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特許7096130コネクタ、コネクタユニット及び電源ケーブルユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】コネクタ、コネクタユニット及び電源ケーブルユニット
(51)【国際特許分類】
   H01R 35/04 20060101AFI20220628BHJP
   H01R 13/641 20060101ALI20220628BHJP
   H01R 29/00 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
H01R35/04 D
H01R13/641
H01R29/00 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018196596
(22)【出願日】2018-10-18
(65)【公開番号】P2020064774
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩之
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6422884(US,B1)
【文献】特開平11-3755(JP,A)
【文献】特表2016-526252(JP,A)
【文献】米国特許第9899767(US,B1)
【文献】実開昭50-100019(JP,U)
【文献】実開昭54-64288(JP,U)
【文献】特開平1-304675(JP,A)
【文献】実開昭63-28274(JP,U)
【文献】米国特許第4239325(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 35/04
H01R 13/641
H01R 29/00
H01R 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側コネクタが嵌合される円筒体に、前記相手側コネクタの回転位置決め部材がキー嵌合されるキー又はキー溝を、前記円筒体の中心軸方向に沿って有する嵌合ガイド部と、
前記嵌合ガイド部の内部に配置されて該嵌合ガイド部により前記円筒体の周方向に回転可能に支持された端子保持部と、
前記端子保持部に保持され、少なくとも、前記円筒体の開口部に露出する前記端子保持部の先端面の、前記嵌合ガイド部に対する前記端子保持部の回転中心位置を中心とする仮想の正円の円周上の複数の回転対称位置に、先端がそれぞれ配置された複数の端子と、
を備えるコネクタ。
【請求項2】
前記嵌合ガイド部は、前記端子保持部を露出させる露出窓を有しており、前記嵌合ガイド部の前記露出窓の周縁部及び前記端子保持部の前記露出窓に露出する部分に跨がって、前記嵌合ガイド部に対する前記端子保持部の回転角度位置を示す表示部が設けられている請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記複数の端子は、三相交流の各相のうち1つの相を除いた2つの相にそれぞれ対応する2つの負荷側端子及び接地用端子を含んでおり、該接地用端子の先端が前記先端面上の前記嵌合ガイド部に対する前記端子保持部の回転中心位置に配置され、前記2つの負荷側端子の先端が前記先端面上の前記回転中心位置を中心とする仮想の正円の円周上に120゜位相をずらして配置されていて、前記相手側コネクタとしての電源側コネクタが嵌合される負荷側コネクタとして使用される請求項1又は2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記複数の端子は、三相交流の各相にそれぞれ対応する3つの電源側端子及び接地用端子を含んでおり、該接地用端子の先端が前記先端面上の前記嵌合ガイド部に対する前記端子保持部の回転中心位置に配置され、前記3つの電源側端子の先端が前記先端面上の前記回転中心位置を中心とする仮想の正円の円周上に120゜ずつ位相をずらして配置されていて、前記相手側コネクタとしての負荷側コネクタが嵌合される電源側コネクタとして使用される請求項1又は2記載のコネクタ。
【請求項5】
負荷側コネクタとして使用される請求項3記載のコネクタと、
前記負荷側コネクタに電源側コネクタとして嵌合される相手側コネクタとを備え、
前記電源側コネクタは、
前記負荷側コネクタの嵌合ガイド部が嵌合される円筒体の開口部に、前記負荷側コネクタのキー又はキー溝がキー嵌合される回転位置決め部材を有する嵌合ガイド部と、
前記電源側コネクタの嵌合ガイド部の内部に配置された端子保持部と、
前記端子保持部に保持され、前記円筒体の開口部に露出する前記端子保持部の先端面上の中心位置及び該中心位置に対する複数の回転対称位置に先端がそれぞれ配置された複数の端子と、
を備えており、
前記電源側コネクタの前記複数の端子は、三相交流の各相にそれぞれ対応する3つの電源側端子及び接地用端子を含んでおり、該接地用端子の先端が前記先端面上の前記中心位置に配置され、前記3つの電源側端子の先端が前記先端面上の前記中心位置を中心とする仮想の正円の円周上に120゜ずつ位相をずらして配置されていて、前記負荷側コネクタの嵌合時に該負荷側コネクタの接地用端子及び2つの負荷側端子が、前記負荷側コネクタの接地用端子及び3つの電源側端子のうち2つの電源側端子とそれぞれ接続される、
コネクタユニット。
【請求項6】
電源側コネクタとして使用される請求項4記載のコネクタと、
前記電源側コネクタに負荷側コネクタとして嵌合される相手側コネクタとを備え、
前記負荷側コネクタは、
前記電源側コネクタの嵌合ガイド部が嵌合される円筒体の開口部に、前記電源側コネクタのキー又はキー溝がキー嵌合される回転位置決め部材を有する嵌合ガイド部と、
前記負荷側コネクタの嵌合ガイド部の内部に配置された端子保持部と、
前記端子保持部に保持され、前記円筒体の開口部に露出する前記端子保持部の先端面上の中心位置及び該中心位置に対する複数の回転対称位置に先端がそれぞれ配置された複数の端子と、
を備えており、
前記負荷側コネクタの前記複数の端子は、三相交流の各相のうち1つの相を除いた2つの相にそれぞれ対応する2つの負荷側端子及び接地用端子を含んでおり、該接地用端子の先端が前記先端面上の前記中心位置に配置され、前記2つの負荷側端子の先端が前記先端面上の前記中心位置を中心とする仮想の正円の円周上に120゜位相をずらして配置されていて、前記電源側コネクタの嵌合時に該電源側コネクタの接地用端子及び3つの電源側端子のうち2つの電源側端子が、前記負荷側コネクタの接地用端子及び2つの負荷側端子とそれぞれ接続される、
コネクタユニット。
【請求項7】
