(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】自律型小売店舗向けの適応型スマートシェルフ
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220628BHJP
A47F 11/04 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
G06Q30/06
A47F11/04
(21)【出願番号】P 2021544957
(86)(22)【出願日】2019-10-08
(86)【国際出願番号】 IB2019058569
(87)【国際公開番号】W WO2020079529
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-04-13
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518072210
【氏名又は名称】エバーシーン リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Everseen Limited
【住所又は居所原語表記】4th Floor, The Atrium, Blackpool Retail Park, Blackpool, Cork, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディヌ セレス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサ ミロシェヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ネマーニャ ヤンコヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】オヴィドゥーユ パルヴ
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0114183(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0049904(US,A1)
【文献】特許第5198789(JP,B2)
【文献】特開2008-194120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A47F 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律型小売店舗の水平棚の1つまたは複数の視野をキャプチャするためのイメージングアレンジメントであって、
前記水平棚の背面部に配置されたイメージセンサと、
前記水平棚の上部に取り付けられたトップミラーであって、前記イメージセンサが前記水平棚の上の1つまたは複数の製品の上面からの視野をキャプチャすることを可能にする前記トップミラーと、
前記水平棚の正面上部に取り付けられたフロントミラーと、
前記水平棚の背面上部に取り付けられたバックミラーであって、前記フロントミラーに対して予め定義された角度で傾斜しており、前記フロントミラーおよび前記バックミラーは、前記イメージセンサが前記水平棚の1つ以上の製品の、正面からの視野をキャプチャすることを可能とする、前記バックミラーと、
を備えるイメージングアレンジメント。
【請求項2】
前記トップミラー、前記フロントミラーおよび前記バックミラーのそれぞれが平面ミラーである、請求項1に記載のイメージングアレンジメント。
【請求項3】
前記バックミラーは平面ミラーであり、前記トップミラーおよび前記フロントミラーのそれぞれは、凸面ミラーである、請求項1に記載のイメージングアレンジメント。
【請求項4】
前記イメージセンサは、カメラを含み、前記水平棚の1つまたは複数の画像をキャプチャして処理し、前記処理された画像を、通信ネットワークを介して1つまたは複数のリモートデバイスに送信するように構成されている、請求項1に記載のイメージングアレンジメント。
【請求項5】
前記上面から視野では、前記水平棚に保管された1つまたは複数の前記製品の計数が可能であり、前記正面からの視野では、前記水平棚に保管された1つまたは複数の前記製品の識別が可能である、請求項1に記載のイメージングアレンジメント。
【請求項6】
前記フロントミラー、前記バックミラーおよび前記トップミラーのそれぞれは、前記水平棚に固定して取り付けられた固定ミラーである、請求項1に記載のイメージングアレンジメント。
【請求項7】
前記フロントミラー、前記バックミラーおよび前記トップミラーのそれぞれは、前記水平棚に移動可能に取り付けられた動的ミラーである、請求項1に記載のイメージングアレンジメント。
【請求項8】
