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  • 特許-ゴム性能評価方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】ゴム性能評価方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/00 20060101AFI20220628BHJP
【FI】
G01N3/00 K
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018052409
(22)【出願日】2018-03-20
(65)【公開番号】P2019164047
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本田 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】河村 幸伸
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特公昭48-038615(JP,B1)
【文献】特開2008-138081(JP,A)
【文献】特開2007-056137(JP,A)
【文献】国際公開第2016/105983(WO,A1)
【文献】特開2010-132718(JP,A)
【文献】日本工業標準調査会,JIS K6251:1993 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方,JISハンドブック19 ゴム 1993,日本,日本規格協会,1993年,107頁~ 111頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/00-3/62
B60C 1/00-19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム組成物を加硫してなるシート状の試験片と、この試験片を把持するための一対のチャックを備えた引張試験機と、を準備する準備工程と、
上記引張試験機を用いて上記試験片の引張試験をおこなって破断伸びEB(%)を測定する測定工程と、
を含んでおり、
上記試験片が、長手方向略中央に位置する平面視矩形の試験部と、この試験部に隣接して徐々に幅広となる一対の傾斜部と、それぞれの傾斜部に隣接してこの試験片の端部をなす平面視略矩形の一対の把持部とを有しており、
上記試験部の幅がW0であり、上記一対の把持部の幅がそれぞれW1及びW2であるとき、比W0/W1が0.1以上0.4以下であり、比W0/W2が0.1以上0.4以下であり、
上記測定工程において、上記試験片が破断したときのチャック間距離がDtであり、この試験片の破断点から各チャックまでの距離がそれぞれD1及びD2であるとき、比D1/Dtが0.1以上0.9以下であり、比D2/Dtが0.1以上0.9以下であり、
上記測定工程における引張速度が1m/s以上20m/s以下であり、
上記破断伸びEB(%)を指標として、この試験片と同じ配合のゴム組成物を用いて得られるタイヤの耐チッピング性を評価する評価方法。
【請求項2】
上記試験片の厚みtと上記試験部の幅W0との比t/W0が0.2以上1.0以下である請求項1に記載の評価方法。
【請求項3】
上記測定工程において、上記試験部の伸長開始から破断までの時間が0.5ミリ秒以上500ミリ秒以下である請求項1又は2に記載の評価方法。
【請求項4】
上記試験部の長さがL0であり、上記一対の傾斜部の長さがそれぞれL1及びL2であるとき、比L0/L1が0.5以上3.0以下であり、比L0/L2が0.5以上3.0以下である請求項1から3のいずれかに記載の評価方法。
【請求項5】
上記測定工程における引張試験の試験温度が50℃以上である、請求項1から4のいずれかに記載の評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム性能の評価方法に関する。詳細には、本発明は、耐チッピング性の評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
加硫ゴムの用途の一つに、タイヤがある。走行中、タイヤ表面をなすトレッドが、路面と接触する。路面との接触により、トレッド表面にチッピング(欠損)が発生する。チッピングが生じたタイヤは、走行性能及び外観に劣る。耐チッピング性の向上は、タイヤの品質改善に寄与しうる。タイヤ開発上、耐チッピング性の評価方法は重要な技術である。
【0003】
