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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】自律型の多目的ユティリティビークル
(51)【国際特許分類】
   B60L 53/54 20190101AFI20220628BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220628BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20220628BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20220628BHJP
   B60L 53/66 20190101ALI20220628BHJP
   B60L 50/75 20190101ALI20220628BHJP
【FI】
B60L53/54
H02J7/00 P
B60L53/12
B60L53/14
B60L53/66
B60L50/75
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021523408
(86)(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 IB2018001416
(87)【国際公開番号】W WO2020089668
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】511312997
【氏名又は名称】トヨタ モーター ヨーロッパ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100120499
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 淳
(72)【発明者】
【氏名】大森 慎介
(72)【発明者】
【氏名】岡町 和晃
(72)【発明者】
【氏名】パトリック シェーレン
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0210479(US,A1)
【文献】特開2002-373230(JP,A)
【文献】特開2016-223531(JP,A)
【文献】特開2017-159804(JP,A)
【文献】米国特許第9592742(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0174092(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0074523(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
H02J 7/00
G06Q 50/00 - 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者を伴わない専用の補給車両(DDRV)であって、
水素ガスを電気エネルギーに変換する燃料電池発電機と、
1つ又は複数の第1水素ストレージコンテナを有し、前記第1水素ストレージコンテナの水素を補給動作に割り当てるように構成され、前記補給動作は前記燃料電池発電機による電気自動車のバッテリーへの供給のための電気エネルギーへの変換を含む、第1エネルギーストレージ装置と、
前記DDRVの既定の半径内の1つ又は複数の車両とコマンドセンタのうちの少なくとも1つからデータを受け取るように構成されたレシーバと、
エネルギーを前記第1エネルギーストレージ装置から前記1つ又は複数の車両のエネルギー供給源に転送するように構成されたパワー転送手段と、を有し、
前記運転者を伴わない専用の補給車両(DDRV)は、前記補給動作が前記運転者を伴わない専用の補給車両(DDRV)による燃料電池電気自動車への水素の供給を含むことを特徴とし、
前記運転者を伴わない専用の補給車両(DDRV)は、
1つ又は複数の第2水素ストレージコンテナを有し、前記第2水素ストレージコンテナの水素を前記運転者を伴わない専用の補給車両(DDRV)の動作に割り当てるように構成された第2エネルギーエネルギーストレージ装置と、
前記第1エネルギーストレージ装置に対する水素の再充填を可能にするように構成されたパワー受取り手段と、
前記受け取られたデータの少なくとも一部に基づいて前記運転者を伴わない専用の補給車両(DDRV)を補給場所までガイドするように構成されたナビゲーション制御手段と、
を更に有する、運転者を伴わない専用の補給車両。
【請求項2】
前記パワー転送手段は、前記燃料電池発電機によって生成された電気エネルギーを接触型充電器及び非接触型充電器のうちの少なくとも1つを介して前記1つ又は複数の車両に提供するように構成されている、請求項1に記載の運転者を伴わない専用の補給車両。
【請求項3】
前記非接触型充電器は、誘導充電装置を有する、請求項2に記載の運転者を伴わない専用の補給車両。
【請求項4】
前記パワー転送手段は、前記DDRVから前記1つ又は複数の車両への水素の転送を可能にするべく、前記1つ又は複数の車両上の受取りコネクタとリンクするように構成されたコネタクを有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の運転者を伴わない専用の補給車両。
【請求項5】
前記1つ又は複数の車両からの前記データは、利用可能な潜在的エネルギー、場所、移動の方向、及び移動速度のうちの少なくとも1つを通知している、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の運転者を伴わない専用の補給車両。
【請求項6】
前記DDRVは、前記1つ又は複数の車両のエネルギーレベルに基づいて、ターゲット車両として、前記1つ又は複数の車両の少なくとも1つを選択し、且つ、前記ターゲット車両まで自律的にナビゲートするように、構成されている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の運転者を伴わない専用の補給車両。
【請求項7】
前記DDRVの位置及び/又は周囲に関するリアルタイムデータを送信するように構成されたトランスミッタを有し、前記コマンドセンタのデータは、前記DDRVを前記補給場所までナビゲートするように構成された遠隔制御命令を含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の運転者を伴わない専用の補給車両。
【請求項8】
情報を前記DDRVを取り囲んでいるエリアに提供するように構成された表示手段を有し、前記情報は、好ましくは、道路状態の警告、天候の更新、現時点の充電の利用可能性、及び広告のうちの少なくとも1つを有する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の運転者を伴わない専用の補給車両。
【請求項9】