前記動的ミラーは、前記水平棚の上の1つまたは複数の前記製品の現在の位置に基づいて、予め定義された角度だけ自動的に回転し、予め定義された距離だけ水平方向に平行移動するように構成されている、請求項7に記載のイメージングアレンジメント。
【請求項9】
前記バックミラーは、前記水平棚の前に立つユーザーの顔をキャプチャするために、対応する長手方向の軸に沿って長さが長くなっている拡張平面ミラーである、請求項1に記載のイメージングアレンジメント。
【請求項10】
自律型小売店舗用の適応型スマートシェルフであって、
前記適応型スマートシェルフの背面部に取り付けられたイメージセンサと、
前記適応型スマートシェルフの上部に取り付けられたトップミラーであって、前記イメージセンサが、前記適応型スマートシェルフに保管された1つまたは複数以上の製品の上面からの視野をキャプチャすることを可能にする前記トップミラーと、
前記適応型スマートシェルフの正面上部に取り付けられたフロントミラーと、
前記適応型スマートシェルフの背面上部に取り付けられたバックミラーであって、前記バックミラーは、前記フロントミラーに対して予め定義された角度で傾斜しており、前記フロントミラーおよび前記バックミラーは、前記イメージセンサが、前記適応型スマートシェルフの上の1つまたは複数の製品の正面からの視野をキャプチャすることを可能にする、前記バックミラーと、
を備え、
前記フロントミラー、前記トップミラーおよび前記バックミラーのそれぞれは、前記適応型スマートシェルフに移動可能に取り付けられた動的ミラーであり、前記適応型スマートシェルフの上に存在する1つまたは複数の製品の現在の位置に基づいて、予め定義された角度だけ自動的に回転し、予め定義された距離だけ水平方向に平行移動するように構成されている、
適応型スマートシェルフ。
【請求項11】
前記トップミラー、前記フロントミラーおよび前記バックミラーのそれぞれは平面ミラーである、請求項10に記載の適応型スマートシェルフ。
【請求項12】
前記バックミラーは平面ミラーであり、前記トップミラーおよび前記フロントミラーのそれぞれは、凸面ミラーである、請求項10に記載の適応型スマートシェルフ。
【請求項13】
前記イメージセンサは、カメラを含み、水平棚の1つまたは複数の画像をキャプチャして処理し、前記処理された画像を、通信ネットワークを介して1つまたは複数のリモートデバイスに送信するように構成されている、請求項10に記載の適応型スマートシェルフ。
【請求項14】
前記上面からの視野では、水平棚に保管された1つまたは複数の前記製品の計数が可能であり、正面からの視野では、前記水平棚に保管された1つまたは複数の前記製品の識別が可能である、請求項10に記載の適応型スマートシェルフ。
【請求項15】
前記動的ミラーは、1つまたは複数の人工知能(AI)アルゴリズムを実行することによって、対応する前記動的ミラーのアライメントおよび位置の自動調整を可能にする電子スマートデバイスに結合されている、請求項10に記載の適応型スマートシェルフ。
【請求項16】
前記バックミラーは、水平棚の前に立つユーザーの顔をキャプチャするために、対応する長手方向軸に沿って長さが長くなっている拡張平面ミラーである、請求項10に記載の適応型スマートシェルフ。
【請求項17】
自律型小売店舗において背中合わせに設置された第1および第2の水平棚の1つまたは複数の画像をキャプチャするためのイメージングアレンジメントであって、
前記第1および第2の水平棚の共通の背面部に配置されたイメージセンサと、
前記第1および第2の水平棚のための第1および第2のミラーアレンジメントと、
を備え、
前記第1および第2のミラーアレンジメントのそれぞれは、
対応する水平棚の上部に取り付けられ、前記イメージセンサが対応する前記水平棚の上の1つまたは複数の製品の上面からの視野をキャプチャすること可能にするトップミラーと、
前記対応する水平棚の正面上部に取り付けられたフロントミラーと、
前記対応する水平棚の背面上部に取り付けられ、前記フロントミラーに対して予め定義された角度で傾斜したバックミラーであって、前記フロントミラーおよび前記バックミラーは、前記イメージセンサが、対応する前記水平棚の上の1つまたは複数の前記製品の正面からの視野をキャプチャすることを可能とする、前記バックミラーと、
を備えるイメージングアレンジメント。
【請求項18】
前記トップミラー、前記フロントミラーおよび前記バックミラーのそれぞれが平面ミラーである、請求項17に記載のイメージングアレンジメント。
【請求項19】
前記バックミラーは平面ミラーであり、前記トップミラーと前記フロントミラーのそれぞれは、凸面ミラーである、請求項17に記載のイメージングアレンジメント。
【請求項20】
