(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】景品獲得ゲーム機、景品獲得ゲーム機の制御方法及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20220628BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20220628BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20220628BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20220628BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
A63F13/55
A63F13/80 Z
A63F13/35
(21)【出願番号】P 2018018616
(22)【出願日】2018-02-05
【審査請求日】2021-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】306014714
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコアミューズメント
(73)【特許権者】
【識別番号】517173422
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコテクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹島 幸志
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特許第6017644(JP,B2)
【文献】実開平06-068790(JP,U)
【文献】特開2014-128457(JP,A)
【文献】特開2001-162032(JP,A)
【文献】特開2007-260261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品が載置される景品載置面を有するフィールドと、
プレーヤの操作入力に応じて景品把持アームを降下させて前記フィールド上に載置された前記景品を獲得する景品獲得部と、
前記フィールドを上下方向に移動させる昇降部と、
前記昇降部の動作を制御する制御部と
を有する景品獲得ゲーム機において、
前記景品把持アームによって前記景品を獲得することが可能なゲームモード動作中に、前記制御部は、前記フィールドの上昇速度と下降速度とを異ならせるように前記昇降部を制御する
ことを特徴とする景品獲得ゲーム機。
【請求項2】
前記制御部は、前記フィールドの下降速度よりも上昇速度を遅くするように前記昇降部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項3】
前記制御部は、少なくとも前記景品獲得部による前記景品の獲得動作時において、前記フィールドの下降速度よりも上昇速度を遅くするように前記昇降部を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項4】
前記制御部は、所定時間内において任意回数の前記景品獲得部による景品獲得動作の指示を受け付けることを特徴とする請求項3に記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項5】
前記制御部による前記フィールドの上昇速度が設定可能な第一の設定部を有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項6】
前記制御部による前記フィールドの下降速度が設定可能な第二の設定部を有することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項7】
景品が載置される景品載置面を有するフィールドと、
プレーヤの操作入力に応じて景品把持アームを降下させて前記フィールド上に載置された前記景品を獲得する景品獲得部と、
前記フィールドを上下方向に移動させる昇降部と、
を有する景品獲得ゲーム機の制御方法であって、
前記景品把持アームによって前記景品を獲得することが可能なゲームモード動作中に、前記フィールドの上昇速度と下降速度とを異ならせるように前記昇降部を制御する
ことを特徴とする景品獲得ゲーム機の制御方法。
【請求項8】
サーバ装置とこのサーバ装置に通信回線を介して接続可能な情報処理端末とを有するゲームシステムにおいて、
前記情報処理端末は、
前記サーバ装置との間の通信を行う通信部と、
ゲーム画像を表示する表示部と、
プレーヤからの入力指示信号を受け付け、前記通信部を介して前記入力指示信号を送信する入力部と、
前記通信部を介して前記サーバ装置から受信した表示制御信号に基づいて前記表示部に前記ゲーム画像を表示させる表示制御部と
を有し、
前記サーバ装置は、
前記情報処理端末との間の通信を行う通信部と、
前記通信部を介して受信した前記入力指示信号に基づいて、景品獲得ゲーム機を模したゲーム画像を生成し、このゲーム画像を前記情報処理端末の前記表示部に表示させるための表示制御信号を生成し、前記通信部を介して送信するゲーム画像生成部と
を有し、
前記ゲーム画像生成部は、景品が載置される景品載置面を有するフィールドを上下動させ、前記入力指示信号に基づいて景品把持アームを降下させて前記フィールド上に載置された前記景品を獲得する動作を模した前記ゲーム画像を生成し、前記景品把持アームによって前記景品を獲得することが可能なゲームモード動作中に、前記フィールドの上昇速度と下降速度とを異ならせるように前記フィールドを上下動させる
ことを特徴とするゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、景品が載置される景品載置面を有するフィールドを上下方向に移動させる昇降部を有する景品獲得ゲーム機、景品獲得ゲーム機の制御方法、昇降装置及びこの景品獲得ゲーム機を模擬したゲームシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
クレーンゲーム機に代表される、フィールド上で把持部を移動させてこのフィールド上に載置された景品を獲得する景品獲得ゲーム機において、昇降部によりフィールドを上下方向に移動させることによって変化のあるゲームを実現するゲーム装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6017644号公報
【文献】特許第4725800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された景品獲得ゲーム機においては、昇降部がフィールドを上下動させる速度を変化させることについての記載はなく、フィールドは一定速度で常に上下動するものと考えられる。従って、把持部を降下させてプレーヤが景品獲得動作を行う際、景品を狙いにくいことがあった。
【0005】
なお、特許文献2には、ゲーム開始時および終了時における景品取得部のホームポジションである初期位置の高さを任意に設定するための初期位置高さ調整手段を備え、さらに、この初期位置高さ調整手段が、景品取得部の初期位置高さの設定内容を参照して景品取得部の昇降速度の制御を行う景品取得ゲーム機が開示されているが、この景品取得ゲーム機では、景品の大きさ(高さ)に応じて景品取得部の初期位置の高さを調整し、さらに、景品の位置が下がったとしても景品取得部の初期位置と景品との距離が間延びするようなことを防ぐために、景品取得部の昇降速度の制御を行っており、プレーヤによる景品の狙いやすさを目的としたものではない。加えて、特許文献2の景品取得ゲーム機でも、景品取得部を上下動させる速度を変化させることについての記載はない。
【0006】
そこで、本発明は、昇降部によりフィールドを上下動させながら景品獲得動作を行わせる際に、プレーヤに景品を狙いやすくさせることができる景品獲得ゲーム機、景品獲得ゲーム機の制御方法、昇降装置及びゲームシステムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するため、本発明は、景品が載置される景品載置面を有するフィールドと、フィールドを上下方向に移動させる昇降部と、昇降部の動作を制御する制御部とを有する景品獲得ゲーム機において、制御部が、フィールドの上昇速度と下降速度とを異ならせるように昇降部を制御することを特徴とする。