前記取り囲んでいる雰囲気中の空中微粒子を低減するように構成されたフィルタを有する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の運転者を伴わない専用の補給車両。
【請求項10】
前記DDRVを取り囲んでいるゾーン内においてインターネットに対するWi-Fiアクセスを提供するように構成されたWi-Fiリピータを有する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の運転者を伴わない専用の補給車両。
【請求項11】
前記DDRVは、車線の間において、運動を許容するように、好ましくは、幅が約500mm~700mmであり、且つ、長さが1500mm~2500mmとなるように、サイズ設定されている、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の運転者を伴わない専用の補給車両。
【請求項12】
前記DDRVを取り囲んでいるリアルタイム画像をキャプチャするように構成された画像キャプチャ手段を有する、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の運転者を伴わない専用の補給車両。
【請求項13】
前記DDRVが建物内の施設に電力を提供しうるように、前記建物の電気入力とインターフェイスで接続するように構成されたコネクタを有する、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の運転者を伴わない専用の補給車両。
【請求項14】
その10~30キロワットが、好ましくは、前記DDRVを動作させるべく使用されている、100~300キロワットのパワー出力を有する、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の運転者を伴わない専用の補給車両。
【請求項15】
前記DDRVは、前記DDRVのパワーソースレベルが閾値未満であるという判定の際にベース補給ステーションに自動的に戻るように構成されており、前記戻りのステップは、好ましくは、既知のベース補給ステーションの既定のマップに基づいて前記DDRVの自律的な運動を介して実行されている、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の運転者を伴わない専用の補給車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動車両に関する。更に詳しくは、本開示は、例えば、充電/パワー補給などの、走行継続のためのサービス(on-the-go service)を電動車両に提供するように構成された自動化されたユティリティビークルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電池によってパワー供給されている、燃料電池によってパワー供給されている、などのような、電気自動車は、排出物の低減及び稼働費用の低減を含む、多くの要因に起因して、益々一般的になっている。
【0003】
炭化水素に基づいた燃料で走行している車両と同様に、電気自動車も、例えば、電池の再充電、水素又はその他のガスの再供給、など、のような、パワー提供源の補給を必要としている。このような電気自動車におけるパワー供給は、車両が移動しうる範囲を規定し、且つ、この範囲は、現在までのところ、相対的に限られており、この結果、自身の目的地及び/又は補給ステーション(例えば、充電ステーション)まで到達する前に、自身が動力を喪失しうる、と恐れる運転者において、「走行距離不安症(range anxiety)」と呼称される不快さをもたらしている。このような感覚などの懸念は、運転者にとって、電気自動車の採用に対する障害となりうる。
【0004】
特許文献1は、車両の電源に対する沿道充電器システムと、(例えば、沿道充電器から得られた)余分な電力を有する車両が、電力不足状態の車両に供給しうる車両間電力供給システムと、を開示している。
【0005】
特許文献2は、車両を充電するためのペロトンナビゲーション技法と、充電対象の車両と、を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-210843号公報
【文献】米国特許第10108202号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、電気自動車の使用の増大が将来において継続した場合に、利用可能な充電器の数が、充電/補給のニーズの増大に追随することができないことを認識した。充電器を追加するための新しいインフラストラクチャには、大きな時間を所要し、これは、費用の増大をもたらす。この課題は、電気自動車の採用を更に妨げうる。
【0008】
これに加えて、特許文献1において記述されているように、電源が複数の車両の間において共有されている際にも、それぞれの車両は、充電を目的として動作してはおらず、運転者の目的(ショッピング、レジャー、など)に従って動作している。これを理由として、このような車両は、十分な充電機能/機会を提示することができず、且つ、固定されたタイプのステーションが必要となろう。この場合にも、この問題は、電気自動車の採用に対する可能な障害をもたしうる。
【0009】
その動作の際に、電動車両用の充電機会を改善する、機動性のある、再充電可能な、且つ、自給型の、充電器を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の実施形態によれば、上述のニーズを充足するべく、運転者を伴わない専用の補給車両(DDRV:Driverless Dedicasted Replenishment Vehicle)が提供されている。DDRVは、水素ガスを電気エネルギーに変換する燃料電池発電機と、燃料電池発電機による電気エネルギーへの変換のために水素を保存するように構成された第1エネルギーストレージ装置と、DDRVの既定の半径内の1つ又は複数の車両及びコマンドセンタのうちの少なくとも1つからデータを受け取るように構成されたレシーバと、エネルギーストレージ装置への水素の再充填を少なくとも可能にするように構成されたパワー受取り手段と、第1エネルギーストレージ装置から1つ又は複数の車両のエネルギー供給源にエネルギーを転送するように構成されたパワー転送手段と、受け取られたデータの少なくとも一部に基づいてDDRVを補給場所までガイドするように構成されたナビゲーション制御手段と、を含む。
【0011】
このような車両を提供することにより、車両が移動中である間に、複数の車両のエネルギー供給源に補給することが可能となる。これに加えて、自律型/遠隔制御された車両の特性に起因して、交通パターン及び電気自動車の使用法に基づいて、判定された関心の場所において、多数のこのような車両を配備し且つ維持することができる。例えば、電気自動車の大きな採用率を有する都市においては、相対的に多数のDDRVを配備することができる。
【0012】
DDRVは、第2エネルギーストレージ装置を含むことができる。
【0013】
第2エネルギーストレージ装置は、1つ又は複数の電池を含むことができる。
【0014】
