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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220628BHJP
【FI】
A63F5/04 611B
A63F5/04 620
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018057599
(22)【出願日】2018-03-26
(65)【公開番号】P2019166210
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
【審査官】高木 亨
(56)【参考文献】
【文献】特許第6788623(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行うことが可能な遊技機であって、
カウンタと、
カウンタに数値を設定する設定手段と、
カウンタの数値を更新する更新手段と、
カウンタの数値に基づいて特定判定を行う判定手段とを備え、
カウンタは、各々データを記憶可能な複数の領域から構成され、
複数の領域は、第1領域および第2領域を含み、
前記設定手段は、
第1領域および第2領域の両方のデータにより表される第1数値と、第1領域および第2領域のうち第1領域のデータのみにより表すことが可能な第2数値とをカウンタに設定させ得り、
カウンタに第1数値を設定するときに、第1領域および第2領域の両方を対象とした演算処理を実行し、
カウンタに第2数値を設定するときに、第1領域および第2領域のうち第1領域のみを対象とした演算処理を実行し、
前記更新手段は、カウンタの数値を更新するにあたり、第1領域および第2領域の両方を対象とした演算処理により第1数値が設定された後に更新処理を行うときと、第1領域および第2領域のうち第1領域のみを対象とした演算処理により第2数値が設定された後に更新処理を行うときのいずれにおいても、第1領域および第2領域の両方を対象とした更新処理を行う、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、所定の賭数を設定し、スタート操作が行われたことに基づいて、複数種
類の識別情報の可変表示が行われるスロットマシンや、遊技球などの遊技媒体を発射装置
によって遊技領域に発射し、該遊技領域に設けられている入賞口などの始動領域に遊技媒
体が入賞したときに複数種類の識別情報の可変表示が行われるパチンコ遊技機などがある
【0003】
また、遊技機において、付与される遊技価値(たとえば、メダル、遊技球など)の期待
値が、所定状態よりも大きい有利状態に制御可能である。特許文献1記載の遊技機では、
該有利状態の終了条件は、該有利状態において付与された期待値が上限値に到達すること
により成立する。さらに、該上限値には、第1上限値と該第1上限値よりも大きい第2上
限値とを含んでいた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-325737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の遊技機では、第1上限値および第2上限値についてはそれぞれデータ量
が異なり、第1上限値および第2上限値の処理に改良の余地があった。
【0006】
この発明はかかる事情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、第1数値および第
2数値のいずれかに応じて適切な処理を実行することができる遊技機を提供することであ
る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 遊技を行うことが可能な遊技機であって、
カウンタ(たとえば、ATカウンタ、ボーナスカウンタ)と、
カウンタに数値を設定する(たとえば、図2に示すように、上限値として100枚を設定する)設定手段と、
カウンタの数値を更新する(たとえば、図3に示すように、20ゲームのATゲームに対して100ゲームを上乗せする)更新手段と、
カウンタの数値に基づいて特定判定を行う(たとえば、ボーナスカウンタが0になったときにボーナスは終了したと判断する)判定手段とを備え、
カウンタは、各々データを記憶可能な複数の領域から構成され(たとえば、上位バイトと下位バイトとを含み)、
複数の領域は、第1領域(たとえば、下位バイト)および第2領域(たとえば、上位バイト)を含み、
前記設定手段は、
第1領域および第2領域の両方のデータにより表される第1数値(たとえば、10進数で256以上の値である「300」)と、第1領域および第2領域のうち第1領域のデータのみにより表すことが可能な第2数値(たとえば、10進数で255以下の値である「100」)とをカウンタに設定させ得り、
カウンタに第1数値を設定するときに、第1領域および第2領域の両方を対象とした演算処理(たとえば、図2(A-2)に示すように300枚を設定する場合には上位バイトに「00000001B」を設定し、下位バイトに「00101100B」を設定する処理と、図3(A-2)に示すように300ゲームを加算設定する場合には上位バイトに「00000001B」を加算設定し、下位バイトに「00101100B」を加算設定する処理)を実行し、
カウンタに第2数値を設定するときに、第1領域および第2領域のうち第1領域のみを対象とした演算処理(たとえば、図2(A-1)に示すように100枚を設定する場合には下位バイトに対して「01100100B」を設定する処理と、図3(A-2)に示すように300ゲームを加算設定する場合には下位バイトに対して「01100100B」を加算設定する処理)を実行し、
前記更新手段は、カウンタの数値を更新するにあたり、第1領域および第2領域の両方を対象とした演算処理により第1数値が設定された後に更新処理を行うときと、第1領域および第2領域のうち第1領域のみを対象とした演算処理により第2数値が設定された後に更新処理を行うときのいずれにおいても、第1領域および第2領域の両方を対象とした更新処理を行う。
【0008】
このような構成によれば、第1数値および第2数値のうちのいずれかの数値に応じた領
域を用いた処理を実行することができる。
【0009】
(2) (1)の遊技機において、
前記設定手段が、前記第1領域および前記第2領域の両方を対象とした演算処理を実行
するときに、前記第1領域を対象とした演算処理と、前記第2領域を対象とした演算処理
との間に、他の処理は実行されない(たとえば、図2(A-2)の(イ)に示すように、
上位バイトおよび下位バイトの双方に対する設定の実行中には、他の処理を実行しない)
【0010】
このような構成によれば、第1領域および第2領域の双方に対する演算処理において、
意図しない演算結果となることを防止できる。
【0011】
(3) (1)または(2)の遊技機において、
前記第1数値は複数の値を含み(たとえば、図4の第2条件成立時に付与されるATゲ
ーム数である101~300)、前記複数の値は、前記第1領域および前記第2領域のう
ち前記第1領域に設定される数値のみで特定可能な値が含まれる(たとえば、101~3
00のうち、101~255までは、下位バイトのみで特定可能である)。
【0012】
このような構成によれば、第1数値をカウンタに設定する場合に、第1領域を共通して
用いることができる。
【0013】
(4) (1)~(3)いずれかの遊技機において、
前記第1領域と前記第2領域とは同じ容量である(たとえば、上位バイトおよび下位バ
イトともに8ビットで構成される)。
【0014】
このような構成によれば、領域の取り扱いを容易にすることができる。
【0015】
(5) (1)~(4)いずれかの遊技機において、
前記設定手段により前記カウンタに前記第1数値が設定されたときに該第1数値が正当
な数値であるか否かを判断するとともに、前記設定手段により前記カウンタに前記第2数
値が設定されたときに該第2数値が正当な数値であるか否かを判断する(たとえば、図2
(A-1)の(ウ)に示すように、下位バイトに対して数値が設定された場合には、設定
