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特許7096168インテークコンプライアンスを監視するシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】インテークコンプライアンスを監視するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/24 20060101AFI20220628BHJP
   A61J 7/04 20060101ALI20220628BHJP
   A61J 1/05 20060101ALI20220628BHJP
   B65D 41/04 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
B65D51/24 600
A61J7/04 B
A61J1/05 315Z
B65D41/04
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2018562938
(86)(22)【出願日】2018-03-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 US2018023224
(87)【国際公開番号】W WO2018175360
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-03-19
(31)【優先権主張番号】62/473,682
(32)【優先日】2017-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】302070822
【氏名又は名称】アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100119987
【氏名又は名称】伊坪 公一
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ビー.テイラー
(72)【発明者】
【氏名】コリン ジェイ.ムーア
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ ジョージ ヒレブランド
【審査官】蓮井 雅之
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205633598(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0324726(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0266760(US,A1)
【文献】特開昭59-025749(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0253477(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0164716(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/24
A61J 7/04
A61J 1/05
B65D 41/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートキャップシステムであって、
容器のねじって開けるスマートキャップの内側に取り付けられた製品相互作用モニタであって、電源と、加速度計及びジャイロスコープを有するセンサシステムと、を有する製品相互作用モニタと、
製品相互作用モニタコンプライアンスデータを前記センサシステムの前記加速度計及び前記ジャイロスコープから収集するように構成され、前記センサシステムの前記加速度計及び前記ジャイロスコープからのしきい値、サンプル及びタイミングシーケンスの互いに異なる組合せに基づいて複数の互いに異なるスマートキャップイベントを決定するように構成されたコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記加速度計によって監視される軸のうちの少なくとも一つにおいて予め決定されたしきい値より上の力の変化の検出に応答して持ち上げスマートキャップイベントを検出するように構成され、
前記コントローラは、前記持ち上げスマートキャップイベントの検出に応答して前記ジャイロスコープを起動させるように構成され、起動タイムアウト期間内のしきい値角速度より上の前記ジャイロスコープを監視するように構成され、
前記コントローラは、ねじって開けるタイムアウト期間内にしきい値より上の予め決定された数の角速度サンプルを検出することによって前記起動タイムアウト期間内のしきい値角速度より上の前記ジャイロスコープからの出力の検出に応答してねじって開けるスマートキャップイベントを検出するように構成された、スマートキャップ。
【請求項2】
前記製品相互作用モニタは、ねじって開ける特性をユーザプロファイルに関連させるためのねじって開けるトレーニングモードを有する、請求項1に記載のスマートキャップ。
【請求項3】
前記スマートキャップは、ねじって開けるイベントを終了するためのねじって開ける速度及び持続時間を記録し、これらの特性を前記ユーザプロファイルに関連させる、請求項2に記載のスマートキャップ。
【請求項4】
前記製品相互作用モニタは、投薬特性をユーザプロファイルに関連させるための投薬トレーニングモードを有する、請求項1に記載のスマートキャップ。
【請求項5】
前記スマートキャップは、投薬イベントを完了するためのセットダウン角及び持続時間を記録し、これらの特性を前記ユーザプロファイルに関連させる、請求項4に記載のスマートキャップ。
【請求項6】
前記容器内の製品からの反射による距離測定に基づいて前記製品の残量を測定するセンサを有する、請求項1に記載のスマートキャップ。
【請求項7】
前記加速度計は、前記容器が傾斜状態であるか直立状態であるかを検出するように構成され、前記コントローラは、前記製品の残量の測定を前記容器が直立状態であるときに限定する、請求項6に記載のスマートキャップ。
【請求項8】
前記製品相互作用モニタは、前記容器内の製品の残量を見積もる、請求項1に記載のスマートキャップ。
【請求項9】
前記センサシステムは、湿度センサと温度センサのうちの少なくとも一方を有する、請求項1に記載のスマートキャップ。
【請求項10】
前記コントローラは、傾斜タイムアウト期間内の予め決定された持続時間のスマートキャップの動きを表す加速度計の測定を検出することによって前記ねじって開けるスマートキャップイベントに応答してスマートキャップ傾斜イベントを検出するように構成された、請求項1に記載のスマートキャップ。
【請求項11】
前記センサシステムは、容量性タッチセンサを有し、スマートキャップイベントの決定は、前記加速度計及び前記容量性タッチセンサからのしきい値、サンプル及びタイミングシーケンスの組合せに基づく、請求項1に記載のスマートキャップ。
【請求項12】
容器のスマートキャップであって、
ハウジングと、
前記スマートキャップの外側から見えないように隠されるために前記スマートキャップの内側に取り付けられた製品相互作用モニタであって、コントローラ及び複数のセンサを有し、前記複数のセンサは、加速度計及びジャイロスコープを有する製品相互作用モニタを備え、
前記コントローラは、前記加速度計及び前記ジャイロスコープからのしきい値、サンプル及びタイミングシーケンスの組合せに基づいてスマートキャップイベントを検出するように構成され、前記コントローラは、メモリへの前記スマートキャップイベントの記録と第三者装置への前記スマートキャップイベントの送信のうちの少なくとも一方を行うように構成され、
前記コントローラは、前記加速度計の出力の予め決定されたしきい値より上の変化を検出するように構成され、
前記コントローラは、前記加速度計の出力の前記予め決定されたしきい値より上の前記変化に応答して前記ジャイロスコープを起動するように構成され、起動タイムアウト期間内のしきい値角速度より上の測定値の前記ジャイロスコープの出力を監視するように構成され、
前記コントローラは、ねじって開けるタイムアウト期間内にしきい値より上の予め決定された数の角速度サンプルを前記ジャイロスコープにより検出することによって前記起動タイムアウト期間内の前記しきい値角速度より上の前記ジャイロスコープからの出力の検出に応答してねじって開けるスマートキャップイベントを検出するように構成された、スマートキャップ。
【請求項13】
前記製品相互作用モニタは、前記複数のセンサからのキャップ開け特性をユーザプロファイルに関連させるためのトレーニングモードを有する、請求項12に記載のスマートキャップ。
【請求項14】
前記キャップ開け特性は、キャップ開けイベントを完了するためのねじって開ける速度及び持続時間を含む、請求項13に記載のスマートキャップ。
【請求項15】
前記製品相互作用モニタは、投薬特性をユーザプロファイルに関連させるための投薬トレーニングモードを有する、請求項12に記載のスマートキャップ。
