(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20220629BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20220629BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2021173163
(22)【出願日】2021-10-22
(62)【分割の表示】P 2020191262の分割
【原出願日】2019-07-18
【審査請求日】2022-03-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社ミクシィ
(72)【発明者】
【氏名】養安 元気
(72)【発明者】
【氏名】小野澤 清人
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-113582(JP,A)
【文献】特開2016-202972(JP,A)
【文献】特開2016-185284(JP,A)
【文献】特開2013-198590(JP,A)
【文献】国際公開第2016/001953(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-13/98
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、ユーザから第1の提供要求を受け付けた場合、前記ユーザに関連付けられた、それぞれゲーム媒体を含む1以上の第1の集合の中からゲーム媒体を前記ユーザに提供し、
前記制御部は、前記第1の提供要求を受け付けた後であって、ゲーム要素を含む第2の集合が前記ユーザに関連付けられた後に、第2の提供要求を受け付けた場合、1以上の第1の集合と第2の集合の中から抽選により選択された集合の中からゲーム媒体を前記ユーザに提供する、情報処理装置。
【請求項2】
コンピュータが、ユーザから第1の提供要求を受け付けた場合、前記ユーザに関連付けられた、それぞれゲーム媒体を含む1以上の第1の集合の中からゲーム媒体を前記ユーザに提供し、
コンピュータが、前記第1の提供要求を受け付けた後であって、ゲーム要素を含む第2の集合が前記ユーザに関連付けられた後に、第2の提供要求を受け付けた場合、1以上の第1の集合と第2の集合の中から抽選により選択された集合の中からゲーム媒体を前記ユーザに提供する、情報処理方法。
【請求項3】
ユーザから第1の提供要求を受け付けた場合、前記ユーザに関連付けられた、それぞれゲーム媒体を含む1以上の第1の集合の中からゲーム媒体を前記ユーザに提供するステップと、
前記第1の提供要求を受け付けた後であって、ゲーム要素を含む第2の集合が前記ユーザに関連付けられた後に、第2の提供要求を受け付けた場合、1以上の第1の集合と第2の集合の中から抽選により選択された集合の中からゲーム媒体を前記ユーザに提供するステップと、をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザのスマートフォンなどの携帯端末に提供され、インターネット回線を通じて他のユーザと交流可能な、いわゆるソーシャルゲームがある。このようなソーシャルゲームにおいて、ユーザからの課金を伴う取得要求に応じて、キャラクタやアイテムなどのゲーム要素をランダムで提供する抽選機能が知られている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、当選したゲーム媒体(本願におけるゲーム要素に相当)を収容するゲーム媒体収容デッキをユーザごとに割り当て、当選したゲーム媒体をゲーム媒体収容デッキから削除することにより、ユーザが所望のゲーム媒体を取得するまでの必要コストを正確に予測可能なゲーム提供サーバが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、ゲームの興趣向上のために、ゲームの進行や特定のキャンペーンなどに応じてユーザごとに異なるゲーム要素を取得可能としたいというニーズが生じている。このような場合には、上記特許文献1のゲーム提供サーバでは、ゲーム媒体収容デッキ内のゲーム要素の抽選確率が均一であるため、ゲーム要素の取得における興趣が乏しいという改善の余地があった。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、有限個のゲーム要素の中から取得可能なゲーム要素の取得における興趣を向上させる情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、ゲームを制御する情報処理装置であって、提供要求受付部と、ゲーム要素記憶部と、ゲーム要素提供部と、提供結果記憶部を備え、前記提供要求受付部は、ユーザからゲーム要素の提供要求を受け付け、前記ゲーム要素記憶部は、複数のゲーム要素を記憶し、前記ゲーム要素提供部は、前記提供要求に基づいて、前記複数のゲーム要素の中から1つまたは複数のゲーム要素を前記ユーザに提供し、前記提供結果記憶部は、提供されたゲーム要素を特定するための情報をユーザごとに記憶し、前記ゲーム要素記憶部は、さらに、前記複数のゲーム要素の少なくとも一部を含むゲーム要素の集合を、要素集合として記憶するとともに、1つまたは複数の前記要素集合を含む固有集合を記憶し、前記ゲーム要素提供部は、前記固有集合から選択された、1つまたは複数の要素集合に含まれ
