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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】予測システム、予測方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20120101AFI20220628BHJP
【FI】
G06Q10/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020033482
(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公開番号】P2021135910
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2020-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000102717
【氏名又は名称】NTTテクノクロス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】村井 盛宜
(72)【発明者】
【氏名】山口 裕太
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-102584(JP,A)
【文献】特開2015-171071(JP,A)
【文献】特開2017-037421(JP,A)
【文献】特開2010-109895(JP,A)
【文献】特開2019-079437(JP,A)
【文献】特開2018-195252(JP,A)
【文献】特開2018-036733(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0081627(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が利用する端末と、前記顧客からの問合せ内容を予測する予測装置とが含まれる予測システムであって、
前記予測装置は、
前記顧客の行動履歴を示す第1の行動履歴情報と、前記行動履歴によって表される行動を行ったときの前記顧客を識別する識別情報であるKey情報を介して前記第1の行動履歴情報と対応付けられた問合せ情報とを用いて、前記顧客からの問合せ内容を予測するための予測モデルを作成するモデル作成手段と、
前記顧客が前記端末でコールセンタに電話を発信した場合、前記顧客の電話発信前の行動履歴を示す第2の行動履歴情報と、前記予測モデルとを用いて、前記電話における前記顧客の問合せ内容を予測する予測手段と、
を有し、
前記端末は、
Webページを介して前記コールセンタに電話を発信する際に、前記コールセンタの電話番号に対して、前記Webページを表示する際に生成された前記Key情報を付加して前記発信を行う発信手段と、
前記発信に応じて、前記Key情報と、前記Webページを提供するWebサーバによって生成された所定の情報であって、前記顧客の行動履歴を取得するための所定の情報とを前記予測装置に送信する送信手段と、
を有することを特徴とする予測システム。
【請求項2】
前記行動履歴はWebページの閲覧履歴である、ことを特徴とする請求項1に記載の予測システム。
【請求項3】
前記予測装置は、
前記Key情報と、前記コールセンタにおける前記顧客の実際の問合せ内容又は前記予測手段により予測された問合せ内容の正しさを前記端末に確認した結果とが含まれる問合せ情報を作成する問合せ作成手段を有し、
前記モデル作成手段は、
前記第2の行動履歴情報と、前記第2の行動履歴情報と同一のKey情報が含まれる問合せ情報とを用いて、前記予測モデルを更新する、ことを特徴とする請求項2に記載の予測システム。
【請求項4】
前記所定の情報はCookieである、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の予測システム。
【請求項5】
顧客が利用する端末と、前記顧客からの問合せ内容を予測する予測装置とが含まれる予測システムに用いられる予測方法であって、
前記予測装置が、
前記顧客の行動履歴を示す第1の行動履歴情報と、前記行動履歴によって表される行動を行ったときの前記顧客を識別する識別情報であるKey情報を介して前記第1の行動履歴情報と対応付けられた問合せ情報とを用いて、前記顧客からの問合せ内容を予測するための予測モデルを作成するモデル作成手順と、
前記顧客が前記端末でコールセンタに電話を発信した場合、前記顧客の電話発信前の行動履歴を示す第2の行動履歴情報と、前記予測モデルとを用いて、前記電話における前記顧客の問合せ内容を予測する予測手順と、
を実行し、
前記端末が、
Webページを介して前記コールセンタに電話を発信する際に、前記コールセンタの電話番号に対して、前記Webページを表示する際に生成された前記Key情報を付加して前記発信を行う発信手順と、
前記発信に応じて、前記Key情報と、前記Webページを提供するWebサーバによって生成された所定の情報であって、前記顧客の行動履歴を取得するための所定の情報とを前記予測装置に送信する送信手順と、
