(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】空気質情報提供システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220628BHJP
G06F 21/64 20130101ALI20220628BHJP
G16Y 10/60 20200101ALI20220628BHJP
G16Y 20/10 20200101ALI20220628BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20220628BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20220628BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F21/64
G16Y10/60
G16Y20/10
G16Y40/10
G16Y40/20
(21)【出願番号】P 2021011150
(22)【出願日】2021-01-27
【審査請求日】2021-07-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513161195
【氏名又は名称】株式会社UPDATER
(74)【代理人】
【識別番号】100119585
【氏名又は名称】東田 潔
(72)【発明者】
【氏名】大石 英司
(72)【発明者】
【氏名】田口 亜希
(72)【発明者】
【氏名】澤田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】碓氷 友美
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-027610(JP,A)
【文献】国際公開第2020/066581(WO,A1)
【文献】特開2020-166484(JP,A)
【文献】特開2006-277059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 21/64
G16Y 10/00-40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一または二以上の所定の施設に設置されたセンサによって検知された空気質データを、通信ネットワーク網を介して取得する取得部と、
少なくとも位置データを含む前記所定の施設の属性データを前記空気質データと対応させて記憶する記憶部と、
前記所定の施設の屋外において検知された屋外空気質データを、前記検知した位置データとともに収集する収集部と、
前記取得部によって取得された空気質データの平均値および前記収集部によって収集された屋外空気質データの平均値を各々算出する算出部と、
検索者の通信端末から、前記通信ネットワーク網を介して、前記通信端末が指定する領域または前記通信端末の現在地を含む所定の領域の空気質情報の検索要求を受け付ける受付部と、
前記検索要求を受け付けると、前記記憶部から、前記指定する領域または前記所定の領域に所在する前記所定の施設の属性データ及び前記空気質データを読み出して、地図画像データの上に、前記位置データに基づいて、前記所定の施設の位置を示す表示画像を重畳表示させるとともに、前記表示画像に対応する前記属性データおよび前記空気質データを表示させる空気質情報
と、前記収集された屋外空気質データを検知した位置を前記地図画像データ上に、前記表示画像と識別可能な屋外表示画像として重畳表示させるとともに、前記屋外表示画像に対応する前記屋外空気質データを表示させる屋外空気質情報と、前記算出部で算出された前記空気質データの平均値と前記屋外空気質データの平均値との対比情報と、を生成する生成部と、
前記生成された表示画像および空気質情報
と屋外表示画像および屋外空気質情報と前記対比情報とを、前記通信ネットワーク網を介して前記通信端末に送信する送信部と、を有
し、
前記算出部は、前記空気質データの平均値を算出する対象を、前記通信端末から前記通信ネットワーク網を介して、選択されることにより、特定することができる空気質情報提供システム。
【請求項2】
前記生成部は、前記通信端末によって、前記表示画像が指定されると、前記空気質情報を示す画像に切り替わるように、前記表示画像を生成する請求項1記載の空気質情報提供システム。
【請求項3】
前記受付部は、前記通信端末から、前記所定の施設の空気質情報に対する評価情報を受け付け、前記生成部は、前記評価情報を前記表示画像または前記空気質情報の少なくともいずれか一方に表示可能に生成する請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の空気質情報提供システム。
【請求項4】
前記空気質情報は、前記通信端末から、前記通信ネットワーク網を介して、前記所定の施設を応援するデータを発信するボタンの表示を含む請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の空気質情報提供システム。
【請求項5】
分散台帳を保有する複数のノードをP2P接続し、分散ファイル共有ネットワークを構成するブロックチェーンで、前記記憶部に記憶された空気質データを検証データとして、ハッシュ値を算出するとともにナンスを特定し、前記ハッシュ値をハッシュポインタとして所定のブロックに格納し、前記複数のノードすべてに前記ブロックをブロードキャストして、前記分散台帳で同期する検証部と、
前記ハッシュポインタに対して一意に対応し、前記空気質データの正当性が検証されたことを示す検証済データを登録する登録部と、を有し、