タイヤの耐チッピング性に寄与する要因の一つとして、加硫ゴムの破壊強度が上げられる。従来、加硫ゴムの破壊強度を、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に規定の試験方法により得られる破断強度及び破断伸びに基づいて評価する方法が知られている。破壊強度(破断強度及び破断伸び)が大きいほど、耐チッピング性に優れていると評価される。しかし、耐チッピング性に関する市場の評価結果の中には、指標である破壊強度(破断強度及び破断伸び)とは逆転するものも含まれており、その評価精度は十分に満足できるものではなかった。タイヤの耐チッピング性を、より高い精度で簡便に評価する方法が求められている。
【0004】
特開2017-129495号公報には、初期亀裂を有する試験片を用いて、耐チッピング性を評価する方法が提案されている。この評価方法では、初期亀裂を起点として、試験片の引き裂きが開始された瞬間の力が検出され、この力によって定義される引き裂き開始強度が測定されている。特許第6216286号公報には、硬質な受衝板を埋設したゴム試験片に、打撃片を衝突させて、耐ゴム欠け性を評価する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-129495号公報
【文献】特許第6216286号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
タイヤが装着された車両が、岩場等の不整地を走行するとき、タイヤ表面に、瞬間的に大きな欠損(亀裂)が生じる場合がある。特開2017-129495号公報が開示する評価方法は、初期亀裂から徐々に進展する破壊現象を評価するものである。この評価方法では、瞬間的に生じる大きな欠損を伴うチッピング現象を反映した評価結果は得られない。特許第6216286号に記載の評価方法では、受衝板を埋設した特殊な試験片の準備に時間及び費用を要し、その評価精度も満足できるものではない。
【0007】
本発明の目的は、タイヤの耐チッピング性を、精度良く簡便に評価することができるゴム性能評価方法の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討の結果、不整地走行の際にタイヤ表面が岩肌等に高速で衝突したとき、衝突部のゴムが瞬間的に大きく伸長して破断することで、大きな欠損を伴うチッピングが生じること、及び、このゴムの瞬間的な伸長及び欠損が、高速での引張試験により再現されることを見出した。さらに、本発明者等は、この高速での引張試験に供するゴムの試験片の形状が、耐チッピング性に関する市場評価との相関性に大きく影響することを見出すことにより、本発明を完成したものである。
【0009】
本発明に係るゴム性能評価方法は、準備工程及び測定工程を含んでいる。準備工程では、ゴム組成物を加硫してなるシート状の試験片と、この試験片を把持する一対のチャックを備えた引張試験機とを準備する。測定工程では、引張試験機を用いて試験片の引張試験をおこなって破断伸びEB(%)を測定する。この試験片は、長手方向略中央に位置する平面視矩形の試験部と、この試験部に隣接して徐々に幅広となる一対の傾斜部と、それぞれの傾斜部に隣接してこの試験片の端部をなす平面視略矩形の一対の把持部とを有している。試験部の幅がW0であり、一対の把持部の幅がそれぞれW1及びW2であるとき、比W0/W1は0.1以上0.4以下であり、比W0/W2は0.1以上0.4以下である。測定工程において、試験片が破断したときのチャック間距離がDtであり、この試験片の破断点から各チャックまでの距離がそれぞれD1及びD2であるとき、比D1/Dtは0.1以上0.9以下であり、比D2/Dtは0.1以上0.9以下である。測定工程における引張速度は、1m/s以上20m/s以下である。この評価方法では、破断伸びEB(%)を指標として、この試験片と同じ配合のゴム組成物を用いて得られるタイヤの耐チッピング性を評価する。
【0010】
好ましくは、試験片の厚みtと試験部の幅W0との比t/W0は、0.2以上1.0以下である。
【0011】
好ましくは、測定工程において、試験部の伸長開始から破断までの時間は、0.5ミリ秒以上500ミリ秒以下である。
【0012】
好ましくは、試験部の長さがL0であり、一対の傾斜部の長さがそれぞれL1及びL2であるとき、比L0/L1は0.5以上3.0以下である。比L0/L2は0.5以上3.0以下である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る評価方法による評価結果は、タイヤの耐チッピング性に関する市場評価と高い精度で相関する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る評価方法のための試験片が示された平面図である。
図2図2は、図1の試験片にチャックを装着した状態を示す概念図である。
