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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】自動薬物調合器のためのラベルリーダ
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20220628BHJP
【FI】
A61J3/00 310K
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021080903
(22)【出願日】2021-05-12
(62)【分割の表示】P 2018529057の分割
【原出願日】2016-11-22
(65)【公開番号】P2021112666
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2021-05-12
(31)【優先権主張番号】62/263,583
(32)【優先日】2015-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クルンプ、クリストファー ヴァーノン ロバート
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-096515(JP,A)
【文献】特表2009-504199(JP,A)
【文献】特開2012-000359(JP,A)
【文献】特開2014-224807(JP,A)
【文献】特表2007-516775(JP,A)
【文献】特表平08-511963(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01639986(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のポンプカートリッジを収容するカルーセルに結合されているカルーセル支持フレームと
前記カルーセル支持フレームに結合されており、前記カルーセルを回転させるように構成されている駆動機構と、
1つまたは複数のバイアルを収容する複数のバイアル開口を有するスターホイールであって、前記スターホイールは、前記駆動機構に結合されており、前記駆動機構と前記カルーセル支持フレームとの間に少なくとも部分的に介在されており、前記駆動機構は、前記カルーセルに合わせて、または、前記カルーセルとは別個に、前記スターホイールを回転させるようにさらに構成されている、スターホイールと、
前記カルーセル支持フレームに取り付けられたモータであって、前記モータは、個々のバイアルを回転させるように構成されている、モータと、
前記モータが前記スターホイールの前記バイアル開口の中の前記バイアルを回転させている間に、前記スターホイール内のバイアルの画像を取り込むように構成されているカメラと
を備える、調合器システム。
【請求項2】
前記画像からロット番号および有効期限の少なくとも1つを抽出するように構成された処理回路をさらに備える、請求項1に記載の調合器システム。
【請求項3】
ディスプレイをさらに備え、前記処理回路は、(a)前記ロット番号または前記有効期限を有する前記画像の一部分を選択するようにユーザに促し、(b)前記画像の前記ユーザ選択部分に基づいて前記ロット番号および前記有効期限を決定するように構成されている、請求項2に記載の調合器システム。
【請求項4】
前記処理回路は、前記画像内のバーコードを読み取るようにさらに構成されている、請求項2に記載の調合器システム。
【請求項5】
前記処理回路は、前記バーコードに基づいて前記ロット番号および前記有効期限の予測される位置を決定するようにさらに構成されている、請求項4に記載の調合器システム。
【請求項6】
前記処理回路は、前記予測される位置を使用して前記画像から前記ロット番号および前記有効期限を抽出するように構成されている、請求項5に記載の調合器システム。
【請求項7】
前記撮像位置において前記バイアルの少なくとも一部分を照明するように構成された光源をさらに備える、請求項1に記載の調合器システム。
【請求項8】
前記光源は線状の光源を含む、請求項7に記載の調合器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、薬物を再構成し、混合し、バイアルから受容器に送達する装置に関する。具体的には、本開示は、自動薬物調合器のためのバイアルラベルリーダに関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品調合とは、患者の固有の必要性に合わせて特定の医薬品の作成を実践することである。実際には、調合は、典型的には、様々なツールを用いて適切な成分を組み合わせる薬剤師、技術者または看護師によって行われる。1つの一般的な形態の調合は、懸濁医薬組成物を生成するための、粉末薬物製剤と特定の希釈剤との組み合わせを含む。これらのタイプの組成物は、一般に、静脈内/非経口投与において使用される。医薬品および希釈剤は、調合プロセス中に無菌状態に維持されることが極めて重要であり、適切な混合特性を維持しながらプロセスを自動化する必要がある(すなわち、医薬品が溶液中に適切に混合されるが、溶液は泡立てられず、気泡が生成されないような特定の方法で、特定の医薬品を攪拌しなければならない)。使用が容易で、頻繁に使用することができ、効率的で信頼性があり、ユーザのエラーを減少させる調合システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
自動薬物調合器システムには、バイアル中の薬物を再構成し、再構成された薬物を受容器に提供するための様々な構成要素および機能を与えることができる。システムは、バイアルの画像を取り込むためのカメラと、画像からロット番号および有効期限などの情報を抽出するための処理回路とを含むことができる。
【0004】
一実施形態によれば、薬物を含むバイアルを受け入れるためのバイアル開口を有するバイアルトレイと、カメラと、バイアルトレイを回転させてバイアルを撮像位置に移動させるように構成された第1のモータと、カメラがバイアル上のラベルの画像を取り込んでいる間にバイアルを回転させるように構成された第2のモータと、画像からロット番号および有効期限を抽出するように構成された処理回路とを含む調合器システムが提供される。
【0005】
別の実施形態によれば、調合器システムのバイアルトレイ内にラベルを有するバイアルを提供するステップと、バイアルトレイを用いて、バイアルを撮像位置に移動させるステップと、バイアルが撮像位置にあるバイアルトレイ内にある間にバイアルを回転させるステップと、バイアルを回転させながらラベルの少なくとも1つの画像を取り込むステップと、少なくとも1つの画像からロット番号および有効期限の少なくとも1つを決定するステップとを含む方法が提供される。
【0006】
別の実施形態によれば、ポンプカートリッジのカルーセルを回転させるように構成されたカルーセル支持フレームと、カルーセル支持フレームに取り付けられたモータと、カルーセルを回転させるように構成されている駆動機構と、駆動機構とカルーセル支持フレームとの間に少なくとも部分的に介在されるバイアルトレイであって、駆動機構は、バイアルトレイおよびカルーセルを回転させるように構成されている、バイアルトレイと、モータがバイアルを回転させている間に、バイアルトレイ内のバイアルの画像を取り込むように構成されているカメラとを含む調合器システムが提供される。
【0007】
本発明のさらなる理解を助けるために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、開示される実施形態を示しており、本明細書とともに、開示される実施形態の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の態様による調合システムの例示的な実施形態の一例の正面斜視図である。
図2】本開示の態様による透明ハウジングを有する図1の調合システムの正面斜視図である。
図3】本開示の態様によるハウジングが取り外された図1の調合システムの側面図である。
図4】本開示の態様によるポンプ駆動機構の例示的な実施形態の斜視図である。
図5】本開示の態様による図4のポンプ駆動機構の分解図である。
図6】本開示の態様によるモータマウントの例示的な実施形態の一例の斜視図である。
図7】本開示の態様による図6のモータマウントの背面斜視図である。
図8】本開示の態様による図6のモータマウントの斜視図である。
図9】本開示の態様によるカムハウジングの例示的な実施形態の斜視図である。
図10】本開示の態様による図9のカムハウジングの背面斜視図である。
図11】本開示の態様による歯車が取り外された図9のカムハウジングの背面斜視図である。
図12】本開示の態様によるポンプヘッドアセンブリの例示的な実施形態の斜視図である。
図13】本開示の態様による把持システムおよびバイアルパックの例示的な実施形態を有する図12のポンプヘッドアセンブリの斜視図である。
図14】本開示の態様による図13のポンプヘッドアセンブリ、把持システムおよびバイアルパックの斜視図である。
図15】本開示の態様による図13のポンプヘッドアセンブリ、把持システムおよびバイアルパックの背面斜視図である。
図16】本開示の態様による把持システムの例示的な実施形態の斜視図である。
図17】本開示の態様による図16の把持システムの背面斜視図である。
図18】本開示の態様による図16の把持システムの側面斜視図である。
図19】本開示の態様による図16の把持システムの上面図である。
図20】本開示の態様による図16の把持システムの上面図である。
図21】本開示の態様によるプロセスのステップの例示的な実施形態を示す流れ図である。