第2エネルギーストレージ装置は、第2水素ストレージコンテナを含むことができる。
【0015】
パワー転送手段は、燃料電池発電機によって生成された電気エネルギーを接触型充電器及び非接触型充電器のうちの少なくとも1つを介して1つ又は複数の車両に提供するように構成することができる。
【0016】
非接触型充電器は、誘導充電装置を含むことができる。
【0017】
パワー転送手段は、DDRVから1つ又は複数の車両への水素の転送を可能にするべく1つ又は複数の車両上の受取りコネクタと結合するように構成されたコネクタを含むことができる。
【0018】
燃料電池によって生成された電力の一部分は、DDRVの動作のために使用することができる。
【0019】
1つ又は複数の車両からのデータは、利用可能な潜在的エネルギー、場所、移動の方向、及び移動速度のうちの少なくとも1つを通知することができる。
【0020】
DDRVは、1つ又は複数の車両のエネルギーレベルに基づいてターゲット車両として1つ又は複数の車両のうちの少なくとも1つを選択するように、且つ、ターゲット車両まで自律的にナビゲートするように、構成することができる。
【0021】
DDRVは、DDRVの位置及び/又は周囲に関するリアルタイムデータを送信するように構成されたトランスミッタを含んでいてもよく、この場合に、コマンドセンタデータは、DDRVを補給場所までナビゲートするように構成された遠隔制御命令を含むことができる。
【0022】
DDRVは、情報をDDRVを取り囲んでいるエリアに提供するように構成された表示手段を含んでいてもよく、この場合に、情報は、好ましくは、道路状態の警告、天候の更新、現時点の充電の利用可能性、及び広告のうちの少なくとも1つを有する。
【0023】
DDRVは、周囲の雰囲気中の空中の微粒子を低減するように構成されたフィルタを含むことができる。
【0024】
DDRVは、DDRVを取り囲んでいるゾーン内においてインターネットに対するWi-Fiアクセスを提供するように構成されたWi-Fiリピータを含むことができる。
【0025】
DDRVは、車線の間の運動を許容するように、好ましくは、約500mm~700mmの幅と、1500mm~2500mmの長さと、を有するように、サイズ設定することができる。
【0026】
DDRVは、DDRVを取り囲んでいるリアルタイム画像をキャプチャするように構成された画像キャプチャ手段を含むことができる。
【0027】
DDRVは、DDRVが、建物内の設備に電力を提供しうるように、建物の電気入力とインターフェイスするように構成されたコネクタを含むことができる。
【0028】
DDRVは、そのうちの10~30キロワットが、好ましくは、DDRVを動作させるべく使用されうる、100~300キロワットのパワー出力を有することができる。
【0029】
DDRVは、DDRVのパワーソースレベルが閾値未満であるという判定の際に、ベース補給ステーションに自動的に戻るように構成することができる。この戻りのステップは、既知のベース補給ステーションの既定のマップに基づいてDDRVの自律型運転を介して実行することができる。
【0030】
本開示の更なる実施形態によれば、パワー補給サービスを上述のDDRVを介して少なくとも1つの電気自動車に提供する方法が提供されている。方法は、充電の状態及び場所の情報を1つ又は複数の車両から受け取るステップと、充電状態の情報及び場所の情報に基づいて、1つ又は複数の車両からターゲット車両を判定するステップと、ターゲット車両までナビゲートするステップと、パワー補給手段を介してターゲット車両のパワーストレージ装置に補給するステップと、を含む。
【0031】
矛盾している場合を除いて、上述の要素及び本明細書において含まれているものの組合せが実施されうるものと解釈されたい。
【0032】
以上の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、そのいずれもが、例示及び説明を目的としたものに過ぎず、且つ、特許請求されている本開示を限定するものではない、ことを理解されたい。
【0033】
本明細書に内蔵されている、且つ、その一部分を構成している、添付図面は、本開示の実施形態を示しており、且つ、説明と共に、その原理を説明するべく機能している。
【0034】
同一の参照符号が以下の図において同一の要素を参照している、且つ、以下のものからなる、添付図面を参照することにより、本発明について更に十分に理解することができると共に、その多数のその他の目的及び利点が、当業者に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】電気自動車へのパワーの供給源に補給する動作の最中にある、運転者を伴わない専用の補給車両DDRVの例示用の図である。
図2A】本開示の実施形態による例示用のDDRVの第1斜視図である。
図2B図2Aの例示用のDDRVの第2斜視図である。
図3A】本開示の実施形態による例示用のDDRVの第1平面図である。
図3B図3Aの例示用のDDRVの第2平面図である。
図4】本開示の実施形態による例示用のDDRVの概略図である。
図5】本開示の実施形態による、DDRVを動作させる例示用の方法のフローチャートである。
図6】本開示の実施形態によるDDRVが、その内部において、動作するように構成されうる、既定の半径の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示の実施形態は、電気自動車2の移動の際に電気自動車2のパワー供給源(例えば、電気エネルギー、水素ガス、など)に補給するように構成されているものと解釈されたい。
【0037】
図1は、動作中の、結合された、且つ、電気自動車2に対するパワーの供給源に補給する、運転者を伴わない専用の補給車両(DDRV)1の例示用の図である。
【0038】
「電気自動車」、「電動車両」、など、のような用語は、このような電気が生成/提供される方式とは無関係に、主な動力源として電気を有する車両を意味するものとして解釈されたい。例えば、ハイブリッド車、プラグイン-ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車、などは、いずれも、「電気自動車」、「電動車両」、など、の用語の範囲に含まれるものと見なされている。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、電気自動車2は、燃料電池が、例えば、水素ガスによってパワー供給されている、燃料電池車を含むことができる。このようなケースにおいて、電気自動車2は、例えば、液体水素として、圧縮された水素ガスを保存するように構成された水素ガスストレージコンテナ(図示されてはいない)を含んでいてもよく、且つ、この水素は、既知の反応を介した電気の生成のために燃料電池に提供されている。
【0040】
或いは、この代わりに、又はこれに加えて、電気自動車2は、電気エネルギーを保存するように、且つ、このような電気エネルギーを、例えば、モーター発電機、制御ユニット、など、のような、電気自動車2の1つ又は複数のコンポーネントに提供するように、構成された1つ又は複数の電池(図示されてはいない)を含むことができる。
