IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フェルナンデス,ジョアン・マルケスの特許一覧

<>
  • 特許-飲料缶の開口に関する構造的配置 図1
  • 特許-飲料缶の開口に関する構造的配置 図2
  • 特許-飲料缶の開口に関する構造的配置 図2A
  • 特許-飲料缶の開口に関する構造的配置 図3
  • 特許-飲料缶の開口に関する構造的配置 図4
  • 特許-飲料缶の開口に関する構造的配置 図5
  • 特許-飲料缶の開口に関する構造的配置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】飲料缶の開口に関する構造的配置
(51)【国際特許分類】
   B65D 17/353 20060101AFI20220628BHJP
【FI】
B65D17/353
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019548501
(86)(22)【出願日】2017-11-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 BR2017050354
(87)【国際公開番号】W WO2018094492
(87)【国際公開日】2018-05-31
【審査請求日】2020-11-09
(31)【優先権主張番号】BR2020160277472
(32)【優先日】2016-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(31)【優先権主張番号】BR2020170032260
(32)【優先日】2017-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(73)【特許権者】
【識別番号】519187621
【氏名又は名称】フェルナンデス,ジョアン・マルケス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス,ジョアン・マルケス
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-053142(JP,A)
【文献】特開平04-311452(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0341808(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 17/353
B65D 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
破断可能な方法で、ベントパネル(11)と、このベントパネル(11)から離間した注ぎ口パネル(12)とを組み込んでいる端壁(10)を備えたタイプの飲料缶の開口に関する、構造的配置であって、
この構造的配置は、前記パネル(11、12)が、全体として断裂ライン(11a、12a)によって規定されたパネルの輪郭を有し、
この構造的配置には、第1の作動タブ(30)と、第2の作動タブ(40)とが、やはり設けられており、
第1の作動タブは、
ベントパネル(11)の外側に取り付けられた、引抜き端部分(31)と、
手動で、かつ、角度的に、缶(L)の端壁(10)から離れて変位可能であるとともに、ベントパネル(11)とともに、缶(L)から分離される、グリップ端部分(32)と、を有し、
第2の作動タブ(40)は、ベントパネル(11)が除去された後に任意選択的に作動され、パンチ端部分(41)を有し、
パンチ端部分(41)は、一体のピースでヒンジ領域(43a)を通して、第2の作動タブ(40)から切られるとともに、注ぎ口パネル(12)の外側に取り付けられた第2の作動タブ(40)の部分を規定する、タブ部分(43)を組み込んでおり、
前記タブ部分(43)には、注ぎ口パネル(12)の輪郭を規定する断裂ライン(12a)の、対面しているスポット領域(12b)に対して押圧される端部下方歯(46)が設けられており、
前記第2の作動タブ(40)は、グリップ端部分(42)をさらに有し、
このグリップ端部分の、缶(L)の端壁(10)から離れる手動の角度変位が、最初に断裂ライン(12a)の前記スポット領域(12b)を破断し、次いで、前記端壁(10)の注ぎ口パネル(12)を分離することを特徴とする、構造的配置。
