(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20220628BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220628BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20220628BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
B41J29/38
G06Q10/02 300
(21)【出願番号】P 2018140333
(22)【出願日】2018-07-26
【審査請求日】2021-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115129
【氏名又は名称】清水 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】榎本 尚之
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-011698(JP,A)
【文献】特開2012-146291(JP,A)
【文献】特開2017-216658(JP,A)
【文献】特開平09-186803(JP,A)
【文献】米国特許第05933686(US,A)
【文献】特開平08-016086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G06Q 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
締切日時を設定する設定手段と、
処理内容から、画像読込装置と、該画像読込装置と通信可能な処理装置での処理に要する時間を算出する算出手段と、
前記締切日時と前記
算出手段によって算出された時間を用いて、複数人で共有して利用される画像読込装置を利用する最遅開始日時を決定する決定手段と、
前記最遅開始日時にしたがって、前記画像読込装置の予約を行う予約手段
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記処理の対象は、講義に関する文書であり、
前記設定手段は、処理対象における講義が次回行われる日時を用いて締切日時を設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定手段は、処理結果を受講者に返却する必要がある場合は、ユーザーの講義スケジュールから前記講義が次回行われる日時を取得する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記算出手段は、前記画像読込装置による処理時間、該画像読込装置による操作者による操作処理時間、該画像読込装置と前記処理装置との通信時間、該処理装置での処理時間を少なくとも含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記算出手段は、処理対象である画像のサイズとページ数を用いて、前記画像読込装置による処理時間、該画像読込装置と前記処理装置との通信時間、該処理装置での処理時間を算出し、処理対象である画像のページ数を用いて、該画像読込装置による操作者による操作処理時間を算出する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
締切日時を設定する設定手段と、
処理内容から、画像読込装置と、該画像読込装置と通信可能な処理装置での処理に要する時間を算出する算出手段と、
前記締切日時と前記
算出手段によって算出された時間を用いて、複数人で共有して利用される画像読込装置を利用する最遅開始日時を決定する決定手段と、
前記最遅開始日時にしたがって、前記画像読込装置の予約を行う予約手段
として機能させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置、特にその複写機能を使おうとしたときに、既に使用中だった場合に、前記画像形成装置の傍で使用終了まで待つ必要をなくすことを課題とし、電子メールを受信し、受信メールが予約メールであった場合、画像形成装置が待機状態になった時点で、オペポートに予約状態である旨を表示し、利用者制限(コードによる装置のロック)を行い、そして、利用者制限が解除された時点で処理を終えることが開示されている。
【0003】
特許文献2には、使用時間帯を予約登録できる画像形成装置における占有設定と複数ユーザーの操作性の両立を可能とする画像形成装置を提供することを課題とし、使用時間帯を予約登録できる画像形成装置であって、複数のユーザーが同じ時間帯に使用予約を入れてもその予約を受け付ける一方、同じ時間帯の使用予約を受け入れることに伴って生じる注意事項(予約時間帯にジョブを終了させられないといった注意事項)について予めユーザーに通報し、これらにより画像形成装置の占有設定と複数ユーザーの操作性の両立を可能とすることが開示されている。
【0004】
特許文献3には、ユーザーが、サービス提供者の予約を取る操作を行うことなく、イベントに備えて事前に予約を取ることができる予約支援方法を提供することを課題とし、日時別にユーザーの複数のイベントが登録されたユーザースケジュール情報と、所定のサービスを提供する施設の空き時間が登録された施設スケジュール情報と、複数のイベントのうち所定のイベントと施設との対応関係を示す情報を取得し、ユーザースケジュール情報を用いて、所定のイベントの日時より前で、かつ、現在時刻より後の第1空き時間を検出し、施設スケジュール情報と対応関係を示す情報を用いて、第1空き時間と、所定のイベントに対応する第1施設の空き時間である第2空き時間とが共通する時間帯を検出し、共通する時間帯における施設の一次予約をし、一次予約をユーザーに提示するための提示情報を生成し、提示情報をユーザーの端末装置へ送信することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-198957号公報
【文献】特開2011-087201号公報
【文献】特開2015-195015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数人で共有して利用される画像読込装置を利用する場合に、その画像読込装置を予約することが行われる。しかし、単に画像読込装置だけでの処理ではなく、画像読込装置による処理と、他の処理装置で処理を行う必要がある場合、予約された日時では処理が締切日時に間に合わないことが発生してしまう。
本発明は、複数人で共有して利用される画像読込装置の予約をするにあたって、画像読込装置による処理だけでなく、他の処理装置で処理を行う必要がある場合であっても、締切日時に間に合わなくなる予約をしてしまうことを防ぐことができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。なお、以下の「請求項」とあるのは、出願当初の請求項である。
請求項1の発明は、締切日時を設定する設定手段と、処理内容から、画像読込装置と、該画像読込装置と通信可能な処理装置での処理に要する時間を算出する算出手段と、前記締切日時と前記処理時間を用いて、複数人で共有して利用される画像読込装置を利用する最遅開始日時を決定する決定手段と、前記最遅開始日時にしたがって、前記画像読込装置の予約を行う予約手段を有する情報処理装置である。
【0008】
請求項2の発明は、前記処理の対象は、講義に関する文書であり、前記設定手段は、処理対象における講義が次回行われる日時を用いて締切日時を設定する、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0009】
請求項3の発明は、前記設定手段は、処理結果を受講者に返却する必要がある場合は、ユーザーの講義スケジュールから前記講義が次回行われる日時を取得する、請求項2に記載の情報処理装置である。
【0010】
請求項4の発明は、前記算出手段は、前記画像読込装置による処理時間、該画像読込装置による操作者による操作処理時間、該画像読込装置と前記処理装置との通信時間、該処理装置での処理時間を少なくとも含む、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0011】
