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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】多方向入力装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 25/06 20060101AFI20220628BHJP
【FI】
H01H25/06 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018131945
(22)【出願日】2018-07-12
(65)【公開番号】P2020009703
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】浅野 光宏
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-207634(JP,A)
【文献】実開昭64-035639(JP,U)
【文献】米国特許第09052736(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 25/04
25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
第1方向に交差する第2方向に延びる有底のガイド溝を有し、前記ガイド溝が上方向に凸の略凸球面状又は略凸円筒状の内底面を有しており、前記ケースの内部に前記第1方向に円弧状に移動可能且つ前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向に押下移動可能に保持された第1連動部材と、
前記第1連動部材に交差し、前記第1方向に延びた長孔を有し、前記ケースの内部に前記第2方向に円弧状に移動可能に保持された第2連動部材と、
前記第1連動部材の前記ガイド溝の前記内底面上にスライド可能に支持されて前記ガイド溝の内部から前記第2連動部材の前記長孔を貫通して前記ケースの外部に突出された操作部材と、
前記操作部材の前記第1方向の移動に伴って前記第1方向に円弧状に移動する前記第1連動部材の移動方向及び移動量を検出可能な第1検出部と、
前記操作部材の前記第2方向の移動に伴って前記第2方向に円弧状に移動する前記第2連動部材の移動方向及び移動量を検出可能な第2検出部と、
前記操作部材の前記第3方向の押下移動に伴って前記第1連動部材の前記第2方向の一端側を支えて前記第1連動部材の前記第2方向の他端側を前記第3方向に押下移動可能とするてこ支点部と、
前記ケースの内部の前記第1連動部材の前記第2方向の他端側の押下移動側に前記第3方向に押下移動可能に保持されたプッシャと、
前記プッシャの押下移動側に配置されており、メタルドームを基板上に設置し、前記基板上に形成されたスイッチ回路をオン/オフする押下スイッチからなり、前記操作部材の押下移動を検出可能な第3検出部とを備えた多方向入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多方向入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の多方向入力装置としては特許文献1、2に記載されたものがある。特許文献1に記載の多方向入力装置は、台座と、操作レバーと、第1、第2連動部材と、第1、第2検出部とを備えている。
【0003】
台座が略凸球面状の支持面を有し、操作レバーは、台座の支持面にスライド可能に支持されている。
【0004】
第1連動部材は、第1方向に交差する第2方向に延びた長孔を有し、その長孔を介して操作レバーに貫通されており、操作レバーの第1方向の移動に伴ってその第1方向に円弧状に移動可能である。
【0005】
第2連動部材は、第1連動部材に交差し、第1方向に延びた長孔を有し、その長孔を介して操作レバーに貫通されており、操作レバーの第1方向に交差する第2方向の移動に伴ってその第2方向に円弧状に移動可能である。
【0006】
第1検出部は、第1連動部材の移動方向及び移動量を検出している。第2検出部は、第2連動部材の移動方向及び移動量を検出している。
【0007】
操作レバーは、第1方向及び第2方向に略直角に交差する第3方向に押下移動可能である。台座は、押下移動した操作レバーによって押下移動可能である。そして、第3検出部をさらに備えている。
【0008】
第3検出部は、台座の押下移動側に配置されており、メタルドームを基板上に設置し、その基板上に形成されたスイッチ回路をオン/オフする押下スイッチからなり、操作レバーの押下移動を検出している。
【0009】
一方、特許文献2に記載の多方向入力装置は、ケースと、操作部材と、第1、第2回動部材と、第1、第2検出部とを備えている。
【0010】
操作部材は、ケースの内部から外部に突出され、その状態で傾倒可能である。
【0011】
第1回動部材は、第1回動軸とを有し、操作部材の傾倒動作に応じて第1回動軸回りに回動するようにケースの内部に保持されていると共に、凹状の嵌合部を有し、嵌合部に操作部材の支点部が第1回動軸の軸回りの回動を規制し且つ第1回動軸と直交する方向に延在する第2回動軸回りの回動を許容した状態で支持されている。
【0012】
第2回動部材は、第2回動軸を有し、操作部材の傾倒動作に応じて第2回動軸回りに回動するようにケースの内部に保持されていると共に、第2回動軸の軸方向に延びる長孔を有し、その長孔を介して操作部材に貫通されている。
【0013】
第1検出部は、第1回動部材の回動方向及び回動量を検出している。第2検出部は、第2回動部材の回動方向及び回動量を検出している。
【0014】
操作部材は、第1可動部材を押下移動させるように押下移動可能である。第1可動部材は、操作部材の押下移動に伴って第1回動軸の軸方向の一端側を支点に他端側を押下移動可能にケースの内部に支持されている。そして、ケースの内部に第1可動部材の他端側の押下移動側に押下移動可能に保持されたプッシャと、第3検出部とをさらに備えている。
【0015】
第3検出部は、プッシャの押下移動側に配置されており、メタルドームを基板上に設置し、その基板上に形成されたスイッチ回路をオン/オフする押下スイッチからなり、操作部材の押下移動を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】特開2015-135732号公報
【文献】特開2016-207634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
一般的に、この種の多方向入力装置は、携帯通信端末やゲーム機のコントローラ等に搭載される。多方向入力装置は、携帯通信端末やゲーム機のコントローラの多機能化や小型化に伴って、小型化が要求されている。
【0018】
特許文献1に記載の多方向入力装置は、操作レバーが台座の略凸球面状の支持面上をスライドするので、操作レバーの移動量(回動半径)を増やしても製品全高を抑えられるが、操作レバーが第1連動部材を貫通して台座を介してメタルドームを押下するので、第1連動部材の強度を十分に確保できず、装置の耐久性も低くなる(特許文献2に記載の多方向入力装置に比べて)。
【0019】
また、操作レバーに印加された押下力が台座を介してそのままメタルドームに伝達されるので、メタルドームを押下した際の荷重変化が小さく、押下スイッチの操作感が悪い(特許文献2に記載の多方向入力装置に比べて)という問題があった。
【0020】
一方、特許文献2に記載の多方向入力装置は、第1回動部材が凹状の嵌合部を有し、その嵌合部に操作部材の下端が第1回動軸の軸回りの回動を規制し且つ第1回動軸と直交する方向に延在する第2回動軸回りの回動を許容した状態で支持されており、操作部材が第1回動部材を貫通していないので、第1回動部材の強度を高く保つことができ、装置の耐久性も高くすることができる(特許文献1に記載の多方向入力装置に比べて)。
【0021】
また、操作部材に印加された押下力が第1回動部材及びプッシャを介してメタルドームに伝達される際に、第1回動部材が「てこ」として機能し、操作部材に印加された押下力よりも小さい力が可動接点に伝達されるので、メタルドームを押下した際の荷重変化が大きく、高いクリック感を得ることができる(特許文献1に記載の多方向入力装置に比べて)。
【0022】
このように特許文献2に記載の多方向入力装置は、特許文献1に記載の多方向入力装置の前記問題は解決できたものの、操作部材が第1回動部材の嵌合部に支持されている操作部材の支点部を中心に回動するので、操作部材の移動量(回動半径)を増やすと、その分だけ製品全高も増えてしまう(特許文献2に記載の多方向入力装置に比べて)という問題があった。
【0023】
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするとことは、操作部材の移動量(回動半径)を増やしても製品全高が抑えられ且つ製品耐久性が高く、押下スイッチの操作感も良い多方向入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記課題を解決するために、本発明の多方向入力装置は、ケースと、第1連動部材と、第2連動部材と、操作部材と、第1、第2検出部と、てこ支点部と、プッシャと、第3検出部とを備えている。
【0025】
前記第1連動部材は、第1方向に交差する第2方向に延びる有底のガイド溝を有し、前記ガイド溝が略凸球面状又は略凸円筒状の内底面を有しており、前記ケースの内部に前記第1方向に円弧状に移動可能且つ前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向に押下移動可能に保持されたものである。
【0026】
前記第2連動部材は、前記第1連動部材に交差し、前記第1方向に延びた長孔を有し、前記ケースの内部に前記第2方向に円弧状に移動可能に保持されたものである。
【0027】
操作部材は、前記第1連動部材の前記ガイド溝の前記内底面上にスライド可能に支持されて前記ガイド溝の内部から前記第2連動部材の前記長孔を貫通して前記ケースの外部に突出されたものである。
【0028】
第1検出部は、前記操作部材の前記第1方向の移動に伴って前記第1方向に円弧状に移動する前記第1連動部材の移動方向及び移動量を検出可能なものである。
【0029】
第2検出部は、前記操作部材の前記第2方向の移動に伴って前記第2方向に円弧状に移動する前記第2連動部材の移動方向及び移動量を検出可能なものである。
【0030】
てこ支点部は、前記操作部材の前記第3方向の押下移動に伴って前記第1連動部材の前記第2方向の一端側を支えて前記第1連動部材の前記第2方向の他端側を前記第3方向に押下移動可能とするものである。
【0031】
プッシャは、前記ケースの内部の前記第1連動部材の前記第2方向の他端側の押下移動側に前記第3方向に押下移動可能に保持されたものである。
【0032】
第3検出部は、前記プッシャの押下移動側に配置されており、メタルドームを基板上に設置し、前記基板上に形成されたスイッチ回路をオン/オフする押下スイッチからなり、前記操作部材の押下移動を検出可能なものである。
【0033】
このような態様の多方向入力装置は、以下の技術的特徴を有している。
【0034】