【請求項2】
切欠き(44)が、ヒンジ領域(43a)に開いた丸い「C」の形態を示すことを特徴とする、請求項1に記載の配置。
【請求項3】
第1の作動タブ(30)の引抜き端部分(31)が、単一のピースで、ヒンジ領域(33a)を通して、タブ部分(33)を組み込んでおり、このタブ部分(33)が、切欠き(34)により、それぞれの作動タブ(30)から切られており、前記タブ部分(33)が、ベントパネル(11)の外側に取り付けられている第1の作動タブ(30)の部分を規定することを可能にしていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の配置。
【請求項4】
切欠き(34)が、ヒンジ領域(33a)に開いた、丸い「C」の形態を呈すことを特徴とする、請求項3に記載の配置。
【請求項5】
第1の作動タブ(30)の引抜き端部分(31)が、対面する断裂ライン(11a)のスポット領域(11b)に対して押圧される端部下方歯(36)を組み込んでおり、第1の作動タブ(30)のグリップ部分(32)の、ヒンジ領域(33a)周りの上昇する角度的な変位がされると、ベントパネル(11)の最初の断裂、次いで、断裂ライン(11a)の完全な断裂、ならびに、缶(L)に対する、ベントパネル(11)および第1の作動タブ(30)の完全な分離を引き起こすことを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の配置。
【請求項6】
第1の作動タブ(30)の引抜き部分(31)と、第2の作動タブ(40)のパンチ部分(41)とが、それぞれ、ベントパネル(11)と、注ぎ口パネル(12)とに、リベット(35a、45a)の形態の保持手段(35、45)を通して取り付けられていることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の配置。
【請求項7】
第2の作動タブ(40)のグリップ端部分(42)が、環状形状を呈し、ベントパネル(11)の断裂ライン(11a)が、平面視、第2の作動タブ(40)のグリップ端部分(42)の環状形状の内部に包含されていることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の配置。
【請求項8】
第1の作動タブ(30)の引抜き端部分(31)が、第2の作動タブ(40)のグリップ端部分(42)の環状形状の内部に包含されており、第1の作動タブ(30)のグリップ端部分(32)が、第2の作動タブ(40)のパンチ端部分(41)上に位置し、第1の作動タブ(30)の引抜き端部分(31)が、第2の作動タブ(40)のグリップ端部分(42)の下に位置していることを特徴とする、請求項7に記載の配置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実用新案の性質の下で、ベント開口、および、任意選択的には、注ぎ口を、缶の端壁、通常は上壁か蓋に設けることにより、迅速かつ容易に開けることを可能にするための飲料缶に適用される新たな構造的配置に関する。この新たな構造的配置は、ユーザ/顧客が第1の、また、所望であれば第2の作動タブを手動で作動させた際に、前記開口の各々の開放の直後に、前記2つの作動タブが、ベントおよび注ぎ口をそれぞれ形成するベントパネルおよび注ぎ口パネルとともに、缶の上端壁から容易かつ迅速に取り外されることを可能にする。
【背景技術】
【0002】
それぞれ、ベント開口および注ぎ口を形成するために、第1の断裂可能なパネルおよび第2の断裂可能なパネルが設けられた端壁を有する缶であって、ベント開口が、飲料が缶から注ぎ口を通して外に注がれている間、空気が、缶内に、ベント開口を通して継続して入ることを可能にするために、ベント開口は、注ぎ口から直径方向に離間しており、それにより、缶が水平な位置に対して傾けられた際に、ベント開口は、注ぎ口に対して上方に位置することが想定されるようになっている、缶の使用が、最新技術では広く知られている。ベント開口を設けることにより、一様な流れで、より迅速に、飲料が缶から放出されることを可能にしている。
【0003】
