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特許7096570投薬支援サーバおよび投薬支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】投薬支援サーバおよび投薬支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20220629BHJP
【FI】
G16H20/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020001379
(22)【出願日】2020-01-08
(65)【公開番号】P2021111042
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2021-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】501405236
【氏名又は名称】株式会社ズー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】宮島 仁一
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-21601(JP,A)
【文献】特開平8-57021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の処方情報を送信する端末にネットワークを介して接続され、前記処方情報に基づいて医薬品の投薬を支援する投薬支援サーバであって、
前記患者の処方情報を処方ログとして記憶する処方記憶手段と、
併用禁忌の医薬品の成分を示す併用禁忌テーブルを記憶する併用禁忌記憶手段と、
薬効分類ごとに前記医薬品と前記医薬品の成分とを関連付けて、医薬品テーブルとして記憶する医薬品記憶手段と、
前記処方情報を受け付けると、前記併用禁忌テーブルと前記医薬品テーブルとに基づいて、前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内の前記成分と前記処方情報の医薬品の成分との間に併用禁忌が生じる医薬品が存在するか否かを判定する併用禁忌判定手段と、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルに基づいて前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内に、前記処方情報の医薬品の成分の薬効が重複する医薬品が存在するか否かを判定する薬効重複判定手段と、
を備えたことを特徴とする投薬支援サーバ。
【請求項2】
前記医薬品テーブルは、
前記医薬品と投与経路と前記医薬品の成分とを関連付けて薬効分類ごとに記憶され、
前記併用禁忌判定手段は、
前記処方情報を受け付けると、前記併用禁忌テーブルと前記医薬品テーブルとに基づいて、前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内の成分及び前記投与経路と前記処方情報の医薬品の成分及び前記投与経路との間に併用禁忌が生じる医薬品が存在するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1記載の投薬支援サーバ。
【請求項3】
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルに基づいて前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内に、前記処方情報の医薬品の成分が重複する医薬品が存在するか否かを判定する成分重複判定手段を、
さらに備えたことを特徴とする請求項1または2記載の投薬支援サーバ。
【請求項4】
前記医薬品テーブルは、
前記医薬品と投与経路と前記医薬品の成分とを関連付けて薬効分類ごとに記憶され、
前記薬効重複判定手段は、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルに基づいて前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内に、前記処方情報の医薬品の成分の薬効及び前記投与経路が重複する医薬品が存在するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1または2記載の投薬支援サーバ。
【請求項5】
前記医薬品テーブルは、
前記医薬品と投与経路と前記医薬品の成分とを関連付けて薬効分類ごとに記憶され、
前記成分重複判定手段は、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルに基づいて前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内に、前記処方情報の医薬品の成分及び前記投与経路が重複する医薬品が存在するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項3記載の投薬支援サーバ。
【請求項6】
前記処方情報には、調剤日が含まれ、
前記併用禁忌判定手段は、
前記処方情報を受け付けると、前記併用禁忌テーブルと前記医薬品テーブルとに基づいて、前記受け付けた処方情報の患者における前記調剤日から所定期間内の前記処方ログ内の前記成分と前記処方情報の医薬品の成分との間に併用禁忌が生じる医薬品が存在するか否かを判定し、
