(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 316D
(21)【出願番号】P 2017239260
(22)【出願日】2017-12-14
【審査請求日】2020-12-10
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】高木 優
【審査官】後藤 孝平
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-039390(JP,A)
【文献】特開2017-070428(JP,A)
【文献】特許第7040756(JP,B2)
【文献】特許第7040757(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域と、
前記遊技領域に設けられている入球口と、
前記遊技領域よりも後方に配置されていて
所定の装飾が施されている装飾手段と、を備える遊技機において、
前記装飾手段には、
前記遊技領域に設けられている特別入球口に遊技球が入球可能な第1状態、又は前記第1状態よりも前記特別入球口に遊技球が入球し難い第2状態をとる特別入球口開閉部材を備える特別入球口ユニットが組付けられていて、
前記特別入球口ユニットには、装飾が施されていて、
前記遊技領域よりも後方に配置されている前記所定の装飾と、前記特別入球口ユニットに施されている装飾とによって、
立体的なロゴが形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記装飾手段及び前記特別入球口ユニットの後方には、前記ロゴを照らす発光手段が設けられていて、
前記発光手段は、前記ロゴの文字の位置に対応して配置されているLEDであることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機や回胴式遊技機(パチスロ遊技機)等に代表される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一例としてパチンコ遊技機には、様々な入球手段がある。入球手段としては例えば、始動入賞装置、可変入賞装置(所謂電チュー)、大入賞装置等を含むユニットがある。また例えば下記特許文献1に記載されているように、多くのパチンコ遊技機には、様々な装飾手段(ロゴ部材等)が設けられている。これら装飾手段により、パチンコ遊技機としての装飾効果が高められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
装飾手段には未だ改善の余地があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題は、斬新な装飾手段を備えている遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技機は、
遊技球が流下可能な遊技領域と、
前記遊技領域に設けられている入球口と、
前記遊技領域よりも後方に配置されていて所定の装飾が施されている装飾手段と、を備える遊技機において、
前記装飾手段には、
前記遊技領域に設けられている特別入球口に遊技球が入球可能な第1状態、又は前記第1状態よりも前記特別入球口に遊技球が入球し難い第2状態をとる特別入球口開閉部材を備える特別入球口ユニットが組付けられていて、
前記特別入球口ユニットには、装飾が施されていて、
前記遊技領域よりも後方に配置されている前記所定の装飾と、前記特別入球口ユニットに施されている装飾とによって、立体的なロゴが形成されていることを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遊技機によれば、斬新な装飾手段を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】
図2に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図5】(A)は
図4に示すロゴ部材の拡大斜視図であり、(B)は
図5(A)に示すロゴ部材を後方から見た図である。
【
図6】
図5(A)に示すロゴ部材の分解斜視図である。
【
図8】
図2に示す大入賞装置ユニットと、
図2に示す誘導部材と、
図6に示すケースと、
図6に示すロゴ用LED基板との関係を示す斜視図である。
【
図9】
図8に示す大入賞装置とホルダーとを後方から見た分解斜視図である。
【
図10】
図4に示す左側発光ユニットと右側発光ユニットの拡大斜視図である。
【
図13】左側発光ユニット及び右側発光ユニットが発光している状態を示す図である。
【
図14】同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図15】同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図17】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図18】(A)は大当たり判定テーブルであり、(B)はリーチ判定テーブルであり、(C)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。
【
図20】電チューの開放パターン決定テーブルである。
【
図21】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図22】サブ側1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図23】サブ側10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図24】第1変形例における左側発光ユニットの断面斜視図である。
【
図25】第2変形例における左側発光ユニットの断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
【0010】
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、外枠22と内枠21と前扉23(前枠)とを備えている。外枠22は、パチンコ遊技機PY1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠21は、外枠22の内側に配置されていて、後述の遊技盤1を取付ける縦長方形状の枠体である。前扉23は、外枠22及び内枠21の前面側に配置されていて、遊技盤1を保護する縦長方形状のものである。前扉23は、遊技者に正対する部分であり、種々の飾り付けがなされている。
【0011】
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えて構成されている。このヒンジ部24により、前扉23は、外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は、外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。前扉23の中央には開口部が形成されていて、遊技者が後述の遊技領域6を視認できるように透明の透明板23tが開口部に取付けられている。透明板23tは、本形態ではガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。すなわち、透明板23tは、前方から遊技領域6を視認可能なものであればよい。
【0012】
前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン(入力部)40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(
図1において不図示)が設けられている。
【0013】
遊技機枠2には、
図2に示す遊技盤1が取付けられている。遊技盤1は、前方側に配置される板状部材1Aと、板状部材の後側に組付けられる後述の背面ユニット1Bと、板状部材1A及び背面ユニット1Bの後側に配される裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
【0014】
図2に示すように、板状部材1A(遊技盤1)には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また板状部材1Aには、遊技領域6にて遊技球が流下する方向を変えるための複数の遊技くぎが突設されている。板状部材1Aは、透明の合成樹脂で構成されている。そのため遊技者は、透明な板状部材1Aを通して、板状部材1Aの後側にある背面ユニット1Bを視認可能である。また板状部材1Aや図示しない裏ユニットには、遊技盤1に対する装飾用の盤ランプ54が設けられている。
【0015】
遊技盤1において、遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段)が設けられている。この画像表示装置50は、板状部材1A及び背面ユニット1Bに設けられているものではなく、裏ユニットに設けられているものである。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄EZ(装飾図柄)の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
【0016】
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの演出図柄表示領域からなる。左演出図柄表示領域には左演出図柄EZ1が表示され、中演出図柄表示領域には中演出図柄EZ2が表示され、右演出図柄表示領域には右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」~「8」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組み合わせによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0017】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
【0018】
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
【0019】
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数や、後述の第2特図保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0020】
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠部61(内側壁部)が配されている。センター枠部61は、板状部材1Aの中央部分に形成された略円形状の開口から、前方に突出する区画壁である。つまり、センター枠部61によって、遊技領域6の内側が区画されている。センター枠部61の下方には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ61sが形成されている。またセンター枠部61の左下部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ61sへ遊技球を流出させるワープ61wが設けられている。
【0021】
遊技領域6における画像表示装置50の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0022】
また遊技領域6における第1始動口11の下方には、第2始動口12を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。
【0023】
電チュー12Dは、開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(入球口開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
【0024】
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、大入賞口14を備えた大入賞装置(特別電動役物)14Dが設けられている。大入賞口14を、特別入賞口ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとるAT開閉部材14k(特別入賞口開閉部材)を備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、後述のATソレノイド14sにより駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
【0025】
ここで大入賞装置14Dの周りには、後述するように、ホルダー14Hが組付けられている(
図9参照)。大入賞装置14Dとホルダー14Hとが一体的になっているユニットを、大入賞装置ユニット14U(入球手段)と呼ぶことにする。
図2に示すように、遊技盤1の板状部材1Aの右下部には、前後方向に貫通する開口部3が形成されている。この開口部3は、大入賞装置ユニット14Uの大きさに対応するように設けられている。従って、大入賞装置ユニット14Uは、開口部3に嵌め込まれるように板状部材1Aに取付けられている。本形態では、大入賞装置ユニット14Uに装飾が施されている点に特徴があるが、後に詳述する。
【0026】
センター枠部61の右方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
【0027】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
【0028】
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
【0029】
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、一般入賞口10と、大入賞装置14Dと、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート13への通過や、一般入賞口10、第2始動口12、及び大入賞口14への入賞を狙うことができる。
【0030】
また
図3に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、
図3に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特
図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特
図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
【0031】
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
【0032】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
【0033】
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
【0034】
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0035】
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
【0036】
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0037】
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0038】
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
【0039】
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(
