(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】特典提供システム及び特典提供方法
(51)【国際特許分類】
H04L 9/32 20060101AFI20220628BHJP
G06F 21/64 20130101ALI20220628BHJP
G06F 21/44 20130101ALI20220628BHJP
G06F 21/33 20130101ALI20220628BHJP
【FI】
H04L9/32 200B
H04L9/32 200E
G06F21/64
G06F21/44
H04L9/32 200D
G06F21/33
(21)【出願番号】P 2020009222
(22)【出願日】2020-01-23
【審査請求日】2021-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2019086064
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】二村 亮
【審査官】金沢 史明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-162694(JP,A)
【文献】特開2005-167977(JP,A)
【文献】特開2005-080065(JP,A)
【文献】特開2004-320589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 9/32
G06F 21/30-21/46
G09C 1/00
G06F 21/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1サーバに2次元コードを読み取り可能な情報端末が通信接続可能な特典提供システムであって、
前記情報端末は、
所定の販売商品または当該販売商品のパッケージに貼付されている2次元コードであってデジタル署名を発行可能な第2サーバへのアクセス先情報と前記販売商品を特定するための固有情報とが含まれた2次元コードを読み取った場合に、前記固有情報に当該情報端末の端末情報を付加して前記第2サーバに送信することで前記第2サーバから前記固有情報と前記端末情報とに基づいたデジタル署名を取得する取得手段と、
前記取得手段により前記デジタル署名が取得された場合に、前記第1サーバに所定の特典を要求すべく前記固有情報と前記端末情報とを対応付けて前記デジタル署名を前記第1サーバに送信するための送信ボタンを、表示部に表示させる表示制御手段と、
を備え、
前記第1サーバは、
前記送信ボタンが操作されることで前記情報端末から前記固有情報と前記端末情報とともに送信されてきた前記デジタル署名を検証することにより前記販売商品に対応付けられている前記特典を提供するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記特典を提供すると判定された場合に、前記情報端末に前記特典に係る情報を送信する送信手段と、
を備える、
ことを特徴とする特典提供システム。
【請求項2】
前記端末情報には、IPアドレス情報またはウェブブラウザでの設定言語情報が含まれている、
ことを特徴とする請求項1に記載の特典提供システム。
【請求項3】
前記第2サーバは、秘密鍵を用いて前記デジタル署名を生成し、
前記第1サーバは、公開鍵を用いて前記デジタル署名を検証する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の特典提供システム。
【請求項4】
第1サーバに2次元コードを読み取り可能な情報端末が通信接続可能な特典提供システムが実行する特典提供方法であって、
前記情報端末が、
所定の販売商品または当該販売商品のパッケージに貼付されている2次元コードであってデジタル署名を発行可能な第2サーバへのアクセス先情報と前記販売商品を特定するための固有情報とが含まれた2次元コードを読み取った場合に、前記固有情報に当該情報端末の端末情報を付加して前記第2サーバに送信することで前記第2サーバから前記固有情報と前記端末情報とに基づいたデジタル署名を取得する取得処理と、
前記取得処理で前記デジタル署名が取得された場合に、前記第1サーバに所定の特典を要求すべく前記固有情報と前記端末情報とを対応付けて前記デジタル署名を前記第1サーバに送信するための送信ボタンを、表示部に表示させる表示制御処理と、
を実行し、
前記第1サーバが、
前記送信ボタンが操作されることで前記情報端末から前記固有情報と前記端末情報とともに送信されてきた前記デジタル署名を検証することにより前記販売商品に対応付けられている前記特典を提供するか否かを判定する判定処理と、
