(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】レンズアレイ素子及び光ファイバーコネクター
(51)【国際特許分類】
G02B 6/32 20060101AFI20220629BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20220629BHJP
G02B 6/36 20060101ALI20220629BHJP
G02B 6/40 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
G02B6/32
G02B3/00 A
G02B6/36
G02B6/40
(21)【出願番号】P 2018129538
(22)【出願日】2018-07-06
【審査請求日】2020-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【氏名又は名称】福田 充広
(72)【発明者】
【氏名】秋山 貢治
(72)【発明者】
【氏名】森本 智之
(72)【発明者】
【氏名】大城谷 健史
(72)【発明者】
【氏名】上平 真嘉
【審査官】野口 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-092152(JP,A)
【文献】特開2013-213949(JP,A)
【文献】特開2004-093868(JP,A)
【文献】特開2005-275361(JP,A)
【文献】中国実用新案第202693849(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0279829(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0182547(US,A1)
【文献】国際公開第2018/089286(WO,A1)
【文献】特開2014-224851(JP,A)
【文献】特開2013-137507(JP,A)
【文献】特開2015-114645(JP,A)
【文献】国際公開第2016/143395(WO,A1)
【文献】特開2014-067000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24-6/27
6/30-7/34
6/36-6/40
6/42-6/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光インターコネクションに用いられるレンズアレイ素子であって、
光ファイバーと隣接する第1面と、
本体を挟んで前記第1面の反対側に配置され、複数の光学面を配列させて設けた第2面とを備え、
前記第1面は、前記光ファイバーの光軸に対して傾斜している第1平面領域と、光軸に対して直交する第2平面領域とを有し、
前記第1面は、前記第1平面領域の最も突出した
部分に隣接して光軸に対して直交した付属面を有することを特徴とするレンズアレイ素子。
【請求項2】
前記光ファイバーと隣接する前記第1面は、前記第2平面領域として、光軸に対して直交する複数の分割面領域を含むことを特徴とする請求項1に記載のレンズアレイ素子。
【請求項3】
前記光ファイバーと隣接する前記第1面は、前記第2平面領域として、前記第1平面領域の周囲に形成されるとともに光軸に対して直交する単一面領域を含むことを特徴とする請求項1に記載のレンズアレイ素子。
【請求項4】
前記第2平面領域は、前記第1平面領域の周囲の少なくとも一部に形成されて周辺部から突起する3以上の凸部を有することを特徴とする請求項2に記載のレンズアレイ素子。
【請求項5】
前記第1平面領域は、前記光ファイバーの端面側に突起して当該端面に当接する当接領域と、前記当接領域よりも後退した周辺領域とを有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のレンズアレイ素子。
【請求項6】
前記第2面は、前記複数の光学面を形成した中央部と、前記中央部を囲む周辺枠部とを有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のレンズアレイ素子。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のレンズアレイ素子を含む第1部分と、
請求項1~6のいずれか一項に記載のレンズアレイ素子を含む第2部分とを備え、
前記第1部分と前記第2部分とを着脱可能に連結したことを特徴とする光ファイバーコネクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光インターコネクションに用いられるレンズアレイ素子及びこれを用いた光ファイバーコネクターに関し、特にフェルールの端面に当接させて使用されるレンズアレイ素子等に関する。
【0002】
データ通信やIT機器同士の接続に光回線を使う技術において、信号伝送の方法として光結合方式という方法があり、光ファイバーアレイ同士を接続するため、様々な光ファイバーコネクターが提案されている。
【0003】