【請求項16】
前記投薬特性は、投薬イベントを完了するためのセットダウン角及び持続時間を有する、請求項15に記載のスマートキャップ。
【請求項17】
前記容器内の製品からの反射による距離測定に基づいて前記製品の残量を測定するセンサを有する、請求項12に記載のスマートキャップ。
【請求項18】
前記複数のセンサのうちの一つ以上は、前記容器が傾斜状態であることを検出し、それに応じて前記製品の残量の測定のときを限定する、請求項17に記載のスマートキャップ。
【請求項19】
前記製品相互作用モニタは、スマートキャップイベントの量に基づいて前記容器内の製品の残量を見積もる、請求項12に記載のスマートキャップ。
【請求項20】
湿度センサと温度センサのうちの少なくとも一方を有する、請求項12に記載のスマートキャップ。
【請求項21】
前記コントローラは、傾斜タイムアウト期間内の予め決定された持続時間のスマートキャップの動きを表す加速度計の測定を検出することによって前記ねじって開けるスマートキャップイベントに応答してスマートキャップ傾斜イベントを検出するように構成された、請求項12に記載のスマートキャップ。
【請求項22】
ユーザによる製品使用のコンプライアンスを監視する方法であって、
容器のねじって開けるスマートキャップを提供することであって、前記スマートキャップは、前記スマートキャップの内側に取り付けられた製品相互作用モニタを有し、前記製品相互作用モニタは、電源と、加速度計及びジャイロスコープを有するセンサシステムと、を有することと、
前記製品相互作用モニタを用いて、前記加速度計及び前記ジャイロスコープからのしきい値、サンプル及びタイミングシーケンスの組合せに基づいて、ねじって開けるスマートキャップイベントを検出することであって、前記ねじって開けるスマートキャップイベントを検出することは、
少なくとも一つの軸の予め決定されたしきい値より上の前記加速度計の出力の変化を検出することと、
前記少なくとも一つの軸の前記予め決定されたしきい値より上の前記加速度計の出力の前記変化の検出に応答して前記ジャイロスコープを起動することと、
起動タイムアウト期間内のしきい値角速度より上の前記ジャイロスコープの出力の変化を検出することと、
前記起動タイムアウト期間内の前記しきい値角速度より上の前記ジャイロスコープの出力の前記変化の検出に応答して、ねじって開けるタイムアウト期間内のしきい値より上の予め決定された数の角速度サンプルを前記ジャイロスコープにより検出することと、
を有することと、
メモリへの製品相互作用モニタコンプライアンスデータの記録と第三者装置への前記製品相互作用モニタコンプライアンスデータの送信のうちの少なくとも一方によって前記製品相互作用モニタコンプライアンスデータを収集することであって、前記製品相互作用モニタコンプライアンスデータは、前記ねじって開けるスマートキャップイベントを検出する間の前記加速度計及び前記ジャイロスコープからの出力に少なくとも部分的に基づくことと、
を備える方法。
【請求項23】
前記ねじって開けるスマートキャップイベントを検出することは、前記ねじって開けるタイムアウト期間内の前記しきい値より上の前記予め決定された数の角速度サンプルの検出に応答して、傾斜タイムアウト期間内の予め決定された持続時間のスマートキャップの動きを表す加速度計の測定を検出することを更に有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
リマインダーを表示するための前記スマートキャップにディスプレイを設けることとリマインダーをユーザの個人用装置に送信することのうちの少なくとも一方によって製品を使用することをユーザに再認識させることを有する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記スマートキャップは、外観から通常の容器とほとんど視覚的に区別できない、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記製品相互作用モニタは、二つのプレートに挟まれることによって外側から見えないように隠される、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記第三者装置は、臨床試験装置、介護者の個人用装置及び補給者の装置のうちの少なくとも一つである、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記スマートキャップは、前記容器内の製品からの反射による距離測定に基づいて前記製品の残量を測定するセンサを有する、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、消耗品パッケージの動きの監視に関する。本発明の他の態様は、消耗品残量(consumable inventory)の監視に関する。他の態様は、ユーザの行動特性の監視に関する。他の態様は、ユーザが消耗品の使用コンプライアンスを維持することを支援するためのリマインダーの通知及び提供に関する。更に別の態様は、消耗品の再注文の簡単化に関する。
【背景技術】
【0002】
栄養補助食品、ビタミン、化粧品及び他の薬剤のような多くの健康製品及び栄養製品は、最適な有効性及び安全性のために使用説明書に従って用いられる必要がある。しかしながら、使用説明書のコンプライアンス(compliance or adherence)の欠如は、例えば、製品を使用しない又は製品を使いすぎる顧客の共通の問題である。コンプライアンスは、臨床試験においても重要である。臨床試験は、製品又は薬品の安全性及び有効性を決定するために又は製品クレーム(product claims)を生成するために頻繁に行われる。これらの臨床試験の間に、被験者に対して、製品を使用するために特定の手順に従っているかの問い合わせが行われる。手順に対する被験者のコンプライアンスは、検査製品の安全性及び有効性を正確に決定するのに不可欠である。
【0003】
在宅の消費者に対して、コンプライアンスは、説明書に従って栄養補助食品又は薬剤を服用することを覚えている消費者の能力に主に依存する。コンプライアンスを、1日、1週間又は1カ月の薬剤又は栄養補助食品を体系化するのに役立つための薬箱のような補助器具を用いることによって改善することができる。ユーザは、取替品を購入することを覚えていることも期待され、そうしないことによってコンプライアンスが完全に欠如するおそれがある。今日の慌ただしい世界において、ユーザは、ユーザの生活に起こる多数の事柄を有し、毎日何かをすることを覚えていることは、面倒なことのために簡単に忘れられる又は回避される。新たな商品の適時の配達及びコンプライアンスの不足の防止(gaps in compliance)を確実に行うための再注文についても同じことがいえる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
臨床試験のために、コンプライアンスは、ベースライン時に設けられる量に対する経過観察時に戻される製品の量の差によって頻繁に評価される。これを、検査期間中の外観から判断される服用された薬の数又は外観から判断される消費された製品の重量とすることができる。しかしながら、被験者が実際に製品を服用したのか製品を消費したように見せかけるのに十分な製品を捨てたかがわからない。
【0005】
在宅と臨床の両方においてコンプライアンスを改善するためのシステム及び方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一つ以上のセンサ及び電源を有する製品相互作用モニタを対象とする。モニタは、消耗品パッケージ又は蓋若しくはキャップのような消耗品パッケージの元の位置に戻すことができる構成要素に取り付けられる。製品相互作用モニタは、スマートキャップイベントのような動作又はメモリに格納できるとともにユーザに報告することができる残量情報を監視することができる。スマートキャップイベントは、例えば、キャップを開けること、キャップを閉じること及びポンプ式ディスペンサーの上下運動のようなユーザの行動を有することができる。
【0007】
一実施の形態において、製品相互作用モニタを、消耗品パッケージのねじって開けるキャップに取り付けることができる。ジャイロスコープからの出力及び加速度計からの出力の組合せを用いることによって、製品相互作用モニタ(product interaction monitor)は、キャップが製品パッケージから取り外される開けるイベント及びキャップを製品パッケージに固定する閉めるイベントを正確に決定することができる。加速度計を、ユーザがキャップをねじって開けたことを決定するように構成することができるジャイロスコープを起動させるのに用いることができる。製品相互作用モニタは、ジャイロスコープが予め決定された時間内の予め決定されたしきい値より上の所定の回数の測定を行うことを監視することによってキャップのねじり(twisting)を別のねじり動作から区別することができる。さらに、開けるイベントは、別のセンサ出力に依存することができ、例えば、ユーザがキャップをねじって開けるとともにキャップを下に置いたことを製品相互作用モニタによって決定されるまで開けるイベントを記録しなくてもよい。キャップを下に置いたことを、ユーザのねじりを検出した後のタイムアウト期間内の予め決定された持続時間に亘る所定の加速度計出力により製品相互作用モニタによって決定することができる。代替的な実施の形態において、製品相互作用モニタを、消耗品パッケージの異なるタイプのキャップに取り付けることができ、製品相互作用モニタは、開けるイベント及び閉じるイベントを決定するためにセンサ出力の組合せを用いることができる。
