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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/00 20060101AFI20220628BHJP
   A47C 7/02 20060101ALI20220628BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
A47C7/00 Z
A47C7/02 Z
A47C7/02 A
A47C7/62 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018014154
(22)【出願日】2018-01-30
(65)【公開番号】P2019129978
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 裕一郎
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-075137(JP,A)
【文献】実開平06-038714(JP,U)
【文献】米国特許第05865124(US,A)
【文献】特開2016-214280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/00 - 7/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座者が着座可能な座面部を有する椅子本体と、
前記椅子本体の内部から前記椅子本体の側部を経由して、椅子が設置される椅子設置面に近接する方向とは反対方向に延出し、延出端部で付属部品を支持可能な部品支持部材と、を備え、
前記部品支持部材は、
前記椅子本体に連結される被連結部を有し、前記座面部に沿う方向に延出する第一延出部と、
前記第一延出部から前記反対方向に延出し、前記延出端部を有する第二延出部と、を備え、
前記椅子本体は、前記被連結部よりも前記椅子設置面から離れた位置で、前記第二延出部を支持する中間支持部を備え
前記第二延出部は、前記中間支持部に連結されていることを特徴とする椅子。
【請求項2】
前記第一延出部は、前記座面部に沿う方向としての水平方向に延出し、
前記第二延出部は、前記反対方向としての上方に延出し、
前記延出端部には、前記付属部品としての天板が支持されていることを特徴とする
請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
前記椅子本体は、前記座面部と交差する肘掛構成部材を備え、
前記中間支持部は、前記肘掛構成部材に設けられていることを特徴とする
請求項1または2に記載の椅子。
【請求項4】
前記第二延出部は、
前記延出端部を有し、上下方向に延在する上下延在部と、
前記上下延在部の下部と前記第一延出部とを連結し、上側方に傾斜する傾斜連結部と、を備え、
前記中間支持部は、前記上下延在部および前記傾斜連結部の少なくとも一方を支持することを特徴とする
請求項1から3のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項5】
前記部品支持部材は、
前記被連結部を有し、水平方向に延出する水平延出部と、
前記水平延出部の両端部から上方に延出し、前記延出端部を有する一対の上方延出部と、を備え、
前記中間支持部は、前記一対の上方延出部の両方を支持することを特徴とする
請求項1から4のいずれか一項に記載の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、椅子において、上方を向く作業面を有する天板を座の側方に備えるものが公知である。
例えば、特許文献1では、アウターシェルの上面に設けられた補強部材と、アウターシェルの下面側部に取り付けられるオプション部材たる肘掛けとによって、アウターシェルを挟み込んでいる。
例えば、特許文献2では、L字状のアームの一端側の先端にメモ台用天板を取り付け、他端側の直線部を椅子への取付け部とし、椅子に固定された二つの固定金具によってアームを支持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3580863号公報
【文献】特開平8-182578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような椅子では、天板を支持する部材(以下「天板支持部材」という。)の椅子への連結部位と天板とが椅子幅方向で遠く離れる傾向にある。連結部位と天板とが椅子幅方向で遠く離れると、天板に入力された上方からの荷重(例えば、着座者の腕からの入力荷重)が連結部位に対して大きな脱落方向(例えば、天板支持部材を椅子に連結するボルトが外れる方向)へのモーメントへと転換されやすい。したがって、連結部位の堅牢性を増強する必要がある。
