(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】自動薬物調合器のためのチューブ管理構造
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20220628BHJP
A61J 1/20 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
A61J3/00 310K
A61J1/20 314B
(21)【出願番号】P 2021094077
(22)【出願日】2021-06-04
(62)【分割の表示】P 2018528945の分割
【原出願日】2016-11-18
【審査請求日】2021-06-04
(32)【優先日】2015-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジャニス
(72)【発明者】
【氏名】マンスール、ジョージ ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ゾリンガー、クリストファー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】クルーガー、クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】アダムズ、キャロリン
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-144114(JP,A)
【文献】特表2009-504199(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0336689(US,A1)
【文献】米国特許第05062774(US,A)
【文献】国際公開第2012/090678(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/008393(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
A61J 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調合器システムを動作させる方法であって、前記方法は、
前記調合器システムのカルーセルを提供するステップであって、前記カルーセルは、前記カルーセルの中に取り付けられ
て固定されている複数のカートリッジ・バックパックアセンブリを有す
る、ステップと、
前記調合器システムのポンプ駆動機構
から、選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリの開口内に
、バヨネットを延伸させるステップによって、
前記バヨネットを回転させ、前記選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリを、前記カルーセルの中に固定されている状態から解放するステップによって、および、
解放された前記選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリを前記カルーセルから除去するステップによって、
前記カルーセルから前記カートリッジ・バックパックアセンブリのうちの選択された1つを取り出すステップ
と
を含む、方法。
【請求項2】
前記バヨネットを回転させるステップは
、前記選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリのポンプカートリッジ内の開口の表面に配置された傾斜構造に対して前記バヨネットの一部分を回転させるステップを含
み、前記バヨネットが前記傾斜構造に当接して回転することが、前記バヨネットが前記選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリを捕捉して前記カルーセルから引き出すことを引き起こすようになっている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バヨネットを回転させるステップは、前記選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリ
のポンプカートリッジとバックパックとの間に配置され
た弾性的に変形可能な構造
の一部分に対して
、前記弾性的に変形可能な構造の中の開口を通って延伸する前記バヨネットの追加の部分を回転させるステップをさらに含み、前記
弾性的に変形可能な構造
の一部分に対して前記バヨネットの前記追加の部分を回転させること
は、前記カルーセルの内面上の凹部から、前記
弾性的に変形可能な構造の
突起を引き出し、前記選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリ
を、前記カルーセル
の中に固定されている状態からから解放
する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記
弾性的に変形可能な構造は、
前記突起が前記バックパックから延伸するように形成された平面構造体である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記平面構造体は、
前記突起以外に関して、前記ポンプカートリッジ
および前記バックパック
のそれぞれの外周の間に配置されている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記調合器システムの前記ポンプ駆動機構の前記バヨネットを、前記選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリの前記開口と位置整合させるために前記カルーセルを回転させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
再構成された薬物を、前記選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリのポンプカートリッジ内
に配置された少なくとも1つの制御可能な流体経路を介して
圧送するステップと、
前記制御可能な流体経路からの前記再構成された薬物を、前記選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリのバックパックを通して前記ポンプカートリッジ
の出力ポートから
受容器へ延伸するチューブを介して受容器へと圧送するステップ
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、薬物を再構成し、混合し、バイアルから受容器に送達する装置に関する。具体的には、本開示は、薬物の再構成、吊下希釈剤バッグおよび希釈剤バイアルから薬剤バイアルへの希釈剤の送達、受容器の充填および廃棄物容器への廃棄物の除去を可能にする複数の流路を有する使い捨てカートリッジのためのチューブ管理構造に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品調合とは、患者の固有の必要性に合わせて特定の医薬品の作成を実践することである。実際には、調合は、典型的には、様々なツールを用いて適切な成分を組み合わせる薬剤師、技術者または看護師によって行われる。1つの一般的な形態の調合は、懸濁医薬組成物を生成するための、粉末薬物製剤と特定の希釈剤との組み合わせを含む。これらのタイプの組成物は、一般に、静脈内/非経口投与において使用される。医薬品および希釈剤は、調合プロセス中に無菌状態に維持されることが極めて重要であり、適切な混合特性を維持しながらプロセスを自動化する必要がある(すなわち、医薬品が溶液中に適切に混合されるが、溶液は泡立てられず、気泡が生成されないような特定の方法で、特定の医薬品を攪拌しなければならない)。使用が容易で、頻繁に使用することができ、効率的で信頼性があり、ユーザのエラーを減少させる調合システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
自動調合器システムのための様々なチューブ管理構造が提供される。いくつかの実施形態では、チューブ管理構造は、調合器システムのポンプカートリッジに取り付けられたバックパックとして実装されてもよい。
【0004】
一実施形態によれば、調合器システム用のカートリッジ・バックパックアセンブリを提供することができ、アセンブリは、制御可能な流体経路を少なくとも部分的に画定するフレーム部分を有するポンプカートリッジと、ポンプカートリッジに取り付けられたバックパックと、ポンプカートリッジの制御可能な流体経路に流体的に取り付けられたチューブとを備え、チューブは、ポンプカートリッジからバックパックの内部空洞を通り、バックパックを出てバックパック内の開口を通じて延伸する。
【0005】
別の実施形態によれば、方法が提供され、方法は、内部に取り付けられた複数のカートリッジ・バックパックアセンブリを有するカルーセルを提供するステップと、調合器システムのポンプ駆動機構のバヨネットを選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリの開口内に延伸することによって、カルーセルからカートリッジ・バックパックアセンブリのうちの選択された1つを取り出すステップと、バヨネットを回転させるステップとを含む。
別の実施形態によれば、調合器システムが提供され、調合器システムは、ポンプヘッドアセンブリであって、ポンプヘッドアセンブリから延伸するバヨネットを有するポンプヘッドアセンブリを有するポンプ駆動機構と、ポンプカートリッジおよびバックパックを有するカートリッジ・バックパックアセンブリとを備え、カートリッジ・バックパックアセンブリは、ポンプカートリッジを通ってバックパック内に延伸する開口を含み、バヨネットは、開口内に延伸し、開口内で回転してカルーセルからカートリッジ・バックパックアセンブリを取り出すように構成されており、バックパックは、ポンプカートリッジに流体結合されたチューブのためのチューブ管理システムとして構成されている。
【0006】
本発明のさらなる理解を助けるために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、開示される実施形態を示しており、本明細書とともに、開示される実施形態の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の態様による調合システムの例示的な実施形態の一例の正面斜視図である。
【
図2】本開示の態様による透明ハウジングを有する
図1の調合システムの正面斜視図である。
【
図3】本開示の態様によるハウジングが取り外された
図1の調合システムの側面図である。
【
図4】本開示の態様によるポンプ駆動機構の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図5】本開示の態様による
図4のポンプ駆動機構の分解図である。
【
図6】本開示の態様によるモータマウントの例示的な実施形態の一例の斜視図である。
【
図7】本開示の態様による
図6のモータマウントの背面斜視図である。
【
図8】本開示の態様による
図6のモータマウントの斜視図である。
【
図9】本開示の態様によるカムハウジングの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図10】本開示の態様による