ブラジル国実用新案第20 2016 000915-0号明細書、ブラジル国実用新案第20 2016 006035-0号明細書、および、米国特許出願公開第2014/0263320号明細書の特許文献は、上述の構造のタイプを示している。これら文献によれば、ユーザ/顧客の、単一の作動タブに対する動作により、最初に、第1のパネル(ベントパネル)の断裂を促し、注ぎ口を通しての飲料の排出を促進するためのベント開口が形成される。注ぎ口は、単一の作動タブに対する、ユーザ/顧客の前進的な動作により、第2のパネルが断裂されると次いで形成される。
【0004】
2つの破断可能なパネルを有する前記既知の飲料缶では、単一の作動タブの作動が、ベントパネルの除去によるベント開口のみならず、それに次ぐ、第2の破断可能なパネル、または注ぎ口パネルを、缶の内部に押圧することによって、注ぎ口の強制的な形成をもたらす。注ぎ口パネルは、低減されておらず、弱化されていない、その破断可能な輪郭の延長部の周りで曲げられる。この延長部は、缶のそれぞれの端壁の、金属フォイル自体によって規定されたヒンジとして動作する。この既知の構成では、注ぎ口パネルが、缶の端壁に取り付けられたままになっており、缶の内部に突出し、飲料と接触したままになるとともに、この飲料に、ユーザ/顧客の経口摂取に関し、すべての病原性の微生物を送る。注ぎ口パネルが開かれる前、および、主として、「飲用グラス」として使用される前に、まれな有効な洗浄を缶が受けていない場合、通常、前記缶の端壁または蓋の外側に、病原性の微生物が存在する。缶に取り付けられた且つ缶の内部に突出する、注ぎ口パネルを維持するのに加え、単一のタブを有するこの解決策は、飲料を吸引するためのストローを導入するのに使用されるベント開口のみを形成するために、ユーザ/顧客が、ベントパネルの破断のみを促進することを妨げる。
【0005】
一方、ブラジル国特許PI0403324-8号明細書の特許の解決策により、2つの作動タブが提供されている。この解決策は、ベント開口を形成するため、および、注ぎ口を形成するように任意選択的に引っ張られる、他の作動タブにアクセスすることを可能にするために、ユーザ/顧客が、1つの作動タブを引っ張ることを必要とする。飲料を吸引するように、ストローを導入するためのベント開口の形成のみを可能にするが、前記従来の解決策は、注ぎ口を形成した際の、缶の内部への注ぎ口パネルの突出を維持することの不便さを除去していない。
【0006】
英国特許第353,598号明細書、米国特許第3,655,091号明細書、米国特許第4,042,144号明細書、米国特許第4,913.305号明細書、および、ブラジル国実用新案第20 2014 032067-4号明細書の特許文献には、単一のレバーまたはタブにより、缶の端壁に注ぎ口パネルの開口を提供するための異なる構成が記載されている。この単一のレバーまたはタブは、ユーザ/顧客によって作動される場合、最初に、注ぎ口パネルの破断可能な輪郭の弱化ラインに局所的な断裂を促し、次いで、タブまたはレバーがユーザ/顧客によって引っ張られることを可能にし、注ぎ口パネルの輪郭全体の断裂を完了する。この注ぎ口パネルは、次いで、缶から外され、缶の内部に押し込まれること、および、貯蔵された飲料に触れることの不便性は存在しない。
【0007】
注ぎ口パネルを缶の内側に曲げる問題を除去する一方、前の段落で述べられた構造的な解決策は、一様な流れでより迅速に、飲料が缶から放出されることを可能にするために、ユーザ/顧客が、ベント開口を設けることを可能にはしていない。
【0008】
米国特許第3,477,608号明細書の特許文献には、単一のレバーまたはタブにより、缶の端壁における、ベント開口の形成、および、次いで、注ぎ口の形成を提供する、構造的解決策が開示されている。この単一のレバーまたはタブは、ユーザ/顧客によって作動される場合、最初に、ベントパネルの完全な断裂、および、注ぎ口パネルの破断可能な輪郭の弱化ラインの局所的な断裂を促し、次いで、単一のレバーがユーザ/顧客によって引っ張られることを可能にし、注ぎ口パネルの輪郭全体の断裂を完了する。この注ぎ口パネルは、次いで、缶から外され、缶の内部に押し込まれること、および、貯蔵された飲料に触れることの不便性は存在しない。
【0009】
