22aおよび22bを跨越する上部部分22cを含み得る。ガラスランチャンネル50は、第1の側方部分22a、上部部分22cおよび第2の側方部分22bに沿って連続的に延在するように単体として形成され得る。ガラスランチャンネル50は同様に、ウィンドウフレームの第1および第2の側方部分22a、22bの下方に延在し得る。スライディング車両ドアにおいては、ウィンドウガラス24は、ドアアセンブリ20内に静的に組付けされていてよく、こうしてウィンドウガラス24はドアアセンブリ20の構造の内部で上昇または下降できなくなっている。
【0012】
図面を参照すると、ゴム、ポリマまたは他の好適な材料から形成されたウィンドウコーナーモールディングまたは装飾26が、ウィンドウガラス24の内部側上でウィンドウ収容用キャビティ52の一部分に隣接して延在し得る。ウィンドウモールディング26は同様にフェルト材料を組込んでいてもよい。ウィンドウモールディング26は、ドアアセンブリ20の内部の一部分(すなわちドアアセンブリの内部を形成する内部および外部パネルの間の領域)を封止するおよび/または覆うことができる。例えば、車両スライディングドアにおいて、ウィンドウフレーム内でガラスランチャンネルに隣接して位置付けされたウィンドウモールディング26の一部分は、滑車メカニズム101および/またはスライディングドアの内側に収納された他のメカニズムを見えないように隠すことができる。
【0013】
図2は、車両ドアアセンブリ20内に組込まれた本明細書中に記載の実施形態に係るガラスランチャンネル50の一部分を示す概略的横断面図である。
図2は同様に、ドアアセンブリのウィンドウ収容用キャビティ52を、ウィンドウ収容用キャビティ52内にしっかり固定されたウィンドウフレーム22およびガラスランチャンネル50と共に示している。さらに、ウィンドウガラス24は、ウィンドウガラス24の一部分がガラスランチャンネル50の中へと延在している状態で、ウィンドウ収容用キャビティ52内に組付けられている。
【0014】
本明細書中に記載のガラスランチャンネル50の実施形態は、ゴム、プラスチックまたは他の任意の好適な材料から公知の方法で形成され得る。1つ以上の配設においては、従来のガラスランチャンネル内で使用されているように、ガラスランチャンネル50の材料は、熱可塑性加硫(TPV)プロセスを用いて処理されてよい。別の実施例において、ガラスランチャンネル50は、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマ)ゴム材料から形成され得る。さらに別の実施例では、ガラスランチャンネル50は、熱可塑性オレフィン(TPO)材料から形成され得る。
【0015】
図面、特に
図2を参照すると、本明細書中に記載の実施形態に係るガラスランチャンネル50は、ベース部分50a、インボードリップ50bおよびアウトボードリップ50cを含み得る。ベース部分50a、インボードリップ50bおよびアウトボードリップ50cは、組合わさって、1枚の車両ウィンドウガラス24の一部分を中に収容するために構成されたチャンネル50dを形成することができる。
【0016】
インボードリップ50bは、ベース部分50aから延在してチャンネル50dの第1の壁を形成し得る。アウトボードリップ50cは、インボードリップ50bとは反対側でベース部分50aから延在して、第1の壁とは反対側で延在するチャンネルの第2の壁を形成し得る。比較的低い材料厚みおよび/または剛性を有する第1の遷移領域50eが、ベース部分50aとインボードリップ50bの間に具備されて、ベース部分50aとの関係におけるインボードリップ50bの曲げ加工を容易にし得る。同様に、比較的低い材料厚みおよび/または剛性を有する第2の遷移領域50fが、ベース部分50aとアウトボードリップ50cの間に具備されて、ベース部分50aとの関係におけるアウトボードリップ50cの曲げ加工を容易にし得る。
【0017】