図22】本開示の態様によるカートリッジの例示的な実施形態の斜視図である。
図23】本開示の態様によるカバーを有するカルーセルの例示的な実施形態の斜視図である。
図24】本開示の態様による調合システムの別の例示的な実施形態の正面斜視図である。
図25】本開示の態様による図24の調合システムの別の正面斜視図である。
図26】本開示の態様によるハウジングの部分が取り外された図24の調合システムの正面斜視図である。
図27】本開示の態様によるハウジングの部分が取り外された図24の調合システムの背面斜視図である。
図28】本開示の態様による図24の調合システムの分解斜視図である。
図29】本開示の態様による、様々な構成要素が明瞭化のために拡大図で示されている図24の調合システムの斜視図である。
図30】本開示の態様による調合システムのバイアル・カルーセル駆動アセンブリの斜視図である。
図31】本開示の態様による図30のバイアル・カルーセル駆動アセンブリの分解斜視図である。
図32】本開示の態様によるラベルを有するバイアルの図である。
図33】本開示の態様によるバイアルラベルを読み取るためのプロセスのステップの例示的な実施形態を示す流れ図である。
図34】本開示の態様によるバイアルラベルを読み取るためのプロセスのステップの例示的な実施形態のさらなる詳細を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に記載される詳細な説明は、本発明の主題の技術の様々な構成を記載し、本発明の主題の技術が実施され得る唯一の構成を表すことを意図するものではない。詳細な説明には、本発明の主題の技術の完全な理解を提供するための具体的な詳細が含まれる。したがって、非限定的な例として、特定の態様に関して寸法が与えられる場合がある。しかしながら、当業者には、本発明の主題の技術がこれらの特定の詳細なしに実施され得ることは明らかであろう。いくつかの事例では、本発明の主題の技術の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造および構成要素がブロック図形式で示されている。
【0010】
本開示は本発明の主題の技術の例を含み、添付の特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。ここで、本発明の主題の技術の様々な態様を、特定的であるが非限定的な例に従って開示する。本開示に記載された様々な実施形態は、様々な異なる方法および変形形態において、および所望の用途または実施態様に従って実行されてもよい。
【0011】
本システムは、滅菌環境において医薬品を効率的に再構成することができ、患者に使用するために調合された医薬品を送達バッグに送達することができる調合システムをともに形成する複数の特徴および技術を含む。
【0012】
図1は、一実施形態による調合器システム10を示す。図2は、透明な外側ハウジング12を有するシステム10を示し、図3は、ハウジングが取り外されたシステムを示す。このシステムは、10個までの個々のカートリッジ16を収容するカルーセルアセンブリ14を備える。カルーセル14は、必要に応じて、より多いまたはより少ないカートリッジ16を保持することができる。カートリッジ16は使い捨てであり、粉末薬物(または濃縮液体薬物)を含むバイアル18、複数の希釈剤および受容器の間に独自の流体経路を提供する。カートリッジ16は、必要に応じて、蒸気廃棄物容器への流体経路を提供することもできる。しかし、他の実施形態では、ろ過された、またはろ過されていない無毒廃棄物を調合器から環境に排出し、廃棄物ポートの必要性を低減または排除することができる。各カートリッジは、ピストンポンプと、流体がカートリッジを通って受容器内に移動するときの調合プロセスのステップ中の流体の吸入、排出、および流体経路選択を制御するバルブとを含む。
【0013】
カルーセルアセンブリ14は、異なるカートリッジ16をポンプ駆動機構20と位置整合させるために回転することができるように、装置に取り付けられている。カルーセル14は、典型的には、使用済みのカルーセル14を取り外した後にカルーセル14を新しいカルーセル14と交換するために開くことができるハウジング12内に封入される。図示のように、カルーセル14は、最大10個のカートリッジ16を収容することができ、特定のカルーセルを10回まで使用することができる。この構成では、各カルーセルアセンブリは、実行される調合のタイプに応じて、例えば、10~100個の受容器をサポートすることができる。例えば、有害薬物調合のために、カルーセルアセンブリは、10個の受容器への調合をサポートすることができる。別の例では、抗生物質または鎮痛剤の調合などの非有害薬物調合のために、カルーセルアセンブリは、100個の受容器への調合をサポートすることができる。ハウジング12はまた、カルーセル14の下に位置決めされたスターホイール22を含む。スターホイール22は、カルーセル14上の特定のカートリッジ16に合わせた、またはそれとは別個の位置に、医薬品のバイアル18を回転させる。ハウジング12はまた、バイアル18をスターホイール22上の所定位置に装填するための開口24を含むこともできる。
【0014】
カルーセル14内のカートリッジ16の各々は、希釈剤および蒸気廃棄物のための複数の経路を含む使い捨てユニットである。各カートリッジ16は、受容器(例えば、IVバッグ、シリンジ、またはエラストマーバッグ)に接続するためのチューブが維持され得る「バックパック」を含むこともできる小型、単一の使い捨てユニットである。各カートリッジ16はまた、カートリッジ16を通って流体および蒸気を移動させるためのピストンポンプのような圧送機構、ならびに、バイアル18がポンプ駆動機構20によって所定位置に移動されるとバイアル18の上にあるバイアルパック26を穿刺することができるハウジング内の二重内腔針を含むこともできる。例えば、針は、針に向かって動かされるバイアルパック26の圧縮作用によってバイアルパック26を穿刺することができる。各カートリッジ16はまた、複数の希釈剤マニホールドの針と一致するように設計された複数のポートをも含む。各カートリッジ16はまた、ポンプヘッドアセンブリ28から取り付けポストおよびロックバヨネットを受け入れるための開口を含む。ロックバヨネットは一例として本明細書に記載されているが、カートリッジを取り出してポンプヘッドにロックするために他のロック機構を使用することができる(例えばグリッパ、クランプなどがポンプヘッドから延伸してもよい)。各カートリッジ16はまた、ポンプモータ機構からのバルブアクチュエータが各カートリッジ16上のバルブと相互作用することを可能にする開口を含む。
【0015】
バイアル18およびカルーセル14を保持するハウジング12に隣接して、図に示すようなIVバッグ32のような少なくとも1つの容器32を保持するための装置30がある。IVバッグ32は、典型的には、ポート34および36のような2つのポートを有する。例えば、一実施態様では、ポート34は吸入ポート34であり、ポート36は出口ポート36である。この実施態様が本明細書において一例として説明されるが、ポート34および36のいずれかを容器32の入力ポートおよび/または出口ポートとして実装することができる。例えば、別の実施態様では、チューブ38の端部においてコネクタを受け入れるための入口34を出口ポート36上に設けることができる。示された実施形態では、IVバッグ32は、保持装置30から吊下され、一実施形態では、保持装置30は、図1図3に示すようなフックを備えたポストである。希釈剤容器、受容器、または廃棄物容器のような容器を吊下するすためのフックの1つまたは複数に、吊下される容器の重量を検出および監視するロードセルのような重量センサを設けることができる。保持装置30は、IVバッグ32または他の医薬品容器を位置決めするために必要な他の形態を取ることができる。IVバッグ32が保持装置30上に位置決めされると、第1のチューブ38(その一部分は図1に示されている)がカルーセル14上のカートリッジ16からIVバッグ32の入口34に接続される。例えば、第1のチューブは、カートリッジに取り付けられたバックパック内に収容され、IVバッグ32に達するようにバックパック内から(例えば、操作者によってまたは自動的に)延伸することができる。チューブ38の端部には、受容器32の入口34に接続するために、Texium(登録商標)コネクタのようなコネクタ37を設けることができる。
【0016】
調合器10の反対側には、複数のIVバッグ32または他の容器を保持するための保持装置40のアレイがある。調合器10の図示のバージョンでは、5つのIVバッグ42、44が描かれている。これらのバッグ42のうち3つは、生理食塩水、D5Wまたは滅菌水などの希釈剤を含むことができるが、当技術分野で知られている任意の希釈剤を利用することができる。アレイ内の追加のバッグは、混合プロセスからの潜在的に有害なまたは有毒な蒸気廃棄物などの廃棄物を収集するための空の蒸気廃棄物バッグ44であってもよい。追加のバッグ44は液体廃棄物バッグであってもよい。液体廃棄物バッグは、受容器から生理食塩水のような無毒の液体廃棄物を受け入れるように構成されてもよい。液体廃棄物は、機械的ポンプを使用して専用チューブを介して廃棄物バッグに圧送することができる。動作中、対応する容器42および44からの希釈剤ラインおよび蒸気廃棄物ラインを各々、使い捨てマニホールドを介してカートリッジ16に接続することができる。
【0017】