操作部材が第1連動部材の有底のガイド溝の略凸球面状又は略凸円筒状の内底面上をスライドするので、操作部材の移動量(回動半径)を増やしても製品全高を抑えられる。
【0035】
操作部材が第1連動部材を貫通していないので、第1連動部材の強度を高く保つことができ、装置の耐久性も高くすることができる。
【0036】
操作部材に印加された押下力が第1連動部材及びプッシャを介してメタルドームに伝達される際に、第1連動部材が「てこ」として機能し、操作部材に印加された押下力よりも小さい力がメタルドームに伝達されるので、メタルドームを押下した際の荷重変化が大きく、高いクリック感を得ることができる。
【0037】
したがって、操作部材の移動量(回動半径)を増やしても製品全高が抑えられ、且つ製品耐久性が高く、押下スイッチの操作感も良い多方向入力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の実施例1に係る多方向入力装置の平面(上面)、正面(前側面)及び左側面を表した斜視図である。
図2】前記多方向入力装置の底面(下面)、背面(後側面)及び右側面を表した斜視図である。
図3】前記多方向入力装置の平面図であって、当該多方向入力装置のカバーが透明化(二点鎖線)された図である。
図4】前記多方向入力装置の図3中A-A断面図である。
図5】前記多方向入力装置の図3中B-B断面図である。
図6】前記多方向入力装置の図3中D-D断面図である。
図7】前記多方向入力装置の図3中I-I断面図である。
図8】前記多方向入力装置の図3中H-H断面図である。
図9】前記多方向入力装置の図3中E-E断面図である。
図10】前記多方向入力装置の図3中C-C断面図である。
図11】前記多方向入力装置の図3中のF-F断面図である。
図12】前記多方向入力装置の図3中G-G断面図である。
図13】前記多方向入力装置の平面、背面及び右側面を表した斜視図であって、当該多方向入力装置のカバー、フレームが除去された図である。
図14】前記多方向入力装置の平面、正面及び左側面を表した斜視図であって、当該多方向入力装置のカバー、フレームが除去された図である。
図15】前記多方向入力装置の平面、正面及び左側面を表した斜視図であって、図14中の第2連動部材が除去された図である。
図16】前記多方向入力装置の平面、正面及び左側面を表した斜視図であって、図15中の操作部材が除去された図である。
図17】前記多方向入力装置の平面、正面及び左側面を表した斜視図であって、図16中の第1連動部材が除去された図である。
図18】前記多方向入力装置の平面、正面及び左側面を表した斜視図であって、図17中の台座が除去された図である。
図19】前記多方向入力装置の平面、正面及び左側面を表した斜視図であって、図18中の付勢部材及びボディが除去された図である。
図20】前記多方向入力装置の平面、正面及び左側面を表した斜視図であって、図19中の第1、第2スライダ及びプッシャが除去された図である。
図21】前記多方向入力装置の平面、正面及び左側面を表した斜視図であって、図20中の第1、第2接触子及びメタルドームが除去され、該多方向入力装置のフレームが表示された図である。
図22】前記多方向入力装置の平面、正面及び左側面を表した斜視図であって、図21中の基板が除去された図(前記多方向入力装置のフレームの平面、正面及び左側面を表した斜視図)である。
図23】前記多方向入力装置のボディの底面図である。
図24】前記多方向入力装置のカバーの底面、背面、左側面を表した斜視図である。
図25】前記多方向入力装置のカバーの底面、正面、右側面を表した斜視図である。
図26】前記多方向入力装置の第1、第2誘い機構の作用を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施例1に係る多方向入力装置について、図1図26を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0040】
図1図26に示す多方向入力装置は、操作部材200をその原点位置から離れるように周囲の任意方向に操作入力可能であると共に、Z2方向に操作入力可能な入力装置である。この入力装置は、ケース100と、操作部材200と、第1、第2連動部材300a、300bと、第1、第2スライダ400a、400bと、台座500と、基板600と、第1、第2、第3検出部700a、700b、700cと、プッシャ800と、付勢部材900と、第1、第2誘い機構10a、10bとを備えている。
【0041】
以下、前記多方向入力装置の各構成要素について詳しく説明する。なお、図1図26に示すX1-X2方向は、前記多方向入力装置の幅方向(左右方向)であり且つ特許請求範囲の第1方向に相当し、同じくY1-Y2方向は、前記多方向入力装置の奥行方向(前後方向)であり且つ特許請求範囲の第2方向に相当し、Z1-Z2方向は、多方向入力装置の高さ方向であり且つ特許請求範囲の第3方向に相当する。Y1-Y2方向はX1-X2方向に略直角に交差している。Z1-Z2方向は、Y1-Y2方向及びX1-X2方向に略直角に交差している。
【0042】
ケース100は、図1図5に良く示されているように、第1、第2連動部材300a、300bと、第1、第2スライダ400a、400bと、台座500と、基板600と、第1、第2、第3検出部700a、700b、700cと、プッシャ800と、付勢部材900と、第1、第2誘い機構10a、10bとを内部に収容可能であり、且つ、操作部材200を内部から外部に突出可能なものである。
【0043】
ケース100は、ボディ100aと、カバー100bと、フレーム100cとを有し、それらを組み合わせることによって、略矩形状の下面(Z2方向の端面)と、その下面の4辺からそれぞれ略直角に立ち上がる略矩形状の4側面(左側面、右側面、前側面及び後側面)(X1方向の端面、X2方向の端面、Y1方向の端面、Y2方向の端面)と、上方向(Z1方向)に凸の略ドーム形状の上面(Z1方向の端面)とを有する箱状に形成されている。
【0044】
ボディ100aは、図3図18図23に良く示されているように、絶縁性合成樹脂製で略直方体状に形成されている。ボディ100aは、カバー位置決め用の複数の凹部110aと、フレーム及び基板位置決め用の複数の凸部120aと、フレーム固定用の複数の係合凸部130aとを有している。
【0045】
凹部110aは、ボディ100aの上面(Z1方向の端面)の4つの角部に1つずつ設けられている。凸部120aは、ボディ100aの下面(Z2方向の端面)の対角方向に位置する2つの角部の内側に1つずつ設けられている。係合凸部130aは、ボディ100aの左側面(X1方向の端面)に前後方向(Y1-Y2方向)に2つ並べて設けられると共に、ボディ100aの右側面(X2方向の端面)にも前後方向(Y1-Y2方向)に3つ並べて設けられている。
【0046】
カバー100bは、図1図12図24図25に良く示されているように、絶縁性合成樹脂製で上方向(Z1方向)に凸の略ドーム状に形成されている。カバー100bは、ボディ100aの上面(Z1方向の端面)に配置されており、ボディ100aの上面(Z1方向の端面)を覆っている。
【0047】
カバー100bは、操作部材挿通用の開口110bと、ボディ接合用のフランジ部120bと、カバー位置決め用の複数の凸部130bと、カバー固定用の複数の係合凸部140b及び複数の係合凹部150bと、前記多方向入力装置を携帯通信端末やゲーム機のコントローラ等に取り付けるための製品取り付け用の複数のボス部160bとを有している。
【0048】
開口110bは、カバー100bの頂部(Z1方向の端部)に設けられた略円形状の貫通孔である。フランジ部120bは、カバー100bの下端部(Z2方向の端部)に略矩形枠状に形成されており、そのフランジ部120bの下面(Z2方向の端面)がボディ100aの上面(Z1方向の端面)に重ね合わされている。凸部130bは、フランジ部120bの下面(Z2方向の端面)の4つの角部に1つずつ設けられており、その凸部130bがボディ100aの凹部110aにそれぞれ嵌合されている。
【0049】
係合凸部140bは、フランジ部120bの前側面(Y1方向の端面)に左右方向(X1-X2)に3つ並べて設けられていると共に、フランジ部120bの後側面(Y2方向の端面)にも左右方向(X1-X2)に3つ並べて設けられている。係合凹部150bは、カバー100bのドーム形状部分の外面に略90度間隔に設けられており、フランジ部120bの上面(Z1方向の端面)の4つの角部を係合面とするものである。
【0050】
製品取り付け用の複数のボス部160bは、フランジ部120bの左側面(X1方向の端面)の前後方向(Y1-Y2方向)の両端部からそれぞれ左側(X1方向)に向かって突出して設けられていると共に、フランジ部120bの右側面(X2方向の端面)の前後方向(Y1-Y2方向)の中央部から右側(X2方向)に向かって突出して設けられている。
【0051】
フランジ部120bの左側面(X1方向の端面)の2つのボス部160bは、ケース100の左側面(X1方向の端面)から左側(X1方向)に向かって突出されている。フランジ部120bの右側面(X2方向の端面)の1つのボス部160bは、ケース100の右側面(X2方向の端面)から右側(X2方向)に向かって突出されている。ボス部160bにはそれぞれ止めネジ挿通用の略円形状の貫通孔161bが設けられている。
【0052】
フレーム100cは、図1図12図21図22に良く示されているように、板金製で略矩形状の金属板である。フレーム100cは、ボディ100aの下面(Z2方向の端面)に配置されており、ボディ100aの下面(Z2方向の端面)を覆っている。
【0053】
フレーム100cは、フレーム及び基板位置決め用の貫通孔110cと、フレーム固定用の複数の係合片120cと、カバー固定用の複数の係合片130c及び複数の係合片140cとを有している。貫通孔110cは、フレーム100cの対角方向に位置する2つの角部の内側に1つずつ設けられており、その貫通孔110cがボディ100aの凸部120aにそれぞれ嵌合されている。
【0054】
係合片120cは、フレーム100cの左側縁(X1方向の端縁)から略直角に折り曲げで立ち上げられて前後方向(Y1-Y2方向)に2つ並べて設けられると共に、フレーム100cの右側縁(X2方向の端縁)からも略直角に折り曲げで立ち上げられて1つ設けられており、左側(X1方向)の2つの係合片120cがボディ100aの左側面(X1方向の端面)に重ね合わされ、右側(X2方向側)の1つの係合片120cがボディ100aの右側面(X2方向の端面)に重ね合わされている。
【0055】
左側(X1方向側)の2つの係合片120cには、係合孔121cが1つずつ設けられており、その係合孔121cにボディ100aの左側面(X1方向の端面)の係合凸部130aがそれぞれ係合されている。右側(X2方向側)の1つの係合片120cには、係合孔121cが前後方向(Y1-Y2方向)に3つ並べて設けられており、その係合孔121cにボディ100aの右側面(X2方向の端面)の係合凸部130aがそれぞれ係合されている。
【0056】
