(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】医療用吸引器
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20220628BHJP
A61G 12/00 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
A61M1/00 100
A61M1/00 131
A61G12/00 W
(21)【出願番号】P 2018162757
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】595099960
【氏名又は名称】株式会社群馬コイケ
(73)【特許権者】
【識別番号】591027008
【氏名又は名称】株式会社小池メディカル
(73)【特許権者】
【識別番号】500020531
【氏名又は名称】株式会社コーシンケミカル
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】特許業務法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】猪野 智史
(72)【発明者】
【氏名】柏俣 和也
(72)【発明者】
【氏名】佐々 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】高野 英一
(72)【発明者】
【氏名】海老原 幸一
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特許第4638347(JP,B2)
【文献】特開昭46-1944(JP,A)
【文献】特表2017-520310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面又は支持スタンドを含む縦方向の面に取り付けられる医療用吸引器であって、
内部に圧力調整機構が配置されると共に所定位置に取付片が配置された取付部材と、
前記取付部材で調整された圧力が作用する通路とボトル固定爪とを有する蓋体と、該蓋体から垂下され下端側に回動軸が配置された垂下片と、下端側が該垂下片に設けた回動軸に回動可能に支持され且つ所定位置に嵌合穴が形成されたボトル支持体と、を有する本体と、
患者から吸引した体液や分泌物を収容する収容袋を収容するボトルであって、上端が開放され、所定位置に前記本体のボトル支持体に形成された嵌合穴に嵌合して支持される支持突起が形成されたボトルと、を有し、
前記ボトルに形成された支持突起を前記本体のボトル支持体に形成された嵌合穴に嵌合させて支持すると共に、該ボトル支持体を回動軸を中心に回動させて前記蓋体のボトル固定爪を該ボトルの上縁の一部に係合させて前記本体に取り付けるように構成したことを特徴とする医療用吸引器。
【請求項2】
前記本体のボトル支持体は、下端側が前記垂下片の下端側に配置された回動軸に回動可能に支持され、かつ上端側が屈折リンク片を介して前記垂下片の上端側と接続されていることを特徴とする請求項1に記載した医療用吸引器。
【請求項3】
前記本体が前記取付部材に対し着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1
又は請求項2に記載した医療用吸引器。
【請求項4】
前記本体のボトル支持体に形成された嵌合穴には該嵌合穴の上端部に配置された回動軸に回動可能に支持された回動片が配置されており、該嵌合穴に前記ボトルに形成された支持突起が嵌合したとき、該支持突起に該回動片の下端が当接するように構成されていることを特徴とする請求項1
乃至請求項3の何れか一項に記載した医療用吸引器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の体液や分泌物を吸引するための医療用吸引器に関し、特に病室の壁面や支持スタンドなどを含む縦方向の面に取り付けて使用する際に有利な医療用吸引器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院や診療所等の医療機関では、手術室や病室に各種の医療用吸引器が設置されている。例えば手術室に設けた医療用吸引器は、手術の際に生じた血液を含む体液や患部を洗浄する際に用いた生理食塩水等を吸引して凝固処理し得るように構成されている。また、病室に設けた医療用吸引器は、たんを含む患者の分泌物を吸引して凝固処理し得るように構成されている。