前記フロントミラー、前記トップミラーおよび前記バックミラーのそれぞれは、対応する前記水平棚に移動可能に取り付けられた動的ミラーであり、対応する前記水平棚の上の1つまたは複数の前記製品の現在の位置に基づいて、予め定義された角度だけ自動的に回転し、予め定義された距離だけ水平方向に平行移動するように構成されている、請求項17に記載のイメージングアレンジメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して自律型小売店舗に関し、より具体的には、キャッシャーレスの店舗で使用される棚における自動チェックアウトに関する。
【背景技術】
【0002】
小売業界では、自律型店舗は大きな進歩をしている。自律型店舗は、人工知能(AI)、センサーフュージョン、コンピュータビジョンなどの高度な技術を組み合わせて、買い物客にユニークな「チェックアウトフリー」の体験を提供している。
【0003】
典型的な自律型店舗では、店舗は特定の棚から購入された製品の信号を自動的に拾うことができるよう、多様なカメラが店舗の棚の中に設置され得、正しい顧客に請求する。請求書は、顧客のスマートフォン上で実行される店舗のアプリケーションを通じて、ユーザーに提示され得る。
【0004】
しかし、自律型店舗に関連する大きな欠点は、製品の有用なキャプチャを得るために、多数のカメラが使用されるという点である。棚に設置されているカメラの数が多ければ多いほど、その棚に何個の製品があり、どの製品が顧客に取られたかという情報がより正確になる。また、現在のシステムでは、カメラは顧客から完全に見ることができ、ユーザーがカメラに手を付ける可能性もある。これにより、全体のセットアップが非効率になり、高コストになり、作業が煩雑で、エラーが発生しやすくなる。
【0005】
上記の観点から、上述の制限を克服し、コスト効率が高く、セットアップが容易で、エラーが発生しにくい自律型店舗に対するニーズが挙がっている。
【発明の概要】
【0006】
本開示の第1の様相によれば、自律型小売店舗の水平棚の1つまたは複数の視野をキャプチャするためのイメージングアレンジメントが提供される。このイメージングアレンジメントは、水平棚の背面部に配置されたイメージセンサを含み得る。イメージングアレンジメントは、水平棚の上部に取り付けられたトップミラーをさらに含んでもよく、イメージセンサが水平棚上の1つまたは複数の製品の上面からの視野をキャプチャできるようにしてもよい。イメージングアレンジメントは、水平棚の正面上部に取り付けられたフロントミラーをさらに含むことができる。イメージングアレンジメントは、水平棚の背面上部に取り付けられたバックミラーをさらに含んでもよく、このフロントミラーおよびバックミラーは、イメージセンサが水平棚上の1つまたは複数の製品の正面からの視野をキャプチャすることを可能にする。
【0007】
本開示の第2の様相によれば、自律型小売店舗に対して適応型スマートシェルフが提供される。この適応型スマートシェルフは、その背面部に取り付けられたイメージセンサを含むことができる。適応型スマートシェルフは、その上部に取り付けられたトップミラーをさらに含み、イメージセンサが、適応型スマートシェルフの上に保管された1つまたは複数の製品の上からの視野をキャプチャできるようにしてもよい。適応型スマートシェルフは、その正面上部に取り付けられたフロントミラーと、その背面上部に取り付けられたバックミラーとをさらに含むことができ、バックミラーは、フロントミラーに対して予め定義された角度で傾斜しており、フロントミラーおよびバックミラーは、イメージセンサが適応型スマートシェルフの1つまたは複数の製品の正面からの視野をキャプチャすることを可能にする。フロントミラー、トップミラーおよびバックミラーのそれぞれは、移動可能に取り付けられた動的ミラーであり、適応型スマートシェルフの上の1つまたは複数の製品の現在の位置に基づいて、予め定義された角度に対して自動的に回転し、予め定義された距離に対して水平方向に平行移動するように構成されている。
【0008】
本開示の第3の様相によれば、自律型小売店舗において背中合わせに配置された第1および第2の水平棚の1つまたは複数の視野をキャプチャするためのイメージングアレンジメントが提供される。このイメージングアレンジメントは、第1および第2の水平棚の共通の背面部に配置されたイメージセンサと、第1および第2の水平棚のそれぞれに対する第1および第2のミラーアレンジメントを含むことができる。この第1および第2ミラーアレンジメントのそれぞれは、対応する水平棚の上部に取り付けられ、イメージセンサが対応する水平棚上の1つまたは複数の製品の上からの視野をキャプチャすることを可能にするトップミラーと、対応する水平棚の正面上部に取り付けられたフロントミラーと、対応する水平棚の背面上部に取り付けられ、フロントミラーに対して予め定義された角度で傾斜したバックミラーを含み、フロントミラーおよびバックミラーは、イメージセンサが対応する水平棚上の1つまたは複数の製品の正面からの視野をキャプチャすることを可能にする。
【0009】