【0008】
ここで、制御部は、フィールドの下降速度よりも上昇速度を遅くするように昇降部を制御するとよい。
【0009】
また、プレーヤの操作に基づいてフィールド上で景品を獲得するための動作を行う景品獲得部を有し、制御部は、少なくとも景品獲得部による景品の獲得動作時において、フィールドの下降速度よりも上昇速度を遅くするように昇降部を制御するとよい。
【0010】
さらに、制御部は、所定時間内において任意回数の景品獲得部による景品獲得動作の指示を受け付けるとよい。
【0011】
さらに、制御部によるフィールドの上昇速度が設定可能な第一の設定部を有するとよく、さらに、制御部によるフィールドの下降速度が設定可能な第二の設定部を有するとよい。
【0012】
そして、プレーヤの指示に基づいてフィールド上で景品を獲得するための動作を行う景品獲得部を有するとよい。
【0013】
また、本発明は、景品が載置される景品載置面を有するフィールドと、フィールドを上下方向に移動させる昇降部とを有する景品獲得ゲーム機の制御方法において、フィールドの上昇速度と下降速度とを異ならせるように昇降部を制御することを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明は、景品獲得ゲーム機に用いられる昇降装置であって、景品が載置される景品載置面を有するフィールドと、フィールドを上下方向に移動させる昇降部とを有し、昇降部は、フィールドの上昇速度と下降速度とを異ならせてフィールドを上下方向に移動させることを特徴とする。
【0015】
そして、本発明は、サーバ装置とこのサーバ装置に通信回線を介して接続可能な情報処理端末とを有するゲームシステムにおいて、情報処理端末が、サーバ装置との間の通信を行う通信部と、ゲーム画像を表示する表示部と、プレーヤからの入力指示信号を受け付け、通信部を介して入力指示信号を送信する入力部と、通信部を介してサーバ装置から受信した表示制御信号に基づいて表示部にゲーム画像を表示させる表示制御部とを有し、サーバ装置が、情報処理端末との間の通信を行う通信部と、通信部を介して受信した入力指示信号に基づいて、景品獲得ゲーム機を模したゲーム画像を生成し、このゲーム画像を情報処理端末の表示部に表示させるための表示制御信号を生成し、通信部を介して送信するゲーム画像生成部とを有し、ゲーム画像生成部が、景品が載置される景品載置面を有するフィールドを上下動させ、入力指示信号に基づいて景品を獲得する動作を模したゲーム画像を生成し、この際、フィールドの上昇速度と下降速度とを異ならせるようにフィールドを上下動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
このような本発明の景品獲得ゲーム機では、制御部が、フィールドの上昇速度と下降速度とを異ならせるように昇降部を制御する。従って、プレーヤが景品獲得動作を行いやすいフィールドの上昇時とプレーヤが景品獲得動作を行いにくいフィールドの下降時とでその上下動速度を異ならせることで、プレーヤに景品を狙いやすくさせることができる。
【0017】
ここで、制御部は、フィールドの下降速度よりも上昇速度を遅くするように昇降部を制御するので、プレーヤが景品獲得動作を行いやすいフィールドの上昇時の速度を遅くすることで、プレーヤに景品を狙いやすくさせることができる。一方、景品獲得動作を行いにくいフィールドの下降時の速度を速くすることで、1回のゲームプレイ中におけるフィールドの上昇動作が行われている時間を長く取ることが可能となる。これにより、プレーヤが景品獲得動作を行うであろうフィールドの上昇動作までの待ち時間を短くすることができる。
【0018】
また、プレーヤの操作に基づいてフィールド上で景品を獲得するための動作を行う景品獲得部を有し、制御部は、少なくとも景品獲得部による景品の獲得動作時において、フィールドの下降速度よりも上昇速度を遅くするように昇降部を制御するので、景品獲得動作中においてプレーヤに景品を狙いやすくさせることができるとともに、景品獲得動作以外においてはフィールドの上下動作に多様な態様を採用することができる。
【0019】
さらに、制御部は、所定時間内において任意回数の景品獲得部による景品獲得動作の指示を受け付けるので、所定時間内であれば景品が狙いやすい景品獲得動作をプレーヤが任意回数行うことができ、興趣の高い景品獲得ゲーム機を実現することができる。
【0020】
さらに、制御部によるフィールドの上昇速度及び/または下降速度が設定可能な第一、第二の設定部を有するので、設定部によりフィールドの上昇速度及び/または下降速度を適宜設定することで、プレーヤの景品を狙いやすさを調整できるとともに、プレーヤが景品獲得動作を行うであろうフィールドの上昇動作までの待ち時間を調整することができる。
【0021】
そして、プレーヤの指示に基づいてフィールド上で景品を獲得するための動作を行う景品獲得部を有するので、景品獲得ゲーム機外からのプレーヤの指示に基づいても景品獲得動作を行うことができる。
【0022】
また、本発明の景品獲得ゲーム機の制御方法及び昇降装置によれば、プレーヤに景品を狙いやすくさせることができる。
【0023】
そして、本発明のゲームシステムでは、サーバ装置のゲーム画像生成部が、景品が載置される景品載置面を有するフィールドを上下動させ、入力指示信号に基づいて景品を獲得する動作を模したゲーム画像を生成する際、フィールドの上昇速度と下降速度とを異ならせるようにフィールドを上下動させるので、プレーヤに景品を狙いやすくさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第一の実施形態である景品獲得ゲーム機の本体部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第一の実施形態である景品獲得ゲーム機の昇降部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】第一の実施形態である景品獲得ゲーム機の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図4】第一の実施形態である景品獲得ゲーム機の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図5】第一の実施形態である景品獲得ゲーム機における把持部と景品との位置関係の一例を示す図である。
【
図6】第一の実施形態である景品獲得ゲーム機における把持部と景品との位置関係の他の例を示す図である。
【
図7】本発明の第二の実施形態であるゲームシステムの概略構成を示す図である。
【
図8】第二の実施形態であるゲームシステムの概略構成を示す機能ブロック図である。
【
図9】第二の実施形態であるゲームシステムを構成する情報処理端末の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【
図10】第二の実施形態であるゲームシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第一の実施形態)
本発明である景品獲得ゲーム機を、景品獲得部としてクレーン機構及びXYステージを用い、プレーヤの操作入力に応じてクレーン機構を移動させ、フィールド上に載置された景品の獲得を目指すゲーム機(いわゆるクレーンゲーム機)に適用した本発明の第一の実施形態について、
図1~
図6を参照して説明する。
【0026】
図1は、本発明の第一の実施形態であるゲーム機の本体部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0027】
本発明の第一の実施形態であるゲーム機1は、景品獲得部を含む本体部2と、この本体部2と通信回路を介して接続された昇降部3とを有する。
【0028】
まず、第一の実施形態であるゲーム機1が有する各種機構について
図1、
図5、
図6を適宜参照して説明する。
【0029】
第一の実施形態であるゲーム機1は筐体4を有し、この筐体4内に、景品が載置される景品載置面40aを有するフィールド40及びこのフィールド40を上下動させる昇降部3(いずれも