図3図3は、試験片破断時のチャック及び試験片の状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0016】
本発明に係る評価方法は、準備工程及び測定工程を含んでいる。準備工程では、試験片と引張試験機とが準備される。測定工程では、この引張試験機を用いた引張試験により、試験片の破断伸びEB(%)が測定される。
【0017】
試験片は、ゴム組成物が加硫されることにより形成される。図1は、本発明の一実施形態に係る評価方法で準備される試験片10が示された平面図である。この試験片10は、シート状である。図示される通り、試験片10は、長手方向略中央に位置する平面視矩形の試験部12と、この試験部12に隣接して徐々に幅広となる一対の傾斜部14と、それぞれの傾斜部14に隣接してこの試験片10の端部をなす平面視略矩形の一対の把持部16とを有している。この試験片10は、所謂ダンベル形状である。
【0018】
図1に示された両矢印W0は、試験部12の幅である。この試験部12の幅W0は、長手方向において一定である。一対の把持部16の幅が、それぞれ、両矢印W1及びW2として、図1に示されている。この実施形態では、各把持部16の幅W1及びW2は、いずれも長手方向において一定である。この評価方法では、比W0/W1は0.1以上0.4以下であり、かつ比W0/W2が0.1以上0.4以下である試験片10が準備される。
【0019】
引張試験機は、試験片10を保持するための一対のチャック18を備えている。測定工程では、先ず、試験片10が引張試験機に設置される。図2は、一対のチャック18に保持された試験片10の状態を示す概念図である。図2の上下方向が鉛直方向(長さ方向)であり、左右方向が水平方向(幅方向)である。
【0020】
図示される通り、この実施形態では、チャック18は、間隔を空けて相対する第一チャック18aと第二チャック18bとから構成されている。第一チャック18a及び第二チャック18bは、それぞれ、試験片10の一対の把持部16に装着されている。以後、便宜上、第一チャック18aが保持する把持部16を、第一把持部16aと称し、第二チャック18bが保持する把持部16を、第二把持部16bを称する場合がある。通常、第一チャック18aの幅は、第一把持部16aの幅W1より大きく、第二チャック18bの幅は、第二把持部16bの幅W2より大きい。従って、この引張試験機では、一対の把持部16は、それぞれ、幅方向においてその全体が、一対のチャック18に保持されうる。
【0021】
図示されないが、引張試験機は、チャック18を移動するための駆動部と、引張試験時に試験片10の変位を検出するための検出器と、試験片10の状態を観察するための撮影装置とをさらに備えている。この実施形態では、第二チャック18bに駆動部が連結されている。図2に示される矢印Fは、第二チャック18bの移動方向である。第一チャック18aは固定されている。測定工程において、駆動部に連結された第二チャック18bが矢印Fの方向に移動することにより、試験片10が鉛直方向に伸長される。この実施形態では、第二チャック18bの移動速度が、引張試験における引張速度とされる。
【0022】
他の実施形態において、第一チャック18aに他の駆動部が連結されてもよい。この場合、第二チャック18bが矢印Fの方向に移動し、第一チャック18aが矢印Fとは逆の方向に移動することにより、試験片10が伸長される。この実施形態における引張速度は、第一チャック18aの移動速度と、第二チャック18bの移動速度との和である。
【0023】
本発明に係る評価方法における引張速度は、1m/s以上20m/s以下である。この引張速度は、例えば、JIS K6251に規定される速度100~500mm/minと比較して、かなり早い。早い引張速度により、試験片10に、高速で引張歪みが負荷される。高速で負荷された引張歪みによって、試験片10の特定の箇所に応力が集中することにより、試験片10が破断する。
【0024】
図3には、引張試験による破断時の試験片10の状態が示されている。図3の上下方向が鉛直方向であり、左右方向が水平方向である。図3に示される両矢印Dtは、試験片10が破断したときのチャック間距離である。
【0025】
図3に示された符号Xは、試験片10の破断点である。図3において、破断点から第一チャック18aの上面までの距離が、両矢印D1として示されている。破断点から第二チャック18bの下面までの距離が、両矢印D2として示されている。距離Dt、D1及びD2は、いずれも鉛直方向で測定される。この評価方法において、比D1/Dtは0.1以上0.9以下であり、かつ比D2/Dtは0.1以上0.9以下である。
【0026】