るゲーム要素であって、当該選択された要素集合について定められた数のゲーム要素を提供していないゲーム要素の中から、前記1つまたは複数のゲーム要素を提供する、情報処理装置が提供される。
【0008】
このような構成とすることにより、ゲーム要素の取得における興趣が向上する。
【0009】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴が独立に発明を構成する。
【0010】
好ましくは、前記固有集合に対して前記要素集合の追加または削除を設定可能な固有集合設定部をさらに備える。
好ましくは、前記ゲーム要素記憶部は、前記固有集合に含まれる要素集合に対して抽選確率をさらに記憶し、前記ゲーム要素提供部は、前記抽選確率に基づく抽選によって、前記固有集合に含まれる要素集合の中から、前記要素集合を選択する。
好ましくは、前記抽選確率は、前記固有集合に含まれる前記要素集合それぞれに含まれる前記ゲーム要素の個数の比率に応じて設定される。
好ましくは、前記抽選確率は、前記固有集合に含まれる前記要素集合を設定する際に決定され、前記ユーザによる前記ゲーム要素の取得に伴って変更されない。
好ましくは、前記抽選確率は、前記固有集合設定部によって変更可能に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る情報処理装置1の概要を示す図である。
【
図2】情報処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置1の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4Aはゲーム要素記憶部23が記憶するキャラクタテーブルT1、ユーザテーブルT2、および要素集合テーブルT3を示す図である。
図4Bはゲーム要素記憶部23が記憶する要素集合設定テーブルT4を示す図である。
図4Cはゲーム要素記憶部23が記憶する固有集合対応テーブルT5、および固有集合設定テーブルT6を示す図である。
【
図5】ユーザごとに設定された固有集合と要素集合の関係を示すイメージ図である。
【
図6】提供結果記憶部24が記憶する提供結果テーブルT7を示す図である。
【
図7】第1実施形態におけるゲーム要素の提供の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図8】固有集合内の要素集合の抽選確率を説明するための図である。
【
図9】第2実施形態に係る情報処理装置1の機能構成を示すブロック図である。
【
図10】固有集合設定部25による固有集合設定テーブルT6の更新を示す図である。
【
図11】固有集合を追加した場合の要素集合の抽選確率を説明するための図である。
【
図12】第3実施形態に係る提供結果記憶部24が記憶する提供結果テーブルT7を示す図である。
【
図13】第3実施形態におけるゲーム要素の提供の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図14】第4実施形態に係るゲーム要素記憶部23と提供結果記憶部24を説明する図である。
【
図15】第4実施形態におけるゲーム要素の提供の流れを説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<1.第1実施形態>
(1.1.情報処理装置1の概要)
図1を参照し、第1実施形態に係る情報処理装置1の概要を説明する。
図1に示すよう
に、情報処理装置1は1つまたは複数のサーバにより実現され、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)2に接続されることにより、ユーザ端末3と通信可能に構成される。
【0013】
ユーザ端末3は、ゲームユーザ(以下、単にユーザともいう)が所有するスマートフォンなどの携帯端末で実現されている。情報処理装置1は、ユーザ端末3を介してユーザからのゲーム要素の提供についての要求(以下、単に提供要求ともいう)を受け付ける。ここで、ゲーム要素とは、ゲームの進行のためにユーザによって用いられる電子データの総称であり、具体的には、キャラクタ、アイテム、カード、アバタ、などを含む。以下の実施形態においては、ゲーム要素としてキャラクタを提供する例で説明する。
