(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】車載装置及び音声出力システム
(51)【国際特許分類】
H04R 1/02 20060101AFI20220628BHJP
H04R 1/34 20060101ALI20220628BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20220628BHJP
B60J 3/02 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
H04R1/02 102B
H04R1/34 310
B60R11/02 S
B60J3/02 N
(21)【出願番号】P 2020513026
(86)(22)【出願日】2018-04-12
(86)【国際出願番号】 JP2018015445
(87)【国際公開番号】W WO2019198213
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2021-03-10
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 克海
【審査官】殿川 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-162486(JP,A)
【文献】特開2012-231449(JP,A)
【文献】実開昭61-085987(JP,U)
【文献】実開昭61-047714(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/02
H04R 1/34
B60R 11/02
B60J 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンバイザに設置される車載装置であって、
移動体に設置され、第1方向に向かって音を発するスピーカ部と、
前記第1方向とは異なる第2方向へ前記音を反射させるリフレクタ部と、
前記第2方向を変更する機構部と、
前記音が出力される開口部と、
を有し、
前記スピーカ部は、前記開口部が向く方向に対して斜めに設置される、車載装置。
【請求項2】
前記開口部が複数あり、
それぞれの前記開口部は、異なる方向を向く
請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記機構部は、
姿勢に応じて前記リフレクタ部の反射角を変更する
請求項1に記載の車載装置。
【請求項4】
前記リフレクタ部は、複数であり、
前記機構部は、
前記複数のリフレクタ部を連結させる連結機構を有する
請求項1に記載の車載装置。
【請求項5】
前記スピーカ部は、複数である
請求項1に記載の車載装置。
【請求項6】
請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の車載装置と、
前記スピーカ部に送信する音声出力信号を生成する音声信号処理装置と、を有することを特徴とする音声出力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置及び音声出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車内に音響装置を設ける技術が知られている。
【0003】
具体的には、サンバイザ(sun visor)等に設置でき、Bluetooth(登録商標)の無線通信によって携帯端末から配信された音を出力する音響装置が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】KY PLAZA社、"ハンズフリー 通話キット 商品コード:BT-LD-168"、[online]、[平成30年2月20日検索]、インターネット〈URL:https://store.shopping.yahoo.co.jp/kyplaza634s/bt-ld-168.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車載装置では、例えば、サンバイザ等に、スピーカ部等を設置すると、受聴者に対するサンバイザの姿勢(以下単に「姿勢」という。)によって、スピーカ部等の受聴者に対する向きも一緒に変わる場合が多い。音には、様々な周波数が含まれるが、音の周波数が低音域の場合は、音が回り込む性質があるため、音の指向性は弱いのに対し、高音域の場合は、音の直進性が比較的強いという特徴がある。そのため、スピーカから出力される音が天井等の方向に出力される場合は、受聴者には高音域が届きにくく、低音域ばかりが伝わることになり、その結果、受聴者には、偏った周波数成分の音が届き高品質な音が伝わりにくくなる。また、車載装置は、民生機器等と比較すると、信頼性等の要求が厳しい。そのため、車載装置は、使用できる部品が限られる。
【0006】
