(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】景品獲得ゲーム機及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20220628BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
(21)【出願番号】P 2018019499
(22)【出願日】2018-02-06
【審査請求日】2021-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】306014714
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコアミューズメント
(73)【特許権者】
【識別番号】517173422
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコテクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹島 幸志
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-022026(JP,A)
【文献】特開2005-177123(JP,A)
【文献】特開2004-202107(JP,A)
【文献】特開2013-165767(JP,A)
【文献】特開2006-043286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-9/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品が載置される景品載置面を有するフィールドと、
前記フィールドを上下方向に移動させる昇降部と、
前記フィールド上の前記景品を把持する把持部を有し、プレーヤの操作入力に基づい
て前記把持部を移動させて前記景品を獲得するための動作を行う景品獲得部と、
前記昇降部及び前記景品獲得部の動作を制御する制御部とを有する景品獲得ゲーム機において、
前記景品獲得部による前記景品の獲得動作時における前記昇降部による前記フィールドの第一の上下動範囲と、前記景品獲得部による前記景品の獲得動作時以外における前記昇降部による前記フィールドの第二の上下動範囲とがそれぞれ予め設定され、前記制御部はこれら第一及び第二の上下動範囲内において前記昇降部により前記フィールドを上下動させる
ことを特徴とする景品獲得ゲーム機。
【請求項2】
前記制御部は、前記プレーヤの操作入力にかかわらず、所定の開始条件が成立するまで前記景品獲得部による前記把持部の移動を規制し、または前記景品獲得部により前記把持部を前記フィールドから離間させる方向に移動させる
ことを特徴とする請求項1に記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項3】
前記景品載置面の上下位置を検出する検出部を有し、
前記開始条件は、前記景品載置面の上下位置が所定位置より下にあることを前記検出部が検出したことである
ことを特徴とする請求項
2に記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項4】
計時部を有し、
前記制御部は、前記フィールドを周期的に上下動させる制御を行い、
前記開始条件は、前記制御部による前記フィールドの上下動を行わせる、前記計時部による所定時間の計時経過である
ことを特徴とする請求項
2に記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項5】
前記景品載置面の上下位置が前記所定位置以上であると前記検出部が検出したときに、前記景品獲得部の動作が制限されていることを前記プレーヤに報知する報知手段を有することを特徴とする請求項
3に記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項6】
前記第二の上下動範囲の上限は前記第一の上下動範囲の上限より高く設定されていることを特徴とする請求項
1~5のいずれかに記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項7】
情報処理端末から出力される前記操作入力を受け入れる入力部を有し、
前記景品獲得部は前記入力部が受け入れた前記操作入力に基づい
て前記把持部を移動させて前記景品を獲得するための動作を行う
ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項8】
景品が載置される景品載置面を有するフィールドと、
前記フィールドを上下方向に移動させる昇降部と、
前記フィールド上の前記景品を把持する把持部を有し、プレーヤの操作入力に基づい
て前記把持部を移動させて前記景品を獲得するための動作を行う景品獲得部とを有する景品獲得ゲーム機の制御方法であって、
前記景品獲得部による前記景品の獲得動作時における前記昇降部による前記フィールドの第一の上下動範囲と、前記景品獲得部による前記景品の獲得動作時以外における前記昇降部による前記フィールドの第二の上下動範囲とがそれぞれ予め設定され、これら第一及び第二の上下動範囲内において前記昇降部により前記フィールドを上下動させる制御を行う
ことを特徴とする景品獲得ゲーム
機の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プレーヤの操作入力に基づいて景品獲得部がフィールド上で把持部を移動させて景品を獲得するための動作を行う景品獲得ゲーム機及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クレーンゲーム機に代表される、フィールド上で把持部を移動させてこのフィールド上に載置された景品を獲得する景品獲得ゲーム機において、昇降部によりフィールドを上下方向に移動させることによって変化のあるゲームを実現するゲーム装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような景品獲得ゲーム機においては、プレーヤが景品獲得のためのゲームを開始する際に、フィールドの上下位置によっては景品の上端部と把持部の下端部との位置が近接し、景品またはフィールドと把持部とが干渉して把持部の円滑な移動が妨げられる可能性があった。