前記薬効重複判定手段は、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルに基づいて前記受け付けた処方情報の患者における前記調剤日から所定期間内の前記処方ログ内に、前記処方情報の医薬品の成分の薬効が重複する医薬品が存在するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1記載の投薬支援サーバ。
【請求項7】
前記処方情報には、調剤日および前記調剤日からの服薬期間が含まれ、
前記併用禁忌判定手段は、
前記処方情報を受け付けると、前記併用禁忌テーブルと前記医薬品テーブルと前記処方ログとに基づいて、前記受け付けた処方情報の調剤日において、前記処方情報の医薬品の成分と前記受け付けた処方情報の患者が服薬中の医薬品の成分との間に併用禁忌が生じる医薬品が存在するか否かを判定し、
前記薬効重複判定手段は、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルと前記処方ログとに基づいて前記処方情報の医薬品の成分と前記受け付けた処方情報の患者が服薬中の医薬品の成分との間に薬効が重複する医薬品が存在するか否かを判定し、
前記成分重複判定手段は、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルと前記処方ログとに基づいて前記処方情報の医薬品の成分と前記受け付けた処方情報の患者が服薬中の医薬品の成分とが重複する医薬品が存在するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項3記載の投薬支援サーバ。
【請求項8】
患者の処方情報を送信する端末にネットワークを介して接続され、前記処方情報に基づいて医薬品の投薬を支援する投薬支援サーバであって、
前記患者の処方情報を処方ログとして記憶する処方記憶手段と、
前記医薬品と前記医薬品の成分とを関連付けて薬効分類ごとに記憶する医薬品テーブルを記憶する医薬品記憶手段と、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルに基づいて前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内に、前記処方情報の医薬品の成分の薬効が重複する医薬品が存在するか否かを判定する薬効重複判定手段と、
を備えたことを特徴とする投薬支援サーバ。
【請求項9】
患者の処方情報を送信する端末にネットワークを介して接続され、前記処方情報に基づいて医薬品の投薬を支援する投薬支援サーバに適用される投薬支援プログラムであって、
前記患者の処方情報を処方ログとして処方記憶手段に記憶させる処方記憶ステップと、
併用禁忌の医薬品の成分を示す併用禁忌テーブルを併用禁忌記憶手段に記憶させる併用禁忌記憶ステップと、
薬効分類ごとに前記医薬品と前記医薬品の成分とを関連付けて、医薬品テーブルとして医薬品記憶手段に記憶させる医薬品記憶ステップと、
前記処方情報を受け付けると、前記併用禁忌テーブルと前記医薬品テーブルとに基づいて、前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内の前記成分と前記処方情報の医薬品の成分との間に併用禁忌が生じる医薬品が存在するか否かを判定する併用禁忌判定ステップと、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルに基づいて前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内に、前記処方情報の医薬品の成分の薬効が重複する医薬品が存在するか否かを判定する薬効重複判定ステップと、
を前記投薬支援サーバに実行させることを特徴とする投薬支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適切な医薬品を適切な量だけ提供する投薬業務を支援する投薬支援サーバ、および投薬支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医師が患者に投与する医薬品を処方し、調剤薬局では交付された処方箋に基づいて患者に投薬する。
【0003】
ここで、患者は複数の病院に通院している可能性があり、その場合、複数の医師からそれぞれ処方箋が交付される。このとき、各医薬品の間で相互作用が発生する組み合わせが存在するか否かを判定する必要がある。
【0004】
特許文献1には、入力された新規処方データの各医薬品を自己医薬品及び相手医薬品とするステップと、自己医薬品と相手医薬品の組み合わせが、一の医薬品から見た他の一の医薬品の場合と、他の一の医薬品から見た一の医薬品の場合の2通りの主従関係で、相互作用が発生する組み合わせをチェックするステップと、相互作用チェック処理の結果を、対象となる自己医薬品の名称と、相互作用チェック処理の対象となる相手医薬品の名称とをマトリックス形式の行又は列にそれぞれ表示する医薬品相互作用チェックシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-185856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
医薬品には複数の成分が含まれている場合があり、成分ごとに併用禁忌が異なる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の医薬品相互作用チェックシステムでは、医薬品同士で相互作用が発生する組み合わせが存在するか否かを判定するので、成分の組み合わせについては判定することが困難であった。