【0014】
情報処理装置1は、ユーザからゲーム要素の提供要求を受け付けると、提供可能なゲーム要素の中から1つまたは複数のゲーム要素を選択してユーザに提供する。情報処理装置1は、ユーザに提供可能なゲーム要素について、予め定められた個数以上に重複して提供しないように構成されている。これにより、ユーザは、所望のゲーム要素を取得するまでの必要なコストを予測可能となっている。以下、各構成について詳細に説明する。
【0015】
(1.2.情報処理装置1のハードウェア構成)
図2を参照し、情報処理装置1のハードウェア構成を説明する。
【0016】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、情報処理装置1全体の動作を制御する制御部11、および、制御部11による各種プログラムの実行時のワークエリアとして機能するとともに、各種プログラムおよび各種データ等が予め記憶された記憶部12を備えている。
【0017】
さらに、情報処理装置1は、通信回線を介してユーザ端末3と接続され、各種データの送受信を行う通信部13を備えている。また、キーボードおよびマウス等で構成されて各種操作の入力を受け付ける操作入力部14、各種画像を表示する例えば液晶ディスプレイ装置等のモニタ15を備えていてもよい。
【0018】
これら制御部11、記憶部12、通信部13、操作入力部14、モニタ15は、システムバス16を介して相互に電気的に接続されている。従って、制御部11は、記憶部12へのアクセス、操作入力部14に対する操作状態の把握、モニタ15に対する画像の表示、並びに通信部13を介してユーザ端末3などの他の情報処理装置等との各種データの送受信等を行なうことができる。
【0019】
(1.3.情報処理装置1の機能構成)
図3を参照し、情報処理装置1の機能構成を説明する。
【0020】
図3に示すように、情報処理装置1は、提供要求受付部21と、ゲーム要素提供部22と、ゲーム要素記憶部23と、提供結果記憶部24を備える。提供要求受付部21およびゲーム要素提供部22は、制御部11の機能として実現される。ゲーム要素記憶部23および提供結果記憶部24は、記憶部12の機能として実現される。
【0021】
提供要求受付部21は、ユーザからのゲーム要素の提供要求を受け付け、当該提供要求をゲーム要素提供部22へ連絡する。
【0022】
ゲーム要素提供部22は、提供要求受付部21からの連絡に基づいて、ゲーム要素記憶部23を参照して、1つまたは複数のゲーム要素をユーザへ提供する。さらに、ゲーム要素提供部22は、ユーザへ提供したゲーム要素を特定する情報を、提供結果記憶部24へ
登録する。ゲーム要素提供部22によるゲーム要素の提供の流れについては、詳細を後述する。
【0023】
ゲーム要素記憶部23は、ユーザに提供可能なゲーム要素を特定する情報を記憶する。ゲーム要素記憶部23の具体的なテーブル構成については、詳細を後述する。
【0024】
提供結果記憶部24は、ユーザに提供したゲーム要素を特定する情報を記憶する。提供結果記憶部24の具体的なテーブル構成については、詳細を後述する。
【0025】
上述した機能構成は、制御部11として実装されたCPU(Central Processing Unit)が、プログラムを実行することによって各種機能を実現してもよいし、ハードウェアによって実現してもよい。
【0026】
プログラムを実行することで実現される場合、当該プログラムは、記憶部12に格納してもよく、コンピューターが読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納してもよい。また、外部の記憶装置に格納されたプログラムを読み出し、いわゆるクラウドコンピューティングにより実現してもよい。また、ハードウェアによって実現する場合、ASIC、SOC、FPGA、またはDRPなどの種々の回路によって実現してもよい。
【0027】
(1.4.ゲーム要素記憶部23のテーブル構成)
図4および
図5を参照し、ゲーム要素記憶部23のテーブル構成の一例を説明する。ゲーム要素記憶部23は、キャラクタテーブルT1と、ユーザテーブルT2と、要素集合テーブルT3と、要素集合設定テーブルT4と、固有集合対応テーブルT5と、固有集合設定テーブルT6を含む。
【0028】
キャラクタテーブルT1は、ゲーム要素として提供されるキャラクタについての情報を記憶するテーブルであり、キャラクタID列と、名称列を備える。キャラクタID列は、キャラクタを一意に識別するためのキャラクタIDを保持する。名称列は、各キャラクタの名称を保持する。
【0029】