【0005】
そこで、本発明は、ゲーム開始時において景品またはフィールドと把持部との干渉を防止することができる景品獲得ゲーム機及びその制御方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するため、本発明は、景品が載置される景品載置面を有するフィールドと、フィールドを上下方向に移動させる昇降部と、フィールド上の景品を把持する把持部を有し、プレーヤの操作入力に基づいてフィールド上で把持部を移動させて景品を獲得するための動作を行う景品獲得部と、昇降部及び景品獲得部の動作を制御する制御部とを有する景品獲得ゲーム機において、制御部が、プレーヤの操作にかかわらず、所定の開始条件が成立するまで景品獲得部による把持部の移動を規制し、または景品獲得部により把持部をフィールドから離間させる方向に移動させることを特徴とする。
【0007】
ここで、景品載置面の上下位置を検出する検出部を備え、上述の開始条件を、景品載置面の上下位置が所定位置より下にあることを検出部が検出したことにするとよい。
【0008】
また、計時部を備え、制御部が、フィールドを周期的に上下動させる制御を行い、上述の開始条件を、制御部によるフィールドの上下動を行わせる、計時部による所定時間の計時経過とするとよい。
【0009】
さらに、景品載置面の上下位置が所定位置以上であると検出部が検出したときに、景品獲得部の動作が制限されていることをプレーヤに報知する報知手段を備えるとよい。
【0010】
さらに、景品獲得部による景品の獲得動作時における昇降部によるフィールドの第一の上下動範囲と、景品獲得部による景品の獲得動作時以外における昇降部によるフィールドの第二の上下動範囲とをそれぞれ予め設定し、制御部がこれら第一及び第二の上下動範囲内において昇降部によりフィールドを上下動させるとよい。この際、第二の上下動範囲の上限を第一の上下動範囲の上限より高く設定するとさらによい。
【0011】
そして、情報処理端末から出力される操作入力を受け入れる入力部を有し、景品獲得部は入力部が受け入れた操作入力に基づいてフィールド上で把持部を移動させて景品を獲得するための動作を行うとよい。
【0012】
また、本発明は、景品が載置される景品載置面を有するフィールドと、フィールドを上下方向に移動させる昇降部と、フィールド上の景品を把持する把持部を有し、プレーヤの操作入力に基づいてフィールド上で把持部を移動させて景品を獲得するための動作を行う景品獲得部とを有する景品獲得ゲーム機の制御方法であって、プレーヤの操作にかかわらず、所定の開始条件が成立するまで景品獲得部による把持部の移動を規制し、または景品獲得部により把持部をフィールドから離間させる方向に移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
このような本発明の景品獲得ゲーム機では、制御部が、プレーヤの操作入力にかかわらず、所定の開始条件が成立するまで景品獲得部による把持部の移動を規制し、または景品獲得部により把持部をフィールドから離間させる方向に移動させる。
【0014】
上記した構成なので、所定の開始条件を適切に設定することで、ゲーム開始時において景品またはフィールドと把持部との間の垂直方向の距離が十分確保できるまで、把持部の移動を規制し、または景品獲得部により把持部をフィールドから離間させる方向に移動させることができる。これにより、ゲーム開始時において景品またはフィールドと把持部との干渉を防止することができる。
【0015】
ここで、景品載置面の上下位置を検出する検出部を備え、上述の開始条件を、景品載置面の上下位置が所定位置より下にあることを検出部が検出したことにしたので、この所定位置を適切に設定することで、ゲーム開始時において景品またはフィールドと把持部との間の垂直方向の距離が十分確保できるまで、把持部の移動を規制し、または景品獲得部により把持部をフィールドから離間させる方向に移動させることができる。これにより、ゲーム開始時において景品またはフィールドと把持部との干渉をより適切に防止することができる。
【0016】
また、計時部を備え、制御部が、フィールドを周期的に上下動させる制御を行い、上述の開始条件を、制御部によるフィールドの上下動を行わせる、計時部による所定時間の計時経過にしたので、この所定時間を適切に設定することで、ゲーム開始時において景品またはフィールドと把持部との間の垂直方向の距離が十分確保できるまで、把持部の移動を規制し、または景品獲得部により把持部をフィールドから離間させる方向に移動させることができる。これにより、ゲーム開始時において景品またはフィールドと把持部との干渉をより適切に防止することができる。
【0017】
さらに、景品載置面の上下位置が所定位置以上であると検出部が検出したときに、景品獲得部の動作が制限されていることをプレーヤに報知する報知手段を備えるので、ゲーム開始時に景品獲得部の動作が制限されていることをプレーヤに適時に報知することができ、プレーヤをゲームに適切に導入することができる。
【0018】
さらに、景品獲得部による景品の獲得動作時における昇降部によるフィールドの第一の上下動範囲と、景品獲得部による景品の獲得動作時以外における昇降部によるフィールドの第二の上下動範囲とをそれぞれ予め設定し、制御部がこれら第一及び第二の上下動範囲内において昇降部によりフィールドを上下動させているので、景品獲得部による景品の獲得動作時以外においてもフィールドを上下動させることで、景品獲得ゲーム機の近傍にいるプレーヤに対して興趣ある演出を行うことができる。
【0019】