請求項5の発明は、前記算出手段は、処理対象である画像のサイズとページ数を用いて、前記画像読込装置による処理時間、該画像読込装置と前記処理装置との通信時間、該処理装置での処理時間を算出し、処理対象である画像のページ数を用いて、該画像読込装置による操作者による操作処理時間を算出する、請求項4に記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項6の発明は、コンピュータを、締切日時を設定する設定手段と、処理内容から、画像読込装置と、該画像読込装置と通信可能な処理装置での処理に要する時間を算出する算出手段と、前記締切日時と前記処理時間を用いて、複数人で共有して利用される画像読込装置を利用する最遅開始日時を決定する決定手段と、前記最遅開始日時にしたがって、前記画像読込装置の予約を行う予約手段として機能させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の情報処理装置によれば、複数人で共有して利用される画像読込装置の予約をするにあたって、画像読込装置による処理だけでなく、他の処理装置で処理を行う必要がある場合であっても、締切日時に間に合わなくなる予約をしてしまうことを防ぐことができる。
【0014】
請求項2の情報処理装置によれば、締切日時として、処理対象における講義が次回行われる日時を用いることができる。
【0015】
請求項3の情報処理装置によれば、処理結果を受講者に返却する必要がある場合は、締切日時として、ユーザーの講義スケジュール内の講義が次回行われる日時を用いることができる。
【0016】
請求項4の情報処理装置によれば、処理に要する時間として、画像読込装置による処理時間、その画像読込装置による操作者による操作処理時間、その画像読込装置と処理装置との通信時間、その処理装置での処理時間を少なくとも含めて算出することができる。
【0017】
請求項5の情報処理装置によれば、画像読込装置による処理時間、その画像読込装置と処理装置との通信時間、その処理装置での処理時間については、画像のサイズとページ数を用いて算出し、画像読込装置による操作者による操作処理時間については、画像のページ数を用いて算出することができる。
【0018】
請求項6の情報処理プログラムによれば、複数人で共有して利用される画像読込装置の予約をするにあたって、画像読込装置による処理だけでなく、他の処理装置で処理を行う必要がある場合であっても、締切日時に間に合わなくなる予約をしてしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【
図2】本実施の形態(画像処理装置利用スケジュールモジュール)の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【
図3】本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
【
図4】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図5】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図6】講義日時情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図7】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図8】テスト情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図9】本実施の形態が対象とするフォームの例を示す説明図である。
【
図10】画像処理装置処理時間テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図11】授業支援処理装置処理時間テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図12】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
【
図13】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
【
図14】予約情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図15】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図16】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図17】本実施の形態による教員メニュー画面の表示例を示す説明図である。
【
図18】本実施の形態による集計結果ファイルの表示例を示す説明図である。
【
図19】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係、ログイン等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0021】
本実施の形態である授業支援処理装置130(処理装置の一例)は、授業の支援を行うものであって、
図1の例に示すように、画像処理装置100と授業管理装置180に接続されている。また、画像処理装置利用スケジュールモジュール160は、画像処理装置100(画像読込装置の一例)の利用の予約を行うものである。
図1の例では、画像処理装置利用スケジュールモジュール160を、授業支援処理装置130の一部の構成として説明するが、画像処理装置100又は授業管理装置180の一部の構成としてもよいし、また、通信回線198を介して画像処理装置100、授業支援処理装置130、授業管理装置180と接続されている装置(画像処理装置100、授業支援処理装置130、授業管理装置180以外の装置)の一部の構成としてもよい。
ユーザーが画像処理装置100を介して、授業管理装置180を利用しようとする場合、授業支援処理装置130がその間を仲介する。具体的には、画像処理装置100で答案用紙(テスト用紙、レポート等を含む)、出席票等の紙文書をスキャンし、授業支援処理装置130は、その画像を授業管理装置180に登録する。画像処理装置100として、複写機、ファクシミリ、スキャナー、複合機(スキャナー、プリンター、複写機、ファクシミリ等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)等が該当する。以下、例示する場合は、少なくともスキャナーの機能を有している複合機を用いて説明する。また、授業管理装置180として、いわゆる学習支援システム(LMS:Learning Management System)等が該当する。
また、画像処理装置100と授業支援処理装置130を合わせたシステム全体を、画像処理装置100としてもよい。例えば、授業支援処理装置130を画像処理装置100に組み込んでもよい。つまり、画像処理装置100が、授業支援処理装置130を含む構成としてもよい。
【0022】
画像処理装置100、授業支援処理装置130、授業管理装置180のシステムは、テスト、レポート、出席票等の紙文書を画像処理装置100でスキャンし、授業管理装置180に登録することを行う。例えば、専用フォーム(フォーマット、ひな型等)から作成した答案用紙を講義で使用して、採点結果を画像処理装置100でスキャンすると、授業管理装置180にアップロードされる。授業支援処理装置130は、所定の記入欄に手書きで記入した得点や学籍番号を文字認識処理で読み取り、学生毎の得点、採点された答案用紙の画像をその学籍番号に対応する授業管理装置180内の格納場所に登録したり、得点一覧を作成したりする。
また、授業支援処理装置130は、画像処理装置100と授業管理装置180の単なる仲介ではなく、画像処理装置100から受け取った画像(答案用紙等のスキャン画像)内の文字画像(手書き文字等)を文字認識し、その結果に応じて、授業管理装置180への格納場所を異ならせることを行ってもよい。例えば、学生(答案用紙を記載した者の一例)毎に、授業管理装置180内にフォルダーが設定されており、学生は、そのフォルダーの文書を閲覧することができる。採点後の答案用紙を画像処理装置100でスキャンし、授業支援処理装置130で、答案用紙内に記載された学籍番号(答案用紙を記載した者を識別する文字の一例)を文字認識して、授業管理装置180内の学籍番号に対応するフォルダーに格納するようにしてもよい。また、答案用紙内に記載された得点(採点結果の一例であって、点数ともいわれる)を文字認識し、平均点の算出、ソート等を行って、採点を行った教師等に一覧として提示するようにしてもよい。
また、授業支援処理装置130は、画像処理装置100と授業管理装置180のアカウントの関連付けを行う。具体的には、授業支援処理装置130は、画像処理装置100と授業管理装置180のそれぞれのアカウントの関連付けを行っておく。そして、授業支援処理装置130は、画像処理装置100にユーザーがログインすると、そのユーザーに関連付けられた授業管理装置180のアカウントが選択され、前述したように、そのアカウントが参加している授業管理装置180上の講義にスキャン結果を登録することができる。