【0008】
開けるイベント及び閉じるイベントを、製品の残量及び製品の鮮度を見積もるために用いることができる。例えば、開けるイベントをそれぞれ、製品の指導される仕様に基づいて予め決定された残量の使用に関連させることができる。無線通信システムは、残量が所定のしきい値より下になった場合に製品を自動的に再注文するために遠隔再注文システムと通信を行うことができる。他の例として、開けるイベント及び閉じるイベントをそれぞれ、製品の鮮度を推定及び追跡するのに用いることができる製品容器が開いている時間を追跡するのに用いることができる。
【0009】
他の実施の形態において、製品相互作用モニタを、消耗品の製品パッケージのポンプ式分配キャップに取り付けることができる。センサ出力の組合せ、例えば、容量性センサからのセンサ出力及び加速度計からのセンサ出力の組合せを用いることによって、製品相互作用モニタは、製品パッケージから製品が分配される量を表す上下運動イベント(pump event)を正確に決定することができる。容量性タッチセンサの出力及び加速度計の出力に関連したしきい値及びタイミングの組合せを用いることによって、製品相互作用モニタは、上下運動の回数及び上下運動の移動距離を計測することができ、これによって、分配された製品の量を追跡することができる。
【0010】
ポンプ式分配イベントを、製品の残量及び製品の鮮度を見積もるのに用いることができる。例えば、ポンプ式分配イベントの各々の特性を、分配した製品の量を決定するのに用いることができる。無線通信システムは、残量が所定のしきい値より下である場合に自動的に製品を再注文するために遠隔再注文システムと通信を行うことができる。
【0011】
所定の情報を、種々の無線通信技術及びディスプレイを用いてユーザに伝えることができ、例えば、情報を、表示のためにユーザの個人用装置に送信することができる。代替的に又は付加的に、情報を、例えば、パッケージそれ自体の表示装置又はスピーカを介してパッケージそれ自体から提供することができる。例えば、図16は、LEDリングリマインダー1602、残量ディスプレイ1604及びリマインダー警報音を供給するスピーカ1606を有するスマートキャップ1000を有する容器204を示す。この情報を、使用コンプライアンスを維持するとともに再注文を簡単化するためにユーザに情報提供するとともにユーザにリマインダーを供給するのに用いることができる。
【0012】
製品使用及び製品パッケージの動きを、製品相互作用モニタによって監視及び記録することができる。このような監視及び記録を、ユーザに知られることなく内密に行うことができ、これは、ユーザが監視されていることを気付いたときにユーザが異なる行動をとる臨床試験を行う際に有用である。製品相互作用モニタを有する消耗品パッケージ又は元の位置に戻すことができる構成要素は、記録したデータを遠隔装置に送信するために無線通信システムを用いてもよい。臨床試験の環境において、ユーザは、臨床試験手順からの逸脱に対して使用情報をダウンロードするとともに分析することができる臨床試験の終了時に、製品相互作用モニタを有する消耗品パッケージ又は元の位置に戻すことができる構成要素を戻すことができる。
【0013】
本発明のこれら及び他の目的、利点及び特徴は、本実施の形態の説明及び図面を参照することによって十分理解されるとともに明らかになる。
【0014】
本発明の実施の形態を詳しく説明する前に、本発明は以下の記載で説明する又は図面に示す動作の詳細並びに構成要素の構造及び配置の詳細に限定されないことを理解すべきである。本発明を、他の種々の実施の形態で実現してもよく、ここで明示的に開示しない代替的な方法で実行又は実施してもよい。また、ここで用いる表現及び語句は説明のためであるとともに限定するものとみなすべきでないことを理解すべきである。「有する」、「備える」及びその変形の使用は、後に説明する要素及びその等価物並びに追加の要素及びその等価物を包含することを意味する。さらに、列挙を、種々の実施の形態の説明で用いてもよい。特に明記しない限り、列挙の使用は、本発明を特定の順序又は構成要素の数に限定するものと解釈すべきでない。列挙の使用は、列挙したステップ又は構成要素と組み合わせもよい他の任意のステップ又は構成要素を発明の範囲から除外するものと解釈すべきでない。「X,Y及びZのうちの少なくとも一つ」のような特許請求の範囲の要素の言及は、X,Y及びZのうちのいずれか一つ並びにX,Y及びZのあらゆる組合せ、例えば、X,Y,Z;X,Y;X,Z及びY,Zを有することを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】消耗品パッケージ又は消耗品パッケージの元の位置に戻すことができる構成要素に取り付けることができる製品相互作用モニタの例示的な電子部品のブロック図である。
図2】容器のねじって開けるキャップに取り付けられた製品相互作用モニタの代表的な斜視図である。
図3】例示的なねじって開けるキャップの分解組立図である。
図4】例示的なねじって開けるキャップの断面図である。
図5】例示的なねじって開けるキャップの斜視図である。
図6】例示的なねじって開けるキャップの複数のセンサのうちの一つ以上を用いて検出することができる力を示す。
図7】センサ出力の組合せを用いて製品相互作用を検出する例示的なフローチャートを示す。
図8A】製品相互作用モニタによって検出することができる力によって容器を開けるためのねじって開けるキャップの反時計回りの回転を示す。
図8B】製品相互作用モニタによって検出することができる力によって容器を閉めるためのねじって開けるキャップの時計回りの回転を示す。
図9】ねじって開けるキャップを開けるイベント及びねじって開けるキャップを閉めるイベントの間の製品相互作用モニタセンサの一実施の形態からの例示的な出力を示す。
図10A】コンテナのフリップキャップに取り付けられた製品相互作用モニタの代表的な斜視図を示す。
図10B】例示的なフリップキャップの複数のセンサのうちの一つ以上を用いて検出することができる力を示す。
図11A】フリップキャップを閉めたときの磁界センサ及び磁石を有する製品相互作用モニタの代表的な斜視図を示す。
図11B】フリップキャップを開けたときの磁界センサ及び磁石を有する製品相互作用モニタの代表的な斜視図を示す。
図11C】磁界センサを有する例示的なフリップキャップの複数のセンサのうちの一つ以上を用いて検出することができる力を示す。
図12A】容器のフリップキャップに取り付けられた周囲光センサを有する製品相互作用モニタの代表的な斜視図を示す。
図12B図10の例示的なフリップキャップの複数のセンサのうちの一つ以上を用いて検出することができる力を示す。
図13A】フリップキャップを閉めたときのフリップキャップに取り付けられた飛行時間型センサを有する製品相互作用モニタの代表的な斜視図を示す。
図13B】フリップキャップを開けたときのフリップキャップに取り付けられた飛行時間型センサを有する製品相互作用モニタの代表的な斜視図を示す。
図14A】フリップキャップを閉めたときのフリップキャップに取り付けられた湿度センサ及び温度センサを有する製品相互作用モニタの代表的な斜視図を示す。
図14B】フリップキャップを開けたときのフリップキャップに取り付けられた湿度センサ及び温度センサを有する製品相互作用モニタの代表的な斜視図を示す。
図14C図14A及び図14Bの例示的なフリップキャップの複数のセンサのうちの一つ以上を用いて検出することができる測定を示す。
図15A】容器が傾斜状態であるときの加速度計及び飛行時間型センサを有する製品相互作用モニタの代表的な斜視図を示す。
図15B】容器が直立状態であるときの加速度計及び飛行時間型センサを有する製品相互作用モニタの代表的な斜視図を示す。
図16】LEDリマインダー、残量ディスプレイ及びスピーカを有するキャップの一実施の形態を示す。
図17】複数段階の製品相互作用の開ける手順の視覚的な流れ図である。
図18】複数段階の製品相互作用の閉める手順の視覚的な流れ図である。
図19】製品相互作用モニタの特定のユーザに対する例示的な一連のしきい値を示す。
図20】指示を与えるとともにユーザからの入力を受け入れるスマートフォンアプリを示す。
図21】容量性センサを有する製品相互作用モニタのブロック図を示す。