特に、第二の上下動範囲の上限を第一の上下動範囲の上限より高く設定することにより、景品獲得の期待度をプレーヤがさらに感じることができ、景品獲得ゲーム機の近傍にいるプレーヤに対してさらに興趣ある演出を行うことができる。
【0020】
そして、情報処理端末から出力される操作入力を受け入れる入力部を有し、景品獲得部は入力部が受け入れた操作入力に基づいてフィールド上で把持部を移動させて景品を獲得するための動作を行うので、多様な態様でのゲームを実現することができる。
【0021】
また、本発明の景品獲得ゲーム機の制御方法によれば、ゲーム開始時において景品またはフィールドと把持部との干渉を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施の形態である景品獲得ゲーム機の本体部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態である景品獲得ゲーム機の昇降部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態である景品獲得ゲーム機の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図4】実施の形態である景品獲得ゲーム機の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図5】実施の形態である景品獲得ゲーム機における把持部と景品との位置関係の一例を示す図である。
【
図6】実施の形態である景品獲得ゲーム機における把持部と景品との位置関係の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明である景品獲得ゲーム機を、景品獲得部としてクレーン機構及びXYステージを用い、プレーヤの操作入力に基づいてクレーン機構を移動させ、フィールド上に載置された景品の獲得を目指すゲーム機(いわゆるクレーンゲーム機)に適用した本発明の実施の形態について、
図1~
図6を参照して説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態であるゲーム機の本体部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0025】
本発明の実施の形態であるゲーム機1は、景品獲得部を含む本体部2と、この本体部2と通信回路を介して接続された昇降部3とを有する。
【0026】
まず、本発明の実施の形態であるゲーム機1が有する各種機構について
図1、
図5、
図6を適宜参照して説明する。
【0027】
本発明の実施の形態であるゲーム機1は筐体4を有し、この筐体4内に、景品が載置される景品載置面40aを有するフィールド40及びこのフィールド40を上下動させる昇降部3(いずれも
図5、6参照)が収納されている。
【0028】
筐体4の上部には、クレーン機構10と、このクレーン機構10を筐体4内で略水平に移動させるXYステージ12とが設けられている。本実施の形態では、クレーン機構10、XYステージ12及び制御基板により景品獲得部が構成され、クレーン機構10により把持部が構成されている。
【0029】
XYステージ12は、プレーヤの操作入力指示に基づいて制御基板により動作制御される直動ステージであって、例えばガントリ型ステージなどにより実現される。XYステージ12は、筐体4の左右方向に沿って設けられた一対のX軸レール12a(
図5、6参照)と、これらX軸レール12aのそれぞれ上部を移動可能な図略のX軸スライダとを有する。
【0030】
X軸スライダには、制御基板の電子制御により、このX軸スライダをX軸レール12aに対して駆動するX軸方向駆動モータ12xと、X軸レール12aの所定基準位置に対するX軸スライダの相対位置を検出するクレーン位置センサ31とが設けられている。クレーン位置センサ31は、例えば、ロータリーエンコーダ、距離センサ、X軸方向駆動モータ12xに含まれる歯車やプーリの回転センサなどで実現される。
【0031】
また、XYステージ12は、X軸スライダに筐体4の奥行き方向に沿って掛け渡されたY軸レール12b(
図5、6参照)と、このY軸レール12bに沿って移動可能な図略のY軸スライダとをさらに有する。Y軸スライダはX軸スライダと同様にY軸方向駆動モータ12y及びクレーン位置センサ31を有し、制御基板の制御によりY軸レール12bの所定基準位置に対して位置決め自在にスライド移動できる。
【0032】
クレーン機構10は、昇降モータ10e及び開閉モータ10fを内蔵したクレーンベース10aを有する。このクレーンベース10aはX軸スライダから吊り下げられて固定されており、制御基板の電子制御によってクレーンヘッド10bを昇降制御するとともに、クレーンヘッド10bに設けられた景品把持アーム10cを開閉する。
【0033】
クレーン機構10は、プレーヤの操作入力指示に応じて、XYステージ12によりフィールド40の所望する上方位置に移動される。そして、移動操作が終了すると、プレーヤの操作入力指示に応じて、景品把持アーム10cを開いた状態でフィールド40へ向けてクレーンヘッド10bが降下されるように動作制御される。
【0034】
降下動作制御がなされたならば、クレーン機構10は、景品把持アーム10cを閉じるように把持動作制御され、次いでクレーンヘッド10bをフィールド40上方へ引き上げるように引き上げ動作制御される。景品把持アーム10cを閉じた際に、上手く景品を把持することができれば景品獲得となる。つまり、降下動作制御から、把持動作制御、引き上げ動作制御と続く一連の制御が、本実施形態における景品の獲得動作制御となる。
【0035】
そして、クレーン機構10は獲得動作制御された後、筐体4に設けられた景品落下口7の上方に移動され、景品把持アーム10cを開くように放下動作制御される。
【0036】
ゲーム機1の正面部分には、
図5及び