しかし、連結部位の堅牢性を極端に増強すると、上記の入力荷重に起因する負荷が局所的に作用することにより、天板支持部材が破損しやすくなる可能性がある。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明は、延出端部で付属部品を支持可能な部品支持部材を備えた椅子において、部品支持部材と椅子との連結部位での堅牢性を極端に高めることなく、部品支持部材の脱落を防止することが可能な椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る椅子は、着座者が着座可能な座面部を有する椅子本体と、前記椅子本体の内部から前記椅子本体の側部を経由して、椅子が設置される椅子設置面に近接する方向とは反対方向に延出し、延出端部で付属部品を支持可能な部品支持部材と、を備え、前記部品支持部材は、前記椅子本体に連結される被連結部を有し、前記座面部に沿う方向に延出する第一延出部と、前記第一延出部から前記反対方向に延出し、前記延出端部を有する第二延出部と、を備え、前記椅子本体は、前記被連結部よりも前記椅子設置面から離れた位置で、前記第二延出部を支持する中間支持部を備え、前記第二延出部は、前記中間支持部に連結されていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、部品支持部材における第二延出部が椅子本体における中間支持部により支持されることにより、部品支持部材の延出端部に荷重が入力された場合であっても、入力荷重に起因する負荷を中間支持部で受けることができるため、部品支持部材における被連結部に過大な負荷がかかることを抑えることができる。したがって、部品支持部材と椅子との連結部位での堅牢性を極端に高めることなく、部品支持部材の脱落を防止することができる。
【0008】
本発明の一態様において、前記第一延出部は、前記座面部に沿う方向としての水平方向に延出し、前記第二延出部は、前記反対方向としての上方に延出し、前記延出端部には、前記付属部品としての天板が支持されていてもよい。
この構成によれば、天板に上方からの荷重が入力された場合であっても、入力荷重に起因する負荷を、椅子本体における中間支持部で受けることができるため、部品支持部材と椅子との連結部位での堅牢性を極端に高めることなく、部品支持部材の脱落を防止することができる。
【0009】
本発明の一態様において、前記椅子本体は、前記座面部と交差する肘掛構成部材を備え、前記中間支持部は、前記肘掛構成部材に設けられていてもよい。
この構成によれば、肘掛構成部材は着座者の腕からの荷重を支持する部材であり堅牢性が高いことから、椅子本体における中間支持部の堅牢性も高めることができる。したがって、部品支持部材と椅子との連結部位での堅牢性を極端に高めることなく、部品支持部材の脱落をより効果的に防止することができる。
【0010】
本発明の一態様において、前記第二延出部は、前記延出端部を有し、上下方向に延在する上下延在部と、前記上下延在部の下部と前記第一延出部とを連結し、上側方に傾斜する傾斜連結部と、を備え、前記中間支持部は、前記上下延在部および前記傾斜連結部の少なくとも一方を支持していてもよい。
この構成によれば、部品支持部材の第二延出部における上下延在部および傾斜連結部の少なくとも一方が、椅子本体における中間支持部に支持されることにより、部品支持部材が長い場合であっても、部品支持部材を適所で堅牢に支持することができる。したがって、部品支持部材が長い場合であっても、部品支持部材と椅子との連結部位での堅牢性を極端に高めることなく、部品支持部材の脱落を防止することができる。
【0011】
本発明の一態様において、前記部品支持部材は、前記被連結部を有し、水平方向に延出する水平延出部と、前記水平延出部の両端部から上方に延出し、前記延出端部を有する一対の上方延出部と、を備え、前記中間支持部は、前記一対の上方延出部の両方を支持していてもよい。
この構成によれば、部品支持部材における一対の上方延出部の両方が、椅子本体における中間支持部に支持されることにより、部品支持部材が長い場合であっても、部品支持部材を複数箇所で堅牢に支持することができる。したがって、部品支持部材が長い場合であっても、部品支持部材と椅子との連結部位での堅牢性を極端に高めることなく、部品支持部材の脱落を防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、延出端部で付属部品を支持可能な部品支持部材を備えた椅子において、部品支持部材と椅子との連結部位での堅牢性を極端に高めることなく、部品支持部材の脱落を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る椅子の斜視図。
図2】実施形態に係る椅子の前面図。
図3】実施形態に係る椅子の分解斜視図。
図4】実施形態に係る椅子の右側面図。
図5】実施形態に係る椅子の上面図。
図6】実施形態に係る椅子下部の前面図。
図7図2のVII-VII断面を含む左側面図。
図8図4のVIII-VIII断面を含む上面図。
図9】実施形態に係るアウターシェル右側部の斜視図。
図10図4のX-X断面を含む前面図。
図11】実施形態に係る肘掛構成部材の斜視図。
図12図2のXII-XII断面を含む右側面図。
図13図6のXIII-XIII断面を含む右側面図。
図14図5のXIV-XVI断面を含む左側面図。
図15図4のXV-XV断面を含む上面図。
図16図2のXVI-XVI断面を含む左側面図。
図17】実施形態の変形例に係る中間支持部材を示す、図13に相当する断面を含む右側面図。
図18】実施形態の変形例に係る椅子の斜視図。
図19】実施形態の変形例に係る椅子の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。各図において、同一構成については同一の符号を付す。実施形態においては、椅子の一例として、上方を向く作業面を有する天板を、座の側方に備える椅子を挙げて説明する。実施形態において、椅子が設置される椅子設置面は、屋内の平坦な床面とする。
