(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20220629BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20220629BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20220629BHJP
A63F 13/80 20140101ALN20220629BHJP
【FI】
A63F13/69 520
A63F13/533
A63F13/69 510
A63F13/79
A63F13/80 B
(21)【出願番号】P 2020093118
(22)【出願日】2020-05-28
【審査請求日】2020-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-074925(JP,A)
【文献】特開2018-015121(JP,A)
【文献】特開2019-166403(JP,A)
【文献】特開2019-171173(JP,A)
【文献】特開2019-209164(JP,A)
【文献】特開2020-036924(JP,A)
【文献】特開2016-010483(JP,A)
【文献】特開2015-029626(JP,A)
【文献】特開2017-202295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザによるゲーム媒体の選択指示を受け付ける第1受付手段と、
前記選択指示に応じて、前記ゲーム媒体に関する第1ゲーム媒体を前記ゲーム媒体に関する第2ゲーム媒体に変化させるために必要な素材とともに、前記素材の入手が可能な入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェース
を表示する制御を行う表示制御手段と
、
複数の前記素材の入手ルートが存在する場合、設定された抽出条件に従い、前記複数の素材の入手ルートの中から、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを抽出する第1抽出手段と、
ユーザによる、前記素材の選択指示を受け付ける第2受付手段として機能させ
、
前記第1抽出手段は、前記第2受付手段によって複数の前記素材の選択指示が受け付けられた場合に、選択された複数の前記素材のそれぞれについて、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを抽出し、
前記表示制御手段は、選択された複数の前記素材に対応する、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを、識別可能な態様で表示する制御を行うことを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、
前記操作インタフェースを、前記素材と関連付けるように同一画面上に表示する制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
複数の前記素材の入手が可能な共通の入手ルートがある場合には、前記共通の入手ルートを優先して抽出する第2抽出手段としてさらに機能させ、
前記表示制御手段は、選択されたいずれかの前記素材に対応する前記入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースに対して、前記共通の入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースを優先して表示する制御を行うことを特徴とする、請求項
1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
コンピュータを、
ユーザによるゲーム媒体の選択指示を受け付ける受付手段と、
前記選択指示に応じて、前記ゲーム媒体に関する第1ゲーム媒体を前記ゲーム媒体に関する第2ゲーム媒体に変化させるために必要な素材とともに、前記素材の入手が可能な入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースを表示する制御を行う表示制御手段と、
複数の前記素材の入手ルートが存在する場合、設定された抽出条件に従い、前記複数の素材の入手ルートの中から、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを抽出する抽出手段として機能させ、
前記表示制御手段は、抽出された前記素材の入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースを表示する制御を行い、
ゲーム内のクエストをプレイするために消費されるゲーム内のパラメータをスタミナとし、前記クエストのクリア時にユーザに前記素材が付与される確率をドロップ率とするとき、前記抽出条件は、単位スタミナ当たりのドロップ率であるスタミナ効率に関する条件であることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項5】
コンピュータを、
ゲーム媒体に関する第1ゲーム媒体を前記ゲーム媒体に関する第2ゲーム媒体に変化させるために必要な素材に対するユーザの選択指示を受け付ける受付手段と、
前記素材の入手が可能な入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースを表示する制御を行う表示制御手段と、
前記受付手段によって複数の前記素材の選択指示が受け付けられた場合に、選択された複数の前記素材のそれぞれについて、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを抽出する第1抽出手段として機能させ、
前記表示制御手段は、選択された複数の前記素材に対応する、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを、識別可能な態様で表示する制御を行うことを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項6】
複数の前記素材の入手が可能な共通の入手ルートがある場合には、前記共通の入手ルートを優先して抽出する第2抽出手段としてさらに機能させ、
前記表示制御手段は、選択されたいずれかの前記素材に対応する前記入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースに対して、前記共通の入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースを優先して表示する制御を行うことを特徴とする、請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
ユーザによるゲーム媒体の選択指示を受け付ける第1受付部と、
前記選択指示に応じて、前記ゲーム媒体に関する第1ゲーム媒体を前記ゲーム媒体に関する第2ゲーム媒体に変化させるために必要な素材とともに、前記素材の入手が可能な入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェース
を表示する制御を行う表示制御部と、
複数の前記素材の入手ルートが存在する場合、設定された抽出条件に従い、前記複数の素材の入手ルートの中から、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを抽出する抽出部と、
ユーザによる、前記素材の選択指示を受け付ける第2受付部と、を備え
、
前記抽出部は、前記第2受付部によって複数の前記素材の選択指示が受け付けられた場合に、選択された複数の前記素材のそれぞれについて、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを抽出し、
前記表示制御部は、選択された複数の前記素材に対応する、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを、識別可能な態様で表示する制御を行うことを特徴とする、ゲーム装置。
【請求項8】
ユーザによるゲーム媒体の選択指示を受け付ける受付部と、
前記選択指示に応じて、前記ゲーム媒体に関する第1ゲーム媒体を前記ゲーム媒体に関する第2ゲーム媒体に変化させるために必要な素材とともに、前記素材の入手が可能な入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースを表示する制御を行う表示制御部と、