係合片130cは、フレーム100cの前側縁(Y1方向の端縁)からそれぞれ略直角に折り曲げで立ち上げられて設けられると共に、フレーム100cの後側縁(Y2方向の端縁)からも略直角に折り曲げで立ち上げられており、前側(Y1方向側)の係合片130cがボディ100aの前側面(Y1方向の端面)及びカバー100bのフランジ部120bの前側面(Y1方向の端面)に重ね合わされ、後側(Y2方向側)の係合片130cがボディ100aの後側面(Y2方向の端面)及びカバー100bのフランジ部120bの後側面(Y2方向の端面)に重ね合わされている。
【0057】
前側(Y1方向側)の係合片130cには係合孔131cが左右方向(X1-X2方向)に3つ並べて設けられており、その係合孔131cにカバー100bのフランジ部120bの前側面(Y1方向の端面)の係合凸部140bがそれぞれ係合されている。後側(Y2方向側)の係合片130cにも係合孔131cが左右方向(X1-X2方向)に3つ並べて設けられており、その係合孔131cにカバー100bのフランジ部120bの後側面(Y2方向の端面)の係合凸部140bがそれぞれ係合されている。
【0058】
係合片140cは、前側(Y1方向側)の係合片130cの上端縁(Z1方向の端縁)の左右方向(X1-X2方向)の両端部からそれぞれ略直角に折り曲げで後側(Y2方向)に向かって突出した状態で設けられると共に、後側(Y2方向側)の係合片130cの上端縁(Z1方向の端縁)の左右方向(X1-X2方向)の両端部からもそれぞれ略直角に折り曲げで前側(Y1方向)に向かって突出した状態で2つ設けられており、前側の2つの係合片140cがカバー100bの前側(Y1方向)の2つの係合凹部150bに係合され、後側の2つの係合片140cがカバー100bの後側(Y2方向)の2つの係合凹部150bに係合されている。
【0059】
基板600は、図4図12図19図21に良く示されているように、略矩形状のFPCである。基板600は、ボディ100aの下面(Z2方向の端面)とフレーム100cの上面(Z1方向の表面)との間に挟み込まれた状態で配置されている。
【0060】
基板600は、開口610と、基板位置決め用の貫通孔620と、前記多方向入力装置が実装される電子機器の制御部等に接続可能な外部接続用のテール部630とを有している。
【0061】
開口610は、基板600の中央部に設けられた略円形状の貫通孔である。貫通孔620は、フレーム100cの対角方向に位置する2つの角部の内側に1つずつ設けられており、その貫通孔620がボディ100aの凸部120aにそれぞれ嵌合されている。テール部630は、基板600の左側縁(X1方向の端縁)の中央部から左側(X1方向)に略帯状に延出されており、そのテール部630がケース100の左側(X1方向)に引き出されている。
【0062】
以上のようにケース100は、カバー100bと、フレーム100c及び基板600とがボディ100aに対してそれぞれ位置決めされた状態で結合されて組み立てられている。
【0063】
そして、ボディ100aは、図3図18図23に良く示されているように、台座及び付勢部材収容用の開口140aと、第1スライダ収容用の第1収容部150aと、第2スライダ収容用の第2収容部160aと、第3検出部収容用の第3収容部170aと、プッシャ収容用の第4収容部180aと、てこ支点部190aと、第1ストッパ部191aと、一対の第2ストッパ部192aとを有している。
【0064】
開口140aは、ボディ100aの中央部を上下方向(Z1-Z2方向)に貫通した四角柱状の孔であって、カバー100bの内部に連通している。
【0065】
第1収容部150aは、開口140aより後側(Y2方向)にあるボディ100aに設けられている。第1収容部150aは、図4図6図23図26に良く示されているように、第1下移動路151aと、第1固定面152aと、第1上移動路153aとを有している。
【0066】
第1下移動路151aは、開口140aより後側(Y2方向)にあるボディ100aの下面(Z2方向の端面)に設けられている。第1下移動路151aは、左右方向(X1-X2方向)を長手方向とした略矩形状の有底の穴であり、その穴の略矩形状の平坦な底面、すなわち、第1下移動路151aの平坦な天面が第1固定面152aである。
【0067】
第1上移動路153aは、第1固定面152aの中央部に設けられている。第1上移動路153aは、左右方向(X1-X2方向)を長手方向とした略矩形状の孔であって、ボディ100aの上面(Z1方向の端面)に貫通して第1下移動路151aとカバー100bの内部とを連通接続している。
【0068】
第2収容部160aは、図5図10図23図26に良く示されているように、開口140aより左側(X1方向)にあるボディ100aに設けられている。第2収容部160aは、第2下移動路161aと、第2固定面162aと、第2上移動路163aとを有している。
【0069】
第2下移動路161aは、開口140aより左側(X1方向)にあるボディ100aの下面(Z2方向の端面)に設けられている。第2下移動路161aは、前後方向(Y1-Y2方向)を長手方向とした略矩形状の有底の穴であり、その穴の略矩形状の底面、すなわち、第2下移動路161aの天面が第2固定面162aである。
【0070】
第2上移動路163aは、第2固定面162aの中央部に設けられている。第2上移動路163aは、前後方向(Y1-Y2方向)を長手方向とした略矩形状の孔であって、ボディ100aの上面(Z1方向の端面)に貫通して第2下移動路161aとカバー100bの内部とを連通接続している。
【0071】
第3収容部170aは、図4図8図9図23に良く示されているように、開口140aとボディ100aの前側面(Y1方向の端面)との間にあるボディ100aの下面(Z2方向の端面)全面に設けられている。第3収容部170aは、左右方向(X1-X2方向)を長手方向とした略矩形状の有底の浅い穴である。
【0072】
第4収容部180aは、図4図9図23に良く示されているように、第3収容部170aである穴の略矩形状の底面、すなわち、第3収容部170aの天面の中央部に設けられている。第4収容部180aは、左右方向(X1-X2方向)を長手方向とした略矩形状の孔であって、ボディ100aの上面(Z1方向の端面)に貫通して第3収容部170aとカバー100bの内部とを連通接続している。
【0073】
てこ支点部190aは、図4図7図13に良く示されているように、開口140aと第1収容部150aの第1上移動路153aとの間にあるボディ100aの上面(Z1方向の端面)に設けられている。てこ支点部190aは、左右方向(X1-X2方向)を長手方向とした略矩形状の断面形状を有する上方向(Z1方向)に凸の板状に形成されている。てこ支点部190aの前側(Y1方向)の側面は、開口140aの後側(Y2方向)の周壁と同一平面内に配置されている。てこ支点部190aの突出端面は、前後方向(Y1-Y2方向)に延びる円筒面内に配置されている。
【0074】
第1ストッパ部191aは、図4図8図17図18に良く示されているように、開口140aと第3収容部170aとの間にあるボディ100aの上面(Z1方向の端面)に設けられている。第1ストッパ部191aは、開口140aを挟んでてこ支点部190aと前後対称位置に配置されている。第1ストッパ部191aは、左右方向(X1-X2方向)を長手方向とした略矩形状の断面形状を有する上方向(Z1方向)に凸の板状に形成されている。第1ストッパ部191aの後側(Y2方向)の側面は、開口140aの前側(Y1方向)の周壁と同一平面内に配置されている。第1ストッパ部191aの突出端面は、てこ支点部190aの突出端面が配置される円筒面と同軸上で前後方向(Y1-Y2方向)に延びる円筒面且つてこ支点部190aの突出端面が配置される円筒面よりも小径の円筒面上に配置されている。
【0075】
ボディ100aの上面(Z1方向の端面)からの第1ストッパ部191aの突出量よりもてこ支点部190aの突出量の方を多くしてある。
【0076】
一対の第2ストッパ部192aのうち一方の第2ストッパ部192aは、図5図11図15図18に良く示されているように、開口140aと第2収容部160aとの間にあるボディ100aの上面(Z1方向の端面)に設けられている。一方の第2ストッパ部192aは、前後方向(Y1-Y2方向)を長手方向とした略矩形状の断面形状を有する上方向(Z1方向)に凸の板状に形成されている。一方の第2ストッパ部192aの右側(X2方向)の側面は、開口140aの左側の周壁と同一平面内に配置されている。一方の第2ストッパ部192aの突出端面は、左右方向(X1-X2方向)に延びる円筒面内に配置されている。
【0077】
一対の第2ストッパ部192aのうち他方の第2ストッパ部192aは、図5図12図13図15図18に良く示されているように、開口140aとボディ100aの右側面(X2方向の端面)との間にあるボディ100aの上面(Z1方向の端面)に設けられている。他方の第2ストッパ部192aは、前後方向(Y1-Y2方向)を長手方向とした略矩形状の断面形状を有する上方向(Z1方向)に凸の板状に形成されている。他方の第2ストッパ部192aの左側(X1方向)の側面は、開口140aの右側の周壁と同一平面内に配置されている。他方の第2ストッパ部192aの突出端面は、一方の第2ストッパ部192aの突出端面が配置される円筒面と同一円筒面内に配置されている。
【0078】
ボディ100aの上面(Z1方向の端面)からの一対の第2ストッパ部192aの突出量は第1ストッパ部191aの突出量と同じである。
【0079】
カバー100bは、図24図25に良く示されているように、一対の第1ガイド部170bと、一対の第2ガイド部180bとを有している。
【0080】
一対の第1ガイド部170bのうち一方の第1ガイド部170bは、図4図6に良く示されているように、ボディ100aの第1収容部150aの上方(Z1方向)に設けられている。一方の第1ガイド部170bは、角(エッジ)171bと、規制面172bと、ガイド面173bとを有している。
【0081】
角171bは、てこ支点部190aの突出端面が配置される円筒面と同軸上で前後方向(Y1-Y2方向)に延びる円筒面且つてこ支点部190aの突出端面が配置される円筒面よりも大径の円筒面に沿って円弧状に形成されている。規制面172bは、角171bから下方向(Z2方向)に延びている。ガイド面173bは、角171bから前方向(Y1方向)に延びている。
【0082】
一対の第1ガイド部170bのうち他方の第1ガイド部170bは、図4図9に良く示されているように、第1ボディ100aの第4収容部180aの上方(Z1方向)に設けられている。他方の第1ガイド部170bは、角(エッジ)171bと、規制面172bと、ガイド面173bとを有している。
【0083】
角171bは、一方の第1ガイド部170bが配置される円筒面と同一円筒面に沿って円弧状に形成されている。規制面172bは、角171bから下方向(Z2方向)に延びている。ガイド面173bは、角171から後方向(Y2方向)に延びている。
【0084】
一対の第1ガイド部170bのうち一方の第1ガイド部170bと他方の第1ガイド部170bは前後方向(Y1-Y2方向)において対称形状である。
【0085】