図22】液体ポンプ式ディスペンサー及び容器の図を示す。
図23】製品相互作用モニタを有するポンプ式ディスペンサーの上部の分解組立図を示す。
図24】製品相互作用モニタを有するポンプ式ディスペンサーの上部の断面図を示す。
図25】制御論理のフロー図を示す。
図26】複数のポンプの未加工の加速度計データを示す。
図27】複数のポンプのフィルタ処理された加速度計データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
製品相互作用モニタは、製品パッケージとのユーザ相互作用を監視するのを支援するために製品パッケージに取り付けられる。例えば、製品相互作用モニタは、ユーザが指示された使用又は臨床試験の手順のような所定の手順に従ったか否かの客観的な表示を提供するために利用することができるデータを収集することができる。製品パッケージとの相互作用を、製品の使用を特徴付けるために、例えば、製品の残量を決定するために用いることができる。
【0017】
製品モニタを、パッケージに保持された製品の一つ以上の特性を監視するのを支援するために用いることができる。例えば、製品モニタは、製品の鮮度又は残量の監視を支援することができる。製品モニタは、一つ以上のセンサからの出力に基づくこれらの決定を支援することができ、例えば、製品の鮮度を、湿度センサ及び/又は温度センサからの出力に基づいて決定することができる。製品の鮮度を、開けるイベント、閉めるイベント及びポンプ分配イベントのようなスマートキャップイベントの回数及びタイミングに基づいて見積もることができる。製品の残量レベルを、飛行時間型センサを用いて監視することができる。残量レベルを、製品のアクセス/分配の回数を監視するとともにアクセス/分配イベントのそれぞれを製品の所定の量の消費に関連させることによって見積もることもできる。例えば、上下運動イベントの特性を、容器から分配される製品の量を見積もる又は決定するのに利用することができる。製品の残量を、既知の最初の量に関連させながら経時的に追跡することができる。図15A及び図15Bに示すように、加速度計1500を、飛行時間型センサ1300を用いて残量を測定する前にZ方向の重力を検出するのに利用することができる。その理由は、傾斜状態で残量を測定することによって不正確な測定値となるおそれがあるからである。
【0018】
製品相互作用モニタによって監視される製品は、アプリケーションに応じて変わることがある。例えば、製品は、粉末、錠剤、液体、カプセル又は他のタイプの消費物品を含むことができる。例えば、製品相互作用モニタが監視することができる製品のタイプの一部は、栄養補助食品、ビタミン及び薬剤を含む。製品を、多様な形状及び寸法のものにすることができる。
【0019】
製品相互作用モニタは、多様な容器と連動して動作する。例えば、製品相互作用モニタを、製品容器に取り付けることができる多様なフリップキャップ、ねじって開けるキャップ及びポンプ式キャップに取り付けられるとともにこれらと共に用いられるように構成することができる。図2は、回転によりねじ式の容器ネックに取り付けられるとともにねじ式の容器ネックから取り外される、ねじって開けるキャップの例を示す。図10Aは、回転によりねじ式の容器ネックに取り付けられるとともにねじ式の容器ネックから取り外される、フリップキャップの一例を示す。使用の際に、フリップキャップは、底部及び蓋部を有し、容器にアクセスするために底部と共にヒンジを用いて蓋部を開けるのに対して、ねじって開けるキャップは、容器にアクセスするためにキャップをねじることによって容器が開けられる。
【0020】
製品相互作用モニタは、製品パッケージ又はパッケージ内の製品についてのデータを収集する多様なセンサを有することができる。例えば、製品相互作用モニタは、加速度計、ジャイロスコープ、温度センサ、湿度センサ、周囲光センサ、飛行時間型センサ、容量性タッチセンサ及び実質的に他の任意のタイプのセンサを含む一つ以上のセンサを有することができる。図1~9に示す実施の形態において、センサは、3軸加速度計及び3軸ジャイロスコープを有する。センサからの出力を、製品パッケージ又はパッケージに保存された製品についての情報を提供するために個別に又は組み合わせて収集及び分析することができる。例えば、製品相互作用モニタを、ボトルのような製品容器のキャップに取り付けることができ、センサのうちの一つ以上を、容器のキャップが開けられたときを決定するために利用することができる。一実施の形態において、製品相互作用モニタは、ジャイロスコープからの出力及び加速度計からの出力の組合せを用いて製品容器のキャップを開いたか否か及び閉じたか否か、開いたとき及び閉じたとき、及び/又は、開いた期間及び閉じた期間を更に正確に決定することができる。
【0021】
一実施の形態において、製品相互作用モニタは、製品容器の中の製品の鮮度を決定するために一つ以上のセンサからの出力を利用することができる。鮮度決定の精度を、複数のセンサからの出力を組み合わせることによって上げることができる。例えば、容器のキャップが開いたままであるか否かを決定することができるセンサからの出力及び製品容器内の湿度及び/又は温度の変化があったことを決定することができるセンサからの出力を、鮮度決定の精度を上げるために組み合わせることができる。
【0022】
ボトルの元の位置に戻すことができるねじることによって開けるねじ式のキャップに取り付けられた製品相互作用モニタの一実施の形態を、図1~9に関連して説明する。本実施の形態において、製品相互作用モニタは、製品相互作用モニタの二つ以上のセンサの組合せからの出力を用いることによって開けるイベント及び/又は閉めるイベントを正確に識別するためにデータを収集することができる。図示した実施の形態において、製品相互作用モニタは、キャップを開けること及び/又は閉めることを正確に検出するためにジャイロスコープ及び加速度計を有する。
【0023】
図1は、本発明の一実施の形態による製品相互作用モニタ100のブロック図を示す。製品相互作用モニタ100は、コントローラ106、メモリ104、無線通信システム102及びセンサシステム109を有し、センサシステム109は、この例示的な実施の形態において、加速度計110及びジャイロスコープ112を有する。製品相互作用モニタ100を、バッテリのような電源108によって給電することができる。電源108を製品相互作用モニタの内部に存在させることができる又は電源108を製品相互作用モニタに物理的に接続する外部電源とすることができる。センサシステム109は、コントローラ106と通信を行う。センサシステム109を図1に示すように製品相互作用モニタの内部に存在させることができる又はセンサシステムの一部若しくは全てを製品相互作用モニタから離間したスマートキャップの別の場所に配置することができる。
【0024】
コントローラは、センサ、メモリ及び無線通信システムを制御するソフトウェアを実行することができる。コントローラは、低電力スリープモードからアクティブモードに切り替えるために本実施の形態の加速度計及びジャイロスコープを含むセンサに指示することができる。コントローラは、測定を行うときにセンサに指示することができる。コントローラは、センサからの出力を受信することができる。コントローラを、メモリ104に出力を格納するようにプログラムすることができる。コントローラを、センサ出力を分析するとともにセンサ出力に基づく情報をメモリに格納するようにプログラムすることができる。例えば、コントローラは、加速度計からの未加工の出力及びジャイロスコープからの未加工の出力をメモリに格納することができる。他の例として、コントローラは、予め決定された基準に基づいて所定のイベントを決定するために加速度計からの未加工のセンサ出力及びジャイロスコープからの未加工のセンサ出力を分析することができ、コントローラは、これらのイベントの発生をメモリに格納することができる。例えば、図7を参照すると、コントローラは、数例を挙げると、持ち上げイベント702、最初のねじり開けるイベント704、増分ジャイロスコープトリップカウンタイベント706、蓋配置イベント708及び蓋配置持続時間イベント710の発生及び非発生を決定するとともにメモリに格納することができる。代替的に、コントローラは、開けるイベント及び閉じるイベントをタイムスタンプのようなこれらのイベントに関連した他の情報と共にメモリに格納してもよい。
【0025】
コントローラは、無線通信システムを用いて情報通信を行うことができる。無線通信システムを、Bluetooth(登録商標)低エネルギー無線(Low Energy radio)又は他の任意の代替的な通信回線とすることができる。無線通信システムを、任意の遠隔装置と通信を行うように構成することができる。例えば、無線通信システムを、ユーザのスマートフォン、製品パッケージ若しくは元の位置に戻すことができる製品パッケージ構成要素に取り付けられたディスプレイ又はインターネットのデータベースサーバと通信を行うことができる媒介装置と通信を行うように構成することができる。