図6に示すように、筐体4から前方に向けて操作台13が突設されている。この操作台13には、ゲームプレイの対価としてのコインを投入するためのコイン投入口14と、ポイント表示パネル15と、ゲーム操作を入力するための操作ジョイスティック16とが備えられている。
【0037】
コイン投入口14から投入されたコインは、操作台13に内蔵された図略のコイン計算機にて検知・収容される。コイン計算機は、コイン投入を検知すると、検知信号を制御基板へ出力する装置であって、コインカウンターなどとも呼ばれる。なお、コイン投入口14及びコイン計算機は、プリペイドカードやクレジットカードの挿入口及びそれらカードのリーダライター装置に置き換えることができる。勿論、両者を併設するとしても良い。
【0038】
本実施例のゲーム機1では、プレーヤが予めゲーム対価として設定されているコインを投入すると、ゲームプレイに必要な所定値の「プレイポイント」が付与される。ポイント表示パネル15は、今現在のプレイポイントの残高を表示する手段であって、例えば7セグメントディスプレイや、液晶ディスプレイなどにより実現され、制御基板により表示制御される。
【0039】
本実施の形態のゲーム機1は、クレーン機構10をXYステージ12のホームポジション(例えば景品落下口7の上方)からフィールド40の所望する位置に移動させて、クレーン機構10により景品を獲得することを目指して遊ぶゲームルールである。
【0040】
このため、操作台13にはクレーン機構10が降下する目標位置を決定するために、筐体4の左右方向及び奥行き方向の2方向に傾斜可能に構成された操作ジョイスティック16が備えられ、この操作ジョイスティック16は、筐体4の奥行き方向への傾斜を検出してクレーン機構10を筐体4の奥行き方向に移動させるY軸方向移動スイッチ33aと、筐体4の左右方向への傾斜を検出してクレーン機構10を筐体4の左右方向に移動させるX軸方向移動スイッチ33bとを有する。
【0041】
さらに、操作台13には、クレーン機構10の降下の開始を指示して景品把持アーム10cを開閉させる操作開始ボタン17が備えられ、この操作開始ボタン17は、ボタン17の押下を検出する操作開始スイッチ33cを備えている。
【0042】
より具体的には、XYステージ12は、ゲーム開始当初、クレーン機構10を所定のホームポジションに維持する。そこから操作ジョイスティック16の操作に応じて、XYステージ12によるクレーン機構10の移動が開始され、操作ジョイスティック16を離すとXYステージ12による移動が停止する。
【0043】
そして、操作開始ボタン17が押下されてこの押下を操作開始スイッチ33cが検出すると、自動的にクレーン機構10による獲得動作が行われる。すなわち、(1)クレーン機構10が景品把持アーム10cを開いた状態で降下し、(2)所定位置まで降下したところで景品把持アーム10cを閉じ、(3)再び上昇するように動作制御される。
【0044】
さらに、(4)景品落下口7の直上までクレーン機構10を移動するようにXYステージ12が自動制御され、(5)景品落下口7の直上に達すると、クレーン機構10の景品把持アーム10cを開いて把持した景品を放下し、(6)クレーン機構10を初期位置に戻すようにXYステージ12が制御される。
【0045】
なお、XYステージ12及びクレーン機構10の動作を指示する仕組みは本実施の形態のそれに限らずゲームルールに応じて適宜設定すると良い。例えば、操作ジョイスティック16に代えてY軸方向移動ボタン及びX軸方向移動ボタンとしてもよいし、操作開始ボタン17を省略して操作ジョイスティック16の操作が終了したら自動的にクレーン機構10を動作させてもよい。さらに、レバーやダイヤル、タッチパネルなどを用いても良い。
【0046】
また、本実施の形態のゲーム機1には、このゲーム機1前方のプレーヤの存在を検知する人感センサ32が設けられている。人感センサ32は、一例として、ゲーム機1の前方に赤外線を放射し、反射された赤外線を検出することによりプレーヤが存在するか否かを検知している。
【0047】
図1に戻って、本体部2の図略の制御基板には、CPU(Central Processing Unit)20、及びRAM21やROM22等の各種ICメモリが搭載されている。CPU20は、本実施の形態であるゲーム機1の本体部2の動作制御を行う。RAM21は、CPU20による本体部2制御の際のワークメモリとして用いられ、各種データ等が一時的に格納される。ROM22には本体部2の動作制御に用いられるファームウェア等のプログラムが格納され、ゲーム機1の電源がオンされてCPU20の動作が開始すると、このプログラムが読み出されてCPU20により実行され、これにより本体部2の動作制御が行われる。本実施の形態では、CPU20、RAM21、ROM22等により制御部が構成されている。
【0048】
これらCPU20等は、バス回路23を介して互いに電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。また、バス回路23には、I/Oインタフェース回路24を介して、コイン検出装置30、クレーン位置センサ31、人感センサ32、Y軸方向移動スイッチ33a及びX軸方向移動スイッチ33b、操作開始スイッチ33c、XYステージドライバ34、クレーンドライバ35及びポイント表示パネルドライバ36が接続されている。
【0049】
ここで言う「ドライバ」とは、CPU20の制御信号に応じて、対象とする表示素子やモータ等の駆動素子を駆動制御するための制御信号を生成・出力することのできる電子素子及び回路である。
【0050】
I/Oインタフェース回路24は、各種入出力部との信号の中継をする回路である。例えば、接続される入出力部の規格に合わせた信号を生成する複数種類のI/OインタフェースICを含んでも良い。
【0051】
コイン検出装置30は、ゲームプレイの対価の支払いを受け入れる装置である。
図1の例ではコイン計算機がこれに該当するが、プリペイドカードやクレジットカード、電子マネーを対価支払いの手段として認める場合には、それらの記録媒体でなるカードのリーダライター装置であってもよい。