特許文献1では、光ファイバーアレイの先端部をフェルール化し、このフェルール端面に、レンズアレイを光学接着剤を介して固定するか、もしくはフェルールの外周部に、レンズアレイが予め保持されているホルダを嵌合することにより、光ファイバーアレイとレンズアレイとが光伝達関係にあるように光学的に結合された構成とする。また、反射戻り光を低減するために、フェルール端面に無反射コーティングされているガラスを固定するか、フェルール端面を斜めに研磨するか、フェルール端面を有限の曲率半径を有する局面に研磨することが記載されている。
【0004】
最近では、光ファイバーアレイの端同士を直接接触させないで、レンズアレイ素子を介在させるレンズ結合型の光ファイバーコネクターが開発されている。この種のコネクターでは、個々の光ファイバーとこれに対向するレンズ要素とを高精度に位置合わせする必要がある。反射戻り光を低減するため、例えばフェルール端面を斜めに研磨する場合、フェルール端面の傾斜に適合する形状を有するレンズアレイ素子を設ける必要があるが、レンズアレイ素子の形状や位置決めが精密でないと、光損失によって結合効率が低下してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、レンズアレイ素子の形状評価が容易でレンズアレイ素子の精密な位置決めを可能にするレンズアレイ素子及び光ファイバーコネクターを提供することを目的とする。
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係るレンズアレイ素子は、光インターコネクションに用いられるレンズアレイ素子であって、光ファイバーと隣接する第1面と、本体を挟んで第1面の反対側に配置され、複数の光学面を配列させて設けた第2面とを備え、第1面は、光ファイバーの光軸に対して傾斜している第1平面領域と、光軸に対して直交する第2平面領域とを有し、第1面は、第1平面領域の最も突出した部分に隣接して光軸に対して直交した付属面を有する。
【0008】
上記レンズアレイ素子によれば、第1面に設けた第1平面領域が、光ファイバーの光軸に対して傾斜しているので、光ファイバーの端面での反射を低減し、光損失による効率低下を抑制できる。また、第1面が、光軸に対して直交する第2平面領域を有するので、この第2平面領域を利用してレンズアレイ素子を単独で取り扱う際に、レンズアレイ素子の安定した姿勢を維持することが容易になり、レンズアレイ素子の位置その他の測定精度や組付け精度の向上が可能となる。
また、第1面に上記付属面を設ける場合、レンズアレイ素子の成形用の金型を加工するため、金型の深さ方向の管理をする際に、光軸に対して傾斜した面と光軸に対して直交する面とを、加工機上から外さず、かつ、同一の工具及び同一の加工座標で加工することで、光軸に対して直交する面で成形品の深さの測定及び管理が可能となり、成形用の金型を精度よく容易に加工することができる。成形品の軸上厚の測定も、傾斜した面に接した光軸に対して直交した面で行えるので、成形品の軸上厚の管理が容易になる。
【0009】
本発明の具体的な側面では、上記レンズアレイ素子において、光ファイバーと隣接する第1面は、第2平面領域として、光軸に対して直交する複数の分割面領域を含む。この場合、第2平面領域の面積を増やさないでレンズアレイ素子を単独取り扱う際の支持を安定させやすくなる。
【0010】
本発明の別の側面では、光ファイバーと隣接する第1面は、第2平面領域として、第1平面領域の周囲に形成されるとともに光軸に対して直交する単一面領域を含む。
【0011】
本発明のさらに別の側面では、第2平面領域は、第1平面領域の周囲の少なくとも一部に形成されて周辺部から突起する3以上の凸部を有する。この場合、レンズアレイ素子を支持する治具その他の支持部材との接地面積を少なくできるので、ゴミの挟み込みが低減され、より安定した姿勢の維持が可能となる。
【0013】
本発明のさらに別の側面では、第1平面領域は、光ファイバーの端面側に突起して当該端面に当接する当接領域と、当接領域よりも後退した周辺領域とを有する。この場合、光ファイバーとレンズアレイ素子との密着性を向上させやすくなる。
【0014】
本発明のさらに別の側面では、第2面は、複数の光学面を形成した中央部と、中央部を囲む周辺枠部とを有する。
【0015】
上記課題を解決するため、本発明に係る光ファイバーコネクターは、上述したレンズアレイ素子を含む第1部分と、上述したレンズアレイ素子を含む第2部分とを備え、第1部分と第2部分とを着脱可能に連結している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】(A)は、第1実施形態のレンズアレイ素子の側面図であり、(B)は、レンズアレイ素子を第1面側から視た斜視図であり、(C)は、レンズアレイ素子を第2面側から視た斜視図である。
【
図2】(A)は、レンズアレイ素子を固定する前のフェルールを示す斜視図であり、(B)は、レンズアレイ素子を固定した後のフェルールを示す斜視図であり、(C)は、実施形態の一対のレンズアレイ素子を含む光ファイバーコネクターの側面図であり、(D)は、実施形態の光ファイバーコネクターの機能を説明する概念的側断面図である。
【
図3】レンズアレイ素子の測定方法を説明する側方断面図である。