本開示の一実施形態では、棚ごとのカメラの数を水平棚ごとに1台に削減すことで、先行技術の課題を実質上、または少なくとも部分的に解決する(1つの縦型棚に4~5本の水平棚があると仮定する)。この設定において注目すべき視野は、製品の上からの視野と正面からの視野である。上からの視野は計数および手の動きの検出に、正面からの視野は棚の上の商品を検出するだけでなく、初期位置から誤って置かれた品目を検出する機構として用いられる。また、このアプローチの利点は、1台のカメラのみで製品の2視野を得ることができ、多様な空間配置に及んで、製品にどのような挙動があったかを判断するのに十分な画像を得ることである。もう1つの利点は、カメラの位置がユーザーから完全に隠れていることである。これは、人間の行動に対するシステムのロバスト性を高めており、人間がカメラに到達できないことを意味する。
【0010】
本開示のさらなる実施形態では、カメラの代わりにミラーを用いることによってユーザーの顔をキャプチャし、顔認証技術を用いてユーザーの顔を認識することで、棚の前で人が行動しているかを判断し、その情報によって特定の人のカートを更新することを容易にする。さらに、本実施形態では、棚の上の製品の量に応じてフロントミラーを調整できる機構を提供する。
【0011】
本開示の特徴は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲から逸脱することなく、様々な組み合わせで組み合わせることが可能であることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
上記の概要、および例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むと、よりよく理解される。本開示を説明する目的で、本開示の例示的な構造が図面に示されている。しかし、本開示は、本明細書に開示された特定の方法および手段に限定されない。さらに、当業者であれば、図面が縮尺通りではないことを理解するであろう。可能な限り、同様の要素は同一の符号で示されている。
【0013】
【
図1】本開示の一実施形態による、自律型小売店舗の縦型棚構造物の棚をキャプチャするための第1のイメージングアレンジメントのシミュレーション図である。
【
図2】本開示の一実施形態による、自律型小売店舗の縦型棚構造物の棚をキャプチャするための第2のイメージングアレンジメントのシミュレーション図である。
【
図3】本開示の一実施形態による、第2のイメージングアレンジメントの遠近図である
【
図4A】本開示の一実施形態による、自律型小売店舗の棚の第1および第2のイメージングアレンジメントのうちの1つの固定ミラーを示す図である。
【
図4B】本開示の一実施形態による、自律型小売店舗の棚の第1および第2のイメージングアレンジメントのうちの1つの動的ミラーを示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態による、自律型小売店舗の棚の前に立つユーザーの顔をキャプチャするように構成された第3のイメージングアレンジメントを示す図である。
【
図6】本開示の一実施形態による、
図5の例示的な第3のイメージングアレンジメントを示す図である。
【
図7】本開示の一実施形態による、背中合わせに置かれた2つの水平棚の視野をキャプチャするための第4のイメージングアレンジメントを示す。
【0014】
添付の図面において、下線付きの符号は、下線付きの符号が配置されているアイテム、または下線付きの符号が隣接しているアイテムを表すために用いられている。下線付きでない符号は、下線付きでない符号とアイテムとを結ぶ線によって識別されるアイテムに関するものである。符号が下線付きでなく矢印が付いている場合、この下線付きでない符号は、矢印が指し示す一般的なアイテムを示すために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な説明は、本開示の一実施形態およびそれらを実施することができる方法を示すものである。本開示を実施するための最良の形態を開示したが、当業者であれば、本開示を実施または実行するための他の実施形態も可能であることを認識するであろう。
【0016】
図1は、本開示の一実施形態による、自律型小売店舗の縦型棚構造物104の水平棚102をキャプチャするための、第1のイメージングアレンジメント100のシミュレーション図である。
【0017】
自律型小売店舗は、集中管理下にある多数の売場を同一建物内に有する大規模な小売組織と言える。それは、1つの屋根の下で多種多様な商品を扱う小売施設である。1つの自律型小売店舗は、製品を陳列するために並んで配置された、いくつかの多様な縦型棚を含んでもよく、各縦型棚は4~5枚の棚を含んでもよい。ここでは、縦型棚構造物104のそのような棚102が図示されている。棚102は、ユーザーが1つまたは複数の製品を自分で購入できるように、1つまたは複数の製品を含んでもよい。しかし、それらの製品は簡潔のため、ここでは示されていない。例示的な実施形態では、棚102は、幅が1m、深さが40cmである。
