(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】座席端末、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/436 20110101AFI20220628BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220628BHJP
B64D 11/06 20060101ALI20220628BHJP
H04N 21/482 20110101ALI20220628BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20220628BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20220628BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
H04N21/436
G06Q50/10
B64D11/06
H04N21/482
H04N21/442
B60N2/90
A47C7/62 Z
(21)【出願番号】P 2019100084
(22)【出願日】2019-05-29
【審査請求日】2020-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【氏名又は名称】芦北 智晴
(74)【代理人】
【識別番号】100209705
【氏名又は名称】山本 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 誠
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-034059(JP,A)
【文献】特開2017-098645(JP,A)
【文献】特表2018-519594(JP,A)
【文献】特開2011-135117(JP,A)
【文献】特開2013-110654(JP,A)
【文献】特開2013-031160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
G06Q 50/10
B64D 11/06
B60N 2/90
A47C 7/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
旅客移動体の座席ごとに設けられた座席端末であって、
前記座席端末に関する座席端末情報を取得する情報取得部と、
前記座席端末情報を記憶する座席端末記憶部と、
直接的にクラウドとなる外部装置とLPWA通信を行う第1通信部と、
情報端末からコンテンツ情報を受信する第2通信部と、
前記旅客移動体が1つの運行を終えて目的地に着陸したことを示す運行完了情報を取得した場合であり、且つ前回の前記座席端末情報の送信から所定時間経過している場合に、前記第1通信部を介して、前記外部装置へ前記座席端末情報を送信する送信処理部と、
前記コンテンツ情報を出力する出力部と、を有し、
前記第2通信部は、前記第1通信部よりも一度に多くのデータ量で通信することが可能であり、且つ前記第1通信部よりも高い頻度で通信することが可能であり、
前記座席端末情報には、前記情報取得部が前記座席端末の各部をセルフチェックすることにより取得したエラー情報が含まれる座席端末。
【請求項2】
前記座席端末情報には、前記座席端末の稼働状態情報と、前記座席端末を搭載した飛行機の飛行機識別情報と、前記座席端末の乗客が着座する座席の座席識別情報とが含まれる請求項1に記載の座席端末。
【請求項3】
前記稼働状態情報には、前記座席端末においてエラーがあるか否かを示すエラー有無情報、及び前記座席端末のソフトウエアのバージョン情報のうちの少なくとも一つが含まれる請求項2に記載の座席端末。
【請求項4】
情報の入力部として、有線式のコントローラを有し、
前記出力部は、ディスプレイを含み、
前記エラー情報には、前記座席端末におけるリセット回数を示すリセット情報、前記ディスプレイへの電源供給路が遮断していることを示すモニタ信号情報、及び前記コントローラの断線を示す断線信号情報のうちの少なくとも一つが含まれる請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の座席端末。
【請求項5】
前記コンテンツ情報には、映像情報および音情報の少なくとも一方が含まれる、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の座席端末。
【請求項6】
外部端末と近距離無線通信を行う第3通信部を更に有し、
前記第3通信部は、前記第1通信部よりも一度に多くのデータ量で通信することが可能であり、且つ前記第1通信部よりも高い頻度で通信することが可能である請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の座席端末。
【請求項7】
旅客移動体の座席ごとに設けられた座席端末を、
前記座席端末に関する座席端末情報を取得する情報取得部と、前記座席端末情報を記憶する座席端末記憶部と、直接的にクラウドとなる外部装置とLPWA通信を行う第1通信部と、情報端末からコンテンツ情報を受信する第2通信部と、
前記旅客移動体が1つの運行を終えて目的地に着陸したことを示す運行完了情報を取得した場合であり、且つ前回の前記座席端末情報の送信から所定時間経過している場合に、前記第1通信部を介して、前記外部装置へ前記座席端末情報を送信する送信処理部と、前記コンテンツ情報を出力する出力部として機能させるプログラムであって、