【0023】
教員が解答済みの答案用紙を回収し、採点後、画像処理装置100でスキャンすることで、授業支援処理装置130と授業管理装置180は、得点一覧表を作成するとともに、各学生に電子メール等を用いて結果を返却する。
このような画像処理装置100、授業支援処理装置130、授業管理装置180による連携システムにおいて、授業管理装置180に登録した時刻情報(教員の講義スケジュール)と、連携システム側での処理時間を加味した上で、画像処理装置100の利用予約を自動的に行う。
具体的には、教員が課題を登録する際指定した時刻情報と、答案用紙の内容から予測した画像処理装置100と授業支援処理装置130による処理時間をもとに、画像処理装置100の利用予約を行う。これによって、教員の業務締切、学生への返却期限に間に合うように、連携システムを運用することができるようになる。
【0024】
画像処理装置100は、認証モジュール105、授業支援サービス操作モジュール110、プリントモジュール115、スキャンモジュール120を有している。画像処理装置100は、DB125と接続されており、また、通信回線198を介して授業支援処理装置130、授業管理装置180と接続されている。
認証モジュール105は、授業支援サービス操作モジュール110と接続されている。認証モジュール105は、画像処理装置100を利用するユーザーを認証する。例えば、ICカード内のデータ(ユーザーID等)を読み込んで認証を行ってもよいし、ユーザーIDとパスワードをユーザーに入力させて認証してもよいし、ユーザーの生体情報を入力して認証してもよい。
【0025】
授業支援サービス操作モジュール110は、認証モジュール105、プリントモジュール115、スキャンモジュール120、授業支援処理装置130と接続されている。授業支援サービス操作モジュール110は、授業管理装置180を利用するためのユーザーの操作を受け付ける。例えば、答案用紙の作成操作、その答案用紙(解答、採点済みの答案用紙)の読取操作等を受け付ける。この読取操作によって、例えば、スキャンモジュール120でスキャンした答案用紙の画像(学生番号欄、採点結果欄等内の画像)を文字認識し、答案用紙の画像、文字認識した採点結果等を授業管理装置180に格納させる。
また、授業支援サービス操作モジュール110は、授業支援処理装置130の画像処理装置利用スケジュールモジュール160から画像処理装置100を利用する時間帯の予約を受け付ける。また、授業支援サービス操作モジュール110は、利用者の操作にしたがって、予約した時間帯の変更、予約の削除等を行うようにしてもよい。そして、授業支援サービス操作モジュール110は、該当予約時間帯であれば、その時間帯の予約者にのみ利用を許可する(その利用者以外のログイン、利用を許可しない)ようにしてもよい。
プリントモジュール115は、授業支援サービス操作モジュール110と接続されている。プリントモジュール115は、答案用紙等の文書データを印刷する。
【0026】
スキャンモジュール120は、授業支援サービス操作モジュール110と接続されている。スキャンモジュール120は、文書をスキャンし、その文書の画像を生成する。読み取る文書として、例えば、採点済みの答案用紙等がある。採点済みの答案用紙を読み取った場合は、授業支援処理装置130の画像処理モジュール150に渡す。
DB125は、画像処理装置100と接続されている。DB125は、画像処理装置100の処理に必要なデータを記憶している。例えば、認証用のユーザー情報、スキャンモジュール120がスキャンした文書の画像、プリントモジュール115が印刷する答案用紙等の文書データ等がある。
【0027】
授業支援処理装置130は、アカウント連携モジュール135、教員情報取得モジュール140、画像処理モジュール150、授業スケジュール取得モジュール155、画像処理装置利用スケジュールモジュール160を有している。授業支援処理装置130は、画像処理装置100の授業支援サービス操作モジュール110、DB170と接続されており、また、通信回線198を介して画像処理装置100、授業管理装置180と接続されている。
【0028】
アカウント連携モジュール135は、教員情報取得モジュール140、画像処理装置利用スケジュールモジュール160と接続されている。アカウント連携モジュール135は、画像処理装置100のユーザーと授業管理装置180のユーザー(アカウント)を連携させることを行う。例えば、画像処理装置100でログインしたユーザーは、授業管理装置180で登録されているかを確認し、授業管理装置180にログインさせるようにしてもよい。なお、授業管理装置180で登録されているかの確認は、教員情報取得モジュール140によって授業管理装置180から取得したデータ(授業管理装置180のアカウントデータに関するデータ)と、画像処理装置100にログインしているユーザーのデータを照合することによって行う。また、画像処理装置100と授業管理装置180の間でアカウントを連携させることによって、画像処理装置100上での操作で、授業支援処理装置130を介して、授業管理装置180を利用することができるようになる。
教員情報取得モジュール140は、アカウント連携モジュール135、画像処理装置利用スケジュールモジュール160、授業管理装置180のユーザー管理モジュール185と接続されている。教員情報取得モジュール140は、授業管理装置180のアカウントデータに関するデータを、授業管理装置180から取得し、アカウント連携モジュール135に渡す。
【0029】
画像処理モジュール150は、画像処理装置利用スケジュールモジュール160と接続されている。画像処理モジュール150は、画像処理装置100のスキャンモジュール120によってスキャンされた文書の画像に対する処理(文字認識、情報を示す画像の解析処理等)を行う。
画像処理モジュール150は、画像処理装置100のスキャンモジュール120によってスキャンされた文書の画像に対して文字認識を行う。文字認識は、既存の文字認識技術(特に、手書き文字認識)を用いればよい。文書として、採点後の答案用紙としてもよい。この場合、画像処理モジュール150は、答案用紙を記載した者を識別する文字(例えば、学籍番号等)と採点結果(例えば、得点等)を文字認識する。例えば、学籍番号、得点が記載された領域の位置が予め定められており、その領域から画像を抽出して、文字認識を行う。
また、画像処理モジュール150は、情報を示す画像の解析処理を行う。例えば、QRコード(登録商標)の解析を行い、QRコードに埋め込まれている情報(答案用紙における講義、課題等)を抽出する。
【0030】
また、画像処理モジュール150は、文字認識結果を授業管理装置180に格納する。画像処理モジュール150は、授業管理装置180における答案用紙を記載した者毎の格納場所に、採点結果を格納する。例えば、学籍番号別に用意された格納場所に得点を格納する。
また、画像処理モジュール150は、授業管理装置180内の答案用紙を記載した者毎の格納場所に、さらに、「採点後の答案用紙の画像」を格納するようにしてもよい。したがって、学生は、答案用紙、採点結果を閲覧することができるようになる。
【0031】
授業スケジュール取得モジュール155は、画像処理装置利用スケジュールモジュール160、授業管理装置180のコンテンツ管理モジュール190と接続されている。授業スケジュール取得モジュール155は、画像処理装置100の予約処理において対象となっている利用者(教員)の講義スケジュールを授業管理装置180のコンテンツ管理モジュール190から取得し、画像処理装置利用スケジュールモジュール160に渡す。
【0032】
画像処理装置利用スケジュールモジュール160は、アカウント連携モジュール135、教員情報取得モジュール140、画像処理モジュール150、授業スケジュール取得モジュール155と接続されている。画像処理装置利用スケジュールモジュール160は、締切時刻情報と処理内容から予測した処理時間とから、最遅処理開始時刻を求め、画像処理装置100の予約を行い、利用者(教員)に電子メール等で通知する。画像処理装置利用スケジュールモジュール160が行う処理の詳細については、
図2に示す例を用いて後述する。なお、通知として、電子メール以外に、例えば、チャット、電子掲示板、ソーシャルメディアを用いた通知、プッシュ通知、自動音声応答による電話発信等があり、電話発信として、例えば、Lync(登録商標)等を用いて行えばよい。
【0033】