【0026】
本発明の一実施の形態による例示的なスマートキャップアセンブリを、図2~5に示す。これらの図は、電子機器及び電源並びに本発明によるねじって開けるキャップの一実施の形態の構成の残りの位置を描写する。このスマートキャップは、後に無線通信システム102に送信するために、製品相互作用モニタに取り付けられたセンサのうちの一つ以上からのデータをメモリに記録することができる。
【0027】
図3の分解組立図において最もよく見えるように、本実施の形態のスマートキャップアセンブリは、上板302、電子機器保持リング304、電源108、製品相互作用モニタ101、底板310及びねじ式蓋312を有する。スマートキャップアセンブリの構成要素の幾つかは、ユーザが外側から製品相互作用モニタを見えないようにするハウジングと連動して動作する。電子機器保持リング304は、上板302の下面に配置される。電源108及び製品相互作用モニタ101(又は集合的に100)は、使用中に適所に保持されるように電子機器保持リング内に配置される。上板302及び底板310は、保持リング304、電源108及び製品相互作用モニタ101を挟んで適所に保持するように互いに結合される。底板を、底板310に設けられるとともに上板302の受け入れ部308が受け入れられる孔306に介在するねじ又は他の締結具を用いて上板に固定することができる。上板302及びねじ式蓋312は、容器のねじって開けるキャップを設けるために結合される。スマートキャップアセンブリの断面を図4に示し、スマートキャップアセンブリの斜視図を図5に示す。
【0028】
スマートキャップアセンブリ202のハウジングに取り付けられた製品相互作用モニタは、センサのうちの一つ以上により測定されたスマートキャップに加えられる力を検出することによって容器204を開けること及び閉めることを検出することができる。ある検出方法は、スマートキャップの接線力を測定する加速度計を用いる。持続時間中の接線力(F)の正の変化を、キャップをねじって開けるもの(図8A)として認識することができ、持続時間中の接線力(F)の負の変化を、キャップをねじって閉めるもの(図8B)として認識することができる。他の検出方法は、z軸の周りの角速度を測定するジャイロスコープを用いる。持続時間中の負の角速度(°/秒)を、キャップをねじって開けるもの(図8A)として認識することができ、持続時間中の正の角速度(°/秒)を、キャップをねじって閉めるもの(図8B)として認識することができる。
【0029】
上述した方法の結果、キャップを開けること及びキャップを閉めることを誤って検出する。ラベルを読むために単に容器全体を回転した結果、容器を落とした結果又は容器を転がした結果、誤った検出が行われる。センサと種々のしきい値及びタイミングシーケンスの組合せを用いることによって、開けること/閉めることの検出の精度を上げることができるとともに誤検出の回数を減少させることができる。すなわち、容器を開けるイベント又は容器を閉めるイベントを識別するための特定のしきい値示度(threshold reading)を測定する代わりに、しきい値、サンプル及びタイミングシーケンスの組合せを、イベントを更に正確に識別するために用いる。
【0030】
図17及び図18は、複数ステップの製品相互作用開けシーケンスの一般的な視覚フロー図及び複数ステップの製品相互作用閉めシーケンスの一般的な視覚フロー図をそれぞれ示す。コンテナを開けるイベントを検出する方法の一実施の形態を、図7のフローチャートに関連して説明する。この方法において、ユーザが容器702を持ち上げるのを監視するために加速度センサが最初に用いられる。このような検出の第1の段階において、コントローラは、加速度計が監視するいずれかの軸において予め決定されたしきい値より上の力の変化があるか否かを決定する。ユーザによって行われた動きのみが検出されるように感度を上げるのに役立つようにするためにハイパスフィルタを適用することができる。これは、3軸のいずれかにおけるセンサの重力を軽減するのにも役立つ。本実施の形態において、いずれかの軸におけるこのような検出のしきい値は、0.75m/秒である。代替的な実施の形態において、ウェークアップしきい値(wake-up threshold)は異なってもよい。このしきい値を超える場合、コントローラは、第2の段階に移るとともにジャイロスコープを作動させる。製品相互作用モニタは、例えば、ジャイロスコープのx軸センサのしきい値角速度を測定することによってキャップのねじり開けを待機する(704)。予め決定されたタイムアウト期間内にジャイロスコープの十分な動作がない場合(714)、製品相互作用モニタが持ち上げ段階(702)の待機に戻る間にジャイロスコープの電源を切ることができる又はジャイロスコープがスリープモードに入ることができる。ジャイロスコープのしきい値を超える(tripped)場合、コントローラは、割り当てられた5秒の持続時間の間に210°/秒のしきい値より上の角速度サンプルを集めるためにジャイロスコープのz軸センサを用いる。代替的な実施の形態において、サンプルのしきい値の数、°/秒のしきい値及び割り当てられる持続時間はそれぞれ異なる値であってもよい。コントローラがこのしきい値より上の12個のサンプルを集める場合、ユーザがキャップを配置するのを待機する第3の段階(708)に進む。検出のこのような第3の段階は、容器を開けること及び閉めることのような容器に対する意図した相互作用と、ラベルを読むために容器を持ち上げること、容器を落とすこと又は容器を転がすことのような容器に対する意図しない相互作用とを区別するのに役立つ。
【0031】
ねじって開けることを検出した後、ジャイロスコープが不作動状態にされ、コントローラは、ユーザが容器から製品を分配する間にユーザが蓋を逆さまにしたか否かを決定するために加速度計を用いる。典型的には、ユーザは、キャップの内側でとらえた製品が容器から落下するのを防止するとともに蓋の内側及び容器の内側の製品が汚れるのを防止するためにキャップを逆さまにする。コントローラは、キャップの-z軸方向に重力に起因する力の一部を確認することができる(708)。持ち上げ及びねじりを検出した後の8秒のタイムアウト期間内(716)にz軸方向に少なくとも3m/秒の力が2秒間確認される場合(710)、ユーザの開ける相互作用が記録される(712)。キャップが開けられるときの発生(タイムスタンプ)も内部メモリに記録することができる。このメモリを、無線通信システムを用いて後に読み出すことができる。図9は、スマートキャップを開けてから閉めたときの角速度及び接線力の経時的なグラフを示す。予め決定されたサンプル数についての負のしきい値を超える角速度の大きさに応答して、コントローラは、開けるイベントを識別することができる。正の角速度を超える角速度の大きさに応答して、コントローラは、閉めるイベントを識別することができる。
【0032】
異なるタイプのセンサを有する他の製品相互作用モニタは、スマートキャップイベントを検出するための同様な原理を利用することができる。例えば、図10Aは、開けるイベント及び閉めるイベント(図10B参照)を識別するためにジャイロスコープからの出力及び加速度計からの出力の組合せを利用する底部1002及び蓋部1004を有するフリップキャップ1000を示す。ジャイロスコープの負の角速度及び加速度計の負の力の組合せの検出に応答することによって、開けるイベントを決定することができる。ジャイロスコープの正の角速度及び加速度計の正の力の組合せの検出に応答することによって、閉めるイベントを決定することができる。図11A及び図11Bは、磁石1102及び磁界センサ1104を有するフリップキャップを示す。図11Cは、磁界センサによって検出される磁界強度を示す。上部が閉められている間、検出される磁界強度は、磁石が磁界センサに物理的に近いので高い。上部が開いている間、検出される磁界強度は、磁石が磁界センサから物理的に離間しているので低い。このようにして、開けるイベント及び閉めるイベントを、磁界強度の変化を検出することによって検出することができる。図12Aは、底部1002又は蓋部1004に取り付けられた周囲光センサを有するスマートキャップ1000を示す。図12Bは、スマートキャップの開けるイベントの間及び閉めるイベントの間に収集されるデータを示す。周囲光レベルは、蓋を開いたときに上がるとともに蓋を閉めたときに下がり、これによって、開けるイベント及び閉めるイベントをそれぞれ検出することができる。図13A及び図13Bは、スマートキャップ1000の蓋1004に取り付けられるとともにスマートキャップを開けるイベント又はスマートキャップを閉めるイベントを検出するのに利用することができる飛行時間型センサ1300を示す。図14A及び図14Bは、スマートキャップ1000の内側に取り付けられた温度及び/又は湿度センサ1400を示し、図14Cは、これらのセンサによって収集される例示的なデータを示す。容器が閉められている間、温度及び湿度センサは、容器の内部の状態、例えば、温度及び湿度を検出することができる。この情報は、製品の鮮度を追跡するのに有用である。開ける/閉めるイベント又は上下運動イベント(図21~27参照)のようなスマートキャップイベントを決定するためのタイミング及びしきい値は、アプリケーションに応じて変わる。さらに、正確なしきい値及びタイミングを、センサの較正及び形態に応じて変えることができる。