図9のカムハウジングの背面斜視図である。
【
図11】本開示の態様による歯車が取り外された
図9のカムハウジングの背面斜視図である。
【
図12】本開示の態様によるポンプヘッドアセンブリの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図13】本開示の態様による把持システムおよびバイアルパックの例示的な実施形態を有する
図12のポンプヘッドアセンブリの斜視図である。
【
図14】本開示の態様による
図13のポンプヘッドアセンブリ、把持システムおよびバイアルパックの斜視図である。
【
図15】本開示の態様による
図13のポンプヘッドアセンブリ、把持システムおよびバイアルパックの背面斜視図である。
【
図16】本開示の態様による把持システムの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図17】本開示の態様による
図16の把持システムの背面斜視図である。
【
図18】本開示の態様による
図16の把持システムの側面斜視図である。
【
図19】本開示の態様による
図16の把持システムの上面図である。
【
図20】本開示の態様による
図16の把持システムの上面図である。
【
図21】本開示の態様によるプロセスのステップの例示的な実施形態を示す流れ図である。
【
図22】本開示の態様によるカートリッジの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図23】本開示の態様によるカバーを有するカルーセルの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図24】本開示の態様による調合システムの別の例示的な実施形態の正面斜視図である。
【
図25】本開示の態様による
図24の調合システムの別の正面斜視図である。
【
図26】本開示の態様によるハウジングの部分が取り外された
図24の調合システムの正面斜視図である。
【
図27】本開示の態様によるハウジングの部分が取り外された
図24の調合システムの背面斜視図である。
【
図28】本開示の態様による
図24の調合システムの分解斜視図である。
【
図29】本開示の態様による、様々な構成要素が明瞭化のために拡大図で示されている
図24の調合システムの斜視図である。
【
図30】本開示の態様によるポンプカートリッジの別の実施形態の分解斜視図である。
【
図31A】本開示の態様による
図30のカートリッジの背面平面図である。
【
図31B】本開示の態様による
図30のカートリッジの正面平面図である。
【
図32】本開示の態様による、取り付けられたバックパックを有する
図30のカートリッジの断面斜視図である。
【
図33】本開示の態様による針ハウジングを通る、
図30のカートリッジの一部分の断面図である。
【
図34】本開示の態様によるバイアルに隣接して配置された
図30のカートリッジの断面斜視図である。
【
図35】本開示の態様によるバヨネット開口を通る、
図30のカートリッジの一部分の断面上面図である。
【
図36】本開示の態様によるバヨネット開口を通る、
図30のカートリッジの断面斜視図である。
【
図37】本開示の態様によるコネクタセンサ開口の近傍における
図30のカートリッジの一部分の拡大正面図である。
【
図38】本開示の態様によるバックパック係合構造の拡大図を示す、
図30のカートリッジの一部分の断面斜視図である。
【
図39】本開示の態様による、カートリッジが上部に配置されたカルーセルの一実施形態の断面図である。
【
図40】本開示の態様による
図39のカルーセルの斜視図である。
【
図41】本開示の態様によるカルーセルのバックパック係合機構を示す、
図39のカルーセルの一部分の断面斜視図である。
【
図42】本開示の態様によるカートリッジ・バックパックアセンブリのための取り付け部材の斜視図である。
【
図43】本開示の態様によるバックパックのチューブ管理機構を示す、
図39のカルーセルおよびバックパックの断面斜視図である。
【
図44】本開示の態様によるバックパックのチューブ管理機構を示す、カートリッジおよびバックパックの断面斜視図である。
【
図45】本開示の態様によるバックパックの内部空洞内から受容器まで延伸するチューブを示す図である。
【
図46】本開示の態様によるバックパックの内部空洞内のチューブ管理機構を示す、
図45のチューブの一部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に記載される詳細な説明は、本発明の主題の技術の様々な構成を記載し、本発明の主題の技術が実施され得る唯一の構成を表すことを意図するものではない。詳細な説明には、本発明の主題の技術の完全な理解を提供するための具体的な詳細が含まれる。したがって、非限定的な例として、特定の態様に関して寸法が与えられる場合がある。しかしながら、当業者には、本発明の主題の技術がこれらの特定の詳細なしに実施され得ることは明らかであろう。いくつかの事例では、本発明の主題の技術の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造および構成要素がブロック図形式で示されている。
【0009】
本開示は本発明の主題の技術の例を含み、添付の特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。ここで、本発明の主題の技術の様々な態様を、特定的であるが非限定的な例に従って開示する。本開示に記載された様々な実施形態は、様々な異なる方法および変形形態において、および所望の用途または実施態様に従って実行されてもよい。
【0010】
本システムは、滅菌環境において医薬品を効率的に再構成することができ、患者に使用するために調合された医薬品を送達バッグに送達することができる調合システムをともに形成する複数の特徴および技術を含む。
【0011】
図1は、一実施形態による調合器システム10を示す。
図2は、透明な外側ハウジング12を有するシステム10を示し、
図3は、ハウジングが取り外されたシステムを示す。このシステムは、10個までの個々のカートリッジ16を収容するカルーセルアセンブリ14を備える。カルーセル14は、必要に応じて、より多いまたはより少ないカートリッジ16を保持することができる。カートリッジ16は使い捨てであり、粉末薬物(または濃縮液体薬物)を含むバイアル18、複数の希釈剤および受容器の間に独自の流体経路を提供する。カートリッジ16は、必要に応じて、蒸気廃棄物容器への流体経路を提供することもできる。しかし、他の実施形態では、ろ過された、またはろ過されていない無毒廃棄物を調合器から環境に排出し、廃棄物ポートの必要性を低減または排除することができる。各カートリッジは、ピストンポンプと、流体がカートリッジを通って受容器内に移動するときの調合プロセスのステップ中の流体の吸入、排出、および流体経路選択を制御するバルブとを含む。
【0012】
カルーセルアセンブリ14は、異なるカートリッジ16をポンプ駆動機構20と位置整合させるために回転することができるように、装置に取り付けられている。カルーセル14は、典型的には、使用済みのカルーセル14を取り外した後にカルーセル14を新しいカルーセル14と交換するために開くことができるハウジング12内に封入される。図示のように、カルーセル14は、最大10個のカートリッジ16を収容することができ、特定のカルーセルを10回まで使用することができる。この構成では、各カルーセルアセンブリは、実行される調合のタイプに応じて、例えば、10~100個の受容器をサポートすることができる。例えば、有害薬物調合のために、カルーセルアセンブリは、10個の受容器への調合をサポートすることができる。別の例では、抗生物質または鎮痛剤の調合などの非有害薬物調合のために、カルーセルアセンブリは、100個の受容器への調合をサポートすることができる。ハウジング12はまた、カルーセル14の下に位置決めされたスターホイール22を含む。スターホイール22は、カルーセル14上の特定のカートリッジ16に合わせた、またはそれとは別個の位置に、医薬品のバイアル18を回転させる。ハウジング12はまた、バイアル18をスターホイール22上の所定位置に装填するための開口24を含むこともできる。
【0013】
カルーセル14内のカートリッジ16の各々は、希釈剤および蒸気廃棄物のための複数の経路を含む使い捨てユニットである。各カートリッジ16は、受容器(例えば、IVバッグ、シリンジ、またはエラストマーバッグ)に接続するためのチューブが維持され得る「バックパック」を含むこともできる小型、単一の使い捨てユニットである。各カートリッジ16はまた、カートリッジ16を通って流体および蒸気を移動させるためのピストンポンプのような圧送機構、ならびに、バイアル18がポンプ駆動機構20によって所定位置に移動されるとバイアル18の上にあるバイアルパック26を穿刺することができるハウジング内の二重内腔針を含むこともできる。例えば、針は、針に向かって動かされるバイアルパック26の圧縮作用によってバイアルパック26を穿刺することができる。各カートリッジ16はまた、複数の希釈剤マニホールドの針と一致するように設計された複数のポートをも含む。各カートリッジ16はまた、ポンプヘッドアセンブリ28から取り付けポストおよびロックバヨネットを受け入れるための開口を含む。ロックバヨネットは一例として本明細書に記載されているが、カートリッジを取り出してポンプヘッドにロックするために他のロック機構を使用することができる(例えばグリッパ、クランプなどがポンプヘッドから延伸してもよい)。各カートリッジ16はまた、ポンプモータ機構からのバルブアクチュエータが各カートリッジ16上のバルブと相互作用することを可能にする開口を含む。
【0014】
バイアル18およびカルーセル14を保持するハウジング12に隣接して、図に示すようなIVバッグ32のような少なくとも1つの容器32を保持するための装置30がある。IVバッグ32は、典型的には、ポート34および36のような2つのポートを有する。例えば、一実施態様では、ポート34は吸入ポート34であり、ポート36は出口ポート36である。この実施態様が本明細書において一例として説明されるが、ポート34および36のいずれかを容器32の入力ポートおよび/または出口ポートとして実装することができる。例えば、別の実施態様では、チューブ38の端部においてコネクタを受け入れるための入口34を出口ポート36上に設けることができる。示された実施形態では、IVバッグ32は、保持装置30から吊下され、一実施形態では、保持装置30は、
図1~
図3に示すようなフックを備えたポストである。希釈剤容器、受容器、または廃棄物容器のような容器を吊下するすためのフックの1つまたは複数に、吊下される容器の重量を検出および監視するロードセルのような重量センサを設けることができる。保持装置30は、IVバッグ32または他の医薬品容器を位置決めするために必要な他の形態を取ることができる。IVバッグ32が保持装置30上に位置決めされると、第1のチューブ38(その一部分は
図1に示されている)がカルーセル14上のカートリッジ16からIVバッグ32の入口34に接続される。例えば、第1のチューブは、カートリッジに取り付けられたバックパック内に収容され、IVバッグ32に達するようにバックパック内から(例えば、操作者によってまたは自動的に)延伸することができる。チューブ38の端部には、受容器32の入口34に接続するために、Texium(登録商標)コネクタのようなコネクタ37を設けることができる。