【0015】
[椅子1]
図1に示すように、椅子1は、床面2(図2参照)に起立する荷重支持構造体3と、着座者が着座可能な座面部20を有する座面構成部材4と、座面部20の側方に延出され延出端部5aで天板6(付属品)を支持可能な部品支持部材5と、を備える。荷重支持構造体3および座面構成部材4は、椅子1における本体部(以下「椅子本体8」ともいう。)を構成する。
【0016】
以下の説明においては、座面部20に着座した着座者が前を向く方向を「前方」、前方とは反対方向を「後方」として説明する。つまり、図2に示す紙面に直交する方向を「前後方向」又は「椅子1の奥行方向」とする。また、床面2の法線方向(鉛直方向)を「上下方向」又は「椅子1の高さ方向」とする。また、前後方向および上下方向のそれぞれに直交する方向を「左右方向」又は「椅子1の幅方向」とする。図中において、前方を矢印FR、上方を矢印UP、左方を矢印LHでそれぞれ示している。
【0017】
[荷重支持構造体3]
図2に示すように、荷重支持構造体3は、床面2に設定される脚部10と、脚部10の上部に取り付けられた支基15と、を備える。図2においては、天板6などの図示を省略している。
【0018】
図3に示すように、脚部10は、円環状の環状部材に三叉形状(Y字状)の連結部材が連結された脚本体11と、脚本体11の中央部(連結部材の中央部)から起立する柱状の脚柱12と、を備える。
【0019】
脚柱12は、脚本体11に固定された外筒12aと、外筒12aの径方向内側に位置する内筒12bと、を備える。内筒12bは、脚柱12の軸回りに回転可能に外筒12aに支持されている。内筒12bの上端部には、支基15が固定的に支持されている。なお、脚柱12は、ガススプリングを内蔵することにより、上下方向に伸縮可能に構成されていてもよい。
【0020】
図2に示すように、支基15は、座面構成部材4の第一面部32を床面2の側から支持する。第一面部32は、座面構成部材4の下面部である。支基15は、脚部10の上部から第一面部32に近接するに従って前後幅および左右幅が広がる形状をなしている。支基15は、床面2の側から座面構成部材4の第一面部32に対向する第二面部16を備える。第二面部16は、支基15の上面部である。図5の上面視で、支基15は、後方に凸をなす三角形状をなしている。
【0021】
[座面構成部材4]
図1に示すように、座面構成部材4は、着座者が着座可能な座面部20と、座面部20の後端部から上方に延出する背凭れ部21と、背凭れ部21の上端部から上方に延出する頭部支持部22と、座面部20の左右側端部から上方に延出する肘掛け部23と、を備える。
【0022】
椅子1の幅方向と直交する断面視(椅子1の要部を幅方向中心で切断した図7の断面視)で、座面部20と背凭れ部21とは互いに交差する形状をなしている。図7の断面視で、座面構成部材4は、J字状をなしている。
【0023】
上下方向と直交する断面視(椅子1の背凭れ部21を水平面に平行な面で切断した図8の断面視)で、座面構成部材4は、幅方向の中央部が幅方向の外側部よりも奥側に位置する凹形状をなしている。
【0024】
図1に示すように、座面部20の上側には、クッションおよび表皮材が配置されて座面20aが形成されている。
背凭れ部21の前側には、クッションおよび表皮材が配置されて背凭れ面21aが形成されている。
なお、座面部20の上面および背凭れ部21の前側にクッションおよび表皮材が配置されておらず、芯材(図3に示すインナーシェル30)が着座者の身体に直接接する態様を採用してもよい。
【0025】
図5の上面視で、頭部支持部22は、着座者の頭部を後方および左右外方から覆う逆U字状をなしている。頭部支持部22における左右側壁は、外部からの音を遮る遮音部として機能する。図1に示すように、頭部支持部22の前側には、クッションおよび表皮材が配置されて頭部支持面22aが形成されている。
【0026】
図2の前面視で、肘掛け部23は、上側ほど左右方向の幅が広い箱状をなしている。図1に示すように、肘掛け部23の前側、上側および幅方向内側には、クッションおよび表皮材が配置されて荷重受け面23aが形成されている。
図1においては、クッションの表面(表皮材)を破線で示している。
【0027】
図3に示すように、座面構成部材4は、着座者の荷重を支持する強度部材としての芯材(以下「インナーシェル30」ともいう。)と、インナーシェル30の外側に配置される外装材(以下「アウターシェル40」ともいう。)と、を備える。図3においては、インナーシェル30およびアウターシェル40の右半部のみを示し、左半部の図示を省略している。
【0028】
インナーシェル30は、座面部20、背凭れ部21および頭部支持部22(図1参照)の支持体を構成するインナー本体31と、肘掛け部23(図1参照)を構成する肘掛構成部材35と、を備える。
【0029】
アウターシェル40は、インナー本体31を外側から覆うアウター本体41と、肘掛構成部材35を外側から覆う肘掛カバー部材45と、を備える。
【0030】
インナーシェル30は、アウターシェル40よりも高い剛性を有する。インナー本体31は、アウター本体41よりも肉厚に形成されている。インナー本体31およびアウター本体41の左右側部は、それぞれ後下方に凸の弧状をなす外形を有している。
【0031】