注ぎ口パネルを缶の内部に曲げる問題、および、注ぎ口とベント開口との両方を設ける問題を解決しているが、米国特許第3,447,608号明細書の文献に記載の構成は、注ぎ口の形成によって、生じる分裂を発生させるリスクなしに、通常のストローによって飲料を吸引するために、ベント1つのみを開くことを促進することが望ましい場合に、ユーザ/顧客に、このベント1つのみを開くことを促進することを許容していない。こ分裂により、寸法が大きくなる。これら解決策では、単一のタブまたはレバーが両方の開口を強制的に形成することを促進する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】ブラジル国実用新案第20 2016 000915-0号明細書
【文献】ブラジル国実用新案第20 2016 006035-0号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0263320号明細書
【文献】ブラジル国特許第PI0403324-8号明細書
【文献】英国特許第353,598号明細書
【文献】米国特許第3,655,091号明細書
【文献】米国特許第4,042,144号明細書
【文献】米国特許第4,913.305号明細書
【文献】ブラジル国実用新案第20 2014 032067-4号明細書
【文献】米国特許第3,477,608号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の、および、既知の解決策に関する欠点に起因して、飲料缶の開口に関する構造的配置を提供することが、本発明の目的である。この構造的配置では、ユーザ/顧客に、ベント開口の形成、および、次いで、所望の場合は、ベント開口から離間した注ぎ口の形成を可能にする。ベント開口と注ぎ口との両方は、缶の端壁のそれぞれのパネルによって形成される。これらパネルは、ベント開口および注ぎ口を形成し、缶から外向きに、完全に取り外される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本構造的配置は、ベントパネルと、このベントパネルから離間した、より大きい輪郭の注ぎ口パネルとがその端壁に規定された、端壁を備えるタイプの飲料缶に適用される。
【0013】
本発明によれば、両方のパネルは、断裂ラインによって全体的に規定された、その輪郭を有している。構造的配置には、第1の作動タブと第2の作動タブも設けられている。第1の作動タブは、ベントパネルに取り付けられた、引抜き端部分と、缶の端壁から離れて手動で、かつ角度的に変位されてベントパネルとともに端壁から分離される、グリップ端部分と、を有する。第2の作動タブは、ベントパネルが除去された後に、任意選択的に作動され、パンチ端部分とグリップ端部分を提供する。パンチ端部分は、外側で注ぎ口パネルに取り付けられており、且つ、注ぎ口パネルの輪郭を規定する、対面する断裂ライン、のスポット領域、に対して押圧される下方端部歯が設けられている。グリップ端部分は、缶の端壁から離れる手動による角度変位が、最初に断裂ラインの前記スポット領域を破断し、続いて、前記端部から注ぎ口パネルを分離する。
【0014】
本発明は、本件の構造的配置に関する可能性のある実施形態の例として与えられる添付図面を参照して、以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】閉じた状態であり、本発明で提案されている第1の作動タブおよび第2の作動タブが設けられた、本明細書で考慮されるタイプの飲料缶の上部平面図である。
図2図1の缶の上部の、直径に沿った拡大断面図であり、この缶の上にスタックされた他の缶の底部をさらに示している。
図2A図2に示す缶の上部の中心領域の、拡大した詳細な図である。
図3図1の缶の上部の、直径に沿った拡大断面図であり、第2の作動タブが、まだ作動しておらず、注ぎ口パネルが、まだ端壁から外されていないが、ベント開口を形成するために、ベントパネルの、端壁からの分離を開始するために、第1の作動タブが、ユーザ/顧客によって変位されている。
図4図1の缶の上部の、直径に沿った拡大断面図であり、第1の作動タブ、および、関連するベントパネルが、すでに、缶から外されるとともに廃棄され、また、第2の作動タブのグリップ部分が、最初の上昇する角度変位をすでに受け、それぞれの断裂ラインの断裂を生じ、その断裂ラインの領域において、第2の作動タブの端部下方歯に対面している。