図5、6参照)が収納されている。
【0030】
筐体4の上部には、クレーン機構10と、このクレーン機構10を筐体4内で略水平に移動させるXYステージ12とが設けられている。本実施形態では、クレーン機構10、XYステージ12及び制御基板により景品獲得部が構成され、クレーン機構10により把持部が構成されている。
【0031】
XYステージ12は、プレーヤの操作入力指示に基づいて制御基板により動作制御される直動ステージであって、例えばガントリ型ステージなどにより実現される。XYステージ12は、筐体4の左右方向に沿って設けられた一対のX軸レール12a(
図5、6参照)と、これらX軸レール12aのそれぞれ上部を移動可能な図略のX軸スライダとを有する。
【0032】
X軸スライダには、制御基板の電子制御により、このX軸スライダをX軸レール12aに対して駆動するX軸方向駆動モータ12xと、X軸レール12aの所定基準位置に対するX軸スライダの相対位置を検出するクレーン位置センサ31とが設けられている。クレーン位置センサ31は、例えば、ロータリーエンコーダ、距離センサ、X軸方向駆動モータ12xに含まれる歯車やプーリの回転センサなどで実現される。
【0033】
また、XYステージ12は、X軸スライダに筐体4の奥行き方向に沿って掛け渡されたY軸レール12b(
図5、6参照)と、このY軸レール12bに沿って移動可能な図略のY軸スライダとをさらに有する。Y軸スライダはX軸スライダと同様にY軸方向駆動モータ12y及びクレーン位置センサ31を有し、制御基板の制御によりY軸レール12bの所定基準位置に対して位置決め自在にスライド移動できる。
【0034】
クレーン機構10は、昇降モータ10e及び開閉モータ10fを内蔵したクレーンベース10aを有する。このクレーンベース10aはX軸スライダから吊り下げられて固定されており、制御基板の電子制御によってクレーンヘッド10bを昇降制御するとともに、クレーンヘッド10bに設けられた景品把持アーム10cを開閉する。
【0035】
クレーン機構10は、プレーヤの操作入力指示に応じて、XYステージ12によりフィールド40の所望する上方位置に移動される。そして、移動操作が終了すると、プレーヤの操作入力指示に応じて、景品把持アーム10cを開いた状態でフィールド40へ向けてクレーンヘッド10bが降下されるように動作制御される。
【0036】
降下動作制御がなされたならば、クレーン機構10は、景品把持アーム10cを閉じるように把持動作制御され、次いでクレーンヘッド10bをフィールド40上方へ引き上げるように引き上げ動作制御される。景品把持アーム10cを閉じた際に、上手く景品を把持することができれば景品獲得となる。つまり、降下動作制御から、把持動作制御、引き上げ動作制御と続く一連の制御が、本実施形態における景品の獲得動作制御となる。
【0037】
そして、クレーン機構10は獲得動作制御された後、筐体4に設けられた景品落下口7の上方に移動され、景品把持アーム10cを開くように放下動作制御される。
【0038】
ゲーム機1の正面部分には、
図5及び
図6に示すように、筐体4から前方に向けて操作台13が突設されている。この操作台13には、ゲームプレイの対価としてのコインを投入するためのコイン投入口14と、ポイント表示パネル15と、ゲーム操作を入力するための操作ジョイスティック16とが備えられている。
【0039】
コイン投入口14から投入されたコインは、操作台13に内蔵された図略のコイン計算機にて検知・収容される。コイン計算機は、コイン投入を検知すると、検知信号を制御基板へ出力する装置であって、コインカウンターなどとも呼ばれる。なお、コイン投入口14及びコイン計算機は、プリペイドカードやクレジットカードの挿入口及びそれらカードのリーダライター装置に置き換えることができる。勿論、両者を併設するとしても良い。
【0040】
本実施形態のゲーム機1では、プレーヤが予めゲーム対価として設定されているコインを投入すると、ゲームプレイに必要な所定値の「プレイポイント」が付与される。ポイント表示パネル15は、今現在のプレイポイントの残高を表示する手段であって、例えば7セグメントディスプレイや、液晶ディスプレイなどにより実現され、制御基板により表示制御される。
【0041】
本実施形態のゲーム機1は、クレーン機構10をXYステージ12のホームポジション(例えば景品落下口7の上方)からフィールド40の所望する位置に移動させて、クレーン機構10により景品を獲得することを目指して遊ぶゲームルールである。
【0042】
このため、操作台13にはクレーン機構10が降下する目標位置を決定するために、筐体4の左右方向及び奥行き方向の2方向に傾斜可能に構成された操作ジョイスティック16が備えられ、この操作ジョイスティック16は、筐体4の奥行き方向への傾斜を検出してクレーン機構10を筐体4の奥行き方向に移動させるY軸方向移動スイッチ33aと、筐体4の左右方向への傾斜を検出してクレーン機構10を筐体4の左右方向に移動させるX軸方向移動スイッチ33bとを有する。
【0043】
さらに、操作台13には、クレーン機構10の降下の開始を指示して景品把持アーム10cを開閉させる操作開始ボタン17が備えられ、この操作開始ボタン17は、ボタン17の押下を検出する操作開始スイッチ33cを備えている。
【0044】
より具体的には、XYステージ12は、ゲーム開始当初、クレーン機構10を所定のホームポジションに維持する。そこから操作ジョイスティック16の操作に応じて、XYステージ12によるクレーン機構10の移動が開始され、操作ジョイスティック16を離すとXYステージ12による移動が停止する。
【0045】
そして、操作開始ボタン17が押下されてこの押下を操作開始スイッチ33cが検出すると、自動的にクレーン機構10による獲得動作が行われる。すなわち、(1)クレーン機構10が景品把持アーム10cを開いた状態で降下し、(2)所定位置まで降下したところで景品把持アーム10cを閉じ、(3)再び上昇するように動作制御される。
【0046】
さらに、(4)景品落下口7の直上までクレーン機構10を移動するようにXYステージ12が自動制御され、(5)景品落下口7の直上に達すると、クレーン機構10の景品把持アーム10cを開いて把持した景品を放下し、(6)クレーン機構10を初期位置に戻すようにXYステージ12が制御される。
【0047】
なお、XYステージ12及びクレーン機構10の動作を指示する仕組みは本実施形態のそれに限らずゲームルールに応じて適宜設定すると良い。例えば、操作ジョイスティック16に代えてY軸方向移動ボタン及びX軸方向移動ボタンとしてもよいし、操作開始ボタン17を省略して操作ジョイスティック16の操作が終了したら自動的にクレーン機構10を動作させてもよい。さらに、レバーやダイヤル、タッチパネルなどを用いても良い。
【0048】
また、本実施形態のゲーム機1には、このゲーム機1前方のプレーヤの存在を検知する人感センサ32が設けられている。人感センサ32は、一例として、ゲーム機1の前方に赤外線を放射し、反射された赤外線を検出することによりプレーヤが存在するか否かを検知している。
【0049】
図1に戻って、本体部2の図略の制御基板には、CPU(Central Processing Unit)20、及びRAM21やROM22等の各種ICメモリが搭載されている。CPU20は、本実施形態のゲーム機1の本体部2の動作制御を行う。RAM21は、CPU20による本体部2制御の際のワークメモリとして用いられ、各種データ等が一時的に格納される。ROM22には本体部2の動作制御に用いられるファームウェア等のプログラムが格納され、ゲーム機1の電源がオンされてCPU20の動作が開始すると、このプログラムが読み出されてCPU20により実行され、これにより本体部2の動作制御が行われる。本実施形態では、CPU20、RAM21、ROM22等により制御部が構成されている。
【0050】
これらCPU20等は、バス回路23を介して互いに電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。また、バス回路23には、I/Oインタフェース回路24を介して、コイン検出装置30、クレーン位置センサ31、人感センサ32、Y軸方向移動スイッチ33a及びX軸方向移動スイッチ33b、操作開始スイッチ33c、XYステージドライバ34、クレーンドライバ35及びポイント表示パネルドライバ36が接続されている。