【
図4】(A)~(D)は、変形例のレンズアレイ素子を説明する斜視図である。
【
図5】(A)は、第2実施形態のレンズアレイ素子を説明する斜視図であり、(B)は、レンズアレイ素子の測定に際しての支持を説明する図である。
【
図6】(A)~(D)は、第3実施形態のレンズアレイ素子を説明する斜視図である。
【
図7】(A)~(C)は、第4実施形態のレンズアレイ素子を説明する斜視図である。
【
図8】(A)~(F)は、第5実施形態のレンズアレイ素子を説明する斜視図である。
【
図9】(A)及び(B)は、第5実施形態のレンズアレイ素子の変形例を説明する斜視図である。
【
図10】(A)~(C)は、第6実施形態のレンズアレイ素子を説明する斜視図である。
【
図11】(A)は、第7実施形態のレンズアレイ素子を説明する斜視図であり、(B)及び(C)は、第1平面領域を形成する範囲を説明する図である。
【
図12】(A)及び(B)は、第8実施形態のレンズアレイ素子を説明する斜視図である。
【
図13】(A)及び(B)は、第8実施形態のレンズアレイ素子を説明する斜視図であり、(C)及び(D)は、レンズアレイ素子のフェルールへの組み付けを説明する斜視図である。
【
図14】第8実施形態のレンズアレイ素子の変形例を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る第1実施形態のレンズアレイ素子及び光ファイバーコネクターについて説明する。
【0018】
図1(A)~1(C)に示すように、第1実施形態のレンズアレイ素子10は、全体として矩形板状の輪郭を有し、不図示のフェルールと組み合わされて光インターコネクションに用いられる複眼レンズである。レンズアレイ素子10は、光ファイバー41側の第1面11と、反光ファイバー側の第2面12と、第1及び第2面11,12間を繋ぐように延びる側面13とを備える。
【0019】
レンズアレイ素子10は、例えば樹脂製の基材で形成され、射出成形のような金型転写成形によって形成される。レンズアレイ素子10が樹脂部品である場合の金型は、アルミ材やニッケルメッキ材を、超精密加工機とダイヤモンド工具とを用いて、高精度に加工転して転写面を得る。レンズアレイ素子10は、樹脂部品に限らずガラス部品とすることができる。レンズアレイ素子10がガラス部品である場合の金型は、ニッケルメッキ材や超硬合金等を用いて作製される。
【0020】
レンズアレイ素子10の第1面11は、光ファイバー41と隣接する面であり、光ファイバー41の光軸AXに対して傾斜している第1平面領域11aと、光軸AXに対して直交する第2平面領域11bとを有する。図示の第1平面領域11aは、レンズアレイ素子10の基部10aから光ファイバー41側に突起した傾斜部10bにおいて、表面として形成されている。第2平面領域11bは、基部10aのうち傾斜部10bの外縁を囲む4辺部において、表面として形成されている。
【0021】
第1平面領域11aは、光学面として機能する傾斜した平面であり、光ファイバー41の端面と密着する。第1平面領域11aは、光ファイバー41に対向して光が通過する領域に設けられている。第1平面領域11aの傾き方向は、
図1(A)のように+Xの方向から視た場合、光軸AX又はZ軸を基準として、X軸の周りに時計回りに微小回転させたものとなっている。第1平面領域11aの光軸AXに対する傾斜角は、例えば5°~10°程度に設定されている。第1平面領域11aを傾ける方向は、X軸の周りに限らずY軸の周りとすることもできるが、X軸の周りとした場合、光ファイバー41ごとにレンズアレイ素子10の肉厚差が生じてしまうことを回避できる。第1平面領域11aの表面粗さは、Raが10nm以下となっている。第1平面領域11aは、基材が露出したものに限らず、基材上に反射防止膜や保護膜をコートしたものとできる。第1平面領域11aを基材上に反射防止膜等を形成したものとする場合、第1平面領域11aの表面粗さを10nm以下とすることで、反射防止膜等の密着性を向上させることができる。
【0022】
第2平面領域11bは、第1平面領域11aの周囲4辺又は全周に沿って帯状に形成されるとともに光軸AXに対して直交する単一面領域11pを含む。第2平面領域11bは、光学面として機能しない平面であり、光が通過しない領域に設けられている。第2平面領域11bは、測定その他の目的でレンズアレイ素子10を単独で取り扱う際に、レンズアレイ素子10の支持に利用される。第2平面領域11bの表面粗さRaは、10nm以下となっている。第2平面領域11bは、基材が露出したものに限らず、基材上に反射防止膜や保護膜をコートしたものとできる。第2平面領域11bの表面粗さを10nm以下とすることで、反射防止膜や保護膜の密着性を向上させることができる。また、第2平面領域11bの表面粗さを10nm以下とすることで、レンズアレイ素子10のレンズ部の配置や形状を計測する際に、レンズアレイ素子10をステージ上に安定した状態で載置・固定することができ、焦点合わせの精度向上や計測精度の向上に寄与する。
【0023】