【0033】
臨床の場において、図7に関連して上述した方法のような特定の方法で製品との相互作用を行うための特定の指示をユーザに行ってもよい。しかしながら、全てのユーザが指示通りにパッケージとの相互作用を行わないことがある。製品相互作用モニタは、「トレーニング」段階を用いることによって精度を上げることができる。この段階において、ユーザは、パッケージを開けるための命令、例えば、モバイル機器のアプリケーションによって指導される。トレーニングの第1の段階において、ユーザは、キャップを取り外すように指示され、例えば、モバイル機器のアプリケーションとやり取りを行うことによってタスクを終了したときを示す。この段階の間に、ねじり速度及び持続時間が、例えば、ユーザプロファイルに関連させることによって特定のユーザのために記録される。トレーニングの第2の段階において、ユーザは、ユーザが通常行うように容器から製品を分配するよう指示される。第2の段階の間に、セットダウン角(set down angle)が特定のユーザのために記録されるとともにプロファイルに関連させる。トレーニングの各段階において、センサは、イベントを記録するとともに異なる段階の取り外しの関連のしきい値を較正する。アプリケーションは、トレーニングのこの段階を終了したときを示すために装置とキャップの間の無線リンクを用いる。このタスクの終了後、特定のユーザの相互作用特性に適合するためにしきい値を調整することができ、しきい値及び特性をユーザプロファイルと共に格納することができる。トレーニング段階を、図20に示すようにスマートフォンからの支援によって行うことができる。
【0034】
このトレーニング情報を、スマートキャップ特性に基づいて特定のユーザを識別するために用いてもよい。追跡及び調整のための特性は、分配、開けること/閉めること又はスマートキャップの他の使用に関連した多様な特性を含んでもよい。例えば、スマートキャップのねじり開けを利用するユーザプロファイルのユーザに関連させることができる特性を図19に示し、当該特性は、ピークねじり速度(しきい値)と、ねじり持続時間(しきい値より上と測定されたサンプル)と、製品を分配する間の蓋の向きと、キャップが製品パッケージから取り外された持続時間に基づく分散持続時間と、を含む。代替的な実施の形態において、追加の特性、更に少ない特性又は異なる特性を、ユーザプロファイルにおいて追跡するとともに特定のユーザを識別するために利用することができる。これらの特性を、指示、例えば、臨床試験の間に行われる指示によって指導されるトレーニング段階の間に収集することができる、又は、スマートキャップの通常の使用を通じて収集することができる。特性を、例えば、複数の試験の平均をとることによって処理することができる。追加の特性、更に少ない特性又は異なる特性を、異なるタイプのスマートキャップについて収集することができる。例えば、ポンプ式ディスペンサーは、上下運動イベントのそれぞれに対する平均ポンプ速度及び上下運動の平均回数を追跡してもよい。しきい値及びタイミングを、残量又は消費量を追跡するためのトレーニングセットに基づいて特定のユーザに対する許容される協会の範囲内で較正することができ、これによって、スマートキャップイベント検出精度を上げることができる。
【0035】
容器を閉めるイベントを検出する方法の一実施の形態を、図18のフローチャートに関連して説明する。キャップの取り外しの監視及び記録と同様に、キャップを元の位置に戻すことを追跡することができる。ねじって開けるイベントを検出するのに用いられたのと同一のしきい値を、キャップを容器に戻した後の逆方向のねじって閉めるイベントを検出するのに用いることができる。図18を参照すると、蓋の持ち上げから開始し、持ち上げ動作は、取り外しを検出するときの検出の第1の段階と同様である。ねじり閉め動作はねじって開ける動作と同一であるが、ねじり開け動作とは向きが逆である。容器及び蓋の全体の配置は、蓋を取り外すときに蓋の配置(図6)と同一である。キャップを元の位置に戻すことの発生(タイムスタンプ)を、内部メモリに記録することもできる。これによって、容器が外部環境に露出した時間(鮮度の指標)及びユーザが容器に対する相互作用を行った時間(使い勝手のよさの指標)のような有用な情報を与える。
【0036】
ユーザによる製品使用のコンプライアンスを、ユーザに知られることなく内密に監視することができる。ユーザの視界から隠れた製品相互作用モニタを容器のスマートキャップに設けることができる。例えば、製品相互作用モニタ及び他の回路を、スマートキャップを外側から見るユーザの視界から隠すことができる。例えば、製品相互作用モニタを、スマートキャップの上部又はカラーに取り付けることができる、又は、スマートキャップが外側から見て通常の容器キャップとほとんど視覚的に区別できないようにするために二つのプレートの間に挟むことができる。
【0037】
製品相互作用モニタからのデータを内密に収集することができる。例えば、スマートキャップは、ユーザがスマートキャップを容器から取り外す度に又はユーザがスマートキャップを容器に戻す度に視覚的な表示又は他の表示を有しなくてもよい。この情報を、開けるイベント及び閉めるイベントについての情報のメモリへの記録及び/又はそのようなデータの第三者装置への送信をユーザに示すことなく行うことによって製品相互作用モニタによりコンプライアンスデータとして収集することができる。製品相互作用モニタコンプライアンスデータを内密に収集することは、臨床試験の間に特に有用である。
【0038】
例えば、ユーザコンプライアンス又は信頼性データは、「包括解析」(ITT)に対する「パープロトコル解析」(PP)に基づいて製品の有効性又は安全性を決定する際に有用である。PPは、臨床研究プロトコルの指示から著しく逸脱しなかった研究の被験者のみからの分析を意味する。ITTは、プロトコルの指示から著しく逸脱した被験者を含む研究の被験者の一人一人の分析を意味する。製品相互作用モニタからのデータを、プロトコルの指示に従った被験者、したがって、PPに含まれるべき被験者を識別するのに用いることができる。さらに、これらのデータを、プロトコルの指示から著しく逸脱した被験者を将来の臨床試験から除外するのに用いることができる。
【0039】
製品相互作用モニタは、例えば、ユーザのコンプライアンスを監視する関連の介護者又は補給決定の情報を提供するために監視を行う補給者により他の状況において内密にコンプライアンスデータを収集するのに有用となることもできる。
【0040】
元の位置に戻すことができるポンプ式ディスペンサーキャップに取り付けられた製品相互作用モニタの代替的な実施の形態を、図21~27に関連して説明する。製品相互作用モニタは、図1に関連して説明した製品相互作用モニタの構成要素と同様な構成要素を利用する。本実施の形態において、製品相互作用モニタは、開けるイベント/閉めるイベントの代わりに上下運動イベントを正確に識別するためにデータを収集することができる。上下運動イベントは、ポンプ式ディスペンサーの一つ以上の上下運動を含むことができる。上下運動イベントを、製品相互作用モニタに含まれる一つ以上のセンサからの出力を用いて検出することができる。図示した実施の形態において、製品相互作用モニタ100は、加速度計110及び容量性タッチセンサ111を有し、ポンプ式ディスペンサーキャップの上下運動を正確に検出するために加速度計110からの出力と容量性タッチセンサ111からの出力の組合せを利用する。ジャイロスコープを図21のブロック図に示すが、本実施の形態は、ジャイロスコープ112を利用せず、一部の実施の形態において、ジャイロスコープ112を構造から完全に除外してもよい。代替的な実施の形態は、例えば、製品相互作用モニタの精度を更に上げるためにジャイロスコープ又は他のセンサを加速度計110及び容量性タッチセンサ111と組み合わせて利用してもよい。
【0041】
一実施の形態において、液体分配ポンプ2000を設ける。液体分配ポンプは、製品相互作用モニタ100と、電源108と、ユーザとスマートキャップとの相互作用及び/又は上下運動による液体の分配に用いられる労力を検出するためのセンサシステム109と、を有してもよい。図21~24は、製品相互作用モニタ、電源及び(一つ以上の)センサ並びにポンプ式ディスペンサーの構造のそれ以外のものの位置についての追加の情報を提供する液体分配ポンプの実施の形態の複数の例示的な図を示す。図23は、上部カラー2004、底部カラー2006、液体経路案内部(fluid path director)2002、保持リング2008、バッテリ100を有する製品相互作用モニタ及び容量性センサ111を示す液体分配ポンプ2000の分解組立図を示す。図示した実施の形態において、加速度計は、製品相互作用モニタに取り付けられ、容量性センサは、製品相互作用モニタと通信を行う個別のセンサである。