調合システム10はまた、複数のタイプのバイアル18に取り付けるように設計された特殊なバイアルパック26を含む。動作中、バイアルパック26は、再構成が必要な薬物を含むバイアル18の上に配置される。バイアルパック26が適所に配置されると、バイアル18は調合器10のスターホイール22に装填される。バイアルパック26上の嵌合機構が、バイアルパック26がスターホイール22内にある間、およびバイアルパック26が後で所定の位置に回転されるときの両方で適切な位置整合を提供し、それによって、調合器10は、バイアルパックをさらなる処理のためにスターホイール22から取り外すことができる。
【0018】
一実施形態によるポンプ駆動機構20が図4に示されており、図5に分解図で示されている。図4および図5に示す実施形態では、ポンプ駆動機構20は、複数の区画を含む。ポンプ駆動機構20の一端には、駆動エレクトロニクスを保持し、そのハウジング96上に、回転ハウジング46があり、1つまたは複数の希釈剤容器および/または廃棄物容器から1つまたは複数の対応するマニホールドまで延伸する可撓性チューブ50のためのロックフランジ94を含む。回転ハウジング46は、ポンプ駆動機構20の残りの部分を回転させるために、その軸回りに回転することができる。回転ハウジング46は、その端部にハウジングを回転させることが可能な軸受リブ52を含む。例えば、ポンプ駆動機構は、180°以下、または180°超などの任意の適切な角度で回転するように構成することができる。
【0019】
回転ハウジング46の隣には、一実施形態による、図6図8において様々な角度から単独で示されているモータマウント54がある。図4図8に示す実施形態では、図9図11の様々な角度からさらに詳細に示されるカムハウジング56が、モータの回転運動ならびにポンプ駆動機構20がカートリッジ16およびバイアル18をピックアップするように所定の位置に移動するときのポンプ駆動機構20の軸方向運動を制御するカムおよび歯車を含むモータマウント54に接続される。
【0020】
調合器システムはまた、ポンプ駆動機構の側部に位置するスロット60内に取り付けられる希釈剤マガジン(図示せず)を含む。希釈剤マガジンは、希釈剤ポートとして動作可能な任意の数の個々の希釈剤マニホールドを受け入れるように構成された使い捨て部品であってもよい。希釈剤マニホールド(図示せず)はモジュール式であってもよく、そのため、それらは容易にかつ取り外し可能に互いに接続し、マガジンに接続し、および/またはポンプ駆動機構20に接続することができる。
【0021】
ポンプ駆動機構20の最後の部分は、ポンプヘッドアセンブリ28である。ポンプヘッドアセンブリ28は、バイアル把持アーム76、バイアルリフト78、ポンプカートリッジ把持部80、アーム222を有するポンプピストン偏心駆動シャフト82、バルブ作動機構84、および、希釈剤が添加されるとバイアル18内の医薬品を混合するためにポンプ駆動機構20が前進および後退ならびに回転することを可能にするモータとを含む。調合器10はまた、ユーザによるデータ入力、ならびに、ユーザに対する通知、指示およびフィードバックを提供するための、図に示されるようなタッチスクリーン86のような入力画面86を含むこともできる。
【0022】
ここで、調合器システム10の動作を、一実施形態による図21に示された流れ図において概括的に説明する。第1のステップ88において、ユーザは、複数のマニホールド(例えば、希釈剤マニホールドおよび廃棄物マニホールド)を有する新たな希釈剤マニホールドマガジンを、ポンプヘッドアセンブリ28の側部上のスロット60に挿入する。マガジンをスロット60に設置する前または後に、マニホールドをマガジンに装填することができる。マニホールドは、カートリッジ16が後に定位置にロックされるまで、マニホールドのハウジングの内部に針を保持する。マガジンは、任意の数の希釈剤マニホールドおよび蒸気廃棄物マニホールドを含むことができる。1つの例示的なシステムでは、3つの希釈剤マニホールドおよび1つの蒸気廃棄物マニホールドが存在し得る。次のステップ92では、希釈剤チューブが対応する希釈剤バッグに接続される。チューブは、チューブを定位置に保持するために、ロックフランジを通じて調合器フレームの表面(例えば、前面)上に送ることができる。例えば、図24の図示された実施形態では、チューブは、ロックフランジ2402によって調合器のフレーム上の適所に保持される。代替的に、当該技術分野において知られている他のタイプのクリップまたはロック機構を使用して、チューブを適所に安全に保持することができる。図4に示す実施形態では、ポンプ駆動機構20の外側ハウジング96上に位置決めされた追加のフランジ94が、調合器の内部配線を安全確保するために設けられている。次のステップ98では、廃棄物チューブを蒸気廃棄物バッグ44に接続することができる。他の実施形態では、チューブは、マニホールドと希釈剤容器および/または廃棄物容器などの関連する容器との間に予め結合されてもよく、ステップ92および98の動作は省略されてもよい。
【0023】
必要に応じて、次のステップ100において、新たなカルーセル14を、調合器システムのカルーセルハブのようなカルーセル取り付けステーションに装填することができる。カルーセル14は、ほぼ円形の配列で配置された任意の数の使い捨てカートリッジ16を含むことができる。次のステップ110では、バイアルパック26が、再構成のために粉末医薬品または液体医薬品のバイアル18の上部に取り付けられ、バイアル18は次のステップ112においてカルーセル14の下のスターホイール22に装填される。ステップ110は、スターホイール22内の複数のバイアルパック凹部に複数のバイアル18を装填するステップを含むことができる。1つまたは複数のバイアルがスターホイールに装填された後、バイアルは所定の位置に回転されて、各バイアルのバイアルラベルの走査を可能にされ、開始される。一実施形態では、ユーザは、走査が開始される前にすべてのバイアルスロットがバイアルによって占有されるまで、バイアルをスターホイールに装填することを可能にされる。各バイアルの装填を検出するセンサを設けることができ、その後、次のバイアルパック凹部がユーザの装填位置へと回転される。ユーザが、バイアルラベルを走査する前にすべてのバイアルをスターホイールに装填することを可能にすることによって、調合の効率が向上する。しかし、他の実施態様では、各バイアルが装填された後、またはバイアルのサブセットが装填された後に、バイアルラベルの走査を行うことができる。これらの設定ステップに続いて、次のステップ114は、ユーザが入力画面上で適切な投薬量を選択することである。
【0024】
入力画面86上での選択の後、調合器10は動作116を開始する。スターホイール22は、バイアルを、ポンプヘッドアセンブリ28のバイアル把持キャリパ76と位置整合する118ように回転させる。バイアルパック26は、例えば、スキャナ(例えば、バーコードスキャナまたは1つもしくは複数のカメラ)がバイアル18上のラベルを走査する122ことができるようにバイアル18が回転する120ことを可能にする回転モータに結合された歯車とインターフェースする歯車を含む。スキャナまたはカメラ(および関連する処理回路)は、バイアルのロット番号および有効期限を決定することができる。ロット番号および有効期限は、現在の日付、リコールまたはロット番号に関連付けられた他の指示、調剤技師(技師)のような調合器操作者、そのロット番号の在庫水準などの他の情報と比較することができる。このようにして、撮像されたラベルからのロット番号および/または有効期限を使用して、生産性報告などの活動を支援することができる。例えば、薬剤師は、特定のロット番号をキーワード検索し、この特定のタイプの薬物を取り扱った経験が最も多い調剤技師を確認することができる。別の例として、薬剤師は、病院/薬局在庫データベースを検索し、このロット番号および有効期限に関連付けられる薬物の在庫水準を決定することができる。
【0025】
バイアル18が走査され位置整合されると、次のステップ124において、ポンプ駆動機構20は、キャリパ76によってバイアル18を把持するために、所定の位置に前進する。また、前方への移動は、ポンプヘッドアセンブリ28の前面の取り付けポスト130およびロックバヨネット128を、カートリッジ16上の対応する開口と一致して位置整合させる。次のステップ126において、カートリッジ16は、ポンプヘッドアセンブリ28上の適所においてロックバヨネット128によってロックされ、キャリパ76は、バイアル18の上部のバイアルパック26を把持する132。次に、キャリパ76は、スターホイール22から後退させることによってバイアル18を除去し132、同時にカルーセル14からカートリッジ16を引き出す134。
【0026】
いくつかの実施形態では、カートリッジ16は、コイル状チューブを含むバックパックを含む。この実施形態では、ステップ136において、ポンプ駆動機構20は、カートリッジ16をユーザの方に傾けて、チューブの端部を露出させ、ユーザにチューブをバックパックから引き出して受容バッグ32に接続するよう促す138。代替的な実施形態では、カートリッジ16がカルーセル14から引き離されると、チューブ38はカルーセル14の側部に露出される。別の代替の実施形態では、チューブ38は自動的に(例えば、バックパックの外に)押し出され、これにより、ユーザは、チューブの端部に位置するコネクタを把持し、受容器に接続することができる。システムは、ユーザに、カルーセル14からチューブを引き出し、チューブをIVバッグ32の入力部34に接続するように促す138。チューブ38が接続されると、ステップ140において、ユーザは、入力画面86と対話することによって調合プロセスを続けるように、調合器10に通知することができる。
【0027】