【0041】
電気自動車2は、例えば、人間、貨物、メッセージ、及びこれらに類似したものを搬送するための任意の適切な電気自動車2であってよく、且つ、操作者によって運転されている場合もあり、自律型である場合もあり、或いは、任意選択により、自律型である場合もある。
【0042】
電気自動車2は、例えば、有線接続、無線接続(例えば、誘導充電器)、流体供給フィッティング(例えば、水素供給ライン)、など、を介して、DDRV1からパワー供給源の補給を受け取るように構成することができる。当業者は、このような接続は、電気自動車2上の任意の場所において存在しうると共に、いくつかの実施形態においては、電気自動車2の後部部分が、このような接続の配置に好ましいことを理解するであろう。
【0043】
これに加えて、例えば、誘導充電器タイプの無線接続の実装が必要とされる場合には、電気自動車2は、DDRV1の送信誘導コイル10から電気的な充電を受けるように構成された誘導コイルを含むことができる。
【0044】
当業者は、電気自動車2のその他の一般的な特性については、当技術分野において既知であり、且つ、その更なる説明は、本明細書において省略されることになることを認識するであろう。
【0045】
図1は、本開示の実施形態による例示用のDDRV1と調節可能に結合された電気自動車2の例示用の構成を示している。本明細書においては、「結合された(linked)」という用語が使用されているが、これは、2つの車両の物理的な結合/接続として解釈されてはならない。このような結合は、電気自動車2とDDRV1の間の物理的結合/接続を示しうるが、このような結合は、又、例えば、誘導充電を許容する誘導結合などの、エネルギーの転送を可能にする、任意の結合をも含みうる。
【0046】
図2A及び図2Bのみならず、図3A及び図3Bも、本開示の実施形態による例示用のDDRV1の様々な図である。これらの図については、本開示の実施形態による例示用のDDRV1を概略的に表している図4との関連において説明することとする。
【0047】
DDRV1は、自律的に運転及びナビゲートするべく構成されていてもよく、且つ/又は、制御センタ(図示されてはいない)から遠隔制御されていてもよく、この場合に、離れた運転者は、例えば、DDRV1から中継された視覚的入力(例えば、カメラ406)及び制御センタへのセンサ情報(例えば、センサ410)、並びに、制御センタ内のコントローラからDDRV1に返送される命令を使用することにより、DDRV1と関連する運転機能を実行することができる。
【0048】
DDRV1は、DDRV1の近傍の1つ又は複数の電気自動車2のみならず、更なるアクセサリ425にエネルギー補給サービスを提供するように、システム及び機器を有するように更に構成することができる。更なるアクセサリ425については、更に詳細に後述することとする。
【0049】
DDRV1は、DDRVを望ましい範囲内において運動及び動作させるべく動力を提供する、モーター発電機420のうちの1つ又は複数に結合された1つ又は複数の車輪を有することができる。例えば、単一のモーター発電機420は、図示されてはいないトランスミッションを介して、4つの車輪を駆動することができる。当業者は、DDRV1には、車輪以外に、例えば、離れた建物にパワー供給する際などの、オフロード状態において動作する際に有用でありうる、例えば、トレッドなどの、更なる牽引手段が提供されうることを認識することになろう。
【0050】
DDRV1は、その他のものに加えて、電気制御ユニット(ECU)400、1つ又は複数のセンサ410、1つ又は複数の画像取得手段406、1つ又は複数のアクチュエータ415、及び1つ又は複数のエネルギー転送手段10を更に含むことができる。
【0051】
ECU400は、その他のものに加えて、1つ又は複数のセンサ410、画像取得手段406、及びレシーバ/トランシーバ404からの情報のみならず、電池430の充電状態及びストレージコンテナ440内において保存されている水素ガスのレベルに関係する情報を受け取るように構成することができる。
【0052】
レシーバ/トランシーバ404は、その他のものに加えて、例えば、3G、4G、5Gネットワーク、或いは、場合によっては、Wi-Fiネットワーク上における無線データサービスなどの、無線サービスを介して情報(例えば、コマンド、データ、など)を受け取るように、且つ、このような情報をECU400に提供するように、構成することができる。
【0053】
情報を受け取ることに加えて、レシーバ/トランシーバ404は、例えば、ベースステーション、コマンドセンタ、及び/又はDDRV1の近傍の1つ又は複数の電気自動車に情報を送信するように構成することもできる。このような情報の転送は、例えば、補給動作及び/又はDDRV1のリモート制御ナビゲーションに関する電気自動車2とDDRV1の間の調整を可能にすることができる。
【0054】
ECU400は、DDRV1の動作を監視及び制御するように構成された1つ又は複数のプロセッサを有することができる。例えば、ECU400は、様々なアナログ及び/又はデジタル回路を含むことができると共に、RISCプロセッサ、i386プロセッサ、ASICプロセッサ、など、のような集積回路を含むことができる。通常、最近の車両内のオンボードコンピュータ(即ち、本出願の出願日付の時点において利用可能であるもの)は、このようなプロセッサを含んでおり、且つ、当業者は、このECU400が、このようなオンボードコンピュータによって構成されうる、或いは、別個に提供されうる、或いは、場合によっては、複数のオンボードコンピュータによって構成されうる、ことを理解するであろう。又、当業者は、本明細書において記述されている、例示用の回路及びプロセッサは、限定を意図したものではなく、且つ、例えば、アナログ回路などの、任意の適切な装置も実装されうることを理解するであろう。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、DDRV1は、自律型の運転のために、且つ、判定された補給場所において交通を通じて自律的にナビゲートするように、構成されていてもよく、例えば、この場合に、電気自動車2の場所は、低い充電状態(SOC)及び/又は低い水素レベルを有する。従って、DDRV1は、ECU400内において、或いは、ECU400とは別個に、ナビゲーションコントローラを含んでいてもよく、これは、その他のものに加えて、センサ410、カメラ406、GPS(図示されてはいない)から受け取られた情報に基づいて、操舵メカニズム、制動メカニズム、加速メカニズム、などの作動を実現するべく、アクチュエータリンク415へのコマンドの発行などの、運転動作を実行するように構成することができる。例えば、センサ410は、DDRV1の速度及び方向を監視していてもよく、カメラ406は、例えば、歩行者、その他の車両、道路障害物、など、のような、障害物についてDDRV1の周囲を監視することができる。センサ410及びカメラ406は、ECU400が、例えば、その他の動作に加えて、DDRV1と関連する1つ又は複数の車輪にパワーを提供するモーター発電機420の駆動、回転、制動、加速、及び回避操作などの、DDRV1の機能の作動を実現するべく、コマンドをアクチュエータバンク415に発行しうるように、この情報をECU400に提供することができる。