DB170は、授業支援処理装置130と接続されている。DB170は、授業支援処理装置130の処理に必要なデータを記憶している。例えば、ユーザー情報(特に、画像処理装置100におけるアカウントと授業管理装置180におけるアカウントとの関連付けに関わる情報)、画像処理装置100の利用予約情報、画像処理装置100が読み込んだ答案用紙の画像(文字認識対象である文書の画像)、文字認識結果等がある。
【0034】
授業管理装置180は、ユーザー管理モジュール185、コンテンツ管理モジュール190を有している。授業管理装置180は、DB195と接続されており、また、通信回線198を介して画像処理装置100、授業支援処理装置130と接続されている。
ユーザー管理モジュール185は、コンテンツ管理モジュール190、授業支援処理装置130の教員情報取得モジュール140と接続されている。ユーザー管理モジュール185は、授業管理装置180のアカウントを管理する。例えば、教員、学生等のアカウントの管理をする。具体的には、教員用端末350、学生用端末360から通信回線198を介して、教員、学生がログインすること、又は、画像処理装置100のアカウントと共通する場合は、授業支援処理装置130を仲介して、画像処理装置100から授業管理装置180を利用することを許可すること等を行う。
【0035】
コンテンツ管理モジュール190は、ユーザー管理モジュール185、授業支援処理装置130の授業スケジュール取得モジュール155と接続されている。コンテンツ管理モジュール190は、教員の講義スケジュール、講義に用いられるコンテンツの管理を行う。例えば、コンテンツとして、答案用紙のフォーム、授業支援処理装置130から受け取った採点後の答案用紙の画像、その答案用紙の得点等がある。コンテンツ管理モジュール190は、答案用紙を記載した者(具体的には、学生)に、文字認識結果(具体的には、得点)、採点後の答案用紙の画像の閲覧を許可する。
DB195は、授業管理装置180と接続されている。DB195は、授業管理装置180の処理に必要なデータを記憶している。例えば、ユーザー情報、講義スケジュール、講義・課題情報、授業支援処理装置130から受け取った採点結果、答案用紙の画像等がある。
【0036】
図2は、本実施の形態(画像処理装置利用スケジュールモジュール160)の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
画像処理装置利用スケジュールモジュール160は、締切設定モジュール205、処理時間算出モジュール210、開始日時決定モジュール215、予約モジュール220を有している。
締切設定モジュール205は、締切日時を設定する。例えば、締切設定モジュール205は、利用者の画像処理装置100に対する操作にしたがって、締切日時を設定してもよい。
また、締切設定モジュール205は、処理の対象が講義に関する文書である場合は、処理対象における講義が次回行われる日時を用いて締切日時を設定するようにしてもよい。
ここで「講義に関する文書」として、例えば、試験の採点済み解答用紙等がある。そして、その場合の「処理対象における講義」とは、その試験が行われた科目における講義である。「講義が次回行われる日時」としているのは、採点結果を次回の講義に渡すのが一般的であるからである。
さらに、締切設定モジュール205は、処理結果を受講者に返却する必要がある場合は、ユーザーの講義スケジュールから講義が次回行われる日時を取得するようにしてもよい。
ここで「受講者」は、前述した例では、採点済み解答用紙を返却される者(解答者である学生)である。そして、「ユーザー」は、採点者(講義者であって、一般的には教員)である。
【0037】
処理時間算出モジュール210は、処理内容から、画像処理装置100と、その画像処理装置100と通信可能な授業支援処理装置130での処理に要する時間を算出する。
また、処理時間算出モジュール210は、画像処理装置100による処理時間、画像処理装置100による操作者による操作処理時間、画像処理装置100と授業支援処理装置130との通信時間、授業支援処理装置130での処理時間を少なくとも含むようにしてもよい。
さらに、処理時間算出モジュール210は、処理対象である画像のサイズとページ数を用いて、画像処理装置100による処理時間、画像処理装置100と授業支援処理装置130との通信時間、授業支援処理装置130での処理時間を算出し、処理対象である画像のページ数を用いて、画像処理装置100による操作者による操作処理時間を算出するようにしてもよい。
【0038】
開始日時決定モジュール215は、締切設定モジュール205によって設定された締切日時と処理時間算出モジュール210によって算出された処理時間を用いて、画像処理装置100を利用する最遅開始日時を決定する。ここで「最遅開始日時」とは、締切日時前に必要とする処理を完了させるための時間を確保するための日時である。
予約モジュール220は、開始日時決定モジュール215によって決定された最遅開始日時にしたがって、画像処理装置100の予約を行う。例えば、
図14を用いて後述する予約情報テーブル1400に、必要となる情報を設定する。そして、その予約内容を対象となっている画像処理装置100に送信し、受信した画像処理装置100では予約処理を行う。また、予約された旨を利用者に電子メール等で通知するようにしてもよい。
また、授業支援処理装置130においても、予約された時間帯(予約時間)は、その予約が行われた利用者のみが、ログインできるようにしてもよい。なお、その利用者による処理が終了した場合は、予約時間内であっても、他の利用者のログインを許可する。
【0039】
図3は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
画像処理装置100A、画像処理装置100B、授業支援処理装置130、授業管理装置180、教員用端末350A、教員用端末350B、教員用端末350C、学生用端末360A、学生用端末360B、学生用端末360Cは、通信回線198を介してそれぞれ接続されている。通信回線198は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。また、授業支援処理装置130、授業管理装置180による機能は、クラウドサービスとして実現してもよい。また、画像処理装置100は、個人専用のものではなく、複数人の教員300によって共有して利用されるものである。
なお、画像処理装置利用スケジュールモジュール160は、授業支援処理装置130以外に、画像処理装置100又は授業管理装置180にインストール(設定)されていてもよい。
【0040】
例えば、教員300は、学生に対して講義、試験等を行う。試験として、答案用紙を画像処理装置100で印刷し、それを学生に配布して解答させる。教員300は、学生による記入後の答案用紙を回収し、採点する。そして、採点後の答案用紙を画像処理装置100でスキャンし、授業管理装置180が、採点結果を各学生に電子メール等で通知する。なお、学籍番号、採点結果である点数は、手書きで行われている。そのため、授業支援処理装置130で、画像処理装置100がスキャンした画像を受け取り、学籍番号、採点結果の領域内の画像を文字認識し、その結果(テキストデータである学籍番号と採点結果の対応)と採点結果の答案用紙の画像とを授業管理装置180に送信する。授業管理装置180は、採点結果の答案用紙の画像を学籍番号に対応させたフォルダーに格納し、採点結果の統計処理(例えば、ソートによる順位付け、平均点、最高点、最低点等の抽出)、その統計処理の結果を教員300(教員用端末350)に電子メール等で送信し、また学生(学生用端末360)に対しては、採点が終了し、採点結果の答案用紙の画像がフォルダーに格納されたことを電子メール等で通知する等の処理を行う。
【0041】
一般的に、試験を行った後、次回の講義で講評等を行うために、その次回の講義までに学生に採点結果を通知する必要がある。また、採点時間が必要であるため、次回の講義前には、画像処理装置100での教員300によるスキャン処理が混み合うことが予想される。さらに、画像処理装置100でのスキャン処理、授業支援処理装置130での文字認識の画像処理等に処理時間を要するため、締切り日時の直前にスキャン処理が行われても、学生に採点結果を通知することができない場合が生じる。そこで、本実施の形態によって、締切日時までに処理が完了するように、事前に画像処理装置100の予約を行うようにしている。その予約処理には、画像処理装置100での処理時間、授業支援処理装置130での処理時間が勘案されて行われることになる。
【0042】
図4は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS402では、対象とする教員300を設定する。予め定められた順番で教員300を設定してもよいし、次回の講義が行われる日時が近い順に教員300を設定してもよい。