【0003】
医療機関で利用される医療用吸引器は、蓋体を被蓋することによって気密状態に保持され、吸引した体液や分泌物等を収容する収容袋を配置したボトルと、このボトルを着脱可能に取り付けて保持するボトル保持体と、を有して構成されるのが一般的である。そして、ボトルの内部に吸引圧力を作用させると共に、蓋体に取り付けた吸引チューブを患部に適用することで、体液や分泌物を吸引して収容袋に収容して凝固処理し、凝固した収容袋ごと廃棄処分し得るように構成されているのが一般的である。
【0004】
上記の如く構成された医療用吸引器では、ボトルに収容袋を収容する場合、或いは収容された収容袋を取り出す場合には、蓋体を離隔させてボトルを開放することが必要となる。このとき、ボトル側を動かすことなく蓋体を回動させて該ボトルを開放するように構成されるのが一般的である(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ボトル側を動かすことなく蓋体を回動させて該ボトルを開放するように構成された医療用吸引器を病室の壁面や支持スタンドなどの縦方向の面に取り付けた場合、蓋体を取り外したボトルが壁面などと平行になり、開口部分が壁面近傍に位置することになる。このため、ボトルに収容袋を収容する作業、収容袋を取り出す作業がし難いという虞がある。
【0007】
本発明の目的は、壁面や支持スタンドなどの縦方向の面に取り付けた場合でも、ボトルに対する収容袋の収容、取り出しを容易に行える医療用吸引器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係る医療用吸引器は、壁面又は支持スタンドを含む縦方向の面に取り付けられる医療用吸引器であって、内部に圧力調整機構が配置されると共に所定位置に取付片が配置された取付部材と、前記取付部材で調整された圧力が作用する通路とボトル固定爪とを有する蓋体と、該蓋体から垂下され下端側に回動軸が配置されると共に該回動軸よりも上部に屈折リンク片が接続された垂下片と、下端側が該垂下片に設けた回動軸に回動可能に支持されると共に回動軸よりも上部に屈折リンク片が接続され且つ所定位置に嵌合穴が形成されたボトル支持体と、を有する本体と、患者から吸引した体液や分泌物を収容する収容袋を収容するボトルであって、上端が開放され、所定位置に前記本体のボトル支持体に形成された嵌合穴に嵌合して支持される支持突起が形成されたボトルと、を有し、前記ボトルに形成された支持突起を前記本体のボトル支持体に形成された嵌合穴に嵌合させて支持すると共に、該ボトル支持体を回動軸を中心に回動させて前記蓋体のボトル固定爪を該ボトルの上縁の一部に係合させて前記本体に取り付けるように構成したことものである。
【0009】
上記医療用吸引器に於いて、前記本体が前記取付部材に対し着脱可能に構成されていることが好ましい。
【0010】
また、上記何れかの医療用吸引器に於いて、前記本体のボトル支持体に形成された嵌合穴には該嵌合穴の上端部に配置された回動軸に回動可能に支持された回動片が配置されており、該嵌合穴に前記ボトルに形成された支持突起が嵌合したとき、該支持突起に該回動片の下端が当接するように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る医療用吸引器(以下単に「吸引器」という)では、ボトルを支持するボトル支持体は、下端側が本体の垂下片下端側に配置された回動軸に回動可能に支持されると共に、上部が該回動軸の上部に配置配置された屈折リンク片を介して接続されている。このため、本体を取付部材に取り付けた状態で、該取付部材の取付片を壁面又は支持スタンドを含む縦方向の面(以下単に「壁面」という)に取り付けたとき、ボトル支持体は下端側を中心として回動可能となる。
【0012】
そして、ボトル支持体の回動に伴って、該ボトル支持体に支持されたボトルを上部の開放部が壁面から離隔した傾斜姿勢とすることができる。従って、ボトルに対する収容袋の収容或いは取り出し作業は壁面に沿った縦方向ではなく、壁面に対して斜め上方からの作業となる。この結果、作業空間を広くすることができ、作業性を向上することができる。
【0013】