一対の第2ガイド部180bは、図5図11図12に良く示されているように、一対の第2ストッパ部192aの上方(Z1方向)にそれぞれ設けられている。一対の第2ガイド部180bは、角(エッジ)181bと、規制面182bと、ガイド面183bとをそれぞれ有している。
【0086】
角181bは、一対の第2ストッパ部192aの突出端面が配置される円筒面と同軸上で左右方向(X1-X2方向)に延びる円筒面且つ一対の第2ストッパ部192aの突出端面が配置される円筒面よりも大径の円筒面に沿ってそれぞれ円弧状に形成されている。規制面182bは、角181bから下方向(Z2方向)にそれぞれ延びている。
【0087】
一対の第2ガイド部180bのうち左側(X1方向)の第2ガイド部180bのガイド面183bは、角181bから右方向(X2方向)に延びている。一対の第2ガイド部180bのうち右側(X2方向)の第2ガイド部180bのガイド面183bは、角181bから左方向(X1方向)に延びている。
【0088】
一対の第2ガイド部180bは左右方向(X1-X2方向)において対称形状である。
【0089】
付勢部材900は、図4図5図18に良く示されているように、圧縮コイルスプリングである。
【0090】
ケース100の内部おいて、図4図5に良く示されているように、基板600の開口610を通してボディ100aの開口140aに露出されているフレーム100cの中央部の上面(Z1方向の表面)に付勢部材900が載置され、その付勢部材900の上に台座500が載置され、それら付勢部材900と台座500がボディ100aの開口140aに配置されている。
【0091】
ケース100の内部おいて、図3図5に良く示されているように、台座500の上に第1連動部材300aが載置され、その第1連動部材300aを跨いだ状態で同じく台座500の上に第2連動部材300bが載置され、それら第1連動部材300aと第2連動部材300bがカバー100bの内側に配置され、付勢部材900の付勢力が台座500を介して第1連動部材300aと第2連動部材300bに伝達され、第1連動部材300aと第2連動部材300bが台座500を介して上方(Z1)方向に常時付勢されている。
【0092】
ケース100の内部おいて、第1スライダ400aは、図4図6図17図19図26に良く示されているように、第1収容部150aに左右方向(X1-X2方向)に移動可能に配置され、第2スライダ400bは、図5図10図14図19に良く示されているように、第2収容部160aに前後方向(Y1-Y2方向)に移動可能に配置され、第3検出部700cは、図4図8図9図19図20に良く示されているように、第3収容部170aに配置され、プッシャ800は、図4図9図14図18に良く示されているように、第4収容部180aに上下方向(ZI-Z2方向)に移動可能に配置されている。
【0093】
台座500は、図4図5図13図17に良く示されているように、絶縁性合成樹脂製で略矩形板状に形成されている。台座500は、ボディ100aの開口140aに傾動可能且つ上下方向(Z1-Z2方向)に移動自在に配置されている。台座500は、支持面510と、穴520とを有している。
【0094】
支持面510は、台座500の平坦な略矩形状の上面(Z1方向の端面)である。穴520は、台座500の平坦な略矩形状の下面(Z2方向の端面)に設けられた有底の略矩形状の穴であり、その穴の略矩形状の底面、すなわち、穴520の付勢部材900の上端面(Z1方向の端面)を当接させるように、穴520に付勢部材900の上端部(Z1方向の端部)が収容されている。
【0095】
付勢部材900の下端面(Z2方向の端面)は、基板600の開口610を通してボディ100aの開口140aに露出されているフレーム100cの中央部の上面(Z1方向の表面)に当接されている。
【0096】
第1連動部材300aは、図3図13図16に良く示されているように、絶縁性合成樹脂製で前後方向(Y1-Y2方向)に延びた部材である。第1連動部材300aは、ガイド溝310aと、当接面320aと、規制面331a、332aと、ガイド面341a、342aと、係合面351a、352aと、押圧面360aと、係合凸部370aとを有している。
【0097】
ガイド溝310aは、図3図5図13図16に良く示されているように、第1連動部材300aの上面(Z1方向の端面)の中央部に形成された有底の穴である。ガイド溝310aは、前後方向(Y1-Y2方向)に延びており、ガイド溝310aが上方向(Z1方向)に凸の略凸球面状の内底面311aを有している。
【0098】
当接面320aは、図4図8に良く示されているように、第1連動部材300aの平坦な下面(Z2方向の端面)であり、当接面320aが台座500の支持面510に当接し、付勢部材900によって第1連動部材300aが台座500を介して上方(Z1方向)に常時付勢されている。
【0099】
規制面331aは、図4図14図16に良く示されているように、第1連動部材300aの前端面(Y1方向の端面)であり、カバー100bの前側の第1ガイド部170bの規制面172bに対向している。規制面332aは、第1連動部材300aの後端面(Y2方向の端面)であり、カバー100bの後側の第1ガイド部170bの規制面172bに対向している。よって、第1連動部材300aの前後方向(Y1-Y2方向)の位置が一対の第1ガイド部170bのそれぞれの規制面172bの間で規制されている。
【0100】
ガイド面341aは、図4図8図9図14図16に良く示されているように、第1連動部材300aの上面(Z1方向の端面)の前端部(Y1方向の端部)であり、カバー100bの前側(Y1方向)の第1ガイド部170bのガイド面173bに下方向(Z2方向)から対向するように設けられると共に、そのガイド面173bが配置される円筒面と同一円筒面内に形成されている。
【0101】
ガイド面342aは、図4図6図7図13図16に良く示されているように、第1連動部材300aの上面(Z1方向の端面)の後端部(Y2方向の端部)であり、カバー100bの後側(Y2方向)の第1ガイド部170bのガイド面173bに下方向(Z2方向)から対向して配置されると共に、そのガイド面173bが配置される円筒面と同一円筒面内に形成されている。
【0102】
よって、付勢部材900の付勢力によって第1連動部材300aのガイド面341a、ガイド面342aがカバー100bの一対の第1ガイド部170bのガイド面173bにそれぞれ押し付けられた状態で、第1連動部材300aは、図5の仮想線に良く示されているように、台座500がフレーム100cや基板600に対して平行となる第1連動部材300aの初期位置から一対の第1ガイド部170bのガイド面173bに沿って左右方向(X1-X2方向)に円弧状に移動可能である。
【0103】
係合面351aは、図4図8に良く示されているように、第1連動部材300aの支持面510より前側(Y1方向)に位置する下面(Z2方向の端面)であり、ボディ100aの第1ストッパ部191aの突出端面に上方向(Z1方向)から対向するように設けられると共に、その第1ストッパ部191aの突出端面との間に隙間381を設けるように、その第1ストッパ部191aの突出端面が配置される円筒面よりも大径の円筒面内に形成されている。
【0104】
係合面352aは、図4図7に良く示されているように、第1連動部材300aの支持面510より後側(Y2方向)に位置する下面(Z2方向の端面)であり、ボディ100aのてこ支点部190aの突出端面に上方向(Z1方向)から対向するように設けられると共に、そのてこ支点部190aの突出端面との間に隙間382を設けるように、そのてこ支点部190aの突出端面が配置される円筒面よりも大径の円筒面内に形成されている。
【0105】
よって、付勢部材900の付勢力によって第1連動部材300aのガイド面341a、ガイド面342aがカバー100bの一対の第1ガイド部170bのガイド面173bにそれぞれ押し付けられた状態から、隙間381、382を介して係合面351aが第1ストッパ部191aの突出端面に係合(嵌合)且つ係合面351aがてこ支点部190aの突出端面に係合(嵌合)するまで、第1連動部材300aは下方向(Z2方向)に押下移動可能である。
【0106】
ここで、係合面352aとてこ支点部190aの突出端面との隙間382は、係合面351aと第1ストッパ部191aの突出端面との隙間381より小さく、第1連動部材300aは、てこ支点部190aの突出端面を支点として第1連動部材300aの前端部(Y1方向の端部)を下方向(Z2方向)に押下移動可能である。
【0107】
押圧面360aは、図4図9に良く示されているように、第1連動部材300aの係合面351aよりさらに前側(Y1方向)に位置する下面(Z2方向の端面)であり、ボディ100aの第1収容部150aの第1上移動路153aに上方向(Z1方向)から対向するように設けられると共に、その第1ストッパ部191aの突出端面が配置される円筒面よりも大径の円筒面内に形成されている。
【0108】
係合凸部370aは、図3図4図6図13に良く示されているように、短軸状に形成されている。係合凸部370aは、第1連動部材300aのガイド面342aの下部から後方向(Y2方向)に突出して設けられている。図5の仮想線に良く示されているように、第1連動部材300aの左右方向(X1-X2方向)の移動に伴って係合凸部370aも左右方向(X1-X2方向)に円弧状に移動可能である。
【0109】
第2連動部材300bは、図3図13図14に良く示されているように、絶縁性合成樹脂製で左右方向(X1-X2方向)に延びた部材である。第2連動部材300bは、長孔310bと、一対の脚部320bと、一対の規制面330bと、一対のガイド面340bと、一対の係合面350bと、係合凸部360bとを有している。
【0110】
長孔310bは、図3図5図13図14に良く示されているように、第2連動部材300bを上下方向(Z1-Z2方向)に貫通し且つ左右方向(X1-X1方向)に延びた略長円形状の孔である。
【0111】
一対の脚部320bのうち一方の脚部320bは、図5図7図8図10図11図13図14に良く示されているように、第2連動部材300bの左端部(X1方向の端部)から下方向(Z2方向)に延びた部分である。一対の脚部320bのうち他方の脚部320bは、図5図7図8図12図13図14に良く示されているように、第2連動部材300bの右端部(X2方向の端部)から下方向(Z2方向)に延びた部分である。一対の脚部320bの下面(Z2方向の端面)が第1連動部材300aの支持面10の左側(X1方向)及び右側(X2方向)において台座500の支持面510に当接されている。
【0112】
よって、第2連動部材300bは、一対の脚部320bを介して第1連動部材300aを跨いだ状態かつ第1連動部材300aに交差した状態で台座500の支持面510に載置され、付勢部材900によって第2連動部材300bが台座500を介して上方(Z1方向)に常時付勢されている。
【0113】
一対の規制面330bのうち一方の規制面330bは、図5図7図8図10図14に良く示されているように、左側(X1方向)の脚部320bの左側面(X1方向の端面)であり、カバー100bの左側(X1方向の端面)の第2ガイド部180bの規制面182bに対向している。一対の規制面330bのうち他方の規制面330bは、図5図7図8図13に良く示されているように、右側(X2方向)の脚部320bの右側面(X2方向の端面)であり、カバー100bの右側(X2方向の端面)の第2ガイド部180bの規制面182bに対向している。