本発明の一つの側面では、車載装置において、受聴者に高品質な音を伝えることができることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、車載装置は、
サンバイザに設置される車載装置であって、
移動体に設置され、第1方向に向かって音を発するスピーカ部と、
前記第1方向とは異なる第2方向へ前記音を反射させるリフレクタ部と、
前記第2方向を変更する機構部と、
前記音が出力される開口部と、
を有し、
前記スピーカ部は、前記開口部が向く方向に対して斜めに設置される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
車載装置において、受聴者に高品質な音を伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る音声出力システム120の全体構成例を示す図である。
【
図2】本発明に係る音声出力システム120が有する各装置の車室内における設置例を示す図である。
【
図3】本発明に係る音声信号処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明に係るサンバイザ11の使用例(その1)を示す断面図である。
【
図5】本発明に係るサンバイザ11の使用例(その2)を示す断面図である。
【
図6】本発明に係るサンバイザ11の使用例(その3)を示す断面図である。
【
図7】本発明に係るスピーカ部SP等の設置例を示す断面図である。
【
図9】本発明に係る機構部の例を示す断面図である。
【
図10】本発明に係る機構部が斜めの状態の例を示す断面図である。
【
図11】本発明に係る調整機構を有する機構部の例を示す断面図である。
【
図12】本発明に係る姿勢の変化例を示す図である。
【
図13】比較例に係る車載装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0011】
<音声出力システム120のシステム構成例>
図1は、本発明に係る音声出力システム120の全体構成例を示す図である。例えば、音声出力システム120は、本発明に係る車載装置110及び音声信号処理装置100を有する構成である。
【0012】
図1に示すように、音声出力システム120は、音声信号処理装置100と、車載装置110とを有する。そして、音声信号処理装置100と、音声出力装置111とは、音声出力信号等の信号が送受信できるように、有線又は無線で接続される。
【0013】
音声信号処理装置100には、音声発生プログラム等が、あらかじめインストールされる。そして、音声信号処理装置100は、当該プログラムが実行されることで、音声発生部101として機能する。
【0014】
音声発生部101は、音声出力信号を生成し、生成した音声出力信号を音声出力装置111に送信する。そして、音声出力装置111は、音声発生部101により送信された音声出力信号を受信する。このように音声出力信号を受信すると、音声出力装置111は、音を発する。
【0015】
なお、音声出力システム120には、図示する以外の装置が更にあってもよい。
【0016】
<音声出力システム120の設置例>
次に、音声出力システム120の各装置の車室内における設置例について説明する。
【0017】
図2は、本発明に係る音声出力システム120が有する各装置の車室内における設置例を示す図である。図示する例では、音声信号処理装置100の機能が実現されるナビゲーション装置は、例えば、車室内のセンタコンソールに設置される。
【0018】
以下、車両10が進行する進行方向(図では、奥行き方向となる。)を「y軸」とする。そして、y軸に対して直交する水平方向(図では、右手方向となる。)を「x軸」とする。さらに、y軸に対して垂直となる垂直方向(図では、縦方向となる。)を「z軸」とする。
【0019】
音声信号処理装置100は、例えば、以下のようなハードウェア構成の装置である。
【0020】
<音声信号処理装置100のハードウェア構成例>
図3は、本発明に係る音声信号処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0021】
図3に示すように、音声信号処理装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302及びRAM(Random Access Memory)303等を有するハードウェア構成である。すなわち、CPU301、ROM302及びRAM303等は、いわゆるコンピュータを形成する。
【0022】
また、音声信号処理装置100は、補助記憶装置304、操作装置305、表示装置306、接続装置307、通信装置308及びドライブ装置309を有する。なお、音声信号処理装置100の各ハードウェアは、バス310を介して相互に接続される。
【0023】
CPU301は、補助記憶装置304にインストールされている各種プログラム(例えば、音声発生プログラム等である。)を実行する演算及び制御デバイスである。
【0024】