収容袋を収容したボトルをボトル支持体に取り付けて回動させて蓋体に設けたボトル固定爪をボトルの上縁の一部に係合させて固定することができる。このとき、蓋体に形成された通路を介して取付部材に配置された圧力調整機構によって調整された圧力(負圧)がボトルに作用する。このため、患者の体液や分泌物を吸引して収容袋に収容することができる。
【0014】
また、ボトル支持体に形成された嵌合穴の上端部に回動片を設け、該嵌合穴にボトルの支持突起が嵌合したときに回動片の下端が支持突起に当接するように構成したので、ボトルをボトル支持体に支持したとき、安定した姿勢を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図5】ボトルを支持したボトル支持体を傾斜させたときの状態を説明する図である。
【
図6】ボトル支持体にボトルを取り付け又は取り外す際の状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る吸引器の構成について説明する。本発明に係る吸引器は、壁面や支持スタンドなどの縦方向の面に取り付けた状態で、ボトルに対する収容袋の取り付けや取り出しの作業、或いは該本体に対するボトルの取り付け或いは取り外しの作業を容易に行えるようにしたものである。
【0017】
本実施例に係る吸引器について
図1~
図6を用いて説明する。吸引器は、内部に圧力調整機構が、所定位置に取付片が配置された取付部材Aと、この取付部材Aに一体化して構成された本体Bと、該本体Bに着脱可能に構成されたボトルCと、を有して構成されている。
【0018】
取付部材Aと本体Bは使用状態で一体化していれば良く、一つのケース内に構成されていても、互い別体として構成されていても良い。本実施例では、取付部材Aと本体Bは別体として構成され、互いに着脱し得るように構成されている。従って、取付部材Aと本体Bを装着したとき、一体化することとなる。
【0019】
取付部材Aはケース1を有しており、該ケース1の内部に
図3に示す圧力調整機構2が構成されている。この圧力調整機構2は、ケース1の側面に配置された供給ホース3を介して作用する負圧を後述するボトルに対して適度な大きさを持った負圧に調整するものであり、一般的に負圧を所望の圧力に調整する際に利用される圧力調整機構と同様に構成されている。
【0020】
ケース1の前面側(
図1の左側、以下同じ)には摘み4が配置されており、この摘み4を回転させることで、負圧の大きさを調整し得るように構成されている。また、圧力調整機構2の出力側に通路5が形成されており、調整された負圧を該通路5を介して後述する本体Bの蓋体10に作用させることが可能なように構成されている。
【0021】
ケース1の背面側(
図1の右側、以下同じ)には、図示しない壁面に取り付けるための取付片6が配置されている。この取付片6の構造や形状は限定するものではなく、壁面に形成されている吸引器の取付部位の構造や形状に対応した構造、形状を有している。本実施例では、壁面に形成された取付部位がC型の溝状に形成されているため、取付片6はこの溝に嵌合する嵌合片6aを有している。しかし、この形状に限定するものではなく、単に壁面にねじにより固定するようなことであっても良い。
【0022】
本体Bは取付部材Aの下側面に着脱可能に構成されている。本体Bの取付部材Aに対する着脱構造は限定するものではなく、「あり」と「あり溝」との係合による着脱構造やフックを用いた着脱構造などがある。本実施例では、ありとあり溝との係合により着脱し得るように構成している。
【0023】
本体BはボトルCを着脱可能に取り付けることが可能で、且つボトルCを取り付けたとき、ボトルCとの気密を保持すると共に取付部材Aで調整した負圧をボトルCに作用させるものである。このため、患者の体液や分泌物を収容する収容袋DをボトルCに収容して本体Bに取り付けたとき、該ボトルCに作用する負圧に応じて収容袋Dに負圧を作用させて体液や分泌物を吸引することが可能である。
【0024】
特に、本実施例に係る吸引器では、本体Bに取り付けたボトルCを該ボトルCの下端側を支点として上部開放部が露出するように傾斜させることが可能である。このため、本体Bに取り付けたボトルCに対する収容袋Dの取付作業や取出作業を容易に行うことが可能である。
【0025】
本体Bは、取付部材Aに直接取り付けられる蓋体10と、蓋体10の背面側の端部から垂下された垂下片20と、垂下片20の下端側に構成されたボトル支持体30と、を有して構成されている。