図5図4に示す直径に沿った断面図であるが、第2の作動タブのグリップ部分が、すでに缶の端壁から明らかに変位しており、注ぎ口を形成するために、断裂ラインの残りの部分の断裂、および、缶に対する注ぎ口パネルの結果として生じる分離を開始している。
図6図5に示す直径に沿った断面図であるが、ベントおよび注ぎ口の形成のために、2つの作動タブと、2つのパネルとの全体が、缶から外され、廃棄されている。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図面に示し、上に説明したように、本構造的配置は、端壁10を備えるタイプの飲料缶Lに適用される。端壁10は、通常は、缶Lの、通常は円筒状である側壁20の端部の一方に規定された隣接する縁部21によって囲まれた上蓋の形態である。端壁10は、離間し、概して、直径に沿って反対側に配置された、ベントパネル11と注ぎ口パネル12とを組み込んでいる。注ぎ口パネル12の輪郭が、通常は、ベントパネル11の輪郭よりかなり大きいことに留意されたい。
【0017】
本発明の第1の態様によれば、ベントパネル11と注ぎ口パネル12とは、それぞれの断裂ライン11a、12aによって全体的に規定されたそれらの輪郭を有している。断裂ライン11a、12aは、それぞれ、ベント開口A1(図4図5図6に示す)の形成、次いで、任意選択的には、注ぎ口A2(図5および図6によりよく示されている)の形成のためにベントパネル11と注ぎ口パネル12との輪郭に沿って、前記それぞれのパネルが断裂されることを可能にする。このタイプの缶は、当該技術でよく知られている様々な方法で構築される場合があり、本発明の一部ではない。
【0018】
缶Lは、単一のピースに、かつ、本件での使用に適切な任意の金属合金で構築され、引抜き端部分31を有し、保持要素35によってベントパネル11の外側に取り付けられた、第1の作動タブ30をさらに備えている。保持要素35は、任意の既知の構成であり、たとえば、リベット35aの形態を取る場合があり、端壁10のベントパネル11に密閉するように組み込まれている。第1の作動タブ30は、グリップ端部分32をさらに備えている。グリップ端部分32は、概して環状の形状であり、手動で、かつ角度的に、缶Lの端壁10から離れて変位され、ベントパネル11の断裂ライン11aを破断し、図4に示すように、ベントパネル11を缶Lの端壁10から分離する。
【0019】
第1の作動タブ30の引抜き端部分31は、単一のピースで、ヒンジ領域33aを通して、タブ部分33を組み込んでいる場合がある。タブ部分33は、ヒンジ領域33aに対して開いた、丸い「C」の形態の切欠き34により、第1の作動タブ30から切られ、前記タブ部分33が、ベントパネル11の外側で保持要素35に取り付けられた第1の作動タブ30の部分を規定することを可能にする。
【0020】
第1の作動タブ30の引抜き端部分31は、端部下方歯36をさらに組み込んでいる場合がある。端部下方歯36は、前記断裂ライン11aの対面するスポット領域11bに対して押圧するように、切欠き34、および、タブ部分33のヒンジ領域33aの外側の領域において、ベントパネル11の断裂ライン11aの上に位置している。それにより、前記スポット領域11bの断裂ラインを破断し、ベントパネル11の最初の断裂が発生するまで、第1の作動タブ30のグリップ部分32の上方への角度変位を、ヒンジ領域33a周りで実施し得る。第1の作動タブ30の角度変位の前進的な上昇により、断裂ライン11aを完全に断裂し、結果として、缶Lに対してベントパネル11および第1の作動タブ30を完全に断裂させる。
【0021】
端部下方歯36が設けられている場合、最初はタブ部分33のヒンジ領域33aの周りの、第1の作動タブ30の手動かつ角度的な変位が、最初の、かつ、最終的には局所的な断裂ライン11aの断裂を生じる。作動タブ30の、前進的な、手動の、角度の、かつ上昇する変位により、ベントパネル11の断裂ライン11aの完全な断裂が生じる。ベントパネル11は、こうして、保持要素35とともに、缶Lから一体に取り外され、ベント開口A1を形成する(図4図5、および図6を参照)。この開口A1は、好ましくは、ストローを受領することができるような寸法であり、ユーザがこの方法で飲料を吸引することを望む場合、こぼれるリスクを低減している。
【0022】