図10の断面視で、肘掛構成部材35は、L字状をなしている。肘掛構成部材35は、幅方向で肘掛カバー部材45から離れるようにインナー本体31の外側部から上方に延出し、延出端から幅方向の外方に屈曲する屈曲部35vを有する板状をなしている。
【0032】
肘掛構成部材35は、幅方向で肘掛カバー部材45の内側面との間に空隙35sを形成するようにインナー本体31の外側部から起立する起立部36と、起立部36と共に屈曲部35vを形成するように起立部36の上端部から幅方向の外方に延出する外方延出部37と、起立部36の前端部から幅方向の外方に延出し、外方延出部37の前端部に連なりインナー本体31の外側部に向けて近接する方向に延出する前側延出部38(図12参照、第二外方延出部)と、を備える。図10において符号37hは、外方延出部37において部品支持部材5を挿通可能に上下方向に開口する開口部を示す。
【0033】
図10の断面視で、肘掛構成部材35において、起立部36と外方延出部37とは互いに交差する屈曲形状を有している。実施形態において、起立部36と外方延出部37とは、互いに実質的に直交するL字形状を有している。
図10の断面視で、アウターシェル40において、アウター本体41と肘掛カバー部材45とは、下側方に凸の弧状をなして互いに連続する湾曲形状を有している。
図12の断面視で、肘掛構成部材35における前側延出部38は、前後方向に延びる外方延出部37の前端部から前上方に凸の弧状をなして前下方に延びる形状を有している。
【0034】
[補強リブ60]
肘掛構成部材35には、起立部36および外方延出部37の双方から空隙35sに向けて突出する補強要素としての補強リブ60が設けられている。図12の断面視で、補強リブ60は、部品支持部材5を避けるように格子状に形成されている。図12の断面視で、補強リブ60は、前後方向に直線状に延びる前後延在リブ61と、上下方向に直線状に延びる上下延在リブ62と、起立部36および外方延出部37とを連結する連結リブ63(連結補強部)と、を備える。補強リブ60は、起立部36と外方延出部37とを連結している。
【0035】
図12の断面視で、前後延在リブ61は、上下方向に間隔をあけて複数設けられている。図12の断面視で、上下延在リブ62は、前後方向に間隔をあけて複数設けられている。図12の断面視で、連結リブ63は、外方延出部37および前側延出部38の延在方向に間隔をあけて複数設けられている。図12の断面視で、複数の連結リブ63(外方延出部37の下面に連結されている部位)の一部は、最上位の前後延在リブ61の上方(最上位の前後延在リブ61と外方延出部37との上下間)において、上下延在リブ62と平行に延在している。
【0036】
図10に示すように、肘掛カバー部材45には、肘掛カバー部材45の内側面から幅方向内方(空隙35s)に向けて突出するアウター側リブ46が設けられている。図9に示すように、アウター側リブ46は、肘掛構成部材35における外方延出部37および前側延出部38(図12参照)の延在方向に沿うように弧状をなしている。図9において符号46hは、アウター側リブ46の厚み方向に開口し、アウター側リブ46の延在方向に間隔をあけて設けられた複数の貫通孔を示す。
【0037】
[部品支持部材5]
図6に示すように、部品支持部材5は、第一面部32と第二面部16との間に形成される通路25を経由して座面部20の側方に延出され、延出端部5aで天板6(図1参照)を支持可能に構成されている。部品支持部材5は、第一面部32と第二面部16とに挟まれている。部品支持部材5は、座面構成部材4に連結される被連結部55(図5参照)を備える。
【0038】
図6の前面視で、部品支持部材5は、U字状をなしている。例えば、部品支持部材5は、断面円環状のパイプ材を曲げ加工することで形成されている。部品支持部材5は、通路25に配置される第一延出部50と、座面部20の側方で第一延出部50から上方に延出される第二延出部51と、を備える。
【0039】
第一延出部50は、第一面部32(座面部20)に沿う方向としての水平方向(幅方向)に直線状に延出している。第一延出部50(以下「水平延出部50」ともいう。)には、被連結部としてのブラケット55(図5参照)が設けられている。例えば、ブラケット55は、水平延出部50に溶接で固定されている。
【0040】
第二延出部51(以下「上方延出部51」ともいう。)は、上下方向に直線状に延在する上下延在部52と、上下延在部52の下端部と水平延出部50の幅方向外端部とを連結し、上側方に傾斜する傾斜連結部53と、を備える。
【0041】
上下延在部52には、肘掛構成部材35(図12参照)に向けて延出する第二ブラケット56が設けられている。例えば、第二ブラケット56は、上下延在部52に溶接で固定されている。図12の側面視で、第二ブラケット56は、上下延在部52から前方に延出している。
【0042】
図6に示すように、上下延在部52は、水平延出部50の両端部から上方に延出するように左右に一対設けられている。上下延在部52の上端部は、天板6(図1参照)を支持する延出端部5aとして機能する。
【0043】
図6の前面視で、傾斜連結部53は、水平延出部50の幅方向外端部から上側ほど幅方向外方に位置するように直線状に傾斜している。図4の側面視で、傾斜連結部53は、水平延出部50の幅方向外端部から上側ほど前方に位置するように直線状に傾斜している。
【0044】
[中間経路形成部34]
