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特許7095924高温プラズマ内の低磁場およびヌル磁場の非摂動測定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】高温プラズマ内の低磁場およびヌル磁場の非摂動測定
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/00 20060101AFI20220628BHJP
   G21B 1/05 20060101ALI20220628BHJP
   G21B 1/23 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
H05H1/00 A
G21B1/05
G21B1/23
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021111267
(22)【出願日】2021-07-05
(62)【分割の表示】P 2018562591の分割
【原出願日】2017-06-02
(65)【公開番号】P2021158127
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2021-07-05
(31)【優先権主張番号】62/345,571
(32)【優先日】2016-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515056990
【氏名又は名称】ティーエーイー テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ディーパック ケー. グプタ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード イグナス
(72)【発明者】
【氏名】ケネス エイチ. ノードシエック
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-522158(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0073442(US,A1)
【文献】Sylvie Sahal Broeechot,The Hanle effect applied to magnetic field diagnostics,Space Science Review,Kluwer Academic Publishers,1981年12月,volume 29,pp.391-401
【文献】R. Presura,Hanle effect as candidate for measuring magnetic fields in laboratory plasmas,Review of Scientific Instruments,AIP Publishing,2012年08月01日,volume 83, issue 10,10D528
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00
G21B 1/05
G21B 1/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温プラズマ内の半径方向に変動する軸方向磁場を測定する非摂動方法であって、
磁場反転構成(FRC)プラズマ内で、照明されたプラズマ原子からの散乱された光信号を収集することであって、前記散乱された光信号は、FRC磁場に対して半径方向または軸方向のうちの1つである視認方向において収集される、ことと、
前記収集された散乱された光信号の線形偏光割合p の関数として前記収集された散乱された光信号から前記FRCプラズマの前記FRC磁場のヌル磁場場所を決定することであって、収集された光信号の前記線形偏光割合p は、
前記FRC磁場に対して軸方向である視認方向において収集されるときに
【数1】
であるか、または、
前記FRC磁場に対して半径方向である視認方向において収集されるときに
【数2】
であり、ここで、H=ω /Aは、束縛電子のラーモア周波数と、アイシュタイン係数またはイオンの放射率との比である、ことと
を含む、非摂動方法。
【請求項2】
照明されたプラズマ原子からの散乱された光信号を収集することであって、前記散乱された光信号は、前記FRC磁場に対して半径方向である視認方向において収集される、ことと、
前記収集された散乱された光信号の線形偏光割合p の関数として前記収集された散乱された光信号から前記FRCプラズマの前記FRC磁場の第1および第2の軸方向ヌル磁場場所を決定することであって、収集された光信号の前記線形偏光割合p は、
【数3】
である、ことと、
前記第1および第2の軸方向ヌル磁場場所間の距離を測定することにより、前記FRC磁場の長さを生み出すことと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
照明されたプラズマ原子からの散乱された光信号を収集することであって、前記散乱された光信号は、前記FRC磁場に対して半径方向および軸方向のうちの1つである視認方向において収集される、ことと、
前記収集された散乱された光信号の線形偏光割合p の関数として前記収集された散乱された光信号から前記FRCプラズマの前記FRC磁場の第1および第2の軸方向ヌル磁場場所を決定することであって、収集された光信号の前記線形偏光割合p は、
前記FRC磁場に対して軸方向である視認方向において収集されるときに
【数4】
であるか、または、
前記FRC磁場に対して半径方向である視認方向において収集されるときに
【数5】
である、ことと、
前記第1および第2の軸方向ヌル磁場場所間の距離を測定することにより、前記FRC磁場の長さを生み出すことと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記FRCプラズマの直径に沿った2つの点において前記FRC磁場のヌル磁場の場所を決定することと、
前記ヌル磁場の場所を使用して、前記FRCプラズマの半径および中心を計算することと、
前記半径および中心をフィードバック制御システムに提供することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記フィードバック制御システムは、外部から印加される磁場を制御することによって、前記FRCプラズマの半径方向の場所およびサイズを制御する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
プラズマ原子からの散乱された光信号を収集するステップは、
前記FRCプラズマの前記FRC磁場に対して半径方向または軸方向のうちの1つである視認方向において第1の分光偏光計のスリットを整列させることと、
前記スリットを介して第1の複数のレーザによって照明されたプラズマ原子からの散乱された光信号を収集することと、
前記収集された散乱された光信号の前記線形偏光割合p の関数として前記収集された散乱された光信号から前記FRCプラズマの前記FRC磁場の前記ヌル磁場場所を決定することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
プラズマ原子からの散乱された光信号を収集するステップは、
前記FRCプラズマの前記FRC磁場に対して半径方向または軸方向のうちの1つである視認方向において第1および第2の分光偏光計の第1および第2のスリットを同時に整列させることと、
前記第1および第2のスリットを介して、照明されたプラズマ原子からの散乱された光信号を収集することと、
前記収集された散乱された光信号の前記線形偏光割合p の関数として前記収集された散乱された光信号から前記FRC磁場の第1および第2の軸方向ヌル磁場場所の場所を決定することと、
前記第1および第2の軸方向ヌル磁場場所間の距離を測定することにより、前記FRC磁場の長さを生み出すことと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記FRCプラズマの直径に沿った2つの点において前記FRC磁場のヌル磁場の場所を決定することと、
前記ヌル磁場の場所を使用して、前記FRCプラズマの半径および中心を計算することと、