を実行することを特徴とする予測方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1乃至4の何れか一項に記載の予測システムにおける各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予測システム、予測方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業等が販売又は提供等する商品やサービスに関する問合せを受け付けるコールセンタ(又はコンタクトセンタ)が知られている。このようなコールセンタでは、例えば、電話を介した顧客からの問合せに対して、オペレータがマニュアル等を参照して回答を行う。
【0003】
ところで、顧客からの問合せを受け付けたオペレータの知識が浅く、適切な回答を行うことができない場合がある。このような場合に、専門的な問合せや複雑な問合せにも対応可能なオペレータに問合せを転送することが可能な技術が従来から知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-109895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、例えば、問合せの転送を受けたオペレータはより詳細な問合せ内容を顧客から聞き出す必要がある。このため、回答を得るまでに顧客を待たせることになり、例えば、顧客満足度が低下するおそれ等があった。
【0006】
これに対して、顧客からの問い合わせ内容を事前に予測することができれば、事前に適切な回答を得ることが可能になり、顧客を待たせることなく回答が可能になると考えられる。
【0007】
本発明の一実施形態は、上記の点に鑑みてなされたもので、問合せ内容を予測することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、一実施形態に係る予測システムは、顧客が利用する端末と、前記顧客からの問合せ内容を予測する予測装置とが含まれる予測システムであって、前記予測装置は、前記顧客の行動履歴を示す第1の行動履歴情報と、前記第1の行動履歴情報と対応付けられた問合せ情報とを用いて、前記顧客からの問合せ内容を予測するための予測モデルを作成するモデル作成手段と、前記顧客が前記端末でコールセンタに電話を発信した場合、前記顧客の電話発信前の行動履歴を示す第2の行動履歴情報と、前記予測モデルとを用いて、前記電話における前記顧客の問合せ内容を予測する予測手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
問合せ内容を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る問合せ予測システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】Webページの画面遷移の一例を説明するための図である。
図3】本実施形態に係る問合せ予測システムの機能構成の一例を示す図である。
図4】行動履歴情報の一例を示す図である。
図5】問合せ情報の一例を示す図である。
図6】本実施形態に係る予測テンプレートの作成処理の一例を示すフローチャートである。
図7】予測テンプレートの作成の一例を説明するための図である。
図8】本実施形態に係る問合せ予測処理の一例を示すシーケンス図である。
図9】問合せ予測の一例を説明するための図である。
図10】オペレータ画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、顧客が商品やサービス等に関する問合せをコールセンタにする際に、この問合せ内容を予測することが可能な問合せ予測システム1について説明する。ここで、本実施形態では、顧客は、スマートフォン等を利用して、商品やサービスに関するWebページ上で電話番号発信用のリンクを選択することで、コールセンタに電話発信を行うものとする。なお、このような電話番号発信用リンクは、HTML(HyperText Markup Language)のアンカータグ(<a>タグ)で実現可能である。
【0012】
<全体構成>
まず、本実施形態に係る問合せ予測システム1の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る問合せ予測システム1の全体構成の一例を示す図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る問合せ予測システム1には、問合せ予測装置10と、1以上の顧客端末20と、1以上のオペレータ端末30と、1以上の交換機40と、1以上のWebサーバ50とが含まれる。これらのうち、問合せ予測装置10、各オペレータ端末30及び交換機40は、コールセンタ内のシステム環境に設置等されている。
【0014】
また、各顧客端末20、問合せ予測装置10及び各Webサーバ50はインターネットに接続されており、各顧客端末20及び交換機40は電話回線網に接続されている。更に、各オペレータ端末30及び交換機40はコールセンタ内の構内電話網に接続されており、各オペレータ端末30及び問合せ予測装置10はコールセンタ内の通信網(例えばLAN(Local Area Network)等)に接続されている。