後の数値が正当な数値であるか否かを判断するとともに、図2(A-2)の(ウ)に示す
ように、上位バイトおよび下位バイトに対して数値が設定された場合にも、設定後の数値
が正当な数値であるか否かを判断する)判断手段をさらに備える。
【0016】
カウンタに設定された数値が意図しない数値となってしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】遊技機の全体構成例を示す模式図である。
図2】第1実施形態のボーナス開始時の処理を示す図である。
図3】第1実施形態のATゲーム上乗せの処理を示す図である。
図4】AT抽選条件の各条件に応じて処理を示す図である。
図5】第2実施形態のボーナス開始時の処理を示す図である。
図6】第2実施形態のATゲーム上乗せの処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
[全体構成]
図1は、第1実施形態の遊技機の全体構成例を示す模式図である。図1(a)は、遊技
機1の主な外観構成の一例を示す模式図である。図1(b)は、遊技機1の主な内部構成
の一例を示す模式図である。
【0019】
図1(a)に示すように、本実施の形態に係る遊技機1は、演出を実行するための演出
手段として、液晶表示器51と、種々の音を出力可能な1以上のスピーカ53と、種々の
態様で発光可能な1以上のランプ63とを備える。液晶表示器51は、画像を表示する表
示手段として機能する。スピーカ53は、音を出力する音出力手段として機能する。ラン
プ63は、発光する発光手段として機能する。ランプ63は、遊技機1の筐体に設けられ
たランプを含むようにしてもよい。
【0020】
図1(b)に示すように、遊技機1の内部には、遊技の進行を制御するとともに遊技の
進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、および該コマンドに応じて所定
の演出を制御する演出制御基板90などが設けられている。遊技制御基板40は、遊技の
進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を制
御するメイン制御部41を備える。演出制御基板90は、遊技制御基板40から送信され
るコマンドを受けて演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接
続された構成を制御するサブ制御部91を備える。
【0021】
また、メイン制御部41は、CPU(Central Processing Unit)41aと、ROM(R
ead only memory)41bと、RAM(Random access memory)41cとを有する。また
、サブ制御部91は、CPU91aと、ROM91bと、RAM91cとを有する。
【0022】
遊技者は遊技機1において、遊技用価値(たとえばメダル)を賭けることで遊技を開始
することができる。遊技機1は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な
可変表示部(たとえば、リール)を備え、可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部
の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なス
ロットマシンであってもよい。
【0023】
遊技機1がスロットマシンである場合には、クレジット(賭数の設定に使用可能な遊技
者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技
状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(たとえば、3枚)を設定する際
に操作されるMAXBETスイッチと、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッ
チと、リールの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチとが遊技者により操
作可能にそれぞれ設けられる。
【0024】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチが操作されると、導出する表示結果を決定
する内部抽選が実行されるとともに、3つのリールを回転させて図柄を変動表示する。こ
の内部抽選は、何らかの当選役が当選したか否かを判断する処理である。この内部抽選は
、導出を許容する表示結果を決定する処理でもある。そして、役に入賞するためには、こ
の役が内部当選で当選している必要がある。
【0025】
そして、該3つのリールそれぞれに対応する3つのストップスイッチが操作されると対
応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果と
して導出表示する。入賞ライン上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、
入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレ
ジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
【0026】
また、本実施形態の遊技機は、所定の開始条件が成立したときに、特定状態に制御可能
である。特定状態はボーナス状態およびAT状態を含む。
【0027】
ボーナス状態の開始条件は、たとえば、ボーナス当選し、さらに、該当選したボーナス
に対応する表示結果組合せが導出されることにより成立する条件を含む。AT状態の開始
条件は、AT抽選でAT当選することにより成立する条件を含む。AT抽選が実行される
条件は、たとえば、所定役(たとえば、レア役)が当選することにより成立する条件など
を含む。
【0028】
特定状態の終了条件は、該特定状態での遊技用価値の付与量が、上限値に到達すること
により成立する条件を含む。遊技用価値は、メダルまたはクレジットを含む。
【0029】
ボーナス状態は、メダルの付与を伴う付与表示結果の導出が許容される確率がボーナス
状態ではない非ボーナス状態よりも高い状態である。したがって、ボーナス状態は非ボー
ナス状態よりも多くのメダルが付与される点で遊技者にとって有利となる。また、AT状
態は、遊技者にとって有利な操作態様が報知される状態である。ここで、有利な操作態様
とは、該有利な操作態様とは異なる操作態様で操作されたときには導出されない有利表示
結果を導出させる操作態様である。有利表示結果は、メダルの付与を伴う付与表示結果と
、有利な状態(たとえば、有利RT状態)に移行させる移行表示結果とを含む。したがっ
て、AT状態は、有利な操作態様が報知される点で、非AT(ATではない状態)よりも
有利となる。本実施形態のスロットマシンのボーナス状態は、第1ボーナス状態と、該第
1ボーナス状態よりも有利な第2ボーナス状態とを含む。
【0030】
RAM41cには、アドレスが割り振られている。本実施形態では、後述する第1アド
レス~第4アドレスまでの領域がカウンタとして用いられる。このカウンタは、ATカウ
ンタとボーナスカウンタとを含む複数の領域から構成される。ATカウンタは、AT残り
ゲーム数を管理する(記憶する)カウンタである。ボーナスカウンタは、ボーナスの残り
メダル払出枚数(以下、単に「残り払出枚数」ともいう。)を管理する(記憶する)カウ
ンタである。ATは、ATカウンタで管理されているAT残りゲーム数が0に到達したと
判断されることにより終了したと判断される。ボーナスは、ボーナスカウンタで管理され
ている残り払出枚数が0に到達したと判断されることにより終了したと判断される。
【0031】
また、本実施形態では、2進数の表現については、最後に「B」を付ける。たとえば、
10進数である「100」を2進数で表現する場合には、「01100100B」となる
。また、16進数の表現については、最後に「H」を付ける。たとえば、RAM41cの
アドレスは16進数で表現され、たとえば、「F300H」などで示される。本実施形態
では、1のアドレスについて8ビットのデータ(1バイトのデータ)を格納できる。