前記第2通信部は、前記第1通信部よりも一度に多くのデータ量で通信することが可能であり、且つ前記第1通信部よりも高い頻度で通信することが可能であり、
前記座席端末情報には、前記情報取得部が前記座席端末の各部をセルフチェックすることにより取得したエラー情報が含まれる、プログラム。
【請求項8】
旅客移動体の座席ごとに設けられた座席端末を用いる情報処理方法であって、
前記座席端末は、情報取得部、第1通信部、第2通信部、及び出力部を有し、
前記情報取得部が、前記座席端末に関する座席端末情報を取得する処理と、
前記旅客移動体が1つの運行を終えて目的地に着陸したことを示す運行完了情報を取得した場合であり、且つ前回の前記座席端末情報の送信から所定時間経過している場合に、前記第1通信部を介して、直接的にクラウドとなる外部装置へ前記座席端末情報をLPWA通信で送信する処理と、
前記第2通信部を介して、情報端末からコンテンツ情報を受信する処理と、
前記情報端末から受信した前記コンテンツ情報を前記出力部が出力する処理と、
を含み、
前記第2通信部は、前記第1通信部よりも一度に多くのデータ量で通信することが可能であり、且つ前記第1通信部よりも高い頻度で通信することが可能であり、
前記座席端末情報には、前記情報取得部が前記座席端末の各部をセルフチェックすることにより取得したエラー情報が含まれる、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅客移動体の座席ごとに設けられる座席端末に関し、特に、コンテンツ情報を出力する出力部を有する座席端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飛行機などの旅客移動体の機内では、IFE(in-flight entertainment system)と呼ばれる機内エンターテイメントシステムで種々のサービスを受けることができる。IFEは、乗客の座席ごとに設けられる座席端末を備えている。座席端末は、乗客の前席に設けられるディスプレイを有する。
【0003】
例えば特許文献1には、座席端末を備えた情報システムとして、AVコンテンツ視聴システムが開示されている。特許文献1の情報システムは、飛行機の複数の座席に、ネットワーク伝送路を通じて映画やゲームなどを配信するVOD(Video On Demand)サービスを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の情報システムにおいては、座席端末には、ディスプレイに電力を供給する電源ケーブルが接続され、コックピットに設置された端末装置から情報を受信するための情報伝送ケーブルも接続される。さらに、各座席端末にVODサービスを提供するために、座席端末と機内に設置されたVODサーバとがイーサネットケーブルを用いて接続される。飛行機においては、機体の軽量化が課題となるところ、複数の座席端末にイーサネットケーブルを接続すると、機体の重量が増加するという問題がある。
【0006】
ところで、旅客移動体の乗客の多くは、スマートフォン、タブレットなどの情報端末を所持している。近年の情報端末は、動画、音楽などのコンテンツ情報を多数蓄積することができる。そのため、乗客が所持する情報端末に蓄積されたコンテンツ情報を座席端末のディスプレイで視聴できるようにすれば、イーサネットケーブルを省略して機体の重量を低減することができる。
【0007】
しかしながら、イーサネットケーブルを省略した場合、複数の座席端末に関する座席端末情報を機内に設置されたサーバに収集して管理することが難しくなる。
【0008】
本発明は、複数の座席端末に関する座席端末情報の管理を比較的簡単に行うことができる座席端末、プログラム、及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の第一態様に係る座席端末は、旅客移動体の座席ごとに設けられる。上記座席端末は、情報取得部と、座席端末記憶部と、第1通信部と、第2通信部と、送信処理部と、出力部と、を有する。上記情報取得部は、上記座席端末に関する座席端末情報を取得する。上記座席端末記憶部は、上記座席端末情報を記憶する。上記第1通信部は、外部装置と無線通信を行う。上記第2通信部は、情報端末からコンテンツ情報を受信する。上記送信処理部は、上記第1通信部を介して、上記外部装置へ上記座席端末情報を送信する。上記出力部は、上記コンテンツ情報を出力する。上記第2通信部は、上記第1通信部よりも1度に多くのデータ量で通信することが可能であり、又は上記第1通信部よりも高い頻度で通信することが可能である。
【0010】
第一態様に係る座席端末によれば、複数の座席端末に関する座席端末情報の管理を比較的簡単に行うことができる。
【0011】
本開示の第二態様に係る座席端末は、第一態様に係る座席端末において、上記座席端末情報には、エラー情報が含まれる。上記エラー情報は、上記情報取得部が上記座席端末の各部をセルフチェックすることにより取得される。
【0012】
本開示の第三態様に係る座席端末は、第二態様に係る座席端末において、上記座席端末情報には、上記座席端末の稼働状態情報と、上記座席端末を搭載した飛行機の飛行機識別情報と、上記座席端末の乗客が着座する座席の座席識別情報とが含まれる。
【0013】
本開示の第四態様に係る座席端末は、第三態様に係る座席端末において、上記稼働状態情報には、エラー有無情報、及び上記座席端末のソフトウエアのバージョン情報のうちの少なくとも一つが含まれる。上記エラー有無情報は、上記座席端末においてエラーがあるか否かを示す。