【0114】
よって、第2連動部材300bの左右方向(X1-X2方向)の位置が一対の第2ガイド部180bのそれぞれの規制面182bの間で規制されている。
【0115】
一対のガイド面340bのうち一方のガイド面340bは、図5図11図13図14に良く示されているように、左側(X1方向)の脚部320bの上面(Z1方向の端面)であり、カバー100bの左側(X1方向の端面)の第2ガイド部180bのガイド面183bに下方向(Z2方向)から対向するように設けられると共に、そのガイド面183bが配置される円筒面と同一円筒面内に形成されている。
【0116】
一対のガイド面340bのうち他方のガイド面340bは、図5図12図13図14に良く示されているように、右側(X2方向)の脚部320bの上面(Z1方向の端面)であり、カバー100bの右側(X2方向の端面)の第2ガイド部180bのガイド面183bに下方向(Z2方向)から対向するように設けられると共に、そのガイド面183bが配置される円筒面と同一円筒面内に形成されている。
【0117】
よって、付勢部材900の付勢力によって第2連動部材300bの一対のガイド面340bがカバー100bの一対の第2ガイド部180bのガイド面183bにそれぞれ押し付けられた状態で、第2連動部材300bは、図4の仮想線に良く示されているように、台座500がフレーム100cや基板600に対して平行となる第2連動部材300bの初期位置から一対の第2ガイド部180bのガイド面183bに沿って前後方向(Y1-Y2)に円弧状に移動可能である。
【0118】
一対の係合面350bのうち一方の係合面350bは、図5図11に良く示されているように、左側(X1方向)の脚部320bの下面(Z2方向の端面)のうち台座500の支持面510から左側(X1方向)に外れ且つボディ100aの左側(X1方向)の第2ストッパ部192aの突出端面に上方(Z1方向)から対向する部分であり、その部分と第2ストッパ部192aの突出端面との間に隙間371が設けられている。
【0119】
一対の係合面350bのうち他方の係合面350bは、図5図12図13に良く示されているように、右側(X2方向)の脚部320bの下面(Z2方向の端面)のうち台座500の支持面510から右側(X2方向)に外れ且つボディ100aの右側(X2方向)の第2ストッパ部192aの突出端面に上方(Z1方向)から対向する部分であり、その部分と第2ストッパ部192aの突出端面との間に隙間372が設けられている。
【0120】
よって、付勢部材900の付勢力によって第2連動部材300bの一対のガイド面340bがカバー100bの一対の第2ガイド部180bのガイド面183bにそれぞれ押し付けられた状態から、隙間371、372を介して一対の係合面350bが一対の第2ストッパ部192aの突出端面に係合(嵌合)するまで、第2ストッパ部192aも下方向(Z2方向)に押下可能である。なお、隙間371、372は略同じである。
【0121】
係合凸部360bは、図3図5図10図14に良く示されているように、短軸状に形成されている。係合凸部360bは、第2連動部材300bの左側(X1方向)の脚部320bの左方向(X1方向の端面)に突出して設けられている。図4の仮想線に良く示されているように、第2連動部材300bの前後方向(Y1-Y2)の移動に伴って係合凸部360bも前後方向(Y1-Y2)に円弧上に移動可能である。
【0122】
操作部材200は、図4図5図13図15に良く示されているように、軸部210と、支持部220と、一対の係合面230と、取付穴240とを有している。
【0123】
支持部220は、図4図5図13図15に良く示されているように、第1連動部材300aのガイド溝310aに挿入されている。支持部220の下面(Z2方向の端面)は、ガイド溝310aの内底面311aに対応した上方向(Z1方向)に凸の略凸球面状である。
【0124】
支持部220の左右側面(X1-X2方向の端面)は、図5に良く示されているように、ガイド溝310aの左右側面(X1-X2方向の端面)に沿った平坦面である。支持部220の前後方向(Y1-Y2方向)の幅寸法は、図4に良く示されているように、第2連動部材300bの長孔310bの幅寸法よりも大きい。
【0125】
軸部210は、図1図15に良く示されているように、丸棒である。軸部210の外径は、図3図4に良く示されているように、第2連動部材300bの長孔310bの幅寸法と同じである。軸部210は、図1図3図5図13図14に良く示されているように、支持部220の上面(Z1方向の端面)から第2連動部材300bの長孔310bを貫通且つカバー100bの開口110bを挿通してケース100の上方(Z1方向)に突出されている。
【0126】
係合面230は、図4図15に良く示されているように、軸部210の下端部(Z2方向の端部)で前後方向(Y1-Y2方向)に張り出した支持部220の上面(Z1方向の端面)である。係合面230は、第2連動部材300bの長孔310bの周りにある下面(Z2方向の端面)に係合し、支持部220の抜け止めを行う。
【0127】
取付穴240は、図1図3図5図13図15に良く示されているように、軸部210に設けられ、円盤状のキートップをネジ止めに使用される。
【0128】
操作部材200は、図4の仮想線に良く示されているように、第1連動部材300aのガイド溝310aの内底面311a上にスライド可能に支持されており、図3図5に良く示されているように、第1連動部材300aと第2連動部材300bの両方が初期位置に位置しているときに、軸部210の軸芯が台座500の支持面510の中心を通る鉛直線上に位置する原点位置に保持される。
【0129】
操作部材200は、その原点位置から第1連動部材300a及び台座500と共に上下方向(Z1-Z2方向)に移動可能である。
【0130】
第1スライダ400aは絶縁合成樹脂製である。第1スライダ400aは、図4図6図19図26に良く示されているように、第1スライダ本体410aと、第1係合片420aと、第1係合溝430aと、第1収容穴440aと、第1係合凸部450aと、第1可動面460aとを有している。
【0131】
第1スライダ本体410aは、直方体状のブロックである。第1係合片420aは、第1スライダ本体410aの上面(Z1方向の端面)中央部に立設されている。第1係合溝430aは、第1係合片420aの上部に設けられている。第1収容穴440aは、第1スライダ本体410aの下面(Z2方向の端面)に設けられた有底の略矩形状の穴である。第1係合凸部450aは、第1収容穴440aの底面、すなわち、第1収容穴440aの天面の中央部から下方向(Z2方向)に突出した円柱である。
【0132】
第1スライダ400aは、第1スライダ本体410aを第1下移動路151aに収容すると共に、第1係合片420aを第1上移動路153aに挿通し、第1係合溝430aの上端(Z1方向の端部)をカバー100bの内部に突出した状態で、第1収容部150aに左右方向(X1-X2方向)に移動可能に配置されている。
【0133】
図3図4図6図13に良く示されているように、第1連動部材300aの係合凸部370aが第1スライダ400aの第1係合溝430aに上下方向(Z1-Z2方向)に移動自在に係合されている。第1連動部材300aが左右方向(X1-X2方向)に移動するとき、係合凸部370aに第1係合片420aが押圧されることによって、第1スライダ400aが左右方向(X1-X2方向)に移動可能となっている。
【0134】
第1可動面460aは、図4図6図19図26に良く示されているように、第1スライダ本体410aの平坦な上面(Z1方向の端面)である。第1可動面460aは、第1収容部150aの第1固定面152aと対向し且つ後述する第1接触子710aの弾性力によって第1固定面152aに弾性的に押し付いた状態で第1固定面152aに沿って左右方向(X1-X2方向)に摺動可能である。
【0135】
第2スライダ400bは、絶縁合成樹脂製である。第2スライダ400bは、図5図10図19図26に良く示されているように、第2スライダ本体410bと、第2係合片420bと、第2係合溝430bと、第2収容穴440bと、第2係合凸部450bと、第2可動面460bとを有している。
【0136】
第2スライダ本体410bは、直方体状のブロックである。第2係合片420bは、第2スライダ本体410bの上面(Z1方向の端面)中央部に立設されている。第2係合溝430bは、第2係合片420bの上部に設けられている。第2収容穴440bは、第2スライダ本体410bの下面(Z2方向の端面)に設けられた有底の略矩形状の穴である。第2係合凸部450bは、第2収容穴440bの底面、すなわち、第2収容穴440bの天面の中央部から下方向(Z2方向)に突出した円柱である。
【0137】
第2スライダ400bは、第2スライダ本体410bを第2下移動路161aに収容すると共に、第2係合溝430bを第2上移動路163aに挿通し、第2係合溝430bの上端(Z1方向の端部)をカバー100bの内部に突出した状態で、第2収容部160aに前後方向(Y1-Y2方向)に移動可能に配置されている。
【0138】
図3図5図10図14に良く示されているように、第2連動部材300bの係合凸部360bが第2スライダ400bの第2係合溝430bに上下方向(Z1-Z2方向)に移動自在に係合されている。第2連動部材300bが左右方向(X1-X2方向)に移動するとき、係合凸部360bに第1係合片420bが押圧されることによって、第2スライダ400bが前後方向(Y1-Y2方向)に移動可能となっている。
【0139】
第2可動面460bは、図5図10図19図26に良く示されているように、第2スライダ本体410bの平坦な上面(Z1方向の端面)である。第2可動面460bは、第2収容部160aの第2固定面162aと対向し且つ後述する第2接触子710bの弾性力によって第2固定面162aに弾性的に押し付いた状態で第2固定面162aに沿って前後方向(Y1-Y2方向)に摺動可能である。
【0140】
第1検出部700aは、第1スライダ400aの移動方向及び移動量を検出することによって、第1連動部材300aの移動方向及び移動量を検出可能な構成である。第1検出部700aは第1可変抵抗器であって、第1スライダ400aの移動方向及び移動量を抵抗値の変化として検出可能な構成となっている。
【0141】
第1検出部700aは、図20に良く示されているように、第1接触子710aと、第1抵抗回路720aとを有している。第1抵抗回路720aは、図19図21に良く示されているように、基板600の後端部(Y2方向の端部)上に形成されている。第1接触子710aは、金属板バネ片である。第1接触子710aは、図4図6図26に良く示されているように、第1スライダ400aの第1収容穴440aの天面(Z1方向の端面)に固着され、第1収容穴440aに収容されている。第1接触子710aは、図20に良く示されているように、第1抵抗回路720aに接触し、第1抵抗回路720aを導通させている。
【0142】