【0015】
調合器10の反対側には、複数のIVバッグ32または他の容器を保持するための保持装置40のアレイがある。調合器10の図示のバージョンでは、5つのIVバッグ42、44が描かれている。これらのバッグ42のうち3つは、生理食塩水、D5Wまたは滅菌水などの希釈剤を含むことができるが、当技術分野で知られている任意の希釈剤を利用することができる。アレイ内の追加のバッグは、混合プロセスからの潜在的に有害なまたは有毒な蒸気廃棄物などの廃棄物を収集するための空の蒸気廃棄物バッグ44であってもよい。追加のバッグ44は液体廃棄物バッグであってもよい。液体廃棄物バッグは、受容器から生理食塩水のような無毒の液体廃棄物を受け入れるように構成されてもよい。液体廃棄物は、機械的ポンプを使用して専用チューブを介して廃棄物バッグに圧送することができる。動作中、対応する容器42および44からの希釈剤ラインおよび蒸気廃棄物ラインを各々、使い捨てマニホールドを介してカートリッジ16に接続することができる。
【0016】
調合システム10はまた、複数のタイプのバイアル18に取り付けるように設計された特殊なバイアルパック26を含む。動作中、バイアルパック26は、再構成が必要な薬物を含むバイアル18の上に配置される。バイアルパック26が適所に配置されると、バイアル18は調合器10のスターホイール22に装填される。バイアルパック26上の嵌合機構が、バイアルパック26がスターホイール22内にある間、およびバイアルパック26が後で所定の位置に回転されるときの両方で適切な位置整合を提供し、それによって、調合器10は、バイアルパックをさらなる処理のためにスターホイール22から取り外すことができる。
【0017】
一実施形態によるポンプ駆動機構20が
図4に示されており、
図5に分解図で示されている。
図4および
図5に示す実施形態では、ポンプ駆動機構20は、複数の区画を含む。ポンプ駆動機構20の一端には、駆動エレクトロニクスを保持し、そのハウジング96上に、回転ハウジング46があり、1つまたは複数の希釈剤容器および/または廃棄物容器から1つまたは複数の対応するマニホールドまで延伸する可撓性チューブ50のためのロックフランジ94を含む。回転ハウジング46は、ポンプ駆動機構20の残りの部分を回転させるために、その軸回りに回転することができる。回転ハウジング46は、その端部にハウジングを回転させることが可能な軸受リブ52を含む。例えば、ポンプ駆動機構は、180°以下、または180°超などの任意の適切な角度で回転するように構成することができる。
【0018】
回転ハウジング46の隣には、一実施形態による、
図6~
図8において様々な角度から単独で示されているモータマウント54がある。
図4~
図8に示す実施形態では、
図9~
図11の様々な角度からさらに詳細に示されるカムハウジング56が、モータの回転運動ならびにポンプ駆動機構20がカートリッジ16およびバイアル18をピックアップするように所定の位置に移動するときのポンプ駆動機構20の軸方向運動を制御するカムおよび歯車を含むモータマウント54に接続される。
【0019】
調合器システムはまた、ポンプ駆動機構の側部に位置するスロット60内に取り付けられる希釈剤マガジン(図示せず)を含む。希釈剤マガジンは、希釈剤ポートとして動作可能な任意の数の個々の希釈剤マニホールドを受け入れるように構成された使い捨て部品であってもよい。希釈剤マニホールド(図示せず)はモジュール式であってもよく、そのため、それらは容易にかつ取り外し可能に互いに接続し、マガジンに接続し、および/またはポンプ駆動機構20に接続することができる。
【0020】
ポンプ駆動機構20の最後の部分は、ポンプヘッドアセンブリ28である。ポンプヘッドアセンブリ28は、バイアル把持アーム76、バイアルリフト78、ポンプカートリッジ把持部80、アーム222を有するポンプピストン偏心駆動シャフト82、バルブ作動機構84、および、希釈剤が添加されるとバイアル18内の医薬品を混合するためにポンプ駆動機構20が前進および後退ならびに回転することを可能にするモータとを含む。調合器10はまた、ユーザによるデータ入力、ならびに、ユーザに対する通知、指示およびフィードバックを提供するための、図に示されるようなタッチスクリーン86のような入力画面86を含むこともできる。
【0021】
ここで、調合器システム10の動作を、一実施形態による
図21に示された流れ図において概括的に説明する。第1のステップ88において、ユーザは、複数のマニホールド(例えば、希釈剤マニホールドおよび廃棄物マニホールド)を有する新たな希釈剤マニホールドマガジンを、ポンプヘッドアセンブリ28の側部上のスロット60に挿入する。マガジンをスロット60に設置する前または後に、マニホールドをマガジンに装填することができる。マニホールドは、カートリッジ16が後に定位置にロックされるまで、マニホールドのハウジングの内部に針を保持する。マガジンは、任意の数の希釈剤マニホールドおよび蒸気廃棄物マニホールドを含むことができる。1つの例示的なシステムでは、3つの希釈剤マニホールドおよび1つの蒸気廃棄物マニホールドが存在し得る。次のステップ92では、希釈剤チューブが対応する希釈剤バッグに接続される。チューブは、チューブを定位置に保持するために、ロックフランジを通じて調合器フレームの表面(例えば、前面)上に送ることができる。例えば、
図24の図示された実施形態では、チューブは、ロックフランジ2402によって調合器のフレーム上の適所に保持される。代替的に、当該技術分野において知られている他のタイプのクリップまたはロック機構を使用して、チューブを適所に安全に保持することができる。
図4に示す実施形態では、ポンプ駆動機構20の外側ハウジング96上に位置決めされた追加のフランジ94が、調合器の内部配線を安全確保するために設けられている。次のステップ98では、廃棄物チューブを蒸気廃棄物バッグ44に接続することができる。他の実施形態では、チューブは、マニホールドと希釈剤容器および/または廃棄物容器などの関連する容器との間に予め結合されてもよく、ステップ92および98の動作は省略されてもよい。
【0022】
必要に応じて、次のステップ100において、新たなカルーセル14を、調合器システムのカルーセルハブのようなカルーセル取り付けステーションに装填することができる。カルーセル14は、ほぼ円形の配列で配置された任意の数の使い捨てカートリッジ16を含むことができる。次のステップ110では、バイアルパック26が、再構成のために粉末医薬品または液体医薬品のバイアル18の上部に取り付けられ、バイアル18は次のステップ112においてカルーセル14の下のスターホイール22に装填される。ステップ110は、スターホイール22内の複数のバイアルパック凹部に複数のバイアル18を装填するステップを含むことができる。1つまたは複数のバイアルがスターホイールに装填された後、バイアルは所定の位置に回転されて、各バイアルのバイアルラベルの走査を可能にされ、開始される。一実施形態では、ユーザは、走査が開始される前にすべてのバイアルスロットがバイアルによって占有されるまで、バイアルをスターホイールに装填することを可能にされる。各バイアルの装填を検出するセンサを設けることができ、その後、次のバイアルパック凹部がユーザの装填位置へと回転される。ユーザが、バイアルラベルを走査する前にすべてのバイアルをスターホイールに装填することを可能にすることによって、調合の効率が向上する。しかし、他の実施態様では、各バイアルが装填された後、またはバイアルのサブセットが装填された後に、バイアルラベルの走査を行うことができる。これらの設定ステップに続いて、次のステップ114は、ユーザが入力画面上で適切な投薬量を選択することである。
【0023】
入力画面86上での選択の後、調合器10は動作116を開始する。スターホイール22は、バイアルを、ポンプヘッドアセンブリ28のバイアル把持キャリパ76と位置整合する118ように回転させる。バイアルパック26は、例えば、スキャナ(例えば、バーコードスキャナまたは1つもしくは複数のカメラ)がバイアル18上のラベルを走査する122ことができるようにバイアル18が回転する120ことを可能にする回転モータに結合された歯車とインターフェースする歯車を含む。スキャナまたはカメラ(および関連する処理回路)は、バイアルのロット番号および有効期限を決定することができる。ロット番号および有効期限は、現在の日付および/またはリコールまたはロット番号に関連付けられた他の指示などの他の情報と比較することができる。バイアル18が走査され位置整合されると、次のステップ124において、ポンプ駆動機構20は、キャリパ76によってバイアル18を把持するために、所定の位置に前進する。また、前方への移動は、ポンプヘッドアセンブリ28の前面の取り付けポスト130およびロックバヨネット128を、カートリッジ16上の対応する開口と一致して位置整合させる。次のステップ126において、カートリッジ16は、ポンプヘッドアセンブリ28上の適所においてロックバヨネット128によってロックされ、キャリパ76は、バイアル18の上部のバイアルパック26を把持する132。次に、キャリパ76は、スターホイール22から後退させることによってバイアル18を除去し132、同時にカルーセル14からカートリッジ16を引き出す134。
【0024】
いくつかの実施形態では、カートリッジ16は、コイル状チューブを含むバックパックを含む。この実施形態では、ステップ136において、ポンプ駆動機構20は、カートリッジ16をユーザの方に傾けて、チューブの端部を露出させ、ユーザにチューブをバックパックから引き出して受容バッグ32に接続するよう促す138。代替的な実施形態では、カートリッジ16がカルーセル14から引き離されると、チューブ38はカルーセル14の側部に露出される。別の代替の実施形態では、チューブ38は自動的に(例えば、バックパックの外に)押し出され、これにより、ユーザは、チューブの端部に位置するコネクタを把持し、受容器に接続することができる。システムは、ユーザに、カルーセル14からチューブを引き出し、チューブをIVバッグ32の入力部34に接続するように促す138。チューブ38が接続されると、ステップ140において、ユーザは、入力画面86と対話することによって調合プロセスを続けるように、調合器10に通知することができる。
【0025】
ステップ142において、バイアル18はカートリッジ16に向かって引き上げられ、それによって、カートリッジ16の同軸二重内腔針のような1つまたは複数の針がバイアルパック26の上部を穿刺してバイアル18の内部に入る。
図21の例は、ユーザがカートリッジからのチューブを受容器に取り付けた後の、バイアルパックと針との係合を示しているが、これは単なる例示である。別の実施形態では、ステップ138および140がステップ142の後に実施されてもよく、それによって、ユーザがカートリッジからのチューブを受容器に取り付ける前に、バイアルパックとの針の係合が行われる。
【0026】