前記生成部は、前記登録部の前記検証済データに対応する空気質データを前記記憶部から読み出す請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の空気質情報提供システム。
【請求項6】
前記センサが設置された所定の施設を提供する提供者端末に、前記通信ネットワーク網を介して、前記検証の実行をトランザクションとするためのトークンを付与する発行部を有し、
前記発行部は、前記取得部が、前記センサから、前記空気質データを取得し、前記記憶部で記憶されると、前記提供者端末に対してトークンを付与するとともに、前記トランザクションの指示データを送信し、前記検証部は、前記提供者端末から、前記トークンを受領すると、前記検証を実行し、前記登録部に前記検証データを登録する請求項5記載の空気質情報提供システム。
【請求項7】
前記記憶部は、前記空気質データを前記検知された日時データに対応させて順次蓄積記憶し、前記生成部は、前記空気質情報として、前記記憶部に記憶された過去の日時データを時系列の空気質データとして表示可能に生成する請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の空気質情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書における開示は、通信ネットワーク網を介して、検索者の通信端末に空気質情報を提供するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、店舗、病院、その他不特定多数の人の出入りが多い建物(施設)内の空気質環境に対する関心が高まっている。たとえば、わが国では、「ビル管理法」によって、所定床面積以上の特定建築物内の空気質を測定し、空気に有害な物質が含まれないよう、一定の基準を守ることが義務付けられている。
【0003】
しかし、前記「ビル管理法」では、空気質の測定が義務付けられている施設は、特定建築物に限られ、小規模店舗等、対象外の施設の測定は義務付けられていない。さらに、空気質を測定して得られた空気質情報についても、リアルタイムで閲覧自由に公開されているわけではない。
【0004】
そこで、従来、空気質を測定する測定器を配布された配布対象者の情報をあらかじめ記憶し、前記配布対象者が、前記測定器によって測定した測定データと前記測定器の位置情報とを取得し、前記位置情報を基に測定データを取得した施設を特定し、前記記憶された配布対象者の情報を基に、配布対象者に対して、特定された施設に対するサービスを付与するとともに、空気質の情報を閲覧したい情報被提供者が、携帯端末から空気質の情報を閲覧可能なウェブサイトに接続すると、所望の施設の空気質情報を閲覧できる空気質評価システムが提供されていた(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記従来技術は、測定器を持参する配布対象者が、任意の位置(施設)で測定し、当該測定時点の空気質情報を提供するにとどまり、定点で空気質を測定するものではなかった。すなわち、前記従来技術にかかるシステムは、空気質測定の対象となる施設が、前記配布対象者の主観で任意に選択されたものであり、特に、測定のインセンティブとして利益(クーポンなどのサービス)を供与するという構成になっているため、提供される空気質情報が特定の施設に偏在するおそれがあった。
【0007】
また、空気質情報の提供が、前記配布対象者の測定の有無に依存するため、施設を提供する側が、積極的に空気質情報を発信できる仕組みになっていなかった。
【0008】
さらに、上記のとおり、定点で空気質を測定するものではないため、安定的に測定データを取得することができず、統計的な処理によって客観的な評価が可能な空気質情報を提供することができなかった。
【0009】
施設の空気質情報を開示する目的の一つは、施設内の空気質環境に関心の高い潜在的需要者の集客である。したがって、当該施設に対する需要者からの空気質環境の評価も、重要な空気質情報になるが、前記従来技術では、需要者側の評価を受け付けて表示する仕組みはなかった。
【0010】
さらに、上記のとおり、供与される利益がインセンティブとなって空気質を測定する場合、または、空気質情報を開示することによって集客効果が期待できる場合、より多くの利益やより多くの集客を得るために、測定された空気質データを改ざんし、不正な空気質情報を開示するおそれがあった。
【0011】
本明細書において開示する空気質情報提供システムの一態様は、上記課題を解消させるためのものであり、施設の提供者側からの空気質情報を提供するとともに、施設の需要者側からの前記空気質情報に対する評価情報を提供することを第1の目的とする。また、統計的な処理によって客観的な評価が可能な空気質情報を提供することを第2の目的とする。さらに、信頼性の高い空気質情報を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解消させるために、本明細書で開示する空気質情報提供システムの一態様は、一または二以上の所定の施設に設置されたセンサによって検知された空気質データを、通信ネットワーク網を介して取得する取得部と、
少なくとも位置データを含む前記所定の施設の属性データを前記空気質データと対応させて記憶する記憶部と、
検索者の通信端末から、前記通信ネットワーク網を介して、前記通信端末が指定する領域または前記通信端末の現在地を含む所定の領域の空気質情報の検索要求を受け付ける受付部と、
前記検索要求を受け付けると、前記記憶部から、前記指定する領域または前記所定の領域に所在する前記所定の施設の属性データ及び前記空気質データを読み出して、地図画像データの上に、前記位置データに基づいて、前記所定の施設の位置を示す表示画像を重畳表示させるとともに、前記表示画像に対応する前記属性データおよび前記空気質データを表示させる空気質情報を生成する生成部と、