【0056】
当業者は、自律型の運転機能は、現在、当技術分野において既知であることを理解するであろう。
【0057】
様々な自動車製造者は、現在、車両の自律型運転を可能にするナビゲーションコントローラを有している。任意のこのようなナビゲーションコントローラ、自律型運転コントローラ、など、は、本開示の範囲に含まれるものと解釈されたい。
【0058】
或いは、この代わりに、又はこれに加えて、ECU400は、レシーバ/トランシーバ404を介してコマンドを受け取るように構成されていてもよく、これらのコマンドは、コマンドセンタ(図示されてはいない)内に位置する遠隔操作者から発行されうる運転コマンドを含む。例えば、制御センタ内においては、ディスプレイが遠隔操作者のために提供されていてもよく、ディスプレイは、センサ410から受け取られた、DDRV1の、その他のものに加えて、例えば、速度情報、方向情報、加速情報、場所情報のみならず、その他のものに加えて、カメラ406から受け取られた周囲情報をも通知している。
【0059】
これに加えて、例えば、ジョイスティック、ハンドル、ペダルセット、及び標準的な車両内において一般的に見出されるその他のコントロールなどのコントローラメカニズムを遠隔配置された制御センタ内においてディスプレイを観察するように配置されている遠隔操作者に提供することができる。
【0060】
制御センタ内においてこのようなディスプレイ上において表示される情報に基づいて、遠隔操作者は、交通領域内の望ましいエリア内において、或いは、例えば、別個の遠隔領域内においてオフロード状態において、動作するように、DDRV1を遠隔制御するべく、コントローラメカニズムを介してコマンドを発行することができる。
【0061】
自律型運転機能及びリモート制御機能の両方がDDRV1について可能になっている、いくつかの実施形態によれば、DDRV1のハイブリッド動作が可能でありうる。例えば、DDRV1は、判定された補給場所まで自律的にナビゲート及び移動することが、且つ、その後に、判定された補給場所に到着した際に遠隔操作者がDDRV1を電気モーター2の補給動作のための位置にナビゲートしうるように、制御を実行するべく遠隔操作者に通知することが、可能になっていてもよい。
【0062】
或いは、この代わりに、DDRV1は、判定された補給場所に到達するように、遠隔操作者により、遠隔制御動作を介してナビゲートすることもできると共に、その後に、補給動作を実行するべく電気自動車2と結合する前に、或いは、その最中に、補給動作の完了の時点までに、自律型動作にスイッチオーバーすることもできる。いくつかの実施形態によれば、補給動作の完了に後続して、DDRV1は、自律型の動作下において継続してもよく、或いは、例えば、遠隔操作者により、適宜、遠隔制御を再開することもできる。
【0063】
DDRV1は、ナビゲーションの際に車両及び/又は車線の間における通過を可能にするようにサイズ設定することができると共に、このようなサイズ設定は、エネルギーソースの数及びDDRV1に搭載状態において保存されているエネルギーの量に更に依存しうる。例えば、DDRV1は、水素ストレージタンク440、1つ又は複数の燃料電池435、及び/又は1つ又は複数の電池430を含むことができる。例えば、エネルギーストレージ装置のそれぞれ内において保存されているエネルギーの量及びDDRV1の望ましいエネルギー出力に応じて、望ましいコンポーネントにマッチングするように、DDRV1のサイズを適合させることができる。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、DDRV1は、例えば、約500ミリメートル~700ミリメートルの幅と、1500ミリメートル~2500ミリメートルの長さと、を有していてもよく、この場合に、高さは、約800ミリメートル~1400ミリメートルである。例えば、本開示のいくつかの実施形態によれば、DDRV1は、2100ミリメートルの長さと、660ミリメートルの幅と、1080ミリメートルの高さと、を有することができる。
【0065】
DDRV1は、例えば、1つ又は複数の水素ストレージコンテナ440に対応する、第1エネルギーストレージ装置を含むことができると共に、例えば、1つ又は複数の電池430に対応する、第2ストレージ装置をも含むことができる。
【0066】
電池430は、例えば、リチウムイオン電池、鉛硫黄電池、又は当技術分野において既知の任意のその他の適切な電池構成を有することができる。いくつかの実施形態によれば、電池430は、100~300キロワットのパワー出力を有していてもよく、この場合に、例えば、10~30キロワットは、DDRV1を動作させるべく利用可能である。例えば、60~100kWhの容量を有する1つ又は複数のリチウムイオン電池を提供することができる。
【0067】
水素ストレージコンテナ440は、適宜、水素をガス又は液体として保存するように構成されていてもよく、この場合に、このような水素の少なくとも一部分は、DDRV1に搭載状態において電気エネルギーに変換されている。
【0068】
いくつかの実施形態によれば、カーボンファイバ水素ストレージ解決策のToyotaのMiraiシステムにおいて見出されるものなどの、水素コンテナを提供することができる。水素ストレージコンテナ440は、クラッシュの際にも安全性を保証するべく、インテリジェントな監視システムを特徴としうる。これに加えて、コンテナ440は、改善されたショック抵抗力をも可能にする、様々な透過性、剛性、及びインパクト抵抗力を有する3つ以上の層を含むこともできる。
【0069】
いくつかの実施形態によれば、水素コンテナ440は、水素ガス、極低温水素、或いは、場合によっては、水素が豊富な液体の水素スラリを保存するように構成することができる。
【0070】
第1及び/又は第2エネルギーストレージ装置が水素ストレージコンテナ440に対応している場合には、水素ストレージコンテナ440内において保存されている水素の一部分をDDRV1と関連するその他のシステム(例えば、ECU400、アクチュエータ415、アクセサリ425、など)に加えてモーター発電機420を駆動するべく使用される電気エネルギーに変換することを目的として、燃料電池435がDDRV1に備えられていてよい。
【0071】
燃料電池435は、例えば、電気自動車2上に存在している電池を再充電するべく、例えば補給制御装置445を介して補給動作を目的として電気エネルギーを生成するように更に構成することができる。当業者は、燃料電池435は、後述するように、任意の数の外部装置に電気を提供するべく利用されうることを認識することになろう。
【0072】