【0051】
ここで言う「ドライバ」とは、CPU20の制御信号に応じて、対象とする表示素子やモータ等の駆動素子を駆動制御するための制御信号を生成・出力することのできる電子素子及び回路である。
【0052】
I/Oインタフェース回路24は、各種入出力部との信号の中継をする回路である。例えば、接続される入出力部の規格に合わせた信号を生成する複数種類のI/OインタフェースICを含んでも良い。
【0053】
コイン検出装置30は、ゲームプレイの対価の支払いを受け入れる装置である。
図1の例ではコイン計算機がこれに該当するが、プリペイドカードやクレジットカード、電子マネーを対価支払いの手段として認める場合には、それらの記録媒体でなるカードのリーダライター装置であってもよい。
【0054】
クレーン位置センサ31は、既に説明したように、XYステージ12の基準位置に対するX軸スライダやY軸スライダの現在座標を検出する。人感センサ32は、既に説明したように、ゲーム機1前方のプレーヤの存在を検出する。Y軸方向移動スイッチ33a及びX軸方向移動スイッチ33bは、操作ジョイスティック16の奥行き方向及び左右方向への傾斜を検出する。そして、操作開始スイッチ33cは、既に説明したように、操作開始ボタン17の押下を検出する。
【0055】
XYステージドライバ34は、X軸スライダ及びY軸スライダにそれぞれ搭載されているX軸方向駆動モータ12x及びY軸方向駆動モータ12yの駆動信号を生成する。
【0056】
また、クレーンドライバ35は、クレーン機構10のクレーンヘッド10bの昇降モータ10e、及び景品把持アーム10cの開閉モータ10fの駆動信号を生成する。ポイント表示パネルドライバ36は、ポイント表示パネル15にプレイポイントの残高を表示させる。
【0057】
さらに、バス回路23には昇降部3との間の通信を行う通信部37が接続されている。CPU20は、この通信部37を介して昇降部3によるフィールド40の上下動を指示する信号を昇降部3に送出し、また、昇降部3から、フィールド40の上下位置を検出した信号を受信する。
【0058】
尚、制御基板に搭載される演算素子はCPU20のみに限らず、適宜GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサを含む構成とすることができる。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含む構成としても良い。尚、RAM21やROM22のICメモリについても適宜VRAM等の特定用途のRAMやフラッシュメモリ等を含んでも良い。
【0059】
次に、
図2のブロック図及び
図5、
図6を参照して、本実施形態のゲーム機1の昇降装置について説明する。本実施形態の昇降装置Eは、フィールド40及びこのフィールド40を上下方向に移動させてその上下位置を調整する昇降部3を有する。
【0060】
図5に示すように、フィールド40は略矩形板状に形成され、景品落下口7を臨む位置に矩形状の切欠部40bが形成されている。このフィールド40の上面である景品載置面40aには景品Pが搭載されている。
【0061】
昇降部3は、略矩形状のベース板41と、フィールド40の図中下面に取り付けられ、このフィールド40を下方から支持する図略の支持部と、ベース板41に対してこの支持部を上下動自在に支持するリンク機構42と、このリンク機構42を動作させる駆動部43とを有する。
【0062】
駆動部43はベース板41上に設置され、リンク機構42の下端をベース板41の長手方向に沿ってスライドさせることでリンク機構42を動作させ、これによりフィールド40を上下動させてその上下位置を調整する。
【0063】
駆動部43の具体的構成は任意であるが、一例として、本実施形態では、昇降モータであるステッピングモータ43aと、このステッピングモータ43aから図中左前方に突出し、ステッピングモータ43aにより回転駆動されてその突出位置が調整可能なボールねじ43bとを有するリニアアクチュエータを用いている。駆動部43は、ボールねじ43bの長手方向がベース板41の長手方向に沿って延在するようにベース板41に取り付けられている。
【0064】
また、昇降部3は、リンク機構42の下端位置を検出することでフィールド40の上下位置を検出する光学センサ等からなる高さセンサ55(検出部:
図5、6において図略)を有する。
【0065】
図2に戻って昇降部3の図略の制御基板には、本体部2と同様に、CPU50、及びRAM51やROM52等の各種ICメモリが搭載されている。CPU50は、本実施形態のゲーム機1の昇降部3の動作制御を行う。RAM51は、CPU50による昇降部3制御の際のワークメモリとして用いられ、各種データ等が一時的に格納される。ROM52には昇降部3の動作制御に用いられるファームウェア等のプログラムが格納され、ゲーム機1の電源がオンされてCPU50の動作が開始すると、このプログラムが読み出されてCPU50により実行され、これにより昇降部3の動作制御が行われる。
【0066】
これらCPU50等は、バス回路53を介して互いに電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。また、バス回路53には、I/Oインタフェース回路54を介して、高さセンサ55及び昇降モータ43aが接続されている。さらに、バス回路53には本体部2との間の通信を行う通信部56が接続されている。
【0067】
次に、
図3及び
図4のフローチャートを参照して、本実施形態のゲーム機1の動作について説明する。
【0068】
図略の電源スイッチをオンして本体部2及び昇降部3の制御基板に電源が供給されることにより、
図3のフローチャートに示す動作が開始する。まず、ステップS1では、本体部2及び昇降部3の初期化動作が行われる。ここにいう初期化動作とは、ROM22、52に格納されているファームウェア等が読み出されてCPU20、50による動作制御が開始され、さらに、バス回路23、53、I/Oインタフェース回路24、54の初期化及びこのバス回路23、53、I/Oインタフェース回路24、54に接続されている各種回路の初期化及び動作確認などが含まれる。
【0069】
次に、ステップS2では、ゲーム機1によるゲームが行われている最中であるか否かが判定され、ゲームが行われている最中である(ステップS2においてYES)と判定された場合は、プログラムはステップS3に移行し、ゲームが行われていない(ステップS2においてNO)と判定された場合は、プログラムはステップS5に移行する。
【0070】
ここに、ステップS2における「ゲーム機1によるゲームが行われている最中である」とは、ステップS2が実行された時点で、プレーヤによるコイン投入口14へのコイン投入がされたことをコイン検出装置30が検出している、さらには、ゲームプレイに必要な所定値の「プレイポイント」の残高がまだあることである。
【0071】
ステップS3では、CPU20が人感センサ32からの検出出力を受け入れない(ディスエーブル状態)ようにCPU20が自身を設定し、ついでステップS4では、CPU20が通信部37、56を介して昇降部3の駆動指令を送出し、この昇降部3によりフィールド40にゲームモード動作を行わせる。
【0072】
ここに、ゲームモード動作とは、後述するアトラクトモード動作と同様に、昇降部3によりフィールド40を連続的に上下動させるモード動作であるが、アトラクトモード動作におけるフィールド40の上下動範囲よりもその上下動範囲を狭く設定したモードである。より詳細には、ゲームモード動作における上下動範囲の上限は、アトラクトモード動作における上下動範囲の上限よりも低く設定されている。
【0073】
ステップS4におけるゲームモード動作の間、上述したようにプレーヤは操作ジョイスティック16を適宜筐体4の幅方向及び奥行き方向に傾斜させて操作し、さらに操作開始ボタン17を適宜押下することでクレーン機構10及びXYステージ12を動作させ、フィールド40上の景品獲得動作を行う。従って、ゲームモード動作におけるフィールド40の上下動範囲は、プレーヤの景品獲得の難易度に影響を及ぼすことが予想されるので、上下動範囲を狭く設定している。当然、ゲームモード動作におけるフィールド40の上下動範囲により難易度の調整も可能であるので、アトラクトモード動作におけるフィールド40の上下動範囲よりもゲームモード動作におけるフィールド40の上下動範囲が必ずしも狭い必要はない。
