(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者に関する情報を決定する方法、装置、コンピュータプログラム及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 17/00 20060101AFI20220629BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20220629BHJP
H04H 60/31 20080101ALI20220629BHJP
H04H 60/46 20080101ALI20220629BHJP
H04H 60/66 20080101ALI20220629BHJP
【FI】
H04N17/00 M
H04N21/258
H04H60/31
H04H60/46
H04H60/66
(21)【出願番号】P 2019571344
(86)(22)【出願日】2018-06-22
(86)【国際出願番号】 EP2018066769
(87)【国際公開番号】W WO2018234548
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2020-04-27
(32)【優先日】2017-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【氏名又は名称】井上 正則
(73)【特許権者】
【識別番号】522214473
【氏名又は名称】ティーヴィー-インサイト ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラウス,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ゼーリガー,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】アルバノフスキー,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】デューラー,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ライサー,ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】ヒンターストイッサー,セバスチャン
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-284008(JP,A)
【文献】特表2010-524349(JP,A)
【文献】特表2012-522470(JP,A)
【文献】特開2010-130585(JP,A)
【文献】特開2002-271823(JP,A)
【文献】特開2005-184228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 17/00-17/06
H04N 21/00-21/858
H04H 60/00-60/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者に関する情報を
決定する方法であって、
少なくとも
視聴者サブセットをモニタ
し、
前記
モニタ対象の視聴者サブセットに基づいて
、視聴者に関す
る情報を
決定し、前記視聴者に関す
る情報は、前記
モニタ対象の視聴者サブセットの
計測した指標を含み、
過去のモニタ対象の視聴者サブセット内で計測された
少なくとも1個のプロパティ値と
、過去の視聴者の対応するプロパティ値との関係に基づいて、少なくとも1個の変換係数を
決定し、
前記少なくとも1個の変換係数は、前記
モニタ対象の視聴者サブセット内で計測されたプロパティと、前記視聴者の少なくとも1個のプロパティとの関係を示し、
前記少なくとも1個の変換係数に基づいて、前記視聴者
の少なくとも1個のプロパティを推定する
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記
モニタ対象の視聴者サブセットに基
づき、及び、少なくとも1個の状況パラメータに基づいて、前記視聴者に関す
る情報を
決定し、
前記少なくとも1個の状況パラメータは、前記オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのプロパティ、及び/又は、前記オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが
提供された
時点の条件を示す
方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
モニタ対象の視聴者サブセットの
、モニタ対象の視聴者デバイスの自動フィードバックを受信することにより、
少なくともひとつの視聴者サブセットをモニタ
し、
前記モニタ対象の視聴者デバイスから受信した前記自動フィードバックに基づいて、前記視聴者に関する情報を
決定す
る
方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
前記
視聴者に関する情報を決定することは、少なくとも1個の状況パラメータにさらに基づき、
前記少なくとも1個の状況パラメータは、前記オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのプロパティ、及び/又は、前記オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが
提供された
時点の条件を示す
方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の方法であって、
少なくとも1人の過去の視聴者に関する情報に基づ
き、及び/又は、少なくとも1個の状況パラメータに基づいて、前記少なくとも1個の変換係数を
決定し、及び/又は
前記視聴者の少なくとも1個のプロパティは、視聴者の全体規模、平均視聴継続時間、視聴者回復数、視聴者増加数及び視聴者減少数、
からなるグループに含まれる少なくとも1個のエレメントを含み、及び/又は
前記少なくとも1個の変換係数を、回帰分析を用いて
決定し、及び/又は
前記少なくとも1個の変換係数を、人工ニューラルネットワークを用いて
決定する
方法。
【請求項6】
請求項2、4又は5に記載の方法であって、
前記少なくとも1個の状況パラメータは
、
オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのメタデータ
、
オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが
提供され
た時点の外的条件に関する情報
、
オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが
提供され
た時点の気象条件に関する情報
、
オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが
提供され
た時間の情報、及び
、
オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが
提供され
た時点に進行中の他のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムに関する情報、
からなるグループに含まれる1以上のエレメントに基づく
方法。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法であって、
前記
視聴者サブセットをモニタするこ
とは、
双方向チャネルを介して、モニタ対象の視聴者デバイスから視聴者デバイス識別子に関する情報を受信することを含み、及び/又は
さらに、
前記方法は、前記双方向チャネルを介して、前記モニタ対象の視聴者デバイスに、前記オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムに関する追加情報を提供す
ることを含む
方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記モニタ対象の視聴者デバイスのクライアントリクエストの一部として、前記視聴者デバイス識別子に関す
る情報を受信し、及び/又は
さらに、
前記方法は、
前記モニタ対象の視聴者デバイスに、聴者デバイス識別子を最初に割り当て、
前記モニタ対象の視聴者デバイスに保存するために、前記双方向チャネルを介して、前記モニタ対象の視聴者デバイスに、前記最初に割り当てた視聴者デバイス識別子を提供し、及び/又は
前記
視聴者サブセットをモニタすることは
、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムを
提供する前記モニタ対象の視聴者デバイスから、前記視聴者デバイス識別子に関す
る情報を周期的に受信することを含み、及び/又は
前記視聴者に関す
る情報を
決定することは
、前記少なくとも1個の状況パラメータ
によって、前記モニタ対象の
視聴者サブセットの所定の視聴者メンバーの前記視聴者デバイス識別子に関して
複数の時点に亘って受信した情報を
集約することを含む
方法。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の方法であって、
さらに、前記
モニタ対象の視聴者サブセットの類似の視聴者メンバーをクラスタリングして、1以上のカスタムターゲットグループを
決定することを含み、及び/又は
さらに、前記
モニタ対象の視聴者サブセットのメンバーを、複数の所定のターゲットグループに属性付ける
ことを含む
方法。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の方法であって、
さらに、前記視聴者に関す
る情報に基づいて、前記オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムに対して、少なくとも1個のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムエレメントを選択
することを含み、及び/又は
さらに、前記視聴者に関す
る情報に基づいて、前記オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムに対して、少なくとも1個の広告エレメントを選択する
ことを含む
方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記少なくとも1個の広告エレメント
、及び/又は
、前記少なくとも1個のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムエレメントを、前記オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者全体のために選択し、又は
前記少なくとも1個の広告エレメント
、及び/又は
、前記少なくとも1個のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムエレメントを、前記オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者の少なくとも1個のグループのメンバーのために選択し、又は
前記少なくとも1個の広告エレメント
、及び/又は
、前記少なくとも1個のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムエレメントを、前記オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者のメンバー個人のために個々に選択し、及び/又は
さらに、
選択された前記少なくとも1個のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラ
ムエレメント
、及び/又は
、前記少なくとも1個の広告エレメントを、前記視聴者の対応するサブセット又は前記視聴者全体に配信する
方法。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法であって、
さらに、前記視聴者に関す
る情報に基づいて、将来の時点の前記オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラム
の視聴者の予測全体規模に関する情報を
決定することを含み、及び/又は
さらに、
前記方法は、前記視聴者に関する情報に基づいて、及び/又は
、将来の時点で有効な前記少なくとも1個の状況パラメータに基づいて、前記将来の時点のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラム
の視聴者の予測全体規模に関する情報を
決定することを含み、及び/又は
さらに、
前記方法は、前記視聴者に関す
る情報に基づ
き、及び/又は
、将来の時点で有効な前記少なくとも1個の状況パラメータに基づいて、前記将来の時点のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラム
の視聴者の予測構
成を決定することを含み、及び/又は
さらに、
前記方法は、前記
将来の時点のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者の予測全体規模に関する情報
、及び/又は
、前記
将来の時点のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者の予測構成に基づいて、前記将来の時点の予測広告値に関する情報を
決定することを含む
方法。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の方法であって、
さらに
、視聴者の予測全体規模に関する情報
、視聴者
のサブセットの規模に関する情報
、視聴者の予測構
成に関する情報
、視聴者のサブセットの構
成に関する情報、属性付けられた所定のターゲットグループに関する情報、クラスタリングされたカスタムターゲットグループに関する情報、及び
、予測広告値に関する情報、
からなるグループに含まれる少なくとも1個のエレメントを
、双方向チャネルを介して提供する
ことを含む
方法。
【請求項14】
コンピュータプログラムであって、コンピュータ、プロセッサ又はプログラミング可能なハードウェアコンポーネントが
、前記コンピュータプログラムを実行するときに
、請求項1乃至13の何れか一項に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有する
、
コンピュータプログラム。
【請求項15】
オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者に関する情報を
決定する装
置であって、
オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラム
の視聴者サブセットに関する情報を受信するように構成された少なくとも1個のインターフェー
スと、
前記少なくとも1個のインターフェー
スを用いて、前記
視聴者サブセットをモニタし、
モニタ対象の前記
視聴者サブセットに基づいて、前記視聴者に関す
る情報を
決定し、前記視聴者に関す
る情報は、前記
視聴者サブセットの
計測した指標を含み、
少なくとも1個の過去にモニタ対象であった視聴者サブセット内で計測されたプロパティ値と
、過去の視聴者の対応するプロパティ値との関係に基づいて、少なくとも1個の変換係数を
決定し、前記少なくとも1個の変換係数は、前記
モニタ対象の視聴者サブセット内で計測されたプロパティと、前記視聴者の少なくとも1個のプロパティとの関係を示し、
前記少なくとも1個の変換係数に基づいて、前記視聴者
の少なくとも1個のプロパティを推定する
ように構成された制御モジュー
ルと
を具備する装置。
【請求項16】
オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラム
のモニタ対象の視聴者サブセットから、視聴者デバイス識別子に関する情報を受信するシステ
ムであって、
前記
モニタ対象の視聴者サブセットのモニタ対象の視聴者デバイスから受信した複数の周期的なアクティビティビーコンから、前記
モニタ対象の視聴者サブセットの複数の視聴者デバイス識別子を抽出し、
1以上のセッショントラッキングエンティテ
ィに、前記複数の視聴者デバイス識別子に関する情報を提供する
ように構成された1以上の受信エンティテ