第1スライダ400aの左右方向(X1-X2方向)の移動に応じて、第1接触子710aが第1抵抗回路720a上を摺動可能である。第1接触子710aが第1抵抗回路720a上を摺動することによって、第1検出部700aの抵抗値が変化する。
【0143】
第2検出部700bは、第2スライダ400bの移動方向及び移動量を検出することによって、第2連動部材300bの移動方向及び移動量を検出可能な構成である。第2検出部700bは第2可変抵抗器であって、第2スライダ400bの移動方向及び移動量を抵抗値の変化として検出可能な構成となっている。
【0144】
第2検出部700bは、図20に良く示されているように、第2接触子710bと、第2抵抗回路720bとを有している。第2抵抗回路720bは、図19図21に良く示されているように、基板600の左端部(X1方向の端部)上に形成されている。第2接触子710bは、金属板バネ片である。第2接触子710bは、図5図10図26に良く示されているように、第2スライダ400bの第2収容穴440bの天面(Z1方向の端面)に固着され、第2収容穴440bに収容されている。第2接触子710bは、図20に良く示されているように、第2抵抗回路720bに接触し、第2抵抗回路720bを導通させている。
【0145】
第2スライダ400bの前後方向(Y1-Y2方向)の移動に応じて、第2接触子710bが第2抵抗回路720b上を摺動可能である。第2接触子710bが第2抵抗回路720b上を摺動することによって、第2検出部700bの抵抗値が変化する。
【0146】
第3検出部700cは、操作部材200の下方向(Z2方向)の押下移動(押し込み操作)を検出する押下スイッチである。第3検出部700cは、図4図8図9図19図21に良く示されているように、メタルドームシート710cと、スイッチ回路720cとを有している。
【0147】
メタルドームシート710cは、図4図8図9図19図20に良く示されているように、カバーシート711cと、メタルドーム712cとを有している。カバーシート711cは小判形片面粘着シートである。メタルドーム712cはドーム状金属板からなる可動接点である。カバーシート711cの下面(Z2方向の表面)にメタルドーム712cの上面(Z1方向の表面)が貼り付けされて、下面(Z2方向の表面)にメタルドーム712cが貼り付けされたメタルドームシート710cが形成されている。
【0148】
スイッチ回路720cは、図21に良く示されているように、中央固定接点721cと、外側固定接点722cとを有している。中央固定接点721cは、円形をなし、第3収容部170aの下面(Z2方向の端面)となる基板600の上面に形成されている。中央固定接点721cは、第4収容部180aの直下(Z2方向)に配置されている。外側固定接点722cは、中央固定接点721cを間隔を設けて囲むように馬蹄状をなし、基板600の上面(Z2方向の表面)に形成されている。
【0149】
図4図8図9図19図21に良く示されているように、第3収容部170aの下面(Z2方向の端面)となる基板600の上面にメタルドームシート710cが貼り付けされ、メタルドーム712cが中央固定接点721cを跨いだ状態で外側固定接点722c上に載置固定され、メタルドーム712cの左右方向(X1-X2方向)の両端部が外側固定接点722cと接触し、メタルドーム712cの中央部(頂部)(Z1方向の端面)が直下(Z2方向)の中央固定接点721cと隙間を設けて離反対向した状態となっている。
【0150】
プッシャ800は、操作部材200の押下移動を第1連動部材300aと共にメタルドーム712cの中央部(頂部)(Z1方向の端面)に伝達するための駆動部材である。プッシャ800は、図3図4図9図14図19に良く示されているように、絶縁性合成樹脂製で略矩形板状に形成されている。プッシャ800は、係合面810と、押圧部820とを有している。
【0151】
プッシャ800は、図4図9図14図18に良く示されているように、第4収容部180aに上下方向(Z1-Z2方向)に移動可能に嵌合保持されており、プッシャ800の上端面(Z1方向の端面)が第1連動部材300aの押圧面360aに対向し、プッシャ800の下端面(Z2方向の端面)がメタルドーム712cに対向している。
【0152】
係合面810は、図4図9図14図19に良く示されているように、プッシャ800の上端面(Z1方向の端面)であり、第1連動部材300aの押圧面360aが形成される円筒面と同一円筒面内に形成され、第1連動部材300aの押圧面360aに係合されている。
【0153】
押圧部820は、図4図9に良く示されているように、下方向(Z2方向)に凸上部である。押圧部820は、プッシャ800の下端面(Z2方向の端面)の中央部に設けられており、メタルドーム712cの中央部(頂部)(Z1方向の端面)に対応するメタルドームシート710cの中央部(頂部)(Z1方向の端面)に当接されている。
【0154】
プッシャ800は、図4図9に良く示されているように、メタルドーム712cの付勢力によって上方向(Z1)方向に付勢されて係合面810が第1連動部材300aの押圧面360aに押し付けられた状態でメタルドーム712cと第1連動部材300aの押圧面360aとの間に介在している。
【0155】
第1、第2誘い機構10a、10bは、多方向入力装置の電気的な原点復帰性能を向上させるためのものである。多方向入力装置の電気的な原点では、第1、第2可変抵抗器700a、700bの出力電圧Vx、Vyが共に「0」になると共に、押下スイッチ700cがオフになる。
【0156】
第1誘い機構10aは、第1スライダ400aをその初期位置に復帰させるためのものである。第1誘い機構10aは、図6図26に良く示されているように、第1スライダ400aがその初期位置に位置しているときに嵌合可能な第1凹形状部11aと、第1凸形状部12aとを有している。
【0157】
第1凹形状部11aは、図6図23図26に良く示されているように、ボディ100aの第1収容部150aにおいて、基板600と対向する第1下移動路151aの天面である平坦な第1固定面152aに設けられている。第1凹形状部11aは複数設けられている。第1凹形状部11aは、第1上移動路153aを挟んで左右対称位置に設けられている。第1凹形状部11aは、第1上移動路153aよりも左側にある第1固定面152aと右側にある第1固定面152aにそれぞれ1つずつ設けられている。
【0158】
第1凹形状部11aの第1凸形状部12aとの嵌合形状は、図6図23図26に良く示されているように、第1スライダ400aの移動方向(左右方向)(X1-X2方向)に直交する前後方向に延びる円筒面内に形成される円筒面であって、上方向(Z1方向)に凸の円弧状の断面形状を有している。第1凹形状部11aは、第1固定面152aの前後方向(Y1-Y2方向)の幅の全幅に設けられている。
【0159】
第1凸形状部12aは、第1凹形状部11aに対応して設けられている。第1凸形状部12aは、図6図19図26に良く示されているように、第1スライダ400aにおいて、第1固定面152aと対向し且つ第1接触子710aの弾性力によって第1固定面152aに弾性的に押し付いた状態で第1固定面152aに沿って左右方向(X1-X2方向)に摺動可能な平坦な第1可動面460aに設けられている。
【0160】
第1凸形状部12aは複数設けられている。第1凸形状部12aは、第1係合片420aを挟んで左右対称位置に設けられている。第1凸形状部12aは、第1係合片420aより左側(X1方向)にある第1可動面460aと右側(X2方向)にある第1可動面460aにそれぞれ1つずつ設けられている。
【0161】
第1凸形状部12aの第1凹形状部11aとの嵌合形状は、図6図19図26に良く示されているように、第1スライダ400aの移動方向(左右方向)(X1-X2方向)に直交する前後方向に延びる円筒面内に形成される円筒面であって、第1凹形状部11aが配置される円筒面と同一円筒面内に配置されており、上方向(Z1方向)に凸の円弧状の断面形状を有している。第1凸形状部12aは、第1可動面460aの前後方向(Y1-Y2方向)の幅の全幅に設けられている。
【0162】
第1誘い機構10aは、図26に良く示されているように、第1スライダ400aがその初期位置に復帰時に第1可変抵抗器700aの第1接触子710aの弾性力によって、第1凹形状部11aと第1凸形状部12aが嵌合しながら、第1スライダ400aをその初期位置に移動する直前(操作部材200が原点位置から左右方向(X1-X2方向)にθ(2°)回動した位置)からその初期位置に誘い込むように移動させることができ、台座500や第1、第2連動部材300a、300bの製造公差等を吸収しながら誤差なく第1スライダ400aをその初期位置に復帰可能させることができるものである。
【0163】
第2誘い機構10bは、第2スライダ400bをその初期位置に復帰させるためのものである。第2誘い機構10bは、図10図26に良く示されているように、第2スライダ400bがその初期位置に位置しているときに嵌合可能な第2凹形状部11bと、第1凸形状部12aとを有している。
【0164】
第2凹形状部11bは、図10図23図26に良く示されているように、ボディ100aの第2収容部160aにおいて、基板600と対向する第2下移動路161aの天面である平坦な第2固定面162aに設けられている。第2凹形状部11bは複数設けられている。第2凹形状部11bは、第2上移動路163aを挟んで前後対称位置に設けられている。第2凹形状部11bは、第2上移動路163aよりも前側(Y1方向)にある第2固定面162aと後側(Y2方向)にある第2固定面162aにそれぞれ1つずつ設けられている。
【0165】
第2凹形状部11bの第2凸形状部12bとの嵌合形状は、図10図23図26に良く示されているように、第2スライダ400bの移動方向(前後方向)(Y1-Y2方向)に直交する左右方向に延びる円筒面内に形成される円筒面であって、上方向(Z1方向)に凸の円弧状の断面形状を有している。第2凹形状部11bは、第2固定面162aの左右方向(X1-X2方向)の幅の全幅に設けられている。
【0166】
第2凸形状部12bは、第2凹形状部11bに対応して設けられている。第2凸形状部12bは、図10図19図26に良く示されているように、第2スライダ400bにおいて、第2固定面162aと対向し且つ第2接触子710bの弾性力によって第2固定面162aに弾性的に押し付いた状態で第2固定面162aに沿って前後方向(Y1-Y2方向)に摺動可能な平坦な第2可動面460bに設けられている。
【0167】
第2凸形状部12bは複数設けられている。第2凸形状部12bは、第2係合片420bを挟んで前後対称位置に設けられている。第2凸形状部12bは、第2係合片420bより前側(Y1方向)にある第2可動面460bと後側(Y2方向)にある第2可動面460bにそれぞれ1つずつ設けられている。
【0168】
第2凸形状部12bの第2凹形状部11bとの嵌合形状は、図10図19図26に良く示されているように、第2スライダ400bの移動方向(前後方向)(Y1-Y2方向)に直交する左右方向に延びる円筒面内に形成される円筒面であって、第2凹形状部11bが配置される円筒面と同一円筒面内に配置されており、上方向(Z1方向)に凸の円弧状の断面形状を有している。第2凸形状部12bは、第2可動面460bの左右方向(X1-X2方向)の幅の全幅に設けられている。