【0042】
製品相互作用モニタのセンサを製品相互作用モニタのハウジング内に物理的に含めることができる又は製品相互作用モニタのセンサを製品相互作用モニタと通信を行う個別のセンサとしてもよいことを理解すべきである。ねじって開けるキャップの実施の形態に関連して上述した製品相互作用モニタと同様に、ポンプ式ディスペンサーに取り付けられた製品相互作用モニタは、ユーザに関連したディスペンサーとの相互作用のデータ記録を行うこともできる。製品情報を、例えば、無線リンクを介してデータを送信することによって遠隔で利用することができる。
【0043】
一つの液体分配ポンプの実施の形態において、ユーザ相互作用検出を、二つのセンサの組合せによって実現することができる。第1のセンサである容量性センサは、薄いプラスチック層の下にあるポンプの上側カラーの近くに配置される。この容量性センサは、外部の何か(例えば、ユーザ)がセンサに近接したときに容量が変化する。容量性センサは、(例えば、ユーザが単に容器を持ち上げた場合の)誤った上下方向を除去しながらユーザとポンプとの相互作用が行われたことを決定するのに用いられる。第2のセンサである単一軸加速度計は、z軸方向の力を測定するように構成される。ポンプの上下運動により、加速度計によって測定することができる正の加速度と負の加速度の両方が生じる。
【0044】
ユーザは、液体に種々の力を加えることによって液体を分配することができる。例えば、ユーザは、ポンプの上部に接触するとともに液体を流すために下方向に力を加えることができる。ポンプが十分に押圧されると、ユーザは、ポンプに対して非接触状態となり、ポンプが元の位置に戻る。他のユーザは、ポンプの上部に接触し、複数の上下運動を用いて多量の液体を分配するために一定の接触を維持しながら下方向に力を加えること及びポンプを元の位置に戻すことを繰り返す。複数の上下運動の間に下方向に力を再び加える前にポンプを完全に元の位置に戻さないようにすることを含む他の状況が存在しうる。コントローラを、製品相互作用モニタ内のユーザの相互作用を決定するための種々の力を数値化するように構成することができる。
【0045】
図25は、ポンプ式ディスペンサーの上下運動及び/又はスマートキャップへの接触のようなスマートキャップイベントを追跡するために液体分配ポンプの実施の形態のコントローラにおいて実現することができる例示的なフロー図である。電力消費量を低減するために、コントローラは、タッチ検出が生じるのを待機する間に加速度計を最初にオフ又は低電力状態に設定する。コントローラを、ユーザがポンプの上部に接触したか否かを決定するために容量性センサ出力を周期的(例えば、約500ミリ秒ごとに)チェックすることによって分配を待機する(2502)ようにプログラムすることができる。容量性センサが予め決定されたしきい値を超えた場合、コントローラは、加速度計をオン状態に設定し、加速度は、加速度を測定するとともに分配を待機する(2504)。本実施の形態において、加速度計は、ハイパスフィルタ処理が可能となるように119Hzのサンプリングレートにプログラムされる。これらの設定は、意図した信号に干渉するノイズ及び他の不所望な力を低減しながら十分な加速度データを提供する。
【0046】
一旦容量性接触しきい値を超えるとともにシステムがポンプ分配状態を待機する(2504)と、コントローラは、ポンプ分配イベントの持続時間を監視するために内部タイマを始動する。コントローラは、能動的に監視を行うとともにポンプの上部への容量性接触の回数及び上下運動が生じたことを表す加速度計の読出しの回数に対する個別のカウンタの増分を行う(2506)。コントローラは、最後の接触又は上下運動が検出された後の10秒のタイムアウトを計測する(2508)第2のタイマをリセットする。このタイムアウトが生じた後、コントローラは、タイムスタンプ、上下運動の相互作用の持続時間、接触の回数及び上下運動の回数を、製品相互作用モニタ内に配置されたメモリに記録することができる(2510)。
【0047】
上下運動イベントの間に加速度計から収集される関連の例示的な未加工のデータ及び処理データを図26及び図27に示す。図26は、短期間中に一連の5個の分配ポンプの加速度計によって提供される未加工の情報を示す。個別のポンプをシステムの他の力又はノイズ源から区別するのが困難となることがある。したがって、コントローラを、デジタル信号処理を行うのに利用することができる。図27は、図26の未加工の16サンプルの移動平均を示し、その結果、個別のポンプ波形を有する更に明瞭な波形となる。コントローラは、フィルタ処理された加速度計データを監視することによって、しきい値、例えば、ポンプを識別するとともにポンプカウンタを増分するために用いられた10個の連続するサンプルに対する図示した実施の形態における-0.035gのしきい値を超える加速度の値をチェックすることにより生じたポンプ分配を決定することができる。
【0048】
コントローラは、能動的に監視を行うとともにポンプの上部への容量性接触の回数及び上下運動が生じたことを表す加速度計の読出しの回数の両方に対するカウンタの増分を行う。コントローラは、最後の接触又は上下運動が検出された後の10秒のタイムアウトを計測する第2のタイマをリセットする。このタイムアウトが生じた後、コントローラは、タイムスタンプ、上下運動の相互作用の持続時間、接触の回数及び上下運動の回数を、製品相互作用モニタ内に配置されたメモリに記録することができる。
【0049】
一旦ポンプイベントが終了すると、コントローラは、イベントをメモリに記録することができる及び/又はイベントを第三者装置に送信することができる。イベントの記録は、未加工のセンサデータ、処理された結果及びその組合せを含むことができる。例えば、未加工のセンサデータ、フィルタ処理されたセンサデータ、分配される製品の量の見積もりのような結果、例えば、各上下運動に予め決定された製品の量(例えば、10個の連続するサンプルに対する0.35g)を乗算することによって決定される見積もりである。代替的には、分配される製品の量の見積もりを、上下運動の移動距離及び上下運動の移動距離と分配される製品の間の相関係数を決定することによって更に正確に計算することができる。相関係数を、分配される液体の特性及びポンプの構造のような多様な特性に応じて変えることができる。ねじって開ける実施の形態に関連して説明したように、コントローラ、電源及びセンサを有する製品相互作用モニタを、ヒューマンユーザの視界から隠れるように取り付けることができ、したがって、この情報を、ユーザに知られることなく内密に収集し、記録し、かつ、第三者装置に送信することができ、これによって、臨床試験の有用性を上げることができる。
【0050】
「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、「上側」、「下側」、「内側」、「内部」、「外側」及び「外部」のような方向に関する用語は、図示した実施の形態の向きに基づいて発明を説明するのに役立てるために用いられる。方向に関する用語は、発明を特定の(一つ以上の)向きに限定するものと解釈すべきでない。
【0051】
上記の説明は、本発明の本実施の形態の説明である。均等論を含む特許法の原則に従って解釈される特許請求の範囲で規定される本発明の精神及びより広い側面から逸脱することなく種々の変更及び変形を行うことができる。本開示は、説明のために示され、本発明の実施の形態の包括的な説明として解釈されるべきではなく、特許請求の範囲をこれらの実施の形態に関連して図示又は説明した特定の構成要素に限定するものと解釈されるべきではない。例えば、限定を行うことなく、説明した本発明の個別の構成要素を、実質的に同様な機能を提供する又は十分な動作を行う代替的な構成要素に置き換えてもよい。これは、例えば、当業者に現在知られている構成要素のような現在既知の代替的な構成要素及び当業者が開発の際に代替物と認識することができる構成要素のような将来開発される代替的な構成要素を含む。さらに、開示した実施の形態は、同時に説明されるとともに利益の集積を共同的に提供することができる複数の特徴を含む。本発明は、取得した特許で明示的に説明される場合を除いてこれらの特徴の全てを含む又は述べられた利益の全てを提供する実施の形態のみに限定されない。例えば、「一つ」、「その」又は「前記」(articles“a”,“an”,“the” or “said”)を用いる単数形の特許請求の範囲の構成要素への言及は、構成要素を単一のものに限定するものと解釈すべきでない。
1.容器のスマートキャップであって、
前記スマートキャップの内側に取り付けられた製品相互作用モニタであって、前記スマートキャップの外側から見えないように隠され、コントローラ、電源及びセンサシステムを有する製品相互作用モニタを備え、