ステップS404では、締切設定モジュール205は、締切日時を設定する。ステップS404の詳細な処理については、
図5の例に示すフローチャートを用いて後述する。
ステップS406では、処理時間算出モジュール210は、処理時間を算出する。ステップS406の詳細な処理については、
図7の例に示すフローチャートを用いて後述する。
ステップS408では、開始日時決定モジュール215は、予約時間帯の開始日時を決定する。
ステップS410では、処理時間算出モジュール210は、予約処理を行う。
図14の例に示す予約情報テーブル1400を用いて後述する。
【0043】
図5は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図4の例に示したフローチャート内のステップS404の詳細処理例を示すものである。
ステップS502では、教員300の講義スケジュールを取得する。例えば、講義日時情報テーブル600から、対象となっている教員300の講義スケジュールを取得する。
図6は、講義日時情報テーブル600のデータ構造例を示す説明図である。講義日時情報テーブル600は、教員ID欄605、講義日程欄610を有しており、講義日程欄610は、講義名欄615、回数欄620、日時欄625、予約履修学生数欄630、実績履修学生数欄635を有している。教員ID欄605は、本実施の形態において、教員を一意に識別するための情報(教員ID:IDentification)を記憶している。講義日程欄610は、その教員の講義日程を記憶している。講義名欄615は、講義名を記憶している。回数欄620は、その講義における回数(何回目)を記憶している。日時欄625は、その講義が行われる日時を記憶している。予約履修学生数欄630は、その講義の履修を予約している学生数を記憶している。実績履修学生数欄635は、その日時に行われた講義を履修(出席)した学生数の実績を記憶している。なお、実績履修学生数欄635内の値は、その講義が終了した後に記入されることになる。
【0044】
ステップS504では、次回の講義日時を抽出する。例えば、講義日時情報テーブル600の次回の日時欄625内の日時を抽出すればよい。
ステップS506では、次回の講義日時を抽出できたか否かを判断し、抽出できた場合はステップS510へ進み、それ以外の場合はステップS508へ進む。
ステップS508では、教員300に締切日時の問い合わせ処理を行う。例えば、電子メール等で問い合わせてもよいし、その教員300が画像処理装置100を利用した際に画像処理装置100のパネルに問い合わせてもよいし、教員300が使用するシステムから問い合わせを行うようにしてもよい。もちろんのことながら、問い合わせには、教員300の操作による締切日時の入力を含む。
ステップS510では、締切日時を設定する。
【0045】
図7は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図4の例に示したフローチャート内のステップS406の詳細処理例を示すものである。
ステップS702では、処理内容を抽出する。対象となっている教員300に対応して定められている処理内容を抽出する。例えば、テスト情報テーブル800から処理内容を抽出する。
図8は、テスト情報テーブル800のデータ構造例を示す説明図である。テスト情報テーブル800は、教員ID欄805、回数欄810、フォーム欄815、用紙サイズ欄820、ページ数欄825、返却要否欄830を有している。教員ID欄805は、教員IDを記憶している。回数欄810は、その教員が担当している講義における回数(何回目)を記憶している。フォーム欄815は、その講義で用いた答案用紙のフォームの種類を記憶している。用紙サイズ欄820は、その答案用紙の用紙サイズ(A4、B4等)を記憶している。ページ数欄825は、その答案用紙のページ数を記憶している。返却要否欄830は、その答案用紙は返却要であるか返却不要であるかの情報(フラグ)を記憶している。
【0046】
例えば、答案用紙のフォームの種類として、
図9の例に示すものがある。
図9は、本実施の形態が対象とするフォームの例を示す説明図である。
テスト用(標準)フォーム910は、QRコード、採点結果欄、学籍番号欄、氏名欄、日時欄、科目欄、所属欄、担当教員欄を有している。
テスト用(部分点付)フォーム920は、採点結果欄、学籍番号欄、氏名欄、日時欄、科目欄、所属欄、担当教員欄、部分点欄を有している。
テスト用(記入欄付)フォーム930は、ページ番号欄、採点結果欄、学籍番号欄、氏名欄、日時欄、科目欄、所属欄、担当教員欄、記入欄を有している。
期末テスト用フォーム940は、ページ番号欄、試験月日欄、科目欄、担当教員欄、得点欄、所属欄、学籍番号欄、氏名欄、参照可否欄、電卓使用可否欄、授業コード欄、試験時間欄、備考欄を有している。
【0047】
ステップS704では、画像処理装置100での処理時間を算出する。例えば、画像処理装置100による処理時間、画像処理装置100による操作者による操作処理時間、画像処理装置100と授業支援処理装置130との通信時間が含まれる。より具体的には、処理対象である画像のサイズとページ数を用いて、画像処理装置100による処理時間、画像処理装置100と授業支援処理装置130との通信時間を算出する。そして、処理対象である画像のページ数を用いて、画像処理装置100による操作者による操作処理時間を算出する。例えば、画像処理装置処理時間テーブル1000を生成する。
図10は、画像処理装置処理時間テーブル1000のデータ構造例を示す説明図である。画像処理装置処理時間テーブル1000は、画像処理装置ID欄1005、教員ID欄1010、スキャン時間欄1015、転送処理時間欄1020、操作時間欄1025、合計時間欄1030を有している。画像処理装置ID欄1005は、本実施の形態において、画像処理装置100を一意に識別するための情報(画像処理装置ID)を記憶している。教員ID欄1010は、その画像処理装置100を利用する教員300の教員IDを記憶している。スキャン時間欄1015は、その画像処理装置100におけるスキャン時間を記憶している。転送処理時間欄1020は、その画像処理装置100における転送処理時間を記憶している。操作時間欄1025は、その画像処理装置100における教員300の操作時間を記憶している。合計時間欄1030は、スキャン時間と転送処理時間と操作時間との合計時間を記憶している。
【0048】
ステップS706では、授業支援処理装置130での処理時間を算出する。例えば、処理対象である画像のサイズとページ数を用いて、授業支援処理装置130での処理時間を算出する。例えば、授業支援処理装置処理時間テーブル1100を生成する。
図11は、授業支援処理装置処理時間テーブル1100のデータ構造例を示す説明図である。授業支援処理装置処理時間テーブル1100は、授業支援処理装置ID欄1105、教員ID欄1110、画像処理時間欄1115、転送処理時間欄1120、合計時間欄1125を有している。授業支援処理装置ID欄1105は、本実施の形態において、授業支援処理装置130を一意に識別するための情報(授業支援処理装置ID)を記憶している。教員ID欄1110は、その授業支援処理装置130を利用する教員300の教員IDを記憶している。画像処理時間欄1115は、その授業支援処理装置130における画像処理時間を記憶している。転送処理時間欄1120は、その授業支援処理装置130における転送処理時間(例えば、授業支援処理装置130から授業管理装置180への転送処理時間)を記憶している。合計時間欄1125は、画像処理時間と転送処理時間との合計時間を記憶している。
ステップS708では、ステップS704で算出した処理時間とステップS706で算出した処理時間との合計を算出する。
【0049】
図12、
図13を用いて、具体例を説明する。
図12は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
数学IIを担当する教員300Aは、講義日程を登録する。この講義の履修学生数は50人である。
教員300Aは、講義(数学II)に関連付けて(紐付けて)課題を登録する。その際、テスト内容としてフォーム種類を入力する。そのフォーム種類から、用紙サイズとページ数が決定される。例えば、教員300Aの講義日時情報テーブル600、テスト情報テーブル800として、以下のものが登録されたとする。
講義名「数学II」、履修学生「aa、bb、cc、・・・」(50人)
回数「第1回」、日時「4月10日09時00分」、フォーム「テスト用(標準)」、用紙サイズ「A4」、ページ数「両面2ページ」、返却要否「返却する」、実績履修学生数「50人」
回数「第2回」、日時「4月17日09時00分」、フォーム「テスト用(標準)」、用紙サイズ「A4」、ページ数「両面2ページ」、返却要否「返却する」