【0074】
ステップS4におけるゲームモード動作中、CPU20は、フィールド40を上昇させる速度よりもフィールド40を下降させる速度を速くするように、通信部37、56を介して昇降部3の駆動指令を行う。このようにフィールド40の上下動の速度を異ならせる理由は次の通りである。
【0075】
フィールド40の下降時は景品把持アーム10cが景品Pから離間する方向に移動するため、プレーヤは景品Pが獲得しづらいと判断する可能性が高い。従って、フィールド40が下降している際に、プレーヤがクレーン機構10及びXYステージ12を動作させて景品P獲得動作を行う可能性は低いと考えられる。
【0076】
一方、フィールド40の上昇時は景品把持アーム10cが景品Pに近接する方向に移動するため、プレーヤは景品Pが獲得し易いと判断する可能性が高い。従って、フィールド40が上昇している際に、プレーヤがクレーン機構10及びXYステージ12を動作させて景品P獲得動作を行う可能性は高いと考えられる。
【0077】
そこで、フィールド40の上昇速度を下降速度より遅くして、プレーヤが感じる景品P獲得の期待感をさらに高めることで、ゲーム機1により興趣あるゲームを実現することが可能となる。一方、プレーヤが景品P獲得動作を行う可能性が低いフィールド40の下降動作については、できるだけ下降動作にかかる時間を短縮する、言い換えれば下降速度を速くすることで、1回のゲームプレイ中におけるフィールド40の上昇動作が行われている時間を長く取ることが可能となる。これにより、プレーヤが景品獲得動作を行うであろうフィールド40の上昇動作までの待ち時間を短くすることができ、この点からもゲーム機1により興趣あるゲームを実現することが可能となる。
【0078】
ここで、ゲームモード動作におけるフィールド40の上昇速度及び下降速度を予め設定し、設定速度をRAM21、ROM22に格納してもよい。CPU20は、格納された設定速度を参照し、ゲームモード動作におけるフィールド40の上昇速度及び下降速度がそれぞれ設定速度となるように、通信部37、56を介して昇降部3の駆動指令を行う。本実施形態において、CPU20、RAM21及びROM22により第一の設定部及び第二の設定部が構成されている。
【0079】
ステップS4におけるゲームモード動作が所定時間、一例として30秒~60秒経過したら、1回のゲームプレイが終了したものとし、プログラムはステップS2に戻る。
【0080】
次に、ステップS5では、ゲームプレイが終了した直後であるか否かが判定される。言い換えれば、ステップS4に示すゲームモード動作が所定時間行われ、ゲームプレイが終了して、さらにプレイポイントの残高がもうなくなった直後であるか否かが判定される。そして、ゲームプレイが終了した直後である(ステップS5においてYES)と判定された場合は、プログラムはステップS6に移行し、ゲームプレイが終了した直後ではない、言い換えればゲームプレイが終了して相当の時間が経過している(ステップS5においてNO)と判定された場合は、プログラムはステップS10に移行する。
【0081】
ステップS6では、ステップS4におけるゲームモード動作と同様に、正確には、ゲームプレイ終了直後であるからゲームモード動作から継続して、CPU20は、昇降部3によるフィールド40を連続的に上下動させる駆動指令を送出する。これにより、フィールド40が継続して連続的に上下動される。
【0082】
昇降部3によるフィールド40の上下動が一往復されるとプログラムはステップS7に移行する。ステップS7では、ゲームモード動作終了後に昇降部3によるフィールド40の上下動が3往復されたか否かが判定され、フィールド40が3往復した(ステップS7においてYES)と判定された場合は、プログラムはステップS8に移行し、まだフィールド40が3往復していない(3往復未満)(ステップS7においてNO)と判定された場合は、プログラムはステップS9に移行する。
【0083】
なお、昇降部3によるフィールド40の往復動の回数は、CPU20またはCPU50が内蔵するカウンタにより行われればよい。
【0084】
ステップS8では、昇降部3によるフィールド40の往復動の回数がクリアされる。その後、プログラムはステップS2に戻る。一方、ステップS9では、昇降部3によるフィールド40の往復動の回数が1つ加算される。その後、プログラムはステップS6に戻る。
【0085】
次に、ステップS10では、人感センサ32からの検出出力をCPU20が受入可能(イネーブル状態)となるようにCPU20が自身を設定する。
【0086】
ステップS11では、人感センサ32によりゲーム機1の前方にプレーヤが存在するか否かが判定され、プレーヤが存在すると判定された(ステップS11においてYES)ら、ステップS12において、CPU20が通信部37、56を介して昇降部3の駆動指令を送出し、この昇降部3によりフィールド40にアトラクトモード動作を行わせる。ここに、アトラクトモード動作とは、昇降部3によりフィールド40を連続的に上下動させて、ゲーム機1の前方にいると思われるプレーヤの注意を喚起し、プレーヤにゲーム機1をプレイさせる契機を作り出すモード動作である。
【0087】
この際、アトラクトモード動作におけるフィールド40の上下動範囲は、上述したようにゲームモード動作におけるフィールド40の上下動範囲よりも広く設定されており、これにより、ゲーム機1の前方にいると思われるプレーヤの注意をより喚起し、しかも、フィールド40が大きく上下動することでプレーヤに対して景品獲得の期待度をさらに高めさせ、結果、プレーヤにゲーム機1をプレイさせる契機をさらに作り出すことができる。より詳細には、アトラクトモード動作における上下動範囲の上限は、ゲームモード動作における上下動範囲の上限よりも高く設定されている。
【0088】
昇降部3によりフィールド40のアトラクトモード動作が行われていることと並行して、ステップS13ではゲーム機1によるゲームが行われている最中であるか否かが判定され、ゲームが行われている最中である(ステップS13においてYES)と判定された場合は、プログラムはステップS14に移行し、ゲームが行われていない(ステップS13においてNO)と判定された場合は、プログラムはステップS18に移行する。
【0089】
ここに、ステップS13における「ゲーム機1によるゲームが行われている最中である」とは、ステップS13が実行された時点で、プレーヤによるコイン投入口14へのコイン投入がされたことをコイン検出装置30が検出していることである。つまり、ステップS13が実行された時点で、ゲームプレイに必要な所定値の「プレイポイント」の残高がまだあることはあり得ないので、コイン投入の有無のみが判定条件となる。
【0090】
ステップS14では、CPU20は、アトラクトモード動作におけるフィールドの上下動作を継続させたまま、通信部37、56を介して昇降部3のフィールド40の現時点での高さを高さセンサ55により検出する指令を行う。そして、昇降部3のCPU50は、高さセンサ55により検出されたフィールド40の現時点での高さを本体部2に送信し、CPU20は昇降部3から送出されたフィールド40の高さを取得する。
【0091】
ステップS15では、ステップS14において取得したフィールド40の高さが、ゲームモード動作におけるフィールド40の上下動範囲の上限より上であるか否かが判定され、フィールド40の高さがゲームモード動作における上下動範囲の上限より上である(ステップS15においてYES)と判定されたら、プログラムはステップS16に移行し、フィールド40の高さがゲームモード動作における上下動範囲の上限以下である(ステップS15においてNO)と判定されたら、プログラムはステップS17に移行する。
【0092】
ステップS15においてフィールド40の高さとゲームモード動作における上下動範囲の上限との関係を判定している理由について、
図5及び
図6を参照して説明する。
【0093】