前記生成された表示画像および空気質情報を、前記通信ネットワーク網を介して前記通信端末に送信する送信部と、を有する。
【0013】
また、前記生成部は、前記所定の施設の屋外において検知された空気質データを、前記検知した位置データとともに収集する収集部を有し、前記生成部は、前記収集された空気質データを検知した位置を前記地図画像データ上に、前記表示画像と識別可能な屋外表示画像として重畳表示させるとともに、前記収集された空気質データを前記屋外表示画像に対応する空気質情報として表示可能に生成する。
【0014】
また、前記取得部によって取得された空気質データの平均値および前記収集部によって収集された空気質データの平均値を各々算出する算出部を有し、前記生成部は、前記空気質情報に、前記算出された各空気質データの平均値の対比情報を表示可能に生成する。
【0015】
そして、前記算出部は、前記空気質データの平均値を算出する対象を、前記通信端末から前記通信ネットワーク網を介して、選択されることにより、特定することができる。
【0016】
この構成によれば、前記所定の施設に設置されたセンサから、前記通信ネットワーク網を介して自動的に空気質データを取得することができる。また、前記検索者の通信端末に対して、前記通信ネットワーク網を介して、前記取得された空気質データと前記所定の施設の属性情報とから生成された空気質情報を提供することができる。また、この構成によれば、前記通信端末に対して、前記所定の施設の空気質情報とともに、当該施設の屋外の空気質情報も提供することができる。さらに、この構成によれば、前記通信端末に対して、算出部によって算出された前記空気質データの平均値も提供することができる。
【0017】
前記生成部は、前記通信端末によって、前記表示画像が指定されると、前記空気質情報を示す画像に切り替わるように、前記表示画像を生成するようにしてもよい。
【0018】
また、本明細書において開示する空気質情報提供システムの一態様は、前記所定の施設の屋外において検知された空気質データを、前記検知した位置データとともに収集する収集部を有し、前記生成部は、前記収集された空気質データを検知した位置を前記地図画像データ上に、前記表示画像と識別可能な屋外表示画像として重畳表示させるとともに、前記収集された空気質データを前記屋外表示画像に対応する空気質情報として表示可能に生成する。
【0019】
前記受付部は、前記通信端末から、前記所定の施設の空気質情報に対する評価情報を受け付け、前記生成部は、前記評価情報を前記表示画像または前記空気質情報の少なくともいずれか一方に表示可能に生成するようにしてもよい。したがって、前記通信端末に対して、前記屋外の空気質情報のほか、前記所定の施設の需要者の評価情報も提供することができる。
【0020】
また、本明細書において開示する空気質情報提供システムの一態様は、分散台帳を保有する複数のノードをP2P接続し、分散ファイル共有ネットワークを構成するブロックチェーンで、前記記憶部に記憶された空気質データを検証データとして、ハッシュ値を算出するとともにナンスを特定し、前記ハッシュ値をハッシュポインタとして所定のブロックに格納し、前記複数のノードすべてに前記ブロックをブロードキャストして、前記分散台帳で同期する検証部と、
前記ハッシュポインタに対して一意に対応し、前記空気質データの正当性が検証されたことを示す検証済データを登録する登録部と、を有し、
前記生成部は、前記登録部の前記検証済データに対応する空気質データを前記記憶部から読み出す。
【0021】
この構成によれば、ブロックチェーンによって検証を受けた空気質情報を提供することができる。
【0022】
前記センサが設置された所定の施設を提供する提供者端末に、前記通信ネットワーク網を介して、前記検証の実行をトランザクションとするためのトークンを付与する発行部を有し、前記発行部は、前記取得部が、前記センサから、前記空気質データを取得し、前記記憶部で記憶されると、前記提供者端末に対してトークンを付与するとともに、前記トランザクションの指示データを送信し、前記検証部は、前記提供者端末から、前記トークンを受領すると、前記検証を実行し、前記登録部に前記検証データを登録するようにしてもよい。
【0023】
前記記憶部は、前記空気質データを前記検知された日時データに対応させて順次蓄積記憶し、前記生成部は、前記空気質情報として、前記記憶部に記憶された過去の日時データを時系列の空気質データとして表示可能に生成するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の空気質情報提供システムは、前記所定の施設に設置したセンサから取得した空気質データによって、施設の提供者側からの空気質情報を提供するとともに、施設の需要者側からの前記空気質情報に対する評価情報も提供することができるという効果を奏する。
【0025】
また、前記所定の施設および所定の施設の屋外の空気質情報の平均値を算出することによって、統計的な処理によって客観的な評価が可能な空気質情報を提供することができるという効果を奏する。
【0026】
さらに、前記空気質データに対して、ブロックチェーンによる検証を行うため、空気質データの改ざん等を防止し、信頼性の高い空気質情報を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本明細書で開示する空気質情報提供システムおよび連携する周辺装置の主たるハードウェア構成概略図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態にかかる空気質情報提供システムのブロック図である。