【0052】
クレーン位置センサ31は、既に説明したように、XYステージ12の基準位置に対するX軸スライダやY軸スライダの現在座標を検出する。人感センサ32は、既に説明したように、ゲーム機1前方のプレーヤの存在を検出する。Y軸方向移動スイッチ33a及びX軸方向移動スイッチ33bは、操作ジョイスティック16の奥行き方向及び左右方向への傾斜を検出する。そして、操作開始スイッチ33cは、既に説明したように、操作開始ボタン17の押下を検出する。
【0053】
XYステージドライバ34は、X軸スライダ及びY軸スライダにそれぞれ搭載されているX軸方向駆動モータ12x及びY軸方向駆動モータ12yの駆動信号を生成する。
【0054】
また、クレーンドライバ35は、クレーン機構10のクレーンヘッド10bの昇降モータ10e、及び景品把持アーム10cの開閉モータ10fの駆動信号を生成する。ポイント表示パネルドライバ36は、ポイント表示パネル15にプレイポイントの残高を表示させる。
【0055】
さらに、バス回路23には昇降部3との間の通信を行う通信部37が接続されている。CPU20は、この通信部37を介して昇降部3によるフィールド40の上下動を指示する信号を昇降部3に送出し、また、昇降部3から、フィールド40の上下位置を検出した信号を受信する。
【0056】
尚、制御基板に搭載される演算素子はCPU20のみに限らず、適宜GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサを含む構成とすることができる。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含む構成としても良い。尚、RAM21やROM22のICメモリについても適宜VRAM等の特定用途のRAMやフラッシュメモリ等を含んでも良い。
【0057】
次に、
図2のブロック図及び
図5、
図6を参照して、本発明の実施の形態であるゲーム機1の昇降装置について説明する。本実施の形態である昇降装置は、フィールド40及びこのフィールド40を上下方向に移動させてその上下位置を調整する昇降部3を有する。
【0058】
図5に示すように、フィールド40は略矩形板状に形成され、景品落下口7を臨む位置に矩形状の切欠部40bが形成されている。このフィールド40の上面である景品載置面40aには景品Pが搭載されている。
【0059】
昇降部3は、略矩形状のベース板41と、フィールド40の図中下面に取り付けられ、このフィールド40を下方から支持する図略の支持部と、ベース板41に対してこの支持部を上下動自在に支持するリンク機構42と、このリンク機構42を動作させる駆動部43とを有する。
【0060】
駆動部43はベース板41上に設置され、リンク機構42の下端をベース板41の長手方向に沿ってスライドさせることでリンク機構42を動作させ、これによりフィールド40を上下動させてその上下位置を調整する。
【0061】
駆動部43の具体的構成は任意であるが、一例として、本実施例では、昇降モータであるステッピングモータ43aと、このステッピングモータ43aから図中左前方に突出し、ステッピングモータ43aにより回転駆動されてその突出位置が調整可能なボールねじ43bとを有するリニアアクチュエータを用いている。駆動部43は、ボールねじ43bの長手方向がベース板41の長手方向に沿って延在するようにベース板41に取り付けられている。
【0062】
また、昇降部3は、リンク機構42の下端位置を検出することでフィールド40の上下位置を検出する光学センサ等からなる高さセンサ55(検出部:
図5、6において図略)を有する。
【0063】
図2に戻って昇降部3の図略の制御基板には、本体部2と同様に、CPU50、及びRAM51やROM52等の各種ICメモリが搭載されている。CPU50は、本実施の形態であるゲーム機1の昇降部3の動作制御を行う。RAM51は、CPU50による昇降部3制御の際のワークメモリとして用いられ、各種データ等が一時的に格納される。ROM52には昇降部3の動作制御に用いられるファームウェア等のプログラムが格納され、ゲーム機1の電源がオンされてCPU50の動作が開始すると、このプログラムが読み出されてCPU50により実行され、これにより昇降部3の動作制御が行われる。
【0064】
これらCPU50等は、バス回路53を介して互いに電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。また、バス回路53には、I/Oインタフェース回路54を介して、高さセンサ55及び昇降モータ43aが接続されている。さらに、バス回路53には本体部2との間の通信を行う通信部56が接続されている。
【0065】
次に、
図3及び
図4のフローチャートを参照して、本実施の形態であるゲーム機1の動作について説明する。
【0066】
図略の電源スイッチをオンして本体部2及び昇降部3の制御基板に電源が供給されることにより、
図3のフローチャートに示す動作が開始する。まず、ステップS1では、本体部2及び昇降部3の初期化動作が行われる。ここにいう初期化動作とは、ROM22、52に格納されているファームウェア等が読み出されてCPU20、50による動作制御が開始され、さらに、バス回路23、53、I/Oインタフェース回路24、54の初期化及びこのバス回路23、53、I/Oインタフェース回路24、54に接続されている各種回路の初期化及び動作確認などが含まれる。
【0067】
次に、ステップS2では、ゲーム機1によるゲームが行われている最中であるか否かが判定され、ゲームが行われている最中である(ステップS2においてYES)と判定された場合は、プログラムはステップS3に移行し、ゲームが行われていない(ステップS2においてNO)と判定された場合は、プログラムはステップS5に移行する。
【0068】