図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0040】
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
【0041】
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0042】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
【0043】
2.背面ユニットの構成
次に
図4~
図13に基づいて、背面ユニット1Bについて説明する。背面ユニット1Bは、上述したように遊技盤1の板状部材1Aの直ぐ後方(背面側)に取付けられるユニットである(
図1参照)。この背面ユニット1Bは、
図4に示すように、後方側に配置される組付ベース200と、組付ベース200の下側に組付けられるロゴユニット300(装飾手段)と、組付ベース200の左右両側に組付けられる左側発光ユニット400L及び右側発光ユニット400Rとを備える。また背面ユニット1Bは、左右方向の中央の上側に、三角形状の盤可動体55kを上下に二つ備えている。盤可動体55kは、停止している状態から軸中心Q1周りに回転可能である。
【0044】
ここで
図5~
図9に基づいて、ロゴユニット300の構成について詳細に説明する。本形態では、ロゴユニット300に施されている装飾と、大入賞装置ユニット14Uに施されている装飾とによって、一体的な意匠である「GIDREAM」を形成していることに特徴がある(
図2参照)。なお「GIDREAM」とは、本パチンコ遊技機PY1の機種名を示すものである。
【0045】
ロゴユニット300は、
図5(A)に示すように、「GIDREAM」という意匠のうち、「GIDRE」の意匠と「AM」の上方部分の意匠とを形成する本体部301(装飾部)を有する。そしてロゴユニット300は、右下部に、本体部301に対して後方に向かって窪んでいる窪み部302を有している。この窪み部302(凹部)は、大入賞装置ユニット14Uを前後方向に嵌め合わせるためのものである。つまり、ロゴユニット300と大入賞装置ユニット14Uとを前後方向に重ねて配置する際に、窪み部302によって、前後方向の長さの増加を抑えることが可能である。
【0046】
なお本形態において、本体部301(装飾部)とは、ロゴユニット300全体のうち右下部分を除いた部分を意味している。一方、窪み部302(凹部)とは、ロゴユニット300のうち右下部分を意味していて、後方に窪んでいる面だけを意味しているわけではない。
【0047】
本形態のロゴユニット300は、
図2に示すように、左右方向の長さが大きいものになっている。具体的に、ロゴユニット300の左右方向の長さL1は約430mmであり、センター枠部61の左右方向の最大長さL2(センター枠部61の左端部61Lと右端部61Rとの間の長さL2)よりも大きい。こうして、ロゴユニット300を既存のロゴ部材よりも左右方向に長くすることで、装飾としてのインパクトを高めることが可能である。そして、このロゴユニット300と大入賞装置ユニット14Uとによって、左右方向に大きな意匠である「GIDREAM」を形成している(
図2参照)。これにより、遊技者に対して本パチンコ遊技機PY1(特に機種名)を強くアピールすることが可能である。
【0048】
またロゴユニット300には、
図5(A)(B)に示すように、遊技球が通過可能な連通口10Rが2つ設けられている。各連通口10R(入球領域)は、一般入賞口10(
図2の左下部に配されている2つの一般入賞口10)と連通している。そして各連通口10Rには、
図5(B)に示すように、それぞれ一般入賞口センサ10a(入球検知手段)が配されている。そのため、一般入賞口10に入球した遊技球は、ロゴユニット300の連通口10Rを通って、ロゴユニット300の一般入賞口センサ10aによって検出される。こうして、左右方向に大きなロゴユニット300を配置しても(
図2参照)、ロゴユニット300自体に一般入賞口10に連通する連通口10Rと一般入賞口センサ10aとを設けることで、連通口10Rや一般入賞口センサ10aの配置スペースが確保できない事態を防ぐことが可能である。
【0049】
次に、
図6及び
図7に基づいて、ロゴユニット300の各構成部材について説明する。ロゴユニット300は、
図6及び
図7に示すように、ベース部材310と、ロゴ用LED基板320と、リフレクター330と、インナーレンズ340と、シート350と、アウターレンズ360と、部分レンズ370と、ケース380とを備えている。
【0050】
ベース部材310は、ロゴユニット300の各構成部材を組付ける平板部材であり、ロゴユニット300において最も後方に配置される。このベース部材310は、透明の合成樹脂で構成されていて、後面にて組付ベース200(
図4参照)の下端部に取付けられる。
【0051】
ロゴ用LED基板320は、ロゴ用LED321を実装する基板であり、ビスを介してベース部材310の前面に取付けられる。ロゴ用LED321は、ロゴ用LED基板320の前面の全体にわたって多数配置されている。具体的に、各ロゴ用LED321は、
図6に示すように、「GIDREAM」の文字をなぞるように配置されている。各ロゴ用LED321は、発光することで主に前方に向かって光を照射(出射)するようになっている。なお本形態のロゴ用LED321は、白色で発光可能なものである。ロゴ用LED基板320及びロゴ用LED321が、「発光手段」に相当する。
【0052】
リフレクター330は、ロゴ用LED321から照射される光を反射するものである。つまり、リフレクター330によって、ロゴ用LED321から照射された光が外側へ過度に漏れないようにしている。リフレクター330は、前後方向の長さ(厚み)がある程度あるものであり、周壁によって「GIDRE」の文字部分と「AM」の文字の上方部分を形成している。そしてリフレクター330は、ロゴ用LED基板320の前面に載置された状態では、「GIDRE」の文字と「AM」の文字の上方部分とをなぞるように配置されたロゴ用LED321を周壁で囲む。このリフレクター330では、上述した窪み部302に対応すべく(大入賞装置14Dを配置するスペースを確保すべく)、右下部が切り欠かれたようになっている。
【0053】
インナーレンズ340(後方レンズ部材)は、ロゴ用LED321から照射される光を内部にて拡散させるものであり、リフレクター330に収容される。インナーレンズ340は、前後方向の長さ(厚み)がある程度あるものであり、透明な合成樹脂で構成されている。そしてインナーレンズ340は、カバー状で「GIDRE」の文字部分と「AM」の文字の上方部分を形成している。このインナーレンズ340は、上述した窪み部302に対応すべく(大入賞装置14Dを配置するスペースを確保すべく)、右下部が切り欠かれたようになっている。
【0054】
本形態のインナーレンズ340では、
図6に示すように、前面のうち主に周縁部分を除いてレンズカット341が施されている。つまりレンズカット341が形成されている部分で、「GIDRE」の文字部分と「AM」の文字の上方部分が形成されている。このレンズカット341は、縦横整列した小さな正方形状のモザイク模様になっている。こうして、インナーレンズ340にレンズカット341が施されていることで、インナーレンズ340で光をより拡散させることが可能である。その結果、「GIDRE」の文字部分と「AM」の文字の上方部分を綺麗に光らせることが可能である。なおレンズカットとは、光の拡散効果を向上させるために特別に加工(例えば凹凸状の加工)が施された部分のことである。
【0055】
シート350(シート部材)は、「GIDRE」の文字部分と「AM」の文字の上方部分を形成している薄紙であり、インナーレンズ340の前面に載置された状態でリフレクター330に収容される。このシート350は、「GIDRE」の文字部分と「AM」の文字の上方部分との輪郭となる外側部分351と、外側部分351の内側にある内側部分352とを有する。このシート350は、上述した窪み部302に対応すべく、右下部が切り欠かれたようになっている。
【0056】
外側部分351は、赤色に着色されている。そのため、ロゴユニット300を見たときに、「GIDRE」の文字部分と「AM」の文字の上方部分との外側部分を赤色で目立たせることが可能である(
図2参照)。内側部分352は、「GIDRE」の文字部分と「AM」の文字の上方部分を形成していて、インナーレンズ340のレンズカット341とほぼ同じ大きさである。そして内側部分352は、光を透過し易い透明になっていて、インナーレンズ340のレンズカット341の位置に対応して載置される。こうして、レンズカット341からの光を、透明な内側部分352を介して前方へ照射され易くすることが可能である。
【0057】
アウターレンズ360(前方レンズ部材)は、ロゴ用LED321から照射される光を内部にて拡散させるものであり、シート350及びインナーレンズ340と共にリフレクター330に収容される。つまりシート350は、アウターレンズ360とインナーレンズ340との間に配置される。アウターレンズ360は、透明な合成樹脂で構成されていて、平板状で「GIDRE」の文字部分と「AM」の文字の上方部分を形成している。このアウターレンズ360は、上述した窪み部302に対応すべく(大入賞装置14Dを配置するスペースを確保すべく)、右下部が切り欠かれたようになっている。このアウターレンズ360と上述したインナーレンズ340とが、装飾部に設けられている「第1レンズ部分」に相当する。
【0058】
本形態のアウターレンズ360では、
図7に示すように、後面のうち主に周縁部分を除いてレンズカット361が施されている。つまりレンズカット361が形成されている部分で、「GIDRE」の文字部分と「AM」の文字の上方部分が形成されている。このレンズカット361は、縦横整列した小さな正方形状のモザイク模様になっている。こうして、アウターレンズ360にレンズカット361が施されていることで、アウターレンズ360で光をより拡散させることが可能である。そしてこのレンズカット361は、シート350の内側部分352及びインナーレンズ340のレンズカット341とほぼ同じ大きさであり、それぞれ前後方向に重なるように配置される。これにより、ロゴ用LED321から照射される光を、インナーレンズ340のレンズカット341とアウターレンズ360のレンズカット361の両方で拡散させる。その結果、「GIDRE」の文字部分と「AM」の文字の上方部分をより一層鮮やかに光らせることが可能である。
【0059】
部分レンズ370は、ロゴ用LED321から照射される光を内部にて拡散させるものであり、
図6に示すように、ロゴ用LED基板320の右下部322(
図6の一点鎖線参照)に載置される。つまり、部分レンズ370は、上述した窪み部302に配置される。なお部分レンズ370は、
図7に示すように、前方側にてケース380の右下部322に保持される。部分レンズ370は、透明な合成樹脂で構成されていて、「AM」の文字のうち上方部分を除いた部分(以下「AM残り部分」と呼ぶ)を形成している。この部分レンズ370が、凹部に設けられている「第2レンズ部分」に相当する。
【0060】
本形態の部分レンズ370では、
図7に示すように、後面のうち主に周縁部分を除いてレンズカット371が施されている。つまり、レンズカット371が施されている部分で、「AM残り部分」が形成されている。このレンズカット371は、縦横整列した小さな正方形状のモザイク模様になっている。こうして、部分レンズ370にレンズカット371が施されていることで、部分レンズ370でより光を拡散させることが可能である。その結果、「AM残り部分」を綺麗に光らせることが可能である。
【0061】
ケース380は、部分レンズ370、アウターレンズ360、シート350、リフレクター330、ロゴ用LED基板320をベース部材310に対して保持させるものである。ケース380は、前後方向の長さ(厚み)がある程度あるものであるが、主に側壁だけを有し、前面側と後面側とが開口している。このケース380は、前方の周縁部分381にてアウターレンズ360及び部分レンズ370を保持した(引っ掛かるように係止した)状態で、ビスを介してベース部材310に組付けられる。その結果、部分レンズ370、アウターレンズ360、シート350、インナーレンズ340、及びリフレクター330は、ケース380の内部にて保持される。
【0062】
ケース380は、「GIDREAM」の輪郭を形成している。但し、
図6に示すように、ケース380の右下部では、後方に窪んでいて、上述した窪み部302を形成している。そのため、ケース380の右下部は、前方に窪んでいる状態で、「AM残り部分」の輪郭を形成している。このケース380は、合成樹脂で構成されていて、二次加工によって金色の蒸着が施されている。そのため、ロゴユニット300を見たときに、「GIDREAM」の輪郭部分を金色で目立たせることが可能である(
図2参照)。
【0063】
次に
図8及び
図9に基づいて、大入賞装置ユニット14Uの構成について詳細に説明する。
図8に示すように、大入賞装置ユニット14Uは、ケース380の窪み部302に嵌め合わせるように組付けられる。このとき、大入賞装置ユニット14Uの後方には、ロゴ用LED基板320の右下部322に設けられている多数のロゴ用LED321が配置される。そのため、右下部322のロゴ用LED321が発光することで、主に部分レンズ370を介して、大入賞装置ユニット14Uに光を照射することが可能である。その結果、大入賞装置ユニット14U(特に大入賞装置14D)を綺麗に見せることが可能である。
【0064】
ここで大入賞装置14DのAT開閉部材14kの前面には、
図8に示すように、シール14s1が貼り付けられている。シール14s1(シール部材)は、「AM残り部分」のうち上方部分(以下「AM残り上方部分」と呼ぶ)を示すものである。このシール14s1では、ロゴユニット300の配色と合わせるべく、一番外側が金色になっていて、その内側が赤色になっていて、一番内側が透明になっている。
【0065】
また大入賞装置14Dの周りにあるホルダー14Hの前面にも、
図8に示すように、シール14s2が貼り付けられている。シール14s2(シール部材)は、「AM残り部分」のうち下方部分(以下「AM残り下方部分」と呼ぶ)を示すものである。このシール14s2では、ロゴユニット300の配色と合わせるべく、一番外側が金色になっていて、その内側が赤色になっていて、一番内側が透明になっている。
【0066】
ここで大入賞装置14DのAT開閉部材14kとホルダー14Hとは、それぞれの前面にて同一平面を形成するものである。そのため、シール14s1が示すAM残り上方部分とシール14s2が示すAM残り下方部分とが、同一平面で「AM残り部分」を示す。なお、シール14s1,14s2の一番内側である透明部分は、部分レンズ370のレンズカット371(
図6参照)の前方に位置するように設けられている。そのため、ロゴ用LED基板320の右下部322にあるロゴ用LED321の発光により、シール14s1,14s2の一番内側(「AM残り部分」)を白色で光って見せることが可能である。なお大入賞装置14DのAT開閉部材14kとホルダー14Hとが、大入賞装置ユニット14U(入球手段)の前壁部に相当する。
【0067】
図2に示すように、大入賞装置ユニット14Uがロゴユニット300の窪み部302に嵌め合わされた状態で前方から見ると、「GIDREAM」という一つの意匠が形成されている。このとき、「GIDREAM」という意匠のうち、一番外側(ケース380、シール14s1,14s2の一番外側)が金色で見えて、その内側(シート350の外側部分351、シール14s1,14s2の一番外側よりも内側)が赤色で見えて、一番内側(レンズカット341,361,371、シート350の内側部分352、シール14s1,14s2の一番内側)が白色で発光しているように見える。このように3色(3層)で見せることで、「GIDREAM」という意匠の装飾効果を高めることが可能である。
