(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】ガス系消火設備用表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 13/18 20060101AFI20220628BHJP
A62C 35/68 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
G09F13/18 N
A62C35/68
(21)【出願番号】P 2020205810
(22)【出願日】2020-12-11
(62)【分割の表示】P 2016249295の分割
【原出願日】2016-12-22
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000168676
【氏名又は名称】株式会社コーアツ
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】河岸 敏広
(72)【発明者】
【氏名】藤井 丈士
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3101018(JP,U)
【文献】特開平04-085588(JP,A)
【文献】米国特許第06294983(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/00-13/46
A62C 2/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源としてLEDを実装した電気基板と、レーザー加工した表示内容を、LEDの光を側面から入射させることによって可視化するようにした導光板からなる照光銘板とを備えたガス系消火設備用表示装置であって、前記照光銘板の周縁が、前記電気基板が取り付けられ、フレームで覆うようにした照光銘板の一側縁を除いて照光銘板が露出するフレームレス構造とし、前記表示内容が、少なくとも、消火剤充満表示からなり、かつ、照光銘板とフレーム
の固定側となる後カバーとが、照光銘板にピンスタッドを貫通させることにより
一体化するようにし
、照光銘板のフレームで覆った幅方向の端部に切欠を備えることで、フレーム内に空間部を形成し、該空間部を後カバーに形成したボルト穴を用いた固定具配置用空間とし、後カバーに前カバーを嵌め合わせて、一体化して、フレームを構成するようにしてなることを特徴とするガス系消火設備用表示装置。
【請求項2】
前記照光銘板に、LEDを実装した電気基板を固着手段に取り付けるようにしてなることを特徴とする請求項1に記載のガス系消火設備用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス系消火設備用表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガス系消火設備のうち、消火剤に二酸化炭素を用いるガス系消火設備においては、防護区画内に二酸化炭素が放出されると二酸化炭素濃度が高くなり、二酸化炭素の毒性により、防護区画内への立ち入りは極めて危険になる。
このため、消火剤を放出した防護区画内への立入禁止を促すため、「二酸化炭素充満危険・立入禁止」の文字を赤色で点灯又は点滅表示する放出表示灯を主に防護区画の出入口の外側上部に設置するようにしている。
【0003】
また、火災が発生すると、一酸化炭素や二酸化炭素等の危険な燃焼生成物が防護区画内で発生するため、例えば、大気中の約8割を占めるため毒性がないとされる窒素ガスを消火剤として使用する場合でも、「窒素ガス消火剤充満 危険・立入禁止」の文字を表示する放出表示灯を設置するようにしている。
【0004】
従来、この種の放出表示灯101には、長方形の照光銘板102、電球やLEDの光源103及び電気基板(図示省略)等を収めるために、例えば、330mm×135mm×33mmの直方体の形状を有したものが汎用されている(例えば、
図7参照。)。
そして、この放出表示灯101は、照光銘板102の背面側の放出表示灯101の内部に設けられた光源103が点灯・点滅すると、照光銘板102の単一メッセージの文字部分を光が通過することで、放出表示灯101の文字を人が認識することができる。
ここで、照光銘板102の裏側の文字部分以外の部分は、光源103の光が通過しないような措置が施されており、かつ、光源103が点灯・点滅しない場合に照光銘板102の文字部分が見えないように、文字部分は照光銘板の地色と同じ色にされている(
図7(c)参照。)。
【0005】