本実施形態のゲーム機1では、昇降部3によりフィールド40を上下動させている。従って、フィールド40の上下位置によっては、クレーン機構10の景品把持アーム10cと景品P、さらには景品把持アーム10cとフィールド40とが干渉する可能性が生じる。特に、上述したように、アトラクトモード動作におけるフィールド40の上下動範囲は、ゲームモード動作におけるフィールド40の上下動範囲よりも広く設定されているので、景品把持アーム10cと景品Pまたはフィールド40とが干渉する可能性がより高い。
【0094】
一例として、
図5に示すように、景品把持アーム10cの下端位置(図中点線Aで示す)が景品Pの上端位置(図中点線Bで示す)よりも低い場合、この状態でゲームモード動作に移行して、クレーン機構10及びXYステージ12による景品獲得動作が開始すると、景品把持アーム10cが景品Pに当接してクレーン機構10及びXYステージ12の円滑な移動に影響を及ぼす可能性がある。
【0095】
そこで、フィールド40の上下位置を少なくともゲームモード動作における上下動範囲の上限以下にすることで、例えば
図6に示すように、景品Pの上端位置(図中点線Bで示す)またはフィールド40の上端位置を景品把持アーム10cの下端位置(図中点線Aで示す)よりも低くすることができ、これにより、クレーン機構10及びXYステージ12の円滑な移動を担保することができる。
【0096】
以上の動作を担保するため、ゲームモード動作における上下動範囲の上限は、景品把持アーム10cの長さや景品Pの大きさ、さらには景品獲得のし易さ等を考慮して、ゲーム機1のオペレーターにより設定される。
【0097】
ステップS16に戻って、CPU20は、通信部37、56を介して、フィールド40の位置をゲームモード動作における上下動範囲の上限まで下降させる指令を行う。
【0098】
ここで、ステップS16においても引き続きフィールド40は継続して上下動しているので、ステップS16の時点でフィールド40が下降しているならば、フィールド40の上下位置がゲームモード動作における上下動範囲の上限に至るまで、CPU20はクレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させる。
【0099】
より詳細には、プレーヤにより操作ジョイスティック16が傾動されてY軸方向移動スイッチ33a及びX軸方向移動スイッチ33bがオンされても、また、操作開始ボタン17が押下されて操作開始スイッチ33cがオンされても、CPU20はかかるオン信号を受け付けない処理を行う。プレーヤからみると、かかる処理は、単にゲーム機1による景品獲得動作の開始処理が行われている(開始待ち動作)ものと判断することができる。
【0100】
一方、ステップS16の時点でフィールド40が上昇しているならば、CPU20は直ちにフィールド40を下降させる指令を昇降部3に指示し、フィールド40の上下位置がゲームモード動作における上下動範囲の上限に至るまで、クレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させてもよいし、アトラクトモード動作におけるフィールド40の上下動範囲の上限までフィールド40を上昇させてから、フィールド40の上下位置がゲームモード動作における上下動範囲の上限に至るまでフィールド40を下降させる指令をしつつ、クレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させてもよい。
【0101】
この場合でも、プレーヤからみると、かかる処理は、単にゲーム機1による景品獲得動作の開始処理が行われている(開始待ち動作)ものと判断することができる。
【0102】
ステップS17では、CPU20は、通信部37、56を介して、フィールド40の上下動範囲の上限をゲームモード動作における上下動範囲の上限に設定する指令を行う。
【0103】
そして、ステップS16、S17のいずれかのステップの処理が終了したら、プログラムはステップS3に戻る。
【0104】
ステップS18では、CPU20が、ステップS12におけるアトラクトモード動作が開始されてから所定時間、一例として5分経過したかどうかを判定し、所定時間経過した(ステップS18においてYES)と判定された場合、プログラムはステップS3に戻り、まだ所定時間経過していない(ステップS18においてNO)と判定された場合、プログラムはステップS13に戻る。
【0105】
以上説明したように、本実施形態のゲーム機1では、フィールド40の上昇速度と下降速度とを異ならせるように昇降部3が制御される。従って、プレーヤが景品獲得動作を行いやすいフィールド40の上昇時とプレーヤが景品獲得動作を行いにくいフィールド40の下降時とでその上下動速度を異ならせることで、プレーヤに景品を狙いやすくさせることができる。
【0106】
しかも、フィールド40の下降速度よりも上昇速度を遅くするように昇降部が制御されるので、プレーヤが景品獲得動作を行いやすいフィールド40の上昇時の速度を遅くすることで、プレーヤに景品を狙いやすくさせることができる。一方、景品獲得動作を行いにくいフィールド40の下降時の速度を速くすることで、1回のゲームプレイ中におけるフィールド40の上昇動作が行われている時間を長く取ることが可能となる。これにより、プレーヤが景品獲得動作を行うであろうフィールド40の上昇動作までの待ち時間を短くすることができる。
【0107】
また、本実施形態のゲーム機1では、ゲームモード動作においてフィールド40の下降速度よりも上昇速度を遅くするように昇降部3が制御されるので、ゲームモード動作においてプレーヤに景品を狙いやすくさせることができるとともに、アトラクトモード動作においてはフィールド40の上下動作に多様な態様を採用することができる。
【0108】
さらに、フィールド40の上昇速度及び下降速度が設定可能な第一、第二の設定部を設ければ、これら設定部によりフィールド40の上昇速度及び下降速度を適宜設定することで、プレーヤの景品を狙いやすさを調整できるとともに、プレーヤが景品獲得動作を行うであろうフィールド40の上昇動作までの待ち時間を調整することができる。
【0109】
(第二の実施形態)
次に、本発明であるゲームシステムを、情報処理端末とサーバ装置とが通信回線を介して互いに通信可能に構成されたゲームシステムに適用した本発明の第二の実施形態について、
図7~
図10を参照して説明する。
【0110】
本実施形態のゲームシステムSは、情報処理端末60とサーバ装置61とを有し、これら情報処理端末60及びサーバ装置61が通信回線62を介して互いに通信可能に構成されている。
【0111】
情報処理端末60は、例えばスマートフォン、タブレット端末等の情報処理機能及び通信機能を有するものである。また、いわゆるパーソナルコンピュータ(PC)が通信機能を備えていれば、かかるPCも情報処理端末60の一例として挙げられる。なお、スマートフォンを情報処理端末60として用いた場合、いわゆる音声通話機能を持たないものであっても本実施形態のゲームシステムSに好適に適用可能である。
【0112】
サーバ装置61はコンピュータが好適に適用可能であり、Webサーバ機能、データベース機能を有することが好ましい。
【0113】
通信回線62は、情報処理端末60がスマートフォン等の移動体通信網への接続が可能な端末であれば基地局63を有するが、インターネットのようなWAN(Wide Area Network)に直接接続可能な情報処理端末60、例えばPCであれば基地局63を必ずしも有する必要はない。基地局63には図略のゲートウエイサーバが接続され、このゲートウエイサーバを介してWANに接続される。
【0114】
次に、
図8は、本実施形態のゲームシステムSの概略構成を示すブロック図である。
【0115】
情報処理端末60は、制御部70、記憶部71、入力部72、表示部73、及び通信部74を有する。
【0116】
制御部70はCPU等の演算素子を備える。記憶部71内に格納されている図略の制御プログラムが端末60の起動時に実行され、この制御プログラムに基づいて、制御部70は情報処理端末60全体の制御を行う。また、同様に記憶部71に格納されているゲームプログラム84がゲーム開始時に実行され、このゲームプログラム84に基づいて、制御部70は、入力指示送信部80と、表示制御信号受信部81と、表示制御部82としての機能を実行する。これら各機能部の動作については後述する。
【0117】