この評価方法では、破断時の試験片10の変位が検出器により検出され、破断伸びEBが測定される。破断伸びEBとは、破断時の試験片10の伸び率(%)を意味する。通常、破断時の標点間距離の、試験前の標点間距離に対する百分率として求められる。この評価方法では、試験片10の破断伸びEB(%)を指標として、試験片10と同じ配合のゴム組成物を用いて得られるタイヤの耐チッピング性が評価される。
【0027】
本発明に係る評価方法において、比W0/W1及び比W0/W2が0.1以上0.4以下の試験片10が、引張速度1m/s以上20m/s以下で引張試験に供されるとき、この試験片10は、比D1/Dtが0.1以上0.9以下であり、かつ比D2/Dtが0.1以上0.9以下である位置で破断する。換言すれば、この試験片10は、装着されたチャック18の近傍では破断しない。チャック18の近傍での破断は、概して、試験片10をなす加硫ゴムの機械的特性によらず、チャック18による応力集中により生じる。チャック18の近傍での破断時に得られる破断伸びEB(%)には、試験片10をなす加硫ゴムの機械的特性が、十分には反映されない。
【0028】
本発明に係る評価方法によれば、引張試験において、試験片10は、チャック18から十分に離れた位置で破断する。この破断点の位置は、適正である。適正な位置で破断した試験片10について得られる破断伸びEB(%)には、この試験片10をなす加硫ゴムの機械的特性が反映される。この破断伸びEB(%)は、試験片10と同じ配合のゴム組成物を用いて得られるタイヤの、瞬間的で大きな破断を伴うチッピング性に関する市場評価と、高い精度で相関する。
【0029】
好ましくは、試験片10のゴム組成物は、基材ゴムと、通常ゴム分野で用いられる各種添加剤とを含む。好ましい基材ゴムとして、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリルブタジエンスチレンゴム(ABS)等が例示される。二種以上の基材ゴムを併用してもよい。
【0030】
基材ゴムとともに配合される添加剤の例として、カーボンブラック、シリカ等の充填剤、シランカップリング剤、オイル、ワックス、酸化亜鉛、老化防止剤、加工助剤、樹脂、加硫剤、加硫促進剤及び加硫促進助剤が挙げられる。本発明の効果が阻害されない限り、本願明細書にて明示されない他の添加剤を使用することも可能である。
【0031】
本発明に係る評価方法において、試験片10をなすゴム組成物の配合は特に限定されない。好適には、タイヤ表面を構成するゴム部材の配合が用いられる。典型的には、トレッド用ゴム組成物の配合が例示される。
【0032】
本発明に係る評価方法において、試験片10を準備する方法に特に制限はない。例えば、基材ゴムと、先に例示した各種添加剤とを所定の配合に従ってオープンロール、バンバリーミキサー等に投入して混練することによりゴム組成物を調製し、このゴム組成物をプレス加硫してゴムシートを形成した後、このゴムシートを適宜加工することにより試験片10を準備してもよい。
【0033】
他の実施形態として、調製したゴム組成物をトレッドの形状にあわせて押出加工した後、他のタイヤ部材と併せて加硫機中で加熱及び加圧することによりタイヤを製造し、このタイヤ表面から採取した加硫ゴム片を加工して試験片10を準備してもよい。
【0034】
本発明の効果が得られる限り、所定の形状に加工する方法も特に限定されない。典型的には、打ち抜き刃又はカミソリ刃が用いられる。引張試験の再現性及び取扱容易との観点から、JIS K6250の規定に準拠した抜き打ち刃が好適に用いられる。
【0035】
図1に示された両矢印Ltは、試験片10の長さである。本発明の目的が達成される限り、試験片10の長さLtは特に限定されない。加工容易及び再現性の観点から、試験片10の長さLtは、20mm以上が好ましく、30.0mm以上がより好ましく、50.0mm以上が特に好ましい。引張試験機の巨大化を回避するとの観点から、200mm以下が好ましく、150mm以下がより好ましく、120mm以下が特に好ましい。
【0036】
本発明に係る評価方法において、試験片10の比W0/W1は0.1以上0.4以下であり、かつ比W0/W2は0.1以上0.4以下である。本発明の効果が阻害されない限り、比W0/W1と比W0/W2とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。測定精度及び成形容易との観点から、比W0/W1及び比W0/W2が同じであることが好ましい。
【0037】
測定精度の観点から、比W0/W1は0.2以上がより好ましい。破断点の位置が適正であるとの観点から、好ましい比W0/W1は0.3以下である。
【0038】
測定精度の観点から、比W0/W2は0.2以上が好ましい。破断点の位置が適正であるとの観点から、好ましい比W0/W2は0.3以下である。
【0039】