前記半径および中心をフィードバック制御システムに提供することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記フィードバック制御システムは、外部から印加される磁場を制御することによって、前記FRCプラズマの半径方向の場所およびサイズを制御する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
高温磁場反転構成(FRC)プラズマ内の半径方向に変動する軸方向磁場の非摂動測定のためのシステムであって、
高速撮像CCD(Charged Coupled Device)カメラを有する分光計を備える第1の分光偏光計であって、前記分光計は、FRC磁場に対して半径方向または軸方向のうちの1つである視認方向において、照明されたプラズマ原子からの散乱された光信号を収集するように構成され、
前記FRCプラズマの前記FRC磁場のヌル磁場場所は、前記収集された散乱された光信号の線形偏光割合p の関数として前記収集された散乱された光信号から決定可能であり、収集された光信号の前記線形偏光割合p は、
前記FRC磁場に対して軸方向である視認方向において収集されるときに
【数6】
であるか、または、
前記FRC磁場に対して半径方向である視認方向において収集されるときに
【数7】
であり、ここで、H=ω /Aは、束縛電子のラーモア周波数と、アイシュタイン係数またはイオンの放射率との比である、第1の分光偏光計と、
複数のスリットであって、前記複数のスリットの各々は、照明されたプラズマ原子からの散乱された光信号を収集および撮像するように整列させられる、複数のスリットと
を備える、システム。
【請求項11】
前記散乱された光信号を前記散乱された光信号の直交偏光ペアに分裂させるための複屈折結晶と、
前記分光偏光計内の複数のスリットであって、前記複数のスリットの各々は、前記CCDで直交偏光の散乱された光信号のペアを収集および撮像するように整列させられる、複数のスリットと
をさらに備え、
前記CCDはさらに、前記収集された散乱された光信号の線形偏光割合p の関数として前記収集された散乱された光信号から前記FRCプラズマの前記FRC磁場の前記ヌル磁場場所を決定するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
照明されたプラズマ原子からの散乱された光信号を収集することであって、前記散乱された光信号は、前記FRC磁場に対して半径方向である視認方向において収集される、ことと、
前記収集された散乱された光信号の線形偏光割合p の関数として前記収集された散乱された光信号から前記FRCプラズマの前記FRC磁場の第1および第2の軸方向ヌル磁場場所を決定することであって、収集された光信号の前記線形偏光割合p は、
【数8】
である、ことと、
前記第1および第2の軸方向ヌル磁場場所間の距離を測定することにより、前記FRC磁場の長さを生み出すことと
を実行するようにさらに構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
照明されたプラズマ原子からの散乱された光信号を収集することであって、前記散乱された光信号は、前記FRC磁場に対して半径方向および軸方向のうちの1つである視認方向において収集される、ことと、
前記収集された散乱された光信号の線形偏光割合p の関数として前記収集された散乱された光信号から前記FRCプラズマの前記FRC磁場の第1および第2の軸方向ヌル磁場場所を決定することであって、収集された光信号の前記線形偏光割合p は、
前記FRC磁場に対して軸方向である視認方向において収集されるときに
【数9】
であるか、または、
前記FRC磁場に対して半径方向である視認方向において収集されるときに
【数10】
である、ことと、
前記第1および第2の軸方向ヌル磁場場所間の距離を測定することにより、前記FRC磁場の長さを生み出すことと
を実行するようにさらに構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記FRCプラズマの直径に沿った2つの点において前記FRC磁場のヌル磁場の場所を決定することと、
前記ヌル磁場の場所を使用して、前記FRCプラズマの半径および中心を計算することと、
前記半径および中心をフィードバック制御システムに提供することと
を実行するようにさらに構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記フィードバック制御システムは、外部から印加される磁場を制御することによって、前記FRCプラズマの半径方向の場所およびサイズを制御する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
高速撮像CCDカメラを有する分光計を備える第2の分光偏光計をさらに備え、前記分光計は、前記FRC磁場に対して半径方向である視認方向において、照明されたプラズマ原子からの散乱された光信号を収集するように構成され、
前記FRCプラズマの前記FRC磁場の第1および第2の対向する軸方向の縁に隣接する第1および第2のヌル磁場場所は、前記収集された散乱された光信号の線形偏光割合p の関数として前記収集された散乱された光信号から決定可能であり、収集された光信号の前記線形偏光割合p は、
【数11】
である、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
第2および第3の分光偏光計をさらに備え、前記第2および第3の分光偏光計の各々は、高速撮像CCDカメラを有する分光計を備え、前記第2および第3の分光偏光計の各分光計は、前記FRC磁場に対して半径方向および軸方向のうちの1つである視認方向において、照明されたプラズマ原子からの散乱された光信号を収集するように構成され、
前記FRCプラズマの前記FRC磁場の第1および第2の対向する軸方向の縁に隣接する第1および第2のヌル磁場場所は、前記収集された散乱された光信号の線形偏光割合p の関数として前記収集された散乱された光信号から決定可能であり、収集された光信号の前記線形偏光割合p は、
前記FRC磁場に対して軸方向である視認方向において収集されるときに
【数12】
であるか、または、
前記FRC磁場に対して半径方向である視認方向において収集されるときに
【数13】
である、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に説明される主題は、概して、磁気診断に関し、より具体的には、高温プラズマ内の低磁場およびヌル(null)磁場の非摂動測定を促進する、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高温プラズマは、核融合、故に、融合エネルギー(100eV、すなわち、100万度を上回るイオン温度として定義される、高温、典型的には、非常に高温(例えば、星および核融合炉内)および/または低圧(例えば、高層大気および蛍光灯内)で、多かれ少なかれ全体的電荷をもたらさない割合において、正のイオン、自由電子、および中性子から成る、イオン化されたガスとして定義される、プラズマ)の発生を達成するために不可欠である。高温は、材料自体を損傷させてプラズマの品質(温度自体を含む)を著しく劣化させることなしに、そのようなプラズマを閉じ込めたりまたはさらに探査したりするための、人工または天然の任意の固体材料の物理的接触を妨げる。高温プラズマは、典型的には、外部磁場コイルとプラズマ内を流動する電流の組み合わせによって生成される磁場構成を使用して、閉じ込められる。磁気閉じ込めは、高温プラズマを壁から離して保つ。これは、融合品質の高温プラズマの汚染および劣化を最小限にするために不可欠である。プラズマ内を流動する電流は、磁場を発生させ、故に、プラズマの内側の正味磁場振幅および方向は、プラズマを伴わない磁場(真空場として知られる、外部コイルのみに起因する)と実質的に異なり得る。融合グレードの高温プラズマ内の内部磁場の測定は、プラズマ閉じ込めおよび品質についての貴重な情報を提供するだけではなく、また、能動的フィードバック制御のための入力として使用され、プラズマ位置および不安定性の制御のための外場コイルによって発生された磁場を迅速に調節することができる。
【0003】