前記判定処理で前記特典を提供すると判定された場合に、前記情報端末に前記特典に係る情報を送信する送信処理と、
を実行する、
ことを特徴とする特典提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特典提供システム及び特典提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、公開鍵暗号を応用したデジタル署名の技術が広く普及している。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クライアント端末がある固有情報およびデジタル署名をサーバ装置より受信した場合、その情報の真偽を、デジタル署名を用いて検証することができる。しかしながら、そのクライアント端末やそのサーバ装置とは異なる別のサーバ装置は、その情報の真偽を検証することはできない。このため、クライアント端末がサーバ装置より受信した固有情報を別のサーバ装置へ転送した場合、別のサーバ装置は、その固有情報の真偽を検証することはできない。したがって、別のサーバ装置は、デジタル署名を作成したサーバ装置と直接通信を行わない限り、例えば、固有情報として正しい情報を送信してきた外部機器に対してのみ、特定の情報を提供し、固有情報として不正な情報を送信してきた外部装置に対しては、その特定の情報を提供しない、といったような、受信した固有情報の真偽に応じた適切な処理を行うことができなかった。
【0005】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ある情報のデジタル署名を作成した第2サーバ装置よりその情報とデジタル署名とを受信可能な情報端末と通信可能な別のサーバ装置が、その情報端末から受信した情報の真偽に基づいて、その情報端末に対して適切に特典を提供することができる特典提供システム及び特典提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る特典提供システムは、第1サーバに2次元コードを読み取り可能な情報端末が通信接続可能な特典提供システムであって、前記情報端末は、所定の販売商品または当該販売商品のパッケージに貼付されている2次元コードであってデジタル署名を発行可能な第2サーバへのアクセス先情報と前記販売商品を特定するための固有情報とが含まれた2次元コードを読み取った場合に、前記固有情報に当該情報端末の端末情報を付加して前記第2サーバに送信することで前記第2サーバから前記固有情報と前記端末情報とに基づいたデジタル署名を取得する取得手段と、前記取得手段により前記デジタル署名が取得された場合に、前記第1サーバに所定の特典を要求すべく前記固有情報と前記端末情報とを対応付けて前記デジタル署名を前記第1サーバに送信するための送信ボタンを、表示部に表示させる表示制御手段と、を備え、前記第1サーバは、前記送信ボタンが操作されることで前記情報端末から前記固有情報と前記端末情報とともに送信されてきた前記デジタル署名を検証することにより前記販売商品に対応付けられている前記特典を提供するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記特典を提供すると判定された場合に、前記情報端末に前記特典に係る情報を送信する送信手段と、を備える、ことを特徴とする。
また、本発明に係る特典提供方法は、第1サーバに2次元コードを読み取り可能な情報端末が通信接続可能な特典提供システムが実行する特典提供方法であって、前記情報端末が、所定の販売商品または当該販売商品のパッケージに貼付されている2次元コードであってデジタル署名を発行可能な第2サーバへのアクセス先情報と前記販売商品を特定するための固有情報とが含まれた2次元コードを読み取った場合に、前記固有情報に当該情報端末の端末情報を付加して前記第2サーバに送信することで前記第2サーバから前記固有情報と前記端末情報とに基づいたデジタル署名を取得する取得処理と、前記取得処理で前記デジタル署名が取得された場合に、前記第1サーバに所定の特典を要求すべく前記固有情報と前記端末情報とを対応付けて前記デジタル署名を前記第1サーバに送信するための送信ボタンを、表示部に表示させる表示制御処理と、を実行し、前記第1サーバが、前記送信ボタンが操作されることで前記情報端末から前記固有情報と前記端末情報とともに送信されてきた前記デジタル署名を検証することにより前記販売商品に対応付けられている前記特典を提供するか否かを判定する判定処理と、前記判定処理で前記特典を提供すると判定された場合に、前記情報端末に前記特典に係る情報を送信する送信処理と、を実行する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