【0169】
第2誘い機構10bは、図26に良く示されているように、第2スライダ400bがその初期位置に復帰時に第2可変抵抗器700bの第2接触子710bの弾性力によって、第2凹形状部11bと第2凸形状部12bが嵌合しながら、第2スライダ400bをその初期位置に移動する直前(操作部材200が原点位置から前後方向(Y1-Y2方向)にθ(2°)回動した位置)からその初期位置に誘い込むように移動させることができ、台座500や第1、第2連動部材300a、300bの製造公差等を吸収しながら誤差なく第2スライダ400bをその初期位置に復帰可能させることができるものである。
【0170】
多方向入力装置の使用方法及び動作について説明する。
【0171】
操作部材200が図5の実線に示す原点位置から仮想線に示す左方向(X1方向)に操作されると、操作部材200の支持部220の左側面(X1方向の端面)が第1連動部材300aのガイド溝310aの左側面(X1方向の端面)を左方向(X1方向)に押圧する。
【0172】
すると、第1連動部材300aが付勢部材900の付勢力に抗して台座500を左底右高状に傾けながらカバー100bの一対の第1ガイド部170bにガイドされて左方向(X1方向)に円弧状に移動する。このとき、操作部材200の軸部210が第2連動部材300bの長孔310b内を左方向(X1方向)に移動するので、第2連動部材300bはその初期位置に位置保持されると共に、第2スライダ400bもその初期位置に位置保持される。
【0173】
一方、第1連動部材300aの移動に伴って、第1連動部材300aの係合凸部370aに第1スライダ400aの第1係合片420aが左方向(X1方向)に押圧され、第1スライダ400aが第1収容部150aにガイドされてその第1収容部150a内を左方向(X1方向)に移動する。
【0174】
このとき、第1スライダ400aに設けられた第1誘い機構10aの第1凸形状部12aが第1検出部700aの第1接触子710aの弾性力に抗してボディ100aの第1収容部150aに設けられた第1凹形状部11aから抜け出してその第1凹形状部11aより左側(X1方向)にある平坦な第1固定面152a下に移動する。
【0175】
そして、第1スライダ400aの移動に伴って、第1検出部700aの第1接触子710aが第1抵抗回路720a上を摺動することによって、第1検出部700aの抵抗値が変化する。これにより、第1検出部700aが、第1スライダ400aの移動方向及び移動量を第1連動部材300aの移動方向及び移動量として検出する。これが基板600のテール部630からコネクタを介して電子機器の制御部に入力され、その制御部により操作部材200の移動方向及び移動量として検出される。
【0176】
操作部材200が解放されると、付勢部材900の付勢力によって台座500をフレーム100cや基板600に対して平行状態に戻しながら第1連動部材300aが右方向(X2方向)に移動して初期位置に復帰する。
【0177】
第1連動部材300aが初期位置に復帰移動することによって、操作部材200が原点位置に復帰移動する。それと共に、第1連動部材300aの第1係合凸部370aに第1スライダ400aの第1係合片420aが右方向(X2方向)に押圧され、第1スライダ400aが右方向(X2方向)に移動して初期位置に復帰する。
【0178】
このとき、第1可変抵抗器700aの第1接触子710aの弾性力によって、第1凹形状部11aと第1凸形状部12aが嵌合しながら、第1スライダ400aをその初期位置に移動する直前からその初期位置に誘い込むように移動させるので、台座500や第1、第2連動部材300a、300bの製造公差等を吸収しながら誤差なく第1スライダ400aをその初期位置に復帰させることができる。
【0179】
操作部材200が図4の実線に示す原点位置から仮想線に示す前方向(Y1方向)に操作されると、操作部材200の軸部210が第2連動部材300bを前方向(Y1方向)に押圧する。すると、第2連動部材300bが付勢部材900の付勢力に抗して台座500を前底後高状に傾けながらカバー100bの一対の第2ガイド部180bにガイドされて前方向(Y1方向)に円弧状に移動する。
図5の実線に示す原点位置から仮想線に示す左方向(X1方向)に操作されると、
【0180】
このとき、操作部材200の支持部220が第1連動部材300aのガイド溝310a内をその内底面311aに沿ってスライドするので、第1連動部材300aはその初期位置に位置保持されると共に、第1スライダ400aもその初期位置に位置保持される。
【0181】
一方、第2連動部材300bの移動に伴って、第2連動部材300bの係合凸部360bに第2スライダ400bの第2係合片420bが前方向(Y1方向)に押圧され、第2スライダ400bが第2収容部160aにガイドされてその第2収容部160a内を前方向(Y1方向)に移動する。
【0182】
このとき、第2スライダ400bに設けられた第2誘い機構10bの第2凸形状部12bが第2検出部700bの第2接触子710bの弾性力に抗してボディ100aの第2収容部160aに設けられた第2凹形状部11bから抜け出してその第2凹形状部11bより前側(Y1方向)にある平坦な第2固定面162a下に移動する。
【0183】
そして、第2スライダ400bの移動に伴って、第2検出部700bの第2接触子710bが第2抵抗回路720b上を摺動することによって、第2検出部700bの抵抗値が変化する。これにより、第2検出部700bが、第2スライダ400bの移動方向及び移動量を第2連動部材300bの移動方向及び移動量として検出する。これが基板600のテール部630からコネクタを介して電子機器の制御部に入力され、その制御部により操作部材200の移動方向及び移動量として検出される。
【0184】
操作部材200が解放されると、付勢部材900の付勢力によって台座500をフレーム100cや基板600に対して平行状態に戻しながら第2連動部材300bが後方向(Y2方向)に移動して初期位置に復帰する。
【0185】
第2連動部材300bが初期位置に復帰移動することによって、操作部材200が原点位置に復帰移動する。それと共に、第2連動部材300bの第2係合凸部370bに第2スライダ400bの第2係合片420bが後方向(Y2方向)に押圧され、第2スライダ400bが後方向(Y2方向)に移動して初期位置に復帰する。
【0186】
このとき、第2可変抵抗器700bの第2接触子710bの弾性力によって、第2凹形状部11bと第2凸形状部12bが嵌合しながら、第2スライダ400bをその初期位置に移動する直前からその初期位置に誘い込むように移動させるので、台座500や第1、第2連動部材300a、300bの製造公差等を吸収しながら誤差なく第2スライダ400bをその初期位置に復帰させることができる。
【0187】
操作部材200が原点位置から左方向(X1方向)及び前方向(Y1方向)の成分を含む方向に操作されたときには、前述した操作部材200の左方向(X1方向)の移動及び前方向(Y1方向)の移動時の通り各構成要素が動作する。このとき第1、第2検出部700a、700bの抵抗値の変化が基板600のテール部630からコネクタを介して電子機器の制御部に入力され、その制御部により操作部材200の移動方向及び移動量として検出される。
【0188】
操作部材200が原点位置から左方向(X1方向)及び後方向(Y2方向)の成分を含む方向に操作されたときには、前述した操作部材200の左方向(X1方向)の移動及び前方向(Y1方向)の移動時の通り各構成要素が動作する。このとき第1、第2検出部700a、700bの抵抗値の変化が基板600のテール部630からコネクタを介して電子機器の制御部に入力され、その制御部により操作部材200の移動方向及び移動量として検出される。
【0189】
操作部材200が原点位置から右方向(X2方向)及び前方向(Y1方向)の成分を含む方向に操作されたときには、前述した操作部材200の右方向(X2方向)の移動及び前方向(Y1方向)の移動時の通り各構成要素が動作する。このとき第1、第2検出部700a、700bの抵抗値の変化が基板600のテール部630からコネクタを介して電子機器の制御部に入力され、その制御部により操作部材200の移動方向及び移動量として検出される。
【0190】
操作部材200が原点位置から右方向(X2方向)及び後方向(Y2方向)の成分を含む方向に操作されたときには、前述した操作部材200の右方向(X2方向)の移動及び後方向(Y2方向)の移動時の通り各構成要素が動作する。このとき第1、第2検出部700a、700bの抵抗値の変化が基板600のテール部630からコネクタを介して電子機器の制御部に入力され、その制御部により操作部材200の移動方向及び移動量として検出される。
【0191】
操作部材200が原点位置から下方向(Z2方向)に押下操作されたときには、操作部材200の支持部220によって第1連動部材300aのガイド溝310aの内底面311aの頂点が下方向(Z2方向)に押圧される。
【0192】
それにより、第1連動部材300a及び台座500が付勢部材900の付勢力に抗して下方向(Z2方向)に移動する。
【0193】
すると、第1連動部材300aの後端部(Y2方向の端部)に設けられた係合面352aがその直下(Z2方向)のボディ100aのてこ支点部190aに当接することによって、第1連動部材300aがてこ支点部190aを支点にして後高前低状に傾き(このとき台座500も後高前低状に傾く。)、第1連動部材300aの前端部(Y1方向の端部)に設けられた押圧面360aによってその直下(Z2方向)のプッシャ800の係合面810が下方向(Z2方向)に押圧される。それに伴いプッシャ800が下方向(Z2方向)に移動する。
【0194】
そして、プッシャ800の下方向(Z2方向)への移動に伴って、第3検出部700cのメタルドーム712cの中央部(頂部)(Z1方向の端面)がプッシャ800の押圧部820によって押下され、メタルドーム712cの中央部(頂部)(Z1方向の端面)がクリック感を伴って下方向(Z2方向)に凸に弾性変形し、第3検出部700cのスイッチ回路720cの中央固定接点721cに接触し、中央固定接点721cと外側固定接点722cとの間がメタルドーム712cを介して電気的に導通接続したスイッチオン状態となり、操作部材200の下方向(Z2方向)の押下操作が検出される。
【0195】
操作部材200が解放されると、付勢部材900の付勢力によって台座500をフレーム100cや基板600に対して平行状態に戻しながら第2連動部材300bが上方向(Z1方向)に移動して初期位置に復帰する。
【0196】
一方、メタルドーム712cの中央部(頂部)(Z1方向の端面)が元の上方向(Z1方向)に凸に復帰する。それに伴ってメタルドーム712cの中央部(頂部)(Z1方向の端面)が中央固定接点721cから離れ、中央固定接点721cと外側固定接点722cとの間が電気的に切断されたスイッチオフ状態となる。メタルドーム712cの付勢力によってプッシャ800が上方向(Z1方向)に移動して初期位置に復帰する。
【0197】
