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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】除電装置
(51)【国際特許分類】
   H05F 3/04 20060101AFI20220629BHJP
   G11B 5/84 20060101ALI20220629BHJP
   C23C 14/02 20060101ALN20220629BHJP
【FI】
H05F3/04 D
G11B5/84 Z
C23C14/02 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018155370
(22)【出願日】2018-08-22
(65)【公開番号】P2020030936
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-06-04
(73)【特許権者】
【識別番号】504203572
【氏名又は名称】国立大学法人茨城大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000183738
【氏名又は名称】春日電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002446
【氏名又は名称】特許業務法人アイリンク国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076163
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋 宣之
(72)【発明者】
【氏名】池畑 隆
(72)【発明者】
【氏名】野村 信雄
(72)【発明者】
【氏名】最上 智史
(72)【発明者】
【氏名】峯村 和樹
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-176822(JP,A)
【文献】特開2002-222799(JP,A)
【文献】特開2008-218286(JP,A)
【文献】特開2008-287891(JP,A)
【文献】特開平11-054296(JP,A)
【文献】特開平10-298758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05F 3/04
G11B 5/84
C23C 14/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高真空が維持されるとともに接地部が備えられた高真空チャンバーから区画されるプラズマ生成室が設けられ、
上記プラズマ生成室は上記高真空チャンバーよりも容積が相対的に小さく形成され、
上記プラズマ生成室には、
このプラズマ生成室を上記高真空チャンバーに連通させる連通部と、
対向して電界を形成する第1電極及び第2電極と、
ガス供給量を設定可能にしたガス供給手段とが備えられ、
上記高真空チャンバーには窓孔が形成されるとともに、この窓孔よりも外径が大きい蓋部材が設けられ、
この蓋部材で上記窓孔を大気側から塞ぐとともに、この蓋部材には、上記窓孔を塞いだ状態で、大気側から高真空チャンバー内に向かって貫かれる貫通孔が形成され、
この貫通孔の内径よりも外径を大きくした上記第1電極が、上記貫通孔を大気側から塞いで上記蓋部材に固定される一方、
上記貫通孔を介して上記第1電極と対向する第2電極が上記高真空チャンバー側に設けられ、
上記第1電極と上記第2電極との対向部間が、上記高真空チャンバーから区画された上記プラズマ生成室となり、
上記第1電極と上記第2電極との間の電界中に供給されたガスによってプラズマが生成され、
この生成されたプラズマが上記連通部を経由して上記高真空チャンバーに導かれるとともに、この高真空チャンバーに導かれたプラズマを介して高真空チャンバー内の処理対象物と上記接地部とが導通し、上記処理対象物の電荷が除電される除電装置。
【請求項2】
高真空が維持されるとともに接地部が備えられた高真空チャンバーから区画されるプラズマ生成室が設けられ、
上記プラズマ生成室は上記高真空チャンバーよりも容積が相対的に小さく形成され、
上記プラズマ生成室には、
このプラズマ生成室を上記高真空チャンバーに連通させる連通部と、
対向して電界を形成する第1電極及び第2電極と、
ガス供給量を設定可能にしたガス供給手段と、
上記第2電極に電圧を印加する電源とが備えられ、
上記第2電極と上記電源との間には、上記電源と並列に接続したコンデンサと、
上記電源と上記コンデンサとの間、並びに上記コンデンサと上記第2電極との間に、それぞれ抵抗が設けられ、
上記第1電極と上記第2電極との間の電界中に供給されたガスによってプラズマが生成され、