ステップ142において、バイアル18はカートリッジ16に向かって引き上げられ、それによって、カートリッジ16の同軸二重内腔針のような1つまたは複数の針がバイアルパック26の上部を穿刺してバイアル18の内部に入る。図21の例は、ユーザがカートリッジからのチューブを受容器に取り付けた後の、バイアルパックと針との係合を示しているが、これは単なる例示である。別の実施形態では、ステップ138および140がステップ142の後に実施されてもよく、それによって、ユーザがカートリッジからのチューブを受容器に取り付ける前に、バイアルパックとの針の係合が行われる。
【0028】
希釈剤が、カートリッジ16および第1の針を介して適切な投薬量でバイアル18に圧送される144。必要に応じて、カートリッジ16に取り付けられた第2の希釈剤マニホールドまたは第3の希釈剤マニホールドを介して、バイアル18に第2の希釈剤または第3の希釈剤を添加することができる。同時に、蒸気廃棄物が、バイアル18から第2の針、カートリッジ16および蒸気廃棄物マニホールドを通じて蒸気廃棄物バッグ44へと圧送される144。ポンプヘッドアセンブリ28上のバルブアクチュエータ84は、プロセス中に必要に応じて流体流路を変更するために、カートリッジ16のバルブを開閉する。希釈剤がバイアル18に圧送されると、ポンプ駆動機構20は、バイアル18が右上がりの位置と上下逆の位置との間で回転するようにバイアルリフト78を例えば180度まで回転させることによって、次のステップ146においてバイアル18を攪拌する。攪拌プロセスは、再構成される医薬品のタイプに依存して、必要なだけ繰り返され得る。さらに、再構成される薬物のタイプに応じて異なる攪拌パターンを使用することができる。例えば、いくつかの薬物では、180度回転するのではなく、ポンプヘッドの前後左右の動きの組み合わせを行って、バイアルの旋回攪拌を発生させることができる。特定の薬物または他の医療流体のための複数のデフォルト攪拌パターンを、調合器制御回路に格納された(および/または当該回路によってアクセス可能な)薬物ライブラリに含めることができる。攪拌ステップが完了すると、ポンプ駆動機構は、バイアルを上下逆の位置または他の適切な位置に回転させ、所定位置に保持する。いくつかの実施形態では、すでに受容器32内にある希釈剤などの流体は、再構成された薬剤を受け入れるための受容器内の空間を可能にするように(例えば、カートリッジを通じてまたは別の経路を介して)液体廃棄物容器内に圧送することができる。
【0029】
次のステップ148では、バルブアクチュエータ84がカートリッジのバルブの向きを変え、カートリッジ16の圧送機構が作動されて、再構成された薬物を、取り付けられたチューブを介して受容バッグ32に圧送する150。薬物が受容バッグ32内に圧送されると、次のステップ152において、ポンプ駆動機構20は、再構成された薬物のすべてが受容バッグ32に提供されることを確実にするために、別のバルブ調整の後、ろ過された空気またはより多くの希釈剤をチューブ38を通して受容バッグ32に圧送することによってチューブ38が空にされる。いくつかのシナリオでは、シリンジを受容器32として使用することができる。シリンジが受容器32として使用されるシナリオでは、再構成された薬物のシリンジへの送達後、ポンプ駆動機構20によってチューブ38内に真空が生成されて、シリンジに押し込まれた可能性がある空気または他の蒸気を除去することができ、それによって、シリンジがチューブ38から取り外されると、再構成された薬物が患者に送達するために読み取られ、空気または他の望ましくない気体はシリンジに存在しない。
【0030】
次いで、システムは、ユーザに、チューブ38を受容器32から取り外すように促す154。次いで、ユーザは、コネクタ(例えば、Texium(登録商標)またはSmartSite(登録商標)コネクタ)をバックパックまたはカルーセル内のそのスロットに挿入し、ポンプヘッドの光学センサがコネクタの存在を検知し、チューブをカルーセルまたはバックパックのいずれかに自動的に引き込むことができる。いずれのタイプのシステムが使用されているかに応じて、チューブはカルーセル14またはバックパックのいずれかに引き戻される。次のステップ156において、調合器10は、バイアル18を回転させて、スターホイール22と再び位置整合させ、それを解放する。使用済みカートリッジ16は、カルーセル14上で交換することもできる。使用済みカートリッジは、ポンプ駆動装置内のセンサが、チューブがカートリッジ内で交換されたと(例えば、カートリッジの窓を通してカートリッジのバックパック内のチューブの端部においてTexium(登録商標)コネクタのようなコネクタの存在を検知することによって)判定したときに解放することができる。カルーセル14および/またはスターホイール22は、次いで、新しい未使用のカートリッジ16および/または新しい未使用のバイアル18へと回転することができ158、プロセスが、新しい薬物について反復され得る。いくつかの状況(例えば、同じ薬物の複数の再構成)では、単一のカートリッジを2つ以上のバイアルを用いて2回以上使用することができる。
【0031】
カートリッジ16は使い捨て可能であるように設計されており、ユーザは、カルーセル14を交換する前に、所与のカルーセル14内のすべてのカートリッジ16を利用することができる。カートリッジ16が使用された後、カルーセル14は次のカートリッジ16へと回転し、システムソフトウェアは、カートリッジ16が使用されたことを記録するように更新し、したがって、他の再構成された薬物からの相互汚染が防止される。各カートリッジ16は、必要に応じて複数の希釈剤を用いて薬物を再構成するために必要なすべての流路、バルブ、フィルタおよびポンプを含み、再構成された薬物を受容器に圧送し、蒸気廃棄物をシステムから廃棄物容器に圧送し、適切な量の薬物および希釈剤が受容器に存在することを確認するために、最終的なQS工程を実施するように設計されている。この完全なパッケージは、カートリッジ16の特定のかつ独特の構造、その流路、およびそのバルブ構造によって可能になる。
【0032】
カートリッジ16の一実施形態を図22に示す。図22に示すように、カートリッジ16は、カートリッジフレーム160、カートリッジベゼル164、ならびに、ピストンポンプ166、針ハウジング168および針アセンブリ170を含むことができる。カートリッジフレーム160は、各カートリッジ16の主な支持を提供し、希釈剤チャンバ、蒸気廃棄物チャンバ、圧送チャンバ、疎水性排出口、出口ポート、および/または受容器32に接続するチューブに接続することができる、以下に説明するような他の機構を含む。
【0033】
カートリッジ16のフレーム160はまた、各カートリッジ16がポンプヘッドアセンブリ28に取り外し可能に取り付けられることを可能にする設置機構を含む。これらの機構は、例えば、ポンプヘッドアセンブリ28から取り付けポスト130を受け入れる3つの開口198と、ロックバヨネット128がその中に挿入され、カルーセル14から取り外すためにカートリッジ16をポンプヘッドアセンブリ28にロックするように旋回されることを可能にするキーホール210とを含む。一部の実施形態では、出口ポート延長部220が存在してもよい。ピストンポンプ166は、シリコーンピストンブーツ内に位置決めされたロッド194によってチャンバ内に取り付けられる。さらに、ベゼル164は、開口228を含み、この開口228内には、シール膜のバルブ190が配置され、バルブアクチュエータ84によってアクセスされる。さらに、ベゼル164は、流体マニホールドがカートリッジ16内の希釈剤チャンバおよび蒸気廃棄物チャンバに接続されることを可能にする開口230を含む。ベゼル164はまた、調合が完了したときにユーザがコネクタを、与えられているスロットに挿入するときに、コネクタ(例えば、Texium(登録商標)またはSmartSite(登録商標)コネクタ)の検出を容易にする開口を含むことができる。動作中、流体マニホールドの針は、ベゼル164内の開口230を通って入り、シール膜を穿刺して、カートリッジ16内でシール膜とカートリッジフレーム160との間に画定された希釈剤および蒸気廃棄物チャンバへの流体アクセスを得る。カートリッジ16の様々な実施形態のさらなる詳細については後述する。
【0034】
図23を参照すると、一実施形態による調合器10から取り外されたカルーセル14の例示的な実施形態が示されている。図23のカルーセル14は、この実施形態では10個のカートリッジ16のアレイを含むが、カルーセル14のポケット500の一部を空にして、より多くのまたはより少ないカートリッジ16がカルーセル14上に存在してもよく、または、より多いまたはより少ないカートリッジポケット500を有するようにカルーセルのフレーム510が設計されてもよいことは理解されたい。カルーセル14はまた、ユーザが各カートリッジ16に結合されたチューブに直接アクセスすることを防止するカバー511を含む。カバー511は、必要であれば、カートリッジ16の背面にアクセスするために取り外すことができる。図23の実施例では、Texium(登録商標)アタッチメント548などのコネクタが各カートリッジ16に隣接して配置され、アタッチメント548は各カートリッジ16の延長部220から延伸するチューブ38に取り付けられる。
【0035】
図24図29は、別の実施形態による調合器10を示す。図24に示すように、保持装置40は、容器42および44のそれぞれのための取り付けデバイスのための支持を提供する延長アームとして実施されてもよい。保持装置40および保持装置30は各々、適切な量の流体が容器に添加または除去されたか否かを判定するための重量測定値を提供し、または、流体が適切な容器へと、および/もしくは、適切な容器から転送されていること(例えば、適切な希釈剤が施与されていること)を確認するように構成された重量センサのような1つまたは複数のセンサを含むことができる。各希釈剤容器および/または受容器を、調合器10に取り付けられる前および/または取り付けられた後に走査することができるスキャナ2404を設けることができる。図24に示されるように、カルーセルカバー2400およびチューブ管理構造2402もまた、様々な実施形態において調合器10上に提供されてもよい。例えば、容器42および/または44と対応するマニホールドとの間に接続されたチューブが各々、チューブ管理構造2402の溝内に取り付けられて、調合器10の動作中にチューブの絡み合いまたは詰まりを防止することができる。