【0015】
問合せ予測装置10は、顧客の行動履歴(例えば、Webページのアクセス履歴)を用いて、この顧客の問合せ内容を予測するコンピュータ又はコンピュータシステムである。
【0016】
顧客端末20は、顧客が利用する端末である。顧客端末20としては、オペレータ端末30との間で通話を行うための電話機能と、Webサーバ50が提供するWebページを閲覧するためのWebページ閲覧機能とを少なくとも有するコンピュータを用いることができる。具体的には、顧客端末20としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス、PC(パーソナルコンピュータ)等を用いることが可能である。
【0017】
オペレータ端末30は、オペレータが利用する端末である。オペレータ端末30としては、顧客端末20との間で通話を行うための電話機能と、問合せ予測装置10よって予測された問合せ内容を表示するための表示機能とを有するコンピュータを用いることができる。具体的には、オペレータ端末30としては、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット端末、スマートフォン、ウェアラブルデバイス等を用いることが可能である。
【0018】
交換機40は、コールセンタ内に設置されたPBX(Private Branch Exchange)であり、顧客端末20からの着信をオペレータ端末30に接続する。なお、交換機40は、VoIP(Voice over Internet Protocol)を有するPBXであってもよい。
【0019】
Webサーバ50は、問合せ対象となる商品やサービス等に関するWebページを提供するコンピュータ又はコンピュータシステムである。また、このWebページには、問合せ先となるコールセンタに電話を発信するための電話番号発信用のリンクも含まれる。
【0020】
ここで、企業等が何等かの商品やサービス等を紹介するWebページは階層構造となっており、リンクを順に辿ることで所望の商品又はサービスに関するWebページを閲覧することができるようになっている場合が多い。例えば、図2に示す例はWebページが2層の階層構造となっている場合であり、閲覧者は、TOP画面において所望の商品(図2に示す例では「ローン」)に関するWebページへのリンクを押下することで、当該商品に関するWebページを閲覧することができる。例えば、住宅ローンについて知りたい場合、閲覧者は、TOP画面において住宅ローン画面へのリンクを押下することで、住宅ローンに関する情報を提供する住宅ローン画面に遷移することが可能となる。同様に、例えば、教育ローンについて知りたい場合、閲覧者は、TOP画面において教育ローン画面へのリンクを押下することで、教育ローンに関する情報を提供する教育ローン画面に遷移することが可能となる。
【0021】
また、図2に示す例では、住宅ローン画面、教育ローン画面及びマイカーローン画面上のそれぞれに電話番号発信用リンク「0120-xxxx-xxxx」が含まれている。閲覧者は、この電話番号発信用リンクを押下することで、当該リンクに指定された電話番号(つまり、コールセンタの電話番号)に発信することができる。したがって、例えば、商品に関して不明な点等が存在する場合に、閲覧者は、電話番号発信用リンクを押下することでコールセンタに問合せを行うことができる。
【0022】
なお、図2に示すWebページ及びその画面遷移は一例であって、商品やサービス等を販売又は提供する企業等は任意にWebページ及びその画面遷移を構成することができる。例えば、住宅ローン画面、教育ローン画面及びマイカーローン画面上に電話番号発信用リンクを設けるのではなく、問合せ画面へのリンクを設けて、この問合せ画面上に電話番号発信用リンクを設けてもよい。
【0023】
<機能構成>
次に、本実施形態に係る問合せ予測システム1の機能構成について、図2を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る問合せ予測システム1の機能構成の一例を示す図である。
【0024】
≪顧客端末20≫
図3に示すように、本実施形態に係る顧客端末20は、Web閲覧部201と、電話機能部202とを有する。これら各部は、例えば、顧客端末20にインストールされた1以上のプログラムがプロセッサに実行させる処理により実現される。特に、Web閲覧部201は、Webブラウザがプロセッサに実行させる処理により実現される。
【0025】
Web閲覧部201は、Webサーバ50が提供するWebページを表示すると共に、Webページ上におけるユーザ操作等を受け付ける。また、Web閲覧部201は、電話発信用リンクの押下に応じて電話機能部202が電話発信を行った場合に、CookieとKey情報とを問合せ予測装置10に送信する。ここで、Key情報とは電話発信を行った顧客を一意に識別可能な任意の情報であり、Web閲覧部201によって生成される。なお、Cookieによって顧客端末20を利用する顧客(正確には、顧客端末20の顧客が利用するWebブラウザ)を識別することができる。ただし、Cookieは一例であって、Webページにアクセスした顧客を識別可能であり、かつ、この顧客がアクセスしたWebページのアクセス履歴をWebサーバ50から取得可能な情報であれば、Cookie以外の任意の情報が用いられてもよい。