そして、従来汎用されている放出表示灯101は、照光銘板102の背面側に設けられた光源103によって照光銘板102を照射する構造のため、以下の問題点があった。
(1)放出表示灯と同様に、火災時等の対策として建造物に設置されて避難路等を表示する誘導灯は、常時点灯表示されているため、一般にも認知され、用途も自明であるが、放出表示灯の照光銘板は白色等で、常時は点滅せず何も表示されない表示灯であるため、防護区画の出入口の外側上部に設置すると、厚みを薄くできないことから、例えば、美術館や博物館等では意匠性を損なう等の理由で、常時は目立たず、火災時には目立つようにする要請があり、このため、壁面に埋設することを求められる等、設置状態を工夫する必要があった。
(2)照光銘板の文字部分のみを赤色で点滅等させる手段により表示を人に知覚させることから、放出表示灯単体で知覚性を向上させることは困難であった。
さらに、色覚異常の人にとっては、危険性を示す赤色は茶色や焦げ茶色に見えるため、照光銘板の地色や周囲の壁面が暗色系であると知覚性が低くなることから、知覚性の向上が課題とされていた。
(3)放出表示灯の表示を確認し、危険な状況にある防護区画への立ち入りはしないが、さらなる安全性確保のための避難方向の指示表示がないため、通路誘導灯が直近にない場合は、即座に判断できず適切な方向への避難開始までに時間を要する問題があった。
【0006】
ところで、ガス系消火設備では、火災感知器の作動によりシステムを起動させる自動起動方式と、人が火災を発見した際に手動起動装置を操作してシステムを起動させる手動起
動方式がある。
【0007】
自動起動方式のガス系消火システムの場合、火災感知器の誤作動等によるシステムの起動を防止するため、2系列の火災感知器群を構成し、各系列の火災感知器の少なくとも1つ、すなわち、2系列で合わせて2つ以上の火災感知器が作動することによりシステムを起動させるが、不特定多数の観客が来場する美術館等では、2系列のうちの1系列の火災感知器の作動により、火災の発生及び退避が必要である旨を防護区画内に設置したスピーカで放送し、防護区画内の人員を早期に退避させる措置(以下、「注意警報」という。)を取ることがある。
ここで、ガス系消火設備のシステムの起動前にさらなる安全のために、注意警報の段階で防護区画内への人の立入禁止を促す措置として、放出表示灯を兼用とし、表示内容を変化させて表示できれば良いが、従来技術を用いた照光銘板の構造上、表示することができる内容は単一であるため、異なる表示内容の照光銘板を設けた別の表示灯を設置する必要がある等の課題があった。同様の課題として、システムを手動起動設定に切り替えて防護区画内に入室する際に「入室中」を表示するもの、システムの自動・手動起動の設定状態の「自動中」・「手動中」を表示するもの、消火配管上に設置されるもので、点検中の誤操作による防護区画への消火剤の放出等を防止するためのバルブが閉鎖された際に「バルブ閉鎖」を表示するもの、あるいは、消火剤の放出回路に遮断スイッチを設け、該スイッチが遮断側に設定された際に「CO2遮断中」を表示するものがある。
また、放出表示灯の表示内容は日本語であるが、外資系企業等の外国語を母国語とする社員がいる場合等、日本語と外国語を併記表示する放出表示灯が求められることがある。これに対しては、文字サイズを小さくして日本語と外国語を併記するか、照光銘板を大きくする必要があった。文字サイズを小さくした場合は視認性が悪くなるため安全性を損なうことになり、照光銘板を大きくする場合は放出表示灯が大きくなることから設置スペースの確保や意匠性を損なう等の課題があった。
【0008】
一方、手動起動方式のガス系消火システムの場合(手動起動方式に設定されている場合を含む。)、例え2系列の火災感知器が作動しても、基本的に人が手動起動装置の放出ボタンを押すか、自動起動設定に切り替えないとシステムは起動しない。手動起動装置は、システムを理解した関係者が操作する想定であるが、実際に火災が発生するとパニック状態となり、手動起動装置の操作を失念してしまい、システムが起動せずに火災が拡大するおそれがある。これに対しては、手動起動装置を操作しなければならない旨を明確に知覚させるための新たな措置を講ずることが課題であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来の放出表示灯の有する問題点に鑑み、小型化、特に、厚みを薄くでき、設置場所の意匠性を損なわず、さらに、表示内容を切り替えできる多様性を備えることで知覚性を向上させた多重メッセージ対応型のガス系消火設備用表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明のガス系消火設備用表示装置は、光源としてLEDを実装した電気基板と、レーザー加工した表示内容を、LEDの光を側面から入射させることによって可視化するようにした導光板からなる照光銘板とを備えたガス系消火設備用表示装置であって、前記照光銘板の周縁が、前記電気基板が取り付けられ、フレームで覆うようにした照光銘板の一側縁を除いて照光銘板が露出するフレームレス構造とし、前記表示内容が、少なくとも、消火剤充満表示からなることを特徴とする。