【0014】
本開示の第五態様に係る座席端末は、第二態様乃至第四態様に係る座席端末の何れかにおいて、情報の入力部として、有線式のコントローラを有する。上記エラー情報には、リセット情報、モニタ信号情報、及び断線信号情報のうちの少なくとも一つが含まれる。上記リセット情報は、上記座席端末におけるリセット回数を示す。上記モニタ信号情報は、上記ディスプレイへの電源供給路が遮断していることを示す。上記断線信号情報は、上記コントローラの断線を示す。
【0015】
本開示の第六態様に係る座席端末は、第一態様乃至第五態様に係る座席端末の何れかにおいて、上記コンテンツ情報には、映像情報および音情報の少なくとも一方が含まれる。
【0016】
本開示の第七態様に係る座席端末は、第一態様乃至第六態様に係る座席端末の何れかにおいて、外部端末と無線通信を行う第3通信部を更に有する。上記第3通信部は、上記第1通信部よりも1度に多くのデータ量で通信することが可能であり、又は上記第1通信部よりも高い頻度で通信することが可能である。
【0017】
本開示に係るプログラムは、座席端末を情報取得部と、座席端末記憶部と、第1通信部と、第2通信部と、送信処理部と、出力部として機能させる。上記座席端末は、旅客移動体の座席ごとに設けられる。上記情報取得部は、上記座席端末に関する座席端末情報を取得する。上記座席端末記憶部は、上記座席端末情報を記憶する。上記第1通信部は、外部装置と無線通信を行う。上記第2通信部は、情報端末からコンテンツ情報を受信する。上記送信処理部は、上記第1通信部を介して、上記外部装置へ上記座席端末情報を送信する。上記出力部は、上記コンテンツ情報を出力する。上記第2通信部は、上記第1通信部よりも1度に多くのデータ量で通信することが可能であり、又は上記第1通信部よりも高い頻度で通信することが可能である。
【0018】
本開示に係る情報処理方法は、旅客移動体の座席ごとに設けられた座席端末を用いる。上記座席端末は、情報取得部、第1通信部、第2通信部、及び出力部を有する。情報処理方法は、上記情報取得部が、上記座席端末に関する座席端末情報を取得する処理と、上記第1通信部を介して、外部装置へ上記座席端末情報を送信する処理と、上記第2通信部を介して、情報端末からコンテンツ情報を受信する処理と、上記情報端末から受信した上記コンテンツ情報を上記出力部が出力する処理と、を含む。上記第2通信部は、上記第1通信部よりも1度に多くのデータ量で通信することが可能であり、又は上記第1通信部よりも高い頻度で通信することが可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数の座席端末に関する座席端末情報の管理を比較的簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態に係る情報システムのブロック図である。
【
図2】旅客移動体の座席に座席端末が設けられた例を示す斜視図である。
【
図3】情報端末と座席端末が通信可能に接続されるまでの処理を示すフローチャートである。
【
図4】情報端末に蓄積されたコンテンツ情報を座席端末で視聴する場合の処理を示すフローチャートである。
【
図5】座席端末がセルフチェックを行う場合の処理を示すフローチャートである。
【
図6】座席端末が座席端末情報を外部装置に送信する場合の処理を示すフローチャートである。
【
図7】座席端末がソフトウエアをアップデートする場合の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係る座席端末、及び座席端末を備える情報システム、並びに情報処理方法について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る情報システム1は、座席端末2、情報端末3、外部装置4、及び外部端末5を備える。
図1では、情報の流れを矢印で例示している。
図1の破線矢印は、無線通信が介在することを示している。
【0022】
座席端末2は、旅客移動体の座席ごとに設けられている。座席端末2は、旅客移動体の全ての座席又は一部の座席に設けられる。本実施形態では、旅客移動体は、飛行機である。但し、旅客移動体は、飛行機に限定されない。旅客移動体は、例えば、車両、船舶、又は列車であってもよい。
【0023】
座席端末2は、例えば、座席端末制御部10、第1通信部11、第2通信部12、第3通信部13、機内ネットワークインターフェース14、入力部16、映像出力部17、音声出力部18、及び座席端末記憶部19を備える。
【0024】
座席端末制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を用いて構成される。座席端末制御部10は、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより、座席端末2の各部を制御する。座席端末制御部10は、例えば、情報取得部21、コンテンツ処理部22、アップデート処理部28、及び送信処理部30として機能する。座席端末制御部10は、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより、座席端末2が有する第1通信部11、第2通信部12、第3通信部13、機内ネットワークインターフェース14、入力部16、映像出力部17、音声出力部18、及び座席端末記憶部19を機能させる。
【0025】