ROM302は、不揮発性メモリである。例えば、ROM302は、補助記憶装置304にインストールされている各種プログラムをCPU301が実行するために必要な各種プログラム等を格納する、主記憶デバイスとして機能する。具体的には、ROM302は、BIOS(Basic Input/Output System)又はEFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラム等を格納する。
【0025】
RAM303は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリである。例えば、RAM303は、補助記憶装置304にインストールされている各種プログラムがCPU301によって実行される際に展開される作業領域を提供する、主記憶デバイスとして機能する。
【0026】
補助記憶装置304は、各種プログラム又は各種プログラムの実行に用いられるパラメータ等を格納する補助記憶デバイスである。
【0027】
操作装置305は、運転手による各種指示の入力を受け付ける。具体的には、操作装置305は、各種ボタンスイッチ又は所定の操作デバイスであってもよい。なお、操作装置305は、表示装置306と一体的に形成されるタッチパネルであってもよい。
【0028】
接続装置307は、音声出力装置111等の外部装置と音声信号処理装置100を接続させる。例えば、接続装置307は、各種プログラムがCPU301によって実行されることで生成される音声出力信号を音声出力装置111に送信する。なお、音声出力装置111との接続は、有線であってもよいし、又は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線であってもよい。すなわち、通信装置308は、ネットワークと通信するための通信デバイスである。
【0029】
ドライブ装置309は、記録媒体320をセットするためのデバイスである。なお、記録媒体320には、CD-ROM(Compact Disc‐ROM)、フレキシブルディスク又は光磁気ディスク等のように、情報を光学的、電気的又は磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体320には、ROM又はフラッシュメモリ等のように、情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
【0030】
なお、補助記憶装置304にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体320がドライブ装置309にセットされ、該記録媒体320に記録された各種プログラムがドライブ装置309により読み出されることでインストールされる。
【0031】
<車載装置110の構成例>
以下、車載装置110が、搭乗者に対して日光が当たるのを少なくするよう取り付けられた装置、いわゆるサンバイザ11である場合を例に説明する。
【0032】
また、以下の説明では、図示するように、サンバイザ11において左部分11Lと、右部分11Rに、スピーカ部等の音声出力装置111が設置される例で説明する。さらに、左部分11Lの構成と、右部分11Rの構成は、例えば、同一である。以下、左部分11Lの構成を例に説明し、右部分11Rの説明を省略する。
【0033】
図4は、本発明に係るサンバイザ11の使用例(その1)を示す断面図である。図示するように、運転手12等の搭乗者は、ステアリング装置を用いて、車両10の進行方向等を操作する。
【0034】
図示する状態は、サンバイザ11によって、日光等を遮断しようとしない状態、すなわち、サンバイザ11をいわゆる「未使用」とする状態の例である。このような状態では、例えば、サンバイザ11は、進行方向(図では、y軸方向である。)に対して、ほぼ水平となるように固定される。一方で、サンバイザ11は、例えば、以下のような角度で固定されて使用される場合がある。
【0035】
図5は、本発明に係るサンバイザ11の使用例(その2)を示す断面図である。
【0036】
図6は、本発明に係るサンバイザ11の使用例(その3)を示す断面図である。
【0037】
図4乃至
図6に示す例では、サンバイザ11は、姿勢が異なる。以下、図示する3通りの姿勢を例に説明するが、サンバイザ11は、図示する以外の姿勢で使用されてもよい。すなわち、姿勢は、運転手12による操作によって任意に変更できる。
【0038】
そして、左部分11Lには、例えば、以下のように、スピーカ部等が設置される。
【0039】
<スピーカ部SP等の設置例>
図7は、本発明に係るスピーカ部SP等の設置例を示す断面図である。まず、左部分11Lには、複数の開口部があるのが望ましい。具体的には、図示する例は、第1開口部21及び第2開口部22のように、上方向(図では、z軸方向となる。)及び水平方向(図では、y軸方向となる。)のように、異なる方向を向く開口部がある例となる。なお、開口部の数は、3以上であってもよい。さらに、それぞれの開口部が向く方向は、図示する以外の組み合わせ以外でもよい。