【0036】
図25に示すように、バイアル18をスターホイールに設置することができる開口2502を設けることができる。さらに、例えば受容器32から廃棄物容器44に無毒液体廃棄物を圧送するために(例えば、所望の量の生理食塩水を受容器32から迅速に、かつ液体廃棄物がカートリッジおよび/または調合器の他の部分を通過することなく圧送するために)、外部ポンプ2500が設けられてもよい。
【0037】
いくつかの容器マウント2506を含む流体モジュール2504を提供することができる。容器マウント2506は、希釈剤および廃棄物容器を吊下するために使用されてもよく、容器が吊下されたときを感知し、および/または容器の重量を感知するセンサ回路を含んでもよい。このようにして、調合器10の動作を監視して、正しい希釈剤含有物が走査されており、正しい位置に吊下されていること、および廃棄物が適切な廃棄物容器に予測される量で供給されていることを保証することができる。
【0038】
図26に示すように、ポンプ2500およびディスプレイ86をシャーシ2600に取り付けることができる。ポンプ駆動装置20は、部分的にシャーシ2600内に取り付けられてもよく、ポンプヘッドアセンブリ28は、シャーシからポンプヘッドアセンブリが回転する(例えば、バイアルを反転させるか、または攪拌する)ことを可能にする位置に延伸する。カルーセル14はまた、カートリッジ取り付け凹部500が見えるように、カートリッジが取り付けられていない状態で図26に示されている。
【0039】
スターホイール22(本明細書ではバイアルトレイと呼ばれることもある)が図26に示されており、いくつかのバイアルパック凹部2604は空になっている。バイアルトレイ22を回転させることができ、作動扉2608を開けてバイアルトレイ22内のバイアルパック凹部2604へのバイアル18の装填を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、扉2608は、操作者の指が回転トレイからの傷害の危険性がないことを保証するために、バイアルトレイ22の回転前に閉じてもよい。しかしながら、これは単なる例示である。他の実施形態では、扉2608の代わりに(または、加えて)センサ2650(例えば、ライトカーテン)などのセンサを設けて、トレイ22の近傍の操作者の存在を感知し、操作者または他の障害物が検出される場合に、トレイの回転を防止することができる。
【0040】
同様に、カルーセル14内に装填されたカートリッジ16の汚染を防止し、カルーセルの回転による操作者の傷害を防止するために、カルーセル14に蓋を設けることができる。蓋の位置(例えば、開位置または閉位置)を検出するために、蓋センサ(図示せず)を設けてもよい。蓋が蓋センサによって閉位置において検出されない場合、カルーセル14の回転が防止され得る。
【0041】
挿入される各バイアル18は、バイアルパック凹部2604内に配置されたときにセンサ2652のようなセンサ(例えば、荷重センサまたは光学センサ)を用いて検出されてもよい。検出されると、挿入されたバイアルは、バイアルトレイ22を回転させることによって走査位置に移動することができ、次いで、挿入されたバイアル18が、バイアル回転モータ2602を用いてバイアルトレイ22内のその位置内で回転してバイアルラベルが走査されることを可能にすることができる。
【0042】
調合器10の逆の斜視図が図27に示されており、走査構成要素が見える。特に、カメラ2700がシャーシ2600の開口内に取り付けられており、走査位置においてバイアル18を見るように構成されている。モータ2602が、カメラ2700がバイアルラベルの画像を取得できるように、バイアル18を1回以上の完全回転を通じて回転させることができる。いくつかの実施形態では、カメラ2700を用いて撮像するためにバイアル18を照らす照明デバイス2702(例えば、発光ダイオードまたは他の光源)を設けることができる。
【0043】
図27に示すように、走査位置においてバイアル18が取り付けられるバイアルパック26上の対応する歯車と係合する、モータ2602に結合された1つまたは複数の歯車2704が設けられてもよい。バイアルトレイ22は、モータ2602が作動したときにバイアル18が回転するように、バイアルパック歯車が回転モータ歯車と噛み合うように回転することができる。
【0044】
図27はまた、1つまたは複数のマニホールドを収容するマガジン2706がポンプヘッドアセンブリ28の凹部内にどのように取り付けられ得るかを示す。蒸気廃棄物マニホールドのマガジン2706内のマガジンスロットは、そのスロット内の希釈剤マニホールド(またはマガジン内の希釈剤スロット内の廃棄物マニホールド)の偶発的な接続を防止するために固定することができる。マガジン2706内の他の希釈剤スロットは共通の幾何学的形状を有することができ、したがって任意の希釈剤マニホールドがマガジン希釈剤スロットに嵌合することができる。マニホールドセンサ2750のような1つまたは複数のマニホールドセンサ(例えば、光学センサ)が、ポンプヘッドアセンブリ28のマニホールド凹部内に設けられてもよい。マニホールドセンサ2750は、マガジン2706内のマニホールド凹部(スロット)内のマニホールドの存在(または不存在)を検出して、適切なマニホールド(例えば、希釈剤マニホールドまたは廃棄物マニホールド)が、調合動作について予測される位置に配置されることを保証する。このようにして、ポンプヘッドはマニホールドの存在を検出することができる。ポンプヘッドおよび/またはマニホールドセンサは、希釈剤マニホールドの適切な位置決めを保証するために、希釈剤負荷センサと通信することができる。バルブアクチュエータ、針アクチュエータ、取り付けポスト、ロックバヨネット、および駆動ピンのような様々な動作構成要素2708も、ポンプカートリッジ16を固定して動作させるように構成されたポンプヘッドアセンブリ28から延伸して見られる。
【0045】
調合器10の様々な構成要素の分解図を図28に示す。ディスプレイ86、ポンプ2500、投薬ハンガー30、流体モジュール2504、ポンプヘッドアセンブリ28を有するポンプ駆動装置20、カメラ2700、および照明デバイス2702のような、上述の構成要素が示されている。図28には、シャーシ2600のシャーシベース2810およびシャーシハウジング2812などの追加の構成要素も示されている。電子アセンブリ2803を有する後部パネル2802をシャーシハウジング12に取り付けることができ、ポンプ駆動装置20をシャーシハウジング2812の開口2808に着座させることができ、ポンプヘッドアセンブリ28をシャーシハウジング2812から突出させることができる。調合器システム10の動作を管理するための処理回路が、電子アセンブリ2803に含まれてもよい。
【0046】
バイアルトレイおよびカルーセル駆動アセンブリ2800も示され、作動扉2608およびカルーセルハブ2814が見える。カルーセル14はカルーセルハブ上に配置され、バイアルトレイおよびカルーセル駆動アセンブリ2800によって回転されて、ハブ2814を回転させてカルーセル内の選択されたカートリッジを、ポンプ駆動装置20によって取り出され操作される位置に移動させることができる。バイアルトレイおよびカルーセル駆動アセンブリ2800は、バイアルトレイ22およびカルーセル14が独立して回転され得るように、バイアルトレイおよびカルーセルのための別々の駆動アセンブリを含み得る。
【0047】
図29は、一実施形態による、カートリッジ16が内部に取り付けられたカルーセル14、バックパック2900を有するカートリッジ16、バイアル18を取り付けるためのバイアルパック26、および、複数のマニホールド2906を収容する希釈剤マガジン2706を有するポンプヘッドアセンブリ28のような、様々な特定の構成要素の位置を強調する、調合器10の別の斜視図を示す。バイアルトレイ22内に配置されたバイアル18のラベルを(例えば、薬剤のロット番号および有効期限を決定するために)読み取るためのシステムおよび方法のさらなる特徴を、図30図34に関連して以下に説明する。
【0048】
ここで図30を参照すると、一実施形態によるバイアル・カルーセル駆動アセンブリ3000の斜視図が示されている。図30の例では、バイアルトレイ22が回転されており、それによって、バイアル18が、バイアル上のラベルが撮像され得る撮像位置3001にある。撮像位置3001において、バイアル18に取り付けられたバイアルパックの歯車3002が、モータ2602の歯車2704と係合する。このようにして、バイアル18が撮像位置においてバイアルトレイ22のバイアルパック凹部にある間に、モータ2602はバイアル18を回転させるように操作することができる。モータ2602がバイアル18を回転させている間、2700などのカメラ(例えば、図27および図28参照)は、バイアル18上のラベルの画像を取り込むことができる。光源2702のような光源が、画像が取り込まれている間にラベルの少なくとも一部分を照明するように操作されてもよい。光源2702は、取り込まれている各画像がバイアル上の垂直線の画像を含むように、バイアルが回転されている間に、バイアル上に垂直線を照射するように構成された線形状の光源であってもよい。垂直線画像は、調合器システムがバイアルラベル全体の直線的な画像を形成するための1つまたは複数のプロセッサなど、カメラおよび/または処理回路に関連する処理回路を使用して組み合わせることができる。例えば、画像から情報を処理し抽出するための処理回路は、図28の電子アセンブリ2803の一部分としてハードウェアまたはソフトウェアとして形成することができる。
