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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220628BHJP
【FI】
A63F5/04 602A
A63F5/04 611B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018074661
(22)【出願日】2018-04-09
(65)【公開番号】P2019180753
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
【審査官】鶴岡 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-000249(JP,A)
【文献】特開2008-142279(JP,A)
【文献】特開2015-180384(JP,A)
【文献】特開2009-279153(JP,A)
【文献】特開2007-202930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行うことが可能な遊技機であって、
第1操作が可能な第1操作手段と、
第2操作が可能な第2操作手段と、
制御を行う制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記第1操作がされたことを判定可能であるとともに、前記第2操作がされたことを判定可能である操作判定手段と、
前記第1操作がされたことが判定されたときに第1制御を行う第1制御手段と、
前記第2操作がされたことが判定されたときに第2制御を行う第2制御手段と、を含み、
前記操作判定手段は、
前記第1操作がされているときにオン状態となり該第1操作がされていないときにオフ状態となる第1ビットと、前記第2操作がされているときにオン状態となり該第2操作がされていないときにオフ状態となる第2ビットとを含む複数ビットの入力データが入力される入力手段と、
特別条件が成立しているときに、前記入力データと特別判定データとの演算を行い、前記入力データの前記第1ビットおよび前記第2ビットがオン状態であるかオフ状態であるかに関わらず、該第1ビットおよび該第2ビットがオフ状態となるように演算後データを生成する生成手段と、
前記演算後データにオン状態のビットが含まれているか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段によりオン状態のビットが含まれていないと判定されたときに前記第1操作と前記第2操作のいずれの操作もされていないと判定し、前記第1判定手段によりオン状態のビットが含まれていると判定されたときに該オン状態のビットが前記第1ビットと前記第2ビットのいずれであるかに基づいて、前記第1操作と前記第2操作のいずれの操作がされているかを判定する第2判定手段と、を含み、
前記制御手段は、
メイン処理と、該メイン処理に所定時間毎に割り込んで実行されるタイマ割込み処理と、を実行可能であり、
前記タイマ割込み処理において、前記入力データを更新し、
前記メイン処理において、前記タイマ割込み処理が実行された否かを判定する割込み待ち処理を実行し、
前記操作判定手段は、前記割込み待ち処理において前記タイマ割込み処理が実行されたと判定されたときに、前記生成手段により前記演算後データを生成させ、該演算後データにもとづく判定を行う、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、所定の賭数を設定し、スタート操作が行われたことに基づいて、複数種
類の識別情報の可変表示が行われるスロットマシンや、遊技球などの遊技媒体を発射装置
によって遊技領域に発射し、該遊技領域に設けられている入賞口などの始動領域に遊技媒
体が入賞したときに複数種類の識別情報の可変表示が行われるパチンコ遊技機などがある
【0003】
また、このような遊技機のうちのスロットマシンにおいては、遊技者により、メダルが
投入される。メダルが投入されて、規定数の賭数が設定されたときにおいて、スタートス
イッチが操作されたときに、識別情報の可変表示が開始されることによりゲームが開始さ
れる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-131164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の遊技機では、メダル投入という操作が有効であるか否かを判断する処理
がメダル投入がされる前に実行されるとともに、スタートスイッチへの操作が有効である
か否かを判断する処理がスタートスイッチが操作される前に実行されていた。したがって
、この判断する処理に要するプログラムの容量が増大する虞があった。
【0006】
この発明はかかる事情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、第1操作および第
2操作の判定に要するプログラムの容量を低減させる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(A) 遊技を行うことが可能な遊技機であって、
第1操作が可能な第1操作手段と、
第2操作が可能な第2操作手段と、
制御を行う制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記第1操作がされたことを判定可能であるとともに、前記第2操作がされたことを判定可能である操作判定手段と、
前記第1操作がされたことが判定されたときに第1制御を行う第1制御手段と、
前記第2操作がされたことが判定されたときに第2制御を行う第2制御手段と、を含み、
前記操作判定手段は、
前記第1操作がされているときにオン状態となり該第1操作がされていないときにオフ状態となる第1ビットと、前記第2操作がされているときにオン状態となり該第2操作がされていないときにオフ状態となる第2ビットとを含む複数ビットの入力データが入力される入力手段と、
特別条件が成立しているときに、前記入力データと特別判定データとの演算を行い、前記入力データの前記第1ビットおよび前記第2ビットがオン状態であるかオフ状態であるかに関わらず、該第1ビットおよび該第2ビットがオフ状態となるように演算後データを生成する生成手段と、
前記演算後データにオン状態のビットが含まれているか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段によりオン状態のビットが含まれていないと判定されたときに前記第1操作と前記第2操作のいずれの操作もされていないと判定し、前記第1判定手段によりオン状態のビットが含まれていると判定されたときに該オン状態のビットが前記第1ビットと前記第2ビットのいずれであるかに基づいて、前記第1操作と前記第2操作のいずれの操作がされているかを判定する第2判定手段と、を含み、
前記制御手段は、
メイン処理と、該メイン処理に所定時間毎に割り込んで実行されるタイマ割込み処理と、を実行可能であり、
前記タイマ割込み処理において、前記入力データを更新し、
前記メイン処理において、前記タイマ割込み処理が実行された否かを判定する割込み待ち処理を実行し、
前記操作判定手段は、前記割込み待ち処理において前記タイマ割込み処理が実行されたと判定されたときに、前記生成手段により前記演算後データを生成させ、該演算後データにもとづく判定を行う。
(1) 遊技を行うことが可能な遊技機(たとえば、スロットマシン1)であって、
第1操作(たとえば、スタートスイッチ7への操作)がされたことを判定可能であるとともに、第2操作(たとえば、ベットスイッチ6への操作)がされたことを判定可能である操作判定手段と、
前記第1操作がされたことが判定されたときに第1制御(たとえば、図3および図4のSd2の内部抽選処理)を行う第1制御手段と、
前記第2操作がされたことが判定されたときに第2制御(たとえば、図4のS36のベット処理)を行う第2制御手段とを備え、
前記操作判定手段は、
前記第1操作がされたときに内容が変化するとともに前記第2操作がされたときにも内容が変化する入力データ(たとえば、図6の入力バッファデータ)と、前記第1操作がされても無効とするとともに第2操作がされても無効とする特別条件(たとえば、図6に示す投入メダルが通過しているという無効条件)の成立状況(たとえば、図6の判定データ)とに基づいて、前記第1操作と前記第2操作とのうち少なくも一方の操作がされていることを判定する(たとえば、図6のS100)第1判定手段と、
前記第1判定手段により前記第1操作と前記第2操作とのうち少なくも一方の操作がされていることが判定されたときに、前記第1操作と前記第2操作のいずれの操作がされているかを判定する(たとえば、S102に示すように、ベットスイッチ6の操作およびスタートスイッチ7の操作のうちいずれの操作であるのかを判定する)第2判定手段とを含む。
【0008】
このような構成によれば、第1操作および第2操作のうちいずれの操作がされているか
を判定する処理に要するプログラム容量を削減できる。
【0009】
(2) (1)の遊技機において、
前記第1条件が成立したときに内容が変化するとともに前記第2条件が成立したときに
も内容が変化するデータ(たとえば、判定データ)を用いて、前記入力データにおける前
記第1操作を示す情報と、前記第2操作を示す情報とのうちの少なくとも一方を消去する
(たとえば、図4のS20の処理)ことにより、該消去された情報を示す操作を無効とす
る(ビットの値を0にする)無効手段をさらに備える。
【0010】
このような構成によれば、第1操作および第2操作のうちいずれの操作がされているか
を判定できるとともに、第1操作および第2操作のうち少なくとも一方を無効化できる。
【0011】
(3) (1)または(2)の遊技機において、
前記第1判定手段は、前記入力データと、前記特別条件を含む複数種類の第1条件(た
とえば、S10の賭数未設定という無効条件と、S6に示す投入メダル通過中という条件
)の成立状況および前記特別条件を含む複数種類の第2条件(たとえば、S10の賭数設
定済という無効条件と、S6に示す投入メダル通過中という条件)の成立状況(たとえば
、判定データ)とに基づいて、前記第1操作と前記第2操作とのうち少なくも一方の操作
がされていることを判定する。
【0012】
このような構成によれば、第1条件が複数種類存在するとともに、第2条件が複数種類
存在したとしても、第1判定手段は、第1操作および第2操作のうちの少なくとも一方が
されていることを判定することができる。
【0013】
(4) (1)~(3)いずれかの遊技機において、
前記第1操作の方が前記第2操作よりも優先度が高く(たとえば、図4の例では、S2
6の処理の方が、S28の処理よりも早いタイミングで実行されており、つまり、スター
トスイッチ7の操作の判断処理が、ベットスイッチ6の操作の判断処理よりも早いタイミ
ングで実行されており)、
前記第2判定手段は、前記第1操作がされているか否かを判定し、前記第1操作がされ
ていないことを判定したときに、前記第2操作がされていることを判定する(たとえば、
S26でスタートスイッチ7が操作されたか否かを判断し、S26でNOと判断されたと