情報取得部21は、座席端末2に関する座席端末情報20を取得する。本実施形態では、座席端末情報20には、座席端末2におけるエラー情報23と、座席端末2の稼働状態情報25と、座席端末2を搭載した飛行機の飛行機識別情報26と、座席端末2の乗客が着座する座席15の座席識別情報27とが含まれる。
【0026】
情報取得部21は、座席端末2の各部をセルフチェックすることによりエラー情報23を取得する。エラー情報23には、例えば、座席端末2におけるリセット回数を示すリセット情報23aと、映像出力部17が備えるディスプレイ17aへの電源供給路が遮断していることを示すモニタ信号情報23bと、入力部16が備える有線式のコントローラ16aの断線を示す断線信号情報23cとが含まれる。
【0027】
情報取得部21は、座席端末2の稼働状態を監視することにより稼働状態情報25を取得する。稼働状態情報25には、例えば、座席端末2においてエラーが有るか否かを示すエラー有無情報25aと、座席端末2に組み込まれたソフトウエアのバージョン情報25bとが含まれる。情報取得部21は、座席端末2においてエラーが発生した場合、座席端末記憶部19に記憶しているエラー有無情報25aをエラーが有ることを示す情報に書き換える。情報取得部21は、座席端末2に組み込まれたソフトウエアのバージョン情報25bを管理しており、ソフトウエアがアップグレード又はダウングレードされた場合、座席端末記憶部19に記憶しているバージョン情報25bを最新バージョン情報に書き換える。
【0028】
送信処理部30は、第1通信部11を介して、外部装置4へ座席端末情報20を送信する。言い換えれば、座席端末2は、座席端末情報20を直接的にクラウドとなる外部装置4へ送信することができる。複数の座席端末情報の各々は、コンテンツ情報と比較してデータ量が少ない。他方、複数の座席端末情報の各々は、コンテンツ情報と比較して所定の頻度で更新される必要がある。送信処理部30は、第1通信部11を介して、所定の頻度で直接的に外部装置4へ座席端末情報20を送信することができる。
【0029】
コンテンツ処理部22は、情報端末3からコンテンツ情報44aを受信する。コンテンツ処理部22は、受信したコンテンツ情報44aに含まれる映像情報を映像出力部17において出力する。コンテンツ処理部22は、受信したコンテンツ情報44aに含まれる音情報を音声出力部18において出力する。
【0030】
アップデート処理部28は、座席端末2のプログラムが最新バージョンでない場合、外部端末5から最新バージョンのアップデータをダウンロードする。アップデート処理部28は、ダウンロードしたアップデータを用いて、座席端末2のプログラムのアップデートを行う。
【0031】
第1通信部11は、外部装置4と通信を行う。外部装置4は、例えば、飛行機の運航会社又は管理会社の情報収集サーバである。情報収集サーバは、複数の座席端末2の座席端末情報20を収集するためのサーバである。第1通信部11は、座席端末情報20を含む送信情報を外部装置4へ送信する。第1通信部11は、所定の時間間隔で一定の頻度で情報を、外部装置4へ送信することが可能である。第1通信部11と外部装置4との間で行われる通信は、例えば、LPWA(Low Power Wide Area)通信である。LPWA通信では、一度に送信できるデータの容量が少なく、1日に送信できる回数が限られている。しかし、LPWA通信は、低消費電力且つ比較的広いエリアをカバーできる。第1通信部11は、LPWA通信によって、例えば、半径数kmから数十km単位の広いエリアに電波を飛ばすことができる。第1通信部11は、LPWA通信を利用する
場合、例えば、100bpsから数十kbpsの通信速度で通信を行うことができる。第1通信部11は、LPWA通信により、例えば、920MHz帯、若しくは2.4GHz帯の周波数帯で通信を行うことができる。本実施形態では、1日に送信できる回数を制限するために、第1通信部11は所定の時間間隔をおいて通信する。所定の時間間隔は、一定の時間間隔ごとでもよいし、任意の時間間隔ごとでもよい。
【0032】
第3通信部13は、外部端末5と通信を行う。外部端末5は、例えば、飛行機の整備員が所持する携帯端末である。外部端末5は、具体的には、タブレット、ノートパソコン、若しくはスマートフォンで構成されてもよい。したがって、外部端末5は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を用いて構成される。外部端末5は、通信部、制御部、入力部、表示部及び記憶部と、を備えた構成とすることができる。外部端末5には、例えば、座席端末2のプログラムのアップデータが保存されている。第3通信部13は、外部端末5から座席端末2のソフトウエアのアップデータを受信する。第3通信部13は、第1通信部11よりも一度に多くのデータ量で情報を送信することができるように構成されている。また、第3通信部13は、第1通信部11よりも高い頻度で情報を送信することが可能である。第3通信部13は、例えば、近距離無線通信を用いて外部端末5と通信を行う。近距離無線通信は、例えば、通信できる距離が数cmから数十メートル以内(例えば50m以内)の比較的狭いエリアがカバーできる。近距離無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)の通信規格に対応した通信が挙げられる。第3通信部13は、Wi-Fi(登録商標)の通信規格を利用する場合、例えば、100mから300m程度のエリアに電波を飛ばすことができる。第3通信部13は、Wi-Fi(登録商標)の通信規格を利用する場合、例えば、54Mbpsの通信速度で情報を送信することができる。第3通信部13は、Bluetooth(登録商標)の通信規格を利用する場合、例えば、10mから100m程度のエリアに電波を飛ばすことができる。第3通信部13は、Bluetooth(登録商標)の通信規格を利用する場合、例えば、24Mbpsの通信速度で情報を送信することができる。