前記相手側コネクタの嵌合状態において該相手側コネクタと請求項3又は4記載のコネクタの前記端子保持部とが当接する箇所と、請求項3又は4記載のコネクタの前記嵌合ガイド部の前記端子保持部を回転可能に支持する部分とに、シール部材が配置されている請求項5又は6記載のコネクタユニット。
【請求項8】
設備に延設されて三相交流電源の各相の電力を送電する送電ケーブルと、
前記設備に設置される複数の負荷にそれぞれ接続され、三相交流電源の各相の電力のうち前記負荷に供給する2つの相の電力に対応する2つの給電線を有する複数の接続ケーブルと、
前記送電ケーブルと前記各接続ケーブルとの接続部にそれぞれ設けられた電源側コネクタ及び負荷側コネクタとを備え、
前記電源側コネクタ及び負荷側コネクタとして、請求項5、6又は7記載のコネクタユニットの電源側コネクタ及び負荷側コネクタを用いた、
電源ケーブルユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三相交流電源の電力を電源ケーブルにより複数の負荷に分配する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トンネルに設置されて外部の三相交流電源から供給される電力で点灯する照明装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-185905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、トンネルには、トンネルの長さに応じた数の照明装置が設置される。各照明装置には、トンネル内に敷設した電源ケーブルにより、外部の電源から供給された電力が分配される。電源ケーブルは、トンネルに沿って延設される幹線ケーブルと、幹線ケーブルから分岐されて各照明装置にそれぞれ接続される複数の接続ケーブルとを含んで構成される。
【0005】
そこで、トンネル内の複数の照明装置に三相交流電源からの電力を分配する場合は、それらの照明装置を複数のグループに分け、接続ケーブルを介して各グループの照明装置に異なる相の電力を分配することが考えられる。各照明装置に分配する電力の相をグループ毎に異ならせれば、特定の相の電力が偏って照明装置に供給されるのを防ぎ、各相の電力を複数の照明装置に均等に消費させることができる。
【0006】
但し、その場合は、接続相手の照明装置に供給しない電力の相に対応する電線を間引いて接続ケーブルを構成する必要がある。接続する照明装置のグループ毎に接続ケーブルの間引く電線の相が異なる電源ケーブルは、設計や製造に手間がかかり、製造後の通電試験も面倒になる。
【0007】
しかも、照明装置側に仕様変更が生じると、変更後の仕様に合わせた相の電力を照明装置に供給するために、仕様が変わった照明装置に接続する接続ケーブルを含む電源ケーブルの全体をまるごと新しい仕様に合わせたものに交換する必要がある。
【0008】
あるいは、電源ケーブルの全体を交換する代わりに、幹線ケーブルの分岐箇所を分解して、仕様が変わった照明装置に接続する接続ケーブルを新しい仕様の接続ケーブルに交換する必要が生じる。
【0009】
照明装置の仕様変更に伴うケーブルの交換は、照明装置の設置工事中及び設置工事後のどちらにおいても必要となることがある。
【0010】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、トンネル等の設備に複数設置した照明装置等の負荷を複数のグループに分けて、各グループの負荷に三相交流電源の異なる相の電力を分配する際に利用できる、設計や製造が容易で負荷の仕様変更にも簡便な作業で対応できるコネクタと、このコネクタを用いて好適なコネクタユニット並びに電源ケーブルユニットとを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため本発明の第1の態様によるコネクタは、
相手側コネクタが嵌合される円筒体に、前記相手側コネクタの回転位置決め部材がキー嵌合されるキー又はキー溝を、前記円筒体の中心軸方向に沿って有する嵌合ガイド部と、
前記嵌合ガイド部の内部に配置されて該嵌合ガイド部により前記円筒体の周方向に回転可能に支持された端子保持部と、
前記端子保持部に保持され、少なくとも、前記円筒体の開口部に露出する前記端子保持部の先端面の、前記嵌合ガイド部に対する前記端子保持部の回転中心位置を中心とする仮想の正円の円周上の複数の回転対称位置に、先端がそれぞれ配置された複数の端子と、
を備える。
【0012】
本発明の第1の態様によるコネクタによれば、嵌合ガイド部に対する端子保持部の姿勢を回転方向に変えると、端子保持部の先端面の回転対称位置に先端が配置された端子の、嵌合ガイド部のキー又はキー溝に対する相対位置が、端子保持部の回転方向に変化する。
【0013】
このため、相手側コネクタが嵌合されて相手側コネクタの回転位置決め部材がキー又はキー溝にキー嵌合されたときに、相手側コネクタの端子と接続される端子保持部の端子の内訳が、嵌合ガイド部に対する端子保持部の回転方向における姿勢によって変わる。
【0014】
そこで、設備に設置した複数の負荷を複数のグループに分けて、各グループ毎に三相交流電源の異なる相の電力を負荷に分配するために、三相交流電源側の電源ケーブルと負荷側の電源ケーブルとをコネクタ接続する際に、請求項1記載のコネクタを使用する。なお、相手側コネクタにも同時に請求項1記載のコネクタを使用してもよい。
【0015】
即ち、三相交流電源側の電源ケーブルに接続する電源側コネクタと、負荷側の電源ケーブルに接続する負荷側コネクタとのうち、少なくとも一方のコネクタに、請求項1記載のコネクタを使用することができる。
【0016】
そして、電源側コネクタと負荷側コネクタとのうち請求項1記載のコネクタを使用するコネクタの端子保持部を、嵌合ガイド部に対して適切な位置に回転させて、キー又はキー溝に回転位置決め部材をキー嵌合させつつ、相手側コネクタを嵌合させる。
【0017】
ここで、電源側コネクタには、三相交流電源側の電源ケーブルに対応して、三相交流の各相に対応する3つの端子が設けられる。一方、負荷側コネクタには、負荷側の電源ケーブルに対応して、三相交流の3つの相のうち負荷に分配する2つの相に対応する2つの端子が設けられる。
【0018】
また、電源側コネクタの各相に対応する3つの端子は、負荷側コネクタとの嵌合状態において嵌合ガイド部に対する端子保持部の回転軸上の位置を中心とする仮想の正円の円周上の3回対称の回転対称位置にそれぞれ配置される。
【0019】
一方、負荷側コネクタの2つの相に対応する2つの端子は、負荷側コネクタとの嵌合状態において嵌合ガイド部に対する端子保持部の回転軸上の位置を中心とする仮想の正円の円周上の3回対称の回転対称位置のうちの2箇所にそれぞれ配置される。
【0020】
なお、電源側コネクタの端子と負荷側コネクタの端子とは、同一半径の仮想の正円の円周上にそれぞれ配置される。