以上、本実施例の多方向入力装置は、操作部材200と、第1、第2連動部材300bと、第1、第2スライダ400a、400bと、基板600と、第1、第2可変抵抗器700a、700bと、第1、第2収容部150a、160aと、台座500と、付勢部材900と、第1、第2誘い機構10a、10bとを備えている。
【0198】
操作部材200は、原点位置から離れるように周囲の任意方向に操作可能なものである。
【0199】
第1連動部材300aは、操作部材200の左右方向(X1-X2方向)の移動に伴って左右方向(X1-X2方向)に移動可能なものである。第2連動部材300bは、操作部材200の左右方向(X1-X2方向)に交差する前後方向(Y1-Y2方向)の移動に伴って前後方向(Y1-Y2方向)に移動可能なものである。
【0200】
第1スライダ400aは、第1連動部材300aの移動に伴って左右方向(X1-X2方向)に移動可能なものである。第2スライダ400bは、第2連動部材300bの移動に伴って前後方向(Y1-Y2方向)に移動可能なものである。
【0201】
第1可変抵抗器700aは、基板600に形成された第1抵抗回路720aと、第1スライダ400aに固着され且つ左右方向(X1-X2方向)及び前後方向(Y1-Y2方向)に交差する上下方向(Z1-Z2方向)に弾性変位可能で第1抵抗回路720aに弾性的に押し付いた状態で第1抵抗回路720a上を左右方向(X1-X2方向)に摺動可能な第1接触子710aとを有し、第1スライダ400aの移動方向及び移動量を検出可能なものである。
【0202】
第2可変抵抗器700bは、基板600に形成された第2抵抗回路720bと、第2スライダ400bに固着され且つ上下方向(Z1-Z2方向)に弾性変位可能で第2抵抗回路720bに弾性的に押し付いた状態で第2抵抗回路720b上を前後方向(Y1-Y2方向)に摺動可能な第2接触子710bとを有し、第2スライダ400bの移動方向及び移動量を検出可能なものである。
【0203】
第1収容部150aは、第1スライダ400aを左右方向(X1-X2方向)及び上下方向(Z1-Z2方向)に移動可能に収容するものである。第2収容部160aは、第2スライダ400bを前後方向(Y1-Y2方向)及び上下方向(Z1-Z2方向)に移動可能に収容する。
【0204】
台座500は、第1連動部材300aと第2連動部材300bとを支持するものである。付勢部材900は、台座500を介して第1連動部材300a及び第2連動部材300bに付勢力を伝達することによって、第1連動部材300a及び第2連動部材300bをそれぞれの初期位置に復帰させると共に操作部材200をその原点位置に復帰させ且つ第1スライダ400a及び第2スライダ400bをそれぞれの初期位置に復帰させるためのものである。
【0205】
第1誘い機構10aは、第1スライダ400aをその初期位置に復帰させるためのもので、第1スライダがその初期位置に位置しているときに嵌合可能な第1凹形状部11aと第1凸形状部12aとを有し、第1収容部150aにおける基板600と対向する第1固定面152aに第1凹形状部11aが設けられ、第1スライダ400aにおける第1固定面152aと対向し且つ第1接触子710aの弾性力によって第1固定面152aに弾性的に押し付いた状態で第1固定面152aに沿って左右方向(X1-X2方向)に摺動可能な第1可動面460aに第1凸形状部12aが設けられているものである。
【0206】
第2誘い機構10bは、第2スライダ400bをその初期位置に復帰させるためのもので、第2スライダ400bがその初期位置に位置しているときに嵌合可能な第2凹形状部11bと第2凸形状部12bとを有し、第2収容部160aにおける基板600と対向する第2固定面162aに第2凹形状部11bが設けられ、第2スライダ400bにおける第2固定面162aと対向し且つ第2接触子710bの弾性力によって第2固定面162aに弾性的に押し付いた状態で第2固定面162aに沿って前後方向(Y1-Y2方向)に摺動可能な第2可動面460bに第2凸形状部12bが設けられているものである。
【0207】
本実施例の多方向入力装置は、以下の技術的特徴を有している。
【0208】
付勢部材900の付勢力を台座500を介して第1、第2連動部材300a、300bに作用させるので、部品点数が少なく、小型化も容易に図ることができる。
【0209】
第1誘い機構10aは、第1スライダ400aがその初期位置に復帰時に第1可変抵抗器700aの第1接触子710aの弾性力によって、第1凹形状部11aと第1凸形状部12aが嵌合しながら、第1スライダ400aをその初期位置に移動する直前からその初期位置に誘い込むように移動させるので、台座500や第1、第2連動部材300a、300bの製造公差等を吸収しながら誤差なく第1スライダ400aをその初期位置に復帰させることができる。
【0210】
第2誘い機構10bは、第2スライダ400bがその初期位置に復帰時に第2可変抵抗器700bの第2接触子710bの弾性力によって、第2凹形状部11bと第2凸形状部12bが嵌合しながら、第2スライダ400bをその初期位置に移動する直前からその初期位置に誘い込むように移動させるので、台座500や第1、第2連動部材300a、300bの製造公差等を吸収しながら誤差なく第2スライダ400bをその初期位置に復帰させることができる。
【0211】
したがって、部品点数が少なく、小型化も可能で、電気的な原点復帰性能の良い多方向入力装置となっている。
【0212】
また、本実施例の多方向入力装置は、ケース100と、第1連動部材300aと、第2連動部材300bと、操作部材200と、第1、第2検出部700a、700bと、てこ支点部190aと、プッシャ800と、第3検出部700cとを備えている。
【0213】
第1連動部材300aは、左右方向(X1-X2方向)に交差する前後方向(Y1-Y2方向)に延びる有底のガイド溝310aを有し、ガイド溝310aが略凸球面状の内底面311aを有しており、ケース100の内部に左右方向(X1-X2方向)に円弧状に移動可能且つ左右方向(X1-X2方向)及び前後方向(Y1-Y2方向)に交差する上下方向(Z1-Z2方向)に押下移動可能に保持されたものである。
【0214】
第2連動部材300bは、第1連動部材300aに交差し、左右方向(X1-X2方向)に延びた長孔310bを有し、ケース100の内部に前後方向(Y1-Y2方向)に円弧状に移動可能に保持されたものである。
【0215】
操作部材200は、第1連動部材300aのガイド溝310aの内底面311a上にスライド可能に支持されてガイド溝310aの内部から第2連動部材300bの長孔310bを貫通してケース100の外部に突出されたものである。
【0216】
第1検出部700aは、操作部材200の左右方向(X1-X2方向)の移動に伴って左右方向(X1-X2方向)に円弧状に移動する第1連動部材300aの移動方向及び移動量を検出可能なものである。
【0217】
第2検出部700bは、操作部材200の前後方向(Y1-Y2方向)の移動に伴って前後方向(Y1-Y2方向)に円弧状に移動する第2連動部材300bの移動方向及び移動量を検出可能なものである。
【0218】
てこ支点部190aは、操作部材200の上下方向(Z1-Z2方向)の押下移動に伴って第1連動部材300aの前後方向(Y1-Y2方向)の一端側を支えて第1連動部材300aの前後方向(Y1-Y2方向)の他端側を上下方向(Z1-Z2方向)に押下移動可能とするものである。
【0219】
プッシャ800は、ケース100の内部の第1連動部材300aの前後方向(Y1-Y2方向)の他端側の押下移動側に上下方向(Z1-Z2方向)に押下移動可能に保持されたものである。
【0220】
第3検出部700cは、プッシャ800の押下移動側に配置されており、メタルドーム712cを基板600上に設置し、基板600上に形成されたスイッチ回路720cをオン/オフする押下スイッチ700cからなり、操作部材200の押下移動を検出可能なものである。
【0221】
本実施例の多方向入力装置は、以下の技術的特徴を有している。
【0222】
操作部材200が第1連動部材300aの有底のガイド溝310aの略凸球面状の内底面311a上をスライドするので、操作部材200の移動量(回動半径)を増やしても製品全高を抑えられる。
【0223】
操作部材200が第1連動部材300aを貫通していないので、第1連動部材300aの強度を高く保つことができ、装置の耐久性も高くすることができる。
【0224】
操作部材200に印加された押下力が第1連動部材300a及びプッシャ800を介してメタルドーム712cに伝達される際に、第1連動部材300aが「てこ」として機能し、操作部材200に印加された押下力よりも小さい力がメタルドーム712cに伝達されるので、メタルドーム712cを押下した際の荷重変化が大きく、高いクリック感を得ることができる。
【0225】
したがって、操作部材200の移動量(回動半径)を増やしても製品全高が抑えられ、且つ製品耐久性が高く、押下スイッチ700cの操作感も良い多方向入力装置となっている。
【0226】
なお、本実施例の多方向入力装置は、特許請求の範囲の記載内において任意に設計変更することが可能である。
【0227】
本実施例の多方向入力装置では、第1誘い機構10aは、第1固定面152aに第1凹形状部11aが設けられ、第1可動面460aに第1凸形状部12aが設けられ、第2誘い機構10bも、第2固定面162aに第2凹形状部11bが設けられ、第2可動面460bに第2凸形状部12bが設けられた構成であるが、第1誘い機構10aは、第1固定面152aに第1凸形状部12aが設けられ、第1可動面460aに第1凹形状部11aが設けられ、第2誘い機構10bも、第2固定面162aに第2凸形状部12bが設けられ、第2可動面460bに第2凹形状部11bが設けられた構成とすることが可能である。
【0228】
第1連動部材300aは、ガイド溝310aが略凸球面状の内底面311aを有している構成であるが、略凸球面状の内底面311aに代えて略円筒面状の内底面を有している構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0229】
10a 第1誘い機構
11a 第1凹形状部
12a 第1凸形状部
10b 第2誘い機構
11b 第2凹形状部
12b 第2凸形状部
100 ケース
150a 第1収容部
152a 第1固定面
160a 第2収容部
162a 第2固定面
190a てこ支点部
200 操作部材
300a 第1連動部材
310a ガイド溝
311a 内底面
300b 第2連動部材
310b 長孔
400a 第1スライダ
460a 第1可動面
400b 第2スライダ
460b 第2可動面
500 台座
600 基板
700a 第1検出部(第1可変抵抗器)
710a 第1接触子
720a 第1抵抗回路
700b 第2検出部(第2可変抵抗器)
710b 第2接触子
720b 第2抵抗回路
700c 第3検出部(押下スイッチ)
712c メタルドーム
720c スイッチ回路
800 プッシャ
900 付勢部材
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11
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