複数の前記素材の入手ルートが存在する場合、設定された抽出条件に従い、前記複数の素材の入手ルートの中から、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを抽出する抽出部と、を備え、
前記表示制御部は、抽出された前記素材の入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースを表示する制御を行い、
ゲーム内のクエストをプレイするために消費されるゲーム内のパラメータをスタミナとし、前記クエストのクリア時にユーザに前記素材が付与される確率をドロップ率とするとき、前記抽出条件は、単位スタミナ当たりのドロップ率であるスタミナ効率に関する条件であることを特徴とする、ゲーム装置。
【請求項9】
ゲーム媒体に関する第1ゲーム媒体を前記ゲーム媒体に関する第2ゲーム媒体に変化させるために必要な素材に対するユーザの選択指示を受け付ける受付部と、
前記素材の入手が可能な入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースを表示する制御を行う表示制御部と、
前記受付部によって複数の前記素材の選択指示が受け付けられた場合に、選択された複数の前記素材のそれぞれについて、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを抽出する抽出部として機能させ、
前記表示制御部は、選択された複数の前記素材に対応する、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを、識別可能な態様で表示する制御を行うことを特徴とする、ゲーム装置。
【請求項10】
ユーザによるゲーム媒体の選択指示を受け付ける第1受付部と、
前記選択指示に応じて、前記ゲーム媒体に関する第1ゲーム媒体を前記ゲーム媒体に関する第2ゲーム媒体に変化させるために必要な素材とともに、前記素材の入手が可能な入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェース
を表示する制御を行う表示制御部と、
複数の前記素材の入手ルートが存在する場合、設定された抽出条件に従い、前記複数の素材の入手ルートの中から、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを抽出する抽出部と、
ユーザによる、前記素材の選択指示を受け付ける第2受付部と、を備え
、
前記抽出部は、前記第2受付部によって複数の前記素材の選択指示が受け付けられた場合に、選択された複数の前記素材のそれぞれについて、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを抽出し、
前記表示制御部は、選択された複数の前記素材に対応する、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを、識別可能な態様で表示する制御を行うことを特徴とする、ゲームシステム。
【請求項11】
ユーザによるゲーム媒体の選択指示を受け付ける受付部と、
前記選択指示に応じて、前記ゲーム媒体に関する第1ゲーム媒体を前記ゲーム媒体に関する第2ゲーム媒体に変化させるために必要な素材とともに、前記素材の入手が可能な入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースを表示する制御を行う表示制御部と、
複数の前記素材の入手ルートが存在する場合、設定された抽出条件に従い、前記複数の素材の入手ルートの中から、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを抽出する抽出部と、を備え、
前記表示制御部は、抽出された前記素材の入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースを表示する制御を行い、
ゲーム内のクエストをプレイするために消費されるゲーム内のパラメータをスタミナとし、前記クエストのクリア時にユーザに前記素材が付与される確率をドロップ率とするとき、前記抽出条件は、単位スタミナ当たりのドロップ率であるスタミナ効率に関する条件であることを特徴とする、ゲームシステム。
【請求項12】
ゲーム媒体に関する第1ゲーム媒体を前記ゲーム媒体に関する第2ゲーム媒体に変化させるために必要な素材に対するユーザの選択指示を受け付ける受付部と、
前記素材の入手が可能な入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースを表示する制御を行う表示制御部と、
前記受付部によって複数の前記素材の選択指示が受け付けられた場合に、選択された複数の前記素材のそれぞれについて、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを抽出する抽出部として機能させ、
前記表示制御部は、選択された複数の前記素材に対応する、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを、識別可能な態様で表示する制御を行うことを特徴とする、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン向けのゲームプログラムが様々な事業者により提供されている。このようなゲームにおいて、ユーザが所有する複数のカードの中からベースカードを選択し、選択したベースカードを進化させるのに必要な素材カードを収集しながら、プレイを進行させるカードゲームが人気を博している。
例えば、特許文献1に開示されているゲームでは、ユーザのベースカードを進化させるのに必要な参照カード(素材カードに相当)が一覧表示される。この状態において、いずれかの参照カードが選択されると、画面が遷移し、選択された参照カードと、その参照カードを入手するための入手可能エリアへ行くためのボタンなどが表示される。その後、ユーザによって入手可能エリアへ行くためのボタンが操作されると、入手可能エリアに対応したクエストの実行画面が表示され、クエストの実行(挑戦)が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の開示技術では、ユーザはベースカードを進化させるのに必要な参照カードを入手するために、まずはベースカードの選択画面を表示し、次いで参照カードの選択画面を表示し、最後に入手可能エリアへいくための操作画面を表示する、といった煩雑な作業を行う必要があり、ゲームの興趣性が削がれるという問題があった。
【0005】
本開示は以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、ゲームの興趣性を高めることが可能なゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、コンピュータを、
ユーザによるゲーム媒体の選択指示を受け付ける第1受付手段と、
前記選択指示に応じて、前記ゲーム媒体に関する第1ゲーム媒体を前記ゲーム媒体に関する第2ゲーム媒体に変化させるために必要な素材とともに、前記素材の入手が可能な入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースを、前記素材と関連付けるように同一画面上に表示する制御を行う表示制御手段として機能させるゲームプログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、複数の前記素材の入手ルートが存在する場合、設定された抽出条件に従い、前記複数の素材の入手ルートの中から、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを抽出する第1抽出手段としてさらに機能させ、
前記表示制御手段は、抽出された前記素材の入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースを、前記素材と関連付けるように同一画面上に表示する制御を行うことができる。
【0008】
また、第1の側面において、前記表示制御手段は、第1操作指示に応じて前記選択指示を受け付ける受付画面を表示し、前記第1操作指示に先行して入力される第2操作指示に応じて設定画面を表示し、
前記設定画面は、複数の抽出条件候補を含み、