【0018】
第1のイメージングアレンジメント100は、棚102の底部背面側に配置されたイメージセンサ106を含む。1つの例では、棚102の背面からのイメージセンサ106のオフセットは、約8cmである。イメージセンサ106の例は、スマートカメラを含んでいてもよく、このカメラは、1つまたは複数の画像をキャプチャして処理するように構成されており、処理された画像を、通信ネットワークを介して離れたリモートデバイスに送信するように構成されている。通信ネットワークは、本開示の範囲を制限することなく、任意の適切な有線ネットワーク、無線ネットワーク、これらの組み合わせ、または任意の他の従来のネットワークとすることができる。いくつかの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN接続、インターネット接続、ポイントツーポイント接続、または他のネットワーク接続およびそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0019】
第1のイメージングアレンジメント100は、棚102の1つまたは複数の視野をイメージセンサ106に提供するために、その中に取り付けられたフロント平面ミラー108a、トップ平面ミラー108b、バック平面ミラー108cをさらに含む。本開示の一実施形態では、トップ平面ミラー108bは、棚102の底面に対して平行に配置された平坦なミラーであり、イメージセンサ106が棚102の上からの視野をキャプチャすることを可能にする。棚102内の製品の上からの視野は、イメージセンサ106から来て、トップ平面ミラー108bから跳ね返る第1の光線群110aによって表されることができる。
【0020】
さらに、フロント平面ミラー108aとバック平面ミラー108cは、イメージセンサ106が棚102の正面からの視野をキャプチャするため、予め定義された角度で設置されている。したがって、正面からの視野は、2つの角度のついたミラー108aと108cの組み合わせを用いることによって得られ、第2の光線群112が正面からの視野の画像を表す。
【0021】
本開示の例示的な実施形態では、フロント平面ミラー108aの寸法は60×8cm、トップ平面ミラー108bの寸法は60×15cm、バック平面ミラー108cの寸法は60×10cmである。
【0022】
様々な実施形態において、棚102の上からの視野は、棚102に保管されている製品の計数や、オペレーター/ユーザーの手の動きの検出を可能とし、棚102の正面からの視野は、棚102に保管されている製品の検出を可能とするため、同様に初期位置から誤って置かれた品目を検出することも可能となる。
【0023】
図1は単に一例にすぎない。当業者であれば、本明細書の実施形態の多くの変形、代替、および変更を認識するであろう。
【0024】
図2は、本開示の一実施形態による、自律型小売店舗の縦型棚構造物204の棚202をキャプチャするための第2のイメージングアレンジメント200のシミュレーション図である。
【0025】
第2のイメージングアレンジメント200は、棚202の底部背面側に配置されたイメージセンサ206と、イメージセンサ206に棚202の1つまたは複数の視野を提供するために取り付けられたトップ凸面ミラー208a、フロント凸面ミラー208b、およびバック平面ミラー208cを含む。また、トップ凸面ミラー208a、フロント凸面ミラー208b、バック平面ミラー208cによってなされる光線の反射も示されている。
【0026】
本開示の一実施形態では、トップ凸面ミラー208aは、イメージセンサ206が棚202に保管されている製品の上からの視野をキャプチャすることを可能にする。さらに、バック平面ミラー208cとフロント凸面ミラー208bとの組み合わせは、イメージセンサ206が棚202に保管されている製品の正面からの視野をキャプチャすることを可能にする。上からの視野は、棚202に保管されている製品の計数や、オペレーター/ユーザーの手の動きの検出を可能とし、正面からの視野は、棚202に保管されている製品の検出を可能とするため、初期位置から誤って置かれた品目を検出することも可能となる。
【0027】
第1のイメージングアレンジメント100に対し、第2のイメージングアレンジメント200の利点は、ミラーの寸法が小さいために第2のイメージングアレンジメント200が占めるスペースが少なく、製品あたりの良いピクセル値を供給し、FOV(Field of View)が大きいことであるが、第2のイメージングアレンジメント200を用いて生成された画像の後処理は、やや高いレベルにあり、それに関わる全体的なコストと労力は増加する。
【0028】
例示的な実施形態では、第2のイメージングアレンジメント200のミラーの仕様は、