この生成されたプラズマが上記連通部を経由して上記高真空チャンバーに導かれるとともに、この高真空チャンバーに導かれたプラズマを介して上記高真空チャンバー内の処理対象物と上記接地部とが導通し、上記処理対象物の電荷が除電される除電装置。
【請求項3】
上記第2電極が板状の多孔電極からなるとともに、この多孔電極が上記連通部に設けられた請求項1又は2に記載の除電装置。
【請求項4】
上記第2電極にはプラスの電圧が印加される請求項3に記載の除電装置。
【請求項5】
上記第2電極にはマイナスの電圧が印加される請求項3に記載の除電装置。
【請求項6】
上記第2電極に電圧を印加した状態で、上記ガス供給手段からガスが間欠的に供給される構成にした請求項1~5のいずれか1に記載の除電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高真空を維持した空間内でプラズマを利用して除電する除電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、高真空下で処理対象物を成膜する処理プロセスが知られている。このような処理プロセスでは、真空度が高くなればなるほど、金属の沸点が低くなるとともに、蒸発した金属が雰囲気中の余分なガスと化学反応などをしなくなるので、より精度の高い成膜処理を行うことができる。このような事情の下、近年は、成膜処理などの処理プロセスでは高精密化などの要請から、0.1Paよりも真空度が高い、高真空の雰囲気での処理が求められるようになっている。
【0003】
しかし、上記処理対象物として例えばフィルムを用いた場合は、真空チャンバー内で、フィルムが一方のロールから巻き出されて成膜処理され、この成膜処理後に他方のロールに巻き取られるため、上記フィルムは、巻き出された際にフィルム間で摩擦帯電したり、ガイドローラーに接触して摩擦帯電したりする。
上記のようにフィルムが帯電したまま成膜処理が行われると、均一な成膜ができなくなったり、膜の表面にシワが生じたりしてしまう。
【0004】
フィルムを除電するために、プラズマを利用して処理対象物を除電処理する場合には、電界中にガスを供給してプラズマを生成するとともに、このプラズマの導電性を利用して処理対象物と接地部とをプラズマを介して導通させ、上記処理対象物の電荷が除電される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-298758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
成膜などの処理プロセスでは、上記のように真空チャンバー内が高真空に維持されなければならない。
また、プラズマを利用して処理対象物を除電処理するためには、プラズマ生成用のガスが必要であり、このガスを高真空下の真空チャンバーに供給しなければならない。
【0007】
しかし、高真空に保たれた真空チャンバー内にガスを供給したとしても、そのガスは瞬時に拡散してしまい、プラズマ生成に至らないことがある。
そこで、ガス供給量を多くすることも考えられるが、ガス供給量を多くすると、その分、真空チャンバー内の高真空が損なわれてしまい、所期の処理プロセスが実行できなくなってしまう。
【0008】
このように、高真空に保たれた同一の真空チャンバー内で、成膜処理などの処理プロセスとプラズマを利用した除電処理とを行うと、それら両処理が二律背反の関係になってしまう。
そのために、従来から、高真空に保たれた同一の真空チャンバー内で、他のプロセスとプラズマを利用した除電処理とを同時又は連続して実行することは不可能と考えられていた。
【0009】
この発明の目的は、高真空チャンバー内の真空度を落とさずにプラズマを利用した除電処理ができるようにして、同一の高真空チャンバー内で成膜処理等のプロセスと除電処理とを実行可能にした除電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明は、高真空が維持されるとともに接地部が備えられた高真空チャンバーから区画されるプラズマ生成室が設けられ上記プラズマ生成室は上記高真空チャンバーよりも容積が相対的に小さく形成され上記プラズマ生成室には、このプラズマ生成室を上記高真空チャンバーに連通させる連通部と、対向して電界を形成する第1電極及び第2電極と、ガス供給量を設定可能にしたガス供給手段とが備えられ、上記高真空チャンバーには窓孔が形成されるとともに、この窓孔よりも外径が大きい蓋部材が設けられ、この蓋部材で上記窓孔を大気側から塞ぐとともに、この蓋部材には、上記窓孔を塞いだ状態で、大気側から高真空チャンバー内に向かって貫かれる貫通孔が形成され、この貫通孔の内径よりも外径を大きくした上記第1電極が、上記貫通孔を大気側から塞いで上記蓋部材に固定される一方、上記貫通孔を介して上記第1電極と対向する第2電極が上記高真空チャンバー側に設けられ、上記第1電極と上記第2電極との対向部間が、上記高真空チャンバーから区画された上記プラズマ生成室となる。
