(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】マイクロプレートリーダを動作させるためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20220628BHJP
【FI】
G01N35/00 F
(21)【出願番号】P 2019522820
(86)(22)【出願日】2017-11-03
(86)【国際出願番号】 IB2017056887
(87)【国際公開番号】W WO2018083656
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-08-13
(32)【優先日】2016-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519091306
【氏名又は名称】モレキュラー デバイシーズ (オーストリア) ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カッツリンガ, ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】クローンベルガ, ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】シンヴァルト, ベルンハルト
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第1291626(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0035732(US,A1)
【文献】特開2003-066049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00,37/00,
G02B 5/20,
G01J 3/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロプレートリーダであって、前記マイクロプレートリーダは、
筐体と、
第1のNFCリーダおよびライタと、
フィルタトレイ位置付けデバイスと、
フィルタトレイであって、前記フィルタトレイは、NFCタグを有し、前記NFCタグは、前記フィルタトレイ上に配置されている、フィルタトレイと、
前記フィルタトレイ内に配置されている第1の光学フィルタであって、前記第1の光学フィルタは、第1のフィルタNFCタグを有し、前記第1のフィルタNFCタグは、前記第1の光学フィルタ上に配置されている、第1の光学フィルタと、
コントローラと
を備え、
前記コントローラは、行われるべきアッセイプロトコルについての情報を受信し、前記アッセイプロトコルは、使用されるべき光学フィルタを規定し、
前記第1のNFCリーダおよびライタは、前記第1のフィルタNFCタグに記憶されている第1のフィルタ情報を読み取り、前記コントローラは、前記第1のフィルタ情報を前記フィルタトレイの前記NFCタグに記憶するように前記第1のNFCリーダおよびライタに指図し、前記コントローラは、前記第1のフィルタ情報が、前記第1の光学フィルタが前記アッセイプロトコルによって規定された前記光学フィルタと一致していることを示す場合のみ、前記アッセイプロトコルを行うための前記マイクロプレートリーダの動作を可能にする、マイクロプレートリーダ。
【請求項2】
前記マイクロプレートリーダは、第2のNFCリーダおよびライタをさらに含み、前記第1のNFCリーダおよびライタは、前記筐体の内側のNFCタグを読み取り、前記第2のNFCリーダおよびライタは、前記筐体の外側のNFCタグを読み取る、請求項1に記載のマイクロプレートリーダ。
【請求項3】
前記マイクロプレートリーダは、ディスプレイをさらに含み、前記第2のNFCリーダおよびライタは、前記フィルタトレイの前記NFCタグからフィルタトレイ情報を読み取り、前記コントローラは、前記フィルタトレイ情報を前記ディスプレイ上に表示する、請求項2に記載のマイクロプレートリーダ。
【請求項4】
請求項2に記載のマイクロプレートリーダとアッセイキットとの組み合わせであって、前記アッセイキットは、アッセイキットNFCタグを含み、前記第2のNFCリーダおよびライタは、前記アッセイキットNFCタグからアッセイキット情報を読み取り、前記コントローラは、前記アッセイキット情報が、前記アッセイキットが前記アッセイプロトコルによって規定されたアッセイキットと一致していることを示す場合のみ、前記プロトコルを行うための前記マイクロプレートリーダの動作を可能にする、組み合わせ。
【請求項5】
前記アッセイキットは、試薬を含み、前記アッセイキット情報は、前記アッセイキット内の前記試薬の量に関する情報を含み、前記コントローラは、前記試薬の量が前記アッセイプロトコルによって規定された量と一致している場合のみ、前記プロトコルを行うための前記マイクロプレートリーダの動作を可能にする、請求項4に記載の組み合わせ。
【請求項6】
前記プロトコルを行うための前記マイクロプレートリーダの動作の後、前記コントローラは、残りの試薬の量を決定し、前記コントローラは、前記アッセイキットNFCタグに前記残りの試薬の量を含む情報を記録するように前記第2のNFCリーダおよびライタに指図する、請求項5に記載の組み合わせ。
【請求項7】
前記フィルタトレイ位置付けデバイスは、線形経路に沿って前記フィルタトレイを移動させ、前記第1のNFCリーダおよびライタは、前記フィルタトレイが前記フィルタトレイ位置付けデバイスによって移動させられているとき、前記フィルタトレイの前記NFCタグおよび前記第1のフィルタNFCタグが前記第1のNFCリーダおよびライタに隣接して通過するように配置されている、請求項1に記載のマイクロプレートリーダ。
【請求項8】
前記マイクロプレートリーダは、フィルタ筐体をさらに含み、前記第1の光学フィルタは、前記フィルタ筐体内に配置されており、前記第1のフィルタNFCタグは、前記フィルタ筐体に固定されており、前記フィルタ筐体は、前記フィルタトレイ内に配置されている、請求項1に記載のマイクロプレートリーダ。
【請求項9】
前記マイクロプレートリーダは、前記フィルタトレイ内に配置されている第2の光学フィルタと、第2のフィルタNFCタグとをさらに含み、前記第1のNFCリーダおよびライタは、前記第2のフィルタNFCタグから第2のフィルタ情報を読み取り、前記コントローラは、前記第2のフィルタ情報を前記フィルタトレイの前記NFCタグに記憶するように前記第1のNFCリーダおよびライタに指図する、請求項1に記載のマイクロプレートリーダ。
【請求項10】