【0068】
また
図9に示すように、ホルダー14Hの後面には、シール14s1,14s2の透明部分の位置に対応して、レンズカット14yが施されている。つまり、レンズカット14yが施されている部分で、「AM残り部分」が形成されている。このレンズカット14yは、縦横整列した小さな正方形状のモザイク模様になっている。こうして、ホルダー14Hにレンズカット14yが施されていることで、より光を拡散させることが可能である。その結果、「AM残り部分」を一層綺麗に光らせることが可能である。
【0069】
ところで
図9に示すように、大入賞装置14Dの後壁部14wの後面には、レンズカット14zが施されている。後壁部14wは、AT開閉部材14kが閉鎖しているときに、そのAT開閉部材14kの後方に配置されているものである。従って、AT開閉部材14kが開放しているときには、遊技者の視界がAT開閉部材14kによって遮られなくなり、後壁部14wが視認し易くなる。レンズカット14zは、縦横整列した小さな正方形状のモザイク模様になっている。言い換えると、レンズカット14zは、後壁部14wのうち大入賞口14と前後方向にて少なくとも一部が重なる領域に設けられている。
【0070】
こうして、ロゴ用LED基板320の右下部322のロゴ用LED321からの光を、大入賞装置14Dの後壁部14wのレンズカット14zによって、拡散させることが可能である。その結果、AT開閉部材14kが開放しているときには、大入賞口14が光っているように見せることが可能である。よって、大入賞口14の開放をより目立たせることが可能である。
【0071】
なお
図8に示すように、ホルダー14Hの前面で、大入賞口14の下方には、誘導部材15が取付けられている(
図2参照)。誘導部材15は、大入賞口14よりも下方に流下した遊技球を左方へ誘導して、アウト口19の方へ向かわせるものである。この誘導部材15は、透明な合成樹脂で構成されている。そのため、誘導部材15によって、「GIDREAM」という意匠の外観に影響を与えることはない。
【0072】
ここで
図5(A)に示すように、ロゴユニット300は、左右方向の中央部から両端部に向かうに従って、前方に飛び出ると共に大きく見えるように構成されている。つまりロゴユニット300のうち、「G」の文字部分は、「I」の文字部分よりも前方に飛び出ていて(前後方向に長くて)且つ大きい。また「I」の文字部分は、「D」の文字部分よりも前方に飛び出ていて且つ大きい。また「D」の文字部分は、中央にある「R」の文字部分よりも前方に飛び出ていて且つ大きい。
【0073】
またロゴユニット300のうち、「M」の文字の上方部分は、「A」の文字の上方部分よりも前方に飛び出ていて、前方から見た場合には「M」の文字部分全体は、「A」の文字部分全体よりも大きい。また「A」の文字の上方部分は、「E」の文字部分よりも前方に飛び出ていて、前方から見た場合には「A」の文字部分全体は、「E」の文字部分よりも大きい。また「E」の文字部分は、中央にある「R」の文字部分よりも前方に飛び出ていて且つ大きい。
【0074】
そして、大入賞装置ユニット14Uがロゴユニット300の窪み部302に嵌め合わされた状態では、「GIDREAM」の意匠を、左右方向の中央部から両端部に向かうに従って、前方に飛び出ると共に大きく見えるようにしている。なお、大入賞装置ユニット14Uがロゴユニット300の窪み部302に嵌め合わされている状態では、大入賞装置ユニット14U(ホルダー14H及びAT開閉部材14k)の前面が、板状部材1Aの前面と同一平面を形成する。そのため、大入賞装置ユニット14Uの前面は、ロゴユニット300のうち最も前方に飛び出ている「G」部分又は「M」の文字の上方部分よりも、前方に配されている。以上、「GIDREAM」の意匠を、左右方向の中央部から両端部に向かうに従って、前方に飛び出ると共に大きく見えるようにしたのは、以下の理由に基づく。
【0075】
近年のパチンコ遊技機の多くは、遊技領域の右下部に大入賞口が配置され易い。そのため、本パチンコ遊技機PY1でも、遊技領域6の右下部に大入賞口14(大入賞装置ユニット14U)を配置している。これに対して、ロゴユニット300は遊技盤1の板状部材1Aよりも後方に配置される。従って、上述したように、大入賞装置ユニット14Uの前面が、ロゴユニット300よりも前方に配置されることになる。ここで本形態では、できるだけ大きなロゴユニット300を構成しつつ、ロゴユニット300と大入賞装置ユニット14Uとで一つの大きな意匠(「GIDREAM」)を形成することを目的としている。更に、できるだけ形成した意匠の装飾効果を高めることを目的としている。
【0076】
そこで本形態では、遊技領域6の右下部にて大入賞装置ユニット14Uによって「AM残り部分」を形成していることに鑑み、遊技領域6の左下部の直ぐ後方で、「G」の文字部分や、「I」の文字部分を形成する。その上で、意匠の奥行き感を表現すべく、ロゴユニット300の各文字部分を、左右方向の両端部から中央部に向かうに従って、後方に配置するようにしている。更に、より立体感を表現すべく、ロゴユニット300の各文字部分を、左右方向の両端部から中央部に向かうに従って、小さくなるようにしている。このように構成することで、左右方向に長いロゴユニット300の配置を可能としつつ、ロゴユニット300と大入賞装置ユニット14Uとによって、奥行き感があり且つ立体的な意匠を表現することが可能である。その結果、ロゴユニット300を用いた装飾効果を一層高めることが可能である。
【0077】
本形態の技術的特徴について説明する。本形態では上述したように、大きなロゴユニット300を配置して、できるだけ大きな一つの意匠を形成することを目的としている。この場合、遊技領域6の右下部に配置されることが多い大入賞装置ユニット14Uが邪魔になり易い。そこで本形態では、
図2に示すように、左右方向に長いロゴユニット300と大入賞装置ユニット14Uとによって一つの意匠(「GIDREAM」)を形成する。これにより、ロゴユニット300と大入賞装置ユニット14Uとの一体感を向上させることができて、大きな一つの意匠によって装飾効果を高めている。
【0078】
ところで本形態のように、ロゴユニット300に窪み部302を設けずに、大入賞装置ユニット14U(大入賞装置14D)よりも後方に、ロゴユニット300を配置する構成が考えられる。しかしながらこの構成の場合、大入賞装置ユニット14Uとロゴユニット300との前後方向の距離が離れて、一体感が薄れる。更に、遊技盤1としての前後方向の距離が大きくなり、配置スペースを確保し難くなる。特に、配置スペースがなくなると、大入賞装置ユニット14Uの後方にLED基板を配置し難くなるという問題点がある。
【0079】
そこで本形態のように、ロゴユニット300に窪み部302を設けて、その窪み部302に大入賞装置ユニット14U(大入賞装置14D)を嵌め合わせることで、大入賞装置ユニット14Uとロゴユニット300とを合わせたユニットの前後方向の長さをコンパクトにすることができる。その結果、大入賞装置ユニット14Uとロゴユニット300との一体感を高めることが可能である。更に、大入賞装置ユニット14Uの後方に、ロゴ用LED基板320を配置するスペースを確保することができて(
図6参照)、ロゴ用LED基板320の右下部322のロゴ用LED321により、大入賞装置ユニット14Uへ直接的に光を照射させることが可能である。つまり、大入賞装置ユニット14Uの直ぐ後方にだけ、LEDを配置しないという構成にしないで済む。その結果、大入賞装置ユニット14Uを確実に照らして、発光態様を鮮やかにすることが可能である。
【0080】
ここで、大入賞装置ユニット14Uの光り方が問題となる。大入賞装置ユニット14Uとロゴユニット300(本体部301)との一体感を表現するためには、できるだけ同じ発光態様(明るさ、光の拡散具合)で発光しているように見せなければならない。そのため、先ず本形態と異なり、大入賞装置ユニット14Uの後方に部分レンズ370(
図6,
図7参照)を設けずに、大入賞装置ユニット14Uの前面に印刷を施すだけの構成が考えられる。しかしながらこの構成の場合、大入賞装置ユニット14Uが暗く見えて、印刷による意匠(文字)が見え難くなる。従って、大入賞装置ユニット14Uの発光態様とロゴユニット300の発光態様との差が大きくなって、違和感が生じ易い。
【0081】
そこで本形態では、大入賞装置ユニット14Uの後方(ロゴユニット300の窪み部302)に、部分レンズ370を配置している。この部分レンズ370により光を前方に導き易くして、大入賞装置ユニット14Uを明るく見せることが可能である。但し、ロゴユニット300において、
図6に示すように、本体部301(
図5(A)参照)には、インナーレンズ340とアウターレンズ360という2枚のレンズが配置されるのに対して、窪み部302(
図5(A)参照)には、部分レンズ370という1枚のレンズしか配置していない。これは、窪み部302の前後方向の長さをできるだけ短くして、大入賞装置ユニット14Uの配置スペースを確保するためである。しかしながら、レンズの厚さが異なることによって、前方から見た場合に、ロゴユニット300の本体部301の発光態様と、大入賞装置ユニット14U(窪み部302)の発光態様とが未だ異なるおそれがある。なお、インナーレンズ340とアウターレンズ360と部分レンズ370とは、それぞれ同様の厚さ(前後方向の長さ)を有するものである。
【0082】
これに対処すべく、本形態では、大入賞装置ユニット14U自体にレンズカットを施している。具体的には、
図9に示すように、ホルダー14Hの後面にレンズカット14yを施すと共に、大入賞装置14Dの後壁部14wにレンズカット14zを施している。これらレンズカット14y,14zによって、大入賞装置ユニット14Uでの光の拡散効果を高めている。即ち、レンズカット14y,14zによって1枚分のレンズの役割を果たすようにしている。その結果、ロゴユニット300の窪み部302に1枚の部分レンズ370しか配置されていなくても、部分レンズ370とレンズカット14y,14zとによって、大入賞装置ユニット14Uをより明るく見せることが可能である。よって、「GIDREAM」という意匠を前方から見た場合に、ロゴユニット300の本体部301と、大入賞装置ユニット14Uの発光態様をできるだけ同様にすることが可能である。
【0083】
また本形態では、インナーレンズ340に施されているレンズカット341(
図6参照)と、アウターレンズ360に施されているレンズカット361(
図7参照)と、部分レンズ370に施されているレンズカット371(
図7参照)と、ホルダー14Hに施されているレンズカット14y(
図9参照)と、大入賞装置14Dの後壁部14wに施されているレンズカット14z(
図9参照)とを、それぞれ同一の模様(縦横整列した小さな正方形状のモザイク模様)にしている。これにより、光の拡散度合が異ならないようにして、ロゴユニット300の本体部301の発光態様と、大入賞装置ユニット14Uの発光態様とに統一感を持たせることが可能である。
【0084】
また本形態では、ロゴユニット300の本体部301において、ケース380(金色)とシート350の外側部分351(赤色)とによって、「GIDRE」の文字部分と「AM」の文字の上方部分とを、金色及び赤色で表現している。そして、大入賞装置ユニット14Uにおいては、シール14s1,14s2によって、「AM残り部分」の意匠を、金色及び赤色で表現している。こうして、「GIDREAM」の意匠の装飾効果を高めるために(金色及び赤色の2色を表現するために)、ケース380だけでなく、シート350とシール14s1,14s2とを積極的に用いて、安価に構成している。即ち、二次加工となる蒸着部分(ケース380)だけで意匠を構成しないようにして、安価な構成で「GIDREAM」の装飾効果を高めるようにしている。なおケース380自体は、上述したように、二次加工となる蒸着が施されたものであるが、前方側及び後方側が開放していて、主に側壁だけを有するものであるため、比較的安価に構成されている。
【0085】
次に
図10~
図12に基づいて、左側発光ユニット400Lと右側発光ユニット400Rの構成について詳細に説明する。但し、左側発光ユニット400Lの構成と右側発光ユニット400Rの構成とは、左右対称で同様である。従って、左側発光ユニット400Lの構成を代表して説明し、右側発光ユニット400Rの構成については同一の符号を付して、説明を省略する。
【0086】
左側発光ユニット400Lは、
図10に示すように、LED基板410(以下「左側LED基板410」と適宜呼ぶ)と、円弧状の3つのカバーレンズ420(レンズ)と、円弧状の3つの光ガイド部材430と、カバー部材440とを備えている。なお3つのカバーレンズ420において外側から内側に向かって順番に、「カバーレンズ420U」、「カバーレンズ420M」、「カバーレンズ420D」と呼ぶことにする。
【0087】
図11は、
図10の矢印Xから見た斜視図である。左側LED基板410には、多数の左側LED411(LED,光源)が実装されている。これら各左側LED411は、カバーレンズ420U,420M,420Dに沿ってそれぞれ円弧状に配置されている。なお右側発光ユニット400RのLED基板410にも、多数の右側LED411(LED,光源)が実装されている。左側LED411と右側LED411とをまとめて説明する場合には、両側LED411(
図15参照)と呼ぶことにする。なお本形態の両側LED411は、白色で発光可能なものである。
【0088】
カバーレンズ420U,420M,420Dは、透明な合成樹脂で構成されていて、円弧状(周方向)に長く形成されている。そしてカバーレンズ420U,420M,420Dは、それぞれ断面がドーム形状(U字状)に形成されていて、各左側LED411を覆っている。各カバーレンズ420U,420M,420Dには、レンズカット420Ua,420Ma,420Daが多数施されている。各レンズカット420Ua,420Ma,420Daは、それぞれ略平行であり、周方向にわたって形成されている(
図11参照)。これらレンズカット420Ua,420Ma,420Daにより、各左側LED411からの光を拡散させて、カバーレンズ420U,420M,420Dがより綺麗に発光しているように見せることが可能である。なおカバーレンズ420Mとカバーレンズ420Dは、周方向に沿って同じ長さであるが、一番外側にあるカバーレンズ420Uよりも長くなっている(
図10参照)。
【0089】
ところで本形態では、各カバーレンズ420U,420M,420Dに、左側LED411からの光を導き易くする外側突起421及び内側突起422が設けられている点に特徴がある。以下、これら外側突起421及び内側突起422について説明する。
図12は、
図10のY-Y線に沿った断面斜視図である。
【0090】
外側突起421(外側凸部,導光部)は、
図12に示すように、各カバーレンズ420U,420M,420Dの外側面420Ub,420Mb,420Dbから凸状に延びていて、各カバーレンズ420U,420M,420Dに一体成型されたものである。なお、外側面420Ub,420Mb,420Dbは、各カバーレンズ420U,420M,420Dの面のうち、左側LED411からの光が出射する側の面のことである。外側突起421は、
図10に示すように、各外側面420Ub,420Mb,420Dbの周方向に沿ってそれぞれ等間隔に配置されていて、前方に向かって略円柱状に延びている。これら外側突起421によって、各カバーレンズ420U,420M,420Dの外側面420Ub,420Mb,420Dbの形状を目立たせることが可能である。更に、左側LED411からの光を導いて、外側突起421がある部分を特に明るく(レンズカット420Ua,420Ma,420Daだけが施されている部分よりも明るく)見せることが可能である。
【0091】
内側突起422(内側凸部,導光部)は、