ィと、
前記複数の視聴者デバイス識別子に基づいて、前記
モニタ対象の視聴者サブセットによる前記オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの消費の個々のセッションの継続時間に関する情報を
決定し、
データストレージエンティテ
ィに、前記個々のセッション
の継続時間に関する予備情報を提供する
ように構成された1以上のセッショントラッキングエンティテ
ィと、
前記個々のセッション
の継続時間に関する情報を、データベース又はログシステムに保存する
ように構成された少なくとも1個のデータストレージエンティテ
ィと
を具備するシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステ
ムであって、
請求項15に記載の前記装
置をさらに具備し、
前記オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラム
の視聴者に関す
る情報は、前記データベース又は前記ログシステムに保存した前記セッション
の継続時間に関す
る情報に基づく
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施例は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者に関する情報を決定する方法、コンピュータプログラム、装置及びシステムに関する。より具体的には、ただしこれに限定するものではないが、視聴者のサブセットをモニタすることにより、視聴者に関する情報を決定する。
【背景技術】
【0002】
現在、TV視聴率及びブロードキャストチャネルシェアは、主に、典型的な視聴者サブセット(「集団」と称する)の力を借りて計測及び近似される。視聴者サブセットは、例えば、国内の数千人の参加者を含む。このサブセットの参加者は、適切に選択され、賃金が支払われ、特別なハードウェアが設置されていればよい。このアプローチは、一方でコストが高く、他方で(特にニッチなプログラムで低視聴率の場合に)不正確であるリスクを持つ可能性がある。
【0003】
少なくとも一部のテレビセット及びセットトップボックス(以下、「端末」と総称)は、古典的なテレビブロードキャストプログラムを受信するための従来の一方向ブロードキャスト接続に加えて、インターネットコンテンツ(例えば、オーバーザトップコンテンツ)を受信するための双方向接続を提供する。さらに、端末は、IP接続の逆方向チャネルを使用して、端末からウェブサーバにデータを送信できる。ハイブリッドテレビ技術(例えば、HbbTV)は、両方の接続を並行して使用可能である。ブロードキャスト事業者は、ブロードキャストされたプログラムに、IPベースの(インターネットプロトコルベースの)重畳表示用のウェブサイトコンテンツを、追加的に提供する。HbbTVにおいて、IPベースのコンテンツは、ブロードキャスト事業者により承認され、提供される。
【発明の概要】
【0004】
本実施例は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者に関する情報を決定する方法を提供する。この方法は、視聴者の少なくともサブセットをモニタする。この方法は、さらに、モニタ対象の視聴者サブセットに基づいて、視聴者に関する情報を決定する。視聴者に関する情報は、視聴者サブセットの計測した指標を含む。この方法は、さらに、少なくとも1個の過去にモニタ対象であった視聴者サブセット内で計測されたプロパティ値と、過去の視聴者の対応するプロパティ値との関係に基づいて、少なくとも1個の変換係数を決定してよい。少なくとも1個の変換係数は、モニタ対象の視聴者サブセット内で計測されたプロパティと、視聴者の少なくとも1個のプロパティとの関係を示してよい。この方法は、さらに、少なくとも1個の変換係数に基づいて、視聴者の少なくとも1個のプロパティを推定してよい。例えば、視聴者の少なくとも1個のプロパティは、視聴者に関する情報に基づいて推定してよい。
【0005】
本実施例は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者に関する情報を決定する方法を提供する。この方法は、視聴者の少なくともサブセットをモニタする。この方法は、さらに、モニタ対象の視聴者サブセットに基づき、及び、少なくとも1個の状況パラメータに基づいて、視聴者に関する情報を決定することを含む。少なくとも1個の状況パラメータは、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのプロパティ、及び/又は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが提供された時間の条件(例えば、モニタリングの時点、及び/又は、時間インターバルを含む)を示す。
【0006】
視聴者のサブセットをモニタすることにより、例えば、ブロードキャストプログラムの全体的な(又は全ての)視聴者の規模、及び/又は、構成を推定することが可能となる。少なくとも1個の状況パラメータは、例えば、視聴者のサブセットによるブロードキャストプログラムの消費と、ブロードキャストプログラムの全体の消費との関係(例えば、比率)を推定するのに使用してよい。
【0007】
オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者に関する情報を決定する方法の別の例は、視聴者のモニタ対象のサブセットのモニタ対象の視聴者デバイスの自動フィードバックを受信することにより、視聴者の少なくともサブセットをモニタすることを含む。この方法は、さらに、モニタ対象の視聴者デバイスから受信した自動フィードバックに基づいて、視聴者に関する情報を決定することを含む。視聴者に関する情報の決定は、少なくとも1個の状況パラメータにさらに基づいてよい。少なくとも1個の状況パラメータは、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのプロパティ、及び/又は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが提供された時間(例えば、モニタリングの時点、及び/又は、時間インターバルを含む)の条件を示す。
【0008】
自動フィードバックに基づいて視聴者に関する情報を決定することにより、例えば、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの純視聴率又は総視聴率に関する見通しを得ることが可能となる。純視聴率及び総視聴率の用語は、以下(例えば、「ファクト」セクション内)に定義する。
【0009】
以下の実施例は、上述の何れか又は全ての方法(以下、両方とも「この方法」と称する)に関連してよい。
【0010】
少なくとも一部の例において、この方法は、少なくとも1個の変換係数を決定することをさらに含み、少なくとも1個の変換係数に基づいて視聴者の少なくとも1個のプロパティを推定することを含んでよい。視聴者の少なくとも1個のプロパティは、少なくとも1人の過去の視聴者に関する情報に基づいて、及び/又は、少なくとも1個の状況パラメータに基づいて、決定/推定してよい。少なくとも1個の変換係数は、例えば、モニタ対象の視聴者サブセット内で計測されたプロパティと、視聴者の少なくとも1個のプロパティとの関係を示してよい。視聴者の少なくとも1個のプロパティは、例えば、視聴者の全体規模、平均視聴継続時間、視聴者回復数(量)、視聴者増加数及び視聴者減少数、を含むグループに含まれる少なくとも1個のエレメントを含んでよい。所定の時点又は所定の時間インターバルについて、関係するプロパティに依存して異なる変換係数を適用してよい。視聴者の所定のプロパティ及び時点又は時間インターバルのセットについて、異なる変換係数を、一部又は全ての時点/時間インターバルに適用してよい。
【0011】
例えば、少なくとも1個の過去にモニタ対象であった視聴者サブセット内で計測したプロパティ値と、対応する(例えば、同じ時点における)過去の(少なくとも1人の)視聴者のプロパティ値(又は、過去の視聴者規模の何れかの実現可能性のある近似値)との関係(例えば、比率)に基づいて、少なくとも1個の変換係数を決定してよい。例えば、典型的には、1個の変換係数は、特定の時点での、視聴者のサブセットの規模と、対応する視聴者の全体規模との比率を(例えば、両方とも純視聴率値に基づき)示してよい。各変換係数は、少なくとも1個の状況パラメータに関連してよい。履歴変換係数のセット、及び/又は、サブセットを、平均又は中間値により示してよく、状況パラメータとして使用してよい。別の特定の時点での視聴者の全体規模を推定、及び/又は、予測するために、その特定の時点の少なくとも1個の状況パラメータに基づいて、新規の変換係数を推定、及び/又は、予測し、その後、モニタ対象の視聴者サブセットの規模を乗算してよい。
【0012】
少なくとも1個の変換係数を、回帰分析を用いて、及び/又は、人工ニューラルネットワークを用いて決定してよい。回帰分析、及び/又は、人工ニューラルネットワークを用いることにより、視聴者のサブセットのプロパティと、(全体/総)視聴者のプロパティとの相関を検出することが可能となる。
【0013】
例えば、少なくとも1個の状況パラメータは、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのメタデータ、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが提供される時間の外的条件に関する情報、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが提供される時間の気象条件に関する情報、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが提供される時間の情報、及び、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが提供される時間に進行中の(他の)オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムに関する情報、を含むグループに含まれる1以上のエレメントに基づいてよい。経験に基づいて前記グループの1以上のエレメントを適切に選択することにより、視聴者に関する情報の予測の誤差値(平均絶対誤差(MAE)、及び/又は、二乗平均平方根誤差(RMSE)等)を改善することが可能となる。
【0014】
例えば、視聴者のサブセットをモニタすることは、双方向チャネルを介して、モニタ対象の視聴者デバイスから視聴者デバイス識別子に関する情報を受信することを含んでよい。視聴者デバイス識別子を、視聴者のサブセットをモニタするのに使用してよい。各種の例において、視聴者デバイス識別子に関する情報は、モニタ対象の視聴者デバイスのクライアントリクエストの一部として受信してよい。リクエストは、例えば、(HTTP)クッキーとして、視聴者デバイス識別子を含んでよい。
【0015】
少なくとも一部の例において、この方法は、さらに、双方向チャネルを介して、モニタ対象の視聴者デバイスに、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムに関する追加情報を提供することを含む。ブロードキャストプログラムに関する追加情報は、付属コンテンツを視聴者のサブセットに提供するのに使用されてよい。ブロードキャストプログラムに関する追加情報は、さらにデータ交換と組み合わせて、視聴者のサブセットをモニタすることを可能とする。双方向チャネルを用いることにより、視聴者のサブセットからフィードバック情報(例えば、視聴者デバイス識別子)を受信することが可能となる。
【0016】
各種の例において、この方法は、さらに、モニタ対象の視聴者デバイスに、視聴者デバイス識別子を最初に割り当て、モニタ対象の視聴者デバイスに保存するために、双方向チャネルを介して、モニタ対象の視聴者デバイスに、最初に割り当てた視聴者デバイス識別子を提供することを含む。視聴者メンバーの少なくとも一部のデバイスは、視聴者デバイス識別子を作成できない場合がある。サーバが作成した視聴者デバイス識別子を使用することにより、視聴者のサブセットをより一貫してモニタすることが可能となる場合がある。
【0017】
少なくとも一部の例において、視聴者のサブセットをモニタすることは、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムを提供するモニタ対象の視聴者デバイスから、視聴者デバイス識別子に関する情報を周期的に受信することを含む。これにより、視聴者のサブセットのメンバーがチャネルを変えたことを検出可能となる。
【0018】
各種の例において、視聴者に関する情報を決定することは、幾つかの時点に亘って、少なくとも1個の状況パラメータ(の値)とともにモニタ対象の視聴者サブセットの所定の視聴者メンバーの視聴者デバイス識別子に関して受信した情報を集約することを含む。これにより、視聴者に関する情報(及び、少なくとも1個の状況パラメータ)を正規化でき、これにより、視聴者に関する(例えば、少なくとも1個の状況パラメータに関する)情報の後続する処理が容易になる。
【0019】
各種の例において、この方法は、さらに、モニタ対象の視聴者サブセットの類似の視聴者メンバーをクラスタリングして、1以上のカスタムターゲットグループを決定することを含む。プログラミング、及び/又は、ブロードキャストプログラムの広告を、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの現在又は予測上の視聴者向けに、より的確にカスタマイズするのに、カスタムターゲットグループを使用してよい。
【0020】
少なくとも一部の例において、この方法は、さらに、モニタ対象の視聴者サブセットのメンバーを、複数の所定のターゲットグループ(例えば、従前の視聴者情報決定方法より公知の「従来の」ターゲットグループ、及び/又は、本発明の一実施形態を適用することで識別される「新規な」カスタムターゲットグループ)に属性付けることを含む。これにより、視聴者の現在の全体規模及び視聴者の予測上の将来の規模(将来の特定の時点の)の両方を、正確に予測することが可能となる。これにより、広告を提供する時点をより適切に決定することが可能となる。例えば、少なくとも1個のクラスタリング技術に基づいて、及び/又は、人工ニューラルネットワークに基づいて、モニタ対象の視聴者サブセットのメンバーを属性付けてよい。人工ニューラルネットワークは、他のソースからの集団データに基づいてトレーニングしてよく、その後、視聴者メンバーのターゲットグループに対する属性付けを決定してよい。これにより、視聴者デバイスを所定のターゲットグループに自動で属性付けることが可能となる。
【0021】
少なくとも一部の例において、この方法は、さらに、視聴者に関する情報に基づいて、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムに対して、少なくとも1個のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムエレメント(以下、「プログラムエレメント」と称する)を選択することを含む。これにより、ブロードキャストプログラムの予測規模、及び/又は、視聴者の構成に応じてブロードキャストプログラムをカスタマイズすることが可能となる。
【0022】
追加的に又は代替的に、この方法は、さらに、視聴者に関する情報に基づいて、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムに対して、少なくとも1個の広告エレメントを選択することを含んでよい。これにより、ブロードキャストプログラムの予測規模、及び/又は、視聴者の構成に応じてブロードキャストプログラムの広告をカスタマイズすることが可能となる。
【0023】