前記マイクロプレートリーダは、入力デバイスをさらに含み、前記コントローラは、複数のプロトコルからの前記プロトコルの選択を受信する、請求項1に記載のマイクロプレートリーダ。
【請求項11】
マイクロプレートリーダを動作させる方法であって、
前記マイクロプレートリーダは、筐体と、第1のNFCリーダおよびライタと、フィルタトレイ位置付けデバイスとを含み、
前記方法は、
前記マイクロプレートリーダ内にフィルタトレイを配置することであって、前記フィルタトレイは、NFCタグを有し、前記NFCタグは、前記フィルタトレイ上に配置されている、ことと、
前記フィルタトレイ内に第1の光学フィルタを配置することであって、前記第1の光学フィルタは、第1のフィルタNFCタグを有し、前記第1のフィルタNFCタグは、前記第1の光学フィルタ上に配置されている、ことと、
コントローラが、行われるべきアッセイプロトコルについての情報を受信することであって、前記アッセイプロトコルは、使用されるべき光学フィルタを規定する、ことと、
前記第1のフィルタNFCタグに記憶されている第1のフィルタ情報を読み取ることと、
前記第1のフィルタ情報を前記フィルタトレイの前記NFCタグに記憶するように前記第1のNFCリーダおよびライタを動作させることと、
前記第1のフィルタ情報が、前記第1の光学フィルタが前記アッセイプロトコルによって規定された前記光学フィルタと一致していることを示す場合のみ、前記アッセイプロトコルを行うように前記マイクロプレートリーダを動作させることと
を含む、方法。
【請求項12】
前記方法は、前記筐体の内側に配置されているNFCタグから情報を読み取るように前記第1のNFCリーダおよびライタを動作させることと、前記筐体の外側に配置されているNFCタグから情報を読み取るように第2のNFCリーダおよびライタを動作させることとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、前記第2のNFCリーダおよびライタを用いて、前記フィルタトレイの前記NFCタグからフィルタトレイ情報を読み取ることと、前記フィルタトレイ情報をディスプレイ上に表示することとをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、前記第2のNFCリーダおよびライタを使用して、アッセイキット上に配置されているアッセイキットNFCタグからアッセイキット情報を読み取ることと、前記アッセイキット情報が、前記アッセイキットが前記アッセイプロトコルによって規定されたアッセイキットと一致していることを示す場合のみ、前記プロトコルを行うための前記マイクロプレートリーダの動作を可能にすることとをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記アッセイキット情報は、前記アッセイキット内の試薬の量に関する情報を含み、前記試薬の量が前記アッセイプロトコルによって規定された量と一致している場合のみ、前記プロトコルを行うための前記マイクロプレートリーダの動作を可能にする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、前記プロトコルを行うように前記マイクロプレートリーダを動作させることと、そのような動作後、残りの試薬の量を決定することとをさらに含み、前記コントローラは、前記アッセイキットNFCタグに前記残りの試薬の量を含む情報を記録するように前記第2のNFCリーダおよびライタに指図する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、線形経路に沿って前記フィルタトレイを移動させることと、前記フィルタトレイが前記フィルタトレイ位置付けデバイスによって移動させられているとき、前記フィルタトレイの前記NFCタグおよび前記第1のフィルタNFCタグが前記第1のNFCリーダおよびライタに隣接して通過するように前記第1のNFCリーダおよびライタを配置することとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、フィルタ筐体内に前記第1の光学フィルタを配置することと、前記第1のフィルタNFCタグを前記フィルタ筐体に固定することと、前記フィルタトレイ内に前記フィルタ筐体を配置することとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、前記フィルタトレイ内に第2の光学フィルタを配置すること
であって、前記第2の光学フィルタは、第2のフィルタNFCタグを有し、前記第2のフィルタNFCタグは、前記第2の光学フィルタ上に配置されている、ことと、
前記第2のフィルタNFCタグから第2のフィルタ情報を読み取ることと、前記フィルタトレイの前記NFCタグ内に前記第2のフィルタ情報を記憶するように前記第1のNFCリーダおよびライタに指図することとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、複数のプロトコルからの前記プロトコルの選択を受信することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国仮出願第15/344,808号(2016年11月7日出願)に対する優先権を主張し、上記出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(開示の分野)
本主題は、マイクロプレートリーダに関し、より具体的には、マイクロプレートリーダと共に使用される構成要素を検証するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロプレートリーダは、マイクロプレート上に配置された生物学的サンプルの刺激への応答を検出または測定するために使用される。マイクロプレートは、2次元アレイにおいて構成される所定の数のセルを含み、生物学的物質のサンプルが、各セル内に配置され得る。
【0004】
刺激は、放射(光源等)、化学物質、電場、または別の生物学的物質との相互作用にさらすことであり得る。ある場合、応答は、光の発生(例えば、生物学的サンプルが刺激に応答して蛍光を発する場合)、特定の波長の光の吸収、または副産物の生成を含む。1つ以上のそのような応答の存在および/または大きさは、マイクロプレートリーダを使用して測定され得る。
【0005】
いくつかのマイクロプレートリーダは、刺激への応答の特定の特性のみを測定し、例えば、蛍光または光の吸収に起因する放出のみを測定する。対照的に、マルチモードマイクロプレートリーダは、サンプルによる吸光度および/またはルミネッセンス(蛍光、化学ルミネッセンス、生物ルミネッセンス、エレクトロルミネッセンス、熱ルミネッセンス等)の変化を含む特定の刺激への応答の異なる特性を測定する。そのようなマルチモードマイクロプレートリーダは、サンプルを刺激にさらし、1つ以上のフィルタを使用し、異なるタイプの応答を検出する。