【0032】
ボーナスカウンタとATカウンタとは別領域に設けられる。ボーナスカウンタは上位バ
イトと下位バイトとを含む。たとえば、第1アドレスに格納される1バイトのデータが、
ボーナスカウンタの上位バイトとされる。第2アドレスに格納される1バイトのデータが
、ボーナスカウンタの下位バイトとされる。第3アドレスに格納される1バイトのデータ
が、ATカウンタの上位バイトとされる。第4アドレスに格納される1バイトのデータが
、ATカウンタの下位バイトとされる。また、第2アドレスは、第1アドレスに1加算し
た値である。また、第3アドレスは、第2アドレスに1加算した値である。第4アドレス
は、第3アドレスに1加算した値である。第5アドレスは、第4アドレスに1加算した値
である。たとえば、第1アドレスは、F300Hとされ、第2アドレスは、F301Hと
され、第3アドレスは、F302Hとされ、第4アドレスは、F303Hとされ、第5ア
ドレスは、F304Hとされる。
【0033】
このように、本実施形態では、ボーナスカウンタおよびATカウンタ共に、アドレスの
数値が、上位バイトよりも下位バイトの方が大きいとされている。なお、変形例として、
ボーナスカウンタおよびATカウンタの少なくとも一方は、アドレスの数値が、下位バイ
トよりも上位バイトの方が大きいとなるように構成してもよい。また、本実施形態では、
ボーナスカウンタとATカウンタとは共通した領域とするが、変形例としてボーナスカウ
ンタとATカウンタとはそれぞれ異なる領域としてもよい。また、ボーナスカウンタとA
Tカウンタとをまとめてカウンタともいう。
【0034】
また、カウンタを用いた処理として、カウンタに数値を設定する処理(たとえば、図2
の処理)と、カウンタの数値を更新する処理(たとえば、図3の処理)とを含む。なお、
「カウンタに数値を設定する処理」という概念に、「カウンタの数値を更新する処理」と
いう概念を含ませるようにしてもよい。
【0035】
ボーナスが当選したときからボーナス状態が開始されるときまでに(たとえば、ボーナ
ス状態が開始されるときに)、上限値(残り払出枚数の初期値)がボーナスカウンタに設
定される。第1ボーナス状態が実行されるときには、上限値として100枚がボーナスカ
ウンタに設定され、第2ボーナス状態が実行されるときには、上限値として300枚がボ
ーナスカウンタに設定される。このように、第2ボーナス状態は第1ボーナス状態よりも
上限値が大きい。したがって、第2ボーナス状態では、第1ボーナス状態よりも長い期間
に亘って制御され得ることから、遊技者にとって有利である。また、本実施形態において
は、上限値の最大値は、予め定められており、たとえば、300枚であるとする。したが
って、上限値として、301枚以上の値が設定されることはない。また、ATゲーム数(
AT残りゲーム数)の最大値は、予め定められており、たとえば、500ゲームであると
する。
【0036】
ボーナス中において、メダルの付与を伴う付与表示結果が導出される毎に、該付与表示
結果に対応するメダル付与枚数分、ボーナスカウンタに設定されている値から差し引くよ
うに、該ボーナスカウンタに設定されている値を減算更新する。そして、ボーナスカウン
タに設定されている値が初期値(たとえば、0)に到達した場合には、該ボーナスは終了
したと判断する。初期値は初期データともいう。
【0037】
また、AT中において、所定ゲーム数(たとえば、1ゲーム)消化する毎に、ATカウ
ンタに設定されているATゲーム数から差し引くように、該ATカウンタに設定されてい
るATゲーム数を減算更新する。ここで、本実施形態では、ATカウンタにおいて上位バ
イトに数値が設定されておらず、かつ下位バイトに数値が設定されている場合(たとえば
、ATカウンタにAT残りゲーム数として100ゲームが設定されている場合)、および
ATカウンタにおいて上位バイトおよび下位バイトの双方に数値が設定されている場合(
たとえば、ATカウンタにAT残りゲーム数として300ゲームが設定されている場合)
のいずれにも関わらず、上位バイトおよび下位バイトを対象とした減算更新が実行される
。また、10進数である「1」を2進数に変換すると、「00000001B」となる。
具体的には、ATカウンタから1ゲームを減算更新する処理は、減算命令として、ATカ
ウンタの上位バイトのアドレス(第3アドレス)を指定して、該指定したアドレスに「0
0000000B」を減算更新し、ATカウンタの下位バイトのアドレス(第4アドレス
)を指定して、該指定したアドレスに「00000001B」を減算更新する処理である
。また、減算後のAT残りゲーム数に応じて上位バイトも更新される。
【0038】
そして、ATカウンタに設定されている値が初期値(たとえば、0)に到達した場合に
は、該ATは終了したと判断する。また、AT中において実行されたAT抽選(AT上乗
せ抽選)においてAT当選した場合には、該AT当選に応じたATゲーム数が、ATカウ
ンタに対して上乗せ加算される。また、ATゲームが0である状態において、ATゲーム
が加算されることを「AT初当たり」という。
【0039】
[ボーナスに関する処理]
次に、図2を用いて、ボーナスに関する処理について説明する。本実施形態では、ボー
ナスの開始時(たとえば、最初のボーナスゲームでのスタートスイッチ操作時)に該ボー
ナスに対応する上限値がボーナスカウンタに設定される。本実施形態のボーナスカウンタ
は、2バイト(16ビット)で構成される。この2バイトは、上位バイトと下位バイトか
ら構成される。また、上位バイトおよび下位バイトに設定されている情報を「数値」とい
う場合もあり、「データ」という場合もある。また、カウンタは、各々データを記憶可能
な複数の領域から構成されている。この複数の領域は、下位バイトとしての第1領域およ
び上位バイトとしての第2領域を含む。
【0040】
また、本実施形態では、ボーナスの上限値として、100枚(第1ボーナスの上限値)
と300枚(第2ボーナスの上限値)とがある。「100」を2進数に変換すると、「0
1100100B」となり8ビット(正確には7ビット)で表現できる。つまり、「10
0」などの数値を含む0以上であり255以下(以下、0~255とも示す)の数値を2
進数に変換すると、上位バイトを用いずに下位バイトのみで表現できる(表される、また
は、特定される)。なお、上位バイトに「00000000B」が設定されているという
概念を考慮すると、0~255までの数値は、上位バイトと下位バイトとで表現できると
もいえる(表される、または、特定される)。本実施形態では、0~255までの数値の
うち、主に「100」を用いて説明する。
【0041】
一方、「300」を2進数に変換すると、「100101100B」となり、9ビット
で表現できる。つまり、「300」などの数値を含む256以上~65535までの数値
(以下、256~65536とも示す)の数値を2進数に変換すると、上位バイトおよび
下位バイトで表現できる(表される、または、特定される)。本実施形態では、256~
65536までの数値のうち、主に「300」を用いて説明する。
【0042】
図2(A-1)は、第1ボーナスが開始されるとき、つまり、上限値として100枚が
ボーナスカウンタに設定される場合を示す図である。この設定処理は、下位バイトに数値
を設定する一方、上位バイトに数値を設定しない処理である。10進数であるこの100
を2進数に変換すると、「01100100B」となる。このように、100枚は、上位
バイトと下位バイトのうち下位バイトのみにビットが設定され得る数値である。したがっ
て、図2(A-1)の(ア)に示すように、100枚が設定されるときには、「0110
0100B」が設定される演算処理が下位バイトに対して実行され、上位バイトに対して
は何ら演算処理が実行されない(後述の図4の下位バイト更新制御)。具体的には、ボー
ナスカウンタに100枚を設定する処理は、たとえば、ロード命令(LORD命令または
設定命令)として、ボーナスカウンタの下位バイトのアドレス(第2アドレス)を指定し
て、該指定したアドレスに「100」に対応する8ビットのデータ「01100100B