【0033】
第2通信部12は、情報端末3と無線通信を行う。第2通信部12は、情報端末3からコンテンツ情報を受信する。第2通信部12は、第1通信部11よりも一度に多くのデータ量で情報を送信することができるように構成されている。また、第2通信部12は、第1通信部11よりも高い頻度で情報を送信することが可能である。第2通信部12は、例えば、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)の規格を利用した通信を行う。第2通信部12は、情報端末3と無線通信を行う場合だけに限られない。第2通信部12は、情報端末3と有線で通信を行うように構成されてもよい。第2通信部12と情報端末3との通信は、例えば、USB(Universal Serial Bus)通信、若しくはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)通信を用いることができる。座席端末2は、情報端末3からSDL(Smart Device Link)の規格を利用して、情報を出力してもよい。座席端末2は、SDLの規格を利用して、情報を出力する構成に限られず、Car Play(登録商標)若しくはAndroid Auto(登録商標)のようなオペレーションシステムを利用して情報を出力する構成でもよい。
【0034】
機内ネットワークインターフェース14は、有線で機内ネットワーク31に接続されている。座席端末制御部10は、コックピットに設置された飛行情報提供装置32から飛行情報を受信する。飛行情報としては、例えば、フライトマップ、又は機外カメラによる撮影画像を挙げることができる。機内ネットワークインターフェース14は、有線で機内ネットワーク31に接続されている場合だけに限られず、無線で機内ネットワーク31に接続されてもよい。
【0035】
入力部16は、座席端末2に対する乗客の入力情報を受け付ける。入力部16は、受け付けた入力情報に応じた信号を座席端末制御部10に送信する。座席端末制御部10は、入力部16から受信した信号に従って各種の処理を行う。入力部16は、例えば、表示装置と入力装置とを組み合わせたタッチパネルを用いて構成されている場合、タッチパネルの入力装置が該当する。入力部16は、音声を認識して情報の入力を受け付ける音声認識装置であってもよい。また、入力部16は、物理キーによるキー入力装置であってもよい。本実施形態では、入力部16は、有線式のコントローラ16aも備えている。乗客は、コントローラ16aを使用して各種の入力操作を行うことができる。乗客は、コントローラ16aを使用してディスプレイ17aに表示されるコンピュータゲームの操作を行うこともできる。
【0036】
映像出力部17は、座席端末制御部10から転送される映像情報に基づいて映像を出力する。本実施形態では、映像出力部17は、ディスプレイ17aを用いて映像を出力する。各座席端末2が備えるディスプレイ17aは、座席端末2の使用者が着座する座席15の前席に設けられている。本実施形態では、
図2に示すように、座席端末2もディスプレイ17aも座席15の背面に設けられている。但し、ディスプレイ17aが設けられる場所は、座席端末2の使用者が着座する前の座席15の背面に限定される訳ではない。
【0037】
音声出力部18は、座席端末制御部10から転送される音情報に基づいて音声を出力する。本実施形態では、音声出力部18は、ヘッドフォン18aにおいて音声を出力する。なお、音声出力部18と映像出力部17とでコンテンツ情報を出力する出力部9が構成される。
【0038】
座席端末記憶部19は、例えば、情報取得部21が取得した座席端末情報20を記憶する。座席端末記憶部19は、例えば、不揮発性メモリを用いて構成される。不揮発性メモリとして、例えば、フラッシュメモリが挙げられる。座席端末記憶部19には、各種の座席端末情報20が記憶されている。また、座席端末記憶部19には、乗客に必ず伝える必要のある安全コンテンツ情報24も記憶されている。安全コンテンツ情報24としては、例えば、救命具の取扱方法を説明する動画情報、及びシートベルトの着用方法を説明する動画情報が挙げられる。安全コンテンツ情報24は、コックピット又は乗務員室からの遠隔操作により、ディスプレイ17aに表示させることができるように構成されている。また、座席端末記憶部19は、ステータス会員のみが視聴できる会員限定コンテンツ情報33も記憶している。
【0039】
情報端末3は、例えば、情報端末制御部41、端末通信部42、無線ネットワーク通信部43、情報端末記憶部44、情報端末入力部45、及び情報端末表示部46を備える。情報端末3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を用いて構成される。情報端末3は、例えば、所定のアプリケーション・プログラム44bをインストールしたスマートフォン又はタブレットを用いて構成することができる。
【0040】
情報端末制御部41は、例えば、アプリケーションプロセッサ、フラッシュメモリ、及びSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)を用いて構成される。情報端末制御部41は、フラッシュメモリに記憶された所定のプログラムを実行することにより、情報端末3の各部を制御する。