記憶部71はハードディスクドライブ等の大容量記憶媒体、及びROM、RAM等の半導体記憶媒体を備える。この記憶部71には上述の制御用プログラムが格納されているとともに、サーバ装置61と協働してゲームを実行するためのゲームプログラム84、及びこのゲームを実行する際に必要とされる、プレーヤ固有のユーザーデータ83が格納されている。ユーザーデータ83の一例としては、プレーヤのID、パスワード等が挙げられる。
【0118】
入力部72は、プレーヤからの入力指示信号を受け付け、この入力指示信号を制御部70に送信する。入力部72は、例えば情報処理端末60が有するタッチパネルやキーボード等である。以下の説明では、本実施形態の情報処理端末60は入力部72として少なくともタッチパネルを有するものとする。
表示部73は、制御部70の表示制御部82から出力される制御信号に基づいてゲーム画像を表示する。表示部73は、例えば液晶ディスプレイ等である。通信部74は、通信回線62を介してサーバ装置61との間で通信を行う。
【0119】
次に、制御部70に構成される各機能部の説明をする。
【0120】
入力指示送信部80は、通信部74を介して入力部72から送信された入力指示信号をサーバ装置61に送信する。表示制御信号受信部81は、通信部74を介して受信したサーバ装置61からの表示制御信号を受信し、これを表示制御部82に送出する。表示制御部82は、表示制御信号受信部81から受け取った表示制御信号に基づいて、表示部73にゲーム画像を表示させるための制御信号を生成し、これを表示部73に送出する。
【0121】
また、サーバ装置61は、制御部90、記憶部91、及び通信部92を有する。
【0122】
制御部90はCPU等の演算素子を備える。記憶部91内に格納されている図略の制御プログラムがサーバ装置61の起動時に実行され、この制御プログラムに基づいて、制御部90はサーバ装置61全体の制御を行う。また、同様に記憶部91に格納されているゲームプログラム104が起動時に実行され、このゲームプログラム104に基づいて、制御部90は、入力指示受信部100と、ゲーム画像生成部101と、表示制御信号送信部102としての機能を実行する。これら各機能部の動作については後述する。
【0123】
記憶部91はハードディスクドライブ等の大容量記憶媒体、及びROM、RAM等の半導体記憶媒体を備える。この記憶部91には上述の制御用プログラムが格納されているとともに、情報処理端末60と協働してゲームを実行するためのゲームプログラム104、及びこのゲームを実行する際に必要とされる、プレーヤ固有のユーザーデータ103が格納されている。ユーザーデータ103の一例としては、プレーヤのID、パスワード、及びユーザ設定データ等が挙げられる。
【0124】
通信部92は、通信回線62を介して情報処理端末60との間で通信を行う。
【0125】
次に、制御部90に構成される各機能部の説明をする。
【0126】
入力指示受信部100は、通信部92を介して情報処理端末60から送信された入力指示信号を受け入れ、これをゲーム画像生成部101に送出する。
【0127】
ゲーム画像生成部101は、入力指示受信部100から送出された入力指示信号に基づいて、上述の第一の実施形態に示す景品獲得ゲーム機1を模したゲーム画像を生成し、このゲーム画像を情報処理端末60の表示部73に表示させるための表示制御信号を生成する。
【0128】
ここで、ゲーム画像生成部101は、景品が載置される景品載置面を有するフィールドを上下動させ、入力指示信号に基づいて景品を獲得する動作を模したゲーム画像を生成し、この際、フィールドの上昇速度と下降速度とを異ならせるようにフィールドを上下動させる。
【0129】
表示制御信号送信部102は、ゲーム画像生成部101が生成した表示制御信号を通信部92を介して情報処理端末60に送出する。
【0130】
本実施形態では、入力部72及び入力指示送信部80により請求の範囲における入力部が構成され、ゲーム画像生成部101及び表示制御信号送信部102により請求の範囲におけるゲーム画像生成部が構成されている。これら各機能部の動作についてはさらに詳細に後述する。
【0131】
次に、
図10のシーケンス図及び
図9を参照して、本実施形態のゲームシステムSの動作について説明する。
【0132】
まず、ステップS20では、情報処理端末60のプレーヤが入力部72等を操作することで、記憶部71に格納されているゲームプログラム84を起動する。なお、サーバ装置61の記憶部91に格納されているゲームプログラム104は既に起動されており、情報処理端末60からの要求等に応答可能な状態にあるものとする。
【0133】
ステップS21では、情報処理端末60の制御部70が、通信部74を介してサーバ装置61に対してアクセス要求信号を送信する。
【0134】
ステップS22では、サーバ装置61のゲーム画像生成部101が、ステップS21におけるアクセス要求信号に基づいて、情報処理端末60の表示部73に認証画面を表示するための表示制御信号を生成し、表示制御信号送信部102がこの表示制御信号を通信部92を介して情報処理端末60に送信する。
【0135】
ステップS23では、情報処理端末60の表示制御部82が、ステップS22で送信されてきた表示制御信号に基づいて、表示部73に認証画面を表示する。そして、プレーヤは自身の認証情報、例えばIDやパスワードを入力部72を介して入力するか、あるいは、記憶部71に格納されているユーザーデータ83を送信する指示を入力部72を介して入力し、情報処理端末60の制御部70は、上述の手法により入力等された認証情報を通信部74を介して送信する。
【0136】
ステップS24では、サーバ装置61の制御部90が、ステップS23で送信されてきた認証情報と記憶部91に格納されているユーザーデータ103の認証情報とを対比し、認証処理を行う。そして、認証が成功したら(ステップS24においてYES)、サーバ装置61の制御部90は以降のゲーム処理動作を実行し、認証が失敗したら(ステップS24においてNO)、ステップS25において、ゲーム画像生成部101が情報処理端末60に対して認証情報の再入力を指示する画面を表示するための表示制御信号を生成し、表示制御信号送信部102が通信部92を介してこの表示制御信号を情報処理端末60に送信する。以降、シーケンスはステップS23に戻り、認証が成功するまで認証情報送信及び認証処理を繰り返す。
【0137】
ステップS26では、情報処理端末60の制御部70は、入力部72を介して入力された初期設定入力指示信号を受け入れ、入力指示送信部80はこの初期設定入力指示信号を通信部74を介してサーバ装置61に送信する。ここに、ステップS26において入力される初期設定には、後述する景品獲得ゲームにおいて擬似的に景品獲得動作を行うゲーム機の選択、景品の選択、難易度の設定等が含まれる。
【0138】
ステップS27では、ステップS26で送信されてきた初期設定入力指示信号をサーバ装置61の入力指示受信部100が受信し、ゲーム画像生成部101は、この初期設定入力指示信号に基づいて、ゲーム開始時におけるゲーム画像を表示させるための表示制御信号を生成し、表示制御信号送信部102はこの表示制御信号を通信部92を介して情報処理端末60に送信する。
【0139】
ステップS28では、情報処理端末60のプレーヤが入力部72を介して入力したゲーム開始指示信号を制御部70が受け入れ、入力指示送信部80は通信部74を介してこのゲーム開始指示信号をサーバ装置61に送信する。
【0140】
ステップS29では、ステップS28で情報処理端末60から送信されたゲーム開始指示信号をサーバ装置61の入力指示受信部100が受信し、制御部90はこのゲーム開始指示信号の受信を契機としてゲーム動作を開始し、ゲームプレイ時間である所定時間の計時を開始する。
【0141】
まず、ステップS30では、情報処理端末60のプレーヤが入力部72を介して入力したゲームプレイ入力指示信号を制御部70が受け入れ、入力指示送信部80はこのゲームプレイ入力指示信号を通信部74を介してサーバ装置61に送信する。
【0142】