高温はまた、プラズマの中への任意の固体プローブの挿入が、プローブが損傷される結果だけではなく、また、プラズマも劣化させるであろうため、プラズマの内側を実験的に診断する(例えば、局所磁場の測定)際に課題を呈する。これらのプラズマにおける診断は、非摂動的である必要がある。その結果、プラズマ自体によって放出されるかまたはプラズマ(例えば、レーザ)内に注入されるかのいずれかである光の性質の変化に基づく診断技法が、実験プラズマ物理学において一般的である。
【0004】
強度ベータ(β)は、典型的には、プラズマ物理学では、磁気圧力に対するプラズマ熱圧力の比として定義され、温度および磁場に起因する、力の平衡を表す。トカマク型およびヘリカル型のような低ベータ(β約0.1)高温プラズマデバイスは、高磁場(約10ガウス)で動作する。これらのデバイスでは、内部磁場は、典型的には、約1キロガウスまたはより高く、故に、例えば、ゼーマン効果、ファラデー回転、モーショナルシュタルク効果、および同等物の物理学原理に基づく診断方法が、使用される。これらの診断に関して、信号は、磁場強度に比例し、故に、低場と比較して、高場を測定することの方がより容易である。
【0005】
融合プラズマのための別の一般的アプローチは、高ベータプラズマの使用であって、磁気圧力に対するプラズマ圧力の比は、1に近く(β約1)、例えば、磁場反転構成(FRC)プラズマおよび磁気カスププラズマである。高ベータプラズマ構成では、磁場強度は、低く(約数百ガウス)、プラズマの内側では、ゼロになる。故に、そのような低ベータプラズマに関して、前述の診断方法は、限定された情報を提供する、または全く情報を提供しない。一部の研究者は、これらの診断技法の物理学および技術の限界の打破を提案しているが、限定された成功のみ収めている。高ベータ高温プラズマ内のヌル場所、磁場反転、または低磁場を測定するための信頼性があって、かつ証明されたシステムおよび方法は、依然として、存在しない。
【0006】
高ベータプラズマは、磁場の実質的に低減された要件に起因して、融合に対する経済的に魅力的なアプローチを提供する。高温の高度なビーム駆動式FRCプラズマ(例えば、第WO2013/074666号および第WO2015/048092号参照)の最近の躍進および出現は、本アプローチをさらに魅力的なものにしている。ここでもまた、融合パラメータに拡張可能なFRCプラズマ(および他の高ベータプラズマ)のための内部磁場診断の必要があることを再度強調されたい。
【0007】
したがって、高温プラズマ内の低磁場およびヌル磁場の非摂動測定を促進する、システムおよび方法を提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開第2013/074666号
【文献】国際公開第2015/048092号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書に提供される種々の実施形態は、概して、高温プラズマ内の低磁場およびヌル磁場の非摂動測定を促進する、システムおよび方法を対象とする。FRCおよび磁気カスプ磁場構成を含む、高温プラズマ内の低磁場を測定するための例示的診断技法が、本明細書に提示される。本非摂動技法は、反転磁場、磁場振幅、空間プロファイル、および方向だけではなく、また、ゼロ磁場(ヌル)位置およびその形状を測定可能である。磁場のリアルタイム測定は、FRC位置および不安定性の能動的フィードバック制御のために使用されることができる。
【0010】
例示的実施形態の他のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の図および発明を実施するための形態の検討に応じて、当業者に明白である、または明白となるであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
高温プラズマ内の磁場を測定する非摂動方法であって、
第1の複数のレーザビームをFRCプラズマの中に半径方向に注入することであって、前記レーザビームはそれぞれ、異なる偏光を有する、ことと、
2つの場所において、前記FRCプラズマのFRC磁場内のヌル場所と交差させることと、
前記第1の複数のレーザビームの経路をCCDの垂直方向において撮像することと、
複屈折結晶を使用して、直交偏光にさらに分裂されるように前記垂直方向における光を分裂させることと、
前記FRC磁場のヌル場所を測定することと
を含む、方法。
(項目2)
レーザビームを前記FRC磁場の中に軸方向に注入することと、
前記FRC磁場の2つのX点のそれぞれを照明することと、
前記2つのX点間の距離を測定し、前記FRC磁場の長さを生み出すことと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
第2の複数のレーザを前記FRC磁場の中に半径方向に注入することと、
前記FRC磁場の2つのX点のそれぞれを照明することと、
前記2つのX点間の距離を測定し、前記FRC磁場の長さを生み出すことと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記FRC磁場のヌル場所の場所を前記FRCプラズマの直径に沿った2つの点に提供することと、
前記ヌル場所の場所を使用して、前記FRCプラズマの半径および中心を計算することと、
前記半径および中心をフィードバック制御システムに提供することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記フィードバック制御システムは、外部から印加される磁場を制御することによって、前記FRCプラズマの半径方向の場所およびサイズを制御する、項目4に記載の方法。
(項目6)
高温プラズマ内の磁場を測定する非摂動方法であって、
CCDの水平軸方向に沿ってFRCプラズマの波長を撮像することと、
前記CCDの垂直軸方向に沿って前記FRCプラズマの半径方向の範囲を撮像することと、
複屈折結晶を使用して、前記垂直方向における光を直交偏光に分裂させることと、
前記FRCプラズマのFRC磁場のヌル場所を測定することと
を含む、方法。
(項目7)
第1の分光偏光計のスリットを前記FRCプラズマの軸方向に向かって整列させることと、
前記FRC磁場の第1のX点の場所を測定することと、
をさらに含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
同時に、第2の分光偏光計のスリットを前記FRCプラズマの軸方向に向かって整列させることと、
前記FRC磁場の第2のX点の場所を測定することと、
前記第1のX点と前記第2のX点との間の距離を測定し、前記FRC磁場の長さを生み出すことと
をさらに含む、項目6に記載の方法。
(項目9)
前記FRC磁場のヌル場所の場所を前記FRCプラズマの直径に沿った2つの点に提供することと、
前記ヌル場所の場所を使用して、前記FRCプラズマの半径および中心を計算することと、
前記半径および中心をフィードバック制御システムに提供することと
をさらに含む、項目6に記載の方法。
(項目10)
前記フィードバック制御システムは、外部から印加される磁場を制御することによって、前記FRCプラズマの半径方向の場所およびサイズを制御する、項目9に記載の方法。
(項目11)
高温プラズマ内の磁場の非摂動測定のための分光偏光計であって、
分光計と、
高速撮像CCDカメラと、
3つのレーザビームと、
複屈折結晶と
を備える、分光偏光計。
(項目12)
前記3つのレーザビームは、異なる偏光、類似波長を有し、相互から小距離だけ分離される、項目11に記載の分光偏光計。
(項目13)
前記3つのレーザビームを撮像するための3つのスリットをさらに備える、項目11に記載の分光偏光計。
(項目14)
前記3つのレーザビームをFRCプラズマの中に半径方向に注入することと、
2つの場所において、前記FRCプラズマのFRC磁場内のヌル場所と交差させることと、
前記第1の複数のレーザビームの経路をCCDの垂直方向において撮像することと、
前記複屈折結晶を使用して、直交偏光にさらに分裂されるように前記垂直方向における光を分裂させることと、
前記CCDを使用して、前記FRC磁場のヌル場所を測定することと
を行うように構成される、項目12に記載の分光偏光計。
(項目15)
レーザビームを前記FRC磁場の中に軸方向に注入することと、
前記FRC磁場の2つのX点のそれぞれを照明することと、