試験部12の幅W0は、比W0/W1及び比W0/W2が前述した数値範囲を満たすように適宜調整される。適正な破断点が得られるとの観点から、幅W0は、1.0mm以上が好ましく、2.0mm以上がより好ましく、4.0mm以上が特に好ましい。試験装置の巨大化を回避するとの観点から、好ましい幅W0は、10mm以下である。測定精度の観点から、幅W0は、試験部12の長手方向全長にわたって一定であることが好ましい。
【0040】
第一把持部16aの幅W1及び第二把持部16bの幅W2は、特に限定されず、それぞれ、比W0/W1及び比W0/W2が前述した数値範囲を満たすように適宜調整される。本発明の効果が阻害されない範囲内で、第一把持部16a及び第二把持部16bが、それぞれその長手方向において変動する幅を有してもよい。この場合、第一チャック18aが装着された位置における第一把持部16aの幅が、幅W1とされ、第二チャック18bが装着された維持における第二把持部16bの幅が、幅W2とされる。
【0041】
引張試験時に把持部16への応力集中を回避するとの観点から、第一把持部16aの幅W1は5.0mm以上が好ましく、8.0mm以上がより好ましく、10.0mm以上が特に好ましい。試験装置の巨大化を回避するとの観点から、好ましい幅W1は、40.0mm以下である。
【0042】
引張試験時に把持部16への応力集中を回避するとの観点から、第二把持部16bの幅W2は5.0mm以上が好ましく、8.0mm以上がより好ましく、10.0mm以上が特に好ましい。試験装置の巨大化を回避するとの観点から、好ましい幅W2は、40.0mm以下である。
【0043】
第一把持部16aの幅W1と第二把持部16bの幅W2とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。測定精度及び成形容易の観点から、幅W1及び幅W2が同じであることが好ましい。
【0044】
測定精度の観点から、試験片10の厚みtと試験部12の幅W0との比t/W0は、0.2以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.4以上が特に好ましい。破断点の位置が適正であるとの観点から、好ましい比t/W0は1.0以下である。
【0045】
この評価方法において、試験片10の厚みtは特に限定されない。好ましくは、厚みtは、比t/W0が前述した数値範囲を満たすように適宜設定される。測定精度及び成形容易との観点から、試験片10の厚みtは、0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましい。破断点の位置が適正であるとの観点から、好ましい厚みtは、3.0mm以下である。測定精度の観点から、均一な厚みtを有する試験片10が好ましい。
【0046】
図1に示される両矢印L0は、試験部12の長さである。一対の傾斜部14の長さが、それぞれ、両矢印L1及びL2として、図1に示されている。長さL0、L1及びL2は、それぞれ、鉛直方向において測定される。
【0047】
破断点の位置が適正であるとの観点から、長さL0と長さL1との比L0/L1は、0.5以上が好ましく、0.6以上がより好ましい。試験装置の巨大化を回避するとの観点から、好ましい比L0/L1は3.0以下である。
【0048】
破断点の位置が適正であるとの観点から、長さL0と長さL2との比L0/L2は、0.5以上が好ましく、0.6以上がより好ましい。試験装置の巨大化を回避するとの観点から、好ましい比L0/L2は3.0以下である。
【0049】
本発明の効果が阻害されない限り、比L0/L1と比L0/L2とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。測定精度及び成形容易との観点から、比L0/L1及び比L0/L2が同じであることが好ましい。
【0050】
この評価方法において、試験部12の長さL0に特に制限はない。好ましくは、長さL0は、比L0/L1及び比L0/L2が前述した数値範囲を満たすように適宜調整される。適正な破断点が得られるとの観点から、長さL0は6.0mm以上が好ましく、10.0mm以上がより好ましい。試験装置の巨大化を回避するとの観点から、好ましい長さL0は、60.0mm以下である。この試験片10を引張試験に供する場合、試験部12の長さL0が所謂標点間距離とされる場合がある。
【0051】
この評価方法において、長さL1及びL2は特に限定されない。好ましくは、長さL1及びL2は、比L0/L1及び比L0/L2が、それぞれ前述した数値範囲を満たすように適宜調整される。本発明の効果が阻害されない限り、長さL1と長さL2とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。測定精度及び成形容易との観点から、長さL1及び長さL2が同じであることが好ましい。