【0011】
この場合において、前記照光銘板が透明であるようにすることができる。
【0012】
また、前記照光銘板の背面に不透明層が形成されてなるようにすることができる。
【0013】
また、前記照光銘板が、異なる表示内容がレーザー加工された複数枚の導光板を積層してなり、該表示内容がLEDの光を側面から入射させることによって選択的に可視化するようにすることができる。
【0014】
また、前記複数枚の導光板のうちの少なくとも1枚の導光板が、LEDの光を側面から入射させることによって面状に発光するレーザー加工した表示部を備えてなるようにすることができる。
【0015】
また、前記照光銘板のフレームで覆った幅方向の端部を切り欠くことでフレーム内に空間部を形成し、該空間部を電気接続及び固定用空間とすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のガス系消火設備用表示装置によれば、光源としてLEDを実装した電気基板と、レーザー加工した表示内容を、LEDの光を側面から入射させることによって可視化するようにした導光板からなる照光銘板とを備え、前記照光銘板の周縁が、前記電気基板が取り付けられ、フレームで覆うようにした照光銘板の一側縁を除いて照光銘板が露出するフレームレス構造とし、照光銘板に消火剤充満表示等の表示を行うようにすることにより、小型化、特に、厚みを薄くでき、設置場所の意匠性を損なわず、さらに、表示内容を切り替えできる多様性を備えることで知覚性を向上させた多重メッセージ対応型のガス系消火設備用表示装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明のガス系消火設備用表示装置の第1実施例を示し、(a)は正面図、(b)~(e)は側面図である。
【
図2】本発明のガス系消火設備用表示装置の第2実施例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【
図3】同第2実施例を示し、(a)は正面図、(b)及び(c)は要部の変形例、(d)は変形実施例の正面図である。
【
図6】本発明のガス系消火設備用表示装置の第3実施例を示す正面図である。
【
図7】従来の放出表示灯を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は内部構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明のガス系消火設備用表示装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0019】
図1に、本発明のガス系消火設備用表示装置の第1実施例を示す。
このガス系消火設備用表示装置1は、光源としてLED3を実装した電気基板4と、レーザー加工した表示内容を、LED3の光を側面から入射させることによって可視化するようにした導光板からなる照光銘板2とを備え、照光銘板2の周縁が、電気基板4が取り付けられ、フレーム5で覆うようにした照光銘板2の一側縁を除いて照光銘板2が露出するフレームレス構造とし、照光銘板2に消火剤充満表示等の表示を行うようにしたものである。
【0020】
ここで、照光銘板2に用いる、レーザー加工した表示内容をLED3の光を側面から入射させることによって可視化するようにした導光板には、案内板等で汎用化されている材
料を適用することができる。
具体的には、導光板にレーザー加工された文字等の表示内容は、導光板の側面からLEDの光が入射すると、レーザー加工された溝で光が反射し、導光板を正面視したときに、文字等の表示内容が光って見える。
一方、透明な導光板にレーザー加工された文字等の表示内容は、導光板の側面からLEDの光が入射しないときは、光っては見えないが、LED以外の自然光や室内灯の光が反射して容易に認識することができるようにしたり、レーザー加工される溝の度合いを調整することによって、導光板の文字等の表示内容が認識できない程度にすることができる。