そして、上記プラズマ生成室では、上記第1電極と第2電極との間の電界中に供給されたガスによってプラズマが生成され、この生成されたプラズマ上記連通部を経由して上記高真空チャンバーに導かれるとともに、この高真空チャンバーに導かれたプラズマを介して高真空チャンバー内の処理対象物と上記接地部とが導通し、上記処理対象物の電荷が除電される。
【0011】
また、この発明における高真空とは、ガスを積極的に供給しなければプラズマを生成できない真空度を言う。実際には、0.1Paよりも高い真空度であるが、厳密な意味で0.1Paぴったりの真空度ということではなく、多少前後に値がずれたとしても、ガスを積極的に供給しなければプラズマを生成できない真空度であれば、この発明の高真空に含まれる。
【0012】
なお、高真空チャンバーが接地されていれば、この高真空チャンバーの内面が上記接地部として機能する。
また、プラズマ生成室の容積は、小さければ小さいほどガス量を少なくできるが、プラズマ生成室が小さすぎれば、除電に必要とされる十分なプラズマが生成されなくなる。したがって、必要とされるプラズマの密度に応じてプラズマ生成室の容積が決まることになる。
【0013】
の発明は、上記のように大気側から窓孔を蓋部材で塞ぐとともに、貫通孔も大気側から第1電極で塞いでいるので、大気圧と高真空チャンバー内の圧力との差圧が、蓋部材及び第1電極のそれぞれに対して、窓孔及び貫通孔を常に閉塞する方向に作用する。
なお、この第1の発明において、上記貫通孔の高真空チャンバー側の開口部分に第2電極を設けて、貫通孔部分をプラズマ生成室としてもよいし、上記開口部分にリング部材を設け、上記貫通孔とリング部材とが相まってプラズマ生成室を構成するようにしてもよい。
【0014】
第2の発明は、高真空が維持されるとともに接地部が備えられた高真空チャンバーから区画されるプラズマ生成室が設けられ、上記プラズマ生成室は上記高真空チャンバーよりも容積が相対的に小さく形成され、上記プラズマ生成室には、このプラズマ生成室を上記高真空チャンバーに連通させる連通部と、対向して電界を形成する第1電極及び第2電極と、ガス供給量を設定可能にしたガス供給手段と、上記第2電極に電圧を印加する電源とが備えられ、上記第2電極と上記電源との間には、上記電源と並列に接続したコンデンサと、上記電源と上記コンデンサとの間、並びに上記コンデンサと上記第2電極との間に、それぞれ抵抗が設けられ、上記第1電極と上記第2電極との間の電界中に供給されたガスによってプラズマが生成され、この生成されたプラズマが上記連通部を経由して上記高真空チャンバーに導かれるとともに、この高真空チャンバーに導かれたプラズマを介して上記高真空チャンバー内の処理対象物と上記接地部とが導通し、上記処理対象物の電荷が除電される。
【0015】
第3の発明は、上記第2電極が板状の多孔電極からなるとともに、この多孔電極が上記連通部に設けられたことを特徴としている。したがって、プラズマ生成室で生成されたプラズマは、この多孔電極を通って高真空チャンバーに導かれる。
【0016】
第4の発明は、上記多孔電極にはプラスの電圧を印加させている。
第5の発明は、上記多孔電極にはマイナスの電圧を印加させている。
なお、上記のようにプラスまたはマイナスの電圧を印加する手段としては、直流電源が原則であるが、交流電源を用いてその交番電圧を直流電圧に整えるようにしてもよい。
【0017】
第6の発明は、上記第2電極に電圧を印加した状態で、上記ガス供給手段からガスが間欠的に供給される構成にしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
第1,2の発明によれば、プラズマ生成室の容積が小さいので、その生成室内のガス濃度を維持できる。しかも、ガス供給手段のガス供給量を設定可能にしたので、プラズマ生成室の容積や高真空チャンバーの真空度などに応じて適切なガス量を供給できる。その分、ガスが効率よくプラズマ化される。
【0021】
上記のようにして生成されたプラズマを介して高真空チャンバー内の処理対象物と上記接地部とが導通し、上記処理対象物が除電される。しかも、このプラズマは少ないガス量で生成されているので、放電用の導電体としての役割を果たすとともに瞬時に排気される。
【0022】
このように除電処理と排気とがほとんど同時に瞬間的に行われるので、高真空チャンバーの高真空を損なうことなく除電処理ができることになり、成膜処理等の処理プロセスと除電処理とが二律背反の関係にあったとしても、それらを両立させることができる。
【0023】
特に、第1の発明によれば、大気圧と高真空チャンバー内との差圧が、窓孔及び貫通孔を塞ぐ方向の力として作用するので、蓋部材及び第1電極によるメタルシール機能が発揮されるとともに、これら蓋部材及び第1電極がシール部材を押圧する機能も発揮する。このような機能を発揮するので、高真空チャンバーはほぼ完全に気密性が保たれ、当該高真空チャンバー内の高真空を維持することができる。