ある情報のデジタル署名を作成した第2サーバ装置よりその情報とデジタル署名とを受信可能な情報端末と通信可能な別のサーバ装置が、その情報端末から受信した情報の真偽に基づいて、その情報端末に対して適切に特典を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るシステムの構成の概略を示す図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る情報端末のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係るウェブサーバのハードウェアの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る各装置それぞれの処理過程の内容を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、一実施形態に係る商品パッケージの外装の一部と貼付された登録ステッカーの記載内容例とを示す図である。
【
図6】
図6は、一実施形態に係る第1判定結果及び第2判定結果の表示データを受信した情報端末10での各表示画面を例示する図である。
【
図7】
図7は、一実施形態に係るユーザ登録と特典コンテンツの特典のコンテンツを提供するウェブサイトの画面を例示する図である。
【
図8】
図8は、一実施形態に係る非正規表示画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係るシステムの構成例の概略を示す図である。システムは、クライアントとしての情報端末10と、ウェブサーバSVと、第2のウェブサーバSV2とを有する。情報端末10は、第2のウェブサーバSV2と、インターネットを介して直接インターネットを含むネットワークNWで接続される。
【0010】
情報端末10は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型の情報端末、スマートフォン等といった各種の情報端末機器である。情報端末10では、ウェブブラウザが動作する。情報端末10は、ウェブブラウザを用いて、ネットワークNWを介して接続された第2のウェブサーバSV2又はウェブサーバSVの提供する各ウェブサイトに適宜アクセスし、データの送受信を実行可能となる。
【0011】
さらに情報端末10は、カメラ機能を有し、当該カメラ機能を用いて、情報端末10のユーザが購入した商品である、例えば関数電卓の商品パッケージCPの外装の一部に貼付されている登録ステッカーCSの画像を接写で撮影することが可能となる。また情報端末10は、筐体前面のほぼ大部分が表示入力部DIとなり、各種画像やウェブブラウザ起動時のウェブページ等を表示して、表示内容に対応したタッチ操作することが可能となる。表示入力部DIは、バックライト付きのカラー液晶パネルあるいはカラー有機ELパネル等のフラットパネルディスプレイと、静電容量型などの透明タッチパネルとが一体化されて構成される。
【0012】
第2のウェブサーバSV2は、商品パッケージCPに貼付された登録ステッカーCSに応じたウェブページへのアクセスを受け付けて応答を行なうと共に、当該商品が正規品として購入されたか否かを判定し、判定結果を情報端末10等に対して返信する。
【0013】
ウェブサーバSVは、情報端末10からのアクセスを受け付けて、正規品の購入者であることを検証した上で、ユーザ登録等の処理を実行する。ここで、第2のウェブサーバSV2とウェブサーバSVは、ネットワークNWを介して相互に直接に通信するように構成されていなくてよい。また、第2のウェブサーバSV2とウェブサーバSVとは、運営母体が相互に異なっていてもよい。
【0014】
図2は、情報端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、情報端末10は、バスライン19を介して互いに接続されたプロセッサ11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、ストレージ14と、入力デバイス15と、ディスプレイ16と、カメラ部17と、通信インタフェイス(I/F)18とを備える。
【0015】
プロセッサ11は、各種信号処理等を行う。プロセッサ11に代えて又はプロセッサ11と共に、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はGPU(Graphics Processing Unit)等の各種集積回路が用いられてもよい。すなわち、情報端末10では、各種プロセッサが用いられ得る。
【0016】