図13に示すように、座面構成部材4は、ブラケット55(図14参照)よりも上方の位置で、部品支持部材5における第二延出部51(具体的には傾斜連結部53)を通過させる中間経路34s(空間)を形成する中間経路形成部34を備える。図13の断面視で、中間経路形成部34は、前上方に凸をなす逆V字状を有している。中間経路形成部34は、傾斜連結部53の傾斜に沿って上側ほど幅方向外方に位置するように傾斜している。中間経路形成部34は、傾斜連結部53の前後方向、幅方向内方および上方への移動を規制する壁部として機能する。実施形態において、中間経路形成部34と傾斜連結部53との間には、微小な隙間が設けられている。
【0045】
[インナー本体31と肘掛構成部材35との固定構造]
図11に示すように、肘掛構成部材35には、部品支持部材5(図12参照)および補強リブ60を避けて下方に弧状をなして延出する下方弧状延出部36aが設けられている。
【0046】
図7に示すように、肘掛構成部材35における下方弧状延出部36a(図11参照)は、インナー本体31における弧状側部31aに複数のボルト36jで固定されている。図11において符号36hは、幅方向に開口し、下方弧状延出部36aに沿って間隔をあけて設けられた複数のボルト挿通孔を示す。図15において符号36kは、下方弧状延出部36aからインナー本体31における弧状側部31aに向けて突出する筒状のボス部を示す。
【0047】
[インナー本体31と部品支持部材5との固定構造]
図5に示すように、インナー本体31は、水平面に沿うインナー下面部32と、部品支持部材5を連結可能な部品支持部材連結部33と、を備える。
インナー下面部32は、座面構成部材4の下面部(第一面部)を構成する。
【0048】
図14の断面視で、部品支持部材連結部33は、インナー下面部32から上方に膨出している。図5の上面視で、部品支持部材連結部33は、ブラケット55の外形に沿う矩形状をなしている。図14において符号33h,55hは、上下方向に開口し、ブラケット55固定用のボルト55jが挿通されるボルト挿通孔をそれぞれ示す。
【0049】
図14に示すように、部品支持部材5(具体的には水平延出部50)は、部品支持部材連結部33およびブラケット55の各ボルト挿通孔33h,55hに下方からボルト55jが挿通され、ボルト55jの上方突出部(雄ネジ部)が不図示のナット(雌ネジ部)に螺着されることにより固定されている。実施形態において、部品支持部材5は、インナー本体31に対して左右一対の部品支持部材連結部33でブラケット55を介して各一箇所ずつ(左右合計二箇所)で固定されている(図5参照)。
【0050】
[肘掛構成部材35と部品支持部材5との固定構造]
図11に示すように、肘掛構成部材35は、部品支持部材5(具体的には上下延在部52、図12参照)を連結可能な第二部品支持部材連結部65を備える。第二部品支持部材連結部65は、被連結部55よりも床面2から上方および幅方向外方に離れた位置で、上下延在部52を支持する中間支持部として機能する。第二部品支持部材連結部65は、起立部36から空隙35sに向けて補強リブ60よりも低い高さで突出している。図12において符号56hは、幅方向に開口し、第二ブラケット56固定用のボルト(不図示)が挿通されるボルト挿通孔を示す。
【0051】
部品支持部材5における上下延在部52は、第二ブラケット56のボルト挿通孔56hに幅方向外方からボルトが挿通され、ボルトの幅方向内方突出部(雄ネジ部)が第二部品支持部材連結部65の雌ネジ部65mに螺着されることにより固定されている。実施形態において、部品支持部材5は、左右一対の肘掛構成部材35に対して左右一対の第二部品支持部材連結部65で第二ブラケット56を介して各一箇所ずつ(左右合計二箇所)で固定されている。実施形態において、第二部品支持部材連結部65は、左右一対の第二延出部51(上方延出部)の両方を支持している。
部品支持部材5は、肘掛け部23(図2参照)の補強部材であり、天板6のような追加機能部材(付属品)が取り付く場合には、その取付部材として機能する。
【0052】
[アウター本体41と肘掛カバー部材45との固定構造]
図9に示すように、肘掛カバー部材45には、アウター本体41における弧状側部43に沿うように弧状をなして肘掛カバー部材45の後下端部から幅方向内方に延出する内方弧状延出部47が設けられている。
【0053】
肘掛カバー部材45における内方弧状延出部47は、アウター本体41における弧状側部43に複数のボルト47jで固定されている。図9において符号47aは、内方弧状延出部47に沿って間隔をあけて複数設けられ、ボルト47jの座面を形成する段部を示す。段部47aの前壁には、前後方向に開口するボルト挿通孔(不図示)が設けられている。図9において符号43aは、アウター本体41における弧状側部43から内方弧状延出部47のボルト挿通孔に向けて突出する筒状のボス部を示す。
【0054】
[インナー本体31とアウター本体41との係合構造]
図2に示すように、インナー本体31の上部には、前後方向に開口し、上下方向に長手を有する矩形状のインナー側開口31hが設けられている。インナー側開口31hは、上下方向および幅方向に間隔をあけて複数設けられている。
【0055】
図7に示すように、アウター本体41の上部には、インナー側開口31hに向けて突出するアウター側凸部44が設けられている。アウター側凸部44は、インナー側開口31hと対応するように、上下方向および幅方向に間隔をあけて複数設けられている。
【0056】