さらに、インボードガラスシール部分50gがインボードリップ50bからアウトボードリップ50cに向かう方向に延在し得る。インボードガラスシール部分50gは、弾性変形能を有し、ガラス24がチャンネル50d内に挿入された場合に図示された通りにウィンドウガラス24の内部表面24aと接触して、ウィンドウガラス24とガラスランチャンネル50の間に弾性シールを提供するように構成され得る。同様に、アウトボードガラスシール部分50hが、アウトボードリップ50cからインボードリップ50bに向かう方向に延在し得る。アウトボードガラスシール部分50hは、弾性変形能を有し、ガラス24がチャンネル50d内に挿入された場合に図示された通りにウィンドウガラス24の外部表面24bと接触して、ウィンドウガラス24とガラスランチャンネル50の間に別の弾性シールを提供するように構成され得る。
図2は、チャンネル50d内へのウィンドウガラス24の挿入に先立つ非偏向状態(破線)と同時にチャンネル50d内へのウィンドウガラス24の挿入後の偏向状態(実線)において、インボードガラスシール部分50gおよびアウトボードガラスシール部分50hを示している。
【0018】
図2~4を参照すると、ドア内部メカニズム101は、車両ドアアセンブリ20の動作中に騒音を発生し得る。さらに、風、タイヤが発生させる道路騒音および車両の外側からの他の任意の騒音が、ドアの外部パネルを通りドア内部103内へと、内部および外部ドアパネル間を容易に通過し得る。この騒音は、ドア内部103内で反響して増強され得る。遮断しなければ、これらの騒音源からの騒音は、ドア内部103から車両乗員コンパートメント105まで、例えば矢印N1によって標示された経路に沿ってガラスランチャンネル50とウィンドウモールディング26の間の間隙を通って移動し得る。この騒音経路を遮断するために、リープシール部分50kを具備して、ガラスランチャンネル50の長さの少なくとも一部分に沿って、インボードリップ50bおよびインボードガラスシール部分50gのうちの一方から延在させることができる。リープシール部分50kは、ガラスランチャンネル50の残りの部分と単体として形成されてよい。1つ以上の配設において、
図2に示されているように、インボードリップ50bは、ベース部分50aから第1の方向D1に延在することができ、リープシール部分50kは、インボードリップ50bおよびインボードガラスシール部分50gのうちの一方から、第1の方向D1に対して平行なまたは実質的に平行な方向D2に延在し得る。本明細書中で使用される「実質的に」なる用語は、それが修飾する用語そのもの、そしてそこからのわずかな変動を含む。したがって、「実質的に平行な」なる用語は、まさに平行およびそこからのわずかな変動を意味する。この具体的な実施例において、そこからのわずかな変動には、-10°以上、+10°以下の範囲内の平行度が含まれる可能性がある(すなわち方向D1およびD2を含む垂直な平面の交差が成す角度が10°以下でありうる)。
【0019】
1つ以上の配設において、
図2に示されている通り、リープシール部分50kは、インボードリップ50bおよびインボードガラスシール部分50gのうちの一方から、チャンネル内に収容された1枚のウィンドウガラスの平面P1に対して平行なまたは実質的に平行な方向D2に延在し得る。1つ以上の配設において、リープシール部分50kは、インボードリップ50bおよびインボードガラスシール部分50gのうちの一方から、アウトボードリップ50cまたはチャンネルの第2の壁に対して平行なまたは実質的に平行な方向D2に延在し得る。リープシール部分50kの形状および寸法および、リープシール部分50kがインボードリップ50bおよびインボードガラスシール部分50gのうちの一方から延在する方向は、特定のドア設計についてのガラスランチャンネル50とウィンドウモールディング26の間の空間的関係と同様、他の該当する要因によって左右され得る。
【0020】
1つ以上の配設において、図面中に示されているように、ガラスランチャンネル50の一部分は、車両ドアアセンブリ20が車両上に組付けられ閉鎖条件下にある(すなわちドアが「閉じられている」)場合に車両Cピラー99に隣接して存在するように構成された車両ウィンドウフレーム22の一部分に組付けられ得る。このような配設においては、ガラスランチャンネル50のリープシール部分50kは、車両ドアアセンブリ20が閉鎖条件下にある場合に車両Cピラー99に隣接して存在するガラスランチャンネル50の部分L1に沿ってのみ延在し得る。
【0021】
同様に、本明細書中に記載の実施形態において、