【0006】
加えて、マルチモードマイクロプレートリーダは、典型的には、電気プローブおよび/または所定の量の1つ以上の試薬を送達するための1つ以上のマイクロピペットを含む生物学的サンプルに刺激を提供する装置を含む。マルチモードマイクロプレートリーダは、1つ以上のフィルタおよび1つ以上のセンサも含む。各タイプのフィルタは、刺激されたサンプルによって放出された特定の波長の光が、センサによって検出される前にそれを通過することを可能にする。センサは、電荷結合素子、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード等のフォトセンサまたはデジタルカメラチップであり得る。
【0007】
動作時、ユーザは、試験されるサンプルのタイプ、サンプルが配置されるであろうマイクロプレートのレイアウト、各サンプルに提供される刺激、試験中に使用されるであろう試薬および他の物質、および測定される応答のタイプを規定するアッセイプロトコルを定義する。プロトコルは、各応答のタイプのために、1つ以上の光学フィルタをサンプルとセンサとの間の光路内の位置に関連付け得る。
【0008】
プロトコルが定義されると、マイクロプレートリーダは、1つ以上のマイクロプレートを用いてプロトコルを実行するように動作させられ得る。さらに、マイクロプレート、試薬、およびプロトコルを実行するために必要な他の物質を含むプロトコルに関連付けられるアッセイキットが、商業的に調達されるか、または組み立てられ得る。開発されると、プロトコルは、マイクロプレートリーダに関連付けられる記憶媒体上に記憶され、必要に応じて1回以上読み出され、実行され得る。
【0009】
プロトコルがエラーを伴わずに、かつ中断を伴わずに実行されるために、プロトコルのために必要なフィルタが、マイクロプレートリーダの中に装填され、プロトコルに関連付けられるアッセイキットを備えている十分な量の消耗材料が、利用可能であることが重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
一側面によると、マイクロプレートリーダは、筐体と、第1のNFCリーダ/ライタと、フィルタトレイ位置付けデバイスと、フィルタトレイと、フィルタトレイ内に配置された光学フィルタと、コントローラとを含む。フィルタトレイNFCタグが、フィルタトレイ上に配置され、光学フィルタは、その上に配置されたフィルタNFCタグを有する。コントローラは、行われるべきアッセイプロトコルについての情報を受信し、アッセイプロトコルは、使用されるべきフィルタを規定する。第1のNFCリーダ/ライタは、フィルタNFCタグに記憶されたフィルタ情報を読み取り、コントローラは、フィルタ情報をフィルタトレイNFCタグに記憶するようにNFCリーダ/ライタに指図し、コントローラは、フィルタ情報が、光学フィルタがアッセイプロトコルにおいて規定されたフィルタと一致していることを示す場合のみ、アッセイプロトコルを行うためのマイクロプレートリーダの動作を可能にする。
【0011】
別の側面によると、筐体と、第1のNFCリーダ/ライタと、フィルタトレイ位置付けデバイスとを含むマイクロプレートリーダを動作させる方法は、マイクロプレートリーダ内にフィルタトレイを配置することと、フィルタトレイ内に配置された第1の光学フィルタを配置することとを含む。フィルタトレイは、その上に配置されたNFCタグを有し、第1の光学フィルタは、その上に配置された第1のフィルタNFCタグを有する。方法は、コントローラによって、行われるべきアッセイプロトコルについての情報を受信することであって、アッセイプロトコルは、使用されるべきフィルタを規定する、ことと、第1のフィルタNFCタグに記憶された第1のフィルタ情報を読み取ることと、第1のフィルタ情報を第1のフィルタトレイタグに記憶するように第1のNFCリーダ/ライタを動作させることとをさらに含む。加えて、方法は、第1のフィルタ情報が、第1の光学フィルタがアッセイプロトコルによって規定されたフィルタと一致していることを示す場合のみ、アッセイプロトコルを行うようにマイクロプレートリーダを動作させることを含む。
【0012】
他の側面および利点は、同様の数字が本明細書全体を通して同様の構造を指定する以下の詳細な説明および添付される図面を考慮すると明白であろう。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
マイクロプレートリーダであって、前記マイクロプレートリーダは、
筐体と、
第1のNFCリーダ/ライタと、
フィルタトレイ位置付けデバイスと、
フィルタトレイであって、前記フィルタトレイは、その上に配置されたNFCタグを有する、フィルタトレイと、
前記フィルタトレイ内に配置された第1の光学フィルタであって、前記第1の光学フィルタは、その上に配置された第1のフィルタNFCタグを有する、第1の光学フィルタと、
コントローラと
を備え、
前記コントローラは、行われるべきアッセイプロトコルについての情報を受信し、前記アッセイプロトコルは、使用されるべきフィルタを規定し、
前記第1のNFCリーダ/ライタは、前記第1のフィルタNFCタグに記憶された第1のフィルタ情報を読み取り、前記コントローラは、前記第1のフィルタ情報を前記フィルタトレイNFCタグに記憶するように前記NFCリーダ/ライタに指図し、前記コントローラは、前記第1のフィルタ情報が、前記第1の光学フィルタが前記アッセイプロトコルによって規定された前記フィルタと一致していることを示す場合のみ、前記アッセイプロトコルを行うための前記マイクロプレートリーダの動作を可能にする、マイクロプレートリーダ。
(項目2)
第2のNFCリーダ/ライタをさらに含み、前記第1のNFCリーダ/ライタは、前記筐体の内側のNFCタグを読み取り、前記第2のNFCリーダ/ライタは、前記筐体の外側のNFCタグを読み取る、項目1に記載のマイクロプレートリーダ。
(項目3)
ディスプレイをさらに含み、前記第2のNFCリーダ/ライタは、前記フィルタトレイNFCタグからフィルタトレイ情報を読み取り、前記コントローラは、前記フィルタトレイ情報を前記ディスプレイ上に表示する、項目2に記載のマイクロプレートリーダ。
(項目4)