ユーザテーブルT2は、当該ゲームを利用するユーザについての情報を記憶するテーブルであり、ユーザID列と、氏名列を備える。ユーザID列は、ユーザを一意に識別するためのユーザIDを保持する。氏名列は、各ユーザの氏名を保持する。
【0030】
要素集合テーブルT3は、要素集合を記憶するテーブルであり、要素集合ID列と、名称列を備える。要素集合とは、キャラクタなどのゲーム要素の集合であり、1つの要素集合には1つまたは複数のゲーム要素が含まれる。要素集合ID列は、要素集合を一意に識別するための要素集合IDを保持する。名称列は、各要素集合の名称を保持する。
【0031】
要素集合設定テーブルT4は、各要素集合に含まれるゲーム要素を設定するテーブルである。要素集合設定テーブルT4は、No列とキャラクタID列を備える。No列は、テーブル内のレコードを一意に識別するための連番を保持する。キャラクタID列はテーブルに対応した要素集合に含まれるキャラクタのキャラクタIDを保持する。
【0032】
本実施形態では、
図4Bに示すように、要素集合B01,B02,...,B09ごとに要素集合設定テーブルT4-1,T4-2,...,T4-9が設定されており、それぞれのテーブルにおいて各要素集合に含まれるキャラクタが規定されている。なお、レコードD1に示すように、本実施形態では、1つの要素集合に同一のキャラクタが重複して含まれることを許容している。
【0033】
固有集合対応テーブルT5は、ユーザと固有集合の対応関係を規定するテーブルであり、ユーザID列と固有集合ID列を備える。ここで、固有集合とは要素集合の集合であり、1つの固有集合には1つまたは複数の要素集合が含まれる。固有集合ID列は、固有集合を一意に識別するための固有集合IDを保持する。本実施形態では、各ユーザには1つの固有集合が設定されているため、固有集合対応テーブルT5は、各ユーザと固有集合を1対1に対応づけるように規定されている。
【0034】
固有集合設定テーブルT6は、各固有集合に含まれる要素集合を規定するテーブルである。固有集合設定テーブルT6は、No列と、固有集合IDと、要素集合IDを備える。このようなテーブル構成とすることにより、各固有集合に含まれる要素集合、および各要素集合に含まれるゲーム要素が規定されている。
【0035】
図5は、
図4A~
図4Cに示された各テーブルT1~T6によって規定されているゲーム要素(キャラクタ)、要素集合、固有集合、およびユーザの関係を示すイメージ図である。
図5に示すように、各ユーザには、1つの固有集合が設定されている。各固有集合は、1つまたは複数の要素集合を含んでいる。そして、各要素集合は、1つまたは複数のゲーム要素(本実施形態では、キャラクタ)を含んでいる。ゲーム要素提供部22は、このように設定されたゲーム要素記憶部23を参照し、ゲーム要素の提供を行う。
【0036】
(1.5.提供結果記憶部24のテーブル構成)
図6を参照し、提供結果記憶部24のテーブル構成の一例を説明する。提供結果記憶部24は、提供結果テーブルT7を含む。
【0037】
提供結果テーブルT7は、ユーザに提供されたゲーム要素を特定するための情報を、ユーザごとに記憶するテーブルである。提供結果テーブルT7は、テーブル内のレコードを一意に識別するためのNo列と、ユーザID列と、要素集合ID列と、キャラクタID列と備える。
【0038】
ユーザID列は、ゲーム要素の提供要求を行ったユーザのユーザIDを保持する。要素集合ID列は当該提供要求に対して、ユーザに提供したキャラクタが含まれる要素集合の要素集合IDを保持する。キャラクタID列は、当該提供要求に対して、ユーザに提供したキャラクタのキャラクタIDを保持する。提供結果テーブルT7には、ユーザにゲーム要素を提供するごとに、提供したキャラクタと、当該キャラクタが含まれる要素集合の情報が登録される。
【0039】
(1.6.ゲーム要素の提供の流れ)
図7を参照し、ゲーム要素の提供の流れを説明する。ステップS110において、提供要求受付部21は、ユーザからのゲーム要素の提供要求を受け付ける。
【0040】
ステップS120において、ゲーム要素提供部22は、提供要求受付部21からの連絡を受け、ゲーム要素の提供要求を確認する。ステップS130において、ゲーム要素提供部22は、ゲーム要素記憶部23を参照し、ユーザへ提供するゲーム要素を取得する。
【0041】
ゲーム要素の取得に際して、ゲーム要素提供部22は、まず、当該提供要求を行ったユーザに設定された固有集合に対して、当該固有集合に含まれる要素集合を選択する。本実施形態では、要素集合内に含まれるキャラクタの数に応じて、要素集合の抽選確率が設定されている。ゲーム要素提供部22は、当該抽選確率に基づく抽選によって、固有集合に含まれる要素集合の中から、要素集合を選択する。
【0042】
以下、
図8に示す例で具体的に説明する。