【0052】
破断点の位置が適正であるとの観点から、長さL1は3.0mm以上が好ましく、5.0mm以上がより好ましく、10.0mm以上が特に好ましい。試験装置の巨大化を回避するとの観点から、長さL1は70.0mm以下が好ましく、50.0mm以下がより好ましく、30.0mm以下が特に好ましい。
【0053】
破断点の位置が適正であるとの観点から、長さL2は3.0mm以上が好ましく、5.0mm以上がより好ましく、10.0mm以上が特に好ましい。試験装置の巨大化を回避するとの観点から、長さL2は70.0mm以下が好ましく、50.0mm以下がより好ましく、30.0mm以下が特に好ましい。
【0054】
この評価方法では、測定工程において、第一把持部16aに第一チャック18aが装着され、第二把持部16bに第二チャック18bが装着される。第一チャック18a及び第二チャック18bの装着位置は、同じであってもよく、異なっていてもよい。測定精度及び再現性の観点から、第一チャック18a及び第二チャック18bの装着位置が同じであることが好ましい。
【0055】
測定精度の観点から、第一チャック18aは、第一把持部16aの端部から、好ましくは15.0mm以上、より好ましくは16.0mm以上離れた位置に装着される。引張試験時の応力集中を回避するとの観点から、好ましくは、第一チャック18aは、第一把持部16aの端部からの距離が25.0mm以下の位置に装着される。
【0056】
測定精度の観点から、第二チャック18bは、第二把持部16bの端部から、好ましくは15.0mm以上、より好ましくは16.0mm以上離れた位置に装着される。引張試験時の応力集中を回避するとの観点から、好ましくは、第二チャック18bは、第二把持部16bの端部からの距離が25.0mm以下の位置に装着される。
【0057】
前述した通り、本発明に係る評価方法では、測定工程において、1m/s以上20m/s以下の引張速度で引張試験をおこなって、試験片10の破断時の伸びEB(%)を測定する。瞬間的な大きな破断を伴うチッピング現象を再現しやすいとの観点から、引張速度は2m/s以上が好ましく、5m/s以上がより好ましい。耐チッピング性に関する優劣の判定が容易であるとの観点から、引張速度は15m/s以下が好ましく、12m/s以下がより好ましい。本発明の効果が阻害されない限り、引張試験中の引張速度は、等速であってもよく、変動してもよい。変動する場合、前述した速度範囲内で、徐々に又は段階的に、増速又は減速することが好ましい。
【0058】
前述した引張速度による引張試験が可能であり、本発明の目的が達成される限り、引張試験機の種類及び構成は特に限定されない。測定精度及び再現性の観点から、恒温槽を備えた引張試験機が好ましい。恒温槽によって、引張試験中の試験片10を、所望の温度又は温度範囲に設定することができる。
【0059】
走行時のタイヤの表面温度を考慮すると、好ましい試験温度は-10℃以上150℃以下である。不整地走行中のタイヤ温度の観点から、試験温度は0℃以上がより好ましく、20℃以上が更に好ましく、50℃以上が特に好ましい。耐チッピング性に関する優劣の判定が容易であるとの観点から、試験温度は120℃以下がより好ましく、100℃以下が特に好ましい。
【0060】
本発明に係る評価方法において、引張試験に供された試験片10は、比D1/Dtが0.1以上0.9以下であり、かつ比D2/Dtが0.1以上0.9以下である位置で破断する。試験片10をなす加硫ゴムの配合、引張試験の測定条件等によって変動する場合があるが、比D1/Dtと比D2/Dtとの和は、概ね1である。
【0061】
破断点の位置が適正であり、耐チッピング性に関する市場評価との相関性が高い、との観点から、比D1/Dtは、0.2以上0.8以下が好ましく、0.3以上0.7以下がより好ましく、0.4以上0.6以下が特に好ましい。理想的な比D1/Dtは0.5である。
【0062】
破断点の位置が適正であり、耐チッピング性に関する市場評価との相関性が高い、との観点から、比D2/Dtは、0.2以上0.8以下が好ましく、0.3以上0.7以下がより好ましく、0.4以上0.6以下が特に好ましい。理想的な比D2/Dtは0.5である。
【0063】
瞬間的に生じる大きな破断を伴うチッピング現象を再現しやすいとの観点から、測定工程において、試験部12の伸長開始から破断までの時間は、500ミリ秒以下が好ましく、450ミリ秒以下がより好ましく、400ミリ秒以下が特に好ましい。耐チッピング性に関する優劣を判定しやすいとの観点から、好ましい破断時間は0.5ミリ秒以上である。
【0064】