前記第1抽出手段は、前記ユーザの操作に応じて少なくとも1つの前記抽出条件候補に対する選択を受け付け、選択された前記抽出条件候補に基づいて、前記抽出条件を設定することができる。
【0009】
また、第1の側面において、前記抽出条件は、前記入手ルートに対応付けられたゲームを実行することで前記素材が前記ユーザに対応付けられる確率である入手確率を含むことができる。
【0010】
また、第1の側面において、前記抽出条件は、前記ユーザに対応付けられたパラメータであって、前記入手ルートに対応付けられたゲームを実行するために消費される前記パラメータの消費量を含むことができる。
【0011】
また、第1の側面において、前記第1抽出手段は、前記ユーザがゲームにおいて使用することが可能な前記ゲーム媒体に関連付けられる属性のいずれかを特定し、
前記抽出条件は、前記属性に関連付けられた前記ゲーム媒体の使用により前記ゲームを有利に進めることが可能な前記ゲームであることができる。
【0012】
また、第1の側面において、ユーザによる、前記素材の選択指示を受け付ける第2受付手段としてさらに機能させ、
前記第1抽出手段は、前記第2受付手段によって複数の前記素材の選択指示が受け付けられた場合に、選択された複数の前記素材のそれぞれについて、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを抽出し、
前記表示制御手段は、選択された複数の前記素材に対応する、前記操作インタフェースを表示すべき前記入手ルートを、識別可能な態様で表示する制御を行うことができる。
【0013】
また、第1の側面において、複数の前記素材の入手が可能な共通の入手ルートがある場合には、前記共通の入手ルートを優先して抽出する第2抽出手段としてさらに機能させ、
前記表示制御手段は、選択されたいずれかの前記素材に対応する前記入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースに対して、前記共通の入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースを優先して表示する制御を行うことができる。
【0014】
第2の側面は、ユーザによるゲーム媒体の選択指示を受け付ける第1受付部と、
前記選択指示に応じて、前記ゲーム媒体に関する第1ゲーム媒体を前記ゲーム媒体に関する第2ゲーム媒体に変化させるために必要な素材とともに、前記素材の入手が可能な入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースを、前記素材と関連付けるように同一画面上に表示する制御を行う表示制御部と、
を備えるゲーム装置である。
【0015】
第3の側面は、ユーザによるゲーム媒体の選択指示を受け付ける第1受付部と、
前記選択指示に応じて、前記ゲーム媒体に関する第1ゲーム媒体を前記ゲーム媒体に関する第2ゲーム媒体に変化させるために必要な素材とともに、前記素材の入手が可能な入手ルートに前記ユーザを導くための操作インタフェースを、前記素材と関連付けるように同一画面上に表示する制御を行う表示制御部と、
を備えるゲームシステムである。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、簡易な操作でベースカード等のゲーム媒体を進化させることができ、ゲームの興趣性を高めることが可能なゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態に係るゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【
図3】進化条件DBの登録内容を例示した図である。
【
図4】クエストDBの登録内容を例示した図である。
【
図6】ゲーム装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】ゲーム装置のディスプレイに表示される設定画面を例示した図である。
【
図8】ゲーム装置のディスプレイに表示される選択画面を例示した図である。
【
図9】ゲーム装置のディスプレイに表示される合成指示画面を例示した図である。
【
図10】第2実施形態に係るゲーム装置の動作を示すフローチャートである。
【
図11】ゲーム装置のディスプレイに表示される合成指示画面を例示した図である。
【
図12】共通クエストを抽出する場合の説明図である。
【
図13】ゲーム装置のディスプレイに表示されるプレ合成指示画面を例示した図である。
【
図14】変形例に係るゲーム装置のディスプレイに表示される合成指示画面を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
本開示の実施形態に係るゲームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0019】
<ゲームの説明>
図1に示すゲームシステム1では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置5においてゲームが実行される。
【0020】
本実施形態に係るゲームシステム1にて実行されるゲームは、ユーザがゲーム媒体オブジェクトとしてのカードを利用して実行するゲームである。ゲーム媒体は、例えば、武器や道具、アクセサリー、各種アイテムのほか、ユーザが操作可能なプレイヤキャラクタや、ノンプレイヤキャラクタなどが含まれる。このゲームでは、例えば、ゲーム装置5のユーザが操作するプレイヤキャラクタがゲーム上のエリアを探索して様々なカードやアイテムを取得するとともに、取得したカードやアイテムを利用して1または複数のプレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。なお、プレイヤキャラクタや上記各種アイテムなどのゲーム媒体は、課金による直接購入や所定のクエストをクリアすることで入手することができるほか、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。
【0021】
また、本実施形態に係るゲームにおいて、カードの「進化」とは、所定の条件を満足する場合に、ユーザが所持するカードを変化させる処理をいう。カードの進化では、カードに対応するカードデータの少なくとも一部を変更する。変更されるカードデータは、例えばカード名やカード画像、スキル、レアリティなどである。
【0022】
カードを進化させるためには、ユーザは、自身が所持するカードの中から、進化させたいカードをベースカードとして選択する。
カードの進化においては、ベースカードごとに、進化させるのに必要な素材カード(以下、「必要素材カード」という。)の種類や組み合わせが予め設定されている。ユーザは、ベースカードを選択するともに、そのベースカードを進化させるために必要な必要素材カードを適宜取得することで、進化後のカード(以下、「進化カード」という。)を得ることができる。
【0023】
このようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置5、を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示する。
【0024】
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置5にて構成される。サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5の(下記のアカウント情報毎の)ゲームデータの管理を行う。
【0025】
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介して、サーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置5に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザ毎に割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0026】
ユーザ認証を経て、サーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)をサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0027】
<ゲームシステム1の構成>
以下、