これにより、LED以外の自然光や室内灯の光が反射しても文字等の表示内容が認識できない程度に見えにくくした透明な導光板を使用し、例えば、文字等が異なる導光板を複数枚重ね、各々の導光板専用のLEDの光を順次切り替えて点灯させると、導光板の正面から見た場合、透明な導光板のため、単一の導光板に表示される文字等があたかも変化するように見せることができる。
【0021】
ところで、このガス系消火設備用表示装置1は、外観が、照光銘板2と、光源としてLED3を実装した電気基板4を覆うフレーム5からなる小型化、特に、厚みを薄くした本体とで構成されるため、シンプルなデザインで、設置場所の意匠性を損なわないことから、高い意匠性が求められる美術館や博物館等に好適に用いることができる。
【0022】
この場合において、照光銘板2に用いるレーザー加工した導光板は、
図1(c)に示すように、透過型とするほか、
図1(b)、(d)及び(e)に示すように、導光板の側面からLED3の光が入射しないときは、地色、例えば、白色に見えるように、導光板の背面に白色アクリル板、反射シートと白色アクリル板、反射シートと白色塩化ビニルシート、白色の塗装等の一層又は複数層からなる不透明層20を形成するようにすることができる。
これにより、正面から見ると照光銘板2が透明に見えたり、不透明層の地色、例えば、白色に見えるようにすることができ、ガス系消火設備用表示装置1の存在感をなくして意匠性を妨げないようにすることができる。
【0023】
さらに、
図2に示す、本発明のガス系消火設備用表示装置の第2実施例のように、照光銘板2は、1枚で構成するほか、複数枚の透過型の導光板21、22、23を用いて構成することができる。
ここで、複数枚の透過型の導光板21、22、23のうち、最も背面側の導光板23の背面に不透明層を形成することができる。
これにより、表示内容を切り替えできる多様性を備えることで知覚性を向上させた多重メッセージ対応型のガス系消火設備用表示装置とすることができる。
【0024】
具体的には、例えば、赤色に発光する文字部分がレーザー加工された導光板21の後方に、全面又は表示文字エリアが白色や黄色等に発光・点滅する導光板23を配置し、導光板21、23を交互に切り替えて表示させる(この場合、導光板21を、連続的に点灯表示させるようにすることもできる。)ことで、知覚性を向上させ、赤色文字が茶色や焦げ茶色に見えるような色覚異常の人も含め、放出表示灯(ガス系消火設備用表示装置1)の表示を容易に知覚、確認することができるようにし、危険な状況にある防護区画内への立ち入りを防止することができるものとなる。
【0025】
また、常時避難方向を表示している通路誘導灯とは別に、避難方向を示す表示内容がレーザー加工された導光板22を、放出表示灯(ガス系消火設備用表示装置1)に用いて兼用とすることで、防護区画で火災が発生した場合に、放出表示灯としての立入禁止を促す表示内容の導光板21と交互に切り替えて表示させることで、放出表示灯(ガス系消火設備用表示装置1)1台で立入禁止に留まらず避難方向に避難を促し、安全性を向上させる
ことができるものとなる。
【0026】
また、消火剤放出前の注意警報の段階から火災の発生と防護区画内への人の立入禁止を促すための表示内容がレーザー加工された導光板(図示省略)を、放出表示灯(ガス系消火設備用表示装置1)に用いて兼用とし、放出表示灯としての表示内容がレーザー加工された導光板21を消火剤放出後に切り替えて点滅表示させることで、放出表示灯(ガス系消火設備用表示装置1)1台で注意警報の表示と放出表示灯の表示を行い、安全性の向上と省スペース化を併せて図ることができる。なお、放出表示灯は、防護区画のすべての出入口の主として上部に設置するものであるから、自動火災報知設備の発信機に併設される赤色表示灯とは異なり、火災発生区画の出入口を視覚的にかつ即座に判断することができる。
【0027】
また、注意警報の段階からの立入禁止を促すための表示内容に代えて、手動起動装置の自動起動・手動起動切り替えスイッチを手動起動側に設定して、人が防護区画に入室した場合に、例えば「入室中」を示す表示内容や、システムの自動・手動起動の設定状態の「自動中」・「手動中」を示す表示内容や、消火配管上に設置されるもので、点検中の誤操作による防護区画への消火剤の放出等を防止するためのバルブが閉鎖された場合に、例えば、「バルブ閉鎖」を示す表示内容、消火剤の放出回路の遮断スイッチを設け、該スイッチが遮断側の場合、例えば、「CO2遮断中」を示す表示内容とすることもできる。
【0028】
また、外国語が母国語となる人が防護区画へ出入りする可能性のある場合、防護区画内への人の立入禁止を促すための外国語で、例えば、「N2 GAS DISCHARGE