【
図3】
図3は、第2実施形態にかかる空気質情報提供システムのブロック図である。
【
図4】
図4は、第3実施形態にかかる空気質情報提供システムのブロック図である。
【
図5】
図5は、第4実施形態にかかる空気質情報提供システムのブロック図である。
【
図6】
図6は、空気質情報提供システムの処理フロー図である。
【
図7】
図7は、検証部におけるトークンの取引を示したシーケンス図である。
【
図8】
図8は、通信端末で、地図上に所定の施設の位置を示すアイコンを表示させた画面表示例の図である。
【
図9】
図9は、通信端末で、地図上に所定の領域に存在する所定の施設の位置と周辺の屋外測定スポットの位置を示すアイコンを表示させた画面表示例の図である。
【
図10】
図10は、通信端末で、所定の施設の空気質情報を表示させた画面表示例の図である。
【
図11】
図11は、空気質データのレーダーチャートを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら本明細書による開示を実施するための形態を説明する。先に説明した実施形態に対応する構成要素を後続の実施形態が有する場合には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、各実施形態において構成の一部のみを説明している場合、当該構成の他の部分については先行して説明した実施形態の参照符号を使用する場合がある。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示していない場合でも、特に当該組み合わせに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。また、図中の各部材、構成品の大きさは、説明を容易とするため適宜強調されており、実際の寸法、部材間および構成品間の比率を示すものではない。
【0029】
図1は、本明細書で開示する空気質情報提供システムおよび連携する周辺装置の主たるハードウェア構成概略図である。1は、前記空気質情報提供システムを構成する管理サーバである。
図1では、管理サーバ1が1台のサーバから構成されている例を示したが、後述する各種機能に応じて、複数台の専用サーバを連携し、全体で管理システムを構成する形態としてもよい。以下の実施形態では、特段の断りがない限り、前記各種機能を有する1台の管理サーバ1によって構成される形態で説明する。
【0030】
管理サーバ1の機能の詳細については後述するが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(メモリ)、ROM(ストレージ)、及び必要に応じてマウス、キーボード等の入力装置、ディスプレイ、スピーカ等の出力装置を備える。そして、前記CPUは、前記入力装置等から入力される指示に従い、前記ストレージや外部記憶装置に記憶された各データ等を読み出して、ディスプレイ等に出力するように制御する。また、管理サーバ1のCPUは、所定の信号を受け付けると、ストレージに格納された処理プログラムをメモリに読み出し、前記読み出された処理プログラムによって、前記データを前記出力装置(例えばディスプレイ)などに出力するように制御する。
【0031】
管理サーバ1は、通信ネットワーク網(本実施の形態ではインターネット4)を介して、所定の施設内に設置されているセンサ21、センサ22、センサ23および検索者の通信端末31、通信端末32、通信端末33とそれぞれ接続されている。以下、センサ21、センサ22、センサ23を総称する場合は、センサ2とし、通信端末31、通信端末32、通信端末33を総称する場合は、通信端末3という。(なお、本実施の形態では、センサ2、通信端末3の内訳は、3つとしているが、接続される数はこれに限定する趣旨ではない。)
【0032】
また、管理サーバ1は、分散台帳を保有する複数のノードをP2P接続し、分散ファイル共有ネットワークを構成するブロックチェーンシステム6にも接続されている。ブロックチェーンシステム6は、後述するように、センサ2から管理サーバ1が取得したデータの正当性を検証する検証部として機能する。
【0033】
さらに、管理サーバ1は、後述する外部データを収集するため、外部システム5と接続されている。
【0034】
センサ2は、所定の施設内で複数設置されていてもよい。すなわち、センサ2は、単一の空気質データを検知対象とするもののほか、複数の異なる空気質データを検知対象とする複数のセンサ群から構成されるものであってもよい。本明細書で、所定の施設とは、典型的には、飲食店その他不特定多数の顧客などが出入りする建物である。特に、室内の空気質の状態が、前記顧客の集客に影響がある場所が好ましい。また、本明細書で、空気質とは、特段の断りがない限り、所定の施設内の空気中におけるガス成分量(たとえば、二酸化炭素、一酸化炭素、粉塵、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン等、厚生労働省指定の13化学物質)のほか、温度、湿度、気流、匂い(臭気)なども含んだ空気の状態をいう。
【0035】
管理サーバ1は、センサ2から、送信された所定の施設内の空気質データを取得する。センサ2の通信方式は、検知された空気質データを送信できるものであれば、特に限定しない。一例としては、ローカルな近距離通信では、IEEE802.15.4準拠の通信方式を採択し、インターネット接続する場合は、ゲートウェイを介して携帯電話通信網を使用してもよい。また、接続方式は、たとえば、マルチホップネットワークを形成してもよい。
【0036】