例えば、少なくとも1個のプログラムエレメント、及び/又は、少なくとも1個の広告エレメントを、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者全体のために選択してよい。あるいは、少なくとも1個のプログラムエレメント、及び/又は、少なくとも1個の広告エレメントを、視聴者の少なくとも1個のグループのメンバーのために選択してよい。あるいは、少なくとも1個のプログラムエレメント、及び/又は、少なくとも1個の広告エレメントを、視聴者のメンバー個人のために個々に選択してよい。プログラム/広告エレメント(1又は複数)を視聴者全体のために選択することにより、オーディオ・ビジュアルコンテンツを届ける一方向アプローチ(例えば、ブロードキャスト)を介して視聴者全体に1個のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムを送信することが可能となる。グループ毎にプログラム/広告エレメントを選択することは、視聴者及び広告主の満足度の観点から、労力対効果の現実的なトレードオフとなるだろう。個々にプログラム/広告エレメントを選択することにより、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのパーソナル化が高まるだろうが、それを提供するための労力が増える可能性もある。
【0024】
例えば、この方法は、さらに、選択された少なくとも1個のプログラムエレメント、及び/又は、少なくとも1個の広告エレメントを、視聴者の対応するサブセット又は視聴者全体に配信することを含んでよい。これにより、パーソナル化したプログラムエレメント又は広告を提供することが可能となる。
【0025】
少なくとも一部の例において、この方法は、さらに、視聴者に関する情報に基づいて、将来の時点のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者の予測全体規模に関する情報を決定することを含む。これにより、プログラミング、及び/又は、広告の、将来の時点のプランニングが可能となる。この方法は、さらに、視聴者に関する情報に基づいて、及び/又は、将来の時点で有効な少なくとも1個の状況パラメータに基づいて、将来の時点のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者の予測構成を決定することを含んでよい。例えば、この方法は、さらに、視聴者の全体規模に関する情報に基づいて、及び/又は、この時点の視聴者の予測構成に基づいて、この時点の予測広告値に関する情報を決定してよい。これにより、広告時間スロットを自動オークション又は販売することが可能となる。例えば、将来の時点で有効な少なくとも1個の状況パラメータに基づいて、視聴者の予測全体規模を決定してよい。
【0026】
少なくとも一部の例において、この方法は、さらに、視聴者の予測全体規模に関する情報、視聴者のサブセットの規模に関する情報、視聴者の予測構成に関する情報、視聴者のサブセットの構成に関する情報、属性付けられた所定のターゲットグループに関する情報、クラスタリングされたカスタムターゲットグループに関する情報、及び、双方向チャネルを介する予測広告値に関する情報、を含むグループに含まれる少なくとも1個のエレメントを(例えば、リアルタイムに)提供することをさらに含む。例えば、この方法は、上記グループの少なくとも1個のエレメントを、デバイスのセット(例えば、モニタ対象の視聴者デバイスの少なくとも1個のサブセット、及び/又は、他のデバイス)に(例えば、コンピュータ、タブレットコンピュータ又はスマートフォン向け、あるいは、スマートフォン又はタブレットコンピュータのモバイルアプリケーション向け、のウェブサイトとして)提供することをさらに含んでよい。これにより、この情報を受信した視聴者メンバー及び他の人が、視聴者に関する統計にアクセスすることが可能となる。
【0027】
本実施例は、コンピュータプログラムであって、コンピュータ、プロセッサ又はプログラミング可能なハードウェアコンポーネントがコンピュータプログラムを実行するときに1又は複数の上記実施例に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムをさらに含む。
【0028】
本実施例は、さらに、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者に関する情報を決定する装置を含む。装置は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者のサブセットに関する情報を受信するように構成された少なくとも1個のインターフェースを含む。装置は、少なくとも1個のインターフェースを用いて、視聴者のサブセットをモニタするように構成される制御モジュールをさらに含む。制御モジュールは、さらに、モニタ対象の視聴者サブセットに基づいて、及び、少なくとも1個の状況パラメータに基づいて、視聴者に関する情報を決定するように構成される。少なくとも1個の状況パラメータは、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのプロパティ、及び/又は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが提供された時間の条件を示す。
【0029】
別の実施例において、装置は、モニタ対象の視聴者サブセットのモニタ対象の視聴者デバイスの自動フィードバックを(間接的又は直接的に)受信するように構成される。装置は、少なくとも1個のインターフェースを用いて視聴者のサブセットをモニタし、モニタ対象の視聴者デバイスから受信した自動フィードバックに基づいて、視聴者に関する情報を決定するように構成される制御モジュールをさらに含む。視聴者に関する情報の決定は、少なくとも1個の状況パラメータにさらに基づいてよい。少なくとも1個の状況パラメータは、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのプロパティ、及び/又は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが提供された時間の条件(例えば、モニタリングの時点、及び/又は、時間インターバルを含む)を示す。
【0030】
本実施例は、さらに、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのモニタ対象の視聴者サブセットから、視聴者デバイス識別子に関する情報を受信するシステムを含む。このシステムは、モニタ対象の視聴者サブセットのモニタ対象の視聴者デバイスから受信した複数の周期的なアクティビティビーコンから、モニタ対象の視聴者サブセットの複数の視聴者デバイス識別子を抽出し、1以上のセッショントラッキングエンティティに、複数の視聴者デバイス識別子に関する情報を提供するように構成された1以上の(例えば、ステートレス)受信エンティティを含む。このシステムは、さらに、複数の視聴者デバイス識別子に基づいて、モニタ対象の視聴者サブセットによるオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの消費の個々のセッションの継続時間に関する情報を決定し、データストレージエンティティに、個々のセッションの継続時間に関する予備情報を提供するように構成された1以上のセッショントラッキングエンティティを含む。このシステムは、さらに、個々のセッションの継続時間に関する情報を、データベース又はログシステムに保存するように構成された少なくとも1個のデータストレージエンティティを含む。
【0031】
このシステムによれば、多数の視聴者デバイス(例えば、視聴者が特に大規模のとき)からの視聴者デバイス識別子を処理することが可能となる。
【0032】
各種の例において、システムは、上述の装置をさらに含む。オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者に関する情報は、データベース又はログシステムに保存したセッションの継続時間に関する情報に基づいて決定してよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1A】オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者に関する情報を
決定する方法のフローチャートを示す。
【
図1B】オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者に関する情報を
決定する装置のブロック図を示す。
【
図1C】オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者に関する情報を
決定する方法をさらに示すフローチャートを示す。
【
図2A】視聴率の予測のために使用されるデータのテーブルを示す。
【
図2B】一実施形態に係る集団予測器のブロック図を示す。
【
図3】HbbTV視聴者を全体視聴者視聴率へ変換する時間可変変換係数の例(図作成時点
から見た、過去及び将来の時点)を示す。
【
図5】ユーザの行動による従来のターゲットグループのクラスタリングを示す。
【
図6】行動の分類に基づくターゲットグループの
決定を示す。
【
図8】一実施例に係る決定木のモデルと、トレーニング済みの決定木に使用される平均絶対誤差及び二乗平均平方根誤差とを示す。
【
図9】一実施例に係るニューラルネットワークのモデルと、トレーニング済みのニューラルネットワークに使用される平均絶対誤差及び二乗平均平方根誤差とを示す。
【
図10】予測視聴者データに基づく「1対多」の動的なコンテンツ挿入を示す。
【
図11】予測視聴者データに基づく個々の「1対1」の動的なコンテンツ挿入を示す。
【
図13】視聴者のサブセットに関する情報及び全体視聴者に関する予測情報を
提供するインターフェースを示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を参照して、幾つかの実施例に係る装置、及び/又は、方法を単に例示として説明する。
【0035】
添付図面を参照して、様々な実施例を詳細に説明する。図面は一部の実施例を示す。図面中、線の太さ、階層、及び/又は、範囲は、明確さのため誇張されている場合がある。
【0036】
従って、様々な変形例及び代替的な形態のさらに別の実施例を実現可能であるが、一部の特定の例を図示し、以下に詳細に説明する。しかしながら、この詳細な説明は、さらに別の実施例を、ここで説明する特定の形態に限定するものではない。さらに別の実施例は、全ての変形例、均等物、及び代替物と、特に、本開示の範囲に含まれる上述の方法の特徴の全ての実現可能性のある組み合わせとを網羅してよい。図面の説明全体について、同一の番号は、同一又は類似のエレメントを示す。同一又は類似のエレメントは、それぞれを比較したときに同一に実現しても又は変形して実現してもよい。しかしながら、同一又は類似のエレメントは、同一又は類似の機能を提供する。
【0037】
なお、エレメントが別のエレメントと「接続した」又は「連結した」と表されるとき、エレメントは、直接的に接続、又は、1以上のエレメントを介在して連結してよい。2個のエレメントA及びBを「又は」でつなぐ場合、可能な全ての組み合わせ(即ち、Aのみ、Bのみ、さらに、A及びB)を開示すると理解されたい。同じ関係を別の語で言い換えると、「少なくとも1個のA及びB」である。2個以上のエレメントの組み合わせについても同じである。
【0038】
特定の実施例を説明する目的でここに使用する用語は、さらに別の実施例を限定するものではない。単数形を使用したり1個のエレメントだけを使用したりするときはいつでも、必ず単数であることを明示的に又は黙示的に定義するものでない。さらに別の実施例において、同一の機能を実現するために複数のエレメントを使用してよい。同様に、複数のエレメントを用いて実現する機能として以下に説明するとき、さらに別の実施例において、1個のエレメント又はプロセッシングエンティティを用いて同一の機能を実現してよい。さらに、「具備する」、「具備し」、「含む」、及び/又は、「含み」の語は、説明した特徴、整数、ステップ、オペレーション、処理、アクション、エレメント、及び/又は、コンポーネントが存在することを示す。しかしながら、1以上の他の特徴、整数、ステップ、オペレーション、処理、アクション、エレメント、コンポーネント、及び/又は、これらの如何なるグループの存在又は追加を排除するものでないと理解されたい。
【0039】
他の意味に定義しない限り、ここに使用する全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、実施例が関連する技術の通常の意味で使用する。
【0040】
図1Aは、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者に関する情報を
決定する方法のフローチャートを示す。
図1Bは、対応する、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者に関する情報を
決定する装置10のブロック図を示す。装置10は、少なくとも1個のインターフェース12を有する。インターフェース12は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者のサブセットに関する情報を受信する(例えば
、モニタ対象の
視聴者サブセットのモニタ対象の視聴者デバイスの自動フィードバックを受信する)ように構成される。装置10は、制御モジュール14をさらに有する。制御モジュール14は、対応する方法の方法ステップを実行するように構成される。
【0041】
この方法は、視聴者の少なくともサブセットをモニタするステップ120を有する。少なくとも一部の例において、モニタステップ120において、モニタ対象の視聴者サブセットのモニタ対象の視聴者デバイスの自動フィードバックを受信する。この方法は、モニタ対象の視聴者サブセットに基づいて、視聴者に関する情報を決定するステップ130をさらに有する。各種の例において、決定ステップ130は、少なくとも1個の状況パラメータにさらに基づく。少なくとも1個の状況パラメータは、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのプロパティ、及び/又は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが提供される時点の条件を示す。
【0042】
少なくとも一部の例において、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムは、(リニア)ビデオストリーム(対応するオーディオを伴った)、例えば、(テレビジョン)ブロードキャストプログラム、でよい。オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムは、1以上の異なる配信チャネルを介して(例えば、アナログ若しくはデジタルケーブルを介して、地上若しくは衛星テレビジョンを介して、又はインターネットを介して)配信してよい。例えば、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムに関する追加情報(例えば、テレテキストを介して以前に送信した情報)を、インターネットを介して配信してよい。追加情報は、例えば、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの解説、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのサブタイトル、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムに挿入又は重畳すべき広告、及び/又は、多様な他の情報(例えば、視聴者の(視聴者のモニタ対象のサブセットの)視聴者デバイスが実行するスクリプト)を含んでよい。例えば、視聴者に関する情報は、視聴者サブセットの計測した指標(例えば、モニタ対象のサブセット内の純視聴率、又は、モニタ対象のサブセット内の(視聴者デバイス、視聴者メンバー、又は、視聴者世帯の)総視聴率、サブセット内の平均視聴継続時間、サブセット内の視聴者回復数、サブセット内の視聴者増加数、又は、サブセット内の視聴者減少数)を含んでよい。追加的に又は代替的に、視聴者に関する情報は、視聴者(全体)の推定された指標(例えば、視聴者内の推定純視聴率、又は、視聴者内の(視聴者デバイス、視聴者メンバー、又は、視聴者世帯の)推定総視聴率、視聴者内の推定平均視聴継続時間、視聴者内の推定回復視聴者数、視聴者内の推定増加視聴者数、又は、視聴者内の推定減少視聴者数)を含んでよい。
【0043】