ROM12は、起動プログラム等を記録している。RAM13は、プロセッサ11の主記憶装置として機能する。RAM13には、例えば、DRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static RAM)等が用いられ得る。ストレージ14には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、eMMC(Embedded Multi Media Card)等が用いられる。ストレージ14には、プロセッサ11で用いられるウェブブラウザや2次元バーコードリーダなどのアプリケーションを含むプログラム、パラメータ等各種情報が記録されている。RAM13及びストレージ14は、これに限らず各種記憶装置に置換され得る。
【0017】
入力デバイス15は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等である。ディスプレイ16は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。入力デバイス15のタッチパネルは、ディスプレイ16と一体化されて、
図1における情報端末10の表示入力部DIを構成する。
【0018】
カメラ部17は、撮影レンズ光学系と、CCD(Charge Coupled device)やCMOS(Complementary Metal-Oxicide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子、A/D変換部、及び画像処理回路等からなり、プロセッサ11からの指示により静止画像あるいは動画像を撮影し、撮影により得た画像データをストレージ14に記憶させる。
【0019】
通信インタフェイス18は、情報端末10の外部の機器と通信を行う際に用いられる。通信インタフェイス18は、例えばインターネットといったネットワークNWに接続する。
【0020】
図3は、ウェブサーバSVと第2のウェブサーバSV2のハードウェアの構成を共通であるものとして説明するブロック図である。
【0021】
ウェブサーバSV及び第2のウェブサーバSV2はそれぞれ、
図3に示すように、バスライン29を介して互いに接続されたプロセッサ21と、ROM22と、RAM23と、ストレージ24と、通信装置25とを備える情報処理装置である。
【0022】
プロセッサ21は、各種信号処理等を行う。ROM22は、プロセッサ21の動作に用いられる情報を記録している。RAM23は、プロセッサ21の主記憶装置として機能する。ストレージ24には、各種記録媒体が用いられ得る。ストレージ24には、プロセッサ21で用いられるプログラム、パラメータ等各種情報が記録されている。
【0023】
図3では、ウェブサーバSVと第2のウェブサーバSV2が、基本的に同様のハードウェアの構成を有するものとして説明しているが、当然ながら、プロセッサ21が実行するアプリケーションプログラム自体は全く異なる。本実施形態では、第2のウェブサーバSV2が、応募ステッカーCSが貼付された商品パッケージCP内の商品が正規品であるか否かの判定を行ない、正規品であると判定した場合に固有情報を発行する判定装置として機能し、ウェブサーバSVが、情報端末10を含めた外部の装置より固有情報として受信した情報が正しいと判定した場合に、情報端末10を含めた外部の装置のユーザがユーザ登録を行なう情報処理装置として機能する。
【0024】
[システムの動作]
本実施形態に係るシステム1は、多くの機能を有している。そのうちいくつかの例について説明する。各機能は、情報端末10、ウェブサーバSV、第2のウェブサーバSV2が協働することで実現される。情報端末10においてはプロセッサ11が主体となって、ウェブサーバSV、第2のウェブサーバSV2においてはそれぞれプロセッサ21が主体となって、以下の一連の処理内容を実行する。具体的には、ウェブブラウザが動作する情報端末10が第2のウェブサーバSV2にアクセスする時点から、本実施形態の動作を開始する。
【0025】
図4は、本実施形態に係る情報端末10、ウェブサーバSV、第2のウェブサーバSV2の一連の処理内容を示すフローチャートである。説明にあたって、
図5乃至
図11に示す画面例などを適宜に参照する。
【0026】
動作当初、情報端末10のユーザは、購入した商品の商品パッケージCPに貼付されている登録ステッカーCSに記載されている2次元バーコードを、情報端末10がインストールしている2次元バーコードリーダのアプリケーションプログラムを用いて読み取り、読み取った情報に含まれるURLに基づいて当該ウェブページへのアクセスする(ステップS101)。
【0027】
図5は、
図5(A)に示す商品の商品パッケージCPの外装の一部に貼付された登録ステッカーCSの記載内容例を、