希釈剤が、ステップ144において、カートリッジ16および第1の針を介して適切な投薬量でバイアル18に圧送される。必要に応じて、カートリッジ16に取り付けられた第2の希釈剤マニホールドまたは第3の希釈剤マニホールドを介して、バイアル18に第2の希釈剤または第3の希釈剤を添加することができる。同時に、蒸気廃棄物が、バイアル18から第2の針、カートリッジ16および蒸気廃棄物マニホールドを通じて蒸気廃棄物バッグ44へと圧送される144。ポンプヘッドアセンブリ28上のバルブアクチュエータ84は、プロセス中に必要に応じて流体流路を変更するために、カートリッジ16のバルブを開閉する。希釈剤がバイアル18に圧送されると、ポンプ駆動機構20は、バイアル18が右上がりの位置と上下逆の位置との間で回転するようにバイアルリフト78を例えば180度まで回転させることによって、次のステップ146においてバイアル18を攪拌する。攪拌プロセスは、再構成される医薬品のタイプに依存して、必要なだけ繰り返され得る。さらに、再構成される薬物のタイプに応じて異なる攪拌パターンを使用することができる。例えば、いくつかの薬物では、180度回転するのではなく、ポンプヘッドの前後左右の動きの組み合わせを行って、バイアルの旋回攪拌を発生させることができる。特定の薬物または他の医療流体のための複数のデフォルト攪拌パターンを、調合器制御回路に格納された(および/または当該回路によってアクセス可能な)薬物ライブラリに含めることができる。攪拌ステップが完了すると、ポンプ駆動機構は、バイアルを上下逆の位置または他の適切な位置に回転させ、所定位置に保持する。いくつかの実施形態では、すでに受容器32内にある希釈剤などの流体は、再構成された薬剤を受け入れるための受容器内の空間を可能にするように(例えば、カートリッジを通じてまたは別の経路を介して)液体廃棄物容器内に圧送することができる。
【0027】
次のステップ148では、バルブアクチュエータ84がカートリッジのバルブの向きを変え、カートリッジ16の圧送機構が作動されて、再構成された薬物を、取り付けられたチューブを介して受容バッグ32に圧送する150。薬物が受容バッグ32内に圧送されると、次のステップ152において、ポンプ駆動機構20は、再構成された薬物のすべてが受容バッグ32に提供されることを確実にするために、別のバルブ調整の後、ろ過された空気またはより多くの希釈剤をチューブ38を通して受容バッグ32に圧送することによってチューブ38が空にされる。いくつかのシナリオでは、シリンジを受容器32として使用することができる。シリンジが受容器32として使用されるシナリオでは、再構成された薬物のシリンジへの送達後、ポンプ駆動機構20によってチューブ38内に真空が生成されて、シリンジに押し込まれた可能性がある空気または他の蒸気を除去することができ、それによって、シリンジがチューブ38から取り外されると、再構成された薬物が患者に送達するために読み取られ、空気または他の望ましくない気体はシリンジに存在しない。
【0028】
次いで、システムは、ユーザに、チューブ38を受容器32から取り外すように促す154。次いで、ユーザは、コネクタ(例えば、Texium(登録商標)またはSmartSite(登録商標)コネクタ)をバックパックまたはカルーセル内のそのスロットに挿入し、ポンプヘッドの光学センサがコネクタの存在を検知し、チューブをカルーセルまたはバックパックのいずれかに自動的に引き込むことができる。いずれのタイプのシステムが使用されているかに応じて、チューブはカルーセル14またはバックパックのいずれかに引き戻される。次のステップ156において、調合器10は、バイアル18を回転させて、スターホイール22と再び位置整合させ、それを解放する。使用済みカートリッジ16は、カルーセル14上で交換することもできる。使用済みカートリッジは、ポンプドライブ内のセンサが、チューブがカートリッジ内で交換されたと(例えば、カートリッジの窓を通してカートリッジのバックパック内のチューブの端部においてTexium(登録商標)コネクタのようなコネクタの存在を検知することによって)判定したときに解放することができる。カルーセル14および/またはスターホイール22は、次いで、新しい未使用のカートリッジ16および/または新しい未使用のバイアル18へと回転することができ158、プロセスが、新しい薬物について反復され得る。いくつかの状況(例えば、同じ薬物の複数の再構成)では、単一のカートリッジを2つ以上のバイアルを用いて2回以上使用することができる。
【0029】
カートリッジ16は使い捨て可能であるように設計されており、ユーザは、カルーセル14を交換する前に、所与のカルーセル14内のすべてのカートリッジ16を利用することができる。カートリッジ16が使用された後、カルーセル14は次のカートリッジ16へと回転し、システムソフトウェアは、カートリッジ16が使用されたことを記録するように更新し、したがって、他の再構成された薬物からの相互汚染が防止される。各カートリッジ16は、必要に応じて複数の希釈剤を用いて薬物を再構成するために必要なすべての流路、バルブ、フィルタおよびポンプを含み、再構成された薬物を受容器に圧送し、蒸気廃棄物をシステムから廃棄物容器に圧送し、適切な量の薬物および希釈剤が受容器に存在することを確認するために、最終的なQS工程を実施するように設計されている。この完全なパッケージは、カートリッジ16の特定のかつ独特の構造、その流路、およびそのバルブ構造によって可能になる。
【0030】
カートリッジ16の一実施形態を
図22に示す。
図22に示すように、カートリッジ16は、カートリッジフレーム160、カートリッジベゼル164、ならびに、ピストンポンプ166、針ハウジング168および針アセンブリ170を含むことができる。カートリッジフレーム160は、各カートリッジ16の主な支持を提供し、希釈剤チャンバ、蒸気廃棄物チャンバ、圧送チャンバ、疎水性排出口、出口ポート、および/または受容器32に接続するチューブに接続することができる、以下に説明するような他の機構を含む。
【0031】
カートリッジ16のフレーム160はまた、各カートリッジ16がポンプヘッドアセンブリ28に取り外し可能に取り付けられることを可能にする設置機構を含む。これらの機構は、例えば、ポンプヘッドアセンブリ28から取り付けポスト130を受け入れる3つの開口198と、ロックバヨネット128がその中に挿入され、カルーセル14から取り外すためにカートリッジ16をポンプヘッドアセンブリ28にロックするように旋回されることを可能にするキーホール210とを含む。一部の実施形態では、出口ポート延長部220が存在してもよい。ピストンポンプ166は、エラストマー(例えばシリコーン)ピストンブーツ内に位置決めされたロッド194によってチャンバ内に取り付けられる。さらに、ベゼル164は、開口228を含み、この開口228内には、シール膜のバルブ190が配置され、バルブアクチュエータ84によってアクセスされる。さらに、ベゼル164は、流体マニホールドがカートリッジ16内の希釈剤チャンバおよび蒸気廃棄物チャンバに接続されることを可能にする開口230を含む。ベゼル164はまた、調合が完了したときにユーザがコネクタを、与えられているスロットに挿入するときに、コネクタ(例えば、Texium(登録商標)またはSmartSite(登録商標)コネクタ)の検出を容易にする開口を含むことができる。動作中、流体マニホールドの針は、ベゼル164内の開口230を通って入り、シール膜を穿刺して、カートリッジ16内でシール膜とカートリッジフレーム160との間に画定された希釈剤および蒸気廃棄物チャンバへの流体アクセスを得る。カートリッジ16の様々な実施形態のさらなる詳細については後述する。
【0032】
図23を参照すると、一実施形態による調合器10から取り外されたカルーセル14の例示的な実施形態が示されている。
図23のカルーセル14は、この実施形態では10個のカートリッジ16のアレイを含むが、カルーセル14のポケット500の一部を空にして、より多くのまたはより少ないカートリッジ16がカルーセル14上に存在してもよく、または、より多いまたはより少ないカートリッジポケット500を有するようにカルーセルのフレーム510が設計されてもよいことは理解されたい。カルーセル14はまた、ユーザが各カートリッジ16に結合されたチューブに直接アクセスすることを防止するカバー511を含む。カバー511は、必要であれば、カートリッジ16の背面にアクセスするために取り外すことができる。
図23の実施例では、Texium(登録商標)アタッチメント548などのコネクタが各カートリッジ16に隣接して配置され、アタッチメント548は各カートリッジ16の延長部220から延伸するチューブ38に取り付けられる。
【0033】
図24~
図29は、別の実施形態による調合器10を示す。
図24に示すように、保持装置40は、容器42および44のそれぞれのための取り付けデバイスのための支持を提供する延長アームとして実施されてもよい。保持装置40および保持装置30は各々、適切な量の流体が容器に添加または除去されたか否かを判定するための重量測定値を提供し、または、流体が適切な容器へと、および/もしくは、適切な容器から転送されていること(例えば、適切な希釈剤が施与されていること)を確認するように構成された重量センサのような1つまたは複数のセンサを含むことができる。各希釈剤容器および/または受容器を、調合器10に取り付けられる前および/または取り付けられた後に走査することができるスキャナ2404を設けることができる。
図24に示されるように、カルーセルカバー2400およびチューブ管理構造2402もまた、様々な実施形態において調合器10上に提供されてもよい。例えば、容器42および/または44と対応するマニホールドとの間に接続されたチューブが各々、チューブ管理構造2402の溝内に取り付けられて、調合器10の動作中にチューブの絡み合いまたは詰まりを防止することができる。
【0034】
図25に示すように、バイアル18をスターホイールに設置することができる開口2502を設けることができる。さらに、例えば受容器32から廃棄物容器44に無毒液体廃棄物を圧送するために(例えば、所望の量の生理食塩水を受容器32から迅速に、かつ液体廃棄物がカートリッジおよび/または調合器の他の部分を通過することなく圧送するために)、外部ポンプ2500が設けられてもよい。
【0035】
いくつかの容器マウント2506を含む流体モジュール2504を提供することができる。容器マウント2506は、希釈剤および廃棄物容器を吊下するために使用されてもよく、容器が吊下されたときを感知し、および/または容器の重量を感知するセンサ回路を含んでもよい。このようにして、調合器10の動作を監視して、正しい希釈剤含有物が走査されており、正しい位置に吊下されていること、および廃棄物が適切な廃棄物容器に予測される量で供給されていることを保証することができる。
【0036】
図26に示すように、ポンプ2500およびディスプレイ86をシャーシ2600に取り付けることができる。ポンプ駆動装置20は、部分的にシャーシ2600内に取り付けられてもよく、ポンプヘッドアセンブリ28は、シャーシからポンプヘッドアセンブリが回転する(例えば、バイアルを反転させるか、または攪拌する)ことを可能にする位置に延伸する。カルーセル14はまた、カートリッジ取り付け凹部500が見えるように、カートリッジが取り付けられていない状態で
図26に示されている。
【0037】
スターホイール22(本明細書ではバイアルトレイと呼ばれることもある)が
図26に示されており、いくつかのバイアルパック凹部2604は空になっている。バイアルトレイ22を回転させることができ、作動扉2608を開けてバイアルトレイ22内のバイアルパック凹部2604へのバイアル18の装填を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、扉2608は、操作者の指が回転トレイからの傷害の危険性がないことを保証するために、バイアルトレイ22の回転前に閉じてもよい。しかしながら、これは単なる例示である。他の実施形態では、扉2608の代わりに(または、加えて)センサ2650(例えば、ライトカーテン)などのセンサを設けて、トレイ22の近傍の操作者の存在を感知し、操作者または他の障害物が検出される場合に、トレイの回転を防止することができる。