各種の例において、モニタステップ120は、視聴者のサブセット(例えば、特定の伝達方法(例えば、HbbTV(ハイブリッドテレビジョン))を介して、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムを観る視聴者のサブセット)をモニタしたり、視聴者全体をモニタしたりしてよい。例えば、視聴者のサブセットをモニタすることにより、視聴者のサブセットの消費から、視聴者全体のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの消費(例えば、視聴者全体の純視聴率又は総視聴率)を差し引けばよい。モニタステップ120は、モニタ対象の視聴者サブセットのモニタ対象の視聴者デバイスの(又は、視聴者デバイスから)使用状況インジケータ(例えば、自動フィードバック)を受信してよい。例えば、自動フィードバックは、(モニタ対象の)視聴者サブセットの視聴者デバイスからの周期的なビーコン(例えば、モニタ対象の視聴者サブセットの視聴者デバイスから周期的に送信された視聴者デバイス識別子)を含んでよい。視聴者デバイスは、視聴者サブセットの視聴者メンバーが使用する提供デバイス(例えば、インターネット接続テレビジョン)でよい。
【0044】
各種の例において、(
図1Cに示すように)、
この方法は、双方向チャネルを介して(例えば、インターネッ
ト、又は、他の双方向ネットワークを介して)モニタ対象の視聴者デバイスにオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムに関する追加情報を提供するステップ110をさらに含んでよい。
【0045】
例えば、追加情報は、ハイパーテキストコンテンツ、例えば、視聴者デバイスが実行すべきスクリプトを含むHypertext markup language(HTML)ドキュメントを含んでよい。追加情報は、トラッキングスクリプト(例えば、視聴者サブセットの視聴者デバイスが実行すべき複数のプログラム命令/スクリプト命令)を含んでよい。例えば、追加情報は、視聴者サブセットの視聴者デバイスが、この方法を実行する単数のサーバ又は複数のサーバ(例えば、装置10)と通信するための命令を含んでよい。スクリプト、及び/又は、命令は、視聴者サブセットの視聴者デバイスに、サーバから(例えば、この方法を実行する装置から)追加情報(例えば、不可視のトラッキング画素/カウンティング画素)の少なくとも一部をリクエスト、ダウンロード、及び/又は、表示させる命令を含んでよい。例えば、視聴者サブセットをモニタするステップ120は、双方向チャネルを介してモニタ対象の視聴者デバイスから視聴者デバイス識別子に関する情報を受信することを含んでよい。例えば、視聴者デバイス識別子に関する情報は、モニタ対象の視聴者デバイスからの、複数の視聴者デバイス識別子(例えば、モニタ対象の視聴者デバイス個々から経時的に受信した、同一複数回の視聴者デバイス識別子)を含んでよい。各種の例において、視聴者デバイス識別子は、視聴者サブセットの視聴者メンバーの視聴者デバイスを(一意に)識別してよい。例えば、視聴者デバイス識別子は、視聴者デバイスのクッキー(例えば、パーシステントクッキー)に保存してよい。視聴者デバイス識別子に関する情報は、モニタ対象の視聴者デバイスのクライアントリクエストの一部として受信してよい。例えば、クライアントリクエストは、クッキーに保存した視聴者デバイス識別子を含んでよい。各種の例において、この方法は、モニタ対象の視聴者デバイスに視聴者デバイス識別子(例えば、視聴者デバイスに保存された、視聴者デバイス識別子としてのクッキー、又は、クッキー内に保存された視聴者デバイス識別子)を最初に割り当てることをさらに含んでよい。この方法は、最初に割り当てた視聴者デバイス識別子を、双方向チャネルを介してモニタ対象の視聴者デバイスに提供し、モニタ対象の視聴者デバイスに(例えば、クッキーとして、又は、クッキー内に)保存することをさらに含んでよい。視聴者のサブセットをモニタすることは、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムを提供するモニタ対象の視聴者デバイスから、視聴者デバイス識別子に関する情報を周期的に受信することを含んでよい。スクリプト、及び/又は、命令は、視聴者サブセットの視聴者デバイスに、サーバから(例えば、この方法を実行する装置から)追加情報(例えば、不可視のトラッキング画素/カウンティング画素)の少なくとも一部を周期的にリクエスト、ダウンロード、及び/又は、表示させる命令を含んでよい。
【0046】
各種の例において、視聴者に関する情報を決定することは、複数の時点に亘って、少なくとも1個の状況パラメータについて、モニタ対象の視聴者サブセットの所定の視聴者メンバーについて受信した視聴者デバイス識別子に関する情報を集約することを含む。例えば、視聴者に関する情報を決定することは、所定の視聴者メンバーについてオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの消費の個々のセッションを検出することを含んでよい。例えば、個々のセッションは、複数の時点に亘ってよい。視聴者に関する情報を決定することは、データベース又はログシステムに、個々のセッションの継続時間に関する情報を保存することを含んでよい。例えば、個々のセッションの継続時間に関する情報は、受信した視聴者デバイス識別子に関する情報の集約を含んでよい。例えば、視聴者に関する情報を決定することは、保存済みの個々のセッションの継続時間に関する情報に基づいてよく、及び/又は、受信した視聴者デバイス識別子に関する情報の集約に基づいてよい。
【0047】
少なくとも一部の例において、この方法は、モニタ対象の視聴者サブセットの1以上の類似の視聴者メンバーをクラスタリングして、1以上のカスタムターゲットグループを決定することをさらに含む。例えば、1以上のカスタムターゲットグループは、年齢グループ、及び/又は、性別に基づかなくてよい。1以上のカスタムターゲットグループは、1以上のカスタムターゲットグループに割り当てた視聴者デバイスの興味又は消費パターンを示してよい。クラスタリングは、受信した視聴者デバイス識別子に関する情報に基づいて、及び、少なくとも1個の状況パラメータに基づいて、例えば、状況パラメータが変化したとき(例えば、気象が変わった場合、又は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのプログラムが変わった場合)に類似の消費パターンを識別することにより、類似の視聴者メンバーのカスタムターゲットグループを識別してよい。各種の例において、(後述するように)カスタムターゲットグループは、複数の所定のターゲットグループに含まれないでよい。例えば、カスタムターゲットグループは、視聴者メンバーのクラスタリングに基づいて自動的に作成されてよい。
【0048】
少なくとも一部の例において、この方法は、例えば、受信した視聴者デバイス識別子に関する情報、及び、少なくとも1個の状況パラメータに基づいて、モニタ対象のサブセットの視聴者メンバーを複数の所定のターゲットグループに属性付ける(例えば、ゼロ又は一部又は全部の個々のモニタ対象のサブセットのモニタ対象の視聴者デバイス又は視聴者メンバーを、1以上の複数の所定のターゲットグループに割り当てる)ことをさらに含んでよい。例えば、所定のターゲットグループは、モニタ対象の視聴者サブセットの視聴者デバイスに関連する視聴者メンバーの(推定の)年齢又は年齢グループ、(推定の)性別、(推定の)収入、(推定の)職業、及び/又は(推定の)教育レベル、を含むグループに含まれる少なくとも1個のエレメントに基づいて、相互に区別してよい。少なくとも一部の例において、所定のターゲットグループは、共通点の無いセットでよい。カスタムターゲットグループは、共通点のあるセットでもよい。各種の例において、この方法は、例えば、1以上のカスタムターゲットグループを決定した後に、モニタ対象のサブセットの視聴者メンバーを1以上のカスタムターゲットグループに属性付けることをさらに含んでよい。例えば、モニタ対象のサブセットの視聴者メンバーを属性付けることは、少なくとも1個のクラスタリング技術に基づいて、及び/又は、人工ニューラルネットワークに基づいてよい。例えば、モニタ対象のサブセットの視聴者メンバーを、少なくとも1個のクラスタリング技術を用いて、モニタ対象の視聴者サブセットの視聴者デバイス/視聴者メンバーを推定年齢グループ/性別グループにクラスタリングし、推定年齢グループ/性別グループに基づいて、複数の所定のターゲットグループに属性付ければよい。例えば、少なくとも1個のクラスタリング技術を用いて、モニタ対象の視聴者サブセットの視聴者デバイス/視聴者メンバーを推定行動グループにクラスタリングし、行動に基づいて、モニタ対象のサブセットの視聴者メンバーを1以上のカスタムターゲットグループに属性付ければよい。例えば、モニタ対象のサブセットの視聴者メンバーの行動を、人口統計学的特性情報が存在する視聴者メンバーの既知の行動と比較することにより、視聴者メンバーを人口統計学的特性データに基づいてクラスタリングしてよい。例えば、人工ニューラルネットワークを用いて、モニタ対象のサブセットの視聴者メンバーを、受信した視聴者デバイス識別子に関する情報及び入力値である少なくとも1個の状況パラメータを用いて、複数のターゲットグループの対応する所定のターゲットグループ(1又は複数)に、及び/又は、対応するカスタムターゲットグループに、割り当ててよい。例えば、人工ニューラルネットワークは、特定の状況パラメータに関する視聴者デバイスの使用状況パターンに基づいて、複数の所定のターゲットグループのメンバーシップ、及び/又は、1以上のカスタムターゲットグループのメンバーシップを識別するよう予備トレーニングしてよい。
【0049】
少なくとも1個の状況パラメータは、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの少なくとも1個のプロパティ、及び/又は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが提供される時点の少なくとも1個の条件を示す。例えば、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの少なくとも1個のプロパティは、プログラムエレメントのメタデータ(例えば、プログラムエレメントの解説、プログラムエレメントのジャンル、プログラムエレメントの1以上の俳優に関する情報、プログラムエレメントのタイプ(コマーシャル、映画、シリーズ等)に関する情報、シリーズのエピソードに関する情報、広告料に関する情報、及び/又は、プログラムエレメントが提供される時間に関する情報)を含んでよい。例えば、プログラムエレメントが提供される時間に関する情報は、月、日、平日、時刻、季節、及び、祝日かどうか(又は、祝日の前日かどうか)のうち少なくとも1個のエレメントを含んでよい。オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが提供される時点の少なくとも1個の条件は、例えば、外的条件(例えば、気象条件、及び/又は、同時進行中の他のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラム)に関する情報を含んでよい。例えば、気象条件は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが提供される地域の全体、又は、地域の一部に有効でよい。気象条件は、温度、日照時間及び降水量、を含むグループに含まれる少なくとも1個のエレメントに関する情報を含んでよい。
【0050】
少なくとも1個の状況パラメータは、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのメタデータ、既知の視聴者規模、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが提供される時点の外的条件に関する情報、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが提供される時点の気象条件に関する情報、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが提供される時間の情報、及び、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムが提供される時点で進行中のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムに関する情報、を含むグループに含まれる1以上のエレメントに基づいてよい。一部の例において、少なくとも1個の状況パラメータは、集団の(例えば、複数の時点における)純視聴率又は総視聴率、モニタ対象のサブセットの(例えば、複数の時点における)純視聴率又は総視聴率、集団の構成、及び、個々のモニタ対象のサブセットの視聴者メンバーに関する情報(例えば、視聴者デバイス識別子、ロケーション、視聴者デバイス、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラム配置)を含んでよい。ある時点において、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムは、1個以上の状況パラメータを含んでよい。例えば、ある時点において、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムは、この時点の気象に関する状況パラメータ、この時点のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのジャンルに関する状況パラメータ、及び、この時点の同時進行中のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムに関する状況パラメータを有してよい。少なくとも一部の例において、用語「状況パラメータ」及び「状況パラメータ値」は、同義に使用してよい。例えば、状況パラメータを用いて別の値を決定するとき、この値、及び/又は、この指示子/識別子を基準として使用してよい。
【0051】
少なくとも一部の例において、この方法は、少なくとも1個の変換係数を決定することをさらに含む。例えば、少なくとも1個の変換係数は、少なくとも1人の過去の視聴者に関する情報に基づいて、及び/又は、少なくとも1個の状況パラメータに基づいて、決定してよい。少なくとも1個の変換係数は、モニタ対象の視聴者サブセット内で計測された少なくとも1個のプロパティと、視聴者の少なくとも1個のプロパティとの間の関係を示してよい。少なくとも1個の変換係数は、少なくとも1個の過去にモニタ対象であった視聴者サブセット内で計測した少なくとも1個のプロパティ値と、(少なくとも1人の)過去の視聴者の対応するプロパティ値(1又は複数)との間の関係(例えば、比率)に基づいて決定してよい。各種の例において、視聴者の少なくとも1個のプロパティは、視聴者の(例えば、予測又は計算上の)全体規模、平均視聴継続時間(例えば、複数のセッション、及び/又は、視聴者メンバーに亘り計算された)、視聴者回復数(例えば、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの消費を一時的に中断した視聴者)、(オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの)視聴者増加数、及び、(オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの)視聴者減少数、を含むグループに含まれる少なくとも1個のエレメントを含む。例えば、少なくとも1個の変換係数は、モニタ対象の視聴者サブセットと、視聴者全体のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの(例えば、視聴者デバイス、視聴者メンバー、視聴者世帯の)純視聴率及び総視聴率との間の少なくとも2個の比率を示す少なくとも2個の変換係数を含んでよい。この方法は、少なくとも1個の変換係数に基づいて、視聴者の少なくとも1個のプロパティを推定することをさらに含んでよい。
【0052】
一部の例において、少なくとも1個の変換係数は、例えば、過去にモニタ対象であった視聴者サブセット及び対応する過去の
(例えば、様々な状況パラメータに関連した)全体視聴者規
模を統計的に分析することにより、回帰分析を用いて
決定する。
図12は、変換係数の
決定に使用可能な属性相関分析のデータセットを示す。
図12において、
図12の
行と列のそれぞれの係数の間の関係において、0は相関無しを意味し、1は比例を意味し、-1は
逆比例を意味する。過去の変換係数と状況パラメータのセット(例えば、