通信端末3は、たとえば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォンである。いずれの端末も、インターネット等の通信回線に接続可能であり、インターネット通信の場合は、ウェブブラウザを搭載し、ディスプレイによってデータ(データの表示形態は、前記通信回線で配信可能なものであれば、特に限定されず、テキスト、画像、動画、音声等あらゆる形態を含む。)を表示可能なものであれば、特に限定しない。さらに、ディスプレイによる表示に限定せず、プリンタなどの出力装置によって出力された紙媒体に表示するものであってもよい。
【0037】
以下、管理サーバ1の構成について説明する。
【0038】
<第1実施形態>
図2は、第1実施形態にかかる管理サーバ1のブロック構成図である。管理サーバ1は、センサ2が検知した空気質データを、インターネット4を介して取得する取得部11を有する。
【0039】
管理サーバ1は、取得部11で取得された空気質データを空気質データ121として記憶する記憶部12を有する。また、記憶部12は、所定の施設の属性データ122も記憶する。属性データ122は、少なくとも、前記所定の施設の位置データを含む。属性データ122は、前記所定の施設の情報を提供する提供者端末から管理サーバ1に送信されるもののほか、前記所定の施設の非電子データを管理サーバ1の前記入力装置で入力したものでもよい。また、属性データ122は、前記位置データのほか、たとえば、前記所定の施設(飲食店等の商業施設)で提供するサービスの内容、その他当該施設でサービスを提供する者が記載するテキスト情報などのマスタデータのほか、後述するように、前記所定の施設を利用する顧客などが投稿送信する前記所定の施設の空気質に関する評価データなど、トランザクションデータを含んでもよい。
【0040】
記憶部12は、リレーショナルデータベースを構成し、記憶部12に記憶された空気質データ121および属性データ122は、たとえば、各々所定の主キー(位置データなど)によって関連付けられた前記リレーショナルデータベースのテーブルから構成されるものであればよい。すなわち、所定の施設のセンサ2で検知された空気質データ121と当該所定の施設の属性データ122とを対応させて記憶し、後述する空気質情報を生成するためのデータとして提供できるようにすればよい。なお、前記リレーショナルデータベースは、記憶部12の構成例にすぎず、これに限定する趣旨ではない。たとえば、記憶部12で記憶する前記属性データ122が、非構造化/半構造化データの場合、KVS(Key-Value Store)に馴染む構造の場合、NoSQLでデータベースを構築してもよい。
【0041】
管理サーバ1は、後述する通信端末3からの検索要求に対して、地図画像を表示させるためのデータを提供する地図画像データ提供部13を有する。地図画像データ提供部13は、あらかじめ地図画像データを保持する形態のほか、外部の地図画像サーバから地図画像データを取得する形態であってもよい。地図画像データは、経度及び緯度データ、主要道路および建物のデータ等、地図を表示するために必要なデータ群から構成されていればよい。
【0042】
管理サーバ1は、通信端末3から、インターネット4を介して、検索要求が送信されると、前記検索要求を受信する受付部14を有する。なお、前記検索要求は、通信端末3に搭載された前記ウェブブラウザを介して、通信端末3を有する検索者が指定する領域または通信端末3の現在地を含む所定の領域の空気質情報(領域内の所定の施設の空気質情報)の閲覧の要求である。
【0043】
前記指定する領域とは、たとえば、通信端末3から、検索事項として、住所または施設の名称等の特定地点を指定した場合に、当該特定地点を中心として所定の距離圏内(例えば、半径数キロメートルの範囲内)の領域をいう。前記検索事項が、都道府県、市区町村等、特定地点ではなく、広い範囲を指定した場合は、その範囲の中心となる場所(地理的に中心となる場所のほか、交通機関の中心となる駅など)を中心として前記所定の距離圏内を前記指定する領域とすればよい。
【0044】
また、前記所定の領域とは、通信端末3が、特に、領域を指定しない場合に、当該通信端末3の現在地を当該通信端末3が備えるGPS(Global Positioning System)機能から特定し、特定された現在地を中心として所定の距離圏内(例えば、半径数キロメートルの範囲内)の領域をいう。
【0045】
管理サーバ1は、受付部14で前記検索要求を受け付けると、記憶部12から、前記指定する領域または前記所定の領域に所在する所定の施設の空気質データ121および属性データ122を読み出すとともに、地図画像データ提供部13から、地図画像データの提供を受けて、通信端末3に表示させる空気質情報を生成する生成部15を有する。
【0046】
生成部15は、前記提供を受けた地図画像データの上に、前記位置データに基づいて、前記指定する領域または前記所定の領域に所在する前記所定の施設の位置を示す表示画像(アイコン)を重畳表示させるとともに、前記表示画像に対応する前記属性データおよび前記空気質データを表示させる空気質情報を生成する。生成部15は、前記空気質情報を前記アイコンとともに表示させる画像を生成するほか、通信端末3によって、前記アイコンが指定されると、前記空気質情報を示す画像に切り替わるように、前記アイコンを生成してもよい。
【0047】
管理サーバ1は、生成部15で生成された前記アイコンおよび空気質情報を、インターネット4を介して通信端末3に送信する送信部16を有する。
【0048】
<第2実施形態>
図3は、第2実施形態にかかる管理サーバ1のブロック構成図である。第2実施形態は、第1実施形態にかかる管理サーバ1に、収集部17が追加されている形態である。