また、蓋部材を高真空チャンバーに取り付けるためのボルト、及び第1電極を蓋部材に取り付けるためのボルト等の止め具は、蓋部材や第1電極を固定する機能だけで足り、その分、止め具の小型化にも役立つ。
また、第2の発明によれば、コンデンサの蓄電機能を利用して、高出力な電源でなくとも、瞬間的に大きな電流を安定して流すことができる。
【0024】
第3の発明によれば、上記第2電極を板状の多孔電極で構成し、この多孔電極をプラズマ生成室の連通部に設けたので、プラズマ生成室で生成されたプラズマは、この多孔電極の孔を通って高真空チャンバーに導かれる。
【0025】
第4の発明によれば、多孔電極である第2電極にはプラスの電圧を印加するので、プラズマ生成室においてガス分子と衝突せずに多孔電極を通過した電子が瞬間的に高真空チャンバー内に入ったとしても、その電子は正極性の第2電極との間の吸引力で第2電極側に引き戻される。このように多孔電極を通過しながら引き戻されるという軌跡を持った電子は移動距離が長くなるので、その分、上記電子とガス分子とが衝突する機会が増える。上記電子とガス分子との衝突の機会が増えれば増えるほど、プラズマが効率良く生成される。
【0026】
第5の発明によれば、多孔電極である第2電極にはマイナスの電圧を印加するので、第2電極からのすべての電子は、それらの斥力の作用もあって、プラズマ生成室に完全に閉じ込められる。したがって、プラズマ生成室におけるプラズマ生成効率を上げることができる。
【0027】
第6の発明によれば、プラズマ生成用のガスの供給をトリガーにしてプラズマが生成されるので、電圧の印加タイミングと、ガスの供給タイミングとを同期させる必要がなく、その分、装置の制御機構が簡単になる。また、間欠的にガスを供給しているので、高真空チャンバー内の真空度を低下させずに搬送されるフィルムを連続して処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】第1実施形態における高真空チャンバー内の構成を示した模式図である。
図2】第1実施形態のプラズマ生成室を形成する構成を示した模式図である。
図3】第2実施形態のプラズマ生成室を形成する構成を示した模式図である。
図4】第3実施形態のプラズマ生成室を形成する構成を示した模式図である。
図5】第4実施形態のプラズマ生成室を形成する構成を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1図2に、この発明の第1実施形態を示す。
この第1実施形態の除電装置では、図1に示すように、接地電位を保つ高真空チャンバー1は真空ポンプPで高真空に保たれているが、この実施形態における高真空とは0.1Paよりも真空度が高い状態をいう。このようにした高真空チャンバー1は、処理対象物を搬送する搬送手段と、処理対象物に薄膜を形成する成膜処理機構2と、処理対象物の移動方向に対して上記成膜処理機構2の上流側に処理対象物を除電する除電処理機構とを備えている。
【0032】
上記搬送手段は一対のロール3,4と、これら一対のロール3,4間に設けたドラム5とからなり、一方のロール3から巻き出された処理対象物であるフィルムFは、ドラム5を経由して他方のロール4に巻き取られる。上記ロール4は図示しないモータ等の動力源によって回転し、一方のロール3からフィルムFを巻き出すとともに、他方のロール4で巻き取るようにしている。なお、上記ロール3,4及びドラム5の軸方向の長さは、上記フィルムFの幅よりも長く保たれている。
【0033】
また、上記フィルムFは、樹脂製の絶縁性素材が使用されている。そのため、巻き出された際にフィルムF間の剥離摩擦で帯電する。
さらに、上記一対のロール3,4の間には、上記成膜処理機構2と除電処理機構とが設けられている。
上記成膜処理機構2は、アルミなどの金属を蒸発させて上記フィルムFの表面に薄膜を形成するためのものである。
【0034】
上記除電処理機構は、次のような構成にしている。
図2に示すように、上記高真空チャンバー1に形成された窓孔1aは、蓋部材6で塞ぐようにしている。
この蓋部材6は、外径を窓孔1aの開口径にほぼ対応させた円筒状の本体部6aを備え、その開口周囲にフランジ6bを設けるとともに、このフランジ6bとは反対側に底部6cが設けられている。
【0035】
そして、上記フランジ6bの外径は、窓孔1aの内径よりも大きくし、大気側から本体部6aを窓孔1aに挿入したとき、フランジ6bが窓孔1aの周囲の高真空チャンバー1に密着して窓孔1aを塞ぐようにしている。
上記のようにした蓋部材6のフランジ6bは、複数のボルトk1で高真空チャンバー1に固定されるとともに、これらボルトk1よりも内径側にシール部材s1を組み込んでいる。
【0036】