図12に示すように、各カバーレンズ420U,420M,420Dの内側面420Uc,420Mc,420Dcから凸状に延びていて、各カバーレンズ420U,420M,420Dに一体成型されたものである。なお、内側面420Uc,420Mc,420Dcは、各カバーレンズ420U,420M,420Dの面のうち、左側LED411からの光が入射する側の面のことである。内側突起422は、各内側面420Uc,420Mc,420Dcの周方向に沿ってそれぞれ等間隔に配置されていて、後方に向かって略円柱状に延びている。これら内側突起422によって、左側LED411からの光を導いて、内側突起422がある部分を特に明るく(レンズカット420Ua,420Ma,420Daだけが施されている部分よりも明るく)見せることが可能である。
【0092】
ところで本形態では、
図12に示すように、外側突起421と内側突起422と左側LED411とが同軸P1上に配置されている点に特徴がある。即ち、外側突起421と内側突起422とが同じ方向に延びていて、外側突起421と内側突起422が延びる方向の直線上に左側LED411が配置されている。これは以下の理由に基づく。
【0093】
LEDは、その性質上、指向性(光の強度が方向によって異なる性質)が強く、その他の光源(白熱電球や蛍光灯)に比べて光の広がり方が狭い。即ち、LEDから直線状に延びる領域でのみ明るくなり易い。そこで本形態では、上記したLEDの性質を利用して、外側突起421及び内側突起422を左側LED411に対して同軸P1上に配置する。なお各左側LED411は、LED基板410上にて主に前方に向かって光を出射するように設けられている。
【0094】
こうして、外側突起421及び内側突起422が左側LED411から出射された光をより導き易くなるようにしている。その結果、
図13に示すように、各カバーレンズ420U,420M,420Dのうち、外側突起421及び内側突起422がある部分を極めて明るく見せることが可能である。つまり、外側突起421及び内側突起422の周りでもある程度(少し)光って見えるものの、外側突起421及び内側突起422がある部分を特に強調して光っているように見せることが可能である。
【0095】
ここで
図12に示すように、内側突起422は外側突起421よりも長く形成されている。これは、以下の理由に基づく。外側突起421は、人体(遊技場の従業員や製造業者等)が触れることが可能な外側面420Ub,420Mb,420Dbに設けられているため、安全上、できるだけ短い方が好ましい。これに対して、内側突起422は、各カバーレンズ420U,420M,420Dの内部で、人体が触れることが不可能な内側面420Uc,420Mc,420Dcに設けられている。従って、長くても安全上問題になることがない。従って、人体に対する安全面を考慮しつつ、光を導き易くする機能を最大限発揮させるため、人体が触れることが不可能な内側突起422を、人体が触れることが可能な外側突起421よりも長くしている。
【0096】
図10及び
図12に示すように、光ガイド部材430は、カバーレンズ420Uとカバーレンズ420Mとの間、カバーレンズ420Mとカバーレンズ420Dとの間、カバーレンズ420Dよりも内側(下側)に配置されている。これら光ガイド部材430は、各カバーレンズ420U,420M,420Dと共に円弧状に延びていて、前方に向かって突出する三角柱形状になっている。即ち、光ガイド部材430は、各カバーレンズ420U,420M,420Dの側面(外側突起421が設けられていない面)に対向している(
図12参照)。なお各光ガイド部材430は、白色の合成樹脂で構成されている。こうして、光ガイド部材430によって、各カバーレンズ420U,420M,420Dの側面から漏れ出た光を遊技者側(前方)に向かわせることが可能である。その結果、各カバーレンズ420U,420M,420Dの発光態様をできるだけ明るく見せることが可能である。
【0097】
また各光ガイド部材430には、
図12に示すように、周方向にわたって等間隔に、六角形状の受け部431が設けられている。これら受け部431は、光ガイド部材430を樹脂成型で製造する際に、型からピンで抜き出す受けとなる部分である。そして
図10に示すように、これら受け部431は、各外側突起421が周方向にわたって配置されている間隔と同じ間隔で配置されている。更に、各受け部431と各外側突起421とが、各カバーレンズ420U,420M,420Dにおける径方向に沿って直線状に並んでいる。こうして、各カバーレンズ420U,420M,420Dを見たときに、各受け部と各外側突起421とが規則正しく配置されていることで、装飾効果を高めることが可能である。
【0098】
なお
図10及び
図11に示すように、カバー部材440は、一番内側(下方)に配置されている光ガイド部材430の下方に設けられている。このカバー部材440の後方には、左側LED411は配置されていない。従って、カバー部材440は主に飾り(装飾部材)としての機能だけを果たすものである。
【0099】
3.遊技機の電気的構成
次に
図14及び
図15に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。
図14及び
図15に示すようにパチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
【0100】
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、ロゴ用LED321、両側LED411、枠ランプ212、盤ランプ54、盤可動体55k等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
【0101】
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
【0102】
図14に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106が設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
【0103】
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、および一般入賞口センサ10aが接続されている。
【0104】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて、第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて、第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて、大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、各一般入賞口10内に設けられて、一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
【0105】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、およびAT(アタッカー)ソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
【0106】
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0107】
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(
図1参照)が含まれる。
【0108】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
【0109】
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(
図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0110】
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0111】
図15に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン(演出制御手段)121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0112】
また
図15に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、およびサブドライブ基板162が接続されている。サブドライブ基板162には、ロゴ用LED321、両側LED411(左側LED411及び右側LED411)、枠ランプ212、盤ランプ54、盤可動体55kが接続されている。
【0113】
演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
【0114】
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
【0115】
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、ロゴ用LED321、両側LED411(左側LED411及び右側LED411)、枠ランプ212、盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0116】
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0117】
また演出制御基板120には、入力部検知センサ(演出ボタン検知センサ)40a及びセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。入力部検知センサ40aは、演出ボタン40k(
図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押下操作されると入力部検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(
図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
【0118】
なお
図14及び
図15は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、
図14及び
図15に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、
図14又は
図15に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、
図14又は
図15に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
【0119】
4.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
【0120】
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0121】
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は
図16に示す通りである。
図16に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。確変大当たりと通常大当たりである。確変大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に制御する大当たりである。通常大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(低確率状態)に制御する大当たりである。
【0122】
より具体的には、特
図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから8Rまでは大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから16Rまでは大入賞口14を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。これらの大当たりでは9Rから16Rまでは、大入賞口14の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、特
図1の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特
図1_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特
図1_通常図柄」が停止表示される。
【0123】
また、特
図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから16Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。特
図2の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特
図2_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特
図2_通常図柄」が停止表示される。
【0124】
いずれの大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技後には後述する電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。電サポ制御状態は、高確率状態に伴って制御される場合には次回の大当たり当選まで継続する。一方、通常確率状態(低確率状態)に伴って制御される場合には、電サポ回数(時短回数)が100回に設定される。電サポ回数とは、電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
【0125】
なお
図16に示すように、特
図1の抽選および特
図2の抽選における大当たりの振分率は、共に確変大当たりが65%、通常大当たりが35%となっている。但し、特
図1の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が8ラウンドの大当たり遊技が実行される一方、特
図2の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が16ラウンドの大当たり遊技が実行される点で、特
図1の抽選よりも特
図2の抽選の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
【0126】
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。
図17(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
【0127】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
【0128】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、
図20(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
【0129】
5.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(
図18(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
【0130】
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図19参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0131】