回数「第3回」、日時「4月24日09時00分」
・・・
回数「最終回」、日時「7月24日09時00分」、フォーム「期末テスト用」、用紙サイズ「B4」、ページ数「4ページ」、返却要否「返却しない」
【0050】
教員300Aは、第1回のテストとして、テスト用(標準)、用紙サイズはA4、2ページのフォームの利用を登録し、学生への返却をすると設定する。テストの登録は、一括で登録する場合もあれば、それぞれの回の直前に登録する場合もある。
フォーム種類、用紙サイズ、ページ数、その他属性(今回は学生への返却有無)から、画像処理装置100、授業支援処理装置130のそれぞれの処理時間を予測する。
画像処理装置100での処理時間は、原稿スキャン時間、スキャン画像転送時間、平均操作時間の合計とする。
例えば、画像処理装置100のスキャナー性能はA4用紙の1枚スキャンに1秒、転送時間と平均操作時間は余裕をもたせ、それぞれ約5秒、約60秒とする。
教員300Aの第1回のテストでは、A4、2ページで実績履修学生数50人のため、スキャン時間に100秒となり、転送時間と平均操作時間を足すと、約165秒となる。
授業支援処理装置130での処理時間は、各種画像処理と授業管理装置180への転送時間の合計とする。
例えば、各種画像処理時間は、標準のA4サイズフォームで1ページ当たり約10秒とし、用紙サイズの面積に比例し、また、部分点や記入欄といった文字認識領域があるフォームは約12秒とし、転送時間は学生一人当たり約0.5秒として計算する。
教員300Aの第1回のテストでは、画像処理モジュール150での画像処理時間はA4の100ページで約16分半、転送時間は50人で25秒、合計約17分となる。したがって、画像処理装置100と授業支援処理装置130による処理時間の合計は、約20分となる。
【0051】
次に、講義日時情報テーブル600から該当課題の締切日時(納期)を取得する。
教員300Aの第1回のテストの締切日時は、次回である第2回の講義日時であり、4月17日09時00分となる(
図12(a)の例に示す「教員A、数学II、第2回講義」1210参照)。
締切日時から画像処理装置100の処理時間と授業支援処理装置130の処理時間分を逆算し、最遅での画像処理装置100での処理開始日時を決定する。
教員300Aの第1回のテストは、4月17日09時00分より最遅約20分前に画像処理装置100にてスキャンする必要がある(
図12(a)の例に示す要処理時間1220参照)。その結果、4月17日07時00分で仮決定する(
図12(a)の例に示す仮予約時間1230参照)。これは、処理時間を1時間単位で切り上げ、さらに1時間の余裕を計上している。
【0052】
画像処理装置100の空き状況から、最遅での画像処理装置100での処理開始時刻から、画像処理装置100の予測処理時間分を含む時間帯の予約を行う。
画像処理装置100の空き状況を処理開始時刻で問い合わせる(
図12(c)の例に示す他人予約時間1240、他人予約時間1242参照)。ただし、画像処理装置100の利用時間帯は8:00~18:00とする(
図12(b)の例に示す画像処理装置利用可能時間帯1290を参照)。
その結果、教員300Aの第1回のテストのスキャン予約は4月16日17時30分~18時00分の時間帯で予約する(
図12(a)の例に示す予約時間1250参照)。そして、教員300Aに、最遅操作開始日時(最遅開始日時ではないことに留意)として4月16日17時57分とともに、予約時間帯を電子メールで通知する。なお、最遅操作開始日時は、予約時間帯の終了日時から画像処理装置100での処理時間だけを減算することによって算出できる。授業支援処理装置130による処理は、24時間利用可能であり、画像処理装置100の利用時間帯のような制限はなく、余裕をもたせた予約時間帯になっているからである。
【0053】
この後、教員300Aは予約通知を受けた時間帯に画像処理装置100を利用する。
教員300Aは予約時間帯に画像処理装置100にログインする。ログインしたユーザーが予約者であればログインが成功し、採点済みの解答用紙のスキャンを実施することで、締め切り前に処理を終えることが可能となる。
【0054】
図13は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
心理学を担当する教員300Bは、講義日程を登録する。この講義の履修学生数は250人である。
教員300Bは、講義(心理学)に関連付けて課題を登録する。その際、テスト内容としてフォーム種類を入力する。そのフォーム種類から、用紙サイズとページ数が決定される。例えば、教員300Bの講義日時情報テーブル600、テスト情報テーブル800として、以下のものが登録されたとする。
講義名「心理学」、履修学生「aa、bb、cc、・・・」(250人)
回数「第1回」、日時「4月7日15時00分」、フォーム「テスト用(記入欄付)」、用紙サイズ「A3」、ページ数「両面2ページ」、返却要否「返却する」、実績履修学生数「250人」
回数「第2回」、日時「4月14日15時00分」、フォーム「テスト用(記入欄付)」、用紙サイズ「A3」、ページ数「両面2ページ」、返却要否「返却する」
回数「第3回」、日時「4月21日15時00分」
・・・
回数「最終回」、日時「7月28日15時00分」、フォーム「期末テスト用」、用紙サイズ「B4」、ページ数「5ページ」、返却要否「返却しない」
【0055】
教員300Bは、第1回のテストとして、テスト用(記入欄付)、用紙サイズはA3、2ページのフォームの利用を登録し、学生への返却をすると設定する。テストの登録は、一括で登録する場合もあれば、それぞれの回の直前に登録する場合もある。
フォーム種類、用紙サイズ、ページ数、その他属性(今回は学生への返却有無)から、画像処理装置100、授業支援処理装置130のそれぞれの処理時間を予測する。前述した性能の画像処理装置100が利用されるとする。
教員300Bの第1回のテストでは、A3サイズのため1枚当たりスキャン時間は約2秒となり、約1065秒(約18分)となる。
そして、教員300Bの第1回のテストでは、画像処理モジュール150での画像処理時間は、A3サイズのため1ページ当たり約20秒となり、約167分、転送時間は250人で125秒、合計約169分となる。したがって、画像処理装置100と授業支援処理装置130による処理時間の合計は、約187分となる。
【0056】
次に、講義日時情報テーブル600から該当課題の締切日時(納期)を取得する。
教員300Bの第1回のテストの納期は、次回である第2回の講義日時であり、4月14日15時00分となる(
図13(a)の例に示す「教員B、心理学、第2回講義」1310参照)。
締切日時から画像処理装置100の処理時間と授業支援処理装置130の処理時間分を逆算し、最遅での画像処理装置100での処理開始日時を決定する。
教員300Bの第1回のテストは、4月14日15時00分より最遅約187分前に画像処理装置100にてスキャンする必要がある(
図13(a)の例に示す要処理時間1320参照)。その結果、4月14日11時00分で仮決定する(
図13(a)の例に示す仮予約時間1330参照)。処理時間を1時間単位で切り上げ、さらに1時間の余裕を計上している。
画像処理装置100の空き状況を処理開始時刻で問い合わせる(
図13(c)の例に示す他人予約時間1340参照)。ただし、画像処理装置100の利用時間帯は8:00~18:00とする(
図13(b)の例に示す画像処理装置利用可能時間帯1390を参照)。
その結果、教員300Bの第1回のテストのスキャン予約は4月14日08時00分~11時00分の時間帯で予約する(
図13(a)の例に示す予約時間1350参照)。そして、教員300Bに、最遅操作開始日時として4月14日10時42分とともに、予約時間帯を電子メールで通知する。なお、最遅操作開始日時は、予約時間帯の終了日時から画像処理装置100での処理時間だけを減算することによって算出できる。授業支援処理装置130による処理は、24時間利用可能であり、画像処理装置100の利用時間帯のような制限はなく、余裕をもたせた予約時間帯になっているからである。
【0057】
この後、教員300Bは予約通知を受けた時間帯に画像処理装置100を利用する。
教員300Bは予約時間帯に画像処理装置100にログインする。ログインしたユーザーが予約者であればログインが成功し、採点済みの解答用紙のスキャンを実施することで、締め切り前に処理を終えることが可能となる。
【0058】
画像処理装置利用スケジュールモジュール160による予約処理の結果、予約情報テーブル1400を作成する。