いくつかの実施形態によれば、第1エネルギーストレージ装置及び第2エネルギーストレージ装置は、いずれも、水素ストレージコンテナ440を有することができる。このような実施形態において、第1エネルギーストレージ装置と関連する水素は、補給動作(例えば、電気自動車2の電池に提供するための燃料電池を介した電気エネルギーの生成)のために専用であってよい一方で、第2エネルギーストレージ装置の水素は、DDRV1の動作(例えば、モーター発電機420の稼働)に専用であってよい。
【0073】
更には、水素ストレージコンテナを有する第1及び第2エネルギーストレージ装置は、いずれも、保存されている水素を望ましい目的のために割り当てうることが可能であってよい。例えば、第1エネルギーストレージ装置の水素が枯渇したが、電気自動車2が緊急事態充電を必要としていると識別された場合に、電気自動車2に提供するべく、第2エネルギーストレージ装置からの水素を燃料電池435による電力の生成のために利用することができる。
【0074】
DDRV1は、DDRV1と、例えば、電気自動車2又はベース充電ステーション(図示されてはいない)などの、外部ターゲットの間においてエネルギーを受け取り、且つ、転送するように構成された補給コントロール445を含むことができる。従って、補給制御装置445は、非接触又は接触方式により、パワーを受け取るべく且つ/又は送信するための1つ又は複数のコネクタのみならず、DDRV1と電気自動車2又はベース充電ステーションの間のエネルギーのフローを制御するための1つ又は複数の弁及び/又はスイッチを含むことができる。
【0075】
或いは、この代わりに、又はこれに加えて、補給制御装置445は、直接的な結合(即ち、接触)を介して、1つ又は複数の電池430及び/又は水素ストレージコンテナ440の補給のために、電力及び/又は水素燃料を受け取るように構成された1つ又は複数のコネクタを含むこともできる。当業者は、補給制御装置445は、図4においては、ブロックとして概略的に表されているが、非接触又は接触方式で、DDRV1をエネルギーの送信のために外部装置と結合するべく望ましい任意の数のコネクタを含むことができる、ことを認識することになろう。任意のその他のコネクタが、本開示の範囲内に含まれるものと解釈されたい。
【0076】
当技術分野において既知である非接触型の充電器(例えば、誘導タイプ充電器)の詳しい説明は、本明細書においては省略することとする。同様に、電気及び液体/ガス接続の両方である、接触型の接続も、既知であり、従って、その詳しい説明は、省略することとする。
【0077】
上述のように、補給制御装置445に結合された1つ又は複数のコネクタは、調節可能であってよく、且つ、DDRV1のパワー供給源に補給するためのパワーを受け取るように、のみならず、パワーを電気自動車2に分散/送信するように、構成することができる。
【0078】
従って、補給制御装置445は、その他のものに加えて、電池430、燃料電池435、及び水素ストレージコンテナ440の間において、エネルギーフローの方向を制御するように構成することができる。例えば、DDRV1が、電気自動車2を再充電するべく意図されている際に、補給制御装置445は、パワーが燃料電池435及び/又は電池430から補給制御装置445を通じて、例えば、誘導充電器トランスミッタ10に送信されることようにし、これにより、電気自動車2の誘導充電器レシーバを介したDDRV1との間の誘導充電のために現在アライメントされている電気自動車2を非接触方式で充電することができる。
【0079】
更には、補給制御装置445は、DDRV1上において設置された、且つ、例えば、外部ソース(例えば、ベース充電ステーション)及びDDRV1から電力を受け取るように構成された、誘導タイプの充電器レシーバ10を含んでいてもよく、この場合には、スイッチが、1つ又は複数の電池430へのエネルギーの転送を可能にし、これにより、DDRV1のエネルギー供給源の補給を可能にしている。
【0080】
いくつかの実施形態によれば、例えば、燃料電池電気自動車2が、補給されるべく意図されている場合に、補給制御装置445は、水素の流れが、1つ又は複数のコネクタを介して、水素ストレージコンテナ440から外に、且つ、電気燃料電池車両2の水素ストレージコンテナ内に、通過するようにすることができる。
【0081】
同様に、補給制御装置445は、水素の流れが、1つ又は複数のコネクタを介して、1つ又は複数の外部ソースから、且つ、水素ストレージコンテナ440内に、通過することを許容し、これにより、DDRV1に搭載状態の水素供給源の補給を許容することができる。
【0082】
当業者は、上述の動作を使用したDDRV1の補給は、本開示の範囲を逸脱することなしに、例えば、ベース充電ステーション、サービスステーション(図示されてはいない)において、或いは、場合によっては、移動中の別のDDRV1により、実行されうることを認識することになろう。
【0083】
DDRV1は、DDRV1に搭載状態の利用可能なエネルギーに関する情報を提供するように構成された1つ又は複数のディスプレイ15を含むことができる。例えば、このような情報は、1つ又は複数の電池430の充電の状態及び/又は1つ又は複数の水素ストレージコンテナ440内に保存されている水素のレベルを含むことができる。これは、充電ステーション、サービスステーション、又はその他の場所におけるサービス技術者又はサービス要員が、DDRV1上において保存されているエネルギーと関連する情報を迅速に繰り返し観察し、且つ、DDRV用の現時点において望ましいものでありうる補給のタイプ及びレベルを判定する、ことを可能にすることができる。
【0084】
又、当然のことながら、DDRVは、必要とされているベースステーションタイプ及び補給のレベルを通知し、これにより、ベースステーションにおける操作者による任意の介入を除去するべく、レシーバ/トランシーバ404を介して情報を送信することもできる。或いは、この代わりに、又はこれに加えて、有線接続により、実行されるべき補給のタイプ及びレベルを通知する信号をDDRV1からベースステーションに送信することもできる。
【0085】
DDRVは、このような補給を実行するべく、ベースステーションとの間の自律的な「ドッキング」を可能にする機能を更に含むことができる。このようなケースにおいて、DDRVは、例えば、ドッキングされる位置まで正確にナビゲートするべく、レシーバ/トランシーバ404を介してベースステーションと通信することができる。
【0086】
いくつかの実施形態によれば、DDRV1は、建物の電気入力とインターフェイスし、これにより、DDRV1が、建物内の施設に電力を提供することを許容するように構成されたコネクタを含むことができる。このようなケースにおいて、建物の場所は、DDRV1がナビゲートされうる補給場所に対応しうる。これは、例えば、停電状況やその他の緊急事態型の状況などの状況において、特に有用でありうる。
【0087】
車両、建物、及びこれらに類似したもの用のエネルギーソースの補給のみならず、DDRV1によって提供される様々なその他のサービスは、サブスクリプション方式(例えば、週ごと、月ごと、年ごと、など)で、ユーザーに提供されてもよく、或いは、必要に応じて、且つ、クレジットカードによる支払を伴って、などの、アドホック方式で、提供することもできる。