本明細書において正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。本明細書において正規荷重とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
【実施例
【0065】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0066】
(加硫ゴムの製造)
[製造例A]
表1にAとして示された配合に従って、スチレンブタジエンゴム(JSR社製、SBR1502)、カーボンブラック(キャボットジャパン社製、ショウブラックN220)、シリカ(ソルベイジャパン社製、ZEOSIL 115GR)、カップリング剤(Evonik社、商品名「Si266」)、オイル(出光興産社製、ダイアナプロセスNH-60)、酸化亜鉛(東邦亜鉛社製、銀嶺R)、老化防止剤(大内新興化学工業社製、ノクラック6C)及びワックス(日本精蝋社製、オゾエース0355)を配合し、充填率58%となるように、容量1.7Lのバンバリーミキサー(神戸製鋼製)に投入した。投入された材料の温度が140℃に到達するまで、回転速度80rpmで、加熱しながら混練した。取り出した混練物に、1.4質量部の硫黄(鶴見化学工業社製、5%オイル含有粉末硫黄)と1.6質量部の加硫促進剤NS(大内新興化学工業社製、ノクセラーNS)とを添加し、オープンロールを用いて80℃で5分間混合することにより、未加硫ゴムを得た。得られた未加硫ゴムを160℃で20分間プレス加硫することにより、製造例Aの加硫ゴムを得た。製造例Aの加硫ゴムは、厚み2.0mmのシート状であった。
【0067】
[製造例B-H]
表1にB-Hとして示された配合とした以外は製造例Aと同様にして、製造例B-Hの加硫ゴムを得た。製造例B-Hの加硫ゴムは、全て厚み2.0mmのシート状であった。
【0068】
【表1】
【0069】
表1に記載された化合物の詳細は、以下の通りである。
SBR:JSR社のスチレンブタジエンゴム(結合スチレン量23.5質量%)、商品名「SBR1502」
カーボンブラック:キャボットジャパン社製の商品名「ショウブラックN220」(NSA=119m/g)
シリカ:ソルベイジャパン社の商品名「ZEOSIL 115GR」
カップリング剤:Evonik社のシランカップリング剤、商品名「Si266」
オイル:出光興産社製のプロセスオイル、商品名「ダイアナプロセスNH-60」
酸化亜鉛:東邦亜鉛社の商品名「銀嶺R」
老化防止剤:大内新興化学工業社のフェニレンジアミン系老化防止剤、商品名「ノクラック6C」(N-1,3-ジメチルブチル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
ワックス:日本精蝋社の商品名「オゾエース0355」
硫黄:鶴見化学工業社の可溶性粉末硫黄(オイル5質量%含有)
加硫促進剤NS:大内新興化学工業社の商品名「ノクセラーNS」(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド)
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業社製の商品名「ノクセラーD」(ジフェニルグアニジン)
【0070】
[実験1]
[実施例1]
(試験片の作成)
製造例A-Hの加硫ゴムから、図1として示される形状の試験片A-Hを各5枚作成した。試験片A-Hの作成には、打ち抜き刃を使用した。各試験片は全て同形状とし、比W0/W1及び比W0/W2は0.2、比L0/L1及び比L0/L2は0.8、比t/W0は0.4であった。各試験片の厚みtは2.0mm、試験片の長さLtは100mm、試験部の長さL0は20mm、試験部の幅W0は5mmとした。
【0071】
(高速引張試験)
実施例1では、高速引張試験機(島津製作所社製の「HITS-T10」)を用いて、試験片A-Hの破断伸びを測定した。測定時、各試験片の把持部の端部から15mm離れた位置にチャックを装着し、引張速度8.3m/s、温度75℃、標点間距離20mmで、高速引張試験をおこなった。各5枚測定したときの中央値が、表2にHS-EB(%)として示されている。なお、全ての試験片は、比D1/Dt及び比D2/Dtが0.1~0.9の範囲となる位置で破断した。各試験片の試験部の伸長開始から破断までの時間は10ミリ秒であった。
【0072】
[比較例1]
製造例A-Hの加硫ゴムから、比較試験片A-Hを各5枚作成した。比較試験片A-Hの形状及び大きさは、実施例1として前述した試験片A-Hと同じである。比較例1では、従来の引張試験機(島津製作所社製の「AG/IS」)を用いて比較試験片A-Hの破断伸びを測定した。測定条件は、JIS K6251に準拠し、引張速度0.5m/min、温度23℃、標点間距離20mmとした。各5枚測定したときの中央値が、表2にEB(%)として示されている。なお、全ての試験片は、比D1/Dt及び比D2/Dtが0.1~0.9の範囲となる位置で破断した。