図16の断面視で、アウター側凸部44には、クランク状の支持金具67が上下一対のボルト67jで固定されている。図16の断面視で、支持金具67は、アウター側凸部44の前面に沿って上下方向に延出するボルト連結部67aと、ボルト連結部67aの上端部から前方に延出した後に上方に屈曲して延出し、その後、前上方にやや傾斜して延出するインナー受け部67bと、を備える。
【0057】
例えば、インナー本体31におけるインナー側開口31hに対し、アウター本体41におけるインナー受け部67bを後下方から挿通することによって、インナー本体31とアウター本体41とを係合することができる。
【0058】
図14に示すように、アウター本体41には、インナー本体31のインナー下面部32に沿うアウター下面部42を備える。アウター下面部42は、インナー本体31のインナー下面部32に対して下方から対向している。図14において符号32h,42hは、上下方向に開口し、アウター本体41固定用のボルト42jが挿通されるボルト挿通孔をそれぞれ示す。
【0059】
図14に示すように、アウター本体41は、インナー本体31(具体的にはインナー下面部32)およびアウター本体41(具体的にはアウター下面部42)の各ボルト挿通孔32h,42hに下方からボルト42jが挿通され、ボルト42jの上方突出部(雄ネジ部)が不図示のナット(雌ネジ部)に螺着されることにより固定されている。実施形態において、アウター本体41は、インナー本体31に対して左右一対のボルト42jで各一箇所ずつ(左右合計二箇所)で固定されている(図5参照)。
【0060】
[インナー本体31と支基15との固定構造]
図14に示すように、支基15は、インナー本体31の部品支持部材連結部33に部品支持部材5が連結されている状態で、座面構成部材4を連結可能な座面構成部材連結部17を備える。図14の断面視で、座面構成部材連結部17は、部品支持部材5を介して前後に離間して一対配置されている。図14の断面視で、座面構成部材連結部17は、アウター本体41を介してインナー本体31のインナー下面部32に向けて膨出している。
【0061】
座面構成部材連結部17は、支基15の前部に位置する前側連結部18と、支基15の後部に位置する後側連結部19と、を備える。図14において符号18h,42fは、上下方向に開口し、支基15前部固定用のボルト18jが挿通されるボルト挿通孔をそれぞれ示す。図14において符号19h,42rは、上下方向に開口し、支基15後部固定用のボルト19jが挿通されるボルト挿通孔をそれぞれ示す。
【0062】
図14に示すように、座面構成部材4は、座面構成部材連結部17(具体的には前側連結部18および後側連結部19)およびアウター本体41(具体的にはアウター下面部42)の各ボルト挿通孔18h,42f(19h,42r)に下方からボルト18j(19j)が挿通され、ボルト18j(19j)の上方突出部(雄ネジ部)がインナー本体31(具体的にはインナー下面部32)の雌ネジ部32f(32r)に螺着されることにより固定されている。実施形態において、インナー本体31は、支基15に対して前後一対の座面構成部材連結部17(前側連結部18および後側連結部19)でアウター本体41を介して各一箇所ずつ(左右合計四箇所)で固定されている。
【0063】
[椅子1の製造方法]
以下、実施形態の椅子1の製造方法の一例を説明する。
実施形態の椅子1の製造方法は、座面構成部材4に部品支持部材5を連結して組立体を作製する第一工程と、第一工程の後、組立体を荷重支持構造体3に連結する第二工程と、を含む。
【0064】
以下、第一工程の一例を説明する。
まず、クッションをインナーシェル30の構成部材(インナー本体31および肘掛構成部材35)のそれぞれに接着する。
次に、インナー本体31と肘掛構成部材35とをボルト締結する。具体的に、肘掛構成部材35における下方弧状延出部36aを、インナー本体31における弧状側部31aに複数のボルト36jで固定する(図7図11参照)。
【0065】
次に、インナーシェル30と部品支持部材5とをボルト締結する。
実施形態においては、部品支持部材5における水平延出部50をインナー本体31に固定するとともに、部品支持部材5における上下延在部52を肘掛構成部材35に固定する。
具体的に、インナー本体31と水平延出部50との固定は、部品支持部材連結部33およびブラケット55の各ボルト挿通孔33h,55hに下方からボルト55jを挿通し、ボルト55jの上方突出部(雄ネジ部)を不図示のナット(雌ネジ部)に螺着することにより行う(図14参照)。
一方、肘掛構成部材35と上下延在部52との固定は、第二ブラケット56のボルト挿通孔56hに幅方向外方からボルト(不図示)を挿通し、ボルトの幅方向内方突出部(雄ネジ部)を第二部品支持部材連結部65の雌ネジ部65mに螺着されることにより行う(図12参照)。
【0066】
次に、アウター本体41と肘掛カバー部材45とをボルト締結する。具体的に、肘掛カバー部材45における内方弧状延出部47を、アウター本体41における弧状側部43に複数のボルト47jで固定する(図9参照)。
【0067】
次に、プラスチックなどの樹脂製のキャッチ(不図示)をアウター本体41の適所に係合する。
次に、アウター本体41に表皮材を接着する。
次に、アウター本体41にクランク状の支持金具67をボルト締結する(図16参照)。
【0068】
次に、インナー本体31とアウター本体41とを係合する。具体的に、インナー本体31におけるインナー側開口31hに対し、アウター本体41における支持金具67(インナー受け部67b)を後下方から挿通することにより、インナー本体31とアウター本体41とを係合する(図7図16参照)。