【0021】
したがって、電源側コネクタと負荷側コネクタとを嵌合すると、負荷側コネクタの2つの相に対応する2つの端子が、電源側コネクタの3つの端子のうち、請求項1記載のコネクタの嵌合ガイド部に対する端子保持部の回転角度に応じた2つの端子に接続される。
【0022】
このため、三相交流電源の3つの相のうち、嵌合ガイド部に対する端子保持部の回転角度に応じた2つの相の端子が、相手側コネクタとの間で接続されて、三相交流電源側の電源ケーブルから負荷側の電源ケーブルに分配される。
【0023】
なお、例えば負荷の仕様が変わって負荷に供給する電力の相が変わる場合は、電源側コネクタと負荷側コネクタとのうち請求項1記載のコネクタを使用するコネクタの端子保持部を、変わった負荷の仕様に応じた回転角度に回転させる。これにより、電源側コネクタ及び負荷側コネクタを介して三相交流電源側の電源ケーブルから負荷側の電源ケーブルに供給される電力の相が、変わった後の負荷の仕様に応じた相に変わる。
【0024】
したがって、設備に設置した複数の負荷を複数のグループに分けて、各グループの負荷に三相交流電源の異なる相の電力を分配する際に、供給する電力の相によって構造が異なるコネクタを接続した電源ケーブルを負荷のグループ毎に準備する必要がない。
【0025】
よって、設計や製造が容易で負荷の仕様変更にも簡便な作業で対応できるコネクタを構成することができる。
【0026】
また、本発明の第2の態様によるコネクタは、本発明の第1の態様によるコネクタにおいて、前記嵌合ガイド部は、前記端子保持部を露出させる露出窓を有しており、前記嵌合ガイド部の前記露出窓の周縁部及び前記端子保持部の前記露出窓に露出する部分に跨がって、前記嵌合ガイド部に対する前記端子保持部の回転角度位置を示す表示部が設けられている。
【0027】
本発明の第2の態様によるコネクタによれば、本発明の第1の態様によるコネクタにおいて、コネクタの外側から視認可能な嵌合ガイド部の露出窓の表示部に、嵌合ガイド部に対する端子保持部の回転角度位置が表示される。
【0028】
このため、嵌合ガイド部に対する端子保持部の回転角度を変える際に、表示部に表示される回転角度位置を目安に、端子保持部を嵌合ガイド部に対して適切な回転角度位置に回転させることができる。
【0029】
ちなみに、本発明の第3の態様によるコネクタのように、前記複数の端子は、三相交流の各相のうち1つの相を除いた2つの相にそれぞれ対応する2つの負荷側端子及び接地用端子を含んでおり、該接地用端子の先端が前記先端面上の前記嵌合ガイド部に対する前記端子保持部の回転中心位置に配置され、前記2つの負荷側端子の先端が前記先端面上の前記回転中心位置を中心とする仮想の正円の円周上に120゜位相をずらして配置されていることで、本発明の第1又は第2の態様によるコネクタは、前記相手側コネクタとしての電源側コネクタが嵌合される負荷側コネクタとして使用される。
【0030】
また、本発明の第4の態様によるコネクタのように、前記複数の端子は、三相交流の各相にそれぞれ対応する3つの電源側端子及び接地用端子を含んでおり、該接地用端子の先端が前記先端面上の前記嵌合ガイド部に対する前記端子保持部の回転中心位置に配置され、前記3つの電源側端子の先端が前記先端面上の前記回転中心位置を中心とする仮想の正円の円周上に120゜ずつ位相をずらして配置されていることで、本発明の第1又は第2の態様によるコネクタは、前記相手側コネクタとしての負荷側コネクタが嵌合される電源側コネクタとして使用される。
【0031】
さらに、上記目的を達成するため本発明の第5の態様によるコネクタユニットは、
負荷側コネクタとして使用される本発明の第3の態様によるコネクタと、
前記負荷側コネクタに電源側コネクタとして嵌合される相手側コネクタとを備え、
前記電源側コネクタは、
前記負荷側コネクタの嵌合ガイド部が嵌合される円筒体の開口部に、前記負荷側コネクタのキー又はキー溝がキー嵌合される回転位置決め部材を有する嵌合ガイド部と、
前記電源側コネクタの嵌合ガイド部の内部に配置された端子保持部と、
前記端子保持部に保持され、前記円筒体の開口部に露出する前記端子保持部の先端面上の中心位置及び該中心位置に対する複数の回転対称位置に先端がそれぞれ配置された複数の端子と、
を備えており、
前記電源側コネクタの前記複数の端子は、三相交流の各相にそれぞれ対応する3つの電源側端子及び接地用端子を含んでおり、該接地用端子の先端が前記先端面上の前記中心位置に配置され、前記3つの電源側端子の先端が前記先端面上の前記中心位置を中心とする仮想の正円の円周上に120゜ずつ位相をずらして配置されていて、前記負荷側コネクタの嵌合時に該負荷側コネクタの接地用端子及び2つの負荷側端子が、前記負荷側コネクタの接地用端子及び3つの電源側端子のうち2つの電源側端子とそれぞれ接続される。
【0032】
本発明の第5の態様によるコネクタユニットによれば、負荷側コネクタの嵌合ガイド部に対する端子保持部の回転角度を変えると、電源側コネクタの3つ電源側端子のうち、電源側コネクタを嵌合した際に2つの負荷側端子に接続される2つの端子の内訳が変わる。
【0033】
そこで、設備に設置した複数の負荷を複数のグループに分けて、各グループ毎に三相交流電源の異なる相の電力を負荷に分配する際には、三相交流電源側の電源ケーブルに電源側コネクタを接続し、負荷側の電源ケーブルに負荷側コネクタを接続する。そして、負荷側コネクタの嵌合ガイド部に対する端子保持部の回転角度を、負荷に分配する電力の相に応じた角度にした状態で、電源側コネクタを負荷側コネクタに嵌合する。
【0034】
このとき、電源側コネクタを接続する三相交流電源側の電源ケーブルは、電源側コネクタの3つの電源側端子と接地用端子とに対応して、3つの相の電力の全てに対応する電線と接地線とを有するケーブルで構成することができる。
【0035】
一方、負荷側コネクタを接続する負荷側の電源ケーブルは、負荷側コネクタの2つの負荷側端子と接地用端子とに対応して、負荷に供給する2つの相の電力のみに対応する電線と接地線とを有するケーブルで構成することができる。
【0036】
そして、嵌合した電源側コネクタと負荷側コネクタとの間では、負荷側コネクタの2つの負荷側端子に、電源側コネクタの3つ電源側端子のうち負荷側コネクタの嵌合ガイド部に対する端子保持部の回転角度に対応する接続対象の2つの電源側端子が接続される。
【0037】
このため、三相交流電源の3つの相のうち、負荷側コネクタの2つの負荷側端子に接触する電源側コネクタの接続対象の2つの電源側端子に対応する2つの相の電力が、両コネクタを介して三相交流電源側の電源ケーブルから負荷側の電源ケーブルに分配される。
【0038】