【0073】
[参考例]
参考例では、実車走行試験をおこなって耐チッピング性を評価した。始めに、表1にA-Hとして示された配合に従って得られた未加硫ゴムを、トレッド用ゴムとして押出加工し、他のタイヤ部材とともにタイヤ成形機に投入し、通常用いられる方法により成形することで未加硫タイヤを形成した。得られた未加硫タイヤを加硫機中で加熱及び加圧することにより、サイズ285/60R18の空気入りタイヤA-Hを製造した。トレッドゴムの配合が異なる以外、タイヤA-Hの仕様は同じである。
【0074】
得られたタイヤA-Hを、それぞれ正規リムに組み込み、正規内圧にまで空気を充填した後、車両に装着して不整地を速度30km/時で4時間走行させた。走行後、タイヤ表面に発生した全ての亀裂について、その周方向長さを計測し、各タイヤについて周方向長さの最大値を求めた。タイヤCについて得られた値を100としたときの指数が、Index(C)として表2に示されている。Index(C)の数値が大きいほど、亀裂が小さく、耐チッピング性に優れていることを意味する。
【0075】
【表2】
【0076】
表2に示される通り、実施例1で得られた破断伸びHS-EB(%)が大きいほど、参考例で得られたIndex(C)が高く、その相関係数も非常に高い。一方、比較例1では、破断伸びEB(%)とIndex(C)との大小関係が逆転しており、その相関係数が負の値を示した。
【0077】
表2に示された評価結果から、ある程度大きな欠損を伴うチッピングに関する走行試験結果が、従来の引張試験で得られた比較例1の破断伸びには正しく反映されず、実施例1の評価方法で得られた破断伸びには正しく反映されていることがわかる。従って、実施例1の評価方法で得られる破断伸びを指標とすることで、大きな欠損を伴う場合も含めて、タイヤの耐チッピング性を、高い精度で予測できることがわかる。
【0078】
[実験2]
表3にS1-S7として示された仕様に従って、製造例Aの加硫ゴムから試験片A(S1)-A(S7)を各5枚作成した。試験片の作成には、打ち抜き刃を使用した。続いて、高速引張試験機(島津製作所社製の「HITS-T10」)を用いて、試験片A(S1)-A(S7)の破断伸びを測定した。測定時、試験片の把持部の端部から15mm離れた位置にチャックを装着した。標点間距離は、各試験片の試験部の長さL0(mm)とした。引張速度8.3m/s、温度75℃で高速引張試験をおこなって、破断時の比D1/Dt及び比D2/Dtと、破断伸びを記録した。
【0079】
続いて、製造例B-Hの加硫ゴムを用いた以外は同様にして高速引張試験をおこない、破断時の比D1/Dt及び比D2/Dtと、破断伸びを記録した。
【0080】
【表3】
【0081】
[実施例2]
各5枚の試験片A(S1)-A(S7)について得られた高速引張試験結果から、比D1/Dt及び比D2/Dtが0.1以上のときの破断伸びHS-EB(%)を選択し、その平均値を算出した。同様にして、製造例B-Hの加硫ゴムから作成した試験片について、それぞれ、比D1/Dt及び比D2/Dtが0.1以上のときの破断伸びHS-EB(%)の平均値を算出した。
【0082】
製造例A-Hについて得られた破断伸びHS-EB(%)の平均値が大きいほど、[実験1]の参考例で得られたIndex(C)が高く、その相関係数Rは0.78であった。
【0083】
[比較例2]
各5枚の試験片A(S1)-A(S7)について得られた高速引張試験結果から、比D1/Dt及び比D2/Dtのいずれかが0.1未満のときの破断伸びHS-EB(%)を選択し、その平均値を算出した。同様にして、製造例B-Hの加硫ゴムから作成した試験片について、それぞれ、比D1/Dt及び比D2/Dtのいずれかが0.1未満のときの破断伸びHS-EB(%)の平均値を算出した。
【0084】
製造例A-Hについて得られた破断伸びHS-EB(%)の平均値は、[実験1]の参考例で得られたIndex(C)とは明確な相関性がなく、その相関係数Rは0.13であった。
【0085】
実施例2で得られた破断伸びHS-EB(%)は、比較例2と比べて、参考例で得られたIndex(C)と有意に高い相関性を示した。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上説明された方法は、ゴム組成物を加硫してなる各種部材の物性評価方法として適用されうる。
【符号の説明】
【0087】
10・・・試験片
12・・・試験部
14・・・傾斜部
16・・・把持部
16a・・・第一把持部
16b・・・第二把持部
18・・・チャック
18a・・・第一チャック
18b・・・第二チャック
図1
図2
図3