アッセイキットとの組み合わせにおいて、前記アッセイキットは、アッセイキットNFCタグを含み、前記第2のNFCリーダ/ライタは、前記アッセイキットNFCタグからアッセイキット情報を読み取り、前記コントローラは、前記アッセイキット情報が、前記アッセイキットが前記アッセイプロトコルによって規定されたアッセイキットと一致していることを示す場合のみ、前記プロトコルを行うための前記マイクロプレートリーダの動作を可能にする、項目2に記載のマイクロプレートリーダ。
(項目5)
前記アッセイキットは、試薬を含み、前記アッセイキット情報は、前記アッセイキット内の前記試薬の量に関する情報を含み、前記コントローラは、前記試薬の量が前記アッセイプロトコルによって規定された量と一致している場合のみ、前記プロトコルを行うための前記マイクロプレートリーダの動作を可能にする、項目4に記載のマイクロプレートリーダおよびアッセイキット。
(項目6)
前記プロトコルを行うための前記マイクロプレートリーダの動作能後、前記コントローラは、残りの試薬の量を決定し、前記コントローラは、前記アッセイキットNFCタグに前記残りの試薬の量を含む情報を記録するように前記第2のNFCリーダ/ライタに指図する、項目5に記載のマイクロプレートリーダおよびアッセイキット。
(項目7)
前記フィルタトレイ位置付けデバイスは、線形経路に沿って前記フィルタトレイを移動させ、前記第1のNFCリーダ/ライタは、前記フィルタトレイが前記フィルタトレイ位置付けデバイスによって移動させられているとき、前記フィルタトレイNFCタグおよび前記フィルタタグが前記第1のNFCリーダ/ライタに隣接して通過するように配置されている、項目1に記載のマイクロプレートリーダ。
(項目8)
フィルタ筐体をさらに含み、前記第1の光学フィルタは、前記フィルタ筐体内に配置されており、前記第1のフィルタNFCタグは、前記フィルタ筐体に固定されており、前記フィルタ筐体は、前記フィルタトレイ内に配置されている、項目1に記載のマイクロプレートリーダ。
(項目9)
前記フィルタトレイ内に配置された第2の光学フィルタと、第2のフィルタNFCタグとをさらに含み、前記第1のNFCリーダ/ライタは、前記第2のフィルタNFCタグから第2のフィルタ情報を読み取り、前記コントローラは、前記第2のフィルタ情報を前記フィルタトレイNFCタグに記憶するように前記第1のNFCリーダ/ライタに指図する、項目1に記載のマイクロプレートリーダ。
(項目10)
入力デバイスをさらに含み、前記コントローラは、複数のプロトコルからの前記プロトコルの選択を受信する、項目1に記載のマイクロプレートリーダ。
(項目11)
マイクロプレートリーダを動作させる方法であって、
前記マイクロプレートリーダは、筐体と、第1のNFCリーダ/ライタと、フィルタトレイ位置付けデバイスとを含み、
前記方法は、
前記マイクロプレートリーダ内にフィルタトレイを配置することであって、前記フィルタトレイは、その上に配置されたNFCタグを有する、ことと、
前記フィルタトレイ内に配置された第1の光学フィルタを配置することであって、前記第1の光学フィルタは、その上に配置された第1のフィルタNFCタグを有する、ことと、
コントローラによって、行われるべきアッセイプロトコルについての情報を受信することであって、前記アッセイプロトコルは、使用されるべきフィルタを規定する、ことと、
前記第1のフィルタNFCタグに記憶された前記第1のフィルタ情報を読み取ることと、
前記第1のフィルタ情報を前記第1のフィルタトレイタグに記憶するように前記第1のNFCリーダ/ライタを動作させることと、
前記第1のフィルタ情報が、前記第1の光学フィルタが前記アッセイプロトコルによって規定された前記フィルタと一致していることを示す場合のみ、前記アッセイプロトコルを行うように前記マイクロプレートリーダを動作させることと
を含む、方法。
(項目12)
前記第1のNFCリーダ/ライタを動作させることは、前記筐体の内側に配置されたNFCタグから情報を読み取るように前記NFCリーダ/ライタを動作させることを含み、前記筐体の外側に配置されたNFCタグから情報を読み取るように第2のNFCリーダ/ライタを動作させることをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記第2のNFCリーダ/ライタを用いて、前記フィルタトレイNFCタグからフィルタトレイ情報を読み取ることと、前記フィルタトレイ情報をディスプレイ上に表示することとをさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記第2のNFCリーダ/ライタを使用して、アッセイキット上に配置されたアッセイキットNFCタグからアッセイキット情報を読み取ることと、前記アッセイキット情報が、前記アッセイキットが前記アッセイプロトコルによって規定されたアッセイキットと一致していることを示す場合のみ、前記プロトコルを行うための前記マイクロプレートリーダの動作を可能にすることとをさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記アッセイキット情報は、前記アッセイキット内の試薬の量に関する情報を含み、前記試薬の量が前記アッセイプロトコルによって規定された量と一致している場合のみ、前記プロトコルを行うための前記マイクロプレートリーダの動作を可能にする、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記プロトコルを行うように前記マイクロプレートリーダを動作させることと、そのような動作後、残りの試薬の量を決定することとをさらに含み、前記コントローラは、前記アッセイキットNFCタグに前記残りの試薬の量を含む情報を記録するように前記第2のNFCリーダ/ライタに指図する、項目15に記載の方法。
(項目17)
線形経路に沿って前記フィルタトレイを移動させることと、前記フィルタトレイが前記フィルタトレイ位置付けデバイスによって移動させられているとき、前記フィルタトレイNFCタグおよび前記フィルタタグが前記第1のNFCリーダ/ライタに隣接して通過するように前記第1のNFCリーダ/ライタを配置することとをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目18)
フィルタ筐体内に前記第1の光学フィルタを配置することと、前記第1のフィルタNFCタグを前記フィルタ筐体に固定することと、前記フィルタトレイ内に前記フィルタ筐体を配置することとをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目19)
前記フィルタトレイ内に第2の光学フィルタを配置することと、前記第2のフィルタNFCタグから第2のフィルタ情報を読み取ることと、前記フィルタトレイNFCタグ内に前記第2のフィルタ情報を記憶するように前記第1のNFCリーダ/ライタに指図することとをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目20)