レンズアレイ素子10の第2面12は、本体10iを挟んで第1面11の反対側に配置される面であり、複数の光学面12oを横のX方向に一列に配列させた状態で形成した中央部12aと、中央部12aを囲む周辺枠部12bとを有する。中央部12aは、中央部12aに対して低い位置、つまり第1面11側にあり、複数の光学面12oの除く領域12fは、平坦であるが、光学面に要求される平滑度を有するものとする必要はない。領域12fには、遮光用のコートを施すこともできる。周辺枠部12bは、光ファイバーコネクターに組み込む際に、対向する別のレンズアレイ素子との間で間隔調整を含む位置決めを行う部分である。
【0024】
複数の光学面12oは、図示の例では一列に等間隔で並んでおり、後述するフェルールの光ファイバー孔に対応する間隔で配列され、フェルールにレンズアレイ素子10を組み付けた状態で、各光学面12oが光ファイバー41の端面に所定間隔だけ離間して対向する。各光学面12oは、凸面であり、隣接する光ファイバー41の端面から射出された光をコリメートし、或いは上記対向する別のレンズアレイ素子から射出された光を隣接する光ファイバー41の端面に集光する。光学面12o又は中央部12aの表面粗さRaは、10nm以下となっている。
【0025】
図2(A)及び2(B)に示すように、
図1(A)に示すレンズアレイ素子10は、フェルール31に固定されて第1部分100aを構成する。フェルール31は、ブロック状の部材であり、レンズアレイ素子10の第1面11に設けた第1平面領域11a(
図1(A)等参照)に対して密着した状態で当接する傾斜当接面31aを有する。傾斜当接面31aには、横のX方向に等間隔で並ぶ多数の光ファイバー孔31fが形成され、ファイバーアレイを構成する多数の光ファイバー41が挿入されている。フェルール31に取り付けられる光ファイバー41は、シングルモードファイバーであるが、これに限るものではない。傾斜当接面31aの光軸AXに対する傾斜角は、第1平面領域11aの光軸AXに対する傾斜角と等しくなっており、光ファイバー孔31fの開口に露出する光ファイバー41の端面41aの光軸AXに対する傾斜角も、第1平面領域11aの光軸AXに対する傾斜角と等しくなっている。傾斜当接面31a及び端面41aは、平滑面であり、その表面粗さRaは、10nm以下となっている。傾斜当接面31aには、ピン穴31pが形成され、連結時に位置決めピン43が挿入される。なお、レンズアレイ素子10は、図示の例では、フェルール31に対して位置決めされた後、接着剤を利用してフェルール31に固定されている。この際、フェルール31の傾斜当接面31aと、光ファイバー41の端面41aとが、レンズアレイ素子10の第1平面領域11aに密着する。
【0026】
図2(C)に示すように、光ファイバーコネクター100は、第1部分100aと第2部分100bとをクランプ100cによって連結した構造を有する。第2部分100bは、
図2(B)に示す第1部分100aと同様の構造を有し、レンズアレイ素子210とフェルール231とを有するが、傾斜当接面31aの傾斜方向が上下反転している。光ファイバーコネクター100により、図面左側のファイバーアレイ141を構成する個々の光ファイバー41が、図面右側のファイバーアレイ241を構成する個々の光ファイバー41と光学的に結合される。この際、一対のフェルール31,231に挟まれて一対のレンズアレイ素子10、210の周辺枠部12b同士が密着して相互の光軸AX方向の位置決めが達成される。また、位置決めピン43により、フェルール31,231間の光軸AXに垂直なXY方向の位置決めが達成され、結果的にレンズアレイ素子10、210間の光軸AXに垂直なXY方向の位置決めが達成される。
【0027】
図2(D)は、光ファイバーコネクター100の機能を説明する概念的な断面図である。一方のファイバーアレイ141を構成する個々の光ファイバー41のコア41cから射出された信号光SLは、一方のレンズアレイ素子10に設けた第1平面領域11aを通過して光学面12oでコリメートされる。一方のレンズアレイ素子10からの信号光SLは、他方のレンズアレイ素子210に設けた光学面12oで集光され、第1平面領域11aを通過して他方のファイバーアレイ241を構成する個々の光ファイバー41のコア41cに入射する。この際、第1平面領域11a及び端面41aの傾斜によって、端面41a又は第1平面領域11aでの反射光の発生を低減し、光損失による効率低下を抑制している。以上では、一方のファイバーアレイ141から他方のファイバーアレイ241への信号光SLの結合又は導光を説明したが、他方のファイバーアレイ241から一方のファイバーアレイ141への信号光SLの結合も同様である。なお、光ファイバー41のコア41cとレンズアレイ素子10の本体10iとは、屈折率差が少ない方がよいが、屈折率差がゼロである必要はない。
【0028】