きに、S28でベットスイッチ6が操作されたか否かを判断する)。
【0014】
このような構成によれば、第1処理手段および第2処理手段は、優先度が高い操作に応
じた処理を好適に実行することができる。
【0015】
(5) (1)~(4)いずれかの遊技機において、
前記第1操作の方が前記第2操作よりも優先度が高く(たとえば、図4の例では、S2
6の処理の方が、S28の処理よりも早いタイミングで実行されており、つまり、スター
トスイッチ7の操作の判断処理が、ベットスイッチ6の操作の判断処理よりも早いタイミ
ングで実行されており)、
前記第2制御手段は、前記第1判定手段により、前記第1操作と前記第2操作との双方
の操作がされていることが判定されたときには、前記第2条件が成立していなくても、前
記第2制御を実行しない(たとえば、図4のS20でスタートスイッチ7への操作および
ベットスイッチ6への操作の双方が受付けられたとしても、該スタートスイッチ7の操作
に対応する内部抽選処理を実行して、ベット処理は実行しない)。
【0016】
このような構成によれば、第1処理手段および第2処理手段は、優先度が高い操作に応
じた処理を好適に実行することができる。
【0017】
(6) (1)~(5)いずれかの遊技機において、
前記第1判定手段は、
前記第1操作に対応する第1信号(たとえば、スタートスイッチ信号)が入力された
か否かを判定し、該第1信号が入力されたと判定することにより、該第1操作がされてい
ることを判定し(図2に示すように、スタートスイッチ7に対応する2ビット目が「1」
となり)、
前記第2操作に対応する第2信号(たとえば、ベットスイッチ信号)が入力されたか
否かを判定し、該第2信号が入力されたと判定することにより、該第2操作がされている
ことを判定し(図2に示すように、ベットスイッチ6に対応する3ビット目が「1」とな
り)、
前記第1制御手段が、前記第1制御として、前記第1信号に応じた制御(たとえば、
内部抽選処理)を実行している期間では、前記第1信号が入力されたか否かを判定せず、
かつ前記第2信号が入力されたか否かを判定しない(たとえば、図4のSd2の箇所の※
印に示すように、図2の内部抽選処理の実行中は、他の処理が実行されない)。
【0018】
このような構成によれば、第1信号に応じた処理の実行途中で、異なる処理が実行され
ることにより異なる状況となることを防止できる。
【0019】
(7) (1)~(6)いずれかの遊技機において、
前記第1判定手段は、
前記第1操作に対応する第1信号(たとえば、スタートスイッチ信号)が入力された
か否かを判定し、該第1信号が入力されたと判定することにより、該第1操作がされてい
ることを判定し(図2に示すように、スタートスイッチ7に対応する2ビット目が「1」
となり)、
前記第2操作に対応する第2信号(たとえば、ベットスイッチ信号)が入力されたか
否かを判定し、該第2信号が入力されたと判定することにより、該第2操作がされている
ことを判定し(図2に示すように、ベットスイッチ6に対応する3ビット目が「1」とな
り)、
前記第2制御手段が、前記第2制御として、前記第2信号に応じた制御(たとえば、
ベット処理)を実行している期間では、前記第1信号が入力されたか否かを判定せず、か
つ前記第2信号が入力されたか否かを判定しない(たとえば、図4のS36の※印に示す
ように、ベット処理の実行中は、他の処理が実行されない)。
【0020】
このような構成によれば、第2信号に応じた処理の実行途中で、異なる処理が実行され
ることにより異なる状況となることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】(a)は、本実施形態に係るスロットマシンの正面図であり、(b)は、スロットマシンの主な内部構成の一例を示す図である。
図2】判定データなどを示す図である。
図3】ゲーム処理を示す図である。
図4】遊技待ち開始処理を示す図である。
図5】本実施形態の思想(その1)を示す図である。
図6】本実施形態の思想(その2)を示す図である。
図7】本実施形態の思想(その3)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る遊技機としてスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以
下に説明する。
【0023】
[スロットマシンの構成]
図1(a)は、本実施形態に係るスロットマシン1の正面図であり、(b)は、スロッ
トマシン1の主な内部構成の一例を示す図である。
【0024】
図1(a)に示すように、スロットマシン1は、画像を表示する液晶表示器51と、種
々の情報が表示される情報表示器12と、音を出力するスピーカ53などを備える。
【0025】
液晶表示器51の下方には、透視窓3が形成されている。遊技者は、この透視窓3を介
してスロットマシン1の内部に並設されているリール2L、2C、2Rを視認可能である
。各リール2L、2C、2Rには、各々が識別可能な複数種類の識別情報である図柄が所
定の順序で配列されている。また、スロットマシンは、ベットスイッチ6と、スタートス
イッチ7と、ストップスイッチ8L~8Rと、精算スイッチ9とを備える。
【0026】
ベットスイッチ6は、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダ
ル数)を用いて、その範囲内において規定数(本実施形態では、「3」)の賭数のうち最
大の賭数を設定するために操作される操作部である。スタートスイッチ7は、規定数の賭
数が設定されている状態で操作されると、ゲーム(遊技)を開始する(3つのリールの回
転が開始する)操作部である。ストップスイッチ8L、8C、8Rは、それぞれのリール
の回転を停止させて表示結果を導出させるために操作される操作部である。
【0027】
また、スロットマシン1は、前面扉を有する。前面扉には、メダル投入口13(メダル
投入部)を有する。メダル投入口13からは、遊技者から、遊技を開始するためのメダル
(遊技媒体ともいう。)が投入される。また、前面扉には、鍵穴11が設けられており、
該鍵穴11に対応する鍵(図示せず)を挿入して回すことにより、前面扉が開放する。こ
のように、前面扉は、所定の権限を持った人間(たとえば、鍵を持った遊技店の店員)が
開放できるものであり、該所定の権限を持った人間以外の人間は開放できないものである
【0028】
前面扉を開いた状態でのスロットマシン1の内部には、設定確認スイッチ10が設けら
れている。図1では、設定確認スイッチ10は、スロットマシン1の内部に設けられてい
ることから、破線で示す。たとえば、ゲームが行われてない状態(3つのリールの全てが
停止している状態)で、設定確認スイッチ10がONにされると、設定確認状態に移行さ
れる。設定確認状態は、たとえば、設定されている設定値を、遊技店の店員が確認できる
状態である。本実施形態では、設定値は、情報表示器12に表示される。本実施形態では
、設定値は、スロットマシン1の外部の表示器(本実施形態では、情報表示器12)に表
示させるものであるが、変形例として、スロットマシン1の外部の表示器に表示させるも
のとしてもよい。
【0029】
また、設定値とは、メダルの払出率を定める値である。設定値は1~6の6段階からな
り、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低く
なる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が
高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。また、
設定値は、遊技者にとっての有利度合を定める値であることから、有利度ともいう。
【0030】
このように、設定確認スイッチ10は、スロットマシン1の内部に設けられていること
から、所定の権限を持った人間のみが操作できる操作部である。
【0031】
精算スイッチ9は、遊技者が保有している遊技用価値を精算する精算処理を実行するた
めの操作部である。遊技用価値とは、たとえば、メダルである。ここで、精算処理とは、
後述するベットカウンタに記憶されている遊技用価値と、クレジットカウンタに記憶され
ている遊技用価値とを精算する処理である。精算処理は、ベットカウンタに記憶されてい
る遊技用価値と、クレジットカウンタに記憶されている遊技用価値とを返却する返却処理
としてもよい。精算処理は、ベットカウンタに記憶されている遊技用価値と、クレジット
カウンタに記憶されている遊技用価値とをメダルとして排出する排出処理としてもよい。
【0032】
図1(b)に示すように、スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御するととも
に遊技の進行に応じて各種コマンドを出力するメイン制御部41が設けられている。メイ
ン制御部41は、遊技の進行に係る各種制御を行うメインCPU41aと、遊技の進行に
係る各種データを記憶するRAM41cとを備える。メイン制御部41は、ベットスイッ
チ6に対する操作、スタートスイッチ7に対する操作、精算スイッチ9に対する操作、ス
トップスイッチ8L、8C、8Rに対する操作、および設定確認スイッチ10に対する操
作などの操作それぞれに応じた処理を実行する。
【0033】
また、本実施形態のスロットマシン1は、種々の信号が入力される入力ポートを備える
。さらに、入力ポートの入力バッファは、各操作部からの信号に応じて変化する。具体的
には、ベットスイッチ6に対する操作が実行されたときには、ベットスイッチ信号出力手
段(図示せず)からのベットスイッチ信号が入力ポートに入力されることにより、入力バ
ッファデータが変化する。ベットスイッチ信号は、ベットスイッチ6に対する操作が実行
されたことを示す信号である。
【0034】
スタートスイッチ7に対する操作が実行されたときには、スタートスイッチ信号出力手
段(図示せず)からのスタートスイッチ信号が入力ポートに入力されることにより、入力
バッファデータが変化する。スタートスイッチ信号は、スタートスイッチ7に対する操作
が実行されたことを示す信号である。
【0035】
精算スイッチ9に対する操作が実行されたときには、精算スイッチ信号出力手段(図示
せず)からの精算スイッチ信号が入力ポートに入力されることにより、入力バッファデー
タが変化する。精算スイッチ信号は、精算スイッチ9に対する操作が実行されたことを示
す信号である。
【0036】
設定確認スイッチ10に対する操作が実行されたときには、設定確認スイッチ信号出力
手段(図示せず)からの設定確認スイッチ信号が入力ポートに入力されることにより、入
力バッファデータが変化する。設定確認スイッチ信号は、設定確認スイッチ10に対する
操作が実行されたことを示す信号である。
【0037】
以下では、ベットスイッチ信号、スタートスイッチ信号、設定確認スイッチ信号、およ
び精算スイッチ信号をまとめて「4つの信号」ともいう。また、ベットスイッチ、スター
トスイッチ、設定確認スイッチ、および精算スイッチをまとめて「4つの操作部」ともい
う。
【0038】
次に、クレジットカウンタとベットカウンタについて説明する。ベットカウンタは、遊