前記2つのX点間の距離を測定し、前記FRC磁場の長さを生み出すことと
を行うようにさらに構成される、項目14に記載の分光偏光計。
(項目16)
第2の複数のレーザを前記FRC磁場の中に半径方向に注入することと、
前記FRC磁場の2つのX点のそれぞれを照明することと、
前記2つのX点間の距離を測定し、前記FRC磁場の長さを生み出すことと
を行うようにさらに構成される、項目14に記載の分光偏光計。
(項目17)
前記CCDの水平軸方向に沿って、FRCプラズマの波長を撮像することと、
前記CCDの垂直軸方向に沿って、前記FRCプラズマの半径方向の範囲を撮像することと、
前記複屈折結晶を使用して、垂直方向における光を直交偏光に分裂させることと、
前記CCDを使用して、前記FRCプラズマのFRC磁場のヌル場所を測定することと
を行うように構成される、項目11に記載の分光偏光計。
(項目18)
前記FRC磁場のヌル場所の場所を前記FRCプラズマの直径に沿った2つの点に提供することと、
前記ヌル場所の場所を使用して、前記FRCプラズマの半径および中心を計算することと、
前記半径および中心をフィードバック制御システムに提供することと
を行うようにさらに構成される、項目17に記載の分光偏光計。
(項目19)
前記フィードバック制御システムは、外部から印加される磁場を制御することによって、前記FRCプラズマの半径方向の場所およびサイズを制御する、項目18に記載の分光偏光計。
(項目20)
高温プラズマ内の磁場の非摂動測定のためのシステムであって、
第1の分光偏光計および第2の分光偏光計を備え、
前記第1の分光偏光計は、
前記第1の分光偏光計のスリットを前記FRCプラズマの軸方向に向かって整列させることと、
前記FRC磁場の第1のX点の場所を測定することと
を行うように構成され、
前記第2の分光偏光計は、
同時に、前記第2の分光偏光計のスリットを前記FRCプラズマの軸方向に向かって整列させることと、
前記FRC磁場の第2のX点の場所を測定することと、
前記第1のX点と前記第2のX点との間の距離を測定し、前記FRC磁場の長さを生み出すことと
を行うように構成される、システム。
【図面の簡単な説明】
【0011】
構造および動作を含む、例示的実施形態の詳細は、同様の参照番号が同様の部品を指す、付随の図の検討によって部分的に得られ得る。図中の構成要素は、必ずしも、正確な縮尺ではなく、代わりに、本開示の原理の例証に強調が置かれる。さらに、全ての例証は、概念を伝達するために意図され、相対的サイズ、形状、および他の詳細な属性は、文字通りまたは精密にではなく、図式的に図示され得る。
【0012】
図1A図1Aは、FRC軸方向磁場Bの軸方向ビューを図示する。
【0013】
図1B図1Bは、FRC磁場構成のための理論的軸方向磁場Bプロファイルを図示する。
【0014】
図2図2は、外部から照明された光源を伴う、FRC軸方向磁場Bの軸方向ビューを図示する。
【0015】
図3図3は、自己照明を用いた、FRC軸方向磁場Bの軸方向ビューを図示する。
【0016】
図4図4は、場軸方向FRCプラズマに沿ったアンル効果に起因する、例示的偏光割合を図示する。
【0017】
図5図5は、外部照明を用いた、軸方向磁場Bの例示的半径方向ビューを図示する。
【0018】
図6図6は、自己照明を用いた、軸方向磁場Bの例示的半径方向ビューを図示する。
【0019】
図7図7は、半径方向ビューを用いて例示的偏光割合を図示する。
【0020】
図8図8は、本開示の実施形態と併用するための例示的測定システム概略図を図示する。
【0021】
図9図9は、本開示の実施形態による、磁場の変化に伴う、測定および理論的ストークスベクトル信号(QおよびU)の比較を図示する。
【0022】
図10図10は、本開示の外部照明実施形態による、分光偏光計を備える、システムを図示する。
【0023】
図11図11は、本開示の自己照明実施形態による、分光偏光計を備える、システムを図示する。
【0024】
類似構造または機能の要素は、概して、図全体を通して、例証目的のために同様の参照番号によって表されることに留意されたい。また、図は、好ましい実施形態の説明を促進するためだけに意図されることに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に開示される付加的な特徴および教示はそれぞれ、別個に、または高温プラズマ内の低磁場およびヌル磁場の非摂動測定を促進するシステムおよび方法を提供する、他の特徴および教示と併せて、利用されることができる。本明細書に説明される実施形態の代表的実施例が、ここで、添付の図面を参照してさらに詳細に説明され、その実施例は、別個および組み合わせの両方において、これらの付加的な特徴および教示の多くを利用する。本発明を実施するための形態は、単に、当業者に、本教示の好ましい側面を実践するためのさらなる詳細を教示することを意図し、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。したがって、以下の発明を実施するための形態に開示される特徴およびステップの組み合わせは、最も広義には、本発明を実践するために必要ではなくてもよく、代わりに、本教示の代表的実施例を特に説明するためだけに教示される。
【0026】
さらに、代表的実施例および従属請求項の種々の特徴は、本教示の付加的な有用な実施形態を提供するために、具体的かつ明示的に列挙されない方法で組み合わせられてもよい。加えて、説明および/または請求項に開示される全ての特徴は、本来の開示の目的のために、そして実施形態および/または請求項における特徴の複合物から独立して請求される主題を制限する目的のために、相互から別個かつ独立して開示されることが意図されることに明確に留意されたい。また、全ての値範囲またはエンティティの群の指示は、本来の開示の目的のために、そして請求される主題を制限する目的のために、あらゆる可能性として考えられる中間値または中間エンティティを開示することにも明確に留意されたい。
【0027】
本明細書に提供される種々の実施形態は、概して、高温プラズマ内の低磁場およびヌル磁場の非摂動測定を促進する、システムおよび方法を対象とする。FRCプラズマおよび磁気カスププラズマを含む、高温実験室プラズマ内の低磁場を測定するための例示的診断技法が、本明細書に提示される。本非摂動技法は、磁場振幅、空間プロファイル、および方向だけではなく、また、ゼロ磁場(ヌル)位置およびその形状も測定可能である。
【0028】
アンル効果として知られる、物理学現象は、磁場の存在下の散乱共鳴線放射の線形偏光における修正を説明する。原子から散乱された入射線放射(全角運動量J=1は、より高い準位であって、J=0は、より低い準位である)は、磁場の不在下では、線形に偏光される(例えば、入射角度と垂直に見ると)。しかしながら、磁場の印加を用いることで、散乱光は、主に、脱偏光される。
【0029】
量子物理学的観点から、アンル効果は、ゼロ磁場における準位交差現象の特殊な場合である。縮退したサブ準位から放出される放射は、コヒーレントであって、1つの方向に破壊的に干渉し、線形に偏光される光を与える。磁場の印加を用いることで、縮退は、その自然幅を上回る量のゼーマンサブ準位の分離によってリフトされ、これは、散乱された光の脱偏光につながり得る。
【0030】
磁気的に閉じ込められたプラズマ、例えば、FRCプラズマまたはカスププラズマ内の偏光アンル信号の存在自体が、略ゼロ磁場またはヌル位置の存在を示唆し得る。空間的に分解された測定、例えば、撮像または多弦図を用いることで、ヌルの半径方向の場所およびその形状が、磁場プロファイルとともに、取得され得る。ストークスベクトルの2-D撮像は、空間分解能を伴う全偏光詳細を有するように展開され得る。ストークスベクトルは、光の偏光を数学的に取り扱うために1852年にStokesによって開発された式であって、直接測定されることができる。
【0031】
アンル効果は、磁場の存在下、散乱共鳴線放射の線形偏光を修正する。主要プラズマイオンまたは不純物イオンからの線放射は、アンル効果のための遷移条件を満たす限り、測定のために使用されてもよい。
【0032】