前記コントローラは、メモリへの製品相互作用モニタコンプライアンスデータの記録と第三者装置への前記製品相互作用モニタコンプライアンスデータの送信のうちの少なくとも一方によって前記製品相互作用モニタコンプライアンスデータを内密に収集するように構成され、前記製品相互作用モニタコンプライアンスデータは、前記センサシステムからの出力に少なくとも部分的に基づくスマートキャップ。
2.前記スマートキャップは、ねじって開けるキャップであり、前記製品相互作用モニタは、ねじって開ける特性をユーザプロファイルに関連させるためのねじって開けるトレーニングモードを有する項1に記載のスマートキャップ。
3.前記スマートキャップは、ねじって開けるイベントを終了するためのねじって開ける速度及び持続時間を記録し、これらの特性を前記ユーザプロファイルに関連させる項2に記載のスマートキャップ。
4.前記製品相互作用モニタは、投薬特性をユーザプロファイルに関連させるための投薬トレーニングモードを有する項1に記載のスマートキャップ。
5.前記スマートキャップは、投薬イベントを完了するためのセットダウン角及び持続時間を記録し、これらの特性を前記ユーザプロファイルに関連させる項4に記載のスマートキャップ。
6.残量を記録するための飛行時間型センサを有する項1に記載のスマートキャップ。
7.複数のセンサのうちの一つは、前記容器が傾斜状態であるか直立状態であるかを検出するように構成した加速度計であり、前記コントローラは、飛行時間残量測定を前記容器が直立状態であるときに限定する項6に記載のスマートキャップ。
8.前記製品相互作用モニタは、製品残量を見積もる項1に記載のスマートキャップ。
9.前記センサシステムは、湿度センサと温度センサのうちの少なくとも一方を有する項1に記載のスマートキャップ。
10.前記センサシステムは、加速度計及びジャイロスコープを有し、スマートキャップイベントの決定は、しきい値、サンプル並びに前記加速度計及び前記ジャイロスコープからのタイミングシーケンスの組合せに基づく項1に記載のスマートキャップ。
11.前記センサシステムは、加速度計及び容量性タッチセンサを有し、スマートキャップイベントの決定は、しきい値、サンプル並びに前記加速度計及び前記容量性タッチセンサからのタイミングシーケンスの組合せに基づく項1に記載のスマートキャップ。
12.容器のスマートキャップであって、
ハウジングと、
前記スマートキャップの外側から見えないように隠されるために前記スマートキャップの内側に取り付けられた製品相互作用モニタであって、コントローラ及び複数のセンサを有する製品相互作用モニタを備え、
前記コントローラは、前記複数のセンサからの出力に基づいてスマートキャップイベントを検出するように構成され、前記コントローラは、メモリへの前記スマートキャップイベントの記録と第三者装置への前記スマートキャップイベントの送信のうちの少なくとも一方を行うように構成されたスマートキャップ。
13.前記製品相互作用モニタは、前記複数のセンサからのキャップ開け特性をユーザプロファイルに関連させるためのトレーニングモードを有する項12に記載のスマートキャップ。
14.前記キャップ開け特性は、キャップ開けイベントを完了するためのねじって開ける速度及び持続時間を含む項13に記載のスマートキャップ。
15.前記製品相互作用モニタは、投薬特性をユーザプロファイルに関連させるための投薬トレーニングモードを有する項12に記載のスマートキャップ。
16.前記投薬特性は、投薬イベントを完了するためのセットダウン角及び持続時間を有する項15に記載のスマートキャップ。
17.残量を記録するための飛行時間型センサを有する項12に記載のスマートキャップ。
18.前記複数のセンサのうちの一つ以上は、前記容器が傾斜状態であることを検出し、それに応じて飛行時間残量測定のときを限定する項17に記載のスマートキャップ。
19.前記製品相互作用モニタは、スマートキャップイベントの量に基づいて製品残量を見積もる項12に記載のスマートキャップ。
20.湿度センサと温度センサのうちの少なくとも一方を有する項12に記載のスマートキャップ。
21.前記スマートキャップイベントの決定は、しきい値、サンプル並びに前記複数のセンサからのタイミングシーケンスの組合せに基づく項12に記載のスマートキャップ。
22.ユーザによる製品使用のコンプライアンスを内密に監視する方法であって、
容器のスマートキャップを提供することであって、前記スマートキャップは、前記スマートキャップの内側に取り付けられた製品相互作用モニタを有し、前記製品相互作用モニタは、前記スマートキャップの外側から見えないように隠されることと、
前記製品相互作用モニタを用いて、スマートキャップイベントを検出することと、
メモリへの製品相互作用モニタコンプライアンスデータの記録と第三者装置への前記製品相互作用モニタコンプライアンスデータの送信のうちの少なくとも一方によって前記製品相互作用モニタコンプライアンスデータを、ユーザに対する表示を行うことなく内密に収集することであって、前記製品相互作用モニタコンプライアンスデータは、前記検出に少なくとも部分的に基づくことと、
を備える方法。
23.前記製品相互作用モニタは、コントローラ、加速度計及びジャイロスコープを有し、前記検出は、前記加速度計及び前記ジャイロスコープからの出力に基づく項22に記載の方法。
24.複数のユーザからのユーザ生成コンプライアンスデータを収集することと、複数のユーザから製品相互作用モニタコンプライアンスデータを収集することと、製品の実際の使用を表すユーザ信頼性データを決定するために前記ユーザ生成コンプライアンスデータと前記製品相互作用モニタコンプライアンスデータとを比較することと、を有する項22に記載の方法。
25.前記製品相互作用モニタコンプライアンスデータを臨床試験データセットに分類することと、前記ユーザ信頼性データに基づいて前記臨床試験データセットから所定の製品相互作用モニタコンプライアンスデータを除去することと、を有する項24に記載の方法。
26.前記ユーザ信頼性データに基づいてユーザアウトカムを比較することによって製品の安全性と有効性のうちの少なくとも一方を決定することを含む項24に記載の方法。
27.リマインダーを表示するための前記スマートキャップにディスプレイを設けることとリマインダーをユーザの個人用装置に送信することのうちの少なくとも一方によって製品を使用することをユーザに再認識させることを有する項22に記載の方法。
28.前記スマートキャップは、外観から通常の容器とほとんど視覚的に区別できない項22に記載の方法。
29.前記製品相互作用モニタは、二つのプレートに挟まれることによって外側から見えないように隠される項22に記載の方法。
30.前記第三者装置は、臨床試験装置、介護者の個人用装置及び補給者の装置のうちの少なくとも一つである項22に記載の方法。
31.容器のスマートキャップであって、
前記スマートキャップの内側に取り付けられた製品相互作用モニタであって、コントローラ、電源及びセンサシステムを有する製品相互作用モニタを備え、
前記コントローラは、メモリへの製品相互作用モニタデータの記録と第三者装置への前記製品相互作用モニタデータの送信のうちの少なくとも一方によって前記製品相互作用モニタデータを収集するように構成され、前記製品相互作用モニタデータは、スマートキャップイベントを表す前記センサシステムからの出力に少なくとも部分的に基づくスマートキャップ。
32.前記スマートキャップイベントは、前記スマートキャップをねじって開けること、前記スマートキャップをねじって閉じることと前記スマートキャップを開けるために前記スマートキャップの蓋を底部から離すように動かすこと、前記スマートキャップを閉じるために前記蓋を前記底部に向かうように動かすこと及び前記容器から製品を分配するために前記スマートキャップを取り外すことのうちの少なくとも一つを有する項31に記載のスマートキャップ。
33.前記スマートキャップは、ねじって開けるキャップであり、前記センサシステムは、加速度計及びジャイロスコープを有し、前記スマートキャップイベントは、しきい値並びに前記加速度計からの出力及び前記ジャイロスコープからの出力のタイミングシーケンスの組合せによって規定される項31に記載のスマートキャップ。
34.前記スマートキャップは、底部及び蓋を有するフリップキャップであり、前記センサシステムは、加速度計及び磁力計を有し、前記スマートキャップイベントは、しきい値並びに前記加速度計からの出力及び前記磁力計からの出力のタイミングシーケンスの組合せによって規定される項31に記載のスマートキャップ。
35.前記スマートキャップは、ポンプ式分配キャップであり、前記センサシステムは、容量性タッチセンサ及び加速度計を有し、前記スマートキャップイベントは、しきい値並びに前記容量性タッチセンサからの出力及び前記加速度計からの出力のタイミングシーケンスの組合せによって規定される項31に記載のスマートキャップ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
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図27