図8に示すように、ユーザ∪01に対応する
固有集合K01には、要素集合B01、B02の2つの要素集合が含まれている。そして、要素集合B01はキャラクタを50個含み、要素集合B02はキャラクタを100個含んでいる。本実施形態では、要素集合の抽選確率は、固有集合に含まれる要素集合それぞれに含まれるゲーム要素の個数の比率に応じて設定される。そのため、要素集合B01、B02の抽選確率は、50:100の比率で設定される。このような構成とすることにより、含まれるゲーム要素の個数が多い要素集合ほど、選択される可能性が高くなるため、ゲーム要素の取得における興趣が向上する。
【0043】
ここで抽選確率は、固有集合に含まれる要素集合を設定する際の要素集合内のゲーム要素の個数によって決定され、ユーザによるゲーム要素の取得に伴って変更されないことが好ましい。このようにすることにより、特定の要素集合内から多くのゲーム要素が提供された場合において、当該要素集合の抽選確率が低下し、選択されにくくなる状況を防ぐことができる。
【0044】
要素集合が決定された後、決定された要素集合内のキャラクタについて抽選が行われる。本実施形態では、要素集合内のキャラクタの抽選は、要素集合内の全キャラクタ数で分配された比率(すなわち、1/(要素集合内の全キャラクタ数))で行われる。
【0045】
このようにして、ステップS130においてゲーム要素の取得が行われると、ステップS140において、ゲーム要素提供部22は、取得結果の照会を行う。具体的には、ゲーム要素提供部22は、提供結果記憶部24を参照し、ステップS130において取得したゲーム要素が、既に提供されたものか否かを判定する。
【0046】
ステップS150において、ゲーム要素提供部22は、取得したゲーム要素が既に提供されたものであると判定した場合、再度ステップS130へ戻って処理を繰り返す。一方、取得したゲーム要素が既に提供したものでないと判定した場合、ゲーム要素提供部22は、ステップS160の処理を行う。
【0047】
なお、上述したように、本実施形態では、1つの要素集合に同一のキャラクタが重複して含まれることを許容している(
図4Bの要素集合設定テーブルT4-1におけるレコードD1参照)。このようなゲーム要素については、要素集合内での重複した数(請求の範囲における「予め定められた数」)を提供したか否かを判定する。
【0048】
ステップS160において、ゲーム要素提供部22は、取得したゲーム要素をユーザへ提供する。ステップS170において、ゲーム要素提供部22は、ユーザへ提供したゲーム要素を特定する情報を提供結果記憶部24へ登録する。
【0049】
以上のようにして、本実施形態に係る情報処理装置1は、提供要求受付部21と、ゲーム要素提供部22と、ゲーム要素記憶部23と、提供結果記憶部24を備える。提供要求受付部21は、ユーザからゲーム要素の提供要求を受け付ける。ゲーム要素提供部22は、当該提供要求に基づいて、ゲーム要素記憶部23に記憶されたゲーム要素をユーザに提供する。提供結果記憶部24は、提供されたゲーム要素を特定するための情報をユーザごとに記憶する。
【0050】
ゲーム要素記憶部23は、ゲーム要素の集合を要素集合として記憶するとともに、要素集合の集合を固有集合としてユーザごとに記憶する。ゲーム要素提供部22は、ゲーム要素を提供する際に、提供要求の要求元のユーザに設定される固有集合から要素集合を選択し、選択された要素集合に含まれるゲーム要素の中から、1つまたは複数のゲーム要素を提供する。
【0051】
このような構成とすることにより、キャラクタの集合である要素集合を、ユーザに応じて設定することが可能となる。そして、ゲーム要素の提供に際しては、まず要素集合が選択され、その後にゲーム要素が選択されることとなるため、ゲーム要素の取得における興趣が向上する。
【0052】
<2.第2実施形態>
図9および
図10を参照して、第2実施形態に係る情報処理装置1を説明する。なお、以下においては、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0053】
図9に示すように、第2実施形態に係る情報処理装置1は、ゲーム要素記憶部23の固有集合の設定を変更可能な固有集合設定部25を備える点で第1実施形態と異なる。
【0054】
固有集合設定部25は、ゲーム要素記憶部23に格納されている固有集合設定テーブルT6(
図4C参照)に対してレコードの追加、または削除を行うことにより、ユーザごとに設定された固有集合に対して、要素集合の追加または削除が設定可能に構成されている。また、固有集合設定部25は、固有集合内における要素集合の抽選確率を変更可能に構成されている。
【0055】
以下、
図10および
図11に示す例で具体的に説明する。
図10および