本構造的配置は、知られている、任意の既知の構成であり、たとえば、端壁10の注ぎ口パネル12に密閉するように組み込まれたリベット45aの形態を取る場合がある、保持要素45により、注ぎ口パネル12の外側に取り付けられたパンチ端部分41と、環状形状の、グリップ端部分42とを有する、第2の作動タブ40をさらに備えている。グリップ端部分42は、注ぎ口パネル12の断裂ライン12aを破断し、注ぎ口パネル12を全体的に、缶Lの端壁10から分離し、注ぎ口A2を形成するために、第1の作動タブ30が除去された後に、缶Lの壁10から外に、手動で、角度的に変位される場合がある(図5および図6を参照)。この構成により、ベントパネル11の断裂ライン11aの軸方向の突起が、第2の作動タブ40のグリップ部分42の環状形状の内部に包含されることを可能にする。
【0023】
第2の作動タブ40のパンチ端部分41は、単一のピースで、ヒンジ領域43aを通して、タブ部分43を組み込んでいる。タブ部分43は、ヒンジ領域43aに対して開いた、丸い「C」の形態の切欠き44により、第2の作動タブ40から切られ、前記タブ部分43が、注ぎ口パネル12の外側で保持要素45に取り付けられた第2の作動タブ40の部分を規定することを可能にする。
【0024】
第2の作動タブ40のパンチ端部分41は、端部下方歯46をさらに組み込んでいる。端部下方歯46は、注ぎ口パネル12の断裂ライン12aの上に位置し、それにより、タブ部分44の切欠き44およびヒンジ領域43aの外側の、断裂ライン12aの対面するスポット領域12bに対して押圧されるようになっている。それにより、前記スポット領域12bの断裂ラインを破断し、注ぎ口パネル12の最初の断裂が発生するまで、第2の作動タブ40のグリップ部分42の上方への角度変位を、ヒンジ領域43a周りで効果を発揮させる。第2の作動タブ40の角度変位の前進的な上昇により、断裂ライン12aを完全に断裂し、結果として、缶Lに対して、注ぎ口パネル12、保持要素45、および第2の作動タブ40を完全に分離させる。
【0025】
図示の構成では、第1の作動タブ30の引抜き端部分31は、第2の作動タブ40の、環状形状のグリップ端部分42を通って位置しており、第1の作動タブ30のグリップ端部分32は、第2の作動タブ40のパンチ端部分41上に位置し、第1の作動タブ30の引抜き端部分31は、第2の作動タブ40のグリップ端部分42の下に位置している。
【0026】
上述の構成により、ユーザ/顧客が、ストローを使用せずに、缶から直接飲料を吸引することを望む場合、ユーザは、最初に、ベントパネル11を、第1の作動タブ30とともに取り外すことが必要である。続いて、ユーザ/顧客は、手動で、かつ角度的に、第2の作動タブ40のグリップ部分42を変位させる場合があり、それにより、第2の作動タブ40を、缶Lの端壁10から、注ぎ口パネル12とともに取り外す。
【0027】
図1および図2に示すように、ベントパネル11および注ぎ口パネル12が依然として閉じられている状況では、第1の作動タブ30および第2の作動タブ40は、缶Lの端壁10と、缶Lの周縁部21の平面との間に位置したままであり、図2に示すように、この缶Lの上にスタックされた同一の缶Lの底部に干渉することはない。
【0028】
このため、本明細書に提案されている構造的な解決策により、ユーザ/顧客が、第1の作動タブ30を移動することによってベント開口A1のみを形成するか、続いて、第2の作動タブ40を変位させることにより、注ぎ口A2をも形成するかを選択することが可能になる。しかしながら、前記2つのパネルのいずれか一方が、それぞれの開口を提供すると、缶Lの内部に突出することなく、缶Lの上壁10から完全に取り外されることに留意されたい。
【0029】
上の記載に関して、本発明の構成要素に関する理想的な寸法上の関係が、様々なサイズ、材料、幾何学的形状、機能、動作モード、取付け構成、および用途を含むために、当業者には明らかであるものとみなされること、ならびに、図面に示し、本明細書に記載したものと均等である、すべての関係は、本発明によって包含されるものと理解されるべきであることを、理解されたい。
【0030】
このため、本発明を実施する1つの方法のみが、本明細書に示されているが、本明細書に添付の特許請求の範囲に規定された保護の範囲から逸脱することなく、部分の形状および形成に関する変更を行うことができることを理解されたい。
図1
図2
図2A
図3
図4
図5
図6