1.平面バックミラー208cの幅w=600mm、高さh=150mm
2.フロント凸面ミラー208bの焦点距離f=600mm、直径D=600mm
3.トップ凸面ミラー208aの焦点距離f=250mm、直径D=250mm
である。
【0029】
図2は単に一例にすぎない。当業者であれば、本明細書の実施形態の多くの変形、代替、および変更を認識するであろう。
【0030】
図3を参照して、自律型店舗の棚202における第2のイメージングアレンジメント200の遠近
図300が明確に示されている。遠近図では、第2のイメージングアレンジメント200は、棚202の底面に面している棚202の上部に取り付けられていることが示されている。ここで示されるように、トップ凸面ミラー208aとバック平面ミラー208cとは並んで配置されており、一方、フロント凸面ミラー208bは、棚202の正面上部に配置されている。
【0031】
図1および
図2に戻って、第1のミラーアレンジメント200および第2のミラーアレンジメント300は、1台のカメラのみを背面側に配置し、3つの平面/凹面ミラーを配置することによって、対応する棚102および202の製品の上および正面からの視野を得ることを容易にし、それによって、棚ごとのカメラの数を削減するだけでなく、ユーザーからカメラを隠すことができる。これは、人間がイメージングアレンジメントに対応するカメラおよびマルウェアにアクセスすることを不可能とするため、第1のミラーアレンジメント200および第2のミラーアレンジメント300が、人間の行動に対してより高いロバスト性を示すこととなる。
【0032】
図4Aは、本開示の一実施形態による、自律型小売店舗の棚402の第1のイメージングアレンジメント100および第2のイメージングアレンジメント200のうちの1つの固定ミラー400を示している。固定ミラー400は、対応するバックミラーと組み合わせて棚402の正面からの視野をキャプチャするように構成されたフロント固定ミラーとしてもよく、その限定された視野により、棚402上の限定された数の製品404を検出してもよい。一例では、固定ミラー400は、並んでいる第1の製品の数個にしか及んでいない可能性があり、換言すれば、ユーザーが1列の製品ラインにおける製品の25%以上、例えば3つのボトルを取った場合、固定フロントミラー402は気づかないままであり、どの製品が特定のレーンにあるかを検出できない可能性がある。図中の矢印406は、対応するバックミラー(図示せず)から反射された入力光線を表している。
【0033】
図4Bは、本開示の一実施形態による、棚402の第1のイメージングアレンジメント100および第2のイメージングアレンジメント200のうちの1つの動的ミラー408を示している。動的ミラー408は、対応するバックミラーと組み合わせて棚402の正面からの視野を動的にキャプチャするように構成されたフロント可動ミラーとすることができる。
【0034】
本開示の一実施形態において、動的ミラー408は、レーンに残された第1の製品を指すようにその向きを動的に変更するように構成される。動的ミラー408は、電子スマートデバイス410によって容易にされる2つの自由度、換言すれば、回転と並進を有するように構成される。電子スマートデバイス410は、動的ミラー408と結びつけられ、動的ミラー408が所定の角度だけ回転したり、対応するバックミラーに向かって水平方向に移動したりすることを可能にする。電子スマートデバイス410は、ミラー408の現在の位置に関するフィードバック、ミラー408に対する異常な動作(誰かが力で押したり回転させたりすること)の潜在的な情報に基づいて、また、AI技術を用いて棚に残された製品の位置を検出することに基づいて、動的ミラー408の自動回転/平行移動を可能にする。このように、電子スマートデバイス410からの入力に基づいて、動的ミラー408は、非標準的な状況において自己調整することが可能である。
【0035】
本開示の一実施形態において、棚402用のイメージングアレンジメントの各ミラーは、対応するミラーの配置および位置を自動的に調整するために、AIアルゴリズムによって実行される動的調整機構が備え付けられてもよい。また、製品検出のための高品質な画像を得るために、多様なミラーで特定の要因が満たされてもよい。このように、棚402は、ユーザーのニーズや棚402上の製品の現在の設定に合わせて、十分スマートに自身を調整する。ミラー調整は、多様な要素に依存する。ミラーからの上から見下ろした視野を使用した製品の計数や、バックミラーとフロントミラーの反射の組み合わせによって得られる正面からの視野を使用した製品検出など、棚の製品の状態を決定するいくつかの要因がある。ミラー調整アルゴリズムに対する入力は、棚の各ラインにおける現在の製品の数である。入力された棚の状態および製品の数は経時的に追跡されることができ、それに応じてミラーを調整することができる。棚の第1の製品を指すフロントミラーの位置と角度は、ミラーの角度を棚の特定の点に一致させる、予め定義されたLUTによって指定される。ミラー調整後、画像がぼやけているかどうかが検出される。ぶれが検出された場合は、製品検出アルゴリズムに適した画像にするため、ぶれ補正アルゴリズムが実行される。ミラー調整アルゴリズムは、正面から見て製品が写っていないことを示すアラートが発生する度に実行される。