FRCプラズマでは、異なる元素の電荷状態は、電子温度(Te)および密度(ne)半径方向プロファイルへのその依存性に起因して、異なる半径方向プロファイルを有する。電荷状態は、ヌルまたはその近傍の低場領域内に存在するように選択される必要があり、これは、典型的には、高Teおよびne領域内にある。加えて、準位の選択は、蛍光線が、外部光源、典型的には、レーザを使用して励起され得るようなものであるべきである。
【0033】
既知の不純物が、レーザを用いた蛍光として励起され得るアンル線を提供するために、プラズマに添加されてもよい。不純物の追加はまた、レーザが利用可能な線を選定するためのオプションを提供し得る。これの実施例は、ネオンまたはヘリウム-ネオン混合物の注入であって、これは、市販のHe-Neレーザで励起され得る、準位を提供する。
【0034】
FRCプラズマの具体的用途に関して、軸方向磁場およびヌル場所の位置を測定するために、外部放射(例えば、レーザ)が、プラズマを半径方向から照明する。散乱共鳴光信号が、半径方向または軸方向において、垂直ビューにおいて観察され得る。信号の観察される線形偏光は、入射光とヌル場所が交差する場所でのみピークとなり、ヌル場所の位置を提供するであろう。上記の実施例と同様に、偏光の割合は、磁場強度等を提供するであろう。
【0035】
FRCプラズマでは、ヌル場所は、中心から離れており、故に、FRCからの光放射は、ヌルを非対称的に照明する。自己照明は、散乱共鳴信号をヌルの近傍に提供するために十分であって、故に、外部照明源の必要性を完全に排除し得る。本自己照明スキームを用いたピーク散乱共鳴偏光信号の撮像は、加えて、ヌル場の形状(または画像)、故に、動揺モードおよび回転不安定性についての情報を提供するであろう。半径方向ビューを使用して、FRCプラズマ長もまた、FRCプラズマの長さに沿った2つのX点カスプからの偏光信号の場所間の距離を測定することによって測定されることができる。
【0036】
一実施例では、プラズマ原子から散乱された信号は、プラズマ上に入射する外部光の垂直方向に収集され得る。観察される散乱共鳴信号は、磁場の不在下では、完全に線形に偏光されるであろう。しかしながら、磁場の増加に伴って、偏光の割合は、減少し、より高い磁場において、完全に消失するであろう。磁場感度の範囲は、プラズマ原子の選択された線放射の放射率に依存するであろう。偏光の角度変化は、磁場の方向を提供するであろう。ピーク偏光の空間測定または撮像は、ゼロ磁場(ヌル)位置の場所およびその形状を提供するであろう。
【0037】
磁場が典型的には低く、ヌル場が存在する、プラズマのコア領域では、電子温度は、高く、故に、水素中性子の存在は、通常、その低イオン化エネルギーに起因して、高電子温度の領域では不可能である。しかしながら、最近、高エネルギー中性子(水素)ビーム(例えば、第WO2013/074666号および第WO2015/048092号参照)の注入を伴う、高度ビーム駆動式FRCプラズマが、生成された。FRCプラズマ内に注入される中性子ビームは、高エネルギービーム中性子(7~20keV)だけではなく、また、プラズマイオンとの電荷交換に起因して、温暖温度(約0.5~1keV)の水素中性子をプラズマのコア領域に提供する。これらの(温暖および高エネルギー)励起中性子からの放射は、アンル効果を測定するために使用され得る。
【0038】
さらに、完全および部分的イオン化不純物との電荷交換プロセスはまた、典型的には、高温プラズマにおいて存在する機会が低いかまたは全く有しない電荷状態および遷移を提供する。実施例として、高出力レーザダイオードは、高温コア内で水素中性子から蛍光信号を励起させるために使用され得る、バルマーアルファ線(656.1nm)およびその近傍で利用可能である。加えて、変調された水素中性子ビームもまた、測定のさらなる制御および強化のために活用され得る。
【0039】
電子衝突によって励起されることに起因して、レーザに加え、大量の背景アンル線信号もまた存在する場合、レーザ励起信号は、レーザビームをチョッピングまたは変調することによって、大量の背景から分離されることができる。レーザは、その指向性、低分散、狭スペクトル幅、および利用可能な高強度に起因して、照明源のための良好な選択肢である。多種多様な固定波長レーザおよび波長可変レーザが、市場において利用可能であるが、常時、レーザを所望の波長に有することが可能であるわけではない、または、経済的であるわけではない。故に、選択およびレーザ線およびアンル線は、同時に行われる必要がある。2つの光子蛍光もまた、アンル信号のために検討され得る。
【0040】
高衝突を伴う場合、吸収および放出プロセスは、相関せず、これは、磁場の不在下でも、散乱光を脱偏光させ、アンル効果の量子干渉を破壊する。典型的FRCプラズマ(n約1013cm-3;Te約100eVを伴う)に関して、電子-イオン衝突周波数は、約10-1であって、これは、典型的放射率(またはアイシュタイン係数)Aの約10-1より小さい規模であって、衝突に起因する脱偏光が無視され得ることを含意する。高密度プラズマに関して、アンル信号の衝突による広がりは、主に、低磁場の振幅を正確に測定するために考慮される必要があり得る。
【0041】
図1Aは、FRC軸方向磁場(B)100の軸方向ビューを図示する。図1Bは、FRCプラズマに関する理論的軸方向磁場(B)プロファイルを図示する。FRCプラズマでは、半径方向に沿って、磁場100は、FRCプラズマ半径101としても知られる、最外殻磁気面(Rs)に近くで最高となる。軸方向磁場(B)100は、FRCプラズマの内側で徐々に減少し、ヌル場所(R)102において消失する。ヌル半径102の内側では、軸方向磁場100の大きさは、ヌルの外側と比較して反対方向に増加し、FRCプラズマの中心でピークとなる。反対に指向される内側場線および外側場線は、いくつかの軸方向距離(X点と呼ばれる)において接続し、FRCプラズマ長を定義する。
【0042】
図2は、外部から照明される光源を伴う、FRC軸方向磁場(B)200の軸方向ビューを図示する。例示的診断設定では、選択された波長の強光源201、例えば、レーザが、FRC磁場内で半径方向に注入され、ヌル場所202、203を含む、半径方向に変動する軸方向磁場200と交差する。共鳴線散乱光は、軸方向ビューで収集される。アンル効果に起因して、ヌル場所およびその近傍の線形に偏光される信号のみが、観察され、ヌル202、203の半径方向位置を提供するであろう。光照明および収集のこの単純な幾何学形状に関して、偏光度の方程式は、
【化1】

として記述され得る。
式中、H=ω/Aは、束縛電子のラーモア周波数と、アイシュタイン係数、すなわち、イオンの放射率との比である。偏光度の測定は、ラーモア周波数の値を提供し、これはまた、磁場の関数でもある。Hは、事実上、アイシュタインの放射係数に対する磁場の比に比例する。これは、低磁場の測定を可能にする。
【0043】
図4は、場軸方向FRCプラズマに沿ったアンル効果に起因する、例示的偏光割合を図示する。図4では、図1Bに与えられるFRC軸方向磁場100の半径に沿った偏光割合の変動が示される。偏光信号は、磁気ヌル場所においてのみピークとなる。これは、空間的に分解された測定のために、ヌル場の場所を提供することができる。図4では、偏光割合は、B=20G 401およびB=100G 402に関して示される。
【0044】
加えて、偏光の方向はまた、角度α=0.5tan-1(2H)だけゼロ場偏光に対して回転し、これは、磁場の方向を提供する。磁場の方向は、方程式(1)によって与えられるアンル信号が飽和する、高場においてさえ測定されることができる。これは、方法に一意の能力を提供し、反転磁場の存在が、測定場所における場強度に関係なく、それぞれが暫定的ヌル場所の両側にある2つの空間場所において測定を行うことによって確認されることができる。FRC磁場では、機械の中心の近傍における測定および縁の近傍における他の測定は、反転磁場についての確認を提供することができる。
【0045】
図3は、自己照明を用いた、FRC軸方向磁場B300の軸方向ビューを図示する。観察または信号収集ポートがFRC軸方向磁場300の軸方向に沿ってある、軸方向ビューに関して、FRC軸方向磁場300は、図3に示されるように、円形構造と見なされ得る。
【0046】