【0026】
電話機能部202は、Webページ上の電話発信用リンクの押下に応じて、このリンクに指定された電話番号に電話を発信する。
【0027】
≪Webサーバ50≫
図3に示すように、本実施形態に係るWebサーバ50は、履歴提供部501を有する。履歴提供部501は、例えば、Webサーバ50にインストールされた1以上のプログラムがプロセッサに実行させる処理により実現される。
【0028】
履歴提供部501は、問合せ予測装置10からの要求に応じて、該当の顧客のWebページのアクセス履歴を提供する。ここで、問合せ予測装置10からの要求にはCookie IDが含まれており、履歴提供部501は、このCookie IDに対応するアクセス履歴を当該問合せ予測装置10に送信する。なお、アクセス履歴には、Cookie IDと、このCookie IDに対応する顧客がアクセスしたWebページのURL(Uniform Resource Locator)と、そのアクセス日時とが少なくとも含まれる。また、Cookie IDとはCookieに含まれる識別情報である。
【0029】
≪問合せ予測装置10≫
図3に示すように、本実施形態に係る問合せ予測装置10は、収集部101と、分析部102と、応答部103と、画面提供部104とを有する。これら各部は、例えば、問合せ予測装置10にインストールされた1以上のプログラムがプロセッサに実行させる処理により実現される。
【0030】
また、本実施形態に係る問合せ予測装置10は、行動履歴情報記憶部105と、問合せ情報記憶部106とを有する。これら各部は、例えば、問合せ予測装置10が有する記憶装置等を用いて実現可能である。なお、行動履歴情報記憶部105及び問合せ情報記憶部106の少なくとも一方が、例えば、問合せ予測装置10と通信ネットワークを介して接続される記憶装置等を用いて実現されていてもよい。
【0031】
収集部101は、顧客端末20からCookieとKey情報とを受信すると、このCookieのCookie IDを含むアクセス履歴取得要求をWebサーバ50に送信する。これにより、Webサーバ50からアクセス履歴が取得される。
【0032】
そして、収集部101は、アクセス履歴とKey情報とを用いて行動履歴情報を作成し、行動履歴情報記憶部105に保存する。行動履歴情報とは、例えば、顧客のWebページのアクセス履歴から算出した情報であり、Key情報やWebページのURL、ページ情報の他、このWebページの滞在時間の合計や訪問回数等が含まれる情報のことである。行動履歴情報の詳細については後述する。
【0033】
分析部102は、収集部101により作成された行動履歴情報と、予め作成された予測テンプレートとを用いて、顧客の問合せ内容を予測する。ここで、予測テンプレートとは行動履歴情報から問合せ内容を予測するためのモデルであり、行動履歴情報と、この行動履歴情報に対応する問合せ情報とを学習データとして用いることで作成される。問合せ情報とは問合せ内容を表す情報のことであり、Key情報と問合せ内容を表す情報とが含まれる。なお、予測テンプレートの作成方法の詳細については後述する。
【0034】
また、分析部102は、収集部101により作成された行動履歴情報と、例えば、応答部103による音声応答案内に対する顧客の応答結果を表す問合せ情報又はオペレータが実際に受け付けた問合せ内容を表す問合せ情報とを用いて、予測テンプレートを更新する。
【0035】
応答部103は、分析部102により予測された問合せ内容を用いて、電話を発信した顧客端末20に対して音声応答案内を行う。すなわち、応答部103は、例えば、当該顧客端末20を利用する顧客に対して、分析部102により予測された問合せ内容で間違いないかを確認させるための音声応答案内を行う。
【0036】
画面提供部104は、顧客端末20との間で通話を行うオペレータ端末30に対して所定のオペレータ画面又は当該オペレータ画面の表示に必要な情報を提供する。ここで、オペレータ画面には、分析部102により予測された問合せ内容が少なくとも含まれる。これにより、オペレータは、顧客からの問合せ内容を事前に知ることが可能となる。
【0037】
行動履歴情報記憶部105は、行動履歴情報を記憶する。行動履歴情報の詳細については後述する。
【0038】
問合せ情報記憶部106は、問合せ情報を記憶する。問合せ情報の詳細については後述する。
【0039】
≪オペレータ端末30≫
図3に示すように、本実施形態に係るオペレータ端末30は、表示機能部301と、電話機能部302とを有する。これら各部は、例えば、オペレータ端末30にインストールされた1以上のプログラムがプロセッサに実行させる処理により実現される。
【0040】
表示機能部301は、オペレータ画面を表示する。電話機能部302は、交換機40を介して、顧客端末20との間で通話を行う。なお、表示機能部301は、オペレータ画面を表示する以外にも、オペレータ画面上におけるオペレータの各種操作を受け付けてもよい。
【0041】
≪行動履歴情報≫