【0049】
図31は、バイアル・カルーセル駆動アセンブリ3000の分解斜視図を示す。図31に示すように、アセンブリ3000は、カルーセルハブ3814およびバイアルスピン駆動装置2602が取り付けられ、脚部3106を含むカルーセル支持フレーム3106を含むことができる。アセンブリ3000はまた、複数の歯車および/またはベルトを介して、扉2608を作動させ、バイアルトレイ22を回転させ、および/またはカルーセルハブ2814を回転させて、上部に取り付けられているカートリッジのカルーセルを回転させるように構成されるモータ3108などの1つまたは複数の追加のモータを有する駆動機構3104も含むことができる。図示されているように、バイアルトレイ22は、カルーセル支持フレーム3100と駆動機構3104との間に少なくとも部分的に配置することができる。
【0050】
図30および図31に示すように、カルーセルハブ2814は、多角形形状を有することができる。カルーセル14は、カルーセル14がカルーセルハブ2814上に置かれ、カルーセルハブ2814が回転されるとき、カルーセルが対応して回転されるように、対応する多角形形状を有する中央開口を備えることができる。しかしながら、これは単なる例示である。カルーセルハブ2814には、カルーセル14がカルーセルハブ2814上に配置され、カルーセルハブ2814が回転されるときに、カルーセルが対応して回転されるように、カルーセル14の中央開口の形状に対応する他の形状、例えば「D」字形状または任意の他の適切な形状が与えられてもよい。図31に示すように、駆動機構3104は、駆動機構3104のモータの動作に応答してハブ2814を回転させるカルーセルハブ2814内に延伸する延長部3114を有することができる。
【0051】
図32は、カメラ2700、光源2702、およびバイアルスピン駆動装置2602を使用して読み取られ得るラベルを有するバイアル18の例を示す。図32に示すように、バイアル18は、バーコード3201と、ロット番号3202および有効期限3204などのテキストで表される追加の情報とを有するラベル3200を含むことができる。様々な状況において、再構成または調合操作を行う前にバイアル18内の薬物のロット番号および/または有効期限を確認することが重要であり得る。例えば、ロット番号に基づいて薬物リコールを発することができる。したがって、調合器システム10は、バイアルトレイ22に置かれた各バイアルからロット番号を読み取り、そのバイアル内の薬物を使用する前にロット番号がリコールと関連付けられるか否かをチェックするように構成することができる。別の例では、調合器システム10は、バイアルトレイ22に置かれた各バイアルから有効期限を読み取り、有効期限が経過したか否かを(例えば、有効期限と現在の日付とを比較することによって)チェックするように構成することができる。
【0052】
示されるように、バーコード3201は、ラベル3200上に設けられてもよい。バーコード3201は、製造者または薬物名のようなバイアル内の薬物に関連するコード化された情報を含むことができるが、バーコードは通常、ラベル上にテキストで印刷されるロット番号および有効期限を含まない。しかし、バイアルのラベルにロット番号および有効期限が印刷されるテキストサイズ、テキストの色、フォント、位置、および向きは、薬物によって異なり、製造者によって異なる場合がある。
【0053】
例えば、図32のロット番号3202および有効期限3204は、x軸に沿って(例えば、バイアル上で水平に)方向付けられ、y方向にオフセットされる(例えば、垂直にオフセットされる)。しかしながら、これは単なる例示である。様々なシナリオでは、ロット番号3202および有効期限3204は、水平に向けられて水平にオフセットされ、垂直に向けられて水平にオフセットされ、垂直に向けられて垂直にオフセットされ、または他の方向に向けられオフセットされる。その上、図32の例では、ロット番号3202および有効期限3204がラベル3200の下部に位置している。しかし、これも例示であり、ロット番号3202および有効期限3204は、ラベル上の様々な位置に配置することができる。さらに、ロット番号3202および有効期限3204は、様々なフォント、フォントサイズ、フォント色、および様々なフォーマットのいずれかを使用してラベルに印刷することができる。
【0054】
例えば、図32において、ロット番号は文字「ロット:(LOT:)」を用いて示され、数字および文字がハイフンで区切られたフォーマットを有する。しかし、ロット番号指標およびフォーマットは、製造者によって異なる場合がある。同様に、有効期限は文字「有効期限:(EXP:)」を使用して示され、2桁の日付、3文字の月、および4桁の年を有する単一の文字列のフォーマットを有する。ただし、有効期限のフォーマットは製造者によって異なる場合もある。一般的に丸いバイアルに配置されたラベルに印刷されたロット番号3202および有効期限3204のこれらのばらつきのために、調合器システム10は、バイアルが回転している間に取り込まれるバイアルの画像からロット番号および有効期限を抽出できるという特別な利点を提供する。ロット番号・有効期限抽出システムのさらなる特徴および調合器システム10の方法は、図33および図34の流れ図に関連して以下で説明される。
【0055】
調合器システム10のバイアル上のラベルを読み取るために実行され得る例示的な操作が、図33に示されている。
【0056】
ブロック3300において、1つまたは複数の画像を、カメラ2700などのライン走査カメラから取得する(取り込む)ことができる。カメラ2700は、カメラ内に画像ピクセルの線状アレイを含めることによって、または実質的に正方形のピクセルアレイおよびバイアル上の垂直ストリップを照明する線状照明源を提供することによって、ライン走査カメラとして構成することができる。画像の取り込みは、調合器システムのバイアルトレイ内にラベルを有するバイアルを提供することと、バイアルトレイを用いて、バイアルを撮像位置に移動させることと、バイアルが撮像位置にあるバイアルトレイ内にある間にバイアルを回転させることと、バイアルを回転させながら前記ラベルの少なくとも1つの画像を取り込むこととを含むことができる。
【0057】
ブロック3302において、様々な画像処理動作が、取り込まれた画像に対して実行されてもよい。画像処理動作は、ライン走査画像が合成されてラベル全体の直線的な画像が形成される画像合成動作を含むことができる。画像処理動作はまた、1つまたは複数のフィルタをライン走査画像または合成画像に適用することを含むこともできる(例えば、クロッピングフィルタ、コントラストフィルタ、鮮明化フィルタ、ノイズフィルタ、または画像における光学文字認識を促進する可能性がある他のフィルタ)。
【0058】
ブロック3304において、ラベルバーコードを読み取ることができる。ラベルバーコードを読み取ることは、ラベルの画像を使用して、または、調合器内のバーコードスキャナを使用してラベルバーコードを読み取ることを含むことができる。
【0059】
ブロック3306において、光学的文字認識(OCR)動作を行って、取り込まれた画像からバイアルのロット番号(LOT)および有効期限(EXP)を決定することができる。OCR動作は、ラベル画像全体、または、ロット番号および有効期限が現れることが予測されるまたはラベル画像の一部分に対して実行されてもよい。予測される場所は、例えば、バーコードに基づいて決定されてもよい。例えば、バイアル中の薬物の製造者を、バーコードから決定することができる。システム(例えば、システムの処理回路)は、様々な製造者のそれぞれに関連するラベル情報のデータベースにアクセスすることができる。一例では、システムは、特定の製造者について、ロット番号および有効期限が、ラベルの底部に赤色のテキストで8ポイントのフォントで印刷され、水平に向けられ、オフセットされていると判断することができる。次いで、OCR動作は、(例えば、ラベル画像の右下隅にある画像の一部分のみにおいて、水平方向に向けられた8ポイントの赤色フォントの文字を検索することによって)ラベル情報によって情報提供されるOCR動作を実行することを含むことができる。このようにして、各バイアルに対して効率的かつ正確な検証動作を有する調合器システムを提供することができる。
【0060】
一部のシナリオでは、バーコード情報が利用できないか、または存在しない可能性がある。このようなシナリオでは、画像全体を探索してOCR操作に使用することができ、および/または既知のバイアルのタイプおよび/または製造者に基づいて(例えば、予測されるバイアルタイプを挿入するために調合器システムによってユーザに提供される指示に基づいて、または、再構成されている既知の薬物に基づいて)予測される位置を決定することができる。いくつかの実施形態では、特定の調合器システムが、特定の製造者のラベルの位置、向き、フォントサイズ、フォント、フォントの色、向き、または他の態様を決定すると、システムは、後でアクセスするためにそのラベル情報を格納することができ、かつ/または、後の調合操作でこれらのシステムによって使用される調合器システムのネットワークにラベル情報を提供することができる。
【0061】
ブロック3308において、ラベルの1つまたは複数の取り込まれた画像は、特定の調合動作に関するそのバイアルの使用の記録として格納およびアーカイブすることができる。画像は、バイアルから再構成されている薬物を受け入れた受容器の識別情報とともにアーカイブすることができる。