FRC磁場の中心を除き全ての場所において円対称性を伴うFRC磁場は、異方性入射放射をFRCプラズマ自体から受信する。これは、その方位角的に対称な分布に起因して、全ての不純物および主要イオン線放射に該当する。本非対称照明は、外部照明源を必要としないアンル効果の観察のために十分であり得る。さらに、ヌル上の2つの場所のみが外部源の使用を用いて観察可能である代わりに、偏光信号は、全ヌル場所円に沿ってピークとなり、偏光を方位角方向に伴うであろう。これは、全ヌル場所円の同時撮像、故に、内部磁気構造に基づくFRCプラズマ中心場所および形状の直接測定の可能性を提供する。時変信号を用いることで、これは、n=1 動揺モードおよびn=2 回転不安定性についての貴重な情報を提供するであろう。
【0047】
光収集の軸方向幾何学形状に関して、偏光度の方程式は、上記の方程式(1)のように記述され得る。偏光度の測定は、ラーモア周波数の値を提供し、これはまた、磁場の関数でもある。Hは、事実上、アイシュタインの放射係数に対する磁場の比に比例する。これは、低磁場の測定を可能にする。図4は、図1Bに与えられるFRC軸方向磁場100の半径に沿った偏光割合の変動を示す。偏光信号は、磁気ヌル場所においてのみピークとなる。これは、空間的に分解された測定のためのヌル場の場所を提供することができる。
【0048】
加えて、偏光の方向もまた、角度α=0.5tan-1(2H)だけゼロ場偏光に対して回転し、これは、磁場の方向を提供する。磁場の方向は、方程式(1)によって与えられるアンル信号が飽和する、高場においてさえ測定されることができる。これは、方法に一意の能力を提供し、反転磁場の存在が、測定場所における場強度に関係なく、それぞれが暫定的ヌル場所の両側にある2つの空間場所において測定を行うことによって確認されることができる。FRC磁場では、機械の中心の近傍における測定および縁の近傍における他の測定は、反転磁場についての確認を提供することができる。
【0049】
図5は、外部照明を用いた、FRC軸方向磁場B500の例示的半径方向ビューを図示する。線形FRCプラズマ機械における軸方向ビューは、常時利用可能であるわけではない、または、少なくとも、容易に利用可能であるわけではない。多くの場合、診断のための好ましい(または唯一の)オプションは、半径方向ビューからの信号を観察することである。そのような状況(半径方向から入射する外部照明501、例えば、レーザを用いる)に関して、同一半径方向平面における入射放射方向と垂直な観察ビューが、図5に示されるように選定されてもよいも。本配列では、磁場は、散乱(または観察)平面と垂直に指向される。本診断幾何学形状に関して、方程式(1)の代わりに、分数線形偏光が、方程式
【化2】

によって与えられる。
【0050】
ここでは、偏光の変化の範囲は、軸方向ビュー観察例(方程式(1))と比較して、わずか3分の2である。しかしながら、線形偏光の方向における変化は、生じず、ゼロ場のヌル502、503の位置は、依然として、同様の良好な空間分解能を伴って見出されることができる。
【0051】
図6は、自己照明を用いた、軸方向磁場B600の例示的半径方向ビューを図示する。線形FRCプラズマ機械内の軸方向ビューは、常時利用可能であるわけではない、または、少なくとも、容易に利用可能であるわけではない。多くの時間、診断のための好ましい(または唯一の)オプションは、半径方向ビューから信号を観察することである。そのような状況に関して、半径方向平面における観察ビューが、選定され得る。本配列では、磁場は、散乱(または観察)平面と垂直に指向される。本ビューに関して、偏光の変化の範囲は、軸方向ビュー観察例(方程式(1))と比較して小さい。しかしながら、線形偏光の方向の変化は、生じず、信号は、依然として、場のヌル場所601、602においてピークとなる。ゼロ場のヌルの位置は、依然として、良好な空間分解能を伴って見出されることができる。
【0052】
図7は、外部照明を用いた、例示的な半径方向ビューの例に関する例示的偏光信号プロファイルを示す。示されるのは、B=20G 701およびB=100G 702に関する偏光割合および磁場703である。
【0053】
光照明の所与の幾何学形状、散乱光収集、および磁場に関するアンル信号の理論的推定のために、アンルフェーズ行列が、計算される。フェーズ行列は、次いで、ストークスベクトルの推定のために使用されることができ、これは、ひいては、分数偏光、回転角度、および他のパラメータの理論的推定を提供する。実験上、偏光される光の種々の成分を測定し、成分を組み合わせることは、ストークスベクトルを提供することができ、これは、理論上の推測と比較し、磁場についての所望の情報を提供するために使用されることができる。典型的には、偏光の種々の成分は、複屈折結晶または偏光プレートを使用して収集される。
【0054】
図8は、本開示の実施形態と併用するための例示的測定システム概略800を図示する。図8に示されるように、DCプラズマ810が、近位端電極810Aおよび遠位端電極801Bを有し、長さ約20インチである、プラズマ管801内に生成される。プラズマ810は、約2トルのネオンガスを使用して生成される。管801の一端(例えば、遠位端801B)の近くに位置する、ヘルムホルツコイル802A、802Bが、磁場を矢印803によって示される方向に生成するために使用される。光信号が、ヘルムホルツコイル802A、802B下に位置し、磁場を受ける、少量のプラズマ811から収集される。管内のプラズマ810の残りは、ヘルムホルツコイル802A、802B下のプラズマ811を照明するための源としての役割を果たす。アンル効果を示す、ネオンからの複数の線が、利用可能であるが、モノクロメータ807が、測定のために、626.6nm線を分離するために使用される。626.6nm線は、直接、プラズマから放出し(電子励起に起因して)、また、共鳴散乱に起因して、アンル信号を有する。同一波長光を散乱させると、アンル信号が、直接プラズマからの大量の背景とともに、アンル検出を困難にする。信号分離が、回転偏光器809と結合されるフェーズロック増幅器806を使用することによって、達成される。プラズマ811からの光は、モノクロメータ807に進入する前に、回転偏光器809を通して通過する。モノクロメータ807は、ストークスベクトル、すなわち、偏光の成分を測定する。フェーズロック増幅器806からの信号は、さらなる分析およびプロットのためにデジタル化される。ここで使用されるハードウェアの集合は、分光偏光計804として効果的に作業し、これは、偏光成分、すなわち、スペクトル的に分解された線のストークスベクトルを提供することができる。要件に応じて分光偏光計804を作製するために、複数の方法が存在する。分光偏光計804はまた、PMTモジュール808と、プログラム機能発生器805とを備える。
【0055】
図9は、本開示の実施形態による、磁場の変化に伴う、測定および理論的ストークスベクトル信号(QおよびU)の比較を図示する。実施形態では、別個の照明源(例えば、レーザ)が、調査におけるプラズマの一部を照明するために使用されない。管自体の長さに沿ってプラズマによって放出される光が、ヘルムホルツコイル下のプラズマの一部を照明し、そこから信号が、収集される。故に、場方向に対する管の幾何学形状(または長さ)は、照明の方向を提供する。図9は、磁場が、視認方向に沿って、そして照明方向(または管の長さ)と垂直に整列される、磁場の場合に関して、信号Iの強度に正規化された、2つのストークスパラメータQおよびUを示す。磁場は、正の方向から負の方向に変動され、信号を収集する。図9はまた、実験曲線にプロットされた理論的データを示し、両方の間に良好な一致を示す。図から分かるように、ベクトル成分Qがピークになり、ベクトルUがゼロ磁場においてゼロになり、故に、FRC磁場内の場のヌルの場所についての情報を提供する能力を示す。低場、例えば、20ガウス以下に関して、場強度もまた、これらのベクトルを使用して推定されることができる。磁場の方向に関するベクトルUの非対称性は、磁場の方向の測定を可能にする。ベクトルUおよびQの比は、偏光角度の変化を提供し、これは、ひいては、磁場の方向を提供する。
【0056】