【0040】
このように、複数の開口部があり、かつ、それぞれの開口部が異なる方向を向くと、スピーカ部SPが出力した音は、いずれかの開口部から出力される。すなわち、姿勢によって、いずれかの開口部が塞がれた場合であっても、開口部が複数あると、塞がれた以外の開口部から、音が出力できる。具体的には、
図4に示す状態では、第1開口部21が天井によって塞がれる。そこで、第2開口部22があると、音は、第2開口部22から出力できる。ゆえに、複数の開口部があると、姿勢が変化しても、受聴者に高品質な音を伝えることができる。
【0041】
そして、スピーカ部SPは、図示するように、水平方向(図では、y軸方向となる。)に対して、所定の角度θがあるように設置されるのが望ましい。所定の角度θは、例えば、45 °程度である。ただし、所定の角度θは、スピーカ部SPの径等を考慮した角度でもよい。このように、スピーカ部SPは、開口部に対して、所定の角度θがあるように設置される、すなわち、斜めに設置されるのが望ましい。このような設置であると、スピーカ部SPは、複数のいずれの開口部に対しても、音を出力することができる。したがって、姿勢が変化した場合でも、スピーカ部SPは、少なくともいずれかの開口部から音を出力できる。
【0042】
さらに、第1開口部21の付近には、例えば、図示するように、リフレクタ部RFが設置される。なお、リフレクタ部RFは、例えば、プラスチック、鉄又はアルミニウム等である。ただし、リフレクタ部RFは、プラスチック、鉄又はアルミニウムに限られず、例えば、表面が硬くて滑らかである等の音を反響させやすい素材であれば、どのような素材でもよい。
【0043】
<リフレクタ部RFの例>
リフレクタ部RFがあると、例えば、以下のような効果を奏する。
【0044】
図8は、本発明に係る効果の例を示す断面図である。以下、図示するように、
図7に示すようにスピーカ部SPを設置し、かつ、
図4に示す姿勢である場合を例に説明する。
【0045】
このような状態であると、図示するように、スピーカ部SPから出力され、第1開口部21に向かう音は、リフレクタ部RFによって反射し、音の向かう方向が変更される。そして、音は、第2開口部22から出力される。
【0046】
すなわち、この例では、スピーカ部SPは、まず、第1方向である第1開口部21の方(図では、上方向となる。)へ向かって、音を出力する。そして、リフレクタ部RFは、第1方向へ向かって出力された音を第2方向の例である第2開口部22の方(図では、右方向となる。)に向かうように反射させる。このように、リフレクタ部RFは、音を反射させて異なる方向となるように音が向かう方向を変更する。
【0047】
また、
図4に示す姿勢であると、図における上側、すなわち、第1開口部21から音が出力されても、第1開口部21の先には天井があるため、スピーカ部SPから出力され、第1開口部21から出る音は、受聴者に伝わりにくい。一方で、反射によって第2開口部22から音が出力されると、音は、受聴者に向かうため、受聴者に、高品質な音を伝えることができる。
【0048】
<機構部の例>
例えば、リフレクタ部RFは、以下のような機構部によって反射角(すなわち、第2方向である。)等を変更する。
【0049】
図9は、本発明に係る機構部の例を示す断面図である。図示するように、まず、リフレクタ部RFは、例えば、ピンPI等で回転可能なように固定される。さらに、リフレクタ部RFには、重りWGが設置される。例えば、図示するような機構部であると、リフレクタ部RFは、姿勢に応じて反射角を変更できる。
【0050】
なお、機構部は、図示するような重りWG及びピンPI等に限られない。すなわち、機構部は、反射角を姿勢に応じて回転させる等ができる機構であればよい。例えば、重りWGの設置位置、形状、大きさ、接続構成及びピンPIによる回転位置等は、図示する重りWG及びピンPI以外であってもよい。
【0051】
具体的には、
図9は、姿勢がほぼ水平である場合、すなわち、サンバイザ11が
図4に示す状態(以下「水平状態ST1」という。)である。
【0052】
例えば、姿勢を以下のように変更する。
【0053】
図10は、本発明に係る機構部が斜めの状態の例を示す断面図である。
図9と比較すると、
図10は、姿勢が水平状態ST1から斜めの状態ST2となる点が異なる。すなわち、
図10は、例えば、
図5に示す状態である。
【0054】
斜めの状態ST2になると、重りWGがあるため、リフレクタ部RFは、ピンPIを中心に回転する。したがって、反射後の音は、水平状態ST1であっても、斜めの状態ST2であっても、ほぼ運転手12がいる方向へ(図では、右下方向となる。)反射する。このように、重りWG等の機構部があると、姿勢に応じて、リフレクタ部RFは、反射角を変更する。ゆえに、どのような姿勢であっても、リフレクタ部RFは、ほぼ受聴者がいる方向へ音を反射させることができる。
【0055】
なお、機構部は、例えば、以下のような構成でもよい。
【0056】