図1を参照して、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。なお、複数のゲーム装置5それぞれは、互いに同じ構成を有する。
【0028】
<サーバ装置2の構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0029】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して各ゲーム装置5と通信可能に接続されている。
【0030】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態に係るゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、カードDB221、進化条件DB222、クエストDB223、およびユーザDB224に登録された各種データなどが記憶されている。
【0031】
カードDB221は、本実施形態のゲームで使用するカードを一元管理するためのデータベースである。カードDB221には、本ゲームで使用可能なあらゆるカード(すなわち、ベースカード、必要素材カード、進化カードなど)のデータが登録されている。
【0032】
図2は、カードDB221の登録内容を例示した図である。
カードDB221には、一例としてカードID、カード名、カード画像、カードパラメータなどが登録されている。
【0033】
カードIDは、カードを一意に識別するための情報である。カード名は、カードに表示されるキャラクタの名前を示す情報である。カード画像は、カードに示されるキャラクタの画像である。カードパラメータは、カードに示されるキャラクタに関する各種パラメータをあらわすものであり、HP(体力値)、SP(スキル発動時に消費されるスキルポイント)、攻撃力、防御力、素早さ、レアリティ、属性などのゲームを進行させるために参照される情報を含む。なお、カードによっては、カードパラメータを含まないものも存在する。
【0034】
レアリティは、キャラクタの希少価値を示すパラメータであり、例えば、入手が困難なキャラクタほど、レアリティが高く設定され、入手が容易なキャラクタほど、レアリティは低く設定される。
図2では、希少価値が高い順番で「SS」、「S」、「A」、「B」などのレアリティが設定されている。
【0035】
属性は、キャラクタの性質を示すパラメータであり、
図2では、「火属性」、「水属性」、「木属性」の3つの属性が例示されている。各属性には、それぞれ有利な属性が設定されている。例えば、敵キャラを討伐するゲームにおいて、自分が「木属性」の状態であれば、「水属性」の敵キャラに対して通常よりも高い攻撃力(例えば、1.2倍)で攻撃することができる。この場合は、「木属性」が「水属性」に対して有利な属性であるといえる。
【0036】
進化条件DB222は、本実施形態のゲームで使用するカードの進化条件を一元管理するためのデータベースである。
【0037】
図3は、進化条件DB222の登録内容を例示した図である。進化条件DB222には、進化ID、ベースカードID、進化カードID、必要素材カードの組み合わせ情報などが対応づけて登録されている。進化IDは、進化内容を一意に識別するための情報である。ベースカードIDは、ベースカードを識別するためのカードIDであり、進化カードIDは、進化カードを識別するためのカードIDである。必要素材カードの組み合わせ情報は、ベースカードから進化させるのに必要な必要素材カードのカードIDの組み合わせ、及び必要素材カードの必要枚数をあらわす。
図3に示す進化ID:E001を例に説明すると、ベースカード(カードID:CB0001)から、進化カード(カードID:CE0001)に進化させるためには、3枚の必要素材カード(カードID:CM0001、CM0003、CM0006)が必要であることを示す。
【0038】
クエストDB223は、本実施形態のゲームで実施されるクエストのデータを一元管理するためのデータである。「クエスト」は、所定のゲームステージにおいて達成すべき課題や条件などを含むクリア条件が設定されており、ユーザのゲームプレイによりクリア条件が達成されることにより、素材カードやアイテムなどの報酬がユーザに付与される。クリア条件は、例えばゲームステージのゴールに到達する、特定の敵キャラを討伐する、所定数の敵キャラを討伐する、などが含まれる。
【0039】
図4は、クエストDB223の登録内容を例示した図である。
クエストDB223には、クエストID、クエスト名、消費スタミナ、クリア条件、クリア報酬情報などが対応づけて登録されている。
【0040】
クエストIDは、クエスト内容を一意に識別するための情報であり、クエスト名は、クエストの名称である。消費スタミナにおける「スタミナ」とは、クエストを開始し、プレイするために消費されるパラメータである。スタミナは、クエストの進行によらず、現実の時間経過に応じて回復する。また、スタミナは、消費媒体や各種ゲーム内アイテムの消費等のユーザの指示に応じて回復することができる。また、スタミナは、クエストの進行によるユーザランクアップ等、ユーザの指示に応じることなく回復される場合もある。よって、消費スタミナは、クエストを開始し、プレイするために必要とされるプレイヤのパラメータの消費量である。また、クリア報酬情報は、クエストのクリア条件が達成されることでユーザに付与される報酬に関する情報であり、経験値や通貨、各種アイテムやキャラクタが含まれる。クリア報酬情報は、クリア報酬としてユーザに付与され得る素材カードのカードIDや、クエストをクリアしたときにユーザに当該素材カードが付与される確率である入手確率などを含む。
【0041】
ユーザDB224には、ユーザID、所持カード情報、パーティー情報、ユーザがゲーム内で使用可能な消費媒体、オススメクエスト抽出条件などが、対応づけて記憶されている。
【0042】
図5は、ユーザDB224の登録内容を例示した図である。
ユーザIDは、ゲームをプレイするユーザを識別するための情報である。
所持カード情報は、ユーザが所持するカードに関する情報であり、カードID、カード名、レアリティや属性などを含む。
【0043】
パーティー情報は、ユーザが設定したパーティー(仲間)に関する情報であり、パーティーを識別するためのパーティーID、パーティー属性、パーティーに参加するキャラクタに関するキャラクタ情報などを含む。
【0044】
消費媒体は、ユーザがゲーム内で使用可能な通貨やポイントなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、例えばクエストを達成したときの報酬として、また、現実社会での課金により、ユーザに付与される。オススメクエスト抽出条件については、後述するため、ここでは説明を繰り返さない。
【0045】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する。
【0046】
(サーバ装置2の機能構成)
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232として機能する。
【0047】
-情報処理手段-
情報処理手段231は、各ゲーム装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、ゲームプログラムや各データベースに登録されている各種データのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたカード提示要求、進化条件の提示要求、カードの進化処理の実行要求、クエストの実行要求、およびアカウント情報などが挙げられる。情報処理手段231が各ゲーム装置5に送信する主なデータとしては、ダウンロード要求情報に応じたゲームプログラムや各種データなどが挙げられる。
【0048】
-照合手段-
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザのユーザIDを用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0049】
<ゲーム装置5の構成>