【0038】
同様に、カルーセル14内に装填されたカートリッジ16の汚染を防止し、カルーセルの回転による操作者の傷害を防止するために、カルーセル14に蓋を設けることができる。蓋の位置(例えば、開位置または閉位置)を検出するために、蓋センサ(図示せず)を設けてもよい。蓋が蓋センサによって閉位置において検出されない場合、カルーセル14の回転が防止され得る。
【0039】
挿入される各バイアル18は、バイアルパック凹部2604内に配置されたときにセンサ2652のようなセンサ(例えば、荷重センサまたは光学センサ)を用いて検出されてもよい。検出されると、挿入されたバイアルは、バイアルトレイ22を回転させることによって走査位置に移動することができ、次いで、挿入されたバイアル18が、バイアル回転モータ2602を用いてバイアルトレイ22内のその位置内で回転してバイアルラベルが走査されることを可能にすることができる。
【0040】
調合器10の逆の斜視図が
図27に示されており、走査構成要素が見える。特に、カメラ2700がシャーシ2600の開口内に取り付けられており、走査位置においてバイアル18を見るように構成されている。モータ2602が、カメラ2700がバイアルラベルの画像を取得できるように、バイアル18を1回以上の完全回転を通じて回転させることができる。いくつかの実施形態では、カメラ2700を用いて撮像するためにバイアル18を照らす照明デバイス2702(例えば、発光ダイオードまたは他の光源)を設けることができる。
【0041】
図27に示すように、走査位置においてバイアル18が取り付けられるバイアルパック26上の対応する歯車と係合する、モータ2602に結合された1つまたは複数の歯車2704が設けられてもよい。バイアルトレイ22は、モータ2602が作動したときにバイアル18が回転するように、バイアルパック歯車が回転モータ歯車と噛み合うように回転することができる。
【0042】
図27はまた、1つまたは複数のマニホールドを収容するマガジン2706がポンプヘッドアセンブリ28の凹部内にどのように取り付けられ得るかを示す。蒸気廃棄物マニホールドのマガジン2706内のマガジンスロットは、そのスロット内の希釈剤マニホールド(またはマガジン内の希釈剤スロット内の廃棄物マニホールド)の偶発的な接続を防止するために固定することができる。マガジン2706内の他の希釈剤スロットは共通の幾何学的形状を有することができ、したがって任意の希釈剤マニホールドがマガジン希釈剤スロットに嵌合することができる。マニホールドセンサ2750のような1つまたは複数のマニホールドセンサ(例えば、光センサ)が、ポンプヘッドアセンブリ28のマニホールド凹部内に設けられてもよい。マニホールドセンサ2750は、マガジン2706内のマニホールド凹部(スロット)内のマニホールドの存在(または不存在)を検出して、適切なマニホールド(例えば、希釈剤マニホールドまたは廃棄物マニホールド)が、調合動作について予測される位置に配置されることを保証する。このようにして、ポンプヘッドはマニホールドの存在を検出することができる。ポンプヘッドおよび/またはマニホールドセンサは、希釈剤マニホールドの適切な位置決めを保証するために、希釈剤負荷センサと通信することができる。バルブアクチュエータ、針アクチュエータ、取り付けポスト、ロックバヨネット、および駆動ピンのような様々な動作構成要素2708も、ポンプカートリッジ16を固定して動作させるように構成されたポンプヘッドアセンブリ28から延伸して見られる。
【0043】
調合器10の様々な構成要素の分解図を
図28に示す。ディスプレイ86、ポンプ2500、投薬ハンガー30、流体モジュール2504、ポンプヘッドアセンブリ28を有するポンプ駆動装置20、カメラ2700、および照明デバイス2702のような、上述の構成要素が示されている。
図28には、シャーシ2600のシャーシベース2810およびシャーシハウジング2812などの追加の構成要素も示されている。電子アセンブリ2803を有する後部パネル2802をシャーシハウジング12に取り付けることができ、ポンプ駆動装置20をシャーシハウジング2812の開口2808に着座させることができ、ポンプヘッドアセンブリ28をシャーシハウジング2812から突出させることができる。調合器システム10の動作を管理するための処理回路が、電子アセンブリ2803に含まれてもよい。
【0044】
バイアルトレイおよびカルーセル駆動アセンブリ2800も示され、作動扉2608およびカルーセルハブ2814が見える。カルーセル14はカルーセルハブ上に配置され、バイアルトレイおよびカルーセル駆動アセンブリ2800によって回転されて、ハブ2814を回転させてカルーセル内の選択されたカートリッジを、ポンプ駆動装置20によって取り出され操作される位置に移動させることができる。バイアルトレイおよびカルーセル駆動アセンブリ2800は、バイアルトレイ22およびカルーセル14が独立して回転され得るように、バイアルトレイおよびカルーセルのための別々の駆動アセンブリを含み得る。
【0045】
図29は、一実施形態による、カートリッジ16が内部に取り付けられたカルーセル14、バックパック2900を有するカートリッジ16、バイアル18を取り付けるためのバイアルパック26、および、複数のマニホールド2906を収容する希釈剤マガジン2706を有するポンプヘッドアセンブリ28のような、様々な特定の構成要素の位置を強調する、調合器10の別の斜視図を示す。カートリッジを受容器に流体結合するためのチューブを収容するためにその上に配置することができるチューブ管理バックパックを特に強調して、カートリッジ16のさらなる特徴を、
図30~
図46に関連して以下に説明する。
【0046】
ここで、
図30を参照すると、カートリッジ16の別の実施形態の分解斜視図が、カートリッジ16の3つの主要部分、すなわちカートリッジフレーム160、カートリッジシール膜162、カートリッジベゼル164、ならびにピストンポンプ166、針ハウジング168および針アセンブリ170を含む。
図30の例では、カートリッジベゼル164は、カートリッジ16の流体経路内の圧力を感知することができるように、膜162上に形成された圧力ドームへのアクセスを提供する追加の開口3022を含む。調合器内のエアインライン(AIL)センサと噛み合うように構成されたエアインラインセンサ取付具3000も設けられている。
【0047】
カートリッジ内の蒸気廃棄物および無菌空気のような気体の流れを制御するために、カートリッジ16には、空気フィルタ3006およびチェックバルブカバー3002によってフレーム160に取り付けられる1つまたは複数のチェックバルブディスク3004のような気体流制御構造を設けることができる。空気フィルタ3006、チェックバルブディスク3004、およびチェックバルブカバー3002は、協働して、蒸気廃棄物がバイアルから廃棄物ポートへの一方向のみに流れることを可能にし、無菌(ろ過された)空気が空気フィルタに隣接する通気口からバイアルへの一方向にのみ流れることを可能にすることができる。
【0048】
図30に示すように、ピストン166は、例えば、ピストン166が作動されたときにポンプチャンバの容積を制御するための1つまたは複数の可動シール(例えば、2つの可動シール)を提供するピストンブーツ3007を含むことができる。
図30はまた、針アセンブリ170が、第1の針オーバーモールド317A、第2の針オーバーモールド317B、針バネ3014、および針膜3008を有する二重内腔針を含む針ハウジング168の別の実施形態の制御のための様々な構造を示す。以下にさらに詳細に説明するように、フレーム160の対応する開口3021と位置整合して、(例えば、ポンプ駆動機構のセンサによって)カートリッジ16を通じて、カートリッジ16に取り付けられたバックパック内を観察することを可能にする、ベゼル164の開口3020を設けることができる。カートリッジフレーム160の上側に形成される突起3016を、バックパックのための取り付け構造として提供することができる。
【0049】
図31Aおよび
図31Bは、ベゼル側およびフレーム側からの、
図30に示されたカートリッジの実施形態の組み立てられた図をそれぞれ示しており、そこでは、カートリッジ16を完全に貫通して観察することを可能にする開口3120(
図30の開口3020および3021によって形成される)を見ることができる。
図31Aに示すように、いくつかの実施形態では、カートリッジ16は、4つの希釈剤および廃棄物ポート3100および圧力ドーム3101を含むことができる。
【0050】
図32は、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203を形成するようにバックパック3202(例えば、
図29のバックパック2900の実施態様)が取り付けられている、組み立てられたカートリッジ16の断面斜視側面図である。
図32に示すように、突起3016は、バックパック3202の開口3201内に延伸して、バックパックをカートリッジ16の上側にラッチすることができる。下側における追加のラッチ構造については、以下でさらに詳細に説明する。バックパック3202とカートリッジ16との間に追加の構造3200を配置することができる。構造3200は、実質的に平面であり得、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203をカルーセル14にラッチするような形状および位置にすることができる。例えば、バックパック3202の上部から延伸する突起3206は、カルーセルに対するカートリッジ・バックパックアセンブリの設置および取り外しを容易にするように作動可能であり得る。例えば、カルーセル上の傾斜構造は、突起3206がロック位置まで嵌合してカルーセル内にカートリッジ・バックパックアセンブリを固定するまで、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203がカルーセル内に押し込まれるときに、突起3206を圧縮することができる。調合操作のためにカルーセルからカートリッジ・バックパックアセンブリ3203を取り外すために、開口210に延伸するバヨネット128を下側突起3206へと旋回して、カートリッジ・バックパックアセンブリをカルーセルから解放することができる。カルーセルへのカートリッジ・バックパックアセンブリ3203の結合のさらなる特徴は以下に説明する。
【0051】
カートリッジ16を受容器32に流体結合するためのチューブ(
図32には明示されていない)は、バックパック3202内に収容することができる。例えば、チューブは、出力ポート180(例えば、