また、この蓋部材6の底部6cには、上記窓孔1aを塞いだ状態で、大気側から高真空チャンバー1内に向かって貫かれる貫通孔6dが形成されるとともに、この蓋部材6の貫通孔6dは板状の第1電極7で大気側が塞がれる。つまり、第1電極7の外径を貫通孔6dの大気側の開口より大きくするとともに、この第1電極7で貫通孔6dの大気側を覆って塞いでいる。このようにした第1電極7は、大気側からボルトk2で固定される。そして、このボルトk2よりも内径側にはシール部材s2を組み込んでいる。
【0037】
上記のように窓孔1a及び貫通孔6dのそれぞれが、蓋部材6及び第1電極7で大気側から塞がれるので、高真空チャンバー1内が高真空になればなるほど、大きな差圧が蓋部材6及び第1電極7に作用し、窓孔1a及び貫通孔6dを塞ぐ方向の力が発揮される。
したがって、蓋部材6及び第1電極7によるメタルシール機能とシール部材s1,s2のシール機能とが相まって、高真空チャンバー1はほぼ完全な気密性が保たれる。
【0038】
一方、上記貫通孔6dの大気側の開口とは反対側の開口周辺には、絶縁体からなるリング部材8がボルトk3で固定されるとともに、このリング部材8の開口が第2電極9で覆われるように設けられる。この第2電極9は、板状の多孔電極を構成するものでメッシュからなる。
これら第1電極7と第2電極9との対向部間が、高真空チャンバー1から区画された上記プラズマ生成室Aとなる。
【0039】
この第1実施形態では、メッシュからなる第2電極9が連通部10を兼ねている。
なお、この第1実施形態おいて、上記開口部分にリング部材8を設け、上記貫通孔6dとリング部材8とが相まってプラズマ生成室Aを構成するようにしているが、上記蓋部材6の底部6cの厚さを厚くできれば、上記貫通孔6dの高真空チャンバー1側の開口部分に第2電極9を設けて、貫通孔6d部分のみをプラズマ生成室Aとすることもできる。
【0040】
上記のようにした第2電極9には、高電圧の直流電源11が接続されるとともに、プラスの電圧を印加している。
また、上記蓋部材6は導電体である金属で形成されており、上記蓋部材6が上記第1電極7と導通するとともに、高真空チャンバー1とも導通している。したがって、蓋部材6及び第1電極7は、高真空チャンバー1と同じく接地電位となる。
【0041】
上記蓋部材6は接地されているので、貫通孔6dの内周面は、第2電極9との間で電位差が生じ、第2電極9に対して電極として機能する。このように貫通孔6dの内周面が第2電極9に対して電極として機能するので、この貫通孔6dの内周面の分だけ第1電極7の表面積が実質的に拡大する。第1電極7の表面積が拡大すれば、その分、放電が起こりやすくなり、プラズマも多く生成される。
【0042】
また、上記第2電極9と電源11との接続過程には、第2電極9に対して電源11と並列にしたコンデンサCが接続されている。上記コンデンサCは、蓄電機能を発揮して第2電極9に電流を安定して流すために設けられている。
さらに、コンデンサCと電源11との間に設けられた抵抗R1は電源11を保護するものであり、コンデンサCと第2電極9との間に設けられた抵抗R2は第2電極9に過大な電流が流れないようにするものである。
【0043】
また、図中符号12は第1電極7に形成したガス供給穴で、バルブ13を介してガス供給源Gに接続している。したがって、ガス供給源Gからのガスは、バルブ13及びガス供給穴12を経由してプラズマ生成室Aに供給される。
このガス供給穴12は、第1電極7のプラズマ生成室A側に凹部12aを形成して空間を設けている。このように空間を設けることにより、ガスをプラズマ生成室A内に広げやすくするとともに、凹部12aによって第2電極9と電界を形成する電極の表面積を大きくしている。
【0044】
そして、上記バルブ13は間欠的に開閉するようにバルブ制御部14でコントロールされるが、このバルブ制御部14は、単位時間当たりのガス供給量と1回の開口時間を事前に設定できるようにしている。
なお、上記ガス供給源G、バルブ13及びバルブ制御部14が相まって、この発明のガス供給手段Mを構成する。
【0045】
上記のような高真空チャンバー1から区画されたプラズマ生成室Aは、上記連通部10を高真空チャンバー1内のフィルム処理面に対向、近接させて設けられる。
また、処理対象物であるフィルムFの近くには接地部が備えられている。この第1実施形態では、高真空チャンバー1が接地されているので、この内面が上記接地部として機能する。
【0046】
なお、プラズマ生成室Aの容積は、小さければ小さいほどガス量を少なくできるが、それが少なすぎると除電に必要とされる十分なプラズマが生成されなくなる。したがって、必要とされるプラズマの密度などに応じてプラズマ生成室Aの容積が決まることになる。ただし、この発明においてプラズマ生成室Aの容積は、高真空チャンバー1の容積より相対的に小さいことが必須の要素である。
【0047】
次に、第1実施形態の除電処理のプロセスを説明する。