ここに、ステップS2における「ゲーム機1によるゲームが行われている最中である」とは、ステップS2が実行された時点で、プレーヤによるコイン投入口14へのコイン投入がされたことをコイン検出装置30が検出している、さらには、ゲームプレイに必要な所定値の「プレイポイント」の残高がまだあることである。
【0069】
ステップS3では、CPU20が人感センサ32からの検出出力を受け入れない(ディスエーブル状態)ようにCPU20が自身を設定し、ついでステップS4では、CPU20が通信部37、56を介して昇降部3の駆動指令を送出し、この昇降部3によりフィールド40にゲームモード動作を行わせる。
【0070】
ここに、ゲームモード動作とは、後述するアトラクトモード動作と同様に、昇降部3によりフィールド40を連続的に上下動させるモード動作であるが、アトラクトモード動作におけるフィールド40の上下動範囲よりもその上下動範囲を狭く設定したモードである。より詳細には、ゲームモード動作における上下動範囲の上限は、アトラクトモード動作における上下動範囲の上限よりも低く設定されている。
【0071】
ステップS4におけるゲームモード動作の間、上述したようにプレーヤは操作ジョイスティック16を適宜筐体4の幅方向及び奥行き方向に傾斜させて操作し、さらに操作開始ボタン17を適宜押下することでクレーン機構10及びXYステージ12を動作させ、フィールド40上の景品獲得動作を行う。従って、ゲームモード動作におけるフィールド40の上下動範囲は、プレーヤの景品獲得の難易度に影響を及ぼすことが予想されるので、上下動範囲を狭く設定している。当然、ゲームモード動作におけるフィールド40の上下動範囲により難易度の調整も可能であるので、アトラクトモード動作におけるフィールド40の上下動範囲よりもゲームモード動作におけるフィールド40の上下動範囲が必ずしも狭い必要はない。
【0072】
ステップS4におけるゲームモード動作中、CPU20は、フィールド40を上昇させる速度よりもフィールド40を下降させる速度を速くするように、通信部37、56を介して昇降部3の駆動指令を行う。このようにフィールド40の上下動の速度を異ならせる理由は次の通りである。
【0073】
フィールド40の下降時は景品把持アーム10cが景品Pから離間する方向に移動するため、プレーヤは景品Pが獲得しづらいと判断する可能性が高い。従って、フィールド40が下降している際に、プレーヤがクレーン機構10及びXYステージ12を動作させて景品P獲得動作を行う可能性は低いと考えられる。
【0074】
一方、フィールド40の上昇時は景品把持アーム10cが景品Pに近接する方向に移動するため、プレーヤは景品Pが獲得し易いと判断する可能性が高い。従って、フィールド40が上昇している際に、プレーヤがクレーン機構10及びXYステージ12を動作させて景品P獲得動作を行う可能性は高いと考えられる。
【0075】
そこで、フィールド40の上昇速度を下降速度より遅くして、プレーヤが感じる景品P獲得の期待感をさらに高めることで、ゲーム機1により興趣あるゲームを実現することが可能となる。一方、プレーヤが景品P獲得動作を行う可能性が低いフィールド40の下降動作については、できるだけ下降動作にかかる時間を短縮する、言い換えれば下降速度を速くすることで、1回のゲームプレイ中におけるフィールド40の上昇動作が行われている時間を長く取ることが可能となり、この点からもゲーム機1により興趣あるゲームを実現することが可能となる。
【0076】
ステップS4におけるゲームモード動作が所定時間、一例として30秒~60秒経過したら、1回のゲームプレイが終了したものとし、プログラムはステップS2に戻る。
【0077】
次に、ステップS5では、ゲームプレイが終了した直後であるか否かが判定される。言い換えれば、ステップS4に示すゲームモード動作が所定時間行われ、ゲームプレイが終了して、さらにプレイポイントの残高がもうなくなった直後であるか否かが判定される。そして、ゲームプレイが終了した直後である(ステップS5においてYES)と判定された場合は、プログラムはステップS6に移行し、ゲームプレイが終了した直後ではない、言い換えればゲームプレイが終了して相当の時間が経過している(ステップS5においてNO)と判定された場合は、プログラムはステップS10に移行する。
【0078】
ステップS6では、ステップS4におけるゲームモード動作と同様に、正確には、ゲームプレイ終了直後であるからゲームモード動作から継続して、CPU20は、昇降部3によるフィールド40を連続的に上下動させる駆動指令を送出する。これにより、フィールド40が継続して連続的に上下動される。
【0079】
昇降部3によるフィールド40の上下動が一往復されるとプログラムはステップS7に移行する。ステップS7では、ゲームモード動作終了後に昇降部3によるフィールド40の上下動が3往復されたか否かが判定され、フィールド40が3往復した(ステップS7においてYES)と判定された場合は、プログラムはステップS8に移行し、まだフィールド40が3往復していない(3往復未満)(ステップS7においてNO)と判定された場合は、プログラムはステップS9に移行する。
【0080】
なお、昇降部3によるフィールド40の往復動の回数は、CPU20またはCPU50が内蔵するカウンタにより行われればよい。
【0081】
ステップS8では、昇降部3によるフィールド40の往復動の回数がクリアされる。その後、プログラムはステップS2に戻る。一方、ステップS9では、昇降部3によるフィールド40の往復動の回数が1つ加算される。その後、プログラムはステップS6に戻る。
【0082】
次に、ステップS10では、人感センサ32からの検出出力をCPU20が受入可能(イネーブル状態)となるようにCPU20が自身を設定する。
【0083】
ステップS11では、人感センサ32によりゲーム機1の前方にプレーヤが存在するか否かが判定され、プレーヤが存在すると判定された(ステップS11においてYES)ら、ステップS12において、CPU20が通信部37、56を介して昇降部3の駆動指令を送出し、この昇降部3によりフィールド40にアトラクトモード動作を行わせる。ここに、アトラクトモード動作とは、昇降部3によりフィールド40を連続的に上下動させて、ゲーム機1の前方にいると思われるプレーヤの注意を喚起し、プレーヤにゲーム機1をプレイさせる契機を作り出すモード動作である。