」を設定する処理である。なお、この処理では、上位バイトを設定しない。また、この処
理は、たとえば、1のレジスタ(たとえば、Aレジスタ)に数値を設定する処理であると
もいえる。また、図2(A-1)の(イ)に示すように、この設定中(演算処理中)には
、他の処理は実行されない。
【0043】
また、図2(A-1)の(ウ)に示すように、この設定(演算処理)が終了したときに
は、該設定された値が正当な数値であるか否か(異常な数値ではないか否か)を判断する
判断処理が実行される。この判断処理は、100枚は下位バイトで表示される値であるに
も関わらず、上位バイトに対して設定されているか否かを判断する処理を含むようにして
もよい。また、この判断処理は、設定された値が上限値の最大値(本実施形態では301
枚)以上であるか否かを判断する処理を含むようにしてもよい。この判断処理は、該設定
された値が正当な数値であるか否かを判断するであれば他の処理であってもよい。この判
断処理により、正当な数値ではないと判断された場合には、たとえば、エラー処理を実行
するようにしてもよい。該エラー処理とは、エラーが発生したこと、つまり、設定された
数値が正当な数値ではない旨を報知する処理である。
【0044】
図2(A-2)は、第2ボーナスが開始されるとき、つまり、上限値として300枚が
ボーナスカウンタに設定される場合を示す図である。この設定処理は、上位バイトおよび
下位バイトに数値を設定する処理である。10進数であるこの300を2進数に変換する
と、「100101100B」となる。このように、300枚は、上位バイトと下位バイ
トとに対してビットが設定され得る値である。したがって、300枚が設定されるときに
は、「00101100B」が設定される演算処理が下位バイトに対して実行され、「0
0000001B」が設定される演算処理が上位バイトに対して実行される(後述の図4
の上位・下位バイト更新制御)。よって、図2(A-2)の(ア)に示すように、上位バ
イトと下位バイトとの両方に設定する。具体的には、ボーナスカウンタに300枚を設定
する処理は、ロード命令(設定命令)として、ボーナスカウンタの上位バイトのアドレス
(第1アドレス)を指定して、該指定したアドレスに「00000001B」を設定し、
ボーナスカウンタの下位バイトのアドレス(第2アドレス)を指定して、該指定したアド
レスに「00101100B」を設定する処理である。また、この処理は、たとえば、H
Lレジスタに数値を設定する処理であるともいえる。
【0045】
また、図2(A-2)の(イ)に示すように、この設定中(演算処理中)には、他の処
理は実行されない。また、本実施形態では、上位バイトへの設定と下位バイトへの設定と
が併せて(たとえば、同時に)実行される。つまり、併せて実行される上位バイトおよび
下位バイトへの設定中には他の処理を実行しないようにする。
【0046】
また、図2(A-1)の(ウ)に示すように、この設定(演算処理)が終了したときに
は、該設定された値が正当な数値であるか否かを判断する判断処理が実行される。この判
断処理においては、設定された値が上限値の最大値(本実施形態では301枚)以上であ
るか否かを判断する処理が実行される。この判断処理により、正当な数値ではないと判断
された場合には、たとえば、エラー処理を実行するようにしてもよい。
【0047】
次に、ボーナス中の減算更新について説明する。ボーナス中では、ボーナス開始時に設
定された上限値(残り払出枚数)から、メダルが付与される毎に、該付与されたメダル枚
数分減算更新する。たとえば、ボーナス中に8枚のメダルを払出す小役が入賞したときに
、ボーナスカウンタに設定されている値から「8」を減算更新する処理を実行する。ここ
で、本実施形態では、ボーナスカウンタにおいて上位バイトに数値が設定されておらず、
かつ下位バイトに数値が設定されている場合(たとえば、上限値として100枚が設定さ
れた場合)、およびボーナスカウンタにおいて上位バイトおよび下位バイトの双方に数値
が設定されている場合のいずれにも関わらず、上位バイトおよび下位バイトを対象とした
減算更新が実行される。また、10進数である「8枚」を2進数に変換すると、「000
01000B」となる。具体的には、ボーナスカウンタから8枚を減算更新する処理は、
減算命令として、ボーナスカウンタの上位バイトのアドレス(第1アドレス)を指定して
、該指定したアドレスに「00000000B」を減算更新し、ボーナスカウンタの下位
バイトのアドレス(第2アドレス)を指定して、該指定したアドレスに「0000100
0B」を減算更新する処理である。また、減算後の残り払出枚数に応じて上位バイトも更
新される。
【0048】
図2(B)は、第1ボーナスおよび第2ボーナスなどのボーナスが終了したとき処理を
説明するための図である。図2(B)に示すように、上位バイトおよび下位バイトの双方
が「00000000B」になっているか否かを判断する判断処理を実行し、上位バイト
および下位バイトの双方が「00000000B」となっていると判断したときに、ボー
ナスが終了したと判断する。また、この判断処理は、表示結果が導出される毎に、実行さ
れる。また、変形例として、この判断処理は、ボーナスカウンタが減少更新されたときに
実行するようにしてもよい。このような変形例により、表示結果が導出される毎にこの判
断処理を実行するスロットマシンと比較して、判断処理の実行頻度を低下させることがで
きることから、処理量を削減できる。
【0049】
なお、本実施形態では、付与されたメダル枚数が、上限値を超えた場合であっても、カ
ウンタは「00000000B」となる。たとえば、上限値が300枚である第2ボーナ
ス中において、メダル付与枚数が296枚であり、8枚のメダルを払出す小役が入賞した
ときには、メダル付与枚数は304枚となるが、カウンタは、「00000000B」と
なる。
[ATに関する処理]
次に、図3を用いて、ATに関する処理について説明する。図3での「G」は、「ゲー
ム数」を示す。本実施形態では、ATの開始時に該ATに対応するATゲーム数がカウン
タに設定される。また、図3の例では、上乗せされるATゲームが100ゲームである場
合と、上乗せされるATゲームが300ゲームである場合とについて説明する。また、図
3の例では、上乗せされる前のATゲーム数が20ゲームであるとする。ATゲーム数(
AT残りゲーム数)は、0~255ゲームのいずれかである場合(つまり、下位バイトで
表現できる場合)と、256ゲーム以上となる場合(つまり、上位バイトと下位バイトで
表現できる場合)とがあることがある。したがって、本実施形態では、図3(A-1)の
左側の20ゲームについて示すように、ATゲーム数については、上位バイトと下位バイ
トとを用いて管理(記憶)する。これにより、ATゲーム数(AT残りゲーム数)が0~
255ゲームのいずれかである場合(つまり、下位バイトで表現できる場合)と、256
ゲーム以上となる場合(つまり、上位バイトと下位バイトで表現できる場合)とのうちい
ずれの場合であっても、共通して管理することができる。
【0050】
図3(A-1)は、現状のATゲームが20ゲームである場合において、該20ゲーム
に対して、100ゲームのATゲームが上乗せ加算されることを示す図である。10進数
であるこの100を2進数に変換すると、「01100100B」となる。このように、
100ゲームは、上位バイトと下位バイトのうち下位バイトのみにビットが設定され得る
数値である。したがって、図3(A-1)の(ア)に示すように、100ゲームが上乗せ
加算されるときには、「01100100B」が加算設定される演算処理が下位バイトに
対して実行され、上位バイトに対しては何ら演算処理が実行されない。なお、加算後のA
Tゲーム数が255以上(上位バイトと下位バイトとで表現する値)となる場合には、該
加算後のATゲーム数に応じて上位バイトも更新される。また、加算設定を「更新」とも
いう。具体的には、ATカウンタの数値(20ゲーム)に対して100ゲーム分、更新す
る処理は、たとえば、加算命令(ADD命令)として、ATカウンタの下位バイトのアド
レス(第4アドレス)を指定して、該指定したアドレスに「100」に対応する8ビット