図31B参照)においてカートリッジ16に結合することができ、バックパック3202の内部空洞内でコイル状にすることができ、開口3210を通って延伸することができ、それによって、操作者が、受容器への結合のためにチューブを延伸させるように、チューブの端部を引くことができる。カートリッジ・バックパックアセンブリが使用されていないときに、チューブの端部に結合されたTexium(登録商標)コネクタのようなコネクタが内部に格納され得る追加の開口3204が設けられてもよい。指示されたとき(例えば、ディスプレイ86上の画面上の指示によって)、操作者は、コネクタを開口3204から取り外し、バックパック3202内からチューブを引き、受容器へのコネクタに接続することができる。例えば、調合器システムの処理回路は、ディスプレイを使用して、(a)バックパック内の追加の開口からチューブに連結されたコネクタを取り外し、(b)バックパックからチューブを引き、(c)コネクタを受容器に接続するための指示を提供することができる。別の実施形態では、可撓性チューブの延伸は自動的である(例えば、ソフトウェアが、可撓性チューブを延伸するべき正確な瞬間を決定し、ポンプヘッドが、チューブを延伸させるためのねじ機構を操作し、バックパック開口からISOルアーを引き出すためのユーザへのシグナルが提供される)。調合器10は、コネクタが開口3204内に存在するか否かを(例えば、開口3120を通してコネクタを観察することによって)判定する光学センサなどのセンサを含むことができる。
【0052】
調合器10は、コネクタが開口3204内にあるか否かに基づいて、ポンプヘッドアセンブリからカートリッジ・バックパックアセンブリを解放するか否か、およびいつ解放するかを決定することができる。例えば、調合操作の後、操作者に、コネクタを受容器から取り外し、コネクタを開口3204に戻すように指示することができる。バックパック3202は、チューブの保管および内部空洞内からの取り出しを容易にするための機構および構成要素を含むことができる。コネクタが開口3204内で検出されると、ポンプ駆動機構20は、バックパック3202内の1つまたは複数のコイル巻き機構を作動させて、延伸されたチューブをバックパックに引き戻すことができ、バヨネットを旋回させて突起3206を下げることができ、それによって、カートリッジ・バックパックアセンブリをカルーセルに戻すことができる。
【0053】
図33は、バックパック3202の内部空洞3300および下側ラッチ構造3302が見えるカートリッジ・バックパックアセンブリの一部分の拡大断面斜視側面図である。図示されているように、カートリッジフレーム160の突出部分3304は、バックパックを下側においてカートリッジ16に固定するために、バックパック3202のラッチ機構3302の間でフレームから垂直に(例えば、バックパック3202の開口を通って)延伸することができる。針ハウジング317Aおよび317Bもまた、カートリッジフレーム160内の針空洞3331内に配置されて示されており、針空洞内には、針316および318がそれぞれ固定されている。
【0054】
図34は、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203の断面斜視側面図であり、そこでは、協働して、カートリッジ16をバックパック3202に結合してカートリッジ・バックパックアセンブリ3203を形成するカートリッジフレーム160の突起3016および突起3304を見ることができる。バックパック3202をカートリッジ16に設置するために、バックパック3202の開口3201を突起3016の上に配置することができ、バックパック3202を(例えば方向3401において)回転させて、ラッチ突起3304がラッチ機構3302の間の位置に嵌合するまで、バックパック3202のラッチ構造3302をラッチ突起3304に押し付けることができる。図示されるように、突起3016を、可撓性アーム3400上に形成することができる。可撓性アーム3400は、バックパック3202が回転されてラッチ構造3302を突起3304に押し付けるときに、バックパック3202が小さな距離だけ下方に引かれることを可能にする。可撓性アーム3400は、突起3304に対してラッチされた位置においてラッチ機構3302を保持する上向きの力を維持するために弾性であってもよい。
【0055】
図34の例では、バイアル18およびバイアルパック26が、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203に隣接して位置決めされ、針アセンブリ170が、滴下のないシールを提供することができ、流体がバイアル18に提供されることおよび/またはバイアル18から除去されることを可能にすることができる、カートリッジ16のシール部材(針膜)3008およびバイアルパック26のシール部材3404を通じてバイアル内へと延伸される。図示されているように、針アセンブリ170がバイアル内に延伸するとき、バイアルパック26の部分は、バックパック3202のラッチ機構3302に隣接して配置され得る。
【0056】
図35は、バヨネット捕捉傾斜3500のような傾斜構造が開口210内にどのように設けられ得るかを示すカートリッジ16の断面上面図である。図示されているように、バヨネット捕捉傾斜は、バヨネットの過度の移動を防止するハードストップリブ3502と、バヨネット128が回転したときに、バヨネットがカートリッジを捕捉し、カートリッジを調合器アームへと引き上げるように、バヨネットに当接する傾斜3504とを含むことができる。バヨネットの一部分は、開口210を通って構造3200(例えば、
図32参照)内の開口内に延伸することができ、それによって、バヨネットが回転すると、バヨネットもまた、構造3200の部分に当接して、構造3200を移動、回転、および/または変形させて、カルーセルからカートリッジ・バックパックアセンブリ3203を解放する。
図36は、開口210の側壁に形成された傾斜構造3500を示すカートリッジ16の一部分の断面斜視図を示す。
【0057】
図37は、開口3120を示すカートリッジ16の一部分の拡大図である。
図38は、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203の断面斜視図を示し、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203のさらなる拡大部分が、カートリッジ16とバックパック3202との間のインターフェースの様々な態様を示している。
図38に示すように、開口3120は、カートリッジフレーム160を通して、開口3204に隣接しかつその下にあるバックパック3202内の位置に延伸することができる。このようにして、コネクタが開口3204に挿入されると、ポンプヘッドアセンブリ内のセンサが、開口3120を通してコネクタを観察することができる。
【0058】
図38はまた、カートリッジフレーム160の突起3304とバックパック3202のラッチ機構3302との間の例示的な係合の拡大図を示す。図示するように、ラッチ機構3302は、上側突起3800および下側突起3802を形成するバックパック3202の開口3801から形成されてもよい。バックパック3202がカートリッジ16に取り付けられると、下側突起3802の一部分は、突起3304の傾斜面3804に当接して、バックパック3202が定位置に回転されたときに突起3304を上方に押す。バックパック3202がラッチ位置に回転されると、カートリッジフレーム160の突起3304は、バックパック3202の突起3800と重なり、開口3801を通って延伸して、底端部においてバックパック3202をカートリッジ16に固定する。
【0059】
図39は、対応するカートリッジポケット500に取り付けられた複数のカートリッジ・バックパックアセンブリ3203を有するカルーセル14の断面図を示す。
図39に示すように、Texium(登録商標)コネクタなどのコネクタ4002を、各カートリッジ・バックパックアセンブリ3203の各バックパック3202の開口に配置することができる。コネクタ4002は、コネクタから各バックパック3202の内部空洞の中に延伸して、そのバックパックに取り付けられたカートリッジ16の出力ポートに接続するチューブ4000の端部に配置することができる(例えば、受容器32から分離されている
図1のチューブ38の実施態様)。中央開口4005はまた、
図39の断面図にも見ることができる。図示のように、中央開口4005は、カルーセルハブ2814(
図28)の多角形に対応する多角形パターン4007をともに形成するスラット付き平面壁を有する部分を有する実質的に円筒形の開口であってもよい。しかしながら、これは単なる例示である。カルーセルハブ2814には、カルーセル14がカルーセルハブ2814上に配置され、カルーセルハブ2814が回転されるときに、カルーセルが対応して回転されるように、カルーセル14の中央開口4005の形状に対応する他の形状、例えば「D」字形状または任意の他の適切な形状が与えられてもよい。
【0060】
カルーセル14の斜視図が
図40に示されている。
図40に示すように、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203は、カルーセル14の周のまわりに配置され、カルーセル14は、各カートリッジ・バックパックアセンブリ3203のチューブ4000およびコネクタ4002を収容するために、上面4013内の凹部4009を含むことができる。カルーセル14はまた、そこから下方に延伸し、各々が対応するカートリッジ・バックパックアセンブリ3203の針ハウジング168を収容する凹部4011を有する複数の延長部4017を有する底面4015を含むこともできる。延長部4017は、設置されたカートリッジの針ハウジング168の下を通り、操作者をその中の針アセンブリに曝露する可能性のある針ハウジングの作動を防止する保護底面4019を有する。保護底面4019はまた、カートリッジ16の針(または針ハウジング)から不注意に滴り落ちる可能性のある任意の少量の薬物を収集するための表面としても機能し得る)。ユーザが、カルーセルハブ2814(
図28)上にカートリッジの新しいカルーセルを設置し、また、カルーセルハブから使用済みカートリッジを有するカルーセルを取り外すのを容易にするハンドル4026を設けることができる。
【0061】
図41は、カルーセル14に取り付けられたカートリッジ・バックパックアセンブリ3203の一部分の断面斜視図である。
図41に示すように、カルーセル14は、カートリッジポケット500内のカートリッジ・バックパックアセンブリ3203の上に延伸し、内面上に、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203をポケット500内に固定するために、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203の構造3200の突起3206を受け入れるように構成される凹部4100を含む、上面4013の延長部分4102を含むことができる。カルーセル14はまた、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203がポケット500内に取り付けられたときに、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203を定位置に保持するのを助けるように構成されたバンパー部材4103などの、ポケット500内の構造部材を含むことができる。カルーセル14のポケット500からカートリッジ・バックパックアセンブリ3203を取り外すことが望ましい場合、突起3206を下げ、それによって凹部4100から除去して、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203がポケット500から外方に移動することを可能にすることができる。突起3206は、例えばバヨネット128を使用して構造3200を押圧、移動、回転、および/または変形することによって下げることができる。