ステップS31では、ステップS30において情報処理端末60から送信されてきたゲームプレイ入力指示信号に基づいて、サーバ装置61のゲーム画像生成部101が、景品が載置される景品載置面を有するフィールドを上下動させ、景品獲得ゲーム機により景品を獲得する動作を模したゲーム画像を生成し、さらに、このゲーム画像を情報処理端末60の表示部73に表示させるための表示制御信号を生成する。この際、ゲーム画像生成部101は、フィールドの上昇速度と下降速度とを異ならせるようにフィールドを上下動させるゲーム画像を生成する。
【0143】
ステップS31においてゲーム画像生成部101により生成されるゲーム画像の一例を、
図9を参照して説明する。
【0144】
本実施形態のゲームシステムSにおいて情報処理端末60の表示部73に表示されるゲーム画像Mは、上述した第一の実施形態におけるゲーム機1を右斜め上から俯瞰したものである。従って、以下の説明では、第一の実施形態における構成要件と同一の符号を付してその説明を簡略化する。
【0145】
ゲーム画像M内では、ステップS26においてプレーヤが初期設定した景品Pがフィールド40の景品載置面40a上に載置され、このフィールド40は昇降部3により上下動可能とされている。
【0146】
情報処理端末60の表示部73には、ゲーム機1のXYステージ12によりクレーン機構10を筐体4の左右方向(X方向)に移動させる指示を行うX軸方向移動ボタン110a、XYステージ12によりクレーン機構10を筐体4の奥行き方向(Y方向)に移動させる指示を行うY軸方向移動ボタン110b、及び、クレーン機構10の降下の開始を指示して景品把持アーム10cを開閉させる操作開始ボタン110cが表示されており、プレーヤがこれらボタン110a~110cを適宜タッチする操作入力をすると、この操作入力に対応したゲームプレイ入力指示信号が入力部72から出力され、このゲームプレイ入力指示信号はサーバ装置61に送信される。
【0147】
ゲーム画像生成部101は、このゲームプレイ入力指示信号に基づいて、上述した第一の実施形態におけるゲーム機1と同様の景品獲得動作を実行するゲーム画像を生成する。つまり、ゲーム画像内において擬似的にXYステージ12及びクレーン機構10を動作させ、景品把持アーム10cにより景品Pの獲得動作を行う。そして、景品把持アーム10cにより景品Pをうまく把持でき、クレーン機構10が景品落下口7の直上に達した状態で景品把持アーム10cを開いて、この景品Pが景品落下口7に落下したら。擬似的な景品獲得成功となる。
【0148】
この際、上述の第一の実施形態におけるゲーム機1と同様に、ゲーム画像生成部101は、ゲームプレイ中においてフィールド40が擬似的に上下動され、さらに、フィールド40の上昇速度と下降速度とが異なるようにフィールド40が擬似的に上下動されるゲーム画像を生成する。
【0149】
図10に戻って、ステップS32では、ステップS31で生成された表示制御信号を、表示制御信号送信部102が通信部92を介して情報処理端末60に送信する。そして、情報処理端末60の表示制御信号受信部81は、サーバ装置61から送信されてきた表示制御信号を受け入れ、これを表示制御部82に送出する。表示制御部82は、この表示制御信号に基づいて表示部73にゲーム画像を表示させる。
【0150】
ステップS33では、ステップS31において生成されたゲーム画像の結果、景品獲得が成功したか否かが判定され、景品獲得が成功した(ステップS33においてYES)場合は、シーケンスはステップS34に移行し、景品獲得がまだ成功していない(ステップS34においてNO)場合は、シーケンスはステップS35に移行する。
【0151】
ステップS34では、ゲーム画像生成部101がゲーム終了状態を示すゲーム画像を生成し、このゲーム画像を情報処理端末60の表示部73に表示させるための表示制御信号を生成する。そして、表示制御信号送信部102は、生成された表示制御信号を情報処理端末60に送信する。表示制御信号を受信した情報処理端末60の表示制御信号受信部81はこれを表示制御部82に送出し、表示制御部82は、ゲーム終了状態を示すゲーム画像を表示部73に表示させる。
【0152】
一方、ステップS35では、サーバ装置61の制御部90が、ステップS29で開始した計時の結果、所定時間が経過したか否かが判定され、所定時間が経過した(ステップS35においてYES)場合は、シーケンスはステップS34に移行し、所定時間がまだ経過していない(ステップS35においてNO)場合は、シーケンスはステップS30に戻る。
【0153】
以上説明したように、本実施形態のゲームシステムSでは、サーバ装置61のゲーム画像生成部101が、景品が載置される景品載置面40aを有するフィールド40を上下動させ、入力指示信号に基づいて景品を獲得する動作を模したゲーム画像を生成する際、フィールド40の上昇速度と下降速度とを異ならせるようにフィールド40を上下動させるので、プレーヤに景品を狙いやすくさせることができる。
【0154】
(その他)
以上、図面を参照して、本発明の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0155】
一例として、上述の実施形態である景品獲得ゲーム機では、フィールド40の高さがゲームモード動作における上下動範囲の上限以下に至るまで、クレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させていたが、把持部の一例である景品把持アーム10cを上昇させる、つまり、フィールド40から離間する方向に移動させてもよい。
【0156】
また、第一の実施形態である景品獲得ゲーム機では、高さセンサ55により検出されたフィールド40の高さがゲームモード動作における上下動範囲の上限に至るまでクレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させていたが、CPU20に備えられたタイマー部(計時部)により所定時間を計時し、この計時が終了するまでクレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させてもよい。この所定時間はフィールド40の上下動の周期に基づいて定められればよく、好ましくは、フィールド40の上下位置が確実にゲームモード動作における上下動範囲の上限以下になる所定時間に定められる。
【0157】
さらに、上述の実施形態である景品獲得ゲーム機において、クレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させていることをプレーヤに報知する報知手段を設けてもよい。このような報知手段の一例として、クレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させている間、操作開始ボタン17に付随するランプを消灯してゲームモード動作に移行していないことを示すものや、操作台13に「ちょっと待ってね」と記載されたパネルを設け、クレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させている間、このパネルをランプで後方から照らすものなどが挙げられる。
【0158】
さらに、上述の実施形態である景品獲得ゲーム機では、制御部が景品獲得部による景品獲得動作を所定時間内に一度のみ許可していたが、所定時間内であれば景品獲得部による景品獲得動作を所定の複数回、さらには任意の回数受け付けてもよい。
【0159】
そして、上述の実施形態である景品獲得ゲーム機にはプレーヤが景品獲得動作を指示する各種機構(操作ジョイスティック16、操作開始ボタン17)が設けられていたが、これら各種機構の代わりに、プレーヤが所持するスマートフォン等の通信機能を有する情報処理装置から景品獲得動作を指示してもよい。
【符号の説明】
【0160】
E 昇降装置
M ゲーム画像
P 景品
S ゲームシステム
1 景品獲得ゲーム機
2 本体部
3 昇降部
4 筐体
7 景品落下口
10 クレーン機構
12 XYステージ
12a X軸レール
20、50 CPU
21、51 RAM
22、52 ROM
40 フィールド
40a 景品載置面
43 駆動部
60 情報処理端末
61 サーバ装置
62 通信回線
70、90 制御部
71、91 記憶部
72 入力部
73 表示部
74 通信部
80 入力指示送信部
81 表示制御信号受信部
82 表示制御部
100 入力指示受信部
101 ゲーム画像生成部
102 表示制御信号送信部