なお、例えば負荷の仕様が変わって負荷に供給する電力の相が変わる場合は、負荷側コネクタの嵌合ガイド部に対して端子保持部を、仕様が変わった負荷に応じた回転角度に回転させて、負荷側コネクタを電源側コネクタに嵌合させる。これにより、電源側コネクタ及び負荷側コネクタを介して三相交流電源側の電源ケーブルから負荷側の電源ケーブルに供給される電力の相が、変わった後の負荷の仕様に応じた相に変わる。
【0039】
したがって、設備に設置した複数の負荷を複数のグループに分けて、各グループの負荷に三相交流電源の異なる相の電力を分配する際に、設計や製造が容易で負荷の交換による仕様変更にも簡便な作業で対応できるコネクタユニット構成することができる。
【0040】
また、上記目的を達成するため本発明の第6の態様によるコネクタユニットは、
電源側コネクタとして使用される本発明の第4の態様によるコネクタと、
前記電源側コネクタに負荷側コネクタとして嵌合される相手側コネクタとを備え、
前記負荷側コネクタは、
前記電源側コネクタの嵌合ガイド部が嵌合される円筒体の開口部に、前記電源側コネクタのキー又はキー溝がキー嵌合される回転位置決め部材を有する嵌合ガイド部と、
前記負荷側コネクタの嵌合ガイド部の内部に配置された端子保持部と、
前記端子保持部に保持され、前記円筒体の開口部に露出する前記端子保持部の先端面上の中心位置及び該中心位置に対する複数の回転対称位置に先端がそれぞれ配置された複数の端子と、
を備えており、
前記負荷側コネクタの前記複数の端子は、三相交流の各相のうち1つの相を除いた2つの相にそれぞれ対応する2つの負荷側端子及び接地用端子を含んでおり、該接地用端子の先端が前記先端面上の前記中心位置に配置され、前記2つの負荷側端子の先端が前記先端面上の前記中心位置を中心とする仮想の正円の円周上に120゜位相をずらして配置されていて、前記電源側コネクタの嵌合時に該電源側コネクタの接地用端子及び3つの電源側端子のうち2つの電源側端子が、前記負荷側コネクタの接地用端子及び2つの負荷側端子とそれぞれ接続される。
【0041】
本発明の第6の態様によるコネクタユニットによれば、電源側コネクタの嵌合ガイド部に対する端子保持部の回転角度を変えると、電源側コネクタの3つ電源側端子のうち、負荷側コネクタを嵌合した際に2つの負荷側端子が接続される2つの端子の内訳が変わる。
【0042】
そこで、設備に設置した複数の負荷を複数のグループに分けて、各グループ毎に三相交流電源の異なる相の電力を負荷に分配する際には、三相交流電源側の電源ケーブルに電源側コネクタを接続し、負荷側の電源ケーブルに負荷側コネクタを接続する。そして、電源側コネクタの嵌合ガイド部に対する端子保持部の回転角度を、負荷に分配する電力の相に応じた角度にした状態で、負荷側コネクタを電源側コネクタに嵌合する。
【0043】
このとき、電源側コネクタを接続する三相交流電源側の電源ケーブルは、電源側コネクタの3つの電源側端子と接地用端子とに対応して、3つの相の電力の全てに対応する電線と接地線とを有するケーブルで構成することができる。
【0044】
一方、負荷側コネクタを接続する負荷側の電源ケーブルは、負荷側コネクタの2つの負荷側端子と接地用端子とに対応して、負荷に供給する2つの相の電力のみに対応する電線と接地線とを有するケーブルで構成することができる。
【0045】
そして、嵌合した電源側コネクタと負荷側コネクタとの間では、負荷側コネクタの2つの負荷側端子が、電源側コネクタの3つ電源側端子のうち電源側コネクタの嵌合ガイド部に対する端子保持部の回転角度に対応する接続対象の2つの電源側端子に接続される。
【0046】
このため、三相交流電源の3つの相のうち、負荷側コネクタの2つの負荷側端子が接触する電源側コネクタの接続対象の2つの電源側端子に対応する2つの相の電力が、両コネクタを介して三相交流電源側の電源ケーブルから負荷側の電源ケーブルに分配される。
【0047】
なお、例えば負荷の仕様が変わって負荷に供給する電力の相が変わる場合は、電源側コネクタの嵌合ガイド部に対して端子保持部を、仕様が変わった負荷に応じた回転角度に回転させて、負荷側コネクタを電源側コネクタに嵌合させる。これにより、電源側コネクタ及び負荷側コネクタを介して三相交流電源側の電源ケーブルから負荷側の電源ケーブルに供給される電力の相が、変わった後の負荷の仕様に応じた相に変わる。
【0048】
したがって、設備に設置した複数の負荷を複数のグループに分けて、各グループの負荷に三相交流電源の異なる相の電力を分配する際に、設計や製造が容易で負荷の交換による仕様変更にも簡便な作業で対応できるコネクタユニット構成することができる。
【0049】
さらに、本発明の第7の態様によるコネクタユニットは、本発明の第5又は第6の態様によるコネクタユニットにおいて、前記相手側コネクタの嵌合状態において該相手側コネクタと本発明の第3又は第4の態様によるコネクタの前記端子保持部の先端面とが当接する箇所と、本発明の第3又は第4の態様によるコネクタの前記嵌合ガイド部の前記端子保持部を回転可能に支持する部分とに、シール部材が配置されている。
【0050】
本発明の第7の態様によるコネクタユニットによれば、本発明の第5又は第6の態様によるコネクタユニットにおいて、電源側コネクタと負荷側コネクタとが嵌合したときに両コネクタの端子同士が接続される空間に連通する隙間が生じる箇所に、シール部材が配置されることになる。
【0051】
したがって、電源側コネクタと負荷側コネクタとが嵌合したコネクタユニットの水密性及び気密性を高め、水分や塵埃等の進入により両コネクタの端子間に接続不良が生じるのを抑制することができる。
【0052】
また、上記目的を達成するため本発明の第8の態様による電源ケーブルユニットは、
設備に延設されて三相交流電源の各相の電力を送電する送電ケーブルと、
前記設備に設置される複数の負荷にそれぞれ接続され、三相交流電源の各相の電力のうち前記負荷に供給する2つの相の電力に対応する2つの給電線を有する複数の接続ケーブルと、
前記送電ケーブルと前記各接続ケーブルとの接続部にそれぞれ設けられた電源側コネクタ及び負荷側コネクタとを備え、
前記電源側コネクタ及び負荷側コネクタとして、本発明の第5、第6又は第7の態様によるコネクタユニットの電源側コネクタ及び負荷側コネクタを用いた。
【0053】
本発明の第8の態様による電源ケーブルユニットによれば、幹線ケーブルから分岐された各分岐ケーブルの電源側コネクタと各接続ケーブルの負荷側コネクタとを嵌合して、各負荷を三相交流電源に接続することで、本発明の第5、第6又は第7の態様によるコネクタユニットによって得られる効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、設備に複数設置した負荷を複数のグループに分けて、各グループの負荷に三相交流電源の異なる相の電力を分配する際に、設計や製造が容易で負荷の交換による仕様変更にも簡便な作業で対応できるコネクタを用いて、各負荷に三相交流電源の電力を分配することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】本発明の一実施形態に係り三相交流電源の各相の電力を複数の負荷に分配する電源ケーブルユニットの概略構成を示す説明図である。