のデータ「01100100B」を加算設定する処理である。なお、この処理では、上位
バイトを加算設定しない。
【0051】
また、図3(A-1)の(イ)に示すように、この設定中(演算処理中)には、他の処
理は実行されない。また、図3(A-1)の(ウ)に示すように、この設定(演算処理)
が終了したときには、該設定された値が正当な数値であるか否かを判断する判断処理が実
行される。この判断処理は、加算設定された値が上限値の最大値(本実施形態では500
ゲーム)以上であるか否かを判断する処理を含むようにしてもよい。この判断処理により
、正当な数値ではないと判断された場合には、たとえば、エラー処理を実行するようにし
てもよい。
【0052】
図3(A-2)は、現状のATゲームが20ゲームである場合において、該20ゲーム
に対して、300ゲームのATゲームが上乗せ加算されることを示す図である。10進数
であるこの300を2進数に変換すると、「100101100B」となる。このように
、300ゲームは、上位バイトと下位バイトとに対してビットが設定され得る値である。
したがって、図3(A-2)の(ア)に示すように、300ゲームが上乗せ加算されると
きには、「00101100B」が加算設定される演算処理が下位バイトに対して実行さ
れ、「00000001B」が加算設定される演算処理が上位バイトに対して実行される
。よって、図2(A-2)の(ア)に示すように、上位バイトと下位バイトとの両方に加
算設定する。具体的には、ATカウンタの数値(20ゲーム)に対して300ゲーム分、
更新する処理は、たとえば、加算命令(ADD命令)として、ATカウンタの上位バイト
のアドレス(第3アドレス)を指定して、該指定したアドレスに「00000001B」
を加算設定し、ATカウンタの下位バイトのアドレス(第4アドレス)を指定して、該指
定したアドレスに「00101100B」を加算設定する処理である。
【0053】
また、図3(A-2)の(イ)に示すように、この設定中(演算処理中)には、他の処
理は実行されない。また、図3(A-2)の(ウ)に示すように、この設定(演算処理)
が終了したときには、該設定された値が正当な数値であるか否かを判断する判断処理が実
行される。この判断処理は、加算設定された値が上限値の最大値(本実施形態では500
ゲーム)以上であるか否かを判断する処理を含むようにしてもよい。この判断処理により
、正当な数値ではないと判断された場合には、たとえば、エラー処理を実行するようにし
てもよい。
【0054】
図3(B)は、ATが終了したとき処理を説明するための図である。図3(B)に示す
ように、図3(B)に示すように、上位バイトおよび下位バイトの双方が「000000
00B」になっているか否かを判断する判断処理を実行し、上位バイトおよび下位バイト
の双方が「00000000B」となっていると判断したときに、ATが終了したと判断
する。
【0055】
[ATゲームが付与される場合に実行される加算設定制御]
次に、ATゲームが付与される場合に実行される制御について説明する。ATゲームが
付与される場合とは、AT初当たりによりATゲームが付与される場合と、AT上乗せに
よりATゲームが付与される場合との双方を含む。本実施形態のAT抽選条件は、第1条
件~第3条件を含む。第1条件は、第1レア役が当選することにより成立する条件である
。第1条件の成立時でのAT抽選では、AT当選しない場合(つまり、付与されるATゲ
ームが0である場合)と、AT当選することにより、1~100ゲームのうちのいずれか
のATゲームが付与される場合とがある。
【0056】
第2条件は第2レア役が当選することにより成立する条件である。第2条件の成立時で
のAT抽選では、AT当選しない場合はなく(必ずAT当選する)、AT当選することに
より、101~300ゲームのうちのいずれかのATゲームが付与される。
【0057】
第3条件は第3レア役が当選することにより成立する条件である。第3条件の成立時で
のAT抽選では、AT当選しない場合はなく(必ずAT当選する)、AT当選することに
より、301ゲーム~400ゲームうちのいずれかのATゲームが付与される。
【0058】
なお、各レア役の当選確率は、第1レア役>第2レア役>第3レア役となっている。当
選するレア役の種別に応じて、付与されるATゲーム数は異なることから、当選するレア
役の種別に対して遊技者の注目を集めることができる。図4の「下位バイト加算設定制御
」とは、「ATカウンタの上位バイトおよび下位バイトのうち下位バイトのみが加算設定
される制御」である。図4の「上位・下位バイト加算設定制御」とは、「ATカウンタの
上位バイトおよび下位バイトが加算設定される制御」である。
【0059】
第1条件が成立したときにおいて、AT当選した場合には、ATカウンタに対して、下
位バイト加算設定制御が実行されることにより、ATカウンタの上位バイトおよび下位バ
イトのうち下位バイトのみに加算設定される制御が実行される。なお、図3(A-1)で
説明した「100ゲームを上乗せするとき」とは、図4の第2条件が成立したときを示し
たものである。
【0060】
第2条件が成立した場合には、ATカウンタに対して、上位・下位バイト加算設定制御
が実行されることにより、ATカウンタの上位バイトおよび下位バイトに加算設定される
制御が実行される。第2条件が成立して、280ゲーム(256以上のゲーム数)が上乗
せされることが決定された場合について説明する。10進数である280を2進数に変換
すると、「100011000B」となり、上位バイトに「00000001B」を加算
設定し、下位バイトに「00011000B」を加算設定する処理が実行される。
【0061】
次に、第2条件が成立して、200ゲーム(255以下のゲーム数)が上乗せされるこ
とが決定された場合について説明する。10進数である200を2進数に変換すると、「
11001000B」となり、下位バイトに「11001000B」を加算設定し、上位
バイトには初期値を設定(加算設定)する処理が実行される。本実施形態では、初期値は
「00000000」である。
【0062】
このように、第2条件が成立したときには、付与されるATゲーム数が101~255
のいずれかであるのか、256~300のいずれかであるかに関わらず、共通して上位・
下位バイト更新制御を実行する。
【0063】
第3条件が成立した場合には、ATカウンタに対して、上位・下位バイト加算設定制御
が実行されることにより、ATカウンタの上位バイトおよび下位バイトに加算設定される
制御が実行される。なお、図3(A-2)で説明した「300ゲームを上乗せするとき」
とは、図4の第2条件が成立したときを示したものである。
【0064】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。また、この第2実施形態については、第1実施
形態と同様の処理については重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0065】
図5は、本実施形態のボーナスに関する処理を示した図であり、図6は、本実施形態の
ATに関する処理を示した図である。
【0066】
図5図2とを比較すると、上限値として100枚を設定するときにおいて、図2にお
いては、図2(A-1)に示すように、下位バイトのみを設定する(下位バイト更新制御
を実行する)一方、図5においては、図5(A-1)に示すように、上位バイトおよび下
位バイトを設定する(上位・下位バイト更新制御を実行する)。つまり、図5においては
(第2実施形態においては)、100枚を設定する場合、および300枚を設定する場合
のいずれにおいても、上位バイトおよび下位バイトに対して数値が設定される。また、1
00枚を設定する場合には、上位バイトに対しては初期値が設定される演算処理(つまり
、初期化処理)が実行される。本実施形態では、初期値は「00000000B」である
。また、100枚を設定する場合には、上位バイトに初期値を設定する上位バイト処理を
先に実行して、その後、下位バイトに数値を設定する下位バイト処理を実行するようにし
てもよい。なお、変形例として、先に下位バイト処理を実行して、その後、上位バイト処