【0088】
例えば、サブスクリプション計画が存在しており、且つ、ユーザーが、自動的なエネルギー補給に加入している場合には、このような加入者は、エネルギーが補給されることになる時期/方式について心配する必要がなく、DDRV1は、必要に応じて、通知を伴うことなしに、(例えば、電気自動車2のエネルギーレベルを80パーセント以上において維持するべく)ユーザーの車両に自動的に充電することができる。
【0089】
DDRV1は、インターネットを介してエンティティにより、且つ/又は、例えば、(例えば、3G、4G、5Gなどのような)無線データサービスを介して電気自動車2又は別の補給場所から中継された要求の結果として、更に要求される場合もある。
【0090】
例えば、電気自動車2が移動している最中に、電気自動車2上において存在しているECUは、電気自動車2用のパワーを提供している電池の充電状態が、既定の閾値未満に低減していると判定することができる。電気自動車2の操作者は、電気自動車2の近傍の1つ又は複数のDDRV1によって提供される補給サービスに加入することができる。
【0091】
図6は、本開示の実施形態について説明することを目的として、DDRV1の例示用の動作範囲を示している。これに加えて、図5は、補給用の補給場所の基礎を形成している車両についての、DDRV1による判定に関係する例示用のフローチャートを示している。
【0092】
上述のように、DDRV1は、その内部において、サービスのみならず、その他のサービス(例えば、建物に対する電気の提供、広告、空気のフィルタリング、Wi-Fiホットスポット、など)を電気自動車2に提供しうる、特定の動作半径Rを有することができる。このような半径R内において、様々な電気自動車2、このケースにおいては、EV1~4は、交通を通じて巡回することができる。電気自動車EV1~EV4のうちの1つ又は複数は、その他のものに加えて、例えば、電池内における充電のロー状態又は低い水素レベルに起因して、エネルギーの補給を必要とする場合がある。
【0093】
1つ又は複数の電気自動車EV1~EV4のうちの任意のものは、例えば、コマンドセンタに、信号を、且つ/又は、補給が望ましいことを通知するブロードキャスト信号を、送信することができると共に、更には、将来における電気自動車2の位置の判定を可能にする、例えば、場所のみならず、移動情報(例えば、速度、方向、など)を提供することができる。
【0094】
次いで、DDRV1及び/又はコマンドセンタは、充電に最も適しうる/望ましいものでありうるDDRV1の動作範囲内の電気自動車を判定することができる(ステップ510)。このような判定は、例えば、電気自動車EV1~EV4のそれぞれのものの充電の状態、DDRV1から電気自動車のそれぞれまでの距離、DDRV1からの将来における予測距離、電気自動車によって要求されたエネルギーのタイプ、並びに、DDRV1から入手可能であるエネルギーの関連するレベル、など、に基づいたものであってよい。図6に基づいた例示用の判定は、EV1が、約30パーセントの充電状態を有し、且つ、DDRV1から離れるように移動している、EV2が、約25パーセントの充電の状態を有し、且つ、DDRV1に向かって移動しているが、27パーセントの充電状態を有し、DDRV1に向かって移動しているEV3よりも大きな距離において配置されており、且つ、EV4が、事実上、DDRV1から離れるように移動しており、且つ、DDRV1の動作範囲外に位置している、というように実施することができる。このようなケースにおいて、EV3は、相対的に短い移動距離しか必要としておらず、且つ、EV2に類似した充電状態を有している一方で、EV1は、EV2又はEV3よりも相対的に大きな充電状態を有していることから、EV3が、EV2よりも迅速に到達することができると共に、DDRV1による補給用の相対的に効果的なターゲット車両でありうる、と判定することができる。
【0095】
或いは、この代わりに、このような判定は、要求元の電気自動車2の充電の状態にのみ基づいたものであってもよく、且つ、従って、EV2が、補給用のターゲット車両であると判定することもできる。
【0096】
更には、別の代替肢において、このような判定は、料金及びサブスクリプションに基づいたものであってもよく、これによれば、例えば、EV1は、優先的補給サービスを受け取るべくプレミアムサブスクリプション料金を支払っており、且つ、EV1は、EV2又はEV3よりも大きな充電状態を有しており、且つ、これらの2つの電気自動車のいずれよりも大きな移動距離を必要としているが、EV1が、充電用のターゲット車両となる。
【0097】
当業者は、本開示の範囲から逸脱することなしに、判定用のその他の手段が実装されうることを認識するであろう。例えば、DDRV1上の利用可能なエネルギーのみならず、DDRV1の距離、DDRV1に対するエネルギー供給源に補給するためのベース充電ステーションを考慮することができる。
【0098】
ターゲット車両の判定が実施されたら、或いは、さもなければ、ターゲット補給場所が識別されたら、例えば、EV1(520)に対する補給サービスを実行するべく、DDRV1を補給場所(515)までナビゲートすることができる。
【0099】
いくつかの実施形態によれば、DDRV1は、DDRV1の搭載状態のエネルギーレベルを監視するように構成することができると共に、エネルギーソースレベルが閾値未満であると検出された際に、DDRV1は、補給のためにベースステーションに自律的に戻ることができる。例えば、DDRV1に搭載状態の1つ又は複数の電池430が、例えば、充電状態20パーセント未満に降下した際に、DDRV1は、電池430に対するエネルギーの補給のための最も近接したベースステーションの場所を判定するべく、GPSに基づいたマップを利用することができる。次いで、DDRV1は、このような場所情報を使用することにより、ベースステーションまでナビゲートすることができると共に、電池430に対するエネルギーの供給源に補給することができる。
【0100】
DDRV1は、エネルギーを補給するべく戻る前に、エネルギーレベルと関連する閾値を判定した際に、1つ又は複数のベースステーションまでの距離を考慮するように構成することができる。例えば、DDRV1がベースステーションからの距離を監視しており、且つ、ベースステーションに戻るべく、残りのエネルギーの10パーセントが必要とされると判定した場合に、DDRV1は、ベースステーションに戻ることを開始する前に、残りのエネルギーの閾値を10パーセントだけバッファ処理するように構成することができる。上述の例を継続すれば、閾値が20パーセントである場合には、この値は、補給動作のためにベースステーションに到達するための10パーセントという必要とされるエネルギーを考慮することにより、30パーセントの状態においてバッファ処理することができる。
【0101】
当業者は、以上の内容は、例示を目的としたものに過ぎず、且つ、その他のものに加えて、迅速な充電がベースステーションにおいて利用可能であるかどうか、エリア内の別のDDRV1がDDRV1を充電するべく呼び出されうるかどうか、などの、考慮事項に基づいて、その他の閾値が選択されうることを認識することになろう。