図5(B)で拡大して示す図である。ここで登録ステッカーCSは、2次元バーコード部BCを含んでいる。
【0028】
2次元バーコード部BCは、第2のウェブサーバSV2が提供するウェブページへアクセスするためのURLに加えて、各登録ステッカーCSに紐付いた固有のID情報を2次元バーコード化した画像情報である。ID情報は、各登録ステッカーCSに一対一に対応するものであってもよく、あるいは、各登録ステッカーCSが貼付された商品パッケージCPに収納された商品を特定できるものであってもよい。
【0029】
情報端末10では、2次元バーコードリーダのアプリケーションプログラムを実行し、カメラ部17を用いて2次元バーコード部BCの画像を読み取ってデコード処理することにより、情報中のURLを表示入力部DIにて表示させ、併せて情報端末10のユーザに当該URLのウェブページへのアクセスを促すボタン画像などを表示入力部DIで表示する。
【0030】
この表示入力部DIでの表示に対して情報端末10のユーザがアクセスを促すボタン画像をタッチ操作することで、第2のウェブサーバSV2へのアクセスが実行される。
【0031】
情報端末10からネットワークNWを介して第2のウェブサーバSV2に対してアクセスが実行される際には、URLと共に、読み取った固有情報と情報端末10自体のIP(Interner Protcol)アドレス、情報端末10で使用しているウェブブラウザで設定されている言語の情報等が送信される。
【0032】
情報端末10からのアクセスを受けた第2のウェブサーバSV2では、固有情報等を受信した上で(ステップS201)、アクセス解析処理により情報端末10のIPアドレスとウェブブラウザの設定言語を取得する(ステップS202)。
【0033】
さらに第2のウェブサーバSV2は、取得したIPアドレスに基づいて情報端末10の国地域を示す情報と、設定言語から言語を示す情報とをそれぞれ特定し、特定した国地域を示す情報と言語を示す情報とを記憶する(ステップS203)。
【0034】
第2のウェブサーバSV2では、情報端末10から受信した固有情報中の機種名情報、登録ステッカーCSのID情報を用い、その登録ステッカーCSに記載された2次元バーコードの読取り状況の傾向に基づいて、今回のアクセスが正規品の購入者からのアクセスである可能性を判定する(ステップS204)。
【0035】
第2のウェブサーバSV2では、判定の結果が、判定が行われたID情報に紐付いた商品が正規品であることを示す第1判定結果であったか否かを判断する(ステップS205)。
【0036】
第1判定結果であった場合(ステップS205のYES)、第2のウェブサーバSV2は、固有情報と、当該固有情報に基づいて公開鍵と秘密鍵とを生成してデジタル署名を作成する(ステップS206)。
【0037】
そして、記憶した国地域を示す情報、言語を示す情報、固有情報に、作成した秘密鍵を用いてハッシュ値を暗号化した結果をデジタル署名として付加した上で、第1判定結果を報知するための表示データと合わせて応答情報として取り纏め、情報端末10へ送信する(ステップS207)。
【0038】
さらに第2のウェブサーバSV2では、生成したデジタル署名の公開鍵を対応する固有情報と紐付けて情報端末10に対して送信し、以上で第2のウェブサーバSV2は
図4の処理を一旦処理する(ステップS208)。
【0039】
またステップS205において、判定結果が第1判定結果ではないと判断した場合(ステップS205のNO)、判定結果は第2判定結果であることとなるので、第2のウェブサーバSV2ではその判定結果を報知するための表示データのみを情報端末10に対して送信し、以上で第2のウェブサーバSV2は
図4の処理を一旦処理する(ステップS209)。
【0040】
情報端末10では、ステップS101での送信処理後、第2のウェブサーバSV2から応答として返送されてくる判定結果の情報を受信し(ステップS102)、受信した情報中の表示データに基づいた判定結果をディスプレイ16で表示する(ステップS103)。
【0041】
図6は、情報端末10の表示入力部DIを構成するディスプレイ16で表示される判定結果の画面を例示するものである。
【0042】
図6(A)は、第1判定結果の表示データを受信した情報端末10での表示画面を例示する図である。判定が行われたID情報に紐付いた商品が正規品であることを示すテキスト「OK」をシンボル化して表示すると共に、購入した商品に関連する特典情報の表示を促す操作ボタンBTを表示している。
【0043】
図6(B)は、第2判定結果の表示データを受信した情報端末10での表示画面を例示する図である。判定が行われたID情報に紐付いた商品が正規品ではないことを示すテキスト「NG」をシンボル化して表示している。この第2判定結果の表示画面においては、