小方位角磁場(Bθ)が、FRC磁場内に存在し得る。本方位角場の知識もまた、非常に望ましい。上記に説明される方法は、磁場の3次元ベクトル成分を提供するように拡張されることができる。これは、(i)同量のプラズマのために、複数の近直交ビューを使用することによって、または(ii)異なる感度(例えば、H約1およびH>>1)を伴う、2つ以上の共鳴放射線を使用することによって、達成されてもよい。複数のビューを使用する前者の方法は、融合スケールプラズマデバイスにおける適切なビューのアクセス可能性の欠如に起因して、事実上、困難である。後者の方法は、幾分複雑な理論的処理に加え、複数のアンル線を見出すことを要求する。しかしながら、理論的問題は、照明光の偏光が制御され得る場合、簡略化される。そのような技法は、FRCプラズマ内に同時に軸方向磁場および方位角磁場の両方の測定を提供することができる。
【0057】
実施形態では、高温FRCプラズマのための器具類は、高温FRCプラズマのための以下の測定を提供するための器具を備える。
-反転磁場の存在の証明およびその時間発展
-場のヌルの半径方向の場所およびその時間発展
-正味磁場のベクトル場方向の空間プロファイルおよびその時間発展
【0058】
これらの測定のそれぞれおよびその他は、本明細書に説明されるシステムおよび方法によって達成されることができる。図10および11は、分光偏光計の設計およびFRCプラズマデバイス上のその意図される実装を図示する。
【0059】
図10は、本開示の外部照明実施形態による、分光偏光計を備える、システムを図示する。高速撮像CCDカメラを伴う分光計が、分光偏光計を作製するように修正される。通常通り、波長が、CCDの水平軸方向に沿って撮像される。スペクトルスパンは、ベクトル場測定のために同時に測定される必要がある、複数の波長を組み込むために十分に広い。場のヌルを含む、プラズマの半径方向の範囲が、CCDの垂直方向に沿って撮像される。垂直方向における光はさらに、複屈折結晶または類似性質の材料/構成要素を使用して、直交偏光に分裂される。
【0060】
異なる偏光を有しており、相互から小距離だけ分離されており、それ以外は同一波長および他の性質である、3つのレーザビームが、FRCプラズマ内に半径方向に、例えば、側面から、注入される。分光偏光計はまた、これらの3つのレーザビームを撮像するための3つのスリットを有してもよい。各スリットおよびレーザの組み合わせは、他の2つによって分離される、その独自のスペクトル線を提供するであろう。注入されるレーザビームは、2つの場所において、FRC磁場内のヌル場所と交差する。半径方向に沿ったこれらのビームの経路は、要求される空間分解能を伴って、CCDの垂直方向において撮像される。分光偏光計は、半径方向に沿って、1D空間分解能を伴って、3つの入力偏光、すなわち、2つの直交偏光および3つ以上のスペクトル線の組み合わせを提供する。高速フレームカメラは、要求される時間分解能を伴って、測定を提供する。
【0061】
ヌル場所に加え、磁場がFRCプラズマ内で消失する別の点は、軸方向に沿ったFRCの縁の近傍のX点である。X点間の距離は、FRCの長さを定義する。本明細書に提示される方法は、X点場所およびFRCの長さを測定する。FRCでは、長さは、時間に伴って短縮し得る。これは、半径方向に注入され、X点を照明するために固定軸方向場所に位置する、単一レーザビームの使用を困難にする。実施形態では、レーザビームは、両X点を同時に照明し、FRC磁場の短縮の間、照明され続け得るように、軸方向に注入される。照明のための代替アプローチは、半径方向に注入される複数のレーザまたはレーザのシートの使用を含んでもよい。いずれの場合も、注入されるレーザと垂直であって、上記に説明される半径方向ビューに類似する、半径方向ビューが、信号を収集するために使用されることができる。
【0062】
図11は、本開示の自己照明実施形態による、分光偏光計を備える、システムを図示する。高速撮像CCDカメラを伴う分光計が、分光偏光計を作製するように修正される。通常通り、波長が、CCDの水平軸方向に沿って撮像される。スペクトルスパンは、ベクトル場測定のために同時に測定される必要がある、複数の波長を組み込むために十分に広い。場のヌルを含む、プラズマの半径方向の範囲が、CCDの垂直方向に沿って撮像される。垂直方向における光はさらに、複屈折結晶または類似性質材料/構成要素を使用して、直交偏光に分裂される。器具は、半径方向に沿って、1D空間分解能を伴って、2つの直交偏光および複数のスペクトル線の組み合わせを提供することができる。高速フレームカメラは、要求される時間分解能を伴って、測定を提供することができる。信号は、FRC磁場の軸方向ビューまたは半径方向ビューを用いて収集されることができる。分光計スリットは、信号を収集するための適切な場所および方向において、プラズマ上で撮像される必要がある。軸方向ビューに関して、スリット1101は、半径方向に沿って整列され、ヌルの全ての可能性として考えられる場所をカバーするであろう。半径方向ビューに関しても、スリット1102はまた、半径方向に沿って整列されるであろう。
【0063】
ヌル場所に加え、磁場がFRCプラズマ内で消失する別の点は、軸方向に沿ったFRCの縁の近傍のX点である。X点間の距離は、FRCプラズマの長さを定義する。本発明に提示される方法はまた、X点場所およびFRCプラズマの長さを測定する使用されることができる。半径方向ビューは、X点を観察するための最も単純な幾何学形状を提供する。本明細書に説明されるものに類似する、分光偏光計が、使用されてもよい。1Dの空間的に分解された方向(すなわち、スリットビュー1103の長さ)は、X点領域を含む、FRCプラズマの軸方向に向かって整列されるべきである。FRCプラズマ長さが、時間に伴って短縮するにつれて、X点は、FRCプラズマ中央平面に向かって移動するであろう。1つの分光偏光計が、1つのX点の場所を測定することを可能にし、故に、2つの同時測定が、2つのX点間の距離、故に、FRCプラズマの長さを測定するために必要とされる。
【0064】
本明細書に提供されるシステムおよび方法は、FRCプラズマのリアルタイムフィードバック制御のための入力を提供する。本明細書におけるシステムおよび方法は、FRCプラズマの半径方向位置および軸方向位置をリアルタイムで提供し、これは、直接、フィードバック制御のために使用されることができる。例えば、前述の構成と併用される、高速フレームカメラは、ある弦上の、例えば、直径に沿った2つの点における磁気的なヌルの場所を提供することができる。単純な代数を用いることで、本情報は、コンピュータまたはさらにアナログ信号処理もしくはデジタル信号処理を使用して、FRCプラズマの半径および中心をリアルタイムで規定するために使用されることができる。(例えば、これらのヌルの中心は、プラズマの中心を規定するであろう。)本リアルタイム情報は、フィードバック制御システムに提供され、外部から印加される磁場を制御することによって、その半径方向の場所およびサイズを制御することができる。X点またはFRCプラズマの長さの測定が、利用可能である場合、これらはまた、フィードバックシステムに提供され、FRCプラズマの軸方向場所を制御することができる。
【0065】
ストークスベクトルQ、U、およびVは、直接、フィードバックシステムにフィードされてもよい。これは、反転磁場の存在、場のヌルの場所、およびさらにFRCプラズマ内の磁場の方向または成分に基づいて、自動化された制御決定を行う能力を提供し得る。
【0066】
プラズマベースの融合反応器では、動作および安全性のために、プラズマの基本測定および制御を有することが重要である。本明細書に説明されるシステムおよび方法は、磁気構成および位置の非摂動測定を提供し、FRCプラズマベースの融合反応器内の能動的制御のために使用されることができる。
【0067】
本開示の実施形態は、第1の複数のレーザビームをFRCプラズマの中に半径方向に注入することであって、レーザビームはそれぞれ、異なる偏光を有する、ことと、2つの場所において、FRCプラズマのFRC磁場内のヌル場所と交差させることと、第1の複数のレーザビームの経路をCCDの垂直方向において撮像することと、複屈折結晶を使用して、直交偏光にさらに分裂されるように垂直方向における光を分裂させることと、FRC磁場のヌル場所を測定することとを含む、高温プラズマ内の磁場を測定する非摂動方法を対象とする。
【0068】
実施形態では、本方法はさらに、レーザビームをFRC磁場の中に軸方向に注入することと、FRC磁場の2つのX点のそれぞれを照明することと、2つのX点間の距離を測定し、FRC磁場の長さを生み出すこととを含む。
【0069】