【0036】
図4Aおよび
図4Bは単に一例に過ぎない。当業者であれば、本明細書の実施形態の多くの変形、代替、および変更を認識するであろう。
【0037】
図5は、本開示の一実施形態による、自律型小売店舗の棚504の前に立つユーザー502の顔をキャプチャするように構成された、第3のイメージングアレンジメント500を示す図である。ユーザーは、オペレーター、または店舗の従業員であってもよいし、1つまたは複数の製品を購入するために店舗に来た顧客であってもよい。
【0038】
第3のイメージングアレンジメント500は、棚504の底部背面側に配置されたカメラなどのイメージセンサ506と、棚504の正面に配置されたフロントミラー508と、棚504の背面に配置された拡張バックミラー510とを含む。なお、トップミラーは、ユーザー502の顔をキャプチャする役割はないので、ここでは図示しない。
【0039】
本開示の一実施形態において、拡張バックミラー510は、拡張バックミラー510を介してイメージセンサ506にユーザー502の顔を提供するように、対応する長手方向軸に沿って長さが長くなっている。イメージセンサ506が拡張バックミラー510の方を向くと、棚504に置かれた製品の正面からの視野がキャプチャされる。そして、拡張バックミラー510を用いてイメージセンサ506がキャプチャした画像を、顔認証技術を用いて処理し、キャプチャした画像からユーザー502の顔を抽出する。
【0040】
図6は、
図5の拡張バックミラー510に類似した、例示的なバックミラー602を示している。図示されるように、例示的なバックミラー602は、対応する長手方向軸に沿って長さが長くなっている。バックミラー602は、対応する棚に保管されている製品604の正面からの視野をキャプチャするため、および/または、ユーザー/オペレーター606の画像をキャプチャするために使用されることができる。
【0041】
このように、第3のイメージングアレンジメント500の拡張バック平面ミラー510は、棚504に追加のカメラを使用することなく、ユーザー502の顔認証を容易にし、それによって、関係する全体的なコストを削減できる。
【0042】
図5および
図6は単に一例に過ぎない。当業者であれば、本明細書の実施形態の多くの変形、代替、および変更を認識するであろう。
【0043】
本開示の一実施形態において、第3のイメージングアレンジメント500は、棚504の裏面下部にイメージセンサ506を含み、複数のカメラを組み合わせることでより多くの範囲を得るために、フロントミラー508およびバックミラー510の交換品としてカメラグリッドを含んでもよい。フロントミラー508、およびバックミラー510の交換のために使用されるカメラの一例は、携帯電話サイズのカメラであり、これは所定のFOV(Field of View)および画像解像度を提供する。携帯電話サイズのカメラでミラーを交換する利点は、ミラー508および510の製造に多くの時間が掛かり得、また、特定のミラー品質のためにミラーの正確な仕様を得ることが困難になることである。
【0044】
図7は、本開示の様々な実施形態による、背中合わせに配置された2つの縦型棚構造物704aおよび704bの水平バーの視野をキャプチャするための第4のイメージングアレンジメント702を示す。
【0045】
第4のイメージングアレンジメント702は、背中合わせに配置された2つの棚704a、704bの2本の水平バーの上からの視野と正面からの視野を得るための単一のカメラ706を含む。第4のイメージングアレンジメント702の利点は、1台のカメラ704の使用で、2つの縦型棚構造物704a、704bの製品の2つの部分をカバーできることである。これにより、自律型店舗に必要なカメラの総数を減らすことができるので、煩雑さがなく、費用対効果に優れている。
【0046】
図7は単に一例に過ぎない。当業者であれば、本明細書の実施形態の多くの変形、代替、および変更を認識するであろう。
【0047】
前記で説明した本開示の実施形態への変更は、添付の請求項で定義される本開示の範囲から逸脱することなく可能である。本開示を説明および請求するために使用される「含まれる」、「備える」、「組み入れる」、「から構成される」、「有する」、「である」などの表現は、非排他的な方法で解釈されることを意図しており、すなわち、明示的に説明されていない項目、構成要素、または要素も存在することを許容している。また、単数形への言及は、複数形にも関係すると解釈される。