【0062】
バイアルラベルからロット番号および/またはバーコードを読み取るために実行され得る操作のさらなる詳細が、図34に示されている。
【0063】
ブロック3400において、本明細書で説明するようにバイアルバーコードを読み取ることができる。
【0064】
ブロック3402において、調合器システムは、読み取られたバーコードが既知のバーコードのデータベース(例えば、調合器システムのデータベース、または、複数の調合器システムネットワークを介してアクセス可能なクラウドベースのデータベースなどの調合器システムのネットワークのデータベース)内にあるか否かを判定することができる。
【0065】
ブロック3402において、バーコードがデータベース内にあると判定された場合、そのバーコードに関連するラベル情報(例えば、既知のバーコードに関連付けられる格納されている場所)にアクセスすることができ、ブロック3406において、システムは、取り込まれたラベル画像内の格納されている場所にある有効期限および/またはロット番号を探索することができる。
【0066】
ブロック3402において、バーコードがデータベースにないと判定された場合、ブロック3404において、システムは、取り込まれたラベル画像全体にわたって有効期限および/またはロット番号を探索することができる。
【0067】
ブロック3408において、有効期限およびロット番号の読み取りが成功したか否か(例えば、有効期限およびロット番号が信頼度閾値を上回る信頼度スコアでラベル画像から読み取られたか否か)を判定することができる。
【0068】
ブロック3408において、読み取りが成功したと判定された場合、ブロック3420において、バイアルによる調合操作を実行することに加えて、ロット番号および有効期限が許容可能である場合、システムは更新された目標テキスト情報などのラベル情報をデータベース(例えば、調合器システムのローカルデータベースまたはネットワークデータベース)に格納することができる。ブロック3422において、システムは、そのバイアルに対する動作を完了することができる。
【0069】
ブロック3408において、読み取りが成功しなかったと判定される場合、ブロック3410において、システムのディスプレイを使用して、ラベル画像をユーザに提供し、表示画面(例えば、図1または図24の表示画面86)を用いて、ロット番号および/または有効期限を有するラベル画像の領域を強調するかをユーザに尋ねる指示をユーザに提供することができる。
【0070】
ブロック3412において、システムは、取り込まれたラベル画像内のユーザによって示される位置において有効期限および/またはロット番号を探索することができる。
【0071】
ブロック3414において、ユーザが指定する位置において有効期限およびロット番号の読み取りが成功したか否か(例えば、有効期限およびロット番号が信頼度閾値を上回る信頼度スコアでラベル画像から読み取られたか否か)を判定することができる。
【0072】
ブロック3414において、読み取りが成功したと判定された場合、ブロック3420において、バイアルによる調合操作を実行することに加えて、ロット番号および有効期限が許容可能である場合、システムは更新された目標テキスト情報などのラベル情報をデータベース(例えば、調合器システムのローカルデータベースまたはネットワークデータベース)に格納することができる。ブロック3422において、システムは、そのバイアルに対する動作を完了することができる。
【0073】
ブロック3408において、読み取りが成功しなかったと判定された場合、ブロック3416で、ロット番号および有効期限が、ユーザによって手動で入力され得る(例えば、ロット番号および有効期限を手動で入力することを求める、ディスプレイ上のユーザへのプロンプトに応答して)。
【0074】
ブロック3418において、システムは任意選択的に、入力された値が見つかるまで、ユーザが入力したテキスト(例えば、ロット番号および有効期限)を求めて画像を探索することができる。任意選択の追加探索は、ユーザの入力を確認するために、ならびに/または探索およびOCRパラメータを取得して、将来のラベル探索を容易にするために実行されてもよい。ブロック3418において、見つかった値、ならびに、ユーザ入力値を見つけるために使用される画像フィルタリング動作などの、任意の探索および/またはOCRパラメータが、将来の探索を容易にするために(例えば、ローカルまたはネットワークデータベース上に)格納されてもよい。
【0075】
本発明の主題の技術は、例えば、上述した様々な態様に従って例示されている。これらの態様の様々な例は、便宜上、番号を付された概念または節(1、2、3など)として記載される。これらの概念または節は例として提供されており、本発明の主題の技術を限定するものではない。独立した概念を形成するために、従属する概念のいずれかが互いとのまたは1つまたは複数の他の独立した概念との任意の組み合わせで組み合わされてもよいことに留意されたい。以下は、本明細書に提示されたいくつかの概念の非限定的な概要である。
概念1.薬物を含むバイアルを受け入れるためのバイアル開口を有するバイアルトレイと、
カメラと、
バイアルトレイを回転させてバイアルを撮像位置に移動させるように構成された第1のモータと、
カメラがバイアル上のラベルの画像を取り込んでいる間にバイアルを回転させるように構成された第2のモータと、
画像からロット番号および有効期限を抽出するように構成された処理回路と
を備える、調合器システム。
概念2.撮像位置においてバイアルの少なくとも一部分を照明するように構成された光源をさらに備える、概念1または任意の他の概念の調合器システム。
概念3.光源は線状の光源を含む、概念2または任意の他の概念の調合器システム。
概念4.処理回路は、画像内のバーコードを読み取るようにさらに構成されている、概念1または任意の他の概念の調合器システム。
概念5.処理回路は、バーコードに基づいてロット番号および有効期限の予測される位置を決定するようにさらに構成されている、概念4または任意の他の概念の調合器システム。
概念6.処理回路は、予測される位置を使用して画像からロット番号および有効期限を抽出するように構成されている、概念5または任意の他の概念の調合器システム。
概念7.第2のモータに結合された少なくとも1つの歯車をさらに備え、少なくとも1つの歯車は、バイアルに取り付けられたバイアルパック上の対応する歯車に係合して、バイアルを回転させるように構成されている、概念6または任意の他の概念の調合器システム。
概念8.調合器システムのバイアルトレイ内にラベルを有するバイアルを提供するステップと、
バイアルトレイを用いて、バイアルを撮像位置に移動させるステップと、
バイアルが撮像位置にあるバイアルトレイ内にある間にバイアルを回転させるステップと、
バイアルを回転させながらラベルの少なくとも1つの画像を取り込むステップと、
少なくとも1つの画像からロット番号および有効期限の少なくとも1つを決定するステップと
を含む、方法。
概念9.バイアルを移動させるステップは、バイアルトレイを回転させるステップを含む、概念8または任意の他の概念の方法。
概念10.バイアルトレイ内にバイアルを提供するステップは、バイアルに取り付けられたバイアルパックをバイアルトレイ内のバイアルパック凹部内に配置するステップを含む、概念9または任意の他の概念の方法。
概念11.少なくとも1つの画像を取り込むステップは、
バイアルが回転されている間に複数のライン走査画像を取り込むステップと、
複数のライン走査画像を合成して、ラベル全体の直線的な画像を形成するステップと
を含む、概念8または任意の他の概念の方法。
概念12.少なくとも1つの画像内のバーコードを読み取るステップと、
バーコードに関連付けられたラベル情報を取得するステップであって、ラベル情報は、ラベル上のロット番号および有効期限の位置、テキストサイズ、および向きを含む、取得するステップと、
ロット番号および有効期限を読み取るために、上記位置に対応する少なくとも1つの画像の一部分に対して光学的文字認識動作を実行するステップと
を含む、概念8または任意の他の概念の方法。
概念13.少なくとも1つの画像からロット番号および有効期限のうちの少なくとも1つを決定した後、ラベル上のロット番号および有効期限の位置、テキストサイズおよび向きを調合器システムのネットワークに提供するステップ
をさらに含む、概念8または任意の他の概念の方法。
概念14.ロット番号に関連付けられるリコールが存在するか否かを決定するステップをさらに含む、概念8または任意の他の概念の方法。
概念15.リコールが存在しない場合、調合器システムを用いてバイアル内の薬物を再構成するステップをさらに含む、概念14または任意の他の概念の方法。
概念16.再構成されている薬物に関する情報と関連付けて少なくとも1つの画像をアーカイブすることをさらに含む、概念15または任意の他の概念の方法。
概念17.少なくとも1つの画像に対して画像処理動作を実行するステップをさらに含む、概念8または任意の他の概念の方法。
概念18.ラベルの直線的な画像を表示するステップをさらに含む、概念8または任意の他の概念の方法。
概念19.調剤技師または在庫更新に関連付けてロット番号を格納するステップをさらに含む、概念8または任意の他の概念の方法。
概念20.ポンプカートリッジのカルーセルを回転させるように構成されたカルーセル支持フレームと、
カルーセル支持フレームに取り付けられたモータと、
カルーセルを回転させるように構成されている駆動機構と、
駆動機構とカルーセル支持フレームとの間に少なくとも部分的に介在されるバイアルトレイであって、駆動機構は、バイアルトレイを回転させるようにさらに構成されている、バイアルトレイと、