実施形態では、本方法はさらに、第2の複数のレーザをFRC磁場の中に半径方向に注入することと、FRC磁場の2つのX点のそれぞれを照明することと、2つのX点間の距離を測定し、FRC磁場の長さを生み出すこととを含む。
【0070】
実施形態では、本方法はさらに、FRC磁場のヌル場所の場所をFRCプラズマの直径に沿った2つの点に提供することと、ヌル場所の場所を使用して、FRCプラズマの半径および中心を計算することと、半径および中心をフィードバック制御システムに提供することとを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、フィードバック制御システムは、外部から印加される磁場を制御することによって、FRCプラズマの半径方向の場所およびサイズを制御する。
【0072】
本開示の実施形態はまた、CCDの水平軸方向に沿ってFRCプラズマの波長を撮像することと、CCDの垂直軸方向に沿ってFRCプラズマの半径方向の範囲を撮像することと、複屈折結晶を使用して、垂直方向における光を直交偏光に分裂させることと、FRCプラズマのFRC磁場のヌル場所を測定することとを含む、高温プラズマ内の磁場を測定する非摂動方法を対象とする。
【0073】
実施形態では、本方法はさらに、第1の分光偏光計のスリットをFRCプラズマの軸方向に向かって整列させることと、FRC磁場の第1のX点の場所を測定することとを含む。
【0074】
実施形態では、本方法はさらに、同時に、第2の分光偏光計のスリットをFRCプラズマの軸方向に向かって整列させることと、FRC磁場の第2のX点の場所を測定することと、第1のX点と第2のX点との間の距離を測定し、FRC磁場の長さを生み出すこととを含む。
【0075】
実施形態では、本方法はさらに、FRC磁場のヌル場所の場所をFRCプラズマの直径に沿った2つの点に提供することと、ヌル場所の場所を使用して、FRCプラズマの半径および中心を計算することと、半径および中心をフィードバック制御システムに提供することとを含む。
【0076】
実施形態では、フィードバック制御システムは、外部から印加される磁場を制御することによって、FRCプラズマの半径方向の場所およびサイズを制御する。
【0077】
本開示の実施形態は、分光計と、高速撮像CCDカメラと、3つのレーザビームと、複屈折結晶とを備える、高温プラズマ内の磁場の非摂動測定のための分光偏光計を対象とする。
【0078】
実施形態では、3つのレーザビームは、異なる偏光、類似波長を有し、相互から小距離だけ分離される。
【0079】
実施形態では、分光偏光計はさらに、3つのレーザビームを撮像するための3つのスリットを備える。
【0080】
実施形態では、分光偏光計は、3つのレーザビームをFRCプラズマの中に半径方向に注入し、2つの場所において、FRCプラズマのFRC磁場内のヌル場所と交差させることと、第1の複数のレーザビームの経路をCCDの垂直方向において撮像することと、複屈折結晶を使用して、直交偏光にさらに分裂されるように垂直方向における光を分裂させることと、CCDを使用して、FRC磁場のヌル場所を測定することとを行うように構成される。
【0081】
実施形態では、分光偏光計はさらに、レーザビームをFRC磁場の中に軸方向に注入することと、FRC磁場の2つのX点のそれぞれを照明することと、2つのX点間の距離を測定し、FRC磁場の長さを生み出すこととを行うように構成される。
【0082】
実施形態では、分光偏光計はさらに、第2の複数のレーザをFRC磁場の中に半径方向に注入することと、FRC磁場の2つのX点のそれぞれを照明することと、2つのX点間の距離を測定し、FRC磁場の長さを生み出すこととを行うように構成される。
【0083】
実施形態では、分光偏光計は、CCDの水平軸方向に沿って、FRCプラズマの波長を撮像することと、CCDの垂直軸方向に沿って、FRCプラズマの半径方向の範囲を撮像することと、複屈折結晶を使用して、垂直方向における光を直交偏光に分裂させることと、CCDを使用して、FRCプラズマのFRC磁場のヌル場所を測定することとを行うように構成される。
【0084】
実施形態では、分光偏光計はさらに、FRC磁場のヌル場所の場所をFRCプラズマの直径に沿った2つの点に提供することと、ヌル場所の場所を使用して、FRCプラズマの半径および中心を計算することと、半径および中心をフィードバック制御システムに提供することとを行うように構成される。
【0085】
実施形態では、フィードバック制御システムは、外部から印加される磁場を制御することによって、FRCプラズマの半径方向の場所およびサイズを制御する。
【0086】
本開示の実施形態は、高温プラズマ内の磁場の非摂動測定のためのシステムを対象とし、システムは、第1の分光偏光計および第2の分光偏光計を備え、第1の分光偏光計は、第1の分光偏光計のスリットをFRCプラズマの軸方向に向かって整列させることと、FRC磁場の第1のX点の場所を測定することとを行うように構成され、第2の分光偏光計は、同時に、第2の分光偏光計のスリットをFRCプラズマの軸方向に向かって整列させることと、FRC磁場の第2のX点の場所を測定することと、第1のX点と第2のX点との間の距離を測定し、FRC磁場の長さを生み出すこととを行うように構成される。
【0087】
本明細書に提供される任意の実施形態に関して説明される全ての特徴、要素、構成要素、機能、およびステップは、任意の他の実施形態からのものと自由に組み合わせ可能かつ代用可能であることを意図している。ある特徴、要素、構成要素、機能、またはステップが、一実施形態のみに関して説明される場合、特徴、要素、構成要素、機能、またはステップは、別様に明示的に記述されない限り、本明細書に説明される全ての他の実施形態とともに使用され得ることを理解されたい。本段落は、したがって、常に、異なる実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを組み合わせる、または、一実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを別のもので代用する、請求項の導入の先行する基礎および書面による支援としての役割を果たし、仮に以下の説明が、特定の事例において、そのような組み合わせまたは代用が可能であることを明示的に記述しなくても、そのような役割を果たす。特に、本説明を読んだ当業者が、ありとあらゆるそのような組み合わせおよび代用の許容性が容易に認識されるであろうことを考えれば、可能性として考えられる全ての組み合わせおよび代用を明示的に記載することは、過度の負担である。
【0088】
多くの事例では、エンティティは、他のエンティティに結合されるように本明細書に説明される。用語「結合される」および「接続される」またはその形態のうちの任意のものは、本明細書では同義的に使用され、両場合において、2つのエンティティの直接結合(任意の無視不可能である(例えば、寄生)介在エンティティを伴わない)および2つのエンティティの間接結合(1つ以上の無視不可能である介在エンティティを伴う)に対して包括的であることを理解されたい。エンティティが、ともに直接結合されるように示される、または任意の介在エンティティの説明を伴わずに、ともに結合されるように説明される場合、それらのエンティティは、文脈によって明確に別様に示されない限り、同様に、ともに間接的に結合されることができることを理解されたい。
【0089】
実施形態は、種々の修正および代替形態を被るが、その具体的実施例が、図面に示され、本明細書に詳細に説明されている。しかしながら、これらの実施形態は、開示される特定の形態に限定されるものではなく、対照的に、これらの実施形態は、本開示の精神内にある全ての修正、均等物、および代替案を網羅するものであることを理解されたい。さらに、実施形態の任意の特徴、機能、ステップ、または要素、ならびにその範囲内にない特徴、機能、ステップ、または要素によって請求項の範囲を定義する否定的限定が、請求項に記載または追加されてもよい。
図1A
図1B
図2
図3
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図5
図6
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図8
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図10
図11