ここで、行動履歴情報記憶部105に記憶される行動履歴情報について、図4を参照しながら説明する。図4は、行動履歴情報の一例を示す図である。
【0042】
図4に示すように、行動履歴情報には、Key情報、Cookie ID、URL、遷移元URL、ページ情報、滞在時間、及び訪問回数等が含まれる。
【0043】
Key情報は、顧客端末20から送信されたKey情報である。このKey情報によって行動履歴情報と問合せ情報とが対応付けられる。
【0044】
Cookie IDは、顧客端末20から送信されたCookieに含まれるCookie IDである。URLは、このCookie IDに対応する顧客がアクセスしたWebページのURLである。遷移元URLは、当該URLのWebページの遷移元のWebページのURLである。ページ情報は、当該Cookie IDに対応する顧客がアクセスしたWebページのページ情報(例えば、Webページのタイトル等)である。滞在時間は、当該顧客が当該Webページに滞在した時間の合計である。訪問回数は、当該顧客が当該Webページに訪問した総回数である。
【0045】
このように、行動履歴情報は、顧客毎(つまり、Cookie ID毎)に、Webサーバ50から取得したアクセス履歴から算出(例えば、集計等)した情報である。また、後述する問合せ情報と対応付けるために、行動履歴情報には、当該顧客を識別するKey情報も含まれる。なお、図4に示す行動履歴情報は一例であって、行動履歴情報には、上述した情報以外にも、アクセス履歴から算出可能な種々の情報(例えば、訪問頻度等)が含まれていてもよい。
【0046】
≪問合せ情報≫
次に、問合せ情報記憶部106に記憶される問合せ情報について、図5を参照しながら説明する。図5は、問合せ情報の一例を示す図である。
【0047】
図5に示すように、問合せ情報には、Key情報及び問合せ内容等が含まれる。Key情報は、上述したように、顧客端末20から送信されたKey情報である。問合せ内容は、例えば、応答部103による音声応答案内に対する顧客の応答結果を表す問合せ内容又はオペレータが実際に受け付けた問合せ内容である。
【0048】
このように、問合せ情報には、Key情報と、顧客の実際の問合せ内容とが含まれる情報である。なお、図5に示す例では、問合せ内容として「住宅ローン新規」が設定されている。これは、住宅ローンの新規申し込みに関する問合せであることを表している。住宅ローンに関する問合せには、これ以外にも、例えば、住宅ローンの解約に関する問合せであることを示す「住宅ローン解約」、住宅ローンの借り換えに関する問合せであることを示す「住宅ローン更改」等があると考えられる。
【0049】
<問合せ予測システム1が実行する処理>
次に、本実施形態に係る問合せ予測システム1が実行する処理について説明する。
【0050】
≪予測テンプレートの作成処理≫
まず、行動履歴情報記憶部105及び問合せ情報記憶部106には或る程度の量の行動履歴情報及び問合せ情報がそれぞれ記憶されているものとして、これらの行動履歴情報及び問合せ情報を学習データに用いて予測テンプレートを作成する場合について、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係る予測テンプレートの作成処理の一例を示すフローチャートである。
【0051】
まず、分析部102は、行動履歴情報記憶部105及び問合せ情報記憶部106から行動履歴情報及び問合せ情報を学習データとして読み込む(ステップS101)。このとき、分析部102は、同一のKey情報が含まれる行動履歴情報及び問合せ情報を1つの学習データとして読み込む。つまり、学習データとは、同一のKey情報が含まれる行動履歴情報と問合せ情報との組である。
【0052】
次に、分析部102は、上記のステップS101で読み込んだ学習データを用いて、問合せ内容毎に予測テンプレートを作成する(ステップS102)。ここで、或る問合せ内容の予測テンプレートを作成する場合、分析部102は、以下のStep1-1~Step1-3により、予測テンプレートを作成する。なお、以降では、一例として、問合せ内容「住宅ローン新規」の予測テンプレートを作成する場合について説明する。
【0053】
Step1-1)まず、分析部102は、読み込んだ学習データのうち、問合せ内容「住宅ローン新規」である学習データを抽出する。以降では、一例として、Step1-1では、Aさんを示すKey情報が含まれる学習データa~aと、Bさんを示すKey情報が含まれる学習データb~bと、Cさんを示すKey情報が含まれる学習データc~cとの合計7件の学習データが抽出されたものとする。
【0054】
Step1-2)次に、分析部102は、上記のStep1-1で抽出した各学習データについて、同一WebページのURL毎に、滞在時間及び訪問回数を軸とする空間内にプロットし、これらプロットされた点の重心及び重みを算出する。
【0055】
例えば、TOP画面のURLが含まれる学習データがa,b,cである場合、分析部102は、図7(a)に示すように、これらの学習データa,b,cを、滞在時間及び訪問回数を軸とする空間内(つまり、滞在時間-訪問回数平面)にプロットする。そして、分析部102は、これらの学習データa,b,cの重心gと、その重みwとを算出する。重みwとしては、TOP画面を訪問した人の割合とする。なお、図7(a)に示す例の場合、Aさん、Bさん、Cさんの全員がTOP画面を訪問(TOP画面にアクセス)しているため、重みwは1.0となる。