図14は、予約情報テーブル1400のデータ構造例を示す説明図である。予約情報テーブル1400は、予約ID欄1405、画像処理装置ID欄1410、教員ID欄1415、予約時間欄1420を有している。予約ID欄1405は、本実施の形態において、予約を一意に識別するための情報(予約ID)を記憶している。画像処理装置ID欄1410は、その予約が行われた画像処理装置IDを記憶している。教員ID欄1415は、その予約が行われた教員IDを記憶している。予約時間欄1420は、その予約の予約時間帯を記憶している。
画像処理装置ID欄1410内の画像処理装置IDにしたがって、その画像処理装置100に対して予約データを送信し、その画像処理装置100は予約処理を行う。つまり、画像処理装置100では、その予約時間帯になったならば、その教員IDの教員300によるログインだけを許可する。また、教員ID欄1415内の教員IDにしたがって、その教員300に予約日時、予約された画像処理装置100(その位置等を含めてもよい)、最遅操作開始日時、講義名、課題名等を電子メール等で通知する。
【0059】
図15、
図16は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。予約が行われた採点結果送信処理に関する処理例である。教員300、画像処理装置100、授業支援処理装置130、授業管理装置180における処理例、又は、それらの間での処理例を示している。
【0060】
ステップS1502では、講義スケジュールにしたがって、教員300は、講義において、学生に対してテストを実施し、答案用紙を回収する。学生は、手書きで学籍番号、解答等を答案用紙に記入する。
ステップS1504では、教員300は、回収した答案用紙を採点する。教員300は、手書きで点数等を答案用紙に記入する。
ステップS1506では、教員300は、画像処理装置100における認証のための操作を行う。例えば、前述したように、ICカードの読み取り等が該当する。これによって、教員300が画像処理装置100にログインする。このとき画像処理装置100の認証モジュール105が画像処理装置100のDB125からユーザー情報を読み出し、ユーザー認証を行う。そして、予約時間帯である場合は、予約された教員300であるか否かを判断する。予約された教員300である場合は、画像処理装置100の利用を許可する。予約された教員300でない場合は、画像処理装置100の利用を認めない。その場合、例えば、予約者がいる旨を表示してもよい。
【0061】
ステップS1508では、画像処理装置100は、利用可能状態である旨を教員300に提示する。
ステップS1510では、教員300は、画像処理装置100における授業支援サービスを起動する。例えば、教員300は、画像処理装置100の表示装置(タッチパネル等)上で授業支援サービスを選択する。この選択によって、授業支援サービス操作モジュール110がアクティブになる。
【0062】
ステップS1512では、画像処理装置100は、授業支援処理装置130に対して、画像処理装置ログインIDを送信し、教員情報の照合を行う。授業支援サービス操作モジュール110は、起動と同時に画像処理装置100のログイン情報を授業支援処理装置130に転送する。
画像処理装置100と授業管理装置180のアカウントの関連付けON(関連付け必要を示すフラグ)のため、教員照合が発生する。なお、事前に、教員300の授業管理装置180におけるアカウントと画像処理装置100におけるアカウントは、関連付けられている。
【0063】
ステップS1514では、授業支援処理装置130は、画像処理装置100におけるログインIDを用いて、教員情報の照合を行う。そのために、ステップS1516では、授業支援処理装置130は、教員IDを取得する。
具体的には、“画像処理装置100と授業管理装置180におけるアカウントの関連付け”が有効である場合、アカウント連携モジュール135は、授業支援処理装置130のDB170からユーザー情報を読み出し、画像処理装置100のログイン情報に関連付く教員IDを読み出す。
【0064】
ステップS1518では、授業支援処理装置130は、授業管理装置180に対して、教員ID(教員300のID)を用いて、その教員IDの教員300に関する講義・課題情報の取得要求を送信する。そして、ステップS1520では、授業管理装置180は、授業支援処理装置130に対して、講義・課題情報を送信する。
関連付く教員IDが存在する場合、アカウント連携モジュール135は、教員情報取得モジュール140を通して、授業管理装置180から教員300の講義・課題情報を取得する。このとき授業管理装置180のユーザー管理モジュール185は、授業支援処理装置130から渡された教員IDに対応付けられた講義・課題情報をコンテンツ管理モジュール190から取得し、授業支援処理装置130に渡す。なお「教員300の講義・課題情報」とは、教員300が担当している講義、その講義内で学生に提示した課題を示しており、事前に、DB195内に、教員ID、講義を示す情報(講義ID)、課題を示す情報(課題ID)が関連付けられている。
ステップS1522では、授業支援処理装置130は、画像処理装置100に対して、講義・課題情報を送信する。
【0065】
ステップS1524では、画像処理装置100は、表示装置上に教員メニューを表示する。ステップS1524では、アカウント連携モジュール135は、取得した講義・課題情報を授業支援サービス操作モジュール110に送り、授業支援サービス操作モジュール110は、講義・課題情報を利用して、教員メニューを表示する。具体的には、その教員300が担当している講義・課題の選択画面を表示する。
例えば、教員メニュー画面1700を表示する。
図17は、教員メニュー画面1700の表示例を示す説明図である。
教員メニュー画面1700には、教員表示領域1705、講義表示領域1710、課題表示領域1715、講義選択領域1720、課題選択領域1725、集計スキャンボタン1730を表示する。教員表示領域1705には、教員300の氏名を表示する。講義表示領域1710には、教員300によって選択された講義を表示する。課題表示領域1715には、教員300によって選択された課題を表示する。講義選択領域1720には、教員300に関連付けられた講義を選択可能に表示する。課題選択領域1725には、教員300に関連付けられた課題(選択された講義内の課題)を選択可能に表示する。
ステップS1526では、画像処理装置100は、教員300に対して、教員メニューの操作を可能とし、その旨を提示する。
ステップS1528では、教員300は、画像処理装置100に対して、講義・課題を選択して、集計スキャンボタン1730を押下する。
ステップS1530では、画像処理装置100は、集計スキャンモードに遷移する。具体的には、画像処理装置100の授業支援サービス操作モジュール110は、照合できた結果を受け“集計スキャン画面”を表示する。
ステップS1532では、画像処理装置100は、教員300に対して、「集計スキャン可能」である旨を提示する。
ステップS1534では、教員300は、画像処理装置100を用いて、集計スキャンを実行(片面/両面)させる。具体的には、教員300が操作(具体的には、採点済み答案用紙の設定、集計スキャンボタン1730の押下)を行って、画像処理装置100が採点済み答案用紙をスキャンする。
ステップS1536では、画像処理装置100は、授業支援処理装置130に対して、スキャン画像を送る。具体的には、授業支援サービス操作モジュール110は、スキャンモジュール120を利用し、採点済み答案用紙のスキャンを実行し、スキャン画像を授業支援処理装置130に送る。
【0066】
ステップS1538では、授業支援処理装置130は、画像処理、採点集計処理を行う。具体的には、授業支援処理装置130は、画像処理モジュール150を利用して答案用紙の情報を読み取り(学籍番号と得点を文字認識し)、採点結果の集計を行う。
ステップS1540では、授業支援処理装置130は、画像処理、採点集計処理の結果等を授業管理装置180に登録する。具体的には、画像処理モジュール150は、授業管理装置180のコンテンツ管理モジュール190にスキャン画像と採点結果である得点を送り、コンテンツ管理モジュール190は学生毎に用意されているフォルダーに答案用紙のスキャン画像と採点結果を登録する。
【0067】
ステップS1542では、授業支援処理装置130は、教員300に対して、集計結果を電子メールで通知する。具体的には、画像処理モジュール150は、処理結果と、集計結果を教員300に電子メールで通知する。
ステップS1544では、教員300は、授業支援処理装置130より、集計結果をダウンロードする。具体的には、教員300は、画像処理モジュール150から集計結果をダウンロードする。その結果、その教員300が用いている教員用端末350では、例えば、集計結果ファイル1800を表示する。