【0008】
また、特許文献1に記載の医薬品相互作用チェックシステムでは、医薬品の相互作用が発生する組み合わせをチェックするが、同一の医薬品については相互作用がなくチェックされることがない。
【0009】
複数の医師からそれぞれ処方箋が交付され、複数の薬局からそれぞれの処方箋に基づいて医薬品が投薬されると、同じ患者に同一の薬効のある医薬品が投薬されてしまう場合がある。重複して投薬してしまうと無駄に医療費を増大させる原因にもなる。
【0010】
例えば、A薬局で過去に提供された医薬品Xと同一の薬効の成分を含む医薬品YがB薬局で提供されようとしている場合、特許文献1に記載の技術では重複して投薬してしまうことがある。このように同一の薬効がある医薬品が複数提供される場合、一方の医薬品を投薬しなくてもよい可能性がある。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、患者にとって適切な医薬品を適切な量だけ処方できるよう投薬業務を支援する投薬支援サーバおよび投薬支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を解決するため、本発明に係る投薬支援サーバの第1の特徴は、
患者の処方情報を送信する端末にネットワークを介して接続され、前記処方情報に基づいて医薬品の投薬を支援する投薬支援サーバであって、
前記患者の処方情報を処方ログとして記憶する処方記憶手段と、
併用禁忌の医薬品の成分を示す併用禁忌テーブルを記憶する併用禁忌記憶手段と、
薬効分類ごとに前記医薬品と前記医薬品の成分とを関連付けて、医薬品テーブルとして記憶する医薬品記憶手段と、
前記処方情報を受け付けると、前記併用禁忌テーブルと前記医薬品テーブルとに基づいて、前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内の前記成分と前記処方情報の医薬品の成分との間に併用禁忌が生じる医薬品が存在するか否かを判定する併用禁忌判定手段と、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルに基づいて前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内に、前記処方情報の医薬品の成分の薬効が重複する医薬品が存在するか否かを判定する薬効重複判定手段と、を備えたことにある。
【0013】
ここで、「投薬」とは、適切な薬剤を調剤して患者に与えることであり、「服薬」とは、患者が薬剤を服用することである。
【0014】
上記目的を解決するため、本発明に係る投薬支援サーバの第2の特徴は、
前記医薬品テーブルは、
前記医薬品と投与経路と前記医薬品の成分とを関連付けて薬効分類ごとに記憶され、
前記併用禁忌判定手段は、
前記処方情報を受け付けると、前記併用禁忌テーブルと前記医薬品テーブルとに基づいて、前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内の成分及び前記投与経路と前記処方情報の医薬品の成分及び前記投与経路との間に併用禁忌が生じる医薬品が存在するか否かを判定することにある。
【0015】
上記目的を解決するため、本発明に係る投薬支援サーバの第3の特徴は、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルに基づいて前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内に、前記処方情報の医薬品の成分が重複する医薬品が存在するか否かを判定する成分重複判定手段を、さらに備えたことにある。
【0016】
上記目的を解決するため、本発明に係る投薬支援サーバの第4の特徴は、
前記医薬品テーブルは、
前記医薬品と投与経路と前記医薬品の成分とを関連付けて薬効分類ごとに記憶され、
前記薬効重複判定手段は、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルに基づいて前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内に、前記処方情報の医薬品の成分の薬効及び前記投与経路が重複する医薬品が存在するか否かを判定することにある。
【0017】
上記目的を解決するため、本発明に係る投薬支援サーバの第5の特徴は、
前記医薬品テーブルは、
前記医薬品と投与経路と前記医薬品の成分とを関連付けて薬効分類ごとに記憶され、
前記成分重複判定手段は、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルに基づいて前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内に、前記処方情報の医薬品の成分及び前記投与経路が重複する医薬品が存在するか否かを判定することにある。
【0018】
上記目的を解決するため、本発明に係る投薬支援サーバの第6の特徴は、
前記処方情報には、調剤日が含まれ、
前記併用禁忌判定手段は、
前記処方情報を受け付けると、前記併用禁忌テーブルと前記医薬品テーブルとに基づいて、前記受け付けた処方情報の患者における前記調剤日から所定期間内の前記処方ログ内の前記成分と前記処方情報の医薬品の成分との間に併用禁忌が生じる医薬品が存在するか否かを判定し、
前記薬効重複手段は、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルに基づいて前記受け付けた処方情報の患者における前記調剤日から所定期間内の前記処方ログ内に、前記処方情報の医薬品の成分の薬効が重複する医薬品が存在するか否かを判定することにある。