【0049】
収集部17は、前記所定の施設の屋外において検知された空気質データを、前記検知した位置データとともに収集する。具体的には、収集部17は、取得部11同様、前記屋外の検知ポイントに設置されたセンサから、検知された屋外の空気質データを、センサネットワークを介して収集するほか、外部システム5で開示されている屋外の空気質データをインターネット4等の通信ネットワークを介して収集するものであってもよい。
【0050】
生成部15は、前記収集された空気質データを検知した位置を前記地図画像データ上に、前記アイコンと識別可能なアイコン(屋外の空気質を検知した位置を示すアイコン)として重畳表示させるとともに、前記収集された空気質データを前記屋外の空気質情報として表示可能に生成する。
【0051】
<第3実施形態>
図4は、第3実施形態にかかる管理サーバ1のブロック構成図である。第3実施形態は、第1実施形態、第2実施形態にかかる管理サーバ1に、ブロックチェーンシステム6が追加されている形態である。(
図4は、第2実施形態にかかる管理サーバ1にブロックチェーンシステム6が追加されたものを示している。)
【0052】
ブロックチェーンシステム6は、検証部61と登録部62とから構成されている。検証部61は、
図1で説明したとおり、分散台帳を保有する複数のノードをP2P接続し、分散ファイル共有ネットワークで構成されている。
【0053】
検証部61では、記憶部12に記憶された空気質データ121を検証データとして、ハッシュ値を算出するとともにナンスを特定する。そして、前記ハッシュ値をハッシュポインタとして所定のブロックに格納し、前記複数のノードすべてに前記ブロックをブロードキャストして、前記分散台帳で同期する。
【0054】
ブロックチェーンシステム6は、管理サーバ1において、新たに取得された空気質データ121の検証という新たなトランザクションに関する情報が前記ブロックに格納され、すでに検証済みの既存ブロック列の末尾に前記ブロックが追加されていくように構成されている。そして、ブロックチェーンシステム6における前記既存ブロックの末尾に前記ブロックが追加された複数のブロックは、各ブロックの内容に応じたハッシュ値を介して連結している。あるブロックに含まれる情報または当該ブロックから参照される情報を改ざんすると後続のブロックが有するハッシュ値に不整合が生じ、改ざんを隠蔽するには後続の全てのブロックを再計算しなければならなくなる。よって、万一、改ざんが行われた場合、直ちに改ざんの検出が可能となるため、改ざんの隠蔽が困難となる。このような構成により、正当性が検証された情報を共有することが可能となり、空気質データ121は、信頼性の高い情報となる。
【0055】
登録部62は、前記ハッシュポインタに対して一意に対応し、前記空気質データの正当性が検証されたことを示す検証済データを登録する。
【0056】
生成部15は、登録部62の前記検証済データに対応する空気質データ121を記憶部12から読み出し、前記空気質情報を生成する。
【0057】
<第4実施形態>
図5は、第4実施形態にかかる管理サーバ1のブロック構成図である。第4実施形態は、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態にかかる管理サーバ1に、算出部18が追加されている形態である。(
図5は、第3実施形態にかかる管理サーバ1に算出部18が追加されたものを示している。)
【0058】
算出部18は、取得部11によって取得された空気質データの平均値および(または)収集部17によって収集された空気質データの平均値を各々算出する。なお、算出部18は、前記平均値を算出する対象を特定することができる。たとえば、前記指定する領域または前記所定の領域で、収集部17によって収集された屋外の空気質データの平均値を算出するとともに、当該領域に所在する所定の施設のうち、同一業種の施設(たとえば、飲食店、スポーツジムなど)を選択し、選択された施設の平均値を算出することができる。かかる空気質データの平均値の算出は、たとえば、通信端末3が、前記検索事項として、住所、施設の名称を入力した場合、前記指定する領域において、当該施設が属する業種(たとえば、当該施設が飲食店の場合、飲食関係の業種)に属する施設を、前記平均値を算出する対象として自動的に選択できるように構成すればよい。また、通信端末3から、検索事項として、前記業種を選択できるようにし、選択された業種に属する施設の平均値を算出する対象とするようにしてもよい。
【0059】
生成部15は、前記空気質情報に、前記算出された各空気質データの平均値の対比情報を表示可能に生成する。
【0060】
<処理フロー>
図6は、空気質情報提供システムの処理フローを示した図である。なお、
図6の処理フローでは、複数台の専用サーバを連携し、全体で管理システムを構成する形態で説明する。すなわち、以下、
図6で説明する業務WEBシステム、センタシステム、検証(BC連携)システムは、前記各実施形態で説明した管理サーバ1が有する構成を別のサーバに分散したものである。
【0061】
所定の施設内に設置されたセンサ2(センサデバイス)が、空気質データを検知すると(S1)、センサ2からセンサネットワークなどを介して、所定の施設内の空気質データを送信する(S2)。送信が成功した場合は(S3のY)、センタシステムの取得部11で前記空気質データが受信(取得)される(S6)。一方、送信が失敗した場合は(S3のN)、検知された空気質データをセンサデバイス側で蓄積し(S4)、所定時間間隔で自動的に再送信する(S5)。
【0062】