【0069】
次に、アウター本体41をインナー本体31に押し付けてキャッチ(不図示)をインナー本体31の凹部(不図示)に嵌め込む。
なお、キャッチをボルトに置換することで、インナーシェル30とアウターシェル40との一体性をより高め、全体を強度部材としてもよい。アウターシェル40は、インナーシェル30のカバー部材として機能するのみならず、補強部材として機能してもよい。
【0070】
次に、インナー本体31とアウター本体41とを固定する。具体的に、インナー本体31とアウター本体41との固定は、インナー本体31およびアウター本体41の各ボルト挿通孔32h,42hに下方からボルト42jを挿通し、ボルト42jの上方突出部(雄ネジ部)を不図示のナット(雌ネジ部)に螺着することにより行う(図14参照)。
以上の手順により、第一工程における組立体を製造することができる。
【0071】
以下、第二工程の一例を説明する。
第一工程の後、インナー本体31と支基15とを固定する。具体的に、インナー本体31と支基15との固定は、座面構成部材連結部17およびアウター本体41の各ボルト挿通孔18h,42f(19h,42r)に下方からボルト18j(19j)を挿通し、ボルト18j(19j)の上方突出部(雄ネジ部)をインナー本体31の雌ネジ部32f(32r)に螺着することにより行う(図14参照)。
以上の手順により、実施形態の椅子1を製造することができる。
図1に示すように、完成状態の椅子1において、天板6は、椅子1の中心位置より径方向外方にオフセットした位置に配置され、部品支持部材5の延出端部5aの軸線回りに回動可能とされている。着座に際しては、天板6を軸線回りの矢印R1方向に回動させることにより、着座空間を前方に開放することができる。
【0072】
以上説明したように、上記実施形態に係る椅子1は、着座者が着座可能な座面部20を有する椅子本体8と、椅子本体8の内部から椅子本体8の側部を経由して、椅子1が設置される床面2に近接する方向とは反対方向に延出し、延出端部5aで付属部品を支持可能な部品支持部材5と、を備え、部品支持部材5は、椅子本体8に連結される被連結部55を有し、座面部20に沿う方向に延出する第一延出部50と、第一延出部50から前記反対方向に延出し、延出端部5aを有する第二延出部51と、を備え、椅子本体8は、被連結部55よりも床面2から離れた位置で、第二延出部51を支持する中間支持部65を備える。
【0073】
この構成によれば、部品支持部材5における第二延出部51が椅子本体8における中間支持部65により支持されることにより、部品支持部材5の延出端部5aに荷重が入力された場合であっても、入力荷重に起因する負荷を中間支持部65で受けることができるため、部品支持部材5における被連結部55に過大な負荷がかかることを抑えることができる。したがって、部品支持部材5と椅子1との連結部位での堅牢性を極端に高めることなく、部品支持部材5の脱落を防止することができる。
【0074】
上記実施形態において、第一延出部50は、座面部20に沿う方向としての水平方向に延出し、第二延出部51は、前記反対方向としての上方に延出し、延出端部5aには、付属部品としての天板6が支持されていることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、天板6に上方からの荷重が入力された場合であっても、入力荷重に起因する負荷を、椅子本体8における中間支持部65で受けることができるため、部品支持部材5と椅子1との連結部位での堅牢性を極端に高めることなく、部品支持部材5の脱落を防止することができる。
【0075】
上記実施形態において、椅子本体8は、座面部20と交差する肘掛構成部材35を備え、中間支持部65は、肘掛構成部材35に設けられていることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、肘掛構成部材35は着座者の腕からの荷重を支持する部材であり堅牢性が高いことから、椅子本体8における中間支持部65の堅牢性も高めることができる。したがって、部品支持部材5と椅子1との連結部位での堅牢性を極端に高めることなく、部品支持部材5の脱落をより効果的に防止することができる。
【0076】
上記実施形態において、第二延出部51は、延出端部5aを有し、上下方向に延在する上下延在部52と、上下延在部52の下部と第一延出部50とを連結し、上側方に傾斜する傾斜連結部53と、を備え、中間支持部65は、上下延在部52を支持していることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、部品支持部材5の第二延出部51における上下延在部52が、椅子本体8における中間支持部65に支持されることにより、部品支持部材5が長い場合であっても、部品支持部材5を適所で堅牢に支持することができる。したがって、部品支持部材5が長い場合であっても、部品支持部材5と椅子1との連結部位での堅牢性を極端に高めることなく、部品支持部材5の脱落を防止することができる。
【0077】