技者が保有している遊技用価値であって、設定されている賭数を記憶するカウンタである
。また、クレジットカウンタは、遊技者が保有している遊技用価値を記憶するカウンタで
ある。本実施形態では、ベットカウンタに記憶されている値が「3」である場合に、遊技
を開始可能な状態となる。また、クレジットカウンタで記憶できる遊技用価値の量(メダ
ルの数)の上限値が予め定められている。本実施形態では、上限値は、50である。
【0039】
メダル投入口13から投入されたメダルは、メダル貯留部(特に図示せず)に貯留され
る。メダル貯留部は、スロットマシン1の内部に設けられる。また、メダル投入口13か
らメダル貯留部までのメダル経路には、1以上のメダルセンサ(特に図示せず)が設けら
れている。メダルセンサは、経路を通過するメダルを検出するセンサである。メイン制御
部41は、1以上のメダルセンサから送信される検出信号に基づいて、投入されたメダル
がメダル経路を通過中か否か、および投入されたメダルがメダル貯留部に貯留されたか否
かなどを判断できる(図4のS6参照)。
【0040】
クレジットカウンタが0の状態でメダル投入口13からメダルが投入されて、該投入さ
れたメダルが、メダル貯留部に貯留されたことがメダルセンサにより検出されると、該検
出されたメダルの枚数に応じてベットカウンタの値は更新(増加更新)される。そして、
ベットカウンタの値が上限値(つまり、3)に到達している状態で、さらにメダルが投入
されると、該投入されたメダルの枚数に応じてクレジットカウンタの値は更新(増加更新
)される。また、ベットカウンタの値が3未満であり、かつクレジットカウンタの値が1
以上である場合において、ベットスイッチ6が操作されると、クレジットの値に応じて、
ベットカウンタの値が3になるまでの範囲で、ベットカウンタの値が増加更新されるとと
もに、該増加更新された分ベットカウンタの値が減少更新される。たとえば、ベットカウ
ンタの値が0であり、かつクレジットカウンタの値が3以上である場合において、ベット
スイッチが操作されると、ベットカウンタの値は「3」増加更新されるとともに、クレジ
ットカウンタの値は「3」減少更新される。
【0041】
このように、ベットカウンタの値Xの範囲は、0≦X≦3であり、クレジットカウンタ
の値Yの範囲は、0≦Y≦50である。
【0042】
[本実施形態で用いるデータについて]
次に、図2を用いて、本実施形態で用いるデータを説明する。本実施形態では、データ
は、1バイト(8ビット)で構成されている。図2(A)は、判定データを示す図である
。判定データとは、後述する図4でのS4などに示す判定データのことである。また、判
定データは、各操作部の操作が有効であるか否かをメイン制御部41が特定可能なデータ
(情報)である。本実施形態では、判定データの上位1ビット目(以下、単に「1ビット
目」という。)のデータは、設定確認スイッチ(設定確認スイッチ信号)に対応する。判
定データの上位2ビット目(以下、単に「2ビット目」という。)のデータは、スタート
スイッチ(スタートスイッチ信号)に対応する。判定データの上位3ビット目(以下、単
に「3ビット目」という。)のデータは、ベットスイッチ(ベットスイッチ信号)に対応
する。判定データの上位4ビット目(以下、単に「4ビット目」という。)のデータは、
精算スイッチ(精算スイッチ信号)に対応する。
【0043】
図2(B)は、入力バッファに格納されるデータを示す図である。入力バッファとは、
メイン制御部41の入力ポートのバッファである。該入力バッファは、上述の4つの信号
それぞれの信号が入力されたか否かが特定される領域である。また、メイン制御部は、後
述するゲーム処理(メイン処理)と、該ゲーム処理とは別に、タイマ割込処理が実行され
る。タイマ割込処理は、所定期間(たとえば、0.56ms)毎に実行される処理である
。該タイマ割込処理は、入力バッファ(入力バッファに格納されているデータ)を更新す
る処理を含む。つまり、タイマ割込処理が実行されることにより、入力バッファは更新さ
れることになる。以下では、入力バッファのデータを入力バッファデータともいう。入力
バッファデータは、4つの操作部のうち操作された操作部をメイン制御部41が特定可能
なデータである。
【0044】
本実施形態では、入力バッファデータの上位1ビット目(以下、単に「1ビット目」と
いう。)のデータは、設定確認スイッチ(設定確認スイッチ信号)に対応する。入力バッ
ファデータの上位2ビット目(以下、単に「2ビット目」という。)のデータは、スター
トスイッチ(スタートスイッチ信号)に対応する。入力バッファデータの上位3ビット目
(以下、単に「3ビット目」という。)のデータは、ベットスイッチ(ベットスイッチ信
号)に対応する。入力バッファデータの上位4ビット目(以下、単に「4ビット目」とい
う。)のデータは、精算スイッチ(精算スイッチ信号)に対応する。
【0045】
このように、判定データと、入力バッファデータとでは、4つの操作部の全ての対応す
るビットが同一となる。換言すれば、判定データと、入力バッファデータとでは、4つの
操作部それぞれと、データとの対応関係が同一となる。
【0046】
また、図2(B)の入力バッファデータについて、4つの操作部のうちの2以上の操作
部が併せて操作されたときには、該操作された2以上の操作部それぞれに対応するデータ
の全てが「1」となる。
【0047】
[ゲーム処理]
次に、図3を用いて、ゲーム処理について説明する。メイン制御部41は、ゲーム処理
を行って1回のゲームを制御する。図3は、ゲーム処理のフローチャートを示す図である
。まず、Sd1において、後述する図4に示す遊技開始待ち処理を実行する。次に、Sd
2において、入賞の発生を許容するか否かを決定する(導出する表示結果を決定する)す
るための内部抽選処理が行われる。
【0048】
次に、Sd3においてリール回転処理が実行される。リール回転処理では、前回ゲーム
のリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リー
ル2L,2C,2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化
し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる。次に、Sd4において、入賞ライン上
の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理が行われる。
【0049】
次に、Sd5において、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダ
ルの払い出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナ
ス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当
選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。次に、Sd6にお
いて、ゲーム終了時処理が実行される。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技
状態を設定する処理を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム処理が終了し、次の1
ゲーム分のゲーム処理が開始する。
【0050】
なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操
作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行う
際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後
にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には
“ゲーム”に含まれるものとする。
【0051】
[遊技開始待ち処理]
次に、図4を用いて、遊技開始待ち処理のフローチャートを説明する。図4において、
各ステップで括弧書きされている事項は、具体的な処理を示したものである。まず、メイ
ン制御部41は、割込み1回待ち処理を行う(S2)。ここで、割込み1回待ち処理とは
、1回のタイマ割込処理が実行されることを待つ処理である。つまり、割込み1回待ち処
理とは、1回のタイマ割込処理が実行されることを許容する処理である。上述のように、
タイマ割込処理は、入力バッファデータを更新する処理を含む。つまり、S2により入力
バッファデータが更新される。
【0052】
次に、メイン制御部41は、判定データの初期値を設定する(S4)。本実施形態の初
期値とは、「0」である。
【0053】
図2で説明したように、判定データの各ビットは、各操作部それぞれに対応している。
つまり、判定データの各ビットの値は、該ビットに対応する操作部の操作が有効であるか
否かを判定できる値となる。本実施形態では、「1」が、操作が有効であることを示し、
「0」が、操作が無効であることを示す。たとえば、判定データの1ビット目が「1」で
ある場合には、該1ビット目に対応する操作部である設定確認スイッチ10の操作が有効
であるということである。一方、判定データの1ビット目が「0」である場合には、該1
ビット目に対応する操作部である設定確認スイッチ10の操作が無効であるということで
ある。
【0054】
また、S4の括弧書きに示すように、判定データの初期値を設定する処理とは、判定デ
ータ(8ビット)の全ビットを「0」にする処理である。つまり、S4の括弧書きに示す
ように、判定データを、「00000000」に設定する。S4の処理が終了した時点で
は、4つの操作部全ての操作が無効となる。
【0055】
次に、メイン制御部41は、投入メダルが通過中か否かを判定する(S6)。ここで投
入メダルとは、メダル投入口13から投入されたメダルである。また、前述の1以上のメ
ダルセンサの出力により、メイン制御部41は、投入メダルがメダル経路を通過中か否か
を判断できる。S6において、メイン制御部41が、投入メダルが通過中であると判断し
た場合には(S6でY)、S18へ移行する。一方、メイン制御部41は、投入メダルが
通過中ではないと判断した場合には(S6でN)、S8へ移行する。
【0056】
S8では、精算スイッチ9の操作と、設定確認スイッチ10の操作とを有効に設定する
(精算スイッチ9と設定確認スイッチ10とを有効な状態とする)。ここで、S8では、
精算スイッチ9に対応する4ビット目のデータと、設定確認スイッチ10に対応する1ビ
ット目のデータとをそれぞれ「1」に設定する。つまり、S8の括弧書きに示すように、
判定データを「10010000」に設定する。このように、本実施形態では、投入メダ
ルがメダル経路を通過中でなければ(S8でNであれば)、精算スイッチ9の操作と、設
定確認スイッチ10の操作とが有効に設定される。
【0057】
S10では、メイン制御部41は、ベットカウンタが3であるか否かを判断する。つま
り、規定数(本実施形態では3)の賭数が設定済みであるか否かを判断する。S10にお
いて、メイン制御部41は、ベットカウンタが3であると判断した場合には(S10でY