複数のプロトコルからの前記プロトコルの選択を受信することをさらに含む、項目11に記載のマイクロプレートリーダ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本開示による、マイクロプレートリーダの等角図である。
【
図2】
図2は、
図1のマイクロプレートリーダのブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1のマイクロプレートリーダと共に使用され得るフィルタ保持器およびフィルタの等角図である。
【
図4】
図4は、
図3のフィルタ保持器およびフィルタが
図1に関するマイクロプレートリーダとの使用のために配置され得る、フィルタトレイの等角図である。
【
図5】
図5は、
図1のマイクロプレートリーダと共に使用され得るアッセイキットの等角図である。
【
図6】
図6は、
図1のマイクロプレートリーダと共に使用され得るユーザアクセスカードの平面図である。
【
図7A】
図7Aおよび7Bは、
図1のマイクロプレートリーダのコントローラによって行われる処理のフローチャートである。
【
図7B】
図7Aおよび7Bは、
図1のマイクロプレートリーダのコントローラによって行われる処理のフローチャートである。
【
図8】
図8は、
図1のマイクロプレートリーダのフィルタトレイ位置デバイスの上部平面図である。
【
図9】
図9は、
図1のマイクロプレートリーダの別の実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、マイクロプレートリーダ100は、筐体102を含み、筐体102上に、ディスプレイ104と、近距離無線通信(NFC)タグとの通信のために適合される第1のNFCリーダ/ライタ106とが配置される。当業者に明白であろうように、NFCタグは、典型的には、アンテナと、NFCタグと、メモリとを含む。NFCリーダ/ライタは、NFCタグと通信し、情報を読み取り、および/または、それをメモリに書き込む。
【0015】
いくつかの実施形態では、ディスプレイ104は、情報の表示およびコマンドの入力を可能にするタッチスクリーンディスプレイである。他の実施形態では、ディスプレイ104は、情報を表示するだけであり得、外部入力デバイスが、情報の入力のために提供され得る。いくつかの実施形態では、NFCリーダ/ライタ106は、マイクロプレートリーダ100の筐体102と別個であり得、例えば、マイクロプレートリーダ100と通信するスマートフォン、タブレット、またはコンピュータ内に配置され得る。そのような通信は、ローカルまたは広域有線もしくは無線ネットワーク、Bluetooth(登録商標)等を介してであり得る。
【0016】
第1のNFCリーダ/ライタ106は、マイクロプレートリーダ100の外部のNFCタグが第1のNFCリーダ/ライタ106と接触させられるか、または第1のNFCリーダ/ライタ106の所定の距離内にあるとき、第1のNFCリーダ/ライタ106がそのようなNFCタグと通信するように配置される。第1のNFCリーダ/ライタ106が、ディスプレイ104上に配置されるように示されるが、第1のNFCリーダ/ライタ106は、第1のNFCリーダ/ライタ106がマイクロプレートリーダ100の外部のNFCタグと通信することが可能であるような位置における、筐体102上またはマイクロプレートリーダ100の筐体内の任意の場所に配置され得ることが、明白であろう。
【0017】
マイクロプレートリーダ100は、コントローラ108と、その中にマイクロプレートが挿入され得る入力ポート110と、それを通してマイクロプレートリーダ100によって使用されるフィルタおよび/または試薬が導入され得る1つ以上のポート112とを含む。
【0018】
図2を参照すると、マイクロプレートリーダは、照明源114と、マイクロプレート保持器116と、1つ以上の試薬供給源118と、1つ以上のマイクロピペット120と、マイクロピペット作動デバイス122と、フィルタトレイ位置付けデバイス124と、第2のNFCリーダ/ライタ126と、センサ128とを含む。
【0019】
動作中、コントローラ108は、行われるべきアッセイプロトコルを受信し、プロトコルに関連付けられたマイクロプレート130が、マイクロプレート保持器116上に配置される。マイクロプレート130は、複数のウェル136を含み、サンプルは、各そのようなウェル136内に堆積され得ることが、当業者に明白であろう。典型的には、サンプルは、マイクロプレート130がマイクロプレートリーダ100の中に挿入される前、ウェル136の中に堆積される。
【0020】
加えて、その中に配置された複数のフィルタ134a、134b、・・・、および134fを有するフィルタトレイ132が、フィルタトレイ位置デバイス124に結合されている。特に、フィルタ134a、134b、・・・、および134fは、プロトコルを行うために必要なそれらである。同様に、プロトコルを行うために必要な各試薬供給源118が、それぞれのマイクロピペット120に流体的に結合される。本開示では、本明細書で使用されるような用語「フィルタ」は、光学フィルタまたはモノクロメータ、もしくは光を選択的に透過させる任意の他のデバイスを指し得る。
【0021】
コントローラ108は、マイクロピペット作動デバイス122に結合され、プロトコルによって規定されるように、そのモータ(図示せず)を動作させ、ウェル136のうちの選択された1つに近接してマイクロピペット120のうちの1つを位置付け、マイクロピペット120を作動させ、試薬をマイクロピペット120に結合された試薬供給源118から選択されたウェル136の中に堆積する。マイクロピペット作動デバイス122を使用することの代替として、またはそれに加えて、コントローラ108は、プロトコルに従って、照明源を作動させ、光(または他の電磁放射)を選択されたウェル136に向かって向かわせ得る。
【0022】
コントローラ108は、プロトコルに従って、フィルタトレイ134内の選択されたフィルタ134が選択されたウェル136とセンサ128との間の光路内に位置付けられるように、フィルタトレイ位置付けデバイス124を動作させる。その後、選択されたウェル136内のサンプルによって(例えば、ルミネッセンスのため)放出されるか、またはそのようなサンプルを通して伝送される光が、第1のフィルタ134を通過し、センサ128によって測定される。センサ128は、その1つ以上の受容器に当たる光の強度を測定し、コントローラ108は、そのような強度情報を読み出し、読み出された情報をそれに関連付けられた記憶デバイス(図示せず)内に記録する。