【0026】
蓋体10には上面に取付部材Aとの着脱部(「あり」となる一対の突起)が形成されている。また、蓋体10は下面の一部がボトルCの上部開放部の上縁41の形状と等しい形状に形成されており、ボトルCを本体Bに取り付けたとき、該ボトルCの上部開放部を覆うことが可能な形状を有している。そして、ボトルCの上部開放部を覆うように形成された部分が取付部材Aの圧力調整機構2で調整された負圧が作用する通路11として機能し得るように構成されている。蓋体10によってボトルCの上部開放部を覆ったとき、ボトルCを外気との間に高い気密性を保持させるため、蓋体10のボトルCの上縁41と当接する部分にはパッキン12が配置されている。
【0027】
蓋体10の前面側の所定位置には、ボトル固定爪13aが配置されると共に、前面側に突出したボトル固定解除ボタン13bが配置されている。ボトル固定爪13aの構造は限定するものではないが、例えばラッチ機構などを採用することが好ましい。
【0028】
また、蓋体10の上部には、本体Bを取付部材Aに取り付けた後、この取付状態を解除するための解除ボタン14が配置されている。また、蓋体10の背面側には、該蓋体10から垂下する垂下片20が配置されている。
【0029】
垂下片20は、下端側にボトルCを支持するボトル支持体30を回動可能に取り付けて構成されている。垂下片20は、一対のフランジ20aと、これら一対のフランジ20aを接続するウエブ20bと、からなるコ字状の部材として形成されており、ウエブ20bが前面側に、フランジ20aが背面側に向くようにして配置されている。そして、ウエブ20bの上端側が蓋体10に固定されている。また、ウエブ20bの略中央の所定位置には、長方形状の窓20cが開口している。
【0030】
ボトル支持体30はボトルCを着脱可能に支持するものであり、垂下片20の下端側に回動可能に取り付けられている。そして、ボトル支持体30にボトルCを着脱する際に、或いは取り付けたボトルCに対する収容袋Dの取付作業、取外作業を行う際には該ボトルCを上部開放部が露出するように回動させることが可能である。このため、これらの作業をボトルCの斜め上方から行うことが可能となり、目的の作業を容易に行うことが可能となる。
【0031】
ボトル支持体30は、夫々垂下片20のフランジ20aの外側を覆うように配置された一対のフランジ30aと、垂下片20のウエブ20bの前面側に配置されて一対のフランジ30aを接続する支持板30bとからなるコ字状の部材として構成されている。また、支持板30には垂下片20のウエブ20bに形成した窓20cと同じ位置に嵌合穴31が形成されている。
【0032】
垂下片20の下端側には回動軸21aを有する蝶番21が配置され、該蝶番21の一方の片21bが該垂下片20のウエブ20bの下端側に固定されると共に、他方の片21cがボトル支持体30の支持板30bの下端側に固定されている。このため、ボトル支持体30は垂下片20に対し、下端側を中心として回動可能に構成されている。
【0033】
垂下片20の一対のフランジ20aとボトル支持体30の一対のフランジ30aは互いに屈折リンク22を介して接続されている。即ち、屈折リンク22の一方のリンク片22aが垂下片20のフランジ20aの上部側に回動可能に取り付けられており、他方のリンク片22bがボトル支持体30のフランジ30aの上部側に回動可能に取り付けられている。
【0034】
また、垂下片20のフランジ20aに於けるリンク片22aの接続部位の近傍には、回動したリンク片22aに接触して該リンク片22aの回動を制限する接触片23が設けられている。このため、ボトル支持体30の回動軸21aを中心とする回動可能な角度の範囲は、屈折リンク22の寸法や接触片23までの回動角度などの条件によって制限される。
【0035】
ボトル支持体30の回動角度の範囲を特に限定するものではない。しかし、ボトル支持体30を前面側に回動させて傾斜させたとき、支持したボトルCの上端開放部が略全面にわたって露出し得ることが好ましい。このように、ボトルCの上部開放部が露出することで、内部を容易に視認することが可能であり、且つ収容袋を収容する作業、或いは収容した収容袋を取り出す作業を楽な姿勢で、確実に行うことが可能となる。
【0036】