モータがバイアルを回転させている間に、バイアルトレイ内のバイアルの画像を取り込むように構成されているカメラと
を備える、調合器システム。
概念21.画像からロット番号および有効期限の少なくとも1つを抽出するように構成された処理回路をさらに備える、概念20または任意の他の概念の調合器システム。
概念22.ディスプレイをさらに備え、処理回路は、(a)ロット番号または有効期限を有する画像の一部分を選択するようにユーザに促し、(b)画像のユーザ選択部分に基づいてロット番号および有効期限を決定するように構成されている、概念21または任意の他の概念の調合器システム。
【0076】
本開示は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実践することを可能にするために提供される。本開示は、本発明の主題の技術の様々な例を提供するものであり、本発明の主題の技術はこれらの例に限定されない。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、他の態様にも適用され得る。
【0077】
本明細書に記載された主題の1つまたは複数の態様または特徴は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせにおいて実現することができる。例えば、本明細書に開示された注入ポンプシステムは、1つまたは複数のプロセッサが埋め込まれているかまたは結合されている電子システムを含むことができる。そのような電子システムは、様々なタイプのコンピュータ可読媒体および様々な他のタイプのコンピュータ可読媒体のためのインターフェースを含むことができる。電子システムは、例えば、バス、処理装置(複数可)、システムメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、永久記憶装置、入力装置インターフェース、出力装置インターフェース、およびネットワークインターフェースを含むことができる。
【0078】
バスは、注入ポンプシステムの電子システムの多数の内部装置を通信可能に接続するすべてのシステムバス、周辺バスおよびチップセットバスを集合的に表すことができる。例えば、バスは、処理装置(複数可)をROM、システムメモリ、および永久記憶装置と通信可能に接続することができる。これらの様々なメモリユニットから、処理装置(複数可)は、様々なプロセスを実行するために、実行するための指示および処理するためのデータを取り出すことができる。処理装置(複数可)は、種々の実施態様において単一のプロセッサまたはマルチコアプロセッサであってもよい。
【0079】
単数形における要素への言及は、具体的に述べられていない限り「1つだけ」を意味するものではなく、むしろ「1つまたは複数」を意味する。特記しない限り、「いくつか」という用語は1つまたは複数を指す。男性系(例えば、彼の)の代名詞には、女性および中性の性別(例えば、彼女のおよびその)が含まれ、逆も成り立つ。見出しおよび小見出しは、存在する場合、便宜的にのみ使用され、本発明を限定するものではない。
【0080】
「例示的」という言葉は、本明細書においては「例または実例としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的」と記載されている任意の態様または設計は、必ずしも他の態様または設計に対して好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。一態様では、本明細書に記載される様々な代替の構成および動作は、少なくとも同等であると考えられ得る。
【0081】
本明細書で使用されるように、一連の項目に先行する「少なくとも1つの」という語句は、項目のいずれかを分離する「または」という用語を用いて、リストの各項目ではなく、リスト全体を修飾する。「少なくとも1つの」という語句は、少なくとも1つの項目の選択を必要としない。むしろ、この語句は、項目のいずれか1つ、および/または項目の任意の組み合わせの少なくとも1つ、および/または項目の各々の少なくとも1つ、のうちの少なくとも1つを含む意味を可能にする。例として、語句「A、B、またはCの少なくとも1つ」は、Aのみ、Bのみ、もしくはCのみ、またはA、B、およびCの任意の組み合わせを指すことができる。
【0082】
「態様」のような語句は、そのような態様が本発明の主題の技術にとって必須であること、またはそのような態様が本発明の主題の技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。態様に関する開示は、すべての構成または1つもしくは複数の構成に適用され得る。一態様は、1つまたは複数の例を提供することができる。態様などの語句は、1つまたは複数の態様を参照することができ、その逆もあり得る。「実施形態」のような語句は、そのような実施形態が本発明の主題の技術に必須であること、またはそのような実施形態が本発明の主題の技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。一実施形態に関連する開示は、すべての実施形態、または1つもしくは複数の実施形態に適用され得る。一実施形態は、1つまたは複数の例を提供することができる。一実施形態のような語句は、1つまたは複数の実施形態を指すことができ、逆もまた同様である。「構成」のような語句は、そのような構成が本発明の主題の技術にとって必須であること、またはそのような構成が本発明の主題の技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。構成に関する開示は、すべての構成または1つもしくは複数の構成に適用され得る。一構成は、1つまたは複数の例を提供することができる。構成のような語句は、1つまたは複数の構成を参照することができ、逆もまた同様である。
【0083】
1つの態様では、特に明記しない限り、添付の特許請求の範囲を含めて、本明細書に記載されているすべての測定値、値、格付け、位置、大きさ、サイズおよび他の仕様は正確ではなく、近似である。1つの態様において、それらは、それらが関連する機能およびそれらが関連する技術分野において慣習的であるものと一致する合理的な範囲を有することが意図される。
【0084】
開示されているプロセスまたは方法におけるステップまたは動作の特定の順序または階層は、例示的な手法の例示であることが理解される。実施態様の選好またはシナリオに基づいて、ステップ、動作またはプロセスの特定の順序または階層を再構成することができることが理解される。ステップ、動作またはプロセスのいくつかは、同時に実行されてもよい。いくつかの実施態様の選好またはシナリオでは、特定の動作は実施される場合もあり、または、実施されない場合もある。ステップ、動作、またはプロセスの一部または全部は、ユーザの介入なしに自動的に実行されてもよい。添付の方法の請求項は、サンプル順序における様々なステップ、動作またはプロセスの要素を提示し、提示された特定の順序または階層に限定されるようには意図されていない。
【0085】
当業者に知られているかまたは後に知られる、本開示全体を通じて説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的同等物は、参照により明示的に本明細書に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されることを意図されている。さらに、本明細書に開示されたものは、そのような開示が請求項に明示的に列挙されているか否かにかかわらず、公衆に捧げられるようには意図されていない。特許請求の範囲の要素は、要素が「~するための手段」という語句を用いて明示的に列挙されているか、または方法の請求項の場合は、要素が「~するためのステップ」という語句を使用して列挙されているのでない限り、米国特許法第112条(f)項の規定に基づいて解釈されるべきではない。さらに、用語「含む(include)」、「有する(have)」などが使用される限り、そのような用語は、特許請求の範囲において移行語として利用されるときに解釈されるような、用語「備える(comprise)」と同様の様式で包括的であるように意図されている。
【0086】
本開示の発明の名称、背景技術、概要、図面の簡単な説明、および要約書は、本開示に組み込まれ、限定的な説明ではなく、本開示の例示的な例として提供される。本開示は、それらが特許請求項の範囲または意味を限定するために使用されないことを理解した上で提出される。さらに、詳細な説明では、説明は例示的な例を提供し、様々な特徴は、本開示を合理化する目的で様々な実施形態においてともにグループ化されることが理解され得る。この開示方法は、特許請求されている本発明の主題の技術が、各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈されるべきではない。むしろ、添付の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された構成または動作のすべての特徴よりも少ないものである。添付の特許請求の範囲はこの詳細な説明に組み込まれ、各請求項は別個に特許請求される主題としてそれ自体で独立している。
【0087】
特許請求の範囲は、本明細書に記載される態様に限定されることを意図されておらず、クレーム文言と一致する全範囲が与えられ、すべての法的等価物を包含するものとする。それにもかかわらず、特許請求項のいずれも米国特許法第101条、第102条、または第103条の要件を満たさない主題を包含するようには意図されておらず、そのように解釈されるべきでもない。
図1
図2
図3
図4
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