【0023】
コントローラ108は、次いで、上で説明されるように、フィルタ134の第2のフィルタが選択されたウェル136とセンサ128との間の光路内にあるようにフィルタトレイ132を位置付けるようにフィルタトレイ位置付けデバイス124を動作させ得、センサ128の1つ以上の受容器によって検出される光の強度を読み出し、記録する。
【0024】
コントローラ108は、使用されているフィルタ134の全てに光が通されるまで、このようにフィルタトレイ位置付けデバイス124を動作させる。その後、コントローラ108は、別のウェル136を選択し、プロトコルによって規定されたマイクロプレート130のウェル136の全てがプロトコルによって規定された試薬およびフィルタを使用して分析されるまで、上で説明される測定プロセスを行う。
【0025】
下で詳細に説明されるように、第1のNFCリーダ/ライタ106および第2のNFCリーダ/ライタ126は、ユーザが特定のプロトコルを実行するようにマイクロプレートリーダを動作させるために必要な特権を有することを確実にし、正しいマイクロプレート130、試薬供給源118、およびフィルタ134が特定のプロトコルを実行するためにマイクロプレートリーダ100に提供されていることを確かめるために使用される。
【0026】
図3を参照すると、一実施形態では、各フィルタ134は、フィルタ保持器150内に配置される。フィルタNFCタグ154が、フィルタ保持器150の面152上に接着して固定されている。フィルタNFCタグ154は、フィルタを識別する印をインプリントされた標識156と一体である。フィルタ134を識別する情報も、フィルタNFCタグ154内に記録される。そのような識別情報は、例えば、製造業者、部品番号、SKU番号、波長、タイプ、帯域幅、用途等を含み得る。いくつかの実施形態では、フィルタ134を識別する情報は、フィルタ134およびフィルタ保持器150が組み立てられるとき、フィルタNFCタグ154内に記録される。
【0027】
図4を参照すると、一実施形態では、フィルタ保持器150a、150b、・・・および150fは、それぞれ、フィルタ134a、134b、・・・および134fがフィルタトレイ132の上面158から露出されるようにフィルタトレイ132の対応する位置の中に挿入される。さらに、フィルタ保持器150a、150b、・・・および150fがこのようにフィルタトレイ132の中に挿入されると、対応する標識156a、156b、・・・および156f、したがって、対応するフィルタNFCタグ154a、154b、・・・および154fは、フィルタトレイ132の前面162のそれぞれのスロット160a、160b、・・・および160fからアクセス可能(すなわち、NFCリーダ/ライタによって読み取り可能な)である。フィルタトレイ132は、その前面162上に配置されるフィルタトレイNFCタグ164も含む。
【0028】
図5を参照すると、一実施形態では、アッセイキット170は、容器172と、1つ以上のマイクロプレート130と、1つ以上の試薬供給源118とを含む。アッセイキット170は、特定のプロトコルに関連付けられ、そのようなキット170の内容物は、そのようなプロトコルに従って選択される。容器172の面174上に配置されるものは、アッセイキットNFCタグ176である。アッセイキットNFCタグ176は、アッセイキット170が使用され得るプロトコル、アッセイキット170の内容物、およびアッセイキット170内の利用可能な各試薬供給源118の量を識別するデータをその中に記憶している。
【0029】
図6を参照すると、一実施形態では、マイクロプレートリーダ100の認可されたユーザが、ユーザNFCタグ182を含む識別カードまたはアクセスカード180を発行され得る。ユーザNFCタグ182は、ユーザを識別する情報を含む。カード180は、ユーザについての情報も提供するその上にインプリントされた印(図示せず)を有し得る。
【0030】
図7Aおよび7Bを参照すると、一実施形態では、コントローラ108は、マイクロプレートリーダ100を動作させるために、フローチャート200に図示される処理を行う。
図1-6および7Aを参照すると、ステップ202において、コントローラ108は、ユーザがマイクロプレートリーダ100を使用することを許可されているかどうかを決定する。特に、コントローラ108は、その中に記憶された情報を読み取るために、第1のNFCリーダ/ライタ106がユーザNFCタグ182と通信するように、アクセスカード180を提示するように(例えば、ディスプレイ104を介して)ユーザを促す。いくつかの実施形態では、ユーザは、ユーザNFCタグ108を第1のNFCリーダ/ライタ106と接触させる。他の実施形態では、ユーザは、ユーザNFCタグ108をNFCリーダ/ライタ106の所定の距離内にもたらす。
【0031】
コントローラ108は、ユーザNFCタグ182から読み取られた情報をユーザデータベース内に記憶された情報と比較し、アクセスカード180に関連付けられたユーザがマイクロプレートリーダ100にアクセスするための十分な特権を有しているかどうかを決定する。ユーザデータベースは、コントローラ108にローカルな記憶デバイス(図示せず)内に記憶され得るか、または、コントローラがローカルエリアネットワークもしくは広域ネットワークを経由してアクセスする記憶デバイス(図示せず)内に記憶され得る。
【0032】
ステップ202において、コントローラが、ユーザがマイクロプレートリーダ100を使用するための十分な特権を有していないと決定する場合、コントローラ108は、ステップ204において、ユーザが十分な特権を有していないことを示すエラーメッセージをディスプレイ上に生成し、終了する。
【0033】
そうでなければ、ステップ205において、コントローラ108は、マイクロプレートリーダ100を構成する。いくつかの実施形態では、ユーザNFCタグ182は、例えば、アクセス情報等、その中に記憶されたユーザに特有の構成情報を有し得、コントローラ108は、そのような構成情報に従ってマイクロプレートリーダ100を構成する。
【0034】