)、S12に移行する。一方、メイン制御部41は、ベットカウンタが3ではないと判断
した場合には(S10でN)、S14に移行する。
【0058】
S12においては、スタートスイッチ7への操作を有効に設定する(スタートスイッチ
7を有効な状態とする)。ここで、S12では、スタートスイッチ7に対応する2ビット
目のデータを「1」に設定する。つまり、S12の括弧書きに示すように、判定データを
「11010000」に設定する。このように、本実施形態では、ベットカウンタが3に
設定されていれば(S10でYであれば)、スタートスイッチ7への操作は有効となる。
【0059】
また、S14では、メイン制御部41は、クレジットカウンタが1以上であるか否かを
判断する。S14において、メイン制御部41は、クレジットカウンタが1以上であると
判断した場合には(S14でY)、S16に移行する。一方、メイン制御部41は、クレ
ジットカウンタが0であると判断した場合には(S14でN)、S18に移行する。
【0060】
S16では、ベットスイッチ6への操作を有効に設定する(ベットスイッチ6を有効な
状態とする)。ここで、S16では、ベットスイッチ6に対応する3ビット目のデータを
「1」に設定する。つまり、S16の括弧書きに示すように、判定データを「10110
00」に設定する。このように、本実施形態では、ベットカウンタが3に設定されておら
ず(S10でN)、かつ、クレジットカウンタが1以上であれば(S14でY)、ベット
スイッチ6への操作を有効に設定する。S16の処理が終了すると、S18に移行する。
【0061】
S18では、メイン制御部41は、入力バッファデータを取得する。次に、S20にお
いて、メイン制御部41は、この入力バッファデータを判定データでマスクする。S20
において、具体的には、括弧書きに示すように、メイン制御部41は、入力バッファデー
タと判定データとをAND演算する。AND演算は、入力バッファデータのnビット目(
n=1,...,8)のデータと、判定データのnビット目とを乗算する演算である。ま
た、該AND演算は、n=1~8の全てについて乗算が実行される。
【0062】
該AND演算により、入力バッファデータにおいて、スタートスイッチ7に対応するビ
ットと、ベットスイッチ6に対応するビットとのうち少なくとも一方を「0」にすること
により、該「0」となったビットに対応する操作部の操作を無効化する。また、該AND
演算後のデータを、演算後データという。また、演算後データの各ビットと操作部との対
応関係は、判定データの各ビットと操作部との対応関係と同一であるとともに、入力バッ
ファデータの各ビットと操作部との対応関係と同一である。つまり、演算後データの上位
1ビット目(以下、単に「1ビット目」という。)のデータは、設定確認スイッチ(設定
確認スイッチ信号)に対応する。演算後データの上位2ビット目(以下、単に「2ビット
目」という。)のデータは、スタートスイッチ(スタートスイッチ信号)に対応する。演
算後データの上位3ビット目(以下、単に「3ビット目」という。)のデータは、ベット
スイッチ(ベットスイッチ信号)に対応する。演算後データの上位4ビット目(以下、単
に「4ビット目」という。)のデータは、精算スイッチ(精算スイッチ信号)に対応する
【0063】
たとえば、入力バッファデータが、「01000000」である場合、つまり、スター
トスイッチ7のみが操作された場合(図2参照)であり、かつ、判定データが「1101
0000」である場合には、演算後データは、「01000000」となる。
【0064】
また、たとえば、入力バッファデータが、「01000000」である場合、つまり、
スタートスイッチ7のみが操作された場合(図2参照)であり、かつ、判定データが「1
0110000」である場合には、演算後データは、「00000000」となる。この
場合には、入力バッファデータの2ビット目が「0」になったことから、スタートスイッ
チ7への操作が無効化される。
【0065】
また、入力バッファデータが、「11000000」である場合、つまり、スタートス
イッチと、設定確認スイッチ10とが操作された場合(図2参照)であり、かつ、判定デ
ータが「11010000」である場合には、演算後データは、「11000000」と
なる。
【0066】
このように、演算後データの8ビットのうち、「1」となるビットが存在すれば、該「
1」となるビットに対応する操作部への操作が、該操作部が有効な状態でされたことにな
る。たとえば、演算後データが、「01000000」である場合には、2ビット目に対
応するスタートスイッチ7の操作が該スタートスイッチ7が有効な状態で該スタートスイ
ッチ7が操作されたことになる。たとえば、演算後データが、「11000000」であ
る場合には、1ビット目に対応する設定確認スイッチ10の操作と、2ビット目に対応す
るスタートスイッチ7の操作とが、設定確認スイッチ10およびスタートスイッチ7が有
効な状態で操作されたことになる。
【0067】
また、演算後データが全てのビットが0である場合には、フラグレジスタとしての0フ
ラグの値は「1」となる。また、それ以外の場合、つまり、演算後データのうちの少なく
とも1つのビットが、「1」となる場合には、0フラグの値は「0」となる。S20の処
理が終了すると、S22に移行する。
【0068】
S22において、メイン制御部41は、0フラグが1であるか否かを判断する。この処
理は、たとえば、4つの操作部へ少なくとも1つの操作のうち、操作部が有効である状態
で、該操作部が操作されたか否かを判断する処理である。S22において、0フラグが1
であると判定された場合(S22でN)、つまり、判定後データの8ビット全てのデータ
が「0」であると判定された場合には、S2に戻る。S22でNOと判断された場合とい
うのは、4つの操作部への操作のうち、有効となる(有効な)操作がなかったと判断され
た場合である。
【0069】
一方、0フラグが0であると判定された場合(S22でY)、つまり、判定後データの
8ビットのデータにおいて「1」となるビットが1以上存在すると判断された場合には、
S24に進む。S22でYESと判断された場合というのは、4つの操作部への操作のう
ち、有効となる(有効な)操作1以上があると判断された場合である。
【0070】
S24において、メイン制御部41は、設定確認スイッチ10の操作が有効な状態で設
定確認スイッチ10が操作されたか否かを判断する。S24では、括弧書きに示すように
、演算後データの1ビット目が「1」であるか否かを判断する。この1ビット目のビット
とは、図2で説明したように設定確認スイッチ10に対応するビットである。メイン制御
部41が、有効な状態で設定確認スイッチ10が操作されたと判断した場合には(S24
のY)、S34に進む。この場合とは、演算後データの1ビット目が「1」であると判断
された場合である。
【0071】
S34では、メイン制御部41は、設定確認処理を実行する。設定確認処理は、たとえ
ば、設定確認状態に移行させる制御を含む。また、設定確認処理が終了したとき、つまり
、設定確認状態への制御が終了したときには、S2に戻る。また、S34の※印に示され
るように、該設定確認処理が実行されているときには(実行されている期間では)、他の
処理は、実行されない。他の処理は、たとえば、入力バッファデータを取得する処理(S
22)を含む。また、他の処理は、操作に対応する信号(スタートスイッチ信号など)の
入力の判定処理としてもよい。
【0072】
メイン制御部41が、有効な状態で設定確認スイッチ10が操作されていないと判断し
た場合には(S24のN)、S26に移行する。この場合とは、演算後データの1ビット
目が「0」であると判断された場合である。
【0073】
S26において、メイン制御部41は、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタ
ートスイッチ7が操作されたか否かを判断する。S26では、括弧書きに示すように、演
算後データの2ビット目が「1」であるか否かを判断する。メイン制御部41が、有効な
状態でスタートスイッチ7が操作されたと判断した場合には(S26のY)、Sd2の内
部抽選処理(図3参照)に進む。この場合とは、演算後データの2ビット目が「1」であ
ると判断された場合である。この2ビット目のビットとは、図2で説明したようにスター
トスイッチ7に対応するビットである。また、Sd2の※印に示されるように、該内部抽
選処理が実行されているときには(実行されている期間では)、他の処理は実行されない
。他の処理は、たとえば、入力バッファデータを取得する処理(S22)を含む。また、
他の処理は、操作に対応する信号(スタートスイッチ信号など)の入力の判定処理として
もよい。
【0074】
メイン制御部41が、有効な状態でスタートスイッチ7が操作されていないと判断した
場合には(S26のN)、S28に移行する。この場合とは、演算後データの2ビット目
が「0」であると判断された場合である。
【0075】
S28において、メイン制御部41は、ベットスイッチ6の操作が有効な状態でベット
スイッチ6が操作されたか否かを判断する。S28では、括弧書きに示すように、演算後
データの3ビット目が「1」であるか否かを判断する。メイン制御部41が、有効な状態
でベットスイッチ6が操作されたと判断した場合には(S28のY)、S36に進む。こ
の場合とは、演算後データの3ビット目が「1」であると判断された場合である。この3
ビット目のビットとは、図2で説明したようにベットスイッチ6に対応するビットである
【0076】
S36では、メイン制御部41は、ベット処理を実行する。ベット処理は、クレジット
カウンタに記憶されている遊技用価値の量に応じてベットカウンタに賭数を設定する処理
である。たとえば、ベットカウンタの値が0である場合において、クレジットカウンタの
値が1である場合には、ベット処理により、ベットカウンタには賭数として「1」が設定
される。ベットカウンタの値が0である場合において、クレジットカウンタの値が2であ
る場合には、ベット処理により、ベットカウンタには賭数として「2」が設定される。ベ
ットカウンタの値が0である場合において、クレジットカウンタの値が3以上である場合
には、ベット処理により、ベットカウンタには賭数として「3」が設定され、遊技の開始
が可能な状態となる。S36のベット処理が終了すると、S2に戻る。また、S36の※
印に示されるように、ベット処理が実行されているときには(実行されている期間では)
、他の処理が実行されない。他の処理は、たとえば、入力バッファデータを取得する処理
(S22)を含む。また、他の処理は、操作に対応する信号(スタートスイッチ信号など
)の入力の判定処理としてもよい。
【0077】
メイン制御部41が、有効な状態でベットスイッチ6が操作されていないと判断した場
合には(S28のN)、S30に移行する。この場合とは、演算後データの3ビット目が
「0」であると判断された場合である。
【0078】
また、S28においてNOと判断された場合、つまりS30の処理が実行される場合と
いうのは、有効な状態で精算スイッチ9のみが操作されたということである。何故ならば
、S28においてNOと判断された場合というのは、「4つの操作部のうち、操作部が有