上記実施形態において、部品支持部材5は、被連結部55を有し、水平方向に延出する水平延出部50と、水平延出部50の両端部から上方に延出し、延出端部5aを有する一対の上方延出部51と、を備え、中間支持部65は、一対の上方延出部51の両方を支持していることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、部品支持部材5における一対の上方延出部51の両方が、椅子本体8における中間支持部65に支持されることにより、部品支持部材5が長い場合であっても、部品支持部材5を複数箇所で堅牢に支持することができる。したがって、部品支持部材5が長い場合であっても、部品支持部材5と椅子1との連結部位での堅牢性を極端に高めることなく、部品支持部材5の脱落を防止することができる。
【0078】
なお、上記実施形態では、椅子1が設置される床面2を屋内の平坦な床面2とした例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、床面2は、屋外の平坦な地面や傾斜面であってもよく、競技場などのスタジアムにおけるスタンド設置面であってもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、部品支持部材5における被連結部55が座面構成部材4に支持される例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、部品支持部材5における被連結部55が荷重支持構造体3に支持されていてもよい。すなわち、部品支持部材5における被連結部55が座面構成部材4および荷重支持構造体3の少なくとも一方に支持されていてもよい。つまり、部品支持部材5における被連結部55は、椅子本体8に連結されていればよい。
【0080】
また、上記実施形態では、延出端部5aには、付属部品としての天板6が支持されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、延出端部5aには、付属部品としてのディスプレイやタブレット受け台が支持されていてもよいし、点滴器具などの医療機器が支持されていてもよい。また、延出端部5aには、付属備品が支持されるアタッチメントが取り付けられていてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、座面構成部材4は、被連結部55よりも上方の位置で、第二延出部51(具体的には傾斜連結部53)を通過させる中間経路34sを形成する中間経路形成部34を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、図17に示すように、中間経路形成部34には、被連結部55よりも上方の位置で、第二延出部51(具体的には傾斜連結部53)を支持する中間支持部材68が設けられていてもよい。中間支持部材68は、傾斜連結部53を支持する中間支持部として機能する。中間支持部は、上下延在部52および傾斜連結部53の少なくとも一方を支持していてもよい。
【0082】
中間支持部材68は、傾斜連結部53の外面に沿うU字断面を有する中間支持本体68aと、中間支持本体の両端部から中間経路形成部34の外面に沿うように延出する延出片68bと、を備える(図17参照)。例えば、延出片68bは、中間経路形成部34の外面に溶接で固定されている。
また、中間経路形成部34と傾斜連結部53との間には、微小な隙間を埋めるスペーサ(不図示)が設けられていてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、延出端部5aが肘掛け面の上方に延出する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、図18に示すように、椅子1Aにおいて、延出端部5aは、肘掛け部23の内部に設けられていてもよい。例えば、上下延在部52は、上下に分割可能に構成されていてもよい。
また、図19に示すように、椅子1Bにおいて、右側(幅方向一方側)の延出端部5aには天板6が支持される一方で、左側(幅方向他方側)の延出端部5aは肘掛け部23の内部に設けられていてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、座面構成部材4がインナーシェル30およびアウターシェル40を備える例(二層構造である例)を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、座面構成部材4は、インナーシェル30のみを備える単層構造であってもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、被連結部がブラケット55である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、被連結部は、水平延出部50本体であってもよい。すなわち、部品支持部材5における水平延出部50が座面構成部材4に直接的に支持されていてもよい。
【0086】
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0087】
1,1A,1B…椅子、2…床面(椅子設置面)、8…椅子本体、5…部品支持部材、5a…延出端部、6…天板(付属部品)、35…肘掛構成部材、50…水平延出部(第一延出部)、51…上方延出部(第二延出部)、52…上下延在部、53…傾斜連結部、55…ブラケット(被連結部)、65…第二部品支持部材連結部(中間支持部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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