図2図1の電源ケーブルユニットの幹線ケーブル及び分岐ケーブルの内部構造と電源側コネクタ及び負荷側コネクタの内部構造とを示す説明図である。
図3図1の電源ケーブルユニットの電源側コネクタ及び負荷側コネクタの接続関係と接続ケーブルの内部構造とを示す説明図である。
図4図1のコネクタユニットの負荷側コネクタの嵌合面が見える方向からの斜視図である。
図5】(a)は図4の電源側コネクタの端子保持部に保持される電源側端子の斜視図、(b)は(a)の端子スリーブの端子保持部に対する挿入状態を示す要部拡大断面図である。
図6】(a)は図4の負荷側コネクタの端子保持部に保持される電源側端子の斜視図、(b)は(a)の端子ピンの端子保持部に対する挿入状態を示す要部拡大断面図である。
図7】(a)は図4の負荷側コネクタの嵌合ガイド部の中心軸に沿った断面図、(b)は図4の負荷側コネクタの嵌合ガイド部の背面図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る電源ケーブルユニットで使用するコネクタユニットの負荷側コネクタの嵌合面が見える方向からの斜視図である。
図9図8の電源側コネクタ及び負荷側コネクタの非嵌合状態における一部矢視状態の断面図である。
図10図8の電源側コネクタ及び負荷側コネクタの嵌合状態における一部矢視状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
【0057】
以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0058】
図1は本発明の一実施形態に係り三相交流電源の各相の電力を複数の負荷に分配する電源ケーブルユニットの概略構成を示す説明図である。図1に示す本実施形態の電源ケーブルユニット1は、三相交流電源の各相の電力をトンネル100(請求項中の設備に相当)内の照明装置200(請求項中の負荷に相当)に送電するものである。
【0059】
照明装置200は、図1中では、図面の見やすさのため1つしか図示していないが、トンネル100には、トンネル100の長さに応じて複数の照明装置200が間隔をおいて設置されている。
【0060】
各照明装置200は、例えば高圧ナトリウム灯、蛍光灯、メタルハライド灯、セラミックメタルハライド灯、低圧ナトリウム灯、蛍光水銀灯、発光ダイオード(LED)等の光源や、電源回路を含む光源の駆動回路等をそれぞれ有している。
【0061】
各照明装置200は3つのグループに分けられており、各グループの照明装置200には、三相交流電源からの電力が、RS相、ST相及びTR相の3つに分けてそれぞれ供給される。
【0062】
電源ケーブルユニット1は、トンネル100内に敷設された幹線ケーブル3と、幹線ケーブル3の分岐部7から分岐された分岐ケーブル5と、分岐ケーブル5に接続される接続ケーブル9とを有している。本実施形態では、幹線ケーブル3と分岐ケーブル5とで、請求項中の送電ケーブルが構成されている。
【0063】
幹線ケーブル3の分岐部7は、図1中では、図面の見やすさのため1つしか図示していないが、幹線ケーブル3には、トンネル100の長さに応じて複数の分岐部7が間隔をおいて設けられている。そして、電源ケーブルユニット1は、各分岐部7において幹線ケーブル3からそれぞれ分岐された複数の分岐ケーブル5と、各分岐ケーブル5にそれぞれ接続される複数の接続ケーブル9とを有している。
【0064】
幹線ケーブル3は、トンネル100の外から三相交流電源の電力をトンネル100内に引き込む電源ケーブルである。幹線ケーブル3は、4本の絶縁電線をシース(絶縁被覆)で覆ったケーブルで構成されている。4本の絶縁電線の内訳は、図2の説明図に示すように、3本の給電線3r,3s,3tと1本の接地線3eである。3本の給電線3r,3s,3tは、三相交流電源のRSTの各相に対応している。
【0065】
図1に示す各分岐ケーブル5は、トンネル100内に引き込んだ三相交流電源の電力を各照明装置200に分配する電源ケーブルである。各分岐ケーブル5は、4本の絶縁電線をシースで覆ったケーブルで構成されている。4本の絶縁電線の内訳は、図2に示すように、3本の給電線5r,5s,5tと1本の接地線5eである。3本の給電線5r,5s,5tは、三相交流電源のRSTの各相に対応している。
【0066】
図1に示す各分岐部7は、幹線ケーブル3の途中にそれぞれ設けられている。各分岐部7は絶縁モールドでそれぞれ覆われている。各絶縁モールド内では、幹線ケーブル3に各分岐ケーブル5の一端が結線されている。
【0067】
具体的には、図2に示すように、幹線ケーブル3のシース及び絶縁被覆を剥がして露出させた給電線3r,3s,3t及び接地線3eの芯線と、各分岐ケーブル5のシース及び絶縁被覆を剥がして露出させた給電線5r,5s,5t及び接地線5eの芯線とが、絶縁モールド内で結線されている。
【0068】
図1に示す各接続ケーブル9は、幹線ケーブル3から各分岐ケーブル5に分配した三相交流電源の電力を各グループの照明装置200に送電する電源ケーブルである。各接続ケーブル9は、3本の絶縁電線をシースで覆ったケーブルで構成されている。3本の絶縁電線の内訳は、図2に示すように、2本の給電線9a,9bと1本の接地線9eである。2本の給電線9a,9bは、各グループの照明装置200に対応する三相交流電源の2相(RS相、ST相及びTR相)の電力を供給する。
【0069】
そして、各接続ケーブル9の一端は、3つのグループに分けた各グループの複数の照明装置200の駆動回路にそれぞれ接続されている。
【0070】
各分岐ケーブル5の他端と各接続ケーブル9の他端との接続には、本発明の一実施形態に係るコネクタユニット10が用いられる。
【0071】
本実施形態のコネクタユニット10は、各分岐ケーブル5の他端にそれぞれ接続される電源側コネクタ11(請求項中の相手側コネクタに相当)と、各接続ケーブル9の他端にそれぞれ接続される負荷側コネクタ13(請求項中のコネクタに相当)とを有している。
【0072】
図3に模式的に示すように、コネクタユニット10の各電源側コネクタ11は、負荷側コネクタ13との嵌合面に、RSTの各相に対応する電源用の3つの端子(R,S,T)と接地用の1つの端子(E)とを有している。
【0073】
また、各負荷側コネクタ13は、電源側コネクタ11との嵌合面に、電源用の2つの端子と接地用の1つの端子(E)とを有している。
【0074】