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(
図18(C)参照)。つまり、普図表示器82の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普図表示器82による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
【0132】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では7秒であるが、時短状態では1秒である(
図18(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(
図20参照)。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(
図20参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。
【0133】
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
【0134】
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0135】
本形態のパチンコ遊技機PY1では、確変大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確高ベース状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確高ベース状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
【0136】
また、通常大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0137】
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することとする。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
【0138】
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域6R(
図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
【0139】
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域6L(
図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
【0140】
6.パチンコ遊技機PY1の動作
次に、
図21に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明し、
図22及び
図23に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン101の動作について説明する。
【0141】
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン101は、
図21に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン101は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種類を決めるための大当たり種別乱数、変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成されるハードウェア乱数であっても良い。また乱数生成回路は、遊技制御用マイコン101に内蔵されていても良い。
【0142】
次に、遊技制御用マイコン101は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a等(
図14参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0143】
続いて、遊技制御用マイコン101は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)、および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ11aがONであれば、第1特図保留の記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の各種乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数(
図17(A)参照))を取得する。また第2始動口センサ12aがONであれば、第2特図保留の記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の各種乱数を取得する。また、ゲートセンサ13aがONであれば、普図保留の記憶が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(
図17(B)参照)を取得する。
【0144】
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した大当たり乱数等の乱数を判定し、その判定結果を報知するための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の開始時に変動パターンの情報を含む変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、特別図柄の停止表示の開始時に変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお変動パターンは、大当たり乱数等の各種乱数の判定に基づき、
図19に示す変動パターン判定テーブルを用いて決定される。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、所定の開放パターン(開放時間や開放回数)に従って大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。ここで
図19に示すように、変動パターンが決まれば、特別図柄の変動表示が実行される変動時間も決まる。
図19の備考欄に示すSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。SPリーチの方がノーマルリーチよりも、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)が高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。そして、弱SPリーチA⇒弱SPリーチB⇒強SPリーチの順番に当選期待度が高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
【0145】
また特別動作処理(S104)では、オープニング(大当たり遊技)を開始する場合、オープニングの開始を示すオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、ラウンド遊技を開始する場合、ラウンド遊技の開始を示すラウンド指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、エンディングを開始する場合、エンディングの開始を示すエンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0146】
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を判定し、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通図柄当たりに当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、
図20参照)に従って電チュー12Dを開放させる補助遊技を行う。
【0147】
次に、遊技制御用マイコン101は、上述の各処理においてセットしたコマンド等を演出制御基板120等に出力する出力処理を行う(S106)。以上の遊技制御用マイコン101における処理と並行して、演出制御用マイコン121は
図22及び
図23に示す処理を行う。以下、演出制御用マイコン121の動作について説明する。
【0148】
[サブ側1msタイマ割り込み処理]演出制御用マイコン121は、
図22に示すサブ側1msタイマ割り込み処理を1msecといった短時間毎に繰り返す。なお演出制御用マイコン121は、サブ側1msタイマ割り込み処理を実行すると共に、後述するようにサブ側10msタイマ割り込み処理(
図23参照)を実行するようになっている。
図22に示すように、サブ側1msタイマ割り込み処理ではまず、入力処理を行う(S201)。入力処理(S201)では、入力部検知センサ40aやセレクトボタン検知センサ42a(
図15参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
【0149】
続いて、ランプデータ出力処理を行う(S202)。ランプデータ出力処理(S202)では、演出に合うタイミングでロゴ用LED321、両側LED411(左側LED411及び右側LED411)、枠ランプ212、盤ランプ54を発光させるべく、後述のサブ側10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S305)で作成したランプデータをサブドライブ基板162に出力する。つまり、ランプデータに従ってロゴ用LED321、両側LED411、枠ランプ212、盤ランプ54を所定の発光態様で発光させる。
【0150】
次いで、後述する駆動制御処理を行う(S203)。駆動制御処理(S203)では、演出に合うタイミングで盤可動体55k(
図2参照)を駆動(回転)させるべく、駆動データを作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S204)を行って、本処理を終える。
【0151】
[サブ側10msタイマ割り込み処理]演出制御用マイコン121は、
図23に示すサブ側10msタイマ割り込み処理を10msecといった短時間毎に繰り返す。
図23に示すように、サブ側10msタイマ割り込み処理ではまず、受信コマンド解析処理を行う(S301)。受信コマンド解析処理(S301)では、演出制御用マイコン121は、例えば遊技制御基板100から変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンド,特
図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し、受信していれば変動演出を開始するための変動演出開始処理を行う。また、遊技制御基板100から変動停止コマンド(特
図1変動停止コマンド,特
図2変動停止コマンド)を受信したか否か判定し、受信していれば変動演出を終了させるための変動演出終了処理を行う。また、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し、受信していればオープニングに伴うオープニング演出を開始するためのオープニング演出選択処理を行う。また、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し、受信していればラウンド遊技に伴うラウンド遊技演出を開始するためのラウンド遊技演出選択処理を行う。また、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し、受信していればエンディングに伴うエンディング演出を開始するためのエンディング演出選択処理を行う。
【0152】
演出制御用マイコン121は、ステップS301の受信コマンド解析処理に次いで、サブ側1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて画像表示装置50の表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S303)。
【0153】
続いて、演出制御用マイコン121は、音声制御処理を行う(S304)。音声制御処理(S304)では、音声データ(スピーカ610から音声を出力するためのデータ)の作成、音声制御基板161への音声データの出力、及び音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ610から出力される。
【0154】
その後、演出制御用マイコン121は、ランプデータ(ロゴ用LED321、両側LED411(左側LED411及び右側LED411)、枠ランプ212、盤ランプ54の点灯を制御するデータ)を作成したり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S305)、本処理を終える。
【0155】
7.本形態の効果
<A>以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図5(A)に示すようにロゴユニット300に施されている装飾(「GIDRE」の文字部分」と「AM」の文字の上方部分)と、
図8に示すように大入賞装置ユニット14Uに施されている装飾(「AM残り部分」)とによって、一体的な意匠(「GIDREAM」)が形成されている(
図2参照)。そのため、ロゴユニット300と大入賞装置ユニット14Uとの一体感を向上させることができて、装飾効果を高めることが可能である。
【0156】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図8に示すロゴユニット300の本体部301に対して、窪んでいる窪み部302を設ける。これにより、
図8に示すように、窪み部302に大入賞装置ユニット14Uを配置可能にしつつ、本体部301及び窪み部302(大入賞装置ユニット14U)の両方の後ろにロゴ用LED基板320及びロゴ用LED321を配置することが可能である。その結果、ロゴ用LED321が発光すると、一体的な意匠である「GIDREAM」の全体が照らされて、装飾効果を一層高めることが可能である。
【0157】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、ロゴユニット300において、本体部301(
図5(A)参照)にインナーレンズ340及びアウターレンズ360(
図6参照)が設けられているだけでなく、窪み部302にも部分レンズ370が設けられている。そのため、ロゴ用LED321が発光すると、これらインナーレンズ340とアウターレンズ360と部分レンズ370によって光が拡散されて、装飾効果を高めることが可能である。その上で、本体部301ではインナーレンズ340及びアウターレンズ360という2枚のレンズがあるのに対して、窪み部302では部分レンズ370という1枚のレンズしかないため、窪み部302でのレンズの前後方向長さが短くなる。そのため、窪み部302によって大入賞装置ユニット14Uを配置するスペースを大きくすることが可能である。その結果、大入賞装置ユニット14Uを窪み部302に配置し易くすることが可能である。
【0158】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図9に示すように、大入賞装置ユニット14Uにレンズカット14z,14yが施されている。即ち、大入賞装置14Dの後壁部14wにレンズカット14zが施されていて、ホルダー14Hにレンズカット14yが施されている。そのため、ロゴ用LED321が発光すると、これらのレンズカット14z,14yにより、光が拡散される。これにより、大入賞装置ユニット14Uがより綺麗に光って見えて、装飾効果を高めることが可能である。更に、大入賞装置ユニット14U自体にレンズカット14z,14yがあることで、それらレンズカット14z,14yを1枚分のレンズとして機能させることが可能である。即ち、ロゴユニット300において、窪み部302では本体部301よりもレンズの前後方向の長さが短いが、大入賞装置ユニット14Uのレンズカット14z,14yによって、窪み部302でのレンズの前後方向の短さを補うことが可能である。よって、ロゴユニット300と大入賞装置ユニット14Uとを見た場合に、レンズの前後方向の長さの違いによって光の見え方が異なるという違和感を軽減することが可能である。