効な状態で該操作部が操作されたと判断された場合であり、かつ、3つの操作部(設定確
認スイッチ10、スタートスイッチ7、およびベットスイッチ6)のいずれもが有効な状
態で操作されていないと判断された場合」となるからである。
【0079】
つまり、S30の処理が実行される場合というのは、精算スイッチ9の操作が有効な状
態で精算スイッチ9のみが操作されたということである。S30では、ベットカウンタが
1以上であるか否かを判断する。S30において、ベットカウンタが1以上であると判断
された場合には(S30でY)、S40に移行する。
【0080】
S40ではベットカウンタ精算処理を実行する。ベットカウンタ精算処理とは、ベット
カウンタに記憶されている遊技用価値を返却(精算)する処理である。たとえば、ベット
カウンタに記憶されている値が「3」である場合には、3枚のメダルを返却する。ベット
カウンタに記憶されている値が「2」である場合には、2枚のメダルを返却する。ベット
カウンタに記憶されている値が「1」である場合には、1枚のメダルを返却する。S40
の処理が終了すると、S2に戻る。また、S40の※印に示されるように、ベットカウン
タ精算処理が実行されているときには(実行されている期間では)、他の処理が実行され
ない。他の処理は、たとえば、入力バッファデータを取得する処理(S22)を含む。ま
た、他の処理は、操作に対応する信号(スタートスイッチ信号など)の入力の判定処理と
してもよい。
【0081】
また、S30において、ベットカウンタが0であると判断された場合には(S30でN
)、S32に移行する。
【0082】
S32では、クレジットカウンタが1以上であるか否かを判断する。S32において、
クレジットカウンタが1以上であると判断された場合には(S32でY)、S42に移行
する。
【0083】
S42ではクレジットカウンタ精算処理を実行する。クレジットカウンタ精算処理とは
、クレジットカウンタに記憶されている遊技用価値を返却(精算)する処理である。たと
えば、クレジットカウンタに記憶されている値が「47」である場合には、47枚のメダ
ルを返却する。S42の処理が終了すると、S2に戻る。また、S42の※印に示される
ように、クレジットカウンタ精算処理が実行されているときには(実行されている期間で
は)、他の処理が実行されない。他の処理は、たとえば、入力バッファデータを取得する
処理(S22)を含む。また、他の処理は、操作に対応する信号(スタートスイッチ信号
など)の入力の判定処理としてもよい。
【0084】
また、S32おいて、クレジットカウンタが0であると判断された場合には(S32で
N)、S2に戻る。
【0085】
[本実施形態の主な思想(その1)]
図5は、本実施形態の主な思想(その1)を示した図である。本実施形態では、図5
左上の箇所にも示すように、規定数の賭数が設定済みか否かが判断される(図4のS10
参照)。ここで、賭数未設定であるという条件(以下では、第1条件ともいう。)が成立
している場合(S10でNOの場合)には、スタートスイッチの操作が無効となる。スタ
ートスイッチの操作が無効となることは、S4において4つの操作部全てを無効として、
S10でNOの場合には、S12の処理(スタートスイッチ7を有効とする処理)が実行
されないことに基づく。
【0086】
また、賭数設定済であるという条件(以下では、第2条件ともいう。)が成立している
場合(S10でYESの場合)には、ベットスイッチの操作が無効となる。ベットスイッ
チの操作が無効となることは、S4において4つの操作部全てを無効として、S10でY
ESの場合には、S16の処理(ベットスイッチ6を有効とする処理)が実行されないこ
とに基づく。
【0087】
判定データは、第1条件の成立の有無により変化し、かつ、第2条件の成立の有無によ
り変化するデータである。つまり、判定データは、第1条件の成立状況および第2条件の
成立状況に応じて変化する(変化し得る)データである。換言すれば、判定データは、第
1条件および第2条件のうち少なくとも一方の成立状況を特定可能なデータである。また
、判定データは、投入メダルが通過中であるという条件(以下では、特別条件ともいう。
)成立に応じて変化する(変化し得る)データでもある。換言すれば、判定データは、特
別条件の成立状況を特定可能なデータである。さらに、換言すれば、判定データは、第1
条件、第2条件、および特別条件のうち少なくとも一方の成立状況を特定可能なデータで
もある。
【0088】
一方、入力バッファデータは、スタートスイッチ7への操作(以下、第1操作ともいう
。)の有無により変化し、ベットスイッチ6への操作(以下、第2操作ともいう。)の有
無により変化する(変化し得る)データである。
【0089】
図5のS100では、判定データと入力バッファデータとに基づいて、スタートスイッ
チ7への操作(スタートスイッチ7への有効な操作)およびベットスイッチ6への操作(
ベットスイッチ6への有効な操作)のうちの少なくとも一方がされたか否かを判断する。
「判定データと入力バッファデータとに基づいて」とは、本実施形態では、「S20で生
成される演算後データに基づいて」をいう。S100の処理は、図4のS22の処理に対
応する。
【0090】
S100において、スタートスイッチ7への有効な操作およびベットスイッチ6への有
効な操作のうちの少なくとも一方がされたと判断された場合には(S100でY)、S1
02に移行する。S100でYESと判断される場合というのは、S22でYESと判断
される場合である。
【0091】
S102では、スタートスイッチ7およびベットスイッチ6のうち操作されたスイッチ
(操作部)を特定する特定処理を実行する。本実施形態では、S26およびS28に示す
ように、スタートスイッチ7が操作されたか否かを判断→スタートスイッチ7が操作され
ていないと判断されたときにベットスイッチ6が操作されたか否かを判断、という順序で
特定処理を実行する。
【0092】
S103では、S102で特定された操作に応じた処理を実行する。S103では、た
とえば、メイン制御部41が、スタートスイッチ7が操作されたと判断したときには、ス
タートスイッチ7に対応する処理、つまり、内部抽選処理(図3のSd2)を実行する。
メイン制御部41は、ベットスイッチ6が操作されたと判断したときには、ベットスイッ
チ6に対応する処理、つまり、ベット処理(図4のS36)を実行する。
【0093】
また、S100において、スタートスイッチ7への操作およびベットスイッチ6への操
作のうちいずれも検出されなかったと判断された場合には(S100でN)、S104に
移行する。S104では、操作部の検出処理(操作された操作部の特定処理(操作判定処
理))を終了する。S104の処理は、割込み1回待ち処理に戻る処理である。
【0094】
[本実施形態の主な思想(その2)]
図6は、本実施形態の主な思想(その2)を示した図である。本実施形態では、左上の
箇所にも示すように、投入メダルが通過中か否かが判断される(図4のS6参照)。ここ
で、投入メダルが通過中である場合(S6でYESの場合)には、特別条件が成立したと
して、スタートスイッチ7への操作およびベットスイッチ6への操作を無効とする処理が
実行される。この処理は、S4において4つの操作部全てを無効として、該4つの操作部
のいずれにおいても有効とする処理(S8の処理、S12の処理、およびS16の処理)
が実行されないことに基づく。以降の処理は、図5と同様である。
【0095】
[本実施形態の主な思想(その3)]
図7は、本実施形態の主な思想(その3)を示した図である。S300では精算スイッ
チ9が有効な状態で操作されたか否かが判断される。この判断処理は、S22の処理に対
応する。S300の処理が終了すると、S302に移行する。
【0096】
S302では、遊技者所有の遊技機用価値を記憶している否かが判断される。この判断
処理は、S30の処理およびS32の処理に対応する。S302において、遊技者所有の
遊技機用価値を記憶していると判断された場合には(S302でY)、S304に進む。
S304では、精算処理を実行する。この精算処理は、S40の処理およびS42の処理
に対応する。S302において、遊技者所有の遊技機用価値を記憶していないと判断され
た場合には(S302でN)、S306に進む。S306では、精算処理を実行しない。
なお、S306では、割込み1回待ち処理(S2)に戻る。
【0097】
[本実施形態のスロットマシンの奏する効果]
次に、本実施形態のスロットマシンが奏する効果について説明する。
【0098】
(1-1) まず、従来のスロットマシンについて説明する。従来のスロットマシンで
は、第1操作の有無を判定する第1判定処理の前に、第1操作を無効とする第1条件が成
立したか否かを判断するとともに、第2操作の有無を判定する第2判定処理の前に、第2
操作を無効とする第2条件が成立したか否かを判断していた。このような構成であると、
第1操作および第2操作のそれぞれについて、第1条件の成立状況と第2条件の成立状況
とを判定する必要があることから、第1操作および第2操作の判定に要するプログラム容
量が増大していた。
【0099】
次に、本実施形態のスロットマシン1について説明する。本実施形態のスロットマシン
1は、第1操作(たとえば、スタートスイッチ7への操作)がされても無効とする第1条
件(たとえば、図5に示す賭数未設定という無効条件)の成立状況と第2操作(たとえば
、ベットスイッチ6への操作)がされても無効とする第2条件(たとえば、図5に示す賭
数設定済という無効条件)の成立状況を特定可能な判定データを用いる。また、スロット
マシン1は、第1操作がされたときに内容が変化するとともに第2操作がされたときにも
内容が変化する入力バッファデータも用いる。スロットマシン1は、判定データと、入力
バッファデータとに基づいて演算後データを生成する(たとえば、S20に示すように、
判定データと、入力バッファデータとに対してAND演算を実行して演算後データを生成
する)。スロットマシン1は、演算後データに基づいて、第1操作と第2操作とのうち少
なくも一方の操作がされていることを判定する(たとえば、図5のS100)。さらに、
スロットマシン1は、第1操作と第2操作とのうちの少なくとも一方がされていると判定
されたときには第1操作と第2操作のいずれの操作がされているかを判定する(たとえば
、S102に示すように、ベットスイッチ6の操作およびスタートスイッチ7の操作のう
ちいずれの操作であるのかを判定する)。
【0100】
したがって、本実施形態のスロットマシンでは、第1操作と第2操作とのいずれにおい
ても、第1条件と第2条件との成立状況に基づいて、第1操作と第2操作のいずれの操作
がされているかを判定する。換言すると、本実施形態のスロットマシンでは、第1操作と
第2操作とについてまとめて第1条件と第2条件との成立状況を判断することができる。
よって、第1操作の有無の判定前に第1条件の成立状況を判定するとともに、第2操作の
有無の判定前に第2条件の成立状況を判定する従来のスロットマシンと比較して、第1操
作と第2操作とのうち実行された操作を判定する処理の負担を軽減できるとともに、該処
理に要するプログラム容量を削減できる。
【0101】