図2および3を見れば分かるように、リープシール部分50kは、ウィンドウモールディング26の縁部部分26aがリープシール部分50kと1枚のウィンドウガラス24の間に存在するような形で構成され得る。さらに、本明細書中に記載の実施形態において、リープシール部分50kはウィンドウコーナーモールディング26の縁部部分26aと係合または接触する。こうして、リープシール部分50kは、ウィンドウモールディング26とインボードリップ50bおよびインボードガラスシール部分50gのうちの1つとの間の間隙を跨越しこれを無くして、そうでなければドアの内部からこの間隙を通って進入すると思われるあらゆる騒音(例えば道路騒音、内部発生騒音および他の騒音)を削減する。
図3は、
図1中の車両ドアアセンブリの一部分を図示し、ウィンドウモールディング26の一部分と接触しているリープシール部分50kを示すと同時にリープシール部分50kとウィンドウガラス24の間に位置付けされたウィンドウモールディング26の接触縁部部分26aをも示す。
【0022】
本明細書中に記載の実施形態は、複数の態様を有する。一態様においては、ガラスランチャンネルが、内部に車両ウィンドウを組付けるために構成されている。ガラスランチャンネルは、ベース部分、ベース部分から延在してチャンネルの第1の壁を形成するインボードリップ、インボードリップから延在するインボードガラスシール部分、そしてインボードリップおよびインボードガラスシール部分のうちの一方からガラスランチャンネルの少なくとも一部に沿って延在するリープシール部分を含む。関連する態様において、ガラスランチャンネルのインボードリップはベース部分から第1の方向に延在し、リープシール部分は、インボードリップおよびインボードガラスシール部分のうちの一方から、第1の方向に対して平行なまたは実質的に平行な方向に延在する。関連する態様において、ガラスランチャンネルのリープシール部分は、インボードリップおよびインボードガラスシール部分のうちの一方から、チャンネル内に収容された1枚のウィンドウガラスの平面に対して平行なまたは実質的に平行な方向に延在する。関連する態様において、ガラスランチャンネルは、チャンネルの第1の壁とは反対側のチャンネルの第2の壁を形成するように、インボードリップとは反対側のベース部分から延在するアウトボードリップをさらに含み、リープシール部分は、インボードリップおよびインボードガラスシール部分のうちの一方から、アウトボードリップに対して平行なまたは実質的に平行な方向に延在する。
【0023】
さらに別の態様においては、ベース部分と、ベース部分から延在してチャンネルの第1の壁を形成するインボードリップ、インボードリップから延在するインボードガラスシール部分、ガラスランチャンネルの長さの少なくとも一部分に沿って、インボードリップおよびインボードガラスシール部分のうちの一方から延在するリープシール部分、を含むガラスランチャンネルを含む車両ドアアセンブリが提供されている。
【0024】
さらに別の態様においては、内部に1枚のウィンドウガラスを組付けるために構成されたウィンドウ収容用キャビティ、およびウィンドウ収容用キャビティに隣接して組付けられたウィンドウモールディングを含む車両ドアアセンブリが提供されている。ウィンドウ収容用キャビティ内にガラスランチャンネルが組付けられる。ガラスランチャンネルは、そこから延在するリープシール部分を含む。1枚のウィンドウガラスは、その一部分がガラスランチャンネル内に収容されている。ウィンドウモールディングの縁部部分が、リープシール部分と1枚のウィンドウガラスの間に存在し、ウィンドウモールディングの縁部部分がリープシール部分と接触している。関連する態様においては、ドアアセンブリが車両上に組付けられ閉鎖位置にある場合に車両Cピラーに隣接して存在するように構成されたドアアセンブリの一部分に車両ドアアセンブリのガラスランチャンネルの一部分が組付けられる。さらに、リープシール部分は、車両Cピラーに隣接して存在するように構成されたガラスランチャンネルの部分に沿ってのみ延在する。
【0025】
以上の詳細な説明においては、その一部を成す添付図が参照されている。図中、文脈上別段の指示の無いかぎり、類似の符号は典型的に類似の構成要素を識別する。詳細な説明、図およびクレーム中に記載の例示的実施形態は、限定的であるように意図されていない。本明細書中で提示されている主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を加えることも可能である。本明細書中で一般的に説明され図中に例示されている本開示の態様が、全て本明細書中で明示的に企図されているさまざまな異なる構成で配設、置換、組合せ、分離および設計可能であるということは、容易に理解されるものである。