【0084】
この際、アトラクトモード動作におけるフィールド40の上下動範囲は、上述したようにゲームモード動作におけるフィールド40の上下動範囲よりも広く設定されており、これにより、ゲーム機1の前方にいると思われるプレーヤの注意をより喚起し、しかも、フィールド40が大きく上下動することでプレーヤに対して景品獲得の期待度をさらに高めさせ、結果、プレーヤにゲーム機1をプレイさせる契機をさらに作り出すことができる。より詳細には、アトラクトモード動作における上下動範囲の上限は、ゲームモード動作における上下動範囲の上限よりも高く設定されている。
【0085】
昇降部3によりフィールド40のアトラクトモード動作が行われていることと並行して、ステップS13ではゲーム機1によるゲームが行われている最中であるか否かが判定され、ゲームが行われている最中である(ステップS13においてYES)と判定された場合は、プログラムはステップS14に移行し、ゲームが行われていない(ステップS13においてNO)と判定された場合は、プログラムはステップS18に移行する。
【0086】
ここに、ステップS13における「ゲーム機1によるゲームが行われている最中である」とは、ステップS13が実行された時点で、プレーヤによるコイン投入口14へのコイン投入がされたことをコイン検出装置30が検出していることである。つまり、ステップS13が実行された時点で、ゲームプレイに必要な所定値の「プレイポイント」の残高がまだあることはあり得ないので、コイン投入の有無のみが判定条件となる。
【0087】
ステップS14では、CPU20は、アトラクトモード動作におけるフィールドの上下動作を継続させたまま、通信部37、56を介して昇降部3のフィールド40の現時点での高さを高さセンサ55により検出する指令を行う。そして、昇降部3のCPU50は、高さセンサ55により検出されたフィールド40の現時点での高さを本体部2に送信し、CPU20は昇降部3から送出されたフィールド40の高さを取得する。
【0088】
ステップS15では、ステップS14において取得したフィールド40の高さが、ゲームモード動作におけるフィールド40の上下動範囲の上限より上であるか否かが判定され、フィールド40の高さがゲームモード動作における上下動範囲の上限より上である(ステップS15においてYES)と判定されたら、プログラムはステップS16に移行し、フィールド40の高さがゲームモード動作における上下動範囲の上限以下である(ステップS15においてNO)と判定されたら、プログラムはステップS17に移行する。
【0089】
ステップS15においてフィールド40の高さとゲームモード動作における上下動範囲の上限との関係を判定している理由について、
図5及び
図6を参照して説明する。
【0090】
本実施の形態であるゲーム機1では、昇降部3によりフィールド40を上下動させている。従って、フィールド40の上下位置によっては、クレーン機構10の景品把持アーム10cと景品P、さらには景品把持アーム10cとフィールド40とが干渉する可能性が生じる。特に、上述したように、アトラクトモード動作におけるフィールド40の上下動範囲は、ゲームモード動作におけるフィールド40の上下動範囲よりも広く設定されているので、景品把持アーム10cと景品Pまたはフィールド40とが干渉する可能性がより高い。
【0091】
一例として、
図5に示すように、景品把持アーム10cの下端位置(図中点線Aで示す)が景品Pの上端位置(図中点線Bで示す)よりも低い場合、この状態でゲームモード動作に移行して、クレーン機構10及びXYステージ12による景品獲得動作が開始すると、景品把持アーム10cが景品Pに当接してクレーン機構10及びXYステージ12の円滑な移動に影響を及ぼす可能性がある。
【0092】
そこで、フィールド40の上下位置を少なくともゲームモード動作における上下動範囲の上限以下にすることで、例えば
図6に示すように、景品Pの上端位置(図中点線Bで示す)またはフィールド40の上端位置を景品把持アーム10cの下端位置(図中点線Aで示す)よりも低くすることができ、これにより、クレーン機構10及びXYステージ12の円滑な移動を担保することができる。
【0093】
以上の動作を担保するため、ゲームモード動作における上下動範囲の上限は、景品把持アーム10cの長さや景品Pの大きさ、さらには景品獲得のし易さ等を考慮して、ゲーム機1のオペレーターにより設定される。
【0094】
ステップS16に戻って、CPU20は、通信部37、56を介して、フィールド40の位置をゲームモード動作における上下動範囲の上限まで下降させる指令を行う。
【0095】
ここで、ステップS16においても引き続きフィールド40は継続して上下動しているので、ステップS16の時点でフィールド40が下降しているならば、フィールド40の上下位置がゲームモード動作における上下動範囲の上限に至るまで、CPU20はクレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させる。
【0096】
より詳細には、プレーヤにより操作ジョイスティック16が傾動されてY軸方向移動スイッチ33a及びX軸方向移動スイッチ33bがオンされても、また、操作開始ボタン17が押下されて操作開始スイッチ33cがオンされても、CPU20はかかるオン信号を受け付けない処理を行う。プレーヤからみると、かかる処理は、単にゲーム機1による景品獲得動作の開始処理が行われている(開始待ち動作)ものと判断することができる。
【0097】