理を実行するようにしてもよい。また、変形例として、上位バイト処理と下位バイト処理
とを同時に実行するようにしてもよい。このように、カウンタに100枚を設定する場合
には、演算処理の実行に関して下位バイトにデータを設定する。
【0067】
また、図6図3とを比較すると、ATゲームとして100ゲームを加算設定するとき
において、図3においては、図3(A-1)に示すように、下位バイトのみに加算設定す
る一方、図6においては、図6(A-1)に示すように、上位バイトおよび下位バイトに
加算設定する。つまり、図6においては(第2実施形態においては)、100ゲームを加
算設定する場合、および300ゲームを加算設定する場合のいずれにおいても、上位バイ
トおよび下位バイトに対して数値が加算設定される。また、100ゲームを加算設定する
場合には、上位バイトには初期値(00000000B)が設定される。なお、加算後の
ATゲーム数が255以上(上位バイトと下位バイトとで表現する値)となる場合には、
初期値が設定された後の上位バイトが、該加算後のATゲーム数に応じて、更新される。
【0068】
また、図4の例では、第1実施形態では、1~100ゲームのうちのいずれかのゲーム
数が上乗せされるときには、下位バイト更新制御が実行され、101ゲーム以上のいずれ
かのゲーム数が上乗せされるときには、上位・下位バイト更新制御が実行されるとして説
明した。第2実施形態では、1ゲーム以上のいずれかのゲーム数が上乗せされるときには
、該上乗せされるゲーム数に関わらず上位・下位バイト更新制御が実行される。
【0069】
<本実施形態の奏する効果>
次に、第1実施形態により奏する効果と、第2実施形態により奏する効果と、第1実施
形態および第2実施形態において共通して奏する効果などを説明する。
【0070】
[第1実施形態により奏する効果]
第1実施形態においては、カウンタに第1数値(たとえば、300枚または300ゲー
ム)を設定するときには、第1領域(たとえば、下位バイト)および第2領域(たとえば
、上位バイト)を対象とした演算処理を実行する(上位・下位バイト更新制御)。該演算
処理とは、図2(A-2)に示すように300枚を設定する場合には上位バイトに「00
000001B」を設定し、下位バイトに「00101100B」を設定する処理である
。また、該演算処理とは、図3(A-2)に示すように300ゲームを加算設定する場合
には上位バイトに「00000001B」を加算設定し、下位バイトに「0010110
0B」を加算設定する処理である。
【0071】
一方、カウンタに第2数値(たとえば、100枚または100ゲーム)を設定するとき
には、第1領域および第2領域のうち第1領域のみを対象とした演算処理を実行する(下
位バイト更新制御)。該演算処理とは、たとえば、図2(A-1)に示すように100枚
を設定する場合には下位バイトに対して「01100100B」を設定し、上位バイトに
対しては処理を実行しない。また、該演算処理とは、図3(A-1)に示すように100
ゲームを加算設定する場合には下位バイトに対して「01100100B」を加算設定し
、上位バイトに対しては処理を実行しない。
【0072】
このような構成によれば、第1数値を設定する場合には、第1領域および第2領域を対
象とした演算処理を実行し、第2数値を設定する場合には、第1領域および第2領域のう
ち第2領域のみを対象とした演算処理を実行する。したがって、第1数値および第2数値
のうちのいずれかの数値に応じた領域を用いた処理を実行することから、第1数値および
第2数値のいずれかに応じて適切な処理を実行することができる。
【0073】
次に、ボーナスカウンタに第2数値を設定する場合(つまり、上限値100のボーナス
が開始される場合)において第1領域(上位バイト)を対象とした演算処理を実行しなく
ても、適切に、上限値を誤ることなくボーナスに制御できる理由を説明する。図2(B)
などに示したように、ボーナスが終了したと判断される契機は、上位バイトおよび下位バ
イトともに数値が0となっているという契機である。したがって、この上限値100のボ
ーナスの前に制御されたボーナス(以下、「前ボーナス」という。)が終了したときには
、上位バイトおよび下位バイトともに数値が0となっている。よって、この上限値100
のボーナスが開始されるときに上位バイトを対象とした演算処理を実行しなくても、該上
位バイトの数値は「0」になっていることから、上限値を誤ることなくボーナスに制御さ
せることができる。
【0074】
なお、変形例として、所定の初期化条件が成立したときに、ボーナスカウンタの上位バ
イトおよび下位バイトを初期化するようにしてもよい。この初期化条件は、たとえば、「
ボーナスが終了したと判断される(図2(B)参照)ことにより成立する第1条件」とし
てもよい。このような構成によれば、ボーナスが終了したと判断されたときには、ボーナ
スカウンタの上位バイトと下位バイトとの値は「0」であるが、念のため、この上位バイ
トと下位バイトを初期化することになる。これにより、ボーナス終了時に初期化を実行し
ないスロットマシンと比較して、「ボーナスが終了したときには、上位バイトと下位バイ
トとの値を「0」にするという状況」を、より確実に生じさせることができる。
【0075】
また、初期化条件を第1条件とした場合において、前ボーナスが終了したと判断された
ときには、上位バイトと下位バイトとの値が「0」となっていることから、これにより、
ボーナス終了時に初期化を実行しないスロットマシンと比較して、より確実に、上限値を
誤ることなくボーナスを管理できる。
【0076】
また、所定の初期化条件は第2条件を含んでいてもよい。第2条件は、たとえば、上位
バイトと下位バイトとのうちのいずれとも異なる情報を初期化する条件としてもよい。該
異なる情報とは、たとえば、ボーナス当選していることを示すボーナスフラグを含んでも
よい。本実施形態では、ボーナスが開始されたときには、RAMの所定領域にボーナスフ
ラグが格納される。このボーナスフラグは、ボーナスが入賞するまで(ボーナス図柄が揃
うまで)、持ち越される。このボーナスフラグは、ボーナスが入賞したゲームの終了時に
初期化されることにより消去される。つまり、初期化条件として第2条件を含む構成では
、このボーナスフラグを初期化するときに、併せて、ボーナスカウンタの上位バイトと下
位バイトを初期化することになる。
【0077】
また、初期化条件は、他の条件を含んでいてもよい。他の条件は、たとえば、ボーナス
中と、AT中と、ボーナスおよびATのいずれでもない状態とのうち、少なくとも1の状
態において成立する所定条件としてもよい。また、所定条件は、たとえば、所定操作(た
とえば、3つ目のリールを停止させる第3停止操作)が実行されることにより成立する条
件を含むようにしてもよい。また、所定条件は、ゲームが終了することにより成立する条
件としてもよい。
【0078】
[第2実施形態により奏する効果]
第2実施形態においては、カウンタに第1数値(たとえば、300枚または300ゲー
ム)を設定するときおよびカウンタに第2数値(たとえば、100枚または100ゲーム
)を設定するときのいずれであっても、第1領域(たとえば、下位バイト)および第2領
域(たとえば、上位バイト)を対象とした演算処理を実行する(上位・下位バイト更新制
御)。
【0079】
たとえば、カウンタに第1数値(300)を設定する場合には、図5(A-1)および
図6(A-1)に示すように、上位バイトに「00000001B」を設定し、下位バイ
トに「00101100B」を設定する。一方、カウンタに第2数値(100)を設定す
る場合には、図5(A-1)および図6(A-1)に示すように、上位バイトに初期値と
して「00000000B」を設定し、下位バイトに「01100100B」を設定する
【0080】
このような構成によれば、第1数値および第2数値のうちのいずれかの数値に応じたデ
ータを用いた処理を実行することから、第1数値および第2数値のいずれかに応じて適切
な処理を実行することができる。また、第1数値を設定する場合には、第2領域に初期値