図18は、集計結果ファイル1800の表示例を示す説明図である。集計結果ファイル1800は、ステップS1544でダウンロードされる集計結果である。
集計結果ファイル1800は、講義欄1805、課題欄1810、学生別得点一覧1820を有している。学生別得点一覧1820は、項番欄1825、学籍番号欄1830、氏名欄1835、得点欄1840を有している。項番欄1825は、項番を記載している。学籍番号欄1830は、学籍番号を記載している。氏名欄1835は、氏名を記載している。得点欄1840は、得点を記載している。
例えば、項番:1(1行目)は、学籍番号が「0001」であり、氏名が「佐藤太郎」であり、得点が「10」であることを示しており、項番:2(2行目)は、学籍番号が「0002」であり、氏名が「鈴木花子」であり、得点が「20」であることを示しており、項番:3(3行目)は、学籍番号が「0003」であり、氏名が「高橋次郎」であり、得点が「36」であることを示している。
【0068】
ステップS1546では、教員300は、授業管理装置180に対して登録確認を行う。具体的には、教員300は、授業管理装置180にアクセスして、コンテンツ管理モジュール190でスキャン画像と採点結果である得点が授業管理装置180で登録されている状況を確認する。
ステップS1548では、授業管理装置180は、学生に採点後の答案用紙のスキャン画像と採点結果が、その学生のフォルダーに格納されたことを通知する。
【0069】
なお、
図15、
図16の例に示すフローチャートにおいて、「画像読込装置による処理時間」、「画像読込装置による操作者による操作処理時間」、「画像読込装置と処理装置との通信時間」、「処理装置での処理時間」に該当するステップを示す。
ステップS1534での処理時間が、「画像読込装置による処理時間」と「画像読込装置による操作者による操作処理時間」の合計処理時間に該当する。
ステップS1536での処理時間が、「画像読込装置と処理装置との通信時間」に該当する。
ステップS1538とステップS1540での処理時間が、「処理装置での処理時間」に該当する。さらに、次のステップS1542とステップS1544の処理時間を含めて、「処理装置での処理時間」としてもよい。さらに、次のステップS1546とステップS1548の処理時間を含めて、「処理装置での処理時間」としてもよい。
【0070】
図19を参照して、本実施の形態の画像処理装置100、授業支援処理装置130、授業管理装置180のハードウェア構成例について説明する。
図19に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等によって構成されるものであり、スキャナー等のデータ読み取部1917と、プリンター等のデータ出力部1918を備えたハードウェア構成例を示している。
【0071】
CPU(Central Processing Unit)1901は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、認証モジュール105、授業支援サービス操作モジュール110、プリントモジュール115、スキャンモジュール120、アカウント連携モジュール135、教員情報取得モジュール140、画像処理モジュール150、授業スケジュール取得モジュール155、画像処理装置利用スケジュールモジュール160、ユーザー管理モジュール185、コンテンツ管理モジュール190、締切設定モジュール205、処理時間算出モジュール210、開始日時決定モジュール215、予約モジュール220等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0072】
ROM(Read Only Memory)1902は、CPU1901が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)1903は、CPU1901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス1904により相互に接続されている。
【0073】
ホストバス1904は、ブリッジ1905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス1906に接続されている。
【0074】
キーボード1908、マウス等のポインティングデバイス1909は、操作者により操作されるデバイスである。ディスプレイ1910は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)等があり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。また、ポインティングデバイス1909とディスプレイ1910の両方の機能を備えているタッチスクリーン等であってもよい。その場合、キーボードの機能の実現について、キーボード1908のように物理的に接続しなくても、画面(タッチスクリーン)上にソフトウェアでキーボード(いわゆるソフトウェアキーボード、スクリーンキーボード等ともいわれる)を描画して、キーボードの機能を実現するようにしてもよい。
【0075】
HDD(Hard Disk Drive)1911は、ハードディスク(フラッシュ・メモリ等であってもよい)を内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU1901によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。ハードディスクは、DB125、DB170、DB195等としての機能を実現させる。さらに、その他の各種データ、各種コンピュータ・プログラム等が格納される。
【0076】
ドライブ1912は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体1913に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース1907、外部バス1906、ブリッジ1905、及びホストバス1904を介して接続されているRAM1903に供給する。なお、リムーバブル記録媒体1913も、データ記録領域として利用可能である。
【0077】
接続ポート1914は、外部接続機器1915を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部をもつ。接続ポート1914は、インタフェース1907、及び外部バス1906、ブリッジ1905、ホストバス1904等を介してCPU1901等に接続されている。通信部1916は、通信回線に接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取部1917は、例えばスキャナーであり、ドキュメントの読み取処理を実行する。データ出力部1918は、例えばプリンターであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0078】
なお、
図19に示す画像処理装置100、授業支援処理装置130、授業管理装置180のハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、
図19に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに
図19に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナー、プリンター、複合機(スキャナー、プリンター、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
【0079】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu-ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0080】
100…画像処理装置
105…認証モジュール
110…授業支援サービス操作モジュール
115…プリントモジュール
120…スキャンモジュール
125…DB
130…授業支援処理装置
135…アカウント連携モジュール
140…教員情報取得モジュール
150…画像処理モジュール
155…授業スケジュール取得モジュール
160…画像処理装置利用スケジュールモジュール
170…DB
180…授業管理装置
185…ユーザー管理モジュール
190…コンテンツ管理モジュール
195…DB
198…通信回線
205…締切設定モジュール
210…処理時間算出モジュール
215…開始日時決定モジュール
220…予約モジュール