【0026】
本明細書中で使用される「a」および「an」なる用語は、1つ以上として定義される。本明細書中で使用される「複数」なる用語は、2つ以上として定義される。本明細書中で使用されている「another(別の)」なる用語は、少なくとも第2以上のものとして定義される。本明細書中で使用される「including(~を含む)」および/または「having(~を有する)」なる用語は、comprising(~を含む)として定義される(すなわちオープンランゲージ)。本明細書中で使用される「at least one of ... and ...(...および...のうちの少なくとも1つ)」なる言い回しは、結び付けられた列挙項目のうちの1つ以上の考えられるありとあらゆる組合せを意味し、包含する。一例として、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」なる言い回しには、Aのみ、Bのみ、Cのみまたはそれらの任意の組合せ(例えばAB、AC、BCまたはABC)が含まれる。
【0027】
本明細書中の態様は、その精神または本質的属性から逸脱することなく、他の形態で具体化可能である。したがって、本発明の範囲を標示するものとして、以上の明細書ではなくむしろ以下のクレームを参照すべきである。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
〔態様1〕
ウィンドウフレームと、
前記ウィンドウフレームに隣接して組付けられたウィンドウモールディングと、
前記ウィンドウフレームの内側に組付けられたガラスランチャンネルと、
を含む、車両ドアアセンブリであって、
車両ドアの内部と車両の乗員コンパートメントの間に通路を形成するように、前記ウィンドウフレームと前記ウィンドウモールディングの間に間隙が形成されており、
前記ガラスランチャンネルが、前記間隙を封止するように、前記ウィンドウモールディングと接触するように前記間隙を横断して前記ウィンドウフレームから延在するリープシール部分を含んでいる、
車両ドアアセンブリ。
〔態様2〕
前記ガラスランチャンネルが、
ベース部分と、
前記ベース部分から延在して前記チャンネルの第1の壁を形成するインボードリップと、
前記インボードリップから延在するインボードガラスシール部分と、
前記ガラスランチャンネルの長さの少なくとも一部分に沿って、前記インボードリップおよび前記インボードガラスシール部分のうちの一方から延在するリープシール部分と、
を含む、態様1に記載の車両ドアアセンブリ。
〔態様3〕
前記インボードリップが、第1の方向で前記ベース部分から延在し、前記リープシール部分の全体が、前記インボードリップおよび前記インボードガラスシール部分のうちの前記一方から前記第1の方向に対し平行なまたは実質的に平行な方向に延在している、態様2に記載の車両ドアアセンブリ。
〔態様4〕
前記リープシール部分の全体が、前記インボードリップおよび前記インボードガラスシール部分のうちの前記一方から、前記ガラスランチャンネル内に収容された1枚のウィンドウガラスの平面に対して平行なまたは実質的に平行な方向に延在している、態様2に記載の車両ドアアセンブリ。
〔態様5〕
前記ガラスランチャンネルの前記第1の壁とは反対側の前記ガラスランチャンネルの第2の壁を形成するように、前記インボードリップとは反対側の、前記ベース部分から延在するアウトボードリップをさらに含み、前記リープシール部分の全体が前記アウトボードリップに対して平行なまたは実質的に平行な方向で前記インボードリップおよび前記インボードガラスシール部分のうちの前記一方から延在している、態様2に記載の車両ドアアセンブリ。
〔態様6〕
前記ガラスランチャンネルの一部分は、前記ドアアセンブリが車両上に組付けられ閉鎖条件下にある場合に車両Cピラーに隣接して存在するように構成された前記車両ドアアセンブリの一部分に組付けられており、前記リープシール部分は、前記車両Cピラーに隣接して存在するように構成された前記ガラスランチャンネルの部分に沿ってのみ延在している、態様1に記載の車両ドアアセンブリ。