図3を参照して、レンズアレイ素子10の計測について説明する。レンズアレイ素子10は、計測装置90のステージを構成する治具91上に載置される。この際、第1面11に設けた第2平面領域11bや側面13の一箇所を基準面として、レンズアレイ素子10の治具91に対する位置決めが行われる。治具91上のレンズアレイ素子10には、第1平面領域11a側において、不図示の照明装置からの照明光L1が入射する。計測装置90の顕微鏡光学系92には、レンズアレイ素子10を通過した観察光L2が入射する。計測装置90の顕微鏡光学系92によって、レンズアレイ素子10に設けた光学面12oの中心位置や表面状態をチェックすることで出来映え評価を行うことができる。この際、レンズアレイ素子10に設けた第2平面領域11bを用いて位置決めを行うので、簡単な構造の治具91であっても、レンズアレイ素子10の支持が安定して高精度での配置が可能となる。結果的に、計測時におけるレンズアレイ素子10の精密な姿勢制御を前提とするレンズアレイ素子10の測定精度を向上させることができる。見方を変えれば、精度維持のための治具91の作製が容易で安価なものとなる。以上では、レンズアレイ素子10の光学的計測について説明したが、レンズアレイ素子10を接触型の3次元計測器にセットして、光学面12oの形状、第1平面領域11aの形状や平坦度等を計測する際にも、第2平面領域11bを用いて位置決めを行うことで基準が確定し、対象面の形状や配置の計測精度を高めることができる。
【0029】
図4(A)は、
図1(B)に示すレンズアレイ素子10の形状を部分的に変更したものを示している。この場合、第2平面領域11bは、第1平面領域11aの周囲4辺のうち上、左、及び右の3辺に沿って、つまり、第1平面領域11aの+Y、-X、及び+X側において、帯状に形成される単一面領域11pとなっている。第2平面領域11bは、第1平面領域11aを実質的に囲むように配置されており、第2平面領域11b又は単一面領域11pを利用することで、第1平面領域11aを利用することで、レンズアレイ素子10の安定した保持が可能になる。
【0030】
図4(B)は、
図1(B)に示すレンズアレイ素子10の形状を部分的に変更した別の例を示している。この場合、第2平面領域11bは、第1平面領域11aの周囲4辺のうち下、左、及び右の3辺に沿って、つまり、第1平面領域11aの-Y、-X、及び+X側において、帯状に形成される単一面領域11pとなっている。
【0031】
図4(C)は、
図1(B)に示すレンズアレイ素子10の形状を部分的に変更した別の例を示している。この場合、第2平面領域11bは、第1平面領域11aの周囲4辺のうち上、下、及び左の3辺に沿って、つまり、第1平面領域11aの+Y、-Y、及び-X側において、帯状に形成される単一面領域11pとなっている。
【0032】
図4(D)は、
図1(B)に示すレンズアレイ素子10の形状を部分的に変更した別の例を示している。この場合、第2平面領域11bは、第1平面領域11aの周囲4辺のうち上、下、及び右の3辺に沿って、つまり、第1平面領域11aの+Y、-Y、及び+X側において、帯状に形成される単一面領域11pとなっている。
【0033】
以上で説明した第1実施形態のレンズアレイ素子10によれば、第1面11に設けた第1平面領域11aが、光ファイバー41の光軸AXに対して傾斜しているので、光ファイバー41の端面41aでの反射を低減し、光損失による効率低下を抑制できる。また、第1面11が、光軸AXに対して直交する第2平面領域11bを有するので、この第2平面領域11bを利用してレンズアレイ素子10を単独で取り扱う際に、レンズアレイ素子10の安定した姿勢を維持することが容易になり、レンズアレイ素子10の位置その他の測定精度や組付け精度の向上が可能となる。
【0034】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態のレンズアレイ素子等について説明する。なお、第2実施形態のレンズアレイ素子は、第1実施形態のレンズアレイ素子を部分的に変更したものであり、同一部分には、同一の符号を付して説明を省略する。また、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様であるものとする。
【0035】
図5(A)に示すように、第2実施形態のレンズアレイ素子10の場合、凹部に第1平面領域11aを形成している。つまり、第1平面領域11aは、第2平面領域11bよりも反光ファイバー側又は-Z側に配置されている。第1平面領域11aは、凸部又は凹部に形成されるものに限らず、第2平面領域11bを基準として部分的に突起し部分的に窪んだ傾斜部分に形成することもできる。
【0036】
図5(B)に示すように、第1平面領域11aを凹部に形成したレンズアレイ素子10についても、第2平面領域11b等を基準面として、治具91に対する位置決めが可能となる。
【0037】
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態のレンズアレイ素子等について説明する。なお、第3実施形態のレンズアレイ素子は、第1実施形態のレンズアレイ素子を部分的に変更したものである。
【0038】
図6(A)に示すように、第3実施形態のレンズアレイ素子10の場合、第2平面領域11bは、第1平面領域11aの周囲4辺のうち上及び下の2辺に沿って、つまり、第1平面領域11aの-Y及び+Y側において、帯状に形成される複数の分割面領域11qとなっている。この場合、複数の分割面領域11qは、対辺に配置される2面タイプである。両分割面領域11qは、光軸AXに垂直でXY面に平行な共通の平面上にあり、レンズアレイ素子10の計測等の取り扱いに際して、第2平面領域11bを構成する複数の分割面領域11qを利用することで、レンズアレイ素子10の安定した保持が可能になる。