【0056】
同様に、例えば、住宅ローン画面のURLが含まれる学習データがa,b,cである場合、分析部102は、図7(b)に示すように、これらの学習データa,b,cを、滞在時間及び訪問回数を軸とする空間内にプロットする。そして、分析部102は、これらの学習データa,b,cの重心gと、その重みwとを算出する。なお、図7(b)に示す例の場合、Aさん、Bさん、Cさんの全員が住宅ローン画面を訪問しているため、重みwは1.0となる。
【0057】
同様に、例えば、教育ローン画面のURLが含まれる学習データがaである場合、分析部102は、図7(c)に示すように、この学習データaを、滞在時間及び訪問回数を軸とする空間内にプロットする。そして、分析部102は、この学習データaの重心gと、その重みwとを算出する。なお、図7(c)に示す例の場合、Aさん、Bさん、Cさんのうち、Aさんのみが教育ローン画面を訪問しているため、重みwは、1/3≒0.3となる。
【0058】
なお、上記では、学習データをプロットする空間の軸を滞在時間及び訪問回数としたが、これらの軸は任意の選択することが可能である。特に、3つ以上の軸が選択されてもよい。また、学習データをプロットする空間は、例えば、各軸で取り得る値が0以上1以下となるように正規化されていてもよい。この場合、学習データを当該空間にプロットする際に、この学習データに含まれる値も正規化した上でプロットする必要がある。
【0059】
Step1-3)そして、分析部102は、問合せ内容毎に、上記のStep1-2で算出した重心と重みと当該重心の算出に用いた学習データに含まれるURLとの組の集合を予測テンプレートとする。例えば、TOP画面のURLをm、住宅ローン画面のURLをm、教育ローン画面のURLをmとして、問合せ内容「住宅ローン新規」について、図7(d)に示す重心g~gとこれらの重みw~wとが得られた場合、分析部102は、{(g,w,m),(g,w,m),(g,w,m)}を問合せ内容「住宅ローン新規」の予測テンプレートとする。なお、m~mはURLの代わりに、Webページの画面を識別可能なID等であってもよい。
【0060】
以上により、本実施形態に係る問合せ予測装置10は、問合せ内容毎に、この問合せ内容の予測テンプレートを作成する。なお、これらの予測テンプレートは、例えば、問合せ予測装置10の記憶装置等に記憶される。
【0061】
≪問合せ予測処理≫
次に、予測テンプレートを用いて顧客からの問合せ内容を予測する場合について、図8を参照しながら説明する。図8は、本実施形態に係る問合せ予測処理の一例を示すシーケンス図である。
【0062】
顧客端末20のWeb閲覧部201は、Webサーバ50が提供するWebページを閲覧する(ステップS201)。ここで、顧客端末20を利用する顧客は、Webページ上で電話発信用リンクを押下して、当該リンクに指定された電話番号への発信操作を行ったものとする。
【0063】
顧客端末20の電話機能部202は、電話番号発信用リンクに指定された電話番号の末尾に、Web閲覧部201によって生成されたKey情報を付加(例えば、電話番号の後にカンマを付加して、その後にKey情報を付加)して電話発信を行う(ステップS202)。Key情報としては、電話番号の末尾に付加可能な文字列であれば任意の文字列を採用することが可能であるが、例えば、Cookie ID、当該WebページのログインID、又はこれらの情報に日時情報を付加した情報等を用いることが可能である。なお、Key情報は、例えば、Webサーバ50から取得されたJava Script(登録商標)を、Web閲覧部201が実行することで生成することができる。

【0064】
また、顧客端末20のWeb閲覧部201は、上記のステップS202の電話発信が行なわれた場合、CookieとKey情報とを問合せ予測装置10に送信する(ステップS203)。
【0065】
問合せ予測装置10の収集部101は、顧客端末20からCookieとKey情報とを受信すると、このCookieのCookie IDを含むアクセス履歴取得要求をWebサーバ50に送信する(ステップS204)。なお、収集部101は、例えば、Cookieに含まれるドメインやパス(つまり、Cookieが発行されるドメインやパス)に対応するWebサーバ50を、アクセス履歴取得要求の送信先のWebサーバ50とすればよい。
【0066】
Webサーバ50の履歴提供部501は、問合せ予測装置10からアクセス履歴取得要求を受信すると、このアクセス履歴取得要求に含まれるCookie IDに対応するアクセス履歴を取得し、取得したアクセス履歴を問合せ予測装置10に送信する(ステップS205)。なお、上述したように、アクセス履歴には、Cookie IDと、このCookie IDに対応する顧客がアクセスしたWebページのURLと、そのアクセス日時とが少なくとも含まれる。
【0067】