【0159】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、ロゴユニット300と大入賞装置ユニット14Uに設けられている全てのレンズカットの模様を、同一の模様(縦横整列した小さな正方形状のモザイク模様)にしている。即ち、インナーレンズ340に施されているレンズカット341(
図6参照)と、アウターレンズ360に施されているレンズカット361(
図7参照)と、部分レンズ370に施されているレンズカット371(
図7参照)と、ホルダー14Hに施されているレンズカット14y(
図9参照)と、大入賞装置14Dの後壁部14wに施されているレンズカット14z(
図9参照)とを、それぞれ同一の模様にしている。これにより、それぞれのレンズカット341,361,371,14y,14zによる光の拡散度合が同様になる。従って、ロゴユニット300と大入賞装置ユニット14Uを見たときの発光態様の統一感を高めることが可能である。
【0160】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、ロゴユニット300のケース380(
図6参照)に、装飾のための二次加工(蒸着)が施されているが、ロゴユニット300での二次加工が施されている部分を多くすると、コストが上昇してしまう。そこで、
図6に示すように、インナーレンズ340とアウターレンズ360との間に、「GIDRE」の文字部分と「AM」の文字の上方部分(意匠の一部)を示すシート350を配置している。これにより、ロゴユニット300において、装飾のために二次加工を要する部分を減らして、コストの低減を図ることが可能である。その上で、インナーレンズ340及びアウターレンズ360という2枚のレンズを用いることで、光の拡散効果を高めることが可能である。
【0161】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、大入賞装置ユニット14Uにおいて、AT開閉部材14kに「AM残り上方部分」を示すシール14s1が貼り付けられていて、ホルダー14Hに「AM残り下方部分」を示すシール14s2が貼り付けられている。そして、これらシール14s1,14s2と、上記したシート350とによって、本パチンコ遊技機PY1の機種名である「GIDREAM」(特定の識別情報)が示されている。こうして、ロゴユニット300の本体部301に設けられているシート350と、大入賞装置ユニット14Uに貼り付けられているシール14s1,14s2によって、安価な構成で本パチンコ遊技機PY1の機種名を示すことが可能である。
【0162】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図5(A)に示すように、ロゴユニット300の本体部301のうち左右方向の両端部(例えば「G」の文字部分や「M」の文字の上方部分)が中央部(「R」の文字部分)よりも前方に飛び出ている。これにより、ロゴユニット300としての奥行き感を表現することが可能である。その上で、
図2に示すように、「GIDREAM」という意匠は、左右方向の両端部が左右方向の中央部よりも前方に飛び出ていて且つ大きくなるように形成されている。これにより、立体的な意匠(「GIDREAM」)を見せることができて、装飾効果を一層高めることが可能である。
【0163】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、ロゴユニット300には、
図5(A)(B)に示すように、一般入賞口10と連通する連通口10Rと、連通口10Rを通過する遊技球を検出可能な一般入賞口センサ10aとが設けられている。従って、連通口10R及び一般入賞口センサ10aの配置スペースを、ロゴユニット300によって確保することが可能である。
【0164】
<B>本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図8に示すように、大入賞装置14Dの後方に、ロゴ用LED基板320及びロゴ用LED321が配置されている。従って、大入賞装置14Dの後方に配置されているロゴ用LED321が発光すると、大入賞装置14Dが直接的に照らされる。従って、大入賞装置14Dをより光って見せることができて、大入賞装置14Dの見た目を向上させることが可能である。
【0165】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図9に示すように、大入賞装置14Dの後壁部14wに、レンズカット14zが施されている。そのため、ロゴ用LED321が発光しているとき、そのレンズカット14zにより、光が拡散される。これにより、大入賞装置14Dがより綺麗に光って見えて、大入賞装置14Dの見た目を一層華やかにすることが可能である。
【0166】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、大入賞装置14Dにおいて、レンズカット14zが施されている後壁部14wは、AT開閉部材14k(
図8参照)の後方に配置されている。そのため、大当たり遊技によってAT開閉部材14kが開放したときに、後壁部14wが視認し易くなる。従ってこのときに、ロゴ用LED321の発光により、レンズカット14zが施されている後壁部14wが綺麗に光って見える。こうして、AT開閉部材14kの開放時における装飾効果を高めることが可能である。言い換えれば、大当たり遊技でAT開閉部材14kが開放したときに、遊技者への高揚感を高めることが可能である。
【0167】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図8に示すように、大入賞装置14Dの外側でAT開閉部材14kと同一平面を形成するホルダー14Hにも、レンズカット14y(
図9参照)が施されている。従って、ロゴ用LED321が発光しているとき、ホルダー14Hのレンズカット14yでも、光が拡散される。こうして、大入賞装置14Dの後壁部14wだけでなく、AT開閉部材14kの周りにあるホルダー14Hも綺麗に光って見えて、華やかさを一層強めることが可能である。
【0168】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、大入賞装置14DのAT開閉部材14kに施されている装飾(「AM残り上方部分」,
図8参照)と、AT開閉部材14kの外側にあるホルダー14Hに施されている装飾(「AM残り下方部分」,
図8参照)と、AT開閉部材14k及びホルダー14Hの外側にあるロゴユニット300に施されている装飾(「GIDRE」の文字部分と「AM」の文字の上方部分,
図5(A)参照)とによって、一体的な意匠(「GIDREAM」)が形成されている。そのため、大入賞装置14Dとホルダー14Hとロゴユニット300との一体感を向上させることができて、装飾効果をより高めることが可能である。
【0169】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、ロゴユニット300において、インナーレンズ340にレンズカット341(
図6参照)が施され、アウターレンズ360にレンズカット361(
図7参照)が施され、部分レンズ370にレンズカット371(
図7参照)が施されている。よって、大入賞装置14Dの後壁部14wと、ホルダー14Hと、ロゴユニット300とによって広範囲に綺麗に光って見えて、一層華やかに見せることが可能である。
【0170】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、大入賞装置14Dに施されているレンズカット14z(
図9参照)と、ホルダー14Hに施されているレンズカット14y(
図9参照)と、ロゴユニット300に施されている上記各レンズカット341,361,371(
図6,
図7参照)とは、同一の模様(縦横整列した小さな正方形状のモザイク模様)を形成している。そのため、それぞれのレンズカット14z,14y,341,361,371による光の拡散度合が同様になる。従って、大入賞装置14Dとホルダー14Hとロゴユニット300を見たときの発光態様の統一感を高めることが可能である。
【0171】
<C>本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、左側発光ユニット400L(
図10参照)において、カバーレンズ420U,420M,420D自体に、
図12に示すように、左側LED411からの光を導き易くする導光部が設けられている。具体的に、各カバーレンズ420U,420M,420Dの外側面420Ub,420Mb,420Dbから凸状に延びる外側突起421が導光部として設けられている。更に、各カバーレンズ420U,420M,420Dの内側面420Uc,420Mc,420Dcから凸状に延びる内側突起422が導光部として設けられている。従って、
図13に示すように、カバーレンズ420U,420M,420Dのうち、導光部(外側突起421,内側突起422)がある部分がその他の部分に比べて強調して光って見える。こうして、カバーレンズ420U,420M,420D及び左側LED411以外の別部材を用いることなく、斬新な発光態様を見せることが可能である。
【0172】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、各カバーレンズ420U,420M,420Dを見たときに、外側突起421を形状的に目立って見せると共に、光を導き易くする機能によって光って見せることが可能である。その一方で、内側突起422を外観として見せないようにしつつ、その内側突起422がある部分を光って目立たせることが可能である。
【0173】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図12に示すように、左側LED411と外側突起421と内側突起422とは、同軸P1上に配置されている。そのため、
図13に示すように、各カバーレンズ420U,420M,420Dのうち、外側突起421及び内側突起422がある部分を特別に強く光らせて目立たせることが可能である。
【0174】
8.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0175】
<第1変形例>
次に、第1変形例について
図24に基づいて説明する。上記形態では、
図12に示すように、カバーレンズ420U,420M,420Dには、光を導き易くする導光部として、外側突起421と内側突起422とが設けられていた。これに対して、第1変形例では、
図24に示すように、外側突起421が設けられているものの、内側突起422が設けられていない。なお上記形態と同様、外側突起421と左側LED411とは同軸P1上に配置されている。
【0176】
この第1変形例によれば、上記形態のように、カバーレンズ420U,420M,420Dの内側面420Uc,420Mc,420Dcに内側突起422(
図12参照)を設ける必要がないため、上記形態よりもカバーレンズ420U,420M,420Dを安価に構成することが可能である。
【0177】
<第2変形例>
次に、第2変形例について
図25に基づいて説明する。上記形態では、
図12に示すように、カバーレンズ420U,420M,420Dには、光を導き易くする導光部として、外側突起421と内側突起422とが設けられていた。これに対して、第2変形例では、
図25に示すように、内側突起422が設けられているものの、外側突起421が設けられていない。なお上記形態と同様、内側突起422と左側LED411とは同軸P1上に配置されている。
【0178】
この第2変形例によれば、上記形態のように、カバーレンズ420U,420M,420Dの外側面420Ub,420Mb,420Dbに外側突起421(
図12参照)を設ける必要がないため、カバーレンズ420U,420M,420Dの外観形状が変わらない。従って、突起によって安全性が低下するのを回避することが可能である。その上で、カバーレンズ420U,420M,420Dを見たときに、内側突起422が左側LED411からの光を導き易くする。これにより、内側突起422を見せないようにしつつ、内側突起422がある部分を光って目立たせることが可能である。
【0179】
<その他の変形例>
上記形態では、ロゴユニット300(装飾手段)と大入賞装置ユニット14U(入球手段)とによって、一つの意匠(「GIDRREAM」)を形成した。しかしながら、ロゴユニット300のような装飾手段と一つの意匠を形成する入球手段は、大入賞装置ユニット14Uに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、ロゴユニット300のような装飾手段と、第1始動入賞装置11D、又は第2始動入賞装置12D(電チュー12D)、特定領域を備える大入賞装置、一般入賞口10、アウト口19を備える装置等であっても良い。
【0180】
また上記形態では、ロゴユニット300と大入賞装置14Dとホルダー14Hの3部材で、一つの意匠(「GIDRREAM」)を形成した。しかしながら、ロゴユニット300と大入賞装置14Dだけの2部材で一つの意匠を構成するようにしても良く、4部材以上で一つの意匠を構成するようにしても良い。
【0181】
また上記形態では、ロゴユニット300と大入賞装置ユニット14Uとによって形成する意匠は、本パチンコ遊技機PY1の機種名である「GIDRREAM」という文字であった。しかしながら、その他の文字、図形(キャラクタやアイテム等の少なくとも一部)、記号等であっても良く、適宜変更可能である。
【0182】
また上記形態では、
図8に示すように、ロゴユニット300の本体部301及び窪み部302(大入賞装置ユニット14U)の後ろに、ロゴ用LED基板320及びロゴ用LED321(発光手段)が配置されていた。しかしながら、ロゴユニット300の本体部301及び窪み部302の「後ろ」という意味は、絶対的な方向を示す「後方」という意味ではなく、発光手段からの光が主に出射する(進む)方向を前方とした場合の後方という意味である。従って例えば、発光手段からの光が右方に出射する場合、ロゴユニット300の本体部301及び窪み部302がその発光手段の右方にあっても、ロゴユニット300の本体部301及び窪み部302の「後ろ」に発光手段が配置されているといえる。
【0183】
また上記形態では、
図5(A)に示すように、窪み部302(凹部)が、ロゴユニット300の右下部分であって、後方に窪んでいるものであった。しかしながら、窪み部(凹部)は、大入賞装置ユニット14U又は大入賞装置14Dを配置するために窪んでいれば良く、ロゴユニット300(装飾手段)のうち設けられている部位や窪んでいる方向は、適宜変更可能である。また、本体部301(装飾部)が、ロゴユニット300(装飾手段)のうち右下部分を除いた部分であったが、装飾が施されていれば、勿論その他の部分であっても良い。
【0184】
また上記形態では、ロゴユニット300(装飾手段)は、
図5(A)に示すように、左右方向に長いものであった。しかしながら、ロゴユニット300の形状は、適宜変更可能であり、上下方向に長いものであったり、前後方向に長いものであっても良い。
【0185】
また上記形態では、