【0039】
図6(B)は、
図6(A)に示すレンズアレイ素子10の変形例を示している。この場合、第1平面領域11aは、窪んだ位置に形成されており、第2平面領域11bよりも反光ファイバー側又は-Z側に配置されている。また、第2平面領域11bは、第1平面領域11aの周囲4辺のうち上及び下の2辺に沿って、帯状に形成される複数の分割面領域11qとなっている。この場合、複数の分割面領域11qは、光軸AXに垂直でXY面に平行な共通の平面上にある。
【0040】
図6(C)は、
図6(A)に示すレンズアレイ素子10の別の変形例を示している。この場合、第2平面領域11bは、第1平面領域11aの周囲4辺のうち左及び右の2辺に沿って、つまり、第1平面領域11aの-X及び+X側において、帯状に形成される複数の分割面領域11qとなっている。この場合、複数の分割面領域11qは、光軸AXに垂直でXY面に平行な共通の平面上にある。
【0041】
図6(D)は、
図6(A)に示すレンズアレイ素子10の別の変形例を示している。この場合、第1平面領域11aは、窪んだ位置に形成されており、第2平面領域11bよりも反光ファイバー側又は-Z側に配置されている。また、第2平面領域11bは、第1平面領域11aの周囲4辺のうち左及び右の2辺に沿って、帯状に形成される複数の分割面領域11qとなっている。この場合、複数の分割面領域11qは、光軸AXに垂直でXY面に平行な共通の平面上にある。
【0042】
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態のレンズアレイ素子等について説明する。なお、第4実施形態のレンズアレイ素子は、第1実施形態のレンズアレイ素子を部分的に変更したものである。
【0043】
図7(A)に示すように、第4実施形態のレンズアレイ素子10の場合、第2平面領域11bは、周辺部11xと凸部11yとを有する。周辺部11xは、第1平面領域11aの周囲4辺のうち4隅を除いて形成され、凸部11yは、第1平面領域11aの周囲のうち4隅において、局所的に形成される複数の分割面領域11qとなっている。この場合、複数の凸部11y又は複数の分割面領域11qは、光軸AXに垂直でXY面に平行な共通の平面上にあり、レンズアレイ素子10の計測等の取り扱いに際して、第2平面領域11bを構成する複数の凸部11y又は分割面領域11qを利用することで、4点支持によって、レンズアレイ素子10の安定した保持が可能になる。また、この場合、レンズアレイ素子10を支持する治具91との接地面積を少なくできるので、治具91の支持面との間にゴミを挟み込む可能性が低減し、より安定した姿勢が維持が可能となる。
【0044】
図7(B)は、
図7(A)に示すレンズアレイ素子10の変形例を示している。この場合、第1平面領域11aは、窪んだ位置に形成されており、第2平面領域11bよりも反光ファイバー側又は-Z側に配置されている。また、第2平面領域11bは、第1平面領域11aの周囲4辺のうち4隅を除いて形成される周辺部11xと、第1平面領域11aの周囲のうち4隅において局所的に形成される凸部11yとを有する。この場合、複数の凸部11y又は複数の分割面領域11qは、光軸AXに垂直でXY面に平行な共通の平面上にある。
【0045】
図7(C)は、
図7(A)に示すレンズアレイ素子10の別の変形例を示している。この場合、第2平面領域11bは、第1平面領域11aの周囲4辺のうち隅2箇所と中央1箇所とを除いて形成される周辺部11xと、第1平面領域11aの周囲のうち隅2箇所と中央1箇所とにおいて局所的に形成される凸部11yとを有する。具体的には、一対の凸部11yは、隣接する隅部に配置され、残りの凸部11yは、当該隣接する隅部間の辺に対向して平行に延びる辺の中央に配置されている。この場合、複数の凸部11y又は複数の分割面領域11qは、一直線上になく、光軸AXに垂直でXY面に平行な共通の平面上にある。このような凸部11y又は分割面領域11qを利用することで、3点支持によって、レンズアレイ素子10の安定した保持が可能になる。なお、説明を省略するが、
図7(B)に示すように第1平面領域11aが窪んだ位置に形成される場合において、
図7(C)に示すように3つの凸部11yを形成することもできる。
【0046】
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態のレンズアレイ素子等について説明する。なお、第5実施形態のレンズアレイ素子は、第1実施形態のレンズアレイ素子を部分的に変更したものである。
【0047】
図8(A)に示すように、第5実施形態のレンズアレイ素子10の場合、第1平面領域11aに付随して頂部に単一の付属面11zが形成されている。つまり、第1面11は、第1平面領域11aの最も突出した部分に隣接して光軸AXに対して直交した付属面11zを有する。具体的には、付属面11zは、第1平面領域11aの周囲4辺のうち、下側つまり-Y側においてX方向に延びる辺に沿って帯状に形成されている。