【0019】
上記目的を解決するため、本発明に係る投薬支援サーバの第7の特徴は、
前記処方情報には、調剤日および前記調剤日からの服薬期間が含まれ、
前記併用禁忌判定手段は、
前記処方情報を受け付けると、前記併用禁忌テーブルと前記医薬品テーブルと前記処方ログとに基づいて、前記受け付けた処方情報の調剤日において、前記処方情報の医薬品の成分と前記受け付けた処方情報の患者が服薬中の医薬品の成分との間に併用禁忌が生じる医薬品が存在するか否かを判定し、
前記薬効重複判定手段は、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルと前記処方ログとに基づいて前記処方情報の医薬品の成分と前記受け付けた処方情報の患者が服薬中の医薬品の成分との間に薬効が重複する医薬品が存在するか否かを判定し、
前記成分重複判定手段は、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルと前記処方ログとに基づいて前記処方情報の医薬品の成分と前記受け付けた処方情報の患者が服薬中の医薬品の成分とが重複する医薬品が存在するか否かを判定することにある。
【0020】
上記目的を解決するため、本発明に係る投薬支援サーバの第8の特徴は、
患者の処方情報を送信する端末にネットワークを介して接続され、前記処方情報に基づいて医薬品の投薬を支援する投薬支援サーバであって、
前記患者の処方情報を処方ログとして記憶する処方記憶手段と、
前記医薬品と前記医薬品の成分とを関連付けて薬効分類ごとに記憶する医薬品テーブルを記憶する医薬品記憶手段と、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルに基づいて前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内に、前記処方情報の医薬品の成分の薬効が重複する医薬品が存在するか否かを判定する薬効重複判定手段と、を備えたことにある。
【0021】
上記目的を解決するため、本発明に係る投薬支援プログラムの第1の特徴は、
患者の処方情報を送信する端末にネットワークを介して接続され、前記処方情報に基づいて医薬品の投薬を支援する投薬支援サーバに適用される投薬支援プログラムであって、
前記患者の処方情報を処方ログとして処方記憶手段に記憶させる処方記憶ステップと、
併用禁忌の医薬品の成分を示す併用禁忌テーブルを併用禁忌記憶手段に記憶させる併用禁忌記憶ステップと、
薬効分類ごとに前記医薬品と前記医薬品の成分とを関連付けて、医薬品テーブルとして医薬品記憶手段に記憶させる医薬品記憶ステップと、
前記処方情報を受け付けると、前記併用禁忌テーブルと前記医薬品テーブルとに基づいて、前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内の前記成分と前記処方情報の医薬品の成分との間に併用禁忌が生じる医薬品が存在するか否かを判定する併用禁忌判定ステップと、
前記処方情報を受け付けると、前記医薬品テーブルに基づいて前記受け付けた処方情報の患者の前記処方ログ内に、前記処方情報の医薬品の成分の薬効が重複する医薬品が存在するか否かを判定する薬効重複判定ステップと、
を前記投薬支援サーバに実行させることにある。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る投薬支援サーバ、および投薬支援プログラムによれば、患者にとって適切な医薬品を適切な量だけ処方できるよう投薬業務を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態である投薬支援システムの概略構成を示した概略構成図である。
図2】本発明の一実施形態である投薬支援サーバが備える併用禁忌記憶部に記憶された併用禁忌テーブルの一例を示した図である。
図3】本発明の一実施形態である投薬支援サーバが備える医薬品記憶部に記憶された医薬品テーブルの一例を示した図である。
図4】本発明の一実施形態である投薬支援サーバの処理内容を示したフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態である投薬支援サーバにおける図4のステップS121で実行される判定処理の処理内容を示したフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態である投薬支援システムが備える端末に表示された判定結果表示画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0025】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0026】
以下、本発明の一実施形態である投薬支援サーバを備える投薬支援システムについて説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態である投薬支援システムの概略構成を示した概略構成図である。
【0028】
図1に示すように、投薬支援システム1は、薬局などの店舗に設置される端末2A,2B,2Cと、送受信装置6と、投薬支援サーバ3とを有している。
【0029】
送受信装置6と、投薬支援サーバ3とは、無線または有線によりネットワーク5を介して接続されている。
【0030】
送受信装置6と端末2A,2B,2Cそれぞれとは社内ネットワークなどで接続されている。
【0031】