電源側コネクタ11に対する負荷側コネクタ13の回転角度位置を、接続先の照明装置200のグループに応じて相対的に変えることで、各負荷側コネクタ13の電源用の2つの端子は、R,S相、S,T相又はT,R相の端子として機能する。
【0075】
次に、図3で模式的に示したコネクタユニット10の具体的な構成について説明する。
【0076】
まず、図4の斜視図において外観のみ示されている電源側コネクタ11は、雌端子(端子スリーブ)を有する雌コネクタで構成されている。
【0077】
電源側コネクタ11のコネクタハウジング11aは、嵌合ガイド部11bを有している。嵌合ガイド部11bは、断面正円の円筒状を呈しており、負荷側コネクタ13に嵌合される先端に開口を有している。
【0078】
嵌合ガイド部11bの先端の外周面には、嵌合ガイド部11bの中心(内側)側に凹んだ誤嵌合防止用のキー溝11c(請求項中の回転位置決め部材に相当)が形成されている。キー溝11cは、嵌合ガイド部11bの全周中の1箇所だけに、嵌合ガイド部11bの先端から後端に向けて形成されている。
【0079】
嵌合ガイド部11bの内側には端子保持部11dが設けられている。端子保持部11dは、嵌合ガイド部11bの後端側の半部で構成されている。
【0080】
端子保持部11dには4つの端子が保持される。4つの端子は、図5(a)の斜視図に示す給電用の3つの電源側端子11r,11s,11tと1つの接地用端子11eである。
【0081】
各電源側端子11r,11s,11tと接地用端子11eとは共通の構造を有している。即ち、各電源側端子11r,11s,11t及び接地用端子11eは、円筒体の外周面に形成した中間部のフランジ部11fを挟んで、先端側を挿入筒部11gとし、後端側を電線加締め部11hとしている。挿入筒部11gの先端には先割れの端子スリーブ11iが接続されている。
【0082】
各電源側端子11r,11s,11tの電線加締め部11hには、分岐ケーブル5の対応する相の各給電線5r,5s,5tの芯線が加締めて固定される。接地用端子11eの電線加締め部11hには、分岐ケーブル5の接地線5eの芯線が加締めて固定される。
【0083】
図5(b)の要部拡大断面図に示すように、端子保持部11dには、端子保持部11dを前後に貫通する端子孔11jが4つ形成されている。そのうち1つの端子孔11jは、端子保持部11dの中心を貫通するように形成されている。残りの3つの端子孔11jは、端子保持部11dの中心の端子孔11jを中心とする仮想の正円の円周上の、120゜ずつ位相をずらした箇所を貫通するように、それぞれ形成されている。
【0084】
端子保持部11dの中心の端子孔11jには、電線加締め部11hに接地線5eを加締めて固定した接地用端子11eの挿入筒部11gが、嵌合ガイド部11bの後端にフランジ部11fが当接するまで圧入される。端子保持部11dの他の端子孔11jにも、電線加締め部11hに給電線5r,5s,5tをそれぞれ加締めて固定した各電源側端子11r,11s,11tの挿入筒部11gが、同様に圧入される。
【0085】
各端子孔11jに挿入筒部11gが圧入された各電源側端子11r,11s,11t及び接地用端子11eの端子スリーブ11iの先端は、端子保持部11dの先端面の端子孔11jの開口部に配置される。
【0086】
なお、各電源側端子11r,11s,11tの端子スリーブ11iの先端は、接地用端子11eの端子スリーブ11iの先端を中心とする回転対称位置に配置される。
【0087】
端子保持部11dの先端面にはガイド板11kが取り付けられている。ガイド板11kの、各端子孔11jの開口部に対応する箇所には、端子孔11jよりも小径のガイド孔11lがそれぞれ形成されている。各ガイド孔11lは、電源側コネクタ11を負荷側コネクタ13に嵌合した際に、負荷側コネクタ13の端子を、各電源側端子11r,11s,11t及び接地用端子11eの端子スリーブ11iに案内する。
【0088】
端子保持部11dに取り付けたガイド板11kは、嵌合ガイド部11bの先端の開口に露出する。
【0089】
次に、図4において内部が示されている負荷側コネクタ13は、雄端子(端子ピン)を有する雄コネクタで構成されている。
【0090】
負荷側コネクタ13のコネクタハウジング13aは、嵌合ガイド部13bを有している。嵌合ガイド部13bは、断面正円の円筒状を呈しており、電源側コネクタ11が嵌合される先端に開口を有している。
【0091】
嵌合ガイド部13bの先端の内周面には、嵌合ガイド部13bの中心(内側)に向けて誤嵌合防止用のキー13c(請求項中のキー又はキー溝に相当)が突設されている。キー13cは、嵌合ガイド部13bの全周中の1箇所だけに、嵌合ガイド部13bの先端から後端に向けて形成されている。キー13cは、電源側コネクタ11を負荷側コネクタ13に嵌合する間、キー溝11cに対して移動できるように構成されている。
【0092】
嵌合ガイド部13bの内側には端子保持部13dが配置されている。端子保持部13dは、円柱状を呈している。
【0093】
端子保持部13dには3つの端子が保持される。3つの端子は、図4に示す給電用の2つの負荷側端子13f,13gと1つの接地用端子13eである。
【0094】
各負荷側端子13f,13gと接地用端子13eとは共通の構造を有している。即ち、各負荷側端子13f,13g及び接地用端子13eは、図6(a)の斜視図に示すように、円筒体の挿入筒部13hを有している。挿入筒部13hの後端には電線加締め部13iが連設されている、また、挿入筒部13hの先端には、段差部13jを介して端子ピン13kが接続されている。
【0095】
各負荷側端子13f,13gの電線加締め部13iには、接続ケーブル9の対応する相の各給電線9a,9bの芯線が加締めて固定される。接地用端子13eの電線加締め部13iには、接続ケーブル9の接地線9eの芯線が加締めて固定される。
【0096】
図6(b)の要部拡大斜視図に示すように、端子保持部13dには、端子保持部13dを前後に貫通する端子孔13lが4つ形成されている。そのうち1つの端子孔13lは、端子保持部13dの中心を貫通するように形成されている。残りの2つの端子孔13lは、端子保持部13dの中心の端子孔13lを中心とする仮想の正円の円周上の、120゜位相をずらした箇所を貫通するように、それぞれ形成されている。
【0097】
なお、1つの端子孔13lを中心とし2つの端子孔13lを配置する仮想の正円の半径は、接地用端子11eの端子孔11jを中心とし3つの電源側端子11r,11s,11tの端子孔11jを配置する仮想の正円の半径と同じである。
【0098】
端子保持部13dの中心の端子孔13lには、電線加締め部13iに接地線9eを加締めて固定した接地用端子13eの挿入筒部13hが圧入される。端子保持部13dの他の端子孔13lにも、電線加締め部13iに給電線9a,9bをそれぞれ加締めて固定した各負荷側端子13f,13gの挿入筒部13hが、同様に圧入される。