【0062】
図42は、構造3200の斜視図を示す。
図42に示すように、構造3200は、カルーセル14に対するカートリッジ・バックパックアセンブリ3203の取り付けおよび取り外しを容易にするための様々な特徴を有するパターン化構造(例えば、成型された弾性的に変形可能なプラスチック構造)であってもよい。例えば、構造3200は、ポンプ駆動機構のポンプヘッドアセンブリからカートリッジ16を通って延伸するバヨネットの一部分を受け入れるように構成された中央開口4202を含むことができる。バヨネットが旋回されると、バヨネットの部分は同時に構造3200の上側構造4204および下側構造4210に当接することができる。バヨネットが下側構造4210に対して下方に当接するとき、下側構造4210はバヨネットによって下方に移動し、および/または回転することができ、それによって、突起3206を(例えば
図42の方向4220において)下げるために、下側構造4210が突起3206を対応して下方に引っ張る。バヨネットが同時に上側構造4204上を上向きに圧迫するとき、上側構造4204は対応して、アーム4206および4212を介してラッチ構造4216を上方に引っ張る(例えば、
図42の方向4218においてラッチ構造を持ち上げる)。
【0063】
このようにして、突起3206およびラッチ構造4216は、カルーセル14からカートリッジ・バックパックアセンブリ3203を解放するために、構造3200の中心に向かって(例えば、カートリッジ16の凹部4100から外方に)引き込むことができる。ラッチ構造4216は、例えば、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203がポケット内に取り付けられたときに、カートリッジポケット500の対応する凹部に係合するように、バックパック3202内の開口を通って延伸することができる。
【0064】
構造3200はまた、本明細書で説明するバックパック3202内に格納されたコネクタの観察を容易にするために、開口3120の一部分を形成する凹部4200を含むことができる。アーム4206と上側構造4204との間で構造3200内に開口4208を形成することができる。構造3200内に、アーム4212から下側構造4210に沿って延伸する開口4214を形成することができる。開口4208および4214は、構造3200が変形されるときに(例えば、構造の一部分を回転させて突起3206を引き寄せるために)突起3206およびラッチ構造4216を作動させる構造4210、4204、4206および4212を形成するようにパターン化された、接続された単一の開口であってもよい。
【0065】
図43は、カルーセル14に取り付けられたカートリッジ・バックパックアセンブリ3203の別の部分の断面斜視図である。
図43に示されているように、バックパック3202は、チューブ4000をバックパック3202に出入りするように能動的に駆動するために旋回させることができるローラアセンブリ4300を含むことができる。例えば、ローラアセンブリ4300を第1の方向に旋回させて、チューブ4000を空洞3300内から伸長させるか、または反対の第2の方向に回転させて、チューブ4000を空洞3300内に引き込むことができる。ローラアセンブリ4300は、操作者によって、またはバックパック3202内のばね駆動部によって、もしくはポンプヘッドアセンブリからカートリッジ16を通ってバックパック3202まで延伸する駆動機構によって自動的に旋回させることができる。
【0066】
図43に示すように、バックパック3202はまた、チューブ4000の挿入および取り外しを管理するための内部構造を含むこともできる。例えば、チューブ4000の底部を少なくとも部分的に覆う張力緩和構造4304を提供することができ、それによって、バックパック3202の外側からのチューブ4000に対する引っ張りにより、結果としてチューブの長さに沿って引っ張られて望ましくないことにチューブがカートリッジ16から分離し得るのではなく、結果としてチューブ4000が張力緩和構造4304に当接する。張力緩和構造4304は、例えば、チューブ4000がバックパック3202を出る方向に対して実質的に垂直な方向に内部区画3300の側壁から延伸する一体的に形成された内部延長部であってもよい。バックパック3202はまた、チューブ4000を巻き付けることができる曲面を形成する湾曲した内面4306を有するガイド構造4302を含むこともできる。
【0067】
図44は、複数のコイル傾斜延長部4400が、内部空洞3300の底面にどのように形成されて、チューブ4000が空洞3300に挿入されるときに、チューブ4000の巻き取りを促進する傾斜を形成するかを示す、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203の断面上面斜視図である。図示されているように、各傾斜延長部4400は各々、高さを有することができる。各傾斜延長部の高さは、所望のコイル傾斜を形成するために、張力緩和構造4304からの距離とともに増加してもよい。
【0068】
図45は、チューブ4000が、バックパック3202の内部空洞3300内から、バックパック3202の開口3204を通じて受容器32までどのように延伸し得るかを示す図である。図示のように、コネクタ4002は、受容器32の入力ポート34に接続することができる。
図46に示すように、内部空洞3300内にあるチューブ4000の部分4502は、内部空洞内のチューブの管理のために、カートリッジ16の出力ポート180から、張力緩和構造4304の下で、かつ傾斜部材4400の上に延伸することができる。
【0069】
本発明の主題の技術は、例えば、上述した様々な態様に従って例示されている。これらの態様の様々な例は、便宜上、番号を付された概念または節(1、2、3など)として記載される。これらの概念または節は例として提供されており、本発明の主題の技術を限定するものではない。独立した概念を形成するために、従属する概念のいずれかが互いとのまたは1つまたは複数の他の独立した概念との任意の組み合わせで組み合わされてもよいことに留意されたい。以下は、本明細書に提示されたいくつかの概念の非限定的な概要である。
概念1.調合器システム用のカートリッジ・バックパックアセンブリであって、
制御可能な流体経路を少なくとも部分的に画定するフレーム部分を有するポンプカートリッジと、
ポンプカートリッジに取り付けられたバックパックと、
ポンプカートリッジの制御可能な流体経路に流体的に取り付けられたチューブと
を備え、チューブは、ポンプカートリッジからバックパックの内部空洞を通り、バックパックを出てバックパック内の開口を通じて延伸する、カートリッジ・バックパックアセンブリ。
概念2.チューブの端部に結合されたコネクタをさらに備え、バックパックは、コネクタを受け入れるように構成された追加の開口を備える、概念1または任意の他の概念のカートリッジ・バックパックアセンブリ。
概念3.ポンプカートリッジは、カートリッジ開口を備え、コネクタがバックパック内の追加の開口内に配置されているときに、コネクタがカートリッジ開口を通じて観察可能である、概念2または任意の他の概念のカートリッジ・バックパックアセンブリ。
概念4.ポンプカートリッジとバックパックとの間に配置された実質的に平面の構造をさらに備え、平面の構造は、バックパックのさらなる追加の開口を通って延伸する少なくとも1つの突起を備える、概念3または任意の他の概念のカートリッジ・バックパックアセンブリ。
概念5.平面構造は、少なくとも1つの突起をバックパック内のさらなる追加の開口へと引き込むように変形されるように構成される、概念4または任意の他の概念のカートリッジ・バックパックアセンブリ。
概念6.ポンプカートリッジが追加の開口を有し、平面構造が構造開口を有し、ポンプカートリッジの追加の開口が構造開口と位置整合される、概念5または任意の他の概念のカートリッジ・バックパックアセンブリ。
概念7.平面構造は、平面構造に垂直な方向に延伸する部分を有するラッチ構造をさらに備え、平面構造の少なくとも一部分は同時に、(a)少なくとも1つの突起をバックパック内のさらなる追加の開口内に引き込み、(b)ラッチ構造を持ち上げるように、回転および/または変形されるように構成されている、概念6または任意の他の概念のカートリッジ・バックパックアセンブリ。
概念8.構造開口は調合器システムのポンプ駆動機構のバヨネットの一部分を受け入れるように構成され、平面構造は、構造開口内のバヨネットの回転によって変形されるように構成されている、概念7または任意の他の概念のカートリッジ・バックパックアセンブリ。
概念9.カートリッジ開口は、ポンプカートリッジの適合する膜内の凹部を通って延伸し、ポンプカートリッジのカートリッジフレームおよびカートリッジベゼルを通って延伸する、概念3または任意の他の概念のカートリッジ・バックパックアセンブリ。
概念10.バックパックは、チューブに対する張力を制限するように構成されている、内部空洞内の張力緩和構造をさらに備える、概念3または任意の他の概念のカートリッジ・バックパックアセンブリ。
概念11.バックパックは、内部空洞内でのチューブの巻き取りを促進するように構成された、内部空洞内の複数のコイル傾斜部材をさらに備える、概念10または任意の他の概念のカートリッジ・バックパックアセンブリ。
概念12.バックパックは、内部空洞内にあり、チューブと接触するローラアセンブリをさらに備え、ローラアセンブリは、旋回して内部空洞を出入りするようにチューブを駆動するように構成されている、概念11または任意の他の概念のカートリッジ・バックパックアセンブリ。
概念13.内部に取り付けられた複数のカートリッジ・バックパックアセンブリを有するカルーセルを提供するステップと、
調合器システムのポンプ駆動機構のバヨネットを選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリの開口内に延伸することによって、
カルーセルからカートリッジ・バックパックアセンブリのうちの選択された1つを取り出すステップと、
バヨネットを回転させるステップと
を含む、方法。
概念14.バヨネットを回転させるステップは、選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリを持ち上げ、カルーセルから引き出すために、選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリのポンプカートリッジ内の開口の表面に配置された傾斜構造に対してバヨネットの一部分を回転させるステップを含む、概念13または任意の他の概念の方法。
概念15.バヨネットを回転させるステップは、選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリのポンプカートリッジとバックパックとの間に配置された変形可能な構造に対してバヨネットの追加の部分を回転させるステップをさらに含み、変形可能な構造に対してバヨネットの追加の部分を回転させることによって、変形可能な構造のラッチ構造が引き込まれて、選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリがカルーセルから解放される、概念14または任意の他の概念の方法。