【0102】
いくつかの実施形態によれば、DDRV1のアクセサリ425は、例えば、情報をDDRV1を取り囲んでいるエリアに提供するように構成された1つ又は複数のディスプレイ50(例えば、DDRV1のそれぞれのサイドパネル上のディスプレイ50)を含むことができる。例えば、ディスプレイ50は、ディスプレイ15上において表示されるものと同様に、DDRV1上において利用可能であるエネルギーに関する情報を周囲の交通に提供するべく、使用することができる。
【0103】
これに加えて、DDRV1のディスプレイ50上において表示されてる情報は、例えば、道路状態の警告、天候の更新、及び/又は広告などの、相対的に一般的な特性を有することもできる。例えば、DDRV1は、道路工事が間もなく始まる位置、或いは、事故の場所、にナビゲートすることができると共に、ディスプレイ50上の情報の表示は、道路工事に関する情報(例えば、「道路工事が来週始まります。」)又は事故に関する情報(例えば、「前方事故発生-減速せよ。」)を提供することができる。
【0104】
いくつかの実施形態によれば、DDRV1が交通を繰り返し観察するのに伴って、ディスプレイ50は、例えば、地元のレストランの名前及び場所、予定されているスポーツイベントに関する情報、など、のような、広告を表示することができる。このような広告は、例えば、サブスクリプションに基づいた、或いは、アドホックの、計画において、様々なエンティティによって購入されうる。このような広告から導出された収入は、充電の動作及びDDRV1と関連する動作の助成において有用でありうると共に、運営しているエンティティに対する収入ストリームをも提供することができる。
【0105】
広告は、特に、例えば、ユーザーが、ターゲット型の広告を受け取るべく自身の情報の使用を選択した場合には、例えば、近傍の携帯電話機から導出される情報に基づいてこのようなターゲット型のものとすることができる。これに加えて、広告は、レシーバ/トランシーバ404とベースステーション(例えば、ベースステーション又はその他の離れた場所において配置されている広告サーバー)の間の情報転送を介して、遠隔構成することもできる。
【0106】
いくつかの実施形態によれば、アクセサリ425は、例えば、空中の微粒子を低減するように構成されたフィルタの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、DDRV1が、交通量の多いエリアを巡回するのに伴って、フィルタが起動されてもよく、この場合に、このフィルタは、DDRV1を取り囲んでいる空気中に存在している微粒子及びその他の汚染物質を除去するように構成されている。このようなフィルタは、能動型フィルタ及び/又は受動型フィルタであってよく、且つ、任意の適切な濾過メカニズムを有することができる。
【0107】
いくつかの実施形態によれば、アクセサリ425は、DDRV1を取り囲んでいるゾーン内においてインターネットアクセスをユーザーに提供するように構成された、Wi-Fiリピータ及び/又はWi-Fiアクセスポイントを含むことができる。例えば、DDRV1は、3G、4G、及び/又は5Gを介してインターネットデータアクセスを受け取り、且つ、このデータに対するアクセスをWi-Fi(例えば、2.4ギガヘルツ、5.8ギガヘルツ、など)リンクを介してDDRV1を取り囲んでいるユーザーに提供する、ように構成することができる。
【0108】
このようなWi-Fiに対するアクセスは、ログインクレデンシャルを介して制御することができると共に、このような実施形態においては、このようなアクセスを得るべく、サブスクリプションが必要とされうる。又、Wi-Fiアクセスは、取り囲んでいるユーザーに、或いは、上述のものの組合せに、自由に提供することもできる。例えば、支払っている加入者は、優先的なアクセス及び相対的に高速のデータ転送レートを受け取ることができる一方で、無料のユーザーは、相対的に低いデータ転送レートしか受け取ることができない。
【0109】
Wi-Fi能力がDDRV1に提供されている場合に、これは、例えば、インターネットデータアクセスが、現在、動作自在状態にはない、機能停止又はデッドゾーン(例えば、災害ゾーン)内におけるDDRV1の位置決めを可能にすることもできる。これは、緊急事態情報を必要としうる、このエリア内のユーザーのために、インターネットに対するアクセスを提供することを可能にすることができる。
【0110】
当業者は、本開示を参照した際に、DDRV1と関連する機能は、DDRV1上において存在しているその他の特徴及び機能との連携状態において実行されうることを認識することになろう。例えば、電気自動車のエネルギー供給源の補給は、ディスプレイ50上において広告情報を表示しつつ、且つ、恐らくは、場合によっては、微粒子フィルタ又はその他の適切な装置を使用して濾過動作を実行しつつ、DDRV1によって実行することができる。
【0111】
更に、DDRV1は、DDRV1のWi-Fi信号の範囲内のユーザーにWi-Fiアクセスを提供しつつ、電気エネルギーを災害ゾーン内の建物に提供することもできる。
【0112】
以上、特定の実施形態を参照し、本明細書における本開示について説明したが、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途を例示するものに過ぎないことを理解されたい。
【0113】
国内、国際、又はその他の規格団体(例えば、ISO、SAE、など)の任意の規格が参照されている場合には、このような参照は、本明細書の優先権日付において国内又は国際規格団体によって定義されている規格を参照しているものと解釈されたい。このような規格に対する任意の後続の実質的な変更は、本開示及び/又は請求項の範囲及び/又は定義を変更するものとは解釈されない。
【0114】
請求項を含む、本明細書の全体を通じて、「1つの~を有する(comprising a)」という用語は、そうではない旨が記述されていない限り、「少なくとも1つの~を有する(comprising at least one)」と同義語であるものと理解されたい。これに加えて、請求項を含む、本明細書において記述されている任意の範囲は、そうではない旨が記述されていない限り、その1つ又は複数の端部値を含むものと理解されたい。記述されている要素の特定の値は、当業者には既知である、受け入れられている製造又は産業の許容範囲に含まれているものと理解することを要し、且つ、「実質的に(substantially)」及び/又は「ほぼ(approimately)」及び/又は「一般に(generally)」という用語の任意の使用は、このような受け入れられている許容範囲内に含まれていることを意味するものとして理解されたい。
【0115】
本明細書及び例は、例示を目的としたものに過ぎないと見なすことが意図されており、本開示の真の範囲は、添付の請求項によって示されている。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6