【0099】
嵌合ガイド部13bの先端の開口に露出する端子保持部13dの先端面には、抑え板13mが取り付けられている。抑え板13mの、各端子孔13lの開口部に対応する箇所には、貫通孔13nがそれぞれ形成されている。
【0100】
各貫通孔13nは、端子保持部13dの先端面側の大径部13oと反対側の小径部13pとをそれぞれ有している。大径部13oは各負荷側端子13f,13g及び接地用端子13eの挿入筒部13hと同径を有している。小径部13pは、各負荷側端子13f,13g及び接地用端子13eの端子ピン13kと同径を有している。
【0101】
端子保持部13dの各端子孔13lには、抑え板13mの大径部13oと小径部13pとの段差部13qに段差部13jが係止されるまで、各負荷側端子13f,13g及び接地用端子13eの挿入筒部13hが圧入される。
【0102】
各端子孔13lに挿入筒部13hが圧入された各負荷側端子13f,13g及び接地用端子13eの端子ピン13kは、抑え板13mの各端子孔13lを貫通する。端子ピン13kの先端は、図4に示すように、抑え板13mから突出して嵌合ガイド部13bの先端の開口に露出する。
【0103】
抑え板13mから突出した各負荷側端子13f,13gの端子ピン13kは、接地用端子13eの端子ピン13kを中心とする回転対称位置に配置される。
【0104】
なお、図4では、各負荷側端子13f,13g及び接地用端子13e(の端子ピン13k)を簡略した形状で記している。
【0105】
図7(a)の断面図に示すように、端子保持部13dの後端面13r寄りの外周面には、ガイド溝13sを全周に有する円環状のフランジ部13tが突設されている。ガイド溝13sには、嵌合ガイド部13bの内周面13uに突設されたガイド突起13vが係止されている。ガイド突起13vとガイド溝13sとの係止により、端子保持部13dは嵌合ガイド部13bと同心円上に位置するように、嵌合ガイド部13bに回転可能に支持されている。
【0106】
端子保持部13dの後端面13rは、嵌合ガイド部13bの後端に形成された円形の開口部13w(請求項中の露出窓に相当)に露出している。端子保持部13dの後端面13rの中心から内部には、接続ケーブル9が挿入されている。挿入された接続ケーブル9は、端子保持部13dの内部でシースを除去されて、給電線9a,9b及び接地線9eにバラされる。
【0107】
図7(b)の背面図に示すように、端子保持部13dの後端面13rには、3つの位置合わせマーク13x,13y,13zが刻印などによって形成されている。各位置合わせマーク13x,13y,13zは、「RS」、「ST」、「TR」の文字と三角矢印の記号とをそれぞれ有している。各位置合わせマーク13x,13y,13zの三角矢印の記号は、端子保持部13dの後端面13rの120゜ずつ位相をずらした外周縁箇所をそれぞれ指し示している。
【0108】
嵌合ガイド部13bの後端には、位置合わせ突起13αが突設されている。位置合わせ突起13αは、嵌合ガイド部13bの後端の開口部13wの内周縁に近接して配置されている。
【0109】
端子保持部13dの位置合わせマーク13xの三角矢印が位置合わせ突起13αを指示する角度位置に端子保持部13dを回転させると、図3の上段に示すように、負荷側端子13fが接地用端子13eの上方に位置する。この状態で、キー13cをキー溝11cに挿入して電源側コネクタ11を負荷側コネクタ13に嵌合させると、各負荷側端子13f,13gがR相及びS相の電源側端子11r,11sと接続される。
【0110】
また、端子保持部13dの位置合わせマーク13yの三角矢印が位置合わせ突起13αを指示する角度位置に端子保持部13dを回転させると、各負荷側端子13f,13gが図3の中段に示す位置に配置される。この状態で、キー13cをキー溝11cに挿入して電源側コネクタ11を負荷側コネクタ13に嵌合させると、各負荷側端子13f,13gがS相及びT相の電源側端子11s,11tと接続される。
【0111】
さらに、端子保持部13dの位置合わせマーク13zの三角矢印が位置合わせ突起13αを指示する角度位置に端子保持部13dを回転させると、各負荷側端子13f,13gが図3の下段に示す位置に配置される。この状態で、キー13cをキー溝11cに挿入して電源側コネクタ11を負荷側コネクタ13に嵌合させると、各負荷側端子13f,13gがT相及びR相の電源側端子11t,11rと接続される。
【0112】
なお、負荷側コネクタ13の接地用端子13eは、電源側コネクタ11を負荷側コネクタ13に嵌合させると、端子保持部13dの回転角度位置に関係なく、電源側コネクタ11の接地用端子11eと接続される。
【0113】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、端子保持部13dの位置合わせマーク13x,13y,13zと嵌合ガイド部13bの位置合わせ突起13αとで、請求項中の表示部13βが構成されている。
【0114】
このように、本実施形態のコネクタユニット10では、負荷側コネクタ13の端子保持部13dの嵌合ガイド部13bに対する回転角度位置を変えると、電源側コネクタ11の嵌合時に接続される両コネクタ11,13の端子のパターンが変わる。
【0115】
即ち、負荷側コネクタ13の端子保持部13dの回転角度位置によって、電源側コネクタ11の3つの電源側端子11r,11s,11tのうち、負荷側コネクタ13の負荷側端子13f,13gに接続される2つの内訳が変わる。そして、電源側コネクタ11から負荷側コネクタ13に供給される電力の相が、RS相のみ、ST相のみ、TR相のみの3パターンに分かれる。
【0116】
このため、照明装置200に供給する電力の相が異っても、嵌合ガイド部13bに対する端子保持部13dの回転角度位置を変えるだけで、共通の負荷側コネクタ13を用いることができる。また、負荷側コネクタ13に接続する接続ケーブル9も共通の構造とすることができる。
【0117】
したがって、供給する電力の相が異なる照明装置200のグループ毎に、構造が異なる接続ケーブル9及び負荷側コネクタ13を準備する必要がない。
【0118】
つまり、複数の照明装置200を3つのグループに分けて、各グループの照明装置200に三相交流電源の各相の電力を一部の相に偏ることなく分配する際に、同じ構造の接続ケーブル9及び負荷側コネクタ13を用いることができる。
【0119】
このため、照明装置200の交換による仕様変更で照明装置200に供給する電力の相を変える必要が生じても、端子保持部13dの回転角度位置を変える簡便な作業で、照明装置200の仕様変更に対応することができる。
【0120】
なお、電源側コネクタ11を負荷側コネクタ13に嵌合した状態での両コネクタ11,13の端子が接続される部分の水密性及び気密性を高めるためる構成を追加することもできる。その場合は、図8の斜視図に示すように、電源側コネクタ11の嵌合ガイド部11bの外周面に受けフランジ部11mを突設する。