図12の
行と列)との間の相関及び依存関係は、教師あり学習アルゴリズムにより、
決定され、将来の推定/予測のためにトレーニングされればよい。
図12において、行/列は、プログラムタイトル、プログラムサブタイトル、プログラムのキャスターの識別子、プログラムタイプ、プログラム開始、プログラム終了、プログラム継続時間、プログラム
単価、プログラムパート、プログラムエピソード、時間、集団純視聴率、HbbTV絶対数、集団変換係数、HbbTV変換係数、週、時刻、祝日かどうか、休前日かどうか、及び、集団絶対数である。
【0053】
追加的に又は代替的に、少なくとも1個の変換係数は、人工ニューラルネットワークを用いて決定してよい。この方法は、例えば、少なくとも1個の状況パラメータと、少なくとも1個の過去にモニタ対象であった視聴者サブセット内で計測された対応するプロパティと、視聴者全体の対応する過去のプロパティとの間の関係/比率とを、トレーニングインプットとして使用する、人工ニューラルネットワークのトレーニングをさらに含んでよい。この方法は、少なくとも1個の変換係数に基づいて、及び、視聴者に関する情報に基づいて、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者の全体規模を(例えば、モニタ対象のサブセット内の計測された純視聴率又は総視聴率と、少なくとも1個の変換係数とを乗算することにより)推定することをさらに含んでよい。例えば、この方法は、リアルタイムで(例えば、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムエレメントを提供してから4時間未満、又は、2時間未満、1時間未満、30分未満、20分未満、10分未満、5分未満、1分未満、20秒未満、10秒未満経過後の)視聴者の少なくとも1個のプロパティを(例えば、視聴者の全体規模、又は、装置又はシステムが作成した他のデータ、を表示するために、)推定することをさらに含んでよい。一実施形態例において、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムエレメントを提供してから10秒未満経過後の視聴者のプロパティが推定される。
【0054】
少なくとも一部の例において、この方法は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムに関する追加情報の一部として、視聴者の全体規模に関する情報を(例えば、モニタ対象の視聴者デバイスに)提供することをさらに含んでよい。例えば、この方法は、モニタ対象のサブセットの視聴者デバイスに表示するために、例えば、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムエレメントを提供してからリアルタイムで(例えば、4時間未満、又は、2時間未満、1時間未満、30分未満、20分未満、10分未満、5分未満、1分未満、20秒未満、10秒未満経過後の)、視聴者の全体規模の(例えば、推定又は計算上の)予測に関する情報、(例えば、モニタ、決定、推定、及び/又は、予測上の)視聴者のサブセットの規模に関する情報、(例えば、推定又は計算上の)視聴者の構成の予測に関する情報、(例えば、モニタ、決定、推定、及び/又は、予測上の)視聴者のサブセットの構成に関する情報、属性付けられた所定のターゲットグループに関する情報、クラスタリングされたカスタムターゲットグループに関する情報、及び、前記双方向チャネル(又は別の双方向チャネル)を介する予測広告値に関する情報、を含むグループに含まれる少なくとも1個のエレメントを提供することを、さらに含んでよい。例えば、この方法は、追加的に又は代替的に、上記グループの少なくとも1個のエレメントを、デバイスのセット(例えば、モニタ対象の視聴者デバイスの少なくとも1個のサブセット、及び/又は、他のデバイス)に、(例えば、コンピュータ、タブレットコンピュータ又はスマートフォン向け、あるいは、スマートフォン又はタブレットコンピュータのモバイルアプリケーション向け、のウェブサイトとして)提供することをさらに含んでよい。例えば、視聴者の推定/予測全体規模に関する情報又は推定/予測上の視聴者の構成に関する情報は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムに重畳してモニタ対象のサブセットのデバイスに表示してよく、パスワードを用いてアクセス可能としてもよい。
【0055】
各種の例において(
図1Cに示すように)、この方法は、視聴者に関する情報に基づいて、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのための少なくとも1個のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムエレメント(略称:
「プログラムエレメント
」)を選択するステップ140をさらに含んでよい。例えば、少なくとも1個のプログラムエレメントは、テレビジョンプログラムコンテンツセグメントでよい。例えば、選択ステップ140は、現在又は予測上の視聴者の構
成に基づいて(例えば、将来の時点の予測上の視聴者の構
成に基づいて)少なくとも1個のプログラムエレメントを選択してよい。少なくとも一部の例において、少なくとも1個のプログラムエレメントは、リアルタイム
で(例えば、プログラム
エレメントを提供する前の4時間未満、又は、2時間未満、1時間未満、30分未満、20分未満、10分未満、5分未満、1分未満、20秒未満、10秒未満
で)選択してよい。
【0056】
この方法は、視聴者に関する情報に基づいて、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのための少なくとも1個の広告エレメントを選択するステップ150をさらに含んでよい。例えば、選択ステップ150は、現在又は予測上の視聴者の構成に基づいて(例えば、将来の時点の予測上の視聴者の構成に基づいて)少なくとも1個の広告エレメントを選択してよい。少なくとも1個の広告エレメントは、例えば、コマーシャルでよい。少なくとも1個の広告エレメントは、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのコンテンツプログラムに割り込んでよい。追加的に又は代替的に、少なくとも1個の広告エレメントは、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのコンテンツプログラムと同時に提供してよい。少なくとも一部の例において、少なくとも1個の広告エレメントは、リアルタイムで(例えば、プログラムエレメントを提供する前の4時間未満、又は、2時間未満、1時間未満、30分未満、20分未満、10分未満、5分未満、1分未満、20秒未満、10秒未満で)選択してよい。各種の例において、少なくとも1個の広告エレメントを選択するステップ150は、少なくとも1個の広告エレメントを選択する150ために、広告エレメントの所望の継続時間、広告エレメントの所望の数、及び、視聴者の構成のうち少なくとも1個を決定することを含む。
【0057】
少なくとも一部の例において、少なくとも1個のプログラムエレメント、及び/又は、少なくとも1個の広告エレメント(略称:「少なくとも1個のプログラム/広告エレメント」)は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者全体のために選択され(例えば、さらに送信され)てよい。例えば、少なくとも1個のプログラム/広告エレメントは、アナログ又はデジタル、ケーブル、地上又は衛星テレビジョン又はインターネットプロトコルテレビジョン(IPTV)を用いて、視聴者全体に送信/配信してよい。
【0058】
あるいは、少なくとも1個のプログラム/広告エレメントは、視聴者の少なくとも1個のグループのメンバーのために選択され(例えば、さらに送信され)てよい。例えば、少なくとも1個のプログラム/広告エレメントは、所定の、及び/又は、新規のターゲットグループの1個のターゲットグループとの関連性に応じて選択され(例えば、さらに送信され)てよい。例えば、少なくとも1個の広告エレメント、及び/又は、少なくとも1個のプログラムエレメントは、インターネットを介して、視聴者の少なくとも1個のグループのメンバーに配信してよい。
【0059】
あるいは、少なくとも1個のプログラム/広告エレメントは、例えば、1以上のカスタムターゲットグループへの(又は複数の所定のターゲットグループへの)属性付けに基づいて、1人の視聴者のメンバーのために個々に選択してよい。例えば、少なくとも1個のプログラム/広告エレメントは、インターネットを介して、1人の視聴者のメンバーに配信してよい。
【0060】
この方法は、例えば、双方向チャネルを介して又はブロードキャストを介して、対応する視聴者のサブセットに又は視聴者全体に、選択された少なくとも1個のプログラム/広告エレメントを配信することをさらに含んでよい。例えば、少なくとも1個のプログラム/広告エレメントを配信することは、対応する視聴者のサブセットに少なくとも1個のプログラム/広告エレメントを個々に送信すること、あるいは、視聴者のサブセットに又は視聴者全体に(例えば、追加情報と同様に)少なくとも1個のプログラム/広告エレメントをブロードキャスト/マルチキャストすることを含んでよい。
【0061】
各種の例において、この方法は、視聴者に関する情報に基づいて(例えば、過去の、学習済みの又はトレーニング済みの視聴者に関する情報に基づいて)、将来の時点のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者の予測全体規模(略称:「将来の視聴者の予測規模」)に関する情報を決定するステップ160をさらに含む。例えば、将来の視聴者の予測規模に関する情報の決定ステップ160は、将来の時点で有効な少なくとも1個の状況パラメータにさらに基づいてよい。例えば、将来の視聴者の予測規模に関する情報を決定するステップ160は、追加的に又は代替的に、将来の時点で有効な少なくとも1個の変換係数に基づいてよい(ひいては、将来の時点で有効な少なくとも1個の状況パラメータに基づいてよい)。将来の視聴者の予測規模に関する情報は、特に、将来の時点でのモニタ対象の視聴者サブセットの推定規模、及び/又は、将来の時点での少なくとも1個の変換係数に基づいてよい。
【0062】
少なくとも一部の例において、この方法は、視聴者に関する情報に基づいて、及び/又は、将来の時点で有効な少なくとも1個の状況パラメータに基づいて(例えば、過去の、学習済みの又はトレーニング済みの視聴者に関する情報に基づいて)、将来の時点のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの予測上の視聴者の構成を決定することをさらに含んでよい。例えば、予測上の視聴者の構成を決定することは、追加的に又は代替的に、将来の時点で有効な少なくとも1個の変換係数に基づいてよい(ひいては、将来の時点で有効な少なくとも1個の状況パラメータに基づいてよい)。
【0063】
例えば、この方法は、将来の時点での将来の視聴者の予測規模及び予測上の視聴者の構成に基づいて、将来の時点での予測広告値に関する情報を決定することをさらに含んでよい。将来の時点での視聴者の構成は、将来の時点で有効な少なくとも1個の状況パラメータに基づいて予測してよい。
【0064】
少なくとも1個のインターフェース12は、情報を受信、及び/又は、送信するための1以上の入力、及び/又は、出力に対応してよい。モジュール内、モジュール間、又は、異なるエンティティのモジュール間で、指定のコードに従ったデジタル(ビット)値で、情報を受信、及び/又は、送信してよい。制御モジュール14は、1以上のプロセッシングユニット、1又は複数のプロセッシングデバイス、あらゆるプロセッシング手段(例えば、プロセッサ、コンピュータ、又は、専用に開発されたソフトウェアで稼動するプログラミング可能なハードウェアコンポーネント)を用いて実現してよい。言い換えれば、制御モジュール14の上述の機能は、ソフトウェアで構成し、それを1以上のプログラミング可能なハードウェアコンポーネントで実行してよい。このハードウェアコンポーネントは、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ等を含んでよい。
【0065】
図1Dは、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラム
のモニタ対象の
視聴者サブセットから視聴者デバイス識別子に関する情報を受信するシステム20を示すブロック図である。
【0066】
システムは、1以上の受信エンティティ22を含む。受信エンティティ22は、モニタ対象の視聴者デバイスから受信した複数の周期的なアクティビティビーコンから、複数の視聴者デバイス識別子を抽出するように構成される。例えば、1以上の受信エンティティ22は、ステートレス受信エンティティでよく、例えば、1以上の受信エンティティは、過去に受信した視聴者デバイス識別子に関する情報を保存しないでよい。例えば、複数の視聴者デバイス識別子は、モニタ対象の視聴者サブセットの視聴者デバイス識別子に関する情報に含まれてよい。複数の周期的なアクティビティビーコンは、少なくとも追加情報の一部を周期的にリクエスト又はダウンロードするモニタ対象の視聴者デバイスから送信されてよい。例えば、複数の視聴者デバイス識別子は、モニタ対象の視聴者デバイスでクッキー内に保存されてよい。1以上の受信エンティティ22は、複数の視聴者デバイス識別子に関連しない複数の周期的なアクティビティビーコンからのエレメントを破棄するように構成されてよい。1以上の受信エンティティ22は、1以上のセッショントラッキングエンティティ24に複数の視聴者デバイス識別子に関する情報を提供するように構成される。例えば、1以上の受信エンティティ22は、例えば、複数の視聴者デバイス識別子を恒久的に保存せずに、1以上のセッショントラッキングエンティティ24に複数の視聴者デバイス識別子を送信するように構成されてよい。
【0067】
システム20は、1以上のセッショントラッキングエンティティ24をさらに含む。セッショントラッキングエンティティ24は、複数の視聴者デバイス識別子に基づいて、モニタ対象の視聴者サブセットによるオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの消費の個々のセッションの継続時間に関する情報を決定するように構成される。例えば、1以上のセッショントラッキングエンティティ24は、例えば、視聴者デバイスの所定の視聴者デバイス識別子を初めて(例えば、セッションタイムアウト後に初めて)受信したときに、個々のセッションの開始を判断し、さらに、セッションタイムアウトを判断したときに個々のセッションの終了を判断する(即ち、視聴者デバイス識別子を少なくとも一度受信した後、視聴者デバイス識別子を再度受信することなく、所定の時間長さ待機する)ことにより、複数の視聴者デバイス識別子の消費の個々のセッションを識別するように構成されてよい。1以上のセッショントラッキングエンティティ24は、データストレージエンティティ26に、個々のセッションの継続時間に関する予備情報を提供するように構成される。例えば、個々のセッションの継続時間に関する予備情報は、個々のセッションの継続時間、個々のセッションの開始、個々のセッションの終了、及び、個々のセッションに関連する視聴者デバイス識別子、を含むグループに含まれる少なくとも1個のエレメントを含んでよい。
【0068】
システム20は、少なくとも1個のデータストレージエンティティ26をさらに含む。データストレージエンティティ26は、データベースに又はログシステムに、個々のセッションの継続時間に関する情報を保存するように構成される。例えば、データストレージエンティティ26は、個々のセッションの視聴者デバイス識別子とともに、個々のセッションの継続時間に関する情報を保存するように構成されてよい。追加的に又は代替的に、少なくとも1個のデータストレージエンティティ26は、データベースに又はログシステムに、各時点(例えば、1日のモニタ対象の毎分)ごとのモニタ対象のサブセットの規模を保存するように構成されてよい。少なくとも1個のデータストレージエンティティ26は、個々のセッションの継続時間(例えば、開始時間及び終了時間)に基づいて、各時点のモニタ対象のサブセットの規模を判断するように構成されてよい。
【0069】