メッシュからなる第2電極9にプラスの電圧を印加すると、プラズマ生成室Aには第2電極9と、第1電極7及び貫通孔6dの内周面との間で電界が形成される。そして、プラズマ生成室Aの電界内に、ガス供給源Gからのガスを供給すると、プラズマ生成室A内のガス濃度が高くなって放電が起こる。
【0048】
そして、上記ガスの供給がトリガーとなって、プラズマ生成室A内で電子とガス分子とが衝突を繰り返すとともに、その衝突によってプラズマが生成される。
なお、このときのガスの供給量は上記ガス供給手段Mであらかじめ設定されているが、上記プラズマ生成室A内は、プラズマの生成に最適な1~10+2[Pa]の低・中高真空状態になるようにガス濃度を設定することが好ましい。
【0049】
また、上記第2電極9にプラスの電圧を印加する場合には、次のような効果がある。プラズマ生成室Aで発生した電子の中には、ガス分子に衝突せずにメッシュからなる第2電極9を通過してしまうものもある。このように第2電極9を通過した電子の一部は、瞬間的に高真空チャンバー1内に入ったとしても、図2に示すように、正極性の第2電極9と上記電子との間の吸引力で第2電極9側に引き戻される。第2電極9を通過しながら引き戻されるという軌跡を持った電子は移動距離が長くなるので、その分、ガス分子と衝突する機会が増える。このように、電子とガス分子との衝突の機会が増えれば増えるほど、プラズマが効率良く生成されることになる。
【0050】
上記のようにして生成されたプラズマは、連通部10を経由して高真空チャンバー1内のフィルムFの表面に向かって導かれるが、このプラズマによってフィルム処理面と上記接地部とが導通する。
このように、フィルム処理面と接地部とがプラズマを介して導通すると、電子レベルから見れば電位の低い方から高い方に電子は流れる。 したがって、上記フィルム処理面がプラスに帯電しているときには、低い電位の接地部側の電子がフィルムF側に導かれるので、フィルム処理面の電荷が中和されて除電される。一方、フィルム処理面がマイナスに帯電しているときには、電位が低いフィルム処理面の電子が接地部側に導かれるので、フィルム処理面の電荷が中和して除電される。
【0051】
さらに、プラズマ生成室Aで生成されたプラズマはガス量が少ないので、高真空チャンバー1内で瞬時に排気される。
このように除電処理と排気とがほとんど同時に、かつ瞬間的に行われるので、高真空チャンバー1の高真空を損なうことなく除電処理ができることになり、成膜処理などの処理プロセスと除電処理とが二律背反の関係にあったとしても、それらを両立させることができる。
【0052】
そして、プラズマ生成室Aの容積を小さくできるので、プラズマ生成が可能なプラズマ生成室A内のガス濃度を維持できる。しかも、ガス供給手段Mの単位時間当たりのガス供給量と1回のガス供給時間とを設定可能にしたので、プラズマ生成室Aの容積や高真空チャンバー1の真空度などに応じた適切なガス量を間欠的に供給できる。その分、ガスが効率よくプラズマ化される。
【0053】
例えば、バルブ制御部14は、上記のように設定された量のガスを、プラズマ生成室Aに間欠的に供給するように、バルブ13の開閉を繰り返して制御する。
このように、間欠的にガスを供給してプラズマを生成させれば、フィルムFが連続的に搬送されていても、上記フィルム処理面の所定の範囲にプラズマを連続して照射でき、フィルム処理面全体を除電できる。この場合に、プラズマが間欠的に生成されるタイミングと、フィルムFの搬送速度などとの相対的な関係を調整しなければならないのは当然である。
【0054】
また、プラズマ生成室Aの連通部10は、処理対象物に近ければ近いほど、ガス量を少なくできる。
そこで、この実施形態では蓋部材6の本体部6aを設けて、この本体部6aの深さ方向の長さを長くしたり短くしたりして、連通部10と処理対象物との間の距離設定ができるようにしている。
【0055】
なお、この第1実施形態では、多孔電極である第2電極9にプラスの電圧を印加しているが、第1電極7と第2電極9との間でプラズマを生成するための電界が形成できれば、第2電極9にマイナスの電圧を印加させてもよい。
このようにマイナスの電圧を印加させたときには、上記第2電極9からのすべての電子は、それらの斥力の作用もあって、プラズマ生成室Aに完全に閉じ込められる。したがって、プラズマ生成室Aにおけるプラズマ生成効率を上げることができる。
【0056】
また、この第1実施形態では、第1電極7とガス供給手段Mとを別部材にしているが、ガス供給手段Mにおける図示していないノズルの先端を第1電極7としてもよい。この場合には、上記ノズルの先端をプラズマ生成室Aに突出させ、当該部分を第1電極として用いることで、別に電極となる部材を設ける必要がなくなる。その分、プラズマ生成室Aを小さくすることができる。
【0057】