図6(A)に示した購入した商品に関連する特典情報の表示を促す操作ボタンBTは表示しない。
【0044】
図4において情報端末10では、ステップS103で
図6(A)又は
図6(B)に示した判定結果の表示を行なった後、表示中の判定結果が第1判定結果であるか否かを判断する(ステップS104)。
【0045】
表示しているのが第1判定結果ではないと判断した場合(ステップS104のNO)、情報端末10では、以上でこの
図4の処理を一旦終了する。
【0046】
またステップS104において、表示しているのが第1判定結果であると判断した場合(ステップS104のYES)、情報端末10では操作ボタンBTに対するクリック操作がなされるのを待機する(ステップS105)。
【0047】
そして、操作ボタンBTに対するクリック操作がなされたと判断した時点で(ステップS105のYES)、情報端末10は、操作ボタンBTに関連付けて予め設定されているURLによりウェブサーバSVへのアクセスを実行し、第2のウェブサーバSV2から受信した国地域を示す情報、言語を示す情報、固有情報、デジタル署名等を取り纏めてウェブサーバSVへ送信する(ステップS106)。
【0048】
ウェブサーバSVでは、情報端末10から固有情報やデジタル署名等を取り纏めて受信した後(ステップS301)、受信したデジタル署名によりハッシュ値を算出し、受信したデジタル署名の公開鍵を用いて復号したハッシュ値との一致比較により、当該アクセスが正規の商品の購入者からのものであるか否かを検証する(ステップS303)。
【0049】
検証の結果に基づき、当該アクセスが正規の商品の購入者からのものであるかを判断する(ステップS304)。
【0050】
当該アクセスが正規の商品の購入者からのものであると判断した場合(ステップS304のYES)、ウェブサーバSVでは、情報端末10のユーザが購入した商品が正規品であるとの結果が得られたものとして、
図6(A)で示した、購入した商品に関連する特典情報の表示を促す操作ボタンBTを含む、正規の結果(第1判定結果)を示す表示データを情報端末10へ送信し(ステップS305)、以上で
図4の処理を一旦終了する。
【0051】
またステップS304において、検証の結果からアクセスが正規の商品の購入者からのものではないと判断した場合(ステップS304のNO)、ウェブサーバSVでは、情報端末10のユーザが購入した商品が正規品ではないか、あるいはウェブサーバSVへのアクセス自体がなりすまし等によるものであるものとして、それ以上の情報端末10とのデータ通信を回避するべく、
図6(B)で示した、非正規の結果(第2判定結果)を示す表示データを情報端末10に対して送信し(ステップS307)、以上で
図4の処理を一旦終了する。
【0052】
情報端末10では、正規の結果を示す第1の判定結果のデータを受信してそのデータの表示を実行した上で(ステップS107)、表示データ中の確認を示す操作ボタンBTがクリック操作されるのを待機する(ステップS108)。
【0053】
クリック操作が実行されると(ステップS108のYES)、情報端末10では送られてきたデータにしたがって特典のコンテンツを提供するウェブサイトへ移行して当該サイトでの表示を実行し(ステップS109)、以上で
図4の処理を一旦終了する。
【0054】
図7は、情報端末10がタブレット端末あるいはパーソナルコンピュータであった場合に、その表示入力部DIで表示される、特典コンテンツを提供するウェブサイトの画面を例示する図である。
【0055】
図7では、例えばリボンがかけられたギフトボックスの画像位置を点滅表示するなどしてクリック操作を促し、実際にクリック操作することにより、具体的なコンテンツの選択や、選択したコンテンツの送り先等を設定する画面に移行できるものとする。
【0056】
なお、表示データ中の確認を示す操作ボタンBTがクリック操作された場合(ステップS108のYES)、情報端末10では送られてきたデータにしたがってユーザ登録を促すウェブサイトへ移行し、ウェブサーバSVは、新規に登録を行なったユーザメンバーに対してのみ、特典コンテンツを提供するウェブページの画面を表示するようにしてもよい。
【0057】
一方、ウェブサーバSVから非正規の結果を示す表示データを受信した場合、情報端末10では、
図6(B)で示した、非正規の結果を示す第2判定結果の画面を表示して(ステップS110)、以上で
図4の処理を一旦終了する。
【0058】