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびタッチパッド63が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0050】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0051】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよびゲームに関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0052】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続され、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。
【0053】
操作部54は、タッチパッド63と接続され、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0054】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置5のアカウント情報などが格納されている。サーバ装置2からダウンロードされるデータには、カードDB221、進化条件DB222、クエストDB223、およびユーザDB224に登録されている各種データが含まれる。
【0055】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
【0056】
(ゲーム装置5の機能構成)
制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562、抽出条件設定手段563、一覧提示手段564、受付手段565、特定手段566、抽出手段567、表示制御手段568および音声出力制御手段569として機能する。
【0057】
―通信手段―
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。
【0058】
通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段561は、ゲームプログラムや各データベースに登録されている各種データのダウンロード要求、ユーザの操作に応じたカード提示要求、進化条件の提示要求、カードの進化処理の実行要求、クエストの実行要求、およびアカウント情報などをサーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきた新たなデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などを、サーバ装置2から受信する。
【0059】
―ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段562は、自装置5のユーザによるタッチパッド63の操作に従って、ゲームデータに含まれるゲーム内のオブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0060】
そして、ゲーム実行手段562は、ゲーム画像上に、自装置5のユーザの操作に従ってキャラクタを配置させ、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じてゲーム内におけるキャラクタの行動を制御する。例えば、ゲーム実行手段562は、ユーザのタッチパッド63を介した操作に応じて、ゲームにおいてクエストを実行させる。
【0061】
-抽出条件設定手段-
抽出条件設定手段563は、ユーザによる操作に基づき、オススメクエストの抽出条件を設定する。オススメクエストとは、必要素材カードの入手が可能なクエスト(以下、「入手可能クエスト」ともいう。)の中で、所定の観点から当該ユーザが特に効率的に必要素材カードを入手できると考えられるクエストをいう。
【0062】
-一覧提示手段-
一覧提示手段564は、ユーザの操作に基づくカード提示要求に従い、ユーザの所持カードの中から、ベースカードとして選択可能なカードの一覧を、ディスプレイ61に表示する。
【0063】
具体的には、一覧提示手段564は、サーバ装置2からダウンロードしたユーザDB224に登録されている当該ユーザの所持カード情報を参照し、そのユーザが所持するカードの中から、ベースカードとして選択可能なカードを抽出する。そして、一覧提示手段564は、抽出したカードの一覧を、ディスプレイ61に表示する。
【0064】
-受付手段-
受付手段565は、ユーザによるベースカードの選択操作を受け付け、これを特定手段566に出力する。
【0065】
-特定手段-
特定手段566は、ユーザによるベースカードの選択指示に応じて、ベースカードから、進化カードへ進化させるために必要な必要素材カードを特定する。
【0066】
具体的には、特定手段566は、ユーザによって選択されたベースカードをキーとして、サーバ装置2からダウンロードした進化条件DB222の各データを検索することにより、ベースカードの進化に必要な必要素材カードを特定する。特定手段566は、ベースカードの進化に必要な必要素材カードを特定すると、これを抽出手段567及び表示制御手段568に通知する。
【0067】
-抽出手段-
抽出手段567は、必要素材カードの入手可能クエストを特定し、特定した入手可能クエストの中から、ユーザのオススメクエストを抽出する。
【0068】
具体的には、抽出手段567は、特定手段566から通知される必要素材カードをキーとして、サーバ装置2からダウンロードしたクエストDB223の各データを検索することにより、必要素材カードの入手可能クエストを特定する。さらに、抽出手段567は、サーバ装置2からダウンロードしたユーザDB224の各データを参照することで、当該ユーザに設定されたオススメクエスト抽出条件を特定する。そして、抽出手段567は、特定したオススメクエスト抽出条件に従い、入手可能クエストの中から、オススメクエストを抽出する。抽出手段567は、オススメクエストを抽出すると、表示制御手段568に通知する。
【0069】
-表示制御手段-
表示制御手段568は、各種の画面をディスプレイ61に表示させる。また、表示制御手段568は、抽出手段567によって抽出されたオススメクエストなどを、特定手段566によって特定された必要素材カードと関連付けるように同一画面に表示する制御を行う。なお、「関連付けるように同一画面に表示する」とは、そのオススメクエストをプレイすることで、必要素材カードが入手できる可能性があることを、同一画面に表示された内容をユーザが見て理解できるような表示態様をいい、その具体例については後述する。
【0070】
表示制御手段568は、特定手段566からの通知に基づき、サーバ装置2からダウンロードしたカードDB221や進化条件DB222の各データを参照し、ベースカードや進化カード、ベースカードの進化に必要な必要素材カードに関する情報を取得する。さらに、表示制御手段568は、抽出手段567からの通知に基づき、サーバ装置2からダウンロードしたクエストDB223の各データを参照し、オススメクエストに関する情報を取得する。そして、表示制御手段568は、取得したこれらの情報を、ディスプレイ61に表示する。
【0071】
―音声出力制御手段-
音声出力制御手段569は、ゲームの実行にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてスピーカ62の音声出力制御を行う。
【0072】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
以下、
図6に示すフローチャート及び
図7~
図9に示す各種画面例を参照しながら、ゲームシステム1の動作の流れについて詳細に説明する。
図6は、オススメクエストの抽出条件の設定を受け付けてから、ベースカードの進化に必要な必要素材カードのオススメクエストなどを提示するまでのゲーム装置5の動作を示すフローチャートである。
【0073】
<オススメクエストの抽出条件の設定>
ゲーム装置5の抽出条件設定手段563は、ユーザの操作に基づいて第2操作指示を受け付けることにより、オススメクエストの抽出条件の設定要求を受け付けると、かかる要求に応じて、オススメクエストの抽出条件を設定するための設定画面P1を、ディスプレイ61に表示する(ステップst101)。
図7は、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示される設定画面P1を例示した図である。