(1-2) また、メイン制御部41は、判定データを用いて、入力バッファデータの
第1操作を示す情報(ビットデータ)および第2操作を示す情報(ビットデータ)を消去
する(たとえば、S20の処理)。たとえば、判定データが、スタートスイッチ7が無効
であることを示す「10010000」であり、入力バッファデータが、スタートスイッ
チ7が操作されたことを示す「01000000」である場合には、S20のAND演算
により、「00000000」という演算後データが生成される。この演算後データでは
、入力バッファデータにおけるスタートスイッチ7に対応する2ビット目のビットデータ
「1」が、「0」とされている(つまり、この「1」が消去されている)ことになる。こ
れにより、操作されたスタートスイッチ7が無効とされている。このように、入力バッフ
ァデータに対して、判定データを適用することにより、第1操作と第2操作とのうち実行
された操作を判定できるとともに、操作部に対する操作を適切に無効化できる。
【0102】
(1-3) また、第1条件は、2種類の第1条件が存在する。具体的には、第1条件
は、S10の賭数未設定という条件と、S6に示す投入メダル通過中という条件である。
また、第2条件も、2種類の第2条件が存在する。具体的には、第2条件は、S10の賭
数設定済という条件と、S6に示す投入メダル通過中という条件である。さらに、メイン
制御部41は、複数種類の第1条件の成立状況と、複数種類の第2条件の成立状況とを示
す判定データと、入力バッファデータとに基づいて、第1操作と第2操作のいずれの操作
がされているかを判定する。したがって、第1条件が複数種類存在し、かつ第2条件が複
数種類存在したとしても、第1操作と第2操作とのうち少なくも一方の操作がされている
ことを判定することができる。
【0103】
(1-4) また、第1操作(スタートスイッチ7への操作)の方が第2操作(ベット
スイッチ6への操作)よりも優先度が高いように設定されている。たとえば、図4の例で
は、S26の処理の方が、S28の処理よりも早いタイミングで実行されていることに基
づく。つまり、スタートスイッチ7の操作の判断処理が、ベットスイッチ6の操作の判断
処理よりも早いタイミングで実行されている。さらに、第1操作がされたか否かを判定し
、第1操作がされていないと判定したときに、第2操作がされていることを判定する。た
とえば、S26でスタートスイッチ7が操作されたか否かを判断し、S26でNOと判断
されたときに、S28でベットスイッチ6が操作されたか否かを判断する。
【0104】
したがって、メイン制御部41は、優先度が高い操作に応じた処理を好適に実行するこ
とができる。特に、本実施形態では、ベットスイッチ6よりもスタートスイッチ7の方を
優先度を高くすることにより、ゲームを開始させるための直接的な契機となる操作を優先
させることができる。よって、遊技者になるべく多くの遊技を行わせることができる。
【0105】
(1-5) また、第1操作と第2操作との双方がされたと判定されたときに、第2操
作を無効とする第2条件が成立していなくても、第2操作に応じた処理を実行しない。た
とえば、図4のS20でスタートスイッチ7への操作およびベットスイッチ6への操作の
双方がされたとしても、該スタートスイッチ7の操作に対応する内部抽選処理を実行して
、ベット処理は実行しない。したがって、メイン制御部41は、優先度が高い操作に応じ
た処理を好適に実行することができる。
【0106】
(1-6) また、メイン制御部41は、割込処理の実行により変化する入力バッファ
に基づいて、第1操作に対応する第1信号(たとえば、スタートスイッチ信号)が入力さ
れたか否かを判定し、該第1信号が入力されたと判定することにより、該第1操作を判定
する。たとえば、図2に示すように、スタートスイッチ7に対応する2ビット目が「1」
となる。また、第2操作に対応する第2信号(たとえば、ベットスイッチ信号)が入力さ
れたか否かを判定し、該第2信号が入力されたと判定することにより、該第2操作を判定
する。たとえば、図2に示すように、ベットスイッチ6に対応する3ビット目が「1」と
なる。メイン制御部41は、第1操作に応じた処理(第1制御)を実行している期間では
、第1信号が入力されたか否かを判定せず、かつ第2信号が入力されたか否かを判定しな
い。たとえば、メイン制御部41は、図4のSd2の箇所の※印に示すように、内部抽選
処理の実行中は、他の処理を実行しない。
【0107】
このような構成によれば、第1操作に応じた処理の実行途中で、異なる処理が実行され
ることにより異なる状況となることを防止できる。
【0108】
(1-7) また、メイン制御部41は、第2操作に応じた処理(第2制御)を実行し
ている期間では、第1信号が入力されたか否かを判定せず、かつ第2信号が入力されたか
否かを判定しない。たとえば、メイン制御部41は、図4のS36の※印に示すように、
ベット処理の実行中は、他の処理を実行しない。
【0109】
このような構成によれば、第2操作に応じた処理の実行途中で、異なる処理が実行され
ることにより異なる状況となることを防止できる。
【0110】
(2-1) 従来のスロットマシンでは、第1操作と第2操作とを無効にする特別条件
が存在する場合に、第1操作の有無の判定前に特別条件の成立状況を判定するとともに、
第2操作の有無の判定前に該特別条件の成立状況を判定することから、第1操作および第
2操作の判定に要するプログラム容量が増大していた。
【0111】
本実施形態のスロットマシン1は、第1操作がされても無効とするとともに第2操作が
されても無効とする特別条件(たとえば、図6に示す投入メダルが通過しているという無
効条件)の成立状況を特定可能な判定データを用いる。また、スロットマシン1は、第1
操作がされたときに内容が変化するとともに第2操作がされたときにも内容が変化する入
力バッファデータも用いる。スロットマシン1は、判定データと、入力バッファデータと
に基づいて演算後データを生成する(たとえば、S20に示すように、判定データと、入
力バッファデータとに対してAND演算を実行して演算後データを生成する)。スロット
マシン1は、演算後データに基づいて、第1操作と第2操作とのうち少なくも一方の操作
がされていることを判定する(たとえば、図6のS100)。さらに、スロットマシン1
は、第1操作と第2操作とのうちの少なくとも一方がされていると判定されたときには第
1操作と第2操作のいずれの操作がされているかを判定する(たとえば、S102に示す
ように、ベットスイッチ6の操作およびスタートスイッチ7の操作のうちいずれの操作で
あるのかを判定する)。
【0112】
したがって、本実施形態のスロットマシンでは、第1操作と第2操作とのいずれにおい
ても、特別条件の成立状況に基づいて、第1操作と第2操作のいずれの操作がされている
かを判定する。換言すると、本実施形態のスロットマシンでは、第1操作と第2操作とに
ついてまとめて特別条件の成立状況を判断することができる。よって、第1操作の有無の
判定前に特別条件の成立状況を判定するとともに、第2操作の有無の判定前に特別条件の
成立状況を判定する従来のスロットマシンと比較して、第1操作と第2操作とのうち実行
された操作を判定する処理の負担を軽減できるとともに、該処理に要するプログラム容量
を削減できる。
【0113】
(3-1) また、上記の従来のスロットマシンにおいては、所定操作の有無の判定前
に、所定条件(所定操作を無効とする条件)の成立状況を判定していた。つまり、遊技者
により所定操作が実行されなくても、所定条件の成立状況を判定していた。したがって、
所定操作が実行されるか否かに関わらず、所定条件の成立状況を判定する処理が実行され
ることから、該判定する処理に要するプログラム容量が増大していた。
【0114】
次に、本実施形態のスロットマシンについて説明する。本実施形態では、所定操作(た
とえば、精算スイッチ9への操作)がされたと判定されたときに、所定条件が成立したか
否かを判断する。所定条件とは、所定操作を無効とする条件である。所定条件とは、たと
えば、図7に示すS302に示す遊技者所有の遊技用価値がベットカウンタおよびクレジ
ットカウンタのいずれにも記憶されていないという条件である。さらに、所定条件が成立
していないと判断されたとき(たとえば、図7のS302でYESと判断されたとき)に
は所定処理(たとえば、S304に示す精算処理)を実行する。一方、所定条件が成立し
ていると判断されたときには所定操作に対応する所定処理を実行しない(たとえば、図7
のS302でNOと判断されたときには、S306に示すように精算処理を実行しない)
【0115】
このように、本実施形態では、所定条件が成立したか否かの判定は、所定操作がされた
ときに実行される。つまり、所定操作がされなかったときには、所定条件が成立したか否
かの判定は実行されない。したがって、「所定操作が実行されるか否かに関わらず、所定
条件の成立状況を判定する従来のスロットマシン」と比較して、所定条件が成立したか否
かの判定を効率的に実行することができる。
【0116】
(3-2) また、所定操作がされたか否かが判断される前に(たとえば、図4のS8
の精算スイッチ9を有効に設定する前に)、所定条件とは異なる特定条件(たとえば、S
6の投入メダルが通過中であるという条件)が成立したか否かを判断する。また、特定条
件が成立したと判断されたときには、所定処理(たとえば、精算処理)を実行しない。た
とえば、S6の投入メダルが通過中であると判断されたときには、精算スイッチ9の操作
が無効であることから、精算スイッチ9が操作されたとしても、精算処理を実行しない。
【0117】
したがって、特定条件が成立しているときには、メイン制御部41は、所定処理を実行
しないことから、メイン制御部41は、効率的に処理を実行することができる。
【0118】
(3-3) また、メイン制御部41は、特定状態(たとえば、S8以降の状態)にお
いて、所定操作(たとえば、精算スイッチ9への操作)がされたことを判定可能である。
これとともに、メイン制御部41は、特定操作(たとえば、ベットスイッチ6への操作、
およびスタートスイッチ7への操作)がされたことを判定可能である。また、特定条件は
、所定操作がされても特定操作がされても無効とする条件である。したがって、特定条件
が成立しているときに、メイン制御部41は、所定操作に対応する処理を実行せず、かつ
特定操作に対応する処理も実行しない。たとえば、S6において、投入メダル通過中であ
ると判断された場合には、精算スイッチ9、スタートスイッチ7、およびベットスイッチ
6のいずれについても有効に設定されないことから、精算スイッチ9に対応する精算処理
、スタートスイッチ7に対応する内部抽選処理、およびベットスイッチ6に対応するベッ
ト処理のいずれも実行されない。
【0119】
このような構成によれば、所定操作がされたことの判定前および特定操作がされたこと
の判定前に、特定条件が成立するか否かが判断され、該特定条件が成立したと判断された
ときには、所定操作に対応する処理を実行せず、かつ特定操作に対応する処理も実行しな
いことから、メイン制御部41は、効率的に処理を実行することができる。
【0120】
(3-4) また、メイン制御部41は、所定条件が成立していないと判断されたとき