少なくとも一部の例において、1以上の受信エンティティ22、1以上のセッショントラッキングエンティティ24、及び/又は、少なくとも1個のデータストレージエンティティ26は、(それぞれ)、システムの他のエンティティ、及び/又は、モニタ対象の視聴者デバイスと通信するように構成された少なくとも1個のインターフェース(少なくとも1個のインターフェース12と同様に実装されてよい)と、各エンティティの機能を提供するように構成された制御モジュール(制御モジュール14と同様に実装されてよい)とを含んでよい。少なくとも一部の例において、1以上の受信エンティティ22、1以上のセッショントラッキングエンティティ24、及び/又は、少なくとも1個のデータストレージエンティティ26は、ネットワーク内のネットワークエンティティ(例えば、サーバ、仮想サーバ、又は、仮想プロセッシングインスタンス)として実装してよい。
【0070】
各種の例において、システム20は、装置10をさらに含んでよい。オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの視聴者に関する情報は、データベース又はログシステムに保存されたセッションの継続時間に関する情報に基づいてよい。制御モジュール14は、データベース又はログシステムに保存されたセッションの継続時間に関する情報に基づいて、視聴者に関する情報を決定するように構成されてよい。
【0071】
少なくとも一部の例に関するアプローチにおいて、全体テレビ視聴者の非典型的サブセットの(例えば、モニタ対象のサブセットの)収集した視聴行動に基づいて、実テレビ視聴者視聴率と、ブロードキャストチャネルのターゲットグループシェアとを近似してよい。上記方法、装置及びシステムの実施形態例を以下に示す。上記方法、装置又はシステムの詳細及び態様を、下記に提案する概念又は1以上の例(例えば、
図2乃至12)と組み合わせて述べる。上記方法、装置又はシステムは、提案する概念の1以上の態様又は上記若しくは下記の1以上の例に対応する1以上の追加的なオプションの属性を含んでよい。
【0072】
ハイブリッドテレビ技術を用いて、少なくとも一部の例において、ブロードキャスト事業者は、所定のチャネルにある端末(例えば、モニタ対象のサブセットの視聴者デバイス)(従って、ひいては、この端末を使用してこのブロードキャストチャネル(例えば、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラム)を観る少なくとも1人の視聴者)の存在を追跡できる。テレビ保有世帯におけるハイブリッドテレビ技術の普及率は100%に近いわけではなく、さらに、全てのインターネットサポート端末がインターネットに接続されているわけではないが、ブロードキャスト事業者の計測は、全ての到達したブロードキャスト受信機のサブセットを率直に表す可能性がある。
【0073】
インターネット接続済みの端末の視聴者は、最適に選択されたのではなく、従って、全体視聴者の典型ではないかも知れない。しかしながら、多くの場合、ハイブリッドテレビ使用数は、従来の典型的視聴者サブセットの使用数より高い可能性がある。この理由により、これらの数が、以下に説明する少なくとも一部の例又は実施形態のベースを構築しうるのである。
【0074】
一部の従来のシステムにおいては、テレビ及びブロードキャストドメインの視聴者計測は、極めて限定された世帯グループに設置された専用パネルに依存していた場合がある。これらの世帯及び世帯内の個人は、例えば、特定の国内の実テレビ視聴者の典型的なコピーを近似する統計的パターンに従って選択されることがある。この限定的且つ近似的な計算に基づいて、マーケット全体に対してTV視聴者を計算したり、テレビチャネルのKPI(キーパフォーマンスインジケータ)(例えば、純視聴率又は総視聴率等)を公表したりする場合がある。これは、プログラムが放送された直後の日に収集及び推定されたデータに基づいて行われることがある。一部のシステムの視聴者データは、リアルタイムのテレビプログラミングに直接寄与しない履歴データである場合がある。さらに、集団メンバーの全体数は、近似視聴率計算値を保証するには(特にチャネルが小さく視聴者が少ない場合に)かなり低すぎる場合がある。テレビで消費する全ての広告がこの近似計算値に基づく可能性があることを考慮すると、テレビチャネルが小さいほど、過度に不利となる可能性がある。従って、既成のシステムでは、そのビジネスモデルや事業基盤が、何らかの形で阻害される可能性がある。
【0075】
少なくとも一部の例において、テレビプログラミングを直ちに調整及び修正するため、必要なリアルタイムデータに加えて、リアルタイムのテレビ視聴者に関する予測データを提供してよい。特定のチャネルの実際のテレビ視聴者に基づいて、ブロードキャスト事業者/チャネルオペレータは、現在チャネルを観ている特定の視聴者、及び/又は、ターゲットグループに合わせて、次のコンテンツ(例えば、少なくとも1個のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムエレメント)又は広告(例えば、少なくとも1個の広告エレメント)をカスタマイズすることが可能となる。従って、広告主又はコンテンツオーナーは、アドポッド又はプレースメントオポチュニティを提供するコンテンツが放送されるより、はるか前に企画済みのアドポッド又はプレースメントオポチュニティを購入する代わりに、はるかに効率的且つ動的な方法で、特定のターゲットグループに到達できる可能性がある。
【0076】
様々な例において、実テレビ視聴者サブセットのテレビデータ集約を提供してよい。少なくとも一部の実施形態において、TV視聴者データは、例えば、HbbTVスタンダードに従って、例えば、接続されたテレビセットのインターネットブラウザ環境を介して収集してよい。特定のトラッキングソフトウェアへのリンクを、ブロードキャストストリームを介して(例えば、MPEG(モーション・ピクチャー・エクスパート・グループ)トランスポートストリームのアプリケーション情報テーブル(AIT)を介して)、テレビセットに提供してよい。テレビセットは、ブロードキャストストリームに接続したブラウザベースのアプリケーション環境において、特定のトラッキングソフトウェアへのリンクにより提供されたURL(ユニフォームリソースロケータ)からトラッキングソフトウェア又はスクリプトをロード可能でよい。一部のウェブトラッキングの例とは対照的に、IP(インターネットプロトコル)通信による視聴者トラッキング方式は、特別な動作を行ってよい。1個のサーバコールは、例えば、視聴者がブロードキャストチャネル(例えば、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラム)を観ている時点(のみ)を示してよい。クライアントは、一方で、表示されたコンテンツについて何も知らなくてよい。この情報の価値は、サーバ側で高められてよい。さらに、TVクライアントは、現在視聴中のセッションが継続中である(そして、視聴者がチャネルを観ている)とシステムに通知するために、一定周期でウェブサーバにコールする必要があってよい。所謂ハートビートコール(例えば、視聴者デバイス識別子に関する情報を含む)を、例えば、1乃至10秒などの一定の短い時間間隔で(例えば、周期的に)送信してよい。クライアント側のスクリプト(追加情報に含まれてよい)は、ブロードキャストチャネルをスイッチオンしたときに最初にロードされ、トラッキング画素をロードしてよい。トラッキング画素は、視聴者には不可視でよいが、トラッキングサーバに情報を送信してよい。通常のテレビセットは、デバイスの識別に使用され得る固有の識別子(例えば、視聴者デバイス識別子)を有さない場合がある。このため、サーバが作成した識別子は、テレビセットのローカルストレージ/クッキーに保存してよい。トラッキング画素の(各)ローディングは、他のチャネルからザッピングしたり、テレビセットをスイッチしたり、又は、テレビセットの電源プラグを抜いたりした後でも、デバイスを永続的に識別可能に作成された識別子をさらに含んでよい。
【0077】
サーバは、従来の集団分析システムで既知のものと同一の結果を示すために、データ(例えば、視聴者に関する情報)を集約してもよい。要するに、異なる方法で計測された視聴率を示す異なる値が計算されてよい。純視聴率は、特別な規則に従ってよく、所定の時間長さ(例えば、本日午後1時から午後2時まで)中のアクティブな視聴者の量を示してよい。しかしながら、別の期間(例えば、午後1時から午後3時まで)の純視聴率は、単純に、2つの個別の期間(午後1時から午後2時まで、及び、午後2時から午後3時まで)の合計とならない場合がある。何故なら、一部の視聴者は、期間中全体を通してアクティブな場合があり、このため、1度(のみ)カウントされる場合があるためである(これに対して、両期間の視聴率の合計は、これらを2度カウントする場合がある)。従って、実際のビューセッションを考慮して、提示する各計測値を計算することになる。これに対して、中間結果は、誤まった計測値をもたらす可能性がある。注目すべき値は、純視聴率、総視聴率(延べ視聴率(グロス・レーティング・ポイント(GRP))リサーチ、及び延べ視聴率(GRP)セッション)、累計視聴率、回復率(オポチュニティ・トゥ・シー、(OTS))、滞在時間(VWD)、増加視聴者数、及び、減少視聴者数であろう。
【0078】
データ定義
【0079】
この方法の共通理解のため、このアプローチを理解するための重要用語を以下に説明する。
【0080】
図2Aは、視聴率の予測のためのデータ統計のテーブルを示す。テーブルは、時間202、集団純視聴率204、集団絶対数206、HbbTV絶対数208、HbbTV変換係数210、1年の何週目212、曜日214、時刻(分単位、午前3時からカウント開始)216、祝日218、休前日220、プログラムタイプ222、プログラム開始224、プログラム終了226、プログラム継続時間228、プログラムタイトル230、プログラムサブタイトル232、プログラム
単価234、プログラムパート236、プログラムエピソード238、気象温度240、気象晴天242、及び、気象雨天244の列を含む。集団は、少なくとも1個の状況パラメータに関する情報(例えば、状況パラメータとして使用し得る)を含んでよい。テーブルは、
その列が1分
刻みによるデータの少なくとも1個のサブセット
である情報(例えば、過去6か月のデータ)を含んでよい。
図2Aのテーブルは、HbbTV及び集団トレーニングデータを含んでよく、予測のための変換係数、時間値、プログラム値及び気象値を含んでよい。
【0081】
視聴者入力データ
【0082】
少なくとも一部の実施形態は、(例えば、ブロードキャストに関するHbbTV環境において)インターネット接続したテレビ(例えば、視聴者デバイス)セットの、ユーザ特有の及びブロードキャスト特有のセッション情報(例えば、視聴者デバイス識別子に関する情報)の収集に基づいてよい。各時点のアクティブなユーザブロードキャストセッション量を入力データとして、必要な純視聴率を構築してよい。視聴者に含まれる各1人のユーザは、インターネット接続したテレビセットのブラウザの(例えば、視聴者デバイス識別子を含む)ローカルストレージ又はクッキーにより(例えば、視聴者デバイス識別子に関する情報として)識別されてよい。これにより、ウェブサーバのユーザプロファイルに、ユーザの視聴行動を割り当てることができる。
【0083】
状況属性
【0084】
少なくとも一部の例において、全体視聴者視聴率に有意に影響を与える状況のメタデータ(例えば、少なくとも1個の状況パラメータ)が必須でよい。状況パラメータは、中でも、所定の時点にブロードキャストされたプログラムの記述的メタデータ(キーワード、ジャンル情報、参加者情報、製造国情報及び製造年情報等の属性、さらに、ターゲットグループデータ)を含んでよい。さらに、少なくとも1個の状況パラメータは、所定の時点でのエンドユーザの地域の気象情報(例えば、気象条件に関する情報)(温度、降雨及び雲の量等の属性)を含んでよい。気象条件に関する情報は、温度、日照時間及び降水量、を含むグループに含まれる少なくとも1個のエレメントに関する情報を含んでよい。加えて、純視聴率だけでなく時間的トレンド及び反復(1日の中での時間、週の中での時間、1年の中での時間)の観点から、収集した純視聴率から状況情報をさらに抽出してよい。しかしながら、状況パラメータは、他のチャネルの競合プログラム又はTV以外のイベントの情報を(さらに)含んでよい。
【0085】
ターゲット、トレーニング及び検証データ
【0086】
精度/誤差計測によるシステムの検証及び予測視聴率のトレーニングのため、既成の正当な全体視聴率のターゲットデータを必須としてよい。このデータは、システムのターゲット値を構築してよい。従って、ターゲットデータセットは、トレーニングデータサブセットと、共通点の無い検証データサブセットとに分けてよい。
【0087】
前提条件
【0088】
視聴者入力データ、トレーニングデータ、さらに、検証データ(例えば、視聴者に関する情報、及び/又は、視聴者デバイス識別子に関する情報)を、同一時点で同一タイプの情報を含むことに基づいて正規化してよい。正規化データタプルは、チャネル・時間ペア(この点を識別するために時間及びチャネルの情報が付加される)により示してよい。要するに、例えば、特定の時点で、視聴者入力データは、1秒の計測インターバルによる特定のブロードキャストチャネルの純視聴率の情報でよい。同時点において、ターゲットデータセット(例えば、視聴者に関する情報)は、同一のブロードキャストチャネル及び同一のインターバル範囲の純視聴率の情報をさらに含んでよい。さらに、チャネル・時間ペアは、所定の時点でブロードキャストチャネルをアクティブに観ている個々のユーザ/端末のセットを含んでよい。これは、チャネル・時間・ユーザトリプレットとして示してよい。状況属性を、比較のためにも正規化してよい。これにより、状況属性のセットと、各チャネル・時間ペア及び各チャネル・時間・ユーザトリプレットとを関連付ける。
【0089】
方法:集団予測器
【0090】
この方法は、(少なくとも)3個のステップをさらに含んでよい。第1のステップは、第2及び第3のステップの基礎となる。第2のステップ及び第3のステップは、独立して実行してよい。その後、プログラム(プログラミング)を改良し、広告料を分類し、適切な広告を選択するために、調査された視聴者シェアを処理してよい。
【0091】
図2Bは、一実施形態に係る集団予測器(が実行するステップ)を示すブロック図である。集団予測器250は、計測された視聴者に関する情報252及び追加データに関する情報254を取得し、視聴者視聴率(純視聴率、総視聴率)に関する情報256、従来のターゲットグループ/シェアに関する情報258、及び、カスタムターゲットグループ/シェア260に関する情報を提供するように構成されてよい。ポストプロセッシング262において、集団予測器250から提供された情報に基づいて、動的なプログラムプランニング/プラン最適化264、広告料の自動分類266、及び、パーソナル化した広告伝達/
変更268が実行されてよい。
【0092】
第1のステップ:変換係数の予測を介したテレビ視聴率の近似
【0093】
このシステムは、入力データのチャネル・時間ペアの各純視聴率及びトレーニングデータの対応するチャネル・時間ペアに対する変換係数(例えば、少なくとも1個の変換係数)を検出してよい。将来の予測のために、過去の変換係数と状況属性のセット(例えば、少なくとも1個の状況パラメータ)との間の相関及び依存関係を、教師あり学習アルゴリズムにより決定及びトレーニングしてよい。別のプログラムをマニュアルで最適化するために、相関する状況属性を、テレビリサーチャに提供してよい。
【0094】
図3は、HbbTV視聴者を全体視聴者視聴率へ変換する変換係数のセットの例を示す。
図3において、302はHbbTVデバイス(例えば、モニタ対象のサブセットの視聴者デバイス)の絶対数を示す。304は集団に応じた全体視聴者を示す。308は、HbbTVデバイスの絶対数302と集団に応じた全体視聴者との間
から計算
した変換係数を示す。306は、(近似上の)全体視聴者を示し、HbbTVデバイスの絶対数302及び予測上の変換係数310に基づいて予測されてよい。変換係数310は、予測(全体)視聴率(規模)306とHbbTVデバイスの絶対数302(例えば、モニタ対象のサブセットの)との間の比率を反映してよく、状況パラメータ(図示せず)に基づいてよい。
【0095】