設定画面P1は、ユーザがオススメクエストの抽出条件を設定するための画面である。設定画面P1を生成するために必要な情報は、あらかじめ記憶部55等に格納されている。抽出条件設定手段563は、記憶部55に格納されている情報に基づいて設定画面P1を生成すると、この設定画面P1をディスプレイ61に表示する。
図7に示すように、設定画面P1には、候補指定ボタンBP1~BP3が設けられている。
【0074】
候補指定ボタンBP1~BP3は、オススメクエストの抽出にあたって、ユーザが重視する抽出条件候補を指定するための操作ボタンである。
図7に示す例では、「ドロップ率重視」、「消費スタミナ重視」、「スタミナ効率重視」が指定可能となっている。ここで、ドロップ率とは、クエストクリア時に、ユーザに所望の必要素材カードが付与される確率である入手確率をいう。ユーザによって「ドロップ率重視」が指定された場合には、クエストクリア時に、必要素材カードの入手確率が最も高いクエストが、オススメクエストとして抽出される。
【0075】
一方、ユーザによって「消費スタミナ重視」が指定された場合には、ユーザの消費スタミナが最も少ないクエストがオススメクエストとして抽出される。ユーザによって「スタミナ効率重視」が指定された場合には、単位スタミナ当たりのドロップ率が最も高いクエストが、オススメクエストして抽出される。前述したように、各クエストには、消費スタミナやドロップ率が対応づけられていることから、これらのパラメータを利用することで、単位スタミナ当たりのドロップ率が算出される。このように算出された単位スタミナ当たりのドロップ率の中で、最も高いドロップ率を示すクエストが、オススメクエストとして抽出される。
なお、ユーザが指定可能なオススメクエストの抽出条件候補の数は、1つに限る趣旨ではなく、2つ以上であってもよい。ユーザによって2つ以上の抽出条件候補が指定されると、抽出条件設定手段563は、選択された2つ以上の抽出条件候補に基づき、新たなオススメクエストの抽出条件を設定する。例えば、「ドロップ率」と「消費スタミナ」の2つの抽出条件候補が指定されると、抽出条件設定手段563は、両方の条件を満たす「スタミナ効率重視」を、新たなオススメクエストの抽出条件として設定する。
【0076】
抽出条件設定手段563は、ユーザの操作に基づき、いずれかのオススメクエストの抽出条件候補の指定を受け付けると(ステップst102)、これをオススメクエストの抽出条件として設定する(ステップst103)。一例として、抽出条件設定手段563は、サーバ装置2に対し、ユーザによって指定されたオススメクエストの抽出条件をユーザDB224に記録するように指示する。例えば、ユーザによって「スタミナ効率重視」が指定された場合には、抽出条件設定手段563は、サーバ装置2に対し、「スタミナ効率重視」をオススメクエストの抽出条件としてユーザDB224に記録するように指示する。サーバ装置2は、ユーザ装置5の指示に従ってオススメクエストの抽出条件をユーザDB224に記録する。オススメクエストの抽出条件の設定は、ベースカードの選択操作に先行して行われることにより、後述する合成指示画面P3における入手ルート表示エリアA103の表示に反映される。
【0077】
<ベースカードの選択~オススメクエストの抽出>
ゲーム装置5の一覧提示手段564は、ユーザの操作に基づいて第1操作指示を受け付けることにより、ベースカードの提示要求を受け付けると、サーバ装置2からダウンロードしたユーザDB224に登録されている当該ユーザの各データを参照し、ユーザが選択可能なベースカードの一覧をあらわすベースカードの選択画面P2を、ディスプレイ61に表示する(ステップst104)。
【0078】
図8は、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示される選択画面P2を例示した図である。
選択画面P2には、ユーザの所持カードのうち、ユーザがベースカードとして選択可能な複数のカードCB1~CB6が表示される。なお、ユーザの所持カードの中に、進化不可能なカードが存在する場合には、進化不可能なカードを一切表示しないか、またはベースカードとして選択できないことが認識できるようにグレーアウト表示してもよい。
【0079】
ユーザは、ディスプレイ61のカードCB1が表示された部分に対してタッチ操作する等、ゲーム装置5を適宜操作することで、例えばカードCB1をベースカードとして選択する。かかる操作が行われると、ゲーム装置5の受付手段565は、ユーザによるベースカードの選択操作を受け付ける(ステップst105)。
【0080】
ゲーム装置5の特定手段566は、ユーザによるベースカードの選択操作に応じて、サーバ装置2からダウンロードした進化条件DB222の各データを検索し、ベースカードを進化させるために必要な必要素材カードを特定する(ステップst106)。
【0081】
ゲーム装置5の抽出手段567は、第1抽出手段として機能する。抽出手段567は、サーバ装置2からダウンロードしたクエストDB223の各データを検索し、必要素材カードの入手可能クエストを特定する(ステップst107)。そして、抽出手段567は、サーバ装置2からダウンロードしたユーザDB224に登録されている当該ユーザの各データを参照することで、当該ユーザによって設定されたオススメクエスト抽出条件を特定する。抽出手段567は、特定したオススメクエスト抽出条件に従い、複数の入手可能クエストの中から、オススメクエストを抽出する(ステップst108)。ここで、入手可能クエストが1つしかない場合には、その入手可能クエストがオススメクエストとして一意に抽出される。
【0082】
<オススメクエストなどの表示>
オススメクエストが抽出されると、ゲーム装置5の表示制御手段568は、ベースカード、進化カード、必要素材カード一覧とともに、オススメクエスト、オススメクエストにユーザを導くための操作ボタンを含む合成指示画面P3を、ディスプレイ61に表示する(ステップst109)。
図9は、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示される合成指示画面P3を例示した図である。
合成指示画面P3は、進化前後表示エリアA101と、必要素材表示エリアA102と、入手ルート表示エリアA103とを含んで構成される。
【0083】
図9の上部に示す進化前後表示エリアA101には、ユーザによって選択されたベースカードCB1と、ベースカードから進化した進化カードCE1が表示される。
【0084】
図9の左側に示す必要素材表示エリアA102には、必要素材カード一覧が表示される。必要素材カード一覧L1には、各必要素材カードCM1~CM3とともに、各必要素材カードCM1~CM3のステータスをあらわすステータス情報SI1~SI3が表示される。ステータス情報SI1~SI3は、各必要素材カードの種類などの各必要素材カードを特定するための情報、ベースカードCB1を進化させるために必要な各必要素材カードの数量、ユーザが保有する各必要素材カードの数量、不足の有無、不足数量、といった情報を含む。ステータス情報SI1~SI3は、各必要素材カードCM1~CM3と別に表示しても良いし、各必要素材カードCM1~CM3の表示態様を変更することによって認識可能にしても良い。例えば、各必要素材カードがグレーアウトされることによって、不足していることを識別させてもよい。
【0085】
図9の右側に示す入手ルート表示エリアA103には、必要素材カードごとに、抽出されたオススメクエストR1~R3と、そのオススメクエストにユーザを導くための操作インタフェースである操作ボタンB1~B3とを、関連付けるように表示する。
図9に示すように、必要素材カードと、抽出されたオススメクエスト及びそのオススメクエストにユーザを導くための操作ボタンB1~B3とを横に並べて表示することで、ユーザは、必要素材カードとオススメクエストは関連しているだろうと推測することができる。かかる推測をもとに、ユーザは、そのオススメクエストをクリアすることで、必要素材を入手できる可能性があることを直感的に理解することができる。
なお、本実施形態では、必要素材カードの入手ルートとしてオススメクエストを例示しているが、これに限る趣旨ではない。例えば、入手ルートは、必要素材カードの入手が可能な様々なエリア(例えば、ゲーム内のショップなど)であってもよい。また、オススメクエストは、必要素材カードごとに1つである必要はなく、複数であってもよい。また、オススメクエストにユーザを導くための操作インタフェースの一例として、操作ボタンを例示したが、選択タブや選択ダイヤルなどのアイコンを利用してもよい。
【0086】