概念16.調合器システムのポンプ駆動機構のバヨネットを、選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリの開口と位置整合させるためにカルーセルを回転させるステップをさらに含む、概念13または任意の他の概念の方法。
概念17.再構成された薬物を、選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリのポンプカートリッジ内の少なくとも1つの制御可能な流体経路を介して、また、選択されたカートリッジ・バックパックアセンブリのバックパックを通してポンプカートリッジから延伸するチューブを介して受容器へと圧送するステップ
をさらに含む、概念16または任意の他の概念の方法。
概念18.調合器システムであって、
ポンプヘッドアセンブリを有するポンプ駆動機構であり、ポンプヘッドアセンブリは、ポンプヘッドアセンブリから延伸するバヨネットを有する、ポンプ駆動機構と、
ポンプカートリッジおよびバックパックを有するカートリッジ・バックパックアセンブリと
を備え、
カートリッジ・バックパックアセンブリは、ポンプカートリッジを通ってバックパック内に延伸する開口を含み、
バヨネットは、開口内に延伸し、開口内で回転してカルーセルからカートリッジ・バックパックアセンブリを取り出すように構成されており、
バックパックは、ポンプカートリッジに流体結合されたチューブのためのチューブ管理システムとして構成されている、調合器システム。
概念19.チューブをさらに備え、チューブは、ポンプカートリッジからバックパックを通って延伸し、ポンプ駆動機構は、ポンプカートリッジ内の制御可能な流体経路を通じて、および、チューブを通じて受容器へと流体を圧送するように、ポンプカートリッジの複数のバルブおよび少なくとも1つのピストンを操作するように構成されている、概念18または任意の他の概念の調合器システム。
概念20.ディスプレイと、
ディスプレイを使用して、(a)バックパック内の追加の開口からチューブに連結されたコネクタを取り外し、(b)バックパックからチューブを引き、(c)コネクタを受容器に接続するための指示を提供するように構成されている処理回路と
をさらに備える、概念19または任意の他の概念の調合器システム。
概念21.コネクタがバックパック内の追加の開口内に配置されているか否かを決定するように構成されたセンサをさらに備える、概念20または任意の他の概念の調合器システム。
【0070】
本開示は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実践することを可能にするために提供される。本開示は、本発明の主題の技術の様々な例を提供するものであり、本発明の主題の技術はこれらの例に限定されない。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、他の態様にも適用され得る。
【0071】
本明細書に記載された主題の1つまたは複数の態様または特徴は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせにおいて実現することができる。例えば、本明細書に開示された注入ポンプシステムは、1つまたは複数のプロセッサが埋め込まれているかまたは結合されている電子システムを含むことができる。そのような電子システムは、様々なタイプのコンピュータ可読媒体および様々な他のタイプのコンピュータ可読媒体のためのインターフェースを含むことができる。電子システムは、例えば、バス、処理装置(複数可)、システムメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、永久記憶装置、入力装置インターフェース、出力装置インターフェース、およびネットワークインターフェースを含むことができる。
【0072】
バスは、注入ポンプシステムの電子システムの多数の内部装置を通信可能に接続するすべてのシステムバス、周辺バスおよびチップセットバスを集合的に表すことができる。例えば、バスは、処理装置(複数可)をROM、システムメモリ、および永久記憶装置と通信可能に接続することができる。これらの様々なメモリユニットから、処理装置(複数可)は、様々なプロセスを実行するために、実行するための指示および処理するためのデータを取り出すことができる。処理装置(複数可)は、種々の実施態様において単一のプロセッサまたはマルチコアプロセッサであってもよい。
【0073】
単数形における要素への言及は、具体的に述べられていない限り「1つだけ」を意味するものではなく、むしろ「1つまたは複数」を意味する。特記しない限り、「いくつか」という用語は1つまたは複数を指す。男性系(例えば、彼の)の代名詞には、女性および中性の性別(例えば、彼女のおよびその)が含まれ、逆も成り立つ。見出しおよび小見出しは、存在する場合、便宜的にのみ使用され、本発明を限定するものではない。
【0074】
「例示的」という言葉は、本明細書においては「例または実例としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的」と記載されている任意の態様または設計は、必ずしも他の態様または設計に対して好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。一態様では、本明細書に記載される様々な代替の構成および動作は、少なくとも同等であると考えられ得る。
【0075】
本明細書で使用されるように、一連の項目に先行する「少なくとも1つの」という語句は、項目のいずれかを分離する「または」という用語を用いて、リストの各項目ではなく、リスト全体を修飾する。「少なくとも1つの」という語句は、少なくとも1つの項目の選択を必要としない。むしろ、この語句は、項目のいずれか1つ、および/または項目の任意の組み合わせの少なくとも1つ、および/または項目の各々の少なくとも1つ、のうちの少なくとも1つを含む意味を可能にする。例として、語句「A、B、またはCの少なくとも1つ」は、Aのみ、Bのみ、もしくはCのみ、またはA、B、およびCの任意の組み合わせを指すことができる。
【0076】
「態様」のような語句は、そのような態様が本発明の主題の技術にとって必須であること、またはそのような態様が本発明の主題の技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。態様に関する開示は、すべての構成または1つもしくは複数の構成に適用され得る。一態様は、1つまたは複数の例を提供することができる。態様などの語句は、1つまたは複数の態様を参照することができ、その逆もあり得る。「実施形態」のような語句は、そのような実施形態が本発明の主題の技術に必須であること、またはそのような実施形態が本発明の主題の技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。一実施形態に関連する開示は、すべての実施形態、または1つもしくは複数の実施形態に適用され得る。一実施形態は、1つまたは複数の例を提供することができる。一実施形態のような語句は、1つまたは複数の実施形態を指すことができ、逆もまた同様である。「構成」のような語句は、そのような構成が本発明の主題の技術にとって必須であること、またはそのような構成が本発明の主題の技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。構成に関する開示は、すべての構成または1つもしくは複数の構成に適用され得る。一構成は、1つまたは複数の例を提供することができる。構成のような語句は、1つまたは複数の構成を参照することができ、逆もまた同様である。
【0077】
1つの態様では、特に明記しない限り、添付の特許請求の範囲を含めて、本明細書に記載されているすべての測定値、値、格付け、位置、大きさ、サイズおよび他の仕様は正確ではなく、近似である。1つの態様において、それらは、それらが関連する機能およびそれらが関連する技術分野において慣習的であるものと一致する合理的な範囲を有することが意図される。
【0078】
開示されているプロセスまたは方法におけるステップまたは動作の特定の順序または階層は、例示的な手法の例示であることが理解される。実施態様の選好またはシナリオに基づいて、ステップ、動作またはプロセスの特定の順序または階層を再構成することができることが理解される。ステップ、動作またはプロセスのいくつかは、同時に実行されてもよい。いくつかの実施態様の選好またはシナリオでは、特定の動作は実施される場合もあり、または、実施されない場合もある。ステップ、動作、またはプロセスの一部または全部は、ユーザの介入なしに自動的に実行されてもよい。添付の方法の請求項は、サンプル順序における様々なステップ、動作またはプロセスの要素を提示し、提示された特定の順序または階層に限定されるようには意図されていない。
【0079】
当業者に知られているかまたは後に知られる、本開示全体を通じて説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的同等物は、参照により明示的に本明細書に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されることを意図されている。さらに、本明細書に開示されたものは、そのような開示が請求項に明示的に列挙されているか否かにかかわらず、公衆に捧げられるようには意図されていない。特許請求の範囲の要素は、要素が「~するための手段」という語句を用いて明示的に列挙されているか、または方法の請求項の場合は、要素が「~するためのステップ」という語句を使用して列挙されているのでない限り、米国特許法第112条(f)項の規定に基づいて解釈されるべきではない。さらに、用語「含む(include)」、「有する(have)」などが使用される限り、そのような用語は、特許請求の範囲において移行語として利用されるときに解釈されるような、用語「備える(comprise)」と同様の様式で包括的であるように意図されている。
【0080】
本開示の発明の名称、背景技術、概要、図面の簡単な説明、および要約書は、本開示に組み込まれ、限定的な説明ではなく、本開示の例示的な例として提供される。本開示は、それらが特許請求項の範囲または意味を限定するために使用されないことを理解した上で提出される。さらに、詳細な説明では、説明は例示的な例を提供し、様々な特徴は、本開示を合理化する目的で様々な実施形態においてともにグループ化されることが理解され得る。この開示方法は、特許請求されている本発明の主題の技術が、各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈されるべきではない。むしろ、添付の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された構成または動作のすべての特徴よりも少ないものである。添付の特許請求の範囲はこの詳細な説明に組み込まれ、各請求項は別個に特許請求される主題としてそれ自体で独立している。
【0081】
特許請求の範囲は、本明細書に記載される態様に限定されることを意図されておらず、クレーム文言と一致する全範囲が与えられ、すべての法的等価物を包含するものとする。それにもかかわらず、特許請求項のいずれも米国特許法第101条、第102条、または第103条の要件を満たさない主題を包含するようには意図されておらず、そのように解釈されるべきでもない。