には、特定事象に応じて、第1所定処理(たとえば、S40のベットカウンタ精算処理)
と第2所定処理(たとえば、S42のクレジットカウンタ精算処理)のうちいずれかを実
行する。ここで、特定事象は、第1特定事象と第2特定事象とを含む。第1特定事象は、
たとえば、S30のベットカウンタの値が1以上であるという事象である。第1特定事象
は、S32のクレジットカウンタの値が1以上であるという事象である。また、メイン制
御部41は、第1特定事象が生じている場合には、S40のベットカウンタ精算処理を実
行し、第2特定事象が生じている場合には、S42のクレジットカウンタ精算処理を実行
する。また、所定条件は、特定事象に関連する条件である。たとえば、所定条件は、遊技
者所有の遊技用価値がベットカウンタおよびクレジットカウンタのうちの少なくとも一方
に記憶されているという条件である。
【0121】
このような構成によれば、第1所定処理の実行の有無と第2所定処理の実行の有無とに
ついて、メイン制御部41による所定条件の成立の有無の判断処理を共通化できる。
【0122】
(3-5) また、メイン制御部41は、所定操作の状況を示すデータを更新する。た
とえば、S2において、割込み1回待ち処理を実行して、割込み処理を実行させることに
より、入力バッファデータを更新する処理を実行する。また、所定操作がされた場合に、
所定条件が成立していると判断したときには、所定操作の状況を示すデータを更新したこ
とを条件に、前記所定条件が成立したか否かを、再度、判断する。たとえば、精算スイッ
チ9への操作が実行された場合に、ベットカウンタおよびクレジットカウンタのいずれに
も遊技用価値が記憶されていない場合、つまり、S30およびS32の双方でNOと判断
された場合には、S2に戻って、該S2の処理が実行された後に、再び、S30およびS
32の処理が実行される。
【0123】
一方、所定操作の状況を示すデータを更新していないときには、所定条件が成立したか
否かを、再度、判断しない。たとえば、精算スイッチ9への操作が実行された場合に、ベ
ットカウンタおよびクレジットカウンタのいずれにも遊技用価値が記憶されていない場合
、つまり、S30およびS32の双方でNOと判断された場合には、S2に戻り、S2の
処理が終了するまでは、再び、S30およびS32の処理が実行されない。
【0124】
たとえば、「S30およびS32の双方でNOと判断された場合には、S2に戻って、
該S2の処理が実行された後に、再び、S30およびS32の処理が実行される」という
構成Aを有していないスロットマシンでは、所定操作が実行されて(たとえば、所定操作
の継続、および所定操作への連続する複数回の操作)、1回目の判定処理により所定条件
が成立していると判定されたときには、該実行された所定操作について、2回目の判定処
理(所定条件が成立しているか否かの判定処理)が実行されることになる。そうすると、
2回目の判定処理により、所定条件が成立していないと判定された場合には、該所定操作
(つまり、1回目の判定処理で無効であると判定された操作)に応じた処理が実行される
という不適切な処理が実行されてしまう。そこで、該構成Aを有することにより、このよ
うな不適切な処理が実行されることを防止できる。
【0125】
また、精算スイッチのみならず、設定確認スイッチ、およびベットスイッチについても
構成Aと同様の構成(S2に戻る構成)が採用されている。したがって、設定確認スイッ
チ、およびベットスイッチについても不適切な処理が実行されることを防止できる。
【0126】
なお、(3-1)~(3-5)の効果の説明については、所定操作は精算スイッチ9へ
の操作であり、所定処理は精算処理であるとして説明した。しかしながら、所定操作は他
の操作部としてもよく、所定処理は該他の操作部に応じた処理としても、(3-1)~(
3-5)の効果を奏する。たとえば、(3-1)の効果については、所定操作は、スター
トスイッチ7への操作としてもよい。この場合には、所定処理は内部抽選処理となる。こ
の場合の所定条件は、設定確認スイッチ10への操作が実行されているという条件(たと
えば、図4のS24)である。このような構成であっても、所定条件が成立したか否かの
判定を効率的に実行することができる。
【0127】
(4-1) また、遊技者所有の遊技用価値を記憶する記憶手段を備える。記憶手段は
、たとえば、ベットカウンタ、およびクレジットカウンタである。返却操作(たとえば、
精算スイッチ9への操作)がされたときに、記憶手段の記憶状態を判定する。返却操作と
は、記憶手段に記憶されている遊技用価値を返却する返却制御(たとえば、精算処理)を
実行させるための操作である。記憶手段の記憶状態が返却制御の実行が可能な可能状態(
遊技用価値がベットカウンタおよびクレジットカウンタのうちの少なくとも一方に記憶さ
れている状態)であることが判定されたときには(たとえば、図7のS302でYESと
判断されたとき)、返却制御を実行する。一方、記憶手段の記憶状態が返却制御の実行が
不可能な不可能状態(遊技用価値がベットカウンタおよびクレジットカウンタのうちのい
ずれにも記憶されていない状態)であることが判定されたときには、該返却制御を実行し
ない(たとえば、図7のS302でNOと判断されたときには、S306に示すように精
算処理を実行しない)。
【0128】
このような構成によれば、記憶手段の記憶状態の判定は、返却操作がされたと判定され
たときに実行される。つまり、返却操作がされなかったときには、記憶手段の記憶状態の
判定は実行されない。したがって、返却操作が実行されるか否かに関わらず、記憶手段の
記憶状態を判定する従来のスロットマシンと比較して、記憶手段の記憶状態の判定を効率
的に実行することができる。
【0129】
(4-2) 記憶手段の記憶状態が、可能状態として第1可能状態(たとえば、図4
S30に示すようにベットカウンタが1以上である)であると判断されたときには、第1
返却処理(たとえば、図4のS40のベットカウンタ精算処理)を実行する。一方、記憶
手段の記憶状態が、可能状態として第2可能状態(たとえば、図4のS30に示すように
クレジットカウンタが1以上である)であると判断されたときには、第2返却処理(たと
えば、図4のS42のクレジットカウンタ精算処理)を実行する。
【0130】
このような構成によれば、記憶手段の記憶状態に応じて異なる返却制御を実行すること
から、多様な返却制御を実行できる。
【0131】
(5-1) また、図4のS24、S26、S28、S30、およびS32にも示した
ように、各操作部の判定の優先度については、設定確認スイッチ10>スタートスイッチ
7>ベットスイッチ6>精算スイッチ9の順序になっている。この理由について説明する
。まず、設定確認スイッチ10が、他の3つの操作部(スタートスイッチ7、ベットスイ
ッチ6、精算スイッチ9)よりも優先度が高い理由について説明する。
【0132】
設定確認スイッチ10は、店員などが設定値を確認するために操作する操作部である。
一方、他の3つの操作部は、遊技に関する操作部である。設定値は、スロットマシンの有
利度に基づく値であることから重要な値である。そうすると、該設定値を確認するという
行為は、遊技を行うという行為と比較して、重要な行為であるといえる。したがって、設
定値を確認するための設定確認スイッチ10は、他の3つの操作部(スタートスイッチ7
、ベットスイッチ6、精算スイッチ9)よりも優先度が高いようになっている。
【0133】
また、図4のS22~S42などにも示したように、4つの操作部のうち複数の操作部
それぞれの操作がされたとしても、該複数の操作部のうち優先度が高い操作部に応じた処
理が実行され、他の操作部に応じた処理は実行されない。
【0134】
仮に、スタートスイッチ7の方が、設定確認スイッチ10よりも優先度が高い場合にお
いて、設定確認状態に移行させようと思っている店員が、前面扉を開放し、設定確認スイ
ッチ10を操作したときに、誤って他の操作部(たとえば、スタートスイッチ7)を操作
したときには、スタートスイッチ7に応じた処理が実行され、かつ設定確認処理が実行さ
れなくなってしまう。そうすると、店員は、再び、設定確認スイッチ10を操作する必要
があることから、設定確認処理の実行の観点で、店員などの利便性が低下してしまう。
【0135】
一方、設定確認スイッチ10の方が、スタートスイッチ7よりも優先度が高い構成とす
ることにより、誤って他の操作部(たとえば、スタートスイッチ7)を操作されても、ス
タートスイッチ7に応じた処理は実行されず、かつ設定確認処理を実行することができる
。よって、設定確認処理の実行の観点で、店員などの利便性が向上させることができる。
【0136】
次に、スタートスイッチ7が、ベットスイッチ6よりも優先度が高い理由について説明
する。スタートスイッチ7は、ゲームを開始させるための直接的な契機となる操作部であ
る。一方、ベットスイッチ6は、ゲームを開始可能とする状態とさせる契機となる操作部
であり、つまり、ベットスイッチ6は、ゲームを開始させるための間接的な契機となる操
作部である。ゲームを開始させるための直接的な契機となる操作部であるスタートスイッ
チ7を、ゲームを開始させるための間接的な契機となる操作部であるベットスイッチ6よ
りも優先度を高くすることで、遊技者になるべく多くの遊技を行わせることができる。
【0137】
次に、遊技の開始に関する操作部であるスタートスイッチ7およびベットスイッチ6の
方が、遊技を終了させる操作部である精算スイッチ9よりも優先度が高い理由を説明する
。遊技の開始に関する操作部であるベットスイッチ6の優先度を高くすることにより、遊
技の開始に関する操作をより反映させやすくすることができる。したがって、遊技者にな
るべく多くの遊技を行わせることができる。
【0138】
(5-2) 以下では、1バイト(8ビット)の上位1ビット目からのビット位置の数
をビット番号という。たとえば、上位1ビット目のビットのビット番号は「1」であり、
上位2ビット目のビットのビット番号は「2」であり、上位3ビット目のビットのビット
番号は「3」であり、上位4ビット目のビットのビット番号は「4」である。
【0139】
S24~S28に示すように、S24では、演算後データの1ビット目が「1」である
か否かを判断し、S26では、演算後データの2ビット目が「1」であるか否かを判断し
、S28では、演算後データの3ビット目が「1」であるか否かを判断する。このように
、本実施形態では、「1」であるか否かを判断するビット番号は、S24、S26、S2
8それぞれにおいて、連続している番号(連番)となっている。これにより、遊技開始待
ち処理のプログラムでのS24、S26、およびS28それぞれに対応する処理において
、「1」であるか否かを判断するビット番号が連続している。したがって、プログラムの
設計者などに、S24、S26、およびS28のプログラムの確認をさせ易くすることが
できる。
【0140】
(5-3) また、本実施形態では、4つの操作部(複数の操作部)のうち、優先度が
低い操作部(本実施形態では、精算スイッチ9)への操作がされたか否かの判断は実行さ
れていない。図4のS24、S26、およびS28の例では、「設定確認スイッチ、スタ
ートスイッチ、およびベットスイッチ(3つの操作部)」の操作については判断されてい