図11は、本発明に係る調整機構を有する機構部の例を示す断面図である。図示するように、車載装置は、複数のリフレクタ部RFを連結させる連結機構30を有してもよい。図示するように、連結機構30は、複数のリフレクタ部RFを連結させるため、連結機構30を運転手12が操作すると、複数のリフレクタ部RFの反射角を一斉に調整できる。すなわち、このような機構部であると、複数のリフレクタ部RFがあっても、搭乗者は、簡単に複数のリフレクタ部RFの反射角を調整できる。
【0057】
また、連結機構30があると、リフレクタ部RFの反射角が調整できる。すなわち、重りWG等の機構部で定まる反射角であると、受聴者からずれた位置に音が出力される場合がある。そこで、図示するような連結機構30等の反射角を調整できる機構部があると、受聴者は、ずれを少なくする調整ができる。
【0058】
なお、連結機構30は、図示するような設置位置、形状及び構造でなくともよい。すなわち、連結機構30は、設置されるリフレクタ部RFのうち、一部又は全部を一斉に調整できる機構であればよい。
【0059】
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、実施形態に係るサンバイザ11は、
・まず、リフレクタ部RFを有する構成である。また、リフレクタ部RFは、スピーカ部SPが発する音を反射し、第1方向に向かう音を第2方向に向かうようにする。そして、重りWG等の機構部によって、第2方向、すなわち、反射角を変更する。
【0060】
サンバイザ11は、例えば、以下のように、姿勢が変化する。
【0061】
図12は、本発明に係る姿勢の変化例を示す図である。例えば、サンバイザ11は、図示するように、3通りの姿勢が可能である。例えば、このように姿勢が変化しても、いずれの姿勢であっても、リフレクタ部RFによって、運転手12がいる方向へ音が出力される。
【0062】
なお、リフレクタ部RFが所定の角度以上とならないように、リフレクタ部RFが回転できる範囲を制限する機構等があってもよい。例えば、
図6に示す姿勢等では、音は、リフレクタ部RFで反射されず、第1開口部21の方から音が出力されるのが望ましい。したがって、このような場合には、リフレクタ部RF又は重りWG等によって、第1開口部21が塞がれないのが望ましい。ゆえに、リフレクタ部RFの周辺等には、爪又は出っ張り等の機構が設けられるのが望ましい。このような機構が更にあると、所定の角度以上となる姿勢であっても、第1開口部21から音が出力されるのを、リフレクタ部RF等によって妨げられるのを防ぐことができる。
【0063】
以上のような構成であると、サンバイザ11の状態、すなわち、姿勢がどのような状態であっても、音は、受聴者の方向へ向かう場合が多くなる。ゆえに、サンバイザ11は、受聴者に高品質な音を伝えることができる。
【0064】
なお、スピーカ部SPは、例えば、
図2に示すように、左部分11L及び右部分11Rのどちらにも設置することができる。このように、スピーカ部SPが複数であると、いわゆる立体音響が出力できる。より望ましくは、左部分11L及び右部分11Rのように、複数のスピーカ部SPが、受聴者を中心として左右対称の配置となるのが望ましい。
【0065】
なお、リフレクタ部RFは、図示するような形状、設置位置及び数でなくともよい。すなわち、リフレクタ部RFは、例えば、開口部の形状又は位置等に応じて図示する以外の形状、設置位置及び数でもよい。
【0066】
なお、車載装置は、サンバイザ11に限られない。すなわち、車載装置は、姿勢が変化し、かつ、受聴者に対して音を発するため、スピーカ部SPが設置できる位置にある機器であればよい。例えば、車載装置は、ルームミラー又はドア等でもよい。
【0067】
なお、移動体は、搭乗者がいればよく、種類は、車両に限られない。
【0068】
<比較例>
図13は、比較例に係る車載装置を示す断面図である。比較例では、スピーカ部SPは、所定の角度でなく、
図4に示す状態において、水平となるように設置される。また、比較例では、開口部は、第1開口部21のみである。
【0069】
比較例のような構成であると、例えば、
図4に示す状態となっても、スピーカ部SPは、第1開口部21から音を出力する。
図4に示すように、第1開口部21は、天井に向いているため、音は、天井に向かうことになる。したがって、比較例のような構成であると、音が受聴者に伝わりにくい場合が多い。
【0070】
なお、上記に説明した構成等に、本発明は、限定されない。すなわち、実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更及び追加することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0071】
10 車両
11 サンバイザ
11L 左部分
11R 右部分
12 運転手
RF リフレクタ部
SP スピーカ部
WG 重り
θ 所定の角度
21 第1開口部
22 第2開口部
30 連結機構