このアルゴリズムは、ひいては、特に、入力されたチャネル・時間ペアの未知の受領した実視聴率であっても、状況属性のセットの変換率を予測可能である。中間結果として、予測上の変換係数(例えば、308)と、入力されたチャネル・時間ペアの計測上の純視聴率(例えば、304)とを、乗算してよい。結果は、近似上の純視聴率(例えば、302)としてよい。トレーニング及び検証フェーズにおいて、ランダムなトレーニングセットを用いて変換係数を学習してよい。クロス検証ステップにおいて、入力データのチャネル・時間ペアの予測純視聴率と、検証データのチャネル・時間ペアとを比較することにより、偏差及び誤差値を計算してよい。
【0096】
図4は、集団の純視聴率とHbbTVの純視聴率との間で変換するためのサンプルの1日(2017年3月13日)に亘る変換係数を示す。
図4において、402は、1日(2017年3月13日午前3時から2016年3月14日午前2:59まで)に亘る変換係数の推移
と、変換係数が存在する範囲404乃至412
を表す。範囲404乃至412の実線のバーは、全変換係数の50%を含む範囲を示す。実線のバーの上下に位置する各ラインは、変換係数の下位/上位25%を含む。範囲404は、終日に亘る変換係数を示す。範囲406は、午前3時から午前10時までの変換係数を示す。範囲408は、午前10時から午後0時までの変換係数を示す。範囲410は、午後6時から午後8時までの変換係数を示す。範囲412は、午後8時から午後11時までの変換係数を示す。
【0097】
過去のTV消費の純視聴率の近似に加えて、少なくとも一部の例によれば、(全ての)利用可能なデータ属性を評価に入れて、将来の純視聴率を予測可能である。実消費データ(集団又はHbbTVデータ等)は、欠損している場合もある。しかしながら、状況属性(例えば、少なくとも1個の状況パラメータ)を組み込むことで(例えば、ディープラーニング/人工ニューラルネットワークアルゴリズムのトレーニングにより)、将来の純視聴率を予測可能である。殆どの属性は、過去の属性しかない場合が多いため、将来予測は正確性が低い場合があるが、さらなる分析に有用である。
【0098】
第2のステップ:既知のターゲットグループの分類
【0099】
ターゲットグループは、全体視聴者に含まれるユーザのサブセットでよい。既知のターゲットグループ(例えば、複数の所定のターゲットグループ)は、属性(例えば、性別、年齢、職業/所属団体、教育レベル等)のセットにより区別されてよい。第1のステップに基づいて、少なくとも一部の例において、トレーニングデータの特定のターゲットグループの(全ての)ユーザを示す人工ユーザ(所謂、ペルソナ)をさらに作成してよい。従って、ペルソナは、このターゲットグループの(全ての)ユーザの平均属性ベクトルを示してよく、標準形とみなしてよい。
【0100】
ターゲットグループの視聴データは、ひいては、所定のターゲットグループのチャネル・時間ペアのリストでよい。例えば、ターゲットグループの視聴データの純視聴率は、全体計測上の純視聴率のターゲットグループのサブセット(のみ)を含んでよい。
【0101】
このシステム(例えば、この方法)は、教師あり学習アルゴリズムをトレーニングするために、トレーニングデータのターゲットグループの視聴データを処理してよい。このアルゴリズムの属性は、チャネル・時間ペアの(全ての)状況属性でよい。このシステムは、トレーニング及び検証フェーズにおいて、ペルソナ(例えば、類似のユーザのカスタムターゲットグループ)毎に特有な状況属性を特定してよい。
【0102】
予測フェーズにおいて、システムは、最も近いペルソナのターゲットグループクラスに、入力データセットのユーザを分類してよい。最も近いペルソナとは、当該ユーザにとって、属性ベクトル上の最短距離にあるものであってよい。従って、入力データの未分類のユーザに適切なターゲットグループラベルを付与するために、未分類のユーザの視聴行動を、これらペルソナとマッチさせてよい。
【0103】
分類ステップに基づいて、各クラスの純視聴率は、各ターゲットグループユーザサブセットの第1のステップを適用することにより、個別に近似されてよい。
【0104】
図5は、視聴者メンバーの行動による従来のターゲットグループのクラスタリングを示す。
図5において、502aが示すペルソナ1のターゲットグループ502は、年齢:20-30、男性、視聴:スポーツ、スポーツ、ドキュメンタリー、スポーツ、スポーツ映画及びアクション映画である。ペルソナ2のターゲットグループ504aは、年齢:30-40、女性、視聴:ニュース、ドキュメンタリー、ドキュメンタリー、ドキュメンタリー、気象及びアクション映画である。ペルソナ3のターゲットグループ506aは、年齢:14-20、視聴:ドキュメンタリー、スポーツ映画、アクション映画及び子ども番組である。ペルソナ4のターゲットグループ508aは、年齢:50以上、男性、視聴:ドキュメンタリー及びニュースである。左側に、(従来の)集団内のペルソナのシェアを示す。右側に、HbbTVの視聴者内のそれぞれのシェアを示す(ペルソナ1の比率が高い)。1個のターゲットグループのみに第1のステップを再度適用することにより、サブセット内の
高すぎる比率値を補整でき、セット全体中の
実際の量を推定/予測
できるだろう。例えば、20-30歳の男性の数が
不自然に多くなることなく、より妥当/典型的な数を計算
で得ることができるだろう。
【0105】
第3のステップ:未知のターゲットグループの分類
【0106】
第1のステップ及びさらに第2のステップに基づいて、少なくとも一部の例において、システム(例えば、この方法)は、入力データに含まれる類似のユーザの(新規な)グループを識別するために、教師なし分類アルゴリズム(クラスタリング)を使用してよい。アルゴリズムは、何もプリプロセッシングすることなく、入力データのチャネル・時間・ユーザトリプレットの属性ベクトル(例えば、少なくとも1個の状況パラメータ)(だけ)を比較すればよい。結果的にクラスタリングされたユーザグループは、有意な属性を幾つかだけ有するカスタムターゲットグループを示してよい。入力データ内のパターン(のみ)を識別できればよいので、このステップには、トレーニング又は検証データが不要でもよい。視聴行動に基づいてカスタムターゲットグループを識別することが、ゴールでよい。このステップは、中間結果としての既成のターゲットグループ(例えば、複数の所定のターゲットグループ)を無視してよい。例えば、全ての所定の属性を用いて、トップダウンクラスタリング(予測Kクラスタ)を使用して、類似のユーザの新規のグループ(例えば、カスタムターゲットグループ)を識別してよい。カスタムラベルをマニュアルで識別してよい。例えば、ランダムな中心点を用いたK平均法/X平均法クラスタリング、及び/又は、ディープラーニング(人工ニューラルネットワーク)を使用してよい。
【0107】
この分類ステップに基づいて、各ターゲットグループユーザサブセットに第1のステップを個別に適用することにより、各ターゲットグループクラスの純視聴率を近似してよい。
図6は、行動ターゲットグループの分類を示す。
図6において、602は、「平日朝の視聴者」ターゲットグループを示す。604は、「スポーツファン」ターゲットグループを示す。606は、「Terra Materを消した男性」ターゲットグループを示す。608は、「雨天時に視聴する人」ターゲットグループを示す。
【0108】
実現可能性
【0109】
統計的分析により、基本的な変換係数は、わずかの(しかし極端な)例外を除いて、約3~約8(平均:約5)の合理的な範囲に含まれるであろう。一部の例において、この分析は、下記を示すことがあるだろう。
・HbbTV視聴者は有効な全ユーザだろうから、HbbTV視聴者は全体視聴者未満にはならず、変換係数は少なくとも1となるはずである。
・大数の法則:このアプローチは、純視聴率が大きいほど有効なはずである。このため、トレーニングには少数の集団視聴者数を使うことは避けたほうがよい。(機械学習でしかるべき閾値を識別できる。決定木を1回実行した結果、視聴者数の初期閾値が約1600であることが示唆された)。
・変換係数は、短時間に劇的に変化することはない。なぜなら、視聴者構成が変化する速度は遅いと考えられるからである。
・機械学習は、状況に関する情報を含むことがあり、その場合、機械学習の近似値は、シンプルな統計的方法(例えば、平均変換等)よりも良い結果となる。
【0110】
図7は、6か月に
関して分析された変換係数の全体範囲を示す。
図7において、702は、変換係数0~20
の範囲を示す(実線のバーは、50%範囲を示す)。704は、変換係数の全体範囲0~100を示し、より極端な例外
が表れている。
【0111】
決定木モデル及び人工ニューラルネットワークモデルの両方とも、未知の時点の新規の変換係数を予測する前にトレーニングされるであろう。その際、人間にとっては決定木のほうが読みやすい(属性の役割及び特徴を理解しやすい)かも知れないが、平均誤差値が低くなるので、人工ニューラルネットワークの方が、より有益な結果に到達するだろう。
【0112】
図8は、機械学習において変換係数を予測するための決定木のモデルを示す(左側)。
図8は、トレーニング済みの決定木に使用される平均絶対誤差(MAE)及び二乗平均平方根誤差(RMSE)を示す(右側)。決定木のモデルは、入力データセット802、データセットの列を選択(必要な列を選択)804、メタデータを編集(ラベルを選択)806、メタデータを編集(属性を選択)808、
ブースト決定木回帰803、クロス検証モデル810、トレーニングモデル812、データをエクスポート814、及び、スコアモデル816を含む。対応する平均絶対誤差(MAE)及び二乗平均平方根誤差(RMSE)テーブルは、予測上の変換係数の、fold数818、fold内の例の数820、モデル822、平均絶対誤差(MAE)824、二乗平均平方根誤差(RMSE)826及び相対絶対誤差(RAE)828を示す。
【0113】
図9は、機械学習において変換係数を予測するためのモデル又は人工ニューラルネットワークを示す(左側)。
図9は、トレーニング済みのニューラルネットワークの平均絶対誤差(MAE)及び二乗平均平方根誤差(RMSE)(右側)。ニューラルネットワークのモデルは、入力データセット902、データセットの列を選択904、データを分割906、ニューラルネットワーク回帰908、トレーニングモデル910、及び、クロス検証モデル912を含む。対応する平均絶対誤差(MAE)二乗平均平方根誤差(RMSE)のテーブルは、予測上の変換係数の、fold数918、fold内の例の数920、モデル922、平均絶対誤差(MAE)924、二乗平均平方根誤差(RMSE)926及び相対絶対誤差(RAE)928を示す。
【0114】
一例において、Microsoft Excel、Microsoft Azure Machine Learning、及び、Rapid Minerを、機械学習を実行するために用いた。
【0115】
これは、期待される成功を示すための、実現可能性の調査とみなすことができる。モデルをさらに改良し、より明確に定義した属性を抽出することにより、結果が改善するだろう。
【0116】
この方法の利用
【0117】
少なくとも一部の例に係る方法は、実際に雇用された典型的な参加者のセット(コストが高いであろうし、特に低視聴率の場合不正確となるリスクを持つ可能性がある)に代わる、より正確な代替策を開発することを目的としてよい。
【0118】
このアプローチは、テレビ視聴率を分析し、全体視聴者とユーザサブセット及びターゲットグループの行動を理解する、というブロードキャスト事業者のニーズに合うようにデザインしてよい。さらに、調査されたデータは、さらなるプログラム最適化や、さらには、個々のユーザのプログラムのパーソナル化に使用してよい。サードパーティサービスプロバイダ(広告主等)は、適切な/パーソナル化したコマーシャルを提供するための、予測ターゲットグループデータを得ることができる。
【0119】
適切なプログラム及び広告の選択
【0120】
次の技術的処理は、上記の先行のステップの結果であるリアルタイム視聴者データ、リアルタイムターゲットグループ及び予測視聴者データに基づいて、テレビプログラミング及び動的な広告決定を改良するために実現してよい。他のテレビ及びブロードキャストドメインの視聴者の計測は、極めて限定された世帯グループに設置された専用パネルに依存してよい。例えば、特定の国について、前記世帯及びその世帯内の個人は、実テレビ視聴者の典型的なコピーを近似するための統計的パターンに従って選択されたものであってよい。この限定的な近似計算値に基づいて、マーケット全体に対するテレビ視聴者を計算してよく、テレビチャネルのキーパフォーマンスインジケータ(KPI)(例えば、純視聴率又は総視聴率)を公表してよい。最も早い場合は、プログラムが放送された翌日に、収集及び推定されたデータに基づいて、計算及び公表してよい。実際には、視聴者データは、ライブテレビプログラミングに直接寄与しない履歴データであってもよい。
【0121】
少なくとも一部の例において、テレビプログラミングを直ちに調整及び修正するために、ライブテレビ視聴者に関して必要なリアルタイムデータ及びさらに予測データを提供してよい。特定のチャネルの実際のテレビ視聴者に基づいて、ブロードキャスト事業者/チャネルオペレータは、現在チャネルを観ている特定の視聴者、及び/又は、ターゲットグループに合わせて、次のコンテンツ、及び/又は、広告をカスタマイズ可能でよい。従って、広告主又はコンテンツオーナーは、アドポッド又はプレースメントオポチュニティを提供するコンテンツが放送される前に企画済みのアドポッド又はプレースメントオポチュニティを購入する代わりに、はるかに効率的且つ動的な方法で、特定のターゲットグループに到達できる可能性がある。
【0122】
これにより、広告を販売したり、(リニア)テレビのチャネルをプログラムしたりするための新規のビジネスモデルを導入できる。
・リアルタイムの入札を用いて、動的な広告挿入(さらに、例えば、双方向チャネルを介した配信)を行う。
・予測視聴者データに基づくプレオークションメカニズムを用いて、次のプレースメントオポチュニティに動的な広告挿入を行う。
・リアルタイム視聴者データに基づいて、動的なチャネルプログラミングを行う。
・予測視聴率に基づいて、動的なチャネルプログラミングを行う。
・インプレッション単価(CPM)に代わる、新規のコンテンツ及び広告の単価(例えば、個々の実ターゲットグループ向きの)を確立する。
【0123】
このシステムは、少なくとも2通りの方法により実現してよい。
【0124】
1対多アプローチ
【0125】
第1のステップにおいて、プログラムの配信時に動的に広告及びコンテンツを決定することを導入するための上記メカニズムを実現してよい。リアルタイム、及び/又は、予測視聴者データに基づいて、広告(例えば、少なくとも1個の広告エレメント)及びコンテンツ(例えば、少なくとも1個のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムエレメント)を、ブロードキャストストリームに取り入れることにより、配信時のターゲット設定を実現してよい。以上が、動的なコンテンツ及び広告挿入の1対多アプローチである。
【0126】
図10は、予測視聴者データに基づく「1対多」の動的なコンテンツ挿入を示す。視聴者1002(例えば、視聴者のサブセット)は、視聴者データ1004(例えば、視聴者デバイス識別子)を、予測集団1006に(例えば、視聴者に関する情報を
決定するために)提供し、これにより、キーパフォーマンスインジケータ(KPI)(ターゲットグループ、視聴率、・・・)1008を取得し、コンテンツ及び広告を決定1010し、チャネルプログラミング1012を実行してよい。広告/コンテンツ(例えば、プログラムエレメント/広告エレメント)は、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラム内に動的に挿入1014され
てよい。
【0127】
これは、組み込みが必要となるのは配信する側だけでよいので、今日からでも開始して、ブロードキャスト事業者及びケーブルオペレータに組み込み、既存のインフラストラクチャ及びデバイス設置件数を活用することが望まれるアプローチである。
【0128】
1対1アプローチ
【0129】
ステップ2は、クライアント/端末性能に基づいて、クライアントサイドでコンテンツ及び広告挿入を行う技術を活用して、リアルタイム又は予測視聴者データに基づいて、個々のコンテンツ又は広告を、リニアストリームにシームレスに重畳、変更又は埋め込むことができる。これは、1対1(個々の、クライアント毎の)アプローチに匹敵する。
【0130】