図8は、情報端末10が例えばスマートフォンである場合に、情報端末10の表示入力部DIで表示される第2の判定結果としての非正規表示の画面を例示する図である。ここでは、ウェブサーバSVが情報端末10から受信したデータ中の国地域を示す情報及び言語を示す情報に基づいて、使用環境が近いと推定されるその他の言語の情報も用いて、該当するウェブページが見つからないことを、複数、例えば8つの言語によりガイドメッセージとして表示している。
【0059】
この
図8の表示状態においては、次のウェブページへのリンク等をあえて提示しておらず、直前のステップS103での判定結果表示の画面に戻るページ操作も一時的に受け付けないように設定しても良い。そのため、情報端末10のユーザは、その時点で起動しているウェブブラウザを一旦終了してウェブサーバSVとの接続状態を切断するしか操作の選択肢がなく、当該情報端末10とウェブサーバSVとの接続状態を確実に停止できる。
【0060】
以上詳述した如く本実施形態によれば、ある情報のデジタル署名を作成した第2のウェブサーバSV2よりその情報とデジタル署名とを受信可能な情報端末10と通信可能な別のウェブサーバSVが、その情報端末10を含む外部機器より受信した情報の真偽に応じて、その外部機器に対して適切な情報を提供することができる。
【0061】
また本実施形態では、ウェブサーバSVが国地域を示す情報及び言語を示す情報を用いることで、情報端末10のユーザに適切に思われる言語を用いた情報提供を行なうことができる。
【0062】
さらに本実施形態では、ウェブサーバSVにおけるデジタル署名を用いた検証結果から、情報端末10からのアクセスが正規のものではないと判定した場合に、以後の通信が不可となるような情報を情報端末10へ送信するものとしたので、ウェブサーバSV自体は商品の真贋判定を行なわないながらも、なりすましなど悪意のあるユーザからのアクセスに適切に対処することが可能となる。
【0063】
なお、上記の実施形態では、第2のウェブサーバSV2は、ステップS208において、生成したデジタル署名の公開鍵を対応する固有情報と紐付けて情報端末10に対して送信し、情報端末10が、ステップS106において、固有情報およびデジタル署名をウェブサーバSVへ送信するものとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、第2のウェブサーバSV2は、ステップS208において、生成したデジタル署名の公開鍵を対応する固有情報と紐付けてウェブサーバSVへ直接送信し、情報端末10が、ステップS106において、固有情報のみをウェブサーバSVへ送信してもよい。
【0064】
その他、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0065】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
第2サーバ装置に第1情報を送信して、前記第1情報を受信して当該第1情報を用いてデジタル署名を生成する前記第2サーバ装置から送信された前記第1情報と前記デジタル署名とを受信して送信するクライアント端末と通信可能なサーバ装置であって、
前記クライアント端末より送信された第1情報と前記デジタル署名とを受信し、
受信した前記第1情報と前記デジタル署名とに基づいて、前記第1情報が正当であるか否かを判定し、
前記第1情報が正当であると判定した場合、第2情報を前記クライアント端末へ送信する、
制御部を備える、サーバ装置。
[請求項2]
前記制御部は、
前記第1情報が正当ではないと判定した場合、前記第2情報とは異なる第4情報を前記クライアント端末へ送信する、
請求項1記載のサーバ装置。
[請求項3]
前記第2情報は、正当であると判定される前記第1情報を送信する前記クライアント端末の購入者に対して限定的に公開される特典情報である、
請求項1又は2記載のサーバ装置。
[請求項4]
前記第2サーバ装置は、
前記クライアント端末に固有の情報を、前記第1情報として取得し、
前記クライアント端末より取得した前記第1情報の正当性を判定し、
前記第1情報が正当であると判定した場合、当該第1情報に基づいて、前記デジタル署名を生成する、
請求項1乃至3いずれか記載のサーバ装置。
[請求項5]
前記第2サーバ装置は、
前記クライアント端末に固有の情報を、前記第1情報として取得し、
前記クライアント端末より取得した前記第1情報の正当性を判定することにより、当該クライアント端末の真贋を判定し、
前記クライアント端末が本物であると判定した場合、正当性の判定対象である前記第1情報に基づいて、前記デジタル署名を生成する、
請求項4記載のサーバ装置。
[請求項6]
前記第2情報は、本物であると判定される前記クライアント端末の購入者に対して限定的に公開される、特典情報である
請求項5記載のサーバ装置。
[請求項7]
前記第2サーバ装置は、