【0041】
端末通信部42は、座席端末2の第2通信部12と通信を行う。端末通信部42は、例えば、Bluetooth(登録商標)の通信規格に対応した通信モジュールを用いて構成される。
【0042】
無線ネットワーク通信部43は、機内に設置されたアクセスポイントを介して、インターネットに接続される。無線ネットワーク通信部43は、例えば、Wi-Fiモジュールを用いて構成される。Wi-Fiモジュールを用いて構成された無線ネットワーク通信部43は、機内に設置されたWi-Fiアクセスポイントを介してインターネットに接続される。したがって、乗客は、自己が所有する情報端末3を使用して、インターネット上のコンテンツ情報の提供者のサイトにアクセスすることができる。乗客は、情報端末3を使用して、コンテンツ情報の提供者のサイトからコンテンツ情報を情報端末3にダウンロードすることができる。また、乗客は、情報端末3を使用して、インターネット上のマイレージサービスの運営会社のサイトにアクセスすることができる。乗客は、情報端末3を使用して、アクセスしたマイレージサービスの運営会社のサイトでマイルを使って会員限定コンテンツ情報33を視聴するために必要な認証情報を購入することができる。
【0043】
情報端末記憶部44は、コンテンツ情報44aを記憶している。コンテンツ情報44aは、映像情報および音情報の少なくとも一方を含む。コンテンツ情報44aとして、例えば、映画、音楽、写真、及びコンピュータゲームが挙げられる。情報端末記憶部44は、例えば、フラッシュメモリ又はSDカードを用いて構成される。情報端末記憶部44には、SDLの規格に対応した通信を行うためのSDLアプリケーション・プログラム44bが記憶されている。また、情報端末記憶部44には、座席端末2において、航空会社の会員限定サービスを受けるために使用される会員向けの会員アプリケーション・プログラム44cが記憶されている。
【0044】
情報端末入力部45は、乗客の入力情報を受け付ける。情報端末入力部45は、受け付けた入力情報に応じた信号を情報端末制御部41に送信する。情報端末入力部45は、例えば、表示装置と入力装置とを組み合わせたタッチパネルを用いて構成されている場合、タッチパネルの入力装置が該当する。情報端末入力部45は、音声を認識して情報の入力を受け付ける音声認識装置であってもよい。また、情報端末入力部45は、物理キーによるキー入力装置であってもよい。
【0045】
情報端末表示部46は、情報端末制御部41から転送される画像情報を表示する。情報端末表示部46は、例えば、表示装置と入力装置とを組み合わせたタッチパネルを用いて構成されている場合、タッチパネルの表示装置が該当する。情報端末表示部46は、入力装置とは別に設けられた表示装置であってもよい。
【0046】
情報端末制御部41は、コンテンツ配信用アプリケーション・プログラム44bを実行することにより、コンテンツ配信部47として機能する。コンテンツ配信部47は、端末通信部42を座席端末2の第2通信部12と通信可能に接続させた上で、コンテンツ情報44aを座席端末2に配信する。一方、座席端末2のコンテンツ処理部22は、第2通信部12を介して受信するコンテンツ情報44aに含まれる映像情報を映像出力部17のディスプレイ17aに表示させる。また、コンテンツ処理部22は、第2通信部12を介して受信するコンテンツ情報44aに含まれる音情報を音声出力部18のヘッドフォン18aから出力させる。
【0047】
次に、情報システム1において実行することができる各種の機能について説明する。
【0048】
先ず、情報端末3に蓄積されたコンテンツ情報44aを座席端末2で視聴する機能について
図3及び
図4のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0049】
情報端末3において乗客が所定操作をすることにより、情報端末制御部41は、SDLアプリケーション・プログラムを起動する(ステップ1)。以下では、ステップをSと称する。
【0050】
情報端末制御部41は、コンテンツ配信用アプリケーション・プログラムを起動すると、所定時間ペアリング待機モードに遷移する(S2)。
【0051】
座席端末2においても、入力部16において乗客が所定操作をすると(S21)、座席端末制御部10はペアリング待機モードに移行する(S22)。座席端末2は、ペアリング待機モードで座席端末2の識別情報を配信する(S23)。識別情報としては、例えば、座席番号が挙げられる。
【0052】
座席端末2および情報端末3の双方がペアリング待機モードになっている状態で、乗客が座席端末2と情報端末3とを所定距離以内まで近づけると、情報端末制御部41は、座席端末2から配信されている識別情報を受信する(S3)。情報端末制御部41は、受信した座席端末2の識別情報を情報端末表示部46に表示する(S4)。
【0053】
乗客が情報端末表示部46に表示された1又は複数の識別情報の中から自身の座席端末2の識別情報を選択する操作を情報端末入力部45において行うと、情報端末入力部45は、選択操作を受け付け(S5)、情報端末3と、選択された座席端末2とが互いに無線通信ができる状態で接続される(S6及びS24)。
【0054】
座席端末2と情報端末3とが接続された後、情報端末制御部41は、無線ネットワーク通信部43を介して、航空会社の会員向けサーバ29に認証処理を経て接続する(S7)。認証処理の際にサーバに提示する会員ID及びパスワードは、予め乗客によって情報端末3内に登録されている。