送受信装置6は、ネットワーク5を介して接続された投薬支援サーバ3に対して、端末2A,2B,2Cから送信された患者の処方情報を送信したり、投薬支援サーバ3から端末2A,2B,2Cのいずれかの該当の端末に送信された投薬業務を支援するための様々な情報を受信し、該当の端末へ送信する。
【0032】
投薬支援サーバ3は、端末2A,2B,2Cに投薬業務を支援するための情報を提供するサーバであって、投薬支援プログラムを実行することによって、制御部10に、送受信部101と、処方情報取得部102と、判定部110とを実装する。
【0033】
また、投薬支援サーバ3は、記憶部として、処方記憶部11と、併用禁忌記憶部12と、医薬品記憶部13とを備える。なお、これらの記憶部は、それぞれ異なるハーディスクドライブとして構成しているが、同一のハードディスクドライブに領域分割して記憶するようにしてもよい。
【0034】
処方記憶部11は、端末2A,2B,2Cからネットワーク5を介して受信した患者の処方情報を処方ログとして記憶する。
【0035】
処方情報は、患者情報と処方記録とを含んでいる。患者情報には、患者の氏名、フリガナ、性別、生年月日の情報が含まれている。処方記録には、保険証NO、医療コード、服薬終了年月日、薬局名、病院名、病院部署名、医師名、医薬品名、用法、服薬期間、調剤日の情報が含まれている。処方記憶部11は、処方情報取得部102が取得した処方情報の履歴を処方ログとして蓄積している。
【0036】
併用禁忌記憶部12は、併用禁忌の医薬品の成分と併用禁忌理由とを示す併用禁忌テーブルを記憶する。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態である投薬支援サーバ3が備える併用禁忌記憶部12に記憶された併用禁忌テーブルの一例を示した図である。
【0038】
図2に示すように、併用禁忌テーブルは、併用禁忌を生じる医薬品の成分のコード201と、医薬品の成分のコード202との組み合わせを記憶している。例えば、コード201が「2001」の成分と、コード202が「2004」の成分とは併用禁忌を生じることを示している。なお、コード201とコード202とは組み合わせを示しており、コード201とコード202とを入れ替えてもよい。
【0039】
また、併用禁忌テーブルは、コード201とコード202とは組み合わせに関連付けて、併用禁忌理由203を記憶している。
【0040】
医薬品記憶部13は、薬効分類ごとに医薬品と医薬品の成分のコードと医薬品と投与経路とを関連付けて、医薬品テーブルとして記憶する。
【0041】
図3は、本発明の一実施形態である投薬支援サーバ3が備える医薬品記憶部13に記憶された医薬品テーブルの一例を示した図である。
【0042】
図3に示すように、医薬品テーブルは、成分の効果を分類した薬効分類名と、成分を一意に識別するコードと、成分名と、医薬品の投与経路と、医薬品名とが関連付けられている。
【0043】
例えば、「強心剤」の薬効のあるA成分のコードは、「2001」と「2010」である。そのうち、A成分を内用で服薬する医薬品は、「医薬品X1」、「医薬品X2」が該当することを示しており、A成分を外用で服薬する医薬品は、「医薬品X3」、「医薬品X4」が該当することを示している。
【0044】
送受信部101は、ネットワーク5を介して接続された端末2A,2B,2Cから送信された処方情報を受信したり、端末2A,2B,2Cに併用禁忌の警告メッセージや、重複投与の可能性があることを指摘するメッセージなど様々なメッセージを送信する。なお、送受信部101が受信する処方情報は、端末2A,2B,2Cから送受信装置6およびネットワーク5を介して直接受信してもよいし、端末2A,2B,2Cからの処方情報を図示しないクラウドサーバに蓄積させ、処方情報が追加される度に、クラウドサーバに追加された処方情報をネットワーク5を介して受信するようにしてもよい。
【0045】
処方情報取得部102は、送受信部101が受信した処方情報を取得し、処方記憶部11に、受信した処方情報を処方ログとして記憶させる。
【0046】
判定部110は、併用禁忌、薬効重複、および成分重複を判定する。判定部110は、併用禁忌判定部111と、薬効重複判定部112と、成分重複判定部113とを有する。
【0047】
併用禁忌判定部111は、処方情報取得部102が処方情報を受け付けると、併用禁忌テーブルと医薬品テーブルとに基づいて、受け付けた処方情報の患者の処方ログ内の成分及び投与経路と受け付けた処方情報の医薬品の成分および投与経路との間に併用禁忌が生じる医薬品が存在するか否かを判定する。
【0048】
薬効重複判定部112は、処方情報取得部102が処方情報を受け付けると、医薬品テーブルに基づいて受け付けた処方情報の患者の処方ログ内に、受け付けた処方情報の医薬品の成分の薬効及び投与経路が重複する医薬品が存在するか否かを判定する。
【0049】
成分重複判定部113は、処方情報取得部102が処方情報を受け付けると、医薬品テーブルに基づいて受け付けた処方情報の患者の処方ログ内に、受け付けた処方情報の医薬品の成分及び投与経路が重複する医薬品が存在するか否かを判定する。
【0050】
図4は、本発明の一実施形態である投薬支援サーバ3の処理内容を示したフローチャートである。
【0051】
図4に示すように、送受信部101は、端末2A,2B,2Cのいずれかから処方情報を受信すると(ステップS101:YES)、判定部110は、処方情報から患者情報(患者の氏名、フリガナ、性別、生年月日)を抽出する(ステップS103)。ここでは、端末2Aから処方情報が送信されてきたとする。
【0052】