図11は、予測視聴者データに基づく個々の「1対1」の動的なコンテンツ挿入を示す。
図11のブロック図は、
図10のブロック図と
似ているが、全視聴者1002が受信するオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラム
に広告を動的に挿入1014するのではなく、コンテンツ及び広告を決定1010して、視聴者1002a、b及びcに個々の広告を提供する点が異なる
。このアプローチは、特別なデバイス性能(例えば、フレーム
同期精度の高いコンテンツ埋め込み、複数のビデオエレメント又は高画質のビデオ/コンテンツ重畳技術)を必要とする可能性がある。しかしながら、このアプローチは、リアルタイムな1対1の個別のターゲット設定を確かに実現する。
【0131】
リアルタイム視聴者フィードバックに基づく動的なプログラムプランニング
【0132】
上述の方法に続くリアルタイム視聴者データ及び視聴者視聴率予測に基づいて、このシステム(例えば、この方法)は、特定の又は複数のチャネル(オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラム)のテレビプログラミングを(例えば、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムエレメントを選択することにより)動的に調整及びプランし直すことに利用できる。従って、ブロードキャスト事業者は、動的な方法で視聴者に応じることにより、プログラムの効果を直ちに向上することが可能となるであろう。プロデューサー及びプログラムプランナーは、あらゆる特定の時点の実ターゲットグループについてのプログラムの成功を反映したリアルタイムパフォーマンスインジケータから、利益を得られるであろう。単純な、ターゲットに合わせた又はパーソナル化したコンテンツ選択に加えて、近似視聴率及びターゲットグループシェアに基づいて、コンテンツ(例えば、広告又はショー)のタイプを選択可能とするであろう。従って、コマーシャル送出時に、リアルタイム計測により、別の広告スポットを放映すること、又は、コマーシャル送出を止めて元のブロードキャストショーに戻ることを、促すことができるであろう。閾値を識別することにより(例えば、プログラム上映前に比較して、コマーシャル中に視聴者が30%減少)、リアルタイムフィードバックによって、配信システムのスケジュールを、動的にアップデート(例えば、少なくとも1個のオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムエレメントを選択するステップ140/少なくとも1個の広告エレメントを選択するステップ150を起動)してよい。その結果、システムは、広告放映時間を改善し、視聴者を失う量を減らすことができる。
【0133】
実施例によれば、分析ツールキットがさらに提供される。分析ツールキットは、HbbTVトラッキングにより計測された使用状況データに基づいて、様々なテレビリサーチファクト(例えば、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのプロパティ)を抽出する手段を提供してよい。テレビリサーチの慣習に従い、以下の仕様に基づいてファクト(プロパティ)を計算してよい。
【0134】
データ基準/トラッキングデータ
【0135】
HbbTVトラッキングは、個々のデバイスに(例えば、視聴者に関する情報として)セッションデータを提供してよい。セッションは、チャネル識別子と、デバイス識別子と、開始及び終了タイムスタンプとを含んでよい、又はチャネル識別子と、デバイス識別子と、開始及び終了タイムスタンプとからなってよい。この中から、5個の生ファクトを抽出してよい。
・所定の時間フレーム内の訪問数(即ち、セッションカウント)(プラス、追加的制約)
・所定の時間フレーム内の訪問者数(即ち、個別のデバイス)(プラス、追加的制約)
・所定の時間フレーム内の、訪問者(即ち、個別のデバイス)の累計平均セッション継続時間(プラス、追加的制約)
・所定の時間フレーム内の、チャネルに到達した訪問者数(即ち、個別のデバイス)(プラス、追加的制約)
・所定の時間フレーム内の、チャネルから退出した訪問者数(即ち、個別のデバイス)(プラス、追加的制約)
【0136】
前記「追加的制約」により、必要に応じて、評価対象のターゲットグループを、さらに絞り込んでよい。「追加的制約」は、以下を含んでよい。
・視聴者定義
以下のデバイスのセッション(のみ)を評価してよい。
・指定の時間枠(例えば、最小:10秒、最大:無限大)内に訪問継続時間(連続又は非連続)があるデバイス。
・評価対象の時間フレーム内のセッションが、デバイスにとって最初のセッションでない(「復帰訪問者」)デバイス。又は、「復帰訪問者」では無いデバイス。
・ターゲットグループ
過去のレポートから定義されるデバイスのセットに含まれるデバイス(のみ)評価してもよい。
【0137】
データテーブル/レポート構造
【0138】
一般的に、ツールキットにより作成されたレポートは、階層的構成を持った行および列による表形式構造を有してよい。下位の行階層レベルにおいて、表の1行は、列ごとに、「1個の値」を示してよく、これは、レポートの基本的なデータ粒度としてよい。それぞれの高位の行階層レベルにおいて、「集約値」(「トータル」)は、ファクトごとに特有の集約機能に従って計算されてよい。従って、各ファクトは、「1個の値」及び「集約」機能により具体的に表されてよい。
【0139】
ファクト
(例えば、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムのプロパティであり、視聴者に関する情報の中に含まれてよい。)
【0140】
純視聴率
所定の期間内の訪問者数。1個の値の基準は、最大で、テレビの1日単位でよい。行の期間内の訪問者数を示す1個の値でよい。あるいは、現在の行レベルに対する最も下位の行レベル(にある1個ずつの値)を平均した値としての集約値でよい。
【0141】
累計視聴率
所定の期間内の訪問者数。現在の下位の行レベルの時間フレームの開始から現在(下位の)行の時間長さまでの時間フレーム内の訪問者数を示す1個の値又は集約値でよい。各上位の行レベルにおいて、累計視聴率は、このレベルの行の時間フレーム内の訪問者の実人数を示してよい。累計視聴率は、純視聴率とは対照的に、テレビの1日単位の境界を超えてよい。
【0142】
延べ視聴率-リサーチ(延べ視聴率(GRP)リサーチ)
レポート粒度のユニット単位(即ち、最も下位の行レベル)の累計訪問者数。現在の下位の行レベルの時間フレームの開始から現在(下位の)行の時間長さまでの訪問者数の合計(純視聴率)である1個の値、又は、現在の行レベルの時間フレームにおける最も下位の行レベルの純視聴率の合計としての集約値でよい。
【0143】
延べ視聴率-セッション(延べ視聴率(GRP)セッション)-短期間の総視聴率
所定の期間内の訪問数。行期間内の訪問数を示す1個の値、又は、次に下位のレベルの合計としての集約値でよい(1個又は集約)。
【0144】
オポチュニティ・トゥ・シー/回復率(OTS)
このファクト(プロパティ)は、1個の値でも集約でも、延べ視聴率(GRP)リサーチ÷各累計視聴率の商であると定義される。
【0145】
滞在時間
所定の期間内の全訪問の平均継続時間。1個の値の基準は、最大で、テレビの1日単位でよい。行の期間内の各デバイス累計セッション継続時間の平均である1個の値でよい。あるいは、現在の行レベルに対する最も下位の行レベル(1個の値)を平均した値としての集約値でよい(純視聴率と類似)。
【0146】
増加/減少視聴者
所定の期間内にチャネルに到達/から退出したデバイスの数。1個の値の基準は、最大で、テレビの1日単位でよい。行の期間内にチャネルに到達/から退出したデバイスの数を示す1個の値でよい。あるいは、現在の行レベルに対する最も下位の行レベル(1個の値)を平均した値としての集約値でよい(純視聴率と類似)。
【0147】
図13は、一例に係るレポートのユーザインターフェースを示し、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムの終日に亘る概要を示す。
図13において、1302は、ピークの(モニタ対象のサブセットの)純視聴者を示す。1304は、視聴者全体に対する、予測上の全体のピークの純視聴者を示す。1306は、(モニタ対象のサブセットの)ピークの新規視聴者を示す。1308は、視聴者全体に対する、予測上の全体のピークの新規視聴者を示す。1310は、(モニタ対象のサブセットの)ピークの減少視聴者を示す。1312は、視聴者全体に対する、予測上の全体のピークの減少視聴者を示す。セクション1314は、純視聴率を示す。
図13において、1316は、視聴者全体に対する予測純視聴率を示す。予測純視聴率は、下のグラフ1316に示す(モニタ対象のサブセットの)デバイスの数1318に基づく。グラフ1318は、モニタ対象のサブセットのデバイスの数のプレビューを示す。デバイスの数のプレビュー1318の下に、オーディオ・ビジュアルコンテンツ(例えば、プログラム、広告、スポンサリング又はトレーラー)のタイプを示す。これにより、デバイスの数に対する広告の影響を示してよい。
図13において、1320は、異なるオーディオ・ビジュアルコンテンツプログラムエレメントの統計(例えば、計測上
の(モニタ対象のサブセットの)純視聴率及び予測上の全体純視聴率)を示す。
【0148】
実施例によれば、ブロードキャストプログラム(例えば、オーディオ・ビジュアルコンテンツプログラム)の視聴者の情報(例えば、視聴者に関する情報)を決定する方法をさらに提供する。この方法は、視聴者のサブセットをモニタすることを含む。この方法は、視聴者のモニタ対象のサブセットと、ブロードキャストプログラムのプロパティを示す少なくとも1個の状況パラメータとに基づいて、視聴者の情報を決定することをさらに含む。
【0149】
一部の例において、この方法は、少なくとも1個の状況パラメータに基づいて変換係数を決定し、スケーリングパラメータを用いてモニタ対象のサブセットのメンバーの数をスケーリングする(例えば、視聴者の全体規模を推定する)ことをさらに含んでよい。
【0150】
一部の例において、この方法は、視聴者のサブセットの少なくともメンバー個人の、少なくとも1個のパーソナルな状況パラメータを決定することをさらに含んでよい。この方法は、決定したパーソナルな状況パラメータに基づいて、メンバーを、複数のターゲットグループのうちの1個のターゲットグループに属性付けることをさらに含んでよい。
【0151】
各種の例において、この方法は、複数の視聴者のメンバーのサブセットの複数のパーソナルな状況パラメータを決定し、複数のパーソナルな状況パラメータに基づいて、少なくとも1個のターゲットグループを定義することをさらに含んでよい。
【0152】
少なくとも一部の例において、少なくとも1個の状況パラメータは、ブロードキャストプログラムのメタデータ、ブロードキャスト時点の気象条件の情報、ブロードキャストの時間の情報、又は、同時にブロードキャストされる別のプログラムの情報、のうちの1個でよい。
【0153】
1以上の上述の詳細な実施例及び図面に基づいて説明及び記載した態様及び特徴は、他の実施例の類似の特徴と置換したり、他の実施例の特徴をさらに導入したりするために、1以上の他の実施例と組み合わせてよい。
【0154】
実施例は、さらに、コンピュータ又はプロセッサがコンピュータプログラムを実行するときに1以上の上記方法を実行するプログラムコードを有するコンピュータプログラムであってよく、又は、これに関連してよい。上記の様々な方法のステップ、オペレーション又は処理は、プログラミングされたコンピュータ又はプロセッサにより実行されてよい。実施例は、機械、プロセッサ又はコンピュータ読み取り可能なデジタルデータストレージ媒体等のプログラムストレージデバイスと、エンコード機械実行可能、プロセッサ実行可能又はコンピュータ実行可能な命令のプログラムとを、カバーしてよい。前記命令は、上記の方法の一部又は全てのアクションを実行する又は実行させる。プログラムストレージデバイスは、例えば、デジタルメモリ、磁気ストレージ媒体(例えば、磁気ディスク及び磁気テープ)、ハードドライブ、又は、光学的に読み取り可能なデジタルデータストレージ媒体でよい、又は、含んでよい。実施例は、さらに、上記の方法のアクションを実行するようプログラミングされたコンピュータ、プロセッサ又は制御ユニット、あるいは、上記の方法のアクションを実行するようプログラミングされた(フィールド)プログラマブルロジックアレイ((F)PLA)又は(フィールド)プログラマブルゲートアレイ((F)PGA)もカバーしてよい。
【0155】
明細書及び図面は、本開示の原理を単に説明するに過ぎない。さらに、ここに記載した全ての実施例は、本技術を研究するため本発明者(本発明者ら)により提供される本開示の原理及び概念を読者が理解する助力となるように、単なる教授目的を主に明白に意図している。ここで本開示の原理、態様及び実施例を引用する全ての記載並びに特定の実施例は、均等物を包含することを意図する。
【0156】
特定の機能を実行する「手段」を示す機能ブロックは、特定の機能を実行するように構成された回路を示してよい。従って、「何かの手段」は、「何かを実行するように構成された又は何かに適した手段」(例えば、各タスクを実行するように構成された又は各タスクに適したデバイス又は回路)として実現してよい。
【0157】
図示の様々なエレメントの機能(「手段」、「センサシグナル提供手段」、「送信シグナル作成手段」等と記載された全ての機能ブロックを含む)は、専用ハードウェア(「シグナルプロバイダ」、「シグナルプロセッシングユニット」、「プロセッサ」、「コントローラ」等)及び適切なソフトウェアと協働してソフトウェアを実行するハードウェアの形態で実現してよい。プロセッサにより機能が提供されるとき、1個の専用プロセッサ、1個のシェアプロセッサ、又は、複数の個々のプロセッサ(一部又は全てはシェアプロセッサでよい)により、機能が提供されてよい。しかしながら、用語「プロセッサ」又は「コントローラ」は、ソフトウェアを専用に実行可能なハードウェアに限定するものではなく、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを保存するリードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び、不揮発性ストレージを含んでよい。他の従来の、及び/又は、カスタムのハードウェアも含んでよい。
【0158】
ブロック図は、例えば、本開示の原理を実現する高レベルな回路図を示してよい。同様に、フローチャート、フロー図、状態遷移図、疑似コード等は、様々な処理、オペレーション又はステップを示してよい。コンピュータ又はプロセッサを明示的に示すか否かに拘わらず、様々な処理、オペレーション又はステップは、例えば、実質的に、コンピュータ読み取り可能な媒体により提供され、コンピュータ又はプロセッサにより実行されてよい。本明細書又は請求項に開示された方法は、この方法の各アクションをそれぞれ実行する手段を有するデバイスにより実現されてよい。
【0159】
本明細書又は請求項に開示した複数のアクション、処理、オペレーション、ステップ又は機能の開示は、例えば技術的理由のために明示的に又は黙示的に記載しない限り、特定の順序に限定して解釈されないものと理解するべきである。従って、技術的理由によりアクション又は機能が置換可能でない限り、複数のアクション又は機能の開示は、特定の順序に限定されない。さらに、一部の例において、1個のアクション、機能、処理、オペレーション又はステップは、複数のサブアクション、機能、処理、オペレーション又はステップを含んでよく、複数のサブアクション、機能、処理、オペレーション又はステップに分割されてよい。明示的に除外しない限り、このサブアクションは、1個のアクションの開示に含まれ、その一部でよい。
【0160】
さらに、以下に述べる請求項は詳細な説明に組み込まれるものであり、各請求項は、それぞれが、個別の実施例を示してよい。各請求項は、個別の実施例を示してよいものである他に、従属項は、その請求内容の中で、1以上の他の請求項との特定の組み合わせを参照してよいが、他の実施例が、従属項と、他の従属又は独立請求項の個別の特許対象との組み合わせを含んでもよい。特定の組み合わせを意図しないと記載しない限り、このような組み合わせは、ここで明示的に提示される。さらに、独立請求項に直接的に従属しない請求項であっても、その請求項の特徴を他の独立請求項に含めることを意図する。