【0055】
情報端末3が会員向けサーバ29と接続されると、情報端末3は会員向けサーバ29から会員IDに対応するステータス情報を受信する(S8)。情報端末3は、受信したステータス情報を端末通信部42を介して座席端末2の第2通信部12に送信する。
【0056】
座席端末制御部10は、第2通信部12を介して情報端末3からステータス情報を受信すると(S25)、ステータス情報に応じた画面をディスプレイ17aに表示する(S26)。例えば、「一般会員」と、「一般会員」よりステータスが高い「シルバー会員」と、「シルバー会員」よりステータスが高い「ゴールド会員」とが用意されていると仮定した場合、ディスプレイ17aに表示される画面の一部に、ステータス情報に応じて「一般会員様」、「シルバー会員様」、「ゴールド会員様」という文字が表示される。例えば、ステータス情報に応じてディスプレイ17aに表示される画面の色を相違させてもよい。また、例えば、ステータス情報に応じて、視聴できる会員限定コンテンツ情報33の数を差別化してもよい。
【0057】
情報端末制御部41は、座席端末2と情報端末3とが無線通信ができる状態で接続されているとき(S11でYESの場合)、情報端末表示部46に情報端末記憶部44に記憶されている1又は複数のコンテンツ情報44aのファイル名を選択可能に表示させる(S12)。座席端末2のディスプレイ17aがタッチパネルを用いて構成されている場合は、タッチパネルにも、情報端末表示部46と同様に、1又は複数のコンテンツ情報44aのファイル名を選択可能に表示させてもよい。
【0058】
乗客が情報端末表示部46に表示された1又は複数のファイル名の中から1つを選択する操作を情報端末入力部45において行うと(S13)、コンテンツ配信部47は、選択されたコンテンツ情報44aを座席端末2に配信する(S14)。座席端末2の入力部16がタッチパネルを用いて構成されている場合は、タッチパネルに表示された1又は複数のファイル名の中から1つを選択する操作を乗客が行えるように構成してもよい。座席端末2のコンテンツ処理部22は、情報端末3から第2通信部12を介して受信するコンテンツ情報44aに含まれる映像情報を映像出力部17のディスプレイ17aに表示させる。また、コンテンツ処理部22は、第2通信部12を介して受信するコンテンツ情報44aに含まれる音情報を音声出力部18のヘッドフォン18aにおいて発生させる(S32)。
【0059】
このようにして、乗客は、自己の情報端末3に蓄積されたコンテンツ情報44aを座席端末2において視聴することができる。座席端末2のディスプレイ17aは、比較的大画面であるため、情報端末表示部46よりもコンテンツ情報44aを視聴し易い。また、乗客の情報端末3の情報端末表示部46は、休止状態となり電力を殆ど消費しなくなるので、情報端末3のバッテリー消費を抑制することができる。
【0060】
次に、座席端末情報20を外部装置4に収集する機能について
図5及び
図6のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0061】
座席端末2の情報取得部21は、所定のタイミングで(S41でYESの場合)、座席端末2の各部をセルフチェックする(S42)。所定のタイミングは、例えば、飛行機が1つの運行を終えて目的地に着陸したタイミングとすることができる。例えば、機内ネットワーク31を通じて、飛行機が1つの運行を終えて目的地に着陸したことを示す運行完了情報を取得できる場合は、情報取得部21は、運行完了情報を取得する。情報取得部21は、運行完了情報を取得した場合に座席端末2の各部をセルフチェックするようにしてもよい。所定のタイミングは、飛行機が1つの運行を終えて目的地に着陸したタイミングに限定されない。所定のタイミングは、例えば、一定周期ごとのタイミング、又は入力部16において所定操作が行われたタイミングとすることもできる。
【0062】
情報取得部21は、セルフチェックにより異常が検出された場合(S43でYESの場合)、エラー情報23を生成して座席端末記憶部19に記憶する(S44)。
【0063】
情報取得部21は、エラー情報23を座席端末記憶部19に記憶させた後、稼働状態情報25に含まれるエラー有無情報25aをエラーが有ることを示す情報に更新する(S45)。なお、情報取得部21は、エラー有無情報25aが既にエラーが有ることを示す情報になっている場合は、エラー有無情報25aの更新を行わない。
【0064】
送信処理部30は、第1通信部11による送信を行うことができる送信可能状態にあるかを繰り返し判定する(S51)。例えば、機内ネットワーク31を通じて、飛行機が1つの運行を終えて目的地に着陸したことを示す運行完了情報を取得できる場合は、運行完了情報を取得した場合に送信可能状態にあると判定することができる。送信処理部30が送信可能状態にあると判定するのは、運行完了情報を取得した場合に限定されない。例えば、入力部16において所定操作が行われた場合に、送信処理部30が送信可能状態にあると判定するようにしてもよい。
【0065】
送信処理部30は、送信可能状態にあると判定した場合(S51でYESの場合)、第1通信部11による前回の座席端末情報20の送信から所定時間経過しているかを判定する(S52)。この判定は、第1通信部11による送信を所定の時間間隔で実行するために行われる。
【0066】