前記センサデバイスを設置する前記所定の施設は、空気質情報提供システムの利用に際し、所定の施設の属性データを業務WEBシステムに登録する(S7)。具体的には、前記所定の施設で空気質情報を提供する提供者(店舗のオーナなど)が、提供者端末から、所定の申請フォームで属性データをセンタシステムに送信すればよい(図示せず)。または、前記提供者が、センタシステムを運営する管理者に、属性情報を記載した非電子データを提供し、前記管理者が、入力装置によって前記非電子データをセンタシステムに登録するようにしてもよい。前記業務WEBシステムで登録された属性データは、センタシステムで受信される(S8)。なお、本処理フローでは、空気質データの受信(S6)後、属性データを受信(S8)するようになっているが、この順序は逆であってもよい。
【0063】
本処理フローでは、第2実施形態で説明した外部システム5により、屋外の空気質データを収集し(S9)、センタシステムで受信する処理工程が含まれている(S10)。
【0064】
前記センタシステムで受信した施設内の空気質データおよび属性データは、空気質データ121および属性データ122として記憶部12に記憶される(S11)。
【0065】
本処理フローでは、第3実施形態で説明したブロックチェーンシステム6により、検証部61による検証を実行する処理工程が含まれている。すなわち、センタシステムから、ブロックチェーンシステム6に、空気質データ121を送信すると(S12)、ブロックチェーンシステム6は、検証データとして受信する(S13)。受信した検証データは、検証部61により、検証処理が実行される(S14)。すなわち、検証部61において、ハッシュ値を算出するとともにナンスを特定し、前記ハッシュ値をハッシュポインタとして所定のブロックに格納し、ブロックチェーンシステム6を構成する複数のノードすべてに前記ブロックをブロードキャストして、前記分散台帳で同期する。検証部61で、検証済データを受領すると(S15)、登録部62で、前記ハッシュポインタに対して一意に対応し、前記空気質データの正当性が検証されたことを示す検証済データを登録する(S16)。
【0066】
前記所定の施設の提供者端末から、空気質情報の閲覧要求が、センタシステムに対して送信され(S17)、あるいは、検索者の通信端末3が場所検索し(S18)、空気質情報の閲覧要求が、センタシステムに対して送信されると、センタシステムの受付部14で受信する(S20)。なお、通信端末3の前記場所検索は、前述のとおり、通信端末3を有する検索者が指定する領域のほか、通信端末3の現在地を含む所定の領域が特定された場合も含まれる。また、前記提供者端末からの閲覧要求の場合は、たとえば、提供者端末から自動的に前記所定の施設の位置データが送信されるようになっていてもよい。
【0067】
センタシステムでは、受付部14で、前記空気質情報の閲覧要求を受け付けると、生成部15が、記憶部12から空気質データ121と属性データ122を読み出して、空気質情報を生成する(S21)。なお、屋外の空気質データを収集している場合は、当該屋外の空気質データも含めて空気質情報が生成される。
【0068】
生成された空気質情報は、センタシステムの送信部16から、提供者端末または通信端末3に送信される(S22)。提供者端末または通信端末3で前記空気質情報を受信すると(S23、S25)、各端末の画面上に空気質情報が表示される(S24、S26)。
【0069】
<トークンの発行>
空気質情報提供システムは、トークンを介して前記検証済データを提供する構成としてもよい。
図7は、検証部におけるトークンの取引を示したシーケンス図である。
【0070】
前述のとおり、センサ2から、取得部11が空気質データを取得すると、記憶部12で空気質データ121として記憶される(SQ1)。管理サーバ1は、前記検証データに対する検証の実行をトランザクションとするためのトークンを前記提供者端末に付与するトークンの発行部を有する。
【0071】
前記発行部は、前記提供者端末に、トークンを付与するとともに(SQ2)、前記トランザクションの指示データを送信する(SQ3)。
【0072】
前記提供者端末が、前記付与されたトークンを管理サーバ1側に送付し(SQ4)、検証部61が、前記トークンを受領すると、前記検証を実行し、登録部62に前記検証データを登録し、検証済データを前記提供者端末に通知する(SQ5)。管理サーバ1は、前記検証済データの通知を受けた前記提供者端末から、サービス利用料を受領する(SQ6)。
【0073】
<通信端末3による空気質情報の表示の実施例>
以下、
図8乃至
図11により、管理サーバ1の生成部15で生成され、送信部16から送信された空気質情報を通信端末3の画面上で表示した実施例を説明する。
【0074】
図8は、通信端末3で、地図上に所定の施設の位置を示すアイコンを表示させた画面表示例である。地図画像データ提供部13から提供された地図画像データに基づいて、生成部15で生成された地図画像301に、アイコン302を重畳表示させた状態を示している。
図8では、首都圏全体という広域な領域を指定した場合の画面表示例になっており、アイコン302は、いわゆるピンアイコンのみの表示になっている(すなわち、空気質情報は表示されていない)。
【0075】
図8に対して、
図9は、通信端末3で、地図画像301の上に所定の領域に存在する所定の施設の位置と当該施設周辺の屋外測定スポットの位置を示すアイコンを表示させた画面表示例である。
図9で示す通信端末3の画面では、アイコン302は、所定の施設が店舗のイラストになっており、アイコン302とともに、当該店舗の識別番号302および評価情報304が表示されている。識別番号は、店舗を一意に特定する番号であり、店舗の属性情報になる。また、評価情報304も、前記店舗の空気質情報に対する通信端末3(