を設定し、第2数値を設定する場合において、第1領域および第2領域を対象とした演算
処理を実行する。したがって、第1数値を設定する場合において、意図しない数値、たと
えば、「第1領域および第2領域ともに設定されるような数値」がカウンタに設定される
ことを防止できる。また、カウンタに第1数値および第2数値のいずれを設定する場合(
または更新する場合)であっても、上位バイトと下位バイトを対象とした演算処理を実行
することから、処理を共通化できる。
【0081】
また、この第2実施形態においては、初期化条件を第1条件とする構成、つまり、「ボ
ーナスが終了したと判断されたときにボーナスカウンタの上位バイトおよび下位バイトを
初期化する構成」を採用してもよい。この場合には、たとえば、上限値100のボーナス
の前に制御されたボーナス(前ボーナス)が終了したと判断されたときには、上位バイト
および下位バイトともに初期化されるが、この上限値100のボーナスが開始されるとき
には、前ボーナスの終了時に初期化された上位バイトに対して、さらに初期化される(初
期データを設定する)ことから、より確実に、上位バイトの値を「0」にすることができ
る。
【0082】
なお、更なる変形例として初期化条件を第1条件とする構成を採用しなくてもよい。第
2実施形態では、たとえば、上限値100のボーナスの開始時には、上位バイトは初期化
される。したがって、初期化条件を第1条件とする構成を採用しない第2実施形態のスロ
ットマシンについては、上位バイトの値を0の状態とする確実性を、第1実施形態のスロ
ットマシンと同程度に担保できる。
【0083】
[第1実施形態と第2実施形態とにより共通して奏する効果]
(1) また、図2(B)、図3(B)、図5(B)、および図6(B)に記載されて
いるように、第1数値および第2数値のいずれが設定領域(たとえば、カウンタ)に設定
された場合であっても、上位バイトに設定されている数値および下位バイトに設定されて
いる数値に基づいて、特定状態(たとえば、ボーナス状態、AT状態など)の終了を判断
する(特定状態が終了したことを判断する)。たとえば、上位バイトおよび下位バイトの
双方が「00000000B」となっているか否かを判断する。上位バイトおよび下位バ
イトの双方が「00000000B」となっていると判断すれば、特定状態は終了したと
判断する。
【0084】
仮に、上位バイトのみの数値を判断することで(たとえば、上位バイトが「00000
000B」であると判断することのみで)、ボーナス状態(特定状態)が終了したと判断
すると、下位バイトが0でない場合もあり、この場合には、ボーナスの上限値に到達して
いないにもかかわらず、ボーナスが終了してしまうという不合理が生じる虞がある。また
、下位バイトのみの数値を判断することで(たとえば、下位バイトが「00000000
B」であると判断することのみで)、ボーナス状態(特定状態)が終了したと判断すると
、上位バイトが0でない場合もあり、この場合には、ボーナスの上限値に到達していない
にもかかわらず、ボーナスが終了してしまうという不合理が生じる虞がある。
【0085】
本実施形態のように、上位バイトと下位バイトとの双方の値を判断することにより、上
記のような不合理が生じることを防止できる。
【0086】
(2) また、たとえば、図2図3図5、および図6それぞれの(イ)に示すよう
に、カウンタへの数値の設定中は他の処理は実行されない。特に、図2図3図5、お
よび図6それぞれの(A-2)の(イ)に示すように、第1領域および第2領域を対象と
した演算処理を実行するときに、第1領域を対象とした演算処理と、第2領域を対象とし
た演算処理との間に、他の処理は実行されない。たとえば、図2図3図5、および図
6それぞれの(A-2)の(イ)に示すように、上位バイトおよび下位バイトの双方に対
する設定の実行中には、他の処理を実行しない。
【0087】
このような構成によれば、第1領域および第2領域の双方に対する演算処理の演算結果
が、意図しない演算結果となることを防止できる。
【0088】
(3) また、第1数値は複数の値を含む。本実施形態では、たとえば、第1数値は、
図4の第2条件成立時に付与されるATゲーム数である101~300を含む。この複数
の値は、第1領域および第2領域のうち第1領域に設定される数値のみで特定可能な値が
含まれる。たとえば、この特定可能な値とは、101~300のうち、101~255ま
での数値である。この101~255は、下位バイトのみで特定可能である。したがって
、付与されるATゲーム数が、101~255のいずれかであるのか、256~300の
いずれかであるかに関わらず、共通して下位バイトを用いることができ、該下位バイトに
増加設定することができる。
【0089】
また、たとえば、図4の第2条件が成立したときにおいて、101~255ゲームのい
ずかが付与されるときには下位バイトのみに加算更新する制御を実行し、256~300
ゲームのいずかが付与されるときには上位バイトおよび下位バイトに加算更新する制御を
実行する構成も考えられる。しかしながら、このような構成を採用したのであれば、第2
条件が成立した場合において、付与されるATゲーム数を特定する特定処理を実行する必
要がある。該特定処理とは、たとえば、付与されるATゲーム数が101~255のいず
れかであるのか、256~300のいずれかであるかといった処理である。このような特
定処理を実行すると、処理量が増大する虞がある。
【0090】
そこで、本実施形態では、第2条件成立時には、付与されるATゲーム数が101~2
55のいずれかであるのか、256~300のいずれかであるかに関わらず、共通して上
位・下位バイト更新制御を実行する。したがって、特定処理を実行する必要がないことか
ら、処理量が低減できる。
【0091】
(4) また、第1領域と第2領域とは同じ容量である。たとえば、上位バイトおよび
下位バイトともに8ビットで構成される。
【0092】
このような構成によれば、第1領域と第2領域とは異なる容量であるスロットマシンと
比較して、領域の取り扱い(領域への設定処理)を容易にすることができる。
【0093】
(5) また、設定領域に第1数値が設定されたときに該第1数値が正当な数値である
か否かを判断するとともに、設定領域に第2数値が設定されたときに該第2数値が正当な
数値であるか否かを判断する。たとえば、図2図3図5、および図6それぞれの(A
-1)の(ウ)に示すように、下位バイトに対して数値が設定された場合には、設定後の
数値が正当な数値であるか否かを判断する。また、図2図3図5、および図6それぞ
れの(A-2)の(ウ)に示すように、上位バイトと下位バイトに対して数値が設定され
た場合にも、設定後の数値が正当な数値であるか否かを判断する。
【0094】
したがって、設定領域に第1数値が設定されたときおよび設定領域に第2数値が設定さ
れたときのいずれであっても、設定領域に設定された数値が意図しない数値となってしま
うことを防止できる。
【0095】
(6) また、AT中およびボーナス中において、カウンタにおける減算更新処理(A
TカウンタでのAT残りゲーム数の減算更新処理、およびボーナスカウンタでのボーナス
の残り払出枚数の減算更新処理)は、カウンタ(ATカウンタ、ボーナスカウンタ)に第
1数値および第2数値のいずれが設定されている場合であっても、上位バイトと下位バイ
トを対象とした演算処理となる。したがって、ボーナスカウンタに第1数値が設定されて
いるときと、ボーナスカウンタに第2数値が設定されているときとで、減算更新処理を共
通化できる。
【0096】
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態
に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形
態の変形例について説明する。
【0097】
(1) 本実施形態では、遊技機として、スロットマシンを例示した。しかしながら、
遊技機は、スロットマシンではなくてもよく、たとえば、パチンコ遊技機としてもよい。
該パチンコ遊技機では、遊技を行うために用いられる遊技用価値である遊技媒体を発射し
て遊技領域に打込むことにより遊技を行うことができる。遊技機が、パチンコ遊技機であ