判定部110は、抽出した患者が登録された患者か否かを判定する(ステップS105)。具体的には、判定部110は、処方記憶部11に記憶された処方ログの中に、抽出した患者情報と一致する患者情報があるか否かを判定する。
【0053】
登録された患者ではないと判定された場合(ステップS105;NO)、処方情報取得部102は、抽出した患者情報を新たに登録するともに(ステップS107)、処方記録を登録する(ステップS109)。これにより、新たな患者に対応する処方情報を登録することができる。
【0054】
そして、送受信部101は、新たに患者に関する処方情報を登録した旨のメッセージを、ネットワーク5を介して送信してきた端末2Aに送信する(ステップS113)。
【0055】
登録された患者であると判定された場合(ステップS105;YES)、判定部110は、登録された患者に関する処方ログが処方記憶部11に記憶されているか否かを判定する(ステップS115)。
【0056】
処方ログが処方記憶部11に記憶されていない場合(ステップS115;NO)、併用禁忌や重複投薬の可能性がない。
【0057】
そこで、処方情報取得部102は、登録された患者の処方情報を登録する(ステップS117)。具体的には、登録された患者情報と関連付けて処方記録を処方ログとして処方記憶部11に記憶させる。
【0058】
送受信部101は、処方ログが処方記憶部11に記憶されていない旨のメッセージを、ネットワーク5を介して送信してきた端末2Aに送信する(ステップS119)。
【0059】
登録された患者に関する処方ログが処方記憶部11に記憶されていると判定された場合(ステップS115;YES)、判定部110は、併用禁忌、薬効重複、および成分重複の判定処理を実行する(ステップS121)。この判定処理の詳細は後述する。
【0060】
そして、送受信部101は、ステップS121における判定結果を、ネットワーク5を介して送信してきた端末2Aに送信する(ステップS123)。
【0061】
図5は、本発明の一実施形態である投薬支援サーバ3における図4のステップS121で実行される判定処理の処理内容を示したフローチャートである。
【0062】
図5に示すように、判定部110は、処方情報から対象期間の成分のコードを抽出する(ステップS201)。具体的には、判定部110は、受け付けた処方情報の患者が受け付けた処方情報の調剤日において服薬中の医薬品の成分コードを処方ログから抽出する。例えば、患者「長野はじめ」さんの処方ログとして、医薬品X1について調剤日「4月1日」、服薬期間「28日」が処方記憶部11に記憶されているとする。そして、新たに患者「長野はじめ」さんについて、薬品X2が調剤日「4月16日」に調剤されたことを示す処方情報を受け付けた場合、薬品X2の調剤日の時点で、患者「長野はじめ」さんは医薬品X1をまだ服薬中であるので、判定部110は、医薬品X1の成分コードを抽出する。
【0063】
併用禁忌判定部111は、抽出したコードと、併用禁忌テーブルと、医薬品テーブルとに基づいて、受け付けた処方情報の患者の処方ログ内の成分及び投与経路と処方情報の医薬品の成分および投与経路との間に併用禁忌が生じる医薬品が存在するか否かを判定する(ステップS203)。
【0064】
例えば、受け付けた処方情報の患者「長野はじめ」さんは、以前、薬局から医薬品X1が投薬されているとする。この処方情報は処方ログとして処方記憶部11に記憶されている。そして、医薬品X1の服薬中に、今回、新たに、患者「長野はじめ」さんに別の薬局から医薬品Y1が投薬されたとする。医薬品テーブルに示すように、医薬品X1は内用により投与(服薬)され、コード2001のA成分を含有していることがわかる。また、医薬品Y1は内用により投与(服薬)され、コード2004のD成分を含有していることがわかる。併用禁忌テーブルによれば、コード2001とコード2004とは併用禁忌を生じる可能性があることがわかる。そこで、併用禁忌判定部111は、この場合、併用禁忌が生じる医薬品が存在すると判定する。
【0065】
さらに、受け付けた処方情報の患者「長野はじめ」さんは、医薬品X1の服薬中に、今回、新たに、患者「長野はじめ」さんに別の薬局から医薬品Y3が投薬されたとする。医薬品テーブルに示すように、医薬品X1は内用により投与(服薬)され、コード2001のA成分を含有していることがわかる。また、医薬品Y3は外用により投与(服薬)され、コード2005のD成分を含有していることがわかる。併用禁忌テーブルによれば、コード2001とコード2005とは併用禁忌を生じさせないことがわかる。そこで、併用禁忌判定部111は、この場合、併用禁忌が生じる医薬品が存在しないと判定する。
【0066】
このように、医薬品テーブルは、薬効分類ごとに医薬品と医薬品の成分のコードと医薬品の投与経路とを関連付けて記憶されている。そのため、例えばコード2004とコード2005のように、同一成分(D成分)であっても異なるコードが割り当てられている。これにより、コード2001を含む医薬品X1に対して、同じ投与経路である医薬品Y1は併用禁忌の可能性があるが、異なる投与経路である医薬品Y3は併用禁忌ではないと判定することができる。そのため、より詳細に正確に併用禁忌を判定することができる。
【0067】
そして、併用禁忌判定部111は、併用禁忌が生じる医薬品が存在すると判定した場合、判定結果を内部メモリに一時記憶させる(ステップS205)。判定結果には、併用禁忌が生じる可能性がある医薬品名と、医薬品の用法と、併用禁忌の原因となった成分名と、併用禁忌理由とを含んでいる。
【0068】