さらに、この第1実施形態では、第2電極9は多孔電極である板状のメッシュで構成されるが、多孔電極は多数の穴を形成した板状のものであればよい。しかも、プラズマ生成室Aと高真空チャンバー1の連通を妨げないものであれば、孔の形態や個数等は問わない。そして、第2電極9は、多孔電極以外にも、棒や線等の様々な形状のものを電極として用いることができる。
【0058】
次に、図3を用いて、第2実施形態を説明する。
この第2実施形態では、蓋部材6の大気側から第1電極7を取り付けずに、上記蓋部材6の高真空チャンバー1側から別構成にしたプラズマ生成室Aを取り付けている点が第1実施形態と相違するもので、その他の構成は第1実施形態と同じである。そして、第1実施形態と同じ構成要素については、第1実施形態の説明をそのまま援用する。
【0059】
図3に示すように、プラズマ生成室Aを支持する蓋部材6は、円筒状の本体部6aの開口周囲にフランジ6bを設け、このフランジ6bとは反対側に底部6cを設けるとともに、上記底部6cの中央部分には貫通孔6dを形成している。
上記のようにした蓋部材6の底部6cの高真空チャンバー1側には、上記プラズマ生成室Aを構成する筒部材15を固定するとともに、この筒部材15の一方の開口すなわち上記底部6c側の開口周囲に、その開口を塞ぐようにして板状の第1電極7を固定している。そして、上記筒部材15の内径部分及び第1電極7で囲われた空間をプラズマ生成室Aとしている。
【0060】
また、上記蓋部材6及び筒部材15の間にはボルトk4によって、上記第1電極7及び筒部材15の間にはボルトk2よって、それぞれ固定されている。
そして、上記蓋部材6及び筒部材15の間にはシール部材s3が、上記第1電極7及び筒部材15の間にはシール部材s2が、各ボルトk2,k4よりも高真空チャンバー1側にそれぞれ設けられ、上記高真空チャンバー1の気密性が保たれている。
【0061】
さらに、第2電極9は、板状の多孔電極を構成するものでメッシュからなる。そして、第2電極9は第1電極7と間隔が保たれて上記筒部材15内に固定されている。ただし、第2電極9と筒部材15との間は絶縁されている。
なお、上記第2電極9は、上記第1電極7との間隔が保たれていれば、筒部材15における内径部分のどの位置に設けられていてもよい。
【0062】
また、上記プラズマ生成室Aは、板状のメッシュからなる第2電極9を介して高真空チャンバー1に連通している。そして、第1電極7が設けられた筒部材15の反対側の開口を、高真空チャンバー1内に開放して連通部10としている。
上記筒部材15は導電体である金属で形成されているので、上記第1電極7と導通するとともに、蓋部材6を介して高真空チャンバー1とも導通している。
上記筒部材15は接地されているので、筒部材15の内周面と第1電極7とが一体となって、第2電極9と対向する電極として機能する。したがって、第2電極9と電界を形成する電極の表面積が広がるので、放電が起こりやすくなる。
【0063】
なお、この第2実施形態では、筒部材15は導電体を用いているが、樹脂等の絶縁体を用いてもよい。
さらに、この第2実施形態では、第2電極9は多孔電極である板状のメッシュで構成したが、多孔電極は多数の穴を形成した板状のものであればよく、プラズマ生成室Aと高真空チャンバー1との連通を妨げないものであれば、孔の形態や個数等は問わない。そして、第2電極9は、多孔電極以外にも、棒や線等の様々な形状のものを電極として用いることができる。
【0064】
次に、図4を用いて、第3実施形態を説明する。
この第3実施形態では、上記蓋部材6の高真空チャンバー1側から別構成にしたプラズマ生成室Aが取り付けられるとともに、板状の第1電極7を蓋部材6に直接固定した点が第1実施形態と相違するもので、その他の構成は第1実施形態と同じである。そして、第1実施形態と同じ構成要素については、第1実施形態の説明をそのまま援用する。
【0065】
上記第1電極7は、上記蓋部材6の貫通孔6dを高真空チャンバー1側から塞ぐとともに、ボルトk4で直接蓋部材6に固定されている。
そして、上記第1電極7と蓋部材6との間には、ボルトk4よりも高真空チャンバー1側にシール部材s3を設けて、高真空チャンバー1の気密性を保てるようにしている。
【0066】
この第1電極7は、金属製の筒部材15における一方の開口側で固定されている。そして、上記筒部材15の内径部分と第1電極7とで囲われた空間をプラズマ生成室Aとしている。
また、筒部材15の一方の開口とは反対側の他方の開口には、第1電極7と間隔が保たれたメッシュの第2電極9が上記筒部材15内に固定されている。ただし、第2電極9と筒部材15との間は絶縁されている。
この第3実施形態では、上記筒部材15が蓋部材6にボルトで固定されていないので、上記筒部材15を厚く形成する必要がない。その分、筒部材15を小さく形成できる。
【0067】
なお、この第3実施形態では、筒部材15は導電体である金属を用いているが、樹脂等の絶縁体を用いてもよい。