図11は、ユーザU01に設定された固有集合K01に対して、要素集合B03を追加する例を示す。なお、
図11では、既にユーザに提供されたキャラクタについては取り消し線が引かれている。
【0056】
図10に示すように、固有集合設定部25は、ゲーム要素記憶部23に格納されている固有集合設定テーブルT6に対して、D2で示すレコードを追加する。これにより、
図11に示すように、固有集合K01に要素集合B03が追加される。
【0057】
ここで、要素集合B03が追加された後の固有集合K01内に含まれる要素集合の抽選確率は、要素集合B01, B02, B03内のゲーム要素の個数の比率によって決定される。すなわち、ユーザによって既に提供されたキャラクタの数は抽選確率を決定する際には考慮されない。このような構成とすることにより、ユーザに多くのキャラクタが提供された要素集合の抽選確率が低下することにより、当該要素集合内の提供されていないキャラクタを取得することが難しくなるという不具合を防ぐことができる。
【0058】
このような構成とすることにより、ユーザのゲームの進行に応じて、または特定のキャンペーンなどに応じてユーザごとに要素集合を追加または削除することが容易となるため、ゲーム要素の取得における興趣が一層向上する。
【0059】
<3.第3実施形態>
図12および
図13を参照し、第3実施形態に係る情報処理装置1を説明する。第3実施形態に係る情報処理装置1では、ゲーム要素提供部22は、ゲーム要素を提供する順序を予め算出する点で第1実施形態と異なる。
【0060】
第3実施形態におけるゲーム要素提供部22は、ゲーム要素記憶部23を参照し、ユーザごとのゲーム要素の提供順序を予め算出する。ゲーム要素提供部22は、予め算出したゲーム要素の提供順序を、提供結果記憶部24へ登録する。提供要求受付部21がユーザからの提供要求を受け付けると、ゲーム要素提供部22は、提供結果記憶部24を参照し、提供結果記憶部24に登録された順序でゲーム要素を提供する。
【0061】
図12に示すように、第3実施形態における提供結果テーブルT7は、提供済み列をさ
らに備える。提供済み列は、当該レコードにおいて特定されるゲーム要素が既に提供済みか否かを識別するためのフラグを保持する。
【0062】
図13を参照して、ゲーム要素の提供の流れを説明する。ステップS301において、ゲーム要素提供部22は、ゲーム要素記憶部23を参照し、ユーザごとにゲーム要素の提供順序を算出する。具体的には、ユーザごとに設定された固有集合内の要素集合に対して、要素集合ごとの抽選確率に基づいて抽選を行い、1つまたは複数の要素集合を選択する。そして、当該選択された要素集合に含まれるゲーム要素について抽選を行うことにより、ユーザに提供可能なゲーム要素についての提供順序を決定する。ステップS302において、ゲーム要素提供部22は、算出された提供順序を提供結果記憶部24へ登録する。
【0063】
ステップS310において、提供要求受付部21は、ユーザからのゲーム要素の提供要求を受け付ける。ステップS320において、ゲーム要素提供部22は、提供要求受付部21からの連絡を受け、ゲーム要素の提供要求を確認する。
【0064】
ステップS330において、ゲーム要素提供部22は、提供結果記憶部24内の提供結果テーブルT7を参照し、ユーザへ提供するゲーム要素を取得する。具体的には、提供要求を行ったユーザについて、提供結果テーブルT7の提供済み列が「0(未済)」となっているレコードで、No列の値が小さいレコードの順に特定されるゲーム要素を取得する。ステップS340において、ゲーム要素提供部22は、取得したゲーム要素をユーザへ提供する。
【0065】
ステップS350において、ゲーム要素提供部22は、提供したゲーム要素を特定するレコードについて、提供結果テーブルT7の提供済み列を「1(済)」に更新する。
【0066】
このように、本実施形態の情報処理装置1では、ユーザに提供されるゲーム要素の提供順序が予め算出されている。このような構成にすることにより、ユーザからの取得要求ごとにゲーム要素の取得処理および提供済みか否かの判定処理をする必要がなく、提供処理を迅速に行うことが可能となる。また、ユーザごとにどのゲーム要素が既に提供され、今後どのゲーム要素が提供されるかを管理することができる。
【0067】
<4.第4実施形態>
図14および
図15を参照し、第4実施形態に係る情報処理装置1を説明する。第4実施形態に係る情報処理装置1では、要素集合ごとにゲーム要素を提供する順序が予め算出されている点で上記実施形態と異なる。
【0068】
提供要求受付部21がユーザからの提供要求を受け付けると、ゲーム要素提供部22は、ゲーム要素記憶部23を参照し、ユーザに対応した固有集合について、要素集合についての選択(抽選)を行う。ゲーム要素提供部22は、抽選により決定された要素集合について、提供結果記憶部24を参照し、提供結果記憶部24に登録された順序でゲーム要素を提供する。