次に、成分重複判定部113は、抽出したコードと医薬品テーブルとに基づいて、成分重複が生じるか否か、すなわち、受け付けた処方情報の患者の処方ログ内に、処方情報の医薬品の成分及び投与経路が重複する医薬品が存在するか否かを判定する(ステップS207)。
【0069】
例えば、受け付けた処方情報の患者「長野はじめ」さんは、以前、薬局から医薬品X1が投薬されているとする。この処方情報は処方ログとして処方記憶部11に記憶されている。そして、医薬品X1の服薬中に、今回、新たに、患者「長野はじめ」さんに別の薬局から医薬品X2が投薬されたとする。医薬品テーブルに示すように、医薬品X1と医薬品X2とともに内用により投与(服薬)されるA成分を含有している。そのため、成分重複判定部113は、医薬品X1と医薬品X2とが、それぞれ異なる薬局で投薬された場合、成分が重複して投薬されている可能性があると判定する。
【0070】
また、受け付けた処方情報の患者「長野はじめ」さんは、医薬品X1の服薬中に、今回、新たに、患者「長野はじめ」さんに別の薬局から医薬品X3が投薬されたとする。医薬品テーブルに示すように、医薬品X1は内用により投与(服薬)されるA成分を含有しているが、医薬品X3は、外用により投与(服薬)されるA成分を含有している。そのため、成分重複判定部113は、医薬品X1と医薬品X3とが、それぞれ異なる薬局で投薬された場合でも、同じA成分を含有しているが投与経路が異なるので成分重複していないと判定する。
【0071】
また、受け付けた処方情報の患者「長野はじめ」さんは、以前、薬局から医薬品X3が投薬されているとする。この処方情報は処方ログとして処方記憶部11に記憶されている。そして、医薬品X3の服薬中に、今回、新たに、患者「長野はじめ」さんに別の薬局から医薬品X5が投薬されたとする。医薬品テーブルに示すように、医薬品X3と医薬品X5とはともに外用より投与(服薬)されるが、成分が異なる。そのため、成分重複判定部113は、医薬品X3と医薬品X5とが、それぞれ異なる薬局で投薬された場合でも、成分が異なるので成分重複していないと判定する。
【0072】
このように、医薬品テーブルは、薬効分類ごとに医薬品と医薬品の成分のコードと医薬品の投与経路とを関連付けて記憶されている。そのため、例えばコード2001とコード2010のように、同一成分(A成分)であっても異なるコードが割り当てられている。そのため、コード2001を含む医薬品X1に対して、同じ投与経路であるコード2001を含む医薬品X2は成分重複の可能性があるが、異なる投与経路であるコード2010を含む医薬品X3は成分重複ではないと判定することができる。また、コード2010を含む医薬品X3に対して、同じ投与経路であるが異なる成分を含有するコード2002のB成分を含む医薬品X5は成分重複ではないと判定することができる。
【0073】
そして、成分重複判定部113は、成分重複が生じる医薬品が存在すると判定した場合(ステップS207;YES)、判定結果を内部メモリに一時記憶させる(ステップS209)。
【0074】
次に、薬効重複判定部112は、抽出したコードと医薬品テーブルとに基づいて、薬効重複が生じるか否か、すなわち、受け付けた処方情報の患者の処方ログ内に、受け付けた処方情報の医薬品の成分の薬効と投与経路とが重複する医薬品が存在するか否かを判定する(ステップS211)。
【0075】
例えば、受け付けた処方情報の患者「長野はじめ」さんは、以前、薬局から医薬品X1が投薬されているとする。この処方情報は処方ログとして処方記憶部11に記憶されている。そして、医薬品X1の服薬中に、今回、新たに、患者「長野はじめ」さんに別の薬局から医薬品X2が投薬されたとする。医薬品テーブルに示すように、医薬品X1と医薬品X2とともに内用により投与(服薬)されることで強心剤の薬効があるA成分を含有している。そのため、薬効重複判定部112は、医薬品X1と医薬品X2とが、それぞれ異なる薬局で投薬された場合、薬効が重複して投薬されている可能性があると判定する。
【0076】
また、受け付けた処方情報の患者「長野はじめ」さんは、医薬品X1の服薬中に、今回、新たに、患者「長野はじめ」さんに別の薬局から医薬品X3が投薬されたとする。医薬品テーブルに示すように、医薬品X1は内用により投与(服薬)されることで強心剤の薬効があるA成分を含有しているが、医薬品X3は、外用により投与(服薬)されることで強心剤の薬効があるA成分を含有している。そのため、薬効重複判定部112は、医薬品X1と医薬品X3とが、それぞれ異なる薬局で投薬された場合でも、同じA成分を含有しているが投与経路が異なるので薬効が重複していないと判定する。
【0077】
また、受け付けた処方情報の患者「長野はじめ」さんは、以前、薬局から医薬品X3が投薬されているとする。この処方情報は処方ログとして処方記憶部11に記憶されている。そして、医薬品X3の服薬中に、今回、新たに、患者「長野はじめ」さんに別の薬局から医薬品X5が投薬されたとする。医薬品テーブルに示すように、医薬品X3と医薬品X5とはともに外用より投与(服薬)され、薬効も同一の「強心剤」である。そのため、薬効重複判定部112は、医薬品X3と医薬品X5とが、それぞれ異なる薬局で投薬された場合、薬効が重複して投薬されている可能性があると判定する。
【0078】
このように、薬効重複判定部112は、抽出したコードと医薬品テーブルとに基づいて、受け付けた処方情報の患者の処方ログ内に、受け付けた処方情報の医薬品の成分の薬効と投与経路とが重複する医薬品が存在するか否かを判定するので、異なる成分を含有する医薬品であっても、薬効と投薬経路とが同一である場合には、薬効重複の可能性があると判定することができる。そのため、より詳細に正確に薬効重複を判定することができる。