DANGER! KEEP OUT」の表示内容がレーザー加工された導光板を、放出表示灯(ガス系消火設備用表示装置1)に用いて兼用とすることで、放出表示灯としての日本語の表示内容がレーザー加工された導光板と切り替えて表示させることで、放出表示灯1台で多言語の表示を行い、安全性の向上と省スペース化を併せて実施できるものとなる。
【0029】
また、手動起動装置の放出ボタンを押すように指示する、例えば、「手動起動装置の扉を開け、室内に人がいないか確認し、[放出]ボタンを押す!」の表示内容がレーザー加工された導光板を、放出表示灯(ガス系消火設備用表示装置1)に用いて兼用とすることで、ガス系消火システムが手動起動設定の状態で、かつ2系列の火災感知器が作動した場合に、火災発生によりパニック状態に陥り、手動起動装置の操作を失念した人に対して、手動起動装置の操作を誘導し、システムを起動させることで火災の拡大の防止を図ることができる。システム起動後は、手動起動装置の放出ボタンを押すように指示する表示を終了する。
【0030】
上記の種々の表示内容がレーザー加工された導光板は、ガス系消火システムを構成する兼用の放出表示灯(ガス系消火設備用表示装置1)として、これらを適宜組み合わせたり、その表示内容を変更することができる。
【0031】
さらに、このガス系消火設備用表示装置1を用いたガス系消火システムとして、放出表示灯(ガス系消火設備用表示装置1)の近傍に、例えば、小型ブザーや音声メッセージを放送するスピーカを併設し、放出表示灯と併せて作動させることにより、音による知覚性向上を追加することもできる。
【0032】
ところで、このガス系消火設備用表示装置1は、
図3~
図5に示すように、照光銘板2のフレーム5で覆った、少なくとも幅方向の端部を切り欠く(
図3(d)の例では、幅方向の端部に加え、中央部も切り欠くようにしている。)ことで、フレーム5内に空間部50を形成し、この空間部50を電気接続及び固定用空間として利用することができる、具
体的には、LED3を実装した電気基板4の端子台41や配線取付部を位置させ、外部と配線42を介して電気接続できるようにしたり、ガス系消火設備用表示装置1をボルトを用いて壁面に固定することができるようにしている。
これにより、ガス系消火設備用表示装置1の小型化(コンパクト化)、省スペース化を図る、特に、フレーム5の高さ方向の寸法H(後述の
図6に示す第3実施例においては、フレーム5の横方向の寸法W)を小さくすることができるようにしている。
ここで、フレーム5は、前カバー51と後カバー52を嵌め合わせるように構成し、ビス53で固定、一体化するようにする。
また、フレーム5は、後カバー52に形成したボルト穴54を用いて、壁面等に固定するようにしたり、天井から吊り下げたブラケットに固定することができる。
また、フレーム5の後カバー52には、電気接続のための配線42を通す配線口55を形成するようにする。
また、照光銘板2とフレーム5とは、ピンスタッド6を貫通させることにより一体化するようにする。
また、電気基板4は、ボルト等に適宜の固着手段7を介して、照光銘板2やフレーム5に取り付けるようにしている。
また、照光銘板2を複数枚の透過型の導光板21、22、23で構成する場合には、導光板21、22、23の間に光り漏れ防止機能を兼ねたスペーサ8を配設するようにしている。
【0033】
また、このガス系消火設備用表示装置1は、フレーム5で覆うようにした照光銘板2の一側縁を除いて照光銘板2が露出するフレームレス構造としているが、フレーム5で覆う照光銘板2の一側縁は、上記各実施例のように、上方の縁のほか、
図6に示す、本発明のガス系消火設備用表示装置の第3実施例のように、側方の縁とすることもできる。
なお、第3実施例のガス系消火設備用表示装置1のその他の構成及び作用は、上記第1及び第2実施例と同様である。
【0034】
以上、本発明のガス系消火設備用表示装置について、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明のガス系消火設備用表示装置は、小型化、特に、厚みを薄くでき、設置場所の意匠性を損なわず、さらに、表示内容を切り替えできる多様性を備えることで知覚性を向上させた多重メッセージ対応型のガス系消火設備用表示装置とすることができることから、美術館や博物館等の意匠性を要求される設置場所で使用されるガス系消火設備用表示装置の用途に好適に用いることができるほか、広く一般の設置場所で使用されるガス系消火設備用表示装置の用途にも用いることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 ガス系消火設備用表示装置
2 照光銘板
3 LED
4 電気基板
5 フレーム
50 空間部