送信処理部30は、第1通信部11による前回の座席端末情報20の送信から所定時間経過していると判定した場合(S52でYESの場合)、座席端末記憶部19から座席端末情報20を読み出す。送信処理部30は、第1通信部11による前回の座席端末情報20の送信から所定時間経過していないと判定した場合(S52でNOの場合)、処理をS51に戻す。送信処理部30は、読み出した座席端末情報20を第1通信部11からLPWA通信にて外部装置4に送信する(S53)。本実施形態では、座席端末情報20のエラー情報23及び稼働状態情報25に対して、それぞれ飛行機識別情報26及び座席識別情報27が紐付けされた状態で外部装置4に送信される。送信処理部30は、送信した座席端末情報20のうち、エラー情報23を削除する(S54)。エラー情報23を削除するのは、次回に座席端末情報20を送信する際に、既に送信済のエラー情報を送信しないようにするためである。
【0067】
外部装置4は、各座席端末2から受信した座席端末情報20のエラー情報23及び稼働状態情報25に対してそれぞれ飛行機識別情報26及び座席識別情報27が紐付けられた状態で記憶する。外部装置4に記憶された座席端末情報20は、外部端末5において閲覧できるように構成されていることが望ましい。
【0068】
次に、座席端末2のソフトウエアのアップデート機能について
図7のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0069】
座席端末2のアップデート処理部28は、第3通信部13を介して外部端末5と通信可能に接続される。アップデート処理部28は、所定のタイミングで(S61でYESの場合)、第3通信部13を介して外部端末5に対して、最新のアップデータのバージョン情報を問い合わせる(S62)。所定のタイミングは、例えば、一定周期ごとのタイミング、又は入力部16において乗客による所定操作が行われたタイミングとすることができる。問い合わせを受けた外部端末5は、座席端末2に対して最新のアップデータのバージョン情報を送信する。
【0070】
アップデート処理部28は、外部端末5から受信したバージョン情報と現在のソフトウエアのバージョン情報25bとを比較する。アップデート処理部28は、現在のバージョン情報25bが最新の場合(S63でYESの場合)、一連の処理を終了する。アップデート処理部28は、現在のバージョン情報25bが最新でない場合(S63でNOの場合)、最新バージョンのアップデータを外部端末5からダウンロードする(S64)。
【0071】
アップデート処理部28は、外部端末5からダウンロードした最新バージョンのアップデータを使用して座席端末2のソフトウエアをアップデートする(S65)。
【0072】
アップデート処理部28は、ソフトウエアをアップデートした後、座席端末記憶部19に記憶しているバージョン情報25bを最新バージョン情報に書き換える(S66)。
【0073】
以上に説明した情報システム1によれば、座席端末情報20が外部装置4に送信されるので、外部装置4において複数の座席端末2の座席端末情報20を収集することができる。このため、座席端末情報20の管理を外部装置4において簡単に行うことができる。座席端末情報20には、飛行機識別情報26及び座席識別情報27が含まれているので、収集した座席端末情報20を飛行機ごと、或いは座席ごとに分析処理又は統計処理を行うことができる。
【0074】
また、情報システム1によれば、軽量化のために、VODサーバと、VODサーバ接続用のイーサネットケーブルを省略しても、座席端末2においてコンテンツ情報を視聴することができ、なおかつ、外部装置4において座席端末情報20を収集して管理することができる。
【0075】
なお、情報システム1では、無線通信を利用して、第2通信部12と端末通信部42とを通信可能に接続したが、第2通信部12と端末通信部42とを有線にて通信可能に接続してもよい。例えば、第2通信部12と端末通信部42とをそれぞれHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)の規格に対応した通信部としてもよい。この場合、第2通信部12及び端末通信部42は、それぞれ、HDMI(登録商標)用のソケット端子を備える。第2通信部12のソケット端子と端末通信部42のソケット端子は、HDMI(登録商標)ケーブルによって接続される。HDMI(登録商標)を利用した場合、Bluetooth(登録商標)を利用する場合に必要となるペアリング処理が不要となる。
【0076】
以上に開示された実施形態は、あらゆる点で例示であり限定的に解釈してはならない。本発明は、その精神や主旨、又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 情報システム
2 座席端末
3 情報端末
4 外部装置
5 外部端末
9 出力部
10 座席端末制御部
11 第1通信部
12 第2通信部
13 第3通信部
15 座席
16 入力部
16a コントローラ
17 映像出力部
17a ディスプレイ
18 音声出力部
19 座席端末記憶部
20 座席端末情報
21 情報取得部
23 エラー情報
23a リセット情報
23b モニタ信号情報
23c 断線信号情報
25 稼働状態情報
25a エラー有無情報
25b バージョン情報
26 飛行機識別情報
27 座席識別情報
30 送信処理部
41 情報端末制御部
42 端末通信部
43 無線ネットワーク通信部
44 情報端末記憶部
44a コンテンツ情報
45 情報端末入力部
47 コンテンツ配信部