次いで、ステップ206において、コントローラ108は、ユーザがマイクロプレートリーダ100を使用して行い得るプロトコルのリストをディスプレイ104上に表示し、ユーザから、ディスプレイ104の適切な領域をタッチすることによって(そのようなディスプレイがタッチ入力を可能にする場合)、またはコントローラ108に関連付けられる別の入力デバイスを使用することによって、プロトコルのうちの1つの選択を受信する。プロトコルは、例えば、そのようなマイクロプレート130内のウェル136の数(例えば、96個のウェル、384個のウェル等)を含む使用されるべきマイクロプレート130のタイプを規定する。プロトコルは、励起フィルタ、放出フィルタ、読み取り高さ、光源、検出システム設定(例えば、積分時間)、各ウェル136内に注入される試薬の体積、プレートが測定の前に振盪されるべきかどうか、各ウェルが測定されるべき回数等のうちの1つ以上のものを含むマイクロプレートリーダ100がプロトコルを行うために使用されるべき方法も規定する。
【0035】
ステップ208において、コントローラ108は、ユーザが、フィルタトレイ132が正しいフィルタを投入されていることを確認することを可能にする。特に、コントローラ108は、ディスプレイ104を介して、ユーザがフィルタトレイNFCタグ164を第1のNFCリーダ/ライタ106に近づけること、またはそれと接触させることを要求する。第1のNFCリーダ/ライタ106は、フィルタトレイ132内に装填される各フィルタ134を識別するフィルタNFCタグ164内の情報を読み取り、コントローラ108は、そのような情報をプロトコルによって要求されるフィルタと比較する。そのような識別情報は、例えば、波長、タイプ、帯域幅、フィルタトレイ内の位置、用途等を含み得る。この文脈における用語「用途」は、例えば、吸光、蛍光、ルミネッセンス、時間分解蛍光等のフィルタが使用され得る用途のタイプを指す。いくつかのフィルタは、ただ一つのタイプまたは用途における使用のために適切であり得、他のフィルタは、複数の用途のために使用され得る。
【0036】
ステップ210において、コントローラ108が、フィルタトレイ132がプロトコルのために必要なフィルタ134を投入されていると決定する場合、コントローラは、ステップ212に進む。そうでなければ、ステップ214において、コントローラ108は、必要なフィルタ132のリストを表示し、ユーザがそれに応じてフィルタトレイ132に投入することを要求し、次いで、ステップ212に進む。
【0037】
ステップ212において、ユーザは、フィルタトレイ132をマイクロプレートリーダ100の中に装填するように求められる。
【0038】
いくつかの実施形態では、ユーザは、単純に、フィルタトレイ132内に装填されたフィルタ134を最初に確認することなく、フィルタトレイ132をマイクロプレートリーダ100の中に装填し得る。そのような場合、コントローラは、上で説明されるステップ208、210、および214を回避し、ステップ206からステップ212に直接進み得る。これは、例えば、フィルタトレイ132が以前の動作からマイクロプレートリーダ100の中にすでに装填されている場合、またはユーザがフィルタトレイ132が正しいフィルタ134を投入されていると考えている場合に起こり得る。
【0039】
フィルタトレイ132が装填された後、コントローラ108は、ステップ216において、フィルタトレイ132を検証する。特に、コントローラ108は、各フィルタ134のフィルタNFCタグ154が第2のNFCリーダ/ライタ126に連続的に近づけられるようにフィルタ位置付けデバイス124を動作させる。第2のNFCリーダ/ライタ126は、各そのようなフィルタNFCタグ154から情報を読み取り、コントローラ108は、フィルタトレイ134内に装填されているフィルタ134を識別するためにそのような読み取り情報を使用し、そのようなフィルタの識別を選択されたプロトコルによって規定されたものと比較する。いくつかの実施形態では、プロトコルは、フィルタ部品番号またはSKU番号を識別し、コントローラは、フィルタ132のフィルタNFCタグ154から読み取られた部品番号またはSKU番号をプロトコルにおけるものと比較し、フィルタがプロトコルと共に使用され得るかどうかを決定する。
【0040】
ステップ218において、コントローラが、選択されたプロトコルによって規定されたフィルタ134がフィルタトレイ132内に装填されていないと決定する場合、コントローラは、ステップ220において、エラーを生成し、終了する。
【0041】
そうでなければ、ステップ222において、コントローラ108は、フィルタトレイ132のフィルタトレイNFCタグ162にフィルタトレイ132内に装填される各フィルタ134を識別する情報を書き込むように第2のNFCリーダ/ライタ126に指図する。
【0042】
図1-6および7Bを参照すると、ステップ224において、コントローラ108は、プロトコルのために必要な正しいアッセイキット170が使用されていることを確実にするために、アッセイキット170を検証する。特に、コントローラ108は、アッセイキットNFCタグ176を第1のNFCリーダ/ライタ106と接触させるか、またはそれに近づけるようにユーザに求める。NFCリーダ/ライタ106は、アッセイキット170の内容物に関する情報をアッセイキットNFCタグ176から読み取る。そのような情報は、アッセイキット内の試薬供給源118、各試薬供給源118内の利用可能な試薬の利用可能な量、およびアッセイキット170内のマイクロプレート130を含み得る。いくつかの実施形態では、情報は、アッセイキット170が編集または製造されるとき、アッセイキットNFCタグ176の中に最初に書き込まれる。そのような情報は、アッセイキット170が使用された後、下で説明されるように更新され得る。
【0043】
ステップ228において、コントローラ108が、アッセイキット170が必要な構成要素を含み、十分な量の試薬が選択されたプロトコルを実行するために利用可能であると決定する場合、コントローラ108は、ステップ230に進む。そうでなければ、ステップ232において、コントローラ108は、アッセイキット170がプロトコルと共に使用されることができない理由をユーザに通知するエラーを生成し、終了する。
【0044】
ステップ232において、コントローラ108は、アッセイキット170の構成要素をマイクロプレートリーダ100の中に装填するようにユーザに指図する。ステップ234において、コントローラ108は、選択されたプロトコルを実行し、センサ128によって作成された読み取り値を記録するように、上で説明されるような照明源114、1つ以上のマイクロピペット120、マイクロピペット作動デバイス122、フィルタトレイ位置付けデバイス124、およびセンサ128を動作させる。
【0045】
ステップ236において、コントローラ108は、ステップ234においてプロトコルを実行するために使用された試薬の量に基づいて、各試薬供給源118内に残っている試薬の量を決定する。