図6に示すように、ロゴユニット300の本体部301(装飾部)には、インナーレンズ340及びアウターレンズ360が設けられ、窪み部302(凹部)には、部分レンズ370が設けられていた。しかしながら、ロゴユニット300の本体部301に、インナーレンズ340又はアウターレンズ360の何れか一方を設けて、本体部301におけるレンズの前後方向の長さと、窪み部302におけるレンズの前後方向の長さとを同じになるようにしても良い。
【0186】
また上記形態では、
図6に示すように、ロゴユニット300の本体部301(装飾部)には、インナーレンズ340及びアウターレンズ360という2枚のレンズを設けることで、本体部301でのレンズ部分(第1レンズ部分)の前後方向の長さを長くした。その一方で、ロゴユニット300の窪み部302(凹部)には、部分レンズ370という1枚のレンズだけを設けることで、窪み部302のレンズ部分(第2レンズ部分)の前後方向の長さを、第1レンズ部分の前後方向の長さよりも短くした。しかしながら、レンズの枚数に関係なく、レンズの厚さを適宜変更することで、第2レンズ部分の前後方向の長さを第1レンズ部材の前後方向の長さよりも短くしても良い。
【0187】
また上記形態では、ロゴユニット300の本体部301(装飾部)に設けられているインナーレンズ340のレンズカット341及びアウターレンズ360のレンズカット361と、窪み部302(凹部)に設けられている部分レンズ370のレンズカット371と、ホルダー14Hのレンズカット14yと、大入賞装置14Dの後壁部14wのレンズカット14zとを、それぞれ同一の模様(縦横整列した小さな正方形状のモザイク模様)にしている。しかしながら、これらのレンズカット341,361,371,14y,14zは、完全に同一でなく、光の拡散度合が同様に見える程度に実質的に同一の模様になっていても良い。また、同一又は実質的に同一にするレンズカットの模様は、縦横整列した小さな正方形状のモザイク模様に限られるものではなく、例えば三角形状や六角形状等が整列したものであっても良く、適宜変更可能である。また、レンズカット341,361,371,14y,14zの模様を同一又は実質的に同一にしなくても良い。更には、上記した各レンズカット341,361,371,14y,14zのうち一部又は全部を設けないようにしても良い。
【0188】
また上記形態では、
図6に示すように、ロゴユニット300の本体部301(装飾部)において、アウターレンズ360とインナーレンズ340との間に、シート350を配置した。しかしながら、シート350を、アウターレンズ360よりも前方に配置したり、インナーレンズ340よりも後方に配置しても良い。又は、シート350を配置しなくても良い。
【0189】
また上記形態では、
図8に示すように、大入賞装置14DのAT開閉部材14kに貼付けられているシール14s1と、ホルダー14Hに貼付けられているシール14s2と、
図6に示すように、ロゴユニット300のシート350とによって、本パチンコ遊技機PY1の機種名である「GIDREAM」という特定の識別情報を示している。しかしながら、勿論、その他の特定の識別情報(キャラクタ名やセリフ等)を示しても良い。また、シールやシート以外の部材で、特定の識別情報を示すようにしても良い。
【0190】
また上記形態では、
図5(B)に示すように、ロゴユニット300に、一般入賞口10と連通する連通口10R(入球領域)と、一般入賞口センサ10a(入球検知手段)とを設けた。しかしながら、ロゴユニット300にその他の入球領域と入球検知手段とを設けても良い。例えばロゴユニット300に、第1始動口11と連通する連通口と、第1始動口センサ11aとを設けても良い。又は、ロゴユニット300に、第2始動口12と連通する連通口と、第2始動口センサ12aとを設けても良い。或いは、ロゴユニット300に大入賞口14と連通する連通口と、大入賞口センサ14aとを設けても良い。若しくは、ロゴユニット300にアウト口19と連通する連通口と、アウト口センサを設けても良い。
【0191】
また上記形態では、
図5(A)に示すように、ロゴユニット300(装飾手段)において、左右方向の両端部が左右方向の中央部分よりも前方に飛び出ているような形状であった。しかしながら、左右方向の中央部分が左右方向の両端部よりも前方に飛び出ているような形状であっても良く、装飾手段の形状は適宜変更可能である。そして、装飾手段(ロゴユニット300は、主に装飾としての機能だけを備えるものであったが、例えば盤可動体や枠可動体、スピーカ、操作手段(演出ボタン)等のその他の機能を兼ね備えるものであっても良い。
【0192】
また上記形態では、
図9に示すように、大入賞装置14Dの後壁部14w(壁部)の後面に、レンズカット14zが施されていた。しかしながら、発光手段によって照らされる部分であれば、後壁部14w(壁部)の後面以外に、レンズカットが施されていても良い。例えば、AT開閉部材14kの後面又は前面や、大入賞装置14Dの左側壁部、右側壁部、上壁部、下壁部等にレンズカットを施しても良い。
【0193】
また上記形態では、大入賞装置14D(特別入球手段)は、AT開閉部材14kが前後に傾動可能なものであった(
図2参照)。しかしながら、特別入球手段は、シャッターが直動(直線状に移動)可能なタイプや、羽根部材が左右に傾動するウイングタイプ等であっても良い。
【0194】
また上記形態では、
図8に示すように、AT開閉部材14kの外側に、当該AT開閉部材14kと同一平面を形成するホルダー14Hが設けられていた。しかしながら、AT開閉部材14kと同一平面を形成しない組付部材が設けられていて、その組付部材と大入賞装置14Dとロゴユニット300とで、一つの意匠を形成するようにしても良い。
【0195】
また上記形態では、
図8に示すように、大入賞装置14D(特別入球手段)の後ろに、ロゴ用LED基板320及びロゴ用LED321(発光手段)が配置されていた。しかしながら、大入賞装置ユニット14Uの「後ろ」という意味は、絶対的な方向を示す「後方」という意味ではなく、発光手段からの光が主に出射する(進む)方向を前方とした場合の後方という意味である。従って例えば、発光手段からの光が右方に出射する場合、大入賞装置14Dがその発光手段の右方にあっても、大入賞装置14Dの「後ろ」に発光手段が配置されているといえる。また、大入賞装置14Dではなく、第1始動入賞装置11D、第2始動入賞装置(電チュー)12D、一般入賞口10やアウト口19等を備える装置の後ろに発光手段を配置して、それらに対して光を照射するようにしても良い。
【0196】
また上記形態では、
図12に示すように、カバーレンズ420U,420M,420Dに設けられている外側突起421及び内側突起422(導光部)は、円柱形上であった。しかしながら、導光部は、円柱状以外の形状であっても良く、例えば三角柱形状や四角柱形状等の角柱形状や、三角垂形状や四角垂形状等の角垂形状、ドーム形状等であっても良い。
【0197】
また上記形態では、
図12に示すように、カバーレンズ420U,420M,420Dに対する光源は、LED(左側LED411)であった。しかしながら、光源として、LED以外を用いても良く、白熱電球等を用いても良い。
【0198】
また上記形態では、
図10に示すように、導光部(外側突起421,内側突起422)を備えるカバーレンズ420U,420M,420Dが、遊技者から視認可能なものであった。しかしながら、導光部を備えるレンズが、遊技者から視認不可能になっていても良い。
【0199】
また上記形態では、
図12に示すように、外側突起421(外側突起421が延びる方向)が、左側LED411と同軸P1上に配置されていた。しかしながら、外側突起421を、左側LED411と同軸P1上に配置しないようにしても良い。また、内側突起422(内側突起422が延びる方向)が、左側LED411と同軸P1上に配置されていた。しかしながら、内側突起422を、左側LED411と同軸P1上に配置しないようにしても良い。また、カバーレンズ420U,420M,420Dに外側突起421及び内側突起422があるものの、外側突起421又は内側突起422のうち何れか一方を、左側LED411と同軸P1上に配置するようにしても良い。或いは、外側突起421及び内側突起422の何れも、左側LED411と同軸P1上に配置しないようにしても良い。
【0200】
また上記形態では、外側突起421(外側凸部)及び内側突起422(内側凸部)が設けられているカバーレンズ420U,420M,420D(レンズ)が、
図10に示すように、円弧状に延びていて、断面形状がドーム状になるものであった。しかしながら、外側突起421や内側突起422のような導光部を備えるレンズの形状は、上記したものに限られず、半分の球形状であったり、立方体形状や直方体形状等であっても良く、適宜変更可能である。
【0201】
また上記形態では、外側突起421(外側凸部)及び内側突起422(内側凸部)を備えるカバーレンズ420U,420M,420D(レンズ)が、遊技盤1側の部材又は遊技機枠2側の部材のうち、遊技盤1側の部材として設けられていた。しかしながら、遊技機枠2側の部材として設けられていても良い。
【0202】
また上記各形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また上記形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本明細書に示されている発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
【0203】
また、特別遊技として、小当たり遊技(大入賞口の総開放時間が所定時間(例えば1.8秒)以下と短い特別遊技)を行うことがあってもよい。小当たり遊技の実行中の状態を小当たり遊技状態と言う。
【0204】
また、大入賞口(大入賞装置)は、複数(例えば2つ)あってもよい。この場合には、第1大入賞口と、第1大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第1大入賞口センサと、第2大入賞口と、第2大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第2大入賞口センサとが設けられている遊技機になる。
【0205】
また上記各形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
【0206】
また上記各形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。
【0207】
また、スロットマシンのタイプは、どのようなタイプであってもよい。ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機(Aタイプのスロットマシン)であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
【0208】
11.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0209】
〈手段A〉
手段A1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
装飾が施されている装飾手段(ロゴユニット300)と、
装飾が施されている入球手段(大入賞装置ユニット14U)と、を備え、
前記装飾手段に施されている装飾(「GIDRE」の文字部分と「AM」の文字の上方部分)と、前記入球手段に施されている装飾(「AM残り部分」)とによって、一体的な意匠(「GIDREAM」)が形成されていることを特徴とする遊技機である。
【0210】
この構成の遊技機によれば、装飾手段に施されている装飾と、入球手段に施されている装飾とによって、一体的な意匠が形成されている。そのため、装飾手段と入球手段との一体感を向上させることができて、装飾効果を高めることが可能である。
【0211】
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記装飾手段は、所定の装飾部(本体部301)と、前記装飾部に対して窪んでいる凹部(窪み部302)と、前記装飾部及び前記凹部の後ろに配置されている発光手段(ロゴ用LED基板320及びロゴ用LED321)と、を備え、
前記入球手段は、前記凹部に配置されていて(
図8参照)、
前記発光手段は、前記装飾部と前記入球手段とに向けて発光可能である(
図8参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0212】
装飾手段を入球手段に対して重なるように配置すると共に、装飾手段及び入球手段の両方の後ろに発光手段を配置するには、スペース的に難しい。そこでこの構成の遊技機によれば、装飾手段の装飾部に対して窪んでいる凹部を設ける。これにより、凹部に入球手段を配置可能にしつつ、装飾部及び凹部(入球手段)の両方の後ろに発光手段を配置することが可能である。その結果、発光手段が発光すると、一体的な意匠が照らされて、装飾効果を一層高めることが可能である。
【0213】
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
前記装飾部は、第1レンズ部分(インナーレンズ340及びアウターレンズ360)を備え、
前記凹部は、前後方向に窪んでいて、第2レンズ部分(部分レンズ370)を備え、
前記第2レンズ部分は、前記第1レンズ部分よりも、前後方向の長さが短い(
図6参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0214】
この構成の遊技機によれば、装飾手段において装飾部に第1レンズ部分が設けられているだけでなく、凹部にも第2レンズ部分が設けられている。そのため、発光手段が発光すると、第1レンズ部分及び第2レンズ部分によって光が拡散されて、装飾効果を一層高めることが可能である。その上で、第2レンズ部分は、第1レンズ部分よりも前後方向の長さが短いため、凹部のスペースが大きくなる。その結果、入球手段を凹部に配置するスペースを確保し易くすることが可能である。
【0215】
手段A4に係る発明は、
手段A3に記載の遊技機において、
前記入球手段(大入賞装置14D及びホルダー14H)には、レンズカット(14z,14y)が施されている(
図9参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0216】
この構成の遊技機によれば、発光手段が発光すると、入球手段に設けられているレンズカットにより、光が拡散される。これにより、入球手段がより綺麗に光って見えて、装飾効果を高めることが可能である。更に、入球手段にレンズカットがあることで、第2レンズ部分が第1レンズ部分よりも前後方向の長さが短いことを補うことが可能である。つまり、装飾部と入球手段とを見た場合に、レンズ部分の前後方向の長さが異なってしまい、見え方が異なる違和感を軽減することが可能である。
【0217】
手段A5に係る発明は、
手段A4に記載の遊技機において、
前記第1レンズ部分及び前記第2レンズ部分には、レンズカット(341,361,371)が施されていて(
図6,
図7参照)、
前記第1レンズ部分に施されているレンズカット(341,361)と、前記第2レンズ部分に施されているレンズカット(371)と、前記入球手段に施されているレンズカット(14z,14y)とは、同一又は実質的に同一の模様(縦横整列した小さな正方形状のモザイク模様)を形成していることを特徴とする遊技機である。
【0218】
この構成の遊技機によれば、第1レンズ部分と第2レンズ部分と入球手段とにおいて、それぞれのレンズカットが同一又は実質的に同一の模様を形成している。そのため、装飾部と入球手段を見たときの統一感を高めることが可能である。
【0219】
手段A6に係る発明は、
手段A3乃至手段A5の何れかに記載の遊技機において、
前記第1レンズ部分は、前方レンズ部材(アウターレンズ360)と、前記前方レンズ部材よりも後方に配置される後方レンズ部材(インナーレンズ340)と、を備え、
前記前方レンズ部材と前記後方レンズ部材との間に、前記意匠の一部を示すシート部材(シート350)が配置されている(