前記第1情報が正当であると判定した場合、前記第2情報の取得要求を送信するための操作子を表示するためのデータを、前記第1情報と前記デジタル署名とともに送信し、
前記クライアント端末は、
前記第2サーバ装置より送信された前記操作子を表示するためのデータを、前記第1情報と前記デジタル署名とともに受信し、
受信した前記操作子を表示するためのデータに基づいて、前記操作子を表示し、
表示した前記操作子が操作されたことに応じて、受信した前記第1情報と前記デジタル署名とを送信する、
請求項4乃至6いずれか記載のサーバ装置。
[請求項8]
前記第2サーバ装置は、
前記クライアント端末からのアクセスによって、当該クライアント端末に固有の情報を取得し、
前記クライアント端末からのアクセスを解析することにより、当該クライアント端末に関連する国及び言語の少なくとも何れかに関する第3情報を取得し、
前記第1情報が正当であると判定した場合、取得した前記第3情報を、前記第1情報と前記デジタル署名とともに送信し、
前記クライアント端末は、
前記第2サーバ装置より送信された前記第3情報を、前記第1情報と前記デジタル署名とともに送信し、
前記サーバ装置は、
前記クライアント端末より送信された前記第3情報を、前記第1情報と前記デジタル署名とともに受信し、
前記第1情報が正当であると判定した場合、受信した前記第3情報に対応する前記第2情報を、前記クライアント端末へ送信する、
請求項4乃至7いずれか記載のサーバ装置。
[請求項9]
第2サーバ装置に第1情報を送信して、前記第1情報を受信して当該第1情報を用いてデジタル署名を生成する前記第2サーバ装置から送信された前記第1情報と前記デジタル署名とを受信して送信するクライアント端末と通信可能なサーバ装置の制御部が実行する、コンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
前記クライアント端末より送信された第1情報と前記デジタル署名とを受信し、
受信した前記第1情報と前記デジタル署名とに基づいて、前記第1情報が正当であるか否かを判定し、
前記第1情報が正当であると判定した場合、第2情報を前記クライアント端末へ送信する、
プログラム。
[請求項10]
サーバ装置と、第2サーバ装置と、クライアント端末とを備える情報処理システムであって、
前記第2サーバ装置は、
前記クライアント端末より送信された第1情報に基づいてデジタル署名を生成し、前記第1情報と前記デジタル署名とを前記クライアント端末に送信し、
前記クライアント端末は、
前記第1情報を前記第2サーバ装置に送信し、前記第2サーバ装置より送信された前記第1情報と前記デジタル署名とを受信し、受信した前記第1情報と前記デジタル署名とを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、
前記クライアント端末より送信された前記第1情報と前記デジタル署名とを受信し、
受信した前記第1情報と前記デジタル署名とに基づいて、前記第1情報が正当であるか否かを判定し、
前記第1情報が正当であると判定した場合、第2情報を前記クライアント端末へ送信する、
情報処理システム。
[請求項11]
サーバ装置と、第2サーバ装置と、クライアント端末とを備える情報処理システムでの情報処理方法であって、
前記第2サーバ装置は、
前記クライアント端末より送信された第1情報に基づいてデジタル署名を生成し、前記第1情報と前記デジタル署名とを前記クライアント端末に送信し、
前記クライアント端末は、
前記第1情報を前記第2サーバ装置に送信し、前記第2サーバ装置より送信された前記第1情報と前記デジタル署名とを受信し、受信した前記第1情報と前記デジタル署名とを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、
前記クライアント端末より送信された前記第1情報と前記デジタル署名とを受信し、
受信した前記第1情報と前記デジタル署名とに基づいて、前記第1情報が正当であるか否かを判定し、
前記第1情報が正当であると判定した場合、第2情報を前記クライアント端末へ送信する、
情報処理方法。
【符号の説明】
【0066】
10…情報端末、
11…プロセッサ、
12…ROM、
13…RAM、
14…ストレージ、
15…入力デバイス、
16…ディスプレイ、
17…カメラ部、
18…通信インタフェイス(I/F)、
19…バスライン、
21…プロセッサ、
22…ROM、
23…RAM、
24…ストレージ、
25…通信装置、
29…バスライン、
BC…2次元バーコード部、
CP…商品パッケージ、
CS…登録ステッカー、
DI…表示入力部、
NW…ネットワーク、
SV…ウェブサーバ、
SV2…第2のウェブサーバ。