【0079】
そして、薬効重複判定部112は、薬効重複が生じる医薬品が存在すると判定した場合(ステップS211;YES)、判定結果を内部メモリに一時記憶させる(ステップS213)。
【0080】
次に、送受信部101は、判定部110の内部メモリに一時的に保存されている判定結果(併用禁忌情報、成分重複情報、薬効重複情報)を、ネットワーク5を介して送信してきた端末2Aに送信する(ステップS215)。
【0081】
図6は、本発明の一実施形態である投薬支援システム1が備える端末2Aに表示された判定結果表示画面の一例を示した図である。ここでは、患者「長野はじめ」さんは、以前、薬局から医薬品X1と医薬品X3とが同時に投薬されており、医薬品X1と医薬品X3との服薬中に、今回、新たに、患者「長野はじめ」さんに別の薬局から医薬品Y1、医薬品X2、医薬品X5が投薬されたとする。
【0082】
図6に示すように、判定結果表示画面には、併用禁忌表示401と、成分重複表示402と、薬効重複表示403,404とが表示されている。
【0083】
併用禁忌表示401は、医薬品X1と医薬品Y1とが併用禁忌であることが表示されている。また、併用禁忌となった医薬品X1の成分名「A成分」と、医薬品Y1の成分名「D成分」とが表示されている。さらに、併用禁忌理由として「血中濃度上昇」の文字が表示されている。
【0084】
成分重複表示402は、医薬品X1と医薬品X2とが成分重複であることが表示されている。また、成分重複となった医薬品X1の成分名「A成分」と、医薬品X2の成分名「A成分」とが表示されている。
【0085】
薬効重複表示403は、医薬品X1と医薬品X2とが薬効重複であることが表示されている。また、薬効重複となった医薬品X1の成分名「A成分」と、医薬品X2の成分名「A成分」とが表示されている。
【0086】
薬効重複表示404は、医薬品X3と医薬品X5とが薬効重複であることが表示されている。また、薬効重複となった医薬品X3の成分名「A成分」と、医薬品X5の成分名「B成分」とが表示されている。
【0087】
なお、成分重複表示402に表示される組み合わせ(ここでは、医薬品X1と医薬品X2)は、薬効重複表示403に表示されることになる。そのため、成分重複となる場合には、薬効重複は省略するようにしてもよい。
【0088】
なお、本発明の一実施形態では、判定部110が、併用禁忌、成分重複、薬効重複を判定する際、投与経路を加味して判定したが、これに限らない。
【0089】
具体的には、併用禁忌判定部111は、処方情報取得部102が処方情報を受け付けると、併用禁忌テーブルと医薬品テーブルとに基づいて、受け付けた処方情報の患者の処方ログ内の成分と受け付けた処方情報の医薬品の成分との間に併用禁忌が生じる医薬品が存在するか否かを判定するようにしてもよい。
【0090】
薬効重複判定部112は、処方情報取得部102が処方情報を受け付けると、医薬品テーブルに基づいて受け付けた処方情報の患者の処方ログ内に、受け付けた処方情報の医薬品の成分の薬効が重複する医薬品が存在するか否かを判定するようにしてもよい。
【0091】
成分重複判定部113は、処方情報取得部102が処方情報を受け付けると、医薬品テーブルに基づいて受け付けた処方情報の患者の処方ログ内に、受け付けた処方情報の医薬品の成分が重複する医薬品が存在するか否かを判定するようにしてもよい。
【0092】
以上のように、本発明の一実施形態である投薬支援サーバ3によれば、患者の処方情報を処方ログとして記憶する処方記憶部11と、併用禁忌の医薬品の成分を示す併用禁忌テーブルを記憶する併用禁忌記憶部12と、薬効分類ごとに医薬品と医薬品の成分とを関連付けて、医薬品テーブルとして記憶する医薬品記憶部13と、処方情報を受け付けると、併用禁忌テーブルと医薬品テーブルとに基づいて、受け付けた処方情報の患者の処方ログ内の成分と処方情報の医薬品の成分との間に併用禁忌が生じる医薬品が存在するか否かを判定する併用禁忌判定部111と、処方情報を受け付けると、医薬品テーブルに基づいて受け付けた処方情報の患者の処方ログ内に、処方情報の医薬品の成分の薬効が重複する医薬品が存在するか否かを判定する薬効重複判定部112とを備える。
【0093】
これにより、患者に対して複数の薬局からそれぞれ医薬品が投薬されたとしても、成分の組み合わせに基づいて併用禁忌が生じるか否かを判定することができるので、適切に併用禁忌を判定することができる。また、同じ患者に同一の薬効のある医薬品が投薬されてしまうことを防止できるので、無駄な医療費を削減することができる。このように、投薬支援サーバ3は、患者にとって適切な医薬品を適切な量だけ処方できるよう投薬業務を支援することができる。
【0094】
また、上述した実施形態は、コンピュータにインストールした投薬支援システムプログラムを実行させることにより実現することもできる。投薬支援システムプログラムは、投薬支援サーバ3にインストールされる投薬支援プログラムと、端末2A~2Cにインストールされる薬局支援端末プログラムとを有しており、それぞれのプログラムがインストールされることにより、投薬支援システムが実現する。
【符号の説明】
【0095】
1 投薬支援システム
2A,2B,2C 端末
3 投薬支援サーバ
5 ネットワーク
10 制御部
11 処方記憶部
12 併用禁忌記憶部
13 医薬品記憶部
101 送受信部
102 処方情報取得部
110 判定部
111 併用禁忌判定部
112 薬効重複判定部
113 成分重複判定部

図1
図2
図3
図4
図5
図6