ユーザは、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示される合成指示画面P3を確認すると、例えば、必要素材カードCM3の入手が可能な、オススメクエスト3に対応する操作ボタンB3をクリックする。かかる操作を行うことで、ユーザは、オススメクエスト3の実行を指示することが可能となる。
【0087】
以上をまとめると、本実施形態のプログラムは、ゲーム装置5の制御部56(コンピュータ)を、ユーザによるゲーム媒体の選択指示を受け付ける受付手段565(第1受付手段)と、選択指示に応じて、ゲーム媒体に関する第1ゲーム媒体をゲーム媒体に関する第2ゲーム媒体に変化させるために必要な素材とともに、素材の入手が可能な入手ルートにユーザを導くための操作インタフェースを、素材と関連付けるように同一画面上に表示する制御を行う表示制御手段568として機能させるものである。
【0088】
<効果>
本実施形態によれば、簡易な操作でベースカード等のゲーム媒体を進化させることができ、ゲームの興趣性を高めることが可能となる。具体的には、表示制御手段は、ベースカード、進化カード、必要素材カード一覧とともに、オススメクエスト、オススメクエストにユーザを導くための操作ボタンを同一画面に表示する。これにより、ユーザは、同一画面上で、ベースカードを進化させるのに必要な必要素材カードやオススメクエストなどを把握するだけでなく、オススメクエストに対応した操作ボタンを適宜操作することで、オススメクエストの実行を指示することができる。
また、本実施形態では、必要素材カードごとに、入手可能クエストを全て表示するのではなく、設定されたオススメクエストの抽出条件に従い、ユーザに最適なオススメクエストを抽出し、表示するため、効率的な情報表示が可能となる。
【0089】
[第2実施形態]
第2実施形態では、主に、第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と共通する点については説明を繰り返さない。第2実施形態は、オススメクエストの表示態様が、第1実施形態と異なる。
【0090】
図10は、第2実施形態に係るゲーム装置5の動作を示すフローチャートである。なお、以下の説明は、ゲーム装置5のディスプレイ61に、
図9に示す合成指示画面P3が既に表示されている場合を想定する。
【0091】
本実施形態では、ユーザが、ゲーム装置5を適宜操作することで、必要素材カードを複数選択することが可能となっている。一例として、ユーザは、
図9に示す必要素材カードCM1、CM2が表示された部分にタッチ操作する等して、2枚の必要素材カードCM1、CM2を選択する。
ゲーム装置5の受付手段565は、ユーザによる複数の必要素材カードの選択操作を受け付ける(ステップsu101)。
【0092】
ゲーム装置5の抽出手段567は、ユーザによる複数の必要素材カードの選択操作に応じて、サーバ装置2からダウンロードしたクエストDB223の各データを検索し、それぞれの必要素材カードの入手可能クエストを特定する(ステップsu102)。抽出手段567は、それぞれの必要素材カードの入手可能クエストを比較し、複数の必要素材カードに共通する入手可能クエスト(以下、「共通クエスト」ともいう。)が存在するか否かを判断する(ステップsu103)。この「共通クエスト」は、複数の必要素材カードの入手が可能な共通の入手ルートの一つである。
【0093】
<共通クエストが存在する場合>
抽出手段567は、共通クエストが存在すると判断すると(ステップsu103;YES)、この共通クエストをオススメクエストとして抽出し(ステップsu104)、表示制御手段568に送る。
【0094】
ゲーム装置5の表示制御手段568は、抽出されたオススメクエストに、入手可能な複数の必要素材カードをマーキングする。そして、表示制御手段568は、入手可能な複数の必要素材カードがマーキングされたオススメクエストとともに、オススメクエストにユーザを導くための操作ボタンを含む合成指示画面P3aをディスプレイ61に表示し(ステップsu105)、処理を終了する。
【0095】
図11は、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示される合成指示画面P3aを例示した図である。
図11に示すように、合成指示画面P3aの入手ルート表示エリアA103には、ユーザによって選択された複数の必要素材カードに共通する共通クエストが、オススメクエストR4として識別可能な態様でディスプレイ61に表示される。
図11に示す例では、必要素材カードCM1、CM2がマーキングされたオススメクエスト25とともに、オススメクエスト25にユーザを導くための操作ボタンB4が、入手ルート表示エリアA103に表示される。
【0096】
<共通クエストが存在しない場合>
一方、抽出手段567は、共通クエストが存在しないと判断すると(ステップsu103;NO)、表示制御手段568に対し、共通クエストがない旨を通知する。表示制御手段568は、共通クエストがない旨の通知を受け取ると、例えば、ユーザによって選択された複数の必要素材カードに共通する入手可能クエストは存在しない旨のメッセージを、入手ルート表示エリアA103に表示する制御を行い(ステップsu106)、処理を終了する。
【0097】
<効果>
本実施形態によれば、複数の必要素材カードに共通する共通クエストが存在する場合には、共通クエストをオススメクエストとして、ユーザのゲーム装置5に表示する。ユーザは、共通クエストの存在を確認することで、所望する必要素材カードを効率的に入手することが可能となる。
【0098】
なお、上記第2実施形態では、共通クエストのみをオススメクエストとして抽出したが、複数のオススメクエストがある場合には、他のオススメクエストに優先して、共通クエストを抽出するようにしてもよい。
【0099】
図12は、他のオススメクエストに優先して共通クエストを抽出する場合の説明図である。
図12に示すように、3つのオススメクエスト1、32、55を有する必要素材カードCM4と、2つのオススメクエスト32、86を有する必要素材カードCM5がユーザによって選択されたとする。
【0100】
この場合、ゲーム装置5の抽出手段567は、第2抽出手段として機能する。抽出手段567は、それぞれの必要素材カードCM4、CM5の入手可能クエストを比較し、共通クエストが存在するか否かを判断する。
図12に示す例では、オススメクエスト32が、必要素材カードCM4、CM5に共通するため、抽出手段567は、共通クエスト32が存在すると判断する。抽出手段567は、共通クエスト32の存在を検知すると、他のオススメクエストに優先して、共通クエスト32を抽出し、表示制御手段568に送る。
【0101】
ゲーム装置5の表示制御手段568は、共通クエスト32にユーザを導くための操作ボタンB5を、他のオススメクエスト1、55、86にユーザを導くための操作ボタンB6、B7、B8よりも、優先してディスプレイ61に表示する制御を行う。ここで、「優先してディスプレイ61に表示する」とは、ユーザがディスプレイ61を目視した場合に、共通クエスト32に対応する操作ボタンB5が、少なくとも他のオススメクエスト1、55、86に対応する操作ボタンB6、B7、B8と区別可能、かつ、目を引くような表示態様をいう。一例として、
図12に示すように、オススメクエスト32に対応する操作ボタンB5を一番上に表示する態様や、強調表示する態様である。このように、必要素材カードの共通クエストを優先的に表示することで、ユーザは、所望する必要素材カードを効率的に入手することが可能となる。
【0102】
なお、上記第2実施形態では、進化に必要な各必要素材カードのオススメクエストを表示した後に、ユーザによって選択された複数の必要素材カードの共通クエストを表示する態様を例示したが、これに限る趣旨ではない。進化に必要な各必要素材カードのオススメクエストを表示することなく、ユーザによって選択された複数の必要素材カードの共通クエストを表示してもよい。
【0103】
ユーザによっていずれかのベースカードが選択されると、ゲーム装置5の表示制御手段568は、プレ合成指示画面P4を、ディスプレイ61に表示する。
【0104】
図13は、ゲーム装置5のディスプレイ61に表示されるプレ合成指示画面P4を例示した図である。
図11と
図13を比較して明らかなように、プレ合成指示画面P4は、各必要素材カードのオススメクエスト等が表示されない点で合成指示画面P3aと異なる。