ボトル支持体30の支持板30bに形成された嵌合穴31は、ボトルCに形成された支持突起44を受け入れると共に係止して支持するものである。このため、嵌合穴31は支持突起44の形状に対応した形状を有しており、上部側には支持突起44を受け入れることが可能な長方形部31aが、該長方形部31aの下部に連続して逆三角形部31bが形成されている。
【0037】
嵌合穴31の上端部には回動軸32が配置されており、この回動軸32に回動片33が回動可能に取り付けられている。回動片33は嵌合穴31にボトルCの支持突起44が嵌合したとき、下端が支持突起44の上端面に当接してボトルCの嵌合穴31からの離脱を防ぐ機能を有するものである。このため、回動片33の背面側の下端部に突起33aが形成されており、該突起33aによって回動片33を確実に回動させることが可能なように構成されている。
【0038】
ボトルCは患者の体液や分泌物を収容する収容袋Dを収容すると共に、該収容袋Dに負圧を作用させて患者からの吸引を行わせるものである。ボトルCは本体Bの蓋体10の下面の形状と対応した形状を有する上縁41を有する容器として構成されている。
【0039】
ボトルCの前面側には取っ手42が形成され、この取っ手42を把持することで、運搬作業や清掃を行うことが可能である。また、取っ手42の上部には窪み43が形成されており、収容袋Dを収容したとき、該収容袋Dの吸引ホースなどを窪み43を介して外部に配置し得るように構成されている。
【0040】
ボトルCの背面側にはボトル支持体30の嵌合穴31に支持される支持突起44が形成されている。この支持突起44は、嵌合穴31の逆三角形部31bと対応した逆三角形状に形成されると共にボトル支持体30の支持板30bの厚さに対応した高さを有する係止部44aと、係止部44aが逆三角形部31bに係合したとき、支持板30bの背面に係合して係止されるフランジ44bを有している。
【0041】
次に、本体Bに取り付けたボトルCを取り外す際の手順について
図5、
図6により説明する。
【0042】
先ず、蓋体10に配置されている固定解除ボタン13bを押圧すると、ボトルCの上縁41の一部に係合していた固定爪13aが引き込まれ、該固定爪13aによるボトルCの固定が解除される。
【0043】
次いで、ボトルCの取っ手42を把持して
図5に於ける反時計方向に回動させると、ボトルC及び該ボトルCを支持しているボトル支持体30が蝶番21の回動軸21aを中心として屈折リンク22の回動限まで回動する。この結果、同図に示すように、ボトルCの上部開放部が露出して内部を視認し得るようになる。この状態で、ボトルCの内部に収容袋Dを収容し、或いは収容されている収容袋Dを取り出すことが可能である。
【0044】
ボトル支持体30に支持されているボトルCを取り外す場合、前述の状態でボトル支持体30の嵌合穴31に配置された回動片33を反時計方向に回動させて、該回動片33の支持突起44に対する当接状態を解除する。その後、ボトルCの取っ手42を把持して上方に持ち上げることで、支持突起44をボトル支持体30の嵌合穴31から離脱させることが可能である。ボトルCをボトル支持体30から離脱させると、回動片33は突起33aの重さにより時計方向に回動して初期の位置に戻る。
【0045】
ボトルCをボトル支持体30に取り付ける際には、前述の手順を逆に行うことで良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係る吸引器は、ボトルに対する収容袋の取り付けや取り付ける際の作業性を向上することが可能であり、病室や支持スタンドなどの縦方向の面に取り付けて体液や分泌物を吸引する吸引器として利用して有利である。
【符号の説明】
【0047】
A 取付部材
B 本体
C ボトル
D 収容袋
1 ケース
2 圧力調整機構
3 供給ホース
4 摘み
5、11 通路
6 取付片
6a 嵌合片
10 蓋体
12 パッキン
13a ボトル固定爪
13b ボトル固定解除ボタン
14 解除ボタン
20 垂下片
20a、30a フランジ
20b ウエブ
20c 窓
21 蝶番
21a 回動軸
21b、21c 片
22 屈折リンク
22a、22b リンク片
23 接触片
30 ボトル支持体
30b 支持板
31 嵌合穴
31a 長方形部
31b 逆三角形部
32 回動軸
33 回動片
33a 突起
41 上縁
42 取っ手
43 窪み
44 支持突起
44a 係止部
44b フランジ