る場合には、遊技媒体(たとえば、パチンコ玉)を発射して遊技領域に打込むための遊技
ハンドルを備える。また、パチンコ遊技機での特定状態は、たとえば、大当り状態である
【0098】
大当り状態は、大当り状態ではない状態では通過不可能な特別領域が通過可能となる状
態である(たとえば、アタッカーが開放される状態である)。遊技球が該特別領域を通過
すると所定量の遊技媒体が付与される。
【0099】
大当り状態の開始条件は、たとえば、遊技媒体が所定領域を通過し、該通過を契機とす
る大当り抽選が実行され、該大当り抽選で大当り状態に制御されることが決定されること
により成立する条件を含む。
【0100】
特定状態の終了条件は、該特定状態での遊技用価値の付与量が、上限値に到達すること
により成立する条件を含む。遊技用価値は、たとえば、パチンコ玉である。
【0101】
また、大当り状態は、第1大当り状態と第2大当り状態とを含む。たとえば、第1大当
り状態の上限数は、100個であり、第2大当り状態の上限数は300個であるとする。
このような構成である場合には、第1大当り状態が開始されるときには、上限数として1
00がカウンタに設定され、第2大当り状態が開始されるときには、上限数として300
がカウンタに設定される。このような構成であっても、本実施形態と同様の効果を奏する
【0102】
(2) また、本実施形態では、第1領域を1バイト(下位バイト)であり、第2領域
を1バイト(上位バイト)であるとして説明した。しかしながら、第1領域と第2領域と
は少なくとも1つは、他の領域としてもよい。たとえば、第1領域と第2領域とは、1バ
イトについて、第2領域を上位mビット、第1領域を下位nビットとしてもよい(m、n
は共に整数であり、m+n≦8)。また、m=nとしてもよく、m≠nとしてもよい。ま
た、第1領域と第2領域との容量は異なるようにしてもよい。
【0103】
(3) 本実施形態では、上位バイトおよび下位バイトに数値を設定するときに(上位
・下位バイト更新制御を実行するときに)、上位バイトへの設定と下位バイトへの設定と
が併せて(たとえば、同時に)実行されるとして説明した。しかしながら、上位バイトお
よび下位バイトのうちいずれか一方に数値を設定する第1設定処理を実行し、その後、他
方に数値を設定する第2設定処理を実行するようにしてもよい。この場合においても、第
1設定処理が開始されてから第2設定処理が終了するまでの期間では、他の処理を実行し
ない(図2図3図5図6の(イ)に対応)。たとえば、第1設定処理の間、および
第2設定処理の間それぞれにおいて他の処理を実行しないようにする。さらに、第1設定
処理が終了してからと第2設定処理が開始されるときまでの期間に、他の処理を実行せず
、かつ割込み処理を禁止する禁止処理を実行する。ここで、割込み処理とは、所定期間毎
に割込んで実行される処理である。このような構成であっても、本実施形態と同様の効果
を奏する。
【0104】
(4) 本実施形態では、ボーナスカウンタについては、ボーナス開始時に上限値が設
定され、メダルが付与される毎に、該付与されたメダル枚数分減算更新し、ボーナスカウ
ンタが0になったときに、ボーナスが終了したと判断するとして説明した。また、ATカ
ウンタについては、AT開始時にAT残りゲーム数が設定され、AT中のゲームが1ゲー
ム消化される毎に1ゲーム分減算更新し、ATカウンタが0になったときに、ATが終了
したと判断するとして説明した。
【0105】
しかしながら、ボーナスカウンタおよびATカウンタの少なくとも一方は、増加更新す
るようにしてもよい。たとえば、ボーナスカウンタについては、ボーナス開始時には初期
値(たとえば、0)が設定され、ボーナス中にメダルが付与される毎に、該付与されたメ
ダル枚数分を増加更新し、ボーナスカウンタが上限値に到達したときに、ボーナスが終了
したと判断するようにしてもよい。また、ATカウンタについては、AT開始時には初期
値(たとえば、0)が設定され、AT中に1ゲーム消化する毎に該1ゲーム分増加更新し
、ATカウンタがAT残りゲーム数に到達したときに、ATが終了したと判断するように
してもよい。このような構成であっても、本実施形態と同様の効果を奏する。
【0106】
(5) また、特定状態(ボーナス状態など)の終了の判定については、図2(B)な
どに示すように、カウンタ(ボーナスカウンタ)の値に基づいて実行されるとして説明し
た。しかしながら、ボーナスカウンタと、該ボーナスカウンタとは異なる情報とに基づい
て、ボーナス状態が終了したか否かを判断するようにしてもよい。該異なる情報によりボ
ーナス状態が終了したと判断されたときに、ボーナスカウンタの上位バイトと下位バイト
とが共に「00000000B」となっているか否かを判断し、該上位バイトと下位バイ
トとが共に「00000000B」となっていると判断したときには、ボーナス状態が終
了したと判断するようにしてもよい。また、該異なる情報によりボーナス状態が終了した
と判断されたときに、ボーナスカウンタの上位バイトと下位バイトとの少なくとも一方が
「00000000B」となっていないと判断されたときには、エラー報知を実行するよ
うにしてもよい。このような構成によれば、正確に、ボーナス状態の終了判定を実行する
ことができる。
【0107】
(6) また、本実施形態では、第1数値は、ATゲームの上乗せに関しては、図4
第2条件および第3条件に対応する「付与されるゲーム数」である101~400の値で
ある。この101~400は、「下位バイトのみで特定可能な(表現可能な)101~2
55」と、「上位バイトと下位バイトで特定可能な(表現可能な)256~400」とを
含む。このように、第1数値は、「第1領域(下位バイト)および第2領域(上位バイト
)に設定される数値」と、「第1領域および第2領域のうち第1領域のみに設定される数
値」とを含むようにしてもよい。つまり、第1数値は、「第1領域および第2領域に設定
され得る数値」である。また、この場合において、ATゲームの上乗せに関しては、第2
数値は、1~100となる。つまり、第2数値は、「第1領域(下位バイト)のみに設定
される数値」となる。
【0108】
変形例として、第1数値は、「第1領域および第2領域のうち第1領域のみに設定され
る数値」を含まずに、「第1領域および第2領域に設定される数値」としてもよい。第1
数値は、たとえば、ATゲームの上乗せに関しては、「上位バイトと下位バイトで特定可
能な(表現可能な)256~400」としてもよい。この場合には、第1数値は、「第1
領域および第2領域のうち第1領域のみに設定される数値」を含まずに、「第1領域およ
び第2領域に設定される数値」となる。また、第2数値は、1~255となり、第2数値
は、「第1領域および第2領域のうち第1領域のみに設定される数値」となる。
【0109】
また、さらなる変形例として、第2数値は、「第1領域および第2領域に設定される数
値」を含むようにしてもよい。つまり、第2数値は、「第1領域および第2領域のうち第
1領域のみに設定され得る数値」としてもよい。
【0110】
(7) 本実施形態では、「カウンタの数値に基づいて行われる特定判定」として、特
定状態(AT、ボーナス)が終了したか否かの判定を例示した。しかしながら、特定判定
は他の判定としてもよい。たとえば、「特定状態を開始させるか否かの判定」としてもよ
い。また、特定判定は、特定制御(フリーズ、所定演出)を実行するか否かの判定」とし
てもよい。
【0111】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えら
れるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され
、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【符号の説明】
【0112】
1 遊技機、40 遊技制御基板、41 メイン制御部、51 液晶表示器、53 ス
ピーカ、90 演出制御基板、91 サブ制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6