【0069】
図14に示すように、第4実施形態における提供結果テーブルT7は、固有集合に含まれる要素集合ごとに用意されている。ゲーム要素提供部22は、抽選により決定された要素集合に対応する提供結果テーブルT7を参照し、ユーザへ提供するゲーム要素を決定する。
【0070】
図15を参照して、ゲーム要素の提供の流れを説明する。ステップS410において、提供要求受付部21は、ユーザからのゲーム要素の提供要求を受け付ける。ステップS420において、ゲーム要素提供部22は、提供要求受付部21からの連絡を受け、ゲーム
要素の提供要求を確認する。
【0071】
ステップS430において、ゲーム要素提供部22は、当該提供要求を行ったユーザに設定された固有集合に対して、当該固有集合に含まれる要素集合を選択する。すなわち、ゲーム要素提供部22は、固有集合ごとに設定された抽選確率に基づく抽選によって、固有集合に含まれる要素集合の中から、要素集合を選択する。
【0072】
ステップS440において、ゲーム要素提供部22は、提供結果記憶部24を参照し、選択された要素集合に対応する提供結果テーブルT7から、ユーザへ提供するゲーム要素を取得する。具体的には、選択された要素集合に対応する提供結果テーブルT7について、提供済み列が「0(未済)」となっているレコードで、No列の値が小さいレコードの順に特定されるゲーム要素を取得する。ステップS450において、ゲーム要素提供部22は、取得したゲーム要素をユーザへ提供する。
【0073】
ステップS460において、ゲーム要素提供部22は、提供したゲーム要素を特定するレコードについて、提供結果テーブルT7の提供済み列を「1(済)」に更新する。
【0074】
このように、本実施形態の情報処理装置1では、要素集合ごとにゲーム要素を提供する順序が予め算出されている。このような構成にすることにより、固有集合に要素集合を追加する際に、提供結果テーブルT7において既に定められているゲーム要素の提供順序を変更する必要がなく、簡易な処理によって固有集合の追加を行うことができる。
【0075】
<5.その他の実施形態>
以上、本願発明における実施形態およびその変形例について説明したが、本開示の適用は上述の内容に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、ユーザ端末3は、スマートフォンなどの携帯端末として実現されていたが、この例に限定されることはない。たとえば、家庭用のPCなどにソフトウェアをインストールすることにより、ユーザ端末3を実現してもよい。
【0076】
また、上述の実施形態におけるテーブル構成は、実装方法の一例にすぎないことに留意すべきである。例えば、提供結果テーブルT7は、提供したゲーム要素を記憶していたが、この例に限定されることはなく、ユーザに提供されていないゲーム要素を記憶するテーブル構成としてもよい。
【0077】
また、上述の実施形態では、ユーザごとに1つの固有集合が設定されるとしているが、この例に限定されることはない。すなわち、固有集合対応テーブルT5において、1人のユーザに複数の固有集合を対応させるテーブル構成としてもよい。
【0078】
また、上述の第4実施形態において、提供結果テーブルT7は要素集合ごとの提供順序を記憶しているが、この例に限定されることはない。例えば、要素集合内のゲーム要素について、ユーザIDを初期値とした疑似乱数を生成することにより、ゲーム要素の提供を行う際に要素集合内のゲーム要素の提供順序を算出してもよい。この場合、ユーザIDはユーザごとに固有であり不変であるため、算出される提供順序はユーザごとに固有であり、かつ、同一ユーザについては毎回同じ提供順序が算出される。そのため、提供結果テーブルT7は、算出される提供順序における何番目のゲーム要素までが各ユーザに提供されたかを記憶するだけでよい。
【0079】
さらに、本発明は、上述の情報処理装置を実現させるためのサーバを機能させるプログラムとして実現することもできる。
【0080】
さらに、本発明は、上述のプログラムを格納する、コンピューター読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現することもできる。
【0081】
本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0082】
1 :情報処理装置
2 :WAN
3 :ユーザ端末
11 :制御部
12 :記憶部
13 :通信部
14 :操作入力部
15 :モニタ
16 :システムバス
21 :提供要求受付部
22 :ゲーム要素提供部
23 :ゲーム要素記憶部
24 :提供結果記憶部
25 :固有集合設定部