【0048】
レンズアレイ素子10の成形用の金型を加工する際には、金型の深さ方向の管理をする必要がある。本実施形態の場合、光軸AXに対して傾斜した第1平面領域11aと、光軸AXに対して直交する付属面11zとを、加工機上から外さず、かつ、同一の工具及び同一の加工座標で加工することができる。これにより、光軸AXに対して直交する付属面11zで成形品の深さの測定及び管理が可能となり、成形用の金型を精度よく容易に加工することができる。成形品の軸上厚の測定も、傾斜した第1平面領域11aに接した光軸AXに対して直交する付属面11zで行えるので、成形品つまりレンズアレイ素子10の軸上厚の管理が容易になる。
【0049】
図8(B)は、
図8(A)に示すレンズアレイ素子10の変形例を示している。この場合、第1平面領域11aに付随して底部に単一の付属面111zが形成されている。つまり、第1面11は、第1平面領域11aの最も窪んだ部分に隣接して光軸AXに対して直交した付属面111zを有する。具体的には、付属面111zは、第1平面領域11aの周囲4辺のうち、上側つまり+Y側においてX方向に延びる辺に沿って帯状に形成されている。
【0050】
図8(C)は、
図8(A)に示すレンズアレイ素子10の別の変形例を示している。この場合、第1平面領域11aに付随して頂部及び底部に一対の付属面11z,111zが形成されている。つまり、第1面11は、第1平面領域11aの最も突出した部分に隣接して光軸AXに対して直交した付属面11zを有するとともに、第1平面領域11aの最も窪んだ部分に隣接して光軸AXに対して直交した付属面111zを有する。
【0051】
図8(D)は、
図8(A)に示すレンズアレイ素子10の別の変形例を示している。この場合、第1平面領域11aは、窪んだ位置に形成されており、第2平面領域11bよりも反光ファイバー側又は-Z側に配置されている。また、第1面11は、第1平面領域11aの最も突出した部分に隣接して光軸AXに対して直交した付属面11zを有する。具体的には、付属面11zは、第1平面領域11aの周囲4辺のうち、下側つまり-Y側においてX方向に延びる辺に沿って帯状に形成されている。
【0052】
図8(E)は、
図8(D)に示すレンズアレイ素子10の変形例を示している。この場合、第1面11は、第1平面領域11aの最も窪んだ部分に隣接して光軸AXに対して直交した付属面111zを有する。具体的には、付属面111zは、第1平面領域11aの周囲4辺のうち、上側つまり+Y側においてX方向に延びる辺に沿って帯状に形成されている。
【0053】
図8(F)は、
図8(D)に示すレンズアレイ素子10の別の変形例を示している。この場合、第1平面領域11aに付随して一対の付属面11z,111zが形成されている。つまり、第1面11は、第1平面領域11aの最も突出した部分に隣接して光軸AXに対して直交した付属面11zを有するとともに、第1平面領域11aの最も窪んだ部分に隣接して光軸AXに対して直交した付属面111zを有する。
【0054】
図9(A)は、
図8(A)に示すレンズアレイ素子10の別の変形例を示している。この場合、第1平面領域11aに付随して頂部に単一の付属面11zが形成されている。また、第2平面領域11bは、第1平面領域11aの周囲の対向2辺のうち隅2箇所と中央1箇所とを除いて形成される周辺部11xと、第1平面領域11aの周囲のうち隅2箇所と中央1箇所において局所的に形成される凸部11yとを有する。具体的には、一対の凸部11yは、隣接する隅部に配置され、残りの凸部11yは、当該隣接する隅部間の辺に対向して平行に延びる辺の中央に配置されている。
【0055】
図9(B)は、
図8(A)に示すレンズアレイ素子10の別の変形例を示している。この場合、第1平面領域11aに付随して頂部に単一の付属面11zが形成されている。また、第2平面領域11bは、第1平面領域11aの周囲の対向2辺のうち4隅を除いて形成される周辺部11xと、第1平面領域11aの周囲の対向2辺のうち4隅において局所的に形成される凸部11yとを有する。この場合、複数の凸部11y又は複数の分割面領域11qは、光軸AXに垂直でXY面に平行な共通の平面上にある。
【0056】
〔第6実施形態〕
以下、第6実施形態のレンズアレイ素子等について説明する。なお、第6実施形態のレンズアレイ素子は、第1実施形態のレンズアレイ素子を部分的に変更したものである。
【0057】
図10(A)に示すように、第6実施形態のレンズアレイ素子10の場合、第1平面領域11aは、光ファイバー41の端面41a側に突起して当該端面41aに当接する当接領域A1と、当接領域A1よりも後退した周辺領域A2とを有する。当接領域A1は、矩形の輪郭を有し、周辺領域A2は、当接領域A1を周囲から囲んでいる。この場合、光ファイバー41の端面41aとレンズアレイ素子20の第1平面領域11aとの密着性を向上させやすくなる。
【0058】
図10(B)は、
図10(A)に示すレンズアレイ素子10の変形例を示している。この場合も、第1平面領域11aは、光ファイバー41側に突起して端面41aに当接する当接領域A1と、当接領域A1よりも後退した周辺領域A2とを有する。ただし、周辺領域A2は、当接領域A1の左右に設けられている。