問合せ予測装置10の収集部101は、Webサーバ50からアクセス履歴を受信すると、このアクセス履歴と、上記のステップS203で顧客端末20から送信されたKey情報とを用いて、WebページのURL毎に行動履歴情報を作成し、作成した行動履歴情報を行動履歴情報記憶部105に保存する(ステップS206)。ここで、収集部101は、例えば、アクセス履歴を解析して滞在時間や訪問回数等を算出した上で、これらの滞在時間や訪問回数等とKey情報とが含まれる行動履歴情報を作成すればよい。なお、収集部101は、例えば、アクセス履歴に含まれるURLのクエリパラメータ等を適宜削除することで、実質的に同一内容のWebページのURL毎に行動履歴情報を作成する。
【0068】
次に、問合せ予測装置10の分析部102は、上記のステップS206で作成された行動履歴情報と、予め作成された予測テンプレートとを用いて、顧客の問合せ内容を予測する(ステップS207)。ここで、分析部102は、以下のStep2-1~Step2-3により、問合せ内容を予測する。
【0069】
Step2-1)まず、分析部102は、予測テンプレート毎に、上記のステップS206で作成した各行動履歴情報と当該予測テンプレートとを、滞在時間及び訪問回数を軸とする空間内にプロットする。以降では、一例として、上記のステップS206で作成された行動履歴情報は、TOP画面のURLが含まれる行動履歴情報rと、住宅ローン画面のURLが含まれる行動履歴情報rとであるものとする。
【0070】
Step2-2)次に、分析部102は、予測テンプレート毎に、各行動履歴情報を示す点と、この行動履歴情報に対応する重心との重み付き距離を算出した上で、これらの重み付き距離の合計を評価距離として算出する。ここで、行動履歴情報に対応する重心とは、この行動履歴情報に含まれるURLと、当該重心に対応するURLとが同一又はこれらのURLが同一Webページを指す場合のことをいう。
【0071】
例えば、問合せ内容「住宅ローン新規」の予測テンプレートを{(g,w,m),(g,w,m),(g,w,m)}として、mはTOP画面のURL、mは住宅ローン画面のURL、mは教育ローン画面のURLであるとする。この場合、図9(a)に示すように、分析部102は、行動履歴情報rを示す点と重心gとの重み付き距離と、行動履歴情報rを示す点と重心gとの重み付き距離との合計を評価距離として算出する。なお、行動履歴情報rを示す点と重心gとの重み付き距離とは、例えば、行動履歴情報rを示す点と重心gとのユークリッド距離を重みwで除算した距離のことである。同様に、行動履歴情報rを示す点と重心gとの重み付き距離とは、例えば、行動履歴情報rを示す点と重心gとのユークリッド距離を重みwで除算した距離のことである。
【0072】
同様に、例えば、問合せ内容「教育ローン新規」の予測テンプレートを{(g ´,w ´,m),(g ´,w ´,m)}とした場合、図9(b)に示すように、分析部102は、行動履歴情報rを示す点と重心g ´との重み付き距離をする。一方で、行動履歴情報rを示す点にはこの行動履歴情報に対応する重心が存在しないため、重み付き距離として、予め決められた最大値を設定する。そして、分析部102は、行動履歴情報rを示す点と重心g ´との重み付き距離と、行動履歴情報rを示す点の重み付き距離(最大値)との和を評価距離として算出する。
【0073】
Step2-3)そして、分析部102は、上記のStep2-2で算出した各評価距離のうち、最も小さい評価距離の予測テンプレートを特定し、特定した予測テンプレートに対応する問合せ内容を予測結果とする。これにより、顧客の行動履歴から問合せ内容が予測される。
【0074】
なお、上記では、行動履歴情報及び予測テンプレートをプロットする空間の軸は、当該予測テンプレートを作成した際に用いた軸を使用する。また、予測テンプレートを作成した際に、各軸の正規化を行っている場合には、行動履歴情報に含まれる値についても同様に正規化を行う。
【0075】
続いて、問合せ予測装置10の応答部103は、交換機40を介して、上記のステップS202で電話発信を行った顧客端末20に対して、上記のステップS207で予測された問合せ内容を確認するための音声案内応答を行う(ステップS208~ステップS209)。このような音声案内応答としては、例えば、上記のステップS207で予測された問合せ内容が「住宅ローン新規」である場合、「住宅ローンの新規申し込みに関するお問い合わせですね。よろしければ0を、異なるようであれば1を押してください。」等といった音声案内応答が挙げられる。なお、これ以外にも、例えば、音声認識技術を用いて、「はい」又は「いいえ」等で問合せ内容を確認してもよい。
【0076】
顧客端末20の電話機能部202は、上記のステップS209の音声案内応答に対して応答を行う(ステップS210)。すなわち、顧客端末20の電話機能部202は、上記のステップS207で予測された問合せ内容が正しいことを示す応答(例えば、0が押下された場合等)又は正しくないことを示す応答(例えば、1が押下された場合等)を行う。これにより、顧客端末20は、例えば、オペレータ端末30との接続待ち状態となる。
【0077】