【0046】
ステップ238において、コントローラ108は、アッセイキット170の構成要素を除去し、アッセイキットNFCタグ176を第1のNFCリーダ/ライタ106と接触させるか、またはそれに近づけるようにユーザに指図する。コントローラ108は、次いで、第1のNFCリーダ/ライタ106を使用し、各試薬供給源118内に残っている試薬の量に関するアッセイキットNFCタグ176内の情報を更新する。さらに、いくつかの実施形態では、別のプロトコルを実行するために不十分な量の試薬が任意の試薬供給源118内に残っている場合、コントローラ108は、追加の試薬を注文するようにユーザに通知し得る。
【0047】
アッセイキットNFCタグ176内に記憶される情報を更新した後、コントローラ108は、終了する。
【0048】
図8を参照すると、フィルタトレイ位置付けデバイス124の一実施形態は、コントローラ108によって動作させられる駆動モータ250と、駆動モータ250のスピンドル254に取り付けられる第1のギヤ252と、第1のギヤ252によって駆動される第2のギヤ256とを含む。線形ギヤ258が、フィルタトレイ132の面162と反対の面260に固定されている。フィルタトレイ132は、フィルタトレイ132の底部部分(図示せず)がフィルタトレイ位置付けデバイス124の固定レール262に係合し、第2のギヤ256がラックおよびピニオン様式で線形ギヤ258に係合するようにマイクロプレートリーダ100内に配置される。駆動モータ250のスピンドル254の回転は、第1のギヤ252の回転を引き起こし、それは、次に、第2のギヤ256の回転を引き起こす。第2のギヤ256の回転は、線形ギヤ256、従って、フィルタトレイ132がレール262に沿って線形に横断することを引き起こす。第2のNFCリーダ/ライタ126は、レール262に隣接して固定して位置付けられており、それによって、フィルタトレイがレール262に沿って線形に移動するとき、フィルタトレイ132内に配置される任意のフィルタ134のフィルタNFCタグ154およびフィルタトレイNFCタグ162は、第2のNFCリーダ/ライタ126に近接して通過し、したがって、それによって読み取られる。
【0049】
図9を参照すると、マイクロプレートリーダ100の別の実施形態は、マイクロプレート130と1つ以上のセンサ128との間の光路内に配置されたフィルタトレイ132と、照明源114とマイクロプレート130との間の光路内に配置されたさらなるフィルタトレイ332との使用を含み得る。フィルタトレイ332は、1つ以上のフィルタ334a、334b、・・・、および334eを投入される。コントローラは、フィルタトレイ332のフィルタ334のうちの1つを照明源とマイクロプレート130との間の光路内に選択的に位置付けるように、さらなるフィルタトレイ位置付けデバイス324を動作させ得る。フィルタトレイ332およびフィルタ334は、上で説明されるフィルタトレイ132およびフィルタ134と実質的に同じである。特に、上で説明されるように、フィルタトレイ332は、フィルタトレイNFCタグ164を含み、その中に配置される各フィルタ334は、フィルタNFCタグ154を含む。
【0050】
図9に示されるマイクロプレートリーダ100は、フィルタトレイ334のフィルタトレイNFCタグ164から情報を読み取り、それに情報を書き込み、そのようなフィルタトレイ334内に配置される各フィルタ332に関連付けられたフィルタNFCタグ154から情報を読み取るためのさらなるNFCリーダ/ライタ326も含む。
図7Aも参照すると、2つのフィルタトレイを使用するマイクロプレートリーダ100に関して、コントローラは、フィルタトレイ132およびフィルタトレイ332の両方を用いて上で説明されるステップ208-216を行う。
【0051】
前述の開示に説明されるマイクロプレートリーダ100は、フィルタトレイ132を使用するが、上で説明されるシステムおよびプロセスは、フィルタホイールを使用するマイクロプレートリーダとの使用のために容易に適合され得ることが明白であろう。例えば、フィルタトレイNFCタグ164は、フィルタホイールに取り付けられ得、コントローラ108、第1のNFCリーダ/ライタ、および第2のNFCリーダ/ライタ126の動作は、実質的に変化しないであろう。
【0052】
上で説明されるプロトコルのために必要な構成要素を追跡するためのNFCリーダの使用が、マイクロプレートリーダ100を動作させる状況において提示される。しかしながら、開示されるリーダおよびプロセスは、特定の構成要素(フィルタおよび/または試薬等)が適切な動作のために必要とされる他のタイプの器具との使用のために容易に適合され得ることが、当業者に明白であろう。
【0053】
(産業上の可用性)
本明細書に引用される公開、特許出願、および特許を含む全ての参照物は、各参照物が参照することによって組み込まれることが個別かつ具体的に示され、その全体として本明細書に記載される場合と同程度が、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0054】
本発明を説明する文脈における(特に、以下の請求項の文脈における)用語「a」および「an」および「the」および類似する言及の使用は、本明細書に別様に示されない、または文脈によって明確に矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を網羅すると解釈されるものである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別様に示されない限り、単に、範囲内に該当する各別個の値を個々に指す簡略表記法としての役割を果たすことが意図され、各別個の値は、本明細書に個々に列挙される場合と同様に本明細書に組み込まれる。本明細書に説明される全ての方法は、本明細書に別様に示されない、または別様に文脈によって明確に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施されることができる。本明細書に提供されるありとあらゆる例または例示的言語(例えば、「等」)の使用は、別様に請求されない限り、単に、本開示をより良好に解明することが意図され、本開示の範囲に対する限定をもたらさない。本明細書におけるいかなる言語も、任意の非請求要素を本開示の実践に不可欠であるとして示すように解釈されるべきではない。
【0055】
本開示の多数の修正が、前述の説明に照らして当業者に明白となるであろう。例証される実施形態は、例示的にすぎず、本開示の範囲を限定すると見なされるべきではないことを理解されたい。