【0105】
プレ合成指示画面P4がゲーム装置5のディスプレイ61に表示された状態において、ユーザによって複数の必要素材カードの選択操作が行われると、表示制御手段568は、プレ合成指示画面P4の表示内容はそのままで、各必要素材カードのオススメクエスト等が追加された合成指示画面P3aを、ディスプレイ61に表示する。切り換える。なお、ユーザによって複数の必要素材カードが選択された場合のゲーム装置5の動作は、上述した第2実施形態と同様に説明することができるため、説明を繰り返さない。
【0106】
<効果>
本実施形態によれば、ユーザは、進化させたいベースカードを選択した後、必要素材カードを複数選択するといった簡単な操作で、複数の必要素材カードの共通クエストを迅速に把握することができるとともに、所望する必要素材カードを効率的に入手することが可能となる。
【0107】
[変形例]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0108】
上記各実施形態では、進化に必要な各必要素材カードについて、それぞれオススメクエストを表示する態様を例示したが、これに限る趣旨ではない。
図14は、変形例に係るゲーム装置5のディスプレイ61に表示される合成指示画面P3bを例示した図である。
【0109】
図14に示すように、合成指示画面P3bには、各必要素材カードの全ての入手可能クエスト一覧と、各入手可能クエストにユーザを導くための操作ボタンBNの一覧が含まれる。具体的には、表示制御手段568は、必要素材カードごとに、その必要素材カードの全ての入手可能クエストと、各入手可能クエストにユーザを導くための全ての操作ボタンBNとを関連づけて合成指示画面P3b上に表示する。
なお、表示スペースに制約があることを考慮し、入手可能クエストをスクロール表示するようにしてもよい。また、必要素材カードの一部についてのみ、入手可能クエストを全て表示し、その他の必要素材カードについては、オススメクエストを表示する、あるいは何も表示しない態様であってもよい。一例として、不足している必要素材カードのみ、入手可能クエストを全て表示し、ユーザが既に所持している必要素材カードについては、オススメクエストを表示してもよい。
【0110】
また、上記各実施形態では、オススメクエストの抽出条件として、ドロップ率やスタミナの消費量、スタミナ効率などを例示したが、これに限定する趣旨ではない。
【0111】
例えば、抽出条件として、パーティー属性を利用してもよい。抽出手段567は、サーバ装置2からダウンロードしたユーザDB224に設定されている当該ユーザのパーティー属性を参照することで、パーティー属性を自動検出する。そして、抽出手段567は、検出したパーティー属性に基づき、複数の入手可能クエストの中から、検出したパーティー属性で有利にゲームを進めることができるクエストを、オススメクエストとして抽出する。ここで、「有利にゲームを進める」とは、検出したパーティー属性が、クエストのクリア条件に対して特定関係を有しているために、他のパーティー属性よりも、ゲームの進行、またはゲームの結果が優遇されることをいう。ここで、ゲームの進行が優遇されるとは、例えば敵を討伐するクエストであれば、ゲームにおいて重要な立ち位置にいる強い敵(いわゆるボスキャラ)、または多く登場する弱い敵(いわゆるザコキャラ)に対し、多くのダメージを与えることができることなどをいう。
【0112】
例えば、以下に示す(A)~(C)の関係が成立しているケースであれば、「火属性」のパーティーは、「木属性」の敵に対し、基準となる「木属性」のパーティーよりも大きなダメージを与えることができるため、「有利」である。一方、「水属性」のパーティーは、「木属性」の敵に対し、基準となる「木属性」のパーティーよりも小さなダメージしか与えられないため、「不利」である。
(A)「木属性」のパーティーは、「木属性」の敵に対して攻撃力の1.0倍のダメージを与えることができる。
(B)「火属性」のパーティーは、「木属性」の敵に対して攻撃力の2.0倍のダメージを与えることができる。
(C)「水属性」のパーティーは、「木属性」の敵に対して攻撃力の0.5倍のダメージを与えることができる。
【0113】
一方、ゲームの結果が優遇されるとは、例えばクエストクリアによって通貨やポイントなどの報酬が得られるゲームであれば、クエストに関連付けられた報酬量を基準に、より多くの報酬が得られることなどをいう。例えば、クエストに関連付けられた報酬量を基準として、属性ごとに報酬の多寡が異なるように設定されている場合であれば、得られる報酬が多い属性のパーティーは「有利」であり、得られる報酬の少ない属性のパーティーは「不利」である。かかる構成によれば、ユーザは、自身が設定したパーティーで、より効率的にクエストをクリアすることが可能となる。
【0114】
なお、ユーザが自ら、有利にゲームを進めることができるパーティー属性を設定してもよい。例えば、ユーザによって「水属性」が設定された場合、抽出手段567は、ユーザによって設定された水属性を抽出条件とし、水属性のパーティーが有利にゲームを進めることができるクエストを、オススメクエストとして抽出する。この場合、ユーザは、手動でパーティーを編成し直し、水属性のパーティーが有利にゲームを進めることができるクエストに臨むことで、効率的にクエストを達成することが可能となる。
【0115】
なお、オススメクエストの抽出条件は、必要素材カードのレアリティ別に設定できるようにしてもよい。例えば、レアリティが低い必要素材カードについては、比較的容易に入手が可能なため、オススメクエストの抽出条件を「消費スタミナ重視」に設定する。一方、レアリティが高い必要素材については、スタミナの消費よりも、入手することを最優先に考え、オススメクエストの抽出条件を「ドロップ率重視」に設定する。
【0116】
また、上記各実施形態では、ユーザによってオススメクエストの抽出条件が設定される態様を例示したが、これに限る趣旨ではない。例えば、ゲームの管理者などが事前にオススメクエストの抽出条件を設定してもよい。
【0117】
また、上記各実施形態では、ユーザによるベースカードの選択を契機として、合成指示画面P3等を表示する場合について説明したが、これに限る趣旨ではない。例えば、ユーザによる進化カードの選択を契機として、合成指示画面P3等を表示するようにしてもよい。一例を挙げて説明すると、ゲーム装置5は、最初、ディスプレイ61に、進化カード、ベースカードを含む選択画面を表示する。ユーザによっていずれかの進化カードが選択されると、ゲーム装置5は、サーバ装置2からダウンロードした進化条件DB222の各データを検索し、進化カードへの進化に必要な必要素材カードを特定する。さらに、ゲーム装置5は、サーバ装置2からダウンロードしたクエストDB223の各データを検索し、必要素材カードの入手可能クエストを特定した後、オススメクエストを抽出する。そして、ゲーム装置5は、ディスプレイ61に、必要素材カードの一覧と、必要素材カードの入手ルートであるオススメクエストと、オススメクエストに対応する操作ボタンとを含む合成指示画面P3を表示する。
【0118】
上記各実施形態では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示したが、ゲーム装置5は、ゲームセンターなどに提供されるアミューズメント機器であってもよい。
【0119】
上記各実施形態では、ゲームがロールプレイングゲームである場合を例示したが、これに限定されない。ゲームは、シューティングゲーム、アクションゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなど、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0120】
なお、上記各実施形態では、ゲーム装置5がプログラムを実行することで、各手段を実現する場合について説明したが、サーバ装置2とゲーム装置5が一体となって各手段を実現してもよく、またサーバ装置2のみで各手段を実現してもよい。
【0121】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0122】
1・・・ゲームシステム
2・・・サーバ装置
5・・・ゲーム装置
55・・・記憶部
56・・・制御部
563・・・抽出条件設定手段
564・・・一覧提示手段
565・・・受付手段
566・・・特定手段
567・・・抽出手段
568・・・表示制御手段