【0059】
図10(C)は、
図10(A)に示すレンズアレイ素子10の別の変形例を示している。この場合も、第1平面領域11aは、光ファイバー41側に突起して端面41aに当接する当接領域A1と、当接領域A1よりも後退した周辺領域A2とを有する。ただし、周辺領域A2は、当接領域A1の上下に設けられている。
【0060】
〔第7実施形態〕
以下、第7実施形態のレンズアレイ素子等について説明する。なお、第7実施形態のレンズアレイ素子は、第1実施形態のレンズアレイ素子を部分的に変更したものである。
【0061】
図11(A)に示すように、第7実施形態のレンズアレイ素子10の場合、第2面12において、複数の光学面12oがマトリックス状に2次元配置された状態で形成されている。つまり、光学面12oは、横のX方向にも縦のY方向にも複数個配列されている。光学面12oの配列は、フェルール31の傾斜当接面31aに形成された光ファイバー孔31fの配列に対応するものとなっている。
【0062】
図11(B)及び11(C)は、第1平面領域11aを形成する範囲を説明する図である。第1平面領域11aは、第2面12の中央部12aのうち光学面12oが形成されている領域R1を光軸AX方向に平行に第1面11側に投影した範囲R2に形成されていればよく、範囲R2の外側に広がっていてもよい。範囲R2は、光ファイバー41の端面41aが接触する範囲をカバーできればよく、光学面12oの領域R1よりも狭くすることができる。
【0063】
〔第8実施形態〕
以下、第8実施形態のレンズアレイ素子等について説明する。なお、第8実施形態のレンズアレイ素子は、第1実施形態又は第7実施形態のレンズアレイ素子を部分的に変更したものである。
【0064】
図12(A)に示すように、第8実施形態のレンズアレイ素子10の場合、第2面12において、中央部12aと周辺枠部12bとの間にこれらを繋ぐように設けた4つの段差壁面12dが傾斜面となっており、奥の中央部12a側に狭まっている。つまり、段差壁面12dは、面取り状の斜面となっている。これにより、レンズアレイ素子10の成型時の離形性向上を図ることができる。また、レンズアレイ素子10の第2面12に対して無反射コートを形成する際に、周辺枠部12bが成膜時のケラレの原因となることを防止できる。
【0065】
図12(B)に示すように、第8実施形態のレンズアレイ素子10の場合、第1面11において、第1平面領域11a及び付属面11zと第2平面領域11bとの間に、これらを繋ぐように設けた3つの段差壁面81が存在し、この段差壁面81と第1平面領域11a又は付属面11zとの間に、湾曲面82,83が設けられている。つまり、第1平面領域11a及び付属面11zの外周段差部においてR面取りが形成されている。これにより、レンズアレイ素子10の成型時の離形性向上を図ることができる。また、レンズアレイ素子10の成形用の金型を加工する際に金型の加工性が向上する。
【0066】
〔第9実施形態〕
以下、第9実施形態のレンズアレイ素子等について説明する。なお、第9実施形態のレンズアレイ素子は、第1実施形態のレンズアレイ素子を部分的に変更したものである。
【0067】
図13(A)及び13(B)に示すように、第9実施形態のレンズアレイ素子10の場合、X方向の両端に一対のピン挿通孔85を形成している。一対のピン挿通孔85は、第1平面領域11aから第2面12の中央部12aにかけて延びており、第1平面領域11a側や中央部12a側に面取り86を有する。
【0068】
図13(C)及び13(D)に示すように、
図13(A)等に示すレンズアレイ素子10とフェルール31とは、第1部分100aを構成する。レンズアレイ素子10のピン挿通孔85とフェルール31のピン穴31pには、位置決めピン43が挿入されている。レンズアレイ素子10は、一対の位置決めピン43により、フェルール31に対して光軸AXに垂直なXY方向に関して位置決めされている。
【0069】
図14は、
図13(B)等に示すレンズアレイ素子10を部分的に変更したものであり、第2面12において、複数の光学面12oが2次元配置された状態で形成されている。
【0070】
〔変形例その他〕
実施形態として説明した上記レンズアレイ素子は、単なる例示であり、各種変形が可能である。例えば、光学面12oの配列、レンズアレイ素子10の輪郭等は、用途に応じて適宜設定される。
【符号の説明】
【0071】
10…レンズアレイ素子、 10a…基部、 10b…傾斜部、 10i…本体、 11…第1面、 11a…第1平面領域、 11b…第2平面領域、 11p…単一面領域、 11q…分割面領域、 11x…周辺部、 11y…凸部、 11z,111x…付属面、 12…第2面、 12a…中央部、 12b…周辺枠部、 12o…光学面、 13…側面、 20…レンズアレイ素子、 31,231…フェルール、 31a…傾斜当接面、 41…光ファイバー、 41a…端面、 43…位置決めピン、 90…計測装置、 91…治具、 92…顕微鏡光学系、 100…光ファイバーコネクター、 100a…第1部分、 100b…第2部分、 100c…クランプ、 111z…付属面、 A1…当接領域、 A2…周辺領域、 AX…光軸