一方で、問合せ予測装置10の画面提供部104は、上記のステップS207で予測された問合せ内容を含むオペレータ画面を、該当のオペレータ端末30(例えば、この問合せ内容に回答可能なオペレータのオペレータ端末30)に表示させる(ステップS211)。ここで、問合せ予測装置10の画面提供部104は、当該オペレータ画面をオペレータ端末30に送信してもよいし、当該オペレータ画面の表示に必要な情報(つまり、問合せ内容の予測結果等)をオペレータ端末30に送信してもよい。なお、後述するように、オペレータ画面には、問合せ内容の予測結果以外にも、この問合せ内容の回答に必要な又は有益な様々な情報が含まれる。
【0078】
オペレータ端末30の表示機能部301は、問合せ予測装置10からオペレータ画面又はオペレータ画面の表示に必要な情報を受信すると、オペレータ画面を表示する(ステップS212)。なお、オペレータ画面の詳細については後述する。
【0079】
そして、オペレータ端末30の電話機能部302は、例えばオペレータの応答操作に応じて、交換機40を介して、上記のステップS210で応答した顧客端末20に対して応答する(ステップS213)。これにより、顧客端末20とオペレータ端末30との間で音声通話が開始される。
【0080】
最後に、問合せ予測装置10の分析部102は、上記のステップS206で作成された行動履歴情報と、上記のステップS210における予測された問合せ内容が正しいことを示す応答を表す問合せ情報、又は、顧客端末20とオペレータ端末30との間の音声通話の結果、オペレータが実際に受け付けた問合せ内容を表す問合せ情報とを用いて、予測テンプレートを更新する(ステップS214)。なお、この問合せ情報には、上記のステップS202における電話発信の際に発信先の電話番号に付加されたKey情報が含まれる。ここで、予測テンプレートの更新方法は、予測テンプレートの作成方法と同様の方法により、重心及び重みを更新すればよい。なお、予測テンプレートの更新はリアルタイムで行なわれる必要はなく、例えば、当該問合せ情報を問合せ情報記憶部106に保存しておき、所定の期間毎又は所定のトリガーが発生した際に行われてもよい。
【0081】
ここで、上記のステップS212でオペレータ端末30に表示されるオペレータ画面の一例について、図10を参照しながら説明する。図10は、オペレータ画面の一例を示す図である。
【0082】
図10に示すオペレータ画面1000には、上記のステップS207で予測された問合せ内容1100が含まれる。図10に示す例では、問合せ内容1100として、「住宅ローン新規」が表示されている。これにより、オペレータは、これから音声通話を行う顧客の問合せ内容を知ることができる。
【0083】
また、図10に示すオペレータ画面1000には、例えば、Webの閲覧履歴等が表示される行動履歴一覧1200や、より詳細なWebの閲覧履歴が表示されるWeb閲覧履歴詳細1300等が含まれる。これにより、オペレータは、顧客がどのようなWebページを閲覧した後にコールセンタに電話を掛けてきたのかを知ることができる。行動履歴一覧1200及びWeb閲覧履歴詳細1300は行動履歴情報を用いて表示することが可能である。
【0084】
なお、オペレータ画面1000には、上記以外にも、種々の情報が含まれてもよい。例えば、顧客の行動履歴情報としてWebページの閲覧履歴が取得可能な場合には、これらの行動履歴情報から表示可能な様々な情報が含まれてもよい。例えば、メールの送受信履歴やアンケート履歴、スマートスピーカの使用履歴、過去の電話応答時の履歴等が取得可能な場合には、これらの情報が表示されてもよい。
【0085】
以上のように、本実施形態に係る問合せ予測システム1は、顧客がコールセンタに問合せを行った際に、この顧客の行動履歴を用いて問合せ内容を予測し、その予測結果をオペレータに提示する。これにより、本実施形態に係る問合せ予測システム1では、オペレータが事前に顧客の問合せ内容を知ることができるため、実際に顧客との間で音声通話が接続された際に適切な回答を迅速に伝えることが可能となる。このため、コールセンタにおける電話応対時の顧客待ち時間等を削減することが可能となり、顧客満足度の向上に資することができる。
【0086】
なお、本実施形態では、一例として、顧客の行動履歴情報から問合せ内容を予測する場合について説明したが、これに限られず、種々の情報を予測する場合にも適用可能である。例えば、問合せ情報の代わりに、商品の購買情報を用いることで、顧客の行動履歴情報から、当該顧客が購入する商品を予測することが可能となる。
【0087】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から逸脱することなく、種々の変形や変更、既存の技術との組み合わせ等が可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 問合せ予測システム
10 問合せ予測装置
20 顧客端末
30 オペレータ端末
40 交換機
50 Webサーバ
101 収集部
102 分析部
103 応答部
104 画面提供部
105 行動履歴情報記憶部
106 問合せ情報記憶部
201 Web閲覧部
202 電話機能部
301 表示機能部
302 電話機能部
501 履歴提供部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10