図6参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0220】
仮に装飾部において、装飾のための二次加工を多く施すと、コストが上昇する。そこでこの構成の遊技機によれば、第1レンズ部分において前方レンズ部材と後方レンズ部材とを設けて、これらの間に意匠の一部を示すシート部材を配置する。これにより、二次加工を減らして、コストの低減を図ることが可能である。更に、第1レンズ部分の前後方向の長さを大きくして、光の拡散効果を高めることが可能である。
【0221】
手段A7に係る発明は、
手段A6に記載の遊技機において、
前記入球手段の前壁部(AT開閉部材14k,ホルダー14H)には、前記意匠の一部(「AM残り部分」)を示すシール部材(シール14s1,14s2)が貼り付けられていて、
前記シート部材と前記シール部材とによって、特定の識別情報(本パチンコ遊技機PY1の機種名である「GIDREAM」)が示されていることを特徴とする遊技機である。
【0222】
この構成の遊技機によれば、装飾部に設けられているシート部材と、入球手段の前壁部に貼り付けられているシール部材によって、安価な構成で特定の識別情報を示すことが可能である。
【0223】
手段A8に係る発明は、
手段A2乃至手段A7の何れかに記載の遊技機において、
前記装飾手段のうち左右方向の両端部(例えば「GI」の文字部分及び「AM」の文字の上方部分)が、前記装飾手段のうち左右方向の中央部(「R」部分)よりも前方に飛び出ていて(
図5(A)参照)、
前記意匠は、左右方向の両端部が左右方向の中央部よりも前方に飛び出ていて且つ大きくなるように形成されている(
図2,
図5(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0224】
この構成の遊技機によれば、装飾部の左右方向の両端部が中央部よりも前方に飛び出ていることで、奥行き感を表現することが可能である。その上で、意匠は、左右方向の両端部が左右方向の中央部よりも前方に飛び出ていて且つ大きくなるように形成されている。これにより、立体的な意匠を見せることができて、装飾効果を一層高めることが可能である。
【0225】
手段A9に係る発明は、
手段A1乃至手段A8の何れかに記載の遊技機において、
前記装飾手段には、入球領域(連通口10R)と、前記入球領域を通過する遊技球を検出可能な入球検知手段(一般入賞口センサ10a)と、が設けられていることを特徴とする遊技機である。
【0226】
この構成の遊技機によれば、入球領域及び入球検知手段の配置スペースを、装飾手段によって確保することが可能である。
【0227】
〈手段B〉
手段B1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
入球部(大入賞口14)と、前記入球部を開閉可能な開閉部材(AT開閉部材14k)と、を備える特別入球手段(大入賞装置14D)と、
少なくとも前記特別入球手段の後ろに配置されていて、当該特別入球手段に向けて発光可能な発光手段(ロゴ用LED基板320及びロゴ用LED321)と、を備える(
図8参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0228】
この構成の遊技機によれば、特別入球手段の後ろに配置されている発光手段が発光すると、特別入球手段が直接的に照らされる。従って、特別入球手段をより光って見せることができて、特別入球手段の見た目を向上させることが可能である。
【0229】
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記特別入球手段(大入賞装置14Dの後壁部14wの後面)には、レンズカット(14z)が施されている(
図9参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0230】
この構成の遊技機によれば、発光手段が発光しているとき、特別入球手段に施されているレンズカットにより、光が拡散される。これにより、特別入球手段がより綺麗に光って見えて、特別入球手段の見た目を一層華やかにすることが可能である。
【0231】
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
前記特別入球手段は、前記開閉部材の後方にレンズカットが施されている壁部(後壁部14w)を備え、当該開閉部材が開放したときに前記壁部が視認し易くなるものである(
図2,
図9参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0232】
この構成の遊技機によれば、特別入球手段の開閉部材が開放したときに、壁部が視認し易くなる。このとき、発光手段の発光により、レンズカットが施されている壁部が綺麗に光って見える。そのため、開閉部材の開放時における高揚感を高めることが可能である。
【0233】
手段B4に係る発明は、
手段B2又は手段B3に記載の遊技機において、
前記開閉部材の外側で当該開閉部材と同一平面を形成する平面部材(ホルダー14H)を備え、
前記平面部材には、レンズカット(14x)が施されていて(
図9参照)、
前記発光手段は、前記特別入球手段及び前記平面部材の後ろに配置されていて、当該特別入球手段及び平面部材に向けて発光可能である(
図8参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0234】
この構成の遊技機によれば、発光手段が発光しているときに、平面部材のレンズカットにより、光が拡散される。これにより、特別入球手段の壁部だけでなく、開閉部材の周りにある平面部材も綺麗に光って見えて、華やかさを一層強めることが可能である。
【0235】
手段B5に係る発明は、
手段B4に記載の遊技機において、
前記開閉部材及び前記平面部材には、装飾(「GI残り部分」)が施されていて、
前記開閉部材及び前記平面部材の外側に、装飾が施されている装飾手段(ロゴユニット300)が設けられていて、
前記開閉部材に施されている装飾(「AM残り上方部分」)と、前記平面部材に施されている装飾(「AM残り下方部分」)と、前記装飾手段に施されている装飾(「GIDRE」の文字部分と「AM」の文字の上方部分)とによって、一体的な意匠(「GIDREAM」)が形成されていることを特徴とする遊技機である。
【0236】
この構成の遊技機によれば、特別入球手段の開閉部材に施されている装飾と、開閉部材の外側にある平面部材に施されている装飾と、開閉部材及び平面部材の外側にある装飾手段に施されている装飾とによって、一体的な意匠が形成されている。そのため、特別入球手段と平面部材と装飾手段との一体感を向上させることができて、装飾効果をより高めることが可能である。
【0237】
手段B6に係る発明は、
手段B5に記載の遊技機において、
前記装飾手段には、レンズカット(341,361,371)が施されていて(
図6,
図7参照)、
前記発光手段は、前記特別入球手段と前記平面部材と前記装飾手段との後ろに配置されていて、当該特別入球手段と平面部材と装飾手段とに向けて発光可能である(
図8参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0238】
この構成の遊技機によれば、発光手段が発光しているときに、装飾手段のレンズカットにより、光が拡散される。これにより、特別入球手段の壁部と平面部材と装飾手段とによって広範囲に綺麗に光って見えて、一層華やかに見せることが可能である。
【0239】
手段B7に係る発明は、
手段B6に記載の遊技機において、
前記特別入球手段に施されているレンズカット(14z)と、前記平面部材に施されているレンズカット(14y)と、前記装飾手段に施されているレンズカット(341,361,371)とは、同一又は実質的に同一の模様(縦横整列した小さな正方形状のモザイク模様)を形成していることを特徴とする遊技機である。
【0240】
この構成の遊技機によれば、特別入球手段と平面部材と装飾手段とにおいて、それぞれのレンズカットが同一又は実質的に同一の模様を形成している。そのため、特別入球手段と平面部材と装飾手段との統一感を高めることが可能である。
【0241】
ところで、特開2010-069115号公報に記載の遊技機において、特別入球手段が設けられている。特別入球手段は、入球部と、入球部を開閉可能な開閉部材とを備えるものである。特別入球手段としては例えば、可変入賞装置(所謂電チュー)、大入賞装置等ある。ここで、特別入球手段の周り(周囲)に向けて発光可能な発光手段が配置されることはある。しかしながらこの場合、あくまで特別入球手段の周りを照らしているだけであって、特別入球手段が直接的に照らされているわけではない。よって、特別入球手段の見た目には改善の余地があった。そこで上記した手段B1~B7に係る発明は、特開2010-069115号公報に記載の遊技機に対して、少なくとも特別入球手段の後ろに配置されていて、当該特別入球手段に向けて発光可能な発光手段を備える点で相違している。これにより、特別入球手段の見た目を向上させるという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0242】
〈手段C〉
手段C1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
光源(左側LED411)と、
前記光源からの光を透過させるレンズ(カバーレンズ420U,420M,420D)と、を備え、
前記レンズは、前記光源からの光を導き易くする導光部(外側突起421,内側突起422)を備えている(
図12,
図24,
図25参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0243】
この構成の遊技機によれば、レンズ自体に、光源からの光を導き易くする導光部が設けられている。そのため、レンズのうち導光部がある部分がその他の部分に比べて強調して光って見えて、斬新な発光態様を見せることが可能である。
【0244】
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記導光部は、前記レンズの面のうち前記光源からの光が出射する側の面(外側面420Ub,420Mb,420Db)から凸状に延びる外側凸部(外側突起421)である(
図24参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0245】
この構成の遊技機によれば、レンズを見たときに、外側凸部が形状的に目立って見えると共に、光を導き易くする機能によっても目立って見える。従って、レンズのうち外側凸部をより強調して見せることが可能である。
【0246】
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機において、
前記光源は、LED(左側LED411)であり、
前記LEDと前記外側凸部とは、同軸(P1)上に配置されている(
図24参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0247】
LEDはその特性上、その他の光源に比べて、光の広がり方が狭くて、光が直線状に進み易い。そこでこの構成の遊技機によれば、LEDと外側凸部とが同軸上に配置されていることで、外側凸部をより光って目立たせるようにすることが可能である。
【0248】
手段C4に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記導光部は、前記レンズの面のうち前記光源からの光が入射する側の面(内側面420Uc,420Mc,420Dc)から凸状に延びる内側凸部(内側突起422)である(
図25参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0249】
この構成の遊技機によれば、内側凸部がレンズの面のうち光源からの光が入射する側の面に設けられているため、内側凸部を外観として見せないようにしつつ、内側凸部がある部分を光って目立たせることが可能である。
【0250】
手段C5に係る発明は、
手段C4に記載の遊技機において、
前記光源は、LED(左側LED411)であり、
前記LEDと前記内側凸部とは、同軸(P1)上に配置されている(
図25参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0251】
LEDはその特性上、その他の光源に比べて、光の広がり方が狭くて、光が直線状に進み易い。そこでこの構成の遊技機によれば、LEDと内側凸部とが同軸上に配置されていることで、内側凸部がある部分をより光って目立たせるようにすることが可能である。
【0252】
手段C6に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記導光部は、前記レンズの面のうち前記光源からの光が出射する側の面(外側面420Ub,420Mb,420Db)から凸状に延びる外側凸部(外側突起421)であると共に、前記レンズの面のうち前記光源からの光が入射する側の面(内側面420Uc,420Mc,420Dc)から凸状に延びる内側凸部(内側突起422)である(
図12参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0253】
この構成の遊技機によれば、レンズを見たときに、外側凸部が形状的に目立って見えると共に、光を導き易くする機能によっても目立って見える。従って、レンズのうち外側凸部をより強調して見せることが可能である。その一方で、内側凸部がレンズの面のうち光源からの光が入射する側の面に設けられているため、内側凸部を外観として見せないようにしつつ、内側凸部がある部分を光って目立たせることが可能である。
【0254】
手段C7に係る発明は、
手段C6に記載の遊技機において、
前記光源は、LED(左側LED411)であり、
前記LEDと前記外側凸部と前記内側凸部とは、同軸(P1)上に配置されている(
図12参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0255】
LEDはその特性上、その他の光源に比べて、光の広がり方が狭くて、光が直線状に進み易い。そこでこの構成の遊技機によれば、LEDと外側凸部と内側凸部とが同軸上に配置されていることで、レンズのうち外側凸部及び内側凸部がある部分を特別に強く光らせて目立たせることが可能である。
【0256】
ところで、特開2000-135316号公報に記載の遊技機において、LED等の光源が設けられると共に、光源を覆うようにレンズが設けられている。レンズは、光源からの光を透過させることで、遊技者に発光態様を見せることが可能である。ここで、光源とレンズとを用いた発光態様は、別部材を用いない限り、画一的になっていることが多い。従って、レンズを見た場合の発光態様には、改善の余地があった。そこで上記した手段C1~C7に係る発明は、特開2000-135316号公報に記載の遊技機に対して、レンズは、光源からの光を導き易くする導光部を備えている点で相違している。これにより、斬新な発光態様を見せるという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
【符号の説明】
【0257】
PY1…パチンコ遊技機
10a…一般入賞口センサ
10R…連通口
14U…大入賞装置ユニット
14D…大入賞装置
14k…AT開閉部材
14w…後壁部
14s1,14s2…シール
14z,14y,341,361,371…レンズカット
14H…ホルダー
300…ロゴユニット
301…本体部
302…窪み部
320…ロゴ用LED基板
321…ロゴ用LED
340…インナーレンズ
350…シート
360…アウターレンズ
370…部分レンズ
410…左側LED基板
411…左側LED
420U,420M,420D…カバーレンズ
420Ub,420Mb,420Db…外側面
420Uc,420Mc,420Dc…内側面
421…外側突起
422…内側突起