る一方、精算スイッチへの操作については判断されていない。これは、操作されたか否か
の判定対象となる操作部は4つの操作部としており、該4つの操作部への操作のうち有効
な操作があると判断されて(S22でYES)、かつ、3つの操作部については有効な操
作がない(S28でNO)とは判断された場合には、精算スイッチが操作されたと推定さ
れることに基づく。
【0141】
このように、本実施形態では、4つの操作部(複数の操作部)のうち、優先度が低い操
作部の判断を実行しないことから、該判断を実行するスロットマシンと比較して、該判断
の処理を削減できる。
【0142】
(5-4) また、図4で説明したように、S6でYESと判断されたときには、S8
~S16の処理が実行される。一方、S8の処理の前にS6でYESと判断されたときに
は、S8~S16の処理を実行せずに、S18の処理に進む。したがって、「S6でYE
Sと判断されたときにS8~S16の処理を実行する遊技機」と比較して、処理を削減で
きる。
【0143】
[変形例]
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発
明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
【0144】
(1) クレジットカウンタが記憶している遊技用価値の値と、ベットカウンタが記憶
している遊技用価値の値とが共に1以上である場合において、クレジットカウンタの精算
処理(返却処理)と、ベットカウンタの精算処理(返却処理)とについては、以下の(ア
)~(カ)の処理を実行することができる。また、下記の下皿とは、スロットマシンの下
部に設置されている返却メダル受部(特に図示せず)をいう。払出とは、該下皿にメダル
を返却する(払出す)処理である。
(ア) 1回目の精算スイッチ9への操作でベットカウンタの値に応じたメダルを払出し
、2回目の精算スイッチ9への操作でクレジットカウンタの値に応じたメダルを払出す。
(イ) 1回目の精算スイッチ9への操作でクレジットカウンタの値に応じたメダルを払
出し、2回目の精算スイッチ9への操作でベットカウンタの値に応じたメダルを払出す。
(ウ) 1回目の精算スイッチ9への操作でベットカウンタの値に応じたメダルをクレジ
ットカウンタに加算し、2回目の精算スイッチ9への操作でクレジットカウンタ(該加算
されたクレジットカウンタ)の値に応じたメダルを払出す。
(エ) 1回の精算スイッチ9への操作でベットカウンタの値に応じたメダルを払出し、
該払出が終了したときにクレジットカウンタの値に応じたメダルを払出す。
(オ) 1回の精算スイッチ9への操作でクレジットカウンタの値に応じたメダルを払出
し、該払出が終了したときにベットカウンタの値に応じたメダルを払出す。
(カ) 1回の精算スイッチ9への操作でベットカウンタの値に応じたメダルをクレジッ
トカウンタに加算し、該払出が終了したときにクレジットカウンタ(該加算されたクレジ
ットカウンタ)の値に応じたメダルを払出す。
【0145】
なお、本実施形態の返却処理は、(ア)に相当する。本実施形態では、(ア)~(カ)
のいずれの構成を採用した場合であっても、本実施形態で説明した効果を奏するスロット
マシンを構成することができる。
【0146】
(2) 本実施形態の精算処理は、物理的な遊技媒体として遊技用価値を返却する返却
処理であるとして説明した。しかしながら、精算処理は、遊技者が保有している遊技用価
値を返却する処理であれば、他の処理としてもよい。たとえば、遊技者が保有している遊
技用価値は、持点であるとしてもよい。持点は、スロットマシンでのメダルに相当するも
の、後述のパチンコ遊技機でのパチンコ玉に相当するもの、ポイントに相当するものでも
よい。ポイントとは、たとえば、所定量に到達することにより、所定の特典(たとえば、
遊技機が採用しているキャラについての携帯電話用の壁紙)が付与されるものである。
【0147】
また、精算処理は、遊技用価値を所定の記憶媒体(たとえば、遊技用カード)に記憶さ
せ、該記憶させた遊技用カードを遊技者に付与する処理としてもよい。
【0148】
(3) 本実施形態では、各用語と、実施形態の事項との対応関係は一例として以下の
ようになる。
【0149】
第1操作・・・スタートスイッチ7への操作
第2操作・・・ベットスイッチ6への操作
所定操作・・・精算スイッチ9への操作
特定操作・・・スタートスイッチ7への操作、ベットスイッチ6への操作
返却操作・・・精算スイッチ9への操作
第1条件・・・賭数未設定となる条件(S10)
第2条件・・・賭数設定済となる条件(S10)
特別条件、特定条件・・・投入メダルが通過中であるという条件(S6)
所定条件・・・ベットカウンタおよびクレジットカウンタのいずれにも遊技用価値が記
憶されていないという条件
この対応関係での第1操作、第2操作、所定操作、特定操作、第1条件、第2条件、特
別条件、特定条件、および所定条件のうち少なくとも1は、他の事項としてもよい。また
、この対応関係での第1操作、第2操作、所定操作、特定操作、および「これらの操作と
は異なる操作」は全て異なる操作としてもよい。また、この対応関係での第1操作、第2
操作、所定操作、特定操作、および「これらの操作とは異なる操作」のうちの少なくとも
2つはそれぞれ同じ操作としてもよい。また、この対応関係での第1条件、第2条件、特
別条件、特定条件、所定条件、および「これらの条件とは異なる条件」は全て異なる条件
としてもよい。また、この対応関係での第1条件、第2条件、特別条件、特定条件、所定
条件、および「これらの条件とは異なる条件」のうちの少なくとも2つはそれぞれ同じ条
件としてもよい。このような構成であっても、本実施形態と同様の効果を奏する。
【0150】
(4) 本実施形態では、上述の技術思想をスロットマシンに適用した例を説明した。
しかしながら、上述の技術思想は、他の遊技機に適用するようにしてもよい。たとえば、
上述の技術思想は、パチンコ遊技機に適用するようにしてもよい。以下、上述の技術思想
は、パチンコ遊技機に適用した例について説明する。
【0151】
たとえば、パチンコ遊技機の遊技領域の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成
された演出表示装置が設けられている。遊技球が所定の入賞口に入賞すると、特別変動表
示装置が特別図柄を変動表示させると共に、演出表示装置では、該特別図柄に同期した演
出図柄(飾り図柄)の変動表示が行われる。また、パチンコ遊技機において、店員、遊技
者などが操作可能な操作部は、操作ハンドルと、十字キーと、スティックコントローラと
、設定確認スイッチと、精算スイッチなどを含む。操作ハンドルは、パチンコ玉(遊技媒
体)を遊技領域に打ち込むために操作される操作部である。十字キーは、複数の項目が表
示される第1メニュー画面において、該項目を選択するために操作される操作部である。
十字キーは、複数の項目が表示されている第1メニュー画面が表示されているときに、操
作が有効となる第1操作部である。スティックコントローラは、メニュー画面内での音声
調節画面が表示されている第2メニュー画面が表示されているときに、音声調節を行う操
作部である。スティックコントローラは、メニュー画面内での音声調節画面が表示されて
いる第2メニュー画面が表示されているときに、操作が有効となる第2操作部である。ま
た、メニュー画面は、第1メニュー画面と第2メニュー画面とを含むとする。演出用スイ
ッチは、第1メニュー画面で選択された項目を決定するための操作部であるとともに、第
2メニュー画面で選択された音量を決定するための操作部である。また、演出用スイッチ
は、該演出用スイッチの操作を促進する促進演出実行中に操作される操作部でもある。演
出用スイッチを第3操作部ともいう。設定確認スイッチは、設定確認処理を実行するため
の操作部である。精算スイッチは、遊技者所有の遊技用価値を遊技者に返却するための操
作部である。また、精算スイッチは、パチンコ遊技機において遊技用価値が存在する場合
に、有効な操作部となる。
【0152】
このように、本実施形態の思想をパチンコ遊技機に適用した場合の各用語と、実施例の
事項との対応関係は一例として以下のようになる。
【0153】
第1操作・・・第1操作部(十字キー)への操作
第2操作・・・第2操作部(スティックコントローラ)への操作
所定操作・・・第3操作部(演出用スイッチ)への操作
特定操作・・・第1操作部(十字キー)、第2操作部(スティックコントローラ)への
操作
返却操作・・・精算スイッチへの操作
第1条件・・・第1メニュー画面が表示されていないという条件
第2条件・・・第2メニュー画面が表示されていないという条件
特別条件、特定条件・・・メニュー画面が表示されていないという条件
所定条件・・・メニュー画面が表示されていないという条件
このような対応付けが行われたパチンコ遊技機において、上述の実施形態で説明した技
術思想のうち少なくとも一部の技術思想を適用することにより、本実施形態と同様の効果
を奏する。
【0154】
(5) 本実施形態では、S6において、NOと判断されたときに、精算スイッチが有
効に設定されるとして説明した。しかしながら、S6において、NOと判断されたときに
おいて、クレジットカウンタおよびベットカウンタのうちの少なくとも一方が1以上の値
であることを条件に、精算スイッチを有効に設定するようにしてもよい。
【0155】
(6) 本実施形態では、第1条件の種類数は、1種類(賭数未設定となる条件)とし
てもよく、2種類(賭数未設定となる条件と、投入メダルが検出される条件)としてもよ
いとして説明した。しかしながら、第1条件の種類数は3種類以上としてもよい。第2条
件の種類数は、1種類(賭数設定済となる条件)としてもよく、2種類(賭数設定済とな
る条件と、投入メダルが検出される条件)としてもよいとして説明した。しかしながら、
第2条件の種類数は3種類以上としてもよい。
【0156】
(7) また、図4のS22の処理を実行しないようにしてもよい。このような構成に
よれば、S22の処理について処理負担を軽減できる。
【0157】
(8) 本実施形態では、演算後データについて、「1」であるか否かを判断するビッ
トのビット番号が、S24、S26、S28でそれぞれ、1、2、3であるとして説明し
た。しかしながら、該ビット番号は、連番であればよく、たとえば、3、2、1としても
よい。また、「1」であるか否かを判断するビットのビット番号が、S24、S26、S
28でそれぞれ、連番でなくてもよく、たとえば、3、1、2としてもよい。
【0158】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えら
れるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され
、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【符号の説明】
【0159】
1 スロットマシン、7 スタートスイッチ、10 設定確認スイッチ、41 メイン
制御部、91 サブ制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7