一方、ステップS16の時点でフィールド40が上昇しているならば、CPU20は直ちにフィールド40を下降させる指令を昇降部3に指示し、フィールド40の上下位置がゲームモード動作における上下動範囲の上限に至るまで、クレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させてもよいし、アトラクトモード動作におけるフィールド40の上下動範囲の上限までフィールド40を上昇させてから、フィールド40の上下位置がゲームモード動作における上下動範囲の上限に至るまでフィールド40を下降させる指令をしつつ、クレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させてもよい。
【0098】
この場合でも、プレーヤからみると、かかる処理は、単にゲーム機1による景品獲得動作の開始処理が行われている(開始待ち動作)ものと判断することができる。
【0099】
ステップS17では、CPU20は、通信部37、56を介して、フィールド40の上下動範囲の上限をゲームモード動作における上下動範囲の上限に設定する指令を行う。
【0100】
そして、ステップS16、S17のいずれかのステップの処理が終了したら、プログラムはステップS3に戻る。
【0101】
ステップS18では、CPU20が、ステップS12におけるアトラクトモード動作が開始されてから所定時間、一例として5分経過したかどうかを判定し、所定時間経過した(ステップS18においてYES)と判定された場合、プログラムはステップS3に戻り、まだ所定時間経過していない(ステップS18においてNO)と判定された場合、プログラムはステップS13に戻る。
【0102】
以上説明したように、本実施例のゲーム機1では、アトラクトモード動作からゲームモード動作に移行する際に、高さセンサ55によりフィールド40の高さを検出し、このフィールド40の高さがゲームモード動作における上下動範囲の上限より上であると、フィールド40の高さがゲームモード動作における上下動範囲の上限以下に至るまで、クレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させている。
【0103】
すなわち、ゲームモード動作開始時において景品Pまたはフィールド40と景品把持アーム10cとの間の垂直方向の距離が十分確保できるまで、クレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させているので、ゲームモード動作開始時において景品Pまたはフィールド40と景品把持アーム10cとの干渉を防止することができる。
【0104】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0105】
一例として、上述の実施の形態である景品獲得ゲーム機では、フィールド40の高さがゲームモード動作における上下動範囲の上限以下に至るまで、クレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させていたが、把持部の一例である景品把持アーム10cを上昇させる、つまり、フィールド40から離間する方向に移動させてもよい。
【0106】
また、上述の実施の形態である景品獲得ゲーム機では、高さセンサ55により検出されたフィールド40の高さがゲームモード動作における上下動範囲の上限に至るまでクレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させていたが、CPU20に備えられたタイマー部(計時部)により所定時間を計時し、この計時が終了するまでクレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させてもよい。この所定時間はフィールド40の上下動の周期に基づいて定められればよく、好ましくは、フィールド40の上下位置が確実にゲームモード動作における上下動範囲の上限以下になる所定時間に定められる。
【0107】
さらに、上述の実施の形態である景品獲得ゲーム機において、クレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させていることをプレーヤに報知する報知手段を設けてもよい。このような報知手段の一例として、クレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させている間、操作開始ボタン17に付随するランプを消灯してゲームモード動作に移行していないことを示すものや、操作台13に「ちょっと待ってね」と記載されたパネルを設け、クレーン機構10及びXYステージ12の動作を停止させている間、このパネルをランプで後方から照らすものなどが挙げられる。
【0108】
そして、上述の実施の形態である景品獲得ゲーム機にはプレーヤが景品獲得動作を指示する各種機構(操作ジョイスティック16、操作開始ボタン17)が設けられていたが、これら各種機構の代わりに、プレーヤが所持するスマートフォン、PC等の通信機能を有する情報処理端末と(有線及び無線を問わず)通信可能な入力部を備え、ネットワークを通じてこの情報処理端末からの景品獲得動作の操作入力を入力部が受け入れ、この操作入力に基づいて景品獲得部による景品獲得動作を行ってもよい。
【0109】
このように、本発明の景品獲得ゲーム機は、このゲーム機が備える各種機構からの操作入力のみならず、ゲーム機外から入力される操作入力に基づいても景品獲得動作が可能である。これにより、多種多様な態様での景品獲得ゲームを実現できる。
【符号の説明】
【0110】
P 景品
1 景品獲得ゲーム機(ゲーム機)
2 本体部
3 昇降部
4 筐体
7 景品落下口
10 クレーン機構
10c 景品把持アーム
12 XYステージ
16 操作ジョイスティック
17 操作開始ボタン
20、50 CPU
21、51 RAM
22、52 ROM
32 人感センサ
33a Y軸方向移動スイッチ
33b X軸方向移動スイッチ
33c 操作開始スイッチ
37 通信部
40 フィールド
40a 景品載置面
43 駆動部
43a ステッピングモータ(昇降モータ)
55 高さセンサ