図9で画面を閲覧している通信端末3とは限らない)からの評価情報を星印で表示したものであり、前記店舗の属性情報となる。本実施例では、アイコン302が一つだけ表示されている例を示したが、通信端末3の検索条件によっては、前記所定の領域内で、複数の店舗のアイコンおよび属性情報を表示してもよい。
【0076】
なお、
図9の画面では、前記所定の領域において、外部システム5から収集された屋外の空気質データを検知した場所を示す屋外表示画像、すなわち、屋外の検知位置を示すアイコン305も、地図画像301条に重畳表示されている(本実施例では、前記所定の領域内において、複数の検知位置を示すアイコン305が表示されている)。
【0077】
図10は、通信端末3で、所定の施設の空気質情報を表示させた画面表示例である。前述のとおり、生成部15は、
図8または
図9で示したアイコン302を通信端末3によって指定することにより、
図10の空気質情報を表示させた画面に切り替わるように表示画像を生成する。
【0078】
空気質情報は、本実施例では、
図9で示した店舗の店舗名306と、店舗の写真307と、通信端末3の検索日の空気質データ308と、過去の空気質データを時系列の表示するグラフ309と、当該店舗の空気質に関する評価310と、通信端末3から当該店舗を応援するデータを発信するボタン311と、通信端末3から発信された当該店舗に対するコメント欄312と、当該店舗の紹介情報313と、から構成されている。なお、店舗名306には、
図9の店舗の識別番号302が付記されている。
【0079】
空気質データ308は、
図11で示すとおり、空気質データの平均値を含むレーダーチャートとして表示されている。レーダーチャートは、複数の空気質データ(大腸菌、糸状真菌、ミクロコッカス等)を表示している。前記平均値は、算出部18で算出したデータである。
図11のレーダーチャートの破線は、通信端末3の検索日(本実施例では、11月10日)における所定の領域における所定の施設全体の平均値である。また、レーダーチャートの一点鎖線は、前記所定の施設のうち、飲食店の平均値を示したものである(
図10で説明したとおり、表示された店舗が飲食店であるため、同一業種である飲食店の平均値を選択している)。そして、レーダーチャートの実線は、通信端末3で検索された店舗の空気質データを示したものである。なお、上記のほか、屋外の空気質データの検知位置が、
図9のように前記所定の領域内において複数ある場合は、これらの平均値を算出して表示してもよい。
【0080】
過去の空気質データを時系列の表示するグラフ309は、記憶部12において、前記空気質データを前記検知された日時データに対応させて蓄積記憶し、生成部15で、前記蓄積記憶した空気質データを時系列に表示するように生成されたものである。空気質データは、ブロックチェーンシステム6によって、過去の検証済データも登録されているため、グラフ309は、信頼性の高いデータを表示することができる。本実施例では、PM2.5について、破線で環境基準値を示したうえで、11月1日から11月9日までの変遷を前記店舗の値と所在地全体の平均値とを比較できるようなグラフになっている。
【0081】
評価310、ボタン311、コメント欄312は、いずれも、通信端末3から、発信される評価情報であり、属性データ122としては、トランザクションデータとなる。本実施例で示した評価情報は、例示であり、
図10で表示した評価情報のほか、前記評価情報を点数化して、他の店舗の評価情報を含めてランキング表示するものであってもよい。
【0082】
紹介情報313は、前述のとおり、前記提供者端末から管理サーバ1に送信されるもののほか、前記所定の施設の非電子データを管理サーバ1の前記入力装置で入力したものであってもよい。本実施例では、店舗名、住所、電話番号、営業時間、定休日、ホームページのURLのほか、施設のオーナ、施設の詳細、施設の展望などの店舗のPRに関する記事が表示されている。紹介情報313は、属性データ122としては、マスタデータとなる。
【0083】
この明細書で開示された技術は、前記実施形態に制限されない。すなわち、例示的に示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。また、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。さらに、開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0084】
1 管理サーバ
2 センサ
3 通信端末
4 インターネット
5 外部システム
6 ブロックチェーンシステム
11 取得部
12 記憶部
13 地図画像データ提供部
14 受付部
15 生成部
16 送信部
17 収集部
18 算出部
61 検証部
62 登録部
121 空気質データ
122 属性データ
【要約】
【課題】所定の施設の信頼性の高い空気質情報を提供するとともに、施設の需要者側からの評価情報を提供することを目的とする。
【解決手段】所定の施設に設置されたセンサによって検知された空気質データと少なくとも位置データを含む前記所定の施設の属性データとを対応させて記憶し、検索者の通信端末から、前記通信端末が指定する領域または前記通信端末の現在地を含む所定の領域の空気質情報の検索要求を受け付けると、前記指定する領域または前記所定の領域に所在する前記所定の施設の属性データ及び前記空気質データを読み出して、地図画像データの上に、前記位置データに基づいて、前記所定の施設の位置を示す表示画像を重畳表示させるとともに、前記表示画像に対応する前記属性データおよび前記空気質データを表示させる空気質情報を生成し、前記通信端末に送信する空気質情報提供システムを提供する。
【選択図】
図1