【0121】
受けフランジ部11mは、図9の断面図に示すように、嵌合ガイド部11bの先端側に開口した円環状の凹部11n(請求項中の相手側コネクタとコネクタの端子保持部とが当接する箇所に相当)を有している。凹部11nの底面にはシール部材11oが取り付けられている。
【0122】
また、負荷側コネクタ13の、嵌合ガイド部13bの内周面13u及び開口部13wの段差部13δ(請求項中の嵌合ガイド部の端子保持部を回転可能に支持する部分に相当)と、端子保持部13dのフランジ部13tとの間にも、シール部材13εを介設する。
【0123】
このように構成すれば、電源側コネクタ11を負荷側コネクタ13に嵌合した際に、負荷側コネクタ13の嵌合ガイド部13bの先端が電源側コネクタ11の受けフランジ部11mの凹部11nに挿入されて、シール部材11oに圧接される。このため、負荷側コネクタ13の嵌合ガイド部13bの先端側において、端子保持部13dがシール部材11oによってシールされる。
【0124】
また、電源側コネクタ11を負荷側コネクタ13に嵌合すると、電源側コネクタ11の嵌合ガイド部11bの先端が負荷側コネクタ13の端子保持部13dのフランジ部13tに当接し、フランジ部13tを嵌合ガイド部13bの後端側に押圧する。このため、押圧されたフランジ部13tが、嵌合ガイド部13bの内周面13u及び開口部13wの段差部13δとの間に介設されたシール部材13εに圧接される。よって、負荷側コネクタ13の嵌合ガイド部13bの後端側においても、端子保持部13dがシール部材13εによってシールされる。
【0125】
このように、負荷側コネクタ13の嵌合ガイド部13bの先端側と後端側とで端子保持部13dをシールすることで、電源側コネクタ11を負荷側コネクタ13に嵌合した状態での両コネクタ11,13の端子接続部分の水密性及び気密性を高めることができる。その結果、水分や塵埃等の進入により両コネクタ11,13の端子間に接続不良が生じるのを抑制し、コネクタユニット10の信頼性を高めることができる。
【0126】
なお、上述した実施形態では、負荷側コネクタ13の端子保持部13dの嵌合ガイド部13bに対する回転角度位置を変えると、電源側コネクタ11の嵌合時に接続される両コネクタ11,13の端子のパターンが変わる構成とした。
【0127】
しかし、電源側コネクタ11の端子保持部11dを嵌合ガイド部11bに対して回転可能に構成してもよい。その場合は、上述した実施形態における負荷側コネクタ13の構造を電源側コネクタ11に適用する。
【0128】
具体的には、端子保持部11dの回転中心軸に沿って端子保持部11dを貫通する端子孔に、3つの電源側端子11r,11s,11tと接地用端子11eとを圧入する。そして、端子保持部11dの回転中心上に配置した接地用端子11eを中心とする仮想の正円の円周上に、3つの電源側端子11r,11s,11tを120゜ずつ位相をずらして配置する。
【0129】
このように、電源側コネクタ11の端子保持部11dを嵌合ガイド部11bに対して回転可能に構成した場合でも、電源側コネクタ11の嵌合時に接続される両コネクタ11,13の端子のパターンが変わる構成を実現することができる。
【0130】
さらに、上述した実施形態では、電源側コネクタ11の嵌合ガイド部11bにキー溝11cを形成し、負荷側コネクタ13の嵌合ガイド部13bにキー13cを設けた。しかし、キー及びキー溝を電源側コネクタ11及び負荷側コネクタ13のどちらに設けるかは任意である。
【0131】
また、上述した実施形態では、電源側コネクタ11を、雌端子(端子スリーブ11i)を有する雌コネクタで構成した。しかし、端子との接触防止を図る等して、電源側コネクタ11を、雄端子(端子ピン)を有する雄コネクタで構成してもよい。また、これに合わせて、負荷側コネクタ13を雌コネクタで構成してもよい。
【0132】
さらに、上述した実施形態では、トンネル100内の複数の照明装置200に異なる相の電力を供給する場合を例に取って説明した。しかし、本発明は、設備に延設された送電ケーブルから設備に複数設置された負荷の接続ケーブルに対して、三相交流電源の電力のうち2相の電力を異なる組み合わせでそれぞれ供給する場合に、広く適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、三相交流電源の電力を複数の負荷に分配する電源ケーブルユニットやコネクタユニットに適用して極めて有用である。
【符号の説明】
【0134】
1 電源ケーブルユニット
3 幹線ケーブル(送電ケーブル)
3e 幹線ケーブル接地線
3r,3s,3t 給電線
5 分岐ケーブル(送電ケーブル)
5e 分岐ケーブル接地線
5r,5s,5t 給電線
7 分岐部
9 接続ケーブル
9a,9b 給電線
9e 接続ケーブル接地線
10 コネクタユニット
11 電源側コネクタ
11a 電源側コネクタのコネクタハウジング
11b 電源側コネクタの嵌合ガイド部
11c キー溝
11d 電源側コネクタの端子保持部
11e 電源側コネクタの接地用端子
11f 端子のフランジ部
11g 挿入筒部
11h 電線加締め部
11i 端子スリーブ
11j 端子孔
11k ガイド板(電源側コネクタの嵌合ガイド部の先端面)
11l ガイド孔
11m 受けフランジ部
11n 凹部(相手側コネクタとコネクタの端子保持部とが当接する箇所)
11o シール部材
11r,11s,11t 電源側端子
13 負荷側コネクタ
13a 負荷側コネクタのコネクタハウジング
13b 負荷側コネクタの嵌合ガイド部
13c キー
13d 負荷側コネクタの端子保持部
13e 負荷側コネクタの接地用端子
13f,13g 負荷側端子
13h 挿入筒部
13i 電線加締め部
13j 端子の段差部
13k 端子ピン
13l 端子孔
13m 抑え板(負荷側コネクタの嵌合ガイド部の先端面)
13n 貫通孔
13o 貫通孔の大径部
13p 貫通孔の小径部
13q 貫通孔の段差部
13r 端子保持部の後端面
13s ガイド溝
13t 端子保持部のフランジ部
13u 嵌合ガイド部の内周面(嵌合ガイド部の端子保持部を回転可能に支持する部分)
13v 嵌合ガイド部のガイド突起
13w 嵌合ガイド部後端の開口部(露出窓)
13x RS相の位置合わせマーク
13y ST相の位置合わせマーク
13z TR相の位置合わせマーク
13α 位置合わせ突起
13β 表示部
13δ 段差部(嵌合ガイド部の端子保持部を回転可能に支持する部分)
13ε シール部材
100 トンネル(設備)
200 照明装置(負荷)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10