また、この第3実施形態では、第2電極9は多孔電極である板状のメッシュで構成したが、多孔電極は多数の穴を形成した板状のものであればよく、プラズマ生成室Aと高真空チャンバー1との連通を妨げないものであれば、孔の形態や個数等は問わない。さらに、第2電極9は、多孔電極以外にも、棒や線等の様々な形状のものを電極として用いることができる。
【0068】
次に、図5を用いて、第4実施形態を説明する。
この第4実施形態では、接地された筒状の第1電極16における一方の開口を、絶縁板17で直接塞ぐとともに、この絶縁板17を蓋部材6に直接固定している。そして、このようにした筒状の第1電極16の中心部分には、円柱状の第2電極18を設けている。
上記以外の構成は第1実施形態と同じである。そして、第1実施形態と同じ構成要素については、第1実施形態の説明をそのまま援用する。
【0069】
第4実施形態では、図5に示すように、上記円筒状の第1電極16における一方の端部に円板状の絶縁板17が設けられ、上記第1電極16と絶縁板17とが相まってプラズマ生成室Aが形成されている。
【0070】
上記絶縁板17は、その厚さを多少厚くするとともに、この絶縁板17をボルトk4で蓋部材6に直接固定できるようにしている。
そして、上記蓋部材6と絶縁板17との間には、ボルトk4よりも高真空チャンバー1側にシール部材s3が設けられており、高真空チャンバー1の気密性が保たれている。
【0071】
上記プラズマ生成室Aは、上記絶縁板17を設けた一方の端部の反対側である上記第1電極16の他方の端部で上記高真空チャンバー1と連通している。そして、この他方の端部を連通部19としている。
また、上記円板状の絶縁板17には、複数のガス供給穴20が形成され、これらガス供給穴20を介してガス供給手段Mからのガスがプラズマ生成室Aに供給される。
さらに、上記第2電極18は、高真空チャンバー1外の電源11と接続されている。
【0072】
この第4実施形態では、上記第2電極18に対して、上記電源11からプラスの電圧が印加されている。そして、上記第1電極16と上記第2電極18とは所定の間隔が保たれており、これら電極16,18間で電界が形成される。
なお、この第1実施形態では、上記第2電極18にプラスの電圧を印加しているが、第1電極16と第2電極18との間でプラズマを生成するための電界が形成できれば、マイナスの電圧を印加させてもよい。
【0073】
また、第4実施形態では、上記第2電極18に電源11が直接接続される構成になっているが、高電圧を出力できる電源11であれば、第1実施形態のコンデンサや抵抗等を設ける構成に代えて第4実施形態の構成を使用することができる。
さらに、この第4実施形態では、第1電極16と第2電極18とをそれぞれの電極の極性を換えて設けてもよい。このような場合には、円筒状の第1電極16に電圧を印加するとともに、円筒内に設けられた円柱状の第2電極18を接地するように設ける。
【0074】
なお、上記の第1~4実施形態では、フィルムFの移動方向における上記成膜処理機構2の上流側にプラズマ生成室Aを設けているが、高真空チャンバー1内の必要な箇所にプラズマ生成室Aを設けることができる。例えば、高真空チャンバー1内に複数の処理工程がある場合には、それぞれの処理工程の近くに上記プラズマ生成室Aを設けることができる。
そして、複数のプラズマ生成室Aが設けられるので、一つの処理対象物における所定の処理範囲に複数のプラズマを照射でき、高いプラズマ密度で除電処理できる。
【0075】
また、第1~4実施形態では、第1電極7,16は接地されているが、この第1電極7,16は第2電極9,18に対して電位差を生じていればよいので、電位差を生じる電圧を第1電極7,16に印加させる構成にしてもよい。第1電極7,16に電圧を印加する場合には、第1電極7,16を、絶縁体を介して蓋部材6等に設けることができるのは当然である。
さらに、この第1~4実施形態では、電源11に直流を用いているが、交流を用いてもよい。ただし、交流電源を用いる場合には、この交番電圧を直流電圧に整えるようにして用いなければならない。
【0076】
そして、第1~4実施形態では、上記プラズマ生成室Aを囲う外形を円筒状にしているが、その外形は円筒状に限られない。例えば、多角形等でもよい。また、第1~4実施形態のプラズマ生成室Aを囲う外形を、他の絶縁性の部材で覆うような構成にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
高真空に維持された高真空チャンバー内でプラズマを利用した除電処理に適用できる。
【符号の説明】
【0078】
1…高真空チャンバー、3,4…ローラ、5…ドラム、6…蓋部材、7,16…第1電極、9,18…第2電極、10,19…連通部、12,20…ガス供給穴、14…バルブ制御部、15…筒部材、17…絶縁板、A…プラズマ生成